説明

物品包装機

【課題】帯状フィルムに物品を包装する場合の作業を効率よく行うことができる物品包装機を提供すること。
【解決手段】裏面側フィルム1bと表面側フィルム1aからなる長手方向に延びた帯状フィルム1の幅方向両側が予めシールされることで両フィルム1a,1b間に収容空間を形成可能であり、長手方向に沿って所定間隔ごとに表面側に幅方向に沿ったスリット1dが形成してあるフィルム1を用いて、このスリット1dから物品Sを投入して包装するための物品包装機であって、フィルム1を長手方向に沿って移送するフィルム移送機構と、フィルム1の幅方向両側においてフィルム1を挟持し、帯状フィルム1を挟持した状態で、スリット1dを開閉させてスリット1dを介しての物品投入を可能にするための挟持機構40と、物品Sが投入された後、スリット1dが形成されている領域をシールするシール機構50と、シール領域を切断する切断ワイヤー504とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面側フィルムと表面側フィルムからなる長手方向に延びた帯状フィルムの幅方向両側が予めシールされることで裏面側フィルムと表面側フィルムの間に収容空間を形成可能であり、長手方向に沿って所定間隔ごとに表面側に幅方向に沿ったスリットが形成してある帯状フィルムを用いて、このスリットから物品を投入して包装するための物品包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
袋状に形成される帯状フィルムに物品を収容した後、シールする物品包装機は種々知られている(例えば、下記特許文献1)。帯状フィルムに包装すべき物品を投入した後、所定の箇所をシールすることで包装が完了する。包装を完了するまでには、ロール状に巻き取られた帯状フィルムを所定量引き出す作業、帯状フィルムを所定のサイズに切断する作業、帯状フィルムの中に物品を収容させる作業、物品が収容された帯状フィルムの開口部をシールする作業などがあげられるが、これらの作業をすべて自動化した物品包装機は存在しない。特に、帯状フィルムの中に物品を投入するためには、開口部を拡げるなどの作業が必要であり、これは手作業で行われることが多く、包装作業の効率が低下している。
【特許文献1】特開2003−048250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、帯状フィルムに物品を包装する場合の作業を効率よく行うことができる物品包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため本発明に係る物品包装機は、
裏面側フィルムと表面側フィルムからなる長手方向に延びた帯状フィルムの幅方向両側が予めシールされることで裏面側フィルムと表面側フィルムの間に収容空間を形成可能であり、長手方向に沿って所定間隔ごとに表面側に幅方向に沿ったスリットが形成してある帯状フィルムを用いて、このスリットから物品を投入して包装するための物品包装機であって、
帯状フィルムを長手方向に沿って移送するためのフィルム移送機構と、
帯状フィルムの幅方向両側において帯状フィルムを挟持し、帯状フィルムを挟持した状態で、前記スリットを開閉させてスリットを介しての物品投入を可能にするためのフィルム挟持機構と、
物品が投入された後、スリットが形成されている領域をシールするフィルムシール機構と、
シール領域を切断するフィルム切断機構とを備えていることを特徴とするものである。
【0005】
かかる構成を有する物品包装機の作用・効果を説明する。この物品包装機で使用される帯状フィルムは、裏面側フィルムと表面側フィルムの幅方向両側が予めシールされている。これにより、裏面側・表面側フィルムの間に物品を収容するための収容空間を形成することができる。また、帯状フィルムの表面側には、長手方向に沿って所定間隔ごとに幅方向に沿ったスリットが形成されている。このスリットは、物品を投入するための開口部として機能するものであるが、物品を投入した後はシールされる。
【0006】
帯状フィルムの長手方向に沿って移送するためのフィルム移送機構が設けられている。フィルム移送機構により移送されてきた帯状フィルムは、フィルム挟持機構により、幅方向両側が挟持される。このフィルム挟持機構により帯状フィルムを挟持した状態で、スリットを開閉させる。すなわち、スリットを開かせることで、物品を投入するための開口部が形成されるので、物品の投入を確実に行うことができ、自動化も可能になる。物品が投入された後、スリット形成領域をフィルムシール機構によりシールする。また、シールされた領域をフィルム切断機構により切断する。これにより、帯状フィルムへの物品の包装が完了する。このように、物品を収容するまでの一連の手順を自動的に行うことができ、作業効率が改善される。その結果、帯状フィルムに物品を包装する場合の作業を効率よく行うことができる物品包装機を提供することができる。
【0007】
本発明において、前記フィルム挟持機構は、
スリットが形成されている領域の幅方向両側に夫々位置し、帯状フィルムのフィルム面を挟持する一対の挟持部材からなる挟持ユニットと、
帯状フィルムの幅方向両側にフィルム面に直交した状態に設定される回転軸芯と、
挟持ユニットがフィルム面を挟持する状態と挟持しない状態とに切り替えるための第1挟持ユニット駆動機構と、
前記回転軸芯周りに挟持ユニットを回転させる第2挟持ユニット駆動機構とを備え、
挟持ユニットがフィルム面を挟持した状態で回転軸芯周りに回転することで、スリットが開くように作用させることが好ましい。
【0008】
フィルム挟持機構として、挟持ユニットを備えており、帯状フィルムのフィルム面を挟持する一対の挟持部材を備えている。この一対の挟持部材は、スリット形成領域の幅方向両側に夫々配置される。挟持ユニットは、フィルム面に直交した状態に設定される回転軸芯周りに回転可能に設けられる。挟持ユニットを駆動する機構として、第1・第2挟持ユニット駆動機構を備えている。第1挟持ユニット駆動機構は、フィルム面を挟持する状態と挟持しない状態を切り替えるための機構である。第2挟持ユニット駆動機構は、フィルム面を挟持した状態で挟持ユニットを回転軸芯周りに回転させる。この動作によりスリットが開く方向に帯状フィルムを変形させることができる。以上のような挟持ユニットを設けることで、簡単な動作によりスリットの開閉制御を行うことができる。
【0009】
本発明において、幅方向両側に設けられている挟持ユニットを機械的に連動させるための連動部材が設けられていることが好ましい。
【0010】
帯状フィルムの幅方向両側を夫々挟持ユニットで挟持して回転動作をさせる場合、幅方向両側にある挟持ユニットが同じ動きをする必要がある。同じ動きをさせることで、スリットが幅方向にわたって均等に開くようにすることができる。そこで、幅方向両側の挟持ユニットを連動部材により連動させることで、スリットの開閉を適切に行うことができる。
【0011】
本発明において、挟持部材は、回転軸芯に支持される回転支持部と、フィルム面を挟持する挟持作用部と、回転支持部と挟持作用部とを連結する連結部とを有しており、挟持部材を回転させることで幅方向両側に位置する挟持作用部間の距離が短くなることで、スリットを開くように作用させることが好ましい。
【0012】
挟持部材は、フィルム面を挟持する挟持作用部を備えており、挟持部材を回転させると、幅方向両側に位置する挟持作用部どうしの間隔が短くなる。これにより、スリットが開く方向に動作する。このように、挟持部材を回転させるという簡単な動作によりスリットを開閉制御することができる。
【0013】
本発明において、挟持ユニットの一対の挟持部材の間に帯状フィルムを導くためのフィルム案内部材を備え、このフィルム案内部材は、挟持ユニットの回転駆動に連動して追従するように構成したことが好ましい。
【0014】
一対の挟持部材で帯状フィルムを挟持するためには、一対の挟持部材の間に帯状フィルムを導く必要がある。そこで、フィルム案内部材を設けることで、帯状フィルムを所定の場所へうまく導くことができる。また、フィルム案内部材は挟持ユニットの回転駆動に連動して追従するように構成されている。これにより、挟持ユニットの位置にかかわらず、帯状フィルムを適切にガイドすることができる。
