燃料補給速度及び搭載用高圧車両ガス貯蔵タンク容量の増大のための圧力作動冷却システム
【課題】エネルギー損失を最小化して水素補給システムの補給効率を増大させる。
【解決手段】搭載用車両タンクにおける燃料補給の圧縮熱を、タンク外部のラジエータを介してタンク内の熱吸収体によって、搭載用タンク内部から排出し、タンク内の熱吸収体から外部ラジエータ(及び/又は関連するブロワシステム)への冷媒の循環に、燃料ガスが高圧燃料補給所から低圧搭載用タンクへとタービンを横断するときの燃料ガスの力学的エネルギーによって出力を供給する装置である。タービンはガス冷却システムに出力を与える。
【解決手段】搭載用車両タンクにおける燃料補給の圧縮熱を、タンク外部のラジエータを介してタンク内の熱吸収体によって、搭載用タンク内部から排出し、タンク内の熱吸収体から外部ラジエータ(及び/又は関連するブロワシステム)への冷媒の循環に、燃料ガスが高圧燃料補給所から低圧搭載用タンクへとタービンを横断するときの燃料ガスの力学的エネルギーによって出力を供給する装置である。タービンはガス冷却システムに出力を与える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国特許法119条(e)に基づいて2005年5月9日に米国に出願された、出願番号60/679,032号明細書、名称「圧縮天然ガス又は水素で作動する車両上の高圧燃料貯蔵円筒タンク用のガス冷却方法」の米国特許仮出願に関し、該出願における全ての利益を有することを主張するものである。
本発明は、燃料補給所で圧縮天然ガス及び水素用の車両への搭載用の車両ガス燃料タンクへの効率的な高圧燃料補給用のシステムに関するものであり、該燃料補給所では、大容量高圧燃料貯蔵タンクが消費者(利用者、民間)用分配手段を介して車両に燃料を提供する。
【背景技術】
【0002】
水素(“H2”)及び圧縮天然ガス(CNG)といった高圧ガスが自動車の燃料として使用される場合には、車両の効率的な民間燃料補給用の燃料貯蔵設備も開発しなければならない。典型的には、燃料電池を作動させるための水素の使用、又は、自動車の内燃機関への圧縮天然ガスの使用において、現行では高圧燃料は、水素に対して約5000psiの範囲の、CNGに対して約3600psiの範囲の最高使用圧力の範囲で保持される搭載用燃料タンク上で分配されて貯蔵されている。燃料補給後のより長い航続距離(ビークルレンジ)に対する利用者の好みの結果、及び技術の進歩につれて、約10,000psiの範囲のより高い圧力が、活用され得る。燃料電池車両の例では、燃料電池スタックへの水素注入の利用は、約30psiで起こる。燃料貯蔵及び車両タンク及び燃料補給システム及びこれらの相互関係におけるエネルギー効率の増大が、望まれる目標である。
【0003】
水素駆動車は、燃料電池スタックに動力を供給するための水素を貯蔵する目的で搭載された高圧水素貯蔵タンクを使用し得る。ここで、高圧水素駆動燃料電池車両に関して、高圧圧縮天然ガスで車両を駆動する本発明の用法にも関連がある。(明細書中で水素が言及された場合、「水素」は本明細書に記載された高圧環境下での圧縮天然ガスと代替可能であることを意図した用語である。すなわち、水素及びCNGのいずれも、本発明が有用である高圧ガスである。)
【0004】
民間の車両において、複数の円筒形の小型燃料タンクを使用する方が、一つの大型タンクを使用するよりも、設計目的に対して好ましい。高圧水素燃料補給所に対して様々な設計が、燃料補給の効率に対応するために提案されている。水素駆動車において搭載された燃料タンクが水素で充填された場合、該タンク中で加圧して搭載されたガスは、複数のエネルギー形態を有するものとして特徴づけられ得る。エネルギー形態として、1)(車両の作動中に消費される)水素燃料自体に関する化学的エネルギー、及び、2)燃料補給所での燃料供給源からの、搭載用タンクの高圧での燃料供給の物理的過程に関する熱力学的エネルギー、つまり、力学的エネルギー及び熱的エネルギーがある。
【0005】
水素及びCNG燃料車両は、搭載用の高圧燃料ガス貯蔵タンクを有している。高圧燃料補給処理中に、前記搭載用のタンクの内部は、タンク圧力が増大するため、そして、他の補給パラメータが補給に影響するため、燃料ガスを圧縮することによって加熱される。補給処理の後、タンクの内部の温度及びタンク内の圧力は、燃料ガスが車両作動中に消費されるにつれて、いずれも緩やかに減少する。従来においては、補給の過程中に圧力補正を行うことなしに十分な補給タンク圧力を得ることは不可能である。すなわち、タンク中に注入され格納される充填燃料圧力は、(ガスの加熱圧縮のため)補給時初期にはタンクの設計圧力を超えていなければならない。圧力補正(初期の過剰充填)がなければ満充填が得られないため、車両の燃費の範囲は減少する。最適なタンク設計圧力がより高いものである場合、この状態は悪化する。過剰充填のジレンマに対する一つの対応として、補給期間中における流速をより緩やかにする手法が用いられ得る。これによって、より低い内部タンク温度及び高い圧力、及び長い間に亘る容量の増大、がもたらされる。熱の増大を避けるための緩やかな流速における望ましくない結果は、自明であって、それは燃料補給の長期化である。別の解決策として、燃料補給前に補給所の燃料ガスを冷却することが考えられる。しかしながら、冷却には実質的にエネルギーが必要であり、それ故、水素/CNGエコノミーにおける全体効率が低下してしまう。高圧燃料ガスの予備冷却又は他の予備処理は、充填圧力が5000psi又はそれ未満である場合、一般的に不要である。しかしながら、圧力が10,000psiに接近又は超えるときには、冷却(及びその反対の、圧縮による内部加熱)は燃料補給処理において重要な要素になる。同様の選択肢のように、過剰圧力には、追加的なガス圧縮が含まれて、燃料補給処理間の高圧圧縮の結果としてタンク中に発生した熱がさらに増大するという、さらなるエネルギー消費を必要とする。ともかく、タンクの充填圧力が5000psi又はより低い場合に、二次的なガス補給処理は、一般的に不要である。タンク圧力が(CNGに対して)3600psiを超えるとともに(水素に対して)5000psiを超えて、そして、10,000psiに接近又は超える場合には、タンク容量の完全な充填(満充填)を得るために、冷却などの二次的な処理が補給処理において重要な要素になる。満充填が達成される場合、1)これにより各タンクの補給毎の全体的な航続距離(ビークルレンジ)が増大し、2)(予備冷却又は圧力過剰充填といった)補給に必要なエネルギーが減少し、3)時間も節約され、4)全体的な顧客満足が増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高圧ガス駆動車両の設備及び高圧燃料の民間分配用の燃料補給所における全体的なエネルギー効率に含まれる場合、エネルギー損失を最小化して水素補給システムの補給効率を増大させることである。典型的には、車両が水素で燃料補給される度に、機械的圧縮が熱エネルギーに変換されてタンク中に補給されたガスの加熱をもたらす。それ故、本発明の目的は、タンクの加熱を最小化して、水素駆動車両における搭載用燃料貯蔵タンクの効率及び補給容量を増大させることである。本発明の目的は、高圧ガスタンク加熱を最小化して、高圧ガス駆動車両における搭載用燃料貯蔵タンクの効率及び補給容量を増大させることである。本発明の目的は、高圧燃料補給の間に搭載用タンクへの燃料補給に起因する圧縮熱を除去し得るシステムを提供することである。二次的なガス冷却の前処理及び/又は圧力過剰充填を除去することで、燃料補給時間の迅速化、燃料補給効率の増大、及び、全体的な航続距離(ビークルレンジ)の伸張が得られる。単位体積毎のタンク容量の向上は、燃料補給の間、特に、公称の燃料補給圧力が水素に対して10,000psi又はそれを超える領域、及びCNGに対して約3,600psiの領域で達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、搭載用車両タンクにおける高圧燃料補給で生じる圧縮熱を除去できるシステムを提供する。本明細書で説明されるタンクガス冷却システムによって得られる単位体積当たりのタンク容量の向上によって、燃料補給時間は減少し、燃料補給効率及び全体の航続距離(ビークルレンジ)は増大する。本発明によれば、燃料補給処理の間において燃料タンクの受ける熱量が、熱排出用システムによって効果的に抑制される。このシステムにおいて、タンク内部の熱吸収体は、外部の熱ラジエータと相互に連結され、これにより、タンク内部の熱を吸収して(集めて)、吸収した熱を周囲の大気に放出し、又は高圧燃料補給の熱を放出若しくは吸収若しくは排出する使用に好適な他のシステムに放出する。高圧水素又は圧縮天然ガス車両燃料貯蔵所で、高圧燃料補給ガスにおける高い流速から発生する熱的エネルギー(熱)が、車両タンクの満充填を達成するために必要とされた緩慢な充填、二次的な予備冷却、圧力過剰充填、といった燃料補給における前処理の必要性を排除して、民間の車の搭載用貯蔵タンクにおける単数又は複数の搭載用燃料タンクから排出される。実施例において、高圧燃料貯蔵補給ラインは、ガス流回路を有する搭載用タンクに動作可能に相互に連結される。燃料補給ガス自体は、燃料補給における圧縮熱を吸収するために、閉回路を囲む搭載用タンク内を循環する。そして、燃料補給の熱は、タンク内に開放される前にガスを冷却する外部ラジエータに移動する。
【0008】
