説明

溶融樹脂で厚さを貫通する浸潤を行うための方法及び装置

浸潤成形方法における溶融樹脂又はピッチの急速移送のための成形装置。この装置は例えば樹脂又はピッチを溶融し運搬するための押出し器(4)と、樹脂又はピッチがモールド内のモールドインサート空洞(19)内に運搬されるように配置されるモールド(10)とを有する。モールドインサートはモールドインサート空洞の1側(ID)からモールドインサート空洞の反対側(OD)に向かう樹脂又はピッチの圧力勾配及び流れを生じさせるための外径リング(20)のような内部突出部を有する。モールドインサートはまた多孔性物体を通る溶融樹脂又はピッチの1方向流れをもたらすような位置においてモールドインサート空洞内で多孔性物体(1、18)を位置決めするための位置決めリング(25)のような内部突出部を有する。また、急速樹脂又はピッチ浸潤成形方法は、モールド内の圧力勾配を介して加熱されたプリフォームの1方向含浸を行うために高融点で高粘度の溶融樹脂又はピッチをモールド内へ射出する工程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂トランスファー成形技術を使用して、炭素/炭素複合体及び多孔性プリフォーム(preform;予成形品)を含む高温度材料を、高粘度の樹脂又はピッチ(pitch;松脂状物質)で急速に高密度化する方法、及びこの方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の制動のようなきつい摩擦の用途に適する部品を作るため、炭素/炭素複合体のような高温度材料、炭素及びセラミック繊維で補強されたプリフォーム、並びに、炭素及びセラミックフォームが、樹脂若しくはピッチを用いる化学蒸着/化学蒸気浸潤(CVD/CVI、Chemical Vapor Deposition / Chemical Vapor Infiltration)及び(又は)液体浸潤により高密度化される。高密度化は、プリフォーム内の樹脂又はピッチを炭素に変換することにより達成される。
【0003】
樹脂及びピッチでの多孔性物体の含浸(impregnation)は、典型的には真空/圧力浸潤(VPI)を含む。VPI方法においては、ある体積の樹脂又はピッチが1つの容器内で溶融され、一方、多孔性プリフォームは真空下で第2の容器内に収容される。溶融樹脂又はピッチは、真空と圧力との組み合わせを使用して、第2の容器内に収容された多孔性プリフォーム内へ移送される。VPI工程は低粘度及び関連する低炭素産出を有する樹脂の使用に制限され、そのため、所望の最終密度を達成するために数回の含浸サイクルを普通必要とする。
【0004】
ピッチの炭素産出(carbon yielding)は高圧力含浸/炭素化方法により向上させることができる。しかし、高圧容器は極めて内包的で限られた寸法を有し、そのため、単一の容器内で高密度化できるプリフォームの数を制限してしまう。使用される極めて高い圧力はまた爆発の危険性を増大させる。代わりとして、高炭素産出(>80%)を有する液体樹脂を使用することができる。典型的な高チャー降伏樹脂は合成中間相ピッチ(例えば、三菱ガス化学株式会社からのAR中間相ピッチ、触媒的に重合されたナフサレン)及び熱的又は化学的に処理されたコールタール及び石油から誘導されたピッチを含む。しかし、これらの材料の高粘度及び関連する高処理温度は問題を含む。
【0005】
樹脂トランスファー成形(RTM)技術は多孔性プリフォームの高密度化の手段として航空宇宙、自動車及び軍事産業において幅広く使用されている。RTMはしばしばポリマーを基礎とする複合体の生産に使用される。繊維性プリフォーム又はマットが所望の部品形状に適合するモールド内に配置される。典型的には、比較的低粘度の熱硬化性樹脂が、モールド内に収容された多孔性の物体内へ、圧力を使用して低温(100−300°F、38−149℃)で射出されるか又は真空下で誘導される。樹脂はモールド内で硬化され、次いで、部品がモールドから取り出される。
【0006】
米国特許第4,986,943号明細書は炭素/炭素複合体からのピッチを基礎とするマトリックスを酸化、安定させる方法を開示している。この方法においては、炭素繊維の格子がピッチを基礎とするマトリックス前駆物質で浸潤され、ピッチの軟化点よりも低い温度で酸素含有雰囲気内において酸化され、マトリックス材料をコークスに変換するために炭素化される。
【特許文献1】米国特許第4,986,943号明細書
【0007】
米国特許第5,248,467号明細書はVPI方法に使用する装置を教示している。繊維及び(又は)インサートを収容するモールド空洞は真空下に置かれ、次いで、成形材料が真空下で空洞内に射出される。この特許明細書は、通気穴の方へ空気を変位させる見地から、変位が存在せず、マトリックス材料の流れ特性を考慮する必要がないので、マトリックス成形材料がモールド上の任意の位置から射出できることを教示している。
