説明

無線基地局及び位置検出方法

【課題】 無線基地局の位置変化を検出する。
【解決手段】 無線基地局100は、無線端末400と通信可能であって、無線端末より送信される無線端末の位置情報及び無線端末が受信する当該無線基地局からの受信電力を含む信号を受信する受信部115と、位置情報及び受信電力とに基づいて、当該無線基地局の位置を推定する位置推定部117とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較的送信電波の弱い小型の無線基地局の運用に関し、無線基地局の位置検出の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の小型の無線基地局として、数mから数十mをサービスエリアとする送信電波が比較的弱いフェムトセル基地局が近年研究されている。フェムトセル基地局は、従来用いられている所謂マクロセル基地局と比較して小型のハードウェアで構成可能であるため、移設、設置が容易であるという特徴を有している。他方で、管理者の意図しない移設についても容易に行われ得る可能性がある。
【0003】
フェムトセル基地局が移動される場合、他のフェムトセル基地局又は近隣のより広いサービスエリアを有するマクロセルからの送信電波との干渉の悪化等、電波状況に悪影響を及ぼす可能性がある。かかる移動による干渉の悪化などをシステムの管理者側で検知し、且つ補償を行うため、個々のフェムトセル基地局についてその位置又は移設を検出する何らかの機能が求められる。例えば、以下に示す方法が知られている。
【0004】
例えば、フェムトセル基地局にGPS装置を設け、所定の周期等でフェムトセル基地局の位置をシステムの管理者に通知することで、現在位置と位置の変化とを管理者側が把握可能となる。また、フェムトセル基地局に対して、接続するネットワークが固有のIPアドレスを割り当てることで、IPアドレスから現在位置を管理者側が把握可能となる。
【0005】
その他の方法として、フェムトセル基地局に周辺の基地局の電波状況を測定可能なアンテナを設け、測定した周辺セルの電波強度とその位置とに基づいて、自身の位置を算出する方法が考えられる。下記の先行技術文献には、このような周辺セルの電波状況を利用した位置測定方法についての説明がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−52948号公報
【特許文献2】特開2003−18073号公報
【特許文献3】特開2008−22524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したフェムトセル基地局の位置測定方法には、例えば下記に示すような技術的な問題がある。GPS装置を用いた位置測定方法を実現するためには、各フェムトセル基地局にGPS装置を設ける必要があり、装置構成上のコストが増大する。また、GPS装置を備えるフェムトセル基地局がGPS電波を受信出来ない不感地帯に設置される場合等、GPSによる位置測定が行えない場合がある。
【0008】
また、コアネットワークのIPアドレスをフェムトセル基地局に割り当てる方法では、L2SW(Layer 2 Switch)等を用いた物理線の延長や、VPN(Virtual Private Network)等のトンネリング技術を用いた遠隔地への転送等により、フェムトセル基地局の位置を偽装することが出来る。このため、悪意によるフェムトセル基地局の移設を検出出来ない可能性がある。また、本方法では、フェムトセル基地局の位置の変化を測定出来ないという技術的な問題もある。
【0009】
また、アンテナを介した周辺セルの電波状況に基づく位置測定では、フェムトセル基地局に周辺セルの電波を受信可能なアンテナを設ける必要があり、装置構成上のコストが増大する。また、フェムトセル基地局の設置位置周辺に他の基地局が存在しない場合や、存在しても電波を受信出来ない位置関係にある場合等、位置測定を行えない場合がある。また、計算による位置の推定であるため、位置情報の取得のために十分な数のデータの確保が必要となる。
【0010】
尚、同様の技術的な問題は、フェムトセル基地局の位置測定に限らず、任意の無線基地局の位置測定においても同様に発生し得る。
【0011】
本発明は、上述した技術的な問題点に鑑み、無線基地局の設置位置や周辺の基地局の状況等の影響を受けず、位置測定を行うことを実現可能とする位置検出方法並びに無線基地局を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、開示の無線基地局は、無線端末と通信可能な無線基地局であって、受信部と位置推定部とを備える。受信部は、無線端末から送信される、無線端末の位置情報及び無線端末が受信する当該無線基地局からの受信電力を含む信号を受信する。位置推定部は、位置情報及び受信電力に基づいて、当該無線基地局の位置を推定する。
【0013】
また、開示の位置検出方法は、無線基地局において実施される位置検出方法であって、受信工程と、位置推定工程とを備える。受信工程は、上述した無線基地局が備える受信部と同様の動作を行う。位置推定工程は、上述した無線基地局が備える位置推定部と同様の動作を行う。
【発明の効果】
【0014】
上述の構成によれば、無線基地局に対して新たな装置を追加する事なく、当該無線基地局の位置の測定及び位置の変化の推定が可能となる。また、無線端末から送信される情報に基づいて位置の推定を行っているため、無線基地局が周辺の基地局からの電波やGPSの不感地帯に在圏する場合であっても、位置の推定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】移動通信システムの全体的な構成を示す図である。
【図2】eNBのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】eNBが備える機能部を示すブロック図である。
【図4】ブロードバンドルータの構成を示すブロック図である。
