説明

熱交換器

【課題】乗物が停止しエンジンを切りエアコンの停止した時より空室となった室内に熱量が蓄積されるものを該当する熱交換器を稼動させてさらに入射し、蓄積される熱量を室外に放出し、再度入室時に快適な温度を与えるものである。
【解決手段】太陽光電池を起動力として磁気共鳴モーターを回転機構に採用し、ヒートパイプにより熱を移送し、熱の放熱を磁気冷凍装置の小型化で気体と液体との分離を完成させたことで燃料エネルギーを必要としない環境に必要な熱交換器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光エネルギーの利用により、室内温度を冷やしきり、暖めたりして、快適な温度に近づけることができる環境に優しい熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
盛夏の路上停車した自動車のキャビン内部の冷房が停止されると、室温は徐々に上昇し摂氏82度近傍まで達し、再度室内に入ることを躊躇させる。
【0003】
また、温度が上昇する車の室内に放置された幼児や動物が脱水症状を起こし死を招いたこともある。
【0004】
次に自動車内に冷房目的にエンジンを稼動させることで燃料を使用することは、二酸化炭素の排出を促すこととなり環境の悪化を招く。
【0005】
またエンジンを稼動させエアコンを連動させるためエンジンの寿命が短縮される。
【0006】
また一般家庭等の室内温度をエアコンで調整しているが、人体に対して健康上の問題で嫌忌する人も多い。
【0007】
また室内温度の調節にエアコンを使用することは各家庭の電力需要が増え使用電力指数の上昇を促す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は上述した従来の状況に鑑み、エネルギーを太陽光電池に求め、室内の温度調節を容易にすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために熱交換器に係る発明は、太陽光電池で起動させクーロンの法則に従った磁気共鳴モーターを連結させ、モーター軸の先端にブッシュをつけて磁石に取り付けたことを特徴とする。
【0010】
また、ファンの羽根の部分と複数個の磁石を組み込んだ回転子を前記の磁気共鳴モーターとを一体化させることを特徴とする。
【0011】
さらに、一体化したものに太陽光電池に光源を与えることで前記のモーターは回転を始めることで、熱源気体流を吸収することを特徴とする。
【0012】
さらに筺体の蒸発部に熱流体を吹込み、内部にヒートパイプの蒸発部の林立部を設け熱流体との接触を計ることを特徴とする。
【0013】
また、ヒートパイプの林立したものに微細目の金網を筺体の内径にあわせて上下段に設け熱源流体の乱流を起こさせて、ヒートパイプと熱源流体との接触時間と接触面とを多くすることを特徴とする。
【0014】
さらに、上記のヒートパイプとの接触で熱量を抜かれた気体は、筺体下部から冷気として室内に返還されることを特徴とする。
【0015】
また、熱量はヒートパイプの断熱部を通って、凝縮部に到着することを目的とする。
【0016】
また、筺体の凝縮部にはヒートパイプの凝縮部が林立し、そこに冷却液が浸漬していることを特徴とする。
【0017】
また、冷却液を冷やす為の冷気場所を確保することを目的とする。
【0018】
また、前記の気体を外部のエアーユニットに吸収し、筺体内部のエアーストーンを通して気泡の発生をさせることを特徴とする。
【0019】
また、ヒートパイプの凝縮部から発生した熱量は冷却液に移動することを特徴とする。
【0020】
さらに、前々記の気泡が冷却液に透過されることで、冷却液に含まれている熱量は気体に移動し、冷却液面に浮上することを特徴とする。
【0021】
さらに、冷却液面上部に熱を含んだ気体が水蒸気となって蒸発する筺体の空間を持つことを特徴とする。
【0022】
さらに、蒸発した水蒸気は筺体外部の磁気冷凍を用いた凝縮部に送り込むことを特徴とする。
【0023】
さらに、送り込まれた熱量を含んだ水蒸気が、磁気冷凍の作業物質と接触することで熱量が冷却され、気体と液体に分離することを特徴とする。
【0024】
さらに、冷却された液体は帰液路を通り元の筺体内の冷却液溜りに戻り、冷却された気体は凝縮部器外に放出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る熱交換器の稼動エネルギーは太陽光電池を主体として、該当する電池は光度によって起電力が左右される為、少ない起電力で通常のファンの能力を与えることができる。
【0026】
また、稼動電力を太陽光電池にのみ頼ることは、曇り及び雨天及び夜間には起電力の低下が予想されるので、その時稼動エンジンの熱量をゼーベック素子を通すことで起電させて、キャパシタに蓄電を可能にした起電装置も可能である。
【0027】
夜間に用いる太陽光電池を車のライト部分に装着すると夜間にも起電力を得ることができる。
