説明

熱圧着用ヒータチップ

【課題】熱容量などが異なるリードを熱圧着する場合に、温度が異なるヒータチップを用いて複数回熱圧着作業を行う必要を無くし、一度に全てのリードを適切な条件で熱圧着できるようにする。
【解決手段】水平な下辺とその両端から立上がる左右一対の腕部とを備え、両腕部の上端を加圧装置の加圧ヘッドに固定する給電端子とする一方、両給電端子間に加熱電流を供給することによって発熱させる熱圧着用ヒータチップにおいて、下辺にはこの下辺の押圧面を仕切ると共に前記加熱電流を迂回させる迂回路(12)が形成され、迂回路(12)で仕切られた異なる押圧部(14、16)に迂回路(12)から伝わる熱量が異なるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フレキシブルプリント配線板の導体層を硬基板の回路パターンに重ねたうえで熱圧着する場合などに用いる熱圧着用ヒータチップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリント配線基板にIC(集積回路)などの端子(リード)を熱圧着したり、フレキシブルプリント配線板(FPC)の導体層をコネクタや他の硬質の基板(硬基板)に熱圧着することが行われている。
【0003】
図7は従来より広く用いられているヒータチップ1の一例を示す。図8はそのVII−VII線断面図である。これらの図7、8で符号2は水平な下辺であり、この下辺2の両端から起立する左右一対の腕部3、3の上部が給電端子4、4となっている。ヒータチップ1は図8から明らかなように、一定厚さの材料をワイヤーカット法などで加工したものである。ここに用いる材料は、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、ニクロム合金(Ni−Cr)、Ti(チタン)などの電気抵抗が大きい金属である。
【0004】
給電端子4、4にはボルト孔5が設けられ、これらは、それぞれ接合装置(図示せず)の加圧ヘッド(図示せず)にボルト結合される。両給電端子4、4間に電流(例えばパルス電流)を流すことによってヒータチップ1を発熱させることができる。回路パターンの接合部(パッド、ランドなど)には予めはんだめっき(プリコート)やはんだペーストが供給され、ここに重ねたリードに前記ヒータチップ1の下辺2を押圧した状態でヒータチップ1を発熱させ、はんだを溶融させることによってはんだ付けを行うものである。
【0005】
なお下辺2には図7に符号6で示す位置に熱電対が固着(溶接)され、ヒータチップ1の加熱温度が検出される。この熱電対の検出温度は制御回路(図示せず)にフィードバックされヒータチップ1の加熱電流が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−164400
【0007】
特許文献1には、一定間隔を空けて平行にのびる縦断面略U字状の一対のコテ部を有し、両コテ部の互いに向き合う内側辺を略逆U字状のブリッジ部で架橋し、それぞれの外側辺を上方に立上げて給電端子としたヒータチップが示されている。このヒータチップは、パッケージの周囲にガルウィング型端子を持つSOP(Small Outline Package)、QFP(Quad Flatpack Package)の平行な2辺に並ぶ多数の端子(リード)を基板の回路パターンに熱圧着するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年デジタル家電向けのインターフェースとして、PC(パーソナル・コンピュータ)とディスプレイの接続標準規格であるHDMI(High-Definition Multimedia Interface)が広く用いられている。このHDMIでは映像・音声・制御信号を一体化したシングルケーブルを用い、AV機器の配線を簡略化すると共に、接続機器同士が互いに認識することにより各AV機器間の連携も容易にするものである。
【0009】
この種のケーブルでは信号ラインと共に電源ラインを有するものがあり、この場合には電源ラインを信号ラインより太く(あるいは断面積を大きく)して許容電流容量を大きくしている。このようなケーブルを基板に接続する場合には、HDMIケーブルの接続端子(コネクタ)が接続されるAV機器側ソケット(コネクタ)をフレキシブル基板でマザーボードなどの他の基板に熱圧着により接続することがある。
