説明

無線通信システム

【課題】電池駆動機器の電池残量が少ない場合でも、電池駆動機器の通信処理が失敗することを防止することができる無線通信システムを提供する。
【解決手段】画像端末8及び音楽端末9は、電子カメラ11と略同一の周波数帯域を使用してファイルサーバー7と無線通信を行なう。電子カメラ11は、電池残量を示す電池残量情報をホームサーバー4へ送信する。ホームサーバー4は、受信した電池残量情報に基づいて、電子カメラ11の無線通信環境を改善する為に画像端末8及び画像端末9の動作状態を変更する状態変更処理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信機能を搭載した電子カメラ等の電池駆動機器における無線通信環境の改善を図った無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池残量が所定量以下となった減電状態にある電子カメラからの通信要求に対するネットワーク側の処理として、特許文献1には下記の内容が開示されている。
・減電状態にある電子カメラに対して転送のバンド巾を優先的に割り当てる。
・バンド巾制御機能の無い伝送路において、動的にバンド巾計測を行い、全転送量の抑制を行うことで、優先的にバンド巾を割り当てる。
上記の処理により、減電状態にある電子カメラからの通信に対して、通信速度を確保することが可能となり、接続時間を短縮して、電池不足による通信処理の失敗の頻度を低減することが可能となる。
【特許文献1】特開2004−326156号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、最近の電子カメラには無線通信機能を持つものが多くなってきている。又、無線通信環境は、同じ空間内に複数の機器が存在し、且つ同じ周波数帯を複数の通信方式で使用する状況となっている。同じ周波数帯域を使う通信方式として、例えばBluetooth(登録商標)と無線LAN802.11bは同じ2.4GHz帯を使用している。又、UWB(Ultra Wide Band)を使った通信では、同じRF回路で複数のプロトコルの実装を可能としている為、同一周波数帯にワイアレスUSBとBluetooth(登録商標)等の複数のプロトコルが存在することになる。
【0004】
上記のように、同一周波数帯を使って異なる通信方式で通信を行う複数の機器が同じ空間内に存在する環境では、特許文献1に記載された方式を用いて、電子カメラに対するバンド幅を確保しても、同一周波数帯を使用する他の機器の通信で発生するノイズによる通信速度の低下が発生することになる。無線通信の場合、他の機器が発生する電波が通信空間内に混入する為、有線通信よりも通信速度の変動が大きくなる傾向がある。その為、電池残量から画像データの通信終了まで電池が持つと判断して電子カメラが通信を開始しても、その後の通信状況の悪化により通信速度が低下し、通信が終了する前に電子カメラが電池切れで停止することになる。又、電子カメラの傍に他の電子機器が有る場合、その電子機器の動作に伴って発生する電磁波の影響により、電子カメラの無線通信環境が悪化することも発生する。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、電池駆動機器の電池残量が少ない場合でも、電池駆動機器の通信処理が失敗することを防止することができる無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決する為になされたもので、無線通信を行なう電池駆動機器(図1の電子カメラ11、図6の電子カメラ57に対応)と、前記電池駆動機器と略同一の周波数帯域を使用して無線通信を行なう通信端末(図1のゲーム機6、画像端末8、音楽端末9、図6のゲーム機54、画像端末55、音楽端末56に対応)と、前記電池駆動機器及び前記通信端末と通信を行なうサーバー(図1のホームサーバー4、ファイルサーバー7、図6のホームサーバー51、ファイルサーバー53に対応)とを備えた無線通信システムにおいて、前記電池駆動機器は、電池残量を示す電池残量情報を前記サーバーへ送信し、前記サーバーは、受信した前記電池残量情報に基づいて、前記電池駆動機器の無線通信環境を改善する為に前記通信端末の動作状態を変更する状態変更処理を行なうことを特徴とする無線通信システムである。
【0007】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記通信端末の通信レートを下げる処理を行なうことを特徴とする。
【0008】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記通信端末の無線通信を中断又は中止する処理を行なうことを特徴とする。
【0009】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記電池駆動機器へ送信される送信電波の送信パワーを増大させる処理を行なうことを特徴とする。
【0010】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池駆動機器及び前記通信端末の各々の通信の優先度を示す優先度情報に応じて前記状態変更処理を行なうことを特徴とする。
【0011】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池駆動機器及び前記通信端末の位置を予め記憶しており、受信した前記電池残量情報と前記電池駆動機器及び前記通信端末の位置とに基づいて前記状態変更処理を行なうことを特徴とする。
【0012】
