説明

特定のキヌレニン−3−モノオキシゲナーゼインヒビターおよびその医薬組成物ならびにこれらの使用方法

特定の化学物質を本明細書において提供する。また、少なくとも1種類の化学物質、および1種類以上の薬学的に許容され得るビヒクルを含む医薬組成物も提供する。KMO活性の阻害に応答性である特定の疾患および障害に苦しんでいる患者の処置方法であって、かかる患者に、該疾患または障害の徴候または症状が低減されるのに有効な量の少なくとも1種類の化学物質を投与する工程を包含する方法を記載し、開示する。このような疾患としては、ハンティングトン病などの神経変性障害が挙げられる。また、少なくとも1種類の化学物質を単独の活性薬剤として投与すること、または少なくとも1種類の化学物質を1種類以上の他の治療用薬剤と併用して投与することを含む処置方法も記載する。また、KMO活性を阻害し得る化合物のスクリーニング方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年1月25日に出願された米国特許出願第61/298,095号の優先権の利益を主張する。この米国特許出願第61/298,095号は、あらゆる目的で参考として本明細書に援用される。
【0002】
本明細書において特定のキヌレニン−3−モノオキシゲナーゼインヒビターおよびその医薬組成物、ならびにこれらの使用方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
キヌレニン−3−モノオキシゲナーゼ(KMO)は、トリプトファン分解経路の酵素であり、これは、キヌレニン(KYN)から3−ヒドロキシキヌレニン(3−HK)(これは、さらに、興奮毒性NMDA受容体アゴニストQUIN(3−ヒドロキシアントラニル酸オキシゲナーゼ)に分解される)への変換を触媒する。3−OH−KYNおよびQUINは相乗的に作用する、すなわち、3−OH−KYNはQUINの興奮毒性作用を有意に増強する。いくつかの研究所での研究により、KYN経路の代謝が3−OH−KYN/QUIN分岐から離れる方向にシフトすると、脳内での神経保護性KYNAの形成が増大し、神経保護がもたらされるという証拠が得られている。
【0004】
また、KMO発現は、炎症性の状態において、または免疫刺激後に増大することが報告されている。3−OH−KYN(活性をもつ生成物)は、ビタミンB−6欠乏新生子ラットの脳内に蓄積し、一次培養物の神経細胞に添加した場合、または脳内に局所注射した場合、細胞毒性を引き起こす。最近、比較的低い濃度(ナノモル)の3−OH−KYNにより、ニューロン一次培養物においてニューロンのアポトーシス細胞死が引き起こされ得ることが報告された。実際、構造−活性試験により、3−OH−KYNおよび他のo−アミノフェノールは、これらのキノンイミンへの変換(酸素由来フリーラジカルの同時生成を伴うプロセス)によって開始される酸化反応に供され得ることが示された。このような反応性種の虚血性ニューロン死の病因における関与は、ここ数年間の間で広く研究されており、酸素由来フリーラジカルおよびグルタミン酸媒介性神経伝達が、虚血性ニューロン死の発生において協働していることが示されている。
【0005】
また、最近、KMO活性が虹彩−毛様体において特に高いこと、および新たに形成された3−OH−KYNはレンズ内液中に分泌されることが示された。レンズ内での3−OH−KYNの過剰な蓄積によって白内障が引き起こされることがあり得る。
【0006】
QUINは、NMDA受容体亜群のアゴニストであり、脳領域内に直接注射すると、ほとんどの神経細胞体が破壊され、アンパサン線維と神経末端がスペアリング(spare)される。QUINは、NR2CまたはNR2Dのいずれかのサブユニットを含むNMDA受容体複合体の相対的に不充分なアゴニストであるが、これは、NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体複合体と比較的高い親和性で相互作用する。QUINの線条体内注射後に見られた神経毒性プロフィールは、ハンティングトン病患者の基底核において見られるものと非常によく似ている:一方、ほとんどの内在線条体ニューロンは破壊され、NADHジアホラーゼ染色ニューロン(現在、これは、一酸化窒素シンターゼを発現することができると考えられている)と神経ペプチドYを含むニューロンが、軸索末端およびアンパサン線維と一緒にスペアリングされるようである。
【0007】
インビトロでは、該化合物の神経毒性効果が、種々のモデル系において試験されており、さまざまな結果が得られている:皮質線条体系の器官型培養物をマイクロモル以下の濃度のQUINに慢性的に曝露すると病態の組織学的徴候が引き起こされ、培養神経細胞の慢性曝露後でも同様の結果が得られている。
【0008】
炎症性の神経系障害(実験的アレルギー性脳炎、細菌およびウイルス感染症、前脳の全脳虚血または脊髄の外傷など)のモデルでは、脳内QUINレベルは極めて高い。この脳内QUIN濃度の増大は、興奮性毒の循環濃度の上昇または活性化小グリアもしくは浸潤マクロファージのデノボ合成の増大のいずれかによるものであり得る。レトロウイルス感染マカクザルにおいて、増大した脳内QUIN含量の大部分(およそ98%)は局所生成によるものであることが提案されている。実際、脳の炎症領域内でIDO、KMOおよびキヌレニナーゼの活性の堅固な増大がみられた。
【0009】
これまでの研究では、脳内KYNA含量を増大させ得る薬剤により、沈静、軽度の無痛覚、痙攣閾値の増大、および興奮毒性または虚血性損傷に対する神経保護が引き起こされることが示されている。報告された上記の証拠に加え、最近、脳内でのKYNA形成を増大させ得るいくつかの化合物は、脳の細胞外空間内のGLU濃度を低下させることにより、グルタミン酸(GLU)媒介性神経伝達の堅固な低減を引き起こし得ることが示されている。
【0010】
KMOの有効なインヒビターであり神経変性障害の処置に使用され得る化合物の必要性が依然として存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
式I
【0012】
【化1】