【図5】移動通信システムを管理する通信キャリア装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】移動通信システムを管理する通信キャリア装置が備える機能部を示すブロック図である。
【図7】UEのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】UEが備える機能部を示すブロック図である。
【図9】UEからの信号を受信する動作の流れを示すシーケンス図である。
【図10】データベースに情報を格納する動作の流れを示すシーケンス図である。
【図11】データベースに格納されるデータの例を示す図である。
【図12】eNB周辺にメッシュ状のエリアを規定した例を示す図である。
【図13】データベースに格納される干渉度についてのデータの例を示す図である。
【図14】eNB周辺に円状のエリアを規定した例を示す図である。
【図15】eNBの位置変化及び干渉の悪化を判定する動作の流れを示すフローチャートである。
【図16】UEを介して判定結果の通知を行う場合の表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、発明を実施するための実施形態について説明する。
【0017】
(1)構成例
図1を参照して、開示の移動通信システムの一例である移動通信システム1の構成について説明する。図1は、移動通信システム1の全体の構成を示すブロック図である。移動通信システム1は、例えば、W−CDMA(Wideband - Code Division Multiple Access)方式又はLTE(Long Term Evolution)方式の無線通信システム等である。
【0018】
図1に示されるように、移動通信システム1は、無線基地局(eNB:evolved Node B)100と、ブロードバンドルータ200と、移動体通信キャリア300と、ユーザ端末(UE:User Equipment)400と、インターネット網500とを含む。
【0019】
eNB100は、ブロードバンドルータ200を介してインターネット網500に接続されると共に、アンテナを介して送信電波を送信することでセルを形成し、該セル内に在圏するUE400との間で通信を行う基地局である。
【0020】
eNB100は、例えばフェムトセル無線基地局と呼ばれる基地局であって、家庭やオフィス、商業施設等比較的狭いエリアでの利用を想定した、4から16ユーザ程度の同時通信を可能とする小型の基地局装置である。以降、eNB100の実施の形態について、フェムトセル無線基地局を例に挙げて説明する。
【0021】
尚、eNB100はフェムトセル無線基地局以外にも、より広いセルを形成可能なマクロセル又はマイクロセル無線基地局等であってもよく、またより狭いセルを形成するものであってもよい。
【0022】
図2は、eNB100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図2に示されるように、eNB100は、RF101、SoC(System-on-a-chip)チップ102、該Socチップ102上に形成されるDSP(Digital signal Processor)103及びCPU104、メモリ105並びにネットワークインタフェースカード(NIC:Network Interface Card)106を備える。RF101は、アンテナを介して送信電波を送信し、セル(例えば、フェムトセル)を形成し、一方でセル内に在圏するUE400からの送信電波を受信することで、UE400と通信を行う回路である。SoCチップ102は、例えばDSP103やCPU104等を含む回路が形成される半導体チップである。DSP103は、ネットワークを介して受信される情報をRF101から出力するための態様に変換する処理や、RF101において受信される情報をネットワークに送信するための態様に変換する処理を行う。CPU104は、eNB100の各部の動作を制御すると共に、例えばメモリ105内に格納されるプログラムを実行することで、後述する各種動作を行う。NIC106は、LANを介してブロードバンドルータ200と接続し、通信を行うためのインタフェース機能を有するカード等である。
【0024】
図3は、eNB100が備える機能について、便宜上の機能部としてブロック図に示したものである。図3に示されるようにeNB100は、LANインタフェース(eNB)111、無線制御部(eNB)112、無線送受信部(eNB)113、CSG制御部114、MR信号受信部115、MRデータベース116、位置推定部117、無線品質推定部118及び結果判定通知部119を備える。これらの機能部により、eNB100は、UE400との間で送受信する無線制御信号であるRRCプロトコルの情報を本来の呼処理機能とは別に取得、分析可能となる。以下に、各機能部についてより詳細に説明する。
【0025】
LANインタフェース(eNB)111は、例えば、NIC106に対応する機能部であって、ブロードバンドルータ200との間で情報の通信を行うためのインタフェースであり、LAN(Local Area Network)経由で接続される。このため、LANインタフェース(eNB)111は、固有のIPアドレスを有する。
【0026】
無線制御部(eNB)112は、DSP103及びCPU104の動作により実施される機能を示す機能部であって、UE400とeNB100との間の無線通信を制御する。無線制御部(eNB)112は、3GPP等の通信制御規則に基づき、通信コネクション(言い換えれば、セッション)、又は通信チャネル(言い換えれば、トランスポートチャネル)等をRRCプロトコル等を用いて制御する。
【0027】
無線送受信部(eNB)113は、例えば、RF101に対応する機能部であって、eNB100のアンテナを介してUE400とeNB100との間の無線通信を行う。無線送受信部(eNB)113は、例えば、3GPP等の通信制御規則に基づいた物理チャネルで無線信号を送受信する。
【0028】
