説明

無線電話インターフェースを有するリモコンデバイス

テレビまたは家庭用娯楽システムのリモコンデバイス(RCD)が、携帯電話と通信可能となっており、携帯電話がデジタルセルラーネットワーク(DCN)からの第1無線プロトコルの信号を受信すると、処理のために、例えばRCDを使って音声呼に応答するか、またはメッセージデータを表示するために、第2無線プロトコルで信号がRCDに無線で転送される。更にRCDは、1つ以上の周辺デバイス、例えばテレビおよび/または家庭用娯楽システムのその他のコンポーネントと無線で通信できる。RCDは、携帯電話から受信した信号または信号の成分を出力用の周辺デバイスのうちの1つに更に転送できる。従って、信号を受信したときに携帯電話が手元にない場合、信号をRCDにパスしてユーザーにより適当と考えられる態様で取り扱うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(説明)
(背景技術)
携帯電話が家庭から離れて使用されるとき、この携帯電話は一般にユーザーの手の届く範囲内にある。しかしながら、家庭の中では携帯電話がユーザーから容易に離れてしまうことが多い。ユーザーが他の行為をしているときまたは娯楽を楽しんでいるとき、例えばテレビを見たり、ステレオを聴いているときに、携帯電話がどこにあるかを忘れてしまうことが時々ある。家庭では、携帯電話は充電のための固定クレイドルに置かれることが多い。携帯電話とユーザーとの間の距離が長いと仮定すると、ユーザーが家にいるときに携帯電話の着信呼はユーザーにとって不便であることがある。特にベルが鳴っている携帯電話に対し、ユーザーは、携帯電話の位置を探し、呼人を識別し、次に呼に応答しなければならない。このようなプロセスのために、着信呼の前にユーザーが楽しんでいたテレビプログラムまたは音楽の一部を見逃したり、聴き逃したりすることがある。更に、着信した呼に応答した後に、ユーザーは携帯電話を介した会話を行いながら、同時にテレビを見たり、または音楽を聴いたりしなければならない。
【0002】
家庭用娯楽システムを管理するのに使用される今日の高度消費者用電子リモコン(遠隔制御)デバイスを用いる場合、携帯電話と通信可能な無線インターフェースを含むリモコンデバイス(RCD)を開発することが望ましい。無線インターフェースを有するRCDは、家庭でベルを鳴らしている携帯電話に遭遇したときにユーザーが直面する不便さを大幅に低減できる。
【0003】
(発明の開示)
テレビまたは家庭用娯楽システムのリモコンデバイス(RCD)は、携帯電話と通信可能となっており、携帯電話がデジタルセルラーネットワーク(DCN)からの第1無線プロトコルの信号を受信すると、処理のために、例えばRCDを使って音声の呼に応答するか、またはメッセージデータをディスプレイするために、第2無線プロトコルで信号がRCDに無線で転送される。更にRCDは、1つ以上の周辺デバイス、例えばテレビおよび/または家庭用娯楽システムのその他のコンポーネントと無線で通信できる。RCDは、携帯電話から受信した信号または信号の成分を出力用の周辺デバイスのうちの1つに更に転送できる。従って、信号を受信したときに携帯電話が手元にない場合、携帯電話をユーザーにより適当と考えられる態様で取り扱うべきRCDにパスすることができる。
【0004】
RCDは携帯電話とシームレスにインターフェースできる。携帯電話とインターフェースするために、RCDは1つ以上の周辺デバイスを制御するための第1無線インターフェースと、携帯電話と通信するための第2無線インターフェースとを含む。RCDは携帯電話のタスクの多くを行うことができるので、RCDは更に、携帯電話から受信したオーディオ信号を出力するためのスピーカーと、携帯電話に送信すべきオーディオ信号を受信するためのマイクと、RCDと携帯電話との間で伝送すべき無線信号を処理するためのプロセッサとを含む。運用中、RCDは、携帯電話がデジタルセルラーネットワーク(DCN)からの無線信号を受信したことに応答し、携帯電話からの信号を受信する。
【0005】
携帯電話は、DCNから受信した信号を処理のためにRCDへ送る。この処理は携帯電話がRCDへ送った信号のタイプ、音声またはデータに応じて決まる。RCDは着信呼(call)に接続し、全二重の会話を行うことにより、音声通話のための内線電話として働くことができる。RCDは、携帯電話から受信した信号のオーディオ部分をテレビなどのRCDの制御により周辺デバイスへ転送することもできる。
