現像装置及び画像形成装置
【課題】現像ホッパとトナーカートリッジの間でトナーを循環させることにより、トナーの劣化を緩和することができる画像形成装置を提供することである。
【解決手段】現像ユニット３１と、現像ユニット３１にトナーを補給するトナーカートリッジ３２とを備える現像装置３０であって、トナーカートリッジ３２から補給されたトナーを溜める現像ホッパ３１１と現像ホッパ３１１にあるトナーを供給ローラ３１ｂに送る搬送パドル３１ｄと、送られたトナーを現像スリーブ３１ａに供給する供給ローラ３１ｂと、トナー層を感光体１０に接触して現像する現像スリーブ３１ａから構成されていて、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄを、現像スリーブ３１ａと独立して駆動動作可能にし、非現像動作時に現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄを駆動動作させることを特徴とする。
【解決手段】現像ユニット３１と、現像ユニット３１にトナーを補給するトナーカートリッジ３２とを備える現像装置３０であって、トナーカートリッジ３２から補給されたトナーを溜める現像ホッパ３１１と現像ホッパ３１１にあるトナーを供給ローラ３１ｂに送る搬送パドル３１ｄと、送られたトナーを現像スリーブ３１ａに供給する供給ローラ３１ｂと、トナー層を感光体１０に接触して現像する現像スリーブ３１ａから構成されていて、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄを、現像スリーブ３１ａと独立して駆動動作可能にし、非現像動作時に現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄを駆動動作させることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複写機、プリンタ、ＦＡＸなどの電子写真方式の画像形成装置に用いる現像装置及びこの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、オフィスにおけるＯＡ化、カラー化が一段と進み、従来の文字のみからなる原稿の複写だけではなく、パーソナルコンピュータで作成したグラフ等を含む原稿をプリンタにて出力し、プレゼンテーション用の資料等として多数枚複写する機会が増している。プリンタ出力画像は、ベタ画像、ライン画像、ハーフトーン画像が多く、それにともない画像品質に求められる市場の要求が変化しつつあり、また、高信頼性等の要求も更に高まっている。
電子写真、静電記録、静電印刷等の電子写真方式に使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電潜像が形成されている像担持体（代表的には感光体）に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤としては、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及び、キャリアを必要としないでトナーのみからなる一成分系現像剤（磁性トナー、非磁性トナー）が知られている。
二成分系現像剤は、トナー粒子がキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化し、また、トナーのみが消費されるため現像剤中のトナー濃度が低下するので、キャリアとトナーとの混合比を一定割合に保持しなければならず、そのため現像装置が大型化するといった欠点がある。
一方、一成分系現像剤は、現像装置の小型化が可能等の利点を有しており、あらゆる環境下（低温低湿、高温高湿）での使用が容易であるなどの理由から現像方式の主流になりつつある。
【０００３】
ところで、一成分系現像剤は、磁性トナーを用いる磁性一成分現像剤と、非磁性トナーを用いる非磁性一成分現像剤とに分類される。
磁性一成分現像剤を用いる磁性一成分現像方式は、内部にマグネットなどの磁界発生手段を設けた現像スリーブを用いて、マグネタイトなどの磁性体を含有する磁性トナーを保持し、層厚規制部材により、薄層化し現像するもので、近年小型プリンタなどで多数実用化されている。これに対して、非磁性一成分剤を用いる非磁性一成分現像方式は、トナーが磁気力を持たないため、現像スリーブにトナー補給ローラなどを圧接して現像スリーブ上にトナーを供給し、静電気的に保持させ、層厚規制部材により、薄層化して現像するものであり、有色の磁性体を含有しないためカラー化に対応できるという利点があり、また現像スリーブにマグネットを用いないため、装置のより軽量化、低コスト化が可能となり、近年小型フルカラープリンタ等で実用化されている。
【０００４】
しかしながら、一成分現像方式では、未だ改善すべき課題が多いのが現状である。二成分現像方式では、トナーの帯電、搬送手段としてキャリアを用い、トナーとキャリアは現像装置内部において十分撹拌、混合された後現像スリーブに搬送され現像に供されるため比較的長時間の使用においても安定した帯電、搬送を持続することが可能であり、また、高速の現像装置にも対応しやすい。これに比べ、一成分現像方式ではキャリアのような安定した帯電、搬送手段がないため、長時間使用や高速化による帯電、搬送不良が起こりやすい。
特に、非一成分現像方式は現像スリーブ上へトナーを搬送した後、層厚規制部材にてトナーを薄層化させて現像するが、トナーと現像スリーブ又は層厚規制部材などの摩擦帯電部材との接触・摩擦帯電時間が非常に短いため、キャリアを用いた二成分現像方式より低帯電、逆帯電トナーが多くなりやすい。また、少なくとも１つのトナー搬送部材によってトナーを搬送し、かつ、搬送されたトナーによって像担持体に形成された静電潜像を現像する手段が採られているが、その際、トナー搬送部材表面のトナーの層厚は極力薄くしなければならない。このために、層厚規制部材による押圧力を受けるために、トナー表面に外添された外添剤のトナー内部への埋没が激しく、トナーの帯電性、流動性が大きく低下するという不具合がある。
【０００５】
この不具合を解消するために、特許文献１では、現像スリーブは、表面に現像剤の帯電極性と同極性の帯電極性を有する導電性樹脂層が備えられ、導電性樹脂層は、少なくとも結着樹脂、導電性微粉末、及び荷電制御剤を含有し、撹拌部材の回転中心Ｘが、現像スリーブの回転中心を横切る水平面Ｈに対して下側に位置する現像装置が開示されている。
また、特許文献２では、トナー補給口に逆支弁を設けて、カートリッジ側にトナーが戻る（逆流する）のを防止する構成を示している。
しかし、上述に開示された技術では、現像装置内にあるトナーの帯電性、流動性を長期にわたって安定化させることは困難で現像ホッパのトナーの劣化が進んでしまうという問題点がある。
【０００６】
【特許文献１】特開２００５−０６２２１５号公報
【特許文献２】特開２００２−１６２８１７公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
また、最近の検討では、カートリッジのトナーが現像ホッパに流入したときに、現像ホッパ内のトナーの攪拌が不十分であると、カートリッジのトナーの特性によって、現像ホッパに残っていたトナーが逆帯電を起こして地肌汚れを発生させたり、現像ユニットの現像ローラや入り口シール、トナー規制部材などの表面性のわずかな違いを拾って縦スジ状のトナー層ムラを起こし、画像にスジムラを発生させるなどの原因になっている事が、判明してきた。
【０００８】
これによって、例えば、以下のように、（１）カートリッジから供給されたトナーがホッパのトナーと混じって攪拌される前に、制御弁によってカートリッジ側に戻されてしまうことそれによって、ホッパに新しいトナーの供給が阻害されることと、カートリッジに劣化したトナーが戻す効率が低下すること、（２）カートリッジからホッパに供給されたトナーは、制御弁を駆動している回転攪拌部材により、もともとホッパに入っていたトナーと攪拌され、現像ローラ側に搬送されるが、１つの攪拌部材で攪拌と搬送を行うため、十分攪拌される前に、現像ローラに供給されてしまう事が起きている。それにより、新しい帯電性の高いトナーと、現像ローラ付近の帯電性の低下したトナーが混ざり、現像ローラ上で、その２種類のトナーが摩擦帯電することで、逆帯電トナーの生成、帯電の不安定化が起き、地汚れの発生解像度の低下など、画質を劣化させてしまう、（３）同じく攪拌が不十分であることによって、現像ローラ周辺部のトナーの回復が遅れ、流動性が低下して、ますます入れ替わり難くなることでトナー劣化（添加剤埋没、凝集度アップ）が進んでしまう。このことにより、トナー凝集体を作って白スジの発生、現像ローラへのトナー固着、フィルミング（フィルム状の固着）、入口シールや端部シールなどへのトナー固着によるスジムラやトルク上昇が引き起こされるという、問題が生ずることもわかってきた。
【０００９】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、現像ホッパとトナーカートリッジの間でトナーを循環させることにより、トナーの劣化を緩和することができる画像形成装置を提供することである。
また、カートリッジのトナー量の影響を受けずに安定してトナーの循環動作や攪拌動作を実現して、現像装置内のトナーの帯電性、流動性の低下を抑える現像装置及びこれを用いることで、長期にわたって高品位の画像を得ることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の現像装置では、像担持体の潜像をトナーで現像する現像ユニットと、現像ユニットにトナーを補給するトナーカートリッジとを横方向に配列し、トナーカートリッジを自在に着脱できる現像装置であって、前記現像ユニットは、トナーカートリッジから補給されたトナーを溜める現像ホッパと現像ホッパにあるトナーを供給ローラに送る搬送パドルと、送られたトナーを現像スリーブに供給する供給ローラと、現像スリーブ上のトナーを規制してトナー層を形成するトナー層規制部材と、トナー層規制部材によって規制されたトナー層を像担持体に接触して現像する現像スリーブから構成されていて、かつ、前記現像装置は、トナーカートリッジと現像ユニットとの間でトナーを通過させる連通口と、その通過させるトナー量を制御するために現像ホッパ側内面に制御弁とを備える現像装置において、現像ホッパの搬送パドルを、現像スリーブと独立して駆動動作可能にし、非現像動作時に現像ホッパの搬送パドルを駆動動作させることを特徴とする。
【００１１】
また、本発明の現像装置では、さらに、非現像動作時に現像スリーブを停止した状態で、現像ホッパの搬送パドルを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、非現像動作時で駆動動作する現像ホッパの搬送パドルの回転数が、現像動作時の搬送パドルの回転数と異なる回転数で回転することを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、非現像動作時で駆動動作する現像ホッパの搬送パドルの回転方向が、現像動作時の搬送パドルの回転方向と逆方向に回転可能とすることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、前記現像ホッパの搬送パドルと、前記トナーカートリッジの搬送パドルの回転するタイミングと、回転数比を可変とし、さらに、前記制御弁の駆動周期、タイミングを可変とし、非現像動作時に、現像ホッパの搬送パドル、制御弁及びトナーカートリッジの搬送パドルを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、前記現像装置に用いられるトナーは、その帯電極性が負帯電であって、トナーの表面に付着させる外添剤が疎水化シリカのみの場合は、その外添量をトナー１００重量部に対して１．２〜７．０重量部とする、または、トナーの表面に付着させる外添剤が疎水化シリカを含む複数種の外添剤を使用する場合は、その外添剤総量が２．０〜７．０重量部で、そのうち疎水化シリカの割合が合計添加剤量の重量で５０％以上とすることを特徴とする。
【００１２】
本発明の画像形成装置では、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体を介して記録部材に転写する転写装置と、像担持体上のトナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、上述のいずれかに記載の現像装置を用いることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、印刷した画像の画像面積をカウントするカウント手段と、画像面積カウント値を記憶する画像面積記憶手段を有し、記憶された画像面積カウント値から、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
【００１３】
また、本発明の画像形成装置では、さらに、現像ホッパのトナー量を検知する現像ホッパ検知手段を有し、その検知した現像ホッパのトナー量から、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、トナーカートリッジのトナー量を検知するトナーカートリッジ検知手段を有し、その検知したカートリッジのトナー量から、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、印刷出力したページ数をカウントし、記憶するページ記憶手段を有し、記憶されたページカウント値から、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、使用雰囲気の温度又は湿度を検知し記憶する環境記憶手段を有し、温度、湿度、記憶した温度を基にした変化、記憶した湿度を基にした変化の中から選択して、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、非現像動作時に現像スリーブからトナーを感光体に付着して消費するモードを持ち、当該現像装置が、前記トナーを消費する動作時に、搬送パドルを停止して、トナーを供給ローラに搬送しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１４】
以上説明したように、本発明の実施形態である画像形成装置では、トナーに現像に寄与しない攪拌等をさせず、トナーに対して必要な攪拌・循環ができるので、トナー攪拌の不足を補って、劣化トナーの回復性の維持を図り、長期にわたってトナーの帯電の安定化をはかり、異常画像の発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【００１６】
図１は、本発明にかかわる現像装置の構成を示す概略図である。
図１は、制御弁をつけて、カートリッジと現像ホッパのトナーの循環性を改良したタイプである。この循環タイプでは、カートリッジと現像ホッパ間でトナーを循環して攪拌するため、劣化度合いが均一化され、極度に劣化が進むことなく、最小限のトナー劣化で抑えられるため、トナーの特性の安定性については、こちらの方が優れている。
現像装置３０は、像担持体である感光体１１の潜像を現像剤であるトナーで現像する現像ユニット３１と現像ユニット３１にトナーを補給するトナーカートリッジ３２とを備える。
現像ユニット３１は、感光体１１に対向していて、感光体１１との間に形成される現像領域にトナーを搬送する現像剤担持体である現像スリーブ３１ａと、現像スリーブ３１ａ上にトナーを供給する供給ローラ３１ｂと、現像スリーブ３１ａ上のトナー量を規制する層厚規制部材である規制ローラ３１ｃと、トナーを搬送する第1搬送パドル３１ｄとを備える。
トナーカートリッジ３２は、トナーを収納している第１及び第２収納室３２１、３２２と、現像ユニット３１へトナーを搬送する第２及び第３搬送パドル３２ａ、３２ｂと、また、第２搬送パドル３２ａが回転している部分のトナーカートリッジ３２の底部には突き出たリブ３５を備えている。
ここで、現像剤としては、一成分現像剤を用いる。後述するように現像剤を入れ替えることに対して、二成分現像剤では一旦混合した後にキャリアからトナーを分離するのは非常に困難である。一成分現像剤であればトナーカートリッジ３２と現像ユニット３１内にある現像剤は基本的には同じで、入れ替えすることが可能であり、本発明の現像装置３０に適用させることができる。特に、一成分現像剤でも非磁性一成分現像剤を用いることが好ましい。非磁性一成分現像剤では、トナー表面の外添剤が、トナーの帯電性、流動性に与える影響が大きい。磁性一成分現像剤では、磁性材料の量による磁化の強さで現像性を制御することができる。非磁性一成分現像剤では、外添剤による帯電量、流動性によって現像性が大きく影響されることから、本発明の現像装置３０に用いることで、安定したトナー表面状態を得ることができる。
【００１７】
また、この現像装置３０は、現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２とを水平方向の横方向に並列させて配置している。さらに、トナーカートリッジ３２と現像ユニット３１とには、トナーカートリッジ３２と現像ユニット３１との間をトナーが通過する連通口が設けられている。さらに、現像ユニット３１側の連通口に制御弁が設けられている。
本発明の現像装置３０は、この連通口を介してトナーを通過させる。これによって、現像ユニット３１で消費されたトナーをトナーカートリッジ３２から現像ユニット３１へ補給し、また、この連通口を介して、現像ユニット３１で劣化したトナーを現像ユニット３１からトナーカートリッジ３２へを排出する。また、このトナーカートリッジ３２は、現像ユニット３１とは別に単独で独立して交換することが可能である。
トナーは、現像ユニット３１におけるトナー供給ローラ３１ｂ、規制ローラ３１ｃで押圧力を受ける。この押圧力を受けることで、トナー表面の凸凹が欠けて表面が滑らかになり、感光体との付着力が大きくなりクリーニングされにくくなる。そのために、環境が低湿になるとクリーニング不良が発生することがある。また、転写性は向上するが、従来転写されても目視上表れなかった白地背景部にカブリが表れるようになる。また、トナーが押圧を受けることで、トナー表面に存在する外添剤がトナー内部に埋没する。これは、後で外添剤に関しては詳説するが、外添剤はトナーより硬度が高いために、トナー内部に埋没する。トナー表面に存在する外添剤が少なくなることで、トナーの帯電性が変わる。特に、外添剤として用いるシリカは、比表面積が大きいので帯電量が高く埋没によるトナー表面の外添剤量によってトナーの帯電量は大きく変化する。また、もう一つの影響として、外添剤埋没によってトナーの流動性が低下する。この流動性は、トナーの付着力を示すもので、流動性が高ければ、トナーと例えば感光体等との間の付着力を小さくする。同様に、現像スリーブ３１ａとトナーとの間の付着力を小さくして現像性を高める。逆に、埋没でトナー表面に存在する外添剤量が少なくなると、即ち、トナーの流動性が低下し、現像性が低下する。
【００１８】
そこで、本発明の現像装置３０では、現像ユニットホッパ内の劣化したトナーを、トナーカートリッジ３２から現像ユニット３１へトナーを補給する連通口３３を介して、現像ユニット３１にあるトナーをいったんトナーカートリッジ３２に排出して戻して、トナーカートリッジ３２にある劣化していないトナーと混合して、劣化したトナーに添加剤を移行して回復させると同時に、劣化したトナー量の存在比率を低下させた上で再度現像ユニット３１に連通口３３を介して供給して補給して、ホッパ内トナーの帯電の安定化を図る。
【００１９】
