説明

物品供給装置

【課題】複数個単位で切り出された集合品を、各物品が略隙間無く寄せられた状態で供給する。
【解決手段】供給コンベヤ22の上流側に接続される切り出しコンベヤ20は、物品貯留時には各コンベヤ20a,20b,20cに1個ずつ物品10を載置して停止し、物品切り出し時には切り出し数に対応する数のコンベヤ20a,20b,20cの走行を一斉に開始して供給コンベヤ22に切り出し数分の物品10を送り出す。供給コンベヤ22の搬送途中に、集合品を一対の支持片40,42で前後から挟んで各物品10を略隙間無く寄せた状態とする集合手段44が配設される。集合品の集合動作後に、前方に位置する一方の支持片40は搬送路外へ退避し、後方に位置する他方の支持片42は前進移動を停止または減速して次の集合品の集合動作を待機する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を所定タイミング毎に包装機へ供給する物品供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンベヤで搬送される物品を複数個ずつ切り出して包装機に向けて供給する装置として、例えば特許文献1に開示の供給装置が存在する。この供給装置は、前後が接した押せ押せ状態で搬送される物品の上下面を挟む一対の駆動ベルトを備えた分割供給コンベヤから下流側に接続した移送コンベヤへ所定個数の物品を送り出す際に、該分割供給コンベヤの速度を移送コンベヤの速度と同速度となるように加速して移送コンベヤ上に複数の物品を集合した状態で受渡すよう構成している。そのように構成することで、搬送する物品サイズが一定でかつ分割供給コンベヤにおける一対の駆動ベルトで挟まれる面が平らな物品について、移送コンベヤへ送り出される物品が等速期間に物品相互に隙間を生じさせないようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平6−104491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の供給装置では、形状が不定形、または軟弱で変形し易い、例えばパン類の如き物品を一列に集合して供給する場合においては、その物品を切り出す際に一対の駆動ベルトで物品を挟んで送り出す分割供給コンベヤでの物品の挟み圧がその都度変化し、個々の物品の送り出し量がまちまちとなって、移送コンベヤに所定数ずつ受渡されて集合した各物品間に隙間が生じた状態で下流側コンベヤへ送出されるといった問題が指摘される。
【0005】
横形製袋充填機での包装において所定数の物品の集合品を製袋手段で筒状成形されたフィルム中へ供給する場合、各物品間に隙間が生じて集合品毎の前後寸法が異なると、筒状フィルムにエンドシールする際に物品が噛み込む等の包装不良が発生するおそれがある。そこで、従来技術における供給装置を適用して切り出した物品の集合状態にて筒状フィルムへ送り込んだ場合では、物品の供給時に物品相互に生じる隙間を見越した長い物品長として設定し、その設定物品長に対応した長さの袋詰包装品を得るようにしており、物品を隙間無く集合した集合品を包装した包装品に対してフィルム使用量が多くなってコストが嵩むばかりでなく、得られる包装品は収容物品の前後のフィルムがだぶついた包装状態となって商品の見栄えにも影響を及ぼす等の問題がある。
【0006】
すなわち本発明は、例えばパン等の不定形で、軟らかく搬送処理時に変形し易い物品を包装機へ供給するにあたり、複数個ずつに切り出した集合品における各物品を略隙間無く寄せた状態で供給でき、併せて物品集合数や包装品種の変更に柔軟に対応し得る物品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る物品供給装置は、
包装機の製袋手段で成形される筒状フィルムに向けて物品を所定数ずつ切り出して供給する物品供給装置であって、
導入コンベヤと、
前記導入コンベヤから送り込まれた物品を搬送する、少なくとも物品の最大切り出し数と同数のコンベヤを連設した切り出しコンベヤと、
前記切り出しコンベヤから切り出された物品を前記製袋手段に向けて搬送するよう連続走行する供給コンベヤと、
前記供給コンベヤへ切り出された物品の集合品における前方と後方に突出して相互に近接するよう移動し、各物品相互の間隔を寄せる一対の支持片を有する集合手段と、
前記切り出しコンベヤから前記供給コンベヤへ送り出される物品を検知する切り出しセンサとの夫々を備え、
前記切り出しコンベヤは、複数の物品の切り出しに際して、前記導入コンベヤより高速に設定され、前記各コンベヤには、物品を1個ずつ載置して停止した後、切り出し数に対応する数のコンベヤの走行を一斉に開始して前記切り出しセンサでの検知数が切り出し数に達することで搬送停止するよう間欠作動し、その作動時における各コンベヤの速度は下流側コンベヤほど高速とし、かつ最下流のコンベヤを前記供給コンベヤの速度より高速となる搬送速度に設定し、
前記集合手段における一対の支持片は、前記複数の物品相互の間隔を寄せた後に、その集合品の前方に位置する一方の支持片を物品の搬送路外へ退避し、また他方の支持片を、次に供給コンベヤへ切り出す物品の前方を規制するべく搬送方向への前進移動を停止または減速するよう各支持片を夫々独立作動するよう構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記切り出しコンベヤは、搬送面に物品を吸着して搬送する無端ベルトで構成したことを要旨とする。
【0009】
請求項3に係る発明では、前記供給コンベヤは、複数の無端ベルトを並列に備え、前記集合手段の支持片を該無端ベルトにおける搬送面の下方から突出するよう構成したことを要旨とする。
【0010】
