説明

現像剤検出装置、現像剤収容装置、現像ユニット、及び画像形成装置

【課題】収容部内に収容されているトナーの量を適切に検出できる現像剤検出装置、これを備えた現像剤収容装置、現像ユニット、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像剤検出装置は、遮光部60b及び光通過部60cを有する検出プレート60と、検出プレート60に連結され且つ回転可能に支持され、収容部内に収容されたトナーの上面位置に応じた回転位置で一時停止する撹拌バー61と、撹拌バー61を所定の回転方向に押す撹拌ギヤ62と、発光部から発せられ検出プレート60の光通過部60cを通過した光が、受光部で受光されている時間を計測し、この計測の結果に応じて収容部内に収容されているトナーの量を検出する現像剤検出部とを備える。また、現像剤収容装置、現像ユニット、及び画像形成装置は、上記現像剤検出装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容部に収容されている現像剤の量を検出する現像剤検出装置、及び、これを備えた現像剤収容装置、現像ユニット、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機(MFP)等の電子写真方式の画像形成装置には、現像ユニットなどの収容部内に収容されている現像剤(トナー)の残量を検出する現像剤検出装置が備えられている。例えば、特許文献1に記載の現像剤検出装置は、収容部内に収容されているトナーの残量に応じて発光部からの光を遮光する遮光板を備え、遮光板によって発光部からの光が遮光されている遮光時間に基づいて、トナーの残量が基準量以下であること(すなわち、残量少)を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−93663号公報(例えば、要約、図2、図6A,6B、図7A,7B)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、トナーの残量に応じた遮光板の停止位置にバラツキがあるので、遮光板の停止位置がトナーの残量に正確に対応しない場合がある。このような場合には、実際には収容部内に収容されているトナーが残量少であるにもかかわらず、遮光板は発光部から発せられた光を適切に遮光できず、発光部から発せられた光の一部が受光部に入射するので、トナーの残量を正確に検出できない。また、上記従来の装置においては、遮光板が小さく形成されているので、発光部から発せられた光の一部が、他の部材で反射若しくは散乱して、又は、回折して、受光部に入射し易く、このため、実際にはトナーが残量少であるにもかかわらず、受光部に光が入射し易い。この結果、上記従来の装置においては、トナーの残量が少ないときであっても、トナー残量少を検出できる場合とできない場合とがあり、適切な検出できないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、収容部内に収容されている現像剤の量を適切に検出することができる現像剤検出装置、及び、これを備えた現像剤収容装置、現像ユニット、及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る現像剤検出装置は、遮光部及び光通過部を有し、回転可能に支持され、収容部内に収容された現像剤の上面位置に応じた回転位置で一時停止する回転部材と、前記回転部材を所定の回転方向に押す回転駆動部材と、発光部及び受光部を有し、前記発光部から発せられ前記光通過部を通過した光が、前記受光部で受光されている時間を計測し、前記計測の結果に応じて前記収容部内に収容されている前記現像剤の量を検出する検出手段とを備えることを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係る現像剤収容装置は、現像剤を収容する収容部と、前記収容部内に収容されている現像剤の量を検出する、前記現像剤検出装置とを備えたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る現像ユニットは、前記現像剤収容装置と、前記収容部内に収容されている現像剤を像担持体に供給する現像剤担持体とを備えたことを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記現像剤検出装置を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る現像剤検出装置によれば、収容部内に収容されている現像剤の量を適切に検出することできるという効果がある。
【0011】
本発明に係る現像剤収容装置、現像ユニット、及び画像形成装置によれば、現像剤の量の適切な検出に基づいて、適切な処理を実行することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の基本構成を概略的に示す図である。
【図2】図1の画像形成装置内に装備される、複数の現像ユニットを備えたバスケットを概略的に示す斜視図である。
【図3】図2のバスケットに装着される現像ユニットを概略的に示す外観斜視図である。
【図4】図3の現像ユニットを概略的に示す分解斜視図である。
【図5】図3の現像ユニットをD5方向に見た概略的な側面図である。
【図6】図3の現像ユニットをD6方向に見た概略的な背面図である。
【図7】図6のS7−S7線に沿う断面を概略的に示す縦断面図である。
【図8】図5のS8−S8線に沿う断面を概略的に示す縦断面図である。
【図9】第1の実施形態に係る現像剤検出装置の主要部を構成する撹拌バー、撹拌ギヤ及び検出プレートを概略的に示す斜視図である。
【図10】図9の撹拌ギヤを拡大して示す一部切り欠き斜視図である。
【図11】図10のS11−S11線に沿う断面を示す断面図である。
【図12】図9の検出プレートを拡大して示す正面図である。
【図13】図9の検出プレート及び撹拌バーを拡大して示す斜視図である。
【図14】図13の撹拌バーをD14方向に見た場合を拡大して示す側面図である。
【図15】図3の現像ユニットのプレートカバーを取り外した状態を概略的に示す斜視図である。
【図16】図15の現像ユニットの検出プレートを取り外した状態を概略的に示す斜視図である。
【図17】図3の現像ユニットを画像形成装置の筐体に装着した場合における第2のサイドプレート側の構造を概略的に示す縦断面図である。
【図18】(a)〜(e)は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置の主要部を構成する撹拌ギヤ及び撹拌バーの回転動作を示す動作説明図である。
【図19】(a)〜(e)は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置の主要部を構成する撹拌バーの回転動作が、トナー撹拌室内に収容されているトナーの量に応じて、変化することを示す説明図である。
【図20】第1の実施形態に係る現像剤検出装置を備えた現像ユニットにおいて、トナー撹拌室内に収容されているトナーの量が多い図19(a)の場合に、受光部が光を検出するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図21】第1の実施形態に係る現像剤検出装置を備えた現像ユニットにおいて、トナー撹拌室内に収容されているトナーの量が少ない図19(e)の場合に、受光部が光を検出するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図22】(a)〜(f)は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置の主要部を構成する検出プレートの回転角度と光出射部の位置関係を示す図である。
【図23】(a)〜(f)は、比較例における遮光板と光出射部の位置関係を示す図である。
【図24】図23(a)〜(f)に示す比較例における受光部が光を検出するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図25】(a)〜(f)は、遮光板の幅を広くした他の比較例における遮光板と光出射部の位置関係を示す図である。
【図26】図25(a)〜(f)に示す他の比較例における受光部が光を検出するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図27】第2の実施形態に係る現像剤検出装置を備えた現像ユニットの第2のサイドプレート側の構造を概略的に示す斜視図である。
【図28】図27の現像ユニットのプレートカバーを取り外した状態を概略的に示す斜視図である。
【図29】図28の検出プレートを示す正面図である。
【図30】図29の現像ユニットを画像形成装置の筐体に装着した場合における第2のサイドプレート側の構造を概略的に示す横断面図である。
【図31】(a)〜(e)は、第2の実施形態に係る現像剤検出装置における撹拌バーの回転動作が、トナー撹拌室内に収容されているトナーの量に応じて、変化することを示す説明図である。
【図32】第2の実施形態に係る現像剤検出装置の変形例における検出プレートの光通過部と光出射部の位置関係を示す図である。
【図33】第2の実施形態に係る現像剤検出装置の他の変形例における検出プレートの光通過部と光出射部の位置関係を示す図である。
【図34】第2の実施形態に係る現像剤検出装置のさらに他の変形例における検出プレートの光通過部と光出射部の位置関係を示す図である。
【図35】第2の実施形態に係る現像剤検出装置のさらに他の変形例における検出プレートの光通過部と光出射部の位置関係を示す図である。
【図36】第3の実施形態に係る現像剤検出装置を備えた現像ユニットを画像形成装置の筐体に装着した場合における第2のサイドプレート側の構造を概略的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明が適用された現像剤検出装置は、電子写真方式の画像形成装置のような現像剤(トナー)を使用する装置に利用することが可能であるが、以下の説明においては、現像剤検出装置を、画像形成装置の現像ユニットに備えた場合を説明する。なお、現像剤検出装置を、廃棄トナー収容室又はトナーカートリッジなどの他の現像剤収容装置に備えることもできる。
【0014】
《1》第1の実施形態
《1−1》画像形成装置の説明