図２は、本発明の現像装置における現像ユニットに配置される制御弁の構造を示す概略図である。制御弁３４は、現像ユニット３１の連通口３３に対応して設けられ、制御弁３４を支持部３４ａに貼着されていて、筐体に配置されている。制御弁３４の形態は、図２に示すように、各連通口３３に対応して矩形状にして連通口３３がない部分は制御弁３４を設けず交互にする。支持部３４ａは、剛性を有する金属製でＳＵＳ、Ｃｕ、Ａｌを用いる。制御弁３４は、弾性のある樹脂フィルム３４ｂで、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂を用いる。
現像ユニット３１の第１搬送パドル３１ｄは、パドル用フィルムを備える。このフィルムは、１枚であっても、複数枚設けてもよい。第１搬送パドル３１ｄは、回転してトナーカートリッジ３２側から供給されたトナーを現像スリーブ３１ａに供給する。また、このフィルムは、板状であってもよい。また、連通口３３に対応して設けられた櫛歯状の矩形状の制御弁３４に対して、同様に制御弁３４に当たる部分をのみを矩形形状にしたものであってもよい。また、複数枚設けるときはこれらを組み合わせて用いてもよい。
【００２０】
図３は、トナーカートリッジ側から現像ユニットにトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。第１搬送パドル３１ｄは、回転して制御弁３４に当たり、制御弁３４が押さえられる。その後、第１搬送パドル３１ｄが通過して、弾性を有する制御弁３４が素早く弾かれて戻り、そのときに同時に、トナーカートリッジ３２側から押し込まれていたトナーが連通口３３を介して現像ユニット３１側に引きつけられて、トナーが供給される。
図４は、トナーカートリッジ側のトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。このトナーカートリッジ３２には、第２収納室３２２の第３搬送パドルで第１収納室３２１に搬送して、さらに、第２搬送パドルで現像ユニット３１側に搬送する。第２搬送パドルは、単数のパドル用フィルムを備えていて、このフィルムを回転させることでトナーを現像ユニット３１側に搬送する。さらに、第１収納室３２１にリブ３５を設けておくことで、図５に示すように、先のパドル用フィルムがリブ３５に当たると、リブ３５の部分でトナーが堰き止められ、リブ３５とパドル用フィルムとの間にトナーの無い空間が形成される。この空間は、流動性のよいトナーの侵入によって少しずつ埋められていくが、ある一定時間はトナー内部に空間が形成される。さらに、パドル用フィルムが回転すると上部からもトナーが空間に侵入するために、トナー内部に空間のない状態になる。
この状態で回転してゆくとパドル用フィルムは、トナーを現像ユニット３１側に押し込む状態になっている時と、現像ユニット３１の制御弁３４が第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムに押さえられていなくて制御弁３４が開放されている時と重なることでトナーは、連通口３３を通してトナーカートリッジ３２側から現像ユニット３１側に移動して供給される。
【００２１】
次に、開放された制御弁３４には現像ユニット３１にあるトナーが入り込んでくる。その後、第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが回転して制御弁３４を押し込むトナーを現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に押し込んでいる時と第１収納室３２１で第２搬送パドルのパドル用フィルムによってトナー内部に空間ができ、その空間がちょうど連通口３３にかかった時が重なることでトナーは、連通口３３を通して現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に移動して排出される。
このときの現像装置３０における現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２との第１、第２及び第３搬送パドルの動きとトナーの移動についてさらに詳細に説明する。
【００２２】
図５は、現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。なお、ここでは、現像ユニット３１内の現像スリーブ３１ａ等は省略してある。
現像装置３０では、図５（１）に示すように、現像ユニット３１内にある制御弁３４は、支持体に貼着されていて一定の角度を有している。第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムを回転させている。また、トナーカートリッジ３２内の第２及び第３搬送パドルは、単数のパドル用フィルムを回転させている。図５（２）に示すように、現像ユニット３１内で、第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムが制御弁３４を押し込み、このときに、制御弁３４と連通口３３との間にあるトナーは、トナーカートリッジ３２側もトナーで満たされていることで、連通口３３を移動することができず、現像ユニット３１内の制御弁３４から横方向で、現像ユニット３１内に戻る。次に、図５（３）に示すように、第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムが制御弁３４をさらに押し込み、制御弁３４と連通口３３との間にはほとんど隙間がない状態になる。次に、図５（４）及び図５（５）に示すように、第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムが制御弁３４からはずれることで、制御弁３４が元の角度まで戻り、このときに、大きな隙間ができ、空間を形成することでトナーカートリッジ３２側から連通口３３を通してトナーが移動して供給される。
【００２３】
さらに、図５（６）に示すように、複数枚有することで第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが、再度制御弁３４を押し込んでいく。このときに、トナーカートリッジ３２内の第２収納室３２２で第２搬送パドルのパドル用フィルムがリブ３５に当たっている。さらに回転すると、図５（７）に示すように、第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが制御弁３４をさらに押し込み、制御弁３４と連通口３３で隙間のない状態を形成してゆく。このときに、第２搬送パドルのパドル用フィルムがリブ３５から先に回転したときにリブ３５が障害になってトナーが搬送されないために、トナー内部に空間を形成する。さらに、図５（８）及び図５（９）に示すように、第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムが制御弁３４からはずれることで、制御弁３４が元の角度まで戻り、このときに、大きな隙間ができ空間を形成することで、さらに、第２搬送パドルのパドル用フィルムによって持ち上げられたトナーが、トナーカートリッジ３２側から連通口３３を通してトナーが移動して供給される。
【００２４】
しかし、次に、図５（１０）に示すように、複数枚有することで第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが、再度制御弁３４を押し込んでいく。これまでは、トナーカートリッジ３２側の連通口３３付近にはトナーがあったが、トナー内部に形成された空間が存在する場合は、現像ユニット３１内の制御弁３４から横方向で、現像ユニット３１内に戻るのではなく、連通口３３を通して現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に移動して排出される。図５（１１）及び図５（１２）に示すように、第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが、再度制御弁３４を押し込んでいくことで、さらに、現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に移動して排出される。
さらに、第１搬送パドル３１ｄの回転スピードを第２搬送パドルより早くすることで、図５（１３）から図５（１６）に示すように、現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に移動して排出させることができる。
これを繰り返すことで、現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２との間で連通口３３を通してトナーを移動させることができる。
【００２５】
ここでは、現像ユニット３１内の第１搬送パドル３１ｄとトナーカートリッジ３２内の第２搬送パドルの回転数を制御することでトナーの移動による供給・排出の量を調整することができる。特に、現像ユニット３１内の第１搬送パドル３１ｄの回転数をトナーカートリッジ３２内の第２搬送パドルよりも早くすることで、トナー内部に形成される空間が連通口３３に接する回数を少なくして、第１搬送パドル３１ｄが制御弁３４を押し込む回数を多くすることで、連通口３３を通してトナーを供給させる回数を多くすることができる。
また、トナーの移動による供給・排出の量は、連通口３３の数によって調整することができ、したがって、連通口３３は、１以上設けることができる。この連通口３３は、画像形成装置本体の画像形成する速度によって適宜数を決定する。
また、連通口３３に対応して設けられる制御弁３４は、櫛の歯状に設け、隣り合う制御弁３４を交互に動作させることができる。これは、第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムを櫛の歯状の制御弁３４に対応させて櫛の歯状に１つおきに設け、それを２数のパドル用フィルムですべての制御弁３４に対応させて制御弁３４を交互に動作させることができる。交互に動作させることで、現像ユニット３１内のトナーのデッドスペースを形成することなく、均等に排出させることができる。
【００２６】
図６は、本発明に係る第１搬送パドルを示す図である。本発明に好適に用いる第１搬送パドルの斜視図である。
第１搬送パドル３１ｄは、断面４角形の軸にフィルム３１１、３１２が取りつけられており、そのうち２枚は対向する面に、それぞれ逆方向に伸びている。この対向するフィルム３１１は凹凸形状（櫛歯状）であり、２枚の凸部をずらすような形状である。このようにすることで隣り合う制御弁３４を交互に駆動させることが可能になる。この凹凸部は連通口３３の位置に対応しており、連通口３３に設けた制御弁３４をフィルムの凸部が押し込める長さとし、また凹部においては制御弁３４に接触しないような形状とする。
さらに、フィルムの凸部の根元部分は、先端部分よりも広くなるよう「ハの字型」にしてあり、第１搬送パドル３１ｄが回転することによって、フィルムの凸部でトナーを横方向にも移動させる力を発生させ、現像ユニット３１内の横方向の攪拌を生じさせている。
また、第１搬送パドル３１ｄの回転で、フィルムの凸部が上記制御弁３４を押して、制御弁３４下のトナーをトナーカートリッジ３２側に戻す作用をする。この動きは後述する。
第１搬送パドル３１ｄは、第２搬送パドル３２ａより速く回転するように設定しているので、カートリッジに空間ができている時間内に第１搬送パドル３１ｄで何度か制御弁３４を動作させることができ、効率良くトナーをトナーカートリッジ３２に戻すができる。
フィルムの凸部が制御弁３４を通過すると、制御弁３４は押圧力から解放され、弾性によって元に戻り、制御弁３４上のトナーを現像ユニット３１側に送ると共に、制御弁３４下側にトナーカートリッジ３２のトナーを引き込む空間を形成する。
第１搬送パドル３１ｄの２枚のフィルム３１１の凸部をずらすことで、制御弁３４の押し込み・解放動作を交互に行う、即ち、隣り合う制御弁３４を交互に駆動させることで現像ユニット３１内のトナーの動きが良くなり、トナーカートリッジ３２内のトナーとの循環性を向上させることができる。
【００２７】
ここで、上記のような櫛歯状のフィルム２枚構成のパドルを採用することにより、トナーの循環、横攪拌性が向上したが、この２枚のみの構成では、連通口３３にトナーが多くなる傾向があり、現像ユニット３１内のトナー面が上下方向に波打ち、山と谷ができる。連通口３３に山ができるとトナーカートリッジ３２からのトナーの供給が阻害されるので、現像ユニット３１全体へのトナーの供給量が低下する。さらに、トナーの山の裾野付近にトナーカートリッジ３２からのトナーの流れができるため、若干ではあるが、トナー攪拌の均一性が確保されないという現象が見られた。この点を改善する為に、検討した結果、櫛歯状の２枚のフィルムの間に、櫛歯状フィルム３１１と９０度の角度で、櫛歯状フィルムの凸部より短い長さで凹凸の無いフィルム、即ち、矩形状のフィルム３１２を第１搬送パドル３１ｄに追加することにより、連通口３３のトナーの山を崩し、現像ユニット３１内のトナー面をほぼ水平にすることができた。
このように、第１搬送パドルにおいて、櫛歯状の２枚のフィルム３１１の間に、矩形状のフィルム３１２を配置することにより、トナーカートリッジ３１２からのトナーの補給量及びトナーカートリッジ３２へのトナーの戻し量ともに安定し、十分な循環作用を達成することができる。また、局所的なトナーの流れを形成しないので、現像ユニット３１内で均一な攪拌性を維持することができる。
【００２８】
制御弁３４の幅は、連通口３３の幅より０mm〜２０mm大きくする。制御弁３４が連通口３３より小さいとトナーが供給される連通口３３を現像ユニット３１側のトナーで塞がれるためにトナーが供給されにくくなる。また、トナーの排出においても、制御弁３４と連通口３３との間にトナーが入り込み、その入り込んだトナーを排出することで、連通口３３を通して大量のトナーが現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に排出されるのを防止しているが、制御弁３４の幅が小さくなることで大量のトナーが排出され、現像ユニット３１内のトナーが少なくなる。
一方、トナーの排出は、制御弁３４の脇から制御弁３４と連通口３３との間に入ったトナーが第１搬送パドル３１ｄの押し込みで連通口３３を通して排出される。このために、制御弁３４の幅が連通口３３より大きくなると、連通口３３付近に回り込むトナー量が少なくなり排出されるトナー量が少なくなり、トナーの入れ替えが少なくなる。また、連通口３３から供給されたトナーは、連通口３３から下の方に移動して、制御弁３４の下にあるトナーと混合される。したがって、制御弁３４の幅が大きくなると供給されるトナーの箇所が少なくなり、トナーの混合による均質性が低下する。これらのために、制御弁３４の幅は、少なくとも連通口３３の幅以上であって、２０ｍｍ未満にする。この幅にすることで、トナーの供給・排出の制御を容易にし、さらに、供給後のトナーの混合による均質性を高めることができる。
【００２９】
また、制御弁３４の間隔を、２mm〜２０mmとする。制御弁３４の間隔が、２ｍｍ未満では制御弁３４と連通口３３との間に入り込む量が少なくなるために、排出できるトナー量が少なくなる。また、２０ｍｍを越えると、設けることができる連通口３３が少なくなり、トナーの供給・排出する量が少なくなる。
また、制御弁３４の長さを、１０mm〜２５mmとする。制御弁３４の長さによって、制御弁３４と連通口３３との間にできる空間の大きさが決定される。したがって、制御弁３４が１０ｍｍ未満では、排出されるトナー量が少なくなるために、トナーの入れ替えが不十分になる。２５ｍｍを越えると排出する量が多くなり、現像ホッパ３１１内のトナー量が少なくなる。
また、制御弁３４の角度を、１０°〜４５°とする。制御弁３４の角度によって、制御弁３４と連通口３３との間にできる空間の大きさが決定される。したがって、制御弁３４の角度が１０°未満では、排出されるトナー量が少なくなるために、トナーの入れ替えが不十分になる。４５°を越えると排出する量が多くなり、現像ホッパ３１１内のトナー量が少なくなる。
【００３０】
また、図７は、本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
この画像形成装置１は、感光体ユニット１０、書き込み光学ユニット２０、現像ユニット３０、中間転写ユニット４０、２次転写ユニット５０、定着ユニット６０、両面印刷用紙反転ユニット７０等で構成されている。そして、黒（以下、Ｂｋという）、シアン（以下、Ｃという）、マゼンタ（以下、Ｍという）、イエロー（以下、Ｙという）のカラー画像を感光体ユニット１０の感光体ベルト１１上に順次顕像化し、これらを重ね合わせて最終的な４色フルカラー画像を形成する。感光体ベルト１１の周りには、感光体クリーニング装置１２、帯電ローラ１３、複数の現像装置３０、中間転写ユニット４０の中間転写ベルト４１などが配置されている。感光体ベルト１１は、駆動ローラ１４、１次転写対向ローラ１５、張架ローラ１６間に張架され、駆動モータによって回転する。また、上記書き込み光学ユニット２０は、カラー画像データを光信号に変換して、各色画像に対応した光書き込みを行い、感光体ベルト１１に静電潜像を形成する。この書き込み光学ユニット２０は、光源としての半導体レーザ２１、ポリゴンミラー２２、３つの反射ミラー２３などで構成されている。
また、上記現像装置３０は、画像形成装置１本体の下側から順に、黒トナーを収容したＢｋ現像装置３０Ｋ、シアントナーを収容したＣ現像装置３０Ｃ、マゼンタトナーを収容したＭ現像装置３０Ｍ、イエロートナーを収容したＹ現像装置３０Ｙとなっている。ここでは、さらに、各現像装置を図中左右方向に移動させ感光体ベルト１１に対し、接離動作を行う接離機構を備える。
【００３１】
現像装置３０内のトナーは所定の極性に帯電され、現像スリーブ３１ａには、現像バイアス電源によって現像バイアスが印加され、現像スリーブ３１ａが感光体ベルト１１に対して所定電位にバイアスされている。また、接離機構は、モータから各現像装置３０に駆動を伝達するための図示しない電磁クラッチがオンになるとその駆動力で現像装置３０を感光体ベルト１１側に移動させるようになっている。現像時には、現像装置３０のうち選択されたいずれか一つが移動し、感光体ベルト１１に当接する。一方、電磁クラッチをオフにして駆動伝達を解除すると感光体ベルト１１に当接していた現像装置が感光体ベルト１１から離間する方向に移動する。
画像形成装置１本体の待機状態では、現像装置３０Ｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙも感光体ベルト１１と離間した位置にセットされており、画像形成動作が開始されると、カラー画像データに基づきレーザ光による光書き込み、静電潜像の形成が開始される（以下、Ｂｋ 画像データによる静電潜像をＢｋ静電潜像という。Ｃ、Ｍ、Ｙについても同様）。このＢｋ静電潜像の先端部から現像可能とすべくＢｋ現像位置に静電潜像先端部が到達する前に、Ｂｋ現像スリーブ３１ａを回転開始して、Ｂｋ静電潜像をＢｋトナーで現像する。そして、以後、Ｂｋ静電潜像領域の現像動作が続行されるが、Ｂｋ静電潜像後端部がＢｋ現像位置を通過した時点で、Ｋ現像装置３０Ｋが感光体ベルト１１から離間し、次の色の現像に備えて該当する色の現像装置が感光体ベルト１１に当接する。これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が現像位置に到達する前に完了される。
【００３２】