請求項4に係る発明では、前記供給コンベヤにおける下流側に、物品の側方を案内して搬送する一対の無端ベルトを備えるサイドコンベヤを設けたことを要旨とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、前記供給コンベヤの下流側に、前記製袋手段の下部空間に対応して渡りコンベヤを配設し、該渡りコンベヤの搬送速度を前記筒状フィルムのフィルム搬送速度と同速に設定したことを要旨とする。
【0012】
請求項6に係る発明では、前記供給コンベヤで搬送される物品を検知する供給センサを設け、該供給センサで検知した物品の前記筒状フィルムへの送り込みタイミングに合わせて、該筒状フィルムのフィルム搬送速度を変速するようにしたことを要旨とする。
【0013】
請求項7に係る発明では、品種設定手段によって設定された包装品種が、トレー詰め品等の如くコンベヤでの搬送時に物品を集合しない個別物品である場合には、前記切り出しコンベヤと導入コンベヤとを同速とし、かつその両コンベヤを、前記供給コンベヤより低速の搬送速度で夫々連続走行すると共に、前記集合手段における支持片を搬送路外へ退避させるようにしたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、例えばロールパンあるいは一口サイズのあんぱん等のように不定形で、また搬送処理時において変形し易い軟らかい性状の物品の搬送に際して複数個ずつ切り出した物品が下流側へ搬送される間に、各物品の前後に隙間がある場合でも集合手段により確実に各物品を略隙間無く寄せた集合品として横形製袋充填機の筒状フィルムに向けて所定間隔毎に送り込むことができ、適正な長さのフィルムによって包装された包装品を得ることができる。
また、切り出しコンベヤの各コンベヤに物品を1個ずつ載置して非接触状態で貯留するよう構成したから、個々の物品にはラインプレッシャーをかけることなく各物品を略隙間無く寄せた状態として下流側の供給コンベヤに供給し得る。
更に、切り出しコンベヤからの物品切り出し時には、上流から下流に向けて並ぶ各コンベヤの並び順にコンベヤ速度が順次高速となるよう設定したので、切り出しコンベヤから送り出される各物品の間隔を適切にあけて物品センサの物品検知を確実に行なって、切り出し数のカウントミスを防止し得る等の効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、切り出しコンベヤの各コンベヤを、物品を吸着して搬送する無端ベルトとしたから、物品を高速で切り出す場合においても、軽量物や搬送が不安定になり易い物品等、性状に関わりなく物品を位置ずれなく搬送することができる。
請求項3に係る発明によれば、支持片を供給コンベヤの搬送面の下方から搬送路へ突出する集合手段を配置したから、供給コンベヤの上部側には何等障害物が存在しないので、搬送物品の視認性や各種保守作業時の作業性を確保することができる。
請求項4に係る発明によれば、供給コンベヤの下流側のサイドコンベヤで物品の側方を搬送方向に向けて移動しつつ案内し得るから、集合品における各物品の整列姿勢を乱すことなく筒状フィルム内に安定して搬送し得る。
請求項5に係る発明によれば、供給コンベヤと製袋手段の下部空間に設けた渡りコンベヤの搬送速度を筒状フィルムのフィルム搬送速度と同速に設定したから、複数個単位の集合品の各コンベヤ間の渡り時と渡りコンベヤから筒状フィルムへの供給時において、例えば一口サイズのあんぱん等のパン類の如く比較的軽量で小サイズの物品であっても、その送り込み速度差で集合品における各物品の前後位置がバラけることなく送り込むことができる。すなわち、供給コンベヤから筒状フィルムへ至るまでの間において集合品の集合間隔や姿勢の乱れは発生しない。
請求項6に係る発明によれば、供給センサの物品検知の遅進度合に応じて筒状フィルムの搬送速度を減速または増速するよう変速することで、筒状フィルムに対して物品の送り込み間隔を常に一定にして適正な位置に送り込むことができる。
請求項7に係る発明によれば、複数物品をトレー詰めした物品の如く、コンベヤでの搬送時に集合させる必要がない物品である個別物品等の包装品種に対して、簡単な設定変更によって対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例に係る物品供給装置を示す概略平面図である。
【図2】実施例に係る物品供給装置を示す概略側面図である。
【図3】実施例に係る集合手段を下流側から視た正面図である。
【図4】実施例に係る物品供給装置の主要な制御ブロック図である。
【図5】実施例に係る物品供給装置で3個の物品を集合して供給する場合の工程を示す説明図である。
【図6】実施例に係る物品供給装置でトレー詰め品を供給する状態を示す説明図であって、(a)は装置全体の平面図であり、(b)は集合手段の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る物品供給装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、実施例に係る物品供給装置の全体構成を示すものであって、該物品供給装置は、ロールパンや一口サイズのあんぱん等のパン類の如く不定形で搬送処理時に変形し易い軟らかい物品10を1列で載置して搬送する搬送コンベヤ12の下流端に接続コンベヤ14が直交して接続され、搬送コンベヤ12で搬送される物品10は、接続コンベヤ14の接続部に対応して配設した傾斜コンベヤ16で物品10の側面が案内されて搬送方向が直交方向に変更されて接続コンベヤ14に送り込まれるよう構成される。また、接続コンベヤ14の下流側に、導入コンベヤ18、切り出しコンベヤ20、供給コンベヤ22および渡りコンベヤ24が順次直列に接続される。そして、物品10は、この渡りコンベヤ24を経て横形製袋充填機(以下、包装機と称す)のフィルム供給源から引き出されて製袋手段26により筒状に成形されたフィルム(筒状フィルム)F中に、複数の物品10を集合した集合品として所定間隔毎に供給されるよう構成される。なお、接続コンベヤ14は、物品10を導入コンベヤ18に向けて一列で整列した状態で案内し得るように該接続コンベヤ14で搬送される物品10の左右両側を案内する一対のガイド部材14a,14aが配設されている。
