説明

炭素化装置

【課題】乾留ガスを効率良く浄化処理する炭素化装置を提供する。
【解決手段】各予備室(第一、第二予備室11、12)と加熱室(第一〜第四加熱室21〜24)と各冷却室(第一〜第三冷却室31〜33)から排出されるガスを取り出す排気管3とを備え、処理物を炭素化する炭素化装置であって、加熱室(第一〜第四加熱室21〜24)から取り出されるガスを冷却して油分を分離する冷却器6と、この冷却器6から取り出されるガスを油分吸着液内に通して余剰ガスに含有される油分を分離する油分回収器7と、この油分回収器7から取り出されるガスを水中に通してガスの逆流を止める安全器9と、この安全器9から取り出されるガスを燃焼させる第二消臭消煙装置61とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃タイヤ、木材、その他廃棄物等の有機物を乾留して油、ガス、炭素化物等に再生する炭素化装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばゴム、プラスチック等の有機物を加熱分解した際に発生する乾留ガスは、冷却器を通して油分が分離されるが、この冷却器にて液化されない低沸点成分を含む余剰ガスが生じ、この余剰ガスは臭気を持ち、そのままでは大気に放出できない。このため、従来の炭素化装置は、余剰ガスを消臭消煙装置(燃焼炉)で燃焼させて無害化するとともに、脱臭することが行われる。
【0003】
従来、この種の炭素化装置として、遮断扉を介して閉塞される複数の処理室が直列に並んで設けられ、各処理室にて搬入工程、予熱工程、熱分解(乾留)工程、冷却工程、搬出工程等が順に行われるものである(特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1に開示されたシステムは、各処理室から排出されるガスを冷却して油分を分離するとともに、冷却後の余剰ガスと各処理室から排出されるガスを最終的に2系統に分け、それぞれの系統で集められたガスを2つの消臭消煙装置にて燃焼させて外部に排出するようになっている。
【0005】
特許文献2に開示されたシステムは、各処理室から排出されるガスを冷却して油分を分離し、ガス中の金属を回収するとともに、これらの浄化処理が行われたガスを最終的に1系統に集めて排出するようになっている。
【特許文献1】特開平8−283594号公報
【特許文献2】特開平9−248549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に開示された炭素化装置にあっては、各処理室から排出される熱量等の性状が大幅に異なるガスを集めて浄化処理していたため、排出ガスを浄化処理する効率が低く、浄化装置の大型化を招くという問題点があった。
【0007】
また、乾留ガスを液化した油(乾留油)は、消臭消煙装置のバーナ用燃料油として使用できる性状を有しているが、硫黄分等のスラッジが大量に含まれていると、バーナの燃料配管や燃料ノズルに詰まりが生じる可能性がある。このため、従来はバーナ燃料としてLPG、都市ガス、重油等が使用され、処理コストが増大するという問題点があった。
【0008】
また、従来のシステムでは、余剰ガスを消臭消煙装置に導入する前段に安全器が設けられ、この安全器は消臭消煙装置に導入されるガスを水中に通してガスの逆流を止めるものであり、安全器に溜められる水によって消臭消煙装置からのバックファイヤを止めるようになっている。しかし、安全器に溜められる水に余剰ガスに含まれる油やスラッジが捕捉されるため、安全器に溜められる水を定期的に交換し、廃液を浄化処理する必要がある。
【0009】
また、消臭消煙装置に導入される余剰ガスに含まれる油が多いと、消臭消煙装置の入口に設けられるガス吸引ファンにて余剰ガスに含まれる油分が液化して外部に垂れ落ちる可能性がある。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、乾留ガスを効率良く浄化処理する炭素化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、処理物を熱分解する前の処理が行われる複数の予備室と、処理物を加熱して熱分解する加熱室と、処理物を熱分解した後の処理が行われる複数の冷却室と、直列に並ぶ各予備室と加熱室と各冷却室をそれぞれ閉塞する遮断扉と、遮断扉を開閉して処理物を搬送する搬送手段と、各予備室と加熱室と各冷却室から排出されるガスを取り出す排気管とを備え、処理物を炭素化する炭素化装置であって、加熱室から取り出されるガスを冷却して油分を分離する冷却器と、この冷却器から取り出されるガスを油分吸着液内に通して余剰ガスに含有される油分を分離する油分回収器と、この油分回収器から取り出されるガスを水中に通してガスの逆流を止める安全器と、この安全器から取り出されるガスを燃焼させる消臭消煙装置とを備えたことを特徴とするものとした。