説明

漏水検知回路及び漏水検知回路を備えた洗濯機

【課題】 漏水検知回路をマイコンを使用せずにハードの回路にて構成しつつ、漏水を確実に検出することができる漏水検知回路を提供すること。
【解決手段】 漏水検知装置100は、発振回路23から発生したパルス信号から微分回路により直流成分を除去し正負交番電圧を出力する信号発生回路Aと、等価抵抗102へ漏れた液体がかかった際には信号発生回路Aからの前記正負交番電圧の振幅を変化させると共にコンデンサにより正電圧にシフトし出力側電圧が変化(上昇)する漏水検出回路Bと、この漏水検出回路Bからの出力電圧を入力し積分回路28により直流電圧に変換された出力電圧の変化(上昇)に基づいて漏水を判定する判定回路Cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体の接触を検知して漏水を検知する漏水検知回路及び漏水検知回路を備えた洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、高層マンションが多く建設され、マンションの各戸に設けられた水道水を使用する洗濯機、食器洗い機などの電気機器からの漏水、建物への浸水などによる漏水が発生すると、水漏れにより階下へ被害を及ぼす。このような漏水による被害を回避するために、例えば洗濯機置き場に、従来水漏れ防止用のドレンパンなどが施工されていたが、施工のコスト、スペースの確保、見栄えの低下、撤去する際の廃棄物の処分などの問題から、水漏れ防止の施工が省略されている。このため、漏水を直接検知し、例えば離れた場所への漏水の報知、漏水が発生した電気機器への電力供給の停止、或いは電気機器への給水の停止などを自動的に行うようにした漏水検知報知システムが提案されている。
【0003】
ここで、漏水検知報知システムは、例えば特許文献1に開示されており、電源コンセントに接続可能にした漏水検知回路であるメインコントローラに信号判定手段、制御出力手段などを設け、信号判定手段に漏水検知センサを接続し、制御出力手段に電気機器への給水を停止するための電磁バルブ、報知器としてのブザー及び表示器としてのランプを接続している。そして、漏水検知センサの絶縁された二つの電気導体の隙間に水が入ることによる電位抵抗の変化を信号判定手段に送り、信号判定手段が漏水有りと判定した場合には、制御出力手段により電磁バルブを閉じ、ブザーに通電して鳴らすと共にランプを点滅し、漏水を最小限に抑えると共に漏水の発生を報知する。
【特許文献1】特開2000−155065号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の漏水検知報知システムの漏水検知回路は、例えば図6に示したように構成されている。具体的には、漏水検知回路はアナログの回路にて構成され、直流電力が供給され設定された電圧の電力を出力する商用のトランス51、このトランス51の第1の2次巻線52から整流回路53を介して電力が供給される電圧レベル判定及び操作信号出力回路54、トランス51の第2の2次巻線55から電流制限用抵抗56及びツェナーダイオード57、58、漏水検知部59に設けられ前記電流制限用抵抗56を介して電流が流れる漏水検知用の導体60、この導体60の途中に設けられた断線検出用の終端抵抗61、整流用のダイオード62、平滑用のコンデンサ63を接続して構成されている。
【0005】
そして、V10は商用電源の電圧、V11は第2の2次巻線55の交流波形である出力電圧、V12はツェナーダイオード57、58で決定される導体60間の電圧、即ち漏水検知電圧であり、導体60間を水などの導電体が橋渡しすると漏水検知部59のインピーダンスが変化し、漏水検知電圧V12が低下し、電圧レベル判定及び操作信号出力回路54の入力電圧V13も低下する。
【0006】
そして、入力電圧V13が低下し、予め設定されたしきい値に達すると、電圧レベル判定及び操作信号出力回路54は漏水が発生したと判断し、図示しないブザー、LEDなどへの動作信号を出力し、ブザーが発音すると共にLEDが点灯或いは点滅し、電気機器、例えば洗濯機の使用者に漏水の発生を知らせる。
【0007】
しかし、上記のように構成された漏水検知回路では、漏水検知電圧V12には平衡のとれた交流電流が必要であり、平衡を保ち漏水を正確に検出することが難しいという問題が発生する。
【0008】