【0018】
前記導入コンベヤ18は、可変速モータとしてのサーボモータ30で無端ベルトを循環走行するコンベヤからなり、搬送方向の下流側の第1導入コンベヤ18aと上流側の第2導入コンベヤ18bとからなる導入コンベヤ18が直列に接続されている。各導入コンベヤ18a,18bの夫々の下流側に、該導入コンベヤ18a,18bから下流側に移送される物品10を検知する導入センサ32が配設され、それら導入コンベヤ18a,18bから下流側コンベヤへ物品10が移送される際に、それら導入センサ32による物品検知間隔に応じて下流側に接続されたコンベヤに移送される物品10の前後間隔を所定間隔とすべく導入コンベヤ18a,18bの搬送速度を変速するよう対応のサーボモータ30が加速または減速するよう制御される。
【0019】
前記第1導入コンベヤ18aの下流側には、切り出しコンベヤ20が接続され、該切り出しコンベヤ20は、可変速モータとしてのサーボモータ34で無端ベルトを循環走行する複数のコンベヤで構成される。本例では、最大集合数が3個である場合について例示したものであって、3基のコンベヤ20a,20b,20cを物品搬送方向の下流側から順に、第1コンベヤ20a、第2コンベヤ20b、第3コンベヤ20cと接続している。また、切り出しコンベヤ20を構成する各コンベヤ20a,20b,20cの有効搬送長は、図2または図5(a)に示す如く、物品10を1個ずつ載置するようにしたコンベヤ長とし、かつ各コンベヤ20a,20b,20cに載置した物品10,10を相互に非接触状態とし得るように配設される。各コンベヤ20a,20b,20cは、無端ベルトに複数の吸引孔を走行方向に所定間隔で穿設し、物品10を搬送面に負圧によって吸着して搬送する吸着コンベヤで構成されている。切り出しコンベヤ20におけるコンベヤの接続数は、少なくとも物品10を包装機に向けて搬送する際に個々の物品10を複数個ずつ集合した、集合品単位で一包装品とする包装品種の内での最大集合数(最大切り出し数)となる接続数以上であればよく、好ましくはその最大集合数と一致するコンベヤ数が設置される。
【0020】
前記各コンベヤ20a,20b,20cの夫々には、それら各コンベヤ20a,20b,20cへ物品10が到来したことを検知する物品センサ36a,36b,36cが配設される。切り出しコンベヤ20は、前記導入コンベヤ18から送り込まれた物品10が、最下流のコンベヤである第1コンベヤ20aに載置された際に該第1コンベヤ20aの走行を停止し、また、後続する物品10が順次第2コンベヤ20b、第3コンベヤ20cに至った時点で、第2、第3コンベヤ20b,20cの順に走行を停止して、それら全コンベヤ20a,20b,20cの走行を停止するよう間欠走行する。
【0021】
なお、前記切り出しコンベヤ20の全コンベヤ20a,20b,20cの停止時には、前記供給コンベヤ22への切り出しタイミングに達するまでの間において走行を停止すると共に、該切り出しコンベヤ20の上流側に接続した第1導入コンベヤ18aからの物品10の送り込みが阻止される。
【0022】
前記供給コンベヤ22への物品10の切り出しタイミングに至ることで、切り出しコンベヤ20における切り出し数に対応する数のコンベヤ20a,20b,20cが一斉に走行を開始し、切り出しコンベヤ20の最下流のコンベヤとなる第1コンベヤ20aから供給コンベヤ22に向けて物品10の切り出しが行なわれる。
【0023】
切り出しコンベヤ20における第1コンベヤ20aからの物品10の切り出しは、後述する集合手段44の一方の支持片40が所定位置まで前進したタイミングで、全コンベヤ20a,20b,20cの走行を開始し、切り出しコンベヤ20の下流側に接続された供給コンベヤ22に物品10が送り出されるのに伴い、前記物品センサ(切り出しセンサ)36aによって検知された物品10の通過数がカウントされ、そのカウント値が所定の切り出し数に達した際に、切り出しコンベヤ20における第1コンベヤ20aから供給コンベヤ22への物品10の送り込みを停止する。なお、切り出しコンベヤ20から供給コンベヤ22への物品10の切り出し時における、コンベヤの搬送速度は、供給コンベヤ<(第1コンベヤ>第2コンベヤ>第3コンベヤ)として設定されている。
【0024】
前記切り出しコンベヤ20の下流側に接続される前記供給コンベヤ22は、物品搬送中心を挟む左右に並列に配設した一対の無端ベルト22a,22aが速度制御モータ23で連続走行するよう駆動され、物品10を包装機における筒状フィルムFのフィルム搬送速度と略同一の搬送速度で包装機の製袋手段26へ向けて所定間隔毎に載置して搬送するよう構成される。
【0025】
また、供給コンベヤ22は、前記切り出しコンベヤ20による物品切り出し時において、第1コンベヤ20aの搬送速度より低速に設定されていることで、切り出しコンベヤ20から供給コンベヤ22に切り出された各物品10はその前後間隔が、相互に詰まった集合品として下流側に搬送される。
【0026】
前記供給コンベヤ22における上流側には、切り出しコンベヤ20から所定数ずつ送り込まれて集合した物品10が前進移動する際にその集合品の前後に位置して各物品10を相互に寄せる一対の支持片40,42を備えた集合手段44が設けられる。この集合手段44は、図3に示す如く、搬送方向と交差する左右に並列配置した一対の無端ベルトの一方となる第1の歯付き無端ベルト41に第1の支持片40を突設した第1規制体48と、他方の第2の歯付き無端ベルト43に第2の支持片42を突設した第2規制体52とから構成され、これら両歯付き無端ベルト41,43は可変速モータとしての第1サーボモータ46と第2サーボモータ50とにより夫々走行駆動される。両規制体48,52の歯付き無端ベルト41,43は、供給コンベヤ22の搬送面より下方に位置すると共に、各支持片40,42は、前記供給コンベヤ22における一対の無端ベルト22a,22a間に挟まれた搬送ラインの中央に位置して、図2または図3に示す如く、物品10が切り出しコンベヤ20から供給コンベヤ22に向けて移送されるタイミングに合わせて前記一対の支持片40,42を供給コンベヤ22の搬送面より下方から上方に突出させて該供給コンベヤ22で搬送される集合品の前方と後方とに臨ませ得るよう駆動される。
