説明

玉軸受用保持器、及び玉軸受

【課題】グリースせん断抵抗を効果的に低減させるとともに、回転時の保持器音の発生を防止することが可能な玉軸受用保持器、及び玉軸受を提供する。
【解決手段】軌道輪40,42、複数の玉12を備えた玉軸受に組み込まれ、ポケット8に玉を保持する玉軸受用保持器10であって、平板状の平坦部2、平坦部よりも略半球状に窪んだ凹状部4が交互に連結されて環状の保持器構成体20を成し、2つの保持器構成体を組み合わせ、略球状の凹状空間が周方向へ所定間隔で配されることでポケットが構成されており、ポケットの外径側の径寸法をd1、内径側の径寸法をd2、ピッチ円径をdp、玉の直径をda、玉のピッチ円径をdap、保持器の内外径の寸法差の半分値をh、ポケットのピッチ円径と保持器の内径との寸法差の半分値をr1とした場合、d2<da≦d1、dap<dp、0.30×da≦h≦0.37×da、r1≧0.65×hなる関係に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、洗濯機ドラムサポートやエアコンファンモータなどに使用される玉軸受に組み込まれ、転動体である複数の玉を回転自在に保持する玉軸受用保持器に関し、特に2つの環状板材を組み合わせて構成されるいわゆる波型の合わせタイプの保持器、及び当該保持器を組み込んだ玉軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、上述したような各種装置に使用される玉軸受(以下、単に軸受という)において、軌道輪間を転動する転動体である玉は、環状を成す保持器に所定間隔で配列されたポケットに1つずつ収容されるとともに、回転自在に保持された状態で軌道輪間に組み込まれ、当該軸受の軌道輪(軌道面)間を前記保持器とともに公転(転動)している。これにより、各玉は、その転動面が相互に接触することなく、軌道輪間(軌道面間)をスムーズに転動することができ、結果として、当該各玉が相互に接触して摩擦が生じることによる回転抵抗の増大や焼き付きなどの防止が図られている。
【0003】
その際、使用される保持器としては、冠型、もみ抜き型、あるいは波型の合わせタイプなど、各種の型式があり、軸受の使用態様や使用目的などに応じて各形式の保持器が使い分けられている。
例えば、特許文献1には、波型の合わせタイプの保持器(以下、波型保持器という)の一例が開示されており、その構成が図2に例示されている。図2に示すように、かかる波型保持器10は、2つの環状板材(以下、保持器構成体という)20を組み合わせた構造を成しており、当該保持器構成体20は、リベット6が挿通される貫通孔(図示しない)を有する平板状の平坦部2と、当該平坦部2よりも略半球状に窪んだ凹状部4とが交互に連結されて構成されている。
【0004】
この場合、凹状部4同士が互いに反対方向へ窪み、且つ、平坦部2同士が互いの貫通孔を連通させるように2つの保持器構成体20を対向させるとともに、前記連通させた各貫通孔にリベット6を挿通し、その軸の一端部を加締めることで、当該2つの保持器構成体20が一体的に組み合わされている。このように2つの保持器構成体20を組み合わせることで、対向した凹状部4により形成される略球状の凹状空間が周方向へ所定間隔で配され、当該凹状空間をポケット8とした波型保持器(以下、単に保持器という)10を構成することができる。
【0005】
ポケット8は、図2及び図3に示すように、ポケット面8aが所定の曲率を有する球面状を成しており、その径寸法は保持される玉12の直径寸法よりも大きな寸法に設定されている。その際、一般的に、ポケット8のピッチ円径(各ポケット8の中心点を相互に結んだ仮想円の直径、いわゆるポケットPCD(Pitch Circle Diameter))は、玉12のピッチ円径(各玉12の中心点を相互に結んだ仮想円の直径、いわゆる玉PCD)と同一に設定される。
【0006】
