説明

現像剤収容容器及びこれを用いた現像装置、画像形成ユニット、並びに画像形成装置

【課題】現像剤収容部に収容された現像剤が、輸送時の振動等によって凝集した状態となった場合でも、凝集した現像剤をほぐして供給することが可能な現像剤収容容器及びこれを用いた現像装置、画像形成ユニット、並びに画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像剤を収容する現像剤収容部81と、前記現像剤収容部81の内部に回転可能に配置され、当該現像剤収容部81に収容された現像剤を排出口へと搬送する搬送部材79と、前記現像剤収容部81の内部に上端部131側が固定されるとともに、揺動自在な自由端とされる下端部132が前記搬送部材の上部に搬送方向に沿って配置され、前記下端部132の搬送部材の搬送方向に沿った一部のみが回転駆動される前記搬送部材79と当接して弾性変形する弾性部材80とを備えるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現像剤収容容器及びこれを用いた現像装置、画像形成ユニット、並びに画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置では、現像装置に現像剤を供給するため、内部に収容された現像剤を搬送部材によって搬送することにより、現像剤を供給口から現像装置へと供給するように構成した現像剤収容容器が用いられている。
【0003】
かかる現像剤収容容器においては、現像剤収容容器の内部に凝集した現像剤が残るのを防止し得る技術として、例えば、特開平5−303278号公報や特開2000−155457号公報、特開2004−361463号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0004】
上記特開平5−303278号公報に係る現像剤供給装置は、感光体表面の残留現像剤を除去し、かつ収納するためのクリーニング部と、現像剤を供給するための現像剤供給部とを備えた現像剤供給装置において、前記現像剤供給部に、現像剤供給部内の現像剤を撹拌する撹拌部材を設けるように構成したものであり、回転可能にした撹拌部材によって揺動して現像剤供給部の側部を摺動する揺動板を備える構成や、揺動板全体を弾性部材で形成した構成をも含むものである。
【0005】
また、上記特開2000−155457号公報に係る画像記録装置は、トナー容器の内部に設けたアジテータにより、トナーを攪拌しながら現像ローラに向けて供給する現像装置において、前記トナー容器の内部に、前記アジテータの作用により容器内部の残留トナーを弾き落とす部材を設けるように構成したものである。
【0006】
さらに、上記特開2004−361463号公報に係る現像装置は、像担持体に形成された静電潜像を現像するための現像剤担持体と、前記現像剤担持体によって、前記静電潜像を現像するために用いられる現像剤を収納するための現像剤収納部と、回転することによって、前記現像剤収納部に収納されている現像剤を攪拌する可撓性の攪拌部材と、現像装置が電子写真画像形成装置本体に装着された際に底面となる、前記現像剤担持体に向かって下方へ傾斜している傾斜面と、前記傾斜面の傾斜方向下流側において、前記傾斜面は前記攪拌部材の回転経路に沿って設けられた凹部と、前記傾斜面の傾斜方向に沿って可動自在に前記傾斜面に取り付けられた可撓性の弾性部材と、を有する現像装置において、前記攪拌部材の回転軌跡は前記凹部に侵入している攪拌部材であって、かつ前記弾性部材は前記凹部の上方かつ前記攪拌部材の回転領域に突出して設けられているように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−303278号公報
【特許文献2】特開2000−155457号公報
【特許文献3】特開2004−361463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、現像剤収容部に収容された現像剤が、輸送時の振動等によって凝集した状態となった場合でも、凝集した現像剤をほぐして供給することが可能な現像剤収容容器及びこれを用いた現像装置、画像形成ユニット、並びに画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、請求項1に記載された発明は、現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像剤収容部の内部に回転可能に配置され、当該現像剤収容部に収容された現像剤を排出口へと搬送する搬送部材と、
前記現像剤収容部の内部に上端部側が固定されるとともに、揺動自在な自由端とされる下端部が前記搬送部材の上部に搬送方向に沿って配置され、前記下端部の搬送部材の搬送方向に沿った一部のみが回転駆動される前記搬送部材と当接して弾性変形する弾性部材とを備えたことを特徴とする現像剤収容容器である。
【0010】
また、請求項2に記載された発明は、前記現像剤収容容器は、前記搬送部材へ向かう傾斜面が形成され、前記傾斜面に沿って弾性部材が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の現像剤収容容器である。
【0011】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記弾性部材は、前記搬送部材の搬送方向に沿った上流側の端部と当接して弾性変形することを特徴とする請求項1の現像剤収容容器である。
【0012】
又、請求項4に記載された発明は、前記弾性部材は、前記搬送部材の搬送方向に沿った上流側及び下流側の両端部と当接して弾性変形することを特徴とする請求項1の現像剤収容容器である。
【0013】
更に、請求項5に記載された発明は、前記弾性部材には、前記搬送部材の搬送方向に沿った中間部に、当該弾性部材の下端部から前記搬送部材の搬送方向と交差する方向の上部に向けた切込みが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像剤収容容器である。
【0014】
また、請求項6に記載された発明は、前記搬送部材は、当該搬送部材の搬送方向に沿った上流側に位置し、前記搬送部材の上部に位置する現像剤をほぐす半径方向外方向に向けて配置された第1の作動部としての平板部と、前記搬送部材の搬送方向に沿った中間部に位置し、現像剤を搬送する螺旋状の搬送羽根部と、前記搬送部材の搬送方向に沿った下流側に位置し、現像剤を前記排出口内へと排出する前記搬送部材の外周面に沿った円弧形状の第2の作動部としての排出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像剤収容容器である。
【0015】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記切込みは、前記搬送部材の螺旋状の搬送羽根部に対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の現像剤収容容器である。
【0016】
又、請求項8に記載された発明は、前記現像剤収容容器は、出荷時、前記搬送部材の排出部が前記排出口を閉塞した位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の現像剤収容容器である。
【0017】
更に、請求項9に記載された発明は、現像剤を表面に保持した現像剤保持体が回転可能に配置された現像装置本体と、
現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像剤収容部の内部に回転可能に配置され、当該現像剤収容部に収容された現像剤を排出口へと搬送する搬送部材と、
前記現像剤収容部の内部に上端部側が固定されるとともに、揺動自在な自由端とされる下端部が前記搬送部材の上部に搬送方向に沿って配置され、前記下端部の搬送部材の搬送方向に沿った一部のみが回転駆動される前記搬送部材と当接して弾性変形する弾性部材とを備えたことを特徴とする現像装置である。
【0018】
また、請求項10に記載された発明は、画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体上に形成された静電現像を現像する手段であって、現像剤を表面に保持した現像剤保持体が回転可能に配置された現像装置本体と、
前記現像装置本体に供給する現像剤を収容する現像剤収容容器とを備え、
前記現像剤収容容器として前記請求項1乃至8のいずれかに記載の現像剤収容容器を用いたことを特徴とする画像形成ユニットである。
【0019】