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の基本構成を概略的に示す図である。画像形成装置1は、本発明が適用された現像剤検出装置を備えた現像ユニット3K,3C,3M,3Yを備えている。画像形成装置1は、タンデム方式のカラーLEDプリンタである。ただし、本発明が適用された現像剤検出装置を利用可能な画像形成装置には、複写機、ファクシミリ、複合機(MFP)、モノクロプリンタなどのような、他の装置も含まれる。
【0015】
図1に示されるように、画像形成装置1は、筺体2と、ブラック(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の画像を形成する現像ユニット3K,3C,3M,3Y(現像ユニット3とも記す。)と、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの画像情報に基づく露光を行う露光装置4K,4C,4M,4Y(露光装置4とも記す。)と、給紙カセット5と、給紙機構(図示せず)と、無端ベルト6と、この無端ベルト6を張架する駆動ローラ6a及びテンションローラ6bと、転写ローラ7K,7C,7M,7Y(転写ローラ7とも記す。)と、定着装置8とを備えている。
【0016】
また、画像形成装置1は、現像ユニット3K,3C,3M,3Y、駆動ローラ6a、及び給紙機構などに駆動力を与えるモータなどの駆動部41と、現像ユニット3K,3C,3M,3Y、転写ローラ7K,7C,7M,7Yなどに電圧を印加する電圧供給部42と、駆動部41及び電圧供給部42を含む装置全体の動作を制御する制御部43とを備えている。制御部43は、後述の受光部65が所定の閾値レベル以上の光を受光している期間(後述する「光通過期間」)を計測し、この計測の結果に応じて収容部内に収容されているトナーの量を検出する現像剤検出部43aを有している。
【0017】
現像ユニット3K,3C,3M,3Yは、筺体2内に規定される記録媒体Pの搬送路に沿って、1列に配列されている。現像ユニット3K,3C,3M,3Yの各々は、筐体2内の所定位置(例えば、後述する図2のバスケット11内)に着脱自在なユニットであり、「プロセスユニット」又は「画像形成ユニット」とも称される。なお、図1において、39は、廃棄トナーを搬送する第2の搬送手段であり、40は、第2の搬送手段39によって現像ユニット3K,3C,3M,3Yから搬送された廃棄トナーを収容する廃棄トナー収容室である。
【0018】
露光装置4K,4C,4M,4Yは、現像ユニット3K,3C,3M,3Yの各感光体31の近傍(図1においては上方)に配置されている。露光装置4K,4C,4M,4Yの各々は、LEDアレイ(図示せず)を有しており、筐体2の上部カバーに取り付けられている。筐体2の上部カバーは、筺体2内の現像ユニット3K,3C,3M,3Y、又は、現像ユニット3K,3C,3M,3Yに装着される現像剤カートリッジ(トナーカートリッジ)10K,10C,10M,10Y(トナーカートリッジ10とも記す)を着脱する際に開けられる。各色のトナーカートリッジ10K,10C,10M,10Yは、各色の未使用のトナー9を収容しており、現像ユニット3K,3C,3M,3Yの各々に対して着脱自在なカートリッジである。
【0019】
給紙カセット5は、記録媒体(用紙)Pを収容し、筺体2内の下部に着脱可能に取り付けられている。給紙機構は、給紙カセット5に積載された記録媒体Pを1枚ずつ搬送路に送り出す給紙ローラ(図示せず)を備えている。給紙機構は、記録媒体Pのスキューを矯正して現像ユニット3K,3C,3M,3Yに送り出すレジストローラ(図示せず)を備えてもよい。
【0020】
無端ベルト6は、駆動ローラ6aの回転によって移動する。無端ベルト6は、その表面に記録媒体Pを吸着保持し、駆動ローラ6aの回転駆動により移動して、記録媒体Pを現像ユニット3K,3C,3M,3Yに沿って搬送する。
【0021】
転写ローラ7K,7C,7M,7Yは、現像ユニット3K,3C,3M,3Yの各々の感光体31に対向配置されている。転写ローラ7K,7C,7M,7Yには、各感光体31の表面に形成された現像剤像(トナー像)を、記録媒体Pに転写させるためのバイアス電圧が印加されている。転写ローラは、現像ユニット3K,3C,3M,3Yの各感光体31上に形成されたトナー像を、記録媒体P上に転写する。
【0022】
定着装置8は、ヒートローラ8aと加圧ローラ8bとを有し、これらヒートローラ8aと加圧ローラ8bとの間で未定着のトナー像を備えた記録媒体Pを加熱及び加圧して、記録媒体Pにトナー像を定着させる。なお、画像形成装置1の各構成の形状及び配置は、図示の例に限定されない。
【0023】
図2は、図1の画像形成装置1内に装備される、複数の現像ユニット3K,3C,3M,3Yを装着したバスケット11を概略的に示す斜視図である。バスケット11は、第1のサイドフレーム12と、第2のサイドフレーム13と、フロントフレーム14と、リアフレーム15とを備えている。現像ユニット3K,3C,3M,3Yは、バスケット11により規定された位置に、記録媒体Pの供給側(図2の右側)から排出側(図2の左側)に順に配列される。現像ユニット3K,3C,3M,3Yの各々は、バスケット11に対して着脱自在である。また、第1のサイドフレーム12には、廃棄トナーを廃棄トナー収容室40に向けて搬送する第2の搬送手段39が備えられている。
【0024】
次に、現像ユニット3K,3C,3M,3Yについて説明する。各色の現像ユニット3K,3C,3M,3Yは、互いに同じ構造であるため、これらの内の1つの現像ユニットについて説明する。図1に示されるように、現像ユニット3は、像担持体としての感光体(感光ドラム)31と、感光体31の表面を一様帯電させる帯電ローラ(帯電装置)32と、トナーカートリッジから供給されたトナーを貯蔵する収容部であるトナー撹拌室33と、トナー撹拌室33内に配置された供給ローラ34と、供給ローラ34から供給されたトナーにより感光体31表面上の静電潜像を現像する現像ローラ35と、現像ローラ35上のトナー層の厚さを規制する現像ブレード(現像剤規制部材)36と、感光体31の表面に残存する残留トナーを除去するクリーニングブレード37と、廃棄トナーを第2の搬送手段39に向けて搬送する第1の搬送手段38とを有している。なお、現像ユニット3の構成、形状、及び配置は、図1及び図2に示される例に限定されない。
【0025】
感光体31は、例えば、アルミニウム等からなる円筒状の導電性基層と、この導電性基層の外周を覆う有機感光体からなる表層とから構成される。帯電ローラ32は、例えば、導電性の金属シャフトと、この金属シャフトの外周を覆うエピクロルヒドリンゴム等の半導電性のゴムとから構成されるローラ状の部材であり、感光体31の表面に接触して従動回転する。
【0026】
現像ローラ35は、例えば、導電性の金属シャフトと、この金属シャフトの外周を覆うシリコーン等の半導電性ゴムとから構成される。供給ローラ34は、例えば、導電性の金属シャフトと、この金属シャフトの外周を覆うシリコーン等の半導電性ゴムとから構成される。供給ローラ34の半導電性ゴムは、トナーの搬送性を向上させるために、ゴム混練時に発泡剤を添加し形成される。現像ブレード36は、現像ローラ35上にトナー薄層を均一な層厚に規制するための部材である。現像ブレード36と供給ローラ34は、現像ローラ35に接触するように配置される。
【0027】
クリーニングブレード37は、現像ユニット3のブラケットにホットメルト等の接着方法で強力に接着されている。帯電ローラ32、現像ローラ35、及びクリーニングブレード37は、感光体31に接触するように配置されている。クリーニングブレード37の下方には、感光体31の軸方向(図1が描かれている紙面に垂直な方向)に延びるスパイラル又はコイルスプリングなどから構成される第1の搬送手段(廃棄トナー搬送部材)38が配置されている。第1の搬送手段38は、廃棄トナーを感光体31の軸方向に、第2の搬送手段39に向けて(図1が描かれている紙面に垂直な方向であって、紙面の手前側)搬送し、第1の搬送手段38によって搬送された廃棄トナーは、第2の搬送手段39によって廃棄トナー収容室40に搬送される。
【0028】
感光体31、帯電ローラ32、現像ローラ35、及び供給ローラ34は、モータ及びギヤなどの駆動力伝達機構を含む駆動部41からの駆動力によって、図1の矢印方向に回転する。また、現像ローラ35、供給ローラ34、及び現像ブレード36は、現像ローラ電源、供給ローラ電源、及び現像ブレード電源などを含む電圧供給部42によって、バイアス電圧が印加される。
【0029】
感光体31を支持する回転軸と帯電ローラ32を支持する回転軸とは、感光体31の軸方向の両端に配置された部材によって、回転可能に支持されている。また、現像ローラ35、供給ローラ34、及び現像ブレード36も、感光体31の軸方向の両端に配置された部材によって、支持されている。
【0030】
トナーカートリッジ10K,10C,10M,10Yは、各色の未使用のトナー9を収容する収容部を有している。各色のトナーカートリッジ10K,10C,10M,10Yは、対応する各色の現像ユニット3K,3C,3M,3Yの上部に取り付けられ、各色の現像ユニット3K,3C,3M,3Yに対して、着脱自在である。第1の実施形態においては、現像ユニット3K,3C,3M,3Y、バスケット11、トナーカートリッジ10、及び廃棄トナー収容部40は、個々に交換可能であり、トナーが消費されて残量少になったり、部品が劣化したりしたときなどに交換される。
【0031】
《1−2》現像ユニットの説明
図3は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置を備えた現像ユニット3を概略的に示す外観斜視図であり、図4は、図3の現像ユニット3を概略的に示す分解斜視図である。また、図5は、図3の現像ユニット3をD5方向に見る側面図であり、図6は、図3の現像ユニット3をD6方向に見る背面図である。また、図7は、図3又は図6のS7−S7線に沿う断面を示す縦断面図であり、図8は、図3又は図5のS8−S8線に沿う断面を示す縦断面図である。
【0032】
