説明

物品箱詰設備及び物品箱詰方法

【課題】本発明は、容器支持手段に支持された容器を他の容器へ入れ替える時であっても、横搬送コンベヤと横搬送コンベヤよりも下流側のコンベヤとの接続部に青果物が溜まることがなく、しかも、物品を均一に搬送することができる物品箱詰設備及び物品箱詰方法を提供することを目的とする。
【解決手段】物品箱詰設備10において、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)が容器14へ青果物16を投下する時に、制御手段30は、横搬送コンベヤ20に第一の横搬送速度V1で青果物16を搬送させ、入替手段13が容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14へ入れ替える時に、制御手段30は、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)に青果物16の投下を停止させ、横搬送コンベヤ20に第一の横搬送速度V1よりも低速の第二の横搬送速度V12で青果物16を搬送させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器支持手段に支持された容器へ物品を箱詰めして秤量する物品箱詰設備及び物品箱詰方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、柑橘、馬鈴薯、玉ねぎ等の青果物(物品)を、コンベヤにより複数の投下部へ搬送し、投下部において容器へ投下するとともに投下した物品の重量を秤量機により計量することによって、容器へ一定重量の物品を箱詰めする物品箱詰設備及び物品箱詰方法が知られている。この物品箱詰設備の一例として、物品箱詰設備200を図5に示す。また、特許文献1〜3においては、容器を傾動させた状態で青果物等の物品を箱詰めする旨について記載されている。
【0003】
物品箱詰設備200は、容器支持手段202(a)及び(b)と、容器支持手段202(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える図示しない入替手段と、一方向に物品16を搬送する縦搬送コンベヤ206と、縦搬送コンベヤ206と交差し縦搬送コンベヤ206から物品16を移転される横搬送コンベヤ208を有する横搬送手段210と、横搬送手段210と交差し、横搬送手段210から移転された物品16を搬送して容器支持手段202(a)に支持された容器14へ投下する主投下コンベヤ212(a)と、横搬送手段210から移転された物品16を搬送して容器支持手段202(b)に支持された容器14へ投下する副投下コンベヤ212(b)と、を備えている。横搬送手段210は、横搬送コンベヤ208から物品16が移転され主投下コンベヤ212(a)へ物品16を移転する主移転コンベヤ214(a)と、横搬送コンベヤ208から物品16が移転され副投下コンベヤ212(b)へ物品16を移転する副移転コンベヤ214(b)と、を備えている。
【0004】
この物品箱詰設備200によれば、容器支持手段202(a)及び(b)に支持された容器14へ物品16を投下する時には、全てのコンベヤが物品16の搬送を行い、入替手段が容器支持手段202(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時には、主投下コンベヤ212(a)、副投下コンベヤ212(b)、主移転コンベヤ214(a)及び副移転コンベヤ214(b)が物品16の搬送を停止して物品16の投下を中断する。
【0005】
しかしながら、主投下コンベヤ212(a)、副投下コンベヤ212(b)、主移転コンベヤ214(a)及び副移転コンベヤ214(b)が物品16の搬送を停止した時には、横搬送コンベヤ208が物品16の搬送を継続して行っているにもかかわらず、主移転コンベヤ214(a)及び副移転コンベヤ214(b)が物品16の搬送を停止するため、横搬送コンベヤ208と主移転コンベヤ214(a)及び副移転コンベヤ214(b)との接続部216付近に、図5に示すように多数の物品16が溜まることとなる。このため、物品16が接続部216付近に詰まり、又は外へ溢れ出るおそれがあった。また、接続部216付近に多数の物品16が溜まった後に、主投下コンベヤ212(a)、副投下コンベヤ212(b)、主移転コンベヤ214(a)及び副移転コンベヤ214(b)が物品16の搬送を開始しても、複数の物品16を均一に搬送することができなかった。なお、容器14を入れ替える時間を極力短くし、主投下コンベヤ212(a)、副投下コンベヤ212(b)、主移転コンベヤ214(a)及び副移転コンベヤ214(b)による物品16の搬送を停止する時間を極力短くすれば、接続部216付近に多数の物品16が溜まるのを極力防止できるが、秤量精度が不安定となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3519784号公報
【特許文献2】特開昭62−271813号公報