また、上記中間転写ユニット４０は、中間転写ベルト４１、ベルトクリーニング装置４２、位置検出用センサ４３などで構成されている。中間転写ベルト４１は駆動ローラ４４、１次転写ローラ４５、２次転写対向ローラ４６、クリーニング対向ローラ４７及びテンションローラ４８に張架されており、図示しない駆動モータによりに駆動制御される。中間転写ベルト４１端部の非画像形成領域には複数の位置検出用マークが設けられており、これらの位置検出用マークのうちのいずれか一つを位置出用センサ４３で検出し、この検出タイミングで画像形成を開始する。また、ベルトクリーニング装置４２は、クリーニングブラシ４２ａ、接離機構等で構成されており、１色目のＢｋ画像を中間転写ベルト４１に転写している間、及び、２、３、４色目の画像を中間転写ベルト４１に転写している間は接離機構によって中間転写ベルト４１面からクリーニングブラシ４２ａを離間させておく。
さらに、２次転写ユニット５０は、２次転写ローラ５１、２次転写ローラ５１を中間転写ベルト４１に対して接離するためのクラッチ等を備えた接離機構等で構成されている。転写紙が転写位置に到達するタイミングに合致させて２次転写ローラ５１が接離機構の回転軸を中心に揺動する。この２次転写ローラ５１と２次転写対向ローラ４６とにより転写紙と中間転写ベルト４１とを一定の圧力で接触させる。２次転写ローラ５１は中間転写ユニット４０に設けられた図示しない位置決め部材により２次転写対向ローラ４６との平行度の位置精度が保たれている。また、２次転写ローラ５１に設けた図示しない位置決めコロにより中間転写ベルト４１に対する２ 次転写ローラ５１の接触圧を一定にしている。２次転写ローラ５１を中間転写ベルト４１に接触させると同時に、２次転写ローラ５１はトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、中間転写ベルト４１上の重ねトナー像を転写紙に一括転写する。
【００３３】
一方、画像形成動作が開始される時期に、転写紙は上記転写紙カセット８０又は手差しトレイ８３のいずれかから給送され、レジストローラ８２対のニップで待機している。そして、２次転写ローラ５１に中間転写ベルト４１上の４色重ねのトナー像先端がさしかかるときに、ちょうど転写紙の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対８２が駆動され、転写紙とトナー像との位置合わせが行われる。そして、転写紙が中間転写ベルト４１上のトナー像と重ねられて２次転写位置を通過する。このとき２次転写ローラ５１による転写バイアスで転写紙が荷電され、トナー画像のほとんどが転写紙上に転写される。そして、中間転写ベルト４１から４色重ねトナー像を一括転写された転写紙は、定着ユニット６０に搬送され、所定温度に制御された定着ベルト６１と加圧ローラ６２のニップ部でトナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出され、排紙トレイ８４ に裏向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
【００３４】
更に、両面印刷を行う場合には、定着ユニット６０を通過した転写紙は両面切替爪８５により両面印刷用紙反転ユニット７０に送られる。両面印刷用紙反転ユニット７０においては、転写紙はまず反転切替爪７１によって矢印Ｄ方向に案内され、転写紙後端が反転切替爪７１を通過した後、反転ローラ対７２が停止し、転写紙も停止する。そして、反転ローラ対７２が一定のブランク時間ののち逆転を開始し、転写紙はスイッチバックを始める。このときに、反転切替爪７１が切り替わり、転写紙はレジストローラ対８２に送られる。レジストローラ対８２に送られた転写紙は表裏反転した状態でレジストローラ対８２のニップで待機する。そして、所定のタイミングでレジストローラ対８２が駆動され、転写紙は２次転写位置に送られて中間転写ベルト４１から４色重ねトナー像を一括転写された後、定着ユニット６０でトナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出される。
一方、１次転写後の感光体ベルト１１の表面は、感光体クリーニング装置１２でクリーニングされ、除電ランプ等で均一に除電して、クリーニングしやすくすることもできる。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト４１の表面は、ベルトクリーニング装置４２のクリーニングブラシ４２ａを接離機構で押圧することによってクリーニングされる。中間転写ベルト４１からクリーングされたトナーは廃トナータンク４９に蓄えられる。
【００３５】
ここで、現像装置についてさらに詳述する。現像装置３０は、感光体ベルト１１表面の静電潜像を現像するためにトナーを表面に担持して回転する現像スリーブ３１ａと、トナーを汲み上げて撹拌するために回転するトナー第１搬送パドル３１ｄとを含む現像ユニット３１と、トナーを収容するトナーカートリッジ３２で構成されている。このように２つのユニットに分割されている理由は、現像ユニット３１は、トナーカートリッジ３２を数回交換して使用しても耐えうる耐久性を有しているからである。
図８は、本発明の現像装置における連通口の構成を示した概略図であり、（Ａ）は現像ユニット３１側の構成を示し、（Ｂ）はトナーカートリッジ側の構成を示している。現像ユニット３１の筐体の外側にはスライドシャッターを備え、そのスライドシャッターには弾性部材を貼付している。このスライドシャッターを開閉することで現像ユニット３１の連通口３３の開閉を行う。また、トナーカートリッジ３２側は、筐体に設けられた連通口３３に対応して開けた部分のある弾性部材、連通口３３からトナーがこぼれるのを防止し、または、トナーを補給できるように開放するスライドシャッター、これらを筐体に固定する固定シールが設けられている。
【００３６】
トナーカートリッジ３２を現像装置に配置して、現像ユニット３１側のスライドシャッターを開け、また、トナーカートリッジ３２側のスライドシャッターを開けて、トナーを通過させることができる連通口３３ができる。
現像ユニット３１側の連通口３３は複数あり、現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２との間には弾性部材を貼着したスライドシャッターを設けている。このスライドシャッターを移動させることで、現像ユニット３１筐体に設けた連通口３３の開閉を行う。トナーカートリッジ３２がない場合又は画像形成装置本体に装着していない場合は、スライドシャッターで連通口３３を閉じておくことで現像ユニット３１からのトナーのこぼれるのを防止する。
また、トナーカートリッジ３２も、現像ユニット３１がない場合又は画像形成装置本体に装着していない場合は、トナーカートリッジ３２からのトナーのこぼれるのを防止するために、連通口３３を閉じておくためにスライドシャッターを設ける。トナーカートリッジ３２に対して、弾性部材、スライドシャッター、固定シールを設ける。弾性部材は、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の発泡材が好ましい。
【００３７】
図８に示すように、現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２に設けられた連通口３３に対応してスライドシャッターに開放した窓部を設ける。連通口３３を閉じるときはスライドシャッターの窓部のないところで連通口３３を塞ぎ、連通口３３を開放するときはスライドシャッターを移動させて、窓部と連通口３３を合わせて、連通口３３全体を連通させる。
画像形成装置１において現像装置３０は、現像ユニット３１内にある第１搬送パドル３１ｄで、トナーを攪拌しつつ現像剤供給ローラ３１ｂに搬送し、供給ローラ３１ｂが現像スリーブ３１ａに摺擦しながら、同時にトナーを摺擦させて摩擦帯電させて、トナーを帯電させる。帯電したトナーは、現像スリーブ３１ａに鏡像力で吸着されて搬送される。その後、規制ローラ３１ｃで現像領域に搬送されるトナー量を規制する。現像スリーブ３１ａ上に形成されるトナー薄層が現像領域における現像バイアスで感光体ベルトに現像される。
【００３８】
このときに、供給ローラ３１ｂで現像スリーブ３１ａに摺擦されたトナーは大きな押圧力を受けて、トナー表面の凸凹が削られて球形化しトナーの付着力が大きくなる。また、この押圧力でトナー表面の外添剤が埋没して流動性が低下し、さらに、外添剤による帯電量調整ができなくなるために帯電量が変わってくる。これらの影響でトナーの現像性が低下し、さらに、転写性、クリーニング性が低下する。
このように、現像ホッパ３１１内に劣化したトナーが多くなり、また、トナーが現像によって消費されるために現像ユニット３１内のトナーが少なくなる。そこで、連通口３３を通過してトナーカートリッジ３２から、現像ユニット３１へとトナーが補給される。トナーカートリッジ３２内には、トナーカートリッジ本体３２の内壁に先端が摺接する第２搬送パドル３２ａ、第３搬送パドル３２ｂがそれぞれ第１収納室３２１と第２収納室３２２に設けられており、第２又は第３搬送パドル３２ａ，３２ｂが回転することによりトナーを現像ユニット３１側に押し込んで、現像ユニット３１に連通口３３からトナーが補給される。
【００３９】
さらに、この連通口３３を通して現像ユニット３１内のトナーがトナーカートリッジ３２側に排出されて、このトナーがトナーカートリッジ３２内のトナーと混合される。トナーカートリッジ３２内には、未使用のトナーが多く収納されており、現像ユニット３１内で劣化したトナーと混合される。この混合によって、未使用トナーの表面に多く存在する外添剤が劣化したトナーに再分配されることで、劣化したトナーの帯電量、流動性が元の未使用トナーの状態に近くなる。これは、現像ユニット３１から第１収納室３２１に排出されたトナーは、さらに、第２搬送パドル３２ａで第２収納室３２２に搬送されて、次に、第３搬送パドル３２ｂで第１収納室３２１に戻される。この間に、外添剤の再分配を受けることになる。
この元の未使用の状態に近づいたトナーを、トナーカートリッジ３２の第１収納室３２１から現像ユニット３１に、再度供給する。この元の状態に近づいたトナーと未使用のトナーで、現像スリーブ３１ａに薄層を形成してトナーを現像することで、長期にわたって高品位の画像を得ることができる。
【００４０】
本発明の実施形態では、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄの駆動と、現像スリーブ３１ａの駆動を独立して駆動可能とする。まず先に、「非現像動作時」の意味であるが、ここで非現像動作に対する、現像動作について規定すると、出力するプリント画像に応じて像担持体にトナーを現像転移して、像担持体上にトナー像を形成する過程を言うこととする。そして、現像動作時はその過程を実施している時間とする。
そのように規定した結果、非現像動作時とは、それ以外の時間、例えば、機械が完全に停止している時間や、ウォームアップ動作をしている時間、プリントジョブ終了動作をしている時間、プリント以外に動作を行っている時間（プリントジョブ間隔）、など全てを含むこととする。
なお、以下では、制御弁３４は、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄにて駆動していると前に説明した通りの形態で説明する。
【００４１】
図９は、本発明の実施形態の画像形成装置における現像装置の駆動系の構成を示す概略図である。現像装置３０の各回転体のうち、現像スリーブ３１ａ、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄ、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂのそれぞれの駆動軸は図とおりである。それぞれを駆動する駆動方法の一例が、図９に示しているが、現像モータから省略している減速駆動系を経由してギア１１に駆動が伝わる。
ギア１１に直結している駆動軸から、その駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ１１を経由して現像スリーブ３１ａのギアを駆動するギア１４に駆動を伝達する。また、一方、ギア１１からギア１２を経てギア１３を回転させ、ギア１３に直結している駆動軸から、その駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ１２を経由してギア１５に駆動を伝達する。ギア１５に直結した駆動軸から現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄへ駆動力を伝達する。さらに、ギア１５からギア１６を経て、ギア１７に駆動を伝え、ギア１７に直結した駆動軸からトナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂへ駆動力を伝達する。
このような構成で、クラッチ１１とクラッチ１２をＯＮ／ＯＦＦする事で、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄを、現像スリーブ３１ａと独立して駆動動作させることが可能である。
【００４２】
従来のように独立駆動する構成でなかった場合は、以下の（１）、（２）、（３）ような不具合が在ったが、独立駆動として以下に説明する動作方法を行うことで、それらの問題を解消できた。
（１）現像スリーブ３１ａが回転する間だけ、搬送パドル３１ｄの回転とそれによって制御弁３４の動作が行われるので、回転・動作時間が不足して、現像ホッパ３１１内の攪拌不足や、制御弁３４による供給・排出動作（あわせてトナー循環動作）が足りなかった。特に１枚だけプリントする事を繰り返すといった間欠動作においては、必要な回転数や動作回数を満たせずに、途中で停止してしまう事が往々にして生じる。
（２）使用していない時間が長くなると、現像ホッパ３１１、トナーカートリッジ３２内のトナーの流動性が低下して（空気が徐々に抜けて、トナー間の間隙が少なくなることが原因）攪拌しずらくなることで、トナーの帯電のばらつきを拡大してしまう。
（３）機械の使用の仕方で、１枚だけプリントして、長時間停止し、また１枚だけプリントするといった間欠動作逆に連続で多数枚プリントする連続動作など、ユーザーの使用方法によって、搬送パドル３１ｄの回転や制御弁３４の駆動動作が異なるがその使用方法のばらつきが大きいトナーの攪拌条件、供給・排出条件が異なって、トナー特性が安定しない。
本発明による、現像スリーブ３１ａの駆動とは独立して、搬送パドル３１ｄの回転および、制御弁３４の駆動を行うのは、前に記載したとおり、機械が完全に停止している時間や、ウォームアップ動作をしている時間、現像動作前時間、プリントジョブ終了動作をしている時間、プリント以外に動作を行っている時間（プリントジョブ間隔）、である。
以後、あるタイミングで動作させることによって特に効果が期待される例については、どのタイミングで動作させるかを明記するが、一般的に攪拌性の改善と、トナー循環性の向上に関しては、上記のいずれのタイミングでも実現できる。
【００４３】
以下、種々の実施例について記述する。
画像形成装置１が長時間停止すると、現像ホッパ３１１のトナーおよびトナーカートリッジ３２のトナーは、トナー粒子間の間隙が空気が抜けることにより近づいて、トナー粒子表面どうしが接近することから、凝集力が発生して全体として流動性が低下する。その状態から、現像動作をさせるためにトナーを搬送パドル３１ｄ等で動かすと、トナー粒子が複数凝集した２次粒子として動くものがあり、搬送パドル３１ｄで以下に外部から作用してもその凝集はすぐには解かれず、凝集体のまま搬送される。それによって、個々のトナーの摩擦帯電が十分行われなくなって、帯電が不安定になる。
（実施例１）
これを防止するために、一定時間停止状態が続いたら、搬送パドル３１ｄと制御弁３４を駆動して、現像ホッパ３１１内のトナーの流動性を上げて、かつ攪拌してトナーの特性を安定化させる。そのためには、画像形成装置本体にタイマを有し、不揮発メモリーに動作した時刻を記録して、それからタイマを作動させ、停止時間を計測する、一定時間停止状態が続いたら搬送パドル３１ｄと制御弁３４を動作させる。
画像形成装置本体の電源が切れている間もタイマは動作可として、一定時間を超えて電源ＯＮされた時に、搬送パドル３１ｄと制御弁３４を動作させる。停止時間の長さによって、ホッパ内のトナーの状態は違ってくるので、例えば、１０時間程度の放置ならば、回転数・駆動回数を少なく動作させる。かなり長い停止、例えば、５日間〜１０日間にわたる場合には、回転数・駆動回数を十分行う必要があり、それぞれ異なる動作とする。
【００４４】
（実施例２）
このとき、現像スリーブ３１ａの回転をＯＦＦして、搬送パドル３１ｄと制御弁３４のみを動作させれば、不要にトナーの劣化を進めることを防げる。
【００４５】
（実施例３）
現像動作前の予備回転以外に、画像形成装置１のウォームアップ時や、スリープモードからの復帰時も含んでいるが、現像動作に入る前に、搬送パドル３１ｄと制御弁３４を駆動する場合も同じ考え方が適用出来る。すなわち、現像動作前に、現像スリーブ３１ａは回転させずに、搬送パドル３１ｄと制御弁３４を駆動して、十分ホッパ内のトナーの流動性を回復し帯電特性を安定させてから、最後に供給ローラ３１ｂと現像スリーブ３１ａを回転してトナー層を現像スリーブ３１ａ上に形成する。そうすることで、現像スリーブ３１ａに安定したトナー層を形成するために必要な回転数は少なくて済み、同様に不要なトナーの劣化を引き起こすことを防止できる。
【００４６】
（実施例４）
ここで、現像ホッパ３１１内のトナーの特性の安定化が上記の動作で行えるが、現像スリーブ３１ａを停止した状態にしているので、現像スリーブ３１ａ上のトナーは入れ替わっておらず、現像スリーブ３１ａ上のトナーをホッパの十分攪拌された特性を安定したものに切り替えていくために、続く動作として、現像スリーブ３１ａ、供給ローラ３１ｂを回転させて、適正なトナー層を形成することが望ましく、上で述べた攪拌動作と、今記したトナー層形成動作を、一組として行うのが良い。その際現像スリーブ３１ａの回転は、トナーの劣化防止から必要最小限とする。
ところで、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄの回転速度についてであるが、現像動作時は、供給ローラ３１ｂへのトナー搬送が一定量以上必要なため、搬送パドル３１ｄの回転速度は一定以上ないと、供給が追いつかなくなる。
一方、早く回転させれば言いかというと、現像動作時の振動を発生させ、画像にピッチムラを生じたり、供給ローラ３１ｂに攪拌が不十分なトナーを一時的に多く供給することとなって、問題が生じることがある。
したがって、必要最小限の搬送量となる回転数が設定される場合が多い。ただし、そのような条件は、トナーの攪拌ということから言うと、どうしても回転数が不足する傾向がある。
そこで、搬送パドル３１ｄと制御弁３４の駆動を現像スリーブ３１ａの駆動と切り離して動作させるときには、攪拌性を重視して、搬送パドル３１ｄの回転速度を高めることが有効である。例えば、通常現像動作時の、搬送パドル３１ｄの回転速度を１とすると、本動作時には、２倍ないし、３倍とするように、速度切り替えを行う。図９で説明した駆動系では、現像スリーブ３１ａのクラッチがOFFなので現像スリーブ３１ａは停止、搬送パドル３１ｄのクラッチをONとして、現像モータを２倍、ないし３倍の回転数で駆動する。このように回転数を上げるのが有効なのは、トナーカートリッジ３２からトナーの供給量が一定量以上確保されるような、トナーカートリッジ３２のトナー量が十分あるときであり、現像ホッパ３１１のトナーの攪拌効率を上げるときには、本動作によって短時間で、トナー特性を安定化させることができる。
【００４７】
