説明

無線通信機能を有した蓄光案内板

【課題】一人ないし、複数で暮らしている住居の居住者の異常を関係先に速やかに連絡ができ、また火災に対する警報と避難誘導表示案内、侵入警報などの居住者の安全に関するシステムを提供する。
【解決手段】蓄光部材を表面に具備し、太陽電池と少なくとも一つ以上のセンサとを具備するとともに、送信回路からアンテナを介して前記センサに対応したセンサ検知情報信号を無線送信するとともに、暗闇で前記蓄光部材からの発光で案内表示を可能にする。また、前記居住者の生存を前記センサで検知し、該自動通報手段内に設けた判定回路で所定の時間、前記居住者の生存検知情報信号が得られない場合に通信回線を介して所定の場所に通報を行う。前記センサに火災検知センサを有し、該火災検知センサ信号を自動通報手段で受信したときには、直ちに発報手段で警報を発するとともに、蓄光案内板の発光表示案内に従った避難を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一人ないし、複数で暮らしている住居の居住者が何等かの理由によって死亡したときに、その事実を早期に発見するシステム関する。また、火災に対する警報と避難誘導表示案内、侵入警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭の核家族化は子供夫婦に遠慮して独居を選ぶ高齢者が増加している。このため、都市部では地域コミュニティが希薄になり人的交流が疎遠になりがちになり、隣家の異変に気付き難くなっている。最近の安否予防のシステムとして訪問介護や訪問サービス等の介護関係やパソコンを利用した在宅健康診断のサービス提供、また、日常使われている水道や電気ポットを利用したシステムも多く提案されている。一方、通信インフラの発展で普及した携帯電話、無線送信機等の活用でホームセキュリティサービスを提供する会社もある。関連出願として特開平7−95307自動通報装置の送信機、特開2006−350595 安否確認装置等がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば、これらは予防がベースでややもすると作り手の発想から考えられている。使う側の気遣いに対する配慮に欠けたものとなっている。そこで、この発明は、小さな薄いプレート状の案内表示板を居住空間の適当な場所に貼り付けるだけで、一人ないし、複数で暮らしている住居の居住者が本発明のシステムを何ら意識することなく生活でき、万一亡くなった場合にその事実がなかなか発見されないケースを防止し、亡くなった方をいかに早く見つけることにより、関係先に速やかに連絡ができるシステムを提供することを課題とする。また、火災に対する警報と避難誘導表示案内、侵入警報システムなどの居住者の安全に関するシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、本発明は蓄光部材を表面に具備し、太陽電池と少なくとも一つ以上のセンサとを具備するとともに、センサ回路で前記センサに対応した検知信号を識別可能なコード情報信号にし、送信回路からアンテナを介して前記センサに対応したセンサ検知情報信号を無線送信するとともに、暗闇で前記蓄光部材からの発光で案内表示を可能にした。また、一人ないし、複数で暮らしている住居の居住空間各場所に無線通信機能を有した蓄光案内板を張り付けることにより、前記居住者の生存を前記センサで検知し、無線送信して自動通報手段で受信し、該自動通報手段内に設けた判定回路で所定の時間、前記居住者の生存検知情報信号が得られない場合に通信回線を介して所定の場所に通報を行うようにした。また、蓄光案内板内の前記センサに火災検知センサを有し、該火災検知センサ信号を自動通報手段で受信したときには、直ちに発報手段で警報を発するとともに、蓄光案内板の発光表示案内に従った避難を可能にするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、システムを何ら意識することなく、一人ないし、複数で暮らしている住居の居住者が住み慣れた居室内でなんらかの理由によって死亡し、その事実がなかなか発見されないで体が劣化することを防ぎ、関係先に速やかに連絡し、安らかな成仏を願うとともに住居環境の保全を図ることができる。また、蓄光案内板内の前記センサに火災検知センサを有し、火災検知センサ信号を自動通報手段で受信したときには、直ちに発報手段で警報を発するとともに、蓄光案内板の発光表示案内に従った避難を可能にすることができる。更に、侵入検知情報の場合、同様に、直ちに発報手段を作動させ警報を発するとともに、公衆電話回線を介して所定の通報場所に通報を行うようにしたので生活の安全も確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の一実施形態を、図1、図2に示す。また、図4にこの発明のシステムの一実施形態を示す。図1、2で蓄光案内板1は、表面の全面に亘ってに蓄光部材2を具備し、少なくとも一種のセンサ3、太陽電池4、案内表示5a、5b、センサ信号送信回路6、内蔵アンテナ7を保持部材8で覆って薄いプレート上に構成したものである。この蓄光案内板1は、表面に蓄光部材2を有しているので、昼間の光線や部屋の照明などで入射光線のエネルギーを蓄積して発光する部材であり、200ルックスの光を20分照射することにより、1000ミリカンデラ/m程度の輝度が得られている。この蓄光案内板1は、夜間の暗闇では明るく発光して案内表示や周辺の安全確保に役立つので、居住空間の所定の場所に貼り付けるように構成する。この蓄光案内板1の内部には、人感センサ3aとセンサ信号送信回路6、電源としての太陽電池4が組み込まれており、居住空間の各場所に蓄光案内板1a、1b、1c、1dを貼り付けることにより、居住空間で生活が行われている場合には、前記蓄光表示板1a、1b、1c、1dのいずれからからの人感センサ3a出力が得られ、アンテナ7を介して無線情報として自動通報手段12に送られる。