(式中:
は、任意選択的に置換されているアリール、および任意選択的に置換されているヘテロアリールから選択され;
は、シアノ、任意選択的に置換されているヘテロアリール、および任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキルから選択され;
は、水素、および任意選択的に置換されている低級アルキルから選択され、
は、水素、ハロ、および任意選択的に置換されている低級アルキルから選択される)
の化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグから選択される少なくとも1種類の化学物質(chemical entity)を提供する。
【0013】
また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質、および少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0014】
また、キヌレニン3−モノ−オキシゲナーゼ活性によって媒介される状態または障害の処置を、かかる処置を必要とする被験体において行なう方法であって、該被験体に治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を投与することを含む方法を提供する。
【0015】
また、キヌレニン3−モノ−オキシゲナーゼ活性によって媒介される状態または障害の処置を、かかる処置を必要とする被験体において行なう方法であって、該被験体に治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を投与することを含む方法を提供する。
【0016】
また、本明細書に記載の少なくとも1種類の医薬組成物と、キヌレニン3−モノ−オキシゲナーゼ活性によって媒介される状態または障害に苦しんでいる被験体を処置するために該組成物を使用するための使用説明書とを含むパッケージ化医薬組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で用いる場合、以下の文言、語句および記号は、一般的に、使用されている文脈においてそうでないことが示されていない限り、以下に示す意味を有することを意図する。以下の略号および用語は、全体を通して、表示した意味を有する。
【0018】
2つの文字間または記号間のものでないダッシュ(「−」)は、置換基の結合点を示すために用いている。例えば、−CONHは、該炭素原子を介して結合する。
【0019】
「任意選択の」または「任意選択的に」は、続いて記載する事象または状況が存在していてもよく、存在していなくてもよいこと、およびその記載が、該事象または状況が存在する場合、および存在しない場合を含むことを意図する。例えば、「任意選択的に置換されているアルキル」は、「アルキル」と「置換アルキル」(以下に定義)の両方を包含する。当業者には、1個以上の置換基を含む任意の基に関して、かかる基が、立体上実現可能でない、合成上実現可能でない、そして/または本質的に不安定である、任意の置換または置換パターンを導入するものであることは意図していないことは理解されよう。
【0020】
「アルキル」は、表示した数の炭素原子、通常、1〜20個の炭素原子、例えば、1〜8個の炭素原子(例えば、1〜6個の炭素原子など)を有する直鎖および分枝鎖を包含する。例えば、C〜Cアルキルは、1〜6個の炭素原子の直鎖および分枝鎖のどちらのアルキルも包含する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、2−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、3−メチルペンチルなどが挙げられる。アルキレンは、アルキルの別のサブセットであり、アルキルと同じ残基であるが結合点を2つ有するものをいう。アルキレン基は、通常、2〜20個の炭素原子、例えば、2〜8個の炭素原子(例えば、2〜6個の炭素原子など)を有する。例えば、Cアルキレンは共有結合を示し、Cアルキレンはメチレン基である。具体的な数の炭素を有するアルキル残基の名前が挙げられている場合、その炭素数を有するすべての幾何異性体を包含していることを意図する;したがって、例えば、「ブチル」は、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルを含んでいることを意図し;「プロピル」は、n−プロピルおよびイソプロピルを含んでいる。「低級アルキル」は1〜4個の炭素を有するアルキル基をいう。
【0021】
「シクロアルキル」は、明示した数の炭素原子、通常、3〜7個の環内炭素原子を有する飽和炭化水素環基を示す。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルならびに橋状結合型および籠形の飽和環基(例えば、ノルボルナンなど)が挙げられる。
【0022】
「アルコキシ」は、酸素橋状結合を介して結合する、表示した数の炭素原子のアルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、2−ペンチルオキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、3−メチルペントキシなどを意図する。アルコキシ基は、通常、1〜6個の炭素原子を有し、酸素橋状結合を介して結合する。「低級アルコキシ」は、1〜4個の炭素を有するアルコキシ基をいう。
【0023】
「アリール」は:
5員および6員の炭素環式芳香環、例えば、ベンゼン;
少なくとも1つの環が炭素環式芳香族である二環式の環系、例えば、ナフタレン、インダン、およびテトラリン;ならびに
少なくとも1つの環が炭素環式芳香族である三環式の環系、例えば、フルオレン
を包含する。
【0024】
例えば、アリールとしては、N、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子を含む5〜7員のヘテロシクロアルキル環と縮合している5員および6員の炭素環式芳香環が挙げられるが、結合点は炭素環式芳香環に存在しているものとする。置換ベンゼン誘導体から形成され、環内原子に遊離原子価を有する二価の原子団は置換フェニレン原子団と呼称される。名称が「−イル(−yl)」で終わる一価の多環式炭化水素原子団から、遊離原子価を有する炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される二価の原子団は、対応する一価の原子団の名称に「−イデン(−idene)」を付けることによって呼称され、例えば、2つの結合点を有するナフチル基はナフチリデンと呼称される。しかしながら、アリールはヘテロアリール(別途、以下に定義する)を決して包含もせず、重複もしない。したがって、1つ以上の炭素環式芳香環がヘテロシクロアルキル芳香環と縮合している場合、得られる環系は、本明細書において定義する場合、ヘテロアリールであり、アリールではない。
【0025】
用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを包含しており、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を包含している。
【0026】
「ヘテロアリール」は:
1個以上、例えば1〜4個、または一部の実施形態では1〜3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含み、残りの環内原子が炭素である5〜7員の単環式の芳香環;ならびに
1個以上、例えば1〜4個、または一部の実施形態では1〜3個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含み、残りの環内原子が炭素であり、少なくとも1個のヘテロ原子が芳香環内に存在している二環式のヘテロシクロアルキル環
を包含する。例えば、ヘテロアリールとしては、5〜7員のヘテロシクロアルキル、5〜7員のシクロアルキル環と縮合している芳香環が挙げられる。また、例えば、ヘテロアリールとしては、5員または6員のヘテロシクロアルキル、5〜7員のアリール環と縮合している芳香環も挙げられる。環の一方のみが1個以上のヘテロ原子を含むかかる縮合二環式ヘテロアリール環系では、結合点はヘテロ芳香環またはシクロアルキル環に存在し得る。ヘテロアリール基内のS原子とO原子の総数が1を超える場合、該ヘテロ原子は互いに隣接していない。一部の実施形態では、ヘテロアリール基内のS原子とO原子の総数は2以下である。一部の実施形態では、芳香族複素環内のS原子とO原子の総数は1以下である。ヘテロアリール基の例としては、限定されないが、(1位と指定した結合位置から番号付けした場合)、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2,3−ピラジニル、3,4−ピラジニル、2,4−ピリミジニル、3,5−ピリミジニル、2,3−ピラゾリニル、2,4−イミダゾリニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサジアゾリル、チアゾリニル、チアジアゾリニル、テトラゾリル、チエニル、ベンゾチオフェニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリニル、ベンゾオキサゾリル、インドリニル、ピリジジニル、トリアゾリル、キノリニル、ピラゾリル、および5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリンが挙げられる。名称が「−イル」で終わる一価のヘテロアリール原子団から、遊離原子価を有する炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される二価の原子団は、対応する一価の原子団の名称に「−イデン」を付けることによって呼称され、例えば、2つの結合点を有するピリジル基はピリジリデンと呼称される。ヘテロアリールは、上で定義したアリールを包含もせず、重複もしない。
【0027】
また、置換ヘテロアリールは、1つ以上のオキシド(−O)置換基で置換されている環系(例えば、ピリジニルN−オキシドなど)も包含する。
【0028】
「ヘテロシクロアルキル」は、通常、3〜7個の環内原子を有し、酸素、イオウおよび窒素ならびに前述のヘテロ原子の少なくとも1個を含む組合せから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子に加えて少なくとも2個の炭素原子を含む単一の脂肪族環を意図する。また、「ヘテロシクロアルキル」は、N、OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子を含む5〜7員のヘテロシクロアルキル環と縮合している5員および6員の炭素環式芳香環もいうが、結合点はヘテロシクロアルキル環に存在しているものとする。好適なヘテロシクロアルキル基としては、例えば(1位と指定した結合位置から番号付けした場合)、2−ピロリニル、2,4−イミダゾリジニル、2,3−ピラゾリジニル、2−ピペリジル、3−ピペリジル、4−ピペリジル、および2,5−ピペラジニル(piperzinyl)が挙げられる。また、モルホリニル基、例えば、2−モルホリニルおよび3−モルホリニル(酸素を1位と指定して番号付け)も想定される。また、置換ヘテロシクロアルキルは、1つ以上のオキソ部分で置換されている環系(例えば、ピペリジニルN−オキシド、モルホリニル−N−オキシド、1−オキソ−1−チオモルホリニルおよび1,1−ジオキソ−1−チオモルホリニルなど)も包含する。
【0029】
用語「置換されている」は、本明細書で用いる場合、指定した原子上または基上のいずれかの1個以上の水素が表示した群の選択肢で置き換えられていることを意味するが、指定した原子の通常の結合価を超えないものとする。置換基がオキソである場合は(すなわち、=O)、該原子上の2個の水素が置き換えられる。置換基および/または可変部の組合せは、かかる組合せによって安定な化合物または有用な合成中間体がもたらされる場合にのみ許容され得る。安定な化合物または安定な構造は、反応混合物からの単離、続く、少なくとも実用的有用性を有する薬剤としての製剤化に耐えるのに充分に頑強である化合物を意味することを意図する。特に記載のない限り、置換基の名称はコア構造に組み込まれる。例えば、(シクロアルキル)アルキルが可能な置換基として挙げられている場合、この置換基のコア構造との結合点はアルキル部分に存在することは理解されよう。
【0030】
用語「置換」アルキル(例えば、限定されないが低級アルキル)、シクロアルキル、アリール(例えば、限定されないがフェニル)、ヘテロシクロアルキル(例えば、限定されないがモルホリン−4−イル、3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル、インドリン−1−イル、3−オキソピペラジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、アゼチジン−1−イル、およびイソインドリン−2−イル)、ならびにヘテロアリール(例えば、限定されないがピリジニル)は、明白に定義していない限り、1個以上(例えば、5個まで、例えば、3個までなど)の水素原子が、
−R、−OR、−O(C〜Cアルキル)O−(例えば、メチレンジオキシ−)、−SR、グアニジン、グアニジン水素の1個以上が低級アルキル基で置き換えられているグアニジン、−NR、ハロ、シアノ、オキソ(ヘテロシクロアルキルの置換基として)、ニトロ、−COR、−CO、−CONR、−OCOR、−OCO、−OCONR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOから独立して選択される置換基によって置き換えられているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロアリールをそれぞれいい、
ここで、Rは、任意選択的に置換されているC〜Cアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキル、任意選択的に置換されているアリール、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、および任意選択的に置換されているヘテロアリールから選択され;
は、H、任意選択的に置換されているC〜Cアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキル、任意選択的に置換されているアリール、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、および任意選択的に置換されているヘテロアリールから選択され;
は、水素、および任意選択的に置換されているC〜Cアルキルから選択されるか;あるいは
とRおよびこれらが結合している窒素が、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル基を形成しており;
ここで、任意選択的に置換されている基は、各々、非置換であるか、または独立して、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール−C〜Cアルキル−、ヘテロアリール−C〜Cアルキル−、C〜Cハロアルキル−、−OC〜Cアルキル、−OC〜Cアルキルフェニル、−C〜Cアルキル−OH、−C〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル、−OC〜Cハロアルキル、ハロ、−OH、−NH、−C〜Cアルキル−NH、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキルフェニル)、−NH(C〜Cアルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールの置換基として)、−COH、−C(O)OC〜Cアルキル、−CON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−CONH(C〜Cアルキル)、−CONH、−NHC(O)(C〜Cアルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C〜Cアルキル)C(O)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C〜Cアルキル、−C(O)C〜Cフェニル、−C(O)C〜Cハロアルキル、−OC(O)C〜Cアルキル、−SO(C〜Cアルキル)、−SO(フェニル)、−SO(C〜Cハロアルキル)、−SONH、−SONH(C〜Cアルキル)、−SONH(フェニル)、−NHSO(C〜Cアルキル)、−NHSO(フェニル)、および−NHSO(C〜Cハロアルキル)から独立して選択される1つ以上(例えば、1つ、2つまたは3つ)の置換基で置換されている。
【0031】
用語「置換アルコキシ」は、構成要素のアルキルが置換されている(すなわち、−O−(置換アルキル))アルコキシをいい、ここで、「置換アルキル」は本明細書に記載のとおりである。また、「置換アルコキシ」は、グリコシド(すなわち、グリコシル基)およびアスコルビン酸の誘導体も包含している。
【0032】
用語「置換アミノ」は、基−NHRまたは−NRをいい、式中、各Rは、独立して、ヒドロキシ、任意選択的に置換されているアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキル、任意選択的に置換されているアシル、アミノカルボニル、任意選択的に置換されているアリール、任意選択的に置換されているヘテロアリール、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されているアルコキシカルボニル、スルフィニルおよびスルホニル(各々、本明細書に記載のとおり)から選択されるが、1つだけのRはヒドロキシルであってもよいものとする。また、用語「置換アミノ」は、基−NHRおよびNR(各々、上記のとおり)のN−オキシドもいう。N−オキシドは、対応するアミノ基を、例えば、過酸化水素またはm−クロロペルオキシ安息香酸で処理することによって調製され得る。当業者は、N−酸化を行なうための反応条件を熟知している。
【0033】
「アミノカルボニル」は、式−(C=O)(任意選択的に置換されているアミノ)の基を包含し、ここで、置換アミノは本明細書に記載のとおりである。
【0034】
「アシル」は、基(アルキル)−C(O)−;(シクロアルキル)−C(O)−;(アリール)−C(O)−;(ヘテロアリール)−C(O)−;および(ヘテロシクロアルキル)−C(O)−をいい、ここで、該基は親構造にカルボニル官能基を介して結合しており、該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは本明細書に記載のとおりである。アシル基は表示した数の炭素原子を有するものであり、ケト基の炭素はその炭素原子の数に含める。例えば、Cアシル基は、式CH(C=O)−を有するアセチル基である。
【0035】
「アルコキシカルボニル」は、カルボニル炭素を介して結合する、式(アルコキシ)(C=O)−のエステル基を意図し、ここで、アルコキシ基は表示した数の炭素原子を有するものである。したがって、C〜Cアルコキシカルボニル基は、その酸素を介してカルボニル連結基に結合した1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基である。
【0036】
「アミノ」は、基−NHを意図する。
【0037】
用語「スルフィニル」は、基:−S(O)−H、−S(O)−(任意選択的に置換されている(C〜C)アルキル)、−S(O)−任意選択的に置換されているアリール)、−S(O)−任意選択的に置換されているヘテロアリール)、−S(O)−(任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル);および−S(O)−(任意選択的に置換されているアミノ)を包含する。
【0038】
用語「スルホニル」は、基:−S(O)−H、−S(O)−(任意選択的に置換されている(C〜C)アルキル)、−S(O)−任意選択的に置換されているアリール)、−S(O)−任意選択的に置換されているヘテロアリール)、−S(O)−(任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル)、−S(O)−(任意選択的に置換されているアルコキシ)、−S(O)−任意選択的に置換されているアリールオキシ)、−S(O)−任意選択的に置換されているヘテロアリールオキシ)、−S(O)−(任意選択的に置換されているヘテロシクリルオキシ);および−S(O)−(任意選択的に置換されているアミノ)を包含する。
【0039】
用語「置換アシル」は、基(置換アルキル)−C(O)−;(置換シクロアルキル)−C(O)−;(置換アリール)−C(O)−;(置換ヘテロアリール)−C(O)−;および(置換ヘテロシクロアルキル)−C(O)−をいい、ここで、該基は親構造にカルボニル官能基を介して結合しており、該置換されているアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクロアルキルは本明細書に記載のとおりである。
【0040】
用語「置換アルコキシカルボニル」は、基(置換アルキル)−O−C(O)−をいい、ここで、該基は親構造にカルボニル官能基を介して結合しており、該置換されているアルキルは本明細書に記載のとおりである。
【0041】
「グリコシド」は、糖の酸素または窒素原子に結合した非糖基を含み、かつ加水分解されると該糖がもたらされるいくつかの糖誘導体の任意のものをいう。グリコシル基の一例はグルコシルである。
【0042】
「アスコルビン酸の誘導体」または「アスコルビン酸誘導体」は、アスコルビン酸の酸素または窒素原子に結合した非糖基を含み、かつ加水分解されるとアスコルビン酸(すなわち、(R)−5−((S)−1,2−ジヒドロキシエチル)−3,4−ジヒドロキシフラン−2(5H)−オン)がもたらされるいくつかの誘導体の任意のものをいう。
【0043】
本明細書に記載の化合物は、限定されないが、その光学異性体、ラセミ化合物、およびこれらの他の混合物を包含している。該状況において、単一のエナンチオマーまたはジアステレオマー、すなわち、光学的に活性な形態は、不斉合成またはラセミ化合物の分割によって得られ得る。ラセミ化合物の分割は、例えば、分割剤の存在下での晶出、またはクロマトグラフィー(例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムを使用)などの慣用的な方法によって行なわれ得る。また、かかる化合物は、炭素−炭素二重結合を有する化合物のZ形およびE形(またはシス形およびトランス形)を包含する。本明細書に記載の化合物が種々の互変異性形態で存在するものである場合、用語「化合物」は、該化合物のあらゆる互変異性形態を包含することを意図する。また、かかる化合物は、多形およびクラスレートなどの結晶形態も包含する。同様に、用語「塩」は、該化合物のあらゆる互変異性形態および結晶形態を包含することを意図する。
【0044】
化学物質としては、限定されないが、本明細書に記載の化合物およびその薬学的に許容され得るあらゆる形態が挙げられる。本明細書に記載の化合物の薬学的に許容され得る形態としては、薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、およびその混合物が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグの形態である。したがって、用語「化学物質(1種類または複数種)」は、その薬学的に許容され得る塩、プロドラッグおよび混合物もまた包含する。
【0045】
「薬学的に許容され得る塩」としては、限定されないが、無機酸との塩、例えば、塩化水素酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、硝酸塩などの塩;ならびに有機酸との塩、例えば、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、およびアルカン酸塩(酢酸塩など)、HOOC−(CH−COOH(式中、nは0〜4である)などの塩が挙げられる。同様に、薬学的に許容され得るカチオンとしては、限定されないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、およびアンモニウムが挙げられる。
【0046】
また、本明細書に記載の化合物が酸付加塩として得られる場合、その遊離塩基は、該酸塩の溶液を塩基性化することにより得られ得る。逆に、生成物が遊離塩基である場合、付加塩、特に、薬学的に許容され得る付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製するための慣用的な手順に従って、遊離塩基を適当な有機溶媒に溶解させ、この溶液を酸で処理することにより生成され得る。当業者には、無毒性の薬学的に許容され得る付加塩を調製するために使用され得る種々の合成方法論が認識されよう。
【0047】
上記のように、プロドラッグもまた本明細書に記載の化学物質の範囲に含まれる。一部の実施形態では、本明細書に記載の「プロドラッグ」としては、患者に投与されると、例えば、プロドラッグが代謝過程を受けると式Iの化合物になる任意の化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、式Iの化合物の官能基、例えば、カルボン酸基の誘導体が挙げられる。カルボン酸基の例示的なプロドラッグとしては、限定されないが、アルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、アリールアルキルエステル、およびアリールオキシアルキルエステルなどのカルボン酸エステルが挙げられる。他の例示的なプロドラッグとしては、低級アルキルエステル(例えば、エチルエステルなど)、アシルオキシアルキルエステル(例えば、ピバロイルオキシメチル(POM)など)、グリコシド、およびアスコルビン酸誘導体が挙げられる。
【0048】
他の例示的なプロドラッグとしては、カルボン酸のアミドが挙げられる。例示的なアミドプロドラッグとしては、例えば、アミンとカルボン酸により形成される代謝を受けやすいアミドが挙げられる。例示的なアミンとしては、NH、第1級および第2級アミン(NHR、およびNRなどであり、式中のRは、水素、(C〜C18)−アルキル、(C〜C)−シクロアルキル、(C〜C)−シクロアルキル−(C〜C)−アルキル−、(C〜C14)−アリール(これは、非置換、あるいは残基(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、フルオロ、もしくはクロロで置換されている)、ヘテロアリール−、(C〜C14)−アリール−(C〜C)−アルキル−(該アリールは、非置換、あるいは残基(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、フルオロ、もしくはクロロで置換されている)、またはヘテロアリール−(C〜C)−アルキル−であり、Rは、R(水素を除く)について示した意味を有するか、あるいはRとRは、これらが結合している窒素と一緒に、窒素、酸素およびイオウから選択される1個または2個のさらなるヘテロ原子を任意選択的に含む任意選択的に置換されている4〜7員のヘテロシクロアルキル環を形成している)が挙げられる。プロドラッグの論考は、T.HiguchiおよびV.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.Symposium Seriesの第14巻, Edward B.Roche編,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987,ならびにDesign of Prodrugs,H.Bundgaard編,Elsevier,1985に示されている。
【0049】
「溶媒和物」は、溶媒と化合物の相互作用によって形成されるものである。用語「化合物」は、該化合物の溶媒和物を包含することを意図する。同様に、「塩」は、該塩の溶媒和物を包含する。好適な溶媒和物は、水和物(例えば、一水和物および半水和物)などの薬学的に許容され得る溶媒和物である。
【0050】
「キレート」は、化合物が金属イオンに2つ(以上)の点で配位することによって形成されるものである。用語「化合物」は、該化合物のキレートを包含することを意図する。同様に、「塩」は該塩のキレートを包含する。
【0051】
「非共有結合性複合体」は、化合物と別の分子との相互作用によって形成されるものであるが、該化合物と分子との間に共有結合は形成されていない。例えば、複合体形成は、ファン・デル・ワールス相互作用、水素結合、および静電的相互作用(イオン結合とも称される)によって起こり得る。かかる非共有結合性複合体は、用語「化合物」に包含される。
【0052】
用語「水素結合」は、電気陰性原子(水素結合受容体としても知られている)と、第2の比較的電気陰性の原子(水素結合供与体としても知られている)に結合している水素原子との会合の一形態をいう。好適な水素結合の供与体および受容体は、医薬品化学において充分理解されている(G.C.PimentelおよびA.L.McClellan,The Hydrogen Bond,Freeman,San Francisco,1960;R.TaylorおよびO.Kennard,“Hydrogen Bond Geometry in Organic Crystals”,Accounts of Chemical Research,17,pp.320−326(1984))。
【0053】
「水素結合受容体」は、酸素または窒素を含む基、例えば、sp混成型である酸素もしくは窒素、エーテル酸素、またはスルホキシドもしくはN−オキシドの酸素をいう。
【0054】
用語「水素結合供与体」は、酸素、窒素、または環内窒素を含む水素基を有するヘテロ芳香族炭素もしくは環内窒素を含むヘテロアリール基をいう。
【0055】
本明細書で用いる場合、用語「基」、「原子団」または「断片」は同義的であり、官能基または結合もしくは他の分子断片に結合可能な分子断片を示すことを意図する。
【0056】
用語「活性薬剤」は、生物学的活性を有する化学物質を示すために用いている。一部の実施形態では、「活性薬剤」は、医薬的有用性を有する化合物である。例えば、活性薬剤は、抗神経変性治療薬であり得る。
【0057】
本明細書に記載の化学物質の「治療有効量」という用語は、ヒトまたは非ヒト被験体に投与すると、治療上の有益性(例えば、症状の改善、疾患進行の遅滞、または疾患の予防など)がもたらされるのに有効な量を意味する。例えば、治療有効量は、KMO活性の阻害に応答性である疾患の症状およびキヌレニン経路の代謝産物(キヌレニン、キヌレン酸、アントラニル酸、3−OH−キヌレニン、3−OHアントラニル酸、またはキノリン酸)のモジュレーションが低減されるのに充分な量であり得る。一部の実施形態では、治療有効量は、神経変性性の経路または疾患の症状が処置されるのに充分な量である。一部の実施形態では、治療有効量は、神経変性疾患の徴候または副作用が低減されるのに充分な量である。一部の実施形態では、化学物質の治療有効量は、神経細胞死レベルの有意な増大が抑制されるか、または該レベルが有意に低減されるのに充分な量である。一部の実施形態では、化学物質の治療有効量は、神経細胞死と関連しているQUINレベルの有意な増大が抑制されるか、または該レベルが有意に低減されるのに充分な量である。一部の実施形態では、化学物質の治療有効量は、神経細胞の健常性と関連しているKYNAレベルの増大がもたらされるのに充分な量である。一部の実施形態では、化学物質の治療有効量は、QUINレベルの低下およびKYNAレベルの増大と関連している鎮痙特性および神経保護特性が増大するのに充分な量である。一部の実施形態では、治療有効量は、体内での炎症過程(例えば、限定されないが、脳、脊髄、および末梢神経系または髄膜内での炎症)がモジュレートされるのに充分な量である。一部の実施形態では、治療有効量は、有効な免疫応答(例えば、IL−1βもしくはTNF−αなど)の高まり(mount)を担うサイトカインの生成がモジュレートされるのに充分な量、または末梢もしくは脳内の血液脳関門が障害された状態(例えば、多発性硬化症など)において単球/マクロファージの炎症促進性活性が影響を受けるのに充分な量である。
【0058】
また、神経変性障害を処置するための本明細書に記載の方法では、治療有効量は、患者に投与されると、神経変性疾患の進行が検出可能な程度に遅れるか、または該化学物質が投与される患者が神経変性疾患の症状を呈することが抑制されるのに充分な量であり得る。また、神経変性疾患を処置するための本明細書に記載の一部の方法では、治療有効量は、神経細胞死レベルの検出可能な減少がもたらされるのに充分な量であり得る。例えば、一部の実施形態では、治療有効量は、QUINの量の検出可能な減少、およびキヌレニン、KYNAまたはアントラニル酸の量の増大がもたらされることにより、ニューロン死レベルが有意に低減されるのに充分な本明細書に記載の化学物質の量である。
【0059】
また、量は、上記の基準または実験条件のうちの少なくとも1つをそれだけで特徴とする場合、異なる基準または実験条件の組の下での一貫性のない、または相反するあらゆる結果に関係なく、治療有効量であるとみなす。
【0060】
用語「阻害」は、生物学的活性または生物学的プロセスのベースライン活性の有意な低下を示す。「KMO活性の阻害」は、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質の存在に対する直接的または間接的応答としてのKMO活性が、少なくとも1種類の該化学物質の非存在下でのKMOの活性と比べて低下することをいう。該活性の低下は、該化合物とKMOとの直接的な相互作用によるもの、または本明細書に記載の化学物質(1種類または複数種)と1種類以上の他の因子(これも同様にKMO活性に影響を及ぼす)との相互作用によるものであり得る。例えば、化学物質(1種類または複数種)の存在によって、KMOに直接結合することにより、(直接的もしくは間接的に)別の因子がKMO活性を低下させることを引き起こすことにより、または(直接的もしくは間接的に)細胞内もしくは生物体内に存在するKMOの量を減少させることにより、KMO活性が低減させられ得る。
【0061】
「KMO活性の阻害」は、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質の存在に対する直接的または間接的応答としてのKMO活性が、少なくとも1種類の該化学物質の非存在下でのKMOの活性と比べて低下することをいう。該活性の低下は、該化合物とKMOまたは1種類以上の他の因子(これも同様にKMO活性に影響を及ぼす)との直接的な相互作用によるものであり得る。
【0062】
また、KMO活性の阻害は、標準的なアッセイ(例えば、後述するアッセイなど)における観察可能な3−HKおよびQUINの生成の阻害をいう。また、KMO活性の阻害は、観察可能なKYNA生成の増大をいう。一部の実施形態では、本明細書に記載の化学物質は、1マイクロモル濃度以下のIC50値を有するものである。一部の実施形態では、該化学物質は100マイクロモル濃度以下(less than or equal to less than)のIC50値を有するものである。一部の実施形態では、該化学物質は10ナノモル濃度以下のIC50値を有するものである。
【0063】
また、「KMO活性」は、1種類以上の種々のKMO膜結合タンパク質(例えば、ミトコンドリアに見られる受容体など)の活性化、再分布、再編成もしくはキャッピングも包含するか、または結合部位で再分布およびキャッピングが行なわれ得、これによりシグナル伝達が開始され得る。また、KMO活性によりキヌレニンのアベイラビリティがモジュレートされ得、これにより、QUIN、KYNA、アントラニル酸および/または3−HKの合成または生成が引き起こされ得る。
【0064】
「KMO活性の阻害に応答性である疾患」は、KMOの阻害によって治療上の有益性、例えば、症状の改善、疾患進行の低減、疾患発症の予防もしくは遅延、炎症応答の予防もしくは改善、または特定の細胞型(例えば、神経細胞など)の異常な活性および/または死滅の抑止がもたらされる疾患である。
【0065】
「処置」または「処置する」は、患者の疾患の任意の処置を意味し、その処置には、例えば:
a)疾患の予防、すなわち、疾患の臨床症状を発現させなくすること;
b)疾患進行の抑止;
c)臨床症状の発現の遅滞もしくは停止;および/または
d)疾患の軽減、すなわち、臨床症状の後退を引き起こすこと
が含まれる。
【0066】
「被験体」または「患者」は、処置、観察または実験の対象である、または対象となる動物(例えば、哺乳動物など)をいう。本明細書に記載の方法は、ヒトの治療と獣医学的用途のどちらにも有用であり得る。一部の実施形態では、被験体は哺乳動物であり;一部の実施形態では、被験体はヒトである。
【0067】
式I
【0068】
【化2】