このように、保持器10のポケット径が玉12の直径よりも大きな寸法となっているため、軸受内部に潤滑剤(一例として、グリース)を封入して潤滑を行った場合、ポケット面8aと玉12の表面との間に介在するグリースがせん断される際の抵抗(せん断抵抗)により、軸受のトルクが大きくなる場合がある。また、前記せん断抵抗によって保持器10に振動が生じ、当該振動により、保持器音と呼ばれる異常音が発生される場合がある。
【0007】
このような不都合を回避すべく、従来から各種の方策が講じられており、例えば、前記せん断抵抗を低減させることを目的として、玉PCDとポケットPCDに差を持たせた保持器の構成が知られている。すなわち、このように玉PCDとポケットPCDに差を持たせることで、ポケット8のエッジ部分で玉12の表面に付着したグリースが掻き取られ、ポケット8内に付着するグリースを減少させることが可能となり、結果として、前記せん断抵抗の低減化が図られている。
【特許文献1】実開昭58−195118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した方策では、ポケット8のポケット面と玉12の表面との接触比率は、従来技術から変更がないため、当該ポケット8でのせん断抵抗自体は相変わらず存在しており、必ずしも充分な回避策とはなっていない。このため、より効果的にせん断抵抗を低減化させることが可能な方策が望まれているが、現状ではそのような方策は知られていない。
【0009】
本発明は、このような要望に応えるためになされており、その目的は、保持器のポケット面と玉の表面との間に介在するグリースがせん断される際の抵抗(せん断抵抗)を効果的に低減させ、軸受の回転トルクを低下させるとともに、回転時の保持器音の発生を防止することが可能な玉軸受用保持器(波型保持器)、及び玉軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために、本発明に係る玉軸受用保持器は、相対回転可能に対向配置された少なくとも一対の軌道輪と、当該軌道輪間で転動する複数の玉を備えた玉軸受に組み込まれ、所定間隔で配されたポケットに前記玉を1つずつ収容して回転自在に保持している。かかる玉軸受用保持器においては、固定部材が挿通される貫通孔を有する平板状の平坦部と、当該平坦部よりも略半球状に窪んだ凹状部とが交互に連結されて環状の保持器構成体を成し、前記凹状部同士が反対方向へ窪み、且つ、前記平坦部同士が互いの貫通孔を連通させるように2つの前記保持器構成体を対向させるとともに、前記連通させた各貫通孔に挿通された固定部材で固定して一体的に組み合わせ、対向した凹状部により形成される略球状の凹状空間が周方向へ所定間隔で配されることで前記ポケットが構成されている。その際、当該ポケットの外径側の径寸法をd1、内径側の径寸法をd2、ピッチ円径をdp、前記玉の直径をda、当該玉のピッチ円径をdap、前記玉軸受用保持器の内外径の寸法差の半分値をh、前記ポケットのピッチ円径と当該玉軸受用保持器の内径との寸法差の半分値をr1とした場合、d2<da≦d1、且つ、dap<dp、且つ、0.30×da≦h≦0.37×da、且つ、r1≧0.65×hなる関係に設定する。
なお、この場合、かかる玉軸受用保持器は、鉄製とすればよい。
【0011】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る玉軸受は、相対回転可能に対向配置された少なくとも一対の軌道輪と、当該軌道輪間で転動する複数の玉とを備えており、各玉は、上述した玉軸受用保持器により、所定間隔を成して回転自在に保持されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、玉ピッチ円径(玉PCD)に対してポケットピッチ円径(ポケットPCD)を大きな設定とするとともに、ポケットピッチ円径から保持器内径までの寸法比率を拡大させ、且つ保持器の断面高さ寸法を小さな設定とすることで、保持器のポケット面と玉の表面との間に介在するグリースがせん断される際の抵抗(せん断抵抗)を効果的に低減させることができる。この結果、軸受の回転トルクを低下させることができるとともに、回転時の保持器音の発生を防止することができる。