【0027】
一対の支持片40,42は、前記切り出しコンベヤ20から供給コンベヤ22に所定数ずつ切り出されて集合した物品10の前方に一方の支持片40(42)を前進移動すると共に、供給コンベヤ22の搬送速度より低速で走行するか停止することで切り出しコンベヤ20から送り込まれる集合品の先頭の物品10が当該一方の支持片40(42)に当接するタイミングに合わせて供給コンベヤ22の搬送速度に同調する速度で該一方の支持片40(42)が前進移動するよう設定される。また、供給コンベヤ22に送り込まれた集合品における最後尾の物品10の位置規制を行なう他方の支持片42(40)を、切り出しコンベヤ20から供給コンベヤ22に切り出されて集合した物品10の最後尾より後方に位置するように供給コンベヤ22の搬送路上に突出すると共に、該集合品の前方に位置する一方の支持片40(42)の前進速度より速く前進移動して両支持片40,42の間隔を縮めて、両支持片40,42によって各物品10の前後間隔を詰めた状態に寄せるように移動される。
【0028】
また、両支持片40,42によって各物品10が略隙間無く寄せられた後に、集合品の最後尾の物品10に後方から当接していた他方の支持片42(40)は、切り出しコンベヤ20によって所定数ずつ切り出される次の物品10の前方位置まで前進移動し、また集合品の先頭の物品10の前方に位置している一方の支持片40(42)は、物品10の規制を解除すると共に次に切り出しコンベヤ20から切り出される物品10の集合品の後方に位置するよう供給コンベヤ22の搬送速度より速い速度で前進移動するように前述した動作が繰り返し実施される。
【0029】
ここで、両支持片40,42による物品10の寄せ量は、パン類の如く不定形で軟かい物品10が相互に当接して加圧により変形して商品価値を損ねてしまうことが無い程度の軽接触状態とするように設定されており、品種設定手段58によって物品10のサイズや切り出し数が異なる集合品における搬送方向の長さ寸法である集合寸法が異なる包装品種が設定されるのに対して、その設定された包装品種の集合寸法に基づいて各支持片40,42が夫々所定の動作パターンに従って夫々独立して動作するよう各歯付き無端ベルト41,43を走行駆動するサーボモータ46,50が変速制御される。
【0030】
前記供給コンベヤ22における下流側には、図1に示す如く、前記集合手段44によって集合された物品10の搬送路を挟む位置に、下流端を渡りコンベヤ24の搬送始端部までに亘って延在した一対の無端ベルト54a,54aを対向配置したサイドコンベヤ54が配設される。各無端ベルト54aは、制御モータ55により供給コンベヤ22の搬送速度と同速で走行し、供給コンベヤ22で搬送される物品10の側方を物品搬送向きに案内するべく、対向する無端ベルト54a,54aのベルト面間の間隔が、供給コンベヤ22で搬送する物品10の横幅より僅かに広い間隔に調節され、物品10を搬送方向と交差する方向へ位置ずれさせることなく適正に整列した集合品として供給コンベヤ22から送り出すことができる。
【0031】
前記渡りコンベヤ24は、前記供給コンベヤ22の下流側に接続され、包装機の製袋手段26における底部に形成されたフィルムの折り返し案内部26aによって形成される三角状の空所(下部空間)Sに対応して配置され、包装機のフィルム搬送手段の駆動源に機械的に連繋して回転駆動される。
【0032】
製袋手段26で成形された筒状フィルムF中に、該筒状フィルムFの搬送速度と同速で物品10を所定間隔毎に送り込む。
【0033】
前記供給コンベヤ22における集合手段44での物品10の集合操作位置より下流側には、該供給コンベヤ22で搬送される物品10の到来を検知する供給センサ56が配設される。そして、この供給センサ56で検知された物品10が前記筒状フィルムF中へ送り込まれるタイミングについて規定タイミングとの差がある場合は、その差分に応じて包装機のフィルム搬送機構によるフィルム搬送速度を加速または減速するよう変速し、横シール手段等の包装機におけるその他の各種作動機構がそのフィルム搬送速度の変化に同調するよう駆動制御される。
【0034】
前記制御手段28には、図4に示す如く、前記導入コンベヤ18と切り出しコンベヤ20および前記集合手段44における一対の規制体48,52とを駆動する各サーボモータ30,34,46,50や供給コンベヤ22を駆動する速度制御モータ23とサイドコンベヤ54における一対の無端ベルト54a,54aを駆動する制御モータ55,55との夫々が接続され、また、導入コンベヤ18と切り出しコンベヤ20と供給コンベヤ22とに対応して配設された導入センサ32と物品センサ36a,36b,36cと供給センサ56との夫々とにより検知された物品10の検知信号が入力されるように接続されている。また制御手段28は、設定された物品10の切り出し数に対して、前記物品センサ(切り出しセンサ)36aの検知信号をカウントするカウント手段38を備える。更に、制御手段28には、データ入力や項目選択によって各種データを設定可能な、例えばタッチパネルディスプレイ等からなる品種設定手段58が接続されており、該品種設定手段58により包装品種毎に、前記一対の規制体48,52の動作データや、前記導入コンベヤ18、切り出しコンベヤ20、供給コンベヤ22、サイドコンベヤ54などの速度データや、包装機におけるフィルム搬送機構、その他の各種作動機構の動作データや物品切り出し数、包装処理能力、包装品のサイズなどの各種設定データが設定され、該設定データが制御手段28で記憶されるよう構成される。そして、品種設定手段58による品種設定操作によって設定した包装品種に応じて前記導入コンベヤ18と切り出しコンベヤ20と規制体48,52の各サーボモータ30,34,46,50並びに、供給コンベヤ22を駆動する速度制御モータ23とサイドコンベヤ54における一対の無端ベルト54a,54aを駆動する制御モータ55,55との夫々を制御手段28により駆動制御するよう構成される。また、実施例の物品供給装置では、複数ずつ物品10を集合した集合品を供給する場合に加えて、例えば、物品を複数個ずつトレーに詰め合わせたトレー詰め品などの個別物品の供給にも対応可能である。