【0015】
本発明において、スリットを開口させるための送風を行うスリット開口ファンを備えていることが好ましい。かかるファンを設けることで、挟持ユニットの作用と相まって、確実にスリットを開かせることができる。
【0016】
本発明に係る帯状フィルムには、長手方向の位置を検出するためのマークが付与されており、このマークを検出するためのマーク検出手段と、
マークの検出結果に基づいて、帯状フィルムを所定の位置に移送させて停止するためのフィルム移送制御手段とを備えていることが好ましい。
【0017】
帯状フィルムを挟持ユニットにより挟持する場合、スリット近傍の所定の箇所を挟持させる必要がある。そこで、帯状フィルムに、長手方向の位置を検出するためのマークを付与し、このマークを検出することで、帯状フィルムを適切な位置に移送することができる。
【0018】
本発明に係るフィルムシール機構は、
帯状フィルムのスリット形成領域をシールして切断するためのフィルムシール部と、
このフィルムシール部の作動を制御するシール制御部とを備え、
フィルムシール部は、
帯状フィルムのスリット形成領域の近傍を挟持するフィルム挟持手段と、
スリット形成領域を圧着すると共に加熱するフィルム圧着手段と、
シールされた箇所を幅方向に沿って切断するための前記フィルム切断機構と、
フィルム切断機構による切断箇所を開かせるための切断箇所開き手段とを備え、
前記シール制御部は、フィルム挟持手段及びフィルム圧着手段を作動させて帯状フィルムのスリット形成領域を加熱・圧着させると共にフィルム切断機構による切断作用を行わせ、その後、フィルム圧着手段の圧着状態を解除すると共に、切断箇所開き手段により切断箇所を開かせるように、フィルムシール部を制御することが好ましい。
【0019】
この構成によると、フィルムシール部は、帯状フィルムのスリット形成領域をシールして切断する機能を有する。シール制御部は、フィルムシール部の作動を制御する。フィルムシール部は、スリット形成領域の近傍を挟持するフィルム挟持手段と、スリット形成領域を圧着して加熱するフィルム圧着手段と、シールされた箇所を切断する前記フィルム切断機構を有する。スリット形成領域をシールして切断するまでの手順は、次のようにして行われる。
【0020】
フィルムをフィルム移送機構により移送した後、所定位置にて停止させる。次に、フィルム挟持手段及びフィルム圧着手段を作動させて、スリット形成領域を加熱・圧着させる。フィルム圧着手段により加熱することでスリット形成領域が溶融しシールされる。また、フィルム切断機構により、シール箇所に対する切断作用を行わせる。次に、フィルム圧着手段の圧着状態を解除し、切断箇所を開かせるように作用させる。帯状フィルムを加熱圧着すると、シール箇所がフィルム圧着手段にくっついて離れにくくなることがある。これを回避するため、切断箇所開き手段を設けて切断箇所を確実に分離できるようにすると共にフィルム圧着手段に対する付着状態も解除できるようにする。これにより、シールされたスリット形成領域の切断・分離を確実に行わせることができる。
【0021】
本発明に係るフィルム圧着手段は、スリット形成領域を圧着する第1圧着体と第2圧着体とを備え、この第1圧着体にスリット形成領域を加熱するためのヒーターと、フィルム切断機構とが組み込まれており、加熱作用と切断作用を同時に行えるように構成することが好ましい。
【0022】
フィルム圧着手段は、第1圧着体と第2圧着体とを備えており、これら第1・第2圧着体が協働してスリット形成領域を圧着すると共に加熱シールを行う。一対の圧着体のうち、第1圧着体の方にヒーターと、フィルム切断機構が組み込まれており、ヒーターで加熱すると共に、切断作用も同時に行うことができる。フィルム圧着手段とフィルム切断機構を同じように駆動することができるので、フィルムシール部の構成を簡素化することができる。
【0023】
本発明において、前記フィルム圧着手段は、スリット形成領域を圧着する第1圧着体と第2圧着体とを備え、
前記フィルム挟持手段は、スリット形成領域を挟持する第1挟持体と第2挟持体とを備え、
第1挟持体は、第1付勢手段により挟持方向に付勢された状態で第1圧着体に支持され、
第2挟持体は、第2付勢手段により挟持方向に付勢された状態で第2圧着体に支持され、
圧着体駆動機構により、第1圧着体及び第2圧着体を圧着方向に駆動することにより、第1挟持体及び第2挟持体も同じ方向に駆動され、第1挟持体と第2挟持体の方が先に帯状フィルムを挟持し、その後、第1・第2付勢手段の付勢力に抗して第1・第2圧着体が引き続き駆動されて、スリット形成領域を圧着するように、前記フィルムシール部が構成されていることが好ましい。
【0024】
かかる構成によれば、フィルム圧着手段は、第1圧着体と第2圧着体とを備えており、これら第1・第2圧着体が協働してフィルムを圧着すると共に加熱・シールを行う。また、フィルム挟持手段は第1・第2挟持体を備えており、この一対の挟持体によりフィルムを挟持することができる。第1・第2挟持体は、それぞれ第1・第2圧着体に支持されており、夫々第1・第2付勢手段により挟持方向に付勢されている。
【0025】
この構成によると、フィルムシール部によるシール・切断動作は次のように行われる。圧着体駆動機構により第1・第2圧着体は、圧着方向へと駆動される。この第1・第2圧着体の駆動と共に第1・第2挟持体も挟持方向へと駆動される。そして、まず先に第1・第2挟持体によりフィルムが挟持され、その後は付勢手段による付勢力に抗した形で、第1・第2圧着体が引き続き圧着方向へと駆動される。圧着状態になれば、スリット形成領域に対する加熱作用が行われる。また、シールされた箇所に対する切断作用も行われる。
【0026】
加熱シールが行われた後、第1・第2圧着体による圧着状態を解除させて、前述した切断箇所開き手段による分離作用が行われる。上記のような構成によれば、第1・第2挟持体による挟持状態を維持した状態での第1・第2圧着体の圧着解除が可能である。つまり、第1・第2挟持体及び第1・第2圧着体は、いずれも圧着体駆動機構により駆動されるが、挟持体と圧着体とを付勢手段を介して連結することにより、第1・第2挟持体で帯状フィルムを挟持したまま、第1・第2圧着体の圧着状態を解除させることができる。
【0027】
本発明において、第1・第2挟持体は夫々、移送方向に沿った2箇所において帯状フィルムを挟むように一対の挟持作用部が設けられており、
前記切断箇所開き手段は、この一対の挟持作用部をフィルム移送方向にて互いに逆方向に同時に駆動させることで切断箇所を開かせることが好ましい。
【0028】
切断箇所を挟むように一対の挟持作用部を設け、これらをフィルム移送方向にて互いに逆方向に同時に駆動することで、切断箇所を強制的に開く方向に作用させることができる。
【0029】
本発明において、第1挟持体を開き方向に駆動させる駆動源を備え、第1挟持体の駆動により第2挟持体が同じ方向に駆動する機械的連動手段が設けられていることが好ましい。
【0030】
第1挟持体を駆動する駆動源を設けて、第1挟持体に連動させて第2挟持体を駆動するようにすることで、第2挟持体を開き方向に駆動するための駆動源を設けずにすみ、構成を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明に係る物品包装機の好適な実施形態を図面を用いて説明する。まず、この物品包装機で好適に用いられる帯状フィルムの構成を説明する。
【0032】
<帯状フィルムの構成>
図1は、帯状フィルム1の外観を示す図である。図2は、帯状フィルム1の収容空間を拡げた状態を示す図である。帯状フィルム1は、表面側フィルム1aと裏面側フィルム1bにより構成され、帯状に長く延びた形状を有している。帯状フィルム1の幅方向両側にはシール領域1cが形成されており、表面側フィルム1aと裏面側フィルム1bとをシール(融着や接着などの方法による)する。これにより、表面側フィルム1aと裏面側フィルム1bの間に物品を収容する収容空間を形成することができる。帯状フィルム1には、所定間隔ごとにスリット1dが形成されている。スリット1dは、帯状フィルム1の表面側フィルム1aの幅方向に沿って形成されており、このスリット1dにより形成される開口部(図2参照)から内部に物品を投入することができる。