また、これにより、保持器、及びこれを組み込んだ玉軸受を一定の精度でスムーズに回転させ続け、これらの長寿命化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る玉軸受用保持器、及び玉軸受について、添付図面を参照して説明する。この際、本実施形態に係る玉軸受用保持器としては、波型の合わせタイプを想定しており、その基本的な構成は、上述した従来の玉軸受用保持器(図2)と同様である場合を想定して以下、説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る波型の合わせタイプの玉軸受用保持器(以下、単に保持器という)10は、相対回転可能に対向配置された一対の軌道輪(内輪40及び外輪42)と、当該内外輪2,4間で転動する複数の玉12を備えた玉軸受30に組み込まれ、所定間隔で配されたポケット8に前記玉12を1つずつ収容して回転自在に保持している。
【0014】
なお、保持器10が組み込まれる玉軸受30は、その使用条件や使用態様などに応じて任意の構成(大きさ、形状及び数、あるいは材質や動作など)とすることができる。例えば、玉軸受は、内外輪のいずれを回転輪あるいは静止輪としてもよいし、内外輪に対して玉を転動させるための軌道が1本のみ形成された単列構成、あるいは当該軌道が2本以上形成された複列構成であってもよい。また、2つ以上の玉軸受を組み合わせた構成としてもよい。さらに、必要に応じて所定の密封部材(接触型のシール、あるいは非接触型のシールやシールドなど)を内外輪間に介在させてもよい。
また、かかる玉軸受は、各種の金属製や樹脂製などの内外輪、転動体及び保持器を組み合わせて構成することができる。
【0015】
そして、かかる玉軸受30に対しては、内外輪2,4、玉12及び保持器10が相互に接触する部分(例えば、ポケット面8aや玉12の表面など)の摩擦や摩耗の減少、焼付き防止、あるいは疲れ寿命の延長などを目的として、当該玉軸受30の内部に潤滑剤を封入することにより潤滑が行われている。その際、潤滑剤としては、玉軸受30の使用条件や使用態様などに応じて各種の潤滑油やグリースを任意に選択して用いることができるが、本実施形態においては、グリースを軸受内部に封入することによってグリース潤滑が行われている場合を一例として想定する。
【0016】
図1に示すように、かかる保持器10は、2つの環状板材(保持器構成体)20を組み合わせた構造を成しており、当該保持器構成体20は、固定部材6が挿通される貫通孔(図示しない)を有する平板状の平坦部2と、当該平坦部2よりも略半球状に窪んだ凹状部4とが交互に連結されて構成されている。なお、固定部材6は、玉軸受30の使用条件や使用態様などに応じて各種の部材を任意に選択して用いればよく、例えば、リベット、ボルト及びナット、ビスなどを用いることができる。
【0017】
保持器10は、凹状部4同士が互いに反対方向へ窪み、且つ、平坦部2同士が互いの貫通孔を連通させるように2つの保持器構成体20を対向させるとともに、前記連通させた各貫通孔に固定部材6が挿通され、その一端部を固定する(例えば、リベットであれば軸の一端部を加締める)ことで、当該2つの保持器構成体20が一体的に組み合わされることにより構成されている。このように、2つの保持器構成体20を組み合わせることで略半球状の2つの凹状部4が対向し、略球状の凹状空間を形成することができるとともに、当該凹状空間を周方向へ所定間隔で配することができる。これにより、当該凹状空間をポケット8として保持器10が構成される。
【0018】
なお、凹状部4は、保持器10が組み込まれる玉軸受30の使用条件や使用態様などに基づいて予め設定される組込玉数と同じ数だけ保持器構成体20に対して設ければよい。そして、このように設定された数の凹状部4を所定間隔(一例として等間隔)で配することが可能となるように、平坦部2の大きさ、形状及び数を任意に設定し、保持器構成体20、すなわち保持器10を構成すればよい。
【0019】