(式中:
は、任意選択的に置換されているアリール、および任意選択的に置換されているヘテロアリールから選択され;
は、シアノ、任意選択的に置換されているヘテロアリール、および任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキルから選択され;
は、水素、および任意選択的に置換されている低級アルキルから選択され、
は、水素、ハロ、および任意選択的に置換されている低級アルキルから選択される)
の化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグから選択される少なくとも1種類の化学物質を提供する。
【0069】
一部の実施形態では、Rは、アリールおよびヘテロアリール(これらは各々、−R、−OR、−SR、−NR、ハロ、シアノ、ニトロ、−COR、−CO、−CONR、−OCOR、−OCO、−OCONR、−NRCOR、−NRCO、−NRCONR、−CO、−CONR、−NRCOR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOから独立して選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されている)から選択され、
ここで、Rは、任意選択的に置換されているC〜Cアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキル、任意選択的に置換されているアリール、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、および任意選択的に置換されているヘテロアリールから選択され;
は、H、任意選択的に置換されているC〜Cアルキル、任意選択的に置換されているシクロアルキル、任意選択的に置換されているアリール、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、および任意選択的に置換されているヘテロアリールから選択され;
は、水素、および任意選択的に置換されているC〜Cアルキルから選択されるか;あるいは
とRおよびこれらが結合している窒素が、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル基を形成しており;
ここで、任意選択的に置換されている基は、各々、非置換であるか、または独立して、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、アリール−C〜Cアルキル−、ヘテロアリール−C〜Cアルキル−、C〜Cハロアルキル−、−OC〜Cアルキル、−OC〜Cアルキルフェニル、−C〜Cアルキル−OH、−OC〜Cハロアルキル、ハロ、−OH、−NH、−C〜Cアルキル−NH、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキルフェニル)、−NH(C〜Cアルキルフェニル)、シアノ、ニトロ、オキソ(ヘテロアリールの置換基として)、−COH、−C(O)OC〜Cアルキル、−CON(C〜Cアルキル)(C〜Cアルキル)、−CONH(C〜Cアルキル)、−CONH、−NHC(O)(C〜Cアルキル)、−NHC(O)(フェニル)、−N(C〜Cアルキル)C(O)(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)C(O)(フェニル)、−C(O)C〜Cアルキル、−C(O)C〜Cフェニル、−C(O)C〜Cハロアルキル、−OC(O)C〜Cアルキル、−SO(C〜Cアルキル)、−SO(フェニル)、−SO(C〜Cハロアルキル)、−SONH、−SONH(C〜Cアルキル)、−SONH(フェニル)、−NHSO(C〜Cアルキル)、−NHSO(フェニル)、および−NHSO(C〜Cハロアルキル)から独立して選択される1つ以上(例えば、1つ、2つまたは3つ)の置換基で置換されている。
【0070】
一部の実施形態では、Rは、任意選択的に置換されているアリール、および任意選択的に置換されているヘテロアリール(これらは各々、ハロ、任意選択的に置換されている低級アルキル、低級アルコキシ、任意選択的に置換されているアミノ、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されているヘテロアリールおよびヒドロキシから独立して選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されている)から選択される。
【0071】
一部の実施形態では、Rは、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ、任意選択的に置換されているアミノ、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されているヘテロアリールおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである。一部の実施形態では、Rは、ハロ、任意選択的に置換されている低級アルキル、任意選択的に置換されている低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである。一部の実施形態では、Rは、ハロ、低級アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである。一部の実施形態では、Rは、ハロ、低級アルキル、トリフルオロメチル、低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである。一部の実施形態では、Rは、ハロ、低級アルキル、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである。一部の実施形態では、Rは、ハロ、低級アルキルおよびトリフルオロメチルから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである。一部の実施形態では、Rは、フェニル、2,4−ジフルオロフェニル、3−クロロ−2−フルオロフェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、3−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、および3,5−ジクロロフェニルから選択される。一部の実施形態では、Rは、3−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、3−フルオロ−4−メチルフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、3−クロロ−4−イソプロポキシフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、および3,5−ジクロロフェニルから選択される。一部の実施形態では、Rは、2−トリフルオロメチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、および3,5−ジクロロフェニルから選択される。
【0072】
一部の実施形態では、Rは、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ、任意選択的に置換されているアミノ、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されているヘテロアリールおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているピリジン−3−イルである。一部の実施形態では、Rは、ハロ、任意選択的に置換されている低級アルキル、任意選択的に置換されている低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているピリジン−3−イルである。一部の実施形態では、Rは、ハロ、低級アルキル、トリフルオロメチル、低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているピリジン−3−イルである。一部の実施形態では、Rは、ハロ、低級アルキルおよびトリフルオロメチルから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているピリジン−3−イルである。一部の実施形態では、Rは、ピリジン−3−イル、5−フルオロピリジン−3−イル、および5−クロロピリジン−3−イルから選択される。
【0073】
一部の実施形態では、Rは、チアゾール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、オキサゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、1H−イミダゾール−1−イル(これらは各々、任意選択的に置換されている)から選択される。一部の実施形態では、Rは、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、オキサゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、1H−イミダゾール−1−イル(これらは各々、任意選択的に置換されている)から選択される。
【0074】
一部の実施形態では、Rは、チアゾール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、オキサゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、および1H−イミダゾール−1−イル(これらは各々、アミノカルボニル、任意選択的に置換されているアミノ、オキソ、低級アルキル、トリフルオロメチル、ハロおよびヘテロシクロアルキルから選択される1つまたは2つの基で任意選択的に置換されている)から選択される。一部の実施形態では、Rは、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、オキサゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、および1H−イミダゾール−1−イル(これらは各々、アミノカルボニル、任意選択的に置換されているアミノ、オキソ、低級アルキル、トリフルオロメチル、ハロおよびヘテロシクロアルキルから選択される1つまたは2つの基で任意選択的に置換されている)から選択される。
【0075】
一部の実施形態では、Rは、チアゾール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル、3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル、4−メチル−オキサゾール−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、テトラゾール−1−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、1,2−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2−アミノ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、5−(メチルカルバモイル)ピリジン−2−イル、5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、3−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、1H−イミダゾール−2−イル、および4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イルから選択される。一部の実施形態では、Rは、3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル、3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル、4−メチル−オキサゾール−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、テトラゾール−1−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、1,2−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2−アミノ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、5−(メチルカルバモイル)ピリジン−2−イル、5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、3−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、1H−イミダゾール−2−イル、および4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イルから選択される。
【0076】
一部の実施形態では、Rはシアノである。
【0077】
一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、Rが低級アルキルである。一部の実施形態では、Rがメチルまたはエチルである。一部の実施形態では、Rがメチルである。
【0078】
一部の実施形態では、Rは水素である。一部の実施形態では、Rがフルオロである。一部の実施形態では、Rがメチルである。
【0079】
また、
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−5,6−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール;
6−クロロ−2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ベンゾオキサゾール;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(4−メチル−オキサゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4−メチル−オキサゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−6−(4−メチル−オキサゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−ピリミジン;
3−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4−メチル−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(5−クロロ−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリミジン;
5−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン;
4−{3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル}−モルホリン;
{3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル}−ジメチル−アミン;
(2−{3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル}−エチル)−ジメチル−アミン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−イミダゾール−1−イル)−ピリミジン;
1−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン;
1−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−3−メチル−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン;
6−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−N−メチル−ニコチンアミド;
2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−5−メチル−1,2−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1H−イミダゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(5−メチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−ピリミジン;
6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3’H−[4,5’]ビピリミジニル−4’−オン;
4−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン;
2’−アミノ−6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3’H−[4,5’]ビピリミジニル−4’−オン;
4−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1,2−ジメチル−1,2−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン;
4−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−イミダゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−ピラゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−イミダゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−ピラゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−ピリミジン;
【0080】
4−(3−クロロ−フェニル)−6−テトラゾール−1−イル−ピリミジン;
4−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−2−オン;および
4−[6−(3,5−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−2−オン
ならびにこれらの薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグから選択される少なくとも1種類の化学物質を提供する。
【0081】
また、
3−[6−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3−クロロ−4−メチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
3−[6−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−(3−クロロ−4−イソプロポキシ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
3−[6−(3−クロロ−4−イソプロポキシ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−オキサゾール−2−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−チアゾール−2−イル−ピリミジン;および
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン
ならびにこれらの薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグから選択される少なくとも1種類の化学物質を提供する。
【0082】
また、
4−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン,ナトリウム塩;
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン,ナトリウム塩;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジンのナトリウム塩;および
6’−(3−クロロ−フェニル)−[1,4’]ビピリミジニル−2,4−ジオン,カリウム塩
から選択される少なくとも1種類の化学物質を提供する。
【0083】
また、キヌレニン3−モノ−オキシゲナーゼ活性によって媒介される状態または障害の処置を、かかる処置を必要とする被験体において行なう方法であって、該被験体に治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を投与することを含む方法を提供する。
【0084】
本明細書に記載の化学物質を得るための方法は当業者に自明であり、好適な手順は、例えば、以下の実施例および本明細書中で挙げた参考文献に記載されている。
【0085】
KMOの触媒活性の阻害方法であって、前記KMOを有効量の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と接触させることを含む方法を提供する。
【0086】
また、KMO活性によって媒介される状態または障害の処置を、かかる処置を必要とする被験体において行なう方法であって、該被験体に治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を投与することを含む方法を提供する。
【0087】
また、KMO活性によって媒介される神経変性病態の処置を、かかる処置を必要とする被験体において行なう方法であって、該被験体に治療有効量の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を投与することを含む方法を提供する。
【0088】
また、3−OH−KYN、QUINおよび/またはKYNAの存在によって(または該存在によって少なくとも一部)媒介される障害の処置方法を提供する。また、脳内でのQUIN、3−OH−KYNの合成の増大またはGLUの放出の増大が関与しており、ニューロンの損傷が引き起こされ得る変性性または炎症性の状態の処置方法を提供する。
【0089】
かかる疾患としては、例えば、ハンティングトン病および他のポリグルタミン障害(例えば、脊髄小脳失調など)、アルツハイマー病、パーキンソン病、高圧神経症候群、ジストニー、オリーブ橋小脳萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、癲癇、卒中の結果、脳虚血、虚血性障害、例えば、卒中(局所的虚血)、低酸素症、多発梗塞性痴呆、脳の外傷または損傷の結果、脊髄に対する損傷、痴呆(例えば、老人性痴呆およびAIDS認知症複合など)、ウイルスまたは細菌性髄膜炎、ウイルス、細菌および他の寄生生物によって引き起こされる感染性疾患、例えば、一般的な中枢神経系(例えば、CNS)感染症(例えば、ウイルス、細菌または寄生生物によるものなど)、例えば、灰白髄炎、ライム病(ボレリア・ブルグドルフェリ感染)敗血症性ショック、ならびにマラリア、大脳機能局在、ツレット症候群、肝性脳症、全身性狼瘡、無痛覚症およびアヘン剤離脱症状を伴う癌、摂食行動、精神障害(例えば、不眠症、鬱、統合失調症および不安など)、鬱病性障害、発育脳または老齢脳の障害、糖尿病、ならびにその合併症が挙げられる。また、かかる疾患としては、例えば、急性壊死性膵炎、AIDS(疾患)、無痛覚症、無菌性髄膜炎、脳疾患、例えば、ジル・ド・ラ・ツレット症候群、加齢に伴う脳疾患、および発育脳疾患、燃え尽き症候群、一酸化炭素中毒、心停止および心不全および出血性ショック(例えば、全脳虚血)、白内障形成および目の加齢、中枢神経系の疾患、脳血管疾患、慢性疲労症候群、慢性ストレス、認知障害、痙攣性障害(例えば、大発作および小発作の異型ならびに複合発生型癲癇など)、真性糖尿病、神経系の疾患(例えば、ジスキネジー、L−DOPA誘導性運動障害、薬物中毒、疼痛および白内障)、薬物依存、薬物離脱症状、摂食障害、ギラン‐バレー症候群および他の神経障害(neurophaties)、肝性脳症、免疫疾患、免疫性(immunitary)障害および生物学的応答の改良を目的とした治療的処置(例えば、インターフェロンまたはインターロイキンの投与)、炎症(全身性炎症応答症候群)、中枢および/または末梢神経系の炎症性障害、傷害(外傷、多発外傷)、精神障害および行動障害、代謝疾患、多臓器不全、溺水、壊死、脳の新生物、新生物性障害、例えば、リンパ腫および他の悪性血液障害、神経系の疾患(高圧神経症候群、感染)、ニコチン中毒および他の中毒性障害、例えば、アルコール依存症、大麻、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、モルヒネおよびコカイン依存(神経保護剤として)、疼痛、外傷後ストレス障害、敗血症、脊髄疾患、脊髄小脳性運動失調、全身性エリテマトーデス、脳および脊髄に対する外傷性損傷、ならびに振せん症候群および種々の運動障害(ジスキネジー)も挙げられる。
【0090】
また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質が被験体に投与される唯一の活性薬剤である処置方法を提供し、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質が1種類以上のさらなる活性薬剤と併せて被験体に投与される処置方法も含む。
【0091】
一般に、本明細書に記載の化学物質は、治療有効量で、同様の有用性をもたらす薬剤に許容された任意の投与様式のいずれかによって投与される。該化合物(すなわち、活性成分)の実際の量は、数多くの要素、例えば、処置対象の疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、投与の経路および形態、ならびに当業者によく知られた他の要素に依存する。該薬物は、1日少なくとも1回(例えば、1日1回または2回など)で投与され得る。
【0092】
一部の実施形態では、本明細書に記載の化学物質は医薬組成物として投与される。したがって、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を、担体、佐剤および賦形剤から選択される少なくとも1種類の薬学的に許容され得るビヒクルと一緒に含む医薬組成物を提供する。
【0093】
薬学的に許容され得るビヒクルは、処置対象の動物への投与に適したものであるためには、充分に高い純度および充分に低い毒性のものでなければならない。ビヒクルは、不活性なものであってもよく、医薬的有益性を有するものであってもよい。上記化学物質とともに使用されるビヒクルの量は、該化学物質の単位用量ごとに実用的な投与物質の量がもたらされるのに充分な量である。
【0094】
例示的な薬学的に許容され得る担体またはその成分は、糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロースなど);デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプンなど);セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびメチルセルロースなど);粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;固形滑沢剤(例えば、ステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムなど);硫酸カルシウム;合成油;植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、およびコーン油など);ポリオール(例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなど);アルギン酸;リン酸緩衝溶液;乳化剤(例えば、TWEENなど);湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど);着色剤;フレーバー剤;錠剤形成剤;安定剤;酸化防止剤;保存料;パイロジェンフリー水;等張性生理食塩水;ならびにリン酸緩衝溶液である。
【0095】
本明細書に記載の化学物質の活性を実質的に妨げない任意選択の活性薬剤を医薬組成物に含めてもよい。
【0096】
有効濃度の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を、適当な薬学的に許容され得るビヒクルと混合する。化学物質が示す溶解性が不充分な場合は、化合物を可溶化させるための方法を使用してもよい。かかる方法は、当業者に知られており、限定されないが、共溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)など)の使用、界面活性剤(例えば、TWEENなど)の使用、または重炭酸ナトリウム水溶液中への溶解が挙げられる。
【0097】
本明細書に記載の化学物質を混合または添加したとき、得られる混合物は液剤、懸濁剤、乳剤などであり得る。得られる混合物の形態は、いくつかの要素、例えば、意図される投与様式および選択されたビヒクルへの化学物質の溶解性に依存する。処置される疾患の症状を改善するのに充分な有効濃度は経験的に決定され得る。
【0098】
本明細書に記載の化学物質は、経口、非経口、静脈内、筋肉内注射、吸入またはスプレー、舌下、経皮、口腔内投与、経直腸により、局所的に、眼科用液剤として、または他の手段によって、単位投薬製剤にて投与され得る。
【0099】
医薬組成物は、経口使用のために、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性の懸濁剤、分散性の散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬質もしくは軟質のカプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤などに製剤化され得る。経口使用が意図される医薬組成物は、医薬組成物の製造のための当該技術分野で知られた任意の方法に従って調製され得、かかる組成物には、医薬として美的で口当たりのよい調製物を得るために甘味剤、フレーバー剤、着色剤および保存剤などの1種類以上の薬剤が含有され得る。一部の実施形態では、経口医薬組成物には、0.1〜99%の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質が含有される。一部の実施形態では、経口医薬組成物には、少なくとも5%(重量%)の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質が含有される。一部の実施形態では、25%〜50%または5%〜75%の本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質が含有される。
【0100】
また、経口投与される医薬組成物としては、液状の液剤、乳剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、シロップ剤なども挙げられる。かかる組成物の調製に適した薬学的に許容され得る担体は、当該技術分野でよく知られている。経口医薬組成物には、保存料、フレーバー剤、甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリンなど)、矯味剤、および着色剤が含有され得る。
【0101】
シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および懸濁剤用の担体の典型的な成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液状スクロース、ソルビトールおよび水が挙げられる。シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースとともに製剤化され得る。また、かかる医薬組成物には粘滑剤が含有されることもあり得る。
【0102】
本明細書に記載の化学物質は、経口液状調製物、例えば、水性もしくは油性の懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤などに組み込まれ得る。さらに、このような化学物質を含む医薬組成物は、使用前に水または他の適当なビヒクルを用いる構成用の乾燥製品として提示してもよい。かかる液状調製物には、慣用的な添加剤、例えば、懸濁化剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖、シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、および水添食用脂)、乳化剤(例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエート(monsoleate)、またはアカシア)、非水性ビヒクル(食用油(例えば、アーモンド油、分別ココナッツ油、シリルエステル、プロピレングリコールおよびエチルアルコール)が挙げられ得る)、ならびに保存料(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピルおよびソルビン酸)が含有され得る。
【0103】
懸濁剤では、典型的な懸濁化剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC−591、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられ;典型的な湿潤剤としては、レシチンおよびpolysorbate 80が挙げられ;典型的な保存料としては、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムが挙げられる。
【0104】
水性懸濁剤には、活性物質(1種類または複数種)が、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合された状態で含有される。かかる賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴム;分散化剤または湿潤剤であり、天然に存在しているホスファチド(例えば、レシチン)、またはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトールから得られる部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビトール代用物など)、またはエチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から得られる部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタン代用物)であってもよい。また、水性懸濁剤には、1種類以上の保存料、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルが含有され得る。
【0105】
油性懸濁剤は、活性成分を植物油、例えば、ピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油、または鉱油(例えば、液状パラフィン)中に懸濁させることにより製剤化され得る。油性懸濁剤には、増粘剤、例えば、蜜蝋、硬質パラフィンまたはセチルアルコールが含有され得る。口当たりのよい経口調製物を得るために甘味剤(例えば、上記のものなど)およびフレーバー剤を添加してもよい。このような医薬組成物は、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸など)を添加することによって保存され得る。
【0106】
また、医薬組成物は、水中油型の乳剤の形態であってもよい。油相は、植物油(例えば、オリーブ油もしくはピーナッツ油)、または鉱油(例えば、液状パラフィン)またはこれらの混合であり得る。好適な乳化剤は、天然に存在しているゴム(例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム)、天然に存在しているホスファチド(例えば、ダイズおよびレシチン)、ならびに脂肪酸とヘキシトール無水物から得られるエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、ならびに前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)であり得る。
【0107】
水を添加することによる水性懸濁剤の調製に適した分散性の散剤および顆粒剤では、活性成分が、分散化剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種類以上の保存料と混合された状態で提供される。好適な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤は、既に上で挙げたものが例示される。
【0108】
錠剤には、典型的には、薬学的に許容され得る慣用的な佐剤が、不活性な希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトースおよびセルロース);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンおよびスクロースなど);崩壊剤(例えば、デンプン、アルギン酸およびクロスカルメロースなど);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクなど)として含まれる。粉末混合物の流動特性を改善するために流動促進剤(例えば、二酸化ケイ素など)を使用してもよい。見栄えのために着色剤(例えば、FD&C色素など)を添加してもよい。甘味料およびフレーバー剤(例えば、アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、およびフルーツフレーバーなど)は、チュアブル錠に有用な佐剤であり得る。カプセル剤(例えば、時限放出および徐放製剤)には、典型的には、上で開示した1種類以上の固形希釈剤が含まれる。担体成分の選択は、多くの場合、味、コストおよび貯蔵安定性などの二次的考慮事項に依存する。
【0109】
また、かかる医薬組成物を、慣用的な方法によって、典型的にはpH依存性または時間依存性コーティングで、化学物質が所望の局所的適用の近くで胃腸管にて放出されるように、または種々の時点で放出されて所望の作用を延ばすようにコーティングしてもよい。かかる投薬形態には、典型的には、限定されないが、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアセテートフタレート、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、Eudragitコーティング、ワックスおよびシェラックのうちの1種類以上が含まれる。
【0110】
また、経口使用のための医薬組成物は、硬質ゼラチンカプセル剤として提示してもよく(この場合、活性成分は、不活性な固形希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合される)、軟質ゼラチンカプセル剤として提示してもよい(この場合、活性成分は、水または油性媒体、例えば、ピーナッツ油、液状パラフィンもしくはオリーブ油と混合される)。
【0111】
医薬組成物は、滅菌された水性または油性の注射用懸濁剤の形態であってもよい。この懸濁剤は、上に記載した適当な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、既知技術に従って製剤化され得る。また、滅菌された注射用調製物は、非経口に許容され得る無毒性のビヒクル中の滅菌された注射用の液剤または懸濁剤(例えば、1,3−ブタンジオールでの液剤)であってもよい。中でも、使用されてもよい許容され得るビヒクルは、水、リンゲル液、および等張性塩化ナトリウム溶液である。また、滅菌された固定油は、溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用されている。この目的には、任意の無刺激性の固定油、例えば、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドが使用され得る。また、脂肪酸(例えば、オレイン酸など)は注射可能物質の調製に有用であり得る。
【0112】
本明細書に記載の化学物質は、滅菌された媒体にて非経口投与され得る。非経口投与としては、皮下注射、静脈内、筋肉内、髄腔内注射または注入手法が挙げられる。本明細書に記載の化学物質は、使用されるビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクルに懸濁させるか、または溶解させるかのいずれかであり得る。好都合には、局所麻酔薬、保存料および緩衝剤などの佐剤をビヒクルに溶解させるのがよい。非経口投与のための多くの医薬組成物では、担体は、組成物全体の少なくとも90重量%を構成する。一部の実施形態では、非経口投与のための担体は、プロピレングリコール、オレイン酸エチル、ピロリドン、エタノール、およびゴマ油から選択される。
【0113】
また、本明細書に記載の化学物質を、薬物の経直腸投与のための坐剤の形態で投与してもよい。このような医薬組成物は、該薬物を、常温では固形であるが直腸温度では液状であり、したがって直腸内で融解して該薬物を放出する適当な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製され得る。かかる物質としては、ココアバターおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0114】
本明細書に記載の化学物質は、局部的または局所的適用のため、例えば、皮膚および粘膜(眼内)への局所的適用のために、ゲル剤、クリーム剤およびローション剤の形態で、ならびに目への適用のために製剤化され得る。局所的医薬組成物は、例えば、液剤、クリーム剤、軟膏、ゲル剤、ローション剤、乳状液、洗浄剤、保湿剤、スプレー剤、皮膚貼付剤などの任意の形態であり得る。
【0115】
かかる液剤は、適切な塩と共に0.01%〜10%の等張性液剤(pH5〜7)として製剤化され得る。また、本明細書に記載の化学物質は、経皮投与のために経皮パッチとして製剤化してもよい。
【0116】
本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を含む局所的医薬組成物は、当該技術分野でよく知られたさまざまな担体物質、例えば、水、アルコール、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびE油、鉱油、プロピレングリコール、PPG−2ミリスチルプロピオネートなどと混合され得る。
【0117】
局所用担体における使用に適した他の物質としては、例えば、エモリエント剤、溶媒、保湿剤、増粘剤および粉末剤が挙げられる。単一で、または1種類以上の物質の混合物として使用され得るこれらの各型の物質の例は、以下のとおりである。
【0118】
代表的なエモリエント剤としては、ステアリルアルコール、モノリシンオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、ジメチルポリシロキサン、セバシン酸ジ−n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ゴマ油、ココナッツ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノレン酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、およびミリスチン酸ミリスチルが挙げられる;噴射剤(例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化炭素、および亜酸化窒素など);溶媒(例えば、エチルアルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランなど);保湿剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、およびゼラチンなど);ならびに粉末剤(例えば、胡粉、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウムスメクタイト、トリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾されたケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機修飾されたモンモリロナイトクレイ、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびエチレングリコールモノステアレートなど)。
【0119】
また、本明細書に記載の化学物質は、リポソーム送達系、例えば、小型の単層小胞、大型の単層小胞および多層小胞の形態で局所投与され得る。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどのさまざまなリン脂質から形成され得る。
【0120】
化学物質の全身性送達を達成するのに有用な他の医薬組成物としては、舌下、口腔内および経鼻投薬形態が挙げられる。かかる医薬組成物には、典型的には、可溶性充填剤物質(例えば、スクロース、ソルビトールおよびマンニトールなど)、ならびに結合剤(例えば、アカシア、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)のうちの1種類以上が含まれる。また、上で開示した流動促進剤、滑沢剤、甘味料、着色料、酸化防止剤およびフレーバー剤を含めてもよい。
【0121】
吸入用の医薬組成物は、典型的には、乾燥粉末剤として投与され得る液剤、懸濁剤もしくは乳剤の形態、または慣用的な噴射剤(例えば、ジクロロジフルオロメタンもしくはトリクロロフルオロメタン)を用いるエーロゾル剤の形態で提供され得る。
【0122】
また、医薬組成物に、任意選択で活性促進剤を含めてもよい。活性促進剤は、種々の様式で促進機能を果たすか、または本明細書に記載の化学物質の治療効果とは独立している多種多様な分子から選択され得る。活性促進剤の具体的な類型としては、皮膚浸透促進剤および吸収促進剤が挙げられる。
【0123】
また、医薬組成物に、さらなる活性薬剤を含有させてもよく、該薬剤は、種々の様式で本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質の治療効果を向上させる機能を果たし得る多種多様な分子から選択され得る。このような任意選択の他の活性薬剤は、存在させる場合は、典型的には、医薬組成物中に0.01%〜15%の範囲のレベルで使用される。一部の実施形態では、該組成物の0.1重量%〜10重量%を含める。他の実施形態では、該組成物の0.5重量%〜5重量%を含める。
【0124】
また、パッケージ化医薬組成物を提供する。かかるパッケージ化組成物は、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を含む医薬組成物と、被験体(典型的には、ヒト患者)を処置するために該組成物を使用するための使用説明書を含むものである。一部の実施形態では、使用説明書は、キヌレニン3−モノ−オキシゲナーゼ活性によって媒介される状態または障害に苦しんでいる被験体を処置するために該医薬組成物を使用するためのものである。パッケージ化医薬組成物には、処方情報を;例えば、患者もしくは保険医療提供者に、またはパッケージ化医薬組成物におけるラベル表示として提供することが包含され得る。処方情報としては、例えば、有効性、投薬量および投与、医薬組成物に関する禁忌および有害反応情報が挙げられ得る。
【0125】
前述のすべてにおいて、化学物質は単独で投与しても、混合物として投与しても、他の活性薬剤と併用して投与してもよい。
【0126】
本明細書に記載の方法としては、ハンティングトン病の処置のための方法(ハンティングトン病と関連している記憶障害および/または認知障害の処置を含む)であって、被験体に、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、ハンティングトン病の処置に使用される1種類以上のさらなる薬剤(例えば、限定されないが、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン(Despiramine)、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン(Setraline)、テトラベナジン(Terabenazine)、ハロペリドール、クロロプロマジン、チオリダジン、スルピリド(Sulpride)、クエチアピン、クロザピンおよびリスペリドンなど)とを同時または逐次投与することを含む方法が挙げられる。同時投与が使用される方法では、該薬剤を併用される組成物内に存在させてもよく、別々に投与してもよい。その結果、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、ハンティングトン病の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、テトラベナジン、ハロペリドール、クロロプロマジン、チオリダジン、スルピリド、クエチアピン、クロザピンおよびリスペリドンなど)とを含む医薬組成物もまた提供する。同様に、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を含む医薬組成物と、ハンティングトン病の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、アミトリプチリン、イミプラミン、デシプラミン、ノルトリプチリン、パロキセチン、フルオキセチン、セルトラリン、テトラベナジン、ハロペリドール、クロロプロマジン、チオリダジン、スルピリド、クエチアピン、クロザピンおよびリスペリドンなど)を含む別の組成物とを含むパッケージ化医薬組成物も提供する。
【0127】
また、パーキンソン病の処置のための方法(パーキンソン病と関連している記憶障害および/または認知障害の処置を含む)であって、被験体に、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、パーキンソン病の処置に使用される1種類以上のさらなる薬剤(例えば、限定されないが、レボドパ、パーロデル、ペルマックス、ミラペックス、タスマール、コンタン(Contan)、ケマジン(Kemadin)、アーテン、およびコゲンチンなど)とを同時または逐次投与することを含む方法を提供する。同時投与が使用される方法では、該薬剤を併用される組成物内に存在させてもよく、別々に投与してもよい。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、パーキンソン病の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、レボドパ、パーロデル、ペルマックス、ミラペックス、タスマール、コンタン、ケマジン、アーテン、およびコゲンチンなど)とを含む医薬組成物を提供する。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を含む医薬組成物と、パーキンソン病の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、レボドパ、パーロデル、ペルマックス、ミラペックス、タスマール、コンタン、ケマジン、アーテン、およびコゲンチンなど)を含む別の組成物とを含むパッケージ化医薬組成物を提供する。
【0128】
また、アルツハイマー病と関連している記憶障害および/または認知障害の処置のための方法であって、被験体に、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、アルツハイマー病の処置に使用される1種類以上のさらなる薬剤(例えば、限定されないが、レミニール、コグネックス(Cognex)、アリセプト、イクセロン、アカチノール、ネオトロピン、エルデプリル、エストロゲンおよびクリオキノール(Cliquinol)など)とを同時または逐次投与することを含む方法を提供する。同時投与が使用される方法では、該薬剤を併用される組成物内に存在させてもよく、別々に投与してもよい。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、アルツハイマー病の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、レミニール、コグネックス、アリセプト、イクセロン、アカチノール、ネオトロピン、エルデプリル、エストロゲンおよびクリオキノールなど)とを含む医薬組成物を提供する。同様に、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を含む医薬組成物と、アルツハイマー病の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、レミニール、コグネックス、アリセプト、イクセロン、アカチノール、ネオトロピン、エルデプリル、エストロゲンおよびクリオキノールなど)を含む別の組成物とを含むパッケージ化医薬組成物も提供する。
【0129】
また、痴呆または認知障害と関連している記憶障害および/または認知障害の処置のための方法であって、被験体に、少なくとも1種類の化学物質と、痴呆の処置に使用される1種類以上のさらなる薬剤(例えば、限定されないが、チオリダジン、ハロペリドール、リスペリドン、コグネックス、アリセプト、およびイクセロンなど)とを同時または逐次投与することを含む方法を提供する。同時投与が使用される方法では、該薬剤を併用される組成物内に存在させてもよく、別々に投与してもよい。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、痴呆の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、チオリダジン、ハロペリドール、リスペリドン、コグネックス、アリセプト、およびイクセロンなど)とを含む医薬組成物を提供する。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を含む医薬組成物と、痴呆の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、チオリダジン、ハロペリドール、リスペリドン、コグネックス、アリセプト、およびイクセロンなど)を含む別の組成物とを含むパッケージ化医薬組成物を提供する。
【0130】
また、癲癇と関連している記憶障害および/または認知障害の処置のための方法であって、被験体に、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、癲癇の処置に使用される1種類以上のさらなる薬剤(例えば、限定されないが、ジランチン、ルミノール、テグレトール、デパコート、デパケン、ザロンチン、ニューロンチン、バルビタ(Barbita)、ソルフェトン(Solfeton)、およびフェルバトールなど)とを同時または逐次投与することを含む方法を提供する。同時投与が使用される方法では、該薬剤を併用される組成物内に存在させてもよく、別々に投与してもよい。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、癲癇の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、ジランチン、ルミノール、テグレトール、デパコート、デパケン、ザロンチン、ニューロンチン、バルビタ、ソルフェトン、およびフェルバトールなど)とを含む医薬組成物を提供する。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を含む医薬組成物と、癲癇の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、ジランチン、ルミノール、テグレトール、デパコート、デパケン、ザロンチン、ニューロンチン、バルビタ、ソルフェトン、およびフェルバトールなど)を含む別の組成物とを含むパッケージ化医薬組成物を提供する。
【0131】
また、多発性硬化症と関連している記憶障害および/または認知障害の処置のための方法であって、被験体に、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、多発性硬化症の処置に使用される1種類以上のさらなる薬剤(例えば、限定されないが、デトロール、ジトロパン(Ditropan)XL、オキシコンチン、ベタセロン、アボネックス、アザチオプリン(Azothioprine)、メトトレキサート、およびコパクソンなど)とを同時または逐次投与することを含む方法を提供する。同時投与が使用される方法では、該薬剤を併用される組成物内に存在させてもよく、別々に投与してもよい。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質と、多発性硬化症の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、デトロール、ジトロパンXL、オキシコンチン、ベタセロン、アボネックス、アザチオプリン、メトトレキサート、およびコパクソンなど)とを含む医薬組成物を提供する。また、本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質を含む医薬組成物と、多発性硬化症の処置に使用される1種類以上のさらなる医薬用薬剤(例えば、限定されないが、デトロール、ジトロパンXL、オキシコンチン、ベタセロン、アボネックス、アザチオプリン、メトトレキサート、およびコパクソンなど)を含む別の組成物とを含むパッケージ化医薬組成物を提供する。
【0132】
1種類以上のさらなる医薬用薬剤(1種類または複数種)と併用して使用する場合、本明細書に記載のものは、該さらなる医薬用薬剤(1種類または複数種)の投与の前に投与しても、同時に投与しても後に投与してもよい。
【0133】
本明細書に記載の化合物の投薬量は、さまざまな要素、例えば、数ある考慮事項の中でも、処置対象の具体的な症候群、症状の重症度、投与経路、投薬間隔の頻度、使用される具体的な化合物、該化合物の有効性、毒物学的プロフィール、薬物動態プロフィール、ならびに任意の有害な副作用の存在に依存する。
【0134】
本明細書に記載の化学物質は、典型的には、KMOインヒビターに対して慣用的な投薬量レベルおよび様式で投与される。例えば、化学物質は、単回用量または複数回用量で経口投与によって、一般的には0.001〜100mg/kg/日、例えば、0.01〜100mg/kg/日(例えば、0.1〜70mg/kg/日、例えば、0.5〜10mg/kg/日など)の投薬量レベルで投与され得る。単位投薬形態には、通常、0.01〜1000mgの本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質、例えば、0.1〜50mgの本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質が含有され得る。静脈内投与では、該化合物は、単回投薬量または複数回投薬量で、例えば、0.001〜50mg/kg/日(例えば、0.001〜10mg/kg/日、例えば、0.01〜1mg/kg/日など)の投薬量レベルで投与され得る。単位投薬形態には、例えば、0.1〜10mgの本明細書に記載の少なくとも1種類の化学物質が含有され得る。
【0135】
標識された形態の本明細書に記載の化学物質を、本明細書に記載のKMOの活性をモジュレートする機能を有する化合物を特定および/または取得するために、診断薬として使用してもよい。さらに、本明細書に記載の化学物質をバイオアッセイの確認、最適化および標準化のために使用してもよい。
【0136】
本明細書において「標識された」とは、該化合物が、検出可能なシグナルをもたらす標識(例えば、放射性同位体、蛍光タグ、酵素、抗体、粒子(例えば、磁気粒子など)、化学発光タグ、または特異的結合分子など)で直接的または間接的に標識されていることを意図する。特異的結合分子としては、例えば、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンと抗ジゴキシンなどのペアが挙げられる。特異的結合構成員について、相補的な構成員は、通常、上で概要を示したような既知の手順に従って、検出をもたらす分子で標識され得る。標識は、検出可能なシグナルを直接もたらすものであっても、間接的にもたらすものであってもよい。
【0137】
本明細書に記載の方法の手順を実施する際、具体的なバッファー、培地、試薬、細胞、培養条件などに対する言及は、限定を意図するものではなく、該論考が提示される具体的な状況において重要または有益であると当業者によって認識され得るすべての関連物質を包含するように読まれるべきであることはもちろん理解されよう。例えば、多くの場合、あるバッファー系または培養培地を別のものに置き換えることが可能であり、それでもなお、(同一ではない場合)同様の結果が得られる。当業者は、必要以上に実験を行なうことなくかかる置き換えを行なうことができるような、かかる系および方法論の充分な知識を有しており、それを、本明細書に開示した方法および手順の使用において目的に合うよう最適に役立てられよう。
【実施例】
【0138】
(実施例)
本明細書に記載の化学物質、組成物および方法を、以下の非限定的な実施例によってさらに例示する。
【0139】
本明細書で用いる場合、以下の略号は以下の意味を有する。略号を定義していない場合は、一般的に認識されている意味を有する。
【0140】
CDI=カルボニルジイミダゾール
DCM=ジクロロメタン
DME=ジメチルエーテル
DMEM=ダルベッコ改変イーグル培地
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
EDC・HCl=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
EtOH=エタノール
EtO=ジエチルエーテル
EtOAc=酢酸エチル
g=グラム
hr=時間
hrs=時間(複数)
HOBt=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
LiHMDS=リチウムヘキサメチル−ジシラジド
LC/MS=液体クロマトグラフィー/質量分析
mg=ミリグラム
min=分
mL=ミリリットル
mmol=ミリモル
mM=ミリモル
ng=ナノグラム
nm=ナノメートル
nM=ナノモル
PBS=リン酸緩衝生理食塩水
rt=室温
TBME=t−ブチルメチルエーテル
THF=テトラヒドロフラン
TMOF=オルトギ酸トリメチル
μL=マイクロリットル
μM=マイクロモル