【0033】
また、スリット1dが形成される近傍領域(スリット形成領域1e)は、フィルムシール機構により溶融されることで接着される。シールされる領域は、スリット1dの移送方向Aの両側(図1参照)であり、スリット1dの下側と上側が溶融接着(シール)される。従って、物品を投入するときには、図1に示すように、まずスリット形成領域1eをシールした後にスリット1dから物品を投入する。スリット形成領域1eが接着してあることで、投入された物品が落下せずに受け止めることができる。次に、物品Sが投入されたスリット1dを同じようにシールすることで、物品Sをフィルム内に収容することができる。次に、物品を投入したスリット1dの部分を切断することで、図3に示すように、物品Sがフィルム(袋)に収容される。なお、帯状フィルム1から切断され、物品Sが収容された状態のものを包装品と称することとする。図3において、フィルムの左右は元々接着されている領域1cであるが、上下の領域は、スリット形成領域1eをシールすることにより形成されるものである。
【0034】
スリット形成領域1e(シール領域)の幅方向中心にスリット1dが位置するようにし、切断する場合はスリット1dが形成されている箇所を切断する。これにより、物品Sを投入しようとするときには、常に下側がシールされている状態となる。
【0035】
また、帯状フィルム1には、スリット1dと同じように、所定間隔ごとにマーク1fが印刷されている。マーク1fは、帯状フィルム1の幅方向両側に線状に形成されており、光が透過しにくい黒色で印刷されている。マーク1fとスリット1dとの長手方向の距離は、予め決まっているので、マーク1fを検出することで、スリット1dの位置を知ることができる。マーク1fを形成する位置や、マークの形状・色は、適宜変更することが可能である。
【0036】
<物品包装機の構成>
次に、物品包装機の構成を説明する。図4は、物品包装機の側面図を示し、図5は正面図を示す。この物品包装機は、図1に示す帯状フィルム1を用いて、連続的に物品を投入し包装する機械である。
【0037】
フィルム搭載部10には、帯状フィルム1がロール1Rに巻き取られた形でセットされる。ロール1Rは、その下部が支持ローラ11と駆動ローラ12により支持されている。これらはロール1Rを支持するフィルム台として機能する。フィルム台送りモータ13は、減速機構を介して駆動ローラ12に連結されており、ロール1Rの外表面に対して回転駆動力を付与する。ダンサーローラ14が揺動バー14aにより回転支軸14bに対して揺動自在に支持されている。また、ダンサーローラ14の上端側上方にはガイドローラ15が設けられており、ロール1Rから引き出された帯状フィルム1は、このガイドローラ15を介して、ダンサーローラ14により一旦下方に導かれた後、上方へと向かう。
【0038】
フィルム移送部20には、帯状フィルム1を所定速度で移送するためのフィルム移送機構が設けられている。フィルム移送モータ21は、パルスモータであり、移送経路の頂上に配置されるフィルムガイドローラ22aを駆動する。ガイドローラ22aとこれに圧接する圧着ローラ22bにより、フィルム1が挟持されて移送される。フィルム移送モータ21を設けることで、帯状フィルム1を予め設定された所定速度で移送させることができる。ロール1Rの動きと、フィルムガイドローラ22aの動きの違いを吸収するために、ダンサーローラ14が設けられる。フィルムガイドローラ22aによりガイドされる帯状フィルム1は、垂直下方に向かう。帯状フィルム1を下方に案内するためのガイドプレート23が設けられる。ガイドプレート23の表面には、スリット開口ファン24が設けられ、送風部24aから風を下方に送る。これにより、後述するように、帯状フィルム1に形成されているスリット1dを開口させて、物品を投入させやすくする。
【0039】
ガイドプレート23には、マーク検出センサー25(マーク検出手段に相当)が設けられており、帯状フィルム1のマーク1fを検出する。マーク検出センサー25は、光発光部と光受光部とからなる光センサーにより構成することができる。マーク1fを検出することで、帯状フィルム1を所定の位置に停止制御させることができる。
【0040】
物品投入部30は、帯状フィルム1のスリット1dの方向に物品を供給する機構を有する。第1物品受け部31と第2物品受け部32が設けられており、第1物品受け部31で一旦物品を受け取った後に、水平状態の第2物品受け部32に物品を受け渡す。ついで、投入用モータ33を駆動することで、第2物品受け部32が水平状態から傾斜状態に変換され、重力により物品がスリット1dから投入されることになる。
【0041】
フィルム挟持機構40は、帯状フィルム1を挟持してスリット1dを開かせる機能を有する。帯状フィルム1を挟持するための挟持ユニット41が幅方向両側に一対設けられている。挟持ユニット41は、挟持開閉モータ42により、帯状フィルム1のフィルム面を挟持する状態と挟持しない状態とに切り替えられる。また、挟持ユニット41は、図5に示すように、回転軸芯41a周りに回転可能に支持されており、アーム上下動モータ43により回転駆動される。挟持ユニット41の回転駆動により、帯状フィルム1のスリット1dを開かせることができる。フィルム挟持機構40の詳細については後述する。
【0042】
フィルムシール機構50は、物品が投入された後、フィルム挟持機構40により帯状フィルム1を挟持した状態で、スリット形成領域1eをヒートシールする機能を有する。圧着体開閉モータ51は、スリット形成領域1eを熱融着するための一対の圧着体を開閉駆動するために設けられる。圧着体を閉じることで帯状フィルム1のスリット形成領域1eを圧着し加熱することでシールする。フィルムシール機構50は、シール箇所を切断するためのフィルム切断機構も備えている。引き剥がしソレノイド52は、切断された箇所を引き剥がす機能を有する。フィルムシール機構50の詳細については後述する。
【0043】
集積機構60には、図3に示したような、物品が投入され所定単位に切断された帯状フィルム1(包装品)が集積される。受け入れプレート61に包装品Hが落下すると、水平状態の受け入れプレート61を駆動して傾斜させ、集積ボックス62に包装品Hを集積させる。
【0044】
<フィルム挟持機構の構成>
次に、フィルム挟持機構40の構成について説明する。図6は、フィルム挟持機構40の正面図であり、図7は平面図、図8は側面図を示す。図9は、主要部分の斜視図を示す。
【0045】
図6に示すように帯状フィルム1を挟持する挟持ユニット41が、帯状フィルム1の幅方向両側に夫々設けられている。挟持ユニット41は、回転軸芯41a周りに回転可能であり、この回転軸芯41aは、フィルム面に直交した状態に設定されている。夫々の挟持ユニット41は、第1挟持部材411と第2挟持部材412とから構成されており、夫々、フィルム面を挟持するための挟持ゴム413(挟持作用部に相当)を有している。挟持ゴム413はゴム支持軸414に取り付けられている。挟持ユニット41は、回転支持軸415(回転支持部に相当)により回転可能に軸支され、この回転支持軸415と挟持ゴム413とを連結するための側面視略L字型の連結アーム416(連結部に相当)が設けられている。連結アーム416の先端に形成された孔にゴム支持軸414が回転自在となるように嵌合されている。これにより、挟持ゴム413によりフィルム面を挟持した状態で、挟持ユニット41を回転軸芯41a周りに回転させることができる。
【0046】
また、一対の挟持部材411を機械的に連動させるための連結バー417(連動部材に相当)が設けられており、左右の挟持部材411の位相がそろった状態で回転できるようにしている。図7に示すように、ゴム支持軸414に幅方向の嵌合孔を形成して連結バー417(細い軸状の部材)を貫通させている。同じように、一対の挟持部材412にも、機械的に連動させる連結バー417が設けられる。