本発明は、高圧燃料補給の間の搭載用タンクの燃料補給がもたらす圧縮熱を除去することができるシステムを提供する。特に、公称の燃料補給圧力が、10,000psi又は3600psi又はこれを超える最適設計範囲である場合に有効である。内部タンク熱吸収体が外部の熱ラジエータに相互に連結される熱排出システムによって、燃料補給処理の間における燃料タンク内の加熱が抑制される。内部吸収体は、高圧圧縮のもたらすタンクの熱を取り込み(集めて)、取り込んだ熱を周囲の空気、又は、取り込んだ熱の排出に適した他の車両システムに放出する。燃料補給ガスの力学的流れエネルギーは、タンク内部から外部ラジエータへの回路中の燃料補給所での民間ポンプから高圧燃料補給ガスを循環するための手段を作動させる。燃料補給処理に関連して取り込んだ熱は、燃料補給ガスがタンクに入り込む前に、外部環境に放出され又は吸収される。この方法では、高圧における高流速からの固有のエネルギーである燃料補給ガスが、熱排出システムの作動に用いられる。緩慢な充填、二次的な予備冷却、圧力過剰充填といった、時間及びエネルギーを消費する技術は、不要である。要約すると、本発明は、車両内の搭載用タンクに相互連結するように動作可能な高圧燃料貯蔵補給ラインから前記タンクへの補給に要する時間及びエネルギーを抑制するためのシステムを提供する。ここで、冷媒は、燃料補給における圧縮熱を吸収する搭載用タンク内を循環されて、そして、そこで吸収された熱は、タンクにおける燃料補給の最適値に接近させるために、燃料がタンクに到達する前に、冷却回路から外部環境に放出される。車両用タンクに相互連結された高圧燃料ラインの力学的エネルギーは、車両燃料補給システムにおける流れ回路内で、1)ブロワ、又は冷媒、又は空気循環システム、又は他の熱放出手段に動作可能に相互連結された発電器、又は、2)タービンに直接機械的に相互連結された、冷媒、又は空気循環システム、又は他の熱放出手段、又は3)これらの両方、のいずれかで作動するタービンを介して、用いられる。
【0009】
本発明は、図面を考慮した好ましい実施の形態の下記の説明において、より十分に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】燃料貯蔵装置のスタンドに対して、相互接続された民間用ポンプ又は計器を介して、燃料補給される車両用タンクを有する車両の関係を示す燃料補給器又は燃料補給所における代表的な線図である。
【図1B】車両において使用される従来技術における加圧水素又はCNG燃料補給システムの車両燃料タンクの熱集積及び熱放出を示す概略的な線図である。
【図1C】急速充填試験から算出される、摂氏測定でのガス温度T(℃)及びガス圧力Pのグラフを示す。
【図2A】一実施例における、本発明の原理を示す相補的な外部ラジエータにヒートパイプによって相互に連結されたタンク内部の熱吸収体を用いる冷却システムを示す。
【図2B】冷却循環ポンプ、ラジエータ冷却ブロワ、又はその両方に出力を供給するために、燃料補給所からの高圧ガスの燃料補給流体における力学的エネルギーが入口ラインタービンを介して向けられる本発明の実施の形態を示す。
【図3】共通のラジエータに連結された燃料補給ガス出力手段に相互連結されている(システムが複数のタンクに適合可能なときの)2つのタンクのアセンブリ(組立体)における実施例を示す。明らかな変形例とともに、実施例として示された複数のタンク/ラジエータアセンブリは、様々な複数のタンク及びタンク充填シーケンス(配列)に適合可能である。
【図4A】燃料補給チューブ状回路の概略図であり、該回路はタンク内に配置され、該回路内には燃料補給ガスが循環し、その中の4B→←4Bは、端部の詳細を図4Bに示すように冷却回路チューブにおける端部構造を区分する。
【図4B】チューブの端部構造を区分する詳細図である。
【図4C】同図に示された寸法は、一連の補助的なフィン又は熱吸収のために用いられる他の手段に対する内部熱容量を計算するために有用な、パラメータを規定し、d=フィンの直径、l=フィンの長さ、n=フィンの数である。
【図4D】タンク内のチューブ回路循環システムを固定するために用いられる、タンクに対する端部キャップ構造をとりわけ示す実施例である。
【図5A】冷却媒体を循環させるために車両のフレーム部材内に配置された冷却流体循環ライン回路を示す。
【図5B】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【図5C】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【図5D】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【図5E】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【図5F】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のシステムは、搭載用タンク内に導入される高圧ガスから燃料補給圧縮における熱を回収することによって、そして、緩慢な充填、圧力過剰充填、及び/又は、ガスの燃料補給所における予備冷却の必要性を除去することによって、水素駆動車両における燃料補給エネルギー効率を増大させる。燃料貯蔵所で搭載用車両タンクに完全に充填するために必要なエネルギーが低減される。本発明は、燃料補給処理において完全な最適状態に戻す目的で燃料補給所において高圧ガスで搭載用車両タンクを再充填するために必要なエネルギーを低減する。本発明の一面において、燃料補給ガスにおける力学的高圧エネルギーは、燃料補給ライン中を比較的“低い”圧力の空のタンクに伝達するが、タンクからの燃料補給の圧縮熱を排出する、冷却循環システム、冷却ブロワシステム、又はこれらの両方に対して、出力を用いる、又は出力を発生させるものである。
【0012】
その結果、車両用の全体的な高圧ガス設備のエネルギーの必要性は低減され、車両燃費は向上(増大)し、短期間での補給の必要性は低減され、顧客満足は増大される。高圧燃料貯蔵補給ラインから車両上の搭載用タンクを補給するために必要な1)エネルギー及び2)時間は、低減される。要するに、本明細書に記載された一実施例において、冷却回路コイルは、搭載用タンク内に配置され、空充填状態を示す低圧から満充填状態を示す高圧にガスを圧縮するために、タンク内部からの燃料補給における圧縮熱を吸収する搭載用タンク中の冷却回路内に高圧燃料ガス自体が出力するタービン又はジェネレータ又はそのいずれもに相互連結された燃料補給ガス入口に動作可能に相互接続される。それ故、高圧燃料補給の圧縮熱は、タンクの最適燃料補給への接近が緩慢な充填や予備冷却又は圧力過剰充填を用いずに、燃料補給ガス自体の高圧の力学的出力を用いて達成されるように、冷却/燃料補給回路から吸収されて外部環境へ放出される。
【0013】
全体的に、本発明において、高圧下でガス燃料貯蔵用に1又は2以上の搭載用タンクを有する車両は、高圧燃料貯蔵補給ラインを介して高圧燃料補給所の1又は2以上のタンクと動作可能に相互連結される。中間の車両タンク及び燃料補給貯蔵ライン、タービン又はライン中の高圧ガス流を力学的エネルギーに変換する他の手段は、動作可能に配置される。1又は2以上のタンク内の冷媒回路を備える熱吸収手段は、1又は2以上のタンクが動作可能に高圧燃料貯蔵補給ラインに相互連結されたときガス圧縮がもたらす燃料補給の熱を取り込む。取り込んだ熱は、1又は2以上のタンクに対する外部環境に熱を放射するための機器に移動される。
【0014】
一実施例において、本発明は、高圧下でガス燃料貯蔵用の1又は2以上の搭載用タンクと、1又は2以上のタンクが動作可能に高圧燃料貯蔵補給ラインに相互連結される手段とを備える車両である。しかしながら、高圧燃料補給ラインが単数又は複数のタンクに達する前に、高圧ラインは、高圧ガスの力学的エネルギーを用いて電気的ジェネレータ(発電器)又はポンプ又はファンのいずれか又はいずれもを作動させるタービンを介して通過する。この実施例において、燃料補給ガスはタンク中及びタンク内部に入って、そこには、1又は2以上のタンクが高圧燃料補給ラインに動作可能に相互連結されたときに、ガス圧縮がもたらす燃料補給の熱を取り込むための熱吸収手段が設けられている。タービンは、単数又は複数のタンクの外部環境に取り込んだ熱を放射するために、取り込んだ熱を放熱性装置に移動するための手段を作動させる。この熱取り込み手段は、1)高伝導のアルミニウム又は銅、又はいずれかの合金、又は2)ヒートパイプによって、ラジエータに連結されたタンク内のヒートシンクを備えてもよい。タンク内部におけるヒートシンクは、タンク外部のラジエータ機器の熱的特性と対応して一致するように同様に構成されていてもよい。前者の例では、ヒートシンクは熱を吸収し、後者の例では、ラジエータ機器は、熱を放射する。このヒートシンク及び/又はラジエータは、フィン、ピン、プレート、波板状のラジエータ、メッシュ、波形エレメント、又は、熱吸収及び熱放出に関して最大の熱効率を可能とするために、高熱伝導性、及び、単位体積又は単位重量毎の大表面積を有する他の装置を備えていてもよい。このヒートシンク及びラジエータは、取り込んだ熱を移動するために、流体伝導システムに関してそれぞれ動作可能に配置されている。エネルギーのエントロピー流は、高温部(タンク内部)から低温部(外部のラジエータ)に向かう。ヒートシンク又はラジエータによって囲まれる伝導システムにおける流体の流れは、実施例において、流体が熱を取り込む熱タンク内部から、伝導流体が冷却されるラジエータへの、熱吸収/熱放出サイクルを新たに開示するためのタンク内部に戻す、連続的な流体のループ中に存在する。
【0015】
車両の作動用に典型的な環境において、伝導流体流通回路における流体材料には、典型的には、フレオン(登録商標)、水、アセトン、メタノール、エタノール、トルエンといった有機液体と蒸留水との混合物、自動車用の冷却流体及びこれらの類似物、又は、これらの均等物、がある。典型的には、伝導回路の中空管は、Al、Cu、SUS等といった熱伝導材料から形成される。ここでの実施例では、伝導流れ回路及び/又はファン又はブロワの作動は、ラジエータの容量、ヒートシンク及びラジエータへの熱伝導率、移動する熱の温度、ファン又はブロワにおけるラジエータで有効な容量(立方フィート毎分(cfm))、周囲の外部環境の温度、及びそれらの類似物、といった要因に明らかに依存する。ファン用又はポンプ用の制御システムは、前述の要因を相互に関連づけて、適切なファン又はポンプの速度、オンオフタイミング、及びそれらの類似物を決定するように構成されてもよい。