この発明は、上記したような問題を解消するためになされたもので、漏水検知回路をマイコン(マイクロコンピュータ)を使用せずにハードの回路にて構成しつつ、漏水を確実に検出することができる漏水検知回路及び漏水検知回路を備えた洗濯機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために第1の発明は、発振回路から発生したパルス信号から微分回路により直流成分を除去し正負交番電圧を出力する信号発生回路と、漏水検知センサへ漏れた液体がかかった際には前記信号発生回路から入力する前記正負交番電圧の振幅を変化させると共にコンデンサにより正電圧にシフトし出力側電圧が変化する漏水検出回路と、この漏水検出回路からの出力電圧を入力し積分回路により直流電圧に変換された出力電圧の変化に基づいて漏水を判定する判定回路とを備えたことを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、開閉弁を介して供給される水道水を使用して衣料を洗濯する洗濯機において、発振回路から発生したパルス信号から微分回路により直流成分を除去し正負交番電圧を出力する信号発生回路と、漏水検知センサへ漏れた液体がかかった際には前記信号発生回路から入力する前記正負交番電圧の振幅を変化させると共にコンデンサにより正電圧にシフトし出力側電圧が変化する漏水検出回路と、この漏水検出回路からの出力電圧を入力し積分回路により直流電圧に変換された出力電圧の変化に基づいて漏水を判定する判定回路と、この判定回路からの出力信号に基づいて前記開閉弁を閉じる信号を出力する出力回路とから成る漏水検知回路を備えたことを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、第2の発明に係る洗濯機において、前記出力回路に報知装置を接続し、漏水発生時に前記出力回路から前記報知装置の動作信号を出力することを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、第2の発明に係る洗濯機において、前記漏水検知センサをシート状の等価抵抗により構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、漏水検知回路により漏水を確実に且つ速やかに検知することができる。また、正負交番電圧の振幅を変化させると共にコンデンサにより正電圧にシフトし出力側電圧が変化する漏水検出回路とこの漏水検出回路からの出力電圧を入力し積分回路により直流電圧に変換された出力電圧の変化に基づいて漏水を判定する判定回路との組み合わせにより、漏水の検出を確実にすると共に誤動作を回避することもできる。更に、洗濯機の漏水を確実に且つ速やかに検出し、漏水を最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1はこの発明の一実施形態である漏水検知回路図、図2は漏水検知器1及び漏水検知器1を接続した洗濯機の正面図、図3は漏水検知器1の正面図、図4は漏水検知器1の底面図、図5は漏水検知器1の概略縦断面図である。
【0015】
特に図2乃至図5において、漏水検知器1のボックス2の前面には、表示・操作部3が設けられ、この表示・操作部3には電源供給表示部4、漏水及び短絡の発生表示部5、ブザー停止ボタン6、復帰ボタン7及びテストボタン8が設けられている。また、漏水検知器1の下部には電力供給用のコンセント10が設けられると共に、下部からは先端にプラグ11が設けられた電源コード12が延びている。そして、コンセント10に衣料を洗濯するための電気洗濯機13の電源コード14のプラグ15が接続されている。また、ボックス2の内部には、後述する漏水検知装置100を備えたプリント基板16が収納されている。
【0016】
また、図2において、17は電気洗濯機13の前面に設けられた衣料投入、取出し用の開口を開閉自在に閉塞するドアである。さらに、18は電気洗濯機13の運転状態などを表示する液晶表示部、19aは電源スイッチ、19bは洗濯所要時間、脱水所要時間などを設定する設定部、19cは洗濯のコースを設定する設定部である。
【0017】
以下、漏水を検知する漏水検知装置100について、図1に基づいて詳細に説明する。漏水検知装置100は信号発生回路A、後述する漏水センサ部25を有した漏水検出回路B、判定回路C、動作表示回路D、リレー動作回路E、ブザー動作回路F、電源供給状態表示回路Gとを備えており、各回路は電源回路Hから直流電力が供給される。
【0018】
前記信号発生回路Aは、2段のインバータ21、22、抵抗R1、R2及びコンデンサC1から構成されるインバータ発振回路23と、抵抗R3及びコンデンサC2から構成されて直流成分を除去する微分回路24とを備え、正負交番電圧を出力するものである。
【0019】