（実施例５）
トナーの消費が進み、カートリッジトナーの残量が少なくなって、全体的なトナーの劣化度合いが高くなり、トナーカートリッジ３２のトナーと現像ホッパ３１１内のトナーの特性差が小さくなってきているときには、積極的な攪拌がさほど必要と無くなり、攪拌スピードを上げすぎるとトナー凝集度を上げることに繋がるので、トナー凝集体を生成するなどの問題が出てくる。そこで、カートリッジトナー残量が規定値以下になったら、上記搬送パドル３２ａ、３２ｂの回転数を落としていくのが、さらに望ましい制御である。それには、光検知手段や圧電式（自励振動）粉体検知手段をトナーカートリッジ３２に配置し、それによってトナーカートリッジ３２のトナーレベルを検知して、トナーの量が規定値を下回ったことを検知したときに、前記回転数を下げるように制御を行う。
例えば、あるトナー規定量以上の場合、２倍速と設定していて、そのトナー規定量を下回ったら、１倍速に戻す、もしくはさらに０．７倍速程度まで減速するというように、回転速度を可変とする。
ここで、トナー検出手段は、図１の第２搬送パドル３２ａ（カートリッジ前方部）動作範囲で第３の搬送パドル３２ｂ（カートリッジ後方部）によってトナーが送られる空間に検知手段を配置して、第３の搬送パドル３２ｂが通過してトナーを送った後に検知手段にてモニターすることによって、残量を確実に検知できる。
【００４８】
（実施例６）
実施例５のカートリッジトナー検知手段に替わり、当該トナーカートリッジ３２で使用した画像面積カウントの累積値が、規定値を超えたら回転数を落としていくという方法によっても、攪拌性の確保と、トナーカートリッジ残量が少なくなってきたときの凝集悪化防止を両立することが可能である。トナーカートリッジ３２の寿命に相当する画像面積カウントの累積値を１００％として、０％（新品状態）から１００％に行く間に、段階的に搬送パドルの回転数を切り替えて、特に寿命に近づいていくにしたがって低下させていく。
例えば、０−５０％：２倍、５０−７０％：１．５倍、７０−８０％：１倍、８０−９０％：０．７倍、９０−１００％：０．５倍という具合に変化させる。トナーカートリッジ３２は、供給不足にならないように、トナーカートリッジ３２残量が、８０％程度までは高めの供給能力を維持するように設計されているので、上記のように７０％まで１．５倍速以上、８０％までは１倍速以上となるようにした。本現像装置３０においては、制御弁３４によるトナーカートリッジ３２への排出もあるので、その間はトナーの循環を積極的に行うという意図である。
８０％以降は、供給・排出ともに低下してきて、かつ現像ホッパ３１１・トナーカートリッジ３２のどの場所をとってもトナーの特性差が小さくなる（全体的に劣化してくる状態になる）ので、むしろトナーの劣化を穏やかにする意味で搬送パドルの回転数を落とすのが良い。
【００４９】
ここで、実施例の説明を進めていく前に、現像ホッパ３１１内のトナーの劣化と、トナーカートリッジ３２から供給されたトナーとの攪拌で特性が回復する過程について、説明する。
トナーは、現像ユニット３１におけるトナー供給ローラ３１ｂ、規制ローラで押圧力を受ける。この押圧力を受けることで、トナー表面の凸凹が欠けて表面が滑らかになり、感光体との付着力が大きくなりクリーニングされにくくなる。そのために、環境が低湿になるとクリーニング不良が発生することがある。また、転写性は向上するが、従来転写されても目視上表れなかった白地背景部にカブリが表れるようになる。また、トナーが押圧を受けることで、トナー表面に存在する外添剤がトナー内部に埋没する。これは、後で外添剤に関しては詳説するが、外添剤はトナーより硬度が高いために、トナー内部に埋没する。トナー表面に存在する外添剤が少なくなることで、トナーの帯電性が変わる。特に、外添剤として用いるシリカは、比表面積が大きいので帯電量が高く埋没によるトナー表面の外添剤量によってトナーの帯電量は大きく変化する。
また、もう一つの影響として、外添剤埋没によってトナーの流動性が低下する。この流動性は、トナーの付着力を示すもので、流動性が高ければ、トナーと例えば感光体等との間の付着力を小さくする。同様に、現像スリーブ３１ａとトナーとの間の付着力を小さくして現像性を高める。逆に、埋没でトナー表面に存在する外添剤量が少なくなると、即ち、トナーの流動性が低下し、現像性が低下する。
【００５０】
そこで、トナーカートリッジ３２のトナーが現像ユニット３１の現像ホッパ３１１に補給されたとき、トナーカートリッジ３２のトナーの特性と現像ホッパ３１１に残存しているトナーの特性の違いによって、残存トナーと補給トナーが混合した際に、トナー・トナー間で摩擦帯電し、帯電性の下がっている残存トナーが逆帯電や弱帯電化を起こして、地汚れなどの現象を引き起こすという問題がある。
なお、現像ホッパ３１１に残っているトナーの帯電性低下の理由は、次のように考えられる。トナーは使用して行くうちに、攪拌や摩擦等の外的ストレスを受けて、表面の添加剤が脱離したり、埋没したりして、トナー粒子表面を覆う添加剤量が減少していく。トナー粒子としての帯電量には、表面付着している添加剤の帯電量が付加されているので、シリカなどマイナス側（トナーと同極性）に帯電する添加剤が減少すると、その分トナー粒子の帯電量が低下する事になる。
さらに、外的ストレスを受けて、トナー表面の帯電サイト（トナーに内添されている帯電制御材料がトナー表面に露出している部分が帯電サイトとなり、摩擦帯電等で部分的に帯電しトナーの帯電を維持する）が、表面の削れなどで減少することも、劣化トナーの帯電性が低下している原因のひとつと考えられる。
【００５１】
ところで、劣化したトナーに新しいトナーを混ぜて攪拌する場合、攪拌が不十分であると、トナーの帯電性が不安定となり逆帯電トナーが生成され、地汚れ等、異常画像が発生する。十分攪拌すると、劣化したトナーと新しいトナーとの混合系であるが、トナーの帯電性が安定化して、異常画像の発生が無く、良好な画質が維持される。
そのためには、トナーの流動性を維持した状態で攪拌しないとトナーの帯電性が回復しない。また、トナーの流動性を維持した状態で攪拌し、現像部に供給しないとトナーの帯電が不十分となり、トナー自身の帯電特性の安定化したトナーを現像部に供給しないと、逆帯電化、帯電分布のブロード化しやすい。
さらに現像ホッパ３１１での攪拌混合については、劣化したトナーと新しいトナーの混合比が影響する。すなわち、新しいトナーの割合が劣化トナーの割合より多いとトナーの帯電が短時間で安定化する。
【００５２】
劣化したトナーの劣化度合いによっても、混合比および、攪拌時間が影響する。つまり、劣化が著しくなった場合には、帯電の回復がかなり難しくなり、新しいトナーの混合比が十分高く、しかも長い攪拌時間が必要となる。
したがって、ホッパ内のトナーのごく一部でも劣化が他のトナーよりも進みすぎてしまったような場合、全体的な安定化が困難となるので、そのような劣化を起こさないようにするのが肝要である。
ここで、劣化したトナーに対して、新しいトナーから外添剤、特に、トナーと同じ帯電極性をもつ添加剤が、劣化したトナーの表面に移って、表面に再付着することで、劣化したトナーの帯電性を高め、トナー表面の凝集力を低下させるために、トナーどうしの摩擦帯電を起こしずらくして、さらに流動性が回復するので、正常なトナー摩擦帯電や正常なトナー層の形成が可能となる。これを劣化トナーの特性回復とみなす。
【００５３】
（実施例７）
ところで、トナーの外添剤は、トナーの流動性の向上や、帯電性制御、凝集の防止などの目的で添加される。帯電性の制御について言うと、疎水化シリカは、トナーの母体樹脂に対して帯電系列が負極性側であり、トナー表面に付着して負電荷を保持することでトナー帯電を補助する作用を行う。母体トナーの特性にもよるが、シリカのみ外添している場合と、さらに別種の外添剤を加えて複数種が移転している場合がある。複数種外添しているケースは、低湿環境のときに帯電量が高くなりすぎて、現像特性が変化してしまうのを防止するためで、トナー母体樹脂に対して帯電極性が正側の酸化チタンやアルミナなどを、シリカに加えて添加する場合がある。
ここで、この混合外添剤の重量比率が、今まで説明してきた、劣化トナーと新しいトナーを混ぜたときの劣化トナーの回復性および、トナー全体の特性の安定化に大きく影響している。まず、２種類の外添剤を加えているケースであるが、以下の外添剤処方のトナーについて、劣化させたトナー（劣化させる空回し条件は固定）に、未使用のトナーをそれぞれ同じ重量比で加え、それほど長くない一定時間、攪拌した後の、トナー粒子の帯電量分布を測定した。
＜外添剤条件１のトナー＞
疎水化シリカ（粒径小） ０．９部
酸化チタン １．１部
＜外添剤条件２のトナー＞
疎水化シリカ（粒径小） １．０部
酸化チタン １．１部
＜外添剤条件３のトナー＞
疎水化シリカ（粒径小） １．１部
酸化チタン ０．９部
【００５４】
図１０は、外添剤条件によるトナーの帯電量分布を測定したグラフを示している。その結果を、図１０に示すが、条件１のトナーでは、帯電量分布が横に広がって、特にプラス側（逆帯電）のトナーの比率が高まっている。このようなトナーの混合状態では、地汚れや濃度ムラが発生しやすい。条件２のトナーは条件１のトナーに較べると逆帯電トナーの量も少なくなって、分布の広がりも狭くなっており、ほぼ実用上問題ない帯電量分布と言える。さらに、条件３のトナーでは、分布がよりシャープとなり、帯電量もマイナス側にシフトしてきて、画像はもっとも良好であった。
同様な劣化トナー混合攪拌試験を、疎水化シリカのみ添加する系について行ったところ、シリカが１．１重量部以下のとき、混合したトナーは逆帯電トナーが多く、の帯電分布がブロードで、画像も良好でなかった。シリカを１．２重量部以上では、逆帯電トナーの量がだいぶ減少し、画像品質も比較的ムラ無く、さらに１．３重量部以上では、かなりトナー帯電が高い方向で安定して、画像は最も良好であった。
以上から、劣化したトナーと新しいトナーを攪拌しながら使用する方法をとる場合には、劣化トナーを回復させ、トナー全体の帯電性を安定させるためには、疎水化シリカのみ外添している系では、１．２重量部以上外添することが必要で、また、シリカを含み、複数種外添する場合は、ほかに３種類の外添剤の場合（シリカ、アルミナ、酸化チタン）も確認したが総添加剤量が2重量部以上で、かつ疎水化シリカの添加剤量はその５０％以上添加することが必要であるという結果が得られた。
【００５５】
また、外添剤の総量を増やして、どの程度の範囲が適正かを調べた結果を図１１に示す。図１１は、トナーへの外添剤の量と問題発生のレベルとの関係を示すグラフである。（ただし図１１は、複数の添加剤を使用したケースである。ここでは調査範囲としては０．３重量部から８重量部までを調べた）図１４のように、外添剤量が少ないと、感光体クリーニングの余裕が低下して、クリーニング不良が早期に発生することになり（概ね０．７部以下、また上で説明したように、新旧トナーを混ぜたときの帯電の安定性が不足した。
逆に増量した場合は、７重量部を超えると、感光体表面に外添剤の固着やフィルミングが起こり、異常画像が発生したり、クリーニングブレードや定着ローラの磨耗が大きくなって、それらの寿命を下げてしまう結果となった。この結果から、他のユニットの寿命を下げずに、また異常画像の発生がなく、しかも劣化トナーと供給したトナーを攪拌してトナーの帯電性が安定させることができる適正な、外添剤の添加量は、シリカを含む複数の添加剤を使用する場合では、２重量部〜７重量部の間、シリカのみの使用する場合は、１．２重量部〜７重量部の間である。
上では、劣化トナーを短時間で新しいトナーと攪拌して、帯電特性、流動性を回復させるのに適した、外添剤量があることを述べてきた。おなじく、トナーの劣化を遅らせてトナー特性を安定して使用していくためには、劣化トナーの量を適正範囲内に押さえ、またその劣化度合いを進ませる事無く、回復できるレベルとするために、いままでも述べてきたが、ホッパのトナーの量を安定させる、ホッパ変供給量とトナーカートリッジ３２への排出量を安定させるために制御する、回復が有効な攪拌を行うといった、動作が必要である。
【００５６】
（実施例８）
図１２は、本発明の実施形態の画像形成装置における現像装置３０の駆動系の構成を示す概略図である。図１２に示すように、現像装置３０の各回転体のうち、現像スリーブ３１ａ、現像ホッパ搬送パドル、トナーカートリッジ搬送パドルのそれぞれの駆動軸は図とおりである。現像モータ１から省略している減速駆動系を経由してギア４１に駆動が伝わる。
ギア４１に直結している駆動軸から、その駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ４１を経由して現像スリーブ３１ａのギアを駆動するギア４４に駆動を伝達する。
また、一方、ギア４１からギア４２を経てギア４３を回転させ、ギア４３に直結している駆動軸から、その駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ４２を経由して現像ホッパ３１１の搬送パドルへ駆動力を伝達する。
さらに、現像モータ２から省略している減速駆動系を経由して駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ４３を経由してトナーカートリッジ３２の搬送パドルへ駆動力を伝達する。
以上の構成で、クラッチ４１とクラッチ４２をＯＮ／ＯＦＦする事で、現像ホッパ３１１の搬送パドルを、現像スリーブ３１ａと独立して駆動動作させることが可能であり、さらに、クラッチ４１がＯＦＦ時、クラッチ４２とクラッチ４３をＯＮ／ＯＦＦする事で、現像ホッパ３１１の搬送パドルと、トナーカートリッジ３２の搬送パドルを任意のタイミングで回転させることが可能となり、現像モータ１および現像モータ２の回転方向と回転数を変えることによって、現像ホッパ３１１の搬送パドルと、トナーカートリッジ３２の搬送パドルを任意の回転方向、回転速度で回転させることが可能となる。
図としては、本例のみ提示したが、他の駆動例として、現像ホッパ３１１の搬送パドルと、トナーカートリッジ３２の搬送パドルの駆動軸間に変速機構や、逆転機構を入れる構成をとることも可能である。そうすれば現像モータを２つ使用しなくても、動作は可能となる。
【００５７】
（実施例９）
使用環境の温度や湿度が高く、トナーの流動性が低下しているときに、トナーカートリッジ３２から現像ホッパ３１１への供給量を確保したいとき、画像形成装置本体に使用環境の温度・湿度を検知する手段を有し、規定した温度もしくは湿度以上となったときに、現像非動作時に行う、カートリッジ搬送パドルの回転数動作の回転数を通常よりも高く設定して、トナーカートリッジ３２内のトナーの流動性を上げて、現像ホッパ３１１に流れ込みやすくして、現像ホッパ３１１への供給量を高める。
【００５８】
（実施例１０）
トナーカートリッジ３２内のトナーの攪拌を積極的に行うために、トナーカートリッジ３２の搬送パドルの回転数を上げるがトナーカートリッジ３２に戻したトナーが、攪拌不十分なまま現像ホッパ３１１に供給されるのを防ぐために、現像ホッパ３１１の制御弁３４の駆動回数を落として、現像ホッパ３１１側への供給を押さえる。
【００５９】
（実施例１１）
現像ホッパ３１１への供給量増加を行うために、すばやくトナーカートリッジ３２内のトナーの流動性を高めたい場合、例えば、ユーザーの使用法によって高面積画像（例えば画像面積率２０％以上）を取る頻度が高く、現像ホッパ３１１のトナー量が減る傾向がある場合に、本体にプリント出力する画像の画像面積をカウントおよびそのカウント値を記憶する手段を有し、ページ数あたり所定の画像面積カウントを超えている場合に、トナーカートリッジ３２の搬送パドルの回転数を高めて、トナーカートリッジ３２のトナーの流動性を上げて、現像ホッパ３１１に流れ込みやすくする。
または、現像頬ホッパのトナー量を検出する手段を有し、そのトナー量が規定値を下回った場合、トナーカートリッジ３２の搬送パドルの回転数を高めて、トナーカートリッジ３２のトナーの流動性を上げて、現像ホッパ３１１に流れ込みやすくする。
【００６０】
（実施例１２）
現像ホッパ３１１への供給量増加を行うために、すばやくトナーカートリッジ３２内のトナーの流動性を高めたい場合、使用していたトナーカートリッジ３２がトナーエンドに達して、新しいトナーカートリッジ３２に交換したときに、現像ホッパ３１１に新しいトナーを十分な量供給するために、通常よりカートリッジ搬送パドルの回転数を上げる。特に、新しいトナーカートリッジ３２は長期間の保存により、トナーがしまって流れにくい状態となっているので、新しいトナーカートリッジ３２であることを、新品検知フラッグにより検知したら、上記のように、トナーカートリッジ３２内の攪拌を十分行う。
【００６１】
（実施例１３）
現像ホッパ３１１の搬送パドルは、トナーの攪拌、供給ローラ３１ｂへのトナーの搬送を行い、さらに制御弁３４を駆動して、トナーカートリッジ３２からのトナーの供給と、トナーカートリッジ３２へのトナーの排出を行っている。ここで、現像時には供給ローラ３１ｂへトナーを供給しなくてはならないので、搬送パドルはホッパの底面に沿いながらトナーを羽根で供給ローラ３１ｂ側に送り寄せるように作動させる必要があり、そのような回転方向が多く採られる。しかし、この回転方向は、現像ホッパ３１１からトナーカートリッジ３２側にトナーを送り出す作用は無く、そこで、制御弁３４の作用でトナーをトナーカートリッジ３２に排出させているが、排出能力に限界がある。
ここでは、非現像動作時、現像ホッパ３１１の搬送パドルの回転方向を現像時の回転方向と逆方向にする例を説明する。具体的には、搬送パドルを逆回転させることで、ホッパ底面のトナーをすくい上げ、連通口部にトナーだまりを形成する。次に制御弁３４を搬送パドルで駆動して、トナーだまりより、トナーを、連通口を経て、トナーカートリッジ３２側に戻す。このように動作させる事で、トナーカートリッジ３２への排出性能を高めることができる。
また。逆転させる事による別の作用として、現像スリーブ３１ａと、供給ローラ３１ｂ、規制ローラ部に空間を作り、そこにとどまっているトナーを動かし易くして、劣化トナーの滞留を防止できる。
【００６２】
（実施例１４）
この搬送パドルを逆回転させる場合、カートリッジ側の搬送パドル３２ａ、３２ｂの動作は、以下のように選択可能である。トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂも、逆回転するようにする。つまり、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄと、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの駆動が直結していて、現像ホッパ搬送パドル３１ｄが逆回転するとき、同時にカートリッジ搬送パドル３２ａ、３２ｂも決まった回転比で逆方向に回転させる。こうすることによって、トナーカートリッジ３２の連通口部に空間を作りやすくして、トナーの現像ホッパ３１１からトナーカートリッジ３２への戻り効率を上げることができる。
【００６３】
（実施例１５）
続いて、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂは通常方向の回転の場合、例えば、トナーカートリッジ３２の内部構成によっては、カートリッジ搬送パドル３２ａ、３２ｂの回転方向が一方向の方が良い場合がある。
例えば、トナーカートリッジ３２のトナーの排出能力を高めるために、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂを内面をこするぐらい長さを長くしている場合などである。