【0010】
この場合には電源ラインと信号ライン(以下制御ラインともいう。)の太さ(または断面積)が異なるため、各ラインの接続に適する加熱温度や熱量が異なる。すなわち太い(断面積が大きい)電源ラインは熱容量が大きく導体層の伝熱量も大きいので、その加熱温度を信号ラインよりも大きくするのが望ましい。
【0011】
前記特許文献1に示したヒータチップは同一寸法の多数のガルウィング型端子を一度にはんだ付け(熱圧着)することを前提とするから、一部の端子形状や厚さなどが異なっていて熱容量が異なる場合に熱圧着温度を変えることができない。このため全ての端子をそれぞれに最適な条件で熱圧着することはできない。
【0012】
また電力制御回路を内蔵するハイブリッドICなどにおいて、電力ライン用端子(電力用リード)と信号制御ライン用端子(制御用リード)とを有するものが考えられるが、この場合も前記したものと同じ問題が生じ得る。そこで従来は熱容量が異なるリードを有する場合には、各リードに対して異なる温度のヒータチップを付け替えて複数回に分けて熱圧着していた。このためヒータチップの交換や複数のヒータチップ(または接合装置)を用意しなければならず、各熱圧着の信頼性の低下を招いたり、作業能率が悪くなるという問題があった。
【0013】
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、熱容量などが異なるリードを熱圧着する場合に、温度が異なるヒータチップを用いて複数回熱圧着作業を行う必要が無く、一度に全てのリードを適切な条件で熱圧着することができる熱圧着用ヒータチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明によればこの目的は、水平な下辺とその両端から立上がる左右一対の腕部とを備え、両腕部の上端を加圧装置の加圧ヘッドに固定する給電端子とする一方、両給電端子間に加熱電流を供給することによって発熱させる熱圧着用ヒータチップにおいて、
前記下辺にはこの下辺の押圧面を仕切ると共に前記加熱電流を迂回させる迂回路が形成され、前記迂回路で仕切られた異なる押圧部に前記迂回路から伝わる熱量が異なるようにしたことを特徴とする熱圧着用ヒータチップ、により達成される。
【発明の効果】
【0015】
水平な下辺の押圧面を仕切って加熱電流を迂回させる迂回路を形成し、この迂回路で仕切った異なる押圧部に、この迂回路から伝わる熱量が異なるようにしたものであるから、各押圧部に温度差を生じさせることができる。このため温度が高い押圧部で電力ラインなどの熱容量が大きい熱圧着部を押圧し、温度が低い押圧部で信号ライン(制御ライン)などの熱容量が小さい熱圧着部を押圧することにより、各熱圧着部をそれぞれ適切な温度で熱圧着することができる。従って各熱圧着部の接合の信頼性を高めることができる。またこれらの接合条件が異なる熱圧着部を一度に接合できるから作業能率が良い。すなわち温度が異なるヒータチップで複数回熱圧着作業を行う必要が無くなるからである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1を示す正面図
【図2】同じく左側面図
【図3】この実施例の寸法例を示す図
【図4】同じく押圧部の温度分布の時間変化を示す図
【図5】ヒータチップの使用例を示す斜視図
【図6】ヒータチップの他の使用例を示す斜視図
【図7】従来例を示す正面図
【図8】図7におけるIV−IV線断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
迂回路の両端から下辺に伝わる熱量に差を設けるためには、例えば迂回路の断面積(長手方向に直交する平面の面積)を長手方向に連続的、不連続的、階段状に変化させることによって、迂回路の両端付近の温度が異なるようにすればよい(請求項2)。この断面積が小さければその部分の電気抵抗が大きくなり、電流が一定なら発熱量が増えるからである。
【0018】
迂回路で仕切られた下辺の各押圧部の断面積が異なるようにすれば、各押圧部の電気抵抗に差が生じるから、電流が一定なら各押圧部の発熱量にも差が生じる(請求項3)。従って迂回路両端付近の断面積に差を設ける(請求項2)と共に、この各押圧部断面積の差による発熱量の差とを組合せることにより、各押圧部の温度を一層適切に制御することができる。
【0019】