図3乃至図8のいずれかに示されるように、現像ユニット3は、第1のサイドプレート50と、第2のサイドプレート51と、アッパーフレーム52と、ベースフレーム53と、現像アセンブリ(現像Assy)54と、除電光アセンブリ(除電光Assy)55と、補強プレート56と、プレートカバー57とを備えている。また、現像ユニット3は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置の主要部を構成する検出プレート60と、撹拌バー61と、撹拌ギヤ62とを備えている。図8に示されるように、撹拌バー61は、現像ユニット3のトナー撹拌室33内に配置され、撹拌バー61の長手方向が、感光体31の軸方向に平行になるように配置されている。撹拌バー61の一端は、撹拌ギヤ62と連結されており、撹拌バー61の他端には、検出プレート60が取り付けられている。撹拌バー61は、例えば、金属で構成されている。なお、現像ユニット3の構成、形状、及び配置は、図3乃至図8に示される例に限定されない。
【0033】
《1−3》現像剤検出装置の構成の説明
図9は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置の主要部を構成する撹拌バー61、撹拌ギヤ62及び検出プレート60を概略的に示す斜視図である。図10は、図9の撹拌ギヤ62を拡大して示す一部切り欠き斜視図であり、図11は、図10のS11−S11線に沿う断面を示す断面図である。また、図12は、図13の検出プレート60を拡大して示す正面図であり、図13は、図9の検出プレート60を拡大して示す斜視図である。また、図14は、図13の撹拌バーをD14方向に見た場合を拡大して示す側面図である。
【0034】
図9乃至図14のいずれかに示されるように、撹拌バー61は、回転被駆動部61aと、第1の回転軸部61bと、第1の傾斜部61cと、撹拌部61dと、第2の傾斜部61eと、第2の回転軸部61fと、係合部61gとを備えている。
【0035】
撹拌バー61の第1の回転軸部61bの検出プレート60側には、第1の回転軸部61bの軸線と交差する方向に延びる第1の傾斜部61cが設けられており、第1の回転軸部61bの撹拌ギヤ62側には、第1の回転軸部61bの軸線と交差する方向に延びる回転被駆動部61aが設けられている。例えば、撹拌バー61の回転被駆動部61aは、第1の回転軸部61bの端部側を略90°折り曲げることにより形成される。また、撹拌バー61の回転被駆動部61aが折り曲げられた方向(図10に示されるD61a方向)と、第1の傾斜部61cによって撹拌部61dが変位する変位方向(図10に示されるD61c方向)とは、第1の回転軸部61bを起点として同じ方向になるように、撹拌バー61が形成されている。
【0036】
第2の回転軸部61fの軸線は、第1の回転軸部61bの軸線と一致する。第2の回転軸部61fの撹拌ギヤ62側には、第2の回転軸部61fの軸線と交差する方向に延びる第2の傾斜部61eが設けられており、第2の回転軸部61fの検出プレート60側には、係合部61gが設けられている。第2の傾斜部61eと第1の傾斜部61cとは、同一平面内に含まれるように、且つ、撹拌部61dを中心にして対称に形成されている。また、第1の回転軸部61bと、第1の傾斜部61cと、撹拌部61dと、第2の回転軸部61fと、第2の傾斜部61eと、回転被駆動部61aとは、同一平面内に含まれるように形成されている。
【0037】
撹拌バー61の係合部61gは、例えば、図14に示されるように、平板状の基部61hと、この基部61hから軸線に垂直な方向に突出する突起部61iとを備えている。基部61hは、第2の回転軸部61fの端部から、第2の回転軸部61fの軸線方向に延びるように形成されている。また、基部61hは、第2の回転軸部61fの軸線を延長した線を含むように形成されている。突起部61iは、第2の回転軸部61fの軸線に略直交し、かつ、基部61hの主面に略直交する方向に延びるように形成されている。例えば、係合部61gは、T字型のつぶし加工により形成できる。なお、撹拌バー61の係合部61gの形状は、検出プレート60に連結可能な形状であれば、他の形状であってもよい。
【0038】
図9に示されるように、撹拌バー61の第1の傾斜部61cと第2の傾斜部61eとの間には、撹拌部61dが設けられている。撹拌部61dの長手方向に延びる中心線は、第1の回転軸部61b及び第2の回転軸部61fの軸線と略平行になる。従って、第1の回転軸部61b、第1の傾斜部61c、撹拌部61d、第2の傾斜部61e及び第2の回転軸部61fは、クランク状の形状となる。そして、第1の回転軸部61b及び第2の回転軸部61fの軸線を中心にして、撹拌バー61を回転させることで、第1の傾斜部61c、第2の傾斜部61e、及び撹拌部61dが、第1の回転軸部61b及び第2の回転軸部61fよりも外側を移動し、トナー撹拌室33内に収容されているトナーを撹拌する。なお、撹拌バー61の構造、形状、及び配置は、図示の例に限定されない。
【0039】
撹拌ギヤ62は、駆動部41からギヤ等の駆動力伝達手段(図示せず)を介して駆動力を受けて、撹拌バー61を回転させる。例えば、撹拌ギヤ62は、図10に示されるように、軸受け部62aと、回転駆動リブ62bとを備えている。撹拌ギヤ62の軸受け部62aは、撹拌バー61の第1の回転軸部61bを回転自在に支持する。撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bは、撹拌バー61の回転被駆動部61aに接触することで、撹拌ギヤ62の回転に伴い、撹拌バー61を回転させる。例えば、図11に示されるように、撹拌ギヤ62がD62b方向に回転することにより、撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bは、撹拌バー61の回転被駆動部61aをD62b方向に押圧し、撹拌バー61をD62b方向に回転させる。
【0040】
検出プレート60は、撹拌バー61とともに回転し、撹拌バー61の撹拌部61dが所定の位置にある場合に、検出プレート60は、発光部(後述する符号64)からの光を遮らずに、光通過部(後述する符号60c)を通過させる。例えば、検出プレート60は、図13に示されるように、円盤部60aと、バー結合部60dとを備えている。検出プレート60の円盤部60aは、略円形の板状部材で形成されており、遮光部60bと、光通過部60cとを備えている。検出プレート60の光通過部60cは、例えば、略円形に形成された円盤部60aの中心よりも円周側を切り欠くことによりに形成される。ここで、遮光部60bの面積は、円盤部60aが円形であると仮定した場合に、光通過部60cにより切り欠かれた領域の面積よりも大きくなるようにする。このようにすることで、例えば、検出プレート60が一定速度で回転する場合に、遮光部60bが光を遮光する時間が、光が光通過部60cを通過する時間よりも長くなる。
【0041】
検出プレート60のバー結合部60dは、円盤部60aを含む平面に対して直交する方向に延びる円筒形の部材で形成されている。ここで、バー結合部60dの軸線は、円盤部60aの中心と一致する。検出プレート60のバー結合部60dの端部には、図14に示す係合部61gを挿入する被挿入部60eが形成されている。図12に示されるように、検出プレート60の被挿入部60eは、係合部61gの基部61hが係合する第1の溝部と、係合部61gの突起部61iが係合する第2の溝部60gとを備えている。第1の溝部60fは、バー結合部60dの端部から円盤部60aに向けて延び、バー結合部60dの周面からバー結合部60dの軸線を挟んだ他方の周面に至る穴である。被挿入部60eの第1の溝部60fは、図14に示す基部61hを嵌合することができる形状及び大きさに形成されている。被挿入部60eの第2の溝部60gは、第1の溝部60fから、第1の溝部60f及びバー結合部60dの軸線に直交する方向に延びるように形成された穴である。なお、第2の溝部60gは、バー結合部60dの周面にまでは至っていない。ここで、第2の溝部60gは、図14に示す突起部61iを嵌合することができる形状及び大きさに形成されている。なお、図12に示されるように、検出プレート60の光通過部60cは、図12において下側に形成されており、第2の溝部60gは、図12において下側に形成されている。なお、検出プレート60のバー結合部60dの構造及び形状は、撹拌バー61に連結可能な形状であれば、他の構造及び形状であってもよい。また、検出プレート60の円盤部60aの構造及び形状は、図示の例に限定されない。
【0042】
図15は、図3の現像ユニット3のプレートカバー57を取り外した状態を概略的に示す斜視図である。また、図16は、図15の現像ユニット3の検出プレート60を取り外した状態を概略的に示す斜視図である。さらに、図17は、図3の現像ユニット3を筐体2に装着した場合における第2のサイドプレート51側の構造を概略的に示す縦断面図であり、図15のS17−S17線に沿う断面を示す断面図である。
【0043】
図15に示されるように、プレートカバー57の内側には、検出プレート60が収納されており、検出プレート60の下方には、検出光ガイド63が設けられている。図16に示されるように、第2のサイドプレート51には、検出プレート60のバー結合部60dが挿入される貫通孔51aが形成されている。貫通孔51aの内径は、バー結合部60dの外径よりも大きく、検出プレート60は、貫通孔51aにバー結合部60dを挿入することで、バー結合部60dの軸線を中心として回転自在となる。なお、検出光ガイド63は、貫通孔51aの下方に設けられている。
【0044】
検出光ガイド63は、光入射部63aに入射された光を光出射部63dから出射する。図17に示されるように、検出光ガイド63は、例えば、ガラス、水晶等の透明な媒質で形成されたプリズムにより構成され、光入射部63aと、第1の反射面63bと、第2の反射面63cと、光出射部63dとを備えている。光入射部63aと光出射部63dとは、平行な面となっており、同じ方向を向いている。第1の反射面63bは、光入射部63aから入射した光を第2の反射面63cに向ける(光を90°折り曲げる)ように、光入射部63aに対して45°傾斜している。第2の反射面63cは、第1の反射面63bからの光を光出射部63dに向ける(光を90°折り曲げる)ように、光出射部63dに対して45°傾斜している。ここで、第1の反射面63bと第2の反射面63cとの成す角度は、90°となっている。光入射部63aに入射された光は、第1の反射面63b及び第2の反射面63cで全反射されて、光出射部63dから出射される。なお、検出光ガイド63の構造は、図示の例に限定されず、入射した光を所望の方向に出射する光学部材であれば、他の構造であってもよい。
【0045】