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、冷却器と油分回収器にて油分が十分に回収されたガスを安全器を介して消臭消煙装置に導くことが可能となり、安全器に溜められた水に捕捉される油量が減らされることによって廃水の浄化処理の負担を軽減できるとともに、消臭消煙装置にて異常燃焼や爆発が起きることを防止できる。さらに、消臭消煙装置の入口に設けられるガス吸引ファンにて余剰ガスに含まれる油分が液化して外部に垂れ落ちることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を廃棄される有機物を熱分解して炭素化する炭素化装置に適用した実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1〜4に示すように、炭素化装置は、炭素化工程の流れ方向に沿って第一、第二予備室11、12、第一〜第四加熱室(炭素化室)21〜24、第一〜第三冷却室31〜33が直列に並んで設けられる。
【0015】
図1に矢印で示すように、第一予備室11に投入された処理物(被炭素化物)が各処理室11、12、21〜24、31〜33に順に搬送され、後述するように各処理室11、12、21〜24、31〜33にて処理物中の有機物を炭素化するための処理が順に行われ、第三冷却室33から炭素化物が取り出される。
【0016】
なお、上記した各処理室11、12、21〜24、31〜33の設置数はこれに限らず、要求される処理能力等に応じて増減しても良い。例えば、4つの第一〜第四加熱室21〜24に限らず、3つ以下、または5つ以上の加熱室を設けても良い。
【0017】
炭素化装置は、搬送手段として処理物が入れられるコンテナと、このコンテナを搬送するコンベアを備える。このコンベアは各処理室11、12、21〜24、31〜33の内外に渡って延び、コンテナを矢印で示す流れ方向(略水平方向)に搬送するようになっている。
【0018】
炭素化装置は、各処理室11、12、21〜24、31〜33を開閉する手段として、10枚の遮断扉5を備える。各遮断扉5は図示しない駆動機構を介して昇降し、所定の開位置に引き上げられると各処理室11、12、21〜24、31〜33の出入口を開き、コンベアを介して搬送されるコンテナが通過できるようにする一方、所定の閉位置に引き下げられると各処理室11、12、21〜24、31〜33の出入口を閉じ、各処理室11、12、21〜24、31〜33をそれぞれ密閉するようになっている。
【0019】
各処理室11、12、21〜24、31〜33には窒素ガスを注入する窒素ガス注入管2と、室内のガスを排出する排気管3を備える。窒素ガス注入管2を介して窒素ガスが注入されるとともに、室内のガスが排気管3を介して強制的に排出する窒素置換によって低酸素濃度雰囲気を形成するようになっている。
【0020】
第一〜第四加熱室21〜24は炭素化工程の流れ方向について中央部に並んで設けられる。第一〜第四加熱室21〜24では図示しないヒータによりコンテナ内の処理物が所定温度条件(例えば360℃〜450℃程度)で加熱され、処理物を低酸素濃度雰囲気にて燃焼させることなく熱分解(乾留)して炭素化する。第一〜第四加熱室21〜24ではこの熱分解によって処理物から高熱量の乾留ガスが発生し、窒素置換により第一〜第四加熱室21〜24から排気管3へと排出されるガスにおける可燃成分の濃度は高いものとなる。
【0021】
こうして第一〜第四加熱室21〜24では処理物を熱分解する炭素化処理が行われるが、第一〜第四加熱室21〜24の前方には熱分解する前の処理が行われる予備室として第一、第二予備室11、12が設けられている。
【0022】
第二予備室12は第一加熱室21の手前に配置され、遮断扉5を開閉してコンテナが第二予備室12から第一加熱室21に搬入される。この第二予備室12では窒素置換が行われるとともに、ヒータによりコンテナ内の処理物が所定温度条件で予備加熱される。
【0023】
第二予備室12では上記した予備加熱時に、処理物から乾留ガスはほとんど発生しないが、遮断扉5の開閉時に隣接する第一加熱室21内の乾留ガスが流入し、窒素置換により第二予備室12から排気管3へと排出されるガスにおける可燃成分の濃度はある程度高いものとなる。
【0024】
第一予備室11は炭素化工程の流れ方向について最前部に配置され、遮断扉5を開閉してコンテナが第一予備室11に搬入され、窒素置換が行われる。
【0025】
第一予備室11は第二予備室12の手前に配置され、遮断扉5を開閉してコンテナが第一予備室11から第二予備室12に搬入される。この第一予備室11では処理物の熱分解が行われないため処理物から乾留ガスは発生せず、遮断扉5の開閉時に隣接する第二予備室12内に残留する少量の乾留ガスが流入するが、窒素置換により第一予備室11から排気管3へと排出されるガスにおけるガス中の可燃成分の濃度は低いものとなる。
