説明

炉の雰囲気制御のための低速多段燃焼

酸素燃料燃焼において及び投入物を収容している炉において有用な改良された多段燃焼方法であり、化学量論比よりも低い燃焼並びに燃料及び一次酸化剤及び二次酸化剤の低速注入が投入物表面直近に還元性雰囲気を形成する方向において行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、燃焼によって生じる熱によって加熱される投入物を収容している炉の内部における多段燃焼に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料及び酸化剤を用いて燃焼させる多くの工業的加熱方法において、燃料燃焼の生成物は炉への投入物と相互作用又は反応して望ましくない影響を引き起こすことが多い。例えば、ガラス溶融炉中のガラス溶融物に当る燃料に富む炎は、燃料に富む炎に曝されるガラス溶融物のレドックス変化によってガラス製品の色の変化を引き起こすことが知られている。鋼の再加熱炉においては、加熱の間に酸化物スケールが形成されて金属の損失又は表面欠陥をもたらす。米国特許第6592649号及び同第6602320号で開示されている方法による酸化鉄の直接還元においては、鉄鉱石、石炭粒子及びフラックス材料の混合物が凝固して球となって回転炉床炉上に置かれ、加熱され還元されて鉄ナゲットを生成する。酸化鉄は予熱され、石炭からの炭素によって還元され、溶融されて鉄ナゲットを形成する。溶融区域においては、還元された投入原料が、ガスバーナーによって1300〜1500℃に加熱されナゲットを形成してスラグから分離する。還元区域においては、鉄の還元反応からのCOガスの急速な発生は、炉の雰囲気中の酸化性ガス(CO2、H2O及びO2)が投入原料を酸化することを防ぐ。溶融−ナゲット形成区域においては、投入原料からはわずかなCOしか発生せず、還元された鉄ナゲットは炉の燃焼生成物(CO2、H2O及び過剰のO2)による再酸化を受けやすい。先行技術は、この再酸化問題を追加の石炭粒子を投入原料床中に投入して鉄ナゲットを再酸化から防護することによって部分的に解決することを開示している。脱蔵(devolatization)後に炭化した物の床が形成される。
【0003】
このやり方には欠点がある。たとえ鉄ナゲットが過剰なコークス粒子の床の上に形成されるとしても、それぞれのナゲットの最外面は炉の雰囲気に対して曝される。溶融過程は、通常天然ガスの空気との燃焼によってもたらされる相当な量の熱を必要とする。CO2及びH2Oの炭素との反応は吸熱的であり、熱を消費して天然ガスの消費量を増大させる。これは鉄ナゲットの再酸化を防ぐのに望ましい。
【0004】
窒素酸化物(NOx)は、燃焼の間に生じる重要な汚染物質であり、燃焼を行う際にはこれらの発生を低減することが望ましい。燃焼は、酸化剤として技術的に純粋な酸素又は酸素に富む空気を使用することによって、これが等価な酸素量に対して燃焼反応に供給される窒素の量を低減させるので、低減されたNOx発生を伴って行い得ることが知られている。しかし、空気の酸素濃度よりも高い酸素濃度を有する酸化剤の使用は燃焼反応がより高い温度で進む原因となり、このより高い温度は動力学的にNOxの生成を有利にする。
【0005】
多段燃焼はNOxの発生を低減するために、特に酸化剤が空気の酸素濃度を超える酸素濃度を有する流体である場合に使用されてきた。多段燃焼においては、燃料及び酸化剤は化学量論比よりも低い比率で燃焼区域に導入して燃焼させる。燃焼に利用し得る過剰量の燃料の故に、酸化剤の極めて少ない酸素分子しか窒素と反応してNOxを形成しない。第2の下流の場所において燃焼を完了させるためにさらなる酸素が燃焼区域に供給される。二次酸素は、未燃焼の燃料と混ざる前に、まず炉ガスによって希釈され、第2の場所における燃焼は大して高温では起こらず、したがって形成されるNOxの量を制限する。
【0006】
極めて多段の燃焼法を使用すると、炉の雰囲気を垂直方向に階層化することによって炉床区域付近の炉の雰囲気はより還元性にも(米国特許第5755818号)或いはより酸化性にも(米国特許第5924858号)され得る。鉄の直接還元のためには、炉床区域付近の還元性雰囲気が望ましい。この技術は、炉床区域がより酸素に富む雰囲気を有するように制御されるガラス溶融炉において商業的に使用されてきたが、雰囲気の階層化の程度はこの方法のために必要とされる比較的大きい運動量の故に限定的であった。より最近では、直火炉の下半分に不活性の保護雰囲気(窒素など)を提供することによって炉の雰囲気を十分に制御する技術が米国特許第5609481号、同第5563903号、同第5961689号及び同第6572676号に記載された。この方法は大規模の炉(幅13ft×長さ23ft×高さ8ft)におけるアルミニウムの再溶融及び還元されたドロスの80%での形成のために適用された。この方法は直接還元炉において炉の下半分に還元性雰囲気を創り、炉の上半分に酸化性雰囲気を創るために適用され得る可能性はあるが、方法に必要とされる多数の特殊な低速度バーナーがこの方法を運転することをより複雑なものにする。燃焼雰囲気が炉への投入物と相互作用する直接還元法、ガラス溶融炉及び他の産業用炉のための費用効果が高くより良好な階層化の方法が望ましい。