プレートカバー57は、入射窓57aと、出射窓57bと、検出光ガイドリブ57cとを備えている。入射窓57a及び出射窓57bは、光を通すための貫通孔である。そして、プレートカバー57を第2のサイドプレート51に取り付けた際に、入射窓57aは光入射部63aに対向し、出射窓57bは検出光ガイド63の光出射部63dに対向する。入射窓57a及び出射窓57bは、プレートカバー57を第2のサイドプレート51に取り付けた際に、これらで形成されるそれぞれの貫通孔が、光入射部63a及び検出光ガイド63の光出射部63dよりも大きくなるように形成されている。言い換えると、入射窓57a及び出射窓57bは、プレートカバー57を第2のサイドプレート51に取り付けた際に、プレートカバー57が光入射部63a及び検出光ガイド63の光出射部63dを覆わないような形状及び大きさに形成されることが望ましい。検出光ガイドリブ57cは、プレートカバー57を第2のサイドプレート51に取り付けた際に、検出光ガイド63に対する入射窓57aと出射窓57bの位置決めをする。
【0046】
筐体2には、発光部64と、受光部65とが取り付けられている。図17に示されるように、筐体2に現像ユニット3が装着されたときに、発光部64に入射窓57a及び光入射部63aが対向し、受光部65に出射窓57b及び検出光ガイド63の光出射部63dが対向する。そして、発光部64から発せられた光が、検出光ガイド63の光入射部63aに入射すると、その光は光出射部63dから出射し、受光部65で受光される。検出プレート60は、光出射部63dから出射された光を遮光部60bで遮光、又は、光通過部60cで通過させるように配置される。なお、発光部64は、発光素子そのものであってもよく、また、発光素子からの光を誘導して投光する光学部材であってもよい。また、受光部65は、受光素子そのものであってもよく、また、光ガイドなどの誘導体で受光素子に光を誘導する光学部材であってもよい。ここで、受光部65は、受光素子で光を検出している間、受光光量に応じた信号レベルの検出信号を制御部43に与える。このような検出信号を受けた制御部43は、受光部65から検出信号を受けている時間(光通過期間)を計測し、この時間が予め定められた時間(閾値)以上である場合に、トナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったと判断する。ここで、発光部64及び受光部65のセットは、現像ユニット3K,3C,3M,3Y毎に設けておくことで、各色のトナーの残量を制御部43で判断することができる。
【0047】
以上に説明したように、回転部材は検出プレート60と撹拌バー61とを有し、第1の実施形態に係る現像剤検出装置は、遮光部60b及び光通過部60cを有し、回転可能に支持された第1の部分としての検出プレート60と、検出プレート60に連結され、収容部33内に収容されたトナー9の上面9a位置に応じた回転位置で一時停止する第2の部分としての撹拌バー61と、撹拌バー61を所定の回転方向に押す押付力を付与する回転駆動部材としての撹拌ギヤ62と、発光部64から発せられ光通過部60cを通過した光が、受光部65で受光されている時間を計測し、この計測の結果に応じて収容部33内に収容されているトナー9の量を検出する検出手段とから構成されている。この検出手段は、例えば、発光部64と、受光部65と、発光部64から発せられ光通過部60cを通過した光が、受光部65で受光されている時間を計測し、この計測の結果に応じて収容部33内に収容されているトナー9の量を検出する現像剤検出部43aとから構成されている。
【0048】
《1−4》現像剤検出装置の動作の説明
図18(a)〜(e)は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置の主要部を構成する撹拌ギヤ62及び撹拌バー61の回転動作を示す動作説明図である。
【0049】
図18(a)に示される撹拌バー61は、その回転被駆動部61aを、第1の回転軸部61bよりも下方にするような、回転位置にある。撹拌ギヤ62は、駆動部41(図1)からの駆動力を受けて、一定速度でD62方向に回転し、撹拌ギヤ62の回転により、撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bが撹拌バー61の回転被駆動部61aに当接して、回転被駆動部61aをD61方向に押し、図18(b)に示されるように、撹拌バー61は回転する。
【0050】
その後、図18(c)に示されるように、撹拌バー61は、その回転被駆動部61aを、第1の回転軸部61bよりも上方にするような、回転位置になる。このとき、撹拌バー61の撹拌部61dも、第1の回転軸部61bよりも上方に位置する。図18(c)に示されるように、撹拌バー61の回転被駆動部61aがその先端を上方に向けた後に(すなわち、撹拌バー61の撹拌部61dが所定の回転位置である頂点に達した後に)、撹拌バー61は自重によって(撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bによる押付けとは無関係に)回転し、図18(d)に示されるように、撹拌バー61の撹拌部61dがトナー9の上面9aに接することによって、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の上面9a位置に応じた回転位置(回転角度)で自重による回転を停止する。
【0051】
図18(d)の場合よりもトナー撹拌室33のトナーが少ない図18(e)の場合には、図18(c)に示されるように、撹拌バー61の回転被駆動部61aがその先端を上方に向けた後に(すなわち、撹拌バー61の撹拌部61dが所定の回転位置である頂点に達した後に)、撹拌バー61は自重によって(撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bによる押付けとは無関係に)回転し、図18(e)に示されるように、撹拌バー61の撹拌部61dがトナー9の上面9aに接することによって、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の上面9a位置に応じた回転位置(回転角度)で自重による回転を停止する。
【0052】
撹拌バー61の回転が停止した位置は、トナー9の上面9a位置、すなわち、トナー9の残量に対応し、且つ、検出プレート61の光通過部61cの位置は、撹拌バー61の回転が停止した位置に対応する。したがって、検出プレート61の光通過部61cの位置は、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の残量に対応することとなり、検出プレート61の光通過部61cの位置を検出することによって、トナー9の残量(例えば、トナーの残量少)を検出することができる。
【0053】
図19(a)〜(e)は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置の主要部を構成する撹拌バー61の回転動作が、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の上面9aの位置(トナー9の残量に対応する)に応じて、変化することを示す説明図である。
【0054】
図19(a)に示されるように、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の上面9aが、撹拌バー61の撹拌部61dの頂点位置(撹拌部61dが最も高くなる図19(a)の位置)よりも高いときには、頂点位置にある撹拌バー61は、自重によって回転せず、撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bの回転に伴って回転する。
【0055】
トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量がさらに減少した図19(b)の場合には、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が減少して、トナー9の上面9aが撹拌バー61の撹拌部61dの頂点位置よりも低くなると、撹拌バー61の撹拌部61dが回転軌道の頂点に達した後に、撹拌部61dの自重により、撹拌バー61が瞬時に回転する。そして、撹拌バー61の回転は、撹拌部61dがトナー9の上面9a位置(厳密には、上面9a位置よりも幾分下方に沈み込んだ位置)で、トナー9により支持されて停止する。図19(b)の場合には、撹拌バー61の自重による回転が停止したときでも、検出プレート60の遮光部60bが検出光ガイド63の光出射部63dを覆っている。言い換えれば、検出プレート60の遮光部60bが、検出光ガイド63の光出射部63dと受光部65との間に位置している。このため、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された光が、検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射する時間は、撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bの回転に伴って検出プレート60が回転して、検出光ガイド63の光出射部63dが検出プレート60の光通過部60cの正面を通過する時間となる。
【0056】
トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量がさらに減少した図19(c)の場合には、撹拌バー61の撹拌部61dが回転軌道の頂点に達した後の、撹拌部61dの自重による撹拌バー61の回転の角度は増加する。そして、撹拌バー61の回転は、撹拌部61dがトナー9の上面9aからやや下方に沈み込んだ位置で、トナー9により支持されて停止する。図19(c)の場合には、撹拌バー61の自重による回転が停止したときでも、検出プレート60の遮光部60bが検出光ガイド63の光出射部63dを覆っている。言い換えれば、検出プレート60の遮光部60bが、検出光ガイド63の光出射部63dと受光部65との間に位置している。このため、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された光が、検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射する時間は、撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bの回転に伴って検出プレート60が回転して、検出光ガイド63の光出射部63dが検出プレート60の光通過部60cの正面を通過する時間となる。