さらに、請求項11に記載された発明は、画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体上に形成された静電現像を現像する手段であって、現像剤を表面に保持した現像剤保持体が回転可能に配置された現像装置本体と、
前記現像装置本体に供給する現像剤を収容する現像剤収容容器とを備え、
前記現像剤収容容器として前記請求項1乃至8のいずれかに記載の現像剤収容容器を用いたことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、現像剤収容部に収容された現像剤が、輸送時の振動等によって凝集した状態となった場合でも、凝集した現像剤をほぐして供給することができる。
【0021】
また、請求項2に記載された発明によれば、ほぐされた現像剤に重力を作用させて搬送部材へ供給することができる。
【0022】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、攪拌搬送部材の搬送方向に沿った上流側の端部に位置する現像剤をほぐして搬送することができる。
【0023】
又、請求項4に記載された発明によれば、攪拌搬送部材の搬送方向に沿った上流側及び下流側の両端部に位置する現像剤をほぐして搬送することができる。
【0024】
更に、請求項5に記載された発明によれば、板状の弾性部材の幅が広い場合など、当該弾性部材の搬送部材の搬送方向に沿った上流側及び下流側を分離した状態で独立して弾性変形させることができる。
【0025】
また、請求項6に記載された発明によれば、1つの搬送部材によって、現像剤のほぐし作用、搬送作用、排出作用を個別に確実に行うことができる。
【0026】
さらに、請求項7に記載された発明によれば、搬送部材の搬送羽根部の上流側又は下流側において、弾性部材を独立して弾性変形させることができるとともに、中間に位置する搬送羽根部によって搬送部材の搬送方向に現像剤を搬送することができる。
【0027】
又、請求項8に記載された発明によれば、現像剤収容容器を画像形成装置に予め装着した状態で出荷する場合であっても、現像剤収容容器から現像剤が漏れるのを防止することができる。
【0028】
更に、請求項9に記載された発明によれば、現像剤収容部に収容された現像剤が、輸送時の振動等によって凝集した状態となった場合でも、搬送部材を駆動する駆動源に大きな負荷を掛けることなく、凝集した現像剤をほぐして供給することが可能な現像装置を提供できる。
【0029】
また、請求項10に記載された発明によれば、現像剤収容部に収容された現像剤が、輸送時の振動等によって凝集した状態となった場合でも、搬送部材を駆動する駆動源に大きな負荷を掛けることなく、凝集した現像剤をほぐして供給することが可能な画像形成ユニットを提供できる。
【0030】
さらに、請求項11に記載された発明によれば、現像剤収容部に収容された現像剤が、輸送時の振動等によって凝集した状態となった場合でも、搬送部材を駆動する駆動源に大きな負荷を掛けることなく、凝集した現像剤をほぐして供給することが可能な画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器としてのトナーカートリッジの要部を示す斜視構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタの画像形成部を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示す外観斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示すカバーを開いた状態の外観斜視図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器を適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示すカバーを開いた状態の外観斜視図である。
【図7】現像装置を示す断面図である。
【図8】現像装置を示す展開平面図である。
【図9】画像形成ユニットを示す斜視構成図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器としてのトナーカートリッジを示す外観斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器としてのトナーカートリッジを示す分解斜視図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器としてのトナーカートリッジを示す背面斜視図である。
【図13】トナーカートリッジの要部を示す斜視構成図である。
【図14】搬送部材を示す斜視構成図である。
【図15】トナーカートリッジからの現像剤の供給経路を示す断面斜視図である。
【図16】黒色のトナーカートリッジからの現像剤回収経路を示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0033】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る現像剤収容容器及び現像装置、並びに画像形成ユニットを適用した画像形成装置としてのタンデム型のカラープリンタを示す構成図である。また、図3は同カラープリンタの画像形成部を示す構成図である。
【0034】
このカラープリンタは、図2に示すように、パーソナルコンピュータや図示しない画像読取装置等から出力される画像データ、あるいは電話回線やLAN等を介して送られてくる画像データに応じて、フルカラーやモノクロの画像を出力するものである。
【0035】
このカラープリンタの本体1は、図4乃至図6に示すように、略直方体形状に形成されており、当該カラープリンタ本体1の正面には、記録用紙の給紙等を行うためのフロントカバー28が開閉自在に設けられているとともに、その一側面には、現像剤収容容器としてのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの交換等を行うためのサイドカバー29が開閉自在に設けられている。また、カラープリンタ本体1の上部には、画像が形成された記録用紙を排出する排出トレイ22が一体的に形成されている。
【0036】
上記カラープリンタ本体1の内部には、図2に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)2や図示しない画像読取装置等から送られてくる画像データに対して、必要に応じて、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理を施す画像処理部3が配設されているとともに、カラープリンタ全体の動作を制御する制御部4が配設されている。
【0037】
そして、上記の如く画像処理部3で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理部3によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、カラープリンタ本体1の内部に設けられた画像出力部5によってフルカラー画像やモノクロ画像として出力される。
【0038】
上記画像処理部3によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの画像露光装置7Y、7M、7C、7Kに送られ、これらの画像露光装置7Y、7M、7C、7Kでは、対応する色の画像データに応じてLED発光素子アレイから出射される光によって画像露光が行われる。
【0039】
上記カラープリンタ本体1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)6Y、6M、6C、6Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット6Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット6Kが相対的に低くなるように、水平方向に対して予め定められた角度(例えば、約10度)だけ傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。なお、上記画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの傾斜角度は、約10度に限定されるものではなく、これよりも大きな角度であっても小さな角度であっても良いことは勿論である。
【0040】