【0007】
空気の酸素濃度よりも高い酸素濃度を有する酸化剤を用いて効果的な燃焼を行うためには、必要な運動量を実現するように、空気、燃料及び/又は酸化剤が炉内へ比較的大きい速度で供給されなければならない。燃焼反応物質は、効率的な燃焼のための燃料及び酸化剤の適切な混合を確実にするために、ある程度の運動量を有していなければならない。大きい運動量はまた、燃焼反応生成物がより効果的に炉全体に拡がって炉への投入物に熱を伝達する原因にもなる。運動量は質量と速度の積である。空気の酸素濃度を超える酸素濃度を有する酸化剤は、等価量の酸素分子を基準にすると空気より小さい質量を有することになろう。例えば、30モルパーセントの酸素濃度を有する酸化剤流体は、酸化的に等価量の空気の約70%の質量を有する。したがって、必要な運動量を維持するためには、燃焼反応混合物の速度、すなわち燃焼反応の燃料及び/又は酸化剤の速度が相応により高くなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、投入物は燃焼反応生成物との有害な接触から保護されており、しかも燃焼反応から投入物への良好な熱伝達を確実にしつつ燃料及び酸化剤が必要な運動量を有する燃焼反応中で燃焼する改良された多段燃焼方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様は、以下のことを含む、燃焼を行うための方法である:
(A)投入物を収容している炉中に、投入物よりも上の点において、燃料及び化学量論の70パーセントを超えない化学量論比の一次酸化剤を注入する工程であって、前記一次酸化剤は少なくとも50モルパーセントの酸素を含む流体であり、前記燃料及び一次酸化剤の両方は毎秒100フィート以下の速度において炉中に注入される工程、
(B)炉の内部において燃料及び一次酸化剤を燃焼させて熱及び未燃焼の燃料を含む燃焼反応生成物を生成させる工程、
(C)炉中に、二次酸化剤を燃料及び一次酸化剤の注入点よりも上で、毎秒100フィート以下の速度で注入する工程であって、前記二次酸化剤は少なくとも50モルパーセントの酸素を含む流体である工程、
(D)投入物の直近に燃料に富むガス層を創る工程であって、前記燃料に富むガス層は投入物に対して二次酸化剤よりも還元性である工程、及び
(E)二次酸化剤を未燃焼燃料と燃焼させてさらなる熱及び燃焼反応生成物を炉内部に供給する工程。
【0010】
本発明の別の態様は、以下のことを含む、燃焼を行うための方法である:
(A)投入物を収容している炉中に、投入物よりも上の点において、燃料及び化学量論の70%を超えない化学量論比の一次酸化剤を注入する工程であって、前記一次酸化剤は少なくとも50モルパーセントの酸素を含む流体であり、前記燃料及び一次酸化剤の両方は毎秒100フィート以下の速度において炉中に注入される工程、
(B)炉の内部において燃料及び一次酸化剤を燃焼させて熱及び未燃焼の燃料を含む燃焼反応生成物を生成させる工程、
(C)炉中に、二次酸化剤を燃料及び一次酸化剤の注入点よりも下で、毎秒100フィート以下の速度で注入する工程であって、前記二次酸化剤は少なくとも50モルパーセントの酸素を含む流体である工程、
(D)投入物の直近に酸素に富むガス層を創る工程であって、前記酸素に富むガス層は投入物に対して炉内部の燃焼反応生成物よりも酸化性である工程、及び
(E)二次酸化剤を未燃焼燃料と燃焼させてさらなる熱及び燃焼反応生成物を炉内部に供給する工程。
【0011】
本明細書において使用する「完全燃焼の生成物」という用語は、二酸化炭素及び水蒸気の1つ又は複数を意味する。
【0012】
本明細書において使用する「不完全燃焼の生成物」という用語は、一酸化炭素、水素、炭素及び部分的に燃焼させた炭化水素の1つ又は複数を意味する。
【0013】
本明細書において使用する「未燃焼燃料」という用語は、燃焼させていない燃料、燃料の不完全な燃焼の生成物及びこれらの混合物の1つ又は複数を含む原料を意味する。