【特許文献2】米国特許第5,248,467号明細書
【0008】
米国特許第5,306,448号明細書はリザーバを利用する樹脂トランスファー(transfer;移送、圧送)成形方法を開示している。リザーバは樹脂内のスポンジの重量の2ないし10倍を含む圧力降伏多孔性スポンジを有する。樹脂リザーバは、多孔性の繊維で補強された複合体のような多孔性のプリフォームの所望の含浸を保証することができる樹脂リザーバを提供することにより、樹脂トランスファー成形を容易にする。
【特許文献3】米国特許第5,306,448号明細書
【0009】
米国特許第5,770,127号明細書は炭素又は黒鉛で補強された複合体を作る方法を記載している。剛直な炭素フォームプリフォームはシールされた可撓性のバッグ内に置かれる。バッグ内に真空を生じさせる。マトリックス樹脂は入口弁を通してバッグ内に導入され、プリフォームを含浸する。次いで、プリフォームは熱により硬化される。次に、出来上がった炭素又は黒鉛構造体はバッグから取り出される。
【特許文献4】米国特許第5,770,127号明細書
【0010】
典型的な樹脂押出し方法においては、粘性の溶融物が連続ストリームとして圧力下でシェーピングダイスを通して押し出される。素材は溶融状態で押出し装置内へ入ることができるが、しばしば、素材は押出し器内で溶融、混合及び加圧を受ける固形粒子を含む。固形の供給材料はペレット、粉末、ビード、フレーク又は粉砕材料の形をとることがある。成分は1又はそれ以上の送りポートを通して予め混合できるか又は別個に送給することができる。多くの押出し器は、一端(送り端部)に装着された入口ポートと排出端部(定量供給端部)に装着されたシェーピングダイスとを備えた水平な円筒状のバレル内で回転する単一のスクリューを組み込んでいる。二重スクリュー押出し器は困難な配合応用のために及び高粘度を有する材料を押し出すために幅広く使用される。二重スクリューデザインは反対方向回転又は同一方向回転を行うことができ、スクリューは相互噛合するか又は相互噛合しない。一連のヒータをバレルの長さに沿って位置させることができる。RTM方法においては、定量供給端部のシェーピングダイスは多孔性の物体又はプリフォームを収容するモールドと交換される。
【0011】
米国特許出願第09/653,880号(米国特許第6,537,470号)明細書は頂部及び底部から同時に多孔性のプリフォーム(例えば、平坦な環状のブレーキディスクプリフォーム)を樹脂浸潤できる工具を記載している。この工具及び溶融流れパターンは多くの繊維構造物に対して十分に作用する。しかし、低粘度の不織布を基礎とするプリフォームはしばしば、本発明の「厚さ貫通」浸潤を使用して、良好に浸潤される。
【特許文献5】米国特許出願第09/653,880号 (米国特許第6,537,470号明細書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、ある場合においては、頂部及び底部の双方から同時に厚い多孔性ディスクを浸潤すると、プリフォームを損傷させる危険性を生じさせる。その理由は、2つの溶融ストリームが樹脂充填工程中にウエブの内部で遭遇した場合、対向力が生じるからである。この力は、樹脂溶融ストリーム及びプリフォームの孔内に溜まったガスをプリフォームの繊維マトリックスの内径(ID)及び外径(OD)位置の方へ駆動するときに、楔効果を開始させる。ある繊維構造物即ち低密度不織物では、平面内でのこの流れは問題を含み、樹脂で溶融浸潤されているプリフォーム内において種々の溶融物射出圧力で積層体剥離、ひび割れ等を生じさせる。特に、CVDの最初のサイクル後に低密度(<1.1g/cc)を有する不織プリフォーム前駆物質、特に大きな直径(>16インチ)のプリフォームは、上記米国特許出願第09/653,880号明細書(特許文献5)に記載された装置を使用してのRTM処理中に積層体剥離を生じることがある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は樹脂又はピッチ浸潤成形方法を提供し、この方法は、プリフォーム内へ浸潤させるべき樹脂又はピッチの融点以上の温度に加熱されるモールド(mold;成形型)内へ、加熱されたプリフォームを提供する工程と;モールド内の段部又は突出部により提供されるモールド内の圧力勾配を介してプリフォームの1方向含浸を行うように、高融点で高粘度の溶融樹脂又はピッチをモールド内に射出する工程と;樹脂又はピッチで浸潤されたプリフォームが樹脂又はピッチの融点以下に冷却するのを許容する工程と;含浸されたプリフォームをモールドから取り出す工程と;を含む。プリフォームは溶融射出工程前にモールド内で加熱することができるが、モールドがモールド内への配置前に予め加熱される場合は、処理が速まる。以下に述べるが、樹脂又はピッチの射出中に真空及び(又は)通気をモールドに提供することができる。
【0014】
