説明

照明装置および照明システム

【課題】電力線を用いて照明およびオーディオ機能を実現すること。
【解決手段】照明装置100は、発光部101と、音声出力部102と、制御部103とを備え、接続部104によって電力線を有する既存の電灯設備に接続可能な構造を備えている。発光部101は、既存の電灯設備からの電力供給によって発光する。音声出力部102は、既存の電灯設備からの電力供給によって音声信号に基づく音声を出力する。制御部103は、発光部101と音声出力部102とのON/OFFを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力線に取り付けられる照明装置および照明システムに関する。ただし、この発明の利用は、上述した照明装置および照明システムには限られない。
【背景技術】
【0002】
近年、たとえば住宅などに敷設された電力線に取り付けて、照明の代わりに音声を出力する音響機器や、照明とともに音声を出力する照明装置が提供されている。
【0003】
このような音響機器は、たとえばつぎのように構成されている。すなわち、音響機器は、筐体に電球用ソケットに接続できる口金を設け、これを通じて商用交流電源に接続された電球用ソケットから音響機器の内蔵回路に動作電流を供給するようにし、さらに制御系を筐体内に収容し、これにより制御信号をワイヤレスで受信して受信系を遠隔制御することで、電球用ソケットから動作電流を得て音量調整などを遠隔制御することができる構成とされている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、このような音響機器は、音響信号源への接続のための端子を有する拡声器ドライブユニットを備え、この拡声器ドライブユニットは、装着リングを備えたフレームを備え、該装着リングは、それぞれ装着リングに設けられた座部との当接のため、および保持用半円形ワッシャによる当接のための第1および第2対向面を有している。装着リングは、たとえば天井に設けられた開口部中に保持クリップにより保持され、拡声器ドライブユニットの設計は、それがシールドハロゲン電球を有する通常の照明装置において、かかる電球の代わりに使用されることを可能にすることで、特にスペースその他の場所が限られているキッチンまたはバスルームのような部屋にある天井に、拡声器を簡単に装着したり交換したりすることができる構成とされている(たとえば、特許文献2参照。)。
【0005】
また、このような照明装置は、たとえばつぎのように構成されている。すなわち、照明装置は、一般的なダイナミックスピーカユニットの構造に加えて、バックプレートおよびセンタポールの中心部に穿設された孔と、バックプレートの底面側に固定された基板と、基板にホルダを介して光がセンタキャップの内面に照射されるように取り付けられた発光ダイオードとを備え、孔を通して発光ダイオードが基板に配設されたコネクタまで配線されて、外部の駆動源に接続された構造であり、発光ダイオードがスピーカユニットの内側からセンタキャップおよびコーン紙を光らせることで、視覚的な演出効果を向上させることができる構成とされている(たとえば、特許文献3参照。)。
【0006】
また、このような照明装置は、照明カバーを有する照明装置と、照明装置の設置相手先となる照明設置部との間に、照明カバーを含んで取り付けられるスピーカと、音波が放射される音波放射用空間と、音波を外部へ放射するための開口部と、スピーカに対向し音波を開口部に向けて反射する音波反射部と、照明設置部に取り付けられ照明装置およびスピーカを支持する支持部とを配置することで、コスト低減を図り室内の美観を向上させ不必要なところへの音漏れを防止することができる構成とされている(たとえば、特許文献4参照。)。
【0007】
【特許文献1】特開平4−334295号公報
【特許文献2】特開2005−12816号公報
【特許文献3】特開2001−95074号公報
【特許文献4】特開2004−235917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術の音響機器では、電球用ソケットに取り付けて動作電流を得て音声出力をおこなうものであるため、照明に関する機能を備えず電力線通信によって音声信号を取得することができないという問題が一例として挙げられる。また、上記特許文献2に記載の従来技術の音響機器では、電球用ソケットに取り付けて照明に関する機能を犠牲にしつつ音声出力をおこなうものであるため、照明のための動作をおこなうことができないという問題が一例として挙げられる。
【0009】
また、上記特許文献3に記載の従来技術の照明装置では、音声出力とともに発光ダイオードによって視覚的な演出をおこなうものであるため、たとえば部屋を明るくしたりする照明をおこなうことができないという問題が一例として挙げられる。また、上記特許文献4に記載の従来技術の照明装置では、電灯設備配設位置に音声出力機能および照明機能を有する照明装置を直接取り付けるものであるため、既存の電灯設備(たとえば、電球用ソケット)などには設置することができないという問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる照明装置は、電力線からの電力供給によって発光する発光手段と、前記電力線からの電力供給によって音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項12の発明にかかる照明システムは、電力線からの電力供給によって発光する発光手段と、前記電力線からの電力供給によって音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段と、を備える照明装置と、前記音声信号を前記音声出力手段に送信する送信手段と、前記送信手段による前記音声信号の送信を制御する送信制御手段と、を備える音声供給装置と、を備え、前記音声出力手段は、前記送信手段によって送信された前記音声信号に基づいて音声を出力することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる照明装置および照明システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
(実施の形態1)
(照明装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態1にかかる照明装置の内容について説明する。図1は、この発明の実施の形態1にかかる照明装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図1において、照明装置100は、発光部101と、音声出力部102と、制御部103とを備えて構成され、接続部104によって電力線を有する既存の電灯設備(以下、単に「電灯設備」とする)に接続可能な構造を備えている。
【0014】
発光部101は、接続部104を介して接続された電力線からの電力供給によって発光する。この発光部101は、具体的には、たとえばLED、フィラメント、蛍光灯および有機ELなどの発光体によって構成される。なお、上記既存の電灯設備とは、たとえば建物に設けられた電球用ソケット、レセプタクル、引っ掛けシーリングローゼットや、懐中電灯(ハンディライト)の電球用ソケットなどの電灯設備をいう。
【0015】
音声出力部102は、音声信号の入力を受け付けて、接続部104を介して接続された電力線からの電力供給によって、入力した音声信号に基づく音声を出力する。この音声出力部102によって入力が受け付けられる音声信号は、具体的には、たとえば電力線に重畳されたものであったり、無線通信によって送信されたものであったり、あるいは外部の記録媒体に記録されたものであったりする。音声信号が電力線に重畳されたものである場合は、照明装置100は、電力線通信(Power Line Communication:PLC)が可能な装置として構成される。
【0016】
制御部103は、発光部101と音声出力部102とのON/OFFを制御する。制御部103は、具体的には、これら発光部101と音声出力部102とに対する電力線からの電力供給を制御する。したがって、制御部103は、発光部101による発光や音声出力部102による音声出力のON/OFFを個別にあるいは統括的に制御することができる。また、この制御部103は、電力線を通じて送信された発光部101や音声出力部102へのON/OFF入力や、無線通信によって送信されたON/OFF入力などに基づいて照明装置100の全体の動作を制御する。接続部104は、電灯設備と電気的かつ機械的に接続可能な口金やプラグなどによって構成される。
【0017】
このように構成された照明装置では、接続部104を介して電灯設備に接続することで電力供給を得て、発光部101による発光や音声出力部102による音声出力をおこなうことができる。また、制御部103によって、発光部101による発光や音声出力部102による音声出力のON/OFFを制御することができる。
【0018】
このため、この照明装置100によれば、壁や天井などに照明装置100を取り付けるための電灯設備の設置工事や、発光部101による発光のための電力線の他に音声出力部102による音声出力のための通信線の敷設工事などを別途おこなうことなく、既存の照明装置の電球などと交換することによって照明機能およびオーディオ機能を同時あるいは個別に利用することが可能となる。また、電力線を有する既存の電灯設備を利用することができるので、リビング、寝室、浴室などの様々な場所に照明装置100を設置することができ、設置自由度を向上させることができる。
【0019】
(照明装置の動作処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる照明装置の動作処理手順について説明する。図2は、この発明の実施の形態1にかかる照明装置の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図2の処理は、照明装置100が既に電灯設備に設置された場合を示している。
【0020】