【0014】
本明細書において使用する「化学量論比」という用語は、燃焼目的のための酸素と燃料の比を意味する。100パーセント未満の化学量論比は存在する燃料を完全に燃焼させるために必要な量よりも少ない酸素が存在すること(すなわち燃料に富む状態)を意味する。100パーセントよりも大きい化学量論比は燃料を完全燃焼させるために必要な量よりも多い酸素が存在していること(すなわち過剰酸素状態)を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】投入物よりも上のガス層が還元性である本発明の一実施形態を表す簡略化された断面図である。
【図2】投入物よりも上のガス層が酸化性である本発明の一実施形態を表す簡略化された断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を、投入物2を収容している工業炉1が示されている図を参照しつつ詳細に説明する。1つ又は複数のバーナーによって加熱される任意の工業炉又は工業炉の1つ又は複数の区域が本発明の実施において使用され得る。かかる炉の例は、投入物が鋼である鋼再加熱炉、投入物がアルミニウムであるアルミニウム溶融炉、投入物がガラス製造原料を含むガラス溶融炉及び投入物がセメントを含むセメントキルンを含む。
【0017】
好ましい例は、炉中で燃焼が起こっているときに支配的な条件下で酸化を受けやすいか又は還元を受けやすいかのどちらかである投入物である。酸化を受けやすい特に好ましい一例は、還元された形態の鉄又はコークス若しくは木炭などの炭素含有物質と混合されて還元された形態の鉄を含む投入物である。還元を受けやすい又はレドックス変化を受けやすい特に好ましい一例は、酸化された溶融ガラスを含む投入物である。
【0018】
燃料6及び一次酸化剤7はバーナー4を通じてのように投入物2より上の点3において炉1中に供給される。燃料及び一次酸化剤は別個に又は予備混合された状態で一緒に炉1中に注入されればよい。燃料及び一次酸化剤は複数のバーナーを通じて炉1中に供給されてもよい。任意の適当な酸素燃料バーナーが本発明の実施において使用され得る。本発明の実施において特に好ましい酸素燃料バーナーの1つは、参照により本明細書に組み込まれる小林らの米国特許第5411395号に開示されている燃料ジェットバーナーである。
【0019】
燃料は炉の燃焼区域において燃焼し得る可燃物を含む任意のガス又は他の流体であってもよい。かかる燃料のうちではとりわけ天然ガス、コークス炉ガス、プロパン、メタン及び油を挙げることができる。
【0020】
一次酸化剤は少なくとも50容積パーセントの酸素、好ましくは少なくとも90容積パーセントの酸素の酸素濃度を有する流体である。一次酸化剤は99.5パーセント以上の酸素濃度を有する商業的に純粋な酸素であればよい。
【0021】
燃料及び一次酸化剤は、一次酸素と燃料の化学量論比が化学量論比の70パーセント未満、好ましくは5〜50パーセントの範囲内であるような流量で炉1中に供給される。
【0022】
燃料及び一次酸化剤の両方が、毎秒100フィート以下(fps)の速度で炉1中に注入される。好ましくは燃料は50〜100fpsの速度で供給される。好ましくは一次酸化剤は2〜50fpsの速度で供給される。先行技術の慣行と比較して低いこれらの速度は燃焼反応物質に必要な小さい運動量を与える。燃料及び一次酸化剤は炉1内部の燃焼反応5において燃焼して熱及び燃焼反応生成物を生成する。燃焼反応生成物は完全燃焼の生成物を含み得るが、定義された化学量論比よりも低い一次酸素対燃料比の故に、未燃焼燃料を含む。燃料の一次酸化剤との不完全燃焼は、燃料及び一次酸化剤の燃焼が不完全ではない場合よりもかなり低い温度で進行することを可能にし、したがってNOxが形成される傾向を低減する。燃焼反応生成物は、燃焼反応の間の不完全な混合及び短い滞留時間が原因となって何がしかの残留酸素をも含み得るが、燃焼反応生成物内の酸素の濃度がゼロであることもあり得る。
【0023】
図1に例示されている本発明の実施形態においては、投入物表面を覆って還元性ガス層を創るために、二次酸化剤8は点3よりも上のランス10を通じて炉1中に供給される。好ましくは、この実施形態においては二次酸化剤は投入物2の上面から点3よりも遠い点において炉中に注入される。二次酸化剤は燃料及び一次酸化剤よりも垂直に上の点から、又は垂直から例えば45度までの角度だけ外れた点から炉中に供給され得る。
【0024】
