説明

現像装置及びそれを用いた画像形成装置

【課題】新しい現像剤を装置本体に補給すると共に、使用した現像剤を装置本体から排出する現像装置において、現像装置内の現像剤量が変動しても現像ローラに汲み上げられる現像剤量が一定となるようにする。
【解決手段】現像ローラ241を、現像剤Dを表面に担持して現像部に回転搬送する筒状体241aと、筒状体241a内に設けられた磁界発生手段241bとから構成し、磁界発生手段241bに、現像剤Dを汲み上げて筒状体241aの表面に付着させる汲み上げ極Sを設ける。そして、センサ246aで検知した現像剤量によって、汲み上げ極Sを周方向に移動させて筒状体241aに担持される現像剤量を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びそれを用いた画像形成装置に関し、より詳細には、新しい現像剤を徐々に補給しながら、使用済みの現像剤を徐々に排出するいわゆるトリクル現像方式の現像装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置に用いられる現像方式として、トナーとキャリアとからなる現像剤を用いる二成分現像方式がこれまでから広く用いられている。
【0003】
二成分現像方式では、トナーは画像形成に使用・消費され、消費された分はトナーホッパー等から現像装置に順次補給される。一方、キャリアは消費されないので使用し続けられる。そして、長期間の使用によってキャリアが劣化すると画質の低下が生じる。
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、トナーのみならずキャリアをも現像装置に補給する一方、現像装置内の古いトナーとキャリアを排出することによって、現像装置内の現像剤を順次入れ替えて現像剤の劣化を抑える、いわゆる「トリクル現像方式」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭59-100471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、トリクル現像方式では現像装置内の現像剤量が変動する。例えば、現像装置が傾斜した場合や現像剤の流動性が変化した場合には、現像装置からの現像剤の排出量が変化し、結果的に現像装置内の現像剤量が変動する。
【0007】
現像装置内の現像剤量が少なくなると、現像剤担持体への現像剤の供給量が不足し画像欠損などの不具合が発生するおそれがある。他方、現像装置内の現像剤量が多くなると、現像装置内での現像剤の撹拌が不十分となり、トナー帯電量の低下が生じ画像濃度低下などの不具合が発生するおそれがある。
【0008】
そこで、本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、いわゆるトリクル現像方式の現像装置において、現像装置内の現像剤量が変動しても画像欠損や画像濃度低下などの画質低下が生じないようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成する本発明に係る現像装置は、キャリアとトナーとを有する新しい現像剤を装置本体に補給すると共に、使用した現像剤を装置本体から排出する現像装置であって、装置本体内の現像剤量を検知する検知手段と、現像剤を担持し回転搬送する現像剤担持体とを備え、前記現像剤担持体は、現像剤を表面に担持して静電潜像担持体と対向する現像部に搬送する回転自在の筒状体と、この筒状体内に設けられた磁界発生手段とを有し、前記磁界発生手段は、現像剤を汲み上げて前記筒状体の表面に付着させる汲み上げ極を有し、前記汲み上げ極は、前記検知手段で検知された現像剤量によって移動し、前記筒状体に担持される現像剤量を調整することを特徴とする。
【0010】
ここで、前記汲み上げ極を、前記検知手段で検知された現像剤量によって連続的又は段階的に移動させるようにしてもよい。
【0011】