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kを、予め定められた角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kを水平に配置した場合と比較して、画像形成ユニット6Y、6M、6C、6K間の距離を短く設定することができ、カラープリンタ本体1の幅を小さくしてより一層の小型化が可能となる。
【0041】
これらの4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kは、基本的に、形成する画像の色以外は同様に構成されており、図2及び図3に示すように、大別して、図示しない駆動手段により矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される像保持体としての感光体ドラム8と、この感光体ドラム8の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール9と、当該感光体ドラム8の表面に予め定められた色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置7と、感光体ドラム8上に形成された静電潜像を予め定められた色のトナーで現像する現像装置10と、感光体ドラム8の表面を清掃するクリーニング装置11とから構成されている。
【0042】
上記感光体ドラム8としては、例えば、直径30mm程度のドラム状に形成され、表面に有機光導電体(OPC)等からなる感光体層を被覆したものが用いられ、図示しない駆動モータにより矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される。
【0043】
また、上記帯電ロール9としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂や合成ゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール9の芯金には、予め定められた帯電バイアスが印加される。
【0044】
上記画像露光装置7は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに設けられた画像露光装置7としては、LED発光素子を予め定められたピッチ(例えば、600dpi〜1200dpi)で感光体ドラム8の軸方向に沿って直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム8上にスポット状に結像するロッドレンズアレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置7は、図2及び図3に示すように、下方から感光体ドラム8上に画像を走査露光するように構成されている。
【0045】
なお、上記画像露光装置7としてLED発光素子アレイからなるものを用いた場合には、画像露光装置を大幅に小型化することができ望ましいが、画像露光装置7としては、LED発光素子アレイからなるものに限らず、レーザービームを各感光体ドラム8の軸方向に沿って偏向走査するものなどを用いても良い。この場合には、4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに対して1つの画像露光装置7が配設される。
【0046】
上記画像処理部3からは、上述したように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに個別に設けられた画像露光装置7Y、7M、7C、7Kに、対応する色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置7Y、7M、7C、7Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kの表面に走査露光され、画像データに応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に形成された静電潜像は、現像装置10Y、10M、10C、10Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
【0047】
上記各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの上方にわたって傾斜した状態で配置された無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト12上に、4つの一次転写ロール13Y、13M、13C、13Kによって順次多重に一次転写される。
【0048】
この中間転写ベルト12は、複数のロールによって張架された無端ベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が相対的に低く、且つ上流側が相対的に高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
【0049】
即ち、上記中間転写ベルト12は、図2に示すように、二次転写部の背面支持ロールとしての機能を兼ね備えた駆動ロール15と、従動ロール14との間に予め定められた張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた駆動モータによって回転駆動される駆動ロール15により、矢印B方向に沿って予め定められた速度で循環駆動される。上記中間転写ベルト12としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムによって無端ベルト状に形成したものが用いられる。上記中間転写ベルト12は、その下辺走行領域において、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kに接触するように配置されている。
【0050】
また、上記中間転写ベルト12には、図2に示すように、当該中間転写ベルト12の走行領域の低位側端部に配置され、中間転写ベルト12上に一次転写されたトナー像を記録媒体16上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール17が、駆動ロール15によって張架された中間転写ベルト12の表面に接触するように配置されている。
【0051】
上記中間転写ベルト12上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、駆動ロール15に中間転写ベルト12を介して接触する二次転写ロール17によって、記録媒体としての記録用紙16上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙16は、鉛直方向の上方に位置する定着装置18へと搬送される。上記二次転写ロール17は、駆動ロール15の側方に中間転写ベルト12を介して圧接しており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙16上に、各色のトナー像を一括して二次転写するようになっている。
【0052】
上記二次転写ロール17としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加した合成ゴム材料等の導電性弾性体からなる弾性体層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。
【0053】
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙16は、定着装置18の加熱ロール19及び加圧ベルト(又は加圧ロール)20によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール21によってプリンタ本体1の上端部に設けられた排出トレイ22上に画像面を下にした状態で排出される。
【0054】
上記記録用紙16は、図2に示すように、プリンタ本体1内の底部に配置された給紙トレイ23から予め定められたサイズ及び材質のものが、給紙ロール24及び用紙分離ロール25により一枚ずつ分離された状態で給紙され、レジストロール26まで一旦搬送されて停止される。そして、上記給紙トレイ23から供給された記録用紙16は、中間転写ベルト12上のトナー像と同期して回転駆動されるレジストロール26によって中間転写ベルト12の二次転写位置へと送り出される。上記記録用紙16としては、普通紙以外にも、表面又は表裏両面にコーティング処理が施されたコート紙等の厚紙なども供給可能となっており、コート紙からなる記録用紙16には、写真画像なども出力される。
【0055】