図2に例示されている本発明の実施形態においては、投入物の表面を覆って酸化性ガス層を創るために、二次酸化剤8は点3よりも下のランス10を通じて炉1中に供給される。好ましくは、この実施形態においては二次酸化剤は投入物2の上面と点3の間の点において炉中に注入される。二次酸化剤は燃料及び一次酸化剤よりも垂直に下の点から、又は垂直から例えば45度までの角度だけ外れた点から炉中に供給され得る。
【0025】
二次酸化剤は少なくとも50容積パーセント、好ましくは少なくとも90容積パーセントの酸素濃度を有する流体の形態である。二次酸化剤は商業的に純粋な酸素であればよい。二次酸化剤8は毎秒100fps以下の速度で、好ましくは50〜100fps又は20fps〜50fpsまでも低い範囲を有する速度で炉1中に供給される。酸化剤が空気の酸素濃度よりも顕著に高い酸素濃度を有することが本発明の実施にとって重要である。所与の燃料消費量に対して、炉を通過させるガスの合計容積は、酸化剤の酸素濃度が増すにつれて少なくなる。本発明の多段燃焼の実施のために必要な速度における炉を通過するこの低い容積流束が、炉の残りの部分中の内容物とは異なる組成を有する投入物に直近のガス層の創出を可能にする。
【0026】
二次酸化剤ガス層9は、燃焼反応5内の燃焼反応生成物の酸素濃度を超える酸素濃度を有する。本発明の実施において、二次酸化剤を炉中に注入するためには任意の適当な酸素ランスが使用され得るが、二次酸化剤は参照により本明細書に組み込まれる小林らの米国特許第5295816号に開示のガス注入ランスを使用して炉中に注入されることが好ましい。
【0027】
二次酸化剤は、一次酸化剤に加えられたときに、少なくとも90パーセントの、好ましくは100〜110パーセントの範囲内の燃料との化学量論比を創るような流量で炉中に供給される。一次及び二次酸化剤対燃料の化学量論比は100パーセント未満である場合は、炉内部において燃料の完全燃焼を達成するために必要とされる残りの酸素は浸入する空気によって供給され得る。好ましくは、燃料及び一次酸化剤流れ対二次酸化剤流れの運動量比は約1.0であるが、1からの多少の逸脱、例えば0.3〜3.0以下の範囲内の運動量比は許容され得る。
【0028】
燃焼反応5において発生した熱は投入物へ放射して投入物を加熱する。この熱は燃焼反応5から投入物へ直接又は周囲の炉ガス及び壁との複雑な放射相互作用によって間接に放射する。高温炉中の対流によってはごくわずかな熱しか燃焼反応から投入物へ渡されない。
【0029】
図1に例示されている本発明の実施形態においては、二次酸化剤が炉中に供給される位置のために、炉の雰囲気が均一であったならば起こる相互作用とは異なる態様で投入物2と相互作用する比較的還元性のガス層が形成される。図2に例示されている本発明の実施形態においては、二次酸化剤が炉中に供給される位置のために、炉の雰囲気が均一であったならば起こる相互作用とは異なる態様で投入物2と相互作用する比較的酸化性のガス層が形成される。
【0030】
燃焼反応5の下流では二次酸化剤及び未燃焼燃料が、炉1内部の領域11などにおいて混合し、こうして図1に例示されている本発明の実施形態においては二次酸化剤が投入物の酸化可能な成分と直接相互作用することを(反応することを)防ぐのに役立ち、又は図2に例示されている本発明の実施形態においては不完全燃焼の生成物が投入物の還元可能な成分と直接相互作用することを(反応することを)防ぐのに役立って、燃料の燃焼を完了させてさらなる熱及び燃焼反応生成物を炉内部において供給する。
【0031】
炉1の燃焼反応生成物は、炉の燃料効率を最大限度にするために炉の最も冷たい区域に置かれている排気ポートを通じて全体的に排出される。本発明が複数の区域を有する炉の1つの区域において使用される場合は、燃焼反応生成物は隣接する区域に排出されてもよい。排気ポートの高さも炉雰囲気の階層化の程度に影響を及ぼす。好ましくは炉1中の燃焼反応生成物は、燃料及び一次酸化物が炉中に供給される点3よりも下ではない点、例えば排気口12から炉外に排出される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)投入物を収容している炉中に、投入物よりも上の点において、燃料及び化学量論の70パーセントを超えない化学量論比の一次酸化剤を注入する工程であって、前記一次酸化剤は少なくとも50モルパーセントの酸素を含む流体であり、前記燃料及び一次酸化剤の両方は毎秒100フィート以下の速度において炉中に注入される工程と、
(B)炉の内部において燃料及び一次酸化剤を燃焼させて熱及び未燃焼の燃料を含む燃焼反応生成物を生成させる工程と、