一例として、図2には、9個の玉12(図1(a),(b))を回転自在に保持することが可能となるように、9つの凹状部4が等間隔で配されるとともに、これらの凹状部4を9つの平坦部2で相互に連結した保持器10及び保持器構成体20の構成を示している。ただし、8個以下の玉12、あるいは10個以上の玉12を保持可能な保持器構成であってもよく、その設定数と同数の凹状部4と平坦部2を相互に連結させて保持器を構成すればよい。
【0020】
また、保持器10(保持器構成体20)の材質は、当該保持器10(保持器構成体20)が組み込まれる玉軸受30の使用条件や使用態様、保持する玉12の材質などに応じて任意に設定すればよい。例えば、保持器10(保持器構成体20)は鉄板、銅板やステンレス板等の各種金属製や、プラスチック板等の樹脂製などとすることができるが、本実施形態においては、保持器10(保持器構成体20)が鉄製である場合を一例として想定する。
【0021】
ここで、保持器10(保持器構成体20)の大きさや形状は、当該保持器構成体20によって構成された保持器10が組み込まれる玉軸受30の大きさや形状などに応じて任意に設定されるが、本実施形態においては、当該保持器10、そのポケット8、及び玉12との相対的な大きさ及び形状の関係を以下のように設定している。
【0022】
すなわち、図1(b)に示すように、保持器10のポケット8の外径側(同図の右側)の径寸法をd1、内径側(同図の左側)の径寸法をd2、玉12の直径をdaとした場合、外径側径寸法d1が玉径da以上の寸法に設定されているとともに、内径側寸法d2が玉径daよりも小さな寸法に設定されている(d2<da≦d1)。
【0023】
また、保持器10の内外径の寸法差の半分値、すなわち保持器10の縦断面高さをhとした場合、保持器高さhが玉径daの30%以上で、且つ37%以下の寸法に設定されている(0.30×da≦h≦0.37×da)。
その際、保持器高さh、具体的にはその下限寸法は、保持器10の強度を確保するため、玉径daの30%以上の大きさを確保する必要がある。特に、軸受幅(内外輪40,42の軸方向の寸法(図1(a)に示す距離B))が玉径daに対して小さい場合、具体的には、軸受幅Bが玉径Daの1.5倍以下(B≦1.5×Da)の場合、密封部材(図示しない)との干渉を避けるため、保持器10の板厚(同図(b)に示す距離t)を厚くするには限界があり、かかる観点からも保持器高さhは、玉径daの30%以上にする必要がある。また、保持器高さh、具体的にはその上限寸法を玉径daの37%以下の大きさに抑えることで、従来よりも保持器高さhを小さくすることができる。
【0024】
さらに、保持器10のポケット8のピッチ円径(ポケットPCD)をdp、玉12のピッチ円径(玉PCD)をdapとした場合、ポケットピッチ円径dpが玉ピッチ円径dapよりも大きく設定されている(dap<dp)。
【0025】
そして、ポケットピッチ円径dpと保持器10の内径との寸法差の半分値をr1とした場合、かかる寸法差r1が保持器高さhの65%以上に設定されている(r1≧0.65×h)。
【0026】
保持器10の外径側径寸法d1、内径側寸法d2、ポケットピッチ円径dp、当該ポケットピッチ円径dpと内径との寸法差r1、及び保持器高さh、並びに、玉12の玉径da及び玉ピッチ円径dapをこのような設定とすることで、保持器10のポケット8と玉12との接触面積を小さくすることができる。特に、ポケットピッチ円径dpと内径との寸法差r1を従来よりも大きくすることで(r1≧0.65h)、当該玉12がより確実にポケット8の内径部分(内径側の周縁部位)で保持される形態とすることができる。
【0027】
これにより、保持器10のポケット面8aと玉12の表面との間に介在するグリースがせん断される際の抵抗(せん断抵抗)を効果的に低減させ、軸受の低トルク化を図ることができる。また、グリースせん断抵抗が低減されることに加えて、回転時における保持器10の動き量が抑制されることで、保持器音を有効に防止することができる。
【0028】
