説明

測位部の起動を制御する測位起動制御方法、移動端末及びプログラム

【課題】様々な移動状態にあっても、できる限り測位部の起動回数を低減させることによって、バッテリの消費電力を低減させる測位起動制御方法等を提供する。
【解決手段】フラグを「起動状態」に設定した後、加速度センサの加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、現在位置を測位するべく測位部を起動し、移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定する。フラグが「休止状態」である場合、以前の移動状態が「停止」であって、広域通信インタフェース部による基地局識別子に変更がある場合、フラグを「起動状態」に設定し、又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、広域通信インタフェース部による基地局識別子に変更がない場合、フラグを「起動状態」に設定する。これら処理を繰り返すように実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末に搭載されたGPS(Global Positioning System)のような測位部の起動を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やスマートフォンに代表される移動端末に対して、その現在位置に基づく様々なサービスが提供されている。移動端末が、現在位置を常に測位することによって、その移動端末を操作するユーザは、リアルタイムにサービスの提供を受けることができる。ここで、現在位置の測位機能としては、GPSが一般的である。しかしながら、移動端末に搭載されるGPS測位部は、そのバッテリの電力を比較的多く消費する。そのために、GPS測位部の起動回数をできる限り低減させることが、バッテリの消費電力の観点からも好ましい。
【0003】
従来、現在位置を測位する測位部に加えて、センサ(加速度センサ、角速度センサ、大気センサ等)情報を用いて、3次元的な移動経路を推定する技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、2次元的な移動経路の推定には、測位部を用いている。
【0004】
また、加速度センサ、ジャイロセンサ等の体動検出センサを用いて、GPS測位部の起動を判定する技術もある(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、センサから取得された体動信号に基づいて、ユーザの動作状態が変化したか否かを判定する。そして、変化したと判定した場合にのみ、GPS測位部の電源をオンにする。
【0005】
更に、移動端末のバッテリの消費電力を低減させるために、移動端末が「静止状態」にあると判定した場合、GPS測位部における測位間隔を長くする技術がある(例えば特許文献3参照)。この技術によれば、常に基地局から送信される制御信号を受信し、移動端末から見て、その基地局から受信する制御信号に変化がない場合に、「静止状態」と判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−48589号公報
【特許文献2】特開平11−132786号公報
【特許文献3】特開2006−153695号公報
【特許文献4】特開2010−286344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された技術によれば、GPS測位部は、2次元的な移動経路の推定に用いられているために、頻繁且つ定期的に起動する必要がある。従って、移動端末のバッテリの消費電力の低減を考慮したものではない。
【0008】
また、特許文献2に記載された技術によれば、「電動車搭乗」状態のように、体動検出センサがノイズを含みやすい移動状態の場合、この技術を適用することが難しい。
【0009】
更に、特許文献3に記載された技術によれば、「静止状態」のみしか、消費電力考慮しておらず、「歩行」「走行」「電動車搭乗」等のような様々な移動状態を考慮していない。結局、少しでも移動している場合には、GPS測位部は、頻繁且つ定期的に起動する必要がある。
【0010】
そこで、本発明は、「静止状態」のみならず様々な移動状態にあっても、できる限り測位部の起動回数を低減させることによって、バッテリの消費電力を低減させることができる測位起動制御方法、移動端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局と通信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末における測位起動制御方法であって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局と通信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末における測位起動制御方法であって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」「電動車搭乗」であって、加速度センサに基づく歩数反応がある場合、フラグを「起動状態」に設定することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局と通信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末における測位起動制御方法であって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、フラグを「起動状態」に設定することを特徴とする。
【0014】
本発明の測位起動制御方法における他の実施形態によれば、
移動端末は、歩数反応を検知する歩数計を更に搭載しており、
第3のステップについて、歩数反応を歩数計によって検知することも好ましい。
【0015】