実験
市販の試薬および溶媒(HPLC等級)は、さらに精製することなく使用した。
【0141】
薄層クロマトグラフィー(TLC)解析は、Kieselgel 60 F254(Merck)プレートを用いて行ない、UV光を用いて可視化した。マイクロ波反応は、CEM集束マイクロ波を用いて行なった。
【0142】
解析用HPLC−MSは、Agilent HP1100およびShimadzu 2010で行ない、システムには、逆相Atlantis dC18カラム(5μm,2.1×50mm)、3分間で5から100%までのBの勾配(A=水/0.1%ギ酸,B=アセトニトリル/0.1%ギ酸)、インジェクション体積3μl、流量=1.0ml/分を使用した。UVスペクトルは215nmで、Waters 2487二波長UV検出器またはShimadzu 2010システムを用いて記録した。質量スペクトルは、m/z 150〜850の範囲にわたって2スキャン/秒のサンプリングレートでWaters ZMDを用いて、そして、m/z 100〜1000にわたって2Hzのサンプリングレートでエレクトロスプレーイオン化を用いてShimadzu 2010 LC−MSシステムによって取得するか、または解析用HPLC−MSをAgilent HP1100およびShimadzu 2010で行ない、システムには、逆相Water Atlantis dC18カラム(3μm,2.1×100mm)、7分間で5から100%までのBの勾配(A=水/0.1%ギ酸,B=アセトニトリル/0.1%ギ酸)、インジェクション体積3μl、流量=0.6ml/分を使用した。UVスペクトルは、215nmで、Waters 2996光ダイオードアレイを用いて、またはShimadzu 2010システムで記録した。質量スペクトルは、m/z 150〜850の範囲にわたって2スキャン/秒のサンプリングレートでWaters ZQを用いて、そして、m/z 100〜1000にわたって2Hzのサンプリングレートでエレクトロスプレーイオン化を用いてShimadzu 2010 LC−MSシステムによって取得した。データは、OpenLynx and OpenLynx Browserソフトウェアを用いて、またはShimadzu PsiPortソフトウェアによって積分し、報告した。
【0143】
1g/1ml=1体積
実施例1
【0144】
【化3】