CSG制御部114、MR信号受信部115、MRデータベース116、位置推定部117、無線品質推定部118及び結果判定通知部119の各機能部は、CPU104及びメモリ105により実現される機能を示す機能部である。CPU104は、例えば、メモリ105内に格納されるプログラムを実施することで、以下に示す各種機能部に対応する動作を行う。
【0029】
CSG制御部114は、移動体通信キャリア300の加入者データベース313に格納されるCSG(Closed Subscriber Group)データベースに基づいて、ユーザ毎(言い換えれば、UE400毎)のアクセスコントロールを行う。具体的には、各eNB100について、該eNB100に登録されているUE400を該eNB100と通信可能とし、その他のUE400については通信セッションの切断を行う。尚、CSG制御部114は、eNB100に登録されていないUE400からのGPS位置測定要求に対するRRC Measurement Report信号(以降、MR信号と表記)については、受信するようアクセスを制御する。
【0030】
MR信号受信部115は、無線制御部(eNB)112が行う通信内容のうち、UE400から送信されるMRに係る値を取得する。MR信号取得部115は、取得した値をMRデータベース116に送信する。
【0031】
MRデータベース116は、MR信号受信部115から送信されたMRを格納するデータベースである。
【0032】
位置推定部117は、MRデータベース116に格納されるMRを参照し、該MRに含まれる送信元のUE400のGPS位置情報及びRSCP(Received Signal Code Power)値等の受信強度(言い換えれば、受信電力)に基づいて、eNB100の位置の推定(言い換えれば、算出)を定期的に行う。
【0033】
無線品質推定部118は、MRデータベース116に格納されるMRを参照し、該MRに含まれる送信元のUE400のGPS位置情報及びeNB100の周辺セルの電波状況に基づいてeNB100の無線品質、及び周辺セルの無線品質の推定(言い換えれば、算出)を定期的に行う。
【0034】
結果判定通知部119は、位置推定部117又は無線品質推定部118において推定される位置又は無線品質を適宜観察する。結果判定通知部119は、観察するeNB100の位置又は無線品質に変化があった場合、eNB100の移動の有無、eNB100の無線品質の変化の有無、及び周辺セルの無線品質の変化の有無の判定を行う。また、判定の結果を予め設定されたルールに基づいて、移動体通信キャリア300のOAM部314(図6参照)に通知する。このとき、結果判定通知部119は、TR−069やSNMP等の保守プロトコルを用いて通知してもよい。また、結果判定通知部119は、OAM部314の代わりに、UE400に対して通知してもよい。
【0035】
ブロードバンドルータ200は、eNB100とインターネット網500とを接続する装置である。図4は、ブロードバンドルータ200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4に示されるように、ブロードバンドルータ200は、インターネット網500に接続する為のゲートウェイ201と、eNB100が設置される個人宅、店舗、オフィス等のLANに接続するLANインタフェース(ルータ)202とを備える。
【0036】
ゲートウェイ201は、インターネット網500と接続するゲートウェイである。ゲートウェイ201は、eNB100からのインターネット網500への接続要求をインターネット網500に転送する一方で、インターネット網500からのeNB100への接続要求をeNB100に転送する。
【0037】
LANインタフェース(ルータ)202は、LANを介してLANインタフェース(eNB)111と接続し、情報の通信を行う。
【0038】
移動体通信キャリア300は、ユーザに対してUE400を用いた通信サービスを提供するための移動通信システム1をする管理する事業者又は管理用の装置である。図5は、移動通信システム1の管理用の装置である移動体通信キャリア300のハードウェア構成について一例を示す図である。図5に示されるように、移動体通信キャリア300は、LSI(Large Scale Integration)301と、CPU302と、メモリ303とを備える。LSI301は、インターネット網500を介してブロードバンドルータ200と接続し、情報の通信を行う回路等である。CPU302は、移動体通信キャリア300の各部の動作を制御すると共に、例えばメモリ303内に格納されるプログラムを実行することで、下記に示す各機能を実現する。メモリ303は、移動体通信キャリア300の動作に係るデータ等を格納する記憶装置である。
【0039】
図6は、移動体通信キャリア300が備える機能について、便宜上の機能部としてブロック図に示したものである。図6に示されるように移動体通信キャリア300は、コアネットワーク部311、eNB終端部312、加入者データベース313、OAM(Operation And Management)部314及び端末情報データベース315を備える。
【0040】
コアネットワーク部311は、加入者データベース313とのゲートウェイの役割を果たすと共に、加入者データベース313に登録されるユーザについてシステム使用料の課金処理等、通信状況管理に必要な機能を有する。
【0041】
eNB終端部312は、インターネット網500を介したeNB100との通信において、送受信されるデータの処理を行う。
【0042】
加入者データベース313は、メモリ303内部に格納される、移動通信システム1を利用可能なCSG、言い換えれば、移動通信システム1に接続可能な家庭用のeNB100等を利用可能なユーザ、UE400又はeNB100についての情報を格納するデータベースである。加入者データベース313は、例えば、ユーザ又はUE400毎にどのeNB100を介して移動通信システム1と通信可能であるかを示す情報をCSGデータベースとして格納する。
【0043】