また左右一対の腕部の下部と下辺の両端との接続部付近の断面積に左右で差を設けてもよい(請求項4)。この場合には接続部付近の熱流通(熱伝導)量に差が生じるから、同様に各押圧部の温度制御を一層細かく制御できる。
【0020】
押圧部の断面積を迂回路の両端付近の断面積より大きくすれば、押圧部の発熱量を相対的に減らして迂回路の発熱による影響(押圧部の温度に及ぼす影響)を大きくすることができる(請求項5)。またこの場合は各押圧部の熱容量が大きくなるので、接合部(リード)に押圧した時の温度低下を少なくできる。
【0021】
電源ラインなどのリードの断面積が大きい時に、リードの太さや厚さが制御ラインのリードより大きいことがあるが、このようなリードに対しては各押圧面の高さに差を設けておくのがよい(請求項6)。すなわちリードの高さの差に対応して押圧面の高さに差を設けておくものである。
【0022】
下辺は1つの迂回路で2つの押圧部に分けてもよいが(請求項7)、2以上の迂回路で3以上の押圧部に分けてもよく(請求項8)、この場合には熱容量が3段階以上に変化している接合部に用いるのに都合がよい。
【0023】
このヒータチップでは、迂回路に蓄積される熱量が増えるため、迂回路と押圧部の温度分布が時間経過に伴って均一化する。すると次の熱圧着の前に迂回路が十分冷えるまで待つ時間が長くなり、待機時間が長くなり、作業能率が低下する。これを防ぐためには迂回路に放熱手段を設けるのがよい(請求項9)。例えば迂回路に放熱用フィンや通気孔を設けたり、表面に凹凸加工を施して、空冷効果を上げることができる。また接合装置にこれらの放熱手段に冷却風を供給する送風手段を設けるのがよい。
【実施例1】
【0024】
図1、2、5において符号10は本発明の一実施例であるヒータチップである。このヒータチップ10は前記図7、8に示した従来のヒータチップ1と同様に、W(タングステン)などの高抵抗かつ一定厚さの金属材料をワイヤーカット加工したものである。このヒータチップ10の下辺は迂回路12によって左右の押圧部14、16に分割されている。すなわち下辺の下面は、この迂回路12で2つの押圧面14A、16Aに分割される。
【0025】
迂回路12は下辺と左右の腕部18、20とで略枠状に囲まれる空間をほぼ占めるように、略Ω型に形成されている。腕部18、20の上部は給電端子22、24となっている。22A、24Aは給電端子22、24を押圧ヘッド(図示せず)に固定するボルトを通すボルト孔である。
【0026】
このヒータチップ10の詳細な寸法は図3に示す通りである。この図中の数字は寸法をmm単位で示す。なおこのヒータチップ10は図2から明らかなように一定の厚さであるから、図3に示す寸法は各部分の断面積(従って電気抵抗)に比例している。
【0027】
迂回路12は、押圧部14と16の間を0.4mmの間隙Aをもって切り離し、その一端は押圧部14に1.6mm幅の狭隘部Bを介して接続される。この狭隘部Bに連続する部分は、2.5mm幅の直線状の幅狭部Cとなっている。迂回路12の他端は、押圧部16に2.0mm幅の狭隘部Dを介して接続される。この狭隘部Dに連続する部分は、2.0mm幅のコ字型の幅広部Eとなっている。
【0028】
給電端子22、24に加熱電流が供給されると、この電流は腕部18、20、押圧部14、16、迂回路12に流れ、ヒータチップ10の各部が発熱する。この時迂回路12の発熱量は幅が狭い幅狭部C(2.5mm)が幅が広い幅広部E(3.0mm)より多くなる。従って迂回路12から押圧部14に伝わる熱量が押圧部16に伝わる熱量よりも多くなる。
【0029】
なお押圧部14側の狭隘部B(幅1.6mm)が押圧部16側の狭隘部D(幅2.0mm)より狭いので、前者B(幅1.6mmの部分)の発熱量が後者D(幅2.0mmの部分)より大きくなる。このため狭隘部B、Dは押圧部14の温度を押圧部16より高くするのに寄与する。
【0030】
また腕部18の下部で押圧部14につながる連結部分F(幅0.8mm)は、腕部20の下部で押圧部16につながる連結部分G(幅1.0mm)よりも幅が狭い。このため押圧部14側の連結部分Fの発熱量が押圧部16側の連結部分Gの発熱量が多くなり、押圧部14を押圧部16より高温にするのに寄与する。
【0031】