本発明によれば、プリフォームは織った繊維プリフォーム、炭素繊維プリフォーム、不織繊維プリフォーム、結合剤を含む無秩序繊維プリフォーム、剛直化したプリフォーム、フォームプリフォーム又は多孔性炭素体プリフォームとすることができ、樹脂又はピッチはコールタール、石油又は合成ピッチ前駆物質から誘導されたピッチでとすることができるか、又は、中間相ピッチとすることができるか、又は、高チャー降伏熱硬化性樹脂とすることができる。
【0015】
本発明のRTM工程が完了した後、含浸されたプリフォームは一般に炭素化される。含浸されたプリフォームは、酸化された含浸されたプリフォームの炭化前に、酸素の存在下で加熱することにより、安定させることができる。
【0016】
本発明はまた浸潤成形方法において溶融樹脂又はピッチを急速に移送するための成形装置を提供する。本発明の装置は:樹脂又はピッチを溶融し、運搬する手段(例えば、単一スクリュー押出し器又は随意に通気された二重スクリュー押出し器)と;ピッチが溶融及び運搬手段からモールド内のモールドインサート空洞へ運搬されるように配置されたモールドとを有する。本発明の装置においては、モールドはモールドインサート空洞の1側からモールドインサート空洞の反対側の方への樹脂又はピッチの圧力勾配及び流れを生じさせるための突出手段、例えばモールドインサート空洞内の多孔性物体の外径の主要な上方部分に当接する環状の外径構造体を有する。本発明の装置はまた多孔性物体を通しての溶融樹脂又はピッチの1方向流れを生じさせるような位置においてモールドインサート空洞内で多孔性物体を位置決めするための位置決め手段を有する。装置は、通常、モールド内への樹脂又はピッチの射出中にモールドを拘束するようにモールドに位置する手段を有する。
【0017】
本発明の装置においては、突出手段はモールドインサート空洞内に位置する多孔性物体のまわりでその厚さに沿ってモールドインサート空洞の頂部から、多孔性物体の外側環状縁部に沿ってのガスの逃避を許容するのにちょうど十分な幅のギャップを残すようなモールドインサート空洞内の位置へ、下方に延びる外径リングとすることができる。
【0018】
本発明の装置は、溶融樹脂又はピッチの1方向流れがモールドインサート空洞の内側領域例えば内側領域の頂部部分から多孔性物体を通ってモールドインサート空洞の外側領域に向かうように、形状づけられる。
【0019】
本発明の成形装置においては、モールドは:頂部部分と;頂部部分及び底部部分がモールド空洞を形成するように頂部部分に対向する底部部分と;モールドの頂部部分又は底部部分内に位置する少なくとも1つのゲートと;樹脂又はピッチをゲート内へ導入するための弁と;通気を行い及び(又は)モールドに真空を提供するための構造体と;を有する。本発明の成形装置はまた溶融及び運搬手段とモールドとの間に位置する液圧式に作動するピストンアキュムレータを有することができる。
【0020】
従って、本発明は、急速樹脂又はピッチトランスファー成形装置を提供し、この装置は:押出し器と;押出し器からモールド内へ樹脂又はピッチを押し出すことができるように配置されたモールドと;樹脂又はピッチの射出中にモールドを拘束するためのプレスと;押出し器及びモールドのための熱交換器とを有する。このモールドは:頂部部分と;頂部部分及び底部部分がモールド空洞を形成するように頂部部分に対向する底部部分と;モールドの底部部分に位置するゲートと;樹脂又はピッチをゲート内へ導入するための弁と;モールドを通気するための構造体と;モールド空洞の内側領域からその外側領域に向かう樹脂又はピッチの圧力勾配及び1方向流れを生じさせるための突出手段、例えば少なくとも1つの通気ポートを有し、モールド空洞の外側領域に位置した半径方向に延びる突起と;を有する。
【0021】
本発明の成形装置においては、ゲートはモールドの底部部分の中心に位置することができ、ノズルを有することができ、モールドの頂部部分及び底部部分は厚さ約0.127−1.02mm(約0.005−0.040インチ)のシムストック(shim stock;挟み要素)により分離することができ及び(又は)突出手段は約6.35−12.7mm(約0.25−0.5インチ)だけモールド空洞内へ延びることができる。
【0022】
本発明により提供される厚さ貫通工具は、モールド内のID底部及びOD頂部及び底部位置での締まった通気部(突出部又は段部)を通して及びモールド通気部を通して、モールド空洞内に存在するガス(モールド空洞内のプリフォーム内に存在するガスを含む)が押し出されるのを許容するように、設計される。このデザインにより、プリフォームに作用する実質上すべての圧力はプリフォーム自体により発生する流れ抵抗のみから来る。すなわち、プリフォームは表面抵抗圧力のみを受ける。対抗する流体圧力は適用されない。本発明の工具のデザインはまた、プリフォームの繊維マトリックス内に生じるチャンネルにより、プリフォームの面を通る材料の僅かな流れを許容する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下の詳細な説明から及び添付図面から、本発明を一層十分に理解できよう。図面は例示の目的のみで提供され、従って、本発明を限定しない。図面は実寸ではない。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係る押出し樹脂成形装置を示す図である。