【0016】
図1Aは、燃料補給される車両用タンクを有する車両と他の燃焼補給装置との関係を示す燃料補給器又は燃料補給所における代表的な線図である。図1Aは、水素又は圧縮天然ガス駆動車用の従来技術における高圧貯蔵タンクシステムの例を示す。車200は、前記補給所のパッド201上に位置し、水素11をタンク中に流入可能なステーション補給ノズル10に連結可能な補給ライン13に直列な1又は2以上の搭載用タンク1を備えている。ステーション補給ノズル10は、ステーションタンクからポンプ又はメータ202を介して車両のタンク1にガス211の流入を可能とする導管を介して、(タンク205a、205b、…205x)燃料貯蔵タンクファーム205に順に相互連結されるステーションポンプ202に相互連結される。燃料貯蔵タンク切換システムは、本発明の一部ではない。典型的に、補給所では、民間の車及び補給所の分配ポンプは、静電気の集積(蓄積)を防止するために接地されている。ステーション燃料補給システムそれ自体は、補給所からの燃料分配を除いて、本明細書で説明される本発明ではないが、本明細書で説明するシステムを用いた車両によって得られる効率向上によって影響を受ける。
【0017】
図1Bにおいて、搭載用タンク1は、水素11をタンク中に流入できるステーション補給ノズル10に連結可能な燃料補給ライン13に直列な燃料ラインチェック弁12を有する吸気弁V1を備えている。タンク14からの燃料消費ラインは、タンク排気弁V2から制御弁15及び圧力レギュレータ16、18を介し、水素燃料電池スタック又はCNG駆動エンジンに燃料ライン17、19を介して延在している。図1Bにおけるシステムの急速充填試験から算出されるガス温度T[℃]とガス圧力Pが図1Cに示されている。
【0018】
典型的には高圧ガス車両燃料タンクは、半球形の端部を有する円筒形状であり、(例えば、カーボンファイバの外側巻線、及び、アルミニウム合金/プラスチックの内側ライナー)強化ファイバー複合材料から形成され、水素に対して略5000psiで、及び、CNGに対して約3600psiで高圧ガスの充填を実行可能であり、確定した温度での最大定格圧力容量で10,000psi又はそれを超える程度まで、様々な設計において、実行可能である。圧力/温度容量にもかかわらず、代替の重量充填測定による、標準的な車両に対する水素の典型的な車両タンク満充填は、略15ポンドであり得る。燃料補給の間、タンク内部のガスは圧縮され、図2Aにおいて矢印→、→等で比喩的に示した熱が発生される。車両タンク内の温度は、補給の間、ガス圧力が高くなるとともに増大するが、実際問題として、搭載用タンクにおける最大許容設計温度は、温度制約を超える場合に満充填の妨げとなり得る。これに対して、本発明のシステムは、車両タンクシステム中に蓄積した熱を除去するためのシステムに出力するため、ガスにおける固有の力学的高圧燃料補給のエネルギーを用いる、後述する冷却システムを提供することによって燃料補給の圧縮における熱を排出する。「タンク」の語は、単一の貯蔵ユニットに等しく当てはまるが、場合によっては、車両設計上において好ましい複数のタンクを指す。冷却コイル循環システムは、(熱伝導ライナーに比して)軽量であり、タンク中のデッドボリュームが小さく、低コストである。本発明は、タンク外部の装置における熱放出に向けて、車両タンク内における吸収から生じる多量の冷却熱流をもたらす、補給される高圧ガスの力学的エネルギーにおける固有の既存のエネルギー源を用いる。
【0019】
図2Aは、車両高圧燃料貯蔵タンクにおける実施例を示す。このタンクは、上述したようにカーボンファイバ組成物で形成され、複数の放射フィン32fr、又は他の熱ラジエータメカニズムを有する導管31(温度伝導ヒートパイプ又は他の熱伝導媒体)を介して外部ラジエータ32に順に透過する矢印→で示された燃料補給における圧縮熱を取り込む高伝導のアルミニウム又は銅、又はいずれかの合金で形成される複数のフィン30faを有するヒートシンク30を備え得る。燃料補給圧力が5000psiの場合、燃料貯蔵所での車両に注入される燃料の予備冷却は不要となる。何故なら、タンクライナーは、余剰の熱を吸収するからである。しかしながら、金属ライナータンクは、高価かつ大重量であり、5000psiを超える圧力で、特に、10,000psi又はこれを超える範囲での燃料補給に関する熱負荷を操作するには不適切である。
【0020】
図4において、ガス出力タービン90は、高圧ガス燃料補給所と、燃料補給ライン中の低圧車両タンクとの間に、介装されている。(タンク1内のコイルを形成する実施例として示された)冷媒循環導管40は、ポンプ機構41によって作動する外部ラジエータ42へのタンク内部45内からのサイクル中を循環するように、水、グリコール化合物、自動車用の冷媒、及びこれらの類似物といった、内部の熱吸収媒体に向かう。このタンク内部のコイル45は、周囲に配置された複数の熱吸収フィン40faを備える。導管40は、複数の放熱フィン42frを含むような図4に示した循環流体が外部ヒートシンク又はラジエータ42に導入されるタンクから出る。メッシュラジエータ、ウォータチャンバ、車両フレーム若しくはボディ、又は、タンク中のガスから吸収した熱を開放、分配、又は吸収可能な任意の他の類似の機構は、ラジエータ42に換えて、又はこれとともに使用してもよい。本発明の好ましいシステムにおいて、タービン90は、燃料補給所からのガス圧力の力学的エネルギーを介して、ポンプ41を作動させる。このポンプは、図2Bに91で示されたタービンに直接連結することによって、又は、間接的に相互に連結されることによって、作動され得る。ここで、タービン90は、相互連結部92bで示された発電器の電流により電気的に作動されるポンプ41で機械的に作動可能な相互連結部92aによって発電器95を作動させる。ファン又はブロワ43は、93aで示した機械的相互連結部93aを介して直接的に、又は、93bで示した電気的な相互連結部93bを介して間接的に、タービン90によって同様に作動され得る。自明であるが、タービンによって作動するファン又はポンプシステムのいずれか又はいずれも本発明において用いることができる。
【0021】
図3は、2つの車両タンクの組における切換可能な配置を示し、2つのタンクにおける各タンクの対として接続される冷媒循環制御弁V3及びV4は、燃料補給が並行になされるときに両タンクに関連する回路中に冷媒が同時に流れるか否か、又は、各タンクの冷却回路及び燃料補給状態が一連の燃料補給タンクにおいて個々に導入されるか否かを制御するために、各タンクにおけるタンク吸気弁V1とともに切り換えられ得る。図3において、燃料補給ラインにおいて介装されたタービン90は、その出力がポンプ41及び/又はファン又はブロワ43に供給されるように示されている。図3において示した個々のタンク1、1に対して、冷却回路が、図2Bに示したタンク1において示したものに対応している。燃料補給バルブVRは、タンクを単独で充填できるように、又は、両タンクを並行して燃料補給できるように、切り換え可能である。適切な切換構造及び配置は、当業者の技術の範囲内である。明確性のために、タービン90及び発電器(図示せず)及びポンプ41及び/又はブロワ43(すなわち92a、92b、93a、93b)において可能である機械的相互連結は省略されている。
【0022】
図4Aは、入口20t1から導管20t1、20t2、20t3、20t4、冷媒出口20exを流れる内部タンク冷媒コイルを囲む複数の環状のフィンの体積を示す。吸熱フィンのシリンダ(円筒)によって占められるタンク内の空間は、図4Cで示されるシリンダによって画定される。熱吸収アセンブリ4C中における各内部フィン(図4Cにおける21fa)は、図4Bにおいて示される直径dを有する。フィン付熱吸収アセンブリは、図4Cにおいて示した長さIを有する。既知の厚さ及び直径を有するフィンの所与の数nと、既知の熱吸収係数を有する熱吸収フィン材料とともに、内部タンクフィンの冷却能力は、伝導損失を許容して、循環流体の熱吸収係数及び流体の流速を用いて、計算でき、システムの全体的冷却効力の測定に考慮され得る。
【0023】
図4Dは、燃料タンクの両極端部での端部キャップ装置70、71を有する本発明におけるタンク1用の熱吸収体及び内部タンクアセンブリの構造を示す。キャップ71は、入口/出口側の反対側のタンクの端部で、タンク内における固定位置に環状コイル又はパイプ76のアセンブリを容器(レシーバー)75によって保持するための、外側ネジ部73と協働する内側ネジ部72と、固定具78中のネジ(スクリュー)上のロックナット74とを備える。タンク70における入口/出口側部上で、冷媒アセンブリは、端部キャップ70で用いられているものと同様の手段によって固定される。ガス吸気弁V1及びガス排気弁V2は、このキャップの位置に示されている。弁CV1、CV2は、本発明の原理に従って本明細書中で設定された車両制御システムを介して燃料補給及び車両動作の間、冷媒の循環を制御し得る。
【0024】
上述したように、前記システムは、タンク用における、選択可能若しくは制御可能な吸気弁、及び、選択可能若しくは制御可能な排気弁、並びに、車両における、制御手段、論理回路、又はCPU、に動作可能に連結された冷媒システムを備えた、複数のタンク及び車両制御システムにも適用可能である。車両制御システムは、圧力検知手段及び/若しくは温度検知手段、又はタンク若しくはその吸気及び排気ライン、冷却流体循環ライン、及び流体ポンプに付随する、他の検知手段を計測し、車両動作に従って制御できるように構成され得る。