本発明の測位起動制御方法における他の実施形態によれば、
測位部は、複数の測位間隔の設定を可能とし、
第1のステップについて、測位間隔を「短く」設定し、
第2のステップについて、推定された移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合に、測位間隔を「長く」設定すると共に、移動状態推定処理における移動状態の推定結果の信頼性が高いと判定された場合のみ、フラグを「休止状態」に設定する
ことも好ましい。
【0016】
本発明の測位起動制御方法における他の実施形態によれば、
移動状態が「停止」/「電動車搭乗」である場合、
測位部を「起動状態」から「休止状態」へ移行させ、
測位部以外の機能部によって移動を監視し、
移動が検知された場合、測位部を「休止状態」から「起動状態」へ移行させ、
移動状態が「その他」である場合、
測位部を「休止状態」から「起動状態」へ移行させる
ことも好ましい。
【0017】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末であって、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態を推定する移動状態推定手段と、
測位部の「起動状態」「休止状態」を制御する測位起動制御手段と
を有し、
測位起動制御手段は、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第1のステップから第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
移動状態推定手段から、推定された移動状態を取得し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末であって、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態を推定する移動状態推定手段と、
測位部の「起動状態」「休止状態」を制御する測位起動制御手段と
を有し、
測位起動制御手段は、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第1のステップから第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
移動状態推定手段から、推定された移動状態を取得し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」「電動車搭乗」であって、加速度センサに基づく歩数反応がある場合、フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末であって、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態を推定する移動状態推定手段と、
測位部の「起動状態」「休止状態」を制御する測位起動制御手段と
を有し、
測位起動制御手段は、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第1のステップから第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
移動状態推定手段から、推定された移動状態を取得し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末に搭載されたコンピュータを、測位部の起動を制御するように実行させるプログラムであって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、フラグを「起動状態」に設定する
ようにコンピュータを実行させることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末に搭載されたコンピュータを、測位部の起動を制御するように実行させるプログラムであって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」「電動車搭乗」であって、加速度センサに基づく歩数反応がある場合、フラグを「起動状態」に設定する
ようにコンピュータを実行させることを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末に搭載されたコンピュータを、測位部の起動を制御するように実行させるプログラムであって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、フラグを「起動状態」に設定する
ようにコンピュータを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の測位起動制御方法、移動端末及びプログラムによれば、「静止状態」のみならず様々な移動状態にあっても、できる限り測位部の起動回数を低減させることによって、バッテリの消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明における移動端末の機能構成図である。
【図2】本発明における移動端末の測位起動制御部の処理を表すフローチャートである。
【図3】図2について、起動状態における他の実施形態のフローチャートである。
【図4】加速度データからパワースペクトルを導出する説明図である。
【図5】パワースペクトルの第1の確率モデルを導出する説明図である。
【図6】信頼区間を考慮した第2の確率モデルを導出する説明図である。
【図7】信頼区間を導出する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明における移動端末の機能構成図である。
【0027】
携帯電話機やスマートフォンのような移動端末1は、ユーザによって所持され、ユーザと共に移動する。図1によれば、移動端末1は、現在位置を測位する測位部101と、広域通信インタフェース部102と、加速度センサ103とを搭載する。更に、歩数計104を搭載することも好ましい。