【0026】
第一〜第四加熱室21〜24の後方には熱分解した後の処理が行われる冷却室として第一〜第三冷却室31〜33が設けられる。
【0027】
第一冷却室31は第四加熱室24の後方に配置され、遮断扉5を開閉してコンテナが第四加熱室24から第一冷却室31に搬入される。この第一冷却室31では処理物の一段目の冷却が行われ、余熱により処理物から乾留ガスが発生するとともに、遮断扉5の開閉時に隣接する第四加熱室24の乾留ガスが流入し、第一冷却室31から排気管3へと排出されるガスにおける可燃成分の濃度はある程度高いものとなる。
【0028】
第二冷却室32は第一冷却室31の後方に配置され、遮断扉5を開閉してコンテナが第一冷却室31から第二冷却室32に搬入される。この第二冷却室32では処理物の二段目の冷却が行われ、余熱により処理物から乾留ガスはほとんど発生せず、遮断扉5の開閉時に隣接する第一冷却室31内に残留する少量の乾留ガスが流入するが、窒素置換により第二冷却室32から排気管3へと排出されるガスにおける可燃成分の濃度は低いものとなる。
【0029】
第三冷却室33は第二冷却室32の後方に配置され、遮断扉5を開閉してコンテナが第二冷却室32から第三冷却室33に搬入される。この第三冷却室33では処理物の三段目の冷却が行われ、余熱により処理物から乾留ガスはほとんど発生せず、遮断扉5の開閉時に隣接する第二冷却室32内に残留するごく少量の乾留ガスが流入するが、窒素置換により第三冷却室33から排気管3へと排出されるガスにおける可燃成分の濃度は低いものとなる。
【0030】
第三冷却室33は炭素化工程の流れ方向について最後部に配置され、遮断扉5を開閉してコンテナが第三冷却室33から外部へと搬出される。
【0031】
第一〜第四加熱室21〜24では処理物の熱分解時に、処理物から高熱量の乾留ガスが発生し、この乾留ガスは炭化水素系の可燃成分を大量に含んでおり、排気管3を介して冷却器6にて冷却されることによりこの可燃成分が液化して可燃性の油が回収されるが、冷却器6を通過した余剰ガスには低沸点で液化しなかった可燃成分が含まれ、この余剰ガスは例えば千〜1万kcal/m3程度の熱量を持つ。
【0032】
第二予備室12では処理物の予備加熱時に、処理物から乾留ガスはほとんど発生しないが、遮断扉5の開閉時に隣接する第一加熱室21内の乾留ガスが流入しており、第二予備室12から排出されるガスは排気管3を介して冷却器6にて冷却されることによりこの可燃成分が液化して可燃性の油が回収され、冷却器6を通過した余剰ガスには低沸点で液化しなかった可燃成分がある程度含まれる。
【0033】
第一冷却室31では処理物の冷却時に、余熱により乾留ガスが発生するとともに、遮断扉5の開閉時に隣接する第四加熱室24の乾留ガスが流入しており、第一冷却室31から排出されるガスは排気管3を介して冷却器6にて冷却されることによりこの可燃成分が液化して可燃性の油が回収され、冷却器6を通過した余剰ガスには低沸点で液化しなかった可燃成分がある程度含まれる。
【0034】
各処理室11、32、33から排出されるガスを処理する設備として、ガスの逆流を止める安全器8と、ガスを燃焼させる第一消臭消煙装置51とを備える。
【0035】
各処理室12、21〜24、31から排出されるガスを処理する設備として、ガスを冷却して油分を分離する冷却器6と、余剰ガスに含有される油分を回収する油分回収器7と、ガスの逆流を止める安全器8、9と、ガスを燃焼させる第二消臭消煙装置61とを備える。
【0036】
本実施の形態では、2基の第二消臭消煙装置61と1基の第一消臭消煙装置51が設けられているが、これに限らず、これらの設置数は要求される処理能力等に応じて増減しても良い。
【0037】
第一予備室11と第二冷却室32と第三冷却室33から排出される可燃成分の少ないガスは第一排気通路50を通って第一消臭消煙装置51に導入され、第一消臭消煙装置51の高温雰囲気にて消臭消煙され、第一消臭消煙装置51の排熱筒55から外部に排出される。
【0038】
第一予備室11、第二冷却室32、第三冷却室33から延びる各排気管3は一つの安全器8に接続され、この安全器8を通過したガスが第一排気通路50を通って第一消臭消煙装置51に導かれる。すなわち、第一予備室11、第二冷却室32、第三冷却室33のガスが第一消臭消煙装置51へと導かれる経路には冷却器と油分回収器が設けられていない。
【0039】
安全器8は後述する安全器9(図6参照)と同様の構造を持ち、これに溜められた水によって第一消臭消煙装置51からのバックファイヤを止める働きをする。安全器8には後述する一次油タンク41、各二次油タンク42、各遠心分離機97、清浄油タンク43、屋内タンク47、オーバーフロー受けタンク44からのガスも導入される。