又、本発明は、無線通信を行なう電池駆動機器(図1の電子カメラ11、図6の電子カメラ57に対応)と、前記電池駆動機器が無線通信で使用する周波数帯に電波雑音を発生する電子機器(図1のプリンタ12、図6のプリンタ52に対応)と、前記電池駆動機器及び前記電子機器と通信を行なうサーバー(図1のホームサーバー4、ファイルサーバー7、図6のホームサーバー51、ファイルサーバー53に対応)とを備えた無線通信システムにおいて、前記電池駆動機器は、電池残量を示す電池残量情報を前記サーバーへ送信し、前記サーバーは、受信した前記電池残量情報に基づいて、前記電池駆動機器の無線通信環境を改善する為に前記電子機器の動作状態を変更する状態変更処理を行なうことを特徴とする無線通信システムである。
【0013】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記電子機器の通信レートを下げる処理を行なうことを特徴とする。
【0014】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記電子機器の動作を中断又は中止する処理を行なうことを特徴とする。
【0015】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記電池駆動機器へ送信される送信電波の送信パワーを増大させる処理を行なうことを特徴とする。
【0016】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池駆動機器及び前記電子機器の各々の通信の優先度を示す優先度情報に応じて前記状態変更処理を行なうことを特徴とする。
【0017】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、前記電池駆動機器及び前記電子機器の位置を予め記憶しており、受信した前記電池残量情報と前記電池駆動機器及び前記電子機器の位置とに基づいて前記状態変更処理を行なうことを特徴とする。
【0018】
又、本発明の無線通信システムにおいて、前記サーバーは、指向性を変更可能な指向性アンテナを用いて前記電池駆動機器及び前記電子機器と通信を行ない、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記指向性アンテナの指向性を前記電池駆動機器へ向けることを特徴とする。
【0019】
上記において、括弧で括った部分の記述は、後述する本発明の実施形態と本発明の構成要素とを便宜的に対応付けるためのものであり、この記述によって本発明の内容が限定されるわけではない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、サーバーが、電池残量情報に基づいて、電池駆動機器の無線通信環境を改善する為に通信端末又は電子機器の動作状態を変更するので、電池駆動機器の無線通信環境が改善され、通信速度が向上し、通信処理を短時間で終了させることが可能となる。したがって、電池駆動機器の電池残量が少ない場合でも、電池駆動機器の通信処理が失敗することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。本実施形態では、本発明を家庭内ネットワークに適用した場合を例に説明を行う。図1は、本実施形態による無線通信システムの構成を示している。
【0023】
本実施形態による無線通信システムは、有線通信路3に対して、ブロードバンドルータ2、ホームサーバー4、ゲーム機用無線端末5、ファイルサーバー7、無線LANアクセスポイント10、及びプリンタ12が接続されている構成となっている。又、ゲーム機用無線端末5にはゲーム機6が無線接続され、ファイルサーバー7には画像端末8と音楽端末9が無線接続され、無線LANアクセスポイント10には電子カメラ11が無線接続されている。
【0024】
ブロードバンドルータ2は、ブロードバンド回線1を介して図示せぬ外部ネットワークと接続されている。ホームサーバー4は、無線通信システム全体の動作を統括しており、システム内の各機器の動作を制御する機能を持っている。ゲーム機6は、独自プロトコルの無線通信方式でゲーム機用無線端末5と接続されている。又、ゲーム機6は、ゲーム機用無線端末5、有線通信路3、ブロードバンドルータ2、及びブロードバンド回線1を介して外部ネットワークと接続することが可能であり、オンラインゲームの実行やゲームプログラムのダウンロードが可能となっている。
【0025】
ファイルサーバー7は、データファイルを一括管理するサーバーである。ファイルサーバー7には音楽ファイルや画像ファイル等が格納されている。又、ファイルサーバー7は無線LAN機能とBluetooth(登録商標)通信機能を内蔵しており、画像端末8や音楽端末9と無線通信によるファイル転送を行なう。尚、ホームサーバー4とファイルサーバー7を一体化させた1台のサーバーを用いてもよい。無線LANアクセスポイント10は、無線LAN機能を持つ機器との通信を行う機器であり、図1では無線LAN機能を内蔵した電子カメラ11と接続されている。プリンタ12は、ホームサーバー4から有線通信路3を介して送信される印刷指示に基づいて、ファイルサーバー7から受信した静止画データを印刷する。プリンタ12には無線通信機能は無い。
【0026】
図2は、電子カメラ11の構成を示している。電子カメラ11は、撮像ユニット13、画像処理回路14、データバス15、電池16、電圧測定回路17、操作ボタン18、制御回路19、通信処理回路20、メモリ21、RF回路22、及びアンテナ23を備えている。
【0027】