また、前記漏水検出回路Bは、漏水センサ部25を備え、後述する電力供給ライン46から直流電力が供給され、漏水テスト用の抵抗(以下、「テスト用抵抗」という。)101と前記テストボタン8の操作により切り替わるテストスイッチ26との直列回路及び漏水センサ部25の漏水検知センサの回路である複数の抵抗を並列に接続した等価抵抗102、コンデンサC3、C4、抵抗R4、インバータ27、帰還抵抗R5、抵抗R6、インバータ29、帰還抵抗R7などから構成されている。そして、テストスイッチ26は漏水が発生したときに漏水検知装置100が正しく動作するか、故障などが発生していないか試すときに操作されるスイッチである。また、漏水センサ部25の等価抵抗102は例えばビニールなどのシート103中に埋設され、外観形状がシート状に形成され、前記電気洗濯機13の下方に敷かれる。従って、従来は洗濯機置き場に、水漏れ防止用のドレンパンなどが施工されていたが、施工のコスト、スペースの確保、見栄えの低下、撤去する際の廃棄物の処分などの問題から水漏れ防止の施工が省略されても、漏水が発生した際には漏水を漏水検出回路Bにより直接検知でき、後述するように、離れた場所への漏水の報知、漏水が発生した電気洗濯機13への電力供給の停止、或いは電気機器への給水の停止などを自動的に行うことが可能となる。テスト用抵抗101の抵抗値は漏水の発生時、即ち、等価抵抗102に漏水の水がかかったときの等価抵抗102のインピーダンスとほぼ等しい。更に、104は漏水センサ部25の接続端子である。
【0020】
また、前記判定回路Cは、抵抗R8及びコンデンサC5から構成される積分回路28と、2段のインバータ30、31と、抵抗R9、R10と、及び復帰ボタン7の操作により切り替わるリセットスイッチ32などから構成されている。
【0021】
また、前記動作表示回路Dは、抵抗R11、R12と、前記判定回路Cに抵抗R11を介してベースが接続されると共にコレクタが抵抗R13と発光素子である漏水及び短絡の発生表示部5を点灯表示する第1のLED33との直列回路を介して電力供給ライン46に接続されたNPN型トランジスタ(以下、「第1のトランジスタ」という。)34とから構成されている。
【0022】
また、前記リレー動作回路Eは、抵抗R14、R15と、前記判定回路Cに抵抗14を介してベースが接続されると共にエミッタが電力供給ライン46に接続されたPNP型トランジスタ(以下、「第2のトランジスタ」という。)35と、この第2のトランジスタ35のコレクタが接続されたリレー回路36などから構成されている。
【0023】
また、前記ブザー動作回路Fは、前記判定回路Cに接続された第1、第2のナンド回路37、38と、抵抗R16、R17と、第1のナンド回路37に抵抗R16を介してベースが接続されると共にエミッタが電力供給ライン46に接続されたPNP型トランジスタ(以下、「第3のトランジスタ」という。)39と、この第3のトランジスタ39のコレクタに接続されたブザー40と、第2のナンド回路38に接続された第3のナンド回路41と、電力供給ライン46に接続されると共に第3のナンド回路41に接続された抵抗R18及びブザー停止スイッチ42などから構成されている。
【0024】
そして、前記ブザー40への通電後にこのブザー40の発音を停止させたいときには、前記ブザー停止ボタン6を操作することによりブザー停止スイッチ42が切り替わり、強制的にブザー40の発音を停止させることができる。
【0025】
更に、電源供給状態表示回路Gは、電力供給ライン46に接続された発光素子である第2のLED43及び抵抗R19から構成されている。また、ブザー40及び第1のLED33は漏水の発生を報知する報知装置を構成するが、視覚や聴覚により認識できる報知装置であれば、これらに限られないものである。
【0026】
また、電源回路Hは一次側が商用電源に接続されたトランス44、整流回路45などから構成され、46は電力供給ラインである。
【0027】
次に、上記漏水検知装置100の動作について説明する。先ず、電気洗濯機13の使用者がプラグ11を家庭用の商用電源のコンセント(図示せず)に接続すると、漏水検知装置100は電源回路Hから電力供給ライン46を介して電力が供給され、電源供給状態表示回路Gの第2のLED43が点灯して電源供給表示部4が点灯表示する。また、漏水検出回路Bを介して判定回路Cの出力電圧は低い状態に維持され、即ち判定回路Cからは低レベルの信号が出力され、第1のトランジスタ34はオフであり、第1のLED33は通電されず消灯状態であり、漏水及び短絡の発生表示部5は消灯表示している。
【0028】
また、第2のトランジスタ35はオンしており、リレー回路36は通電状態であり励磁しており、電気洗濯機13の給水管の上流側及び排水管の上流側に設けられた電磁弁などの開閉弁(図示せず)は開いている。また、ブザー動作回路Fにおいては、第1のナンド回路37が高レベル信号を出力し、第3のトランジスタ39がオフしており、ブザー40は非通電状態であり、発音を停止している(発音していない)。
【0029】