【特許文献3】特開2002−284356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明者は、このような課題の原因を究明してこのような課題を解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明は、容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時であっても、横搬送コンベヤと横搬送コンベヤよりも下流側のコンベヤとの接続部に青果物が溜まることがなく、しかも、物品を均一に搬送することができる物品箱詰設備及び物品箱詰方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の物品箱詰設備は、容器支持手段に支持された容器へ物品を箱詰めして秤量する物品箱詰設備であり、前記容器支持手段と、前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える入替手段と、一方向に前記物品を搬送する縦搬送コンベヤと、前記縦搬送コンベヤと交差し該縦搬送コンベヤから前記物品を移転される横搬送コンベヤを有する横搬送手段と、前記横搬送手段と交差し、該横搬送手段から移転された前記物品を搬送して前記容器支持手段に支持された容器へ投下する投下コンベヤと、前記入替手段、前記横搬送手段及び前記投下コンベヤを制御する制御手段と、を備え、前記投下コンベヤが前記容器支持手段に支持された容器へ前記物品を投下する時に、前記制御手段は、前記横搬送コンベヤに第一の横搬送速度で該物品を搬送させ、前記入替手段が前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時に、前記制御手段は、前記投下コンベヤに前記物品の投下を停止させ、該横搬送コンベヤに該第一の横搬送速度よりも低速の第二の横搬送速度で該物品を搬送させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の物品箱詰設備は、前記物品箱詰設備において、前記第二の横搬送速度が前記第一の横搬送速度の半分であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の物品箱詰設備は、前記物品箱詰設備において、前記横搬送手段が、前記横搬送コンベヤから前記物品が移転される中間搬送コンベヤと、該中間搬送コンベヤから該物品が移転され前記投下コンベヤへ該物品を移転する移転コンベヤと、を備え、前記中間搬送コンベヤの搬送速度は、前記横搬送コンベヤの搬送速度よりも低速であり、前記投下コンベヤが前記容器支持手段に支持された容器へ前記物品を投下する時に、前記制御手段は、前記中間搬送コンベヤに第一の中間搬送速度で該物品を搬送させ、前記入替手段が前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時に、前記制御手段は、前記移転コンベヤに前記物品の搬送を停止させ、該中間搬送コンベヤに該第一の中間搬送速度よりも低速の第二の中間搬送速度で該物品を搬送させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の物品箱詰設備は、前記物品箱詰設備において、前記第二の中間搬送速度が前記第一の中間搬送速度の半分であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の物品箱詰方法は、容器支持手段に支持された容器へ物品を箱詰めして秤量する物品箱詰方法であり、縦搬送コンベヤが、一方向に物品を搬送するステップと、横搬送手段が、前記縦搬送コンベヤから物品を移転されるステップと、投下コンベヤが、前記横搬送手段から物品を移転され、該物品を搬送して前記容器支持手段に支持された容器へ投下するステップと、入替手段が、前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替えるステップと、を備え、前記投下コンベヤが前記容器支持手段に支持された容器へ前記物品を投下する時に、制御手段が、前記横搬送コンベヤに第一の横搬送速度で該物品を搬送させ、前記入替手段が前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時に、制御手段が、前記投下コンベヤに前記物品の投下コンベヤへの投下を停止させ、該横搬送コンベヤに該第一の横搬送速度よりも低速の第二の横搬送速度で該物品を搬送させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の物品箱詰設備及び物品箱詰方法によれば、制御手段は、横搬送コンベヤに第一の横搬送速度で物品を搬送させ、入替手段が容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時に、制御手段は、青果物の容器への投下を停止させ、横搬送コンベヤに第二の横搬送速度で青果物を搬送させるため、入替手段が容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時に、横搬送コンベヤと横搬送コンベヤよりも下流側のコンベヤとの接続部に青果物が溜まるのを防止できる。このため、物品を均一に搬送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の物品箱詰設備を示す平面図である。