(C)炉中に、二次酸化剤を燃料及び一次酸化剤の注入点よりも上で、毎秒100フィート以下の速度で注入する工程であって、前記二次酸化剤は少なくとも50モルパーセントの酸素を含む流体である工程と、
(D)投入物の直近に燃料に富むガス層を創る工程であって、前記燃料に富むガス層は投入物に対して二次酸化剤よりも還元性である工程と、
(E)二次酸化剤を未燃焼燃料と燃焼させてさらなる熱及び燃焼反応生成物を炉内部に供給する工程と
を含む、燃焼を行うための方法。
【請求項2】
燃料及び一次酸化剤が、化学量論の5〜50パーセントの範囲内の化学量論比において炉中に注入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
燃焼反応生成物が、燃料及び一次酸化剤が炉中に注入される点よりも下ではない点において炉から抜き出される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
投入物が、酸化可能な原料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
投入物が、完全に還元された状態の鉄を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
投入物が、コークス又は木炭をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
二次酸化剤が、炉中に注入される一次酸化剤及び二次酸化剤対燃料の化学量論比が少なくとも90パーセントであるように炉中に酸素を供給するのに十分な流量で供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(A)投入物を収容している炉中に、投入物よりも上の点において、燃料及び化学量論の70%を超えない化学量論比の一次酸化剤を注入する工程であって、前記一次酸化剤は少なくとも50モルパーセントの酸素を含む流体であり、前記燃料及び一次酸化剤の両方は毎秒100フィート以下の速度において炉中に注入される工程と、
(B)炉の内部において燃料及び一次酸化剤を燃焼させて熱及び未燃焼の燃料を含む燃焼反応生成物を生成させる工程と、
(C)炉中に、二次酸化剤を燃料及び一次酸化剤の注入点よりも下で、毎秒100フィート以下の速度で注入する工程であって、前記二次酸化剤は少なくとも50モルパーセントの酸素を含む流体である工程と、
(D)投入物の直近に酸素に富むガス層を創る工程であって、前記酸素に富むガス層は投入物に対して炉内部の燃焼反応生成物よりも酸化性である工程と、
(E)二次酸化剤を未燃焼燃料と燃焼させてさらなる熱及び燃焼反応生成物を炉内部に供給する工程と
を含む、燃焼を行うための方法。
【請求項9】
燃料及び一次酸化剤が、化学量論の5〜50パーセントの範囲内の化学量論比において炉中に注入される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
燃焼反応生成物が、燃料及び一次酸化剤が炉中に注入される点よりも下ではない点において炉から抜き出される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
投入物が、酸化可能な原料を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
投入物が溶融ガラスを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
二次酸化剤が、炉中に注入される一次酸化剤及び二次酸化剤対燃料の化学量論比が少なくとも90パーセントであるように炉中に酸素を供給するのに十分な流量で供給される、請求項8に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−532461(P2010−532461A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514987(P2010−514987)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/067456
【国際公開番号】WO2009/038849
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(392032409)プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド (119)
【Fターム(参考)】