図2のフローチャートにおいて、まず、制御部103によって、送信されたON/OFF入力による発光指示があったか否かを判断する(ステップS201)。発光指示があったと判断された場合(ステップS201:Yes)は、制御部103によって、発光部101への電力供給をおこない、すなわち発光部101による発光がONとなり、この電力供給によって発光する(ステップS202)。
【0021】
つぎに、制御部103によって、送信されたON/OFF入力による音声出力指示があったか否かを判断する(ステップS203)。なお、上記ステップS201において、発光指示がなかったと判断された場合(ステップS201:No)は、このステップS203へ移行する。音声出力指示があったと判断された場合(ステップS203:Yes)は、制御部103によって、音声出力部102への電力供給をおこない、すなわち音声出力部102による音声出力がONとなり、この電力供給によって音声出力をおこなう(ステップS204)。
【0022】
上記ステップS204において、音声出力をおこなったのち、あるいは上記ステップS203において、音声出力指示がなかったと判断された場合(ステップS203:No)は、ステップS201の判断処理へ戻りループする。なお、発光指示や音声出力指示のON/OFF入力は、電灯設備の電力線を通じて送信されたものでも、無線通信によって送信されたものでも、あるいは機械的なスイッチなどのON/OFFを制御部103が検出したものでもよい。
【0023】
このように動作処理をおこなうことによって、接続された電力線からの電力供給を得て、ON/OFF入力に基づく発光指示による発光部101での発光や音声出力指示による音声出力部102での音声出力をおこない、照明機能とオーディオ機能とを両立させて実現することができる。このため、新たな電灯設備の設置工事や通信線の敷設工事などを別途おこなうことなく、電力線を有する既存の電灯設備を利用して照明機能およびオーディオ機能を実現することが可能となる。
【0024】
以上説明したように、この発明の実施の形態1にかかる照明装置によれば、既存の電灯設備を利用することで新たな工事などをおこなうことなく設置自由度を向上させつつ簡単かつ安価に照明機能とオーディオ機能とを実現することが可能となる。
【0025】
(実施の形態2)
(照明システムの機能的構成)
つぎに、この発明の実施の形態2にかかる照明システムの内容について説明する。図3は、この発明の実施の形態2にかかる照明システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。ここでは、照明システムにおいてPLCを適用した場合について説明する。なお、以降において、特に明示しない限り既に説明した部分と重複する箇所は同一の符号を附して説明を省略する。
【0026】
図3において、照明システムは、上述した照明装置100と、音声供給装置300とを備えて構成され、これら照明装置100および音声供給装置300は、既存の電灯設備の電力線310を介して接続されている。照明装置100は、上述したように、発光部101と、音声出力部102と、制御部103とを備えて構成され、接続部104によって電力線に接続されている。一方、音声供給装置300は、信号入力部301と、信号処理部302と、制御部303と、操作部304とを備えて構成されている。
【0027】
信号入力部301は、人が発した音声や楽曲の音声などの音声信号の入力を受け付ける。信号処理部302は、信号入力部301によって入力された音声信号に対して所定の処理をおこない、たとえば電力線310に重畳して出力したり、無線通信によって出力したりする。所定の処理は、たとえば音声信号を増幅したりPLC変調したりすることを含む。これら信号入力部301および信号処理部302によって、送信手段を構成する。
【0028】
制御部303は、上記送信手段による音声信号の送信を制御する。また、制御部303は、音声供給装置300全体を制御するとともに、照明装置100の制御部103と連携して照明装置100の動作を遠隔操作可能に制御する。また、制御部303は、照明システムにおける照明装置100が複数配設された場合に、それぞれの照明装置100を個別あるいは統括して制御する。操作部304は、入力操作などによって指示された制御部303に対する操作情報の入力を受け付ける。
【0029】
このように構成された照明システムでは、音声供給装置300から送信された音声信号を照明装置100によって出力することができる。また、この照明システムでは、照明装置100と音声供給装置300とが電力線310を介して制御可能な状態で接続されているため、照明装置100の発光部101による発光や音声出力部102による音声出力を音声供給装置300によって遠隔から制御することができる。このため、この照明システムによれば、既存の電灯設備を利用して配置した照明装置100によって、照明機能とオーディオ機能とを両立させるとともに、音声供給装置300によって照明装置100を統括的に制御することができる。
【0030】
(照明システムの動作処理手順)
つぎに、この発明の実施の形態2にかかる照明システムの動作処理手順について説明する。図4−1および図4−2は、この発明の実施の形態2にかかる照明システムの動作処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図4−1の処理は、照明装置100における発光および音声出力を一括して制御する場合を示し、図4−2の処理は、照明装置100における発光および音声出力を個別に制御する場合を示している。
【0031】
図4−1のフローチャートにおいて、まず、音声供給装置300の操作部304によって制御部303に入力された操作情報、すなわち照明装置100に対する電力供給指示に基づき、照明装置100の制御部103によって、制御部303から送信されたON/OFF入力による照明装置100に対する電力供給指示があったか否かを判断する(ステップS401)。
【0032】
電力供給指示があったと判断された場合(ステップS401:Yes)は、照明装置100の制御部103によって、発光部101および音声出力部102への電力供給をおこない、すなわち発光部101による発光がON(点灯)となるとともに音声出力部102による音声供給装置300からの音声信号に基づく音声出力がONとなり、この電力供給によって点灯および音声出力をおこなう(ステップS402)。
【0033】
つぎに、音声供給装置300の操作部304によって制御部303に入力された情報、すなわち照明装置100に対する電力供給停止指示に基づき、照明装置100の制御部103によって、制御部303から送信されたON/OFF入力による照明装置100に対する電力供給停止指示があったか否かを判断する(ステップS403)。なお、上記ステップS401において、電力供給指示がなかったと判断された場合(ステップS401:No)は、このステップS403へ移行する。
【0034】
電力供給停止指示があったと判断された場合(ステップS403:Yes)は、照明装置100の制御部103によって、発光部101および音声出力部102への電力供給を停止し、すなわち発光部101による発光がOFF(消灯)となるとともに音声出力部102による音声供給装置300からの音声信号に基づく音声出力がOFFとなり、この電力供給停止によって消灯および音声出力を停止する(ステップS404)。
【0035】
上記ステップS402において、点灯および音声出力をおこなったのち、あるいは上記ステップS403において、電力供給停止指示がなかったと判断された場合(ステップS403:No)は、上記ステップS401の判断処理へ戻りループする。なお、電力供給指示や電力供給停止指示のON/OFF入力は、電力線310を通じて音声供給装置300から照明装置100に送信されたものに限らず、音声供給装置300から照明装置100へ無線通信によって送信されたものでも、電力線310に別途設けられた機械的なスイッチなどのON/OFFを照明装置100の制御部103が検出したものでもよい。その他、リモコンのような遠隔操作可能な機器からのものでもよい。
【0036】
このように動作処理をおこなうことによって、照明装置100が接続された電力線310からの電力供給と、音声供給装置300からのON/OFF入力とによって、発光部101での発光(点灯)や音声出力部102での音声出力などの動作を一括して制御し、照明機能とオーディオ機能をシステマチックに両立させることができる。なお、照明装置100において出力される音声信号は、音声供給装置300から送信されたものに限られるものでなく、別途通信や記録媒体などを介して照明装置100に入力された音声信号であってもよい。
【0037】
つぎに、図4−2のフローチャートにおいて、まず、音声供給装置300の操作部304によって制御部303に入力された操作情報、すなわち照明装置100に対する点灯指示に基づき、照明装置100の制御部103によって、制御部303から送信されたON/OFF入力による照明装置100に対する点灯指示があったか否かを判断する(ステップS411)。
【0038】
点灯指示があったと判断された場合(ステップS411:Yes)は、照明装置100の制御部103によって、発光部101への電力供給をおこない、すなわち発光部101による発光がON(点灯)となり、この電力供給によって点灯する(ステップS412)。
【0039】
つぎに、音声供給装置300の操作部304によって制御部303に入力された操作情報、すなわち照明装置100に対する消灯指示に基づき、照明装置100の制御部103によって、制御部303から送信されたON/OFF入力による照明装置100に対する消灯指示があったか否かを判断する(ステップS413)。なお、上記ステップS411において、点灯指示がなかったと判断された場合(ステップS411:No)は、このステップS413へ移行する。
【0040】
消灯指示があったと判断された場合(ステップS413:Yes)は、照明装置100の制御部103によって、発光部101への電力供給を停止し、すなわち発光部101による発光がOFF(消灯)となり、この電力供給停止によって消灯する(ステップS414)。
【0041】
そして、音声供給装置300の操作部304によって制御部303に入力された操作情報、すなわち照明装置100に対する音声出力指示に基づき、照明装置100の制御部103によって、制御部303から送信されたON/OFF入力による照明装置100に対する音声出力指示があったか否かを判断する(ステップS415)。なお、上記ステップS413において、消灯指示がなかったと判断された場合(ステップS413:No)は、このステップS415へ移行する。