撮像ユニット13は被写体を撮像しRAW画像データを生成する。画像処理回路14は、撮像ユニット13で得られたRAW画像データを処理する。データバス15は電子カメラ11内で画像データ等を伝送する。電池16は電子カメラ11内の各部に駆動電力を供給する。電圧測定回路17は電池16の電圧を測定する。操作ボタン18はシャッタボタン等を備えており、操作者による操作の結果を示す信号を出力する。制御回路19は電子カメラ11内の各部を制御する。通信処理回路20は、送信データ及び受信データのプロトコル変換を行なう。メモリ21は、電子カメラ11内での処理に用いられる各種情報を記憶する。RF回路22は送信データの変調処理や受信データの復調処理等を行なう。アンテナ23は電波の放射及び受信を行なう。
【0028】
次に、電子カメラ11の動作を説明する。電子カメラ11が保持する画像データは、以下の手順により、無線LANアクセスポイント10を介してファイルサーバー7へ送信される。撮影時に、操作ボタン18中のシャッタボタンが押し下げられた時点で撮像ユニット13により得られたRAW画像データが、画像処理回路14によって処理され、データバス15を通ってメモリ21に格納される。操作ボタン18の操作により、画像データの通信指示が入力されると、メモリ21中の画像データがデータバス15を通って通信処理回路20に読み込まれ、通信処理回路20によって所定のプロトコルに変換された後、RF回路22及びアンテナ23を通って電波として空中に放射される。
【0029】
電圧測定回路17は電池16の電圧を周期的に測定する。この測定電圧に基づいて、電池残量が少ない減電状態であるか否かが、制御回路19によって判定され、判定結果がメモリ21に格納される。上記の各動作は、制御回路19の指示により行われる。メモリ21に格納された判定結果は、画像データの転送開始時の最初に無線LANアクセスポイント10へ送信される。無線LANアクセスポイント10によって受信された判定結果は、有線通信路3を介してホームサーバー4へ転送され、ホームサーバー4が通信状況改善処理を行なう為の判断材料とされる。
【0030】
次に、減電状態の電子カメラ11が無線通信システムにデータ送信処理を要求した場合の各装置の動作を説明する。データ送信処理を要求する場合、電子カメラ11は、メモリ21に格納された判定結果を含むデータ送信要求を送信する。電子カメラ11が送信したデータ送信要求は、無線LANアクセスポイント10及び有線通信路3を介してホームサーバー4へ転送される。データ送信要求を受信したホームサーバー4は、データ送信要求のヘッダ情報中の減電フラグ情報を解析し、電子カメラ11が減電状態であることを認識する。電子カメラ11が減電状態であることを認識したホームサーバー4は、電子カメラ11〜無線LANアクセスポイント10間の通信で使用している周波数帯に悪影響を与える機器の動作を抑制又は中断し、電子カメラ11の無線通信環境を改善する。
【0031】
図3、図4、及び図5はそれぞれ、減電状態にある電子カメラ11がデータ送信要求を行なった場合の電子カメラ11、ホームサーバー4、ファイルサーバー7の動作手順を示したフローチャートである。先ず、図3を参照しながら、電子カメラ11の動作を説明する。図3は、電子カメラ11の動作手順を示したフローチャートであり、操作ボタン18の操作により入力された通信指示に基づいて制御回路19が行なう処理を示している。
【0032】
操作ボタン18が押された場合、操作ボタン18から制御回路19へ信号が出力される。その信号に基づいて制御回路19は操作ボタン処理タスクを起動する(ステップ100)。操作ボタン処理タスクでは、制御回路19は先ずボタン操作内容解析処理を行なう(ステップ101)。ボタン操作内容が画像データ送信の指示であった場合、制御回路19は減電判断を実施する(ステップ102)。電子カメラ11では、前述したように、電圧測定回路17が周期的に電池16の電圧を測定して減電状態のチェックを行っている。ステップ26の減電判断において、制御回路19は電池16の電圧測定結果をメモリ21から読み出し、電圧値に対応した電池残量に基づいて、電子カメラ11が減電状態であるか否かを判定する。
【0033】
電池残量が所定値以下の場合には電子カメラ11が減電状態であると判定され、電池残量が所定値を超える場合には電子カメラ11が減電状態ではないと判定される。判定結果は、減電フラグとしてメモリ21に格納される。電子カメラ11が減電状態の場合、減電フラグが"1"に設定される(ステップ103)。又、電子カメラ11が減電状態ではない正常状態の場合、減電フラグが"0"に設定される(ステップ104)。
【0034】
減電フラグの設定が終了した後、通信処理回路20を制御して通信処理を行なう通信タスクが起動され(ステップ105)、操作ボタン処理タスクが終了する(ステップ107)。通信処理は、制御回路19による通信タスクの制御に従って、通信処理回路20により行なわれる。この通信処理により、メモリ21上の減電フラグの値をヘッダ情報に含むホームサーバー4宛のデータ送信要求が送信される。本実施形態による電子カメラ11は無線LAN機能を内蔵しているが、無線LANの通信処理は公知であるので、通信処理の説明を省略する。
【0035】
又、ステップ101において、操作ボタンの操作内容が画像データ送信指示以外であった場合、各々の操作内容に対応した処理が行なわれ(ステップ106)、操作ボタン処理タスクが終了する(ステップ107)。この処理は本実施形態の中心的な処理ではないので、説明を省略する。
【0036】