反応スキーム1,ステージ1を参照されたい。4−クロロ−6−(置換−フェニル)l−ピリミジン(1当量)の脱気DMF(20体積)溶液に、Pd(PPh(0.05当量)を添加した後、シアン化亜鉛(1当量)を添加した。反応混合物を、反応が終了するまで100℃で加熱し、終了したら、これを室温まで冷却した。水(37.5体積)を反応混合物に添加し、これをEtOAc(150体積)で抽出した。有機層を水(1000体積)で洗浄した後、飽和NaCl水溶液(200体積)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[0:1から1:1までの]EtOAc:ヘプタン)、目的化合物を得た。
【0145】
反応スキーム1,ステージ2を参照されたい。DMF(46体積)中の6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニトリル(1当量)、アジ化ナトリウム(12当量)および塩化アンモニウム(12当量)の溶液を、マイクロ波で20ワットにて、撹拌しながら200℃に15分間加熱した。反応混合物をNaHCO3の飽和溶液に添加し、EtOAcで洗浄した(4回)。次いで、濃HClを用いて水相をpH1に酸性化すると、所望の生成物の析出が引き起こされ、これを濾別し、水で洗浄した。
【0146】
反応スキーム1,ステージ3を参照されたい。4−置換−フェニル−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジンを、2M NaOH溶液(7.3当量)中で摩砕し、濾過し、水(2回)とアセトン(2回)で洗浄し、所望のナトリウム塩を得た。
【0147】
反応スキーム1,ステージ4を参照されたい。DMF(15体積)中の4−置換−フェニル−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン(1当量)の撹拌溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(1当量)を添加した。得られた混合物を0℃で20分間撹拌した後、ヨウ化メチル(2当量)を添加した。次いで、反応混合物を室温で2時間、次いで40℃で1時間撹拌した。反応混合物を水に注入し、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[0:1から1:1までの]EtOAc:ヘプタン)、目的化合物を得た。
【0148】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0149】
【表1−1】

【0150】
【表1−2】

【0151】
【表1−3】

実施例2
【0152】
【化4】

反応スキーム2,ステージ1を参照されたい。DMF(6体積)中の6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸(1当量)の撹拌溶液に、EDC.HCl(2当量)、HOBt(1.1当量)および適切なアニリン(1.1当量)を添加した。反応混合物を周囲温度で16時間を撹拌し、溶媒を減圧除去した。残渣をアセトニトリル/水(1/1)とともに摩砕し、中間体を得、これを加圧チューブ内で、使用されるアニリンに応じて120℃〜170℃の間の異なる温度で16時間加熱した。反応混合物を室温まで放冷し、NaHCOでクエンチした。得られた析出物を濾過し、水とメタノールで洗浄した。これを、必要な場合は、分取用HPLCによってさらに精製し、所望の目的化合物を得た。
【0153】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0154】
【表2−1】