【0035】
品種設定操作によって、搬送に伴って複数ずつの物品10を集合した集合品とすることなく、トレー詰め品10などの個別物品に対応した包装品種を設定するにあたり、前記切り出しコンベヤ20による物品10の前記切り出し動作並びに、前記集合手段44による物品10の集合動作を無効とするデータ設定がなされる。その設定によって、制御手段28は、供給コンベヤ22より上流側に位置する全てのコンベヤである切り出しコンベヤ20における第1〜第3コンベヤ20a,20b,20cおよび第1導入コンベヤ18aと第2導入コンベヤ18bとの夫々を、供給コンベヤ22の搬送速度より低速に設定された同一搬送速度で走行するよう各サーボモータ30,34を駆動制御して、トレー詰め品10を前記供給コンベヤ22の上流に接続した前記一連のコンベヤに当接状態で複数蓄積し、供給コンベヤ22に所定間隔毎に離間した状態としてトレー詰め品10を送り出す。また集合手段44については、各規制体48,52の支持片40,42を、供給コンベヤ22の搬送面より下方に没した位置で停止状態とするようサーボモータ46,50が駆動制御される(図6(b)参照)。
【0036】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る物品供給装置の作用につき説明する。なお、以下の説明では、何れの物品も一口サイズのあんパン等の小型パンであって、その物品10を3個または2個で複数集合した集合品として供給する場合と、その物品10を複数個ずつトレーに詰め合わせたトレー詰め品10からなる個別物品を供給する場合とについて、種々異なる包装品種として例に挙げて説明する。なお、集合品の供給で、3個または2個の物品について重複する部分についての説明は省略する。
【0037】
(物品の集合数が3個の場合)
前記搬送コンベヤ12に1列で載置されて搬送される物品10は、図1に示す如く、前記傾斜コンベヤ16により搬送方向が直交方向に変更されて前記接続コンベヤ14に送り込まれた後、2基の導入コンベヤ18a,18bを介して切り出しコンベヤ20に向けて搬送される。
【0038】
物品10が前記第2導入コンベヤ18bから第1導入コンベヤ18aを経て切り出しコンベヤ20における第3コンベヤ20cへ至るまでの各コンベヤ間での物品10の受け渡し時において、対応する各導入センサ32によって物品10の搬送間隔が検出される。そして、制御手段28は、夫々の導入センサ32での物品10の検出間隔から得られる物品10の搬送間隔と、予め定められた物品10の搬送間隔との差に応じて、受入れ側となる第1導入コンベヤ18aまたは切り出しコンベヤ20の第3コンベヤ20cの搬送速度を変速するようサーボモータ30,34が増減速制御される。このようにして、第1導入コンベヤ18aと第3コンベヤ20cとに対する物品10の搬送位置ずれが逐次修正される。
【0039】
切り出しコンベヤ20に送り込まれた3個の物品10が、下流側から順に接続される第1コンベヤ〜第3コンベヤ20a,20b,20cに順次1個ずつ載置され、それら各物品10が対応する物品センサ36a,36b,36cで検知されることで第1、第2、第3コンベヤ20a,20b,20cの順に停止する。この際、物品10は第1〜第3コンベヤ20a,20b,20cの夫々に非接触状態で1個ずつ載置される(図5(a)参照)。このように、物品10が夫々非接触状態となるからラインプレッシャーが物品10に作用することはなく、ロールパン等のように不定形で軟らかい性状の物品10であっても潰れて損傷するのは防止される。
【0040】
切り出しコンベヤ20の第1コンベヤ〜第3コンベヤ20a,20b,20cの夫々に物品10が載置されて停止した状態で、前記第1導入コンベヤ18aの下流側に物品10が到来して導入センサ32で検知された際には、該第1導入コンベヤ18aの走行を停止して、導入コンベヤ18から切り出しコンベヤ20への物品10の送り込みが阻止される。
【0041】
前記集合手段44の一方の支持片40が所定位置に至るタイミングで、前記第1〜第3コンベヤ20a,20b,20cの夫々が一斉に走行を開始し、切り出しコンベヤ20から物品10が切り出される。この切り出し動作によって、第1コンベヤ20aから走行中の供給コンベヤ22に物品10が順次送り込まれる際に、第1コンベヤ20aの物品センサ(切り出しセンサ)36aでの物品10の検知回数をカウント手段38でカウントし、そのカウント値が、切り出し数である「3」に達した際に、切り出しコンベヤ20における最下流のコンベヤとなる第1コンベヤ20aから供給コンベヤ22への物品10の切り出し動作を終了するよう第1〜第3コンベヤ20a,20b,20cの走行を停止する。
【0042】
なお、切り出しコンベヤ20から供給コンベヤ22へ物品10を切り出すときのコンベヤの搬送速度は、供給コンベヤ<(第1コンベヤ>第2コンベヤ>第3コンベヤ)として設定されているので、図5(b)に示す如く、切り出しコンベヤ20の終端となる第1コンベヤ20aから送り出されるまでの物品10相互の間隔は非接触状態を維持することができ、前記物品センサ36aによる検知ミスを解消して、それにより切り出し数のカウントミスを防止し得る。