OAM部314は、移動通信システム1に含まれるeNB100の障害発生の監視や、ファームウェアの更新等の管理を行う。また、OAM部314は、eNB100の結果判定通知部119から該eNB100についての移設の通知が送信される場合、該通知を受信する。
【0044】
端末情報データベース315は、移動通信システム1において用いられるUE400について、夫々の端末の種別毎の送信電波受信用のアンテナの利得を格納する。
【0045】
UE400は、eNB100が形成するセルに在圏しeNB100と接続することで、インターネット網500を介した通信を行う。図7及び図8を参照して、UE400の基本的な構成及び機能について説明する。
【0046】
図7は、UE400のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図7に示されるように、UE400は、アンテナ401、アンプ402、CPU403、メモリ404、表示画面406及び入力機器407を備える。
【0047】
アンテナ401は、eNB100からの送信電波を受信すると共に、eNB100に対して送信電波を送信することで通信を行うアンテナである。アンプ402は、アンテナ401において送受信される信号の増幅を行う。CPU403は、UE400の各部の動作を制御すると共に、例えばメモリ404内に格納されるプログラムを実行することで、後述する各種動作をUE400の各部に実施させる。メモリ404は、CPU403を動作させるためのプログラムや、アンテナ401を介して受信したデータや、その他のユーザデータ等を格納するメモリである。表示画面405は、CPU403の制御の下、所定の情報をユーザに対して閲覧させる目的で表示する。入力機器406は、ユーザからの指示や音声データ等をCPU403に入力するためのインタフェースである。また、入力機器406は、外部からのGPS信号を受信して、位置測定データの入力を受けるためのインタフェースをも備える。
【0048】
図8は、UE400が有する機能を便宜上の機能部としてブロック図に示したものである。図8に示されるようにUE400は、無線送受信部(UE)411、無線制御部(UE)412、アプリケーション実行部413、表示部414、GPS機能部415及び入力部416を備える。
【0049】
無線送受信部(UE)411は、UE400とeNB100との間の無線通信を行う機能部であり、アンテナ401を介して、3GPP等の通信制御規則に基づいた物理チャネルで無線信号を送受信する。
【0050】
無線制御部(UE)412は、UE400とeNB100との間の無線通信を制御する機能部である。無線制御部(UE)412は、3GPP等の通信制御規則に基づき、通信コネクション(言い換えれば、セッション)、又は通信チャネル(言い換えれば、トランスポートチャネル)等をRRCプロトコル等を用いて制御する。
【0051】
アプリケーション実行部413は、メモリ404内に格納されるアプリケーションを実行する機能部である。アプリケーション実行部413は、例えば、GPS位置情報を利用したWeb、地図ソフト等を実行し、実行結果を表示画面406に表示する。
【0052】
表示部414は、アプリケーション実行部413の実行結果等を表示画面406に表示する機能部である。また、表示部414は、eNB100や移動体通信キャリア300からの通知メッセージについても、表示画面406に表示する。
【0053】
GPS機能部415は、ユーザの指示、アプリケーション実行部413において実行されたアプリケーションからの要求、又はeNB100からの要求等に応じて、入力機器416を介して、UE400のGPSを利用した位置測定を行う。
【0054】
入力部416は、入力機器407を介して入力されたユーザの指示やGPSを利用した位置測定結果等の入力を受ける機能部である。
【0055】
インターネット網500は、例えば一般的なウェブ等に接続可能な広域インターネット網である。
【0056】
(2)動作例
以下に、移動通信システム1の各部の動作について詳細に説明する。移動通信システム1のeNB100は、以下に示す動作により、自身の位置の推定を行い移動体通信キャリア300に通知する。尚、以降の説明では、便宜上、位置測定を行うeNB100とは別に、eNB100の周辺に設置されるeNB100(例えば、他のフェムトセル基地局やマクロセル基地局等)が形成するセルについて、周辺セル600という表記を用いて説明する。尚、周辺セル600が複数存在する場合であっても、夫々を区別しないで説明する場合には周辺セル600との表記を用いる。
【0057】
(2−1) UE400からのMR信号受信処理
先ず。eNB100の位置の推定動作における、eNB100が通信中のUE400からのMR信号を受信する動作の流れについて説明する。図9は、一連の動作の流れを示すシーケンス図である。
【0058】
eNB100と通信中のUE400は、例えば、所定の周期でeNB100に対して、eNB100及び周辺セル600からの受信電波の無線品質等の測定結果を信号化したMR(Measurement Research)信号を送信する。
【0059】
MR信号は、例えば、UE400が電波を受信したセルについてのセル情報として、各セルの識別用のID、並びに該セルからの受信電波の無線品質(例えば、干渉度及び受信強度)等を含む。ここに、干渉度とは、例えばEc/No値であって、UE400が受信する全受信電力に対する該当セルからの受信電力の比等により表される。受信強度は、該当セルからの受信電力等である。UE400の無線制御部(UE)412は、無線送受信部(UE)411において受信されるeNB100の無線状況に基づいて、干渉度及び受信強度等の情報を測定又は取得する。無線制御部(UE)412は、取得した情報からMR信号を生成してeNB100に送信する
また、上述したセル情報とは別に、UE400がアプリケーションの実行などにより、GPS機能部415を用いた自身の位置の位置測定を行った場合、UE400は、MR信号に、該位置の位置測定に係るGPSデータを含めて送信する。GPS情報は、UE400の3次元的な位置を特定する情報として、例えば緯度、経度及び高度等のデータを含む。