【0155】
【表2−2】

実施例3
【0156】
【化5】

反応スキーム3,ステージ1を参照されたい。DMF(15体積)中の2−メチル−6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸(1当量)または6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸(1当量)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(1.05当量)とクロロアセトン(1.05当量)を添加し、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。水(35体積)を反応混合物に添加し、これを濾過し、エステル中間体を薄褐色固形物として得た。このエステル中間体を水で洗浄し、真空炉内で16時間乾燥させ、さらに精製せずに次のステージで使用した。
【0157】
反応スキーム3,ステージ2を参照されたい。酢酸(23体積)中の先のエステル中間体(1当量)の撹拌溶液に、酢酸アンモニウム(4当量)を添加し、反応混合物を撹拌しながら115℃で2時間加熱した。これを室温まで放冷し、溶媒を減圧除去した。得られた黒色固形物をEtOAcに溶解させ、水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去した。カラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[0:1から1:4までの]EtOAc:ヘプタン)、必要とする目的化合物を得た。
【0158】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0159】
【表3】

実施例4
【0160】
【化6】

反応スキーム4,ステージ1を参照されたい。無水トルエン(20体積)中の6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニトリル(1当量)の撹拌溶液に、0℃で、リチウムヘキサメチルジシラジド(2当量)を添加し、反応混合物を周囲温度で2時間、窒素雰囲気下にて撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、HCl(3M)でクエンチした。30分間の撹拌後、水(40体積)を添加した後、トルエン(20体積)を添加した。混合物を分配し、水相中に存在している析出物を濾別した。固形物を3M水酸化ナトリウム溶液に懸濁させ、室温で30分間撹拌し、6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミジンを得、これを、さらに精製せずに次のステージで使用した。
【0161】
反応スキーム4,ステージ2を参照されたい。1,4−ジオキサン(10体積)中の6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミジン(1当量)の撹拌溶液に、クロロアセトン(0.33当量)を添加し、反応混合物を密封加圧チューブ内で100℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した。ジイソプロピルエチルアミン(1当量)とクロロアセトン(0.33当量)を反応混合物に添加し、これを110℃で16時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた固形物を水とともに摩砕し、濾過し、メタノールで洗浄した。分取用HPLCによって精製し、所望の目的化合物を得た。
【0162】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0163】
【表4】

実施例5
【0164】
【化7】

反応スキーム5,ステージ1を参照されたい。エタノール(25体積)中の6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニトリル(1当量)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.05当量)を添加した後、ジイソプロピルエチルアミン(1.05当量)を添加した。反応混合物を70℃で1時間加熱した。これを室温まで放冷し、EtOAc(750体積)で希釈した。有機層を水(2500体積)と飽和NaCl水溶液(2500体積)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去し、所望の中間体を黄色粉末として得、これを、なんらさらなる精製を行なわずに次のステージで使用した。
【0165】
反応スキーム5,ステージ2を参照されたい。オルトギ酸トリメチル(25体積)中のN−ヒドロキシ−6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミジン(1当量)の撹拌溶液に、濃HCl(触媒量)を添加した。反応混合物を撹拌しながら100℃で1時間加熱した。次いで、これを室温まで放冷し、得られた析出物を濾別し、ヘプタンで洗浄し、所望の目的化合物を得た。
【0166】
反応スキーム5,ステージ3を参照されたい。ピリジン(25体積)中のN−ヒドロキシ−6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミジン(1当量)の撹拌溶液に、塩化アセチル(2当量)を添加した。反応混合物を105℃で2時間加熱した後、塩化アセチル(1当量)を反応混合物に添加し、これを、さらに2.5時間加熱した。次いで、これを室温まで放冷し、水(800体積)で希釈した。所望の化合物を濾過によって単離し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(溶離剤 EtOAc:ヘプタン)。
【0167】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0168】
【表5】

実施例6
【0169】
【化8】

反応スキーム6,ステージ1を参照されたい。1,4−ジオキサン(16体積)中のN−ヒドロキシ−6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミジン(1当量)の撹拌溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.24当量)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.07当量)を添加し、反応混合物を110℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで放冷し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を水とEtOAcに溶解させた。水層を単離し、EtOAcで洗浄した(3回)。次いで、これを2M HCl溶液でpH1に酸性化し、EtOAcで抽出した(3回)。有機相を合わせ、飽和NaCl水溶液(50体積)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。
【0170】
反応スキーム6,ステージ2を参照されたい。DMF(20体積)中の3−(6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オンの撹拌溶液に、0℃で、水素化ナトリウム(1当量)を添加し、反応混合物をこの温度で15分間撹拌した。ヨウ化メチル(2当量)を添加し、反応混合物を周囲温度で1.5時間撹拌した後、30℃で45分間撹拌した。水の添加によって所望の目的化合物の析出が引き起こされ、これを濾過によって単離し、水(500体積)とヘプタン(1000体積)で洗浄した。
【0171】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0172】
【表6−1】

【0173】
【表6−2】

実施例7
【0174】
【化9】

反応スキーム7,ステージ1を参照されたい。4−クロロ−6−(5−クロロ−ピリジン−3−イル)−ピリミジン(1当量)の脱気DMF(20体積)溶液に、Pd(PPh3)4(0.05当量)を添加した後、シアン化亜鉛(1当量)を添加した。反応混合物を、反応が終了するまで(LCMSによる)100℃で加熱し、終了したら、これを室温まで冷却した。水(37.5体積)を反応混合物に添加し、これをEtOAc(150体積)で抽出した。有機層を水(1000体積)で洗浄した後、飽和NaCl水溶液(200体積)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:EtOAc:ヘプタン)、目的化合物を得た。
【0175】
反応スキーム7,ステージ2を参照されたい。エタノール(25体積)中の6−(5−クロロ−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−4−カルボニトリル(1当量)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.05当量)を添加した後、ジイソプロピルエチルアミン(1.05当量)を添加した。反応混合物を、撹拌しながら70℃で1時間加熱した。これを室温まで放冷し、EtOAc(750体積)で希釈した。有機層を水(2500体積)と飽和NaCl水溶液(2500体積)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去し、所望の中間体を黄色粉末として得、これを、なんらさらなる精製を行なわずに次のステージで使用した。
【0176】
反応スキーム7,ステージ3を参照されたい。1,4−ジオキサン(16体積)中の6−(5−クロロ−ピリジン−3−イル)−N−ヒドロキシ−ピリミジン−4−カルボキサミジン(1当量)の撹拌溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.24当量)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.07当量)を添加し、反応混合物を110℃で5時間撹拌した。フラスコに、再度、1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.24当量)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.07当量)を3回再び入れ、反応を、終了に至るまでLCMSによってモニタリングした。反応液を室温まで放冷し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣を水とEtOAcに溶解させた。水層を単離し、EtOAcで洗浄した(3回)。次いで、これを2M HCl溶液でpH1に酸性化し、EtOAcで抽出した(3回)。有機相を合わせ、飽和NaCl水溶液(50体積)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮し、所望の目的化合物を得た。
【0177】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0178】
【表7】

実施例8
【0179】
【化10】

反応スキーム8,ステージ1を参照されたい。アセトニトリル(25体積)中のN−ヒドロキシ−6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミジン(1当量)の撹拌溶液に、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.5当量)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(4当量)を添加し、反応混合物を周囲環境下で2時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣を2M HCl溶液とともに摩砕した。中間体を濾過によって収集し、大気下で吸引乾燥させ、THF(18体積)に懸濁させた。三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル化合物(5当量)を、先の懸濁液に添加し、これを周囲温度で16時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣を水とともに摩砕し、濾過した。所望の目的化合物を、短いMP−TsOH(65)樹脂パッド(3.37mmol/g)に通すことによってさらに精製した(メタノールで溶出)。
【0180】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0181】
【表8】

実施例9
【0182】
【化11】

反応スキーム9,ステージ1を参照されたい。DMF(6体積)中の6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸(1当量)の撹拌溶液に、EDC(1.5当量)、HOBt(1.1)を添加し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。アセトアミドオキシム(1.2当量)を反応混合物に添加し、これを周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物を水に注入すると析出物の形成が引き起こされ、これを濾過によって収集した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:EtOAc)、必要とする中間体を得た。
【0183】
反応スキーム9,ステージ1を参照されたい。DCM(130体積)中の6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸[1−(ヒドロキシイミノ)−エチル]−アミド(1当量)の撹拌溶液に、カリウムtert−ブトキシド(6当量)を添加し、反応混合物を周囲温度で1.5時間撹拌した。水(170体積)を反応混合物に添加し、水相を分離し、DCMで抽出した(2回)。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去し、所望の目的化合物を得、これを分取用HPLCによって精製した。
【0184】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0185】
【表9】

実施例10
【0186】
【化12】

反応スキーム10,ステージ1を参照されたい。エタノール(10体積)中の6−(置換−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニトリル(1当量)の撹拌溶液に、ヒドラジン一水和物(2当量)を添加し、反応混合物を撹拌しながら100℃で2時間加熱した。反応混合物を室温まで放冷し、これにより形成された析出物を濾過し、メタノールで洗浄し、オフホワイト色の固形物を得、これを、さらに精製せずに次のステージで使用した。
【0187】
反応スキーム10,ステージ2を参照されたい。1,4−ジオキサン(16体積)中のステージ1で得られた中間体(1当量)の撹拌溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.24当量)を添加した後、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1.07当量)を添加し、反応混合物を100℃で2時間撹拌した。1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.5当量)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.2当量)を反応混合物に添加し、これを100℃でさらに2時間撹拌した。溶媒を減圧除去した。得られた固形物をEtOAcおよび水とともに摩砕した。これを濾過し、DCM、EtOAc、DCM/メタノール、次いでDCMで洗浄し、所望の化合物を得、これを真空炉内で乾燥させた。
【0188】
反応スキーム10,ステージ3を参照されたい。ステージ1で得られた中間体にギ酸(10体積)を添加し、反応混合物を撹拌しながら100℃で48時間加熱した。モレキュラーシーブスとギ酸(10体積)を反応混合物に添加し、これを120℃で16時間加熱した。反応混合物を室温まで放冷し、濾過し、溶媒を減圧除去した。得られた固形物を飽和NaHCO水溶液、水およびメタノールで洗浄し、所望の目的の分子を得た。
【0189】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0190】
【表10】

実施例11
【0191】
【化13】

反応スキーム11,ステージ1を参照されたい。オキシ塩化リン(8体積)中の3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(1当量)の撹拌溶液に、ピリジン(1当量)を添加し、反応混合物を80℃で16時間撹拌した。反応液を0℃まで冷却し、氷上に注入した。水相をEtOAcで抽出した。次いで、有機相を水と飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去し、予定の中間体を得、これを、さらに精製せずに次のステージで使用した。
【0192】
反応スキーム11,ステージ2を参照されたい。DMF(14体積)中の先の中間体(1当量)の撹拌溶液に、トリエチルアミン(2.5当量)を添加した後、適切なアミン(1当量〜5当量)を添加し、反応混合物を周囲温度で撹拌し、終了時までLCMSによってモニタリングした。得られた析出物を濾過によって収集し、水で洗浄した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[1:9から1:1までの]EtOAc:ヘプタン)、必要とする目的化合物を得た。
【0193】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0194】
【表11】

実施例12
【0195】
【化14】

反応スキーム12,ステージ1を参照されたい。DCM(58体積)中の3−ジメチルアミノプロピオン酸塩酸塩(1当量)の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン、触媒量のDMFと塩化オキサリル(3.6当量)を添加した。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をDCM(25体積)に溶解させ、DCM(33体積)中の6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−ヒドロキシ−ピリミジン−4−カルボキサミジンとジイソプロピルエチルアミン(1.2当量)の撹拌溶液に添加した。水素化ナトリウム(1.2当量)を反応混合物に添加し、これを周囲温度で4時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣をEtOAcに溶解させ、水(2回)で洗浄し、EtOAcを減圧除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[0:1から5:95までの]メタノール:EtOAc)、必要とする目的化合物を得た。
【0196】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0197】
【表12】

実施例13
【0198】
【化15】

反応スキーム13,ステージ1を参照されたい。脱気1,2−ジメトキシエタン(125体積)中の2−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン(1当量)とヘキサメチル二スズ(1当量)の撹拌溶液に、Pd(PPh(0.05当量)を添加した。反応混合物を80℃で16時間撹拌し、室温まで放冷した。得られた溶液を、さらに精製せずに次のステージで使用した。
【0199】
反応スキーム13,ステージ2を参照されたい。4−クロロ−6−(3,4−ジクロロフェニル)−ピリミジン(1当量)とPd(PPh(0.05当量)を、5−フルオロ−2−トリメチルスタンナニル−ピリジン(1.5当量)を含む先の溶液に添加し、反応混合物を16時間還流加熱した。これを室温まで放冷し、EtOAcで希釈した。有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去した。得られた残渣をEtOAcおよびDCMとともに摩砕し、所望の化合物を得た。
【0200】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0201】
【表13】

実施例14
【0202】
【化16】

反応スキーム14,ステージ1を参照されたい。tert−ブタノール(10体積)中の4−クロロ−6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン(1当量)、4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール(2当量)および炭酸カリウム(1.1当量)の溶液をマイクロ波で150℃に25分間加熱した。炭酸カリウム(1.1当量)を反応混合物に添加し、これをマイクロ波で160℃に35分間加熱した。水を添加し、所望の物質をEtOAcで抽出した。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、エバポレートして乾固させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[99.5:0.5]のDCM:MeOH)、目的化合物を得た。
【0203】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0204】
【表14】

実施例15
【0205】
【化17】

反応スキーム15,ステージ1を参照されたい。4−クロロ−6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン(1当量)のDMF(20体積)溶液に、水素化ナトリウム(1.5当量)とイミダゾロン(1.5当量)を添加した。反応混合物をマイクロ波で90℃に5分間加熱した。この冷却混合物に、ジクロロメタンとNaHCOの飽和溶液を添加した。有機層を分離し、水層をジクロロメタンでさらに抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、エバポレートして乾固させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、充分な溶媒とともに摩砕し、目的化合物を得た。
【0206】
反応スキーム15,ステージ2を参照されたい。1−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オンのDMF(30体積)溶液に、水素化ナトリウム(1当量)を5℃で添加し、反応混合物を15分間撹拌した。ヨウ化メチル(2当量)を反応混合物に添加し、これを室温で3時間および40℃で30分間撹拌した。反応混合物を水に注入し、EtOAcで抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、エバポレートして乾固させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[1:2]のEtOAc:ヘプタン)、目的化合物を得た。
【0207】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0208】
【表15】

実施例16
【0209】
【化18】

反応スキーム16,ステージ1を参照されたい。6−ブロモ−ニコチン酸(1当量)、HOBt(1.4当量)とHATU(1.3当量)をDMF(25体積)に溶解させ、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。メチルアミン塩酸塩(1.5当量)とトリエチルアミン(1.1当量)を添加し、反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。DMFを減圧除去し、水とEtOAcを残渣に添加した。有機相を分離し、NaHCOの飽和水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去した。残渣をEtOAc/ヘプタン(1/1)とともに摩砕し、所望の中間体を得た。
【0210】
反応スキーム16,ステージ2を参照されたい。脱気1,2−ジメトキシエタン(125体積)中の6−ブロモ−N−メチル−ニコチンアミド(1当量)とヘキサメチル二スズ(1当量)の撹拌溶液に、Pd(PPh(0.05当量)を添加した。反応混合物を80℃で16時間撹拌し、室温まで放冷した。得られた溶液を、さらに精製せずに次のステージで使用した。
【0211】
反応スキーム16,ステージ3を参照されたい。4−クロロ−6−(3,4−ジクロロフェニル)−ピリミジン(1当量)とPd(PPh(0.05当量)を、N−メチル−6−トリメチルスタンナニル−ニコチンアミド(1.5当量)を含む先の溶液に添加し、反応混合物を16時間還流加熱した。これを室温まで放冷し、EtOAcで希釈した。有機層を水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[2:1]のEtOAc:ヘプタン)、目的化合物を得た。
【0212】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0213】
【表16】