また、前記汲み上げ極を、前記筒状体の周方向又は半径方向に移動させてもよい。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、回転自在の静電潜像担持体と、この静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電装置と、一様に帯電した静電潜像担持体の表面を露光し静電潜像担持体に潜像を形成する露光装置と、静電潜像担持体上に形成された潜像をトナーで可視像化する現像装置と、形成されたトナー画像を被転写部材に転写する転写装置と、転写されたトナー画像を加熱し被転写部材に溶融定着させる定着装置とを備えた画像形成装置であって、前記現像装置として前記記載の現像装置を用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る現像装置では、現像剤を交換することなく長期間にわたって使用することができ、しかも検知手段で検知された現像剤量によって現像剤担持体の汲み上げ極を移動させて、現像剤担持体に汲み上げられ担持される現像剤量を一定にするので、現像装置内の現像剤量が変動しても画質低下が生じない。
【0014】
本発明に係る画像形成装置では、現像剤を交換することなく長期間にわたって使用することができ、画像形成装置の傾きなど設置状態や温度や湿度などの設置環境が変化しても画質低下が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概説図である。
【図2】図1の画像形成装置に搭載されている現像装置の横断面図である。
【図3】磁極Sを周方向に移動させる機構を示す、現像ローラ端部の部分垂直断面図である。
【図4】図2に示す現像装置内の現像剤量が多い場合の状態図である。
【図5】図2に示す現像装置内の現像剤量が少ない場合の状態図である。
【図6】現像剤の表面との距離を検知するセンサを用いた場合の現像装置の横断面図である。
【図7】本発明に係る現像装置の他の実施形態を示す横断面図であって、現像装置内の現像剤量が多い場合の状態図である。
【図8】図7の現像装置内の現像剤量が少ない場合の状態図である。
【図9】磁極Sを半径方向に移動させる機構を示す、現像ローラ端部の部分垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る現像装置及び画像形成装置を図に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概説図である。図1の画像形成装置は、タンデム型デジタルカラープリンタ(以下、単に「プリンタ」と記すことがある)である。もちろん、プリンタのほか、さらにスキャナを有する複写機、ファクシミリ又はそれらの機能を複合的に備えた複合機等にも本発明を適用することができる。なお、以下において、説明の対象である装置または部材がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)またはブラック(K)のいずれのものであるかを明確にする必要がある場合は、「(Y)」、「(M)」、「(C)」、「(K)」の文字を符号に付加して説明し、それ以外の場合はそれら文字を省略して説明する。
【0018】
プリンタ1は、その内部のほぼ中央部に中間転写ベルト11を備えている。中間転写ベルト11は、ローラ12,テンションローラ13,ガイドローラ14,15の外周部に掛け渡されて反時計回りに回転駆動する。テンションローラ13は、外側へスライド可能に取り付けられていると共に、押しバネSによって中間転写ベルト11の内側から外側に向かって付勢されている。これにより、中間転写ベルト11は、常に張力がかかった状態となっている。
【0019】
中間転写ベルト11の下部水平部の下には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色にそれぞれ対応する4つの作像部2Y,2M,2C,2Bが、中間転写ベルト11に沿ってこの順に並んで配置されている。各作像部2Y,2M,2C,2Bは、感光体ドラム(静電潜像担持体)21Y,21M,21C,21Bをそれぞれ有している。各感光体ドラム21Y,21M,21C,21Bの周囲には、その回転方向に沿って順に、帯電装置22Y,22M,22C,22Bと、プリントヘッド部(露光装置)23Y,23M,23C,23Bと、現像装置24Y,24M,24C,24Bと、クリーナ25Y,25M,25C,25Bとがそれぞれ配置されている。プリントヘッド部23Y,23M,23C,23Bは、感光体ドラムの軸方向と平行な主走査方向に並べられた多数のLEDから構成されている。
【0020】
そして、中間転写ベルト11を挟んで、各感光体ドラム21Y,21M,21C,21Bと対向する位置には、一次転写ローラ30Y,30M,30C,30Bが設けられている。また、中間転写ベルト11のローラ12で支持された部分には、2次転写ローラ16が圧接されている。2次転写ローラ16と中間転写ベルト11とのニップ部が2次転写領域17となる。この2次転写領域17において中間転写ベルト11上に形成されたトナー像が、搬送されてきた用紙Pに転写される。