【0040】
第一排気通路50には吸引ファン56が介装され、この吸引ファン56を介してガスが第一消臭消煙装置51に送り込まれる。
【0041】
第一消臭消煙装置51は、ガスを滞留させる燃焼炉54と、この燃焼炉54内に臨む燃焼炉内温度保持用のバーナ53と、燃焼炉54内で燃焼したガスを外部に排出する排熱筒55とを備える。
【0042】
燃焼炉内温度保持用のバーナ53は、燃焼炉54内の出口寄りに設けられ、これに供給される燃料を燃焼炉54内で燃焼し、燃焼炉54内を所定温度(例えば800℃程度)に保つようになっている。
【0043】
第一消臭消煙装置51は、その燃焼炉54を所要のガス滞留時間が得られる容量とし、ガス(乾留ガス+窒素)が燃焼炉54内の高温雰囲気を通過することにより、ガスの消臭処理が効率良く行われる。
【0044】
第二予備室12、第一〜第四加熱室21〜24、第一冷却室31から排出される可燃成分の多いガスは第二排気通路60を通って第二消臭消煙装置61に導入され、第二消臭消煙装置61で燃焼後、高温雰囲気にて消臭消煙され、第二消臭消煙装置61の排熱筒65から外部に排出される。
【0045】
一方、第二予備室12、第一〜第四加熱室21〜24、第一冷却室31からのガスをそれぞれ排出する排気管3には冷却器6と油分回収器7と安全器9がそれぞれ直列に介装される。
【0046】
第二予備室12、第一〜第四加熱室21〜24、第一冷却室31から排気管3を通して排出される乾留ガスは各冷却器6にて冷却され、乾留ガスに含まれる油分が液化する。
【0047】
冷却器6は、冷却水が流れる冷却水配管群と、乾留ガスが通過するガス管のまわりを冷却水が循環する熱交換部とを備え、乾留ガスをこれらによって冷却して乾留ガスから液化した油や硫黄分等のスラッジを回収する。
【0048】
各冷却器6にて液化した油が配管15を通して一次油タンク41に送られ、この一次油タンク41の油が配管16と各送油ポンプ26を介して3基の二次油タンク(油タンク)42に送られ、各二次油タンク42の油が各配管17と各送油ポンプ27を介して清浄油タンク43に送られて貯留される。
【0049】
一次油タンク41、各二次油タンク42、43からオーバーフローした油を貯留するオーバーフロー受けタンク44が設けられる。一次油タンク41からオーバーフローした油が配管35を通してオーバーフロー受けタンク44に送られ、二次油タンク42からオーバーフローした油が配管36を通してオーバーフロー受けタンク44に送られ、清浄油タンク43からオーバーフローした油が配管19を通してオーバーフロー受けタンク44に送られる。オーバーフロー受けタンク44の油が配管37と送油ポンプ38を介して一次油タンク41に戻される。
【0050】
地下タンク46、屋内タンク47には例えばA重油等の燃料油がそれぞれ貯留される。屋内タンク47からオーバーフローした油が配管49を通して地下タンク46に送られる。地下タンク46の油が送油ポンプ48を介して屋内タンク47に戻される。
【0051】
屋内タンク47の油と清浄油タンク(燃料用タンク)43の油は、燃料供給通路18を通して第二消臭消煙装置61の各燃焼炉バーナ62、63と、第一消臭消煙装置51の燃焼炉バーナ53に送られる。屋内タンク47は切換弁58を介して燃料供給通路18に接続され、清浄油タンク(燃料用タンク)43は切換弁59を介して燃料供給通路18に接続される。
【0052】
乾留開始時(清浄油タンク43に清浄油が貯留されていない状態)および乾留中に清浄油タンク43の清浄油が不足した際には、切換弁59を閉じるとともに切換弁58を開いて屋内タンク47から重油を燃料供給通路18を通して燃焼炉バーナ53、62、63に供給する。清浄油タンク43に清浄油が十分に貯留さると、切換弁59を開くとともに切換弁58を閉じて清浄油タンク43から清浄油を燃料供給通路18を通して燃焼炉バーナ53、62、63に供給する。
【0053】
各安全器9、安全器8から取り出される廃水を貯留する廃水タンク45が設けられる。廃水タンク45には各安全器9からの廃水が配管67を介して導かれるとともに、安全器8からの廃水が配管68を介して導かれる。
【0054】
燃焼炉バーナ53、62、63は水混合燃焼方式のものであり、清浄油タンク43または屋内タンク47から燃料供給通路18を通って流量調整弁57を介して供給される油と、廃水タンク45から廃水供給通路69を通って流量調整弁20を介して供給される廃水を混合して燃焼させる。燃焼炉バーナ53、62、63に供給される燃料油と水の量は適正な混合比となるように流量調整弁57と流量調整弁20の開度によって調整する。
【0055】