実施例17
【0214】
【化19】

反応スキーム17,ステージ1を参照されたい。4−クロロ−6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン(1当量)とtert−ブチルカルバゼート(2.1当量)を1,4−ジオキサン(10体積)に溶解させた。反応混合物を撹拌し、窒素雰囲気下で6時間還流加熱した。反応混合物を減圧下でエバポレートし、NaHCOの飽和水溶液で処理し、濾過し、所望の中間体を得、これを真空乾燥させた。
【0215】
反応スキーム17,ステージ2を参照されたい。N’−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジンカルボン酸tert−ブチルエステル(1当量)をMeOH(120体積)に溶解させ、4M HCl含有1,4−ジオキサン(100体積)で処理し、撹拌しながら室温で4時間維持した。反応混合物を濾過し、析出物を熱水に溶解させた。この水溶液にNaHCOの飽和水溶液を添加し、反応混合物を1時間撹拌しながら室温まで冷却させた。析出物を濾別し、真空乾燥させ、所望の中間体を得た。
【0216】
反応スキーム17,ステージ3を参照されたい。[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラジン(1当量)、アセト酢酸エチル(1.2当量)およびエタノール(100体積)混合物を2時間還流加熱した。反応混合物を減圧下でエバポレートし、残渣をヘキサンとともに摩砕し、所望の中間体を得、これを、さらに精製せずに次の工程で使用した。
【0217】
反応スキーム17,ステージ4を参照されたい。3−{[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ヒドラゾノ}−酪酸エチルエステル(1当量)を、水酸化ナトリウム溶液(2M,1.1当量)中で、周囲温度にて45分間撹拌し、次いで、撹拌しながら45分間還流した。冷却後のこの反応混合物に酢酸を添加した後、エタノール(1mL)を添加し、反応混合物を周囲温度で激しく撹拌した。析出物を濾過し、エタノールと水で洗浄し、所望の化合物を得、これを真空乾燥させた。
【0218】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0219】
【表17】

実施例18
【0220】
【化20】

反応スキーム18,ステージ1を参照されたい。トルエン(12体積)中の6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニトリル(1当量)とエチレン−1,2−ジアミン(1当量)の溶液に、五硫化リンを添加した。反応混合物を撹拌し、3.5時間還流加熱した。反応混合物を水に注入し、DCMで抽出した(3回)。有機層を合わせ、NaClの飽和水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[1:1]から[1:0]までのEtOAc:ヘプタン)、目的化合物を得た。
【0221】
反応スキーム18,ステージ2を参照されたい。4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリミジン(1当量)のアセトニトリル(40体積)懸濁液に、過マンガン酸カリウム(2.5当量)とシリカゲル(8.5当量)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水に注入し、DCMで抽出した(2回)。有機層を合わせ、減圧下でエバポレートして乾固させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって(溶離液:[99:1]のDCM:MeOH)、続いてSCXカラム(溶離液:[100:0]から[80:20]までのMeOH:0.880アンモニア)によって精製し、目的化合物を得た。
【0222】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0223】
【表18】

実施例19
【0224】
【化21】

反応スキーム19,ステージ1を参照されたい。無水トルエン(30体積)中の酢酸ヒドラジド(1.2当量)の撹拌溶液に、トリエチルアルミニウム(ヘキサン中1M,2.5当量)を0℃で添加した。反応混合物を窒素雰囲気下で、周囲温度で40分間撹拌した。6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニトリル(1当量)を、先の反応混合物に添加し、これを85℃で6時間、次いで170℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物にマイクロ波を照射し180℃に30分間した。溶媒を減圧除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによってさらに精製し(溶離剤[5:95]のMeOH中のアンモニア:DCM)、アセトニトリル/水(1/1)とともに摩砕し、所望の分子を得た。
【0225】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0226】
【表19】

実施例20
【0227】
【化22】

反応スキーム20,ステージ1を参照されたい。エタノール(25体積)中の6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボニトリル(1当量)の撹拌溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.05当量)を添加した後、ジイソプロピルエチルアミン(1.05当量)を添加した。反応混合物を70℃で1時間加熱した。これを室温まで放冷し、水(60体積)で希釈した。析出物を濾別し、水で洗浄し、所望の中間体を得、これを、なんらさらなる精製を行なわずに次のステージで使用した。
【0228】
反応スキーム20,ステージ2を参照されたい。DCM(25体積)中のN−ヒドロキシ−6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボキサミジン(1当量)の撹拌溶液に、無水トリフルオロ酢酸(8当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した後、ジイソプロピルエチルアミン(2当量)を添加した。反応混合物をDCMと1M NaCO水溶液に分配し、有機層を収集し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧除去した。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した(溶離液:[1:9]のEtOAc:ヘプタン)後、エタノールから再結晶させ、目的化合物を得た。
【0229】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0230】
【表20】

実施例21
【0231】
【化23】

反応スキーム21,ステージ1を参照されたい。[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−酢酸エチルエステル(1当量)とジメチルホルムアミドジメチルアセタール(20体積)の混合物を、還流しながら窒素下で8時間撹拌した。冷却されたら、この溶液をエバポレートし、残渣を、シリカゲルカートリッジでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。酢酸エチルで溶出して不純物を得た後、生成物(89%収率)をベージュ色の固形物として得た。
【0232】
反応スキーム21,ステージ2を参照されたい。2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−3−ジメチルアミノ−アクリル酸エチルエステル(1当量)、DMF(20体積)および酢酸ホルムアミジン(4当量)の混合物を100℃で16時間、密封チューブ内(窒素をフラッシングした)で撹拌した。混合物を減圧下でエバポレートし、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100体積)で処理し、酢酸エチルで抽出した(4000体積、次いで1000体積)。合わせた乾燥(NaSO)有機抽出物を減圧下でエバポレートした。残渣を高温メタノールに溶解させ、シリカゲル(20体積)に吸収させた。これをIsoluteシリカゲルカートリッジに載せ、ジクロロメタン−エタノールで溶出し(100:0、次いで98:2、次いで95:5、次いで93:7)、不純物を得た後、生成物をオフホワイト色の固形物として得た(41%収率)。
【0233】
炭酸グアニジンを使用する(酢酸ホルムアミジンの代わりに)同様の反応では、作業手順を以下のとおりとした。
【0234】
水(140体積)を添加し、析出物を収集し、水(280体積)、ヘプタン、エーテルで連続的に洗浄し、真空乾燥させた。生成物をアセトニトリル/水で洗浄してDMFを除去した。得られた固形物をメタノール中で撹拌し、上澄みを廃棄し、これを5回繰り返した。得られた固形物をアセトニトリル中で撹拌し、上澄みを廃棄し、これを3回繰り返した。固形物をアセトニトリルに懸濁させ、Genevacで40℃にてエバポレートし、次いで、40℃にて一晩、真空乾燥させ、生成物を得た。
【0235】
反応スキーム21,ステージ3を参照されたい。2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−3−ジメチルアミノ−アクリル酸エチルエステル(1当量)とジオキサン(10体積)の混合物をメチルヒドラジン(1当量)で処理し、窒素下で撹拌しながら、密封チューブ内で80℃にて14時間加熱した。冷却されたら、析出物を濾別し、ジオキサン(40体積)で洗浄し、真空乾燥させた。析出物をメタノール(200体積)で処理し、還流下で20分間撹拌した。冷却されたら、析出物を濾別し、真空乾燥させ、生成物を橙色粉末として得た(47%収率)。
【0236】
反応スキーム21,ステージ4を参照されたい。2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−3−ジメチルアミノ−アクリル酸エチルエステル(1当量)、N,N’−ジメチルヒドラジンジヒドロクロリド(1当量)およびジオキサン(25体積)の混合物を、窒素下で室温にて撹拌しながら、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.5当量)を滴下した。この撹拌混合物を80℃で16時間加熱した。冷却されたら、混合物を減圧下でエバポレートし、次いで、高温メタノールからシリカゲルに吸着させた(20体積)。得られたシリカゲルをIsoluteカートリッジ(シリカゲル)で精製し(酢酸エチル−メタノール(88:12から84:16まで)で溶出)、生成物を淡いベージュ色の固形物として得た(45%収率)。
【0237】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0238】
【表21】

実施例22
【0239】
【化24】

反応スキーム22,ステージ1を参照されたい。6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−カルボン酸(1当量)のジクロロメタン(20体積)溶液をDMF(触媒量)で処理した後、塩化オキサリル(3当量)を滴下した。2時間撹拌した後、混合物を減圧下でエバポレートし、トルエン(9体積)で処理し、0℃まで冷却した。トリメチルシリルジアゾメタン(5当量)を滴下し、撹拌を16時間継続した。1,4−ジオキサン(10体積)を0℃で添加した後、1,4−ジオキサン(5体積)中の48%の臭化水素酸(10当量)を添加した。1時間後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液でpHを8〜9に調整し、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた乾燥(NaSO)有機抽出物をエバポレートし、残渣を、Isoluteカートリッジ(シリカゲル)で精製した。酢酸エチル−ヘプタン(1:10)で溶出し、粗製生成物を得、これを酢酸エチル−ヘプタンから晶出させた。得られた結晶をクロマトグラフィーの反復によってさらに精製すると、生成物が溶離液から晶出した(NMRによると80%純粋)。
【0240】
反応スキーム22,ステージ2を参照されたい。酢酸(3当量)を、2−ブロモ−1−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−エタノン(1当量)、尿素(1当量)、酢酸アンモニウム(3当量)の混合物に添加し、これを36時間還流加熱した。酢酸エチルと水を添加し、有機層を分離し、水層を酢酸エチルでさらに抽出した。合わせた有機抽出物をエバポレートし、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し(酢酸エチル、次いで、ジクロロメタン−メタノール(98:2、次いで95:5、次いで9:1)で溶出)、生成物を得た(5%)。
【0241】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0242】
【表22】

実施例23
【0243】
【化25】

反応スキーム23,ステージ1を参照されたい。エタノール(10体積)またはtert−ブタノール(10体積)中の4−クロロ−6−(置換−フェニル)−ピリミジン(1当量)と適切なアミン(4当量)の溶液を、マイクロ波にて130℃〜160℃に40〜60分間加熱した。3−(トリフルオロメチル)ピラゾールの場合は、炭酸カリウム(1.1当量)を反応混合物に添加した後、加熱した。アセトニトリル/水(1/1)を反応混合物に添加すると、所望の生成物の析出が引き起こされ、これを濾過し、アセトニトリル/水(1/1)で洗浄し(3回)、生成物を大気下で吸引乾燥させ、必要な場合は、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィーによってさらに精製した(溶離液:[1:3から0:1までの]ヘプタン:DCM)。
【0244】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0245】
【表23−1】

【0246】
【表23−2】

実施例24
【0247】
【化26】

反応スキーム24,ステージ1を参照されたい。4−クロロ−6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン(1当量)のエタノール/1,4−ジオキサン(1/4)(5体積)撹拌懸濁液に、水酸化アンモニウム溶液(1体積)を添加した。反応混合物を、密封チューブ内で撹拌しながら100℃にて24時間加熱した。冷却すると析出が起こり、得られた固形物を濾別し、アセトニトリル/水(1/1)(10体積)で洗浄し、所望のアミンを得た。
【0248】
反応スキーム24,ステージ2を参照されたい。6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イルアミン(1当量)の酢酸(4体積)撹拌懸濁液に、オルトギ酸トリエチル(4.6当量)を添加した後、アジ化ナトリウム(1.2当量)を添加した。反応混合物を、撹拌しながら2.5時間還流加熱し、室温まで放冷した。溶媒を減圧除去し、得られた残渣をアセトニトリル/水(3/1)とともに摩砕し、濾過し、大気下で吸引乾燥させ、所望の目的化合物を得た。
【0249】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0250】
【表24】

実施例25
【0251】
【化27】

反応スキーム25,ステージ1を参照されたい。DMSO(20体積)中の4−クロロ−6−(3−クロロフェニル)−ピリミジン(1当量)の撹拌溶液に、1H−ピリミジン−2,4−ジオン(1当量)と炭酸カリウム(2当量)を添加し、反応混合物を、撹拌しながら100℃で16時間加熱した。次いで、反応混合物を室温まで放冷し、水(200体積)で希釈し、周囲温度で1時間撹拌した。固形残渣を濾過し、水(200体積)とtert−ブチルメチルエーテル(200体積)で洗浄し、所望の化合物を得、これを、真空炉内で40℃にて16時間さらに乾燥させた。
【0252】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0253】
【表25】

実施例26
【0254】
【化28】

反応スキーム26,ステージ1を参照されたい。4−クロロ−6−(置換−フェニル)−ピリミジン(1当量)とピペラジン−2−オン(4当量)のtert−ブタノール(10体積)溶液を、撹拌しながらマイクロ波で150℃に40分間加熱した。溶媒を減圧除去し、残渣をアセトニトリル/水(1/1)とともに摩砕し、所望の化合物を得た。
【0255】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0256】
【表26】

実施例27
【0257】
【化29】

反応スキーム27,ステージ1を参照されたい。THF(10体積)中の1,3−オキサゾール(1.3当量)の撹拌溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(1.4当量)を滴下し、反応液をこの温度で30分間撹拌した後、塩化亜鉛(3当量)を添加し、反応液を、撹拌しながら1時間にわたって室温まで昇温させた。この混合物に、パラジウム(テトラキス)トリフェニルホスフィン(0.05当量)と4−クロロ−6−(置換−フェニル)−ピリミジン(1当量)を添加し、混合物を撹拌しながら2時間還流加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、HCl(1M,20体積)に注入し、ジエチルエーテルで抽出した(3回)。有機層を合わせ、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下でエバポレートして乾固させた。分取用HPLCによって精製し、所望の化合物を得た。
【0258】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0259】
【表27】

実施例28
【0260】
【化30】

反応スキーム28,ステージ1を参照されたい。ジオキサン(10体積)中の4−クロロ−6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン(1当量)と5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1H−ピラゾール(1.1当量)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(4当量)を添加し、反応液を窒素を用いて脱気し、パラジウム(テトラキス)トリフェニルホスフィン(0.05当量)を添加し、混合物を、撹拌しながら16時間還流加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水(20体積)に注入し、酢酸エチルで抽出した(3回)。有機層を合わせ、ブライン(10体積)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下でエバポレートして乾固させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(溶離液:[80:20]のEtOAc:ヘプタン)、所望の化合物を得た。
【0261】
反応スキーム28,ステージ2を参照されたい。ジオキサン中のHCl(4M,10当量)を一気に、ジオキサン(2体積)中の4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−[2−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−2H−ピラゾール−3−イル]−ピリミジン(1当量)の撹拌溶液に添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をジエチルエーテルとともに摩砕し、得られた析出物を濾過によって収集し、真空乾燥させ、所望の化合物を得た。
【0262】
以下の化合物を、実質的に上記のようにして調製した。
【0263】
【表28】