【0025】
図2は、プリフォームのまわりの及びそこを通る樹脂の流れを概略的に示す、本発明の実施の形態に係るモールドの断面図である。
【0026】
図3は、本発明の実施の形態に係るモールドの下半分のための通気形状を示す上面図である。
【0027】
図4は、本発明の実施の形態に係るモールドの下半分のための排出ピン形状を示す上面図である。
【0028】
図5A及び図5Bは本発明に従って作動できる繊維プリフォームの上面(5A)図及び側面(5B)図である。
【0029】
本発明は、高粘度で高チャー降伏の樹脂を使用して、多孔性の繊維プリフォーム及び剛直な多孔性物体を急速に浸潤及び高密度化する方法を提供する。本発明はまた高粘度樹脂射出媒体を均一に溶融し、混合する押出し器(単一スクリュー又は二重スクリュー)又は同様の装置を提供する。本発明はまた、モールド内への加圧下の樹脂の射出前に制御された体積の溶融樹脂を保持するためにアキュムレータを備えることのできる押出し装置を提供する。
【0030】
本発明はプリフォーム全体を通じて均一に樹脂を有効に分布させるモールドを提供する。本発明によれば、モールドは頂部部分及び底部部分を有するように形状づけることができる。モールドの底部部分はその面の中心に位置する、ノズルを備えたゲートを有することができる。モールドはモールド全体にわたって十分な溶融樹脂の流れを促進するために先細りの空洞を有することができる。従って、本発明に係る装置は、頂半部分と、モールドの頂半部分及び底半部分がモールド空洞を形成するように頂半部分に対向する底半部分と、モールドの頂半部分又は底半部分に位置する少なくとも1つのゲートと、ゲート内へ樹脂を導入できる弁と、モールドに通気及び(又は)真空を提供するための構造体とを有することができる。
【0031】
本発明は樹脂トランスファー成形方法を提供し、この方法は:多孔性のプリフォームをモールド内に配置する工程と;溶融樹脂又はピッチをモールド内へ射出する工程と;樹脂又はピッチがその融点以下に冷却するのを許容する工程と;含浸されたプリフォームをモールドから取り出す工程とを有する。多数の部品(プリフォーム)を単一のモールド内に装填することができる。プリフォーム(単数又は複数)はモールド内に配置される前又は後に約290−425℃(554−797°F)間の温度に加熱することができる。モールドは約138−310℃(280−590°F)の間の温度に加熱することができる。
【0032】
高密度化された部品は、高密度化に続き、熱可塑性樹脂を有効に橋かけ結合するために酸素含有環境内で上昇した温度に加熱することができる。この工程はプリフォーム内でマトリックスを適所に固定し、およそ樹脂溶融温度への引き続きの加熱中にマトリックスの軟化、膨張及び(又は)飛散を阻止する。酸素安定化は、高密度化された部品を酸素の存在の下で樹脂の軟化点よりも小さな温度例えば約170℃(338°F)に加熱することを必要とすることがある。高密度化された部品の付加的な処理はRTM又はCVD/CVIを用いた炭素化、黒鉛化及び再含浸を含むことができる。
【0033】
本発明により予期される樹脂は例えばフェノール樹脂、フルフリル樹脂、及び、コールタール及び石油から誘導されるピッチのような熱可塑性及び熱硬化性の液体前駆物質を含む。また、予期されるものは、熱処理され触媒変換された合成ピッチ、中間相ピッチ及びコモドア・テクノロジーズ社(Commodore Technologies, Inc.) から入手できるCERASETのような、プレセラミックポリマーである。高チャー降伏熱硬化性樹脂が特に好ましい。
【0034】
当業者なら容易に明らかなように、発泡剤(例えば窒素ガス)、粘土、ケイ酸塩、炭素粉末又は繊維、酸化防止剤及び(又は)橋かけ結合剤のような添加物を樹脂又はピッチに加えることができる。
【0035】
本発明により予期されるプリフォームは織った繊維プリフォーム、炭素繊維プリフォーム、不織繊維プリフォーム、結合剤で処理した無秩序繊維プリフォーム、剛直化したプリフォーム、フォームプリフォーム及び多孔性炭素体プリフォームを含む。不織プリフォームの生産においては、伝統的な織物処理技術を使用して布のセグメントを一緒にニードルパンチ加工するのが普通である。プリフォームは炭化又は黒鉛化できる。プリフォームはCVD/CVIを使用して浸潤される。航空機のブレーキ応用のための不織プリフォームを高密度化するために使用される伝統的な方法はCVDである。プリフォームは先に樹脂浸潤できる。プリフォームは好ましくはRTM処理の前に樹脂又はピッチの融点以上の温度に加熱される。RTM処理は例えばニードルパンチ加工により形成された任意の大きさの孔を含むすべての利用できる開いた孔を炭素前駆動物質樹脂で完全に満たす。RTM処理に続き、プリフォーム内の樹脂は後に述べるように炭化される。