【0057】
トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量がさらに減少した図19(d)の場合には、撹拌バー61の撹拌部61dが回転軌道の頂点に達した後の、撹拌部61dの自重による撹拌バー61の回転の角度はさらに増加する。そして、撹拌バー61の自重による回転が停止したときに、検出プレート60の光通過部60cが検出光ガイド63の光出射部63dに部分的に対向する位置になる。この場合には、撹拌バー61の自重による回転が停止した直後から、検出光ガイド63の光出射部63dからの光が検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射する。したがって、撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bが、撹拌バー61の回転被駆動部61aを押していない期間においても、検出光ガイド63の光出射部63dからの光が検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射する。このため、検出光ガイド63の光出射部63dからの光が検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射している時間は、図19(a)〜(c)の場合において検出光ガイド63の光出射部63dからの光が検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射している時間よりも長くなる。
【0058】
トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量がさらに減少した図19(e)の場合には、撹拌バー61の撹拌部61dが回転軌道の頂点に達した後の、撹拌部61dの自重による撹拌バー61の回転の角度はさらに増加する。そして、撹拌バー61の自重による回転が停止したときに、検出プレート60の光通過部60cが検出光ガイド63の光出射部63dに部分的に対向する位置になる。この場合には、撹拌バー61の自重による回転が停止した直後から、検出光ガイド63の光出射部63dからの光が検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射する。したがって、撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bが、撹拌バー61の回転被駆動部61aを押していない期間においても、検出光ガイド63の光出射部63dからの光が検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射する。このため、検出光ガイド63の光出射部63dからの光が検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射している時間は、図19(a)〜(c)の場合において検出光ガイド63の光出射部63dからの光が検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に入射している時間よりもさらに長くなる。
【0059】
図20は、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が多い場合(例えば、図19(a)の場合)に、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され検出プレート60の光通過部60cを通過した光を受光部65が検出するタイミングを示すタイミングチャートである。図20において、Tは、撹拌バー61の回転周期であり、t11は、受光部65が発光部64からの光を検出しない期間(遮光期間)を示し、t12は、受光部65が発光部64からの光を検出する期間(光通過期間)を示す。図20に示されるように、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が多い場合には、光通過期間t12が短くなり、遮光期間t11が長くなる。なお、図20において、光通過期間を判定するための信号レベルの閾値をV1と設定した場合には、光通過期間は、t12aとなり、遮光期間はt11aとなる。
【0060】
図21は、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が少ない場合(例えば、図19(e)の場合)に、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され検出プレート60の光通過部60cを通過した光を受光部65が検出するタイミングを示すタイミングチャートである。図21において、t21は、受光部65が発光部64からの光を検出しない期間(遮光期間)を示し、t22は、受光部65が発光部64からの光を検出する期間(光通過期間)を示す。図21に示されるように、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が多い場合には、光通過期間t22が短くなり、遮光期間t21が長くなる。なお、図21において、光通過期間を判定するための信号レベルの閾値をV1と設定した場合には、光通過期間は、t22aとなり、遮光期間はt21aとなる。
【0061】
図20及び図21に示されるように、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が多い場合には、光通過期間が短くなり、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が少ない場合には、光通過期間が長くなる。このため、受光部65で光を検出している光通過期間を制御部43で計測し、この光通過期間が予め定められた時間(閾値)以上となる場合に、制御部43は、トナー9の量が少ないと判断することができる。
【0062】
《1−5》第1の実施形態の効果の説明
以上に説明したように、第1の実施形態に係る現像剤検出装置では、受光部65で光を検出している光通過期間に基づいて、トナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったことを検出している。受光部65で光を検出している光通過期間に基づいて、トナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったことを検出する場合には、従来技術のように光が遮光されている遮光期間に基づいて、トナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったことを検出する場合よりも、トナー撹拌室33内のトナーの量を適切に検出することができる。これは、光を完全に遮光することは構造上難しく、光を受光部65に入射させない遮光期間であっても、光の回折、漏れ光(反射又は散乱光などを含む)の流入などによって、受光部65に到達する光成分が存在し、その結果、実際にはトナー残量少であるにもかかわらず、トナー残量少を検出できない場合があるからである。言い換えれば、トナー残量少を従来のように遮光時間で検出する場合には、光の回折、漏れ光の流入などにより受光部に入射する僅かな光成分によって、正確なトナー残量の検出ができない場合が発生するからである。また、トナー残量少を従来のように遮光時間で検出する場合には、光の回折、漏れ光の流入などによって受光部に入射する僅かな光成分の影響を受けにくくするために、閾値を高く設定すると(多少の光が入射しても遮光時間であると判定するように設定すると)、発光部から受光部に至る光路の途中、例えば、検出光ガイドなどに汚れが発生した場合に、実際には遮光時間ではないのに、遮光時間であると誤って判定しやすくなるからである。
【0063】
図22(a)〜(f)は、第1の実施形態に係る現像剤検出装置における検出プレート60の回転角度(検出プレート60の光通過部60cの位置)と検出光ガイド63の光出射部63dとの関係を示す図である。
【0064】
図22(a)に示されるように、検出光ガイド63の光出射部63dを検出プレート60の中心(軸線位置)60hを通る直線で2分割する第1の中心線L1と、検出プレート60の中心60hを通り、検出プレート60の光通過部60cを2分割する第2の中心線L2とが一致し、第1の中心線L1と第2の中心線L2の成す角度αが0°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光は、検出プレート60の光通過部60cを通過して、受光部65に到達する。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され検出プレート60の光通過部60cを通過した光を確実に検出することができる。
【0065】
図22(b)に示されるように、第1の中心線L1と第2の中心線L2の成す角度αが20°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の大部分は、検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に到達する。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された検出プレート60の光通過部60cを通過した光を確実に検出することができる。
【0066】
図22(c)に示されるように、第1の中心線L1と第2の中心線L2の成す角度αが30°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の半分程度は、検出プレート60の光通過部60cを通過して受光部65に到達する。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された検出プレート60の光通過部60cを通過した光を確実に検出することができる。
【0067】