さらに押圧部14(幅2.8mm)は押圧部16(幅3.0mm)よりも狭いから、押圧部14の発熱量が押圧部16の発熱量より多くなる。このように押圧部14の両端に狭隘部Bおよび連結部分Fを介して伝わる熱量は、押圧部16の両端に狭隘部Dおよび連結部分Gを介して伝わる熱量に差が生じると共に、押圧部14、16自身の発熱量にも差が生じ、その結果押圧部14が押圧部16より一層速やかに高温になる。
【0032】
図4は加熱電流の供給に伴う押圧部14、16の温度変化の測定結果を示している。測定部位は図1に符号a、b、〜eで示し、各部位a〜eに溶接した熱電対の温度測定結果が図4の曲線a〜eに対応している。この図4から明らかなように、押圧部14の温度が押圧部16よりも急速に上昇し、2〜4秒後にそれぞれ400〜450℃、250〜280℃に保持される。すなわち所定時間範囲では高温と低温の2段階の温度が得られる。
【0033】
なおヒータチップ10を図5に示すように接合対象に押圧した状態で発熱させ、各押圧部14、16が2段階の温度に分かれた後(約4秒経過後)加熱電流を遮断すれば、各部の温度は伝熱により均一化し略一定温度に集束する。この測定は温度測定器としてGR−3500(キーエンス製)を用い、サンプリング周期は100msで行った。
【0034】
なお押圧部16の下面である押圧面16Aは、押圧部14の押圧面14Aよりも0.2mm下がっている。このように高さに差を設けたのは、後記する接合対象であるリードの厚さが電力用と制御用とで異なるからである。
【0035】
次にこの実施例の使用例を図5に基づいて説明する。この図において符号30はフレキシブル基板(FPC)であり、その一端は絶縁層が全く無い裸の導体(フライイングリード構造)となっている。これらの導体は、一部(4本)が太径の電力用リード32であり、他(9本)が細径の制御用リード34となっている。これらリード32、34はヒータチップ10の高温側の押圧部14と低温側の押圧部16の長さ範囲に対応する範囲に平行に並んでいる。36は硬基板(硬質プリント基板)であり、例えばコネクタ(図示せず)を固定するための補強板であったり、マザーボードなどである。硬基板36にはFPC30の各リード32、34に対応する電力用回路パターン38と制御用回路パターン40が形成されている。これらの回路パターン38、40の接合部(パッド)には、予めはんだめっきによりはんだが供給されている。
【0036】
FPC30の電力用リード32を回路パターン38に位置合わせし、制御用リード34を回路パターン40に位置合わせして重ね、上方からヒータチップ10の押圧部14、16をそれぞれ押圧することにより熱圧着する。すなわちヒータチップ10を押圧した状態で加熱電流を供給すると、図4に示す2段階の温度に加熱され、この状態ではんだが溶融開始すると(約2秒後)この溶融中は略一定温になる(2〜4秒間)。そしてはんだの溶融がほぼ終わると温度測定点cの温度が他の測定点d、eよりも僅かに上昇する(図4のP点、約4秒後)。この温度上昇ははんだの融解が終わって融解熱が不用になる一方迂回路12の全体の温度が均一化して迂回路12から低温側の押圧部16に伝達する熱量が増えるためであると考えられる。
【0037】
太径の電力用リード32の熱容量は制御用リード34の熱容量よりも大きいが、高温側押圧部14をここに押圧し加熱した時には電力用リード32および回路パターン38のはんだめっきなどが適切な熱量で十分に加熱され、良好に熱圧着される。細径の制御用リード34の熱容量はリード32よりも小さいが、ここには低温側押圧部16が押圧されるので、このリード34に適した熱量で十分に加熱され、良好に熱圧着される。
【0038】
約4秒後(図4のP点)に加熱電流を遮断すれば押圧部14、16の冷却が進み、ヒータチップ10は均一な温度に漸近しながら冷え、ヒータチップの凝固温度以下になった後に熱圧着を完了する。熱圧着が終わるとヒータチップ10を上昇させて次の圧着に備える。
【0039】
なお電力用リード32は太いので押圧部14に接触開始する高さが、押圧部16に制御用リード34に接触開始する高さよりも高い。このためこの実施例1では、前記したように、押圧部14の押圧面14Aを押圧部16の押圧面16Aよりも高く(0.2mm、図3参照)している。なお電力用リード32は太さを大きくするのに代えて、厚さを制御用リード34と同じとしつつ幅を拡大して大電流に対応させることもできる。この場合は押圧面16Aを14Aと同じ高さにすればよい。
【実施例2】
【0040】