冷却器6を通過した余剰ガスは油分回収器7に送られ、余剰ガスに含まれる油とスラッジが回収される。油分回収器7にて回収された油とスラッジは配管10を通して一次油タンク41に送られる。
【0056】
油分回収器7は後述するように油分吸着液を溜め、この油分吸着液内に余剰ガスを通し、余剰ガス中に含まれる油が油分吸着液に触れることによって液化して回収される。油分回収器7にて油分吸着液上に出た余剰ガスが配管8を通して安全器9へと送られる。
【0057】
図5に示すように、油分回収器7は油分吸着液を溜める油分吸着液槽75を備え、油分吸着液面上の空間が2枚の隔壁79によって3つのガス室76〜78に仕切られ、各ガス室76〜78の下方の油分吸着液内に余剰ガスを流出する3本のガス流入管71〜73を備える。
【0058】
なお、ガス室76〜78、ガス流入管71〜73の本数は、これに限らず、要求される処理能力等に応じて任意に設定される。
【0059】
冷却器6を通過した余剰ガスはガス流入管71を通って油分吸着液槽75の油分吸着液内に流出し、油分吸着液面上のガス室76に出た余剰ガスはガス流入管72を通って油分吸着液槽75の油分吸着液内に流出し、油分吸着液面上のガス室77に出た余剰ガスはガス流入管73を通って油分吸着液槽75の油分吸着液内に流出し、油分吸着液面上のガス室78に出た余剰ガスはガス流出管85を通って流出する。ガス流出管85を通って油分回収器7を出た余剰ガスは余剰ガス導入管85を通って安全器9に導かれる。
【0060】
油分吸着液槽75には各ガス流入管71〜73から流出した後に浮上する余剰ガスの気泡を通過させて細かい気泡に分割する気泡分割手段80としてガス通過板81が設けられる。各ガス流入管71〜73から大きな気泡となって流出する余剰ガスは油分吸着液中を浮上する過程でガス通過板81を通過することにより細かい気泡となり、余剰ガスに含まれる油分が油分吸着液に接触し、液化して油分吸着液に混ざることが促される。
【0061】
ガス通過板81は多数の小穴が所定の間隔で開口している。なお、気泡分割手段80はガス通過板81に限らず、例えばメッシュ材等を用いても良い。
【0062】
3枚のガス通過板81が上下方向に並んで設けられ、各ガス通過板81に各ガス流入管71〜73の下端部が挿通される。なお、ガス通過板81の枚数はこれに限らず、要求される処理能力等に応じて任意に設定される。
【0063】
各ガス流入管72、73のガス室77に対する開口端上部に切り欠き状のガス取り入れ口82が形成され、このガス取り入れ口82に対峙するオイルミスト衝突板83が固定される。これにより、ガス室77のガスはオイルミスト衝突板83を超えてガス取り入れ口82から中継管88へと流入する。油分吸着液槽75の油分吸着液が泡だってガス室77にオイルミストが発生するような場合、このオイルミストがオイルミスト衝突板83に当たって液化することが促される。
【0064】
ガス流出管85のガス室77に対する開口端に対峙する円盤状のオイルミスト衝突板86が設けられる。これにより、ガス室77のガスはオイルミスト衝突板86を迂回してガス流出管85へと流入する。油分吸着液槽75の油分吸着液が泡だってガス室77にオイルミストが発生するような場合、このオイルミストがオイルミスト衝突板86に当たって液化することが促される。
【0065】
油分吸着液槽75はその下部に出口87が開口し、この出口87を開閉するバルブ89が設けられる。油分吸着液槽75は出口87に向けて傾斜する底部88を有し、油分吸着液中に含まれるスラッジが重力により底部88を介して出口87に集まり、バルブ89が開かれるとスラッジが油分吸着液と共に配管10を通して一次油タンク41に送られる。
【0066】
油分吸着液槽75には油分吸着液として屋内タンク47からA重油が配管91を通して送油ポンプ92を介して供給される。油分吸着液槽75には油分吸着液の液面レベルを検出する液面計(図示せず)が設けられる。検出される液面レベルが所定値より低い場合にバルブ90を開いて、屋内タンク47からA重油が油分吸着液槽75に供給される。
【0067】
油分吸着液としてA重油が用いられるが、A重油は余剰ガスの気泡を包む液体として適度な粘度が得られ、これより粘度の低い軽油等に比べて油分の回収率を高められることが実験により確認された。
【0068】
油分吸着液はA重油に限らず、他の燃料油または水を用いることが考えられる。しかし、油分吸着液として水を用いる場合、水に浮かぶ油分を回収するのに油水分離器等が必要となる。
【0069】
油分吸着液槽75からオーバーフローする油分吸着液は排出管95から流出し、配管15を通して一次油タンク41に送られる。
【0070】
油分回収器7を通過した余剰ガスは安全器9を経て第二消臭消煙装置61に送られ、第二消臭消煙装置61にて燃焼する。
【0071】