【図2】図1の物品箱詰設備を配置した選果場レイアウト図である。
【図3】図1の物品箱詰設備の制御方を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の物品箱詰設備の他の実施形態を示す平面図である。
【図5】本発明の物品箱詰設備の従来技術を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係る物品箱詰設備及び物品箱詰方法について、図面に基づいて詳しく説明する。図1及び図2において、符号10は本発明の物品箱詰設備を示す。
【0017】
物品箱詰設備10は、容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14へ青果物(物品)16を箱詰めして秤量する設備であり、容器支持手段12(a)及び(b)と、容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える入替手段13と、一方向に青果物16を搬送する縦搬送コンベヤ18と、縦搬送コンベヤ18と交差し縦搬送コンベヤ18から青果物16を移転される横搬送コンベヤ20を有する横搬送手段22と、横搬送手段22と交差し、横搬送手段22から移転された青果物16を搬送して容器支持手段12(a)に支持された容器14へ投下する主投下コンベヤ24(a)と、横搬送手段22から移転された青果物16を搬送して容器支持手段12(b)に支持された容器14へ投下する副投下コンベヤ24(b)と、入替手段13、横搬送手段22及び主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ(b)を制御する制御手段30と、を備えている。
【0018】
物品箱詰設備10において、主投下コンベヤ24(a)が容器支持手段12(a)に支持された容器14へ青果物16を投下し、副投下コンベヤ24(b)が容器支持手段12(b)に支持された容器14へ青果物16を投下する時に、制御手段30は、横搬送コンベヤ20に第一の横搬送速度V1で青果物16を搬送させ、入替手段13が容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時に、制御手段30は、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)に青果物16の投下を停止させ、横搬送コンベヤ20に第一の横搬送速度V1よりも低速の第二の横搬送速度V12で青果物16を搬送させるように構成されている。この第二の横搬送速度V12は第一の横搬送速度V1の半分となるV1/2である。例えば、第一の横搬送速度が37m/minであり、第二の横搬送速度が18.5m/minである。なお、第二の横搬送速度V12は、V1/3〜2・V1/3であってもよい。
【0019】
また、物品箱詰設備10において、横搬送手段22は、横搬送コンベヤ20から青果物16が移転される中間搬送コンベヤ26と、中間搬送コンベヤ26から青果物16が移転され主投下コンベヤ24(a)へ青果物16を移転する主移転コンベヤ28(a)と、中間搬送コンベヤ26から青果物16が移転され副投下コンベヤ24(b)へ青果物16を移転する副移転コンベヤ28(b)と、を備えている。中間搬送コンベヤ26の搬送速度は、横搬送コンベヤ20の搬送速度よりも低速であり、投下コンベヤ24が容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14へ青果物16を投下する時に、制御手段30は、中間搬送コンベヤ26に第一の中間搬送速度V2で青果物16を搬送させ、入替手段13が容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時に、制御手段30は、主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)に青果物16の搬送を停止させ、中間搬送コンベヤ26に第一の中間搬送速度V2よりも低速の第二の中間搬送速度V22で青果物16を搬送させる。第二の中間搬送速度V22は第一の中間搬送速度V2の半分となるV2/2である。例えば、第一の中間搬送速度が8m/minであり、第二の中間搬送速度が4m/minである。なお、第二の中間搬送速度V22は、V2/3〜2・V2/3であってもよい。
【0020】