【0006】
RCDは、携帯電話から受信したデータ信号を処理することもできる。データ信号としてテキストデータ信号、オーディオデータ信号、ビデオデータ信号またはこれら任意の組み合わせを挙げることができる。この信号は、SMS、MMSおよびeメールメッセージを含むことになる。RCDは元々は携帯電話用のデータのうちのよりロバストなビデオおよびオーディオ出力のために、RCDの制御により、受信したデータ信号を1つ以上の中継デバイスに中継することもできる。
【実施例】
【0007】
説明のための「携帯電話」なる用語は、無線ネットワークで運用される移動電話を意味するものとする。無線ネットワークの規格および/またはプロトコルは本発明の作動にとって重要なものではない。本発明は携帯電話が使用する無線ネットワークプロトコルに関係なく作動できるようになっている。
【0008】
図1は、本発明が存在するネットワークの機能要素の間の環境および相互対話を示す。携帯電話102はデジタルセルラーネットワーク(DCN)104を通して多数のタイプのデジタル信号を送受信できる。一般にDCN104は符号分割マルチアクセス(CDMA)、時間分割マルチアクセス(TDMA)、携帯電話のためのグローバルシステム(GSM)または他の電話プロトコルに基づくことができる無線電話ネットワークである。携帯電話102がDCN104から受信した着信デジタル信号内に埋め込まれたヘッダーは、受信したデジタル信号のタイプを示す。最も一般的なタイプのデジタル信号は、全二重会話で搬送するための音声信号である。しかしながら、携帯電話がテキスト、オーディオおよび画像、すなわちビデオデータの送受信に関してより頑強になるにつれて、DCNにとってデータ信号がより一般的となりつつある。
【0009】
受信されたデジタル音声信号は一般に携帯電話102によりアナログオーディオ信号へ復号化されるが、一方、デジタルデータ信号は携帯電話102内の適当なハードウェアおよびソフトウェアにより内部処理される。デジタルマルチメディア信号は、携帯電話102により別個のデジタル音声成分、およびデジタルデータを含むものとして取り扱われる。音声、データまたはマルチメディアコンテントを含むデジタル信号は、公知の無線規格、例えばショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、または音声用の適応化マルチレート(AMR)に従って処理される。携帯電話102は、装備されている場合には一体化されたマイクおよびカメラを使ってDCN104を通してマルチメディアメッセージを作成し、送信することもできる。マルチメディアメッセージはユーザーの直接操作を介し、またはRCD100から遠隔的に、携帯電話102によって作成できる。
【0010】
携帯電話102はDCN104からRCD100へ、かつこの逆にRCD100からDCN104へ、受信したデジタル信号を再送信、すなわち中継することもできる。RCD100との間の通信は、デジタル音声信号、データ信号またはマルチメディア信号を搬送するのに十分なバンド幅を有する、免許された、または免許されていない周波数バンドを使って、無線プロトコルと通して行われる。例えばこの通信は2.4GHz、5.8GHz、900MHzまたは800MHzスペクトルを使用するブルートゥース(商標)802.11(a、b、g、hまたはx)プロトコルに基づくことができる。
【0011】
RCD100との相互対話を容易にするために、携帯電話102はDCN100との相互対話に使用するための基本RFユニットからの別個の小パワーRFユニットを使用する。携帯電話102にRCD100と相互対話する能力が装備されていない場合、RCD100と相互対話するのにベースユニット108を使用できる。携帯電話102は携帯電話102が受信したデジタル信号をシリアル伝送ポートを通してベースユニット108へ伝送できるように、ベースユニット108内に置けるようになっている。同様に、ベースユニット108には携帯電話102からのデジタル信号を受信するためのシリアル通信ポートが装備されており、ベースユニット108にはRCD100と相互作用できるように、RFユニットも装備されている。更にベースユニット108は携帯電話102とRCD100との間の媒介手段として作動できる。特にベースユニット108は携帯電話102とRCD100との間でデジタル信号を送受信できる。