現像ホッパ３１１からトナーカートリッジ３２側にトナーを効率よく戻すためには、トナーカートリッジ３２の連通口部に空間を作らなくてはならないので、現像ホッパ３１１の搬送パドルを逆回転動作させるときは、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの回転数を遅くして、空間形成時間を長くしたり、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの位置検出手段を有し、空間形成位置にトナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの位置を固定、もしくはその位置の回転移動を遅くするなどの方法をとることができ、トナーカートリッジ３２へのトナー戻し量を増加させることが可能である。
【００６４】
（実施例１６）
また、このように単独で、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄとトナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの動作を行ったとき、その位相が違ってしまうのを防止するために、上記位置検出手段と、それらを独立して駆動することにより、位相合わせを行うことができる。また、この搬送パドルの逆回転動作を行うのに、以下の条件のもとで行うのが、トナーの特性安定化のためには有効である。すなわち、現像ホッパ３１１のトナー量が規定よりも多くなったとき、現像ホッパ３１１内での攪拌性が低下してしまうので、現像ホッパ３１１のトナー量を検知する手段を設け、それが規定値以上になったとき、上記現像ホッパ３１１の搬送パドルを逆方向に回転させて、現像ホッパ３１１のトナー量を適正化し、トナーの特性を安定化させる。
現像装置３０から感光体へ消費されるトナー量は、画像面積により、極端に低画像の場合は、制御弁３４による戻し作用があっても、現像ホッパ３１１のトナー量は増加する傾向が発生するので、上記のような動作をさせるのは、有効である。
【００６５】
（実施例１７）
上記に関連して、画像面積が極端に低い場合は、現像ホッパ３１１のトナーの劣化が進行してしまうので、そのようなときには積極的にトナーカートリッジ３２への排出を促進するのが良い。
すなわち、プリント出力される画像の画像面積をカウントする手段を有し、ページあたりの画像面積カウント値を計算して、それが規定値以下（例えば２％以下）の場合、ある所定のページ出力に達したときの現像ホッパ搬送パドル３１ｄの回転動作を、逆方向の回転で行うようにする。
同様に、トナーの劣化が進み易い条件として、連続動作が多い場合は、高温度、高湿度の環境での使用時があるが、それぞれ、単位時間内でのプリント出力を計算したり、使用される環境の温度・湿度を検出する手段によって、規定値を超えたときに、現像ホッパ搬送パドル３１ｄの回転動作を、逆方向の回転で行うようにする。
以上により、現像ホッパ３１１に劣化したトナーが多く残ることを防止して、トナー全体の劣化を押さえ、特性を安定化できる。
【００６６】
（実施例１８）
現像ホッパ３１１の搬送パドルを逆回転したときは、トナーカートリッジ３２に多くのトナーを戻され、それが大きな目的である。
また前にも記載したが、トナーをトナーカートリッジ３２に多く戻したときは、トナーカートリッジ３２内での攪拌性を上げる必要があり、またそのときの最適な攪拌動作は、トナーカートリッジ３２のトナー使用量によって変わってくるので、以下のような実施例で動作を適正化する。
すなわち、プリント出力される画像の画像面積をカウントする手段を有し、トナーカートリッジ３２の寿命に相当する画像面積カウントの累積値を１００％として、０％（新品状態）から１００％に行く間に、段階的にトナーカートリッジ３２の搬送パドルの回転数を切り替えて、特に寿命に近づいていくにしたがって低下させていく。
例えば、０−３０％：１倍、３０−６０％：２倍、６０−８０％：１．５倍、８０−１００％：１倍という具合に、トナーカートリッジ３２の初期はトナーの劣化が小さいので、それほど攪拌する必要が無いので、１倍速で使用するが、トナーカートリッジ３２のトナーがある程度減ってくると、攪拌性を上げる必要があり、ここでは仮に２倍速や１．５倍速という設定とする。トナーカートリッジ３２の寿命近くになると、現像ホッパ３１１とトナーカートリッジ３２のトナーの劣化度合いに差が小さくなり、十分攪拌する必要がなくなるので、再び１倍速に戻す。
【００６７】
（実施例１９）
現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄを攪拌動作させ、制御弁３４を駆動して、トナーの循環と攪拌動作を行うと、現像ホッパ３１１とトナーカートリッジ３２間でトナーが行き来して、現像ホッパ３１１のトナー量は変化する。
そこで、現像ホッパ３１１にトナーレベルを検知する手段を有し、適正なトナー量となるように上記攪拌・駆動動作を行って、現像ホッパ３１１のトナー量を安定化させることは、トナーの劣化を押さえるのに有効である。
この方法は、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄが通常の回転方向でも、逆に回転させたときでも、またその組み合わせの時でも、同じくトナー特性の安定化、劣化防止には効果がある。
【００６８】
（実施例２０）
低面積画像を多くプリント出力する場合、現像スリーブ３１ａ上のトナーのうち、大部分は感光体に現像されず、すなわち消費されず現像ニップ通過後、現像スリーブ３１ａ上に留まり、供給ローラ３１ｂ等で完全に掻き落されないと、そのまま現像スリーブ３１ａ上を幾周も残ってしまう。このようなトナーは劣化の進行が早く、いろいろな異常画像を発生させる原因ともなっている。
そこで、ある基準面積率を決めておき（例えば２％）、それ以下の画像の場合は、基準面積率に満たないトナー量を、現像スリーブ３１ａから定期的に感光体へ現像・消費する方法がとられている。なお、感光体のクリーニング負荷を上げたくないため、消費パターンはドット構成のハーフトーンや、横ライン構成のハーフトーンが多い。
また、現像スリーブ３１ａ上のトナーの消費は、劣化の進んだ状態のトナーのみを消費するのが最善の方法であるが、今までは、現像スリーブ３１ａの劣化したトナーのうえに、現像ホッパのトナーが混在して、それらをまとめて消費していた。
そこで、以下の実施例に、できるだけ劣化したトナーの消費比率を多くする方法を提示する。
【００６９】
すなわち、低画像が続いた後、消費すべき劣化トナーの量を計算して、消費モードに入る際に、現像ホッパの攪拌パドルを停止して、供給ローラ３１ｂや現像スリーブ３１ａに現像ホッパ内のトナーを供給しない状態を作って、現像ローラ、供給ローラ３１ｂを回転させ、感光体に通常の現像電界で劣化したトナーを移行させる。その際、完全に劣化トナーの除去は、接触現像においては難しいが、現像ホッパ３１１の劣化度の低いトナーまで消費すること無く、劣化トナーを優先的に消費する事ができる。その後，現像スリーブ３１ａを停止して、かわりに現像ホッパの搬送パドル３１ｄを攪拌駆動し、現像ホッパ３１１のトナーの帯電安定化をはかり、つづいて現像スリーブ３１ａ・供給ローラ３１ｂ・搬送パドル３１ｄを回転駆動して、安定した特性のトナーを供給ローラ３１ｂおよび現像スリーブ３１ａに供給することで、良好な現像特性および良好な画質を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【００７０】
【図１】本発明にかかわる現像装置の構成を示す概略図である。
【図２】本発明の現像装置における現像ユニットに配置される制御弁の構造を示す概略図である。
【図３】トナーカートリッジ側から現像ユニットにトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。
【図４】トナーカートリッジ側のトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。
【図５−１】現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。
【図５−２】現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。
【図５−３】現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。
【図６】本発明に係る第１搬送パドルを示す図である。本発明に好適に用いる第１搬送パドルの斜視図である。
【図７】本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図８】本発明の現像装置における連通口の構成を示した概略図であり、（Ａ）は現像ユニット３１側の構成を示し、（Ｂ）はトナーカートリッジ側の構成を示している。
【図９】本発明の実施形態の画像形成装置における現像装置の駆動系の構成を示す概略図である。
【図１０】外添剤条件によるトナーの帯電量分布を測定したグラフを示している。
【図１１】トナーへの外添剤の量と問題発生のレベルとの関係を示すグラフである。
【図１２】本発明の実施形態の画像形成装置における現像装置の駆動系の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【００７１】
１ 画像形成装置
１１ 感光体
１２ 感光体クリーニングユニット
１３ 第１の帯電手段
１４ 駆動ローラ（感光体）
１５、１６ 従動ローラ（感光体）
２０ 露光手段
２１ レジストローラ
２５ 給紙ローラ
２６ 接離機構
３０ 現像装置
３１ 現像ユニット
３１１ 現像ホッパ
３１ａ 現像スリーブ
３１ｂ 供給ローラ
３１ｃ 規制ローラ
３１ｄ 第１搬送パドル
３１ｅ スライドシャッター
３１ｆ 弾性部材
３１ｇ 窓部
３２ トナーカートリッジ
３２１ 第１収納室
３２２ 第２収納室
３２ａ 第２搬送パドル
３２ｂ 第３搬送パドル
３２ｃ スライドシャッター
３２ｄ 弾性部材
３２ｅ 固定シール
３３ 連通口
３４ 制御弁
３４ａ 支持部
３４ｂ フィルム
３５ リブ
４０ 中間転写ベルトユニット
４１ 中間転写ベルト
４２ ベルトクリーニングユニット
４３ マークセンサ
４４ 駆動ローラ（中間転写ベルト）
４５ 一次転写バイアスローラ
４６、４７ 従動ローラ
４９ ベルト位置検出マーク
５０ 二次転写ユニット
５１ 二次転写バイアスローラ
６０ 定着手段
７０ 両面搬送装置
８０ 給紙装置
８１ 給紙ローラ
８３ 手差しトレイ
９０ 転写材
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複写機、プリンタ、ＦＡＸなどの電子写真方式の画像形成装置に用いる現像装置及びこの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、オフィスにおけるＯＡ化、カラー化が一段と進み、従来の文字のみからなる原稿の複写だけではなく、パーソナルコンピュータで作成したグラフ等を含む原稿をプリンタにて出力し、プレゼンテーション用の資料等として多数枚複写する機会が増している。プリンタ出力画像は、ベタ画像、ライン画像、ハーフトーン画像が多く、それにともない画像品質に求められる市場の要求が変化しつつあり、また、高信頼性等の要求も更に高まっている。
電子写真、静電記録、静電印刷等の電子写真方式に使用される現像剤は、その現像工程において、例えば、静電潜像が形成されている像担持体（代表的には感光体）に一旦付着され、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体に転写された後、定着工程において紙面に定着される。その際、像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤としては、キャリアとトナーから成る二成分系現像剤及び、キャリアを必要としないでトナーのみからなる一成分系現像剤（磁性トナー、非磁性トナー）が知られている。
二成分系現像剤は、トナー粒子がキャリア表面に付着することにより現像剤が劣化し、また、トナーのみが消費されるため現像剤中のトナー濃度が低下するので、キャリアとトナーとの混合比を一定割合に保持しなければならず、そのため現像装置が大型化するといった欠点がある。
一方、一成分系現像剤は、現像装置の小型化が可能等の利点を有しており、あらゆる環境下（低温低湿、高温高湿）での使用が容易であるなどの理由から現像方式の主流になりつつある。
【０００３】
ところで、一成分系現像剤は、磁性トナーを用いる磁性一成分現像剤と、非磁性トナーを用いる非磁性一成分現像剤とに分類される。
磁性一成分現像剤を用いる磁性一成分現像方式は、内部にマグネットなどの磁界発生手段を設けた現像スリーブを用いて、マグネタイトなどの磁性体を含有する磁性トナーを保持し、層厚規制部材により、薄層化し現像するもので、近年小型プリンタなどで多数実用化されている。これに対して、非磁性一成分剤を用いる非磁性一成分現像方式は、トナーが磁気力を持たないため、現像スリーブにトナー補給ローラなどを圧接して現像スリーブ上にトナーを供給し、静電気的に保持させ、層厚規制部材により、薄層化して現像するものであり、有色の磁性体を含有しないためカラー化に対応できるという利点があり、また現像スリーブにマグネットを用いないため、装置のより軽量化、低コスト化が可能となり、近年小型フルカラープリンタ等で実用化されている。
【０００４】
しかしながら、一成分現像方式では、未だ改善すべき課題が多いのが現状である。二成分現像方式では、トナーの帯電、搬送手段としてキャリアを用い、トナーとキャリアは現像装置内部において十分撹拌、混合された後現像スリーブに搬送され現像に供されるため比較的長時間の使用においても安定した帯電、搬送を持続することが可能であり、また、高速の現像装置にも対応しやすい。これに比べ、一成分現像方式ではキャリアのような安定した帯電、搬送手段がないため、長時間使用や高速化による帯電、搬送不良が起こりやすい。
特に、非一成分現像方式は現像スリーブ上へトナーを搬送した後、層厚規制部材にてトナーを薄層化させて現像するが、トナーと現像スリーブ又は層厚規制部材などの摩擦帯電部材との接触・摩擦帯電時間が非常に短いため、キャリアを用いた二成分現像方式より低帯電、逆帯電トナーが多くなりやすい。また、少なくとも１つのトナー搬送部材によってトナーを搬送し、かつ、搬送されたトナーによって像担持体に形成された静電潜像を現像する手段が採られているが、その際、トナー搬送部材表面のトナーの層厚は極力薄くしなければならない。このために、層厚規制部材による押圧力を受けるために、トナー表面に外添された外添剤のトナー内部への埋没が激しく、トナーの帯電性、流動性が大きく低下するという不具合がある。
【０００５】
この不具合を解消するために、特許文献１では、現像スリーブは、表面に現像剤の帯電極性と同極性の帯電極性を有する導電性樹脂層が備えられ、導電性樹脂層は、少なくとも結着樹脂、導電性微粉末、及び荷電制御剤を含有し、撹拌部材の回転中心Ｘが、現像スリーブの回転中心を横切る水平面Ｈに対して下側に位置する現像装置が開示されている。
また、特許文献２では、トナー補給口に逆支弁を設けて、カートリッジ側にトナーが戻る（逆流する）のを防止する構成を示している。
しかし、上述に開示された技術では、現像装置内にあるトナーの帯電性、流動性を長期にわたって安定化させることは困難で現像ホッパのトナーの劣化が進んでしまうという問題点がある。
【０００６】
【特許文献１】特開２００５−０６２２１５号公報
【特許文献２】特開２００２−１６２８１７公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
また、最近の検討では、カートリッジのトナーが現像ホッパに流入したときに、現像ホッパ内のトナーの攪拌が不十分であると、カートリッジのトナーの特性によって、現像ホッパに残っていたトナーが逆帯電を起こして地肌汚れを発生させたり、現像ユニットの現像ローラや入り口シール、トナー規制部材などの表面性のわずかな違いを拾って縦スジ状のトナー層ムラを起こし、画像にスジムラを発生させるなどの原因になっている事が、判明してきた。
【０００８】
これによって、例えば、以下のように、（１）カートリッジから供給されたトナーがホッパのトナーと混じって攪拌される前に、制御弁によってカートリッジ側に戻されてしまうことそれによって、ホッパに新しいトナーの供給が阻害されることと、カートリッジに劣化したトナーが戻す効率が低下すること、（２）カートリッジからホッパに供給されたトナーは、制御弁を駆動している回転攪拌部材により、もともとホッパに入っていたトナーと攪拌され、現像ローラ側に搬送されるが、１つの攪拌部材で攪拌と搬送を行うため、十分攪拌される前に、現像ローラに供給されてしまう事が起きている。それにより、新しい帯電性の高いトナーと、現像ローラ付近の帯電性の低下したトナーが混ざり、現像ローラ上で、その２種類のトナーが摩擦帯電することで、逆帯電トナーの生成、帯電の不安定化が起き、地汚れの発生解像度の低下など、画質を劣化させてしまう、（３）同じく攪拌が不十分であることによって、現像ローラ周辺部のトナーの回復が遅れ、流動性が低下して、ますます入れ替わり難くなることでトナー劣化（添加剤埋没、凝集度アップ）が進んでしまう。このことにより、トナー凝集体を作って白スジの発生、現像ローラへのトナー固着、フィルミング（フィルム状の固着）、入口シールや端部シールなどへのトナー固着によるスジムラやトルク上昇が引き起こされるという、問題が生ずることもわかってきた。
【０００９】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、現像ホッパとトナーカートリッジの間でトナーを循環させることにより、トナーの劣化を緩和することができる画像形成装置を提供することである。
また、カートリッジのトナー量の影響を受けずに安定してトナーの循環動作や攪拌動作を実現して、現像装置内のトナーの帯電性、流動性の低下を抑える現像装置及びこれを用いることで、長期にわたって高品位の画像を得ることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の現像装置では、像担持体の潜像をトナーで現像する現像ユニットと、現像ユニットにトナーを補給するトナーカートリッジとを横方向に配列し、トナーカートリッジを自在に着脱できる現像装置であって、前記現像ユニットは、トナーカートリッジから補給されたトナーを溜める現像ホッパと現像ホッパにあるトナーを供給ローラに送る搬送パドルと、送られたトナーを現像スリーブに供給する供給ローラと、現像スリーブ上のトナーを規制してトナー層を形成するトナー層規制部材と、トナー層規制部材によって規制されたトナー層を像担持体に接触して現像する現像スリーブから構成されていて、かつ、前記現像装置は、トナーカートリッジと現像ユニットとの間でトナーを通過させる連通口と、その通過させるトナー量を制御するために現像ホッパ側内面に制御弁とを備える現像装置において、現像ホッパの搬送パドルを、現像スリーブと独立して駆動動作可能にし、非現像動作時に現像ホッパの搬送パドルを駆動動作させることを特徴とする。
【００１１】