このような構成の物品箱詰設備10を使用した本発明の物品箱詰方法は、容器支持手段12に支持された容器14へ青果物(物品)16を箱詰めして秤量する物品箱詰方法であり、縦搬送コンベヤ18が、一方向に青果物16を搬送するステップと、横搬送手段20が、縦搬送コンベヤ18から青果物16を移転されるステップと、投下コンベヤ28(a)及び(b)が、横搬送手段20から青果物16を移転され、青果物16を搬送して容器支持手段12に支持された容器14へ投下するステップと、入替手段13が、容器支持手段12に支持された容器14を他の容器14と入れ替えるステップと、を含み、主投下コンベヤ24(a)が容器支持手段12(a)に支持された容器14へ青果物16を投下し、副投下コンベヤ24(b)が容器支持手段12(b)に支持された容器14へ青果物16を投下する時に、制御手段30は、横搬送コンベヤ20に第一の横搬送速度V1で青果物16を搬送させ、入替手段13が容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時に、制御手段30は、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)に青果物16の投下を停止させ、横搬送コンベヤ20に第一の横搬送速度V1よりも低速の第二の横搬送速度V12で青果物16を搬送させる方法である。
【0021】
容器支持手段12(a)及び(b)は、容器14を載置する載置面を有し、XY平面視において位置決めできるとともに、支持する容器14を、入替手段13によってY軸正方向に移動させて他の容器14と入れ替えることができれば、その態様は特に限定されない。入替手段13は、例えば、容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14のY軸負方向側外壁面を押圧して容器14をY軸正方向へ移動させるプッシャー、又は容器14をY軸正方向へ移動させるローラーコンベヤ等から構成されるが、容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14をY軸正方向に移動させて他の容器14と入れ替えることができれば、その態様は特に限定されない。容器14は、コンテナ又は段ボール箱等である。
【0022】
縦搬送コンベヤ18は、図1及び図2に示すように、青果物16を一定の搬送速度でX軸正方向に搬送するコンベヤであり、小片支持式搬送コンベヤの態様の他、青果物16をローラーコンベヤ上で移動させる態様、青果物16を無端回動チェーンに保持された載置台に載置して移動させる態様、青果物16を直接無端回動ベルト上に載置して移動させる態様等、特に限定されない。
【0023】
この縦搬送コンベヤ18から青果物16が移転される横搬送コンベヤ20は、図1及び図2に示すように、青果物16をY軸正方向に搬送するコンベヤであり、青果物16をローラーコンベヤ上で移動させる態様、青果物16を無端回動チェーンに保持された載置台に載置して移動させる態様、青果物16を直接無端回動ベルト上に載置して移動させる態様等、特に限定されない。
【0024】
この横搬送コンベヤ20から青果物16が移転される中間搬送コンベヤ26は、人手による最終選定を行うために、その搬送速度が横搬送コンベヤ20の搬送速度よりも低速となるように構成されている。中間搬送コンベヤ26は、青果物16をローラーコンベヤ上で移動させる態様、青果物16を無端回動チェーンに保持された載置台に載置して移動させる態様、青果物16を直接無端回動ベルト上に載置して移動させる態様等、特に限定されない。
【0025】
この中間搬送コンベヤ26から青果物16が移転される主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)は、平面視平行に備えられ、主移転コンベヤ28(a)は、主投下コンベヤ24(a)を介して容器14へ青果物16を大量に投下するためのコンベヤであるのに対して、副移転コンベヤ28(b)は、副投下コンベヤ24(b)を介して容器14内の青果物16の重量が一定重量に達するまで青果物16を投下するためのコンベヤである。副移転コンベヤ28(b)の搬送面32は主移転コンベヤ28(a)の搬送面34よりも低く構成されるとともに、搬送面32と搬送面34との間には段差があるのみで仕切り手段がなく、搬送面34上の青果物16が搬送面32へ転動し移動できる。主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)は、青果物16をローラーコンベヤ上で移動させる態様、青果物16を無端回動チェーンに保持された載置台に載置して移動させる態様、青果物16を直接無端回動ベルト上に載置して移動させる態様等、特に限定されない。
【0026】
制御手段30は、図3に示すように、入替手段13、横搬送コンベヤ20、主投下コンベヤ24(a)、副投下コンベヤ24(b)、中間搬送コンベヤ26、主移転コンベヤ28(a)、及び副移転コンベヤ28(b)に指令信号を送信し又はフィードバック信号を受信できるように構成されている。制御手段30は、シーケンサ又はCPU基板等から構成されている。制御手段30は、入替手段13に対して入替指令を送信することができるが、センサを使用して、入替手段13から入替完了信号を受信できるように構成することが好ましい。また、制御手段30は、横搬送コンベヤ20、主投下コンベヤ24(a)、副投下コンベヤ24(b)、中間搬送コンベヤ26、主移転コンベヤ28(a)、及び副移転コンベヤ28(b)に対して指定した一定速度で搬送を行う指令又は搬送を停止する指令を送信することが可能であり、コンベヤの駆動手段がサーボモータである場合には、現実の搬送速度をフィードバック信号として各コンベヤから受信できる。