【0028】
測位部101は、GPS衛星2からの測位電波を受信することによって、現在位置の緯度経度情報を算出し出力する。
【0029】
広域通信インタフェース部102は、例えば携帯電話通信機能であって、基地局から送信される制御信号(基地局識別子を含む)を受信する。
【0030】
加速度センサ103は、加速度の測定のための慣性センサであって、一定時間あたりの速度(直流成分の加速度)の変化を検出することができる。3軸加速度センサは、一般的な携帯電話機に搭載されている。携帯電話を所持したユーザが、歩行時に体を振動させることによって、上下・左右運動の速度の変化が検出される。
【0031】
歩数計104も、歩数の測定のための慣性センサであって、歩行時における体の上下振動を検知する。検知方式としては、「振り子式」と「加速度センサ式」とに大きく分類される。「振り子式」は、本体内部に振り子を取り付けたバネが固定されており、歩行時の上下振動に応じてバネが伸縮し、そのバネに取り付けられている振り子が振動する。「加速度センサ式」の場合、前述した加速度センサ103を用いることができる。計測された加速度データと、予め記憶している歩行時の加速度データとを照合することによって、その振動が歩行中かそれ以外かを判定する。
【0032】
図1によれば、移動端末1は、更に、測位起動制御部111と、移動状態推定部112と、アプリケーション部113とを有する。これら機能構成部は、移動端末に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。アプリケーション部113は、測位部101から出力された現在位置情報によって、様々なサービスを、移動端末1を操作するユーザに提供する。
【0033】
<測位起動制御部111>
図2は、本発明における移動端末の測位起動制御部の処理を表すフローチャートである。
【0034】
(S200)内部変数として「フラグ」を有し、その値は、測位部に対する「起動状態」又は「休止状態」のいずれかを有する。初期値としては、「フラグ=起動状態」とする。
(S201)S204との間の処理を、常に繰り返す。
(S202)「フラグ=起動状態」である場合、S211〜S215を実行し、「フラグ=休止状態」である場合、S221〜S226を実行する。
【0035】
(S211)加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」/「電動車搭乗」/「その他」のいずれかの移動状態を推定する。時刻tにおける移動状態State(t)を保持すると共に、少なくとも1つ以前(過去)の移動状態State(t-1)も保持する。移動状態推定処理については、図4〜7を用いて具体的に後述する。
(S212)加速度センサからの加速度データによって、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれであるか推定する移動状態推定処理を実行する。「その他」である場合、「フラグ=起動状態」のまま、S215へ移行する。
(S213)移動状態が「停止」である場合、フラグを「休止状態」に設定する(State(t)<-休止状態)。そして、S215へ移行する。
(S214)移動状態が「電動車搭乗」である場合、フラグを「休止状態」に設定する(State(t)<-休止状態)。そして、S215へ移行する。
(S215)現在位置を測位するべく測位部を起動する。測位された現在位置は、アプリケーション処理部へ出力される。そして、S203へ移行する。
【0036】
(S221)直前の移動状態を、現在の移動状態とする(State(t)<-State(t-1))。
【0037】
(S222〜S226)ここでは、大きく3つ判定をすることができる。尚、図2によれば、第3の判定について記述されている。
(第1の判定)
以前の移動状態が「停止」であって、広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合(S223)、フラグを「起動状態」に設定し(S224)、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合(S225)、フラグを「起動状態」に設定する(S226)。そして、S203へ移行する。
(第2の判定)
以前の移動状態が「停止」「電動車搭乗」であって、加速度センサに基づく歩数反応がある場合(S223,S225)、フラグを「起動状態」に設定する(S224,S226)。そして、S203へ移行する。
(第3の判定)
以前の移動状態が「停止」であって、加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合(S223)、フラグを「起動状態」に設定し(S224)、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合(S225)、フラグを「起動状態」に設定する(S226)。そして、S203へ移行する。
【0038】
前述したS222〜S226について、以下のように作用する。
(1)移動状態が「停止」/「電動車搭乗」である場合、
測位部を「起動状態」から「休止状態」へ移行させ、
測位部以外の機能部(広域通信インタフェース又は歩行反応)によって移動を監視し、
移動が検知された場合、測位部を「休止状態」から「起動状態」へ移行させる。
これによって、できる限り測位部の起動回数を低減させ、移動端末におけるバッテリの消費電力を低減させる。
(2)移動状態が「その他」である場合、
測位部を「休止状態」から「起動状態」へ移行させる。
これによって、即座に測位部を起動させ、新たに現在位置を更新する。
【0039】
(S203)現在の移動状態を、次の繰り返し処理での直前の移動状態とする(State(t-1)<-State(t))を判定する。
(S204)そして、S201へ移行する。
【0040】
図3は、図2について、起動状態における他の実施形態のフローチャートである。
【0041】