【0012】
ベースユニット108は独立した電源にアクセスし、電源へのアクセスによりベースユニット108は、小電力の第2RFユニットにより携帯電話102が信号を送受信できる距離よりも長い距離にわたって信号を送受信することが可能となる。実際に、より長い距離にわたる通信に適合するように、RCD100と相互対話するように携帯電話102が装備されている場合でも、ベースユニット108を使用できる。電源により電子ユニット108は携帯電話108内のバッテリーを再充電する基本的義務も果たすことができる。
【0013】
前に述べたように、RCD100には携帯電話102および/またはベースユニット108と相互対話するためのRFユニットが装備されている。特にRCD100は携帯電話102との間でデジタル信号を送受信し、周辺電子デバイス110にデジタル信号を送信することができる。一般にこれらデバイスは家庭用娯楽システム、例えばテレビ、関連するスピーカーを含むステレオまたはパソコン(PC)の一部となる。RCD100はマルチメディアコーデック機能を有するデジタル信号プロセッサ(DSP)/マイクロプロセッサも含む。RCD100にはユーザーが携帯電話102を通してフルデュプレクスで会話を行うことができるようにするためのマイクとスピーカーが更に設けられている。マイクおよびスピーカーを内蔵させることにより、RCD100を内線電話のように使用し、携帯電話102によって開始された会話を行うことができる。
【0014】
RCD100は、更に携帯電話102の特徴にアクセスし、制御できる能力を有する。例えばリモコン100は音声ダイヤルを可能にするか、またはSMSまたはMMSメッセージを作成するために、携帯電話102にアクセスできる。RCD100はRCD100の制御下にある他の周辺デバイス110にデジタル信号を中継し、再ルーティングし、または再送信できる能力を有する。これら他の電子デバイスも、例えば赤外線またはRFユニットを使ってRCD100によって制御できる。RCD100は携帯電話102またはベースユニット108からのデジタル信号を直接他の周辺デバイス110にルーティングまたは再送信することができる。例えばDCN104から携帯電話102が受信した画像発信者ID信号を携帯電話102またはベースユニット108のいずれかにより、RCD100へ自動転送し、次に表示のためにテレビへ転送することができる。RCD100は、つながれていない運用を容易にするよう、内部の再充電可能な電源も含む。
【0015】
周辺デバイス110が例えばテレビである場合、このテレビはRCD100からの再送信された、すなわち中継されたデジタル信号を受信できる。ユーザーの都合のために、着信呼によってユーザーがテレビで見ているプログラムを見逃さないことを保証する一連のイベントをトリガーできる。多くのテレビには、現在、内部または制御可能な付属品を通して、デジタルビデオレコーダーが装備されており、このビデオレコーダーはライブのテレビを一時停止したり、ビデオデータをハードディスクドライブに保存したりできる能力を有する。従って、携帯電話102で呼を受信し、携帯電話102がユーザーの手の届く範囲外にある場合、RCD100へ呼情報および呼そのものを転送できる。ユーザーがRCD100を使って呼に応答すると判断した場合、RCD100は通話が完了するかまたはユーザーが一時停止機能を無効にするまで、テレビを一時停止させることができる。
【0016】
テレビはオーディオを放送できる一体化されたスピーカーを含み、更に多くのテレビはデジタルビデオおよびアナログビデオの双方をディスプレイできるだけでなく、MMS、SMS、CallerID、Picture CallerIDおよびJoint Photographic Experts Group(JPEG)を含む、一般に知られている実行可能な無線フォーマットでマルチメディアをディスプレイおよび/または放送することもできる。同様に、楽器デジタルインターフェース(MIDI)またはMPEGオーディオレイヤー3(MP3)を含むがこれらに限定されない種々のフォーマットでオーディオを放送できる。テレビの「ピクチャーインピクチャー」ウィンドー内に音声、データ、オーディオまたはMMSメッセージの実行を表示できる。従って、もともと携帯電話102用であって携帯電話によって受信されたデータを、RCD100を介してテレビにルーティングまたは再送信し、より大きいスクリーンのディスプレイでデータの映りおよび音を強化することができる。