【0028】
本発明の熱交換器は盛夏に自動車のエアコンを停止したときキャビン内部の室温を上述の太陽光エネルギーと磁気共鳴モーターを利用することで、エアコンの停車後も快適な温度を持続させることができる環境への優しさを提供することができる。
【0029】
また、一般家庭等の小室内の温度も、室外の低温部より取り入れた低温気体の利用により室温の温度を摂氏27度程度に維持していても体感的に暑さを感じず、消費電力を必要とせず、環境に優しい効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明に実施の形態を図を参照して説明する。図1は第1の実施の形態の説明に適用された熱交換器の断面図であり、図2はそれに付帯する磁気共鳴モーターの詳細図、図3はヒートパイプの作動図、図4は磁気冷凍技術を用いた凝縮器の実効の説明、図5は実施された熱交換器の立体図、図6は熱交換器の性能を比較した実験効果、図7は実験に用いた太陽光電池及びファンの市販品との比較実験図である、図8は熱交換器を用いたキャビン内部の配管図である。
【0031】
該当する熱交換器は、省エネルギーを目的としているので太陽光電池の起電力を最小限にしてクーロンの法則に従い磁気共鳴モーターを用いた(図2詳細図)市販されているファンは12V・25mA電池で風速12.8メートル/秒・風量2.8立方メートル/分を稼動させるが、図1の磁気共鳴モーター5・6は太陽光電池1・2を並列に用いることで7V・25mAの起電力で稼動できる。
【0032】
図2の磁気共鳴モーターは、ファン8と回転子7を一体化させ、ケース9の中にセットし、一体化された7・8・9に回転している5・6のモーターを回転子7に近づけるとファン8は回転を始め、風速12.8メートル/秒・風量2.8立方メートル/分を可能にできる。
【0033】
磁気共鳴モーターの回転により筺体蒸発部内部11に熱を帯びた気体を筺体の吸引部10から筺体蒸発部空間12に引き込まれる。
【0034】
熱を帯びた流体が微細金網14・15を通ることで乱流が発生し、ヒートパイプ13の蒸発部との接触が大きくなる。
【0035】
筺体の流出口16より前記で熱量を抜かれた気体が冷気として図8の室内16に返還される。
【0036】
図3のヒートパイプ13の蒸発部の外側部13aに吸引口10より引き込まれた熱量を帯びた気体との接触量を拡大するためにフィンを設けたものである。
【0037】
図3のヒートパイプ13の断熱部13bは、蒸発部13aと凝縮部13cを分離させる為の遮蔽板が設けられている。
【0038】
図3のヒートパイプ13cは凝縮部であり、外側の表面のローレット加工を施し冷却液19との接触表面を大きくするためのものである。
【0039】
図3のヒートパイプ13の素材は銅又は銀のパイプを用いてパイプの端面を13dへ溶接を施し、ヒートパイプ13の作動空間に焼鈍し酸化されたステンレスのメッキシュシート(ウィック)13eが収納されていると共に、注入口13fが溶接されて容器となし、容器内部を減圧し、作動液の水とエタノール等を定量を注入した後に13gで封止し溶接をしたものである。
【0040】
筺体蒸発部空間12で、ヒートパイプ13に熱量は吸収され、ヒートパイプ13内部の作動流体が音速の速さを持って凝縮部13cに到達する。
【0041】
筺体断熱部17は筺体蒸発部11と筺体凝縮部18とを密嵌部とする。
【0042】
筺体凝縮部18の内部にヒートパイプ13の凝縮部13cが冷却液19に浸漬されていて、ヒートパイプの凝縮部13cから発生した熱量は冷却液19に拡散される。
【0043】
エアーユニット20は、筺体外部低温部に設置され外部から取り入れた低温気体をエアーホース21を通してエアーストーン22内部に送り込む。
【0044】
エアーストーンはアルミナの荒い粒子を必要な任意の型に型状化して焼結することで内部にエアーを吹き込むとエアーストーン外部に浸漬状態の冷却液に気泡が発生するものである、冷却液には蒸留水を用いるが水の量に10分の1の純エタノールを加えることで発生する気泡がマイクロ気泡となる。
【0045】
エアーストーン22から発生したマイクロ気泡23は冷却液19に接触し低温マイクロ気泡23は冷却液19の内部熱量を吸収し冷却液面24に到達する、さらに冷却液面24から熱量は気化し気化熱溜り25に蓄積され気化通気路26を通り凝縮器27に入る。
【0046】
凝縮器27は磁気冷凍の技術を用いた冷却装置で容器27内部に作業物質28となるボール状の金属粒子が詰められていて、気化通気路26から送られてきた熱量を含んだ水蒸気は金属粒子の隙間に浸漬し断熱磁気工程により作業物質28の磁区の変化によって作業物質28の冷却が始まり気化熱の水蒸気とが接触することで作業物質28が熱を吸収し気体と液体に分離される。
【0047】
分離された気体は作業物質28の隙間を通って凝縮器排気口29より器外に排出される。
【0048】