(S200)初期値として、測位の時間間隔Intervalを「短」に設定する。Intervalは、少なくとも「長」「短」の2つ以上で設定する。「Interval=長」は、例えば15分程度とする。また、「Interval=短」は、例えば5分程度とする。
【0042】
(S211)加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」/「電動車搭乗」/「その他」のいずれかの移動状態を推定する。ここで、移動状態のみならず、その移動状態における信頼度の「高」「低」も導出する。信頼度については、図4を用いて具体的に後述する。
【0043】
(S212)移動状態の推定結果が「停止、信頼度:高」「停止、信頼度:低」「電動車搭乗、信頼度:高」「電動車搭乗、信頼度:低」「その他」のいずれであるかを判定する。
【0044】
(S2131)移動状態の推定結果が「停止、信頼度:高」と判定された場合、測位の時間間隔をInterval=「長」に設定する。
(S2132)そして、フラグを「休止状態」に設定し(State(t)<-休止状態)、S2151へ移行する。
(S2133)移動状態の推定結果が「停止、信頼度:低」と判定された場合、測位の時間間隔をInterval=「長」に設定し、S2151へ移行する。
【0045】
(S2141)移動状態の推定結果が「電動車、信頼度:高」と判定された場合、測位の時間間隔をInterval=「長」に設定する。
(S2142)そして、フラグを「休止状態」に設定し(State(t)<-休止状態)、S2151へ移行する。
(S2143)移動状態の推定結果が「電動車、信頼度:低」と判定された場合、測位の時間間隔をInterval=「長」に設定し、S2151へ移行する。
【0046】
(S2150)移動状態の推定結果が「その他」と判定された場合、測位の時間間隔をInterval=「短」に設定する。
【0047】
(S2151)前回測位からの経過時間が、現在の測位間隔より長いかどうかを判定する。短い場合、S203へ移行する。
(S215)前回測位からの経過時間が、現在の測位間隔Intervalより長い場合、現在位置を測位するべく測位部を起動する。測位された現在位置は、アプリケーション処理部へ出力される。そして、S203へ移行する。
このように、測位部を「起動/停止」にするだけでなく、測位の時間間隔を「長/短」に設定することによって、できる限り測位部の起動回数を低減させることができる。
【0048】
<移動状態推定部112>
移動状態推定部112は、加速度センサから出力される加速度データを用いて、n個(n≧2)の移動状態の中で、いずれの移動状態であるかを推定する。移動状態としては、例えば、「停止」「歩行中」「走行中」「自転車搭乗」「電車搭乗」「自動車搭乗」「バス搭乗」がある。本発明によれば、少なくとも「停止」「電動車搭乗」「その他」の移動状態を推定する。
「停止」
「電動車搭乗」=「電車搭乗」「自動車搭乗」「バス搭乗」
「その他」=「歩行中」「走行中」「自転車搭乗」
尚、移動状態推定処理については、既存技術である(例えば特許文献4参照)。
【0049】
[特徴量の算出]
図4は、加速度データからパワースペクトルを導出する説明図である。
【0050】
最初に、加速度センサから出力された時系列の加速度データを、複数のフレーム(単位区間)に分割する。そして、各フレームを更に細かい小区間(グループ)に分割する。各小区間に含まれる加速度データから、FFT(Fast Fourier Transform、高速フーリエ変換)によって、パワースペクトルを算出する。この技術によれば、移動状態を推定するために、加速度データのパワースペクトルの時系列変化を用いる。「フーリエ変換」によって、加速度データの中に、どの周波数成分がどれだけ含まれているかを抽出することができる。「N=小区間の数」とした場合の演算回数は、Nに比例するが、「高速フーリエ変換」を用いることによって、その演算回数は、N・logNに比例する。
【0051】
[教師データを用いたパワースペクトルの第1の確率モデルの構築]
図5は、パワースペクトルの第1の確率モデルを導出する説明図である。
【0052】
次に、正しい移動状態のラベルが付与された教師データ群を用意する。教師データ群は、正しい移動状態のパワースペクトル(特徴量)を含む。
【0053】
そして、移動状態を表す加速度センサの第1の確率モデルを構築する。この確率モデルは、全移動状態の教師データをクラスタリングすることによって構築される。クラスタリングには、X−Means法が用いられる。K−means法のクラスタリングによれば、予めクラスタ数Kを固定する必要がある。これに対し、X−Means法は、K−means法を拡張したものであって、データに応じて最適なクラスタ数を推定することができる。X−means法によれば、K=2で再帰的にK−means法を実行する。そして、クラスタの分割前と分割後とで、BIC(ベイズ情報量規準)又はAIC(赤池情報量規準)を比較し、値が改善しなくなるまで分割を続ける。
【0054】
ここで、本方式によれば、BIC等とは異なる指標として、クラスタ毎に、教師データの移動状態ラベルの分布の偏りを参照しながら、再分割を実行するか否かを判定し、適切なクラスタサイズ及びクラスタ数を算出する。クラスタリング終了後、クラスタ毎に、「平均パワースペクトル」及び「教師データのラベル分布」を算出し、第1の確率モデルとする。
【0055】
前述した第1の確率モデルでは、移動状態を高精度に推定するには、不十分であって、推定精度の劣化を招く。この要因は、各移動状態には、その移動状態特有のパワースペクトルが現れる信頼区間(フレーム)と、他の移動状態の区間とを、区別することが困難な不信頼区間が存在することにある。
【0056】
そこで、区間の信頼性を評価し、信頼性の高い区間(以下「キーフレーム」という)のみの推定結果を用いることによって、推定精度を向上させる。この信頼度は、前述した確率表にて表現できる。
【0057】
[教師データを用いた信頼性の第2の確率モデルの構築]
図6は、信頼区間を考慮した第2の確率モデルを導出する説明図である。