【0036】
本発明は航空機の着陸装置のブレーキ素子の製造において特に価値がある。図5A及び5Bはジェット機のためのブレーキディスクとして形状づけられた(実寸ではない)プリフォーム1を示す。プリフォーム1は16.81cm(6.620'')の内径、36.11cm(14.215'')の外径及び2.34cm(0.920'')の厚さを有する。
装置
【0037】
図1は本発明の樹脂トランスファー成形装置を示す。AR中間相ピッチ樹脂のような生の材料(三菱ガス化学株式会社から入手できる)が押出し器4に取り付けたホッパ3内に装填される。押出し器は、例えば、単一スクリュー押出し器、二重スクリュー押出し器、通気型二重スクリュー押出し器又は往復スクリュー押出し器とすることができる。押出し器スクリュー5は単一スクリュー又は二重スクリューとすることができるが、経済的な理由から、単一スクリュー押出し器が好ましい。送りのど部70はホッパ3から樹脂を受け取り、押出し器スクリューへこれを供給し、バレル6の長さにわたって下流に搬送されるときに樹脂を漸進的に加熱する。当業者なら認識できるように、マードックミキサー(maddock)及び(又は)静的(static)ミキサー(図示せず)のような混合向上素子をバレル6の樹脂送給端部73の近傍においてスクリュー内に配置することができる。マードックミキサーは、機械的な仕事を樹脂に付加し、樹脂の流れパターンを破壊し、せん断力を材料に適用することによって単一スクリュー押出し器内の任意の添加剤の混合を改善することにより、一層均一な溶融物を保証する補助を行う。静的ミキサーはバレルの中心からバレルの壁へ溶融樹脂(及び任意の他の添加剤)を運びそして再度戻すための流れチャンネルとして作用する、一緒に溶接されたステンレス鋼の棒のような静的混合素子を有することができる。従って、押出し器スクリューの端部におけるマードックミキサー及び静的ミキサー素子は、樹脂溶融物の混合を改善し、温度変化を減少させることにより、単一スクリュー押出し器の使用を向上させることができる。
【0038】
混合後、樹脂はバレル6の樹脂送給端部73からアキュムレータ8内へ搬送される。アキュムレータは、例えば、液圧作動するピストンアキュムレータのようなピストンアキュムレータとすることができる。押出し器により生じた樹脂溶融物圧力はアキュムレータ8の内部のピストン7を所望の位置へ戻すように押圧する。本発明はまた、アキュムレータ8及びピストン7(形状は図示しない)を利用することなく、溶融物の直接の射出により実施することができる。
【0039】
アキュムレータを使用する場合、所望の体積の樹脂が蓄積された後、アキュムレータピストン7は前方に移動し、移送パイプ9を通して制御された体積の樹脂をモールド空洞内へ押し出す。樹脂の流れ及び逆流をそれぞれ制御するために移送パイプに関連して弁構成(図示せず)を設ける。浸潤すべき部品はモールド10内に収容される。本発明の目的のため、モールドは収容容器として定義し、この中に多孔性物体又はプリフォームが収容され、また、この中で樹脂の浸潤が生じる。本発明は交換可能で、浸潤されるプリフォームに対応するように形状づけられたモールドインサートを利用する。
【0040】
モールド温度は熱交換器を備えたオイル循環器を使用することにより又は電気ヒータと等圧線との組み合わせにより制御される。押出し器温度は一連の水冷鋳造アルミニウムヒータ(11)及び一連の温度コントローラ(図示せず)により維持される。
【0041】
浸潤すべき部品は樹脂の溶融温度又はその近傍の温度に予め加熱される。予めの加熱の操作はモールド空洞内で実行することができるが、サイクル時間を最適化するためには、この操作は好ましくはオーブン内で実行される。
【0042】
モールドはプレス12内に収容されるか又は位置決めされる。プレス12は液圧プレスとすることができる。垂直に作用するプレスを図1に示すが、水平に作用するプレスも使用することができる。また、モールドをプレス内に完全に配置する必要は必ずしもない。使用する部品の寸法に依存するプレス12(500トンプレスが典型的である)のクランプ力はモールド空洞内へ押し出されている樹脂の圧力に対抗する。モールド10はまた加熱される。樹脂が融点以下に冷却するまで、浸潤された部品はモールド10内に留まり、次いで、部品が取り出される。
【0043】
一層経済的ではないが、本発明に従う処理操作の随意の方法は浸潤の前及び(又は)浸潤中にモールドを空にする工程を含む。このオプションは、モールドシールが妥当に十分で、真空を保持することを必要とする。しかし、真空の使用は付加的な複雑さ及びコストを招く。
【0044】