図22(d)に示されるように、第1の中心線L1と第2の中心線L2の成す角度αが40°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の多く(例えば、2/3程度以上)が検出プレート60の光通過部60cを通過できない。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された十分な量の光を検出することができない。言い換えれば、制御部43の現像剤検出部43aが行う、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65が検出する期間か、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65が検出しない期間かの判定の判定結果が、判定のたびに異なる判定となる(すなわち、判定結果が不安定になる)。
【0068】
図22(e)に示されるように、第1の中心線L1と第2の中心線L2の成す角度αが50°である場合は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の大部分が検出プレート60の光通過部60cを通過できない。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された検出プレート60の光通過部60cを通過した光をほとんど検出することができない。
【0069】
図22(f)に示されるように、第1の中心線L1と第2の中心線L2の成す角度αが60°である場合は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の略すべてが検出プレート60の光通過部60cを通過できない。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された検出プレート60の光通過部60cを通過した光を検出することができない。
【0070】
図22(a)〜(f)に示されるように、第1の実施形態に係る現像剤検出装置におけるように、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され検出プレート60の光通過部60cを通過した光を受光部65が検出している光通過期間に基づいて、制御部43の現像剤検出部43aがトナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったことを判定する場合には、第1の中心線L1と第2の中心線L2の成す角度αが大きい場合であっても(例えば、α=30°であっても)、トナー撹拌室33内のトナーの量を適切に検出することができる。これは、光通過期間(受光部65による受光期間)を検出する場合には、光の回折や漏れ光の流入によって受光部65に入射する光成分が存在したとしても、受光部65に入射する光の全光量に占める割合は極めて低く、光の回折や漏れ光の流入によって受光部65に入射する光成分は、トナー撹拌室33内のトナーの量の判定にあまり影響を与えないからである。また、トナー残量少を光通過時間で検出する場合には、光通過期間に光出射部63dから受光部65に入射する光の量は、光の回折や漏れ光の流入などによって受光部に入射する光の量に比べて、はるかに大きいので、光出射部63dから受光部65に入射する光と光の回折や漏れ光の流入などによって受光部に入射する光と識別可能にする信号レベルの閾値の設定は容易だからである。
【0071】
図23(a)〜(f)は、検出プレート60に代えて遮光板460を備えた比較例(従来技術)における遮光板460の回転角度と検出光ガイド63の光出射部63dとの関係を示す図である。
【0072】
図23(a)に示されるように、検出光ガイド63の光出射部63dを遮光板460の中心(軸線位置)460hを通る直線で2分割する第1の中心線L1と、遮光板460の中心460hを通り、遮光板460を2分割する第3の中心線L3とが一致し、第1の中心線L1と第3の中心線L3の成す角度βが0°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光は遮光板460で遮光されて、受光部65に到達しないので、受光部65は光を検出しない。
【0073】
図23(b)に示されるように、第1の中心線L1と第3の中心線L3の成す角度βが20°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の大部分は遮光板460で遮光される。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光をほとんど検出しない。
【0074】
図23(c)に示されるように、第1の中心線L1と第3の中心線L3の成す角度βが30°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の一部(例えば、1/3程度以上)が遮光板460で遮光されずに、受光部65に入射するので、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光をある程度検出する。このため、制御部43の現像剤検出部43aは、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65が検出する期間か、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65が検出しない期間かの判定が不安定になる。
【0075】
図23(d)に示されるように、第1の中心線L1と第3の中心線L3の成す角度βが40°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の半分以上が遮光板460で遮光されずに、受光部65に入射する。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を確実に検出する。
【0076】
図23(e)に示されるように、第1の中心線L1と第3の中心線L3の成す角度βが50°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の大部分が遮光板460で遮光されずに、受光部65に入射する。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を確実に検出する。
【0077】
図23(f)に示されるように、第1の中心線L1と第3の中心線L3の成す角度βが60°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光のほとんど全てが遮光板460で遮光されずに、受光部65に入射する。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を確実に検出する。
【0078】
図23(a)〜(f)に示される比較例のように、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された光が遮光板460で遮光されている遮光期間に基づいて、制御部の現像剤検出部がトナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったことを判定する場合には、第1の中心線L1と第3の中心線L3の成す角度βが小さい場合(例えば、β=20°)には、トナー撹拌室33内のトナーの量を適切に検出することができるが、角度βが比較的小さい30°になると、トナー撹拌室33内のトナーの量を適切に検出することができなくなり、トナー残量少であるか否かの判定結果が、判定のたびに異なる(判定結果が不安定になる)。これは、遮光期間(受光部65が所定の信号レベル以上の光を検出しない期間)を検出する場合には、光の回折や漏れ光の流入によって受光部65に入射する光成分が存在したとすると、遮光期間において受光部65に入射する光の全光量に占める割合は極めて高くなり、光の回折や漏れ光の流入によって受光部65に入射する光成分は、トナー撹拌室33内のトナーの量の判定に影響を与え易いからである。
【0079】
第1の実施形態を示す図22(a)〜(f)及び比較例を示す図23(a)〜(f)の対比から理解できるように、受光部65で光を検出している光通過期間に基づいて、トナー撹拌室33内のトナーの量を検出する場合には、第1の中心線L1と第2の中心線L2の成す角度αが比較的大きいとき(例えば、30°程度まで)は適切な検出が可能となるが、比較例のように、受光部65が光を検出していない遮光期間に基づいて、トナー撹拌室33内のトナーの量を検出する場合には、第1の中心線L1と第3の中心線L3の成す角度βが比較的小さいとき(例えば、20°まで)しか安定的な検出を行うことができない。このように、比較例のように遮光期間を検出する場合には、撹拌バー61の自重による回転落下が停止する位置がばらついた場合に、トナー撹拌室33内のトナーの量の適切な検出を行うことができず、誤検出が多くなる。
【0080】
図24は、図23(a)〜(f)の比較例における受光部65が光を検出するタイミングを示すタイミングチャートである。ここで、Tは、撹拌バー61の回転周期であり、t31は、遮光期間、t32は、光通過期間である。図24に示されるように、比較例のように、遮光期間に基づいて、トナー撹拌室33内のトナーの量を判断する場合には、何らかの原因によって時間t33で検出されている漏れ光が存在した場合に、遮光期間及び光通過期間の判断が不安定となる。
【0081】
図25(a)〜(f)は、遮光板560の幅W2を図23(a)〜(f)に示す遮光板460の幅W1よりも広くした他の比較例における、遮光板560の回転角度と検出光ガイド63の光出射部63dとの関係を示す図である。
【0082】
図25(a)に示されるように、検出光ガイド63の光出射部63dを遮光板560の中心(軸線位置)560hを通る直線で2分割する第1の中心線L1と、遮光板560の中心560hを通り、遮光板560を2分割する第4の中心線L4とが一致し、第1の中心線L1と第4の中心線L4の成す角度γが0°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光は遮光板560で遮光されて、受光部65に到達しないので、受光部65は光を検出しない。
【0083】
図25(b)に示されるように、第1の中心線L1と第4の中心線L4の成す角度γが20°である場合にも、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光は遮光板560で遮光される。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を検出しない。