【0027】
このような構成の物品箱詰設備10、及び物品箱詰設備10を用いた物品箱詰方法について、以下に説明する。以下においては、青果物16であるみかんが、選果場で箱詰めされる場合について、その作用を説明する。また、以下に示す搬送、移転、又は移動は、制御手段30により自動的に行われる。
【0028】
箱詰めを行う青果物16は、図2に示すように、まず、原料供給ライン110から前処理ライン112へ搬送される。前処理ライン112においては、小玉抜機、人手による一次選定部、洗浄機、ワックス機、乾燥機及び人手による二次選定部において前処理がなされる。前処理が行われた青果物16は、28本の縦搬送コンベヤ18に振り分けられX軸正方向に一定の搬送速度で搬送される。28本の縦搬送コンベヤ18は、全てが使用されるとは限らず、1部のみが使用されてもよい。
【0029】
縦搬送コンベヤ18によってX軸正方向に搬送された青果物16は、縦搬送コンベヤ18に対して直角方向に延びる横搬送コンベヤ20に移転され、横搬送コンベヤ20によってY軸正方向に第一の横搬送速度V1で搬送される。
【0030】
横搬送コンベヤ20には中間搬送コンベヤ26が連続し、横搬送コンベヤ20によって搬送された青果物16は、連続して、図1に示すように、中間搬送コンベヤ26上をY軸正方向に第一の中間搬送速度V2で搬送される。第一の中間搬送速度V2は、第一の横搬送速度V1よりも低速であるため、作業者が容易に青果物16の最終選定を行うことができる。
【0031】
中間搬送コンベヤ26には主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)が連続し、中間搬送コンベヤ26によって搬送された青果物16は、連続して、図1に示すように、主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)上をY軸正方向に搬送される。主移転コンベヤ28(a)上の青果物16は、主移転コンベヤ28(a)と直角方向に延びる主投下コンベヤ24(a)に移転されて主投下コンベヤ24(a)によってX軸正方向に搬送され、副移転コンベヤ28(b)上の青果物16は、副移転コンベヤ28(b)と直角方向に延びる副投下コンベヤ24(b)に移転されて副投下コンベヤ24(b)によってX軸正方向に搬送される。
【0032】
主投下コンベヤ24(a)によってX軸正方向に搬送された青果物16は、主投下部Aにおいて、容器支持手段12(a)に支持された容器14に大量に投下される。容器支持手段12(a)に支持された容器14は、投下される青果物16を受け入れるために、傾動させられてもよい。主投下部Aにおいて青果物16が投下された容器14は、制御手段30の指令により入替手段13によってY軸正方向に副投下部Bまで移動させられる。主投下部Aから副投下部Bへ移動する容器14は、水平な状態であっても傾斜させられていてもよい。なお、主投下部Aへの空の容器14の搬入は、図1に示す容器搬入部Cから、図示しない移動手段によって行われ、容器搬入部Cへの空の容器14の搬入は、図2に示す空箱ライン118から、図示しない移動手段によって行われる。すなわち、容器14は、空箱ライン118から供給されて、容器搬入部C、主投下部A、副投下部B、実容器搬出部Dの順に移動させられていく。なお、少なくとも主投下部A及び副投下部Bにおいては、容器14の図示しない蓋部は開いている。
【0033】
副投下部Bにおいては、主投下部Aから移動させられた容器14に、副投下コンベヤ24(b)から青果物16が投下される。容器支持手段12(b)に支持された容器14は、投下される青果物16を受け入れるために、傾動させられてもよい。副投下部Bにおいては、図示しない秤量機により投下した青果物16の重量を計量することにより、青果物16が一定重量になるまで容器14に投下される。
【0034】
ここで、容器搬入部Cに位置する容器14が主投下部Aへ、主投下部Aに位置する容器14が副投下部Bへ、副投下部Bに位置する容器14が実容器搬出部Dへ、各々移動させられる時、すなわち、制御手段30の指令により入替手段13が容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時に、制御手段30は、主移転コンベヤ28(a)、副移転コンベヤ28(b)、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)を停止させて青果物16の容器14への投下を停止させ、横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度であるV12で青果物16を搬送させ、中間搬送コンベヤ26に第二の中間搬送速度であるV22で青果物を搬送させる。