また、本発明の現像装置では、さらに、非現像動作時に現像スリーブを停止した状態で、現像ホッパの搬送パドルを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、非現像動作時で駆動動作する現像ホッパの搬送パドルの回転数が、現像動作時の搬送パドルの回転数と異なる回転数で回転することを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、非現像動作時で駆動動作する現像ホッパの搬送パドルの回転方向が、現像動作時の搬送パドルの回転方向と逆方向に回転可能とすることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、前記現像ホッパの搬送パドルと、前記トナーカートリッジの搬送パドルの回転するタイミングと、回転数比を可変とし、さらに、前記制御弁の駆動周期、タイミングを可変とし、非現像動作時に、現像ホッパの搬送パドル、制御弁及びトナーカートリッジの搬送パドルを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の現像装置では、さらに、前記現像装置に用いられるトナーは、その帯電極性が負帯電であって、トナーの表面に付着させる外添剤が疎水化シリカのみの場合は、その外添量をトナー１００重量部に対して１．２〜７．０重量部とする、または、トナーの表面に付着させる外添剤が疎水化シリカを含む複数種の外添剤を使用する場合は、その外添剤総量が２．０〜７．０重量部で、そのうち疎水化シリカの割合が合計添加剤量の重量で５０％以上とすることを特徴とする。
【００１２】
本発明の画像形成装置では、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体を介して記録部材に転写する転写装置と、像担持体上のトナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、上述のいずれかに記載の現像装置を用いることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、印刷した画像の画像面積をカウントするカウント手段と、画像面積カウント値を記憶する画像面積記憶手段を有し、記憶された画像面積カウント値から、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
【００１３】
また、本発明の画像形成装置では、さらに、現像ホッパのトナー量を検知する現像ホッパ検知手段を有し、その検知した現像ホッパのトナー量から、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、トナーカートリッジのトナー量を検知するトナーカートリッジ検知手段を有し、その検知したカートリッジのトナー量から、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、印刷出力したページ数をカウントし、記憶するページ記憶手段を有し、記憶されたページカウント値から、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、使用雰囲気の温度又は湿度を検知し記憶する環境記憶手段を有し、温度、湿度、記憶した温度を基にした変化、記憶した湿度を基にした変化の中から選択して、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置では、さらに、非現像動作時に現像スリーブからトナーを感光体に付着して消費するモードを持ち、当該現像装置が、前記トナーを消費する動作時に、搬送パドルを停止して、トナーを供給ローラに搬送しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１４】
以上説明したように、本発明の実施形態である画像形成装置では、トナーに現像に寄与しない攪拌等をさせず、トナーに対して必要な攪拌・循環ができるので、トナー攪拌の不足を補って、劣化トナーの回復性の維持を図り、長期にわたってトナーの帯電の安定化をはかり、異常画像の発生を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【００１６】
図１は、本発明にかかわる現像装置の構成を示す概略図である。
図１は、制御弁をつけて、カートリッジと現像ホッパのトナーの循環性を改良したタイプである。この循環タイプでは、カートリッジと現像ホッパ間でトナーを循環して攪拌するため、劣化度合いが均一化され、極度に劣化が進むことなく、最小限のトナー劣化で抑えられるため、トナーの特性の安定性については、こちらの方が優れている。
現像装置３０は、像担持体である感光体１１の潜像を現像剤であるトナーで現像する現像ユニット３１と現像ユニット３１にトナーを補給するトナーカートリッジ３２とを備える。
現像ユニット３１は、感光体１１に対向していて、感光体１１との間に形成される現像領域にトナーを搬送する現像剤担持体である現像スリーブ３１ａと、現像スリーブ３１ａ上にトナーを供給する供給ローラ３１ｂと、現像スリーブ３１ａ上のトナー量を規制する層厚規制部材である規制ローラ３１ｃと、トナーを搬送する第1搬送パドル３１ｄとを備える。
トナーカートリッジ３２は、トナーを収納している第１及び第２収納室３２１、３２２と、現像ユニット３１へトナーを搬送する第２及び第３搬送パドル３２ａ、３２ｂと、また、第２搬送パドル３２ａが回転している部分のトナーカートリッジ３２の底部には突き出たリブ３５を備えている。
ここで、現像剤としては、一成分現像剤を用いる。後述するように現像剤を入れ替えることに対して、二成分現像剤では一旦混合した後にキャリアからトナーを分離するのは非常に困難である。一成分現像剤であればトナーカートリッジ３２と現像ユニット３１内にある現像剤は基本的には同じで、入れ替えすることが可能であり、本発明の現像装置３０に適用させることができる。特に、一成分現像剤でも非磁性一成分現像剤を用いることが好ましい。非磁性一成分現像剤では、トナー表面の外添剤が、トナーの帯電性、流動性に与える影響が大きい。磁性一成分現像剤では、磁性材料の量による磁化の強さで現像性を制御することができる。非磁性一成分現像剤では、外添剤による帯電量、流動性によって現像性が大きく影響されることから、本発明の現像装置３０に用いることで、安定したトナー表面状態を得ることができる。
【００１７】
また、この現像装置３０は、現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２とを水平方向の横方向に並列させて配置している。さらに、トナーカートリッジ３２と現像ユニット３１とには、トナーカートリッジ３２と現像ユニット３１との間をトナーが通過する連通口が設けられている。さらに、現像ユニット３１側の連通口に制御弁が設けられている。
本発明の現像装置３０は、この連通口を介してトナーを通過させる。これによって、現像ユニット３１で消費されたトナーをトナーカートリッジ３２から現像ユニット３１へ補給し、また、この連通口を介して、現像ユニット３１で劣化したトナーを現像ユニット３１からトナーカートリッジ３２へを排出する。また、このトナーカートリッジ３２は、現像ユニット３１とは別に単独で独立して交換することが可能である。
トナーは、現像ユニット３１におけるトナー供給ローラ３１ｂ、規制ローラ３１ｃで押圧力を受ける。この押圧力を受けることで、トナー表面の凸凹が欠けて表面が滑らかになり、感光体との付着力が大きくなりクリーニングされにくくなる。そのために、環境が低湿になるとクリーニング不良が発生することがある。また、転写性は向上するが、従来転写されても目視上表れなかった白地背景部にカブリが表れるようになる。また、トナーが押圧を受けることで、トナー表面に存在する外添剤がトナー内部に埋没する。これは、後で外添剤に関しては詳説するが、外添剤はトナーより硬度が高いために、トナー内部に埋没する。トナー表面に存在する外添剤が少なくなることで、トナーの帯電性が変わる。特に、外添剤として用いるシリカは、比表面積が大きいので帯電量が高く埋没によるトナー表面の外添剤量によってトナーの帯電量は大きく変化する。また、もう一つの影響として、外添剤埋没によってトナーの流動性が低下する。この流動性は、トナーの付着力を示すもので、流動性が高ければ、トナーと例えば感光体等との間の付着力を小さくする。同様に、現像スリーブ３１ａとトナーとの間の付着力を小さくして現像性を高める。逆に、埋没でトナー表面に存在する外添剤量が少なくなると、即ち、トナーの流動性が低下し、現像性が低下する。
【００１８】
そこで、本発明の現像装置３０では、現像ユニットホッパ内の劣化したトナーを、トナーカートリッジ３２から現像ユニット３１へトナーを補給する連通口３３を介して、現像ユニット３１にあるトナーをいったんトナーカートリッジ３２に排出して戻して、トナーカートリッジ３２にある劣化していないトナーと混合して、劣化したトナーに添加剤を移行して回復させると同時に、劣化したトナー量の存在比率を低下させた上で再度現像ユニット３１に連通口３３を介して供給して補給して、ホッパ内トナーの帯電の安定化を図る。
【００１９】
図２は、本発明の現像装置における現像ユニットに配置される制御弁の構造を示す概略図である。制御弁３４は、現像ユニット３１の連通口３３に対応して設けられ、制御弁３４を支持部３４ａに貼着されていて、筐体に配置されている。制御弁３４の形態は、図２に示すように、各連通口３３に対応して矩形状にして連通口３３がない部分は制御弁３４を設けず交互にする。支持部３４ａは、剛性を有する金属製でＳＵＳ、Ｃｕ、Ａｌを用いる。制御弁３４は、弾性のある樹脂フィルム３４ｂで、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂を用いる。
現像ユニット３１の第１搬送パドル３１ｄは、パドル用フィルムを備える。このフィルムは、１枚であっても、複数枚設けてもよい。第１搬送パドル３１ｄは、回転してトナーカートリッジ３２側から供給されたトナーを現像スリーブ３１ａに供給する。また、このフィルムは、板状であってもよい。また、連通口３３に対応して設けられた櫛歯状の矩形状の制御弁３４に対して、同様に制御弁３４に当たる部分をのみを矩形形状にしたものであってもよい。また、複数枚設けるときはこれらを組み合わせて用いてもよい。
【００２０】
図３は、トナーカートリッジ側から現像ユニットにトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。第１搬送パドル３１ｄは、回転して制御弁３４に当たり、制御弁３４が押さえられる。その後、第１搬送パドル３１ｄが通過して、弾性を有する制御弁３４が素早く弾かれて戻り、そのときに同時に、トナーカートリッジ３２側から押し込まれていたトナーが連通口３３を介して現像ユニット３１側に引きつけられて、トナーが供給される。
図４は、トナーカートリッジ側のトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。このトナーカートリッジ３２には、第２収納室３２２の第３搬送パドルで第１収納室３２１に搬送して、さらに、第２搬送パドルで現像ユニット３１側に搬送する。第２搬送パドルは、単数のパドル用フィルムを備えていて、このフィルムを回転させることでトナーを現像ユニット３１側に搬送する。さらに、第１収納室３２１にリブ３５を設けておくことで、図５に示すように、先のパドル用フィルムがリブ３５に当たると、リブ３５の部分でトナーが堰き止められ、リブ３５とパドル用フィルムとの間にトナーの無い空間が形成される。この空間は、流動性のよいトナーの侵入によって少しずつ埋められていくが、ある一定時間はトナー内部に空間が形成される。さらに、パドル用フィルムが回転すると上部からもトナーが空間に侵入するために、トナー内部に空間のない状態になる。
この状態で回転してゆくとパドル用フィルムは、トナーを現像ユニット３１側に押し込む状態になっている時と、現像ユニット３１の制御弁３４が第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムに押さえられていなくて制御弁３４が開放されている時と重なることでトナーは、連通口３３を通してトナーカートリッジ３２側から現像ユニット３１側に移動して供給される。
【００２１】
次に、開放された制御弁３４には現像ユニット３１にあるトナーが入り込んでくる。その後、第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが回転して制御弁３４を押し込むトナーを現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に押し込んでいる時と第１収納室３２１で第２搬送パドルのパドル用フィルムによってトナー内部に空間ができ、その空間がちょうど連通口３３にかかった時が重なることでトナーは、連通口３３を通して現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に移動して排出される。
このときの現像装置３０における現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２との第１、第２及び第３搬送パドルの動きとトナーの移動についてさらに詳細に説明する。
【００２２】
図５は、現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。なお、ここでは、現像ユニット３１内の現像スリーブ３１ａ等は省略してある。
現像装置３０では、図５（１）に示すように、現像ユニット３１内にある制御弁３４は、支持体に貼着されていて一定の角度を有している。第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムを回転させている。また、トナーカートリッジ３２内の第２及び第３搬送パドルは、単数のパドル用フィルムを回転させている。図５（２）に示すように、現像ユニット３１内で、第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムが制御弁３４を押し込み、このときに、制御弁３４と連通口３３との間にあるトナーは、トナーカートリッジ３２側もトナーで満たされていることで、連通口３３を移動することができず、現像ユニット３１内の制御弁３４から横方向で、現像ユニット３１内に戻る。次に、図５（３）に示すように、第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムが制御弁３４をさらに押し込み、制御弁３４と連通口３３との間にはほとんど隙間がない状態になる。次に、図５（４）及び図５（５）に示すように、第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムが制御弁３４からはずれることで、制御弁３４が元の角度まで戻り、このときに、大きな隙間ができ、空間を形成することでトナーカートリッジ３２側から連通口３３を通してトナーが移動して供給される。
【００２３】
さらに、図５（６）に示すように、複数枚有することで第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが、再度制御弁３４を押し込んでいく。このときに、トナーカートリッジ３２内の第２収納室３２２で第２搬送パドルのパドル用フィルムがリブ３５に当たっている。さらに回転すると、図５（７）に示すように、第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが制御弁３４をさらに押し込み、制御弁３４と連通口３３で隙間のない状態を形成してゆく。このときに、第２搬送パドルのパドル用フィルムがリブ３５から先に回転したときにリブ３５が障害になってトナーが搬送されないために、トナー内部に空間を形成する。さらに、図５（８）及び図５（９）に示すように、第１搬送パドル３１ｄは複数のパドル用フィルムが制御弁３４からはずれることで、制御弁３４が元の角度まで戻り、このときに、大きな隙間ができ空間を形成することで、さらに、第２搬送パドルのパドル用フィルムによって持ち上げられたトナーが、トナーカートリッジ３２側から連通口３３を通してトナーが移動して供給される。
【００２４】
しかし、次に、図５（１０）に示すように、複数枚有することで第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが、再度制御弁３４を押し込んでいく。これまでは、トナーカートリッジ３２側の連通口３３付近にはトナーがあったが、トナー内部に形成された空間が存在する場合は、現像ユニット３１内の制御弁３４から横方向で、現像ユニット３１内に戻るのではなく、連通口３３を通して現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に移動して排出される。図５（１１）及び図５（１２）に示すように、第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムが、再度制御弁３４を押し込んでいくことで、さらに、現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に移動して排出される。
さらに、第１搬送パドル３１ｄの回転スピードを第２搬送パドルより早くすることで、図５（１３）から図５（１６）に示すように、現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に移動して排出させることができる。
これを繰り返すことで、現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２との間で連通口３３を通してトナーを移動させることができる。
【００２５】
ここでは、現像ユニット３１内の第１搬送パドル３１ｄとトナーカートリッジ３２内の第２搬送パドルの回転数を制御することでトナーの移動による供給・排出の量を調整することができる。特に、現像ユニット３１内の第１搬送パドル３１ｄの回転数をトナーカートリッジ３２内の第２搬送パドルよりも早くすることで、トナー内部に形成される空間が連通口３３に接する回数を少なくして、第１搬送パドル３１ｄが制御弁３４を押し込む回数を多くすることで、連通口３３を通してトナーを供給させる回数を多くすることができる。
また、トナーの移動による供給・排出の量は、連通口３３の数によって調整することができ、したがって、連通口３３は、１以上設けることができる。この連通口３３は、画像形成装置本体の画像形成する速度によって適宜数を決定する。
また、連通口３３に対応して設けられる制御弁３４は、櫛の歯状に設け、隣り合う制御弁３４を交互に動作させることができる。これは、第１搬送パドル３１ｄのパドル用フィルムを櫛の歯状の制御弁３４に対応させて櫛の歯状に１つおきに設け、それを２数のパドル用フィルムですべての制御弁３４に対応させて制御弁３４を交互に動作させることができる。交互に動作させることで、現像ユニット３１内のトナーのデッドスペースを形成することなく、均等に排出させることができる。
【００２６】
図６は、本発明に係る第１搬送パドルを示す図である。本発明に好適に用いる第１搬送パドルの斜視図である。
第１搬送パドル３１ｄは、断面４角形の軸にフィルム３１１、３１２が取りつけられており、そのうち２枚は対向する面に、それぞれ逆方向に伸びている。この対向するフィルム３１１は凹凸形状（櫛歯状）であり、２枚の凸部をずらすような形状である。このようにすることで隣り合う制御弁３４を交互に駆動させることが可能になる。この凹凸部は連通口３３の位置に対応しており、連通口３３に設けた制御弁３４をフィルムの凸部が押し込める長さとし、また凹部においては制御弁３４に接触しないような形状とする。
さらに、フィルムの凸部の根元部分は、先端部分よりも広くなるよう「ハの字型」にしてあり、第１搬送パドル３１ｄが回転することによって、フィルムの凸部でトナーを横方向にも移動させる力を発生させ、現像ユニット３１内の横方向の攪拌を生じさせている。