【0043】
また、前記供給コンベヤ22は第1コンベヤ20aの搬送速度より低速であるから、供給コンベヤ22に切り出された各物品10は、その相互間隔が寄せられた状態の集合品となって供給コンベヤ22で搬送される。なお、前記切り出しコンベヤ20の各コンベヤ20a,20b,20cを夫々吸着コンベヤとすることで、軽量物やコンベヤへの載置面がスリップし易い形状や材質などで搬送が不安定になり易いなどの特性をもった物品10であっても、高速搬送によって搬送位置ずれを生じることなく物品10を良好に切り出すことができる。
【0044】
3個の物品10が切り出しコンベヤ20から送り出されることで、次の切り出しのための3個の物品10が前記第1導入コンベヤ18aから切り出しコンベヤ20の第1〜第3の各コンベヤ20a,20b,20cに向けて搬送される。そして、それら各コンベヤに物品10が到来して夫々の物品センサ36a,36b,36cで検知されるまで第1〜第3の各コンベヤ20a,20b,20cは走行を継続し、物品10が夫々のコンベヤに載置された際にそのコンベヤの走行を停止するようサーボモータ34が駆動制御されて次の物品切り出しタイミングに至るまで第1〜第3の各コンベヤ20a,20b,20cの走行を停止した状態で待機する。
【0045】
前記供給コンベヤ22に3個ずつの物品10を切り出す際に、前記第1規制体48の第1サーボモータ46と前記第2規制体52の第2サーボモータ50との夫々を駆動して、例えば第1の支持片(一方の支持片)40を1個目の物品10の前方に突出させ、その支持片40に物品10が当接するタイミングに合わせて(図5(a)参照)、該第1の支持片40を供給コンベヤ22の搬送速度と同速で所定距離に亘って前進移動する。また、3個の物品10を切り出しコンベヤ20から供給コンベヤ22に切り出した後に、第2の支持片(他方の支持片)42を集合品の後方に位置するように供給コンベヤ22の搬送面上に突出する。そして、第2の支持片42が、集合品の前方に位置する第1の支持片40の前進速度より速い速度で前進移動することで、第1の支持片40に対して第2の支持片42が近接し、このとき集合品は3個の物品10が相互に寄せられて物品間に隙間の無い状態とされる(図5(b)参照)。
【0046】
前記第1の支持片40と第2の支持片42とによる寄せ量が、予め設定された値となったときに、第1の支持片40を供給コンベヤ22の搬送速度より速い速度で前進して第1の支持片40による先頭の物品10の規制が解除される。また集合品の後方に位置していた第2の支持片42は、供給コンベヤ22の搬送速度より遅い速度で前進移動するかまたは略停止状態となって、次に切り出しコンベヤ20から切り出される3個の物品10からなる集合品の先頭の物品10を規制するよう作用する(図5(c)参照)。
【0047】
前記3個の集合品の先頭の物品10の規制を解除した第1の支持片40は、供給コンベヤ22上に突出した位置から下方に没し、3個の物品10が略隙間無く寄せられた集合品の下流側への搬送は許容される。また当該第1の支持片40は、前記第2の支持片42で先頭の物品10が規制される次の3個の集合品の最後尾の物品10の後方に突出状態で臨むよう移動して、次の3個の物品10の集合動作が行なわれる。
【0048】
前記集合手段44により各物品10が略隙間無く寄せられた集合品は、供給コンベヤ22の下流側を前記製袋手段26に向けて搬送される際に、前記サイドコンベヤ54の無端ベルト54a,54aの走行によって各物品10の側部が搬送方向に向けて案内されるので、物品10の集合状態の姿勢を乱すことなく、また、略隙間無く3個集合した各物品相互の間隔を広げること無く良好に搬送することができる。
【0049】
前記供給コンベヤ22から前記筒状フィルムFに向けて供給される物品10は、前記製袋手段26の底部に形成された空所Sに対応して配置した渡りコンベヤ24に載置して筒状フィルムFに送り込むことができる。また、渡りコンベヤ24は、フィルム搬送速度と同じ速度に設定され、更には、フィルム搬送動作と同じ動作を行なうように設定されているので、供給コンベヤ22から渡りコンベヤ24を経て筒状フィルムFに送り込まれる物品10は、集合手段44によって各物品10が略隙間無く寄せられた集合品として、その集合状態の乱れを防止して良好に搬送することができる。特に、一口サイズのあんパン等のような小物品を、集合して筒状フィルムFに供給する際にも、フィルム直前で各物品10の前後間隔が拡がってしまうことなく、その集合状態を維持した状態で送り込むことができる。
【0050】
また、前記供給コンベヤ22の搬送途上で前記供給センサ56で検知した物品10を筒状フィルムFへ送り込むタイミングについて、規定タイミングと偏差がある場合に、その差分について、前記包装機のフィルム搬送機構によるフィルム搬送速度を変速して、集合品を一定間隔ごとに筒状フィルムFに送り込むことができる。また、フィルム搬送機構の動作に連動して横シール手段等の包装機の各作動機構が駆動制御され、筒状フィルムF中に供給された各集合品の間で、物品10を噛み込むことなくフィルムの搬送方向と交差する方向に横シール手段によって横シール・切断して、集合品を一袋内に収容したピロー包装品が得られる。
【0051】
(物品の集合数が2個の場合)
物品10の集合数が2個の包装品種である場合には、前記第1導入コンベヤ18aから切り出しコンベヤ20に順次送り込まれた物品10が、第1および第2コンベヤ20a,20bに夫々1個ずつ載置されて停止した状態で、前記第3コンベヤ20cに物品10が到来して物品センサ36cで検知された際には、該第3コンベヤ20cの走行が停止し、また、後続する物品10が前記第1導入コンベヤ18aの下流側に到来して導入センサ32で検知された際には、該第1導入コンベヤ18aの走行を停止して、導入コンベヤ18から切り出しコンベヤ20への物品10の送り込みが阻止される。
【0052】