【0047】
図6に示すように、第1挟持ユニット41を回転駆動するためのアーム回転板400がアーム上下動モータ43により駆動される。アーム回転板400には、これと一体結合された直径方向に延びるリンク板401が取り付けられ、このリンク板401の両端に設けられた連結軸401aにリンクレバー402が取り付けられる。リンクレバー402は、連結アーム416に設けられたリンクレバー支持軸403において回転自在に軸支される。これにより、アーム回転板400を回転駆動することで、リンク機構の作用により、連結アーム416が回転する。この機構は、第2挟持部材412の側にも設けられる。以上のように、挟持ユニット41を回転させる第2挟持ユニット駆動機構が設けられている。
【0048】
次に、挟持ユニット41がフィルム面を挟持した状態と挟持しない状態とに切り替えるための第1挟持ユニット駆動機構について説明する。図7に示す状態は、フィルム面を挟持可能な状態であるが、第1挟持部材411を図8に示すA方向に、第2挟持部材412をB方向に移動させることで、フィルム面を挟持していた一対の挟持ゴム413が離れる方向に移動する。
【0049】
第1挟持部材411には、これを駆動させるための連結部材420が一体的に取り付けられている。この連結部材420には、さらに、駆動フレーム421,422が一体的に取り付けられており、側面視で略逆C字型のフレーム構成となっている(図8参照)。また、第2挟持部材412の回転支持軸415にも同じような駆動フレーム423,424が取り付けられており、側面視で略C字型のフレーム構成となっている。
【0050】
図4に示すように、挟持開閉モータ42により、第1ベベルギヤ44と第2ベベルギヤ45が駆動され、これにより、回転駆動軸425を回転駆動させることができる。回転駆動軸425を回転させると、これに連結された駆動プレート426が回転される。駆動プレート426には、点対象的に一対のリンクバー427が設けられている。さらに、各リンクバー427には、駆動バー428が設けられている。駆動バー428は、フィルム幅方向(図7の矢印C方向)に駆動可能に構成されている。リンクバー427の一端側はリンクピン427aにより駆動プレート426に対して回転自在に軸支され、他端側はリンクピン427bにより、駆動バー428の一端側に対して回転自在に軸支される。
【0051】
リンクバー428の他端側にもリンクピン428aが設けられ、第1駆動連結プレート429と第2駆動連結プレート430が回転自在に取り付けられる。第1駆動連結プレート429の他端側は、駆動フレーム421,422に対して、リンクピン421aにより回転自在に軸支されており、第2駆動連結プレート430の他端側も、駆動フレーム423,424に対して、リンクピン423aにより回転自在に軸支されている。
【0052】
かかる構成により回転駆動軸425を図7において反時計方向に回転させると、一対の駆動バー428が互いに近づく方向に駆動され、さらにこれに連動して、第1・第2駆動連結プレート429,430が回転することで、駆動フレーム421,422と駆動フレーム423,424が互いに近づく方向に駆動される。すなわち、図8の矢印A方向に第1挟持部材411が移動すると共に、矢印B方向に第2挟持部材412が移動する。これにより、挟持ユニット41がフィルム面を挟持しない状態とすることができる。この状態を図10に平面図として示す。
【0053】
フィルム幅方向両側にガイド軸432(回転軸芯41a)が設けられており、第1・第2挟持部材411,412の矢印A,B方向の移動をガイドさせることができる。また、幅方向に一対設けられるガイド軸432を支持するために、取付フレーム433が設けられている。
【0054】
図9の斜視図に分かりやすく示すように、各挟持ユニット41の上方に、フィルム案内部材46が設けられている。支持フレーム47の上に設定された回転軸芯46a周りに回転可能にフィルム案内部材46が取り付けられている。フィルム案内部材46には、スリット46bが形成されており、上方から移動してきた帯状フィルム1の幅方向両側をガイドする。このフィルム案内部材46により、帯状フィルム1が第1・第2挟持部材411,412の間に移送される。フィルム案内部材46は、図6の正面視でL字型に折れ曲がった形状を有している。また、自重で回転するように構成されており、その先端部46cが挟持ゴム413の方向に常に向かうように設定されている。これにより、帯状フィルム1を確実に挟持ゴム413で挟持される方向に導くことができる。第1・第2挟持部材411,412が回転すれば、これに追従してフィルム案内部材46も回転させられる。
【0055】
<挟持ユニットによる挟持作用>
次に、挟持ユニット41による挟持作用について説明する。図11は、挟持ユニット41による作用位置を示す側面図、図12は、同じく正面図、図13は、平面図である。
【0056】
図11に示すように、作用点として上から順番にPA,PB,PCが設定されている。PA点では、図12に示すように、最も挟持ユニット41が時計方向に回転した状態であり、この位置で最初にフィルム1の幅方向両側を挟持する。このとき、フィルム1のスリット1dは閉じた状態となっている。次に、挟持ユニット41を所定量だけ反時計方向に回転させると、幅方向両側にある挟持ゴム413の間隔が狭くなる(PB点)。これにより、フィルム1が変形させられると共に、スリット1dが開く方向になる。さらに、スリット開口ファン24により送風を行っているため、スリット1dが確実に開いた状態となる。この状態で、スリット1dから物品を投入可能となる。
【0057】
次に、挟持ユニット41を再び反時計方向に所定量回転させる。この位置はPC点で示され、幅方向両側の挟持ゴム413の間隔はPA点と同じとなる。これにより、フィルム1はピンと張った状態になり、物品Sが投入されたスリット1dがシールされる。図12には、ヒーター503(後述)と挟持ユニット41との相対的な位置関係が図示されている。
【0058】
<フィルムシール機構の構成>
次に、帯状フィルム1のスリット1d部分をシールするフィルムシール機構50について説明する。図14は、フィルムシール機構50を示す斜視図、図15はシール機構の側面図、図16はシール機構の側断面図である。図17,図18は、フィルムシール機構50の作動状態を示す図である。
【0059】
まず、フィルムシール部の機能を説明する。第1圧着体501と第1圧着体502とが設けられており、図16などに示すように、これら第1・第2圧着体501,502は、お互いに離間した待機位置と、圧着面が互いに接触してフィルム1を圧着する圧着位置との間を移動可能(矢印D,E参照)に構成される。第1・第2圧着体501,502の圧着面501a,502a(フィルム圧着手段に相当)は、フィルム1のスリット形成領域1e(スリット1d)の形状に対応して、幅方向に延びたライン状に形成されている。第1圧着体501の圧着面501aの内側には、ライン状に延びたヒーター503が取り付けられている。ヒーター503は、金属製の抵抗体であり、不図示の加熱回路により加熱される。また、ヒーター503の表面には、ヒーター503と同様にライン状に延びた切断ワイヤー504(フィルム切断機構に相当)が設けられている。ヒーター503と切断ワイヤー504を覆うようにカバー部材505が設けられる。カバー部材505は、ヒーター503等の内部機構を保護するものであり、テフロン(登録商標)製のシート部材である。第2圧着体502の圧着面502aには、シリコンゴム製の支持部材506が取り付けられている。一対の圧着面501a,502aにより、フィルム1を圧着挟持する。
【0060】
第1圧着体501には、第1圧着体501に対して相対的に移動可能な第1挟持体511(フィルム挟持手段に相当)が取り付け支持されている。第1挟持体511は、フィルム1の移送方向(図16の矢印G)に沿って2箇所設けられており、圧着面501aを挟むように上下2箇所に設けられている。各第1挟持体511は、挟持ゴム511cと、この挟持ゴム511cを支持する第1ゴム支持プレート511aと第2ゴム支持プレート511bとから構成されている。挟持ゴム511cはシリコンゴム製であり、その表面は挟持面として機能する。第1・第2ゴム支持プレート511a,511bは、ネジにより結合されており、これにより、挟持ゴム511cを支持する。