中間搬送コンベヤ26の搬送速度をV2からV22へ減速するため、主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)を停止させても、中間搬送コンベヤ26と主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)との接続部36に青果物16が溜まるのを防止できる。また、横搬送コンベヤ20の搬送速度をV1からV12へ減速させるため、中間搬送コンベヤ26を減速させても横搬送コンベヤ20と中間搬送コンベヤ26との接続部38に青果物16が溜まるのを防止できる。このため、容器14の入れ替えが完了した後に、主移転コンベヤ28(a)、副移転コンベヤ28(b)、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)が物品16の搬送を開始し、横搬送コンベア20が第一の横搬送速度V1で搬送を行い、中間搬送コンベヤ26が第一の中間搬送速度V22で搬送を行う時に、複数の物品16を均一に搬送することができる。
【0035】
また、容器14の入れ替えを行う時間を短くするのではなく、横搬送コンベヤ20及び中間搬送コンベヤ26の搬送速度を減速することによって、接続部38に青果物16が溜まるのを防止するため、容器14の入れ替えを行う時間を維持して安定した秤量精度を維持できる。なお、容器14の入れ替えを行う時間は現状では、2〜3秒程度である。また、容器14の入れ替えを行う時にのみ、横搬送コンベヤ20及び中間搬送コンベヤ26の搬送速度を低速にするため、物品箱詰設備10が能力不足となることもない。
【0036】
また、容器14の入れ替えを行う時には、横搬送コンベヤ20は、第二の横搬送速度であるV12で青果物16を搬送させ、中間搬送コンベヤ26は、第二の中間搬送速度であり第二の横搬送速度V12よりも低速のV22で青果物16を搬送させ、主移転コンベヤ28(a)の搬送速度V3(a)及び副移転コンベヤ28(b)の搬送速度V3(b)は0となる。すなわち、容器14の入れ替えを行う時には、横搬送コンベヤ20から、中間搬送コンベヤ26、主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)へと、下流へいくに従って3段階で搬送速度が減速していくこととなる。このため、容器14の入れ替えを行う時において、青果物16を、横搬送コンベヤ20、中間搬送コンベヤ26、主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)上に極力均一に配置することが可能となる。なお、横搬送コンベヤ20と中間搬送コンベヤ26との間、又は、中間搬送コンベヤ26と主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)との間に、他の中間搬送コンベヤを設けて、容器14の入れ替えを行う時において、横搬送コンベヤ20から下流へいくに従って4段階以上で搬送速度が減速していくように構成してもよい。
【0037】
ここで、主移転コンベヤ28(a)、副移転コンベヤ28(b)、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)を停止させて青果物16の容器14への投下を停止させた時に同時に、横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度であるV12で青果物16を搬送させ、中間搬送コンベヤ26に第二の中間搬送速度であるV22で青果物16を搬送させることには限定されない。例えば、主移転コンベヤ28(a)、副移転コンベヤ28(b)、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)を停止させて青果物16の容器14への投下を停止させた時から一定時間経過後に、中間搬送コンベヤ26に第二の中間搬送速度であるV22で青果物16を搬送させ、さらに一定時間経過後に横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度であるV12で青果物16を搬送させてもよい。また、主移転コンベヤ28(a)、副移転コンベヤ28(b)、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)を停止させて青果物16の容器14への投下を停止させた時から一定時間経過後に、横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度であるV12で青果物16を搬送させ、さらに一定時間経過後に中間搬送コンベヤ26に第二の中間搬送速度であるV22で青果物16を搬送させてもよい。容器14の入れ替えを行う時において、中間搬送コンベヤ26の搬送速度よりも高速で搬送する横搬送コンベヤ20を先に減速すれば、青果物16を、横搬送コンベヤ20、中間搬送コンベヤ26、主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)上に極力均一に配置することが可能となる。