次に、図4を参照しながら、ホームサーバー4の動作を説明する。図4は、ホームサーバー4の動作手順を示したフローチャートである。ホームサーバー4は、電子カメラ11からのデータ送信要求を受け取ると、通信要求対応処理タスクを起動する(ステップ200)。通信要求対応処理タスクでは、ホームサーバー4は先ず要求元解析を行ない、データ送信要求の発生元を解析する(ステップ201)。本実施形態では、データ送信要求を送信した機器は電子カメラ11であるので、ホームサーバー4は電子カメラ11に対応した要求内容解析を行ない、画像データの転送要求であることを確認する(ステップ202)。
【0037】
続いて、ホームサーバー4は電子カメラ11が減電状態であるかどうかを解析する減電判断を行なう(ステップ203)。この減電判断は、データ送信要求のヘッダ情報に含まれる減電フラグの値に基づいて行われる。電子カメラ11が減電状態であると判断した場合、ホームサーバー4は通信条件改善処理を行なう(ステップ204)。
【0038】
通信条件改善処理(状態変更処理)は、電池駆動機器の無線通信環境を改善する為に通信端末の状態を変更する処理であって、具体的には、電子カメラ11が使用している周波数帯に悪影響を与える可能性の有る機器の動作を抑制又は中断(もしくは中止)する処理である。動作の抑制/中断は、予め設定されている優先度に応じて行われ、電子カメラ11より優先度の高い機器に対しては抑制/中断は行なわれない。
【0039】
本実施形態では、電子カメラ11と同一周波数帯の無線通信を行っている機器として、ゲーム機6、画像端末8、及び音楽端末9を例示している。又、電子カメラ11が無線通信に使用している周波数帯にノイズ(電波雑音)を発生する機器としてプリンタ12を例示している。各機器の優先度は、ゲーム機6>電子カメラ11>画像端末8>音楽端末9>プリンタ12となっており、ホームサーバー4は、これらの機器の優先度を示す優先度情報を記憶している。電子カメラ11が減電状態の場合には、ホームサーバー4は、優先度情報に基づいて、電子カメラ11より優先度の低い画像端末8、音楽端末9、及びプリンタ12に対して動作の抑制/中断を行なう。
【0040】
ホームサーバー4は、上記機器の動作状態を把握しており、各々の機器の動作状態に応じた抑制/中断処理を行なう。図1の接続状態の場合、ホームサーバー4は、画像端末8及び音楽端末9に対して、ファイルサーバー7との画像ファイル及び音楽データの転送を抑制/中断する。具体的には、ホームサーバー4は、静止画ファイル転送中の画像端末8に対しては、ファイルサーバー7からのファイル転送速度を下げる処理を行ない、音楽端末9に対しては音楽データの転送中断処理を行なう。又、ホームサーバー4は、プリンタ12に対しては印刷動作の中断処理を行なう。これらの処理の実施方法は、図5を参照して後述する。ホームサーバー4は、これらの機器の動作の抑制/中断に係る指示を、有線通信路3を介してファイルサーバー7へ送信する。この指示には、動作変更の対象となる機器の情報及び動作変更内容が含まれる。
【0041】
ステップ204の通信条件改善処理の終了後、ホームサーバー4は電子カメラ通信開始処理を行ない、電子カメラ11からの画像データを無線LANアクセスポイント10経由でファイルサーバー7に格納する為の設定を行い、通信を開始させる(ステップ205)。以上の動作の後、通信要求対応処理タスクは終了する(ステップ208)。
【0042】
又、ステップ201の要求元解析において、データ送信要求を送信した機器が電子カメラ11以外の機器であった場合には、ホームサーバー4は、各機器に対応した処理を行ない(ステップ206)、通信要求対応処理タスクを終了する(ステップ208)。又、ステップ202の要求内容解析において、電子カメラ11から画像データの転送以外の処理が要求されている場合、ホームサーバー4は、電子カメラ11の各処理に対応した処理を行ない(ステップ207)、通信要求対応処理タスクを終了する(ステップ208)。
【0043】
次に、図5を参照しながら、ファイルサーバー7の動作を説明する。図5は、ホームサーバー4による通信条件改善処理(図4のステップ204)に対応したファイルサーバー7の動作手順を示すフローチャートである。ファイルサーバー7は、通信条件改善処理の開始前、画像端末8への静止画ファイル転送と音楽端末9への音楽データ転送とを並行/独立して行なっている。具体的には、ファイルサーバー7は、ファイルサーバー7内蔵の無線LAN端末を介して画像端末8に静止画ファイルを転送し、同じく内蔵されているBluetooth(登録商標)端末を介して音楽端末9に音楽データを転送している。
【0044】
ファイルサーバー7はホームサーバー4からの指示を受信し、ホームサーバー4からの指示内容を判断する。ホームサーバー4からの指示は、ファイルサーバー7のデータ転送処理の変更であるので、ファイルサーバー7はファイル転送処理タスクを実行する(ステップ300)。ファイル転送処理タスクは、ファイル転送の開始、動作変更、終了を制御するタスクである。ファイル転送処理タスクでは、ファイルサーバー7は最初に処理内容判断を行なう(ステップ301)。
【0045】
最初に、画像端末8に対する抑制/中断処理を説明する。ホームサーバー4からの指示が動作変更要求であった場合、ファイルサーバー7は変更対象選択を行なう(ステップ302)。変更対象の機器として画像端末8を選択した場合、ファイルサーバー7は変更内容選択を行なう(ステップ303)。ホームサーバー4から転送レートの減速指示があった場合、ファイルサーバー7は転送レート変更処理を行ない、画像端末8への転送レートを下げる(ステップ304)。又、ホームサーバー4から転送中断指示があった場合には、ファイルサーバー7は転送中断/再開処理を行ない、画像端末8への転送の中断処理を実行する(ステップ305)。尚、電子カメラ11からのデータ送信が終了し、画像端末8への転送を再開する場合には、ファイルサーバー7は同様の手順で転送中断/再開処理を行ない、転送再開処理を実行する。