図6で符号50はハイブリッドICであり、電力制御用半導体素子とその制御回路とを内蔵する。このICはそのパッケージの対向二辺にガルウィング型の電力用リード52と、制御用リード54とを持つ。4本の電力用リード52はパッケージの一端寄りに隣接し、9本の制御用リード52が他端寄りに隣接している。56は硬基板(PCB)であり、その上面には各リード52、54に対応する図示しない回路パターン(ランド、パッド、スルーホール等)が形成されている。この回路パターンには予めはんだめっきなどによりはんだが供給されている。
【0041】
ヒータチップ10は前記したものと同じであり、その高温側押圧部14を電力用リード52に、低温側押圧部16を制御用リード54に位置合わせして押下する。前記実施例1と同様に加熱電流を制御することにより、熱容量が異なる電力用リード52と制御用リード54を適切な熱量で加熱し、良好な状態にはんだ付けすることができる。
【0042】
なおヒータチップ10の迂回路12には冷却手段となる冷却フィン58を形成しておいてもよい。このヒータチップ10は迂回路12の熱容量を利用して押圧部14、16を異なる温度に加熱するから、この迂回路12の熱容量が大きいと逆に押圧部14、16の冷却が遅くなる。このため溶融したはんだが凝固するまでの時間が長くなり、処理能率が悪くなることが考えられる。冷却フィン58はこの冷却速度を増大して1回のはんだ圧着処理に要する時間を短縮する作用を持つ。
【0043】
また圧着装置に、この冷却フィン58に適時に冷却空気を供給する送風手段を設けてもよい。この場合冷却フィン58を省いてヒータチップ10全体を空冷するものであってもよい。冷却フィン58に代えて、迂回路16に通気孔を設けてここを冷却空気が通るようにしたり、表面に凹凸加工を施して表面積を増やしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 ヒータチップ
12 迂回路
14 高温側押圧部
16 低温側押圧部
14A、16A 押圧面
18、20 腕部
22、24 給電端子
30 フレキシブル基板
32、52 大電力用リード
34、54 制御用リード
36 硬基板
50 ハイブリッドIC
56 硬基板
58 冷却フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な下辺とその両端から立上がる左右一対の腕部とを備え、両腕部の上端を加圧装置の加圧ヘッドに固定する給電端子とする一方、両給電端子間に加熱電流を供給することによって発熱させる熱圧着用ヒータチップにおいて、
前記下辺にはこの下辺の押圧面を仕切ると共に前記加熱電流を迂回させる迂回路が形成され、前記迂回路で仕切られた異なる押圧部に前記迂回路から伝わる熱量が異なるようにしたことを特徴とする熱圧着用ヒータチップ。
【請求項2】
迂回路の断面積をその長手方向に変化させ、迂回路の両端付近の温度が異なるようにした請求項1の熱圧着用ヒータチップ。
【請求項3】
迂回路で仕切られた下辺の各押圧部の断面積が異なる請求項1または2の熱圧着用ヒータチップ。
【請求項4】
左右一対の腕部の下部と下辺の両端との接続部付近の断面積が異なる請求項1または2または3の熱圧着用ヒータチップ。
【請求項5】
押圧部の断面積は迂回路の両端付近の断面積より大きくした請求項1〜4のいずれかの熱圧着用ヒータチップ。
【請求項6】
一部の押圧部では押圧面の高さが他の押圧部とは異なる請求項1〜5のいずれかの熱圧着用ヒータチップ。
【請求項7】
1つの迂回路により2つの押圧部が形成されている請求項1〜6のいずれかの熱圧着用ヒータチップ。
【請求項8】
複数の迂回路により3以上の押圧部が形成されている請求項1〜6のいずれかの熱圧着用ヒータチップ。
【請求項9】
迂回路には放熱手段が形成されている請求項1〜6のいずれかの熱圧着用ヒータチップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−187469(P2011−187469A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47820(P2010−47820)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000227836)日本アビオニクス株式会社 (197)
【Fターム(参考)】