本発明の原理による特定の制御構造及びパラメータ、センサ、弁の配置及びシステムは、全体の車両設計を考慮したものであることが好ましい。例えば、圧力、温度及び他のセンサ及び制御部は、冷媒流体の流れファン速度及び継続期間、及び車両タンクの正式な動作プロトコルに関する他のパラメータ、燃料補給用の弁システム、及び車両作動の過程における加圧燃料の消費を開始、停止及び調整するために、タンク及び/又はライン圧力及び温度を計測するように設けられてもよい。複数のタンクアセンブリで有用な車両制御システムの実施例は、本願と同一の出願人に譲渡され、2004年12月2日に米国特許商標庁に出願された、「水素車両ガスの用法及び燃料補給システム」である、本願と同時係属の米国特許出願番号11/001、881号明細書に含まれている。
【0025】
実施例として説明された具体例に関連して、ラジエータの具体例として示された、図2Aにおけるヒートラジエータ手段32、及び、図2B及び図3におけるラジエータ手段45は、図5A、図5B、図5C、図5D、図5E及び図5Fに示された車両サブフレーム冷却システムによって補強され、又は置換され得る。図5Aは、タンクサブフレームの周りに冷却媒体を循環させるために、タンク601の周囲の車両フレーム部材602内に配置された循環流体冷却ライン回路603を示す。フレーム冷却媒体は、典型的には空気が考えられるが、ファン635又は、タンク冷却回路内を循環するライン603中の冷却媒体から熱を除去するための他の作動手段を備え得る、フレーム入口615に供給されて出口を介して排出される。閉鎖型の冷却回路において、本明細書で言及した、空気、水、フレオン(登録商標)等の流体は、(例えば、図4A、図4B、図4C、及び図4Dに示したような)燃料タンクコイル循環システム入口及び出口から連続的な回路内を流通する。タンク(図4D参照)からの“冷媒出口”は、図5Aに示した“冷媒入口”に対応している。フレームラジエータ620からの“冷媒出口”は、図4Dに示した“冷媒入口”に対応し、冷媒はタンクコイル回路に戻る。(流れの方向を視区別することを除いて、“入口”及び“出口”は、内部タンクコイルがラジエータに連結される冷媒回路の端部連結部を指定する。)冷媒ライン603からの熱は、ファン635によって駆動されるフレームを循環する空気によって外部に放射される。
【0026】
図2Aにおいて示した受動的な実施例とともに実施例として用いられる図5Dにおいて示したシステムの場合、サブフレーム入口630は、フィン吸収体30(図2A)に連結されたヒートパイプ31からの熱を取り込む。図5Dにおいて、供給空気は、615で導入されて635で排出され、タンク内部から導入されるヒートパイプからのフレームシステム内に導入された熱を排出する。図5B及び図5Cは、内部サブフレームフィン650(図5B)及び外部フィン660(図5C)を有し、サブフレームアセンブリ上に搭載された、チューブ回路チューブ603の実施例をそれぞれ示す。図5Bの変形例におけるフレームチャネル内での空気の循環及び空気の導入は、図5Aに示したものと同一である。すなわち、空気は、入口615を介して入り、サブフレームキャビティ602を介して出口又はファン635へ流れる。循環冷媒回路チューブ603は、押出製造又は成形された内部回路として形成されてもよい。しかしながら、このチューブは、ステンレス鋼合金SUS、銅、又はアルミニウム、といった高熱伝導性高強度材料で形成されたフレームアセンブリ内に冷媒循環チューブが挿入された個々のチューブであるサブフレームアセンブリの内部又は上部か、該アセンブリの部材であることが好ましい。図5E及び図5Fは、冷媒循環パイプ603がフレーム602内部中のキャビティ603a内に搭載された実施例を示し、図5Eではラジエータフィンがフレームを横断し、図5Fではフレームに並行する。
【0027】
高圧ガスにおける流体流れは、機械的に直接連結するか、例えば、タービンに機械的に連結された代換の発電手段を介して、冷却循環ポンプ又はブロワ又はファン手段に出力を供給するための、ラインタービンを介して向けられてもよい。このタービンは、電気的に作動する循環ポンプ又はファンに順に電気的出力を供給するジェネレータを作動させてもよい。電気的出力を供給するためのタービンの使用は、前記回路を介して冷媒流体のポンプ流における要求に応じた(オンデマンドの)制御を可能とし、臨時の代換的な搭載用電気出力源を提供する。この電気的な例において、ポンプ又はファンへの出力は、高圧燃料補給が発生する期間に限定されない。このポンプは、代換の供給源によって作動されるようにしてもよい。同様に、機械的な相互連結部は、要求に応じた出力を提供するように構成されてもよい。
【0028】
本明細書で説明した全ての例において、燃料補給の状態の間、各タンク用の排気弁は閉じており、消費の例の間では、各タンクの吸気弁は閉じており、いわば対応して循環する冷却流体は車両作動システムによって典型的に計測されて制御される、と考えられる。
【0029】
本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、付与された説明によって、本明細書で説明された発明概念の趣旨から逸脱することなく本発明に対する変形が可能であることが理解されるであろう。それ故、図示され及び記載された特定の好ましい実施の形態に本発明の範囲が限定されることを意図したものではない。むしろ、本発明の範囲は、添付の請求項によって決定されることを意図しているのである。
【符号の説明】
【0030】
1 タンク
30 ヒートシンク
32 ラジエータ
40 冷媒循環導管
41 ポンプ機構
42 外部ラジエータ
70、71 キャップ
90 ガス出力タービン
【技術分野】
【0001】
この出願は、米国特許法119条(e)に基づいて2005年5月9日に米国に出願された、出願番号60/679,032号明細書、名称「圧縮天然ガス又は水素で作動する車両上の高圧燃料貯蔵円筒タンク用のガス冷却方法」の米国特許仮出願に関し、該出願における全ての利益を有することを主張するものである。
本発明は、燃料補給所で圧縮天然ガス及び水素用の車両への搭載用の車両ガス燃料タンクへの効率的な高圧燃料補給用のシステムに関するものであり、該燃料補給所では、大容量高圧燃料貯蔵タンクが消費者(利用者、民間)用分配手段を介して車両に燃料を提供する。
【背景技術】
【0002】
水素(“H2”)及び圧縮天然ガス(CNG)といった高圧ガスが自動車の燃料として使用される場合には、車両の効率的な民間燃料補給用の燃料貯蔵設備も開発しなければならない。典型的には、燃料電池を作動させるための水素の使用、又は、自動車の内燃機関への圧縮天然ガスの使用において、現行では高圧燃料は、水素に対して約5000psiの範囲の、CNGに対して約3600psiの範囲の最高使用圧力の範囲で保持される搭載用燃料タンク上で分配されて貯蔵されている。燃料補給後のより長い航続距離(ビークルレンジ)に対する利用者の好みの結果、及び技術の進歩につれて、約10,000psiの範囲のより高い圧力が、活用され得る。燃料電池車両の例では、燃料電池スタックへの水素注入の利用は、約30psiで起こる。燃料貯蔵及び車両タンク及び燃料補給システム及びこれらの相互関係におけるエネルギー効率の増大が、望まれる目標である。
【0003】
水素駆動車は、燃料電池スタックに動力を供給するための水素を貯蔵する目的で搭載された高圧水素貯蔵タンクを使用し得る。ここで、高圧水素駆動燃料電池車両に関して、高圧圧縮天然ガスで車両を駆動する本発明の用法にも関連がある。(明細書中で水素が言及された場合、「水素」は本明細書に記載された高圧環境下での圧縮天然ガスと代替可能であることを意図した用語である。すなわち、水素及びCNGのいずれも、本発明が有用である高圧ガスである。)
【0004】
民間の車両において、複数の円筒形の小型燃料タンクを使用する方が、一つの大型タンクを使用するよりも、設計目的に対して好ましい。高圧水素燃料補給所に対して様々な設計が、燃料補給の効率に対応するために提案されている。水素駆動車において搭載された燃料タンクが水素で充填された場合、該タンク中で加圧して搭載されたガスは、複数のエネルギー形態を有するものとして特徴づけられ得る。エネルギー形態として、1)(車両の作動中に消費される)水素燃料自体に関する化学的エネルギー、及び、2)燃料補給所での燃料供給源からの、搭載用タンクの高圧での燃料供給の物理的過程に関する熱力学的エネルギー、つまり、力学的エネルギー及び熱的エネルギーがある。
【0005】
水素及びCNG燃料車両は、搭載用の高圧燃料ガス貯蔵タンクを有している。高圧燃料補給処理中に、前記搭載用のタンクの内部は、タンク圧力が増大するため、そして、他の補給パラメータが補給に影響するため、燃料ガスを圧縮することによって加熱される。補給処理の後、タンクの内部の温度及びタンク内の圧力は、燃料ガスが車両作動中に消費されるにつれて、いずれも緩やかに減少する。従来においては、補給の過程中に圧力補正を行うことなしに十分な補給タンク圧力を得ることは不可能である。すなわち、タンク中に注入され格納される充填燃料圧力は、(ガスの加熱圧縮のため)補給時初期にはタンクの設計圧力を超えていなければならない。圧力補正(初期の過剰充填)がなければ満充填が得られないため、車両の燃費の範囲は減少する。最適なタンク設計圧力がより高いものである場合、この状態は悪化する。過剰充填のジレンマに対する一つの対応として、補給期間中における流速をより緩やかにする手法が用いられ得る。これによって、より低い内部タンク温度及び高い圧力、及び長い間に亘る容量の増大、がもたらされる。熱の増大を避けるための緩やかな流速における望ましくない結果は、自明であって、それは燃料補給の長期化である。別の解決策として、燃料補給前に補給所の燃料ガスを冷却することが考えられる。しかしながら、冷却には実質的にエネルギーが必要であり、それ故、水素/CNGエコノミーにおける全体効率が低下してしまう。高圧燃料ガスの予備冷却又は他の予備処理は、充填圧力が5000psi又はそれ未満である場合、一般的に不要である。