【0046】
以下、音楽端末9に対する抑制/中断処理を説明する。ステップ302での変更対象選択において、変更対象の機器として音楽端末9を選択した場合、ファイルサーバー7は転送中断/再開処理を行ない、音楽端末9への転送の中断処理を実行する(ステップ306)。音楽データの転送にはリアルタイム性が必要なので、転送レートの変更処理は選択対象に無い。又、電子カメラ11からのデータ送信が終了し、音楽端末9への転送を再開する場合には、ファイルサーバー7は同様の手順で転送中断/再開処理を行ない、転送再開処理を実行する。
【0047】
又、ステップ302の変更対象選択において、変更対象の機器として画像端末8及び音楽端末9以外の機器を選択した場合、ファイルサーバー7は各機器に対応した処理を実行する(ステップ307)。例えば、プリンタ12に対しては、ホームサーバー4が動作中断の指示をプリンタ12へ直接送信し、プリント動作を停止させる。画像端末8、音楽端末9、又は他の機器に対する処理を実行した後、ファイルサーバー7はファイル転送処理タスクを終了するか否かを判断する(ステップ312)。全ての変更対象機器に対する処理を行なった場合には、ファイル転送処理が終了する(ステップ313)。又、他の変更対象機器に対する処理を行なう場合には、ステップ301に戻って処理内容判断が行なわれる。
【0048】
上記の処理により、画像端末8、音楽端末9、プリンタ12に対して動作の抑制/中断を行ない、電子カメラ11の通信環境が整備された後、ホームサーバー4は電子カメラ11とファイルサーバー7に対してデータ転送開始の指示を送信する。電子カメラ11との通信開始時にホームサーバー4からの指示に応じてファイルサーバー7はファイル転送処理タスクを実行する。
【0049】
ファイル転送処理タスクでは、ファイルサーバー7は上記と同様に処理内容判断により通信開始を選択し(ステップ301)、転送対象選択では電子カメラ11を選択し(ステップ308)、データ転送処理を実行する(ステップ309)。データ転送処理の中で、電子カメラ11が減電状態の場合には、ファイルサーバー7は、電子カメラ11が接続している無線LANアクセスポイント10の電波出力を上げる(送信パワーを増大させる)処理を行なう。すなわち、ファイルサーバー7は、電波出力を上げる指示を無線LANアクセスポイント10へ送信し、ファイルサーバー7からの指示を受信した無線LANアクセスポイント10は電波出力を上げる。これにより、電子カメラ11の受信電波が強くなる為、受信エラーの発生が減少し、再転送処理が減少する。
【0050】
データ転送処理の実行後、ファイルサーバー7はファイル転送処理タスクを終了するか否かを判断する(ステップ312)。この後の動作は前述した通りである。又、ステップ301の処理内容判断において、通信終了を選択した場合、ファイルサーバー7は各機器に対応した通信終了処理を実行する(ステップ310)。この後の処理はステップ312に進む。又、ステップ308の転送対象選択において、転送対象の機器として電子カメラ11以外の機器を選択した場合、ファイルサーバー7は各機器に対応した通信開始処理を実行する(ステップ311)。この後の処理はステップ312に進む。
【0051】
尚、上記では通信改善処理により画像端末8、音楽端末9、及びプリンタ12の動作を中断し、その後、再開しているが、各機器の動作を中止させてもよい。
【0052】
上述したように、本実施形態によれば、ホームサーバー4及びファイルサーバー7が、電子カメラ11の電池残量に基づいて、電子カメラ11の無線通信環境を改善する為に、画像端末8、音楽端末9、及びプリンタ12の動作状態を変更するので、電子カメラ11の無線通信環境が改善され、通信速度が向上し、通信処理を短時間で終了させることが可能となる。したがって、電子カメラ11の電池残量が少ない場合でも、電子カメラ11の通信処理が失敗することを防止することができる。
【0053】
電子カメラ11のような電池駆動機器の通信範囲内で同一周波数帯域を使った別の方式の無線通信が行われている場合、混信が発生し、通信速度の低下が発生する。特許文献1に記載の技術のように、電池駆動機器が使用している通信路に対するバンド巾を上げても、通信端末が別の通信方式で通信する為、電池駆動機器が使用している通信路に対して発生する妨害電波の量は変化せず、電池駆動機器の通信速度は変わらない。これに対して、本実施形態では、別の通信方式を使っている通信端末の通信レートを下げることにより、通信端末から発生する電波の量を減少させ、混信の発生を抑えて、減電状態にある電池駆動機器の通信速度を向上させ、通信処理を短時間で終了させることできる。この場合、通信端末の通信レートが下がるだけで、通信端末の通信は中断していないので、電池駆動機器の通信終了後の復旧処理が早いという利点がある。
【0054】
又、通信端末の無線通信を中断又は中止させることによっても、他の通信端末による電波の発生が抑えられるので、電池駆動機器の無線通信環境を改善し、減電状態にある電池駆動機器の通信速度を向上させ、通信処理を短時間で終了させることできる。この場合、他の通信端末による電波の発生を完全に抑えることができるので、通信端末の通信レートを下げる場合よりも無線通信環境の改善効果が大きい。
【0055】
又、電池駆動機器の傍に他の電子機器が有る場合、その電子機器の動作に伴って発生する電磁波の影響により、電池駆動機器の無線通信環境が悪化する。本実施形態では、電子機器の動作を抑制/中断することによって、減電状態にある電池駆動機器の通信に影響を与える電波の発生が無くなる為、減電状態にある電池駆動機器の通信速度を向上させ、通信処理を短時間で終了させることできる。