【0060】
UE400の無線制御部(UE)412は、アプリケーション実行部413又は入力部416等からUE400の位置情報の位置測定を要求される場合、GPS機能部415に対してGPSを利用した位置情報の位置測定を指示する。
【0061】
続いて、UE400からのMR信号を受信したeNB100の動作について、図10のシーケンス図を参照して説明する。eNB100の無線制御部(eNB)112は、送信元のUE400が自身のeNB100との通信が可能なユーザであるか否かをCSG制御部114に問い合わせる。CSG制御部114は、例えば、eNB100に対して設定される識別用のID(例えば、CSGID)と、問い合わせの対象となるUE400の識別IDであるIMSI(International Mobile Subscriber Identity)を含む問い合わせメッセージを移動体通信キャリア300に送信する。問い合わせメッセージを受信した移動体通信キャリア300の加入者データベース313は、該メッセージに対して、通信が可能であるか否かを通知する応答メッセージを返信する。
【0062】
UE400がeNB100との通信可能な端末でない場合、MR信号の受信後に、CSG制御部114は通信セッションを切断して、以降の通信を不可とする。UE400がeNB100との通信可能な端末である場合、eNB100のMR信号受信部115は、無線制御部(eNB)112とUE400との間で送受信される信号内容を常時監視する。MR信号受信部115は、無線制御部(eNB)112がMR信号を受信した場合、該MR信号に含まれる情報をMRデータベース116に格納する。このとき、MR信号受信部115は、該MR信号の受信時刻、受信時刻、UE400のIMSI値、例えばIMEI(International Mobile Equipment Identity)値等の端末機種情報、受信時点でのeNB100の送信電力値、使用している周波数帯についても無線制御部(eNB)112から取得し、MRデータベース116に格納する。また、MR信号受信部115は、取得した端末機種情報について、移動体通信キャリア300の端末情報データベース315に問い合わせることで、UE400についての受信アンテナ利得を取得し、MRデータベース116に格納する。
【0063】
MRデータベース116には、受信したMR信号より取得されたMR信号情報が図11に示されるような態様で格納される。図11に示されるようにMRデータベース116は、受信したMR信号毎に例えばレコード番号等の識別用の番号を付して格納する。格納されるデータは、大分類として、基本情報、例えば、eNB100のセル及び周辺セル600等、MR信号により報告されるセル毎の情報、及びGPS情報に分類される。基本情報は、MR信号の受信時刻を含む時刻情報、送信元のUE400のIMSI、IMEI及びeNB100との通信が可能か否かを示すCSG属性を含む端末情報、並びにeNB100の送信電力、送受信周波数、UE400の受信アンテナ利得を含む無線情報を含む。セル毎の情報は、各セルのセル識別IDを含むセル情報と、Ec/No値等の干渉度及びRSCP等の受信電力を含む無線品質とを含む。GPS情報は、MR信号の送信元のUE400の3次元的な位置を特定する、緯度、経度及び高度等の位置情報を含む。
【0064】
(2−2) eNB100位置の推定動作
MRデータベース116に格納される情報に基づく、eNB100の位置の推定動作について説明する。eNB100の位置推定部117は、例えば、周期的、又は何らかのトリガに基づいて、MRデータベースに116に格納されるMR信号情報に基づいて、eNB100の位置の推定を行う。ここに、トリガとは、例えば、所定の数のMR信号情報がMRデータベース116に格納されたこと、又は移動体通信キャリア300側からの要求をされたこと等であってよい。
【0065】
推定時に、位置推定部117は、MRデータベース116から、前回の推定処理以降に格納されたMR信号情報を3つ以上読み出す。位置推定部117は、読み出したMR信号情報に含まれるGPS情報とRSCP値等の無線品質とに基づいて、計算によりeNB100の位置を推定する。
【0066】
以下に、計算によるeNB100の位置の推定動作の例を示す。先ず、位置推定部117は、eNB100とUE400との間の距離を算出する。具体的には、位置推定部117は、読み出したMR信号情報から、送信元のUE400における受信した無線品質のRSCP値等の電波強度A(dBm)と、受信アンテナ利得C(dB)とを取得する。また、セル識別IDに基づいて、eNB100についての送信電力B(dBm)、送受信周波数f(GHz)及び、eNB100の送信アンテナ利得D(dB)を取得する。
【0067】
ここで、eNB100とUE400との距離をd(m)とすると、eNB100とUE400との間の自由区間伝搬損失Γ(dB)=32.4+20Logf(GHz)+20Logd(m)とのように近似出来る。
【0068】
算出された自由区間伝搬損失Γ(dB)を用いると、「送信電力値B(dBm)+送信アンテナ利得D(dB)+受信アンテナ利得C(dB)−自由空間伝搬損失Γ(dB)=受信電波強度(RSCP値)A(dBm)」という関係から、距離d(m)が算出出来る。
【0069】
読み出した3つのMR信号情報について、MR信号の送信元のUE400を夫々UE#1、UE#2、UE#3とする。各UE400のGPS座標位置を緯度経度高度順に夫々(a1,b1,c1)、(a2,b2,c2)、(a3,b3,c3)とする。また、各UE400について、上述したように算出したeNB100との間の距離を夫々d1,d2,d3とする。これらの値より、三平方の定理より、eNB100の緯度経度高度(x,y,z)を算出可能となる。具体的には、UE#1について、(a1,b1,c1)と、d1と、(x,y,z)との間には、三平方の定理から、d1^2=(x−a1)^2+(y−b1)^2+(z−c1)^2の関係が成り立つ。同様にUE#2については、d2^2=(x−a2)^2+(y−b2)^2+(z−c2)^2、UE#3については、d3^2=(x−a3)^2+(y−b3)^2+(z−c3)^2の関係が成り立つ。これらの連立方程式を解くことにより、eNB100の三次元的な位置を示す緯度経度高度(x,y,z)を算出出来る。