なお、トナー像の一次転写工程が終了した感光体ドラム8の表面は、図2及び図3に示すように、クリーニング装置11によって残留トナーが除去されて、次の画像形成工程に備える。また、トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト12の表面は、図2に示すように、駆動ロール15の下流側の近傍に設けられたベルトクリーニング装置27によって残留トナー等が除去されて、次の画像形成工程に備える。
【0056】
図7はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラープリンタに使用される現像装置を示す構成図である。
【0057】
この現像装置10は、図7に示すように、下部ハウジング31と上部ハウジング32とを備えており、上部ハウジング32の一側の上端部には、開口部33が設けられているとともに、当該開口部33には、現像剤保持体としての現像ロール34が配設されている。この現像ロール34は、内部に固定した状態で配設されたマグネットロール35と、当該マグネットロール35の外周に矢印方向に沿って回転可能に配設された現像スリーブ36とから構成されている。
【0058】
また、上記現像ロール34の下方には、上部ハウジング32と組み合わされた下部ハウジング31から構成され、例えば、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤37を収容する空間としての現像剤収容室38が設けられている。上部ハウジング32の内部には、現像ロール34の表面に供給される現像剤37の量を規制する現像剤規制部材39が、現像ロール34の回転方向の下流側であって開口部33の近傍に、現像ロール34の表面に対して予め定められた間隙を介して配設されている。この現像剤規制部材39は、例えば、磁性を利用して現像ロール34の表面に供給される現像剤37の量を規制するように構成されており、例えば、ニッケル等の磁性材料によって予め定められた直径を有する円柱形状に形成されている。
【0059】
一方、上記下部ハウジング31の内部には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤37が収容されているとともに、当該現像剤37を攪拌しつつ搬送することにより、現像剤37を現像ロール34の表面に供給する第1の現像剤攪拌搬送部材としての第1の攪拌搬送オーガー40と、現像剤37を攪拌しつつ搬送する第2の現像剤攪拌搬送部材としての第2の攪拌搬送オーガー41とが配設されている。上記下部ハウジング31の内部で構成される現像剤収容室38は、第1の攪拌搬送オーガー40が収容される第1の現像剤攪拌搬送部材収容室としての第1の攪拌搬送オーガー収容室42と、第2の攪拌搬送オーガー41が収容される第2の現像剤攪拌搬送部材収容室としての第2の攪拌搬送オーガー収容室43とに、仕切り壁52によって区画されている。
【0060】
また、上記第1及び第2の攪拌搬送オーガー40、41は、図8に示すように、円柱形状に形成された回転軸44、45と、当該回転軸44、45の外周に螺旋状に形成された攪拌搬送用の羽根46、47とから構成されており、互いに反対方向に現像剤37を攪拌しつつ搬送するように構成されている。
【0061】
上記第1及び第2の攪拌搬送オーガー40、41は、図8に示すように、その回転軸44、45の一端部に取り付けられたギア48、49によって回転駆動される。
【0062】
上記現像装置10の内部には、図9に示すように、第2の攪拌搬送オーガー41の軸方向に沿った一端部側(図9中、手前側)に延設された現像剤供給用のオーガー50によって、後述するトナーカートリッジから少なくともトナーを含む新しい現像剤37が供給される。この現像剤供給用オーガー50の端部には、必要に応じて、現像剤37が漏れるのを防止する漏れ防止用の羽根51が一体的に設けられる。
【0063】
また、上記感光体ドラム8の表面を清掃するクリーニング装置11は、図9に示すように、感光体ドラム8の表面に接触するクリーニングブレード111と、当該クリーニングブレード111によって感光体ドラム8の表面から除去したトナーを回収する回収用のオーガ112を備えている。この回収用オーガ112の外周には、円筒状に形成された廃棄トナー搬送部材113が被覆されており、当該廃棄トナー搬送部材113の先端部は、図6に示すように、プリンタ本体1の側面に突出するように配置されている。
【0064】
又、上記現像装置10の内部には、図8に示すように、第1の攪拌搬送オーガー収容室42と、第2の攪拌搬送オーガー収容室43とを仕切る仕切り板52が設けられているとともに、この仕切り板52の長手方向に沿った両端部には、第1の攪拌搬送オーガー収容室42と、第2の攪拌搬送オーガー収容室43との間で現像剤37をやりとりすることで循環させる循環用通路53、54が形成されている。
【0065】
なお、上記現像装置10の内部への新しい現像剤37の供給は、循環用通路54や第2の攪拌搬送オーガー41の端部に、現像剤供給用オーガー51によって現像剤37を落下させることで行うように構成しても良い。
【0066】
ところで、この実施の形態では、図5に示すように、カラープリンタ本体1のサイドカバ一29を開けると外部に露出する側面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の少なくともトナーを含む現像剤61を収容した現像剤収容容器としてのトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kが装着されており、これらのトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kから対応する色の現像装置10Y、10M、10C、10Kに少なくともトナーを含む現像剤61が供給される。この実施の形態では、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの内部に現像剤としてトナー61のみが収容されているが、トナーとキャリアとからなる現像剤を収容しても良い。上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、基本的に同じ形状に形成されているが、黒(K)のトナーカートッジ60Kは、他のカラーのトナーカートッジ60Y、60M、60Cと比較して大型に形成されている。
【0067】
上記カラープリンタ本体1の一側面には、図6に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kを着脱自在に装着するためのカートリッジ格納フレーム62が設けられている。このカートリッジ格納フレーム62には、イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の各トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kを装着するため、当該各トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの形状に対応した4つの装着用凹所63Y、63M、63C、63Kが設けられている。これらの4つの装着用凹所63Y、63M、63C、63Kのうち、カラーのトナーカートッジ60Y、60M、60Cを装着する装着用凹所63Y、63M、63Cには、他の色のトナーカートッジを誤って装着することを防止するための互いに形状の異なる誤装着防止用突起64Y、64M、64Cが設けられている。
【0068】
上記装着用凹所63Y、63M、63C、63Kの内部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像剤を供給する現像剤供給部65Y、65M、65C、65Kが設けられているとともに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のクリーニング装置11Y、11M、11C、11Kから廃棄トナーを回収する現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kが設けられている。上記回収部66Y、66M、66C、66Kのうち、黒(K)の現像剤回収部66Kは、感光体ドラム8Kのクリーニング装置11Kから廃棄トナーを回収するとともに、中間転写ベルト12のクリーニング装置27からも廃棄トナーを回収可能なように、他の回収部66Y、66M、66Cと比較して大きく形成されている。
【0069】
一方、上記現像剤供給部65Y、65M、65C、65Kは、図6に示すように、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kに設けられた現像剤供給用円筒部を装着する円筒形状の現像剤受け部67と、当該現像剤受け部66の手前側に上部が開口した半円筒形状に形成された導入部68とを備えている。