【0056】
又、減電状態の電池駆動機器へ送信される送信電波の送信パワーを増大させることによって、電池駆動機器への送信電波が強くなり、電池駆動機器の受信エラーに伴う再送処理が減る為、減電状態にある電池駆動機器の通信速度を向上させ、通信処理を短時間で終了させることできる。
【0057】
又、各機器の優先順位に応じて、動作状態を変更する機器を決定することによって、減電状態の電池駆動機器よりも優先度の高い機器が行っている通信が通信環境改善処理の影響を受けることを防止することができ、利用者への影響を抑えて、減電状態の電池駆動機器の通信速度を向上させ、通信処理を短時間で終了させることできる。
【0058】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態でも、本発明を家庭内ネットワークに適用した場合を例に説明を行う。図6は、本実施形態による無線通信システムの構成を示している。本実施形態では、第1の実施形態と異なり、全ての機器が無線接続されている。
【0059】
以下では、使用する無線通信方式としてWiMediaを例として説明する。WiMediaは物理層としてUWB方式を利用し、共通プラットフォームの上に複数のプロトコルを選択的に実装することを可能とする方式である。実装可能なプロトコルとしては、ワイアレスUSB、Bluetooth(登録商標)、IEEE1394、インターネットプロトコル(IP)がある。又、UWB方式を利用している為、通信機器間の距離測定を高精度で行なうことが可能であり、複数機器間での位置測定が可能となっている。WiMedia及びUWBについては種々の文献があるので、詳細な説明は省略する。
【0060】
図6に示したように、本実施形態による無線通信システムは、ブロードバンドルータ50、ホームサーバー51、プリンタ52、ファイルサーバー53、ゲーム機54、画像端末55、音楽端末56、及び電子カメラ57が無線接続されている構成となっている。上記機器の無線方式は全てWiMediaであり、プロトコルは各機器の特性に応じて選択され実装されている。
【0061】
ブロードバンドルータ50は、ブロードバンド回線49を介して図示せぬ外部ネットワークと接続されており、IPプロトコルで無線通信システム内の機器と接続されている。ホームサーバー51は、無線通信システム全体の動作を統括しており、システム内の各機器の動作を制御する機能を持っている。又、プロトコルには、ワイアレスUSB、Bluetooth(登録商標)、IEEE1394、IPの全ての方式が実装されており、ホームサーバー51は通信相手に応じて各方式を使い分けている。
【0062】
プリンタ52には、ワイアレスUSBプロトコルが実装されている。プリンタ52はファイルサーバー53や電子カメラ57から画像データを受信して印刷することが可能である。ファイルサーバー53は、データファイルを一括管理するサーバーである。ファイルサーバー53には音楽ファイル、画像ファイル等が格納されている。又、プロトコルには、ワイアレスUSB、Bluetooth(登録商標)、IEEE1394、IPの全ての方式が実装されており、無線通信システム内の各機器に対し、ファイル転送を行っている。
【0063】
ファイルサーバー53によるファイル転送は、ホームサーバー51の管理下で行なわれ、ホームサーバー51により相手先の指定や通信方法の設定がなされた後にファイル転送が実行される。尚、ホームサーバー51とファイルサーバー53を一体化させた1台のサーバーを用いてもよい。
【0064】
ゲーム機54には、IPプロトコルが実装されている。ゲーム機54は、ホームサーバー51及びブロードバンドルータ50を介して外部ネットワークと接続することが可能であり、オンラインゲームの実行やゲームプログラムのダウンロードが可能となっている。画像端末55には、IEEE1394プロトコルが実装されている。画像端末55は、ファイルサーバー53から転送された画像データを表示することが可能となっている。
【0065】
音楽端末56には、Bluetooth(登録商標)プロトコルが実装されている。音楽端末56は、ファイルサーバー53から転送された音楽データを再生することが可能となっている。電子カメラ57には、ワイアレスUSBプロトコルが実装されている。電子カメラ57は、ファイルサーバー53やプリンタ52へ画像ファイルを送信することが可能となっている。
【0066】
ホームサーバー51には可変指向性アンテナ58が接続され、ファイルサーバー53には可変指向性アンテナ59が接続されている。可変指向性アンテナには、アダプティブアレーアンテナやフェイズドアレーアンテナ等があり、詳細は公知であるので説明を省略する。可変指向性アンテナ58,59は、ホームサーバー51の指示により指向性を変化させて送受信を行なっている。
【0067】
次に、減電状態の電子カメラ57が無線通信システムにデータ送信処理を要求した場合の各装置の動作を説明する。電子カメラ57によるデータ送信要求の受信前にファイルサーバー53は画像端末55及び音楽端末56と無線通信を行っており、可変指向性アンテナ59は、電池駆動機器である音楽端末56に指向性を向けている。ホームサーバー51は画像端末55、音楽端末56、及びファイルサーバー53の位置を予め記憶しており、その位置に基づいて、可変指向性アンテナ59の指向方向を制御する指示をファイルサーバー53へ送信している。
【0068】