前記集合手段44の例えば第1の支持片40が所定の位置に至るタイミングで、第1および第2コンベヤ20a,20bが走行を開始する。この際に、切り出しコンベヤ20から供給コンベヤ22への物品10を切り出すときのコンベヤの搬送速度は、供給コンベヤ<(第1コンベヤ>第2コンベヤ)として設定される。
【0053】
2個の物品10が切り出しコンベヤ20から送り出されたことを、第1コンベヤ20aの物品センサ(切り出しセンサ)36aで検知して、そのカウント数が「2」に達した後に後続する物品10が第1および第2コンベヤ20a,20bに順次載置されることにより、それら各コンベヤ20a,20bの走行を停止する。また、物品10の切り出しにより第3コンベヤ20cより上流にある物品10が順次下流側に搬送され、第1および第2コンベヤ20a,20bの夫々は1個ずつの物品10が載置されて走行を停止し、次の物品切り出しを待機する。
【0054】
前記供給コンベヤ22に2個ずつの物品10を切り出す際には、前述した3個の場合と同様に2個の物品10を集合した集合品の搬送方向の長さに対応して、一対の支持片40,42による集合動作がなされて各物品10相互の間隔が詰まった状態に寄せた後、前記製袋手段26により成形される筒状フィルムFに向けて所定間隔毎に供給される。
【0055】
このように、集合数を3個あるいは2個とするなど物品10を複数個ずつ切り出して集合品として供給する場合においては、パン等の不定形で、軟らかく搬送処理時に変形し易い物品であっても、筒状フィルムFに送り込まれるまでに商品価値が低下してしまうような物品10の変形が生じることなく、各物品10相互に略隙間のない集合状態として筒状フィルムFに向けて供給することができる。それにより、筒状フィルムFの横シール間隔を各物品10が隙間なく集合した集合品の長さに適合した値に設定された袋長さからなるピロー包装品を得ることができる。すなわち、フィルム使用量を適正な値にし得ると共に、袋詰めされた内容物とその周りを覆うフィルムとでだぶつきのない見栄えの良好な包装品が得られる。
【0056】
前記集合手段44は、各支持片40,42を夫々独立して移動するから、物品10の搬送方向の長さと集合数とからなる集合品の長さに応じて品種設定手段58によって設定した所定の動作データに基づきサーボモータ46,50の駆動パターンを変更するなどによる簡単な設定操作により、各種の包装品種に対応することができる。また、集合手段44の歯付き無端ベルト41,43などの規制体48,52を供給コンベヤ22の搬送面より下方に配置したから、該供給コンベヤ22の上部側には何等障害物が存在しないので、搬送物品の視認性や各種保守作業時の作業性を確保することができる。
【0057】
(トレー詰め品の場合)
品種設定手段58によって、例えば物品10を複数個ずつトレーに詰め合わせたトレー詰め品10からなる個別物品を選択設定した場合は、前記供給コンベヤ22より上流に位置する切り出しコンベヤ20の第1コンベヤ〜第3コンベヤ20a,20b,20cと第1導入コンベヤ18aと第2導入コンベヤ18bとの全てのコンベヤを供給コンベヤ22の搬送速度より低速となる同一の搬送速度で走行するよう対応する各サーボモータ30,34を駆動制御する。また、前記集合手段44においては各規制体48,52の各支持片40,42が、図6(b)に示すように供給コンベヤ22の搬送面より下方に没して停止状態とするように、各規制体48,52の夫々を独立して駆動する各サーボモータ46,50を駆動制御する。
【0058】
前記搬送コンベヤ12で搬送されるトレー詰め品10は、接続コンベヤ14を介して第2導入コンベヤ18bに送り込まれ、その下流側のコンベヤ18a,20c,20b,20aに順に送られる。そして、図6(a)に示す如く、第1コンベヤ20aから前記供給コンベヤ22に送り出されるトレー詰め品10は、供給コンベヤ22とその上流側のコンベヤ20a,20b,20c,18a,18bとの速度差によって所定間隔毎に離間して供給コンベヤ22に供給される。
【0059】
前記供給コンベヤ22で搬送されるトレー詰め品10が供給センサ56で検知されることで、前述した集合品を包装する場合と同様に、トレー詰め品10は、前記製袋手段26で成形されて得られた筒状フィルムFに定間隔毎に供給される。なお、トレー詰め品10においては、個々の物品の搬送姿勢が乱れることはないので、前記サイドコンベヤ54の無端ベルト54a,54aを供給コンベヤ22で搬送するトレー詰め品10の側部から離間した退避位置となるように位置調節すると共に、無端ベルト54a,54aの走行を停止するように設定して、固定ガイドとして作用させるようにすればよい。
【0060】
このように実施例の物品供給装置は、複数個単位で物品10を切り出す場合のみならず、物品10の前後間隔が変化しないトレー詰め品10等の個別物品の供給についても、簡単な品種選択操作により対応することができる。
【0061】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されず、以下のようにも変更可能である。
(1) 実施例では、物品10を集合包装する際の集合品としての物品数を2個または3個としたが、それ以上の複数物品についても対応可能である。
(2) 集合手段44は、供給コンベヤ22の下部に配設した一対の規制体48,52における各歯付き無端ベルト41,43の夫々に1つの支持片40,42を突設したものを採用したが、歯付き無端ベルトの並列数や各歯付き無端ベルトへの支持片の配設数は特定されるものでなく、またコンベヤ基部を昇降可能として、支持片を供給コンベヤ22の下方から突出させて水平移動する形態など、その他各種実施形態が採用可能である。また、歯付き無端ベルトに代えて無端チェン等の索体に支持片を配設するものであってもよい。更に、支持片40,42を供給コンベヤ22の2本の無端ベルト22a,22aの中央から上方に突出するように構成したが、供給コンベヤ22の搬送面の上方に支持片40,42を上方または側方から臨ませるよう供給コンベヤ22における搬送路の上方あるいは側方に集合手段44を配置する構成など、集合品の前後位置において各物品10の集合動作を行なうことが可能な各種形態を採用し得る。