【0070】
また、上記現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kは、図6に示すように、画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kのクリーニング装置11の手前側において、装着用凹所63Y、63M、63C、63Kの内側面から突出した廃棄トナー搬送部材113の先端部から構成されており、当該現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kの先端部の下端面には、図示しない廃棄トナーの排出口が下向きに開口されている。
【0071】
ところで、この実施の形態に係る現像剤収容容器としてのトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kのうち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のカラーのトナーカートッジ60Y、60M、60Cは、図10に示すように、縦方向に沿って細長い略直方体形の箱体状に形成されている。また、黒(K)のトナーカートッジ60Kは、図5に示すように、カラーのトナーカートッジ60Y、60M、60Cと比較して幅が広い大型に形成されている。
【0072】
上記トナーカートッジ60は、図11に示すように、大別して、一側面70が全面にわって開口するとともに上端部にトナー充填用の開口部71を有し、縦方向に沿って細長い直方体形の箱体状に形成された容器本体72と、当該容器本体72の一側面を閉塞するように設けられる内側の蓋体73と、当該内側蓋体73の表面に設けられる外側蓋体74と、容器本体72のトナー充填用開口部71を塞ぐキャップ部材75及び空気孔をシールするシール部材76と、当該容器本体72の上端部に装着される上蓋77と、上蓋77の内部に装着され、トナーカートッジ60に関するデータ等を記憶した外部から読み取り可能な記憶素子78と、容器本体72の内部に収容された現像剤61を攪拌しつつ排出口へと搬送する攪拌搬送部材としての搬送オーガー79と、容器本体72の内部に配置される板状の弾性部材80とを備えるように構成されている。
【0073】
上記トナーカートッジ60の容器本体72は、図1に示すように、一側面(前面)に全面にわたって開口部70が設けれた縦方向に沿って細長い直方体形状の箱体として形成されている。この容器本体72の内部は、新しい現像剤を収容する新現像剤収容室81と、廃棄される現像剤を回収する廃棄現像剤回収室82とに、容器本体72内の中間部の一方の側壁84から他方の側壁89に向けて傾斜した状態で配置された仕切り壁83によって区画されている。この仕切り壁83は、新現像剤収容室81側の仕切り壁83aと、廃棄現像剤回収室82側の仕切り壁83bとから二重に形成されている。上記仕切り壁83aは、その上端部が新現像剤収容室81を形成する一方の側壁84の下端部に連続するように配置されているとともに、図1中、左斜め下方に向けて傾斜した状態で配置されており、当該仕切り壁83aの下端部は、新現像剤収容室81の側壁84と対向するように配置されて廃棄現像剤収容室82を形成する側壁85の上端部と連続するように配置されている。この側壁85も、仕切り壁83と同様に、新現像剤収容室81側の側壁85aと、廃棄現像剤回収室82側の側壁85bとから二重に形成されている。
【0074】
尚、図示の実施の形態では、新現像剤収容室81が、トナーカートリッジ60の全長の約3/4〜2/3程度を占め、廃棄現像剤収容室82が、約1/4〜1/3程度を占めるように設定されているが、これら新現像剤収容室81と廃棄現像剤収容室82の容積の割合は、他の比率に設定しても良いことは勿論である。また、廃棄現像剤収容室82を設けずに、トナーカートリッジ60の内部をすべて新現像剤収容室81としても良い。
【0075】
上記トナーカートリッジ60の新現像剤収容室81及び廃棄現像剤収容室82は、図11に示すように、容器本体72の開口部70を閉塞する内側の蓋体73によって閉塞されるとともに、新現像剤収容室81と廃棄現像剤収容室82とに区画されている。上記内側の蓋体73は、図1に示すように、開口部70の内周及び外周に設けられた側壁84や仕切り壁83などからなる壁部材を介して、超音波溶着等の手段によって容器本体72の開口部70の全面を閉塞するように固定した状態で装着されている。その際、上記新現像剤収容室81と廃棄現像剤収容室82とに区画する仕切り壁83の裏面にも、超音波溶着装置の溶着部が挿入可能なように、新現像剤収容室81と廃棄現像剤収容室82との間に位置する仕切り壁83及び側壁85の裏面側は、図12に示すように、分離溝86によって互いに分離されている。
【0076】
なお、図12中の符号87は、カラーのトナーカートッジ60Y、60M、60Cの誤装着防止用突起64Y、64M、64Cに対応した形状の凹部を示している。
【0077】
上記新現像剤収容室81は、図1に示すように、開口部70を閉塞する内側の蓋体73を含めた4つの側壁84、88、89、73が、その上端部から下端部にわたって鉛直方向に沿って垂直に配置されている。また、上記側壁84は、新現像剤収容室81の上端部から中間部にわたって設けられており、当該側壁84の下端部には、傾斜した状態に配置された仕切り壁83aが連続した状態で設けられている。この仕切り壁83aの下端部は、新現像剤収容室81の幅方向に沿った中間に位置しており、当該仕切り壁83aの下端部には、側壁89と対向するように配置された短い側壁85aが設けられている。さらに、上記側壁89と側壁85aの下端部には、図12に示すように、略円弧形状に形成された底壁91が設けられている。
【0078】
その結果、上記新現像剤収容室81は、図1に示すように、4つの側壁84、88、89、73とから容器本体72の全幅と等しい幅を有するように構成された上端部81aと、一方の側壁89に向けて幅が徐々に狭くなるように形成された中間部81bと、一方の側壁89と側壁85aと底壁91によって断面略U字形状に形成された下端部81cとから構成されている。
【0079】
上記新現像剤収容室81の下端部81cには、図1に示すように、当該新現像剤収容室81内に収容された現像剤61を攪拌しつつ搬送し、下端部81cの奥行き方向の手前側(開口部70側)の底部に形成された排出口90から現像剤61を外部に供給する攪拌搬送部材としての搬送オーガー79が矢印方向に沿って回転可能に設けられている。
【0080】
上記新現像剤収容室81の下端部81cの底部に形成される排出口90は、図1及び図11に示すように、直方体形状に形成されたスポンジ等からなる排出口形成部材91に矩形状に開口した状態で形成されている。この排出口形成部材91は、図13に示すように、容器本体72の新現像剤収容室81の下端部81cに対応した位置に設けられた凹部92に嵌め込まれた状態で装着されており、当該排出口形成部材91の上端面は、トナーカートリッジ60の出荷時に、搬送オーガー79の外周形状に対応した形状に変形して、現像剤61の漏れを防止している。なお、新しいトナーカートリッジ60は、カラープリンタの出荷時、図5に示すうように、プリンタ本体1に装着された状態となっている。
【0081】
上記搬送オーガー79は、図14(a)に示すように、合成樹脂等によって一体的に成形されており、その中心に搬送方向に沿って設けられた回転軸92と、当該回転軸92の搬送方向の上流側の端部に設けられた円板状の支持部93と、回転軸92の上流側に半径方向外方へ円板状の支持部93と等しい半径で平板状に突出するように設けられた第1の作動部としても機能する平板部94と、回転軸92の中間部のみの外周に螺旋状に設けられた搬送羽根部95と、回転軸92の搬送方向に沿った下流側に位置し、現像剤を前記排出口90内へと排出するバケット状の第2の作動部としても機能する排出部96とから構成されている。
【0082】
上記排出部96は、図14(a)に示すように、回転軸92の搬送方向に沿った下流側の端部に、軸方向に沿って予め定められた間隔を隔てて設けられた一対の扇形状の側板97、98と、これら一対の扇形状の側板97、98の外周面を覆うように円弧形状に設けられた外周板99と、排出部96の内部に側板97、98の周方向に沿った中央部に半径方向に沿って設けられた仕切り板100とから、略バケット状に形成されている。この排出部96は、図13に示すように、外周板99が排出口91を閉塞することで、現像剤61の漏れを防止する。
【0083】