また、第１搬送パドル３１ｄの回転で、フィルムの凸部が上記制御弁３４を押して、制御弁３４下のトナーをトナーカートリッジ３２側に戻す作用をする。この動きは後述する。
第１搬送パドル３１ｄは、第２搬送パドル３２ａより速く回転するように設定しているので、カートリッジに空間ができている時間内に第１搬送パドル３１ｄで何度か制御弁３４を動作させることができ、効率良くトナーをトナーカートリッジ３２に戻すができる。
フィルムの凸部が制御弁３４を通過すると、制御弁３４は押圧力から解放され、弾性によって元に戻り、制御弁３４上のトナーを現像ユニット３１側に送ると共に、制御弁３４下側にトナーカートリッジ３２のトナーを引き込む空間を形成する。
第１搬送パドル３１ｄの２枚のフィルム３１１の凸部をずらすことで、制御弁３４の押し込み・解放動作を交互に行う、即ち、隣り合う制御弁３４を交互に駆動させることで現像ユニット３１内のトナーの動きが良くなり、トナーカートリッジ３２内のトナーとの循環性を向上させることができる。
【００２７】
ここで、上記のような櫛歯状のフィルム２枚構成のパドルを採用することにより、トナーの循環、横攪拌性が向上したが、この２枚のみの構成では、連通口３３にトナーが多くなる傾向があり、現像ユニット３１内のトナー面が上下方向に波打ち、山と谷ができる。連通口３３に山ができるとトナーカートリッジ３２からのトナーの供給が阻害されるので、現像ユニット３１全体へのトナーの供給量が低下する。さらに、トナーの山の裾野付近にトナーカートリッジ３２からのトナーの流れができるため、若干ではあるが、トナー攪拌の均一性が確保されないという現象が見られた。この点を改善する為に、検討した結果、櫛歯状の２枚のフィルムの間に、櫛歯状フィルム３１１と９０度の角度で、櫛歯状フィルムの凸部より短い長さで凹凸の無いフィルム、即ち、矩形状のフィルム３１２を第１搬送パドル３１ｄに追加することにより、連通口３３のトナーの山を崩し、現像ユニット３１内のトナー面をほぼ水平にすることができた。
このように、第１搬送パドルにおいて、櫛歯状の２枚のフィルム３１１の間に、矩形状のフィルム３１２を配置することにより、トナーカートリッジ３１２からのトナーの補給量及びトナーカートリッジ３２へのトナーの戻し量ともに安定し、十分な循環作用を達成することができる。また、局所的なトナーの流れを形成しないので、現像ユニット３１内で均一な攪拌性を維持することができる。
【００２８】
制御弁３４の幅は、連通口３３の幅より０mm〜２０mm大きくする。制御弁３４が連通口３３より小さいとトナーが供給される連通口３３を現像ユニット３１側のトナーで塞がれるためにトナーが供給されにくくなる。また、トナーの排出においても、制御弁３４と連通口３３との間にトナーが入り込み、その入り込んだトナーを排出することで、連通口３３を通して大量のトナーが現像ユニット３１側からトナーカートリッジ３２側に排出されるのを防止しているが、制御弁３４の幅が小さくなることで大量のトナーが排出され、現像ユニット３１内のトナーが少なくなる。
一方、トナーの排出は、制御弁３４の脇から制御弁３４と連通口３３との間に入ったトナーが第１搬送パドル３１ｄの押し込みで連通口３３を通して排出される。このために、制御弁３４の幅が連通口３３より大きくなると、連通口３３付近に回り込むトナー量が少なくなり排出されるトナー量が少なくなり、トナーの入れ替えが少なくなる。また、連通口３３から供給されたトナーは、連通口３３から下の方に移動して、制御弁３４の下にあるトナーと混合される。したがって、制御弁３４の幅が大きくなると供給されるトナーの箇所が少なくなり、トナーの混合による均質性が低下する。これらのために、制御弁３４の幅は、少なくとも連通口３３の幅以上であって、２０ｍｍ未満にする。この幅にすることで、トナーの供給・排出の制御を容易にし、さらに、供給後のトナーの混合による均質性を高めることができる。
【００２９】
また、制御弁３４の間隔を、２mm〜２０mmとする。制御弁３４の間隔が、２ｍｍ未満では制御弁３４と連通口３３との間に入り込む量が少なくなるために、排出できるトナー量が少なくなる。また、２０ｍｍを越えると、設けることができる連通口３３が少なくなり、トナーの供給・排出する量が少なくなる。
また、制御弁３４の長さを、１０mm〜２５mmとする。制御弁３４の長さによって、制御弁３４と連通口３３との間にできる空間の大きさが決定される。したがって、制御弁３４が１０ｍｍ未満では、排出されるトナー量が少なくなるために、トナーの入れ替えが不十分になる。２５ｍｍを越えると排出する量が多くなり、現像ホッパ３１１内のトナー量が少なくなる。
また、制御弁３４の角度を、１０°〜４５°とする。制御弁３４の角度によって、制御弁３４と連通口３３との間にできる空間の大きさが決定される。したがって、制御弁３４の角度が１０°未満では、排出されるトナー量が少なくなるために、トナーの入れ替えが不十分になる。４５°を越えると排出する量が多くなり、現像ホッパ３１１内のトナー量が少なくなる。
【００３０】
また、図７は、本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
この画像形成装置１は、感光体ユニット１０、書き込み光学ユニット２０、現像ユニット３０、中間転写ユニット４０、２次転写ユニット５０、定着ユニット６０、両面印刷用紙反転ユニット７０等で構成されている。そして、黒（以下、Ｂｋという）、シアン（以下、Ｃという）、マゼンタ（以下、Ｍという）、イエロー（以下、Ｙという）のカラー画像を感光体ユニット１０の感光体ベルト１１上に順次顕像化し、これらを重ね合わせて最終的な４色フルカラー画像を形成する。感光体ベルト１１の周りには、感光体クリーニング装置１２、帯電ローラ１３、複数の現像装置３０、中間転写ユニット４０の中間転写ベルト４１などが配置されている。感光体ベルト１１は、駆動ローラ１４、１次転写対向ローラ１５、張架ローラ１６間に張架され、駆動モータによって回転する。また、上記書き込み光学ユニット２０は、カラー画像データを光信号に変換して、各色画像に対応した光書き込みを行い、感光体ベルト１１に静電潜像を形成する。この書き込み光学ユニット２０は、光源としての半導体レーザ２１、ポリゴンミラー２２、３つの反射ミラー２３などで構成されている。
また、上記現像装置３０は、画像形成装置１本体の下側から順に、黒トナーを収容したＢｋ現像装置３０Ｋ、シアントナーを収容したＣ現像装置３０Ｃ、マゼンタトナーを収容したＭ現像装置３０Ｍ、イエロートナーを収容したＹ現像装置３０Ｙとなっている。ここでは、さらに、各現像装置を図中左右方向に移動させ感光体ベルト１１に対し、接離動作を行う接離機構を備える。
【００３１】
現像装置３０内のトナーは所定の極性に帯電され、現像スリーブ３１ａには、現像バイアス電源によって現像バイアスが印加され、現像スリーブ３１ａが感光体ベルト１１に対して所定電位にバイアスされている。また、接離機構は、モータから各現像装置３０に駆動を伝達するための図示しない電磁クラッチがオンになるとその駆動力で現像装置３０を感光体ベルト１１側に移動させるようになっている。現像時には、現像装置３０のうち選択されたいずれか一つが移動し、感光体ベルト１１に当接する。一方、電磁クラッチをオフにして駆動伝達を解除すると感光体ベルト１１に当接していた現像装置が感光体ベルト１１から離間する方向に移動する。
画像形成装置１本体の待機状態では、現像装置３０Ｋ、Ｃ、Ｍ、Ｙも感光体ベルト１１と離間した位置にセットされており、画像形成動作が開始されると、カラー画像データに基づきレーザ光による光書き込み、静電潜像の形成が開始される（以下、Ｂｋ 画像データによる静電潜像をＢｋ静電潜像という。Ｃ、Ｍ、Ｙについても同様）。このＢｋ静電潜像の先端部から現像可能とすべくＢｋ現像位置に静電潜像先端部が到達する前に、Ｂｋ現像スリーブ３１ａを回転開始して、Ｂｋ静電潜像をＢｋトナーで現像する。そして、以後、Ｂｋ静電潜像領域の現像動作が続行されるが、Ｂｋ静電潜像後端部がＢｋ現像位置を通過した時点で、Ｋ現像装置３０Ｋが感光体ベルト１１から離間し、次の色の現像に備えて該当する色の現像装置が感光体ベルト１１に当接する。これは少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が現像位置に到達する前に完了される。
【００３２】
また、上記中間転写ユニット４０は、中間転写ベルト４１、ベルトクリーニング装置４２、位置検出用センサ４３などで構成されている。中間転写ベルト４１は駆動ローラ４４、１次転写ローラ４５、２次転写対向ローラ４６、クリーニング対向ローラ４７及びテンションローラ４８に張架されており、図示しない駆動モータによりに駆動制御される。中間転写ベルト４１端部の非画像形成領域には複数の位置検出用マークが設けられており、これらの位置検出用マークのうちのいずれか一つを位置出用センサ４３で検出し、この検出タイミングで画像形成を開始する。また、ベルトクリーニング装置４２は、クリーニングブラシ４２ａ、接離機構等で構成されており、１色目のＢｋ画像を中間転写ベルト４１に転写している間、及び、２、３、４色目の画像を中間転写ベルト４１に転写している間は接離機構によって中間転写ベルト４１面からクリーニングブラシ４２ａを離間させておく。
さらに、２次転写ユニット５０は、２次転写ローラ５１、２次転写ローラ５１を中間転写ベルト４１に対して接離するためのクラッチ等を備えた接離機構等で構成されている。転写紙が転写位置に到達するタイミングに合致させて２次転写ローラ５１が接離機構の回転軸を中心に揺動する。この２次転写ローラ５１と２次転写対向ローラ４６とにより転写紙と中間転写ベルト４１とを一定の圧力で接触させる。２次転写ローラ５１は中間転写ユニット４０に設けられた図示しない位置決め部材により２次転写対向ローラ４６との平行度の位置精度が保たれている。また、２次転写ローラ５１に設けた図示しない位置決めコロにより中間転写ベルト４１に対する２ 次転写ローラ５１の接触圧を一定にしている。２次転写ローラ５１を中間転写ベルト４１に接触させると同時に、２次転写ローラ５１はトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、中間転写ベルト４１上の重ねトナー像を転写紙に一括転写する。
【００３３】
一方、画像形成動作が開始される時期に、転写紙は上記転写紙カセット８０又は手差しトレイ８３のいずれかから給送され、レジストローラ８２対のニップで待機している。そして、２次転写ローラ５１に中間転写ベルト４１上の４色重ねのトナー像先端がさしかかるときに、ちょうど転写紙の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジストローラ対８２が駆動され、転写紙とトナー像との位置合わせが行われる。そして、転写紙が中間転写ベルト４１上のトナー像と重ねられて２次転写位置を通過する。このとき２次転写ローラ５１による転写バイアスで転写紙が荷電され、トナー画像のほとんどが転写紙上に転写される。そして、中間転写ベルト４１から４色重ねトナー像を一括転写された転写紙は、定着ユニット６０に搬送され、所定温度に制御された定着ベルト６１と加圧ローラ６２のニップ部でトナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出され、排紙トレイ８４ に裏向きにスタックされ、フルカラーコピーを得る。
【００３４】
更に、両面印刷を行う場合には、定着ユニット６０を通過した転写紙は両面切替爪８５により両面印刷用紙反転ユニット７０に送られる。両面印刷用紙反転ユニット７０においては、転写紙はまず反転切替爪７１によって矢印Ｄ方向に案内され、転写紙後端が反転切替爪７１を通過した後、反転ローラ対７２が停止し、転写紙も停止する。そして、反転ローラ対７２が一定のブランク時間ののち逆転を開始し、転写紙はスイッチバックを始める。このときに、反転切替爪７１が切り替わり、転写紙はレジストローラ対８２に送られる。レジストローラ対８２に送られた転写紙は表裏反転した状態でレジストローラ対８２のニップで待機する。そして、所定のタイミングでレジストローラ対８２が駆動され、転写紙は２次転写位置に送られて中間転写ベルト４１から４色重ねトナー像を一括転写された後、定着ユニット６０でトナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出される。
一方、１次転写後の感光体ベルト１１の表面は、感光体クリーニング装置１２でクリーニングされ、除電ランプ等で均一に除電して、クリーニングしやすくすることもできる。また、転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト４１の表面は、ベルトクリーニング装置４２のクリーニングブラシ４２ａを接離機構で押圧することによってクリーニングされる。中間転写ベルト４１からクリーングされたトナーは廃トナータンク４９に蓄えられる。
【００３５】
ここで、現像装置についてさらに詳述する。現像装置３０は、感光体ベルト１１表面の静電潜像を現像するためにトナーを表面に担持して回転する現像スリーブ３１ａと、トナーを汲み上げて撹拌するために回転するトナー第１搬送パドル３１ｄとを含む現像ユニット３１と、トナーを収容するトナーカートリッジ３２で構成されている。このように２つのユニットに分割されている理由は、現像ユニット３１は、トナーカートリッジ３２を数回交換して使用しても耐えうる耐久性を有しているからである。
図８は、本発明の現像装置における連通口の構成を示した概略図であり、（Ａ）は現像ユニット３１側の構成を示し、（Ｂ）はトナーカートリッジ側の構成を示している。現像ユニット３１の筐体の外側にはスライドシャッターを備え、そのスライドシャッターには弾性部材を貼付している。このスライドシャッターを開閉することで現像ユニット３１の連通口３３の開閉を行う。また、トナーカートリッジ３２側は、筐体に設けられた連通口３３に対応して開けた部分のある弾性部材、連通口３３からトナーがこぼれるのを防止し、または、トナーを補給できるように開放するスライドシャッター、これらを筐体に固定する固定シールが設けられている。
【００３６】
トナーカートリッジ３２を現像装置に配置して、現像ユニット３１側のスライドシャッターを開け、また、トナーカートリッジ３２側のスライドシャッターを開けて、トナーを通過させることができる連通口３３ができる。
現像ユニット３１側の連通口３３は複数あり、現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２との間には弾性部材を貼着したスライドシャッターを設けている。このスライドシャッターを移動させることで、現像ユニット３１筐体に設けた連通口３３の開閉を行う。トナーカートリッジ３２がない場合又は画像形成装置本体に装着していない場合は、スライドシャッターで連通口３３を閉じておくことで現像ユニット３１からのトナーのこぼれるのを防止する。
また、トナーカートリッジ３２も、現像ユニット３１がない場合又は画像形成装置本体に装着していない場合は、トナーカートリッジ３２からのトナーのこぼれるのを防止するために、連通口３３を閉じておくためにスライドシャッターを設ける。トナーカートリッジ３２に対して、弾性部材、スライドシャッター、固定シールを設ける。弾性部材は、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の発泡材が好ましい。
【００３７】
図８に示すように、現像ユニット３１とトナーカートリッジ３２に設けられた連通口３３に対応してスライドシャッターに開放した窓部を設ける。連通口３３を閉じるときはスライドシャッターの窓部のないところで連通口３３を塞ぎ、連通口３３を開放するときはスライドシャッターを移動させて、窓部と連通口３３を合わせて、連通口３３全体を連通させる。
画像形成装置１において現像装置３０は、現像ユニット３１内にある第１搬送パドル３１ｄで、トナーを攪拌しつつ現像剤供給ローラ３１ｂに搬送し、供給ローラ３１ｂが現像スリーブ３１ａに摺擦しながら、同時にトナーを摺擦させて摩擦帯電させて、トナーを帯電させる。帯電したトナーは、現像スリーブ３１ａに鏡像力で吸着されて搬送される。その後、規制ローラ３１ｃで現像領域に搬送されるトナー量を規制する。現像スリーブ３１ａ上に形成されるトナー薄層が現像領域における現像バイアスで感光体ベルトに現像される。
【００３８】
このときに、供給ローラ３１ｂで現像スリーブ３１ａに摺擦されたトナーは大きな押圧力を受けて、トナー表面の凸凹が削られて球形化しトナーの付着力が大きくなる。また、この押圧力でトナー表面の外添剤が埋没して流動性が低下し、さらに、外添剤による帯電量調整ができなくなるために帯電量が変わってくる。これらの影響でトナーの現像性が低下し、さらに、転写性、クリーニング性が低下する。
このように、現像ホッパ３１１内に劣化したトナーが多くなり、また、トナーが現像によって消費されるために現像ユニット３１内のトナーが少なくなる。そこで、連通口３３を通過してトナーカートリッジ３２から、現像ユニット３１へとトナーが補給される。トナーカートリッジ３２内には、トナーカートリッジ本体３２の内壁に先端が摺接する第２搬送パドル３２ａ、第３搬送パドル３２ｂがそれぞれ第１収納室３２１と第２収納室３２２に設けられており、第２又は第３搬送パドル３２ａ，３２ｂが回転することによりトナーを現像ユニット３１側に押し込んで、現像ユニット３１に連通口３３からトナーが補給される。
【００３９】
さらに、この連通口３３を通して現像ユニット３１内のトナーがトナーカートリッジ３２側に排出されて、このトナーがトナーカートリッジ３２内のトナーと混合される。トナーカートリッジ３２内には、未使用のトナーが多く収納されており、現像ユニット３１内で劣化したトナーと混合される。この混合によって、未使用トナーの表面に多く存在する外添剤が劣化したトナーに再分配されることで、劣化したトナーの帯電量、流動性が元の未使用トナーの状態に近くなる。これは、現像ユニット３１から第１収納室３２１に排出されたトナーは、さらに、第２搬送パドル３２ａで第２収納室３２２に搬送されて、次に、第３搬送パドル３２ｂで第１収納室３２１に戻される。この間に、外添剤の再分配を受けることになる。
この元の未使用の状態に近づいたトナーを、トナーカートリッジ３２の第１収納室３２１から現像ユニット３１に、再度供給する。この元の状態に近づいたトナーと未使用のトナーで、現像スリーブ３１ａに薄層を形成してトナーを現像することで、長期にわたって高品位の画像を得ることができる。
【００４０】
本発明の実施形態では、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄの駆動と、現像スリーブ３１ａの駆動を独立して駆動可能とする。まず先に、「非現像動作時」の意味であるが、ここで非現像動作に対する、現像動作について規定すると、出力するプリント画像に応じて像担持体にトナーを現像転移して、像担持体上にトナー像を形成する過程を言うこととする。そして、現像動作時はその過程を実施している時間とする。
そのように規定した結果、非現像動作時とは、それ以外の時間、例えば、機械が完全に停止している時間や、ウォームアップ動作をしている時間、プリントジョブ終了動作をしている時間、プリント以外に動作を行っている時間（プリントジョブ間隔）、など全てを含むこととする。
なお、以下では、制御弁３４は、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄにて駆動していると前に説明した通りの形態で説明する。
【００４１】