【0017】
テレビはハイパワースピーカー、デジタルビデオレコーダー(DVR)、デジタルビデオディスク(DVD)プレイヤー、ビデオカセットレコーダー(VCR)およびゲームシステムを含むが、これらに限定されない家庭用娯楽システム内のその他の周辺デバイスともコンパーチブルである。テレビは所定のマルチメディアコーデック機能も含むことができる。このコーデック機能は携帯電話102またはベースユニット108を介し、RCD100から受信したスピーカー出力およびオーディオ入力と、全二重会話を同時に実行しながら、フレームのラグ、エコーまたは遅れを生じることなく、マルチメディアメッセージを表示するよう、オーディオとビデオを同期化する能力をテレビに提供するものである。
【0018】
ハイパワースピーカーはテレビまたはチューナー、アンプもしくは家庭用娯楽システム内で一般的なその他の同様なオーディオデバイスからの有線接続からのオーディオを受信できる。これとは異なり、スピーカーにRCD100とコンパーチブルとなるようにRFユニットを取り付けてもよい。スピーカーが無線接続可能な場合、これらスピーカーは携帯電話102、ベースユニット108、RCD100またはテレビからのオーディオを出力できる。携帯電話102またはベースユニット108で発生されたオーディオ信号をRCD100で行われた判断を通して、スピーカーへ直接ルーティングできる。
【0019】
同様に、DVRを直接テレビに配線してもよいし、またはこれとは異なりRCD100とコンパーチブルなRFユニットを備えてもよい。DVRはDCN104からの着信信号を携帯電話102が受信したときにテレビにより表示された信号を自動的に記録できる。この機能によりDCN104へのまたはDCNからの着信伝送がテレビの通常のビデオおよびオーディオ機能を無効にすることが可能になる。次にDCN104との通信相互対話のためにテレビのオーディオおよびビデオ機能を使用できる一方、DVRはこの機能により取ってかわられたオーディオまたはビデオを失わず、代わりに後で表示するために捕捉することを保証する。
【0020】
周辺デバイス110は、パーソナルビデオレコーダ、DVDプレイヤー、VTRおよびゲームシステムを含むが、これらだけに限定されるものではない。周辺デバイス110にはRCD100とコンパーチブルなRFユニットを取り付けできる。携帯電話102がDCN104からの着信信号を受信したことを、このコンパーチビリティにより周辺デバイス110が認識することができる。着信信号が周辺デバイス110、例えばテレビにより認識されると、テレビはテレビを使って着信通信信号と相互対話するのにテレビを使用できるように自動的に作動を一時停止できる。一時停止動作は当該周辺デバイスに応じ、記録動作の一時停止、ゲームの一時停止、または映画ディスプレイの一時停止を含むことができるが、これだけに限定されない。
【0021】
図2は、本発明の一実施例により着信信号をどのように処理するかを示す論理図である。着信信号は代表的な電話の通話のような音声信号、または例えばSMS、MMSまたはeメールメッセージのようなデータ信号を意味する。データ信号はテキスト、オーディオおよび/またはビデオ成分を含むことができる。図2は2つの生じ得るシナリオを示す。第1のシナリオは、RCDを宛て先デバイスとして使用するものであるが、このことは、着信信号が移動/ベースユニットからRCDへ送られ、処理されることを意味する。例えば着信電話呼を携帯電話またはベースユニットからRCDへ送り、RCDにおいてユーザーが呼に応答し、RCDを使って会話することができる。第2シナリオは、RCDを携帯電話/ベースユニットと、オーディオおよび/またはビデオ(A/V)出力が可能な1つ以上の周辺デバイスとの間のパイプとして使用するものである。すなわち携帯電話から周辺デバイスへ信号を送信するために、まずRCDへ信号を送らなければならない。次にRCDは信号を適当な周辺デバイスへ中継、すなわち再送信する。
【0022】
呼取り扱いプロセス、すなわち着信信号取り扱いプロセスは携帯電話が外部DCN200からデジタル信号を受信することから始まる。このステップは、公知の無線プロトコルを使用し、DCNを通して無線デジタル信号を受信することを伴う。携帯電話は標準的な携帯電話技術を使用し、DCNと通信可能な第1RFユニットを使ってデジタル信号を検出する。