この自動通報手段12は、図示しないが、蓄光案内板1a、1b、1c、1dのいずれかから所定の判定時間内に人感センサ3aからの無線情報が得られている場合には、通報動作は行われないように構成され、所定の判定時間を超えてもいずれの人感センサからの無線情報が得られない場合、孤独死と判断して公衆電話回線12を介して予め指定した第一通報場所13、および、あるいは第二通報場所14に通報を行うように構成している。図3で、センサ3b、3cは、例えば火災検知センサ3b、侵入検知センサ3cで構成する。センサ回路15a、15b、15cは、それぞれセンサ3a、3b、3cに対応して、各センサ出力を処理し、検知対象ごとに検知信号を識別可能なコード情報信号に変換して、送信回路8から内蔵アンテナ7を介して前記センサに対応したセンサ検知信号を識別可能なコード情報信号を無線送信するとともに、暗闇で前記蓄光材2からの発光で案内表示を可能にするように構成している。図4の自動通報手段11は、受信した識別可能なコード情報信号から、人感センサ検知情報か、火災センサ検知情報か、侵入検知情報かを判断する判断回路を有しており、この判断結果に応じて、火災センサ検知情報の場合、直ちに発報手段16を作動させ警報を発するように構成している。このような場合、居住空間の所定の場所に貼り付けた蓄光案内板1は、暗闇の中で発光して安全誘導表示板としての役目を果たす。
また、侵入検知情報の場合、同様に、直ちに発報手段16を作動させ警報を発するとともに、公衆電話回線12を介して第一通報場所13、あるいは第二通報場所14に通報を行うように構成している。
人感センサ3aだけを有した孤独死早期発見システムでは、蓄光案内板1の電源として太陽電池4だけでもよいが、各種センサを内蔵した蓄光案内板1では、図3に示すように太陽電池4とリチウムイオン電池などの電池9を併用し、ダイオード10を介して電池9電源を供給するように構成することで、暗闇で太陽電池4が機能しない場合には、電池9が作動する。なお、送信回路17は、居住空間内で自動通報手段11までの無線通信ができればよいので、免許を必要としない微弱無線で実現できる。
「実施形態の効果」
【0007】
本発明によれば、蓄光案内板を貼るだけでシステムを何ら意識することなく、一人ないし、複数で暮らしている住居の居住者が住み慣れた居室内でなんらかの理由によって死亡し、その事実がなかなか発見されないで体が劣化することを防ぎ、関係先に速やかに連絡し、安らかな成仏を願うとともに住居環境の保全を図ることができる。また、蓄光案内板内の前記センサに火災検知センサを有し、火災検知センサ信号を自動通報手段で受信したときには、直ちに発報手段で警報を発するとともに、蓄光案内板の発光表示案内に従った避難を可能にすることができる。更に、侵入検知情報の場合、同様に、直ちに発報手段を作動させ警報を発するとともに、公衆電話回線を介して所定の通報場所に通報を行うようにしたので生活の安全も確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施形態を示す蓄光案内板である。
【図2】この発明の一実施形態を示す蓄光案内板である。
【図3】図2のセンサ信号送信回路6、および電源部分の詳細図である。
【図4】蓄光案内板を用いた本発明のシステムの一実施例である。
【符号の説明】
【0009】
1 蓄光案内板 2 蓄光材 3 センサ 4 太陽電池
5 案内表示 6 センサ信号送信回路
7 アンテナ 15a〜15c センサ回路 17 送信回路
9 電池 10 ダイオード 11 自動通報手段
12 公衆電話回線 13 第一通報受信場所
14 第二通報受信場所
15 発報手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄光材を表面に具備し、太陽電池と少なくとも一つ以上のセンサとを具備するとともに、センサ回路で前記センサに対応した検知信号を識別可能なコード情報信号にし、送信回路からアンテナを介して前記センサに対応したセンサ検知情報信号を無線送信するとともに、暗闇で前記蓄光材からの発光で案内表示を可能にすることを特徴とした無線通信機能を有した蓄光案内板。
【請求項2】
前記、センサ回路と送信回路からなるセンサ信号送信回路の電源として前記太陽電池と電池を併用し、暗闇時でもセンサ検知情報信号の無線送信が、可能となるようにしたことを特徴とした請求項1記載の無線通信機能を有した蓄光案内板。
【請求項3】
一人ないし、複数で暮らしている住居の居住空間の居間、寝室、トイレ、洗面所、台所等の壁などに前記請求項1の無線通信機能を有した蓄光案内板を張り付け、前記居住者の生存を前記センサで検知し、無線送信して自動通報手段で受信し、該自動通報手段内に設けた判定回路で所定の時間、前記居住者の生存検知情報信号が得られない場合に通信回線を介して、所定の場所に通報を行うことを特徴とした孤独死早期発見システム。
【請求項4】
前記無線通信機能を有した蓄光案内板内の前記センサに火災検知センサを有し、該火災検知センサ信号を自動通報手段で受信したときには、直ちに発報手段で警報を発するとともに、蓄光案内板の発光表示案内に従った避難を可能にすることを特徴とした火災警報システム。
【請求項5】
前記無線通信機能を有した蓄光案内板内の前記センサに侵入検知センサを有し、該侵入検知センサ信号を自動通報手段で受信したときには、直ちに発報手段で警報を発するとともに、通信回線を介して、所定の場所に通報を行うことを特徴とした侵入警報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−217786(P2009−217786A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98707(P2008−98707)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(507375100)株式会社ソキエ (8)
【Fターム(参考)】