説明

物体検出装置

【課題】路側物近傍を走行する車両の位置を正確に検出する。
【解決手段】物体検出装置1は、車両に搭載され、レーダセンサからなる第1センサ24とは相違するセンサである第2センサ21〜23を介して、該車両の周囲に存在する物体を検出する路側物検出部11と、路側物検出部11によって路側物が検出されているか否かを判定する判定部12と、判定部12によって路側物が検出されていると判定された場合に、第2センサ21〜23を介して、前記路側物の位置情報を取得する位置取得部13と、位置取得部13によって取得された前記路側物の位置情報に基づいて、第1センサ24を介して、前記路側物の近傍を走行する他の車両を検出する車両検出部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両に搭載され、レーダセンサからなる第1センサを介して該車両の周囲に存在する物体を検出する物体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミリ波レーダ等のセンサを用いて、車両等の物体が検出されている。一方、ミリ波レーダ等の測距センサよる検出結果に基づいて物体を検出する場合には、検出した物体が車両であるか否かの判断が困難な場合があり、車両ではないガードレール、側壁等の路側物を車両として検出してしまう虞がある。
【0003】
上記課題を解消するために種々の方法、装置等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の障害物認識装置においては、以下の処理が行われる。まず、走行レーン認識部が、ナビゲーションシステムの測定結果から自車が走行する走行レーンを認識して自車のいずれかの側に他車が存在する可能性を判断する。また、走行レーン認識部が自車のいずれかの側に他車が存在する可能性が無いと判断した場合には、レーダ波検出部が、当該側(=他車が存在する可能性が無いと判断された側)について前方ミリ波レーダ及び近距離ミリ波レーダの反射率が通常の第1閾値より高い第2閾値以上のときに物体を障害物として抽出する。上記障害物認識装置によれば、ガードレール、側壁等の路側物を車両として検出する可能性を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−40819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の障害物認識装置では、路側物の反射率が車両の反射率より低いことに着目して車両であるか否かを判定しているが、金属製のガードレール等の路側物では、反射率が車両の反射率と同等である場合がある。このような場合には、金属製のガードレール等の路側物を車両として検出する虞がある。また、路側物の捕捉点が車両の捕捉点として検出される場合には、当該路側物の捕捉点が、路側物の近傍を走行する車両の捕捉点としてグループ化され、当該車両の位置を正確に検出できない虞がある。すなわち、車両の近傍に存在する路側物の捕捉点を、当該車両の捕捉点としてグループ化することによって、当該車両の位置を、前記路側物の側に寄った位置として検出してしまうことがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、路側物近傍を走行する車両の位置を正確に検出することの可能な物体検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有している。第1の発明は、車両に搭載され、レーダセンサからなる第1センサを介して該車両の周囲に存在する物体を検出する物体検出装置であって、該車両に搭載され、前記第1センサとは相違するセンサである第2センサを介して、該車両の周囲に存在する物体を検出する路側物検出手段と、前記路側物検出手段によって路側物が検出されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって路側物が検出されていると判定された場合に、前記第2センサを介して、前記路側物の位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段によって取得された前記路側物の位置情報に基づいて、前記第1センサを介して、前記路側物の近傍を走行する他の車両を検出する車両検出手段と、を備える。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記車両検出手段が、前記路側物の近傍において、前記第1センサを介して取得された捕捉点が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する条件を変更する。
【0009】
第3の発明は、上記第2の発明において、前記車両検出手段が、前記第1センサを介して取得された捕捉点が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する領域であるグルーピング領域を狭くする。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、前記車両検出手段が、前記グルーピング領域を予め設定された所定比率に狭くする。
【0011】
第5の発明は、上記第1の発明において、前記車両検出手段が、前記他の車両との衝突判定において用いる前記他の車両の位置である代表位置を、前記位置取得手段によって取得された前記路側物の位置情報に基づいて決定する。
【0012】
第6の発明は、上記第5の発明において、前記車両検出手段が、前記第1センサから取得された前記他の車両に対応する捕捉点の内、前記路側物から予め設定された所定距離以上離間した捕捉点の位置を前記代表位置であると判定する。
【0013】