【0042】
音声出力指示があったと判断された場合(ステップS415:Yes)は、照明装置100の制御部103によって、音声出力部102への電力供給をおこない、すなわち音声出力部102による音声供給装置300からの音声信号に基づく音声出力がONとなり、この電力供給によって音声出力をおこなう(ステップS416)。
【0043】
さらに、音声供給装置300の操作部304によって制御部303に入力された操作情報、すなわち照明装置100に対する音声出力停止指示に基づき、照明装置100の制御部103によって、制御部303から送信されたON/OFF入力による照明装置100に対する音声出力停止指示があったか否かを判断する(ステップS417)。なお、上記ステップS415において、音声出力指示がなかったと判断された場合(ステップS415:No)は、このステップS417へ移行する。
【0044】
音声出力停止指示があったと判断された場合(ステップS417:Yes)は、照明装置100の制御部103によって、音声出力部102への電力供給を停止し、すなわち音声出力部102による音声供給装置300からの音声信号に基づく音声出力がOFFとなり、この電力供給停止によって音声出力を停止する(ステップS418)。
【0045】
上記ステップS418において、音声出力を停止したのち、あるいは上記ステップS417において、音声出力停止指示がなかったと判断された場合(ステップS417:No)は、上記ステップS411の判断処理へ戻りループする。なお、点灯指示、消灯指示、音声出力指示および音声出力停止指示のON/OFF入力は、電力線310を通じて音声供給装置300から照明装置100に送信されたものに限らず、音声供給装置300から照明装置100へ無線通信によって送信されたものでも、電力線310に別途設けられた機械的なスイッチなどのON/OFFを照明装置100の制御部103が検出したものでもよい。その他、リモコンのような遠隔操作可能な機器からのものでもよい。
【0046】
このように動作処理をおこなうことによって、照明装置100が接続された電力線310からの電力供給と、音声供給装置300からのON/OFF入力とによって、発光部101での発光(点灯)や音声出力部102での音声出力などの動作を個別に制御し、照明機能とオーディオ機能をシステマチックに両立させることができる。なお、照明装置100において出力される音声信号は、音声供給装置300から送信されたものに限られるものでなく、別途通信や記録媒体などを介して照明装置100に入力された音声信号であってもよい。この処理によれば、たとえば照明装置100において、音声供給装置300からの制御により発光および音声出力のいずれか一方だけをおこなったり、両方を同時におこなったりして汎用性を向上させることができる。
【0047】
以上説明したように、この発明の実施の形態2にかかる照明システムによれば、既存の電灯設備を利用することで新たな工事などをおこなうことなく設置自由度を向上させつつ簡単かつ安価に照明機能とオーディオ機能とを選択的かつシステマチックに実現することが可能となる。
【0048】
つぎに、この発明の実施の形態1にかかる実施例1について説明する。ここでは、この実施の形態1にかかる照明装置として、たとえば電球型の照明装置を構成した場合を例示して説明する。
【実施例1】
【0049】
(照明装置の外観および内部構成)
まず、この発明の実施例1にかかる照明装置の外観および内部構成について説明する。図5は、この発明の実施例1にかかる照明装置の外観構成の一例を示す斜視図である。また、図6−1は、この発明の実施例1にかかる照明装置の内部構成の一例を示す説明図である。また、図6−2は、この発明の実施例1にかかる照明装置の内部構成の他の一例を示す説明図である。
【0050】
図5に示すように、照明装置100は、いわゆる電球と同様の外観形状を有し、既存の電灯設備における電球用ソケットに対して、機械的に螺合し電気的に接続可能な形状の口金部501と、この口金部501の基端側に設けられた基体部502と、この基体部502と一体的に設けられた球状の筐体部503とを備えて構成されている。なお、たとえば口金部501は電気的導通可能な金属部材からなり、基体部502は樹脂成形部材からなる。
【0051】
また、照明装置100は、筐体部503の一部に形成されたメッシュ状の音声出力口504と、筐体部503の先端側に配設された通信素子505と、カメラ506と、マイクロフォン507とを備えて構成されている。なお、筐体部503は、ガラスによって構成されていても、樹脂によって構成されていてもよい。
【0052】
図6−1に示すように、上記基体部502には、たとえば照明装置100の基板部600が内蔵され、筐体部503の音声出力口504の内側には、音声出力をおこなう音声出力手段としての複数のスピーカ601が配設されている。また、筐体部503の内部には、発光をおこなう発光手段としての複数のランプ602が配設されている。このランプ602には、たとえばLED、フィラメント、蛍光灯および有機ELなどを用いることができる。なお、基板部600には、上述した通信素子505、カメラ506、マイクロフォン507、スピーカ601およびランプ602と、口金部501とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0053】
ここで、図6−2に示すように、音声出力手段としてのスピーカ601の代わりに、筐体部503を振動させて音声を出力する振動板601aを用いて照明装置100Aを構成することもできる。この場合、照明装置100Aの筐体部503には、音声出力口504を設ける必要はない。その他の各部については、照明装置100と同様であるため、ここでは説明を省略する。その他、スピーカ601として、圧電型のスピーカ(図示せず)などを用いることもできる。なお、スピーカ601やランプ602は、それぞれ少なくとも一つずつ備えられていればよい。つぎに、上記照明装置100(100Aを含む)の詳細な内部構成について説明する。
【0054】
(照明装置の詳細な内部構成)
図7−1は、この発明の実施例1にかかる照明装置の詳細な内部構成の一例を示すブロック図である。また、図7−2は、この発明の実施例1にかかる照明装置の詳細な内部構成の他の一例を示すブロック図である。また、図7−3は、この発明の実施例1にかかる照明装置の詳細な内部構成のさらに他の一例を示すブロック図である。
【0055】
図7−1に示すように、照明装置100は、アンテナである通信素子505と、カメラ506と、マイクロフォン507と、基板部600と、スピーカ601と、ランプ602とを備えて構成され、たとえば商用電源であるAC100Vの既存の電灯設備の電力線310に配設された電球用ソケットと接続点700を介して機械的かつ電気的に接続されている。
【0056】
この照明装置100の基板部600は、たとえば内部に通信I/F701と、通信制御回路702と、無線回路703と、信号処理回路704と、制御回路705と、電源回路706と、アンプ707と、リレーSW708と、音声入出力I/F709とを備えて構成されている。
【0057】
通信I/F701は、たとえば後述する音声供給装置との間で通信をおこなったり、他の照明装置100との間で通信をおこなったり、リモコンのような機器との間で通信をおこなったりして、各種情報や信号の入出力をおこなう。この通信I/F701は、ここでは、直接的あるいは間接的に通信をおこなうことができる通信モジュールであるとよい。
【0058】
通信制御回路702は、通信I/F701や無線回路703による通信を制御したり、電力線310に重畳されてくる音声信号やON/OFF入力などの各種情報の通信、いわゆる電力線通信(PLC)による通信を制御したりする。この通信制御回路702は、通信コントローラの機能を有するとよい。無線回路703は、電気信号を電波によって通信素子505を介して通信可能な状態に変換したり、通信素子505によって受信された電波を電気信号に変換したりするなどの無線通信に合わせた制御をおこなう。
【0059】
ここで、無線通信とは、通信の媒体となるワイヤ線を使用せずに、電波や赤外線、超音波などを用いておこなわれる通信のことをいう。この無線通信を可能とする規格には、たとえば無線LAN(Local Area Network)、IrDA(Infrared Data Association)、HomeRF(Home Radio Frequency)、BlueToothなどの各種の技術があるが、本実施例1においては公知の各種の無線通信技術を利用することができる。
【0060】
信号処理回路704は、カメラ506によって撮影された画像信号や、マイクロフォン507から音声入出力I/F709およびアンプ707を介して入力された音声信号、あるいは通信I/F701、無線回路703、通信制御回路702および制御回路705を介して入力された音声信号を各種の通信形態に合わせて変調/復調するなどの信号処理をおこなう。信号処理回路704は、たとえばDSP(Digital Signal Processor)によって構成される。
【0061】
制御回路705は、通信制御回路702、信号処理回路704および電源回路706などの、照明装置100に備えられた各部の統括的な制御をおこなう。また、制御回路705は、通信制御回路702を介して入力されたON/OFF入力によって、電源回路706を制御し、たとえばランプ602の点灯のON/OFFや、スピーカ601からの音声出力のON/OFFなどをおこなう。ここで、この制御回路705は、たとえば部屋の壁に埋め込まれたスイッチなどのON/OFF動作に基づくON/OFF入力も検出する。この制御回路705は、たとえばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。
【0062】