【0061】
第1圧着体501を構成する本体部分512の圧着面501aと反対側には、側面視で断面形状略コの字の支持フレーム513が設けられる。支持フレーム513と第1挟持体511とは、フィルム幅方向の2箇所において板バネ514により結合されている。板バネ514と支持フレーム513とは、ネジ514aにより結合されるとともに、板バネ514の先端側も結合軸514bにより第1挟持体511により結合されている。板バネ514は、上下一対の第1挟持体511で本体部分511を挟む方向に付勢する。
【0062】
本体部分512の圧着面501aの反対側には、バネ支持軸515が2本植設されている。バネ支持軸515には、圧縮コイルスプリングであるコイルバネ516が挿入されている。コイルバネ516(第1付勢手段に相当)の付勢力は、バネ支持軸515の頭部515aと支持フレーム513の間で作用する。
【0063】
第2圧着体502にも、第2圧着体502に対して相対的に移動可能な第2挟持体521(フィルム挟持手段に相当)が取り付け支持されている。第2挟持体521も同様に、第1・第2ゴム支持プレート521a,521bと挟持ゴム521cを備えている。
【0064】
第2圧着体502を構成する本体部分522の圧着面502aと反対側にも、側面視で断面形状略コの字の支持フレーム523が設けられる。支持フレーム523と第2挟持体521とは、フィルム幅方向の2箇所において板バネ524により結合されている。板バネ524の付勢方向は、板バネ514と同じである。
【0065】
本体部分522の圧着面502aの反対側には、バネ支持軸525が2本植設されている。バネ支持軸525には、圧縮コイルスプリングであるコイルバネ526(第2付勢手段に相当)が挿入されている。コイルバネ526の付勢力は、バネ支持軸525の頭部525aと支持フレーム523の間で作用する。
【0066】
第2ゴム支持プレート511b,521bには、幅方向の両端部に係合突起511d,521dが形成されている。第2挟持体521側の上下の係合突起521dは、第1挟持体511側の上下の係合突起511dの内側に入り込めるように形成されている(図18参照)。この構成によると、係合突起511d,521d同士が係合されている状態で、上下の係合突起521dの間隔が広がる方向に駆動された場合、係合突起511dの間隔も広がるように作用する。この係合突起511d,521dの駆動は、後述するように、確実にスリット形成領域1eを切断する(引き剥がす)ために行うものである。以上のように、係合突起511d,521dは、機械的連動手段として機能する。
【0067】
次に、この係合突起511d,521dを駆動するための機構(切断箇所開き手段に相当)を説明する。この機構は、フィルム1の幅方向両側に同じ機構が設けられている。引き剥がしソレノイド52には、駆動軸53が設けられており、その先端部には連結ピン53aにより、リンクレバー54,55の一端側が回転自在に支持されている。リンクレバー54の他端側は、上側の第1ゴム支持プレート521aに連結され、もう1つのリンクレバー55の他端側は、下側の第1ゴム支持プレート521aに連結される。ソレノイド52を駆動して駆動軸53を矢印H(図15参照)方向に移動させると、図18に示す状態となり、フィルム1を切断できる方向に係合突起511d,521dを駆動することができる。ソレノイド52は、ソレノイド支持プレート530に取り付けられており、この支持プレート530はさらに支持フレーム523と一体的に結合されている。従って、第2圧着体502の移動に連動して、ソレノイド52を含めた駆動機構も共に移動することができる。
【0068】
次に第1・第2圧着体501,502を駆動するための圧着体駆動機構について説明する。モーター51に駆動ギヤ540,541が連結されている。また、駆動円板542が回転軸芯542a周りに回転可能に軸支されている。回転円板542には、180゜点対照的に第1リンク軸543と第2リンク軸544が設けられている。駆動ギヤ541には連結軸541aが設けられており、この連結軸541aと第1リンク軸543とは、連結レバー545により連結される。
【0069】
第1リンク軸543には、第1リンクレバー546が連結され、第1圧着体501を駆動する。第1圧着体501の本体部分512を支持する支持体548が設けられ、リンク軸546aにより第1リンクレバー546と結合される。第2リンク軸544には、第2リンクレバー547が連結され、第2圧着体502を駆動する。第2圧着体502の本体部分522を支持する支持体549が設けられ、リンク軸547aにより第2リンクレバー547が連結される。各支持体548,549は、図15の状態から矢印D,E方向へ駆動することができ、そのためのガイドレール550が設けられている。モーター51を駆動して駆動円板542を時計方向に回転させることで、第1・第2圧着体501,502が互いに近づく方向に駆動させることができる。これにより、フィルム1を圧着してスリット形成領域1eをシールすることができる。
【0070】
<フィルムシール動作>
次にフィルムシール動作を図19A,Bにより説明する。図19A(a)に示すように、物品Sが投入されたフィルム1が挟持ユニット41により所定の位置に設定される。すなわち、スリット1dがちょうど第1圧着面501aと第2圧着面502aで挟まれる位置にセットされる。次に、圧着体開閉モータ51を駆動し駆動円板542を回転させることで、図19A(b)に示すように、第1・第2圧着体501,502が互いに近づく方向に駆動される(矢印D,E)。このとき、圧着面501a,502aよりも第1・第2挟持体511,521の挟持ゴム511c,521cのほうが突出した状態に設定されているので、まずは、挟持ゴム511cと521cによりフィルム1が挟持された状態となる。挟持される箇所は、スリット形成領域1eの上下2箇所であり、幅方向全域にわたって挟持される。
【0071】
この状態で第1・第2挟持体511,512は、これ以上移動できなくなるが、引き続きモーター51は駆動されるため、第1圧着体501の本体部分512と第2圧着体502の本体部分522とは、更にお互いに近づく方向に駆動される。このとき、各本体部分512,522に植設されているバネ支持軸515,525も一緒に移動するが、支持フレーム513,523が既に停止しているため、コイルバネ516,526は徐々に圧縮されていく状態となる。そして、図19A(c)に示すように、第1・第2圧着面501a,502a同士が当接した時点でモーター51を停止させる。
【0072】
モーター51を停止させた後、ヒーター503を加熱することでシール部分を熱溶融させシールする。ヒーター503による加熱を行った後は、所定時間の冷却が行われる。また、切断ワイヤー504による切断作用も同時に行われる。
【0073】
所定のシール動作が終了した後、図19B(d)に示すように、モーター51を所定量これまでとは逆方向に回転駆動させる。これにより、第1・第2圧着面501a,502aは互いに離間する方向に駆動される(矢印D’,E’)。ただし、挟持ゴム511c,512はしばらく挟持した状態が保持される。モーター51の逆方向駆動と同時、もしくは少し遅れて、引き剥がしソレノイド52を駆動する。これにより、駆動軸53がソレノイド52に引っ込むように駆動され、図19B(e)に示すように、上下の係合突起512d,511dが広がる方向に駆動される。これにより、切断ワイヤー504により切断された箇所を確実に引き剥がすことができる。また、フィルム面が圧着面501a,502aに密着した場合も、面から引き剥がすようにすることができる。
【0074】
次に、ソレノイド52をオフすると、第1挟持体511,512は、板バネ514,524の作用とあいまって、元の状態に復帰することができる。次に、更にモーター51を逆方向に回転することで、図19B(f)に示すように、フィルムシール機構50を元の初期状態に復帰させることができる。