2000年9月1日に出願された「樹脂トランスファー成形方法を使用して高粘度樹脂又はピッチによる多孔性物体(プリフォーム)の急速高密度化」という名称の上記米国特許出願第09/653,880号明細書(米国特許第6,537,470号明細書)は方法及び装置を記載しており、ここに記載されたものは改善を構成する。この米国特許は、ここに参照として表現的に組み込む。
モールドインサート
【0045】
本発明の溶融浸潤は種々の方向において遂行することができる。(図2に示すような)内側頂部から外側底部に加えて、これはまた、内側底部から外側頂部に向けて又はプリフォームの内側から外側に向けてさえ遂行できるが、このアプローチは一層複雑な樹脂送給装置を必要とする。本出願において提示された情報に基づき、当業者なら、本発明の原理を使用する別の溶融浸潤経路を容易に想定できよう。
【0046】
図2は本発明の実施の形態に係るモールドの断面を示す。環状のリングプリフォーム18が環状のモールド室19内に配置される。環状のモールド室19は頂部のモールドインサート14及び底部のモールドインサート15により制御されて、ゲート13を通して下方から中央供給される。底部のモールドインサート15は遮断ロッド17を備えたノズル16を具備する。環状のモールド室19はID位置決めリング25を具備し、このリングは溶融浸潤中に環状のリングプリフォーム18を適所に保持する役目を果たす。環状のモールド室19はまたODリング20及び通気部22を具備する。環状のモールド室19内でのODリング20の存在がゲート13を通って入る溶融樹脂の流れに対して抵抗を生じさせ、そのため、高粘度の樹脂は環状のリングプリフォーム18を通って通気部22へ至り、プリフォームを浸潤する。通気部22は溜まった空気、揮発性ガス及び過剰な樹脂を除去する。この方法は真空アシストとすることができるが、本発明の方法は、真空の適用無しに優れた結果が得られるほど有効である。
【0047】
図3は本発明の実施の形態に係るモールドインサートの下半分の上面図を示す。中央のモールドインサート空洞35は溶融樹脂又はピッチの射出のためのゲート36を有する。通気リング37は8個の内部通気ポート33を具備する。誘起される真空無しに、この方法が行われたとき、内部通気ポート33はモールド表面を通ってガスが逃避するのを許容する。他のガス及び過剰な樹脂は通気部22[図2に示す]を通って逃避する。方法が真空状態の下で行われる場合は、通気
ポート33は通気ポート40のような外部の通気ポートに通じることができる。
【0048】
図4は本発明の実施の形態に係るモールドインサートの下半分の上面図を示す。中央のモールドインサート空洞35は溶融樹脂又はピッチの射出のためのゲート36を有する。通気リング37は8個の内部通気ポート33を具備する。図4はまた内部の排出ピン39及び外部の排出ピン38を示す。排出ピン38、39はモールドからの浸潤されたプリフォームの排出を容易にする。
【0049】
モールド空洞は高密度化されたプリフォームの取り出しを容易にするために離型剤で処理することができる。典型的な離型剤はヒューロン・テクノロジーズ社(Huron Technologies, Inc.) から入手できるリリース・コーティング854である。

【0050】
200時間のCVD高密度化を前以て受けた多孔性の不織繊維プリフォーム上でAR中間相ピッチの浸潤を遂行した。このプリフォームは約168.15mm(6.620インチ)の内径、約361.06mm(14.215インチ)の外径及び約23.37mm(0.920インチ)の厚さを有する平坦な環状のリングとした。図1で述べた形式の射出成形装置を使用し、この場合、液圧プレスは500トンのクランプ能力を有していた。アキュムレータは約6833cc(約420立方インチ)の樹脂容積を有した。ARピッチ樹脂で完全に満たされたとき、アキュムレータはほぼ16.8kg(37ポンド)の樹脂を収容した。電気ヒータにより押出し器に熱が適用され、モールドはヒータと等圧線との組み合わせにより加熱された。押出し器スクリューは樹脂溶融物内に圧力を発生させ、圧力はアキュムレータ内に維持された。スクリューは20rpmで回転し、9.0MPa(1300psi)の初期浸潤圧力を提供した。高温オイル循環器は232℃(450°F)に設定した。浸潤すべきプリフォームはオーブン内で400℃(752°F)に予め加熱し、次いで、浸潤直前にモールド内へ移した。射出中部品を融点以上に保つと、樹脂はプリフォーム全体を通って流れることができる。樹脂は、約20秒の期間だけ、アキュムレータからモールド内従って予め加熱されたプリフォーム内へ射出された。アキュムレータ上の背圧は、これまた20秒だけ、浸潤中にモールド空洞圧力を維持するために使用した。浸潤されたプリフォームの目標重量は3351グラム(7.38ポンド)であったが、浸潤されたプリフォームの実際の重量は3370グラム(7.42ポンド)であることが分かった。
圧力制御