【0084】
図25(c)に示されるように、第1の中心線L1と第4の中心線L4の成す角度γが30°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光は遮光板560で略遮光される。このため、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光をほとんど検出しない。
【0085】
図25(d)に示されるように、第1の中心線L1と第4の中心線L4の成す角度γが40°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の一部(例えば、1/3程度以下)が遮光板560で遮光されずに、受光部65に入射するので、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光をある程度検出する。このため、制御部43の現像剤検出部43aは、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65が検出する期間か、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65が検出しない期間かの判定が不安定になる。
【0086】
図25(e)に示されるように、第1の中心線L1と第4の中心線L4の成す角度γが50°である場合には、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光の一部(例えば、1/3程度)が遮光板560で遮光されずに、受光部65に入射するので、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dからの光をある程度検出する。このため、制御部43の現像剤検出部43aは、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65が検出する期間か、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65が検出しない期間かの判定が不安定になる。
【0087】
図25(f)に示されるように、第1の中心線L1と第4の中心線L4の成す角γ度が60°である場合は、受光部65は、検出光ガイド63の光出射部63dから出射され光を確実に検出することができる。
【0088】
以上のように、遮光板560の幅W2を広げると、検出光ガイド63の光出射部63dから出射された光の検出が不安定となる角度(時間)が増してしまうため、トナー撹拌室33内のトナーの量を適切に判断することができなくなる。
【0089】
図26は、図25(a)〜(f)に示す場合において、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が多いときに、受光部65が光を検出するタイミングを示すタイミングチャートである。図26に示されるように、図25(a)〜(f)に示す場合では、トナー撹拌室33内のトナーの量が多いとき及び少ないときのいずれの場合にも、遮光期間t42が長くなり、光通過期間t41が短くなる。このため、トナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったと判断するための時間閾値の設定が難しくなる。
【0090】
以上に説明したように、第1の実施形態に係る現像剤検出装置によれば、検出光ガイド63の光出射部63dからの光を受光部65で適切に検出することができるため、トナー撹拌室33内のトナーの量を適切に検出することができる。特に、第1の実施形態では、検出プレート60の光通過部60cを通過する光に漏れ光の成分が含まれている場合であっても、トナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったことを適切に検出することができる。このため、検出プレート60の光通過部60cの停止位置にばらつきがある場合であっても、トナー撹拌室33内のトナーの量が少なくなったことを適切に検出することができる。
【0091】
また、第1の実施形態に係る画像形成装置1では、図17に示されるように、発光部64及び受光部65が、現像ユニット3側には形成されていないため、現像ユニット3を交換したときに、発光部64及び受光部65も交換されてしますという無駄を排除することができる。
【0092】
また、発光部64及び受光部65が、現像ユニット3側には形成されていないため、現像ユニット3側に発光部64及び受光部65に電力を供給するための配線等を行う必要がなくなり、発光部64及び受光部65を配置する位置の自由度が高まるほか、現像ユニット3の製造が容易となる。
【0093】
なお、第1の実施形態においては、撹拌バー61の回転被駆動部61aの折り曲げ方向(回転被駆動部61aの長手方向)は、撹拌バー61の軸線から撹拌部61dがずれて配置される変位方向に一致するが、撹拌バー61の回転被駆動部61aの折り曲げ方向を撹拌部61dの変位方向と逆の方向に形成することもできる。なお、撹拌バー61の回転被駆動部61aを設ける方向は、撹拌部61dと同方向及び逆方向以外でもよい。この場合には、撹拌バー61の回転被駆動部61aの曲げ加工時に、撹拌バー61の姿勢を設定し直す必要が生じるので、撹拌バー61の回転被駆動部61aの折り曲げ方向は、撹拌バー61の軸線から撹拌部61dがずれて配置される変位方向に一致することが、加工時間短縮の観点から望ましい。
【0094】
《2》第2の実施形態
図17の縦断面図に示されるように、第1の実施形態においては、発光部264、検出光ガイド263、及び受光部265は、撹拌バー61の第2の回転軸部61fの軸線よりも下方に配置されている。これに対して、第2の実施形態においては、発光部264、検出光ガイド263、受光部265は、及び撹拌バー261の配置を変更した例を示す。
【0095】
図27は、第2の実施形態に係る現像ユニット203の第2のサイドプレート251側の構造を概略的に示す斜視図であり、図28は、図27の現像ユニット203のプレートカバー257を取り外した状態を概略的に示す斜視図である。
【0096】
図27及び図28に示されるように、第2の実施形態に係る現像ユニット203は、プレートカバー257に設けられた、入射窓257a、出射窓257b、及び検出光ガイドリブ257cの位置が、第1の実施形態に係る現像ユニット3と異なる。第2の実施形態における入射窓257a、出射窓257b、及び検出光ガイドリブ257cは、図28に示されるように、検出プレート260の円盤部260aの中心260hと略同じ高さに配置されており、入射窓257a、出射窓257b及び検出光ガイドリブ257cが水平方向に並ぶように配置されている。
【0097】
図28に示されるように、プレートカバー257の内側には、検出プレート260が収容されており、検出プレート260の円盤部260aの中心260hと略同じ高さに、検出光ガイド263が設けられている。第1の実施形態と同様に、第2の実施形態における検出プレート260は、撹拌バー61の撹拌部61dが下方に位置しているとき(例えば、撹拌バー61の回転軸部よりも下方において、撹拌部61dが回転軌道の最下点を含む所定の範囲内にあるとき)に、図28に示されるように、検出プレート260の光通過部260cが検出光ガイド263に対応する位置となるように形成されている。
【0098】
図29は、図28の検出プレート260を示す正面図である。第2の実施形態における検出プレート260は、円盤部260aの構成の点が、第1の実施形態における検出プレート60と異なる。検出プレート260の円盤部260aは、遮光部260bと、光通過部260cとを備えている。第2の実施形態における検出プレート260の光通過部260cは、第1の溝部260fが延びる方向、言い換えると、第1の溝部260fの長手方向の延長線上に形成されている。なお、図29では、検出プレート260の光通過部260cは、第1の溝部260fの左側に形成されているが、これは、検出光ガイド263が設けられている位置に対応させたものであり、例えば、検出光ガイド263が、図28において、中心260hよりも左側に設けられていれば、図29において、検出プレート260の光通過部260cは、第1の溝部260fの右側に形成される。
【0099】
図30は、現像ユニット203を筐体202に装着した場合における第2のサイドプレート251側の構造を概略的に示す横断面図であり、図27をS30−S30線で切る断面に相当する。図30に示されるように、筐体202は、発光素子を含む発光部264と、受光素子を含む受光部265とを備えている。そして、筐体202に現像ユニット203が取り付けられたときに、発光部264と光入射部263aとが対向し、受光部265と検出光ガイド263の光出射部263dとが対向する位置となる。
【0100】
図31(a)〜(e)は、第2の実施形態における撹拌バー61の回転動作が、トナー撹拌室内33のトナー9の量に応じて、変化することを示す説明図である。図31(a)〜(e)において、符号9aは、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の上面を示す。
【0101】
図31(a)に示されるように、トナー撹拌室33内にトナー9が充分に満たされているときには、撹拌バー61は撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bの回転に従って回転する。
【0102】
図31(b)及び(c)に示されるように、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量が減少すると、撹拌バー61の撹拌部61dが回転軌道の頂点に達した後、撹拌部61dの自重により、撹拌バー61が回転する。そして、撹拌バー61の回転は、撹拌部61dがトナー9の上面9a位置(厳密には、上面9aよりも多少沈んだ位置)で停止する。図31(b)及び(c)の場合には、撹拌バー61の自重による回転が停止したときに、検出プレート260の遮光部260bが発光部264を覆っている。このため、発光部264からの光が検出プレート260の光通過部260cから通過する時間は、撹拌ギヤ62の回転駆動リブ62bの回転に伴って検出プレート260が回転して、発光部264が設けられている位置を検出プレート260の光通過部260cが通過する時間となる。
【0103】