なお、この制御回路705は、記憶手段としてのメモリを備えていてもよい。メモリが備えられた場合、制御回路705は、このメモリに対して照明装置100に入力された音声信号を蓄積し、蓄積した音声信号に基づいてスピーカ601から音声出力をおこなうように制御をおこなってもよい。また、メモリは、制御回路705に備えられる場合のみならず、基板部600に備えられてもよい。
【0063】
また、制御回路705は、電源回路706を制御して、たとえばランプ602に対する電力供給状態を変化させ、ランプ602の発光(点灯)による照度変更をおこなったり、信号処理回路704からの情報に基づいて、スピーカ601から出力される音声の強弱などと連動させてランプ602による発光状態を変化させたりする視覚的演出のための制御をおこなってもよい。
【0064】
電源回路706は、スピーカ601やランプ602あるいは基板部600などへの電力供給全般を制御する。アンプ707は、信号処理回路704によって処理された信号を増幅したり、音声入出力I/F709を介して入力された信号を増幅したりする。リレーSW708は、制御回路705によって検出されたON/OFF入力や電力線310の電圧変化などに基づき、ランプ602の点灯/消灯などをおこなう。
【0065】
なお、制御回路705は、リレーSW708を操作して、ランプ602の照度変更などをおこなうこともできる。音声入出力I/F709は、スピーカ601から出力される音声信号やマイクロフォン507から入力される音声信号の入出力をおこなう。この音声入出力I/F709は、具体的には、たとえばディジタル音声信号のD/A変換をおこなうD/Aコンバータと、D/Aコンバータから出力されるアナログ音声信号を増幅する増幅器と、アナログ音声信号のA/D変換をおこなうA/Dコンバータとから構成することができる。
【0066】
このように構成された照明装置100では、無線通信やPLCによって、音声信号を得るとともに、これら無線通信やPLCあるいは電灯設備のスイッチのON/OFFによって、点灯指示や音声出力指示のON/OFF入力を検出し、これらの指示に基づいて制御回路705が各部を制御して、たとえばランプ602の点灯/消灯やスピーカ601からの音声出力のON/OFF、あるいはカメラ506での撮影やマイクロフォン507による音声入力(録音)をおこなうことができる。なお、カメラ506で撮影した画像やマイクロフォン507で録音した音声などの情報は、無線通信やPLCによって、外部の情報端末などに送信することも可能である。
【0067】
また、照明装置100の基板部600は、PLCによって音声信号を得る構造を採用しない場合は、つぎのように構成されていてもよい。すなわち、図7−2に示すように、基板部600は、スイッチ(SW)711,712をそれぞれ備え、通信素子505から通信I/F701および通信制御回路702を介して入力された情報に基づき、制御回路705によって点灯指示や音声出力指示のON/OFF入力が検出されるとともに、スピーカ601から出力する音声の音声信号を無線通信によって得る構成を備えている。
【0068】
そして、このような構成では、制御回路705で検出されたON/OFF入力などによって、制御回路705がこれらのスイッチ711,712を操作して、ランプ602の点灯/消灯をおこなったり、無線通信によって得られた音声信号に基づくスピーカ601からの音声出力のON/OFFをおこなったりする。その他の各部については同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
【0069】
また、照明装置100の基板部600は、無線通信によって音声信号を得る構造を採用しない場合は、つぎのように構成されていてもよい。すなわち、図7−3に示すように、基板部600は、通信素子505の代わりにカードスロット505aを備え、このカードスロット505aに挿入された記録媒体などに記録された音声信号を通信I/F701および通信制御回路702を介して制御回路705が得るとともに、スピーカ601から出力する構成を備えている。なお、この図7−3においては、音声入出力I/F709の図示は省略してあるが、備えられていてもよい。
【0070】
そして、このような構成では、制御回路705で検出されたON/OFF入力などによって、制御回路705がランプ602の点灯/消灯をおこなったり、記録媒体から得られた音声信号に基づくスピーカ601からの音声出力のON/OFFをおこなったりする。その他の各部については同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。なお、カメラ506で撮影した画像やマイクロフォン507で録音した音声などの情報は、これらの構成によれば、無線通信によって外部の装置へ送信したり、カードスロット505aに挿入された記録媒体に記録したりすることも可能である。
【0071】
(照明装置の動作処理手順)
つぎに、この実施例1にかかる照明装置100の動作処理手順について説明する。図8−1は、この発明の実施例1にかかる照明装置の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図8−2は、この発明の実施例1にかかる照明装置の動作処理手順の他の一例を示すフローチャートである。なお、図8−1の処理は、照明装置100における点灯および音声出力を一括して制御する場合を示し、図8−2の処理は、照明装置100における点灯および音声出力を個別に制御する場合を示している。また、ここではPLCによって照明装置100の動作を制御する場合について説明する。
【0072】
図8−1のフローチャートにおいて、まず、基板部600の制御回路705によって、通信制御回路702を介して電力線310から入力された点灯指示のON/OFF入力に基づき、ランプ602のスイッチがONであるか否かを判断する(ステップS801)。ランプ602のスイッチがONでないと判断された場合は待機状態となり(ステップS801:No)、ランプ602のスイッチがONであると判断された場合(ステップS801:Yes)は、制御回路705によって、リレーSW708あるいはスイッチ711を操作してランプ602を点灯する(ステップS802)。
【0073】
そして、制御回路705によって、通信制御回路702を介して音声信号の入力があるか否かを判断する(ステップS803)。音声信号の入力があると判断された場合(ステップS803:Yes)は、制御回路705によって、たとえば電源回路706を制御あるいはスイッチ712を操作して信号処理回路704に電力供給をおこなうとともに、制御回路705に入力された音声信号を信号処理回路704に対して出力し、信号処理回路704によって、音声信号をデコードし(ステップS804)、アンプ707によって、デコードした音声信号を増幅する(ステップS805)。
【0074】
音声信号を増幅したのち、制御回路705によって、音声入出力I/F709を介して音声信号をスピーカ601に出力し、スピーカ601によって音声信号に基づく音声を出力する(ステップS806)。そして、制御回路705によって、通信制御回路702を介して電力線310から入力された消灯指示のON/OFF入力に基づき、ランプ602のスイッチがOFFであるか否かを判断する(ステップS807)。なお、上記ステップS803において、音声信号の入力がないと判断された場合(ステップS803:No)は、このステップS807の処理に移行する。
【0075】
ランプ602のスイッチがOFFでないと判断された場合(ステップS807:No)は、上記ステップS802に移行して、ステップS802〜ステップS807の処理を繰り返す。ランプ602のスイッチがOFFであると判断された場合(ステップS807:Yes)は、制御回路705によって、たとえばリレーSW708あるいはスイッチ711を操作してランプ602を消灯し(ステップS808)、上記ステップS801の判断処理へ戻り動作処理をループする。なお、このステップS802においては、音声出力がおこなわれている場合はこの音声出力も停止する。このように動作処理をおこなうことによって、照明装置100における発光(点灯)や音声出力などの動作を照明装置100において一括して制御することができる。
【0076】
一方、図8−2のフローチャートにおいて、まず、基板部600の制御回路705によって、通信制御回路702を介して電力線310から入力された点灯指示のON/OFF入力に基づき、ランプ602のスイッチがONであるか否かを判断する(ステップS811)。ランプ602のスイッチがONであると判断された場合(ステップS811:Yes)は、制御回路705によって、たとえばリレーSW708あるいはスイッチ711を操作してランプ602を点灯する(ステップS812)。
【0077】
つぎに、制御回路705によって、通信制御回路702を介して電力線310から入力された音声出力指示のON/OFF入力に基づき、音声出力のスイッチがONであるか否かを判断する(ステップS813)。音声出力のスイッチがONであると判断された場合(ステップS813:Yes)は、制御回路705によって、たとえば電源回路706を制御あるいはスイッチ712を操作して信号処理回路704に電力供給をおこなうとともに、制御回路705に入力された音声信号を信号処理回路704に対して出力し、信号処理回路704によって、各種の音声信号処理をおこなう(ステップS814)。
【0078】
そして、信号処理回路704からアンプ707および音声入出力I/F709を介して音声信号をスピーカ601に出力し、スピーカ601によって音声信号に基づく音声を出力する(ステップS815)。つぎに、制御回路705によって、通信制御回路702を介して電力線310から入力された消灯指示のON/OFF入力に基づき、ランプ602のスイッチがOFFであるか否かを判断する(ステップS816)。なお、上記ステップS813において、音声出力のスイッチがONでないと判断された場合(ステップS813:No)は、このステップS816の処理に移行する。
【0079】
ランプ602のスイッチがOFFでないと判断された場合(ステップS816:No)は、上記ステップS812に移行して、ステップS812〜ステップS816の処理を繰り返す。ランプ602のスイッチがOFFであると判断された場合(ステップS816:Yes)は、制御回路705によって、リレーSW708あるいはスイッチ711を操作してランプ602を消灯する(ステップS817)。