安全器9内には水が溜められ、この水によって第二消臭消煙装置61から配管50を通って逆流するガスの流れを遮断する。安全器9の水は余剰ガスの通過に伴って汚濁するため、定期的に配管67を通して廃水タンク45へ排出する。
【0072】
図6に示すように、安全器9は水を溜める水槽93と、水槽93内の水中に臨む余剰ガス導入管94とを備える。余剰ガス導入管94を通して導かれる余剰ガスは気泡となって水槽93内の水中に流出し、水上に出た余剰ガスが配管50を通して第二消臭消煙装置61へと送られる。第二消臭消煙装置61から配管50を通って安全器9へと逆流するガスの流れは安全器9内に溜められた水によって止められる。第二消臭消煙装置61から火炎が配管50を通って伝播する火炎は安全器9に溜められた水によって遮断される。
【0073】
安全器9の水槽93には配管68を介して供給される水が溜められる。水槽93からオーバーフローする排水は配管67を通して廃水タンク45に流出する。安全器9のメンテナンス時にバルブ39を開いて水が抜き取られる。
【0074】
冷却器6、油分回収器7を流れる乾留ガスからスラッジが析出されるが、このスラッジは液化した油と共に配管15を通して一次油タンク41に送られ、一次油タンク41から配管16を通して二次油タンク42に溜められる。
【0075】
二次油タンク42にはこれに溜められる油を循環させる油循環回路96が設けられ、油循環回路96の途中に油に含まれるスラッジ等を分離除去する遠心分離機97が設けられる。油循環回路96は二次油タンク42と遠心分離機97を連通する複数の配管によって構成される。二次油タンク42内の油が一方の配管を通して遠心分離機97のポンプに吸い込まれ、遠心分離機97から流出する油が他方の配管を通して二次油タンク42に流下する。遠心分離機97は遠心力によってこれを循環する油からスラッジを分離する。こうしてスラッジが分離されるスラッジ分離除去工程が終了した後に、送油ポンプ27が駆動され、二次油タンク42の油が配管17を通して清浄油タンク43に送られて貯留される。
【0076】
清浄油タンク43の油を循環ポンプ98を介して循環させる清浄油循環回路99が設けられる。清浄油循環回路99の吸込口は清浄油タンク43の下部に接続される。循環ポンプ98を駆動して清浄油タンク43の油が清浄油循環回路99を循環することにより、清浄油タンク43の油に含まれるタール状物質が沈殿しないように撹拌される。これにより、清浄油タンク43から燃料供給通路18を通して各燃焼炉バーナ62、63、53に送られる油にタール状物質が均一に混ざり、各燃焼炉バーナ62、63、53にて油と共に燃焼する。
【0077】
第二排気通路60には吸引ファン66が介装され、この吸引ファン66を介してガスが第二消臭消煙装置61に送り込まれる。
【0078】
第二消臭消煙装置61は、ガスを滞留させる燃焼炉64と、この燃焼炉64内に臨む可燃ガス点火用の小容量バーナ62と、燃焼炉内温度保持用の大容量バーナ63と、燃焼炉64内で燃焼したガスを外部に排出する排熱筒65とを備える。
【0079】
可燃ガス点火用の小容量バーナ62は、燃焼炉64内の入口寄りに設けられ、これに供給される燃料を燃焼炉64内で燃焼し、燃焼炉64内に流入するガス中に含まれる可燃成分に着火するようになっている。
【0080】
燃焼炉内温度保持用の大容量バーナ63は、燃焼炉64内の出口寄りに設けられ、これに供給される燃料を燃焼炉64内で燃焼し、燃焼炉64内を所定温度(例えば800℃程度)以上に保つようになっている。
【0081】
第二消臭消煙装置61は、ガス(乾留ガス+窒素)の可燃成分を燃焼させて無害化するとともにガスの消臭をするものであり、ガスの可燃成分が燃焼するのに伴って燃焼炉64内の温度が許容値(例えば千数百℃)を超えて高くならないように燃焼炉64の容量を確保する。そして、燃焼炉64は異常燃焼を防止するとともに、爆発を防止するようになっている。
【0082】
以上のように構成されて、次に作用及び効果について説明する。
【0083】
遮断扉5を介して密閉された第一〜第四加熱室21〜24にて有機物を無酸素状態で間接加熱することによって、有機物を乾留化して炭素化物が作られると共に、油分を含む乾留ガスが排気管3を通して取り出される。
【0084】
第一〜第四加熱室21〜24から取り出される高温の乾留ガスは冷却器6にて冷却され、乾留ガス中の油分が液化して回収される。
【0085】
冷却器6から取り出される余剰ガスはここで液化されなかった油分を含むが、この油分が油分回収器7に溜められた油分吸着液に触れることによって液化し、この液化した油が油分吸着液に取り込まれて回収される。
【0086】
油分回収器7にて油分が十分に除去された余剰ガスが安全器9に送られることにより、安全器9に溜められた水に油分が液化して浮かぶことを抑えられ、廃水タンク45を介して水混合燃焼方式の各燃焼炉バーナ62、63、53に供給される水が不足することを防止できる。