一方、図31(d)及び(e)に示すような場合では、トナー撹拌室33内に収容されているトナー9の量がさらに減少して、撹拌バー61の自重による回転が停止したときに、検出プレート260の検出プレート260の光通過部260cが発光部264に部分的に対向する位置になる。このようなときには、発光部264からの光が検出プレート260の光通過部260cから通過する時間は、図31(a)〜(c)に示される場合の光通過期間よりも長くなる。
【0104】
以上のように、第2の実施形態によれば、検出プレート260の光通過部260c及び検出光ガイド263の位置を変更することで、発光部264及び受光部265の位置を変更することができるため、これらを比較的自由に配置することができる。このため、現像剤検出装置、現像剤収用装置、現像ユニット、及び画像形成装置の設計の自由度が増し、例えば、装置内の無駄なスペースを排除することができるなどの利点がある。
【0105】
図32〜図35の各々は、第2の実施形態に係る現像ユニットの変形例における検出プレートの光通過部と受光素子の位置とを示す図である。これらの図に示されるように、発光部264及び受光部265が、検出プレート260の円盤部260aの中心260hと略同じ高さに配置され、また、発光部264と、受光部265とが左右に配置されているが、図32に示されるように、これらは、検出プレート260の円盤部260aの中心260hP1において任意の角度回転させた位置に配置することができる。このような場合には、図32に示されるように、撹拌バー61の撹拌部61dが回転軌道の下方にあるとき、例えば、撹拌部61dが回転軌道における最下点を含む所定の範囲にある場合に、検出プレート260の検出プレート260の光通過部260cが光出射部263dに対応した位置となるように形成する。
【0106】
《3》第3の実施形態
図36は、第3の実施形態に係る現像ユニット303を筐体302に装着した場合における第2のサイドプレート側の構造を概略的に示す縦断面図である。第3の実施形態に係る現像剤検出装置は、図36に示されるように、発光部364と受光部365とを、検出プレート60(すなわち、光通過部60c又は遮光部60d)を挟んで互いに反対側に配置している点が、上記第1及び第2の実施形態に係る現像ユニット3,203と相違する。他の点について、第3の実施形態に係る現像ユニット303は、第1及び第2の実施形態に係る現像ユニットと同様である。なお、発光部364と受光部365の位置を逆に配置することも可能である。
【0107】
第3の実施形態に係る現像剤検出装置によれば、第1及び第2の実施形態において必要とされた検出光ガイド63,263が不要となり、構成の簡素化を図ることができる。
【0108】
《4》変形例
上記第1乃至3の実施形態においては、現像剤検出装置が現像ユニットのトナー撹拌室33内におけるトナーの量を検出する装置である場合を説明したが、現像剤検出装置を、トナーカートリッジ10におけるトナーの量、又は、廃棄トナー収容部40におけるトナーの量を検出する装置とすることもできる。
【0109】
また、上記第1及び2の実施形態に係る現像剤検出装置においては、検出光ガイド63,263をプリズムにより構成した場合を説明したが、検出光ガイド63,263を、複数枚の反射ミラー(例えば、第1の反射面63b,263b及び第2の反射面63c,263bを反射ミラーとする)とした、中空状の構造とすることもできる。
【0110】
なお、本発明は、上記第1乃至3の実施形態に係る現像剤検出装置、現像剤収容装置、現像ユニット、及び画像形成装置に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらの変形を本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0111】
1 画像形成装置、 2,202,302 筐体、 3,3K,3C,3M,3Y,203,303 現像ユニット、 4,4K,4C,4M,4Y 露光装置、 5 給紙カセット、 6 無端ベルト、 6a 駆動ローラ、 6b テンションローラ、 7,7K,7C,7M,7Y 転写ローラ、 8 定着装置、 9 トナー、 9a トナーの上面、 10,10K,10C,10M,10Y トナーカートリッジ、 11 バスケット、 12 第1のサイドフレーム、 13 第2のサイドフレーム、 14 フロントフレーム、 15 リアフレーム、 31 感光体、 32 帯電ローラ、 33 トナー撹拌室(収容部)、 34 供給ローラ、 35 現像ローラ、 36 現像ブレード、 37 クリーニングブレード、 38 第1の搬送手段、 39 第2の搬送手段、 40 廃棄トナー収容室、 41 駆動部、 42 電圧供給部、 43 制御部、 43a 現像剤検出部、 50 第1のサイドプレート、 51,251 第2のサイドプレート、 52 アッパーフレーム、 53 ベースフレーム、 54 現像アセンブリ、 55 除電光アセンブリ、 56 補強プレート、 57,257 プレートカバー、 60,260 検出プレート、 60a,260a 円盤部、 60b,260b 遮光部、 60c,260c 光通過部、 60d,260d バー結合部、 61 撹拌バー、 61a 回転被駆動部、 61b 第1の回転軸部、 61c 第1の傾斜部、 61d 撹拌部、 61e 第2の傾斜部、 61f 第2の回転軸部、 61g 係合部、 62 撹拌ギヤ、 62a 軸受け部、 62b 回転駆動リブ、 63,263 検出光ガイド、 63a,263a 光入射部、 63d,263d 光出射部、 64,364 発光部、 65,365 受光部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光部及び光通過部を有し、回転可能に支持され、収容部内に収容された現像剤の上面位置に応じた回転位置で一時停止する回転部材と、
前記回転部材を所定の回転方向に押す回転駆動部材と、
発光部及び受光部を有し、前記発光部から発せられ前記光通過部を通過した光が、前記受光部で受光されている時間を計測し、前記計測の結果に応じて前記収容部内に収容されている前記現像剤の量を検出する検出手段と
を備えることを特徴とする現像剤検出装置。
【請求項2】
前記回転部材は、所定の回転位置に達すると自重によって回転し、前記現像剤の上面に接することによって前記現像剤の上面位置に応じた回転位置で前記自重による回転を停止するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤検出装置。
【請求項3】
前記回転部材は、
前記遮光部及び前記光通過部を有する第1の部分と、
前記第1の部分に連結され、前記収容部内に収容されている現像剤内を通過する第2の部分と
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤検出装置。
【請求項4】
前記遮光部の面積は、前記光通過部の面積よりも広いことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の現像剤検出装置。
【請求項5】
前記回転部材が前記現像剤の上面位置に応じた回転位置で一時停止したときに、前記現像剤の上面位置が前記光通過部の内側に位置するように、前記回転部材、前記発光部、及び前記受光部を配置したことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の現像剤検出装置。
【請求項6】
前記回転部材が前記現像剤の上面位置に応じた回転位置で一時停止したときに、前記現像剤の上面位置が前記光通過部の外側に位置するように、前記回転部材、前記発光部、及び前記受光部を配置したことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の現像剤検出装置。
【請求項7】
前記第2の部分が前記収容部の下側に位置するときに、前記光通過部が前記発光部から前記受光部までの光路上に位置するように構成されたことを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の現像剤検出装置。
【請求項8】
前記発光部から発せられた光を前記受光部に向ける光学部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の現像剤検出装置。
【請求項9】
前記発光部と前記受光部とは、前記光通過部又は前記遮光部を挟んで互いに反対側に配置されることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の現像剤検出装置。
【請求項10】
遮光部及び光通過部を有する検出プレートと、
前記検出プレートに連結され、収容部内に収容された現像剤の上面位置に応じた回転位置で一時停止する撹拌部材と、
発光部と、
前記発光部から発せられる光を受光する受光部と
を備え、
前記撹拌部材が前記収容部の下側に位置するときに、前記光通過部が前記発光部から前記受光部までの光路上に位置するように構成された
ことを特徴とする現像剤検出装置。
【請求項11】
現像剤を収容する収容部と、
前記収容部内に収容されている現像剤の量を検出する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の現像剤検出装置と
を備えたことを特徴とする現像剤収容装置。
【請求項12】
請求項11に記載の現像剤収容装置と、
前記収容部内に収容されている現像剤を像担持体に供給する現像剤担持体と
を備えたことを特徴とする現像ユニット。
【請求項13】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の現像剤検出装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項11に記載の現像剤収容装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項12に記載の現像ユニットを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2012−53348(P2012−53348A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196857(P2010−196857)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】