第7の発明は、上記第5の発明において、前記車両検出手段が、前記第1センサから取得された前記他の車両に対応する捕捉点の内、前記路側物から最も離間した捕捉点の位置を前記他の車両の代表位置であると判定する。
【0014】
第8の発明は、上記第1の発明において、前記第2センサが、前記第1センサの検出領域よりも前方側に存在する物体を検出可能に構成されたセンサである。
【0015】
第9の発明は、上記第1の発明において、前記第2センサが、該車両の前方及び前側方の少なくとも一方を検出するレーダセンサであり、前記第1センサが、該車両の前方、前側方、後方、及び、後側方の少なくとも1つの方向に存在する物体を検出する。
【0016】
第10の発明は、上記第1の発明において、前記第2センサが、該車両の前方の路上に描かれている白線を検出するべく配設されたカメラであり、前記第1センサが、該車両の前方、前側方、後方、及び、後側方の少なくとも1つの方向に存在する物体を検出する。
【0017】
第11の発明は、上記第1の発明において、前記路側物が、ガードレールを含む。
【0018】
第12の発明は、上記第1の発明において、前記判定手段が、ヨーレートセンサ及びステアリングセンサの少なくとも一方を介して、前記路側物検出手段によって検出された物体が路側物であるか否かを判定する。
【0019】
第13の発明は、上記第1の発明において、前記路側物検出手段によって検出された物体が、前記車両が走行している車線の外側に存在するか否かに基づいて、前記判定手段が、前記路側物検出手段によって検出された物体が路側物であるか否かを判定する。
【0020】
第14の発明は、上記第1の発明において、前記路側物検出手段によって検出された物体が静止物体であるか否かに基づいて、前記判定手段が、前記路側物検出手段によって検出された物体が路側物であるか否かを判定する。
【発明の効果】
【0021】
上記第1の発明〜上記第7の発明によれば、前記路側物に対応する捕捉点による前記他の車両の検出位置に及ぼす影響を排除することができるので、前記第2センサを介して検出された路側物近傍を走行する車両の位置を正確に検出することができる。
【0022】
上記第8の発明〜上記第10の発明によれば、前記第2センサを介して、前記他の車両よりも前方に存在する路側物を検出することができるため、前記他の車両が前記路側物の位置近傍に到達したときに、前記路側物に対応する捕捉点による前記他の車両の検出位置に及ぼす影響を排除することができる。
【0023】
また、上記第10の発明によれば、前記第2センサとして新たにセンサを配設する必要が無いので、簡素な構成で、前記路側物を検出することができる。
【0024】
上記第11の発明によれば、前記第2センサを介して検出されたガードレール近傍を走行する車両の位置を正確に検出することができる。
【0025】
上記第12の発明〜上記第14の発明によれば、物体が路側物であるか否かを更に正確に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る物体検出装置の構成の一例を示すブロック図
【図2】物体検出ECUの機能構成の一例を示すブロック図
【図3】従来の物体検出装置による検出結果の一例を示す平面図
【図4】車両検出部による検出結果の一例を示す平面図
【図5】物体検出ECUの動作の一例を示すフローチャート(前半部)
【図6】物体検出ECUの動作の一例を示すフローチャート(後半部)
【図7】路側物判定処理の一例を示す詳細フローチャート
【図8】車両検出部による他の検出方法の一例を示す平面図
【図9】本発明に係る物体検出装置の構成の変形例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明に係る物体検出装置の実施形態について説明する。本発明に係る物体検出装置は、車両に搭載され、レーダセンサからなる第1センサを介して該車両の周囲に存在する物体を検出する装置である。まず、図1、図2を用いて、車両に搭載された物体検出装置の構成の一例について説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る物体検出装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係る物体検出ECU(Electronic Control Unit)1(=物体検出装置に相当する)は、周辺機器としての入力機器2及び衝突判定ECU3と通信可能に接続されている。本実施形態においては、第1センサが自車両の後方に存在する物体を検出する場合について説明する。すなわち、物体検出ECU1が、自車両の後方において路側物の近傍を走行する他の車両を検出する場合について説明する(図3〜図5参照)。
【0029】
まず、図1を参照して、物体検出ECU1の入力機器2及び衝突判定ECU3について説明する。入力機器2は、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、右前側方レーダセンサ23、後方レーダセンサ24、ヨーレートセンサ25、及び、ステアリングセンサ26を備えている。
【0030】
前方レーダセンサ21(第2センサの一部に相当する)は、自車両の前面部に搭載され、自車両の前方に存在する物体(ここでは、路側物)を検出するレーダセンサであって、検出結果を物体検出ECU1(ここでは、図2に示す路側物検出部11)へ出力する。
【0031】
左前側方レーダセンサ22(第2センサの一部に相当する)は、自車両の前面部に搭載され、自車両の左前側方に存在する物体(ここでは、路側物)を検出するレーダセンサであって、検出結果を物体検出ECU1(ここでは、図2に示す路側物検出部11)へ出力する。
【0032】
右前側方レーダセンサ23(第2センサの一部に相当する)は、自車両の前面部に搭載され、自車両の右前側方に存在する物体(ここでは、路側物)を検出するレーダセンサであって、検出結果を物体検出ECU1(ここでは、図2に示す路側物検出部11)へ出力する。