【0070】
位置推定部117は、算出したeNB100の位置を示す緯度経度高度と、算出した時刻とをメモリ105内に記録する。また、位置推定部117は、算出に用いたUE400とeNB100との間の距離をMRデータベース116へ格納する。図11に示したデータ格納の態様を例とすると、MRデータベース116は、端末情報の分類内に距離というデータフィールドを追加して、eNB100とUE400との間の距離を格納する。
【0071】
(2−3) 無線品質測定
推定されたeNB100の位置情報に基づいて、eNB100の周辺のUE400又は周辺セル600に対する干渉に応じた無線品質の推定動作について説明する。無線品質推定部118は、eNB100の周辺に所定のエリアを規定し、MRデータベース116に格納されるMR信号情報に基づいて、エリア毎のeNB100又は周辺セル600からの送信電波の無線品質又は干渉度のマッピングを行う。
【0072】
無線品質推定部118が規定するエリアの例について、図12に例を示す。図12は、eNB100の周囲のエリアを、緯度及び経度に基づいて概ね等面積のメッシュ状のエリアに区切り、各エリアについてeNB100を基準とする絶対位置を規定したものである。図12に示される例では、eNB100を中心として東西方向に4つ(a、b、c、d)、南北方向に4つ(1、2、3、4)の計16エリアに区切られる。各エリアは、緯度及び経度によって区切られており、例えば、a1エリアは、東経aa度bb分0.001秒からaa度bb分0.002秒、北緯xx度yy分0.001秒からxx度yy分0.002秒のように規定される。
【0073】
eNB100の無線品質推定部118は、位置推定部117によるeNB100の位置の推定動作後に、該位置の推定動作において用いられたMR信号情報のGPS情報と、受信時刻、CSG属性及びeNB100の他の周辺セル600も含めたEc/Bo値等の干渉度を読み込む。そして、読み込んだMR信号情報のGPS情報から、該MR信号情報が上述のどのエリアにおいて取得されたかを判断し、エリア毎に受信時間、CSG属性及び干渉度(Ec/No値)を記録し、メモリに格納する。図13に格納されるデータの態様の例を示す。図13に示されるように、無線品質推定部118は、例えばメモリ105内部に干渉度データベース118aを形成する。干渉度データベース118aは、エリア毎にMR信号の受信時刻、送信元のUE400のIMSI及びCSG属性を含む基本情報、並びにUE400から送信されるeNB100及び周辺セル600についてのセル識別IDと、Ec/No値を格納する。
【0074】
このようにエリア毎に干渉度を記録することで、eNB100を中心とする周辺エリアにおける干渉度のマッピングが作成可能となる。このような干渉度のマッピングを参照することで、eNB100のセル内で電波送信に係る異常が生じているか否かを確認することが出来る
尚、無線品質推定部118は、eNB100を基準として他の態様でエリアを規定してもよい。例えば、図14は、eNB100を中心として、同心円状にエリアを規定する場合について例示する図である。図14では、例えば、eNB100から半径0.5mの円を等角で8分割して、左回りに夫々をe1、e2、e3、e4、e5、e6、e7、e8と規定している。また、eNB100の半径0.5mから半径1.0までの環を等角で8分割して、夫々をf1、f2、f3、f4、f5、f6、f7、f8と規定し、eNB100の半径1.0mから半径1.5までの環を等角で8分割して、夫々をg1、g2、g3、g4、g5、g6、g7、g8と規定している。このようにエリアを規定することで、eNB100からの直線距離に応じた干渉度のマッピングが可能となり、好適なセルの管理が可能となる。
【0075】
尚、その他、好適にeNB100の周辺における、eNB100及び他の周辺セル600からの干渉度をマッピング可能な態様であれば、どのようにエリアを規定してもよいものである。
【0076】
(2−4) 通知動作例
eNB100の結果判定通知部119は、上述したように推定されるeNB100の位置情報及び周辺エリアにおける干渉度のマッピングを監視し、何らかの変化が生じた場合に移動体通信キャリア300のOAM部314又はeNB100の管理者に通知する。具体的な判定及び通知動作の流れについて、図15にフローチャートの一例を示す。
【0077】
eNB100の結果判定通知部119は、位置推定部117により推定されるeNB100の位置情報を周期的に参照し、時系列的に比較して、位置の変化つまり移動が生じているか否かを判定する。結果判定通知部119は、例えば、位置情報の緯度、経度及び高度の少なくとも一つに、時系列的に位置が変化する等、移動であると判断される位置の変化が生じているか否かを判定する(ステップS101)。
【0078】
eNB100に位置の変化が確認される場合(ステップS101:Yes)、結果判定通知部119は、移動体通信キャリア300のOAM部314に、位置の変化を通知する(ステップS107)。
【0079】
また、eNB100に位置の変化が確認される場合(ステップS101:Yes)、結果判定通知部119は、無線品質推定部118により取得されたeNB100周辺の干渉度のマッピングを参照して、該周辺エリアに在圏するUE400に対する干渉度(Ec/No値)が変化しているか否かを判定する。このときの判定は、eNB100からの干渉度及び周辺セル600の干渉度について、個々のUE400のCSG属性毎に判定する。具体的には、先ず、結果判定通知部119は、CSG属性がeNB100と通信可能であるUE400について、eNB100からのEc/No値等の干渉度が悪化しているか否かを判定する(ステップS102)。続いて、結果判定通知部119は、CSG属性がeNB100と通信不可であるUE400について、eNB100からのEc/No値等の干渉度が悪化しているか否かを判定する(ステップS103)。続いて、結果判定通知部119は、CSG属性がeNB100と通信可能であるUE400について、周辺セル600からのEc/No値等の干渉度が悪化しているか否かを判定する(ステップS104)。続いて、結果判定通知部119は、CSG属性がeNB100と通信不可であるUE400について、周辺セル600からのEc/No値等の干渉度が悪化しているか否かを判定する(ステップS105)。