【0080】
そして、制御回路705によって、通信制御回路702を介して電力線310から入力された音声出力停止指示のON/OFF入力に基づき、音声出力のスイッチがOFFであるか否かを判断する(ステップS818)。なお、上記ステップS811において、ランプ602のスイッチがONでないと判断された場合(ステップS811:No)は、このステップS818の処理に移行する。
【0081】
音声出力のスイッチがOFFでないと判断された場合(ステップS818:No)は、上記ステップS814に移行して、ステップS814〜ステップS818の処理を繰り返す。音声出力のスイッチがOFFであると判断された場合(ステップS818:Yes)は、制御回路705によって、たとえば電源回路706を制御あるいはスイッチ712を操作して信号処理回路704への電力供給を停止するとともに、スピーカ601からの音声出力を停止し(ステップS819)、上記ステップS811の判断処理へ戻り動作処理をループする。このように動作処理をおこなうことによって、照明装置における発光(点灯)や音声出力などの動作を個別に制御することができる。
【0082】
なお、上述した照明装置100を接続する既存の電灯設備としては、建物の部屋などに設置されたものに限らず、種々の電灯設備に適用することができる。図9は、この発明の実施例1にかかる照明装置の他の適用例を示す説明図である。図9に示すように、照明装置100は、懐中電灯900に備えられている。
【0083】
懐中電灯900は、照明装置100を取り付ける鍔部901と、この鍔部901と一体的に設けられた円筒状の本体部902と、この本体部902の基端側に設けられ、電池(図示せず)などの電源を内部に収容する電源カバー903とを備えて構成され、本体部902に設けられた電源スイッチ904によって照明装置100の発光(点灯)のON/OFFあるいは音声出力のON/OFFをおこなう構造からなる。
【0084】
なお、照明装置100をこのような懐中電灯900などに適用した場合は、音声出力のための音声信号を無線通信などによって得るようにしてもよいし、たとえば本体部902に設けられた記録媒体挿入口905へ音声信号が記録された記録媒体(図示せず)を挿入することによって、その記録媒体から得るようにしてもよい。その他、照明装置100にあらかじめ設けられたメモリなどに音声信号を蓄積しておき、その音声信号に基づく音声を出力するようにしてもよい。
【0085】
このように、この発明の実施例1にかかる照明装置によれば、既存の電灯設備に接続することで電力供給を得て、発光(点灯)や音声出力をおこなうことができるとともに、この発光(点灯)や音声出力を統括的にあるいは個別に制御することができる。また、照明装置を取り付けるための工事などが不要であるにもかかわらず、様々な場所に設置することが可能となり、安価かつ簡単に設置自由度を向上させて照明機能およびオーディオ機能を利用することが可能となる。
【0086】
つぎに、この発明の実施の形態2にかかる実施例2について説明する。ここでは、この実施の形態2にかかる照明システムとして、たとえば電球型の照明装置と音声供給装置とを、既存の電灯設備である電力線を介して接続し、システムを構成した場合を例示して説明する。
【実施例2】
【0087】
(照明システムの概略構成)
まず、この発明の実施例2にかかる照明システムの概略構成について説明する。図10は、この発明の実施例2にかかる照明システムの概略構成の一例を示す説明図である。なお、以降において、実施例1で既に説明した部分と重複する箇所は同一の符号を附して説明を省略する。
【0088】
図10に示すように、照明システムは、電灯設備に設けられた電球用ソケットなどの接続点1001に接続された照明装置100と、電力線310にコンセントなどの接続点1010を介して接続された音声供給装置1000とを備えて構成され、たとえばPLCによって情報の通信をおこなうことができるシステムである。なお、図10においては照明装置100を一つのみ図示したが、この照明装置100は複数備えられていてもよい。この場合、照明システムは、電力線310を媒体とする構内通信網を構成することもできる。つぎに、この照明システムの詳細な構成について説明する。
【0089】
(照明システムの詳細な構成)
図11−1は、この発明の実施例2にかかる照明システムの詳細な構成の一例を示すブロック図である。また、図11−2は、この発明の実施例2にかかる照明システムの詳細な構成の他の一例を示すブロック図である。
【0090】
図11−1に示すように、照明システムは、照明装置100と、音声供給装置1000とを電力線310に接続点1001,1010を介してそれぞれ接続した構造からなる。また、電力線310には、接続点1101を介して接続された埋込スイッチ1102が備えられている。この埋込スイッチ1102は、一般的な部屋などに設けられるもので、照明装置100のランプ602の点灯/消灯を手動によりおこなうためのスイッチである。
【0091】
照明装置100は、通信素子505と、カメラ506と、マイクロフォン507と、スピーカ601と、ランプ602とを備えて構成されている。また、照明装置100は、通信制御回路702と、無線回路703と、信号処理回路704と、制御回路705と、電源回路706と、アンプ707と、リレーSW708と、音声入出力I/F709とを備えて構成されている。これら各部の構成については、上記実施例1で説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0092】
なお、照明装置100の制御回路705は、埋込スイッチ1102のON/OFF入力によって、ランプ602の点灯/消灯を制御するのみならず、スピーカ601からの音声出力のON/OFFも制御するようにしてもよい。すなわち、制御回路705は、埋込スイッチ(埋込SW)1102のON/OFFに連動してランプ602およびスピーカ601を連動させてON/OFFさせるようにしてもよいし、ランプ602およびスピーカ601をそれぞれ個別にON/OFFさせるようにしてもよい。
【0093】
音声供給装置1000は、音声入出力I/F1103と、信号処理回路1104と、制御回路1105と、操作部1106と、表示部1107とを備えて構成されている。音声入出力I/F1103は、音声供給装置1000に入力される音声信号や音声供給装置1000から出力される音声信号の入出力をおこなう。音声信号は、たとえば、音声供給装置1000の内部に設けられたハードディスクや各種メモリなどの図示せぬ記憶手段、電力線310に接続されているホームサーバやジュークボックスなどの外部記憶手段、または、外部ネットワークに存在するミュージックサーバなどから供給されるようにしてもよい。
【0094】
この音声入出力I/F1103によって音声供給装置1000に入力される音声信号は、たとえば照明装置100によって音声出力すべき楽曲などの音声信号である。また、音声供給装置1000から出力される音声信号は、たとえば照明装置100のマイクロフォン507によって入力された音声に基づく音声信号である。
【0095】
この音声入出力I/F1103は、具体的には、たとえばディジタル音声信号のD/A変換をおこなうD/Aコンバータと、D/Aコンバータから出力されるアナログ音声信号を増幅する増幅器と、アナログ音声信号のA/D変換をおこなうA/Dコンバータとから構成することができる。
【0096】
信号処理回路1104は、音声入出力I/F1103を介して入力された音声信号を照明装置100に送信するために変調したり、照明装置100から送信されてきたカメラ506によって撮影された画像信号を後述する表示部1107に画像として表示するために処理したり、照明装置100のマイクロフォン507から音声入出力I/F709およびアンプ707を介して信号処理回路704に入力され処理された音声信号を復調したりする。
【0097】
なお、信号処理回路1104は、照明装置100に対して音声信号の送信をPLCによっておこなう場合は、電力線310に音声信号を重畳するためのPLC変調や、電力線310に重畳されて音声供給装置1000に入力された音声信号を取り出すためのPLC復調をおこなう。この信号処理回路1104は、たとえばDSP(Digital Signal Processor)によって構成される。
【0098】
また、これら音声入出力I/F1103および信号処理回路1104によって、照明装置100へ音声信号を送信する送信手段を構成する。制御回路1105は、音声入出力I/F1103、信号処理回路1104および表示部1107などの音声供給装置1000に備えられた各部の統括的な制御をおこなうとともに、信号処理回路1104を制御して、照明装置100への音声信号の送信を制御する。
【0099】
また、この制御回路1105は、照明装置100の制御回路705と連携して、照明装置100の動作を音声供給装置1000によって遠隔操作可能な状態に制御する。この場合、制御回路1105は、照明装置100に対してランプ602のON/OFF出力やスピーカ601による音声出力のON/OFF出力を送信する。なお、制御回路1105は、たとえばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。なお、図11−1に示した音声供給装置1000の内部構成は、図示した実施例に限らず上述した各種機能を実現すべく様々な構成を取れることは言うまでもない。
【0100】
操作部1106は、文字、数値、各種指示など、ユーザによって入力操作された情報を音声供給装置1000の制御回路1105に対して出力する。この操作部1106の構成としては、たとえば物理的な押下げ/非押下げを検出する押しボタン式スイッチ、タッチパネル、キーボード、ジョイスティックなどの公知の各種形態を採用することができる。また、操作部1106は、たとえば外部からの音声を入力するマイクロフォンなどによって、音声により入力操作をおこなう形態であってもよい。
【0101】
この操作部1106は、音声供給装置1000に対して一体的に設けられていてもよいし、リモコンのように音声供給装置1000から離間した位置から操作可能な形態であってもよい。また、操作部1106は、上述した各種形態のうちいずれか一つの形態で構成されていても、複数の形態で構成されていてもよい。