【0033】
後方レーダセンサ24(第1センサに相当する)は、自車両の後面部に搭載され、自車両の後方に存在する物体(ここでは、他の車両)を検出するレーダセンサであって、検出結果を物体検出ECU1(ここでは、図2に示す車両検出部14)へ出力する。
【0034】
ヨーレートセンサ25は、自車両の適所に搭載され、レートジャイロ等からなり、ヨー角の変化する速さ(=車両の重心点を通る鉛直軸廻りの回転角速度)を示すヨーレートを検出するセンサであって、物体検出ECU1(ここでは、図2に示す判定部12)に対して、ヨーレートを示す信号を出力する。
【0035】
ステアリングセンサ26は、自車両の適所に搭載され、操舵角を検出するセンサであって、物体検出ECU1(ここでは、図2に示す判定部12)に対して、操舵角を示す信号を出力する。
【0036】
本実施形態では、第2センサが、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、及び、右前側方レーダセンサ23からなる場合について説明するが、第2センサが、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、及び、右前側方レーダセンサ23の内、少なくとも1つのセンサを含む形態であれば良い。また、図9を用いて後述するように、第2センサが、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、及び、右前側方レーダセンサ23に換えて(又は、加えて)、白線検出カメラ27を有する形態でも良い。
【0037】
また、本実施形態では、第1センサが、後方レーダセンサ24からなる場合について説明するが、第1センサが、自車両の前方、前側方、後方、及び、後側方の少なくとも1つの方向に存在する物体を検出するレーダセンサであれば良い。ただし、前記第2センサが、前記第1センサの検出領域よりも前方側に存在する物体を検出可能に構成されたセンサであることが好ましい。
【0038】
すなわち、この場合には、前記第2センサ(ここでは、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、及び、右前側方レーダセンサ23)が、前記第1センサ(ここでは、後方レーダセンサ24)の検出領域よりも前方側に存在する物体を検出可能に構成されたセンサであるため、前記第2センサを介して、前記他の車両よりも前方に存在する路側物を検出することができる。そこで、前記他の車両が前記路側物の位置近傍に到達したときに、前記路側物に対応する捕捉点による前記他の車両の検出位置に及ぼす影響を排除することができるので、前記第2センサを介して検出された路側物近傍を走行する車両の位置を正確に検出することができるのである。
【0039】
衝突判定ECU3は、物体検出ECU1(ここでは、図2に示す車両検出部14)から自車両の後方を走行する他の車両の相対位置情報等を受け付けて、前記他の車両が自車両と衝突する可能性の有無を判定するECUである。
【0040】
図2は、物体検出ECU1の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、物体検出ECU1は、機能的に、路側物検出部11、判定部12、位置取得部13、及び、車両検出部14を備えている。
【0041】
なお、物体検出ECU1は、物体検出ECU1の適所に配設されたマイクロコンピュータに、物体検出ECU1の適所に配設されたROM(Read Only Memory)等に予め格納された制御プログラムを実行させることにより、当該マイクロコンピュータを、機能的に、路側物検出部11、判定部12、位置取得部13、車両検出部14等の機能部として機能させる。
【0042】
路側物検出部11(路側物検出手段に相当する)は、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、及び、右前側方レーダセンサ23を介して、自車両の周囲に存在する物体を検出する機能部である。
【0043】
判定部12(判定手段に相当する)は、路側物検出部11によって路側物が検出されているか否かを判定する機能部である。具体的には、判定部12は、ヨーレートセンサ25及びステアリングセンサ26を介して、自車両が走行している車線を推定する。そして、判定部12は、推定された車線の外側に、路側物検出部11によって検出された物体が存在するか否かに基づいて、路側物であるか否かを判定する。また、判定部12は、路側物検出部11によって検出された物体が、静止物体であるか否かに基づいて、路側物であるか否かを判定する。すなわち、判定部12は、路側物検出部11によって検出された物体が、自車両が走行している車線の外側に存在する静止物体である場合に、路側物であると判定する。
【0044】
このようにして、ヨーレートセンサ25及びステアリングセンサ26の検出結果に基づいて、自車両が走行している車線の位置を推定することができる。そこで、自車両が走行している車線の外側に存在するか否かを判定することが可能となるため、物体が路側物であるか否かを正確に判定することができる。また、検出された物体が静止物体であるか否かに基づいて、検出された物体が路側物であるか否かが判定されるため、物体が路側物であるか否かを更に正確に判定することができる。
【0045】
本実施形態においては、判定部12が、ヨーレートセンサ25及びステアリングセンサ26の検出結果に基づいて、自車両が走行している車線の位置を推定する場合について説明するが、ヨーレートセンサ25及びステアリングセンサ26の少なくとも一方の検出結果に基づいて、路側物検出部11によって検出された物体が路側物であるか否かを判定する形態であれば良い。
【0046】