【0051】
本発明はピッチの押し出し及び射出により溶融ピッチでプリフォームを高密度化することを可能にする。しかし、均一な圧力を供給するために射出ユニットを使用してのモールド及びプリフォーム内へのピッチの押し出し及び射出は極めて急速な方法である。プリフォームの射出は、プリフォームの寸法に応じて1分ないし数秒よりも短い時間で、急速に生じる。射出工程は一層冷えたモールド温度、樹脂の融点以下の温度でさえ達成できるのに十分なほど急速である。しかし、多孔性のプリフォームは、溶融樹脂が加圧下でプリフォーム内へ流れるのを許容するためにピッチの軟化点以上の温度に予め加熱する必要がある。産業的な効率はこの工程が急速に完了することを要求する。
【0052】
適正な圧力制御により、含浸工程中にプレスを開かせるような大きな力をモールド空洞内に発生させることなく、ピリフォームを一層急速に含浸することができる。この圧力は液圧装置及びモールド通気により制御される。モールド室の面積及び適用される力(例えば500トン)を考慮に入れて、モールド室の内部の力が適用されたクランプ力よりも大きいときにモールドが開く。含浸工程中の溶融物圧力は、航空機ブレーキディスクプリフォームのためのモールド内での例えば3000psiよりも通常小さい。
プリフォームの仕上げ
【0053】
プリフォームが例えば中間相ピッチ樹脂で浸潤された後、プリフォームは、炭素/炭素複合体材料内の炭素マトリックスの一部を形成する炭素に有機樹脂を変換する工程を受けることができる。例えば、浸潤された航空機ブレーキディスクは酸化性安定化を受ける。部品は150−240℃(302−464℃F)の温度での空気循環オーブン内に置かれる。酸素はピッチと反応して樹脂を橋かけ結合させ、樹脂を熱可塑性樹脂から熱硬化性樹脂に変換する。安定化の後、不活性雰囲気の炉内で650℃(1202°F)以上の温度典型的には900℃(1652°F)に加熱することにより、部品を炭化することができる。炭化後、次の処理前に、例えば約1800℃(3272°F)で部品を熱処理(黒鉛化)することができる。次いで、上述のようなCVD又はRTMを使用して部品を更に高密度化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態に係る押出し樹脂成形装置を示す図である。
【図2】プリフォームのまわりの及びそこを通る樹脂の流れを概略的に示す、本発明の実施の形態に係るモールドの断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るモールドの下半分のための通気形状を示す上面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るモールドの下半分のための排出ピン形状を示す上面図である。
【図5】図5A及び図5Bは本発明に従って作動できる繊維プリフォームの上面(5A)図及び側面(5B)図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールドのための急速樹脂又はピッチ浸潤成形方法であって、
多孔性のプリフォームを、プリフォーム内へ浸潤すべき樹脂又はピッチの融点以上の温度に予め加熱する工程と;
プリフォーム内へ浸潤すべき樹脂又はピッチの融点以上の温度に加熱されるモールド内に予め加熱されたプリフォームを配置する工程と;
モールド内の段部又は突出部により提供されるモールド内の圧力勾配を介してプリフォームの1方向含浸を行うように、高融点で高粘度の溶融樹脂又はピッチをモールド内に射出する工程と;
樹脂又はピッチで浸潤されたプリフォームが樹脂又はピッチの融点以下に冷却するのを許容する工程と;
含浸されたプリフォームをモールドから取り出す工程と;
を有することを特徴とする、モールドのための急速樹脂又はピッチ浸潤成形方法。
【請求項2】
モールドのための急速樹脂又はピッチ浸潤成形方法であって、
多孔性のプリフォームをモールド内に配置し、プリフォーム内へ浸潤すべき樹脂又はピッチの融点以上の温度にプリフォームを加熱する工程と;
モールド内の段部又は突出部により提供されるモールド内の圧力勾配を介してプリフォームの1方向含浸を行うように、高融点で高粘度の溶融樹脂又はピッチをモールド内に射出する工程と;
樹脂又はピッチで浸潤されたプリフォームが樹脂又はピッチの融点以下に冷却するのを許容する工程と;
含浸されたプリフォームをモールドから取り出す工程と;
を有することを特徴とする、モールドのための急速樹脂又はピッチ浸潤成形方法。
【請求項3】
前記プリフォームが、織られた繊維プリフォーム、炭素繊維プリフォーム、不織繊維プリフォーム、結合剤を含む無秩序繊維プリフォーム、剛直化したプリフォーム、フォームプリフォーム,又は多孔性炭素体プリフォームであることを特徴とする請求項1又は2の浸潤方法。
【請求項4】