【0087】
一方、安全器9を経て取り出される余剰ガスは第二消臭消煙装置61に送られるが、安全器9を通過した余剰ガスに含まれる油分が低減されることにより、第二消臭消煙装置61の入口に設けられるガス吸引ファンにて余剰ガスに含まれる油分が液化して外部に垂れ落ちることを防止できる。
【0088】
こうして第二予備室12と第一〜第四加熱室21〜24と第一冷却室31から排出される可燃成分の多いガスは第二排気通路60を通って第二消臭消煙装置61に導入され、第二消臭消煙装置61にて燃焼するとともに、第二消臭消煙装置61の高温雰囲気にて消臭消煙され、第二消臭消煙装置61の排熱筒65から外部に排出される。
【0089】
本実施形態では、処理物を熱分解する前の処理が行われる複数の予備室(第一、第二予備室11、12)と、処理物を加熱して熱分解する加熱室(第一〜第四加熱室21〜24)と、処理物を熱分解した後の処理が行われる複数の冷却室(第一〜第三冷却室31〜33)と、直列に並ぶ各予備室(第一、第二予備室11、12)と加熱室(第一〜第四加熱室21〜24)と各冷却室(第一〜第三冷却室31〜33)をそれぞれ閉塞する遮断扉5と、遮断扉5を開閉して処理物を搬送する搬送手段と、各予備室(第一、第二予備室11、12)と加熱室(第一〜第四加熱室21〜24)と各冷却室(第一〜第三冷却室31〜33)から排出されるガスを取り出す排気管3とを備え、処理物を炭素化する炭素化装置であって、加熱室(第一〜第四加熱室21〜24)から取り出されるガスを冷却して油分を分離する冷却器6と、この冷却器6から取り出されるガスを油分吸着液内に通して余剰ガスに含有される油分を分離する油分回収器7と、この油分回収器7から取り出されるガスを水中に通してガスの逆流を止める安全器9と、この安全器9から取り出されるガスを燃焼させる消臭消煙装置(第二消臭消煙装置61)とを備えたため、冷却器6と油分回収器7にて油分が十分に回収されたガスを安全器9を介して第二消臭消煙装置61に導くことが可能となり、安全器9に溜められた水に捕捉される油量が減らされることによって廃水の浄化処理の負担を軽減できるとともに、消臭消煙装置(第二消臭消煙装置61)にて異常燃焼や爆発が起きることを防止できる。さらに、第二消臭消煙装置61の入口に設けられるガス吸引ファン56にて余剰ガスに含まれる油分が液化して外部に垂れ落ちることを防止できる。
【0090】
本実施形態では、冷却器6と油分回収器7にて液化した油を貯留する清浄油タンク43と、安全器8から取り出される廃水を貯留する廃水タンク45とを備え、消臭消煙装置(第二消臭消煙装置61)に水混合燃焼方式の燃焼炉バーナ62、63を設け、この燃焼炉バーナ62、63は清浄油タンク43から供給される油と廃水タンク45から供給される廃水を混合して燃焼するため、回収された油が用いられることにより、A重油等の燃料油の消費が抑えられるとともに、廃水タンク45からの廃水を外部に排出することなく、システム内で処理でき、廃水の処理コストを低減できる。
【0091】
本実施形態では、冷却器6と油分回収器7にて液化した油が導入される二次油タンク42と、この二次油タンク42に溜められた油を循環させる油循環回路96と、この油循環回路96を循環する油からスラッジを分離除去する遠心分離機97とを備えたため、この遠心分離機97によってスラッジを分離除去した油が清浄油タンク43に送られ、各燃焼炉バーナ62、63にスラッジが詰まることを防止できる。
【0092】
本実施形態では、第一消臭消煙装置51と第二消臭消煙装置61をそれぞれ独立して設け、加熱室(第一〜第四加熱室21〜24)に隣接しない予備室(第一予備室11)と冷却室(第二冷却室32、第三冷却室33)とから排出されるガスを集めて第一消臭消煙装置51に導く第一排気通路50と、加熱室(第一〜第四加熱室21〜24)とこれに隣接する予備室(第二予備室12)と冷却室(第一冷却室31)とから排出されるガスを集めて第二消臭消煙装置61に導く第二排気通路60とを備えたため、第一排気通路50を介して熱量の低いガスが第一消臭消煙装置51に導かれることにより、第一消臭消煙装置51をガスの消臭をするものとして燃焼炉54を小型化する一方、第二排気通路60を介して熱量の高いガスが第二消臭消煙装置61に導かれることにより、第二消臭消煙装置61をガスを消臭するとともにガスの可燃成分を燃焼させて無害化するものとして燃焼炉64の容量を十分に確保して異常燃焼や爆発を防止できる。
【0093】