ここで、グリースのせん断抵抗は、保持器10のポケット8と玉12との接触面積が大きくなるに従って増大されるだけでなく、ポケット8と玉12との間の隙間によっても影響を受ける。すなわち、かかる隙間が大きくなるに従ってせん断抵抗は増大される関係にある。そこで、本実施形態においては、図1(b)に示すように、外径側(同図の右側)に向かうに従ってかかる隙間が大きくなるように保持器10が構成されている。したがって、ポケット8と玉12との接触側である保持器10の内径側(図1(b)の左側)では、前記隙間を小さくすることができ、グリースせん断抵抗を効果的に低減させることができる。
【0029】
なお、図1(b)には、保持器10の外径側(同図の右側)の開口部を内径側よりも大きくした構成を示しているが、これとは逆に内径側の開口部を外径側よりも大きくした構成としても上述したグリースせん断低減効果、及び保持器音の防止効果を得ることができる。ただし、玉軸受30の内部におけるグリースの流動を考慮すれば、特に当該玉軸受30が高速で回転される条件下においては、保持器10の外径側の開口部を内径側よりも大きくした構成(図1(b))とすることが好ましい。
また、保持器10の板厚tは、その強度を確保するため、玉径daと玉ピッチ円径dap、軸受幅Bをもとに設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係る玉軸受用保持器の構成を示す図であって、(a)は、要部断面図、(b)は、ポケットと玉の相対的関係を説明するための拡大図。
【図2】玉軸受用保持器の全体構成を示す斜視図。
【図3】従来の玉軸受用保持器の構成例を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0031】
2 平坦部
4 凹状部
6 固定部材
8 ポケット
10 玉軸受用保持器
12 玉
20 保持器構成体
30 玉軸受
40 内輪
42 外輪
d1 保持器の外径側径寸法
d2 保持器の内径側径寸法
da 玉径
dap 玉ピッチ円径
dp ポケットピッチ円径
h 保持器高さ
r1 ポケットピッチ円径dpと内径との寸法差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対回転可能に対向配置された少なくとも一対の軌道輪と、当該軌道輪間で転動する複数の玉を備えた玉軸受に組み込まれ、所定間隔で配されたポケットに前記玉を1つずつ収容して回転自在に保持する玉軸受用保持器であって、
固定部材が挿通される貫通孔を有する平板状の平坦部と、当該平坦部よりも略半球状に窪んだ凹状部とが交互に連結されて環状の保持器構成体を成し、前記凹状部同士が反対方向へ窪み、且つ、前記平坦部同士が互いの貫通孔を連通させるように、2つの前記保持器構成体を対向させるとともに、前記連通させた各貫通孔に挿通された固定部材で固定して一体的に組み合わせ、対向した凹状部により形成される略球状の凹状空間が周方向へ所定間隔で配されることで前記ポケットが構成されており、
当該ポケットの外径側の径寸法をd1、内径側の径寸法をd2、当該ポケットのピッチ円径をdp、前記玉の直径をda、当該玉のピッチ円径をdap、前記玉軸受用保持器の内外径の寸法差の半分値をh、前記ポケットのピッチ円径と当該玉軸受用保持器の内径との寸法差の半分値をr1とした場合、
d2<da≦d1、且つ、dap<dp、且つ、0.30×da≦h≦0.37×da、且つ、r1≧0.65×hなる関係に設定されていることを特徴とする玉軸受用保持器。
【請求項2】
鉄製であることを特徴とする請求項1に記載の玉軸受用保持器。
【請求項3】
相対回転可能に対向配置された少なくとも一対の軌道輪と、当該軌道輪間で転動する複数の玉を備えた玉軸受であって、
各玉は、請求項1又は2に記載の玉軸受用保持器により、所定間隔を成して回転自在に保持されていることを特徴とする玉軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−197895(P2009−197895A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39886(P2008−39886)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】