また、本実施形態においては、判定部12が、ヨーレートセンサ25及びステアリングセンサ26の検出結果に基づいて、自車両が走行している車線の位置を推定する場合について説明するが、判定部12が、その他の方法で、自車両が走行している車線の位置を推定する形態でも良い。例えば、判定部12が、自車両の前方に描かれた白線を検出する白線検出カメラの検出結果に基づいて、自車両が走行している車線の位置を推定する形態でも良い。この場合には、更に正確に車線の位置を推定することができる。
【0047】
更に、本実施形態においては、判定部12が、路側物検出部11によって検出された物体が、自車両が走行している車線の外側に存在する静止物体であるときに、路側物であると判定する場合について説明するが、判定部12が、その他の方法で路側物であるか否かを判定する形態でも良い。例えば、判定部12が、路側物検出部11によって検出された物体が、静止物体である場合に路側物であると判定する形態でも良い。この場合には、処理が簡略化される。
【0048】
位置取得部13(位置取得手段に相当する)は、判定部12によって路側物が検出されていると判定された場合に、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、及び、右前側方レーダセンサ23を介して、前記路側物の位置情報を取得する機能部である。例えば、路側物検出部11によって、前方レーダセンサ21を介して物体が検出されており、判定部12によって、該物体が路側物であると判定された場合には、位置取得部13は、前方レーダセンサ21を介して、該路側物の位置情報を取得する。すなわち、位置取得部13は、判定部12によって路側物であると判定された場合に、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、及び、右前側方レーダセンサ23の内、該路側物が検出されたセンサを介して、該路側物の位置情報を取得する。
【0049】
車両検出部14(車両検出手段に相当する)は、位置取得部13によって取得された前記路側物の位置情報に基づいて、後方レーダセンサ24を介して、前記路側物の近傍を走行する他の車両を検出する機能部である。また、車両検出部14は、検出した他の車両の位置情報等を衝突判定ECU3へ出力する。具体的には、車両検出部14は、前記路側物の近傍において、後方レーダセンサ24を介して取得された捕捉点が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する条件を変更する。更に、具体的には、車両検出部14は、前記路側物の近傍において、後方レーダセンサ24を介して取得された捕捉点が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する領域であるグルーピング領域を予め設定された所定比率に狭くする。ここで、グルーピング領域は、後方レーダセンサ24を介して取得された捕捉点を基準として、予め設定された大きさの矩形領域が設定される(図3、図4、図8参照)。
【0050】
以下に、図3及び図4を参照して、車両検出部14による処理の効果を説明する。図3は、従来の物体検出装置による検出結果の一例を示す平面図である。図3に示すように、自車両VC0は、図の上側に向けて走行しており、自車両VC0の側方(ここでは、右側)には、ガードレールGLが、自車両VC0が走行している車線に沿って配設されている。そして、自車両VC0の後方から、後方車両VC1が、位置P1、P2、P3と、自車両VC0に接近している。ここでは、便宜上、自車両VC0が静止している状態で説明する。
【0051】
後方車両VC1が、位置P1に存在している場合には、後方レーダセンサを介して、後方車両VC1の前面右端に白丸○で示す捕捉点T1が検出され、グルーピング領域G1Aが設定される。グルーピング領域G1Aには、捕捉点T1だけが含まれているため、黒丸●で示す位置P1Aが後方車両VC1の代表位置として決定され衝突判定等に用いられる。
【0052】
また、後方車両VC1が、位置P2に到達した場合には、後方レーダセンサを介して、後方車両VC1の前面右端に白丸○で示す捕捉点T2、及び、ガードレールGL上に白丸○で示す捕捉点T2Gが検出され、グルーピング領域G2Aが設定される。グルーピング領域G2Aには、2つの捕捉点(=捕捉点T2及び捕捉点T2G)が含まれているため、捕捉点T2と捕捉点T2Gとの中間位置に黒丸●で示す位置P2Aが後方車両VC1の代表位置として決定され衝突判定等に用いられる。
【0053】
更に、後方車両VC1が、位置P3に到達した場合には、後方レーダセンサを介して、後方車両VC1の前面右端に白丸○で示す捕捉点T3、及び、ガードレールGL上に白丸○で示す捕捉点T3Gが検出され、グルーピング領域G3Aが設定される。グルーピング領域G3Aには、2つの捕捉点(=捕捉点T3及び捕捉点T3G)が含まれているため、捕捉点T3と捕捉点T3Gとの中間位置に黒丸●で示す位置P3Aが後方車両VC1の代表位置として決定され衝突判定等に用いられる。
【0054】
すなわち、従来の物体検出装置では、後方車両VC1の代表位置は、位置P1A、位置P2A、位置P3Aと接近していると判定され、図3において太い破線で示す軌跡LAに沿って走行していると判定される。そこで、現実には、後方車両VC1は、自車両VC0の左側側方を通過する経路(図の細い破線で示す経路)で走行しているにも拘わらず、ガードレールGLに対応する捕捉点T2G、T3Gの影響を受けて、後方車両VC1が軌跡LAに沿って自車両VC0に向かっていると検出されるのである。
【0055】