【0075】
<集積機構>
次に、集積機構60について説明する。集積機構60は、物品が投入された包装品Hを順に集積していくものである。フィルムシール機構50によりフィルム1のシール動作が行われるときは、受け入れプレート61は水平状態にセットされている。フィルムシール機構50によりシール及び切断が行われた後、受け入れプレート61の上に包装品Hが落下される。その後、受け入れプレート61を不図示の駆動機構により駆動して、包装品Hを集積ボックス62と自重で落下させる。受け入れプレート61は、図4,5に示すように、受け入れプレート61は、フィルム幅方向に沿った軸61aを有する。
【0076】
<制御ブロック図>
次に、本発明に係る物品包装機の機能を示す制御ブロック構成を図20に示す。制御部19は、物品包装機の全体の作動を制御する機能を有し、制御回路(ハードウェア)や、制御プログラム(ソフトウェア)により構成することができる。制御部19の入力側は各種センサーやスイッチ等であり、これらの入力側の信号を受けて、モータ、ソレノイド、ファン等のデバイスの駆動が制御される。
【0077】
制御部19は、マーク1fを検出して帯状フィルム1を所定の位置に移送させて停止させるフィルム移送制御手段、フィルムシール部の作動を制御するシール制御部など、各部に対する制御を行う。
【0078】
既に説明した要素については説明を省略する。冷却ファン70は、フィルムシール機構50において、ヒーター503による加熱作用が行われた後、第1・第2圧着面501a,502a及びその周囲を冷却させるために使用される。インジケータ71は、物品包装処理が進行中であることを示す表示部材であり、例えば、LED等により構成される。インジケータ71は、適宜の場所に設置することができる。物品投入開始信号受信部73は、物品投入開始信号を受信する。この信号は、これから物品が搬送されてくることを事前に知らせるものであり、この信号を受けて、物品包装機を所定の状態にセットさせる必要がある。この信号は、物品を製造する装置側から送信されてくる。
【0079】
フィルム検出スイッチ74は、ダンサーローラ14が設けられている付近のフィルム1の状態を検出するものであり、具体的には、ダンサーローラ14により所定のフィルム1のたるみ状態となっているか否かを監視する。弛みが少なくなってくると、ロール1Rからフィルム1を引き出せるように、フィルム台送りモータ13が駆動される。物品残留センサー75は、スリット1dが拡げられたフィルム1の中に物品が投入されたか否かを検出する。アーム原点検出スイッチ76は、挟持ユニット41が図11に示すPA点(原点)の位置していることを検出するスイッチである。
【0080】
挟持開位置スイッチ77は、第1・第2挟持部材411,412が開いている状態(フィルム1を挟持しない位置)であることを検出するスイッチである。挟持閉位置スイッチ78は、第1・第2挟持部材411,412が閉じている状態(フィルム1を挟持した位置)であることを検出するスイッチである。これらスイッチにより、確実にフィルム1を挟持した状態であるか否かを監視することができる。これはスイッチは、例えば、マイクロスイッチにより構成される。
【0081】
圧着体開位置スイッチ79は、第1・第2圧着体501,502が開いている状態(フィルム1のスリット形成領域1eを圧着していない位置)であることを検出するスイッチである。圧着体閉位置スイッチ80は、第1・第2圧着体501,502が閉じている状態(フィルム1を圧着した位置)であることを検出するスイッチである。これらスイッチは、例えば、マイクロスイッチにより構成される。これらスイッチにより、確実にフィルム1を圧着で着ているか否かを監視することができる。物品排出確認センサー81は、物品Sが投入されて帯状フィルム1から切断された包装品Hが、集積機構60へと排出されたか否かを検出する。ヒーター温度熱電対82は、ヒーター503による加熱温度を検出する。これにより、適切な温度制御が行われているか否かを監視することができる。
【0082】
第1ファン回転センサー83は、スリット開口ファン24が確実に動作しているか否かを監視する。第2ファン回転センサー84は、冷却ファン70が確実に動作しているか否かを監視する。
【0083】
<作動シーケンス>
<初期設定>
最初に、物品をいつでも投入可能な初期状態にセットするまでの手順を図22のフローチャートにより説明する。まず、ロール1Rをフィルム搭載部10にセットし(#1)、ロール1Rからフィルム1を引き出して、フィルムガイドローラ22aの位置まで持ってくる(#2)。次に、フィルム台送りモータ13とフィルム移送モータ21を駆動して、フィルム1を移送する(#3)。フィルム1が移送された後、マーク検出センサー25によりフィルム1のマークを検出する(#4)。マークが検出された後、フィルム1を所定位置まで移送させた後、停止させる(#5)。この停止状態では、帯状フィルム1の一番下端側にあるスリット1dが第1・第2圧着面501a,502aに挟持される位置となっている。
【0084】
次に、フィルムシール機構50を作動させて、スリット形成領域1eをシールする(#6)。これにより、物品を投入可能な状態にフィルム1を形成することができる。ついで、再びフィルム移送モータ21を駆動させて、所定量フィルム1を移送させてから停止させる(#7,8)。すなわち、シールされたスリット1dのすぐ次のスリット1dが、所定位置にセットされる。この状態は、物品をいつでも投入可能な待機状態である(#9)。
【0085】
<物品投入・包装>
次に、物品包装機で物品を投入して包装するときの作動について、図21A,21Bのタイミングチャート及び図23A,23Bのフローチャートにより説明する。物品が投入される前のt0において、物品投入開始信号が入力されるのを待つ(#20)。
【0086】
時間t1において、物品投入開始信号が出され、物品投入開始信号受信部73により受信される(#21)。これに応答して、挟持開閉モーター42をt1〜t2までの所定時間駆動し、挟持ユニット41によりフィルム1の所定箇所を挟持する(#22)。挟持ユニット41の開位置を検出するための挟持開位置スイッチ77がt1でオンからオフに切り替わると共に、閉位置を検出するための挟持閉位置スイッチ78がt2でオフからオンに切り替わる。これにより、挟持ユニット41の開閉状態を監視できる。フィルム1が挟持された状態の平面図は図7に示される。
【0087】
さらに、t1にて冷却ファン70が駆動を開始し、特にフィルムシール機構50のヒーター503により加熱された第1・第2圧着面501a,502aに対する冷却作用が開始される。また、物品包装機が動作中であることを外部表示するためのインジケータ71が点灯する。冷却ファン70の駆動開始と共に、第2ファン回転センサー84により、冷却ファン70が確実に駆動しているか否かの監視が行われる。
【0088】
時間t2において、フィルム1が挟持されると、アーム上下動モータ43を駆動する。駆動は、t2からt4まで行われ、これにより、フィルム1のスリット1dが強制的に開口した状態となる。図11〜図13に示したように、PA点からPB点へと挟持位置が移動するので(#24)、スリット1dが開いた状態となる。また、スリット開口ファン24もt2において回転駆動されるので(#23)、スリット1dをより開かせる方向に作用させる。スリット開口ファン24の駆動に伴い、時間t2’から、第1ファン回転センサー83による監視が行われる。これにより、スリット開口ファン24が確実に作動しているか否かが監視される。
【0089】
挟持位置が下方に下がっていくため、アーム上下動モータ43の駆動に同期して、フィルム移送モータ21も駆動される(#25)。これにより、フィルム1が移送されつつ、挟持ユニット41が動作することになる。また、フィルム移送モータ21が駆動されている時間帯に少し遅れたタイミングt3〜t5で、フィルム台送りモータ13も駆動される。これにより、ロール1Rからフィルム1が引き出されていく動作が行われる。フィルム台送りモータ13の駆動は、フィルム検出スイッチ74のオンオフに連動して行われる。これにより、ダンサーローラ14によるフィルム1の所定の弛み量が保持できるようにする。