減電状態の電子カメラ57がデータ送信要求を送信した場合、データ送信要求はファイルサーバー53によって受信され、ホームサーバー51へ転送される。ホームサーバー51はデータ送信要求を受信すると、データ送信要求のヘッダ情報中の減電フラグ情報を解析し、電子カメラ57が減電状態であることを認識する。
【0069】
電子カメラ57が減電状態であることを認識したホームサーバー51は、無線通信に悪影響を与える可能性の有る通信や機器の動作を抑制/中断させ、無線通信環境を整備する。本実施形態の場合、各機器の無線通信は全てUWBを用いており、ホームサーバー51は各機器の位置を認識し、その情報を記憶している。
【0070】
電子カメラ57が画像データをファイルサーバー53に転送する為、電子カメラ57とファイルサーバー53間の通信に悪影響を与える通信を中断することで無線通信環境の改善が行われる。具体的には、電子カメラ57とファイルサーバー53に近接した機器が行なっている通信の中断が行われる。以下、電子カメラ57がデータ送信要求を送信した時点で、図6に示した配置でプリンタ52、画像端末55、及び音楽端末56がファイルサーバー53と通信を行なっており、ゲーム機54がホームサーバー51と通信を行なっている場合を例として説明を行なう。
【0071】
図6に示したように、電子カメラ57がプリンタ52と音楽端末56の間に位置し、プリンタ52と音楽端末56の通信が電子カメラ57の通信に大きな影響を与える為、ホームサーバー51は、プリンタ52と音楽端末56の通信を中断する指示をファイルサーバー53へ送信する。この指示を受信したファイルサーバー53は、第1の実施形態と同様にしてプリンタ52と音楽端末56の転送中断処理を実行する。
【0072】
ファイルサーバー53は画像端末55とも通信を行っているが、画像端末55の位置が電子カメラ57と離れている為、ホームサーバー51は、画像端末55の通信は電子カメラ57の通信に大きな影響を与えないと判断する。続いて、ホームサーバー51は、通信の中断ではなく通信レートを低下させる指示をファイルサーバー53へ送信する。この指示を受信したファイルサーバー53は、第1の実施形態と同様にして画像端末55の転送レート変更処理を実行する。
【0073】
ゲーム機54は、ホームサーバー51を介してブロードバンドルータ50と通信を行っているが、ゲーム機54及びブロードバンドルータ50の両機器とも電子カメラ57及びファイルサーバー53には遠い位置にある為、ホームサーバー51は、ゲーム機54及びブロードバンドルータ50の通信が電子カメラ57の通信に影響を与えないと判定し、通信をそのまま継続させる。
【0074】
又、ホームサーバー51は、可変指向性アンテナ59の指向性を電子カメラ57に向けて通信を行なう指示をファイルサーバー53へ送信する。ファイルサーバー53は、ホームサーバー51から受信した指示に基づいて、可変指向性アンテナ59の指向性を電子カメラ57に向けて通信を行なう。このとき、ファイルサーバー53が電波出力を上げて電子カメラ57と通信を行なってもよい。上記以外の電子カメラ57、ファイルサーバー53、ホームサーバー51の動作は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0075】
上述したように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に電子カメラ57の無線通信環境が改善され、通信速度が向上し、通信処理を短時間で終了させることが可能となる。したがって、電子カメラ57の電池残量が少ない場合でも、電子カメラ57の通信処理が失敗することを防止することができる。
【0076】
又、ホームサーバー51が各機器の位置を予め記憶しており、電子カメラ57が減電状態の場合に、各機器の位置に基づいて各機器の動作状態を変更することによって、電子カメラ57の通信に影響を与える通信のみを抑制/中断し、電子カメラ57の通信に影響を与えない通信をそのまま継続させることができる。更に、ホームサーバー51が各機器の移動に追従して各機器の位置を記憶し直すことによって、各機器の位置が変わっても、同様の効果を得ることができる。
【0077】
又、減電状態にある電子カメラ57に対して優先的に可変指向性アンテナ59の指向性を向けることによって、減電状態にある電子カメラ57の無線通信環境が改善されて通信速度が向上し、通信処理を短時間で終了させることができる。
【0078】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記では電池駆動機器として電子カメラを用いた例で説明したが、減電の可能性のある電池駆動機器で大量のデータ通信を行う機器であれば、電子カメラに限らず本発明が適用可能であることは説明を要しない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施形態による無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による無線通信システムが備える電子カメラの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による無線通信システムが備える電子カメラの動作の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態による無線通信システムが備えるホームサーバーの動作の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態による無線通信システムが備えるファイルサーバーの動作の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態による無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0080】