図4は、本発明に係る物体検出ECU1(車両検出部14)による検出結果の一例を示す平面図である。図2を用いて上述のように、車両検出部14は、路側物(ここでは、ガードレールGL)の近傍において、後方レーダセンサ24を介して取得された捕捉点が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する領域であるグルーピング領域G1B、G2B、G3Bを、通常のグルーピング領域G1A、G2A、G3A(図3参照)と比較して、予め設定された所定比率(例えば、幅方向に2/3倍)に狭くする。
【0056】
その結果、後方車両VC1が、位置P2に到達した状態で、後方レーダセンサ24を介して検出されるガードレールGL上に白丸○で示す捕捉点T2Gは、グルーピング領域G2Bに含まれない。そこで、捕捉点T2の位置に黒丸●で示す位置P2Bが後方車両VC1の代表位置として決定され衝突判定等に用いられる。
【0057】
同様に、後方車両VC1が、位置P3に到達した状態で、後方レーダセンサ24を介して検出されるガードレールGL上に白丸○で示す捕捉点T3Gは、グルーピング領域G3Bに含まれない。そこで、捕捉点T3の位置に黒丸●で示す位置P3Bが後方車両VC1の代表位置として決定され衝突判定等に用いられる。
【0058】
その結果、後方車両VC1の代表位置は、位置P1B、位置P2B、位置P3Bと接近していると判定され、図4において太い破線で示す軌跡LBに沿って走行していると判定される。そこで、現実の後方車両VC1の走行経路(図の細い破線で示す経路)と同様に、後方車両VC1は、自車両VC0の左側側方を通過する軌跡LBに沿って走行していると検出される。そこで、ガードレールGLに対応する捕捉点T2G、T3Gの影響を排除することができるので、後方車両VC1の位置を正確に検出することができるのである。
【0059】
このようにして、路側物(ここでは、ガードレールGL)に対応する捕捉点T2G、T3Gを、他の車両(ここでは、後方車両VC1)の捕捉点T2、T3と判別するべく、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する条件を変更することによって、路側物近傍を走行する車両の位置を正確に検出することができる。また、グルーピング領域G1B、G2B、G3Bを適正な範囲に狭くすることによって、路側物に対応する捕捉点T2G、T3Gを、他の車両の捕捉点T2、T3と判別することができるので、路側物近傍を走行する車両の位置を更に正確に検出することができる。
【0060】
本実施形態では、車両検出部14が、路側物の近傍において、グルーピング領域G1B、G2B、G3Bを狭くする場合について説明するが、車両検出部14が、路側物の近傍において、後方レーダセンサ24を介して取得された捕捉点が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する条件を変更する形態であれば良い。例えば、車両検出部14が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する条件としての、捕捉点間の相対速度の差に対する閾値を小さくする形態でも良い。すなわち、複数の捕捉点が1つの物体の捕捉点であると判定する条件の1つとして、捕捉点間の相対速度の差が予め設定された所定の閾値(以下、「速度差閾値」という)以下であるとの条件を想定する。そして、車両検出部14が、路側物の近傍において、前記速度差閾値を小さくするのである。この場合にも、静止物である路側物の捕捉点を、移動体である他の車両(ここでは、後方車両VC1)の捕捉点と判別することができる。
【0061】
更に、グルーピング領域G1B、G2B、G3Bが予め設定された所定比率(ここでは、2/3)に狭くされるため、グルーピング領域を容易に変更することができる。また、所定比率を適正な値(ここでは、2/3)に設定することによって、路側物に対応する捕捉点T2G、T3Gを、他の車両の捕捉点T2、T3と判別することができるので、路側物近傍を走行する車両の位置を更に正確に検出することができる。
【0062】
また、本実施形態では、車両検出部14が、路側物の近傍において、グルーピング領域G1B、G2B、G3Bを予め設定された所定比率に狭くする場合について説明するが、車両検出部14が、グルーピング領域G1B、G2B、G3Bを狭くする形態であれば良い。例えば、車両検出部14が、路側物からの距離に応じて、グルーピング領域G2B、G3Bを設定する形態でも良い。例えば、車両検出部14が、捕捉点の位置が路側物から近い程、グルーピング領域G1B、G2B、G3Bを狭く設定する形態でも良い。この場合には、他の車両(ここでは、後方車両VC1)の位置を更に正確に検出することができる。
【0063】
図5、図6は、物体検出ECU1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、図5に示すように、路側物検出部11によって、前方レーダセンサ21を介して車両の周囲に存在する物体が検出される(S101)。次いで、路側物検出部11によって、左前側方レーダセンサ22を介して車両の周囲に存在する物体が検出される(S103)。次に、路側物検出部11によって、右前側方レーダセンサ23を介して車両の周囲に存在する物体が検出される(S105)。そして、判定部12によって、ステップS101、S103、S105のいずれかにおいて、物体が検出されたか否かの判定が行われる(S107)。物体が検出されていないと判定された場合(S107でNO)には、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。
【0064】