【0090】
スリット1dが開口した状態にセットされると、物品Sが投入されるのを待つ(#26)。物品残留センサー75は、物品Sが物品投入部30から投入されたことを検出する機能を有する。物品残留センサー75は、フィルム面を挟むように配置される発光部と受信部とからなる光センサーにより構成することができ、物品が投入されると光が遮断されることで物品Sの通過を検出することができる。時間t6〜t7の間に物品が通過したことが検出されると、まず、時間t6においてスリット開口ファン24を停止させる。これにより、第1ファン回転センサー83による検出状態もオンからオフへ切り替わる。
【0091】
時間t7において、再び、アーム上下動モータ43とフィルム移送モータ21とが駆動開始される(#27)。駆動はt7〜t9までの間行われる。また、先ほどと同様に、少し遅れたタイミングで、フィルム台送りモータ13がt8〜t10までの間行われる(#28)。このときの動作により、図11等に示すように、挟持位置はPB点からPC点へと移動する。これにより、スリット1dは開いた状態から、閉じた状態にさせられる(図13参照)。一方、排出部駆動モータ72がt7時点で駆動され、受け入れプレート61が水平状態となるようにセットされる(#29)。
【0092】
挟持位置がPC点に移動すると、スリット形成領域1eに対するシール動作が可能となる。そこで、時間t9において、圧着体開閉モータ51を駆動開始する(#30)。圧着体開閉モータ51は、t9からt11までの間、駆動される。時間t9における状態は、図19A(a)及び図15、図16に示す状態である。そして図19A(b)及び図17に示す状態を経て(#31)、時間t11において図19C(c)に示す状態となる。また、圧着体開位置スイッチ79は、時間t9においてオンからオフへ切り替わり、圧着体閉位置スイッチ80は、時間t11においてオフからオンに切り替わる。これらスイッチより、圧着体501,502の開閉状態を監視することができる。
【0093】
圧着体501,502が閉じたことが検出されると(#32)、ヒーター503による加熱を開始する(#33)。これにより、スリット形成領域1eが加熱・溶融され、シールされる。シールされる範囲は、スリット1dを中心としてその上下がシールされる。また、第1・第2圧着体501,502が互いに圧着することで、切断ワイヤー504も同時にフィルム1に対して作用するので、加熱動作と同時に切断動作も行われる。ヒーター503による加熱時間は、時間t11からt12までであり、それ以後t13までは冷却時間として設定される。図21Bには、熱電対により検出される温度の推移が示されている。この加熱・冷却時間は、予めタイマーにより設定しておくことができる。
【0094】
シール動作が終了すると、まず、時間t13において、挟持開閉モータ42を駆動して、挟持ユニット41によるフィルム1の挟持状態を解除する(#34)。挟持ユニット41の駆動により、挟持開位置スイッチ77と挟持閉位置スイッチ78の状態も切り替わる。これにより、物品Sが包装された包装品Hは、受け入れプレート61の上に自重で落下し搭載される。この状態を物品排出確認センサー81により、時間t14において、確認することができる。
【0095】
更に、時間t13において、圧着体開閉モータ51を逆方向に駆動すると共に、引き剥がしソレノイド52も駆動する(#35,36)。駆動はt13〜t16までの間、行われる。圧着体501,502が開いた状態に駆動されることで、圧着体開位置スイッチ79と圧着体閉位置スイッチ80の状態も切り替わる。また、ソレノイド52が駆動されることで、図19B(e)及び図18に示したように、切断ワイヤー504により切断された箇所を強制的に開くように作用させ、確実に包装品Hを分離することができる。切断ワイヤー504で切断されるのは、スリット1dに沿った位置であるから、帯状フィルム1から包装品Hを切断した後の帯状フィルム1の最下部もシールされた状態となっている。従って、次の物品Sを連続的に受け入れていくことができる。
【0096】
排出部駆動モータ72は、t15とt20において2回作動する。1回目のt15では、水平状態の受け入れプレート61を軸芯61a周りに駆動して傾斜させる(図4参照)。さらに、2回目のt20では、更に受け入れプレート61を駆動して包装品Hを集積ボックス62に落下させる(図5参照)(#37)。
【0097】
一方、アーム上下動モータ43を駆動して、挟持位置を図11のPC点からPA点へと復帰させる(#38)。駆動時間は、t17からt23までである。アーム原点位置スイッチ76もオフからオンに切り替わる。また、アーム上下動モータ43が駆動された後に、時間t21でフィルム移送モータ21が駆動され、時間t22でフィルム台送りモータ13が駆動される。これにより、フィルム1が再び移送される(#39)。
【0098】
フィルム1の移送により、t24において、マーク検出センサーによりマーク1fが検出される(#40)。このマーク1fの検出に伴い、t25において挟持開閉モータ42を駆動し、フィルム1を挟持した状態にする。また、フィルム移送モータ21は、フィルム1を挟持する動作を行う間だけ、一時的に停止する。次に、t26において、アーム上下動モータ42を駆動して、挟持位置をPA点からPB点へと移動させ、次の物品の投入のために待機する。また、フィルム移送モータ42の駆動もアーム上下動モータ42の駆動と同時に開始する。フィルム移送モータ21の駆動は時間t27まで行われ、フィルム台送りモータ13の駆動は時間t28まで行われる。以下、物品Sが投入されるまでフィルム1を停止させた上体で待機し(#41)、物品Sが投入された場合の動作については、先ほど説明したとおりである(#22以下)。物品Sが投入される回数分だけ同じ動作が繰り返されることになる。
【0099】
物品Sを投入する動作を終了させる場合は、時間t30に示すように、物品投入開始信号がオフに切り替わる(#42)。この信号を受けて、アーム上下動モータ43は逆回転し、図11のPB点からPA点へと復帰する。この動作によりフィルム1が戻し方向に移送されるので、フィルム移送モータ21も同じように逆方向に駆動してフィルム1を戻し方向に移送させる。この移送が完了した時間t31において、挟持開閉モータ42を駆動して、フィルム1を挟持した状態から挟持しない状態へと移行させる。これらの動きに連動して、各スイッチの状態も切り替わる。
【0100】
また、t30において、スリット開口ファン24、冷却ファン70、インジケータ71はいずれもオフの状態になる。これにより、回転センサー83,84による検出状態もオンからオフへ移行する(#43の戻し処理)。
【0101】
<別実施形態>
本発明において、帯状フィルム1内に投入される物品については、特定の種類のものに限定されるものではない。
【0102】
本発明において、帯状フィルム1の材質・大きさなどについては、特定のものに限定されるものではない。例えば、透明の樹脂フィルムを用いて、収容した物品が外から見えるようにすることができる。スリット1dの長さやマーク1fの位置についても適宜変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】帯状フィルムの外観を示す図
【図2】帯状フィルムの収容空間を拡げた状態を示す図
【図3】フィルムに物品が収容された状態を示す図
【図4】物品包装機の側面図を示す図
【図5】物品包装機の正面図を示す図
【図6】フィルム挟持機構の正面図
【図7】フィルム挟持機構の平面図
【図8】フィルム挟持機構の側面図
【図9】フィルム挟持機構の主要部分の構成を示す斜視図
【図10】挟持ユニットがフィルムを挟持しない状態を示すフィルム挟持機構の平面図
【図11】挟持ユニットによる挟持作用を説明する側面図
【図12】挟持ユニットによる挟持作用を説明する正面図
【図13】挟持ユニットによる挟持作用を説明する平面図
【図14】フィルムシール機構の構成を示す斜視図
【図15】フィルムシール機構の構成を示す側面図