【0021】
プリンタ1に下部には、給紙カセット91が着脱可能に配置されている。給紙カセット91内に積載収容された用紙Pは、給紙ローラ92の回転によって最上部のものから1枚ずつ引き出されて搬送路93に送り出される。搬送路93は、給紙カセット91から、タイミングローラ対94のニップ部、2次転写領域17、および定着ユニット95を通って排紙トレイ98まで延びている。給紙カセット91から送り出された用紙Pは、タイミングローラ対94に搬送され、ここで所定のタイミングで2次転写領域17に送り出される。
【0022】
定着ユニット(定着装置)95は、中空円筒状で、ハロゲンヒータHを内部に備えた定着ローラ96と、この定着ローラ96に圧接されて従動回転する加圧ローラ97を備える。トナー像が2次転写された用紙Pが通過する、定着ローラ96と加圧ローラ97とのニップ部が、定着領域となる。
【0023】
このような構成のプリンタ1の概略動作について説明する。まず、カラー画像を出力するフルカラーモードの場合、外部装置(例えばパソコン)からプリンタ1の画像信号処理部(不図示)に画像信号が入力されると、画像信号処理部ではこの画像信号をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに色変換したデジタル画像信号を作成し、この信号をプリントヘッド用LEDドライブ回路に伝達する。このドライブ回路は、入力されたデジタル信号に基づいて、各作像部2Y,2M,2C,2Bのプリントヘッド部23Y,23M,23C,23Bを発光させて露光を行う。この露光は、プリントヘッド部23Y,23M,23C,23Bの順にそれぞれ時間差をもって行われる。これにより、各感光体ドラム21Y,21M,21C,21Bの表面に各色用の静電潜像がそれぞれ形成される。
【0024】
各感光体ドラム21Y,21M,21C,21B上に形成された静電潜像は、各現像装置24Y,24M,24C,24Bによってそれぞれ現像されて各色のトナー像となる。そして、各色のトナー像は、各一次転写ローラ30Y,30M,30C,30Bの作用により、図中反時計回りに回転する中間転写ベルト11上に順次一次転写されて重ね合わせられる。
【0025】
このようにして中間転写ベルト11上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト11の移動にしたがって2次転写領域17に達する。一方、給紙カセット91から搬送路93に送り出された用紙Pは、タイミングローラ対94によって、トナー像が2次転写領域17に達するタイミング合わせて2次転写領域17へ搬送される。そして、2次転写ローラ16にはトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより、2次転写領域17において、重ね合わされた各色トナー像は中間転写ベルト11から用紙Pに一括して2次転写される。なお、2次転写後に中間転写ベルト11上に残留するトナーは、不図示のベルトクリーナにより回収される。
【0026】
トナー像が2次転写された用紙(被転写部材)Pは、搬送路93を通って定着ユニット95に送られ、そこで定着領域を通過することによりトナー像が用紙Pに定着される。そして、用紙Pは排紙トレイ98に排出される。
【0027】
次に、図1のプリンタに搭載されている現像装置24について説明する。図2は、現像装置24の横断面図である。図2の現像装置24は、磁性粒子からなるキャリアとトナーとを有する2成分系現像剤D(図4に図示)を用いて感光体ドラム21の静電潜像を現像するものである。この現像装置24は、回転自在の現像ローラ(現像剤担持体)241と、現像部に搬送される現像剤量を規制する板状の規制部材242と、水平方向に平行に配置され、互いに逆向きに現像剤Dを撹拌搬送する2本の撹拌羽根243,244と、2本の撹拌羽根243,244の間に形成され、両端部に開口部が形成された仕切り板245とを備える。そして、現像剤Dの上面が位置する現像ハウジング240の側壁に、現像剤量を検知するセンサ246aが設けられている。なお、ここで使用しているセンサ246aは、現像剤中のキャリアの透磁力を測定するものであって、現像剤が多いとセンサ246aの出力信号は大きくなり、現像剤が少ないとセンサ246aの出力信号は小さくなる。
【0028】