【0102】
表示部1107は、たとえばCRT(Cathode Ray Tube)、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどによって構成される。表示部1107は、具体的には、たとえば図示しない映像I/Fや映像I/Fに接続された映像表示用のディスプレイ装置などによって構成することができる。
【0103】
ここで、映像I/Fは、具体的には、たとえばディスプレイ装置全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ装置を表示制御する制御ICやGPU(Graphics Processing Unit)などによって構成される。
【0104】
この表示部1107には、たとえばアイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウあるいは文字や画像などの各種情報が表示される。また、表示部1107には、照明装置100のカメラ506によって撮影された照明装置100の設置場所における周囲の画像などが表示される。
【0105】
このように構成された照明システムでは、音声供給装置1000から送信された音声信号を、たとえばPLCによって照明装置100において入力し、この音声信号に基づく音声を照明装置100によって出力することができるとともに、照明装置100のランプ602の点灯/消灯やスピーカ601からの音声出力のON/OFFをPLCによって音声供給装置1000側で制御したりすることができる。
【0106】
また、照明システムは、PLCによって音声供給装置1000から照明装置100に音声信号を送信する構造を採用しない場合は、つぎのように構成されていてもよい。すなわち、図11−2に示すように、照明装置100は、カードスロット505a、スイッチ711,712を備え、たとえばカードスロット505aに挿入された記録媒体に記録された音声信号や、通信素子505から通信I/F701および通信制御回路702を介して入力された音声信号などに基づく音声を出力する。
【0107】
この場合においても、照明装置100における音声供給装置1000からのON/OFF入力によって、たとえば音声供給装置1000側から照明装置100におけるランプ602の発光(点灯)のON/OFFや、音声出力のON/OFFを制御することが可能である。
【0108】
なお、たとえば照明装置100が一つの部屋に複数配設され、音声供給装置1000によって各照明装置100を個別に制御することにより、5.1チャンネルや7.1チャンネルなどのマルチ音場を形成するように音声を再生したり、一つの照明装置100に複数のスピーカ601を設けて音声をステレオ再生したりすることも可能である。
【0109】
(照明システムの動作処理手順)
つぎに、この実施例2にかかる照明システムの動作処理手順について説明する。図12−1は、この発明の実施例2にかかる照明システムの動作処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図12−2は、この発明の実施例2にかかる照明システムの動作処理手順の他の一例を示すフローチャートである。なお、図12−1の処理は、照明システムにおける照明装置の点灯および音声出力を一括して制御する場合を示し、図12−2の処理は、照明システムにおける照明装置の点灯および音声出力を個別に制御する場合を示している。ここでは、PLCによって音声供給装置1000が照明装置100へ音声信号を送信する場合について説明する。
【0110】
図12−1のフローチャートにおいて、まず、音声供給装置1000の制御回路1105の制御によって、音声入出力I/F1103を介して音声供給装置1000において音声信号を入力し(ステップS1201)、信号処理回路1104によって、音声信号をエンコードし、電力線310に出力する(ステップS1202)。
【0111】
つぎに、照明装置100の制御回路705によって、たとえば埋込スイッチ1102のON/OFFを検出し、照明装置100のスイッチがONであるか否かを判断する(ステップS1203)。照明装置100のスイッチがONでないと判断された場合は待機状態となり(ステップS1203:No)、照明装置100のスイッチがONであると判断された場合(ステップS1203:Yes)は、照明装置100の制御回路705によって、リレーSW708(またはスイッチ711)を操作してランプを点灯する(ステップS1204)。
【0112】
そして、照明装置100の制御回路705によって、通信制御回路702を介して音声供給装置1000からの音声信号の入力があるか否かを判断する(ステップS1205)。音声信号の入力があると判断された場合(ステップS1205:Yes)は、照明装置100の制御回路705によって、電源回路706(またはスイッチ712)により電力供給をおこなうとともに信号処理回路704およびアンプ707を制御して、音声信号をデコードして増幅し(ステップS1206)、音声入出力I/F709を介して音声信号をスピーカ601に出力して、スピーカ601によって音声信号に基づく音声を出力する(ステップS1207)。
【0113】
つぎに、照明装置100の制御回路705によって、たとえば埋込スイッチ1102のON/OFFを検出し、照明装置100のスイッチがOFFであるか否かを判断する(ステップS1208)。なお、上記ステップS1205において、音声信号の入力がないと判断された場合(ステップS1205:No)は、このステップS1208の処理に移行する。
【0114】
照明装置100のスイッチがOFFでないと判断された場合(ステップS1208:No)は、上記ステップS1204に移行して、ステップS1204〜ステップS1208の処理を繰り返す。照明装置100のスイッチがOFFであると判断された場合(ステップS1208:Yes)は、照明装置100の制御回路705によって、リレーSW708を操作してランプ602を消灯し、音声出力を停止して(ステップS1209)、上記ステップS1203の判断処理へ戻り動作処理をループする。なお、このステップS1209においては、音声出力がおこなわれている場合はこの音声出力も停止する。
【0115】
一方、図12−2のフローチャートにおいて、まず、音声供給装置1000の制御回路1105の制御によって、音声入出力I/F1103を介して音声供給装置1000において音声信号を入力し(ステップS1211)、信号処理回路1104によって、音声信号をエンコードし、電力線310に出力する(ステップS1212)。
【0116】
つぎに、照明装置100の制御回路705によって、たとえば音声供給装置1000の操作部1106から入力された操作情報に基づき制御回路1105によって出力された照明装置100に対するON/OFF入力に基づいて、照明装置100のランプ602のスイッチがONであるか否かを判断する(ステップS1213)。
【0117】
照明装置100のランプ602のスイッチがONであると判断された場合(ステップS1213:Yes)は、照明装置100の制御回路705によって、リレーSW708(またはスイッチ711)を操作してランプ602を点灯する(ステップS1214)。つぎに、照明装置100の制御回路705によって、たとえば音声供給装置1000の操作部1106から入力された操作情報に基づき制御回路1105によって出力された照明装置100に対するON/OFF入力に基づいて、照明装置100の音声出力のスイッチがONであるか否かを判断する(ステップS1215)。
【0118】
照明装置100の音声出力のスイッチがONであると判断された場合(ステップS1215:Yes)は、照明装置100の制御回路705によって、電源回路706(またはスイッチ712)により信号処理回路704に電力供給をおこなうとともに信号処理回路704において各種の音声信号処理をおこなう(ステップS1216)。そして、照明装置100の信号処理回路704からアンプ707および音声入出力I/F709を介して音声信号をスピーカ601に出力し、スピーカ601によって音声信号に基づく音声を出力する(ステップS1217)。
【0119】
つぎに、照明装置100の制御回路705によって、たとえば音声供給装置1000の操作部1106から入力された操作情報に基づき制御回路1105によって出力された照明装置100に対するON/OFF入力に基づいて、照明装置100のランプ602のスイッチがOFFであるか否かを判断する(ステップS1218)。なお、上記ステップS1215において、照明装置100の音声出力のスイッチがONでないと判断された場合(ステップS1215:No)は、このステップS1218の処理に移行する。
【0120】
照明装置100のランプ602のスイッチがOFFでないと判断された場合(ステップS1218:No)は、上記ステップS1214に移行して、ステップS1214〜ステップS1218の処理を繰り返す。照明装置100のランプ602のスイッチがOFFであると判断された場合(ステップS1218:Yes)は、照明装置100の制御回路705によって、リレーSW708(またはスイッチ711)を操作してランプ602を消灯する(ステップS1219)。
【0121】
そして、照明装置100の制御回路705によって、たとえば音声供給装置1000の操作部1106から入力された操作情報に基づき制御回路1105によって出力された照明装置100に対するON/OFF入力に基づいて、照明装置100の音声出力のスイッチがOFFであるか否かを判断する(ステップS1220)。なお、上記ステップS1213において、照明装置100のランプ602のスイッチがONでないと判断された場合(ステップS1213:No)は、このステップS1220の処理に移行する。
【0122】
照明装置100の音声出力のスイッチがOFFでないと判断された場合(ステップS1220:No)は、上記ステップS1216に移行して、ステップS1216〜ステップS1220の処理を繰り返す。照明装置100の音声出力のスイッチがOFFであると判断された場合(ステップS1220:Yes)は、照明装置100の制御回路705によって、電源回路706(またはスイッチ712)による信号処理回路704への電力供給を停止するとともにスピーカ601からの音声出力を停止し(ステップS1221)、上記ステップS1213の判断処理へ戻り動作処理をループする。