【図16】フィルムシール機構の構成を示す側断面図
【図17】フィルムシール機構の動作を説明する側面図
【図18】フィルムシール機構の動作を説明する側面図
【図19A】フィルムシール動作を説明する図
【図19B】フィルムシール動作を説明する図
【図20】物品包装機の機能を説明するブロック図
【図21A】物品包装を行うときのタイミングチャートを示す図
【図21B】物品包装を行うときのタイミングチャートを示す図
【図22】フィルムを待機状態にセットするまでの手順を説明するフローチャート
【図23A】物品包装を行うときの手順を示すフローチャート
【図23B】物品包装を行うときの手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0104】
1 帯状フィルム
1a 表面側フィルム
1b 裏面側フィルム
1c 領域
1d スリット
1e スリット形成領域
1f マーク
10 フィルム搭載部
13 フィルム台送りモータ
20 フィルム移送部
24 スリット開口ファン
25 マーク検出センサー
30 物品投入部
40 フィルム挟持部
41 挟持ユニット
42 挟持開閉モータ
43 アーム上下動モータ
50 フィルムシール機構
51 圧着体開閉モータ
52 引き剥がしソレノイド
60 集積機構
411 第1挟持部材 412 第2挟持部材
413 挟持ゴム
501 第1圧着体 502 第2圧着体
501a 第1圧着面 502a 第2圧着面
503 ヒーター
504 切断ワイヤー
511 第1挟持体 521 第2挟持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面側フィルムと表面側フィルムからなる長手方向に延びた帯状フィルムの幅方向両側が予めシールされることで裏面側フィルムと表面側フィルムの間に収容空間を形成可能であり、長手方向に沿って所定間隔ごとに表面側に幅方向に沿ったスリットが形成してある帯状フィルムを用いて、このスリットから物品を投入して包装するための物品包装機であって、
帯状フィルムを長手方向に沿って移送するためのフィルム移送機構と、
帯状フィルムの幅方向両側において帯状フィルムを挟持し、帯状フィルムを挟持した状態で、前記スリットを開閉させてスリットを介しての物品投入を可能にするためのフィルム挟持機構と、
物品が投入された後、スリットが形成されている領域をシールするフィルムシール機構と、
シール領域を切断するフィルム切断機構とを備えていることを特徴とする物品包装機。
【請求項2】
前記フィルム挟持機構は、
スリットが形成されている領域の幅方向両側に夫々位置し、帯状フィルムのフィルム面を挟持する一対の挟持部材からなる挟持ユニットと、
帯状フィルムの幅方向両側にフィルム面に直交した状態に設定される回転軸芯と、
挟持ユニットがフィルム面を挟持する状態と挟持しない状態とに切り替えるための第1挟持ユニット駆動機構と、
前記回転軸芯周りに挟持ユニットを回転させる第2挟持ユニット駆動機構とを備え、
挟持ユニットがフィルム面を挟持した状態で回転軸芯周りに回転することで、スリットが開くように作用させることを特徴とする請求項1に記載の物品包装機。
【請求項3】
幅方向両側に設けられている挟持ユニットを機械的に連動させるための連動部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の物品包装機。
【請求項4】
挟持部材は、回転軸芯に支持される回転支持部と、フィルム面を挟持する挟持作用部と、回転支持部と挟持作用部とを連結する連結部とを有しており、挟持部材を回転させることで幅方向両側に位置する挟持作用部間の距離が短くなることで、スリットを開くように作用させることを特徴とする請求項2又は3に記載の物品包装機。
【請求項5】
挟持ユニットの一対の挟持部材の間に帯状フィルムを導くためのフィルム案内部材を備え、このフィルム案内部材は、挟持ユニットの回転駆動に連動して追従するように構成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の物品包装機。
【請求項6】
スリットを開口させるための送風を行うスリット開口ファンを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の物品包装機。
【請求項7】
帯状フィルムには、長手方向の位置を検出するためのマークが付与されており、このマークを検出するためのマーク検出手段と、
マークの検出結果に基づいて、帯状フィルムを所定の位置に移送させて停止するためのフィルム移送制御手段とを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品包装機。
【請求項8】
前記フィルムシール機構は、
帯状フィルムのスリット形成領域をシールして切断するためのフィルムシール部と、
このフィルムシール部の作動を制御するシール制御部とを備え、
フィルムシール部は、
帯状フィルムのスリット形成領域の近傍を挟持するフィルム挟持手段と、
スリット形成領域を圧着すると共に加熱するフィルム圧着手段と、
シールされた箇所を幅方向に沿って切断するための前記フィルム切断機構と、
フィルム切断機構による切断箇所を開かせるための切断箇所開き手段とを備え、
前記シール制御部は、フィルム挟持手段及びフィルム圧着手段を作動させて帯状フィルムのスリット形成領域を加熱・圧着させると共にフィルム切断機構による切断作用を行わせ、その後、フィルム圧着手段の圧着状態を解除すると共に、切断箇所開き手段により切断箇所を開かせるように、フィルムシール部を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の物品包装機。
【請求項9】
前記フィルム圧着手段は、スリット形成領域を圧着する第1圧着体と第2圧着体とを備え、この第1圧着体にスリット形成領域を加熱するためのヒーターと、フィルム切断機構とが組み込まれており、加熱作用と切断作用を同時に行えるように構成したことを特徴とする請求項8に記載の物品包装機。
【請求項10】
前記フィルム圧着手段は、スリット形成領域を圧着する第1圧着体と第2圧着体とを備え、
前記フィルム挟持手段は、スリット形成領域を挟持する第1挟持体と第2挟持体とを備え、
第1挟持体は、第1付勢手段により挟持方向に付勢された状態で第1圧着体に支持され、
第2挟持体は、第2付勢手段により挟持方向に付勢された状態で第2圧着体に支持され、
圧着体駆動機構により、第1圧着体及び第2圧着体を圧着方向に駆動することにより、第1挟持体及び第2挟持体も同じ方向に駆動され、第1挟持体と第2挟持体の方が先に帯状フィルムを挟持し、その後、第1・第2付勢手段の付勢力に抗して第1・第2圧着体が引き続き駆動されて、スリット形成領域を圧着するように、前記フィルムシール部が構成されていることを特徴とする請求項8に記載の物品包装機。
【請求項11】
第1・第2挟持体は夫々、移送方向に沿った2箇所において帯状フィルムを挟むように一対の挟持作用部が設けられており、
前記切断箇所開き手段は、この一対の挟持作用部をフィルム移送方向にて互いに逆方向に同時に駆動させることで切断箇所を開かせることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の物品包装機。
【請求項12】
第1挟持体を開き方向に駆動させる駆動源を備え、第1挟持体の駆動により第2挟持体が同じ方向に駆動する機械的連動手段が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の物品包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【公開番号】特開2006−256671(P2006−256671A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−78627(P2005−78627)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(000236964)富士インパルス株式会社 (35)
【Fターム(参考)】