実施例29
L−キヌレニン(KYN)のヒドロキシル化による生成物3−ヒドロキシ−キヌレニン(3OH−KYN)の形成をLC/MSによってモニタリングするための一般化手順を以下に記載する。生成物は、MSを用いた多重反応モニタリングによって定量する。
【0264】
主な試薬:
化合物:ストック濃度:100%DMSO中10mM。
細胞株:CHO GST HIS KMO細胞株,1E4細胞/ウェル/100μl(96ウェル細胞プレート内)。
基質:L−キヌレニン(Sigma:カタログ番号K3750,ストック濃度:100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.4)中10mM)。
アッセイ条件:
培地:OptiMem(Reduced Serum Medium 1×,+L−グルタミン+HEPES−フェノールレッド;GIBCO:カタログ番号11058)。
アッセイ体積:200μl。
プレート形式:96ウェルプレート,透明(Corning)。
読み出し:生成物特異的MRMを用いた生成物(3OH−KYN)の定量。
読取り装置:LC/MS/MS。
アッセイプロトコル:
・100%DMSO中で化合物の連続希釈物(係数3)を調製する(最高濃度=6.67mM,100%DMSO)
[8点:6.67mM;2.22mM;0.74mM;0.247mM;0.082mM;0.027mM;0.009mM;0.003mM]。
・OptiMem培地中で各化合物濃度の300倍濃縮溶液(最高濃度22.22μM,0.3%DMSO)を調製する
[22.2μM;7.41μM;2.47μM;0.82μM;0.27μM;0.09μM;0.03μM;0.01μM]。
・基質(10mM)を培地中1.1mMの濃度に調製する。
・細胞プレート内の培地を廃棄する。
・細胞をOptiMem(100μl/ウェル)で洗浄し、再度培地を廃棄する。
・アッセイミックス:90μlのOptiMem/ウェル+90μlの化合物/ウェル(各濃度)
[最終化合物の最高濃度:10μM;0.15%DMSO]
[最終化合物の最低濃度:0.004μM;0.15%DMSO]。
・プレインキュベーション:37℃で30分間。
・20μl/ウェルの1.1mM基質溶液を添加する(最終アッセイ濃度:100μM)。
・陽性対照:200μlのOptiMem。
・陰性対照:180μlのOptiMem+20μlの1.1mM基質。
・37℃で約24時間インキュベートする。
・各ウェル内の100μlを透明な96ウェルプレート(Corning)に移す。
・100μl/ウェルの10%トリクロロ酢酸(TCA)含有水を添加する。
・プレートを4000rpmで3分間遠心分離する。
・生成物をLC/MSによって検出する(50μl/ウェルをインジェクション;20μl容の試料ループの2.5倍過剰を充填)。
データ解析:IC50を、自動フィッティングアルゴリズム(A+ Analysis)を用いて計算する。
【0265】
実施例30
L−キヌレニン(KYN)のヒドロキシル化による生成物3−ヒドロキシ−キヌレニン(3OH−KYN)の形成をLC/MSによってモニタリングする方法を以下に記載する。生成物は、多重反応モニタリングによって定量する。
【0266】
主な試薬:
化合物:ストック濃度:100%DMSO中10mM。
酵素:EvotecにおいてCHO−GST HIS KMO細胞からのミトコンドリアの単離によって調製されたKMO酵素。
基質:L−キヌレニン(Sigma:カタログ番号K3750)
[ストック濃度:100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.4)中10mM]。
アッセイ条件:
バッファー:100mMリン酸カリウム,pH7.4,200μM NADPH,0.4U/ml G6P−DH(グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ),3mM G6P(D−グルコース6−リン酸)。
アッセイ体積:40μl。
プレート形式:384ウェルプレート,透明(Matrix)。
読み出し:生成物特異的MRMを用いた生成物(3OH−KYN)の定量。
読取り装置:LC/MS/MS。
アッセイプロトコル:
・100%DMSO中で化合物の連続希釈物(係数3)を調製する(最高濃度=10mM,100%DMSO)
[8点:10mM;3.33mM;1.11mM;0.37mM;0.12mM;0.04mM;0.0137mM;0.0045mM,0.0015mM]。
・アッセイバッファー中で各化合物濃度の3.33倍濃縮溶液を調製する(最高濃度300μM,3%DMSO)
[濃度:300μM;100μM;33.3μM;11.1μM;3.70μM;1.23μM;0.41μM;0.137μM]。
・基質(10mM)をアッセイバッファー中1mMの濃度に調製する。
・アッセイミックス:4μlの化合物/ウェル(各濃度)+24μlのアッセイバッファー/ウェル+8μlのKMOヒト酵素+4μlの1mM基質(終濃度=100μM)
[最終化合物の最高濃度:30μM;0.3%DMSO]
[最終化合物の最低濃度:0.0137μM;0.3%DMSO]。
・陽性対照:4μlの50μM FCE28833(アッセイバッファー[0.5%DMSO]中)(最終アッセイ濃度=5μM)+24μlのアッセイバッファー/ウェル+8μlのKMOヒト酵素+4μlの1mM基質(終濃度=100μM)。
・陰性対照:28μlのアッセイバッファー/ウェル+8μlのKMOヒト酵素+4μlの1mM基質(終濃度=100μM)。
・室温で400分間インキュベートする。
・40μl/ウェルの10%トリクロロ酢酸含有水を添加してアッセイを終了させ、タンパク質を沈殿させる。
・プレートを4000rpmで3分間遠心分離する。
・LC/MSによって生成物を検出する(50μl/ウェルをインジェクション;20μl容の試料ループの2.5倍過剰を充填)。
データ解析:IC50を、自動フィッティングアルゴリズム(A+ Analysis)を用いて計算する。
【0267】
実施例31
L−キヌレニン(KYN)のヒドロキシル化による3−ヒドロキシ−キヌレニン(3OH−KYN)の形成をLC/MSによってモニタリングする方法を記載する。生成物は、多重反応モニタリング(MRM法)によって定量する。
【0268】
主な試薬:
化合物:ストック濃度:100%DMSO中10mM。
酵素:Evotecにおいてマウス肝臓(4〜6週齢)からミトコンドリア単離によって文献に記載のようにして調製されたKMO酵素。
基質:L−キヌレニン(Sigma:カタログ番号K3750,ストック濃度:100mMリン酸カリウムバッファー(pH7.4)中10mM)。
アッセイ条件:
バッファー:100mMリン酸カリウム,pH7.4,200μM NADPH,0.4U/ml G6P−DH(グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ),3mM G6P(D−グルコース6−リン酸)。
アッセイ体積:40μl。
プレート形式:384ウェルプレート,透明(Matrix)。
読み出し:生成物特異的MRMを用いた生成物(3OH−KYN)の定量。
読取り装置:LC/MS/MS。
アッセイプロトコル:
・100%DMSO中で化合物の連続希釈物(係数3)を調製する(最高濃度=10mM,100%DMSO)
[8点:10mM;3.33mM;1.11mM;0.37mM;0.12mM;0.04mM;0.0137mM;0.0045mM,0.0015mM]。
・アッセイバッファー中で各化合物濃度の3.33倍濃縮溶液を調製する(最高濃度300μM,3%DMSO)
[濃度:300μM;100μM;33.3μM;11.1μM;3.70μM;1.23μM;0.41μM;0.137μM]。
・基質(10mM)をアッセイバッファー中1mMの濃度に調製する。
・アッセイミックス:4μlの化合物/ウェル(各濃度)+24μlのアッセイバッファー/ウェル+8μlのKMOマウス酵素+4μlの1mM基質(終濃度=100μM)
[最終化合物の最高濃度:30μM;0.3%DMSO]
[最終化合物の最低濃度:0.0137μM;0.3%DMSO]。
・陽性対照:4μlの50μM FCE28833(アッセイバッファー(0.5%DMSO)中)[最終アッセイ濃度=5μM]+24μlのアッセイバッファー/ウェル+8μlのKMOマウス酵素+4μlの1mM基質[終濃度=100μM]。
・陰性対照:28μlのアッセイバッファー/ウェル+8μlのKMOマウス酵素+4μlの1mM基質[終濃度=100μM]。
・室温で40分間インキュベートする。
・40μl/ウェルの10%トリクロロ酢酸含有水を添加してアッセイを終了させ、タンパク質を沈殿させる。
・プレートを4000rpmで3分間遠心分離する。
・LC/MSによって生成物を検出する(20μl/ウェルをインジェクション,10μlの試料ループの2倍過剰を充填)。
データ解析:IC50を、自動フィッティングアルゴリズム(A+ Analysis)を用いて計算する。
【0269】
実施例32
本明細書に記載のものと同様の手順を使用し、以下の化合物を活性についてアッセイした。
【0270】
【表29−1】

【0271】
【表29−2】

【0272】
【表29−3】

いくつかの実施形態を示し、記載したが、これらに対して、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに種々の改良および置き換えが行なわれ得る。例えば、請求項の構成の解釈では、本明細書において以下に示す特許請求の範囲は、なんら文言よりも狭く解釈されることを意図せず、したがって、本明細書の例示的な実施形態が特許請求の範囲に読み替えられることを意図しない。したがって、本発明は、特許請求の範囲の実例として記載したものであって限定するものではないことは理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化31】

(式中:
は、任意選択的に置換されているアリール、および任意選択的に置換されているヘテロアリールから選択され;
は、シアノ、任意選択的に置換されているヘテロアリール、および任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキルから選択され;
は、水素、および任意選択的に置換されている低級アルキルから選択され、
は、水素、ハロ、および任意選択的に置換されている低級アルキルから選択される)
の化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグから選択される少なくとも1種類の化学物質。
【請求項2】
が、ハロ、任意選択的に置換されている低級アルキル、任意選択的に置換されている低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである、請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項3】
が、ハロ、低級アルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである、請求項2に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項4】
が、ハロ、低級アルキル、トリフルオロメトキシおよびトリフルオロメチルから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているフェニルである、請求項3に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項5】
が、3−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、3−フルオロ−4−メチルフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、3−クロロ−4−イソプロポキシフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、および3,5−ジクロロフェニルから選択される、請求項4に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項6】
が、ハロ、低級アルキル、低級アルコキシ、任意選択的に置換されているアミノ、任意選択的に置換されているヘテロシクロアルキル、任意選択的に置換されているヘテロアリールおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているピリジン−3−イルである、請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項7】
が、ハロ、任意選択的に置換されている低級アルキル、任意選択的に置換されている低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているピリジン−3−イルである、請求項6に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項8】
が、ハロ、低級アルキル、トリフルオロメチル、低級アルコキシおよびヒドロキシから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているピリジン−3−イルである、請求項7に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項9】
が、ハロ、低級アルキルおよびトリフルオロメチルから選択される1つ、2つまたは3つの基で任意選択的に置換されているピリジン−3−イルである、請求項8に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項10】
が、チアゾール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、オキサゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、1H−イミダゾール−1−イル(これらは各々、任意選択的に置換されている)から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項11】
が、チアゾール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、2H−テトラゾール−5−イル、テトラゾール−1−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、オキサゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、および1H−イミダゾール−1−イル(これらは各々、アミノカルボニル、任意選択的に置換されているアミノ、オキソ、低級アルキル、トリフルオロメチル、ハロおよびヘテロシクロアルキルから選択される1つまたは2つの基で任意選択的に置換されている)から選択される、請求項10に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項12】
が、チアゾール−2−イル、1H−ピラゾール−3−イル、3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル、[1,2,4]トリアゾール−1−イル、1H−ベンゾイミダゾール−2−イル、1H−テトラゾール−5−イル、1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン−5−イル、2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル、3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン−3−イル、4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン−3−イル、4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル、4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル、4−メチル−オキサゾール−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル、テトラゾール−1−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、イミダゾール−1−イル、ピペラジン−2−オン−4−イル、ピラゾール−1−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、1,2−ジメチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−4−イル、2−アミノ−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−イル、5−(メチルカルバモイル)ピリジン−2−イル、5−(トリフルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル、3−メチル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−イル、1H−イミダゾール−2−イル、および4−(トリフルオロメチル)−1H−イミダゾール−1−イルから選択される、請求項11に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項13】
が水素である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項14】
がメチルである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項15】
がフルオロである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項16】
が水素である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項17】
式Iの化合物が、
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−5,6−ジフルオロ−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−5−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール;
6−クロロ−2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾール;
2−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ベンゾオキサゾール;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(4−メチル−オキサゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4−メチル−オキサゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−2−メチル−6−(4−メチル−オキサゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(5−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−ピリミジン;
3−[6−(3−クロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4−メチル−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(5−クロロ−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−チオン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(3−メチル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリミジン;
5−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン;
4−{3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル}−モルホリン;
{3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル}−ジメチル−アミン;
(2−{3−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル}−エチル)−ジメチル−アミン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−イミダゾール−1−イル)−ピリミジン;
1−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン;
1−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−3−メチル−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン;
6−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−N−メチル−ニコチンアミド;
2−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−5−メチル−1,2−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1H−イミダゾール−2−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(5−メチル−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(5−トリフルオロメチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−ピリミジン;
6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3’H−[4,5’]ビピリミジニル−4’−オン;
4−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−2−メチル−1,2−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン;
2’−アミノ−6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−3’H−[4,5’]ビピリミジニル−4’−オン;
4−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1,2−ジメチル−1,2−ジヒドロ−ピラゾール−3−オン;
4−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−イミダゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−ピラゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−イミダゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−ピラゾール−1−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(3−トリフルオロメチル−ピラゾール−1−イル)−ピリミジン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−テトラゾール−1−イル−ピリミジン;
4−[6−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−2−オン;
4−[6−(3,5−ジクロロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−ピペラジン−2−オン、
3−[6−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3−クロロ−4−メチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
3−[6−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−(3−フルオロ−4−メチル−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
3−[6−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−(3−クロロ−4−イソプロポキシ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
3−[6−(3−クロロ−4−イソプロポキシ−フェニル)−ピリミジン−4−イル]−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン;
4−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−オキサゾール−2−イル−ピリミジン;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−チアゾール−2−イル−ピリミジン;および
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1H−ピラゾール−3−イル)−ピリミジン
から選択される化合物、ならびにその薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグである、請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項18】
式Iの化合物の薬学的に許容され得る塩が、
4−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン,ナトリウム塩;
4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジン,ナトリウム塩;
4−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピリミジンのナトリウム塩;および
6’−(3−クロロ−フェニル)−[1,4’]ビピリミジニル−2,4−ジオン,カリウム塩
から選択される、請求項1に記載の少なくとも1種類の化学物質。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質、および少なくとも1種類の薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項20】
キヌレニン3−モノ−オキシゲナーゼ活性によって媒介される状態または障害の処置を、かかる処置を必要とする被験体において行なう方法であって、該被験体に治療有効量の請求項1〜18のいずれか1項に記載の少なくとも1種類の化学物質を投与する工程を包含する方法。
【請求項21】
少なくとも1種類の化学物質がキヌレニン3−モノ−オキシゲナーゼに結合するものである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記状態または障害が神経変性病態を伴うものである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
該神経変性病態が、ハンティングトン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、オリーブ橋小脳萎縮症、非アルツハイマー型痴呆、多発梗塞性痴呆、脳性筋萎縮性側索硬化症、脳虚血、脳低酸素症、脊髄または頭部の外傷および癲癇から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項19に記載の少なくとも1種類の医薬組成物、およびキヌレニン3−モノ−オキシゲナーゼ活性によって媒介される状態または障害に苦しんでいる被験体を処置するために該組成物を使用するための使用説明書を含むパッケージ化医薬組成物。
【請求項25】
該状態または障害がハンティングトン病である、請求項24に記載のパッケージ化医薬組成物。

【公表番号】特表2013−518046(P2013−518046A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550116(P2012−550116)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2011/021890
【国際公開番号】WO2011/091153
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(511027183)シーエイチディーアイ ファウンデーション,インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】