【0038】
副投下部Bにおいて青果物16が一定重量になるまで投下された容器(実容器)14は、図1に示す実容器搬出部Dへ移動させられた後、図2に示す実容器ライン120へ移転され、後工程の図示しない自動封函機へ搬送される。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその他の態様でも実施できる。例えば、中間搬送コンベヤ26を備えない図4に示す物品箱詰設備10において、主投下コンベヤ24(a)が容器支持手段12(a)に支持された容器14へ青果物16を投下し、副投下コンベヤ24(b)が容器支持手段12(b)に支持された容器14へ青果物16を投下する時に、制御手段30は、横搬送コンベヤ20に第一の横搬送速度V1で青果物16を搬送させ、入替手段13が容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時に、制御手段30は、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)に青果物16の投下を停止させ、横搬送コンベヤ20に第一の横搬送速度V1よりも低速の第二の横搬送速度V12で青果物16を搬送させるように構成してもよい。この物品箱詰設備10の場合、容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時に、制御手段30は、主移転コンベヤ28(a)、副移転コンベヤ28(b)、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)を停止させ、横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度であるV12で青果物16を搬送させることにより、横搬送コンベヤ20と主移転コンベヤ28(a)及び副移転コンベヤ28(b)との接続部40に、青果物16が溜まるのを防止できる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、本発明は図示したものに限定されない。例えば、横搬送コンベヤ20及び中間搬送コンベヤ26を第一の搬送速度及び第二の搬送速度の二速で制御する場合に限定されず、三速以上で制御してもよい。例えば、主移転コンベヤ28(a)、副移転コンベヤ28(b)、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)を停止させて青果物16の容器14への投下を停止させるのと同時に、中間搬送コンベヤ26に第二の中間搬送速度であるV22で青果物16を搬送させ、横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度であるV12で青果物16を搬送させ、一定時間経過後に、中間搬送コンベヤ26を停止させるのと同時に横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度V12よりも低速の第三の横搬送速度で青果物16を搬送させてもよい。
【0041】
また、容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時において、主移転コンベヤ28(a)、副移転コンベヤ28(b)、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)を停止させ、それら4個のコンベヤの停止に対応して横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度V12で青果物16を搬送させ、中間搬送コンベヤ26に第二の中間搬送速度V22で青果物を搬送させることには限定されず、容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時において、主移転コンベヤ28(a)及び主投下コンベヤ24(a)を停止させ、それら2個のコンベヤの停止に対応して横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度V12で青果物16を搬送させ、中間搬送コンベヤ26に第二の中間搬送速度V22で青果物を搬送させてもよい。この時、副投下コンベヤ24(b)は、青果物16の容器14への投下を停止するために搬送を停止するが、副移転コンベヤ28(b)は、搬送を行っても停止してもよい。また、容器支持手段12(a)及び(b)に支持された容器14を他の容器14と入れ替える時において、主投下コンベヤ24(a)及び副投下コンベヤ24(b)を停止させた後に、主移転コンベヤ28(a)を停止させ、その主移転コンベヤ28(a)の停止に対応して横搬送コンベヤ20に第二の横搬送速度V12で青果物16を搬送させ、中間搬送コンベヤ26に第二の中間搬送速度V22で青果物を搬送させてもよい。
【0042】