【0023】
デジタル信号を受信した後に、携帯電話はDCNと通信したときに携帯電話が使用した無線プロトコルと異なる別の短距離無線プロトコルを通してRCDへ受信した信号を無線で中継、すなわち再送信することを試みる。ベースユニット内に携帯電話がドッキングされている場合、携帯電話は受信したデジタル信号をベースユニットへ転送する。次にベースユニットは短距離無線プロトコルを使用し、RCDへ受信した信号を無線で中継、すなわち再送信する。使用される異なる無線プロトコルは少なくとも2つあるので、携帯電話は発信ソースと宛て先デバイスとの間の通信可能性を保証するために、信号の必要な符号化および復号化を実行する。
【0024】
例えば携帯電話は、GSM(音声)およびGPRS(データ)プロトコルを使ってDCNからの音声およびデータ信号を受信する一方、携帯電話とRCDとの間で使用される無線プロトコルは免許されていない2.4GHzの802.11xプロトコルに基づく。かかるケースでは、携帯電話はDCNからの(制御データを含む)着信音声またはデータ信号を復号化し、これをRCDに中継する前に802.11xのためにこの信号を符号化する。RCDが発信ソースとなり、DCNが宛て先となるときは、このプロセスは逆になる。
【0025】
携帯電話がベースユニットにドッキングされている場合、ベースユニットは携帯電話からのデジタル信号を受信し(204)、次に短距離無線プロトコルを使ってデジタル信号をRCDに転送する(206)。この手順では、デジタル信号をRCDに無線で送信する前に、携帯電話からシリアルポートを通してベースユニットがデジタル信号を受信し、RCDでデジタル信号が受信される(208)。
【0026】
ベースユニットに携帯電話がドッキングされておらず(202)、携帯電話がRCDと通信可能でない場合(210)、携帯電話は通常、DCNからの着信信号を処理する(212)。携帯電話がRCDと通信可能である(210)が、RCDの圏外にある場合(214)、携帯電話は再びRCDとの相互対話をすることなく、通常どおり着信信号を処理する。しかしながら、携帯電話がRCDの圏内にある場合(214)、携帯電話はRCDへ受信したデジタル信号を中継、すなわち再送信し(216)、RCDで信号が受信される(208)。
【0027】
RCDは、ベースユニットまたは携帯電話からのデジタル信号を受信する(208)ために、携帯電話および/またはベースユニットと通信可能なRFユニット使用する。RCDは受信したデジタル信号のタイプを判断するために、デジタル信号に添付されているヘッダー(制御データ)を検査し、信号のタイプ(音声またはデータ)を判断した後に、RCDはデジタル信号を処理する。
【0028】
RCDが携帯電話またはベースユニットのいずれかからの着信信号を受信し、予め処理した場合、RCDは、RCDと現在通信可能な周辺デバイスがあるどうかを判断する(218)。存在しない場合、RCDは携帯電話の内線として作動し、着信呼を処理し(220)、RCD上のA/V出力を維持する。従って、ユーザーは着信信号が音声呼である場合RCDを使用してプロセスを逆にできる。そうでなく、RCDに小型ディスプレイスクリーンが装備されている場合、RCDは、着信データメッセージをディスプレイできる。RCDと通信できる現在通信可能な周辺デバイスがある場合、RCDは適当な周辺デバイスでディスプレイし、および/または聴くための着信信号を再送信できる(220)。
【0029】
例えばユーザーが呼に応答すると判断する前にテレビにCallerIDデータを表示できる。そうでない場合、呼に応答する際に、テレビまたはステレオシステムに結合されたスピーカーにより再生されるべきオーディオ信号をRCDがルーティングできる。着信信号がテキスト、オーディオおよび/またはビデオから成るデータ信号である場合、RCDはメッセージを再生するように、テレビの制御を支配できる。テレビにたまたまデジタルビデオレコーディング(DVR)デバイスが装備されている場合、RCD/携帯電話通信が完了したときに、ユーザーが何も見逃すことなく、視聴を再開できるよう、テレビへのソース信号を自動的に一時中断させることができる。
【0030】