上記排出部96は、搬送オーガー79の搬送羽根部95によって回転軸92の軸方向に沿って搬送された新しい現像剤61を、略バケット状に形成された当該排出部96の内部にすくい取り、回転軸92の回転に伴って上部に移動した排出部96から、下方に位置する排出口90内に新しい現像剤を落下させるようにして供給するものである。
【0084】
また、上記回転軸92の先端部101は、図14に示すように、断面形状が略D字形状に形成されており、当該先端部101には、図15に示すように、搬送オーガー79を回転駆動するための第1の駆動用歯車102が装着される。この駆動用歯車102には、図15に示すように、第2の駆動用歯車103が噛み合わされており、当該第2の駆動用歯車103は、プリンタ本体1側に取り付けられた本体側の歯車104が噛み合わされる。
【0085】
そして、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図5に示すように、プリンタ本体1に装着された状態で、図15に示すように、予め定められたタイミングで回転駆動される本体側の歯車104から第2の駆動用歯車103を介して第1の駆動用歯車102に回転駆動力が伝達され、搬送オーガー79が予め定められたタイミングで回転駆動されるように構成されている。
【0086】
また、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図15に示すように、当該トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kから供給された新しい現像剤61を排出口61から直ちに現像装置10に供給するのではなく、新現像剤収容室81から供給される現像剤61を、現像装置10へと供給する現像剤供給手段105を一体的に備えている。この現像剤供給手段105は、図1に示すように、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの新現像剤収容室81の下方に一体的に形成された円筒形状の現像剤供給部材106を備えている。
【0087】
この現像剤供給部材106は、図15に示すように、搬送オーガー79と平行に配置されており、その一端部には、排出口91から供給される現像剤を導入する導入口107が開口されている。この導入口107は、搬送オーガー79の略バケット状に形成された排出部96の円弧形状に設けられた外周板99が排出口91を閉塞することで、同時に閉塞されるように構成されている。
【0088】
また、上記現像剤供給部材106の他端部には、図15に示すように、現像剤を供給する供給口108が下向きに開口されている。この供給口108は、現像装置10の現像剤供給用オーガー50の外周を覆う現像剤供給用円筒部109の上端部に開口された受入口110と対応した位置に開口されている。
【0089】
さらに、上記現像剤供給部材106の内部には、図15に示すように、現像剤を供給する供給オーガー111が回転可能に配置されている。この供給オーガー111は、図14(b)に示すように、合成樹脂等によって一体的に成形されており、その中心に搬送方向に沿って設けられた回転軸112と、当該回転軸112の搬送方向の下流側の端部に設けられた円板状の支持部113と、回転軸112の外周に螺旋状に設けられた搬送羽根部114と、回転軸112の搬送方向に沿った上流側に設けられた円板状の封止部115とを備えるように構成されている。
【0090】
また、上記回転軸112の基端部116は、図14(b)に示すように、断面形状が略D字形状に形成されており、当該基端部116には、図15に示すように、供給オーガー111を回転駆動するための第2の駆動用歯車103が装着されている。この第2の駆動用歯車103には、上述したように、プリンタ本体1側に取り付けられた本体側の歯車104が噛み合わされている。
【0091】
なお、上記供給オーガー111の回転軸112は、導入口107と供給口108に対応した部分112a、112bが他の部分と比較して直径が小さく設定されており、これら導入口107からの現像剤61の受入及び供給口108からの供給を確実に行うことが可能となっている。
【0092】
また、上記現像剤供給部材106内の先端部には、図11及び図15に示すように、供給口108を開閉するシャッター部材120が摺動自在かつスプリング121によって供給口108を閉塞するように付勢されており、このシャッター部材120は、図5に示すように、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kをプリンタ本体1に装着した際に、プリンタ本体1の現像剤供給部65Y、65M、65C、65Kの内部に突出した状態で設けられた細い軸状の作動用突起122によって押されて、供給口108を開放した位置に移動するように構成されている。
【0093】
ところで、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図10に示すように、縦方向に沿って細長い略直方体形の箱体状に形成されており、特に、新現像剤収容室81の中間部81bは徐々に幅が狭くなり、下端部81cは最も幅が狭く略U字形状に形成されているため、当該トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの新現像剤収容室81内に収容された新現像剤は、輸送時の振動等によって、中間部81bから下端部81cに掛けて偏った状態で凝集しやすい。
【0094】
そのため、上記新現像剤収容室81内で新現像剤の凝集などが発生して現像剤が締まった状態となると、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kをプリンタ本体1に装着して搬送オーガー79を回転駆動しても、搬送オーガー79の上部外周などに位置する締まった状態にある現像剤が崩されず、排出口90から排出することができない虞れを有している。
【0095】
そこで、この実施の形態では、現像剤収容部の内部に上端部側が固定されるとともに、揺動自在な自由端とされる下端部が攪拌搬送部材の上部に搬送方向に沿って配置され、下端部の一部のみが攪拌搬送部材と当接して揺動することにより攪拌搬送部材の上部に位置する現像剤をほぐす板状の弾性部材を備えるように構成されている。
【0096】
すなわち、この実施の形態に係るトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図1に示すように、新現像剤収容室81の内部に新しい現像剤をほぐす板状(薄いフィルム状)の弾性部材80が設けられている。この弾性部材80としては、例えば、予め定められた数μm〜数100μm程度の厚さを有するPET等の合成樹脂からなるマイラー(登録商標)フィルムによって縦長の矩形状に形成したものが用いられる。ただし、これに限定されるものではなく、他の材質及び形状からなるものを用いても良い。
【0097】
上記弾性部材80は、図1に示すように、新現像剤収容室81の奥行きよりも若干小さい幅を有する縦長の矩形状に形成されており、その上端部131は、トナーカートッジ60の側壁84の内面上端部に両面テープ又は接着等の手段によって固定されているとともに、その下端部132は、搬送オーガー79の上端部近くまでその軸方向に沿って延長されている。上記弾性部材80の中間部133は、側壁84の下端部から仕切り壁83に掛けて湾曲し、新現像剤収容室81の仕切り壁83に沿って、当該仕切り壁83の表面に弾性復元力によって接触した状態となっており、当該弾性部材80の中間部よりも下方の部分は、新現像剤収容室81の内面に固定されていない自由端となっている。
【0098】
また、上記弾性部材80の下端部132には、図1及び図13に示すように、搬送オーガー79の軸方向(搬送方向)に沿った上流側の端部と下流側の端部に、下向きに第1及び第2の舌片134、135が突出されており、これらの第1及び第2の舌片134、135は、搬送オーガー79に設けられた第1の作動部94及び第2の作動部99と接触して、弾性部材80の下端部132を搬送オーガー79の回転に同期した予め定められたタイミングで、図1及び図13中、斜め上方へ弾性変形させることにより、新現像剤収容室81の内部で締まった(凝集した)現像剤61をほぐすように構成されている。
【0099】
また、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、プリンタ本体1のクリーニング装置11Y、11M、11C、11K及びベルトクリーニング装置27から排出される廃棄トナーを回収可能なように構成されている。
【0100】