しかしながら、圧力が10,000psiに接近又は超えるときには、冷却(及びその反対の、圧縮による内部加熱)は燃料補給処理において重要な要素になる。同様の選択肢のように、過剰圧力には、追加的なガス圧縮が含まれて、燃料補給処理間の高圧圧縮の結果としてタンク中に発生した熱がさらに増大するという、さらなるエネルギー消費を必要とする。ともかく、タンクの充填圧力が5000psi又はより低い場合に、二次的なガス補給処理は、一般的に不要である。タンク圧力が(CNGに対して)3600psiを超えるとともに(水素に対して)5000psiを超えて、そして、10,000psiに接近又は超える場合には、タンク容量の完全な充填(満充填)を得るために、冷却などの二次的な処理が補給処理において重要な要素になる。満充填が達成される場合、1)これにより各タンクの補給毎の全体的な航続距離(ビークルレンジ)が増大し、2)(予備冷却又は圧力過剰充填といった)補給に必要なエネルギーが減少し、3)時間も節約され、4)全体的な顧客満足が増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、高圧ガス駆動車両の設備及び高圧燃料の民間分配用の燃料補給所における全体的なエネルギー効率に含まれる場合、エネルギー損失を最小化して水素補給システムの補給効率を増大させることである。典型的には、車両が水素で燃料補給される度に、機械的圧縮が熱エネルギーに変換されてタンク中に補給されたガスの加熱をもたらす。それ故、本発明の目的は、タンクの加熱を最小化して、水素駆動車両における搭載用燃料貯蔵タンクの効率及び補給容量を増大させることである。本発明の目的は、高圧ガスタンク加熱を最小化して、高圧ガス駆動車両における搭載用燃料貯蔵タンクの効率及び補給容量を増大させることである。本発明の目的は、高圧燃料補給の間に搭載用タンクへの燃料補給に起因する圧縮熱を除去し得るシステムを提供することである。二次的なガス冷却の前処理及び/又は圧力過剰充填を除去することで、燃料補給時間の迅速化、燃料補給効率の増大、及び、全体的な航続距離(ビークルレンジ)の伸張が得られる。単位体積毎のタンク容量の向上は、燃料補給の間、特に、公称の燃料補給圧力が水素に対して10,000psi又はそれを超える領域、及びCNGに対して約3,600psiの領域で達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、搭載用車両タンクにおける高圧燃料補給で生じる圧縮熱を除去できるシステムを提供する。本明細書で説明されるタンクガス冷却システムによって得られる単位体積当たりのタンク容量の向上によって、燃料補給時間は減少し、燃料補給効率及び全体の航続距離(ビークルレンジ)は増大する。本発明によれば、燃料補給処理の間において燃料タンクの受ける熱量が、熱排出用システムによって効果的に抑制される。このシステムにおいて、タンク内部の熱吸収体は、外部の熱ラジエータと相互に連結され、これにより、タンク内部の熱を吸収して(集めて)、吸収した熱を周囲の大気に放出し、又は高圧燃料補給の熱を放出若しくは吸収若しくは排出する使用に好適な他のシステムに放出する。高圧水素又は圧縮天然ガス車両燃料貯蔵所で、高圧燃料補給ガスにおける高い流速から発生する熱的エネルギー(熱)が、車両タンクの満充填を達成するために必要とされた緩慢な充填、二次的な予備冷却、圧力過剰充填、といった燃料補給における前処理の必要性を排除して、民間の車の搭載用貯蔵タンクにおける単数又は複数の搭載用燃料タンクから排出される。実施例において、高圧燃料貯蔵補給ラインは、ガス流回路を有する搭載用タンクに動作可能に相互に連結される。燃料補給ガス自体は、燃料補給における圧縮熱を吸収するために、閉回路を囲む搭載用タンク内を循環する。そして、燃料補給の熱は、タンク内に開放される前にガスを冷却する外部ラジエータに移動する。
【0008】
本発明は、高圧燃料補給の間の搭載用タンクの燃料補給がもたらす圧縮熱を除去することができるシステムを提供する。特に、公称の燃料補給圧力が、10,000psi又は3600psi又はこれを超える最適設計範囲である場合に有効である。内部タンク熱吸収体が外部の熱ラジエータに相互に連結される熱排出システムによって、燃料補給処理の間における燃料タンク内の加熱が抑制される。内部吸収体は、高圧圧縮のもたらすタンクの熱を取り込み(集めて)、取り込んだ熱を周囲の空気、又は、取り込んだ熱の排出に適した他の車両システムに放出する。燃料補給ガスの力学的流れエネルギーは、タンク内部から外部ラジエータへの回路中の燃料補給所での民間ポンプから高圧燃料補給ガスを循環するための手段を作動させる。燃料補給処理に関連して取り込んだ熱は、燃料補給ガスがタンクに入り込む前に、外部環境に放出され又は吸収される。この方法では、高圧における高流速からの固有のエネルギーである燃料補給ガスが、熱排出システムの作動に用いられる。緩慢な充填、二次的な予備冷却、圧力過剰充填といった、時間及びエネルギーを消費する技術は、不要である。要約すると、本発明は、車両内の搭載用タンクに相互連結するように動作可能な高圧燃料貯蔵補給ラインから前記タンクへの補給に要する時間及びエネルギーを抑制するためのシステムを提供する。ここで、冷媒は、燃料補給における圧縮熱を吸収する搭載用タンク内を循環されて、そして、そこで吸収された熱は、タンクにおける燃料補給の最適値に接近させるために、燃料がタンクに到達する前に、冷却回路から外部環境に放出される。車両用タンクに相互連結された高圧燃料ラインの力学的エネルギーは、車両燃料補給システムにおける流れ回路内で、1)ブロワ、又は冷媒、又は空気循環システム、又は他の熱放出手段に動作可能に相互連結された発電器、又は、2)タービンに直接機械的に相互連結された、冷媒、又は空気循環システム、又は他の熱放出手段、又は3)これらの両方、のいずれかで作動するタービンを介して、用いられる。
【0009】
本発明は、図面を考慮した好ましい実施の形態の下記の説明において、より十分に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】燃料貯蔵装置のスタンドに対して、相互接続された民間用ポンプ又は計器を介して、燃料補給される車両用タンクを有する車両の関係を示す燃料補給器又は燃料補給所における代表的な線図である。
【図1B】車両において使用される従来技術における加圧水素又はCNG燃料補給システムの車両燃料タンクの熱集積及び熱放出を示す概略的な線図である。
【図1C】急速充填試験から算出される、摂氏測定でのガス温度T(℃)及びガス圧力Pのグラフを示す。
【図2A】一実施例における、本発明の原理を示す相補的な外部ラジエータにヒートパイプによって相互に連結されたタンク内部の熱吸収体を用いる冷却システムを示す。
【図2B】冷却循環ポンプ、ラジエータ冷却ブロワ、又はその両方に出力を供給するために、燃料補給所からの高圧ガスの燃料補給流体における力学的エネルギーが入口ラインタービンを介して向けられる本発明の実施の形態を示す。
【図3】共通のラジエータに連結された燃料補給ガス出力手段に相互連結されている(システムが複数のタンクに適合可能なときの)2つのタンクのアセンブリ(組立体)における実施例を示す。明らかな変形例とともに、実施例として示された複数のタンク/ラジエータアセンブリは、様々な複数のタンク及びタンク充填シーケンス(配列)に適合可能である。
【図4A】燃料補給チューブ状回路の概略図であり、該回路はタンク内に配置され、該回路内には燃料補給ガスが循環し、その中の4B→←4Bは、端部の詳細を図4Bに示すように冷却回路チューブにおける端部構造を区分する。
【図4B】チューブの端部構造を区分する詳細図である。
【図4C】同図に示された寸法は、一連の補助的なフィン又は熱吸収のために用いられる他の手段に対する内部熱容量を計算するために有用な、パラメータを規定し、d=フィンの直径、l=フィンの長さ、n=フィンの数である。
【図4D】タンク内のチューブ回路循環システムを固定するために用いられる、タンクに対する端部キャップ構造をとりわけ示す実施例である。
【図5A】冷却媒体を循環させるために車両のフレーム部材内に配置された冷却流体循環ライン回路を示す。
【図5B】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【図5C】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【図5D】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【図5E】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【図5F】車両フレームアセンブリ又は燃料タンクサブアセンブリにおける内部又は上部に配置される冷却フィンラジエータ構造の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のシステムは、搭載用タンク内に導入される高圧ガスから燃料補給圧縮における熱を回収することによって、そして、緩慢な充填、圧力過剰充填、及び/又は、ガスの燃料補給所における予備冷却の必要性を除去することによって、水素駆動車両における燃料補給エネルギー効率を増大させる。燃料貯蔵所で搭載用車両タンクに完全に充填するために必要なエネルギーが低減される。本発明は、燃料補給処理において完全な最適状態に戻す目的で燃料補給所において高圧ガスで搭載用車両タンクを再充填するために必要なエネルギーを低減する。本発明の一面において、燃料補給ガスにおける力学的高圧エネルギーは、燃料補給ライン中を比較的“低い”圧力の空のタンクに伝達するが、タンクからの燃料補給の圧縮熱を排出する、冷却循環システム、冷却ブロワシステム、又はこれらの両方に対して、出力を用いる、又は出力を発生させるものである。
【0012】