液化された液体は作業物質28の隙間を通り重力Gに引かれて帰液路30を通り冷却液19に戻る。
【0049】
図6で示すように、エアーユニット20からの採集した気体の量は図aにおいて気体を1分間に3リットルを冷却液19内部に放出すると熱源流体の温度摂氏90度の温度が5時間後に摂氏59度になり、実験室内の室温が図aより上昇した図bでは気体を1分間に18リットルを冷却液19内部に放出すると熱源流体の温度摂氏90度が5時間後に摂氏52度になったことで冷却液に送った気体の量によって温度変化を実測し確認することができた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態の説明に適用される熱交換器の断面図である。
【図2】磁気共鳴モーターの分解図である。
【図3】ヒートパイプの詳細図である。
【図4】磁気冷凍の詳細図である。
【図5】熱交換器の立体図である。
【図6】熱交換器の性能を比較した実験結果を示す図である。
【図7】太陽光電池の比較と通常ファンと磁気共鳴ファンとの比較である。
【図8】熱交換器を用いたキャビン内部の配管図である。
【符号の説明】
【0051】
1 太陽光電池
2 太陽光電池
3 磁気共鳴モーター・電極
4 磁気共鳴モーター・電極
5 磁気共鳴モーター・モーター部
6 磁気共鳴モーター・ブッシュ部
7 磁気共鳴モーター・回転子
8 磁気共鳴モーター・ファン(送風機)
9 磁気共鳴モーター・ケース
10 筺体・吸引口
11 筺体・蒸発部
12 筺体・蒸発部空間
13 ヒートパイプ
13aヒートパイプの蒸発部
13bヒートパイプの断熱部
13cヒートパイプの凝縮部
13dヒートパイプの端面部
13eヒートパイプのメッシュシートウィック
13fヒートパイプの端面
13gヒートパイプの注入口
14 微細金網
15 微細金網
16 筺体・排気口(流出口)
17 筺体・断熱部・密嵌部
18 筺体・凝縮部
19 冷却液
20 エアーユニット
21 エアーホース
22 エアーストーン
23 マイクロ気泡
24 冷却液面
25 気化熱溜り
26 気化通気路
27 凝縮器
28 作業物質
29 凝縮器・排気口
30 凝縮器・帰液路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動を目的とする乗物の室内に蓄積される余分な熱量を除去するための熱交換器として、その熱交換器の筺体に併設される送風機を回転させるエネルギー源に太陽光電池を選択し、その送風機に付帯する回転体にクーロンの法則に従った磁気共鳴モーターを用い、乗物の室内に蓄積された熱源流体を筺体の蒸発部に送ることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
熱交換器の筺体内部の蒸発部から凝縮部に熱伝達の媒体として多数のヒートパイプを内設し、更に筺体の蒸発部内のヒートパイプに微細金網を絡ませ、磁気共鳴モーターの送風機より送り込まれた熱源流体がこの微細金網を通過することで乱流状態を発生させヒートパイプの蒸発部との接触が大きくなり熱伝達の拡大を計ることを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
熱交換器の筺体・蒸発部中のヒートパイプ蒸発部に熱量が吸収され、筺体蒸発部内の冷やされた気体は筺体蒸発部の流出口より冷温の気体として送り出される、一方筺体・凝縮部ではヒートパイプの凝縮部が冷却液に浸漬されていて、ヒートパイプ蒸発部より伝搬された熱量は凝縮部から冷却液に拡散されることを特徴とする熱交換器。
【請求項4】
熱交換器の筺体・凝縮部内の冷却液に移行された熱量を抜きとる工法として熱交換器外部の低温部から気体を吸収し冷却液内にマイクロ気泡を発生させることで気泡に熱を移行させ液面上部で熱を含んだ水蒸気が気化する部分を設けたことを特徴とする熱交換器。
【請求項5】
熱交換器の筺体・凝縮部上部に気化熱溜りを設け、逐次送り込まれてくる気化熱に圧力を与えることで、気化した水蒸気を筺体外部の凝縮器へ送り込むことを特徴とする熱交換器。
【請求項6】
熱交換器の筺体外部・凝縮器に送り込まれた熱を含んだ水蒸気は、磁気冷凍の原理を用いた凝縮器内部の作業物質と接触し気体を液体に分離することを特徴とする熱交換器。
【請求項7】
熱交換器の筺体外部・凝縮部より気体は凝縮器外部に排気され、液体は作業物質と接触したことで熱を抜かれ常温の冷却した液体として筺体内部の冷却液溜りに帰液することを特徴とする熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−18691(P2009−18691A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182776(P2007−182776)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(592245683)
【Fターム(参考)】