そして、電気洗濯機13の使用中に、使用者が表示・操作部3にあるテストボタン8を押すと、テストスイッチ26がオン(閉成)する。テストスイッチ26がオンすると、漏水が発生して漏水センサ部25の等価抵抗102に洗濯水などの水がかかり等価抵抗102のインピーダンスが低下したときと同様に、インバータ27、29を介して漏水検出回路Bの出力側電圧が上昇し、そして、漏水検出回路Bの出力電圧が所定の電圧まで上昇すると、判定回路Cからの出力電圧が極短時間にて上昇し、高レベルの信号が判定回路Cから出力される。このため、第1のトランジスタ34はオンし、電力供給ライン46から第1のLED33に電流が流れ、第1のLED33が点灯し、漏水及び短絡の発生表示部5を点灯表示させる。また、第2のトランジスタ35がオフし、電力供給ライン46から第2のトランジスタ35を介してリレー回路36に流れる電流が遮断されリレー回路36の図示しないマグネットを消磁させ、前記開閉弁(図示せず)が閉じられると共に電気洗濯機13の電源が遮断される。
【0030】
また、第1のナンド回路37の出力が高レベル信号から低レベル信号に変わり、第3のトランジスタ39はオンし電力供給ライン46からブザー40に電流が流れ、ブザーは鳴る。そして、使用者がブザー停止ボタン6を押すと、ブザー停止スイッチ42がオンし、第3のナンド回路41及び第2のナンド回路38の出力が変化し、この結果、第1のナンド回路37の出力も高レベル信号に変化し、第3のトランジスタ39がオフし、ブザー40は非通電状態になり発音を停止する。
【0031】
また、使用者が復帰ボタン7を押すと判定回路Cのリセットスイッチ32がオンし、インバータ30の入力が低レベル信号に切り替わり、インバータ31の出力が低レベル信号に切り替わり、この結果、第1のトランジスタ34はオフし、第1のLED33は非通電になり消灯し漏水及び短絡の発生表示部5を消灯表示させ、第2のトランジスタ35はオンし、リレー回路36は通電され励磁され復帰し電気洗濯機13へ電源が供給されると共に前記開閉弁(図示せず)が開くこととなる。また、第1のナンド回路37は高レベル信号の出力を維持し、第3のトランジスタ39が継続してオフし、ブザー40は発音の停止を維持することとなる。
【0032】
ここで、電気洗濯機13の例えば、洗剤を使用した洗い運転中或いはすすぎ運転中に給水管(図示せず)或いは排水管(図示せず)の途中において漏水が発生し、漏水センサ部25に水がかかり、その水がシート103に埋設された等価抵抗102に触れるとそのインピーダンスが低下する。このため、漏水がないときに比して等価抵抗102に流れる電流が増加し、この結果、信号発生回路Aからの正負の交番電圧の振幅が変化する。正負の交番電圧は漏水検出回路BのコンデンサC3により正電圧にシフトされ、この正電圧の変化によりテストスイッチ26を操作したときと同様に、インバータ27、29を介して漏水検出回路Bの出力側電圧が上昇する。そして、漏水検出回路Bの出力電圧は判定回路Cの積分回路28により直流電圧に変換され、判定回路Cが入力する直流電圧が所定の電圧まで上昇すると、判定回路Cからの出力電圧が極短時間で上昇し、高レベルの信号が判定回路Cから出力される。
【0033】
このため、動作表示回路Dの第1のトランジスタ34はオンし、電力供給ライン46から第1のLED33に電流が流れ、第1のLED33が点灯し、漏水及び短絡の発生表示部5が点灯表示し、漏水の発生を洗濯機の使用者に確実に且つ速やかに知らせることが可能になる。また、漏水量を極力少なく抑えることもできる。更に、第2のトランジスタ35がオフし、電力供給ライン46から第2のトランジスタ35を介してリレー回路36に流れる電流が遮断され消磁され、前記開閉弁(図示せず)が閉じられると共に電気洗濯機13の電源が遮断される。ここで、例えば使用者が誤って極僅かの水を漏水センサ部25にかけたのみであり、判定回路Cが入力する直流電圧が所定の電圧まで低下しない場合には、漏水の発生ではないと判定され、判定回路Cからの出力電圧は低レベルに維持され、動作表示回路Dなどの誤動作を回避することが可能になる。
【0034】
また、第1のナンド回路37の出力が高レベル信号から低レベル信号に変わり、第3のトランジスタ39はオンして電力供給ライン46からブザー40に電流が流れ、ブザーは鳴る。この結果、使用者が電気洗濯機から離れていた場合にも一層確実に且つ速やかに知らせることが可能になる。
【0035】
その後、使用者が漏水の発生を知り、ブザー停止ボタン6を押すと、ブザー停止スイッチ42がオンし、第3のナンド回路41及び第2のナンド回路38の出力が変化し、この結果、第1のナンド回路37の出力も高レベル信号に変化し、第3のトランジスタ39がオフし、ブザー40は非通電状態になり発音を停止する。
【0036】