物体が検出されたと判定された場合(S107でYES)には、判定部12によって、ステップS101、S103、S105のいずれかにおいて検出された物体が路側物であるか否かの判定処理である路側物判定処理が行われる(S109)。そして、判定部12によって、ステップS109において路側物であると判定されたか否かの判定が行われる(S111)。路側物ではないと判定された場合(S111でNO)には、処理がステップS101に戻され、ステップS101以降の処理が繰り返し実行される。路側物であると判定された場合(S111でYES)には、位置取得部13によって、ステップS101、S103、S105のいずれかにおいて検出された路側物の位置情報が取得される(S113)。
【0065】
そして、図6に示すように、車両検出部14は、後方レーダセンサ24を介して物体の検出を行う(S115)。次いで、車両検出部14によって、ステップS115において物体が検出されているか否かの判定が行われる(S117)。物体が検出されていないと判定された場合(S117でNO)には、処理がステップS115に戻され、ステップS115以降の処理が繰り返し実行される。物体が検出されていると判定された場合(S117でYES)には、車両検出部14によって、図5に示すステップS113で取得された路側物の位置情報に基づいて、ステップS115において検出された物体が、図5に示すステップS101、S103、S105において検出された路側物の近傍であるか否か(例えば、路側物からの距離が予め設定された所定距離(例えば、5m)以内であるか否か)が判定される(S119)。
【0066】
路側物の近傍ではないと判定された場合(S119でNO)には、処理がステップS123に進められる。路側物の近傍であると判定された場合(S119でYES)には、車両検出部14によって、グルーピング領域が予め設定された所定比率に狭くされる(S121)。ステップS121の処理が終了した場合、又は、ステップS119でNOの場合には、車両検出部14によって、グルーピング領域内に2個以上の捕捉点が検出されているか否かの判定が行われる(S123)。捕捉点が1個だけ検出されていると判定された場合(S123でNO)には、処理がステップS127に進められる。2個以上の捕捉点が検出されていると判定された場合(S123でYES)には、車両検出部14によって、複数の捕捉点位置の平均位置が代表位置として算出される(S125)。ステップS123でNOの場合、又は、ステップS125の処理が終了した場合には、車両検出部14によって、代表位置情報が、衝突判定ECU3へ出力され(S127)、処理が終了される。
【0067】
図7は、図5に示すステップS109において実行される路側物判定処理の一例を示す詳細フローチャートである。なお、以下の処理が全て判定部12によって行われる。まず、図5のステップS101、S103、S105のいずれかにおいて検出された物体が、静止物体であるか否かの判定が行われる(S201)。静止物体ではないと判定された場合(S201でNO)には、路側物ではないと判定され(S215)、処理が図5のステップS111へリターンされる。静止物体であると判定された場合(S201でYES)には、ヨーレートセンサ25及びステアリングセンサ26からそれぞれヨーレート情報及び操舵角情報が取得される(S203)。
【0068】
そして、ステップS203において取得されたヨーレート情報及び操舵角情報に基づいて、自車両の走行軌道が推定される(S207)。次いで、ステップS207において求められた自車両の走行軌道に基づいて、自車両の走行車線が推定される(S209)。次に、図5のステップS101、S103、S105のいずれかにおいて検出された物体が、ステップS209において推定された自車両の走行車線の外側に存在するか否かの判定が行われる(S211)。走行車線の外側に存在すると判定された場合(S211でYES)には、路側物であると判定され(S213)、処理が図5のステップS111へリターンされる。また、走行車線の内側に存在すると判定された場合(S211でNO)には、路側物ではないと判定され(S215)、処理が図5のステップS111へリターンされる。
【0069】
ここで、図2に示す車両検出部14の変形例について説明する。図8は、車両検出部14による他の検出方法の一例を示す平面図である。ここでは、車両検出部14は、他の車両(ここでは、後方車両VC1)との衝突判定において用いる前記他の車両の位置である代表位置を、位置取得部13によって取得された前記路側物(ここでは、ガードレールGL)の位置情報に基づいて決定する機能部である。具体的には、車両検出部14は、後方レーダセンサ24から取得された前記他の車両に対応する捕捉点の内、前記路側物から最も離間した捕捉点の位置を前記他の車両の代表位置であると判定する。
【0070】
図8を用いて、車両検出部14の処理を具体的に説明する。後方車両VC1が、位置P2に到達した場合には、後方レーダセンサを介して、後方車両VC1の前面右端に白丸○で示す捕捉点T2、及び、ガードレールGL上に白丸○で示す捕捉点T2Gが検出され、グルーピング領域G2Cが設定される。グルーピング領域G2Cには、2つの捕捉点(=捕捉点T2及び捕捉点T2G)が含まれているため、車両検出部14によって、ガードレールGLから最も離間した捕捉点である捕捉点T2の位置(=黒丸●で示す位置P2C)が後方車両VC1の代表位置として決定される。
【0071】
また、後方車両VC1が、位置P3に到達した場合には、後方レーダセンサを介して、後方車両VC1の前面右端に白丸○で示す捕捉点T3、及び、ガードレールGL上に白丸○で示す捕捉点T3Gが検出され、グルーピング領域G3Cが設定される。グルーピング領域G3Cには、2つの捕捉点(=捕捉点T3及び捕捉点T3G)が含まれているため、車両検出部14によって、ガードレールGLから最も離間した捕捉点である捕捉点T3の位置(=黒丸●で示す位置P3C)が後方車両VC1の代表位置として決定される。
【0072】