図3はRCDがどのように受信信号を処理するかをより詳細に示している。RCDは受信信号が音声信号またはデータ(テキスト、オーディオおよび/またはビデオ)信号のいずれであるかを判断すること(300)によりスタートする。判断(302)の後に、音声信号処理(304)をするために音声信号に対してフラグを立て、データ信号処理(306)をするためにデータ信号に対してフラグを立てる。音声信号処理のためにRCDのユーザーが受信したオーディオ信号を周辺デバイス送る選択をした場合(308)、RCDは選択された周辺デバイスへオーディオ信号を送信し(310)、信号を出力する。ユーザーが受信したオーディオ信号を周辺デバイスに送らないことを選択した場合(308)、RCDは受信したオーディオ信号を出力するのに自分のスピーカーを使用する(312)。通話中の任意の時間にユーザーは受信したオーディオ信号を周辺デバイスへ送ることを選択できる。
【0031】
同様に、データ信号処理(306)を行うためにデータ信号(テキスト、オーディオおよび/またはビデオ)が伝送される。RCDのユーザーが受信したデータ信号を周辺デバイスに送る選択をした場合(308)、RCDは周辺デバイスにデータ信号を送信する(310)。RCDのユーザーが受信したデータ信号を周辺デバイスに送らないことを選択した場合(308)、RCDは自ら受信したデータ信号を出力する(312)。いつでもユーザーは受信したデータ信号を周辺デバイスへ送ることを選択できる。
【0032】
次に、図4を参照する。周辺デバイスがRFまたはIR(赤外線)に基づくことができる無線リンクを介し、RCDからの信号を受信する(400)。信号のタイプの判断(402)の後で、音声信号処理(404)のためにRCDから周辺デバイスへ送られた音声信号が転送され、データ信号処理(406)のためにデータ信号が転送される。音声信号処理(404)のために周辺デバイスは一体化されたスピーカーを使ってオーディオ信号を出力し、他方、RCDは一体化されたマイクを使ってユーザーから携帯電話に音声信号を戻すように音声信号を送信する(408)。データ信号処理(406)のために周辺デバイスはデータに適したフォーマットでデータを出力する(410)。
【0033】
例えば周辺デバイス、例えばテレビにより、音声およびオーディオを含むMMSメッセージを表示し、聴くことができるように出力できる。テレビはJPEGまたはMPEGを含むが、これらに限定されない共通ビデオフォーマットおよびwav、midiまたはmp3を含むが、これらに限定されないオーディオフォーマットを表示できる。テレビによりSMSテキストメッセージをディスプレイすることもできる。
【0034】
以上で本発明の特定の実施例について開示した。当業者であれば、本発明は別の環境において別の用途を有することが認識できよう。実際に多くの実施例および実現例が可能である。特許請求の範囲は、これまで説明した特定の実施例だけに限定されるものではない。更に、「〜のための手段」なる記載は構成要素および特許請求の範囲の「手段プラス機能」の表示を喚起するものであるが、「〜のための手段」なる記載を特に使用していない構成要素は、たとえ特許請求の範囲が「手段」なる用語を含む場合でも手段プラス機能要素として解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の所定の構成要素およびそれらの環境を示すブロック図である。
【図2】DCMを通して携帯電話が呼を受信したときの、呼取り扱いプロセスのフローチャートである。
【図3】呼取り扱いプロセス中にRCD内で生じる事象のフローチャートである。
【図4】呼取り扱いプロセス内に周辺デバイス内で生じる事象のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の周辺デバイスを制御するための第1無線インターフェースと、
携帯電話と通信するための第2無線インターフェースと、
前記携帯電話から受信したオーディオ信号を出力するためのスピーカーと、
前記携帯電話へ送信すべきオーディオ信号を受信するためのマイクと、
リモコンデバイス(RCD)と前記携帯電話との間で伝送される無線信号を処理するためのプロセッサと、
を備えたリモコンデバイス(RCD)であって、
前記リモコンデバイス(RCD)が、デジタルセルラーネットワーク(DCN)からの無線信号を前記携帯電話が受信したことに応答し、前記携帯電話からの信号を受信し、