また、使用者が復帰ボタン7を押すと、判定回路Cのリセットスイッチ32がオンし、インバータ30の入力が低レベル信号に切り替わり、インバータ31の出力が直ちに低レベル信号に切り替わり、この結果、第1のトランジスタ34はオフし、第1のLED33は非通電になり消灯して漏水及び短絡の発生表示部5が消灯表示し、第2のトランジスタ35はオンし、リレー回路36は通電され励磁して復帰し、電気洗濯機13へ電源が供給されると共に前記開閉弁(図示せず)が開くこととなる。この結果、直ちに電気洗濯機13への電力供給及び洗濯用の水の供給を速やかに再開させることが可能になる。
【0037】
なお、上記した実施形態では、漏水検知器1を電気洗濯機13に接続したが、例えば食器洗い機、その他水などの液体を使用する機器に接続することによって同様な効果を得ることができる。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、また信号発生回路Aからの正負交番電圧の振幅を変化させると共にコンデンサにより正電圧にシフトさせる漏水検出回路Bと積分回路28を備えた判定回路Cとの組み合わせにより、漏水の検出を確実にすると共に誤動作を回避することもできる。
【0039】
なお、本実施形態によれば、等価抵抗102へ漏れた液体がかかった際には信号発生回路Aからの前記正負交番電圧の振幅を変化させると共にコンデンサにより正電圧にシフトし出力側電圧が上昇する漏水検出回路Bと、この漏水検出回路Bからの出力電圧を入力し積分回路28により直流電圧に変換された出力電圧の上昇に基づいて漏水を判定する判定回路Cとを備えたが、等価抵抗102へ漏れた液体がかかった際に漏水検出回路Bの出力側電圧を下降(低下)させ、この漏水検出回路Bからの出力電圧の下降(低下)に基づいて判定回路Cが漏水を判定するような構成にしてもよく、等価抵抗102へ漏れた液体がかかった際に漏水検出回路Bの出力側電圧が変化し、この漏水検出回路Bからの出力電圧の変化に基づいて判定回路Cが漏水を判定する構成であればよい。
【0040】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の一実施形態である漏水検知回路図である。
【図2】漏水検知器及び漏水検知器を接続した電気洗濯機の正面図である。
【図3】漏水検知器の正面図である。
【図4】漏水検知器の底面図である。
【図5】漏水検知器の概略縦断面図である。
【図6】従来の漏水検知回路図である。
【符号の説明】
【0042】
1 漏水検知器
13 電気洗濯機
23 インバータ発振回路
25 漏水センサ部
C3 コンデンサ
28 積分回路
33 第1のLED
40 ブザー
100 漏水検知装置
101 テスト用抵抗
102 等価抵抗(漏水検知センサ)
103 シート
A 信号発生回路
B 漏水検知回路
C 判定回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発振回路から発生したパルス信号から微分回路により直流成分を除去し正負交番電圧を出力する信号発生回路と、漏水検知センサへ漏れた液体がかかった際には前記信号発生回路から入力する前記正負交番電圧の振幅を変化させると共にコンデンサにより正電圧にシフトし出力側電圧が変化する漏水検出回路と、この漏水検出回路からの出力電圧を入力し積分回路により直流電圧に変換された出力電圧の変化に基づいて漏水を判定する判定回路とを備えたことを特徴とする漏水検知回路。
【請求項2】
開閉弁を介して供給される水道水を使用して衣料を洗濯する洗濯機において、発振回路から発生したパルス信号から微分回路により直流成分を除去し正負交番電圧を出力する信号発生回路と、漏水検知センサへ漏れた液体がかかった際には前記信号発生回路から入力する前記正負交番電圧の振幅を変化させると共にコンデンサにより正電圧にシフトし出力側電圧が変化する漏水検出回路と、この漏水検出回路からの出力電圧を入力し積分回路により直流電圧に変換された出力電圧の変化に基づいて漏水を判定する判定回路と、この判定回路からの出力信号に基づいて前記開閉弁を閉じる信号を出力する出力回路とから成る漏水検知回路を備えたことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
前記出力回路に報知装置を接続し、漏水発生時に前記出力回路から前記報知装置の動作信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記漏水検知センサをシート状の等価抵抗により構成したことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−84175(P2006−84175A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239072(P2004−239072)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(503148638)有限会社宇井精研 (1)
【Fターム(参考)】