その結果、後方車両VC1の代表位置は、位置P1C、位置P2C、位置P3Cと接近していると判定され、図8において太い破線で示す軌跡LCに沿って走行していると判定される。そこで、現実の後方車両VC1の走行経路(図の細い破線で示す経路)と同様に、後方車両VC1は、自車両VC0の左側側方を通過する軌跡LCに沿って走行していると検出される。そこで、ガードレールGLに対応する捕捉点T2G、T3Gの影響を排除することができるので、後方車両VC1の位置を正確に検出することができるのである。
【0073】
このようにして、路側物(ここでは、ガードレールGL)の位置情報に基づいて前記他の車両(ここでは、後方車両VC1)の代表位置が決定されるため、前記路側物に対応する捕捉点T2G、T3Gによる前記他の車両の代表位置に及ぼす影響を排除することができるので、適正な代表位置を決定することができる。また、後方レーダセンサ24から取得された前記他の車両からの捕捉点T2、T2G(又は、捕捉点T3、T3G)の内、少なくとも前記路側物から最も離間した捕捉点T2、T3は、前記路側物に対応する捕捉点ではないと推定される。そこで、前記路側物に対応する捕捉点T2G、T3Gによる前記他の車両の代表位置に及ぼす影響を簡素な構成で排除することができるので、適正な代表位置を決定することができる。
【0074】
図8に示す実施形態では、車両検出部14が、路側物(ここでは、ガードレールGL)から最も離間した捕捉点の位置を前記他の車両(ここでは、後方車両VC1)の代表位置であると判定する場合について説明したが、車両検出部14が、前記路側物の位置情報に基づいて、前記他の車両の代表位置を決定する形態であれば良い。
【0075】
例えば、車両検出部14が、前記路側物から予め設定された所定距離(例えば、1m)以上離間した捕捉点の位置を代表位置であると判定する形態でも良い。すなわち、路側物から予め設定された所定距離(例えば、1m)以上離間した捕捉点T2、T3は、路側物に対応する捕捉点T2G、T3Gではないと推定される。そこで、路側物に対応する捕捉点T2G、T3Gによる前記他の車両の代表位置に及ぼす影響を簡素な構成で排除することができるので、適正な代表位置を決定することができるのである。
【0076】
次に、図1、図2に示す物体検出装置の変形例について説明する。図9は、本発明に係る物体検出装置の構成の変形例を示すブロック図である。図9に示すように、図1に示す入力機器2に換えて、入力機器2Aが配設され、図1、図2に示す物体検出ECU1に換えて物体検出ECU1Aが配設されている。ここでは、図1、図2に示す物体検出装置との相違点について説明し、図1、図2に示す物体検出装置と共通する構成についてはその説明を省略する。
【0077】
入力機器2Aは、入力機器2の前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、右前側方レーダセンサ23、ヨーレートセンサ25、及び、ステアリングセンサ26に換えて、白線検出カメラ27を備えている。白線検出カメラ27(第2センサに相当する)は、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等からなり、自車両の走行している車線の両側に描かれた白線の位置を検出するカメラである。また、白線検出カメラ27は、自車両の走行している車線の両側に描かれた白線の外側に配設されたガードレール等の路側物を検出する。
【0078】
図8に示す形態においては、物体検出ECU1Aは、以下の点において、図2に示す物体検出ECU1の機能部と相違している。路側物検出部11は、前方レーダセンサ21、左前側方レーダセンサ22、及び、右前側方レーダセンサ23に換えて、白線検出カメラ27を介して自車両の周囲に存在する物体を検出する。また、判定部12は、ヨーレートセンサ25及びステアリングセンサ26に換えて、白線検出カメラ27を介して、自車両が走行している車線を推定する。
【0079】
このようにして、白線検出カメラ27を介して、自車両が走行している車線が推定されると共に、自車両の周囲に存在する物体が検出されるため、簡素な構成で、路側物近傍を走行する車両の位置を正確に検出することができる。
【0080】
図8に示す実施形態では、第1センサが、後方レーダセンサ24である場合について説明したが、第1センサが、車両の前方、前側方、後方、及び、後側方の少なくとも一方を検出するレーダセンサであれば良い。例えば、第1センサが、車両の前側方に存在する物体を検出するレーダセンサである形態でも良い。ただし、前記第2センサ(ここでは、白線検出カメラ27)が、前記第1センサ(ここでは、後方レーダセンサ24)の検出領域よりも前方側に存在する物体を検出可能に構成されたセンサであることが好ましい。
【0081】
すなわち、この場合には、前記第2センサ(ここでは、白線検出カメラ27)が、前記第1センサ(ここでは、後方レーダセンサ24)の検出領域よりも前方側に存在する物体を検出可能に構成されたセンサであるため、前記第2センサを介して、前記他の車両よりも前方に存在する路側物を検出することができる。そこで、前記他の車両が前記路側物の位置近傍に到達したときに、前記路側物に対応する捕捉点による前記他の車両の検出位置に及ぼす影響を排除することができるので、前記第2センサを介して検出された路側物近傍を走行する車両の位置を正確に検出することができるのである。
【0082】
なお、本発明に係る物体検出装置は、上記実施形態に限定されず、下記の形態でも良い。
(A)本実施形態においては、物体検出ECU1が、機能的に、路側物検出部11、判定部12、位置取得部13、車両検出部14等を備える場合について説明したが、路側物検出部11、判定部12、位置取得部13、及び、車両検出部14の内、少なくとも1つの機能部が電気回路等のハードウェアによって実現されている形態でも良い。
【0083】