1,49・・・ブロードバンド回線、2,50・・・ブロードバンドルータ、3・・・有線通信路、4,51・・・ホームサーバー、5・・・ゲーム機用無線端末、6,54・・・ゲーム機、7,53・・・ファイルサーバー、8,55・・・画像端末、9,56・・・音楽端末、10・・・無線LANアクセスポイント、11,57・・・電子カメラ、12,52・・・プリンタ、58,59・・・可変指向性アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行なう電池駆動機器と、前記電池駆動機器と略同一の周波数帯域を使用して無線通信を行なう通信端末と、前記電池駆動機器及び前記通信端末と通信を行なうサーバーとを備えた無線通信システムにおいて、
前記電池駆動機器は、電池残量を示す電池残量情報を前記サーバーへ送信し、
前記サーバーは、受信した前記電池残量情報に基づいて、前記電池駆動機器の無線通信環境を改善する為に前記通信端末の動作状態を変更する状態変更処理を行なう
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記通信端末の通信レートを下げる処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記通信端末の無線通信を中断又は中止する処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記電池駆動機器へ送信される送信電波の送信パワーを増大させる処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記サーバーは、前記電池駆動機器及び前記通信端末の各々の通信の優先度を示す優先度情報に応じて前記状態変更処理を行なうことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記サーバーは、前記電池駆動機器及び前記通信端末の位置を予め記憶しており、受信した前記電池残量情報と前記電池駆動機器及び前記通信端末の位置とに基づいて前記状態変更処理を行なうことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記サーバーは、指向性を変更可能な指向性アンテナを用いて前記電池駆動機器及び前記通信端末と通信を行ない、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記指向性アンテナの指向性を前記電池駆動機器へ向けることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の無線通信システム。
【請求項8】
無線通信を行なう電池駆動機器と、前記電池駆動機器が無線通信で使用する周波数帯に電波雑音を発生する電子機器と、前記電池駆動機器及び前記電子機器と通信を行なうサーバーとを備えた無線通信システムにおいて、
前記電池駆動機器は、電池残量を示す電池残量情報を前記サーバーへ送信し、
前記サーバーは、受信した前記電池残量情報に基づいて、前記電池駆動機器の無線通信環境を改善する為に前記電子機器の動作状態を変更する状態変更処理を行なう
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記電子機器の通信レートを下げる処理を行なうことを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記電子機器の動作を中断又は中止する処理を行なうことを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記サーバーは、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記状態変更処理として、前記電池駆動機器へ送信される送信電波の送信パワーを増大させる処理を行なうことを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項12】
前記サーバーは、前記電池駆動機器及び前記電子機器の各々の通信の優先度を示す優先度情報に応じて前記状態変更処理を行なうことを特徴とする請求項8〜請求項11のいずれかに記載の無線通信システム。
【請求項13】
前記サーバーは、前記電池駆動機器及び前記電子機器の位置を予め記憶しており、受信した前記電池残量情報と前記電池駆動機器及び前記電子機器の位置とに基づいて前記状態変更処理を行なうことを特徴とする請求項8〜請求項12のいずれかに記載の無線通信システム。
【請求項14】
前記サーバーは、指向性を変更可能な指向性アンテナを用いて前記電池駆動機器及び前記電子機器と通信を行ない、前記電池残量情報が示す前記電池駆動機器の電池残量が所定量以下であった場合に、前記指向性アンテナの指向性を前記電池駆動機器へ向けることを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれかに記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−65449(P2009−65449A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231515(P2007−231515)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】