その結果、車両用の全体的な高圧ガス設備のエネルギーの必要性は低減され、車両燃費は向上(増大)し、短期間での補給の必要性は低減され、顧客満足は増大される。高圧燃料貯蔵補給ラインから車両上の搭載用タンクを補給するために必要な1)エネルギー及び2)時間は、低減される。要するに、本明細書に記載された一実施例において、冷却回路コイルは、搭載用タンク内に配置され、空充填状態を示す低圧から満充填状態を示す高圧にガスを圧縮するために、タンク内部からの燃料補給における圧縮熱を吸収する搭載用タンク中の冷却回路内に高圧燃料ガス自体が出力するタービン又はジェネレータ又はそのいずれもに相互連結された燃料補給ガス入口に動作可能に相互接続される。それ故、高圧燃料補給の圧縮熱は、タンクの最適燃料補給への接近が緩慢な充填や予備冷却又は圧力過剰充填を用いずに、燃料補給ガス自体の高圧の力学的出力を用いて達成されるように、冷却/燃料補給回路から吸収されて外部環境へ放出される。
【0013】
全体的に、本発明において、高圧下でガス燃料貯蔵用に1又は2以上の搭載用タンクを有する車両は、高圧燃料貯蔵補給ラインを介して高圧燃料補給所の1又は2以上のタンクと動作可能に相互連結される。中間の車両タンク及び燃料補給貯蔵ライン、タービン又はライン中の高圧ガス流を力学的エネルギーに変換する他の手段は、動作可能に配置される。1又は2以上のタンク内の冷媒回路を備える熱吸収手段は、1又は2以上のタンクが動作可能に高圧燃料貯蔵補給ラインに相互連結されたときガス圧縮がもたらす燃料補給の熱を取り込む。取り込んだ熱は、1又は2以上のタンクに対する外部環境に熱を放射するための機器に移動される。
【0014】
一実施例において、本発明は、高圧下でガス燃料貯蔵用の1又は2以上の搭載用タンクと、1又は2以上のタンクが動作可能に高圧燃料貯蔵補給ラインに相互連結される手段とを備える車両である。しかしながら、高圧燃料補給ラインが単数又は複数のタンクに達する前に、高圧ラインは、高圧ガスの力学的エネルギーを用いて電気的ジェネレータ(発電器)又はポンプ又はファンのいずれか又はいずれもを作動させるタービンを介して通過する。この実施例において、燃料補給ガスはタンク中及びタンク内部に入って、そこには、1又は2以上のタンクが高圧燃料補給ラインに動作可能に相互連結されたときに、ガス圧縮がもたらす燃料補給の熱を取り込むための熱吸収手段が設けられている。タービンは、単数又は複数のタンクの外部環境に取り込んだ熱を放射するために、取り込んだ熱を放熱性装置に移動するための手段を作動させる。この熱取り込み手段は、1)高伝導のアルミニウム又は銅、又はいずれかの合金、又は2)ヒートパイプによって、ラジエータに連結されたタンク内のヒートシンクを備えてもよい。タンク内部におけるヒートシンクは、タンク外部のラジエータ機器の熱的特性と対応して一致するように同様に構成されていてもよい。前者の例では、ヒートシンクは熱を吸収し、後者の例では、ラジエータ機器は、熱を放射する。このヒートシンク及び/又はラジエータは、フィン、ピン、プレート、波板状のラジエータ、メッシュ、波形エレメント、又は、熱吸収及び熱放出に関して最大の熱効率を可能とするために、高熱伝導性、及び、単位体積又は単位重量毎の大表面積を有する他の装置を備えていてもよい。このヒートシンク及びラジエータは、取り込んだ熱を移動するために、流体伝導システムに関してそれぞれ動作可能に配置されている。エネルギーのエントロピー流は、高温部(タンク内部)から低温部(外部のラジエータ)に向かう。ヒートシンク又はラジエータによって囲まれる伝導システムにおける流体の流れは、実施例において、流体が熱を取り込む熱タンク内部から、伝導流体が冷却されるラジエータへの、熱吸収/熱放出サイクルを新たに開示するためのタンク内部に戻す、連続的な流体のループ中に存在する。
【0015】
車両の作動用に典型的な環境において、伝導流体流通回路における流体材料には、典型的には、フレオン(登録商標)、水、アセトン、メタノール、エタノール、トルエンといった有機液体と蒸留水との混合物、自動車用の冷却流体及びこれらの類似物、又は、これらの均等物、がある。典型的には、伝導回路の中空管は、Al、Cu、SUS等といった熱伝導材料から形成される。ここでの実施例では、伝導流れ回路及び/又はファン又はブロワの作動は、ラジエータの容量、ヒートシンク及びラジエータへの熱伝導率、移動する熱の温度、ファン又はブロワにおけるラジエータで有効な容量(立方フィート毎分(cfm))、周囲の外部環境の温度、及びそれらの類似物、といった要因に明らかに依存する。ファン用又はポンプ用の制御システムは、前述の要因を相互に関連づけて、適切なファン又はポンプの速度、オンオフタイミング、及びそれらの類似物を決定するように構成されてもよい。
【0016】
図1Aは、燃料補給される車両用タンクを有する車両と他の燃焼補給装置との関係を示す燃料補給器又は燃料補給所における代表的な線図である。図1Aは、水素又は圧縮天然ガス駆動車用の従来技術における高圧貯蔵タンクシステムの例を示す。車200は、前記補給所のパッド201上に位置し、水素11をタンク中に流入可能なステーション補給ノズル10に連結可能な補給ライン13に直列な1又は2以上の搭載用タンク1を備えている。ステーション補給ノズル10は、ステーションタンクからポンプ又はメータ202を介して車両のタンク1にガス211の流入を可能とする導管を介して、(タンク205a、205b、…205x)燃料貯蔵タンクファーム205に順に相互連結されるステーションポンプ202に相互連結される。燃料貯蔵タンク切換システムは、本発明の一部ではない。典型的に、補給所では、民間の車及び補給所の分配ポンプは、静電気の集積(蓄積)を防止するために接地されている。ステーション燃料補給システムそれ自体は、補給所からの燃料分配を除いて、本明細書で説明される本発明ではないが、本明細書で説明するシステムを用いた車両によって得られる効率向上によって影響を受ける。
【0017】
図1Bにおいて、搭載用タンク1は、水素11をタンク中に流入できるステーション補給ノズル10に連結可能な燃料補給ライン13に直列な燃料ラインチェック弁12を有する吸気弁V1を備えている。タンク14からの燃料消費ラインは、タンク排気弁V2から制御弁15及び圧力レギュレータ16、18を介し、水素燃料電池スタック又はCNG駆動エンジンに燃料ライン17、19を介して延在している。図1Bにおけるシステムの急速充填試験から算出されるガス温度T[℃]とガス圧力Pが図1Cに示されている。
【0018】
典型的には高圧ガス車両燃料タンクは、半球形の端部を有する円筒形状であり、(例えば、カーボンファイバの外側巻線、及び、アルミニウム合金/プラスチックの内側ライナー)強化ファイバー複合材料から形成され、水素に対して略5000psiで、及び、CNGに対して約3600psiで高圧ガスの充填を実行可能であり、確定した温度での最大定格圧力容量で10,000psi又はそれを超える程度まで、様々な設計において、実行可能である。圧力/温度容量にもかかわらず、代替の重量充填測定による、標準的な車両に対する水素の典型的な車両タンク満充填は、略15ポンドであり得る。燃料補給の間、タンク内部のガスは圧縮され、図2Aにおいて矢印→、→等で比喩的に示した熱が発生される。車両タンク内の温度は、補給の間、ガス圧力が高くなるとともに増大するが、実際問題として、搭載用タンクにおける最大許容設計温度は、温度制約を超える場合に満充填の妨げとなり得る。これに対して、本発明のシステムは、車両タンクシステム中に蓄積した熱を除去するためのシステムに出力するため、ガスにおける固有の力学的高圧燃料補給のエネルギーを用いる、後述する冷却システムを提供することによって燃料補給の圧縮における熱を排出する。「タンク」の語は、単一の貯蔵ユニットに等しく当てはまるが、場合によっては、車両設計上において好ましい複数のタンクを指す。冷却コイル循環システムは、(熱伝導ライナーに比して)軽量であり、タンク中のデッドボリュームが小さく、低コストである。本発明は、タンク外部の装置における熱放出に向けて、車両タンク内における吸収から生じる多量の冷却熱流をもたらす、補給される高圧ガスの力学的エネルギーにおける固有の既存のエネルギー源を用いる。
【0019】
図2Aは、車両高圧燃料貯蔵タンクにおける実施例を示す。このタンクは、上述したようにカーボンファイバ組成物で形成され、複数の放射フィン32fr、又は他の熱ラジエータメカニズムを有する導管31(温度伝導ヒートパイプ又は他の熱伝導媒体)を介して外部ラジエータ32に順に透過する矢印→で示された燃料補給における圧縮熱を取り込む高伝導のアルミニウム又は銅、又はいずれかの合金で形成される複数のフィン30faを有するヒートシンク30を備え得る。燃料補給圧力が5000psiの場合、燃料貯蔵所での車両に注入される燃料の予備冷却は不要となる。何故なら、タンクライナーは、余剰の熱を吸収するからである。しかしながら、金属ライナータンクは、高価かつ大重量であり、5000psiを超える圧力で、特に、10,000psi又はこれを超える範囲での燃料補給に関する熱負荷を操作するには不適切である。
【0020】
図4において、ガス出力タービン90は、高圧ガス燃料補給所と、燃料補給ライン中の低圧車両タンクとの間に、介装されている。(タンク1内のコイルを形成する実施例として示された)冷媒循環導管40は、ポンプ機構41によって作動する外部ラジエータ42へのタンク内部45内からのサイクル中を循環するように、水、グリコール化合物、自動車用の冷媒、及びこれらの類似物といった、内部の熱吸収媒体に向かう。このタンク内部のコイル45は、周囲に配置された複数の熱吸収フィン40faを備える。導管40は、複数の放熱フィン42frを含むような図4に示した循環流体が外部ヒートシンク又はラジエータ42に導入されるタンクから出る。メッシュラジエータ、ウォータチャンバ、車両フレーム若しくはボディ、又は、タンク中のガスから吸収した熱を開放、分配、又は吸収可能な任意の他の類似の機構は、ラジエータ42に換えて、又はこれとともに使用してもよい。本発明の好ましいシステムにおいて、タービン90は、燃料補給所からのガス圧力の力学的エネルギーを介して、ポンプ41を作動させる。このポンプは、図2Bに91で示されたタービンに直接連結することによって、又は、間接的に相互に連結されることによって、作動され得る。ここで、タービン90は、相互連結部92bで示された発電器の電流により電気的に作動されるポンプ41で機械的に作動可能な相互連結部92aによって発電器95を作動させる。ファン又はブロワ43は、93aで示した機械的相互連結部93aを介して直接的に、又は、93bで示した電気的な相互連結部93bを介して間接的に、タービン90によって同様に作動され得る。自明であるが、タービンによって作動するファン又はポンプシステムのいずれか又はいずれも本発明において用いることができる。