【0058】
図6によれば、各小区間に対応するパワースペクトルと最近傍クラスタとを探索し、その確率表を、その小区間の移動状態確率とする。これをフレーム内の全ての小区間について実行し、移動状態確率の平均値(以下「平均確率表」という)を算出する。
【0059】
例えば、図6の平均確率表を参照すると、「走行:50%」「歩行:40%」となっており、「走行中」「歩行中」の区別が困難に見える。しかしながら、もし、この平均確率表は、「走行中」状態では現れるが、「歩行中」状態時では現れないような特性がある場合、この平均確率表は、信頼性の高い「走行中」状態であると言える。尚、「走行中」状態で、歩行に近い動作が混じることが多いが、「歩行中」状態で、走行に近い動作が混じることは少ないと仮定している。
【0060】
そこで、前述の教師データと、パワースペクトルの第1の確率モデルを用いて、信頼性の第2の確率モデルを構築する。第1の確率モデルを用いて、フレームの平均確率表を算出する。これを、全てのフレーム及び全ての移動状態について実行する。このようにして算出した平均確率表及び移動状態ラベルの集合を母集団とし、平均確率表をクラスタリングする。これによって、信頼性の第2の確率モデルを構築する。このクラスタリングについても、クラスタ毎に、教師データの移動状態ラベルの分布の偏りを参照しながら、再分割を実行するか否かを判定し、適切なクラスタサイズ及びクラスタ数を算出する。
【0061】
クラスタリング終了後、各クラスタについて、平均確率表を算出し、その中の最大確率を持つ移動状態Aを導出する。また、教師データの移動状態ラベルから、最頻出する移動状態Bを導出する。そして、両方の移動状態を比較する。
A=Bであるクラスタ(平均確率表)=信頼性の高いクラスタ
A≠Bであるクラスタ(平均確率表)=信頼性の低いクラスタ
このようにして、各クラスタに「信頼性フラグ」を付与し、信頼性の確率モデルを構築する。
【0062】
[移動状態の推定]
移動状態の推定は、前述した第1の確率モデル及び第2の確率モデルを用いて、移動状態を推定する。図4と同様に、計測された加速度データをフレーム及び小区間に区分し、小区間毎のパワースペクトルを算出する。各パワースペクトルについて、パワースペクトルの第1の確率モデルを参照し、最近傍クラスタを探索する。最近傍クラスタが持つ確率表を、その小区間の移動状態確率とし、フレームに属する全小区間の移動状態確率の平均値(平均確率表)を求める。
【0063】
図7は、信頼区間を導出する説明図である。
【0064】
次に、信頼性の第2の確率モデルを参照し、算出した平均確率表と、最近傍の平均確率表を持つクラスタを探索する。そのクラスタの「信頼性フラグ」を参照し、信頼性を判定する。そして、信頼区間のみを参照し、それが同じ移動状態であった場合は、その両フレームで挟まれる区間は、その移動状態の信頼区間(キーフレーム)とする。
【0065】
以上、詳細に説明したように、本発明の測位起動制御方法、移動端末及びプログラムによれば、「静止状態」のみならず様々な移動状態にあっても、できる限り測位部の起動回数を低減させることによって、バッテリの消費電力を低減させることができる。
【0066】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0067】
1 移動端末
101 測位部
102 広域通信インタフェース部
103 加速度センサ
104 歩数計
111 測位起動制御部
112 移動状態推定部
113 アプリケーション部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局と通信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末における測位起動制御方法であって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする測位起動制御方法。
【請求項2】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局と通信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末における測位起動制御方法であって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」「電動車搭乗」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする測位起動制御方法。
【請求項3】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局と通信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末における測位起動制御方法であって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする測位起動制御方法。
【請求項4】
前記移動端末は、歩数反応を検知する歩数計を更に搭載しており、
第3のステップについて、歩数反応を前記歩数計によって検知することを特徴とする請求項2又は3に記載の測位起動制御方法。
【請求項5】
前記測位部は、複数の測位間隔の設定を可能とし、
第1のステップについて、測位間隔を「短く」設定し、
第2のステップについて、推定された前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合に、測位間隔を「長く」設定すると共に、前記移動状態推定処理における移動状態の推定結果の信頼性が高いと判定された場合のみ、フラグを「休止状態」に設定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の測位起動制御方法。
【請求項6】
前記移動状態が「停止」/「電動車搭乗」である場合、
前記測位部を「起動状態」から「休止状態」へ移行させ、
前記測位部以外の機能部によって移動を監視し、