前記樹脂又はピッチが、コールタール、石油、若しくは合成ピッチ前駆物質から誘導されたピッチであるか、又は中間相ピッチであるか、又は樹脂又はピッチが高チャー降伏熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2の浸潤方法。
【請求項5】
前記樹脂又はピッチの射出の間に、真空及び(又は)通気がモールドに提供されることを特徴とする請求項1又は2の浸潤方法。
【請求項6】
前記含浸されたプリフォームを酸素の存在下で加熱し、酸化された含浸されたプリフォームを炭化することにより、含浸されたプリフォームを安定させる工程を更に有することを特徴とする請求項1又は2の浸潤方法。
【請求項7】
浸潤成形方法において溶融樹脂又はピッチを急速に移送するための成形装置であって、
樹脂又はピッチを溶融し、運搬する手段(4)と;
樹脂又はピッチが溶融及び運搬手段からモールド内のモールドインサート空洞(19)内へ運搬されるように配置されたモールド(10)であって、モールドインサート空洞の1側(ID)からモールドインサート空洞の反対側(OD)の方への樹脂又はピッチの圧力勾配及び流れを生じさせるための突出手段(20)と、多孔性物体(1、18)を通しての溶融樹脂又はピッチの1方向流れを生じさせるような位置においてモールドインサート空洞内で多孔性物体を位置決めするための位置決め手段(25)とを有するようなモールドと;
モールド内への樹脂又はピッチの射出中にモールドを拘束するようにモールドに位置する手段(12)と;
を有することを特徴とする成形装置。
【請求項8】
前記溶融樹脂又はピッチの1方向流れが、モールドインサート空洞(19)の内側領域(ID)から多孔性物体(1、18)を通ってモールドインサート空洞の外側領域(OD)に向かうことを特徴とする請求項7の成形装置。
【請求項9】
前記溶融樹脂又はピッチがモールドインサート空洞(19)の内側領域(ID)の頂部部分内へ運搬されることを特徴とする請求項7の成形装置。
【請求項10】
突出手段がモールドインサート空洞(19)内の多孔性物体(1、18)の外径の主要な上方部分に当接する環状の外径構造体(20)を有することを特徴とする請求項9の成形装置。
【請求項11】
前記突出手段が、多孔性物体(1、18)のまわりでその厚さに沿ってモールドインサート空洞(19)の頂部から、多孔性物体の外側環状縁部に沿ってのガスの逃避を許容するのに適したギャップのみを残すようなモールドインサート空洞内の位置へ、下方に延びる外径リング(20)を有することを特徴とする請求項10の成形装置。
【請求項12】
前記溶融及び運搬手段とモールドとの間に位置する液圧式に作動するピストンアキュムレータ(8)を更に有することを特徴とする請求項7の成形装置。
【請求項13】
前記溶融及び運搬手段が単一スクリュー押出し器(5)又は選択的に通気される二重スクリュー押出し器であることを特徴とする請求項7の成形装置。
【請求項14】
前記モールドが:頂部部分(14)と;頂部部分及び底部部分がモールド空洞(19)を形成するように頂部部分に対向する底部部分(15)と;モールドの頂部部分又は底部部分内に位置する少なくとも1つのゲート(13)と;樹脂又はピッチをゲート内へ導入するための弁(17)と;通気(22、23)を行い及び(又は)モールドに真空を提供するための構造体と;を有することを特徴とする請求項7の成形装置。
【請求項15】
押出し器(5)と、押出し器からモールド内へ樹脂又はピッチを押し出すことができるように配置されたモールド(10)と、樹脂又はピッチの射出中にモールドを拘束するためのプレス(12)と、押出し器及びモールドのための熱交換器とを有する急速樹脂又はピッチのトランスファー成形装置であって、前記モールドが、
頂部部分(14)と;
頂部部分及び底部部分がモールド空洞(19)を形成するように頂部部分に対向する底部部分(15)と;
モールドの底部部分に位置するゲート(13)と;
樹脂又はピッチをゲート内へ導入するための弁(17)と;
モールドを通気するための構造体(22、23)と;
モールド空洞の内側領域(ID)からモールド空洞の外側領域(OD)に向かう樹脂又はピッチの圧力勾配及び1方向流れを生じさせるための突出手段(20)と;
を有することを特徴とする急速樹脂又はピッチトランスファー成形装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−509654(P2006−509654A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558734(P2004−558734)
【出願日】平成15年12月11日(2003.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/039581
【国際公開番号】WO2004/052629
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】