【0021】
図3は、2つの車両タンクの組における切換可能な配置を示し、2つのタンクにおける各タンクの対として接続される冷媒循環制御弁V3及びV4は、燃料補給が並行になされるときに両タンクに関連する回路中に冷媒が同時に流れるか否か、又は、各タンクの冷却回路及び燃料補給状態が一連の燃料補給タンクにおいて個々に導入されるか否かを制御するために、各タンクにおけるタンク吸気弁V1とともに切り換えられ得る。図3において、燃料補給ラインにおいて介装されたタービン90は、その出力がポンプ41及び/又はファン又はブロワ43に供給されるように示されている。図3において示した個々のタンク1、1に対して、冷却回路が、図2Bに示したタンク1において示したものに対応している。燃料補給バルブVRは、タンクを単独で充填できるように、又は、両タンクを並行して燃料補給できるように、切り換え可能である。適切な切換構造及び配置は、当業者の技術の範囲内である。明確性のために、タービン90及び発電器(図示せず)及びポンプ41及び/又はブロワ43(すなわち92a、92b、93a、93b)において可能である機械的相互連結は省略されている。
【0022】
図4Aは、入口20t1から導管20t1、20t2、20t3、20t4、冷媒出口20exを流れる内部タンク冷媒コイルを囲む複数の環状のフィンの体積を示す。吸熱フィンのシリンダ(円筒)によって占められるタンク内の空間は、図4Cで示されるシリンダによって画定される。熱吸収アセンブリ4C中における各内部フィン(図4Cにおける21fa)は、図4Bにおいて示される直径dを有する。フィン付熱吸収アセンブリは、図4Cにおいて示した長さIを有する。既知の厚さ及び直径を有するフィンの所与の数nと、既知の熱吸収係数を有する熱吸収フィン材料とともに、内部タンクフィンの冷却能力は、伝導損失を許容して、循環流体の熱吸収係数及び流体の流速を用いて、計算でき、システムの全体的冷却効力の測定に考慮され得る。
【0023】
図4Dは、燃料タンクの両極端部での端部キャップ装置70、71を有する本発明におけるタンク1用の熱吸収体及び内部タンクアセンブリの構造を示す。キャップ71は、入口/出口側の反対側のタンクの端部で、タンク内における固定位置に環状コイル又はパイプ76のアセンブリを容器(レシーバー)75によって保持するための、外側ネジ部73と協働する内側ネジ部72と、固定具78中のネジ(スクリュー)上のロックナット74とを備える。タンク70における入口/出口側部上で、冷媒アセンブリは、端部キャップ70で用いられているものと同様の手段によって固定される。ガス吸気弁V1及びガス排気弁V2は、このキャップの位置に示されている。弁CV1、CV2は、本発明の原理に従って本明細書中で設定された車両制御システムを介して燃料補給及び車両動作の間、冷媒の循環を制御し得る。
【0024】
上述したように、前記システムは、タンク用における、選択可能若しくは制御可能な吸気弁、及び、選択可能若しくは制御可能な排気弁、並びに、車両における、制御手段、論理回路、又はCPU、に動作可能に連結された冷媒システムを備えた、複数のタンク及び車両制御システムにも適用可能である。車両制御システムは、圧力検知手段及び/若しくは温度検知手段、又はタンク若しくはその吸気及び排気ライン、冷却流体循環ライン、及び流体ポンプに付随する、他の検知手段を計測し、車両動作に従って制御できるように構成され得る。
本発明の原理による特定の制御構造及びパラメータ、センサ、弁の配置及びシステムは、全体の車両設計を考慮したものであることが好ましい。例えば、圧力、温度及び他のセンサ及び制御部は、冷媒流体の流れファン速度及び継続期間、及び車両タンクの正式な動作プロトコルに関する他のパラメータ、燃料補給用の弁システム、及び車両作動の過程における加圧燃料の消費を開始、停止及び調整するために、タンク及び/又はライン圧力及び温度を計測するように設けられてもよい。複数のタンクアセンブリで有用な車両制御システムの実施例は、本願と同一の出願人に譲渡され、2004年12月2日に米国特許商標庁に出願された、「水素車両ガスの用法及び燃料補給システム」である、本願と同時係属の米国特許出願番号11/001、881号明細書に含まれている。
【0025】
実施例として説明された具体例に関連して、ラジエータの具体例として示された、図2Aにおけるヒートラジエータ手段32、及び、図2B及び図3におけるラジエータ手段45は、図5A、図5B、図5C、図5D、図5E及び図5Fに示された車両サブフレーム冷却システムによって補強され、又は置換され得る。図5Aは、タンクサブフレームの周りに冷却媒体を循環させるために、タンク601の周囲の車両フレーム部材602内に配置された循環流体冷却ライン回路603を示す。フレーム冷却媒体は、典型的には空気が考えられるが、ファン635又は、タンク冷却回路内を循環するライン603中の冷却媒体から熱を除去するための他の作動手段を備え得る、フレーム入口615に供給されて出口を介して排出される。閉鎖型の冷却回路において、本明細書で言及した、空気、水、フレオン(登録商標)等の流体は、(例えば、図4A、図4B、図4C、及び図4Dに示したような)燃料タンクコイル循環システム入口及び出口から連続的な回路内を流通する。タンク(図4D参照)からの“冷媒出口”は、図5Aに示した“冷媒入口”に対応している。フレームラジエータ620からの“冷媒出口”は、図4Dに示した“冷媒入口”に対応し、冷媒はタンクコイル回路に戻る。(流れの方向を視区別することを除いて、“入口”及び“出口”は、内部タンクコイルがラジエータに連結される冷媒回路の端部連結部を指定する。)冷媒ライン603からの熱は、ファン635によって駆動されるフレームを循環する空気によって外部に放射される。
【0026】
図2Aにおいて示した受動的な実施例とともに実施例として用いられる図5Dにおいて示したシステムの場合、サブフレーム入口630は、フィン吸収体30(図2A)に連結されたヒートパイプ31からの熱を取り込む。図5Dにおいて、供給空気は、615で導入されて635で排出され、タンク内部から導入されるヒートパイプからのフレームシステム内に導入された熱を排出する。図5B及び図5Cは、内部サブフレームフィン650(図5B)及び外部フィン660(図5C)を有し、サブフレームアセンブリ上に搭載された、チューブ回路チューブ603の実施例をそれぞれ示す。図5Bの変形例におけるフレームチャネル内での空気の循環及び空気の導入は、図5Aに示したものと同一である。すなわち、空気は、入口615を介して入り、サブフレームキャビティ602を介して出口又はファン635へ流れる。循環冷媒回路チューブ603は、押出製造又は成形された内部回路として形成されてもよい。しかしながら、このチューブは、ステンレス鋼合金SUS、銅、又はアルミニウム、といった高熱伝導性高強度材料で形成されたフレームアセンブリ内に冷媒循環チューブが挿入された個々のチューブであるサブフレームアセンブリの内部又は上部か、該アセンブリの部材であることが好ましい。図5E及び図5Fは、冷媒循環パイプ603がフレーム602内部中のキャビティ603a内に搭載された実施例を示し、図5Eではラジエータフィンがフレームを横断し、図5Fではフレームに並行する。
【0027】
高圧ガスにおける流体流れは、機械的に直接連結するか、例えば、タービンに機械的に連結された代換の発電手段を介して、冷却循環ポンプ又はブロワ又はファン手段に出力を供給するための、ラインタービンを介して向けられてもよい。このタービンは、電気的に作動する循環ポンプ又はファンに順に電気的出力を供給するジェネレータを作動させてもよい。電気的出力を供給するためのタービンの使用は、前記回路を介して冷媒流体のポンプ流における要求に応じた(オンデマンドの)制御を可能とし、臨時の代換的な搭載用電気出力源を提供する。この電気的な例において、ポンプ又はファンへの出力は、高圧燃料補給が発生する期間に限定されない。このポンプは、代換の供給源によって作動されるようにしてもよい。同様に、機械的な相互連結部は、要求に応じた出力を提供するように構成されてもよい。
【0028】
本明細書で説明した全ての例において、燃料補給の状態の間、各タンク用の排気弁は閉じており、消費の例の間では、各タンクの吸気弁は閉じており、いわば対応して循環する冷却流体は車両作動システムによって典型的に計測されて制御される、と考えられる。
【0029】
本発明を詳細に説明してきたが、当業者であれば、付与された説明によって、本明細書で説明された発明概念の趣旨から逸脱することなく本発明に対する変形が可能であることが理解されるであろう。それ故、図示され及び記載された特定の好ましい実施の形態に本発明の範囲が限定されることを意図したものではない。むしろ、本発明の範囲は、添付の請求項によって決定されることを意図しているのである。
【符号の説明】
【0030】
1 タンク
30 ヒートシンク
32 ラジエータ
40 冷媒循環導管
41 ポンプ機構
42 外部ラジエータ
70、71 キャップ