【0080】
結果判定通知部119は、いずれかの判定において、干渉度の悪化が見られないと判定した場合、所定の周期の経過後、再度同様の判定を行う(ステップS108)。
【0081】
結果判定通知部119は、いずれの判定においても干渉度が悪化していると判定した場合、eNB100の位置変化によって周辺セル600との電波の干渉が悪化し、無線品質の劣化が生じていると判断し、その旨をeNB100の管理者に通知する(ステップS106)。
【0082】
このとき、例えば結果判定通知部119は、eNB100の管理者が所持するUE400の表示画面406に対して、判定結果及び、MRデータベース116に格納される情報から生成した干渉を低減するためのeNB100の移設方法等を表示することで通知する。図16は、UE400の表示画面406に通知を表示した場合の例を図示したものである。図16の例では、判定結果を通知するために「フェムトセル設置位置のご確認」と題して「お客様が設置されたフェムトセルの位置が変更になった可能性がございます。つきましては、設置位置をご確認頂き、位置が変更されていた場合は元の位置に戻して頂きますようよろしくお願いいたします。移設後、下記の再確認ボタンを押して下さい。移設方向:現状より南西に5m程度」とのメッセージを表示している。eNB100は、入力機器407を介して管理者による「再確認」の指示の入力を受けた場合、再度MR信号情報の収集を行い、eNB100についての位置の変化と干渉度についての判定を実施してもよい。
【0083】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う移動通信システム、通信制御装置、通信制御方法及び無線基地局等もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0084】
以上、本明細書で説明した実施形態について、以下の付記を更に記載する。
(付記1)
無線端末と通信可能な無線基地局であって、
前記無線端末より送信される前記無線端末の位置情報及び前記無線端末が受信する当該無線基地局からの受信電力を含む信号を受信する受信部と、
前記位置情報及び前記受信電力に基づいて、当該無線基地局の位置を推定する位置推定部と
を備えることを特徴とする無線基地局。
(付記2)
前記受信部は、相異なる少なくとも3つの前記無線端末より送信される、前記信号を夫々受信し、
前記位置推定部は、前記相異なる少なくとも3つの無線端末より取得された前記位置情報及び前記受信電力に基づいて、当該無線基地局の位置を推定することを特徴とする付記1に記載の無線基地局。
(付記3)
前記位置推定部により推定される当該無線基地局の位置の変化を検出する位置判定部を更に備え、
前記受信部は、前記信号を異なる時間において複数回受信し、
前記位置判定部は、前記信号の夫々に含まれる前記位置情報及び前記受信電力に基づく前記位置推定部による推定結果を時系列的に比較することで、当該無線基地局の位置の変化を検出することを特徴とする付記1又は2に記載の無線基地局。
(付記4)
前記信号に基づいて所定の地点における無線品質を推定する無線品質推定部を更に備え、
前記受信部は、前記無線端末における当該無線基地局及び当該無線基地局周辺に設置される無線基地局のうちの少なくとも1つを選択し、該選択された無線基地局についての干渉度の情報を含む前記信号を受信し、
前記無線品質推定部は、前記信号に含まれる前記位置情報及び前記干渉度の情報に基づいて、前記位置情報により示される地点における前記選択された無線基地局についての無線品質を推定することを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の無線基地局。
(付記5)
前記無線品質推定部により推定される前記選択された無線基地局についての無線品質の時系列的な変化を検出する無線品質判定部を更に備え、
前記受信部は、前記干渉度の情報を含む信号を異なる時間において複数回受信し、
前記無線品質推定部は、前記信号の夫々に含まれる前記位置情報及び前記干渉度の情報に基づく前記無線品質推定部による推定結果を時系列的に比較することで、前記選択された無線基地局についての無線品質の時系列的な変化を検出することを特徴とする付記4に記載の無線基地局。
(付記6)
前記無線品質推定部は、当該無線基地局を基準とする所定の範囲を複数のエリアに区切り、前記複数のエリアの各エリア毎に、前記選択された無線基地局についての無線品質を推定することを特徴とする付記4又は5に記載の無線基地局。
(付記7)
前記無線端末に対して、契約情報に基づいて、当該無線基地局との通信が可能であるか否かを判断する通信可否判定部を更に備え、
前記無線品質判定部は、前記通信可否判定部によって当該無線基地局との通信が可能であると判断された前記無線端末より送信される前記信号に基づいて推定される前記無線品質に変化が検出される場合、当該無線基地局との通信が可能でないと判断された前記無線端末より送信される前記信号に基づく前記無線品質推定部による推定結果を時系列的に比較することで、変化を検出することを特徴とする付記5に記載の無線基地局。
(付記8)
予め設定される所定の設置位置から当該無線基地局の位置が変化している場合、及び予め設定される所定の無線品質から当該無線基地局についての前記無線品質が変化している場合の少なくとも一方において、該変化について、当該無線基地局の管理者に対して通知する通知部を更に備えることを特徴とする付記4から7のいずれか一項に記載の無線基地局。
(付記9)