その他、本発明の技術的範囲には、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様も含まれる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、いずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の物品箱詰設備及び物品箱詰方法によれば、容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時であっても、横搬送コンベヤと横搬送コンベヤよりも下流側のコンベヤとの接続部に青果物が溜まることがなく、しかも、物品を均一に搬送することができる。このため、物品の箱詰めのために広く利用できる。
【符号の説明】
【0044】
10:物品箱詰設備
12(a)、(b):容器支持手段
13:入替手段
14:容器
16:青果物(物品)
18:縦搬送コンベヤ
20:横搬送コンベヤ
22:横搬送手段
24(a):主投下コンベヤ
24(b):副投下コンベヤ
26:中間搬送コンベヤ
28(a):主移転コンベヤ
28(b):副移転コンベヤ
30:制御手段
36、38、40:接続部
A:主投下部
B:副投下部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器支持手段に支持された容器へ物品を箱詰めして秤量する物品箱詰設備であり、
前記容器支持手段と、
前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える入替手段と、
一方向に前記物品を搬送する縦搬送コンベヤと、
前記縦搬送コンベヤと交差し該縦搬送コンベヤから前記物品を移転される横搬送コンベヤを有する横搬送手段と、
前記横搬送手段と交差し、該横搬送手段から移転された前記物品を搬送して前記容器支持手段に支持された容器へ投下する投下コンベヤと、
前記入替手段、前記横搬送手段及び前記投下コンベヤを制御する制御手段と、を備え、
前記投下コンベヤが前記容器支持手段に支持された容器へ前記物品を投下する時に、前記制御手段は、前記横搬送コンベヤに第一の横搬送速度で該物品を搬送させ、
前記入替手段が前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時に、前記制御手段は、前記投下コンベヤに前記物品の投下を停止させ、該横搬送コンベヤに該第一の横搬送速度よりも低速の第二の横搬送速度で該物品を搬送させる物品箱詰設備。
【請求項2】
前記第二の横搬送速度が前記第一の横搬送速度の半分である請求項1に記載する物品箱詰設備。
【請求項3】
前記横搬送手段が、前記横搬送コンベヤから前記物品が移転される中間搬送コンベヤと、該中間搬送コンベヤから該物品が移転され前記投下コンベヤへ該物品を移転する移転コンベヤと、を備え、
前記中間搬送コンベヤの搬送速度は、前記横搬送コンベヤの搬送速度よりも低速であり、
前記投下コンベヤが前記容器支持手段に支持された容器へ前記物品を投下する時に、前記制御手段は、前記中間搬送コンベヤに第一の中間搬送速度で該物品を搬送させ、
前記入替手段が前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時に、前記制御手段は、前記移転コンベヤに前記物品の搬送を停止させ、該中間搬送コンベヤに該第一の中間搬送速度よりも低速の第二の中間搬送速度で該物品を搬送させる請求項1又は請求項2に記載する物品箱詰設備。
【請求項4】
前記第二の中間搬送速度が前記第一の中間搬送速度の半分である請求項3に記載する物品箱詰設備。
【請求項5】
容器支持手段に支持された容器へ物品を箱詰めして秤量する物品箱詰方法であり、
縦搬送コンベヤが、一方向に物品を搬送するステップと、
横搬送手段が、前記縦搬送コンベヤから物品を移転されるステップと、
投下コンベヤが、前記横搬送手段から物品を移転され、該物品を搬送して前記容器支持手段に支持された容器へ投下するステップと、
入替手段が、前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替えるステップと、を含み、
前記投下コンベヤが前記容器支持手段に支持された容器へ前記物品を投下する時に、制御手段が、前記横搬送コンベヤに第一の横搬送速度で該物品を搬送させ、
前記入替手段が前記容器支持手段に支持された容器を他の容器と入れ替える時に、制御手段が、前記投下コンベヤに前記物品の投下コンベヤへの投下を停止させ、該横搬送コンベヤに該第一の横搬送速度よりも低速の第二の横搬送速度で該物品を搬送させる物品箱詰方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−116634(P2012−116634A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268975(P2010−268975)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】