2本の撹拌羽根243,244は、不図示の駆動機構によって互いに逆方向に回転する。現像剤Dは、撹拌羽根243が回転することによって紙面奥方向に、撹拌羽根244が回転することによって紙面手前方向に撹拌されながら搬送される。そして、撹拌羽根243,244の両端部において、仕切り板245の両端部に形成された開口部(不図示)を通って、一方の撹拌羽根から他方の撹拌羽根に現像剤は移動する。これにより現像剤は装置内を常に循環し撹拌される。現像装置24内を撹拌されながら循環することによってトナーは所定値まで帯電する。また、不図示の現像剤貯留部から新しい現像剤が現像装置24に徐々に供給されると共に、古い現像剤が現像装置24から徐々に排出される。
【0029】
現像ローラ241は、不図示の駆動機構によって図において時計回りに回転する筒状体241aと、筒状体241aの内部に設けられた複数の磁極から構成される磁界発生手段241bとを有する。磁界発生手段241bを構成する各磁極はそれぞれ次のような働きをする。まず、磁極S(汲み上げ極)は、現像剤Dを筒状体241aに汲み上げる働きを奏し、後述するように、磁極Sを移動させることによって現像剤Dの汲み上げ量を調整できる。磁極Nは、規制部材242と共に現像部に搬送する現像剤Dの量を制御する働きを奏する。磁極Sは、現像剤Dを現像部へ搬送する働きを奏する。そして、磁極Nは、現像剤Dをブラシ状に穂立ちさせて感光体ドラム21表面の静電潜像をトナーで現像する働きを奏する。磁極Sは、現像装置24内に現像剤Dを搬送すると共に、現像剤Dを円筒体241aから剥離させて撹拌羽根243による撹拌部に戻す働きを奏する。
【0030】
図3に、現像ローラ241の部分垂直断面図を示す。中空の固定軸41に揺動軸42が揺動自在に内挿されている。そして、磁極Nと磁極S、磁極N、磁極Sとは固定軸41に固定され、磁極Sは揺動軸42に固定されている。画像形成装置の装置本体に現像装置24を装着すると、固定軸41は装置本体に位置決め固定され、磁極S以外の磁極は固定される。一方、揺動軸42は、不図示の駆動機構によって周方向に揺動可能とされ、磁極Sは筒状体241aの周方向に移動可能となる。
【0031】
ここで、前述のように、新しい現像剤が現像装置24に徐々に供給されると共に、古い現像剤が現像装置24から徐々に排出されるトリクル方式では、例えば現像装置24からの現像剤Dの排出量が変化することによって現像装置24内の現像剤量が変動する。現像装置24内の現像剤量が変動すると、現像ローラ24への現像剤Dの供給量も変動し、画像欠損などの不具合が発生するおそれがある。そこで、本発明の現像装置では、現像装置内の現像剤量が多い場合には、磁極Sを現像剤Dの汲み上げ力の小さい位置に移動させる一方、現像装置内の現像剤量が少ない場合には、磁極Sを現像剤Dの汲み上げ力の大きい位置に移動させて、現像ローラ241の筒状体241aに担持される現像剤量が一定になるようする。
【0032】
図4に、現像装置24内の現像剤量が多い場合の状態図を示す。センサ246aによって検知された現像装置24内の現像剤量が多い場合には、磁極Sを磁極Nの方向に回転させ、磁極Sを現像剤Dの上面から離れた位置として、現像剤Dの汲み上げ力を小さくして、現像剤Dが筒状体241aに過剰に汲み上げられないようする。
【0033】
一方、現像装置24内の現像剤量が少ない場合には、図5に示すように、磁極Sを磁極Sの方向に回転させ、磁極Sを現像剤Dの上面に近い位置として、現像剤Dの汲み上げ力を大きくて現像剤Dを筒状体241aに多く汲み上げられるようする。
【0034】
磁極Sによる現像剤Dの汲み上げ力は、磁極Sと現像剤Dの上面との距離におおよそ反比例し、前記距離が短くなると汲み上げ力は大きくなり、距離が長くなると汲み上げ力は小さくなる。したがって、現像装置24内の現像剤量によって、磁極Sの移動量を連続的又は段階的に変えて、現像ローラ241に担持される現像剤量をより高精度に制御するようにしてもよい。
【0035】
本発明で使用する検知手段としては、キャリアの透磁力を検知するセンサ246aの他、図6に示すような、現像剤Dの表面までの距離を検知するセンサ246bを用いてもよい。この場合、現像剤Dの表面までの距離が長いと現像剤量が少ないと判断し、現像剤Dの表面までの距離が短いと現像剤量が多いと判断する。
【0036】
図7及び図8に、本発明に係る現像装置の他の実施形態を示す。この図に示す現像装置が前記実施形態の現像装置と異なる点は、磁極Sが筒状体241aの半径方向に移動する点にある。現像装置内の現像剤量が多い場合には(図7)、磁極Sを現像剤Dの汲み上げ力の小さい位置すなわち半径方向内方に位置させる一方、現像装置内の現像剤量が少ない場合には(図8)、磁極Sを現像剤Dの汲み上げ力の大きい位置すなわち半径方向外方に位置させる。これにより、現像ローラ241の筒状体241aに担持される現像剤量を一定にする。前記実施形態と同様に、磁極Sの半径方向の移動は、現像装置内の現像剤量に対応して連続的であってもよいし段階的であってもよい。