(3) 切り出しコンベヤ20の上流側に接続した導入コンベヤ18は、1基、あるいは3基以上の複数基とする等、コンベヤ長や物品10の搬送方向の長さ等、種々の条件に応じた設置数を採用し得る。
(4) 実施例では、導入コンベヤ18の上流側に接続コンベヤ14と傾斜コンベヤ16と搬送コンベヤ12を設けたが、これらコンベヤは、物品10が製造ラインから包装機に至るまでの設置スペースや各種搬送条件等、その他必要に応じて採用すればよい。
【符号の説明】
【0062】
10 物品、トレー詰め品,18 導入コンベヤ,20 切り出しコンベヤ
20a 第1コンベヤ,20b 第2コンベヤ,20c 第3コンベヤ
22 供給コンベヤ,22a 無端ベルト,24 渡りコンベヤ,26 製袋手段
36a 切り出しセンサ,40 第1の支持片,42 第2の支持片,44 集合手段
54 サイドコンベヤ,54a 無端ベルト,56 供給センサ,58 品種設定手段
F 筒状フィルム,S 空所(下部空間)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機の製袋手段(26)で成形される筒状フィルム(F)に向けて物品(10)を所定数ずつ切り出して供給する物品供給装置であって、
導入コンベヤ(18)と、
前記導入コンベヤ(18)から送り込まれた物品(10)を搬送する、少なくとも物品(10)の最大切り出し数と同数のコンベヤ(20a,20b,20c)を連設した切り出しコンベヤ(20)と、
前記切り出しコンベヤ(20)から切り出された物品(10)を前記製袋手段(26)に向けて搬送するよう連続走行する供給コンベヤ(22)と、
前記供給コンベヤ(22)へ切り出された物品(10)の集合品における前方と後方に突出して相互に近接するよう移動し、各物品(10)相互の間隔を寄せる一対の支持片(40,42)を有する集合手段(44)と、
前記切り出しコンベヤ(20)から前記供給コンベヤ(22)へ送り出される物品(10)を検知する切り出しセンサ(36a)との夫々を備え、
前記切り出しコンベヤ(20)は、複数の物品(10)の切り出しに際して、前記導入コンベヤ(18)より高速に設定され、前記各コンベヤ(20a,20b,20c)には、物品(10)を1個ずつ載置して停止した後、切り出し数に対応する数のコンベヤ(20a,20b,20c)の走行を一斉に開始して前記切り出しセンサ(36a)での検知数が切り出し数に達することで搬送停止するよう間欠作動し、その作動時における各コンベヤ(20a,20b,20c)の速度は下流側コンベヤほど高速とし、かつ最下流のコンベヤ(20a)を前記供給コンベヤ(22)の速度より高速となる搬送速度に設定し、
前記集合手段(44)における一対の支持片(40,42)は、前記複数の物品(10)相互の間隔を寄せた後に、その集合品の前方に位置する一方の支持片を物品(10)の搬送路外へ退避し、また他方の支持片を、次に供給コンベヤ(22)へ切り出す物品(10)の前方を規制するべく搬送方向への前進移動を停止または減速するよう各支持片(40,42)を夫々独立作動するよう構成した
ことを特徴とする物品供給装置。
【請求項2】
前記切り出しコンベヤ(20)は、搬送面に物品(10)を吸着して搬送する無端ベルトで構成した請求項1記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記供給コンベヤ(22)は、複数の無端ベルト(22a)を並列に備え、前記集合手段(44)の支持片(40,42)を該無端ベルト(22a)における搬送面の下方から突出するよう構成した請求項1または2記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記供給コンベヤ(22)における下流側に、物品(10)の側方を案内して搬送する一対の無端ベルト(54a,54a)を備えるサイドコンベヤ(54)を設けた請求項1〜3の何れか一項に記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記供給コンベヤ(22)の下流側に、前記製袋手段(26)の下部空間(S)に対応して渡りコンベヤ(24)を配設し、該渡りコンベヤ(24)の搬送速度を前記筒状フィルム(F)のフィルム搬送速度と同速に設定した請求項1〜4の何れか一項に記載の物品供給装置。
【請求項6】
前記供給コンベヤ(22)で搬送される物品(10)を検知する供給センサ(56)を設け、該供給センサ(56)で検知した物品(10)の前記筒状フィルム(F)への送り込みタイミングに合わせて、該筒状フィルム(F)のフィルム搬送速度を変速するようにした請求項1〜5の何れか一項に記載の物品供給装置。
【請求項7】
品種設定手段(58)によって設定された包装品種が、トレー詰め品等の如くコンベヤでの搬送時に物品(10)を集合しない個別物品である場合には、前記切り出しコンベヤ(20)と導入コンベヤ(18)とを同速とし、かつその両コンベヤ(18,20)を、前記供給コンベヤ(22)より低速の搬送速度で夫々連続走行すると共に、前記集合手段(44)における支持片(40,42)を搬送路外へ退避させるようにした請求項1〜6の何れか一項に記載の物品供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−63287(P2011−63287A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214941(P2009−214941)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】