前記携帯電話からの受信信号を処理するリモコンデバイス(RCD)。
【請求項2】
前記携帯電話から前記リモコンデバイス(RCD)が受信した信号が、電話の呼を設定するために使用されるオーディオ信号である、請求項1記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項3】
前記携帯電話から受信した信号を処理する事が、前記リモコンデバイス(RCD)を使って前記携帯電話が受信した電話呼に接続する事を含む、請求項2記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項4】
前記リモコンデバイス(RCD)が、前記携帯電話から受信したオーディオ信号を1つ以上の周辺デバイスのうちの1つに送信し、可聴的に出力させる、請求項3記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項5】
前記リモコンデバイス(RCD)によって前記携帯電話から受信された信号が、テキストデータ信号、オーディオデータ信号、ビデオデータ信号およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択されたデータ信号である、請求項1記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項6】
前記携帯電話から受信した信号を処理する作用が、前記携帯電話から受信したデータ信号を前記1つ以上の周辺デバイスのうちの1つに送信し、出力させる事を含む、請求項5記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項7】
前記リモコンデバイス(RCD)によって前記携帯電話から受信された信号が、SMSメッセージ、MMSメッセージおよびeメールメッセージから成る群から選択されたデータ信号である、請求項1記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項8】
前記携帯電話から受信した信号を処理する事が、前記携帯電話から受信したデータ信号を前記1つ以上の周辺デバイスのうちの1つに送信し、出力させることを含む、請求項7記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項9】
携帯電話および1つ以上の周辺デバイスと通信可能なリモコンデバイス(RCD)であって、前記リモコンデバイス(RCD)が、
前記携帯電話から受信した信号を処理し、
前記携帯電話から受信した信号を出力し、
前記携帯電話によりデジタルセルラーネットワーク(DCN)から受信された着信電話呼を取り扱うように前記携帯電話を制御するための手段と、
前記携帯電話から受信した信号を前記1つ以上の周辺デバイスに送信できるよう、前記1つ以上の周辺デバイスを制御するための手段と、
を備えたリモコンデバイス(RCD)。
【請求項10】
前記携帯電話から受信した信号を処理するための処理手段と、
前記携帯電話から受信したオーディオ信号を出力するためのスピーカーと、
前記携帯電話に送るべきオーディオ信号を入力するためのマイクとを更に備えた、請求項9記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項11】
前記リモコンデバイスが、前記携帯電話から受信したデータの出力を制御するためのユーザーインターフェースを更に含む、請求項10記載のリモコンデバイス(RCD)。
【請求項12】
前記リモコンデバイスが、前記携帯電話から受信したビデオまたはテキストデータを表示するためのビデオディスプレイを更に含む、請求項11記載のリモコンデバイス(RCD)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−504732(P2007−504732A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525193(P2006−525193)
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001063
【国際公開番号】WO2005/025194
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】