即ち、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kには、図12に示すように、廃棄現像剤収容室82の背面側に、図6に示すように、プリンタ本体1のクリーニング装置11Y、11M、11C、11K及びベルトクリーニング装置27から排出される廃棄トナーを導入する導入口140が開口されている。この導入口140の外周には、トナーの漏れを防止するため、スポンジ等からなるシール部材141が設けられている。また、上記導入口140は、図11に示すように、スプリング142により付勢されて第2のシャッター部材143によって通常は閉塞されている。
【0101】
そして、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの廃棄トナー用の導入口140は、図5に示すように、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kをプリンタ本体1に装着することによって、プリンタ本体1側の現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kによって、第2のシャッター部材143が内側に押されることによって開口される。
【0102】
なお、上記プリンタ本体1の黒の現像剤回収部66Kは、上述したように、黒のクリーニング装置11Kからの廃棄トナー以外に、中間転写ベルト12のベルトクリーニング装置27からの廃棄トナーをも回収するようになっている。その際、上記中間転写ベルト12のベルトクリーニング装置27は、図2に示すように、黒のクリーニング装置11Kの略真上に位置するため、黒の現像剤回収部66Kは、図16に示すように、中間転写ベルト12のベルトクリーニング装置27によって回収された廃棄トナーを、中間転写ベルト12のベルトクリーニング装置27の端部と黒のクリーニング装置11Kの端部とを繋ぐように形成された当該黒の現像剤回収部66Kによって合流させ、黒のクリーニング装置11Kの排出用オーガーによって黒のトナーカートッジ60Kの導入口140へと排出するように構成されている。
【0103】
以上の構成において、この実施の形態に係る現像剤収容容器が適用されたカラープリンタでは、次のようにして、現像剤収容部に収容された現像剤が、輸送時の振動等によって凝集した状態となった場合でも、攪拌搬送部材を駆動する駆動源に大きな負荷を掛けることなく、凝集した現像剤をほぐして供給することが可能となっている。
【0104】
すなわち、この実施の形態に係るカラープリンタでは、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kによって各色のトナー像が順次形成され、これらの各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム8上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト12上に順次多重に一次転写された後、二次転写位置において中間転写ベルト12上から記録用紙16に一括して二次転写され、記録用紙16上にトナー像が定着されて、図4に示すように、プリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ22上に排出される。
【0105】
上記カラープリンタでは、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kによって各色のトナー像を形成する際に、画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの現像装置10内のトナーが徐々に消費され、現像装置10内のトナー濃度が低下するため、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの現像装置10には、図5に示すように、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kから対応する色の少なくともトナーを含む新現像剤61が供給される。
【0106】
また、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60K内の新現像剤61が供給されて、新現像剤収容室内が空になった場合或いは新現像剤収容室内が空に近い状態になった場合には、図4及び図5に示すように、プリンタ本体1のサイドカバー29を開けて、空になった或いは空に近い状態になったトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kをプリンタ本体1から取り外して、新しいトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kがプリンタ本体1に装着される。
【0107】
上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図5に示すように、プリンタ本体1に装着されることで、搬送オーガー及び供給オーガーを回転駆動する駆動用歯車及び中間歯車が、プリンタ本体1側の本体歯車と噛み合わされるとともに、現像剤供給部材106の供給口が開口される。
【0108】
そして、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kでは、図15に示すように、プリンタ本体1側の本体側の歯車104を予め定められたタイミングで回転駆動することにより、当該本体側の歯車104の回転駆動力が第1及び第2の駆動用歯車102,103に伝達され、搬送オーガー79及び供給オーガー111が回転駆動される。
【0109】
上記搬送オーガー79が回転駆動されると、図14(a)に示すように、当該搬送オーガー79の軸方向に沿った上流側の端部に設けられた平板部94によって、図1及び図13に示すように、新現像剤収容室81の底部に位置する新現像剤61が周方向に沿って掻き取られて崩されるとともに、当該平板部94によって掻き取られて崩された新現像剤61は、当該搬送オーガー79の軸方向に沿った中間部に設けられた搬送用羽根95によって下流側へ搬送される。
【0110】
そして、上記搬送オーガー79の搬送用羽根95によって軸方向下流側へと搬送された新現像剤61は、搬送オーガー79のバケット状に形成された排出部96によってすくい取られて、搬送オーガー79の軸方向に沿った下流側端部に設けられた排出口90から排出される。
【0111】
上記排出口90から排出された新現像剤61は、図15に示すように、現像剤供給部材106の導入口107から内部へ導入されて、現像剤供給部材106の内部に配置された供給オーガー106によって供給口108へと搬送され、当該供給口108から現像装置10へと供給される。
【0112】
ところで、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、上述したように、図10に示す如く、縦方向に沿って細長い略直方体形の箱体状に形成されており、特に、新現像剤収容室81の中間部81bは徐々に幅が狭くなり、下端部81cは最も幅が狭く略U字形状に形成されているため、当該トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの新現像剤収容室81内に収容された新現像剤は、輸送時の振動等によって、中間部81bから下端部81cに掛けて偏った状態で凝集しやすい。
【0113】
そのため、上記新現像剤収容室81内で新現像剤の凝集などが発生して現像剤が締まった状態となると、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kをプリンタ本体1に装着して搬送オーガー79を回転駆動しても、搬送オーガー79の上部外周などに位置する締まった状態にある現像剤が崩されず、排出口90から排出することができない虞れを有している。
【0114】
この実施の形態に係るトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図1に示すように、新現像剤収容室81の内部に弾性部材80を備えている。この弾性部材80は、図1及び図13に示すように、上端部131のみが新現像剤収容室の側壁84の内面に固着されているとともに、その中間部133及び下端部132が新現像剤収容室81の仕切り壁83aの内面に沿って湾曲した状態となり、その自由端としての下端部132が搬送オーガー79の外周に位置し且つ軸方向に沿って平行となるように配置されている。
【0115】