【0123】
なお、上述した照明システムにおいては、照明装置100によって音声出力する音声信号を音声供給装置1000から照明装置100に対して、PLCや無線通信などにより送信する構成としたが、音声信号はカードスロット505aを介して外部の記録媒体などに記録されたものを用いてもよい。また、上述した照明システムでは、音声供給装置1000によって音声信号を送信するとともに照明装置100の動作を制御することができる構成としたが、照明装置100は無線通信などによって他の電子機器により制御することも可能である。
【0124】
ここで、上述した照明システムにおいて構成可能な他の利用方式について簡単に説明する。図13は、この発明の実施例2にかかる照明システムの他の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図14は、この発明の実施例2にかかる照明システムの他の動作処理手順の他の一例を示すフローチャートである。なお、図13の処理は、複数の照明装置100を有する照明システムをインターホンとして用いた場合を示し、図14の処理は、照明システムをPLCを用いた監視システムとして利用した場合を示している。
【0125】
図13のフローチャートにおいて、まず、たとえば建物の1階と2階とに設置された複数の照明装置100のうちの1つにおいて、リモコンやスイッチを介して入力された操作情報に基づき、制御回路705によって、インターホンモードがONであるか否かを判断する(ステップS1301)。
【0126】
インターホンモードがONであると判断された場合(ステップS1301:Yes)は、電源ONを指示する制御信号が、たとえば照明システムに備えられたすべての照明装置100に対して電力線310を介して送信され、各照明装置100におけるそれぞれの制御回路705によって、電源回路706などを制御して照明装置100に電力供給がおこなわれる(ステップS1302)。
【0127】
そして、通話元の照明装置100において、たとえば通話場所を指定しつつマイクロフォン507に向かって音声を発することにより、通話場所を指定して音声入力をおこなう(ステップS1303)。入力された音声は、信号処理回路704によって信号処理され制御回路705によって通話先の照明装置100に送信される。
【0128】
通話先の照明装置100では、通話元から送信された音声信号に基づいて、信号処理回路704によって信号処理をおこない、スピーカ601によって音声出力することで、指定された通話場所で音声出力をおこなう(ステップS1304)。そして、これらの照明装置100において、リモコンやスイッチを介して入力された操作情報に基づき、制御回路705によって、インターホンモードがOFFであるか否かを判断する(ステップS1305)。
【0129】
インターホンモードがOFFでないと判断された場合(ステップS1305:No)は、上記ステップS1303に移行して、ステップS1303〜ステップS1305の処理を繰り返す。インターホンモードがOFFであると判断された場合(ステップS1305:Yes)は、すべての照明装置100の制御回路705によって、電源回路706などを制御して、照明装置100への電力供給を停止して処理を終了する。
【0130】
一方、図14のフローチャートにおいて、たとえば携帯電話機などから宅内に設置された照明装置100に対し、カメラ506を起動するためのON/OFFに関する制御信号を送信し、照明装置100の制御回路705によって、この制御信号によりカメラモードがONであるか否かを判断する(ステップS1401)。
【0131】
カメラモードがONであると判断された場合(ステップS1401:Yes)は、制御回路705によって、電源回路706などを制御して照明装置100に電力供給がおこなわれ(ステップS1402)、カメラ506によって照明装置100の設置場所の周囲の画像を撮像し(ステップS1403)、信号処理回路704によって撮像した画像を携帯電話機でも閲覧可能な画像形式などに変換する画像信号処理がおこなわれる(ステップS1404)。
【0132】
そして、制御回路705によって、通信制御回路702を制御して、通信I/F701を介して信号処理した画像を電力線310や無線通信により出力するとともに(ステップS1405)、携帯電話機などから送信された制御信号に基づき、カメラモードがOFFであるか否かを判断する(ステップS1406)。
【0133】
カメラモードがOFFでないと判断された場合(ステップS1406:No)は、上記ステップS1403に移行して、ステップS1403〜ステップS1406の処理を繰り返す。カメラモードがOFFであると判断された場合(ステップS1406:Yes)は、照明装置100の制御回路705によって、電源回路706などを制御して、電力供給を停止して処理を終了する。
【0134】
このように、この発明の実施例2にかかる照明システムによれば、既存の電灯設備に照明装置を接続することで電力供給を得て、発光(点灯)や音声出力をおこなうことができるとともに、音声供給装置からの音声信号に基づいて音声出力をおこなうことができる。また、音声供給装置などにより発光(点灯)や音声出力を統括的にあるいは個別に制御することができる。
【0135】
また、照明装置や音声供給装置を設置するための工事などが不要であり、様々な場所に照明システムを設けることが可能となり、安価かつ簡単に設置自由度を向上させて照明機能およびオーディオ機能を利用することが可能な照明システムを実現することが可能となる。
【0136】
以上説明したように、この発明にかかる照明装置および照明システムによれば、既存の電灯設備を利用することで新たな工事などをおこなうことなく設置自由度を向上させることができる。また、この発明にかかる照明装置および照明システムによれば、簡単かつ安価に照明機能とオーディオ機能とを同時に実現させたり選択的に利用したりすることが可能となる。
【0137】
なお、実施例1および実施例2では、照明装置や照明システムによって、点灯/消灯あるいは音声出力のON/OFFをおこなうことを主として説明したが、これらの動作の他にも、PLCを用いて複数の照明装置によって宅内通信網を構築し、データ通信をおこなうようにしたり、人体検知センサや事象変化センサなどを各照明装置100に搭載してより高度な監視システムを構築したりすることも可能である。このようにすれば、照明装置や照明システムの適用範囲をさらに広げることが可能となる。
【0138】
また、実施例1および実施例2では、照明装置による音声出力のための音声信号をPLCによって入力したり無線通信や記録媒体などによって入力したりすることを主として説明したが、たとえば照明装置にAM/FMチューナやTVチューナなどを搭載し、これらのチューナによって入力された音声を出力するようにしてもよい。このようにすれば、音声信号の送受信に関する構成をより簡素化し、低コストで音声出力が可能な照明装置および照明システムを実現することが可能となる。
【0139】
また、実施例1および実施例2では、既存の電灯設備に接続されこの電灯設備からの電力供給によって動作することを前提として説明したが、電灯設備としては、たとえばバッテリなどの可搬性電源を採用したり、照明装置に非接触式充電池を搭載して電灯設備からの電力を電磁誘導などによって蓄電し電力供給したりする構造を採用してもよい。
【0140】
さらに、実施例1の照明装置をたとえば玄関先などに設置し、メモリなどに「お帰りなさい」などの音声を出力するための音声信号をあらかじめ記憶させておき、人体検知センサなどによる検知信号に基づいて、照明装置が自動的に音声出力をおこなう構成としてもよい。
【0141】
また、実施例2の照明システムにおいて、たとえば音声供給装置に緊急放送受信機能を備えることにより、災害発生時などの緊急放送を照明装置によっておこなうことも可能となる。この照明システムは、既存の電灯設備を利用することができるので、建物に限らず、屋外などにおいても適用することができる。
【0142】
また、この発明にかかる照明装置および照明システムによれば、たとえばリモコンのような遠隔操作可能な機器によって、照明装置を操作することが可能である。たとえば、建物などの一つの部屋に複数の照明装置を配設した場合、一つ部屋に複数のスピーカ601が配置されたことになるので、各照明装置に割り当てたIDなどに基づいてリモコンによる切り替えをおこなえば、所望の位置から音声を出力することができる。
【0143】
また、このようなリモコンで、音声供給装置1000を統括的に操作したり、音声供給装置1000が複数のチャンネルの音声信号を出力することができる場合に、任意のチャンネルの選択操作をしたりすることもできる。この他、たとえば照明装置のスピーカ601から出力される音声の音量の調整をおこなったりすることもできる。
【0144】
そして、たとえば音声供給装置1000がDVDなどのメディア再生機能を有する場合は、このメディア再生機能に関する制御全般をリモコンで操作することが可能となる。この場合、まず、音声供給装置1000の初期設定をおこない、メディア再生機能を有効にするとよい。
【0145】
上記初期設定としては、たとえば複数配設された照明装置の認証をおこなうことから始めるとよい。照明装置の認証手順としては、具体的には、まず、配設した複数の照明装置100と音声供給装置1000とで電力線310を介してLANを構築し、各照明装置100から音声供給装置1000に対してIDを通知する。
【0146】
そして、音声供給装置1000が各照明装置100から通知されたIDを受信し、これらのIDをメモリなどの記憶手段に記憶するとともに、音声供給装置1000自身のIDを付加した受信通知を、各照明装置100のIDに対して送信する。各照明装置100では、送信された受信通知を受信して音声供給装置1000のIDをメモリなどの記憶手段に記憶し、認証がおこなわれる。
【0147】
一旦認証がおこなわれると、その後は各照明装置100と音声供給装置1000との間で、互いのIDに基づいて通信をおこなうことが可能となる。そして、たとえばメディア再生機能としてDVDの5.1チャンネルや6.1チャンネル、あるいは7.1チャンネルの音声の再生をおこなう場合、音声供給装置1000によって各照明装置100の機能設定をおこなうことが可能となる。