90 ガス出力タービン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガス貯蔵用の搭載用タンクを有する車両上のタンク内の流体の熱吸収媒体を循環する循環システムを備える装置であって、前記タンクが燃料補給所において燃料ラインを介して高圧下で燃料補給され、前記循環システムが、
1)前記タンク内の導管中を流れるとともに、前記搭載用タンクの燃料補給から生じる圧縮熱を吸収する、前記流体の熱吸収媒体と、
2)導管回路内で前記媒体が循環する導管回路、及び前記タンク外部のラジエータへの導管の相互連結部であって、そこで前記媒体により吸収された熱が前記タンク外部の環境へ排出されることと、
3)前記高圧ガス補給所と前記搭載用タンクとの間の前記燃料ライン中に介装されて、前記燃料ライン内のガス流の力学的エネルギーを得て、前記導管回路を介して前記熱吸収媒体を循環させる循環システムを作動させる、タービンと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記タービンは、前記循環システムの少なくとも一つの他の構成部材に相互接続されて、前記導管回路を介して前記流体の熱吸収媒体を循環させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記媒体を冷却するための補助的なブロワを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ブロワは、前記タービンに機械的に連結されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記タービンは、電気的ジェネレータに機械的に連結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電気的ジェネレータは、前記導管内の媒体を循環するためのポンプ、及び前記媒体を冷却するために配置されたブロアに、動力を供給する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記タンク内の熱吸収体を、前記タンク外部の前記ラジエータに相互連結しているヒートパイプを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記導管内を循環している前記熱吸収媒体は、閉ループ中を循環する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記タンク内の前記媒体用の流体循環回路中の導管ループを環状に囲む複数の熱吸収フィンを備え、
前記媒体によって吸収された熱は、外部ラジエータへの前記導管中を循環する流体に移動して、該熱はそこで排出されて、前記流体はその後タンク内部に再循環する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ラジエータは、
1)車両フレームアセンブリ上の熱排出エレメント構造と、
2)前記熱排出エレメントに隣接する車両フレームアセンブリ内の流体循環ループと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
複数の搭載用タンクを備え、少なくとも一つのタンクが、
1)前記タンク内の導管中を流れるとともに、前記搭載用タンクの燃料補給から生じる圧縮熱を吸収する熱吸収媒体と、
2)前記導管と前記タンク外部のラジエータとの相互連結部であって、そこで吸収された熱が前記タンク外部の環境へ排出される、相互連結部と、
3)前記高圧ガス補給所と前記搭載用タンクとの間の前記燃料ライン中に介装されて、前記燃料ライン内のガス流の力学的エネルギーを得て、前記導管回路内の前記熱吸収媒体を循環させる前記循環システムを作動させる、タービンと、
を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記複数のタンクの充填シーケンスは、全てのタンクが並行して同時に充填される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記電気的ジェネレータが、ポンプに動力を供給して、前記導管内の前記媒体を循環する、請求項5に記載の装置。
【請求項14】
前記電気的ジェネレータが、前記媒体を冷却するブロワに動力を供給する、請求項5に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のタンクの充填シーケンスが、全てのタンクが一度に直列の順で個々に充填される、請求項11に記載の装置。
【請求項1】
燃料ガス貯蔵用の搭載用タンクを有する車両上のタンク内の流体の熱吸収媒体を循環する循環システムを備える装置であって、前記タンクが燃料補給所において燃料ラインを介して高圧下で燃料補給され、前記循環システムが、
1)前記タンク内の導管中を流れるとともに、前記搭載用タンクの燃料補給から生じる圧縮熱を吸収する、前記流体の熱吸収媒体と、
2)導管回路内で前記媒体が循環する導管回路、及び前記タンク外部のラジエータへの導管の相互連結部であって、そこで前記媒体により吸収された熱が前記タンク外部の環境へ排出されることと、
3)前記高圧ガス補給所と前記搭載用タンクとの間の前記燃料ライン中に介装されて、前記燃料ライン内のガス流の力学的エネルギーを得て、前記導管回路を介して前記熱吸収媒体を循環させる循環システムを作動させる、タービンと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記タービンは、前記循環システムの少なくとも一つの他の構成部材に相互接続されて、前記導管回路を介して前記流体の熱吸収媒体を循環させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記媒体を冷却するための補助的なブロワを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ブロワは、前記タービンに機械的に連結されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記タービンは、電気的ジェネレータに機械的に連結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電気的ジェネレータは、前記導管内の媒体を循環するためのポンプ、及び前記媒体を冷却するために配置されたブロアに、動力を供給する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記タンク内の熱吸収体を、前記タンク外部の前記ラジエータに相互連結しているヒートパイプを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記導管内を循環している前記熱吸収媒体は、閉ループ中を循環する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記タンク内の前記媒体用の流体循環回路中の導管ループを環状に囲む複数の熱吸収フィンを備え、
前記媒体によって吸収された熱は、外部ラジエータへの前記導管中を循環する流体に移動して、該熱はそこで排出されて、前記流体はその後タンク内部に再循環する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ラジエータは、
1)車両フレームアセンブリ上の熱排出エレメント構造と、
2)前記熱排出エレメントに隣接する車両フレームアセンブリ内の流体循環ループと、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
複数の搭載用タンクを備え、少なくとも一つのタンクが、
1)前記タンク内の導管中を流れるとともに、前記搭載用タンクの燃料補給から生じる圧縮熱を吸収する熱吸収媒体と、
2)前記導管と前記タンク外部のラジエータとの相互連結部であって、そこで吸収された熱が前記タンク外部の環境へ排出される、相互連結部と、
3)前記高圧ガス補給所と前記搭載用タンクとの間の前記燃料ライン中に介装されて、前記燃料ライン内のガス流の力学的エネルギーを得て、前記導管回路内の前記熱吸収媒体を循環させる前記循環システムを作動させる、タービンと、
を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記複数のタンクの充填シーケンスは、全てのタンクが並行して同時に充填される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記電気的ジェネレータが、ポンプに動力を供給して、前記導管内の前記媒体を循環する、請求項5に記載の装置。
【請求項14】
前記電気的ジェネレータが、前記媒体を冷却するブロワに動力を供給する、請求項5に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のタンクの充填シーケンスが、全てのタンクが一度に直列の順で個々に充填される、請求項11に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【公開番号】特開2012−17850(P2012−17850A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163189(P2011−163189)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【分割の表示】特願2006−126292(P2006−126292)の分割
【原出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【分割の表示】特願2006−126292(P2006−126292)の分割
【原出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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