また、上記弾性部材80の下端には、図1及び図13に示すように、搬送オーガー79の第1及び第2の作動部94、99と接触して、当該弾性部材80の下端部132を図1及び図13中、斜め上方向に弾性変形させて撓ませる第1及び第2の舌片134、135が設けられている。そのため、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図1に示すように、新現像剤61の供給にあたって搬送オーガー79が予め定められたタイミングで回転駆動されると、搬送オーガー79の第1及び第2の作動部94、99が、弾性部材80の下端に設けられた第1及び第2の舌片134、135と接触して、弾性部材80の下端部132は、図1及び図13中、斜め上方向に弾性変形するように撓んだ状態となり、新現像剤収容室81内の搬送オーガー79の上部に位置する新現像剤61をほぐすようになっている。
【0116】
その結果、仮に、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの新現像剤収容室81内に収容された新現像剤61が凝集した状態に締まったとしても、この新現像剤収容室81内で凝集した状態に締まった新現像剤61は、搬送オーガー79の回転に同期して弾性変形する弾性部材80によりほぐされて搬送オーガー79へと供給され、当該搬送オーガー79を回転駆動することによって、新現像剤収容室81内の底部に設けられた排出口90から確実に排出され、現像装置10へ供給することができる。
【0117】
また、上記搬送オーガー79の第1の作動部は、半径方向に沿って設けられた平板状に形成されており、弾性部材80の第1の舌片134は、搬送オーガー79の第1の作動部94が通過するときにのみ、一時的に上方に持ち上げられた後、直ちに元の状態に復帰する。
【0118】
一方、上記搬送オーガー79の第2の作動部99は、外周方向に沿って設けられた円弧状に形成されているため、弾性部材80の第2の舌片135は、搬送オーガー79の第2の作動部99が通過する間、上方に持ち上げられた状態を維持し、この間に搬送オーガー79によって新現像剤61が軸方向に沿って搬送されるので、第2の作動部によってほぐされた新現像剤61は、第1の舌片134が元の位置に復帰し、第2の舌片135が上方に移動した位置にあって下端部132が搬送オーガー79の軸方向に対して斜めに傾斜した状態となる弾性部材80によって、搬送オーガー79の中間に位置する搬送用羽根95の部分に落下した状態で供給され、搬送用羽根95によって確実に下流側へと搬送されて、排出口90から落下した状態で確実に供給されるようになっている。
【0119】
さらに、上記弾性部材80の第2の舌片135は、搬送オーガー79の第2の作動部99が通過すると元の位置に復帰する。
【0120】
なお、上記弾性部材80が上方に移動するように弾性変形している際に、当該弾性部材80の裏面と仕切り壁83との間に新現像剤61が入り込む虞れがあるが、弾性部材80によって搬送オーガー79の上部に位置する新現像剤61がほぐされることにより、弾性部材80の裏面に入り込んだ新現像剤61も、搬送オーガー79の搬送作用に伴う弾性部材80の下端部の弾性変形によって、傾斜した仕切り壁83aの表面に沿って落下し供給される。
【0121】
この実施の形態では、搬送オーガー79によって弾性部材80の下端部132全体を上方に移動させるのではなく、弾性部材80の下端部に設けられた第1及び第2の舌片によって、当該弾性部材80の下端部132の一部である舌片134、135のみを部分的に上方に移動させれば良く、搬送オーガー79の上部に位置する新現像剤61が凝集している場合であっても、弾性部材80の上部に位置する新現像剤61によって大きな負荷(荷重)が掛かり、搬送オーガー79の回転駆動に大きな駆動トルクが必要となったり、搬送オーガー79が回転駆動できずに、新現像剤61が供給不能となることを回避することができる。
【符号の説明】
【0122】
60Y、60M、60C、60K:トナーカートリッジ、79:搬送オーガー、80:弾性部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像剤収容部の内部に回転可能に配置され、当該現像剤収容部に収容された現像剤を排出口へと搬送する搬送部材と、
前記現像剤収容部の内部に上端部側が固定されるとともに、揺動自在な自由端とされる下端部が前記搬送部材の上部に搬送方向に沿って配置され、前記下端部の搬送部材の搬送方向に沿った一部のみが回転駆動される前記搬送部材と当接して弾性変形する弾性部材とを備えたことを特徴とする現像剤収容容器。
【請求項2】
前記現像剤収容容器は、前記搬送部材へ向かう傾斜面が形成され、前記傾斜面に沿って弾性部材が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の現像剤収容容器。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記搬送部材の搬送方向に沿った上流側の端部と当接して弾性変形することを特徴とする請求項1の現像剤収容容器。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記搬送部材の搬送方向に沿った上流側及び下流側の両端部と当接して弾性変形することを特徴とする請求項1の現像剤収容容器。
【請求項5】
前記弾性部材には、前記搬送部材の搬送方向に沿った中間部に、当該弾性部材の下端部から前記搬送部材の搬送方向と交差する方向の上部に向けた切込みが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像剤収容容器。
【請求項6】
前記搬送部材は、当該搬送部材の搬送方向に沿った上流側に位置し、前記搬送部材の上部に位置する現像剤をほぐす半径方向外方向に向けて配置された第1の作動部としての平板部と、前記搬送部材の搬送方向に沿った中間部に位置し、現像剤を搬送する螺旋状の搬送羽根部と、前記搬送部材の搬送方向に沿った下流側に位置し、現像剤を前記排出口内へと排出する前記搬送部材の外周面に沿った円弧形状の第2の作動部としての排出部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像剤収容容器。
【請求項7】
前記切込みは、前記搬送部材の螺旋状の搬送羽根部に対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の現像剤収容容器。
【請求項8】
前記現像剤収容容器は、出荷時、前記搬送部材の排出部が前記排出口を閉塞した位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の現像剤収容容器。
【請求項9】
現像剤を表面に保持した現像剤保持体が回転可能に配置された現像装置本体と、
現像剤を収容する現像剤収容部と、
前記現像剤収容部の内部に回転可能に配置され、当該現像剤収容部に収容された現像剤を排出口へと搬送する搬送部材と、
前記現像剤収容部の内部に上端部側が固定されるとともに、揺動自在な自由端とされる下端部が前記搬送部材の上部に搬送方向に沿って配置され、前記下端部の搬送部材の搬送方向に沿った一部のみが回転駆動される前記搬送部材と当接して弾性変形する弾性部材とを備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項10】
画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体上に形成された静電現像を現像する手段であって、現像剤を表面に保持した現像剤保持体が回転可能に配置された現像装置本体と、
前記現像装置本体に供給する現像剤を収容する現像剤収容容器とを備え、
前記現像剤収容容器として前記請求項1乃至8のいずれかに記載の現像剤収容容器を用いたことを特徴とする画像形成ユニット。
【請求項11】
画像情報に応じた静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体上に形成された静電現像を現像する手段であって、現像剤を表面に保持した現像剤保持体が回転可能に配置された現像装置本体と、
前記現像装置本体に供給する現像剤を収容する現像剤収容容器とを備え、
前記現像剤収容容器として前記請求項1乃至8のいずれかに記載の現像剤収容容器を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−203346(P2011−203346A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68444(P2010−68444)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】