【0148】
すなわち、機能設定の一例としては、音声供給装置1000によって、どの位置に配設された照明装置100が5.1、6.1および7.1チャンネルなどの音声の再生におけるどのチャンネルの音声(センター音声、フロントLR音声、リアLR音声、ウーハ音声など)を出力するかを設定することが可能となる。なお、これらの設定は、リモコンによっておこなうこともできる。また、照明装置100がカメラ付の場合は、カメラ506から得られた映像によって人体の耳の位置を自動的に判断し、その判断結果に基づき、周囲の複数の照明装置100に対しどのチャンネルの音声を出力するかを自動設定するようにしてもよい。
【0149】
また、この発明にかかる照明装置および照明システムによれば、たとえば人感センサを各照明装置100に搭載して、人体を感知したか否かによってランプ602やスピーカ601のON/OFFをおこなうようにしてもよい。この場合、まず、たとえば音声供給装置1000からの制御やリモコンによる操作などによって、各照明装置100における人感センサモードをONにする。
【0150】
そして、各照明装置100の制御回路705によって、人感センサにより人体を感知したか否かを判断し、感知していない場合はランプ602やスピーカ601をOFFとするとともに、感知した場合はランプ602やスピーカ601をONとして、照明を点灯させたり音声を出力したりする。
【0151】
このようにランプ602やスピーカ601のON/OFFを人感センサモードがOFFになるまでおこなえば、各照明装置100において人体を感知した場合に自動的に照明を点灯させたり音声を出力したりすることが可能となり、利便性を向上させることができるようになる。つまり、人が別の部屋などに移動したとしても、今までいた部屋の照明装置100で出力していた音楽を、別の部屋の照明装置100を会して面倒な操作を行わずに楽しむことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】実施の形態1にかかる照明装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる照明装置の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態2にかかる照明システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図4−1】実施の形態2にかかる照明システムの動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4−2】実施の形態2にかかる照明システムの動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】実施例1にかかる照明装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【図6−1】実施例1にかかる照明装置の内部構成の一例を示す説明図である。
【図6−2】実施例1にかかる照明装置の内部構成の他の一例を示す説明図である。
【図7−1】実施例1にかかる照明装置の詳細な内部構成の一例を示すブロック図である。
【図7−2】実施例1にかかる照明装置の詳細な内部構成の他の一例を示すブロック図である。
【図7−3】実施例1にかかる照明装置の詳細な内部構成のさらに他の一例を示すブロック図である。
【図8−1】実施例1にかかる照明装置の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8−2】実施例1にかかる照明装置の動作処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施例1にかかる照明装置の他の適用例を示す説明図である。
【図10】実施例2にかかる照明システムの概略構成の一例を示す説明図である。
【図11−1】実施例2にかかる照明システムの詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図11−2】実施例2にかかる照明システムの詳細な構成の他の一例を示すブロック図である。
【図12−1】実施例2にかかる照明システムの動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12−2】実施例2にかかる照明システムの動作処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
【図13】実施例2にかかる照明システムの他の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】実施例2にかかる照明システムの他の動作処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0153】
100,100A 照明装置
101 発光部
102 音声出力部
103,303 制御部
104 接続部
300,1000 音声供給装置
301 信号入力部
302 信号処理部
304 操作部
501 口金部
502 基体部
503 筐体部
504 音声出力口
505 通信素子
506 カメラ
507 マイクロフォン
600 基板部
601 スピーカ
601a 振動板
701 通信I/F
702 通信制御回路
703 無線回路
704,1104 信号処理回路
705,1105 制御回路
709,1103 音声入出力I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線からの電力供給によって発光する発光手段と、
前記電力線からの電力供給によって音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段と、
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記発光手段と前記音声出力手段とのON/OFFを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記発光手段へのON/OFF入力を検出することによって、前記発光手段および前記音声出力手段へのON/OFFを制御することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御手段は、さらに前記音声出力手段へのON/OFF入力を検出することによって、前記音声出力手段のON/OFFのみを制御することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記発光手段または/および前記音声出力手段のON/OFF入力を検出することによって、前記発光手段または/および前記音声出力手段のON/OFFを制御することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記電力線と機械的かつ電気的に接続可能な接続手段をさらに備え、
前記音声出力手段は、前記接続手段によって接続された前記電力線に重畳された前記音声信号に基づく音声を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記音声信号を記憶手段に記憶させ、
前記音声出力手段は、前記記憶手段に記憶された前記音声信号に基づく音声を出力することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項7】
外部の機器との間で無線通信をおこなう通信手段をさらに備え、
前記音声出力手段は、前記通信手段によって通信された前記音声信号に基づく音声を出力することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項8】
記録媒体を挿入可能な記録媒体挿入手段をさらに備え、
前記音声出力手段は、前記記録媒体挿入手段に挿入された前記記録媒体に記録された前記音声信号に基づく音声を出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項9】
前記発光手段は、LED、フィラメント、蛍光灯および有機ELのうち少なくともいずれか一つからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記音声出力手段によって出力される音声と連動させて、前記発光手段による発光状態を変化させることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項11】
照明装置の周囲を撮影する撮影手段と、音声の入力を受け付ける音声入力手段と、前記撮影手段によって撮影された画像および前記音声入力手段によって入力された音声をあらわす情報に対し、所定の処理をおこない前記制御手段あるいは前記音声出力手段に対して出力する処理手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項2〜10のいずれか一つに記載の照明装置。
【請求項12】
電力線からの電力供給によって発光する発光手段と、前記電力線からの電力供給によって音声信号に基づく音声を出力する音声出力手段と、を備える照明装置と、
前記音声信号を前記音声出力手段に送信する送信手段と、前記送信手段による前記音声信号の送信を制御する送信制御手段と、を備える音声供給装置と、
を備え、
前記音声出力手段は、前記送信手段によって送信された前記音声信号に基づいて音声を出力することを特徴とする照明システム。
【請求項13】
前記照明装置および前記音声供給装置は、電力線通信によって前記音声信号の送受信をおこなうことを特徴とする請求項12に記載の照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−73438(P2007−73438A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−261318(P2005−261318)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】