本実施形態では、油分回収器7として、油分吸着液を溜める油分吸着液槽75と、油分吸着液内に余剰ガスを流出するガス流入管71〜73と、油分吸着液中を浮上する余剰ガスの気泡を通過させて細かい気泡に分割する気泡分割手段80と、油分吸着液面上に出た余剰ガスを集めるガス室76〜78と、ガス室78に出た余剰ガスを取り出すガス流出管85とを備えたため、各ガス流入管71〜73から大きな気泡となって流出する余剰ガスは油分吸着液中を浮上する過程で気泡分割手段80を通過することにより細かい気泡となり、余剰ガスに含まれる油分が油分吸着液に触れて液化することが促され、油分回収器7から油分が十分に回収された余剰ガスを取り出すことが可能となる。
【0094】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施の形態を示す炭素化装置のシステム図。
【図2】同じく図1の一部を拡大したシステム図。
【図3】同じく図1の一部を拡大したシステム図。
【図4】同じく図1の一部を拡大したシステム図。
【図5】同じく油分回収器の断面図。
【図6】同じく安全器の断面図。
【符号の説明】
【0096】
3 排気管
6 冷却器
7 油分回収器
8、9 安全器
11 第一予備室(予備室)
12 第二予備室(予備室)
21 第一加熱室(加熱室)
22 第二加熱室(加熱室)
23 第三加熱室(加熱室)
24 第四加熱室(加熱室)
31 第一冷却室(冷却室)
32 第二冷却室(冷却室)
33 第三冷却室(冷却室)
42 二次油タンク(油タンク)
43 清浄油タンク
45 廃水タンク
50 第一排気通路
51 第一消臭消煙装置
53 燃焼炉バーナ
60 第二排気通路
61 第二消臭消煙装置(消臭消煙装置)
62、63 燃焼炉バーナ
71〜73 ガス流入管
76〜78 ガス室
80 気泡分割手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理物を熱分解する前の処理が行われる複数の予備室と、処理物を加熱して熱分解する加熱室と、処理物を熱分解した後の処理が行われる複数の冷却室と、直列に並ぶ各予備室と加熱室と各冷却室をそれぞれ閉塞する遮断扉と、遮断扉を開閉して処理物を搬送する搬送手段と、各予備室と加熱室と各冷却室から排出されるガスを取り出す排気管とを備え、処理物を炭素化する炭素化装置であって、
前記加熱室から取り出されるガスを冷却して油分を分離する冷却器と、この冷却器から取り出されるガスを油分吸着液内に通して余剰ガスに含有される油分を分離する油分回収器と、この油分回収器から取り出されるガスを水中に通してガスの逆流を止める安全器と、この安全器から取り出されるガスを燃焼させる消臭消煙装置とを備えたことを特徴とする炭素化装置。
【請求項2】
前記冷却器と前記油分回収器にて液化した油を貯留する清浄油タンクと、前記安全器から取り出される廃水を貯留する廃水タンクとを備え、前記消臭消煙装置に水混合燃焼方式の加熱炉バーナを設け、この加熱炉バーナは清浄油タンクから供給される油と廃水タンクから供給される廃水を混合して燃焼することを特徴とする請求項1に記載の炭素化装置。
【請求項3】
前記冷却器と前記油分回収器にて液化した油が導入される油タンクと、この油タンクに溜められた油を循環させる油循環回路と、この油循環回路を循環する油からスラッジを分離除去する遠心分離機とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の炭素化装置。
【請求項4】
前記消臭消煙装置として設けられる第二消臭消煙装置と、この第二消臭消煙装置とは独立して設けられる第一消臭消煙装置と、前記加熱室に隣接しない前記予備室と前記冷却室とから排出されるガスを集めてこの第一消臭消煙装置に導く第一排気通路と、前記加熱室とこれに隣接する前記予備室と前記冷却室とから排出されるガスを集めて前記第二消臭消煙装置に導く前記第二排気通路とを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の炭素化装置。
【請求項5】
前記油分回収器として、油分吸着液を溜める油分吸着液槽と、この油分吸着液内に余剰ガスを流出するガス流入管と、油分吸着液中を浮上する余剰ガスの気泡を通過させて細かい気泡に分割する気泡分割手段と、油分吸着液面上に出た余剰ガスを集めるガス室と、このガス室に出た余剰ガスを取り出すガス流出管とを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の炭素化装置。

【図5】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−291076(P2008−291076A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136416(P2007−136416)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(304039065)カヤバ システム マシナリー株式会社 (185)
【Fターム(参考)】