前記通知部は、推定された当該無線基地局の位置及び前記無線品質に基づいて、前記変化を補償するために当該無線基地局を移動させる場所を更に通知することを特徴とする付記8に記載の無線基地局。
(付記10)
無線端末と通信可能な無線基地局における位置検出方法であって、
前記無線端末より送信される、前記無線端末の位置情報及び前記無線端末が受信する当該無線基地局からの受信電力を含む信号を受信する受信工程と、
前記位置情報及び前記受信電力に基づいて、当該無線基地局の位置を推定する位置推定工程と
を備えることを特徴とする位置検出方法。
【符号の説明】
【0085】
101 RF、
102 SoCチップ、
103 DSP、
104 CPU、
105 メモリ、
106 NIC、
111 LANインタフェース、
112 無線制御部(eNB)、
113 無線送受信部(eNB)、
114 CSG制御部、
115 MR信号受信部、
116 MRデータベース、
117 位置推定部、
118 無線品質推定部、
119 結果判定通知部、
200 ブロードバンドルータ、
300 移動体通信キャリア、
400 UE、
500 インターネット網、
600 周辺セル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末と通信可能な無線基地局であって、
前記無線端末より送信される前記無線端末の位置情報及び前記無線端末が受信する当該無線基地局からの受信電力を含む信号を受信する受信部と、
前記位置情報及び前記受信電力に基づいて、当該無線基地局の位置を推定する位置推定部と
を備えることを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記受信部は、相異なる少なくとも3つの前記無線端末より送信される、前記信号を夫々受信し、
前記位置推定部は、前記相異なる少なくとも3つの無線端末より取得された前記位置情報及び前記受信電力に基づいて、当該無線基地局の位置を推定することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記位置推定部により推定される当該無線基地局の位置の変化を検出する位置判定部を更に備え、
前記受信部は、前記信号を異なる時間において複数回受信し、
前記位置判定部は、前記信号の夫々に含まれる前記位置情報及び前記受信電力に基づく前記位置推定部による推定結果を時系列的に比較することで、当該無線基地局の位置の変化を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記信号に基づいて所定の地点における無線品質を推定する無線品質推定部を更に備え、
前記受信部は、前記無線端末における当該無線基地局及び当該無線基地局周辺に設置される無線基地局のうちの少なくとも1つを選択し、該選択された無線基地局についての干渉度の情報を含む前記信号を受信し、
前記無線品質推定部は、前記信号に含まれる前記位置情報及び前記干渉度の情報に基づいて、前記位置情報により示される地点における前記選択された無線基地局についての無線品質を推定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記無線品質推定部により推定される前記選択された無線基地局についての無線品質の時系列的な変化を検出する無線品質判定部を更に備え、
前記受信部は、前記干渉度の情報を含む前記信号を異なる時間において複数回受信し、
前記無線品質推定部は、前記信号の夫々に含まれる前記位置情報及び前記干渉度の情報に基づく前記無線品質推定部による推定結果を時系列的に比較することで、前記選択された無線基地局についての無線品質の時系列的な変化を検出することを特徴とする請求項4に記載の無線基地局。
【請求項6】
前記無線品質推定部は、当該無線基地局を基準とする所定の範囲を複数のエリアに区切り、前記複数のエリアの各エリア毎に、前記選択された無線基地局についての無線品質を推定することを特徴とする請求項4又は5に記載の無線基地局。
【請求項7】
前記無線端末に対して、契約情報に基づいて、当該無線基地局との通信が可能であるか否かを判断する通信可否判定部を更に備え、
前記無線品質判定部は、前記通信可否判定部によって当該無線基地局との通信が可能であると判断された前記無線端末より送信される前記信号に基づいて推定される前記無線品質に変化が検出される場合、当該無線基地局との通信が可能でないと判断された前記無線端末より送信される前記信号に基づく前記無線品質推定部による推定結果を時系列的に比較することで、変化を検出することを特徴とする請求項5に記載の無線基地局。
【請求項8】
予め設定される所定の設置位置から当該無線基地局の位置が変化している場合、及び予め設定される所定の無線品質から当該無線基地局についての前記無線品質が変化している場合の少なくとも一方において、該変化について、当該無線基地局の管理者に対して通知する通知部を更に備えることを特徴とする請求項4から7のいずれか一項に記載の無線基地局。
【請求項9】
前記通知部は、推定された当該無線基地局の位置及び前記無線品質に基づいて、前記変化を補償するために当該無線基地局を移動させる場所を更に通知することを特徴とする請求項8に記載の無線基地局。
【請求項10】
無線端末と通信可能な無線基地局における位置検出方法であって、
前記無線端末より送信される、前記無線端末の位置情報及び前記無線端末が受信する当該無線基地局からの受信電力を含む信号を受信する受信工程と、
前記位置情報及び前記受信電力に基づいて、当該無線基地局の位置を推定する位置推定工程と
を備えることを特徴とする位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−105154(P2012−105154A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253173(P2010−253173)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】