【0037】
図9に、磁極Sを筒状体241aの半径方向に移動させる機構の一例を示す。中空の固定軸41の内部に押し上げ棒43が軸方向に移動自在に内挿されている。押し上げ棒43は、軸方向中央部に形成された、磁極Sの軸方向の長さよりも長い薄肉部431と、軸方向端部に形成された半径方向に厚い厚肉部432と有し、薄肉部431と厚肉部432との間には傾斜面433が形成されている。磁極Nと磁極S、磁極N、磁極Sとは固定軸41に固定されている。磁極Sは、不図示の付勢手段によって常に押し上げ棒43の方向に付勢されている。現像装置24内の現像剤量が多い場合には、磁極Sを現像剤Dの汲み上げ力の小さい位置すなわち半径方向内方に位置させる(図9(a))。一方、現像装置24内の現像剤量が少ない場合には、不図示の駆動手段によって押し上げ棒43を筒状体241aの内方に移動させる。すると、押し上げ棒43の傾斜面433によって、付勢手段の付勢力に抗して磁極Sは半径方向外方に徐々に押し上げられ、磁極Sが厚肉部432に乗り上げると当該位置で維持される。また、薄肉部431と厚肉部432の間の傾斜面433で磁極Sを維持すれば、傾斜面433の磁極Sを維持する位置によって磁極Sの半径方向位置を調整できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明に係る現像装置では、検知手段で検知された現像剤量によって現像剤担持体の汲み上げ極を移動させて、現像剤担持体に汲み上げられ担持される現像剤量が一定となるようにするので、現像装置内の現像剤量が変動しても画質低下が生じることがなく有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 プリンタ(画像形成装置)
D 現像剤
P 用紙(被転写部材)
汲み上げ極
21 感光体ドラム(静電潜像担持体)
22 帯電装置
23 露光装置
24 現像装置
30 転写装置
95 定着ユニット(定着装置)
241 現像ローラ(現像剤担持体)
241a 筒状体
241b 磁界発生手段
246a,246b センサ(検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアとトナーとを有する新しい現像剤を装置本体に補給すると共に、使用した現像剤を装置本体から排出する現像装置であって、
装置本体内の現像剤量を検知する検知手段と、現像剤を担持し回転搬送する現像剤担持体とを備え、
前記現像剤担持体は、現像剤を表面に担持して静電潜像担持体と対向する現像部に搬送する回転自在の筒状体と、この筒状体内に設けられた磁界発生手段とを有し、
前記磁界発生手段は、現像剤を汲み上げて前記筒状体の表面に付着させる汲み上げ極を有し、前記汲み上げ極は、前記検知手段で検知された現像剤量によって移動し、前記筒状体に担持される現像剤量を調整することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記汲み上げ極は、前記検知手段で検知された現像剤量によって連続的又は段階的に移動する請求項1記載の現像装置。
【請求項3】
前記汲み上げ極は、前記筒状体の周方向又は半径方向に移動する請求項1又は2記載の現像装置。
【請求項4】
回転自在の静電潜像担持体と、この静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電装置と、一様に帯電した静電潜像担持体の表面を露光し静電潜像担持体に潜像を形成する露光装置と、静電潜像担持体上に形成された潜像をトナーで可視像化する現像装置と、形成されたトナー画像を被転写部材に転写する転写装置と、転写されたトナー画像を加熱し被転写部材に溶融定着させる定着装置とを備えた画像形成装置であって、
前記現像装置として請求項1〜3のいずれかに記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−181271(P2012−181271A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42896(P2011−42896)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】