移動が検知された場合、前記測位部を「休止状態」から「起動状態」へ移行させ、
前記移動状態が「その他」である場合、
前記測位部を「休止状態」から「起動状態」へ移行させる
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の測位起動制御方法。
【請求項7】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末であって、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態を推定する移動状態推定手段と、
前記測位部の「起動状態」「休止状態」を制御する測位起動制御手段と
を有し、
前記測位起動制御手段は、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第1のステップから第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記移動状態推定手段から、推定された移動状態を取得し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする移動端末。
【請求項8】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末であって、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態を推定する移動状態推定手段と、
前記測位部の「起動状態」「休止状態」を制御する測位起動制御手段と
を有し、
前記測位起動制御手段は、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第1のステップから第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記移動状態推定手段から、推定された移動状態を取得し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」「電動車搭乗」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする移動端末。
【請求項9】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末であって、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態を推定する移動状態推定手段と、
前記測位部の「起動状態」「休止状態」を制御する測位起動制御手段と
を有し、
前記測位起動制御手段は、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第1のステップから第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記移動状態推定手段から、推定された移動状態を取得し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ことを特徴とする移動端末。
【請求項10】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末に搭載されたコンピュータを、前記測位部の起動を制御するように実行させるプログラムであって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ようにコンピュータを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末に搭載されたコンピュータを、前記測位部の起動を制御するように実行させるプログラムであって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」「電動車搭乗」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ようにコンピュータを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
測位電波を受信することによって現在位置を測位する測位部と、加速度センサと、広域無線通信網の基地局から基地局識別子を受信する広域通信インタフェース部とを有する移動端末に搭載されたコンピュータを、前記測位部の起動を制御するように実行させるプログラムであって、
フラグを「起動状態」に設定する第1のステップと、
前記フラグが「起動状態」である場合、第2のステップを実行し、
前記フラグが「休止状態」である場合、第3のステップを実行し、
第2のステップ及び第3のステップを繰り返すように実行されるものであり、
第2のステップは、
前記加速度センサから出力される加速度データに基づいて、「停止」「電動車搭乗」「その他」のいずれかの移動状態であるかを推定する移動状態推定処理を実行し、
前記移動状態が「停止」「電動車搭乗」である場合、前記フラグを「休止状態」に設定し、
現在位置を測位するべく前記測位部を起動するものであり、
第3のステップは、
以前の移動状態が「停止」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がある場合、前記フラグを「起動状態」に設定し、
又は、以前の移動状態が「電動車搭乗」であって、前記加速度センサに基づく歩数反応があるか、若しくは前記広域通信インタフェース部によって取得された基地局識別子に変更がない場合、前記フラグを「起動状態」に設定する
ようにコンピュータを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−154760(P2012−154760A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13592(P2011−13592)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】