(B)本実施形態においては、路側物が、ガードレールGLである場合について説明したが、路側物が、その他の種類の路側物(例えば、側壁、街灯、建築物等)である形態でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、例えば、車両に搭載され、レーダセンサからなる第1センサを介して該車両の周囲に存在する物体を検出する物体検出装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1、1A 物体検出ECU(物体検出装置)
11 路側物検出部(路側物検出手段)
12 判定部(判定手段)
13 位置取得部(位置取得手段)
14 車両検出部(車両検出手段)
2 入力機器
21 前方レーダセンサ(第2センサの一部)
22 左前側方レーダセンサ(第2センサの一部)
23 右前側方レーダセンサ(第2センサの一部)
24 後方レーダセンサ(第1センサ)
25 ヨーレートセンサ
26 ステアリングセンサ
27 白線検出カメラ(第2センサ)
3 衝突判定ECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、レーダセンサからなる第1センサを介して該車両の周囲に存在する物体を検出する物体検出装置であって、
該車両に搭載され、前記第1センサとは相違するセンサである第2センサを介して、該車両の周囲に存在する物体を検出する路側物検出手段と、
前記路側物検出手段によって路側物が検出されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって路側物が検出されていると判定された場合に、前記第2センサを介して、前記路側物の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段によって取得された前記路側物の位置情報に基づいて、前記第1センサを介して、前記路側物の近傍を走行する他の車両を検出する車両検出手段と、を備える物体検出装置。
【請求項2】
前記車両検出手段は、前記路側物の近傍において、前記第1センサを介して取得された捕捉点が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する条件を変更する、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項3】
前記車両検出手段は、前記第1センサを介して取得された捕捉点が、1つの物体の捕捉点であるか否かを判定する領域であるグルーピング領域を狭くする、請求項2に記載の物体検出装置。
【請求項4】
前記車両検出手段は、前記グルーピング領域を予め設定された所定比率に狭くする、請求項3に記載の物体検出装置。
【請求項5】
前記車両検出手段は、前記他の車両との衝突判定において用いる前記他の車両の位置である代表位置を、前記位置取得手段によって取得された前記路側物の位置情報に基づいて決定する、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項6】
前記車両検出手段は、前記第1センサから取得された前記他の車両に対応する捕捉点の内、前記路側物から予め設定された所定距離以上離間した捕捉点の位置を前記代表位置であると判定する、請求項5に記載の物体検出装置。
【請求項7】
前記車両検出手段は、前記第1センサから取得された前記他の車両に対応する捕捉点の内、前記路側物から最も離間した捕捉点の位置を前記他の車両の代表位置であると判定する、請求項5に記載の物体検出装置。
【請求項8】
前記第2センサは、前記第1センサの検出領域よりも前方側に存在する物体を検出可能に構成されたセンサである、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項9】
前記第2センサは、該車両の前方及び前側方の少なくとも一方を検出するレーダセンサであり、
前記第1センサは、該車両の前方、前側方、後方、及び、後側方の少なくとも1つの方向に存在する物体を検出する、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項10】
前記第2センサは、該車両の前方の路上に描かれている白線を検出するべく配設されたカメラであり、
前記第1センサは、該車両の前方、前側方、後方、及び、後側方の少なくとも1つの方向に存在する物体を検出する、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項11】
前記路側物は、ガードレールを含む、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項12】
前記判定手段は、ヨーレートセンサ及びステアリングセンサの少なくとも一方を介して、前記路側物検出手段によって検出された物体が路側物であるか否かを判定する、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項13】
前記判定手段は、前記路側物検出手段によって検出された物体が、前記車両が走行している車線の外側に存在するか否かに基づいて、路側物であるか否かを判定する、請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項14】
前記判定手段は、前記路側物検出手段によって検出された物体が、静止物体であるか否かに基づいて、路側物であるか否かを判定する、請求項1に記載の物体検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−211504(P2010−211504A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56734(P2009−56734)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】