図９は、本発明の実施形態の画像形成装置における現像装置の駆動系の構成を示す概略図である。現像装置３０の各回転体のうち、現像スリーブ３１ａ、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄ、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂのそれぞれの駆動軸は図とおりである。それぞれを駆動する駆動方法の一例が、図９に示しているが、現像モータから省略している減速駆動系を経由してギア１１に駆動が伝わる。
ギア１１に直結している駆動軸から、その駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ１１を経由して現像スリーブ３１ａのギアを駆動するギア１４に駆動を伝達する。また、一方、ギア１１からギア１２を経てギア１３を回転させ、ギア１３に直結している駆動軸から、その駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ１２を経由してギア１５に駆動を伝達する。ギア１５に直結した駆動軸から現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄへ駆動力を伝達する。さらに、ギア１５からギア１６を経て、ギア１７に駆動を伝え、ギア１７に直結した駆動軸からトナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂへ駆動力を伝達する。
このような構成で、クラッチ１１とクラッチ１２をＯＮ／ＯＦＦする事で、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄを、現像スリーブ３１ａと独立して駆動動作させることが可能である。
【００４２】
従来のように独立駆動する構成でなかった場合は、以下の（１）、（２）、（３）ような不具合が在ったが、独立駆動として以下に説明する動作方法を行うことで、それらの問題を解消できた。
（１）現像スリーブ３１ａが回転する間だけ、搬送パドル３１ｄの回転とそれによって制御弁３４の動作が行われるので、回転・動作時間が不足して、現像ホッパ３１１内の攪拌不足や、制御弁３４による供給・排出動作（あわせてトナー循環動作）が足りなかった。特に１枚だけプリントする事を繰り返すといった間欠動作においては、必要な回転数や動作回数を満たせずに、途中で停止してしまう事が往々にして生じる。
（２）使用していない時間が長くなると、現像ホッパ３１１、トナーカートリッジ３２内のトナーの流動性が低下して（空気が徐々に抜けて、トナー間の間隙が少なくなることが原因）攪拌しずらくなることで、トナーの帯電のばらつきを拡大してしまう。
（３）機械の使用の仕方で、１枚だけプリントして、長時間停止し、また１枚だけプリントするといった間欠動作逆に連続で多数枚プリントする連続動作など、ユーザーの使用方法によって、搬送パドル３１ｄの回転や制御弁３４の駆動動作が異なるがその使用方法のばらつきが大きいトナーの攪拌条件、供給・排出条件が異なって、トナー特性が安定しない。
本発明による、現像スリーブ３１ａの駆動とは独立して、搬送パドル３１ｄの回転および、制御弁３４の駆動を行うのは、前に記載したとおり、機械が完全に停止している時間や、ウォームアップ動作をしている時間、現像動作前時間、プリントジョブ終了動作をしている時間、プリント以外に動作を行っている時間（プリントジョブ間隔）、である。
以後、あるタイミングで動作させることによって特に効果が期待される例については、どのタイミングで動作させるかを明記するが、一般的に攪拌性の改善と、トナー循環性の向上に関しては、上記のいずれのタイミングでも実現できる。
【００４３】
以下、種々の実施例について記述する。
画像形成装置１が長時間停止すると、現像ホッパ３１１のトナーおよびトナーカートリッジ３２のトナーは、トナー粒子間の間隙が空気が抜けることにより近づいて、トナー粒子表面どうしが接近することから、凝集力が発生して全体として流動性が低下する。その状態から、現像動作をさせるためにトナーを搬送パドル３１ｄ等で動かすと、トナー粒子が複数凝集した２次粒子として動くものがあり、搬送パドル３１ｄで以下に外部から作用してもその凝集はすぐには解かれず、凝集体のまま搬送される。それによって、個々のトナーの摩擦帯電が十分行われなくなって、帯電が不安定になる。
（実施例１）
これを防止するために、一定時間停止状態が続いたら、搬送パドル３１ｄと制御弁３４を駆動して、現像ホッパ３１１内のトナーの流動性を上げて、かつ攪拌してトナーの特性を安定化させる。そのためには、画像形成装置本体にタイマを有し、不揮発メモリーに動作した時刻を記録して、それからタイマを作動させ、停止時間を計測する、一定時間停止状態が続いたら搬送パドル３１ｄと制御弁３４を動作させる。
画像形成装置本体の電源が切れている間もタイマは動作可として、一定時間を超えて電源ＯＮされた時に、搬送パドル３１ｄと制御弁３４を動作させる。停止時間の長さによって、ホッパ内のトナーの状態は違ってくるので、例えば、１０時間程度の放置ならば、回転数・駆動回数を少なく動作させる。かなり長い停止、例えば、５日間〜１０日間にわたる場合には、回転数・駆動回数を十分行う必要があり、それぞれ異なる動作とする。
【００４４】
（実施例２）
このとき、現像スリーブ３１ａの回転をＯＦＦして、搬送パドル３１ｄと制御弁３４のみを動作させれば、不要にトナーの劣化を進めることを防げる。
【００４５】
（実施例３）
現像動作前の予備回転以外に、画像形成装置１のウォームアップ時や、スリープモードからの復帰時も含んでいるが、現像動作に入る前に、搬送パドル３１ｄと制御弁３４を駆動する場合も同じ考え方が適用出来る。すなわち、現像動作前に、現像スリーブ３１ａは回転させずに、搬送パドル３１ｄと制御弁３４を駆動して、十分ホッパ内のトナーの流動性を回復し帯電特性を安定させてから、最後に供給ローラ３１ｂと現像スリーブ３１ａを回転してトナー層を現像スリーブ３１ａ上に形成する。そうすることで、現像スリーブ３１ａに安定したトナー層を形成するために必要な回転数は少なくて済み、同様に不要なトナーの劣化を引き起こすことを防止できる。
【００４６】
（実施例４）
ここで、現像ホッパ３１１内のトナーの特性の安定化が上記の動作で行えるが、現像スリーブ３１ａを停止した状態にしているので、現像スリーブ３１ａ上のトナーは入れ替わっておらず、現像スリーブ３１ａ上のトナーをホッパの十分攪拌された特性を安定したものに切り替えていくために、続く動作として、現像スリーブ３１ａ、供給ローラ３１ｂを回転させて、適正なトナー層を形成することが望ましく、上で述べた攪拌動作と、今記したトナー層形成動作を、一組として行うのが良い。その際現像スリーブ３１ａの回転は、トナーの劣化防止から必要最小限とする。
ところで、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄの回転速度についてであるが、現像動作時は、供給ローラ３１ｂへのトナー搬送が一定量以上必要なため、搬送パドル３１ｄの回転速度は一定以上ないと、供給が追いつかなくなる。
一方、早く回転させれば言いかというと、現像動作時の振動を発生させ、画像にピッチムラを生じたり、供給ローラ３１ｂに攪拌が不十分なトナーを一時的に多く供給することとなって、問題が生じることがある。
したがって、必要最小限の搬送量となる回転数が設定される場合が多い。ただし、そのような条件は、トナーの攪拌ということから言うと、どうしても回転数が不足する傾向がある。
そこで、搬送パドル３１ｄと制御弁３４の駆動を現像スリーブ３１ａの駆動と切り離して動作させるときには、攪拌性を重視して、搬送パドル３１ｄの回転速度を高めることが有効である。例えば、通常現像動作時の、搬送パドル３１ｄの回転速度を１とすると、本動作時には、２倍ないし、３倍とするように、速度切り替えを行う。図９で説明した駆動系では、現像スリーブ３１ａのクラッチがOFFなので現像スリーブ３１ａは停止、搬送パドル３１ｄのクラッチをONとして、現像モータを２倍、ないし３倍の回転数で駆動する。このように回転数を上げるのが有効なのは、トナーカートリッジ３２からトナーの供給量が一定量以上確保されるような、トナーカートリッジ３２のトナー量が十分あるときであり、現像ホッパ３１１のトナーの攪拌効率を上げるときには、本動作によって短時間で、トナー特性を安定化させることができる。
【００４７】
（実施例５）
トナーの消費が進み、カートリッジトナーの残量が少なくなって、全体的なトナーの劣化度合いが高くなり、トナーカートリッジ３２のトナーと現像ホッパ３１１内のトナーの特性差が小さくなってきているときには、積極的な攪拌がさほど必要と無くなり、攪拌スピードを上げすぎるとトナー凝集度を上げることに繋がるので、トナー凝集体を生成するなどの問題が出てくる。そこで、カートリッジトナー残量が規定値以下になったら、上記搬送パドル３２ａ、３２ｂの回転数を落としていくのが、さらに望ましい制御である。それには、光検知手段や圧電式（自励振動）粉体検知手段をトナーカートリッジ３２に配置し、それによってトナーカートリッジ３２のトナーレベルを検知して、トナーの量が規定値を下回ったことを検知したときに、前記回転数を下げるように制御を行う。
例えば、あるトナー規定量以上の場合、２倍速と設定していて、そのトナー規定量を下回ったら、１倍速に戻す、もしくはさらに０．７倍速程度まで減速するというように、回転速度を可変とする。
ここで、トナー検出手段は、図１の第２搬送パドル３２ａ（カートリッジ前方部）動作範囲で第３の搬送パドル３２ｂ（カートリッジ後方部）によってトナーが送られる空間に検知手段を配置して、第３の搬送パドル３２ｂが通過してトナーを送った後に検知手段にてモニターすることによって、残量を確実に検知できる。
【００４８】
（実施例６）
実施例５のカートリッジトナー検知手段に替わり、当該トナーカートリッジ３２で使用した画像面積カウントの累積値が、規定値を超えたら回転数を落としていくという方法によっても、攪拌性の確保と、トナーカートリッジ残量が少なくなってきたときの凝集悪化防止を両立することが可能である。トナーカートリッジ３２の寿命に相当する画像面積カウントの累積値を１００％として、０％（新品状態）から１００％に行く間に、段階的に搬送パドルの回転数を切り替えて、特に寿命に近づいていくにしたがって低下させていく。
例えば、０−５０％：２倍、５０−７０％：１．５倍、７０−８０％：１倍、８０−９０％：０．７倍、９０−１００％：０．５倍という具合に変化させる。トナーカートリッジ３２は、供給不足にならないように、トナーカートリッジ３２残量が、８０％程度までは高めの供給能力を維持するように設計されているので、上記のように７０％まで１．５倍速以上、８０％までは１倍速以上となるようにした。本現像装置３０においては、制御弁３４によるトナーカートリッジ３２への排出もあるので、その間はトナーの循環を積極的に行うという意図である。
８０％以降は、供給・排出ともに低下してきて、かつ現像ホッパ３１１・トナーカートリッジ３２のどの場所をとってもトナーの特性差が小さくなる（全体的に劣化してくる状態になる）ので、むしろトナーの劣化を穏やかにする意味で搬送パドルの回転数を落とすのが良い。
【００４９】
ここで、実施例の説明を進めていく前に、現像ホッパ３１１内のトナーの劣化と、トナーカートリッジ３２から供給されたトナーとの攪拌で特性が回復する過程について、説明する。
トナーは、現像ユニット３１におけるトナー供給ローラ３１ｂ、規制ローラで押圧力を受ける。この押圧力を受けることで、トナー表面の凸凹が欠けて表面が滑らかになり、感光体との付着力が大きくなりクリーニングされにくくなる。そのために、環境が低湿になるとクリーニング不良が発生することがある。また、転写性は向上するが、従来転写されても目視上表れなかった白地背景部にカブリが表れるようになる。また、トナーが押圧を受けることで、トナー表面に存在する外添剤がトナー内部に埋没する。これは、後で外添剤に関しては詳説するが、外添剤はトナーより硬度が高いために、トナー内部に埋没する。トナー表面に存在する外添剤が少なくなることで、トナーの帯電性が変わる。特に、外添剤として用いるシリカは、比表面積が大きいので帯電量が高く埋没によるトナー表面の外添剤量によってトナーの帯電量は大きく変化する。
また、もう一つの影響として、外添剤埋没によってトナーの流動性が低下する。この流動性は、トナーの付着力を示すもので、流動性が高ければ、トナーと例えば感光体等との間の付着力を小さくする。同様に、現像スリーブ３１ａとトナーとの間の付着力を小さくして現像性を高める。逆に、埋没でトナー表面に存在する外添剤量が少なくなると、即ち、トナーの流動性が低下し、現像性が低下する。
【００５０】
そこで、トナーカートリッジ３２のトナーが現像ユニット３１の現像ホッパ３１１に補給されたとき、トナーカートリッジ３２のトナーの特性と現像ホッパ３１１に残存しているトナーの特性の違いによって、残存トナーと補給トナーが混合した際に、トナー・トナー間で摩擦帯電し、帯電性の下がっている残存トナーが逆帯電や弱帯電化を起こして、地汚れなどの現象を引き起こすという問題がある。
なお、現像ホッパ３１１に残っているトナーの帯電性低下の理由は、次のように考えられる。トナーは使用して行くうちに、攪拌や摩擦等の外的ストレスを受けて、表面の添加剤が脱離したり、埋没したりして、トナー粒子表面を覆う添加剤量が減少していく。トナー粒子としての帯電量には、表面付着している添加剤の帯電量が付加されているので、シリカなどマイナス側（トナーと同極性）に帯電する添加剤が減少すると、その分トナー粒子の帯電量が低下する事になる。
さらに、外的ストレスを受けて、トナー表面の帯電サイト（トナーに内添されている帯電制御材料がトナー表面に露出している部分が帯電サイトとなり、摩擦帯電等で部分的に帯電しトナーの帯電を維持する）が、表面の削れなどで減少することも、劣化トナーの帯電性が低下している原因のひとつと考えられる。
【００５１】
ところで、劣化したトナーに新しいトナーを混ぜて攪拌する場合、攪拌が不十分であると、トナーの帯電性が不安定となり逆帯電トナーが生成され、地汚れ等、異常画像が発生する。十分攪拌すると、劣化したトナーと新しいトナーとの混合系であるが、トナーの帯電性が安定化して、異常画像の発生が無く、良好な画質が維持される。
そのためには、トナーの流動性を維持した状態で攪拌しないとトナーの帯電性が回復しない。また、トナーの流動性を維持した状態で攪拌し、現像部に供給しないとトナーの帯電が不十分となり、トナー自身の帯電特性の安定化したトナーを現像部に供給しないと、逆帯電化、帯電分布のブロード化しやすい。
さらに現像ホッパ３１１での攪拌混合については、劣化したトナーと新しいトナーの混合比が影響する。すなわち、新しいトナーの割合が劣化トナーの割合より多いとトナーの帯電が短時間で安定化する。
【００５２】
劣化したトナーの劣化度合いによっても、混合比および、攪拌時間が影響する。つまり、劣化が著しくなった場合には、帯電の回復がかなり難しくなり、新しいトナーの混合比が十分高く、しかも長い攪拌時間が必要となる。
したがって、ホッパ内のトナーのごく一部でも劣化が他のトナーよりも進みすぎてしまったような場合、全体的な安定化が困難となるので、そのような劣化を起こさないようにするのが肝要である。
ここで、劣化したトナーに対して、新しいトナーから外添剤、特に、トナーと同じ帯電極性をもつ添加剤が、劣化したトナーの表面に移って、表面に再付着することで、劣化したトナーの帯電性を高め、トナー表面の凝集力を低下させるために、トナーどうしの摩擦帯電を起こしずらくして、さらに流動性が回復するので、正常なトナー摩擦帯電や正常なトナー層の形成が可能となる。これを劣化トナーの特性回復とみなす。
【００５３】
（実施例７）
ところで、トナーの外添剤は、トナーの流動性の向上や、帯電性制御、凝集の防止などの目的で添加される。帯電性の制御について言うと、疎水化シリカは、トナーの母体樹脂に対して帯電系列が負極性側であり、トナー表面に付着して負電荷を保持することでトナー帯電を補助する作用を行う。母体トナーの特性にもよるが、シリカのみ外添している場合と、さらに別種の外添剤を加えて複数種が移転している場合がある。複数種外添しているケースは、低湿環境のときに帯電量が高くなりすぎて、現像特性が変化してしまうのを防止するためで、トナー母体樹脂に対して帯電極性が正側の酸化チタンやアルミナなどを、シリカに加えて添加する場合がある。
ここで、この混合外添剤の重量比率が、今まで説明してきた、劣化トナーと新しいトナーを混ぜたときの劣化トナーの回復性および、トナー全体の特性の安定化に大きく影響している。まず、２種類の外添剤を加えているケースであるが、以下の外添剤処方のトナーについて、劣化させたトナー（劣化させる空回し条件は固定）に、未使用のトナーをそれぞれ同じ重量比で加え、それほど長くない一定時間、攪拌した後の、トナー粒子の帯電量分布を測定した。
＜外添剤条件１のトナー＞
疎水化シリカ（粒径小） ０．９部
酸化チタン １．１部
＜外添剤条件２のトナー＞
疎水化シリカ（粒径小） １．０部
酸化チタン １．１部
＜外添剤条件３のトナー＞
疎水化シリカ（粒径小） １．１部
酸化チタン ０．９部
【００５４】
図１０は、外添剤条件によるトナーの帯電量分布を測定したグラフを示している。その結果を、図１０に示すが、条件１のトナーでは、帯電量分布が横に広がって、特にプラス側（逆帯電）のトナーの比率が高まっている。このようなトナーの混合状態では、地汚れや濃度ムラが発生しやすい。条件２のトナーは条件１のトナーに較べると逆帯電トナーの量も少なくなって、分布の広がりも狭くなっており、ほぼ実用上問題ない帯電量分布と言える。さらに、条件３のトナーでは、分布がよりシャープとなり、帯電量もマイナス側にシフトしてきて、画像はもっとも良好であった。
同様な劣化トナー混合攪拌試験を、疎水化シリカのみ添加する系について行ったところ、シリカが１．１重量部以下のとき、混合したトナーは逆帯電トナーが多く、の帯電分布がブロードで、画像も良好でなかった。シリカを１．２重量部以上では、逆帯電トナーの量がだいぶ減少し、画像品質も比較的ムラ無く、さらに１．３重量部以上では、かなりトナー帯電が高い方向で安定して、画像は最も良好であった。
以上から、劣化したトナーと新しいトナーを攪拌しながら使用する方法をとる場合には、劣化トナーを回復させ、トナー全体の帯電性を安定させるためには、疎水化シリカのみ外添している系では、１．２重量部以上外添することが必要で、また、シリカを含み、複数種外添する場合は、ほかに３種類の外添剤の場合（シリカ、アルミナ、酸化チタン）も確認したが総添加剤量が2重量部以上で、かつ疎水化シリカの添加剤量はその５０％以上添加することが必要であるという結果が得られた。
【００５５】
また、外添剤の総量を増やして、どの程度の範囲が適正かを調べた結果を図１１に示す。図１１は、トナーへの外添剤の量と問題発生のレベルとの関係を示すグラフである。（ただし図１１は、複数の添加剤を使用したケースである。ここでは調査範囲としては０．３重量部から８重量部までを調べた）図１４のように、外添剤量が少ないと、感光体クリーニングの余裕が低下して、クリーニング不良が早期に発生することになり（概ね０．７部以下、また上で説明したように、新旧トナーを混ぜたときの帯電の安定性が不足した。
逆に増量した場合は、７重量部を超えると、感光体表面に外添剤の固着やフィルミングが起こり、異常画像が発生したり、クリーニングブレードや定着ローラの磨耗が大きくなって、それらの寿命を下げてしまう結果となった。この結果から、他のユニットの寿命を下げずに、また異常画像の発生がなく、しかも劣化トナーと供給したトナーを攪拌してトナーの帯電性が安定させることができる適正な、外添剤の添加量は、シリカを含む複数の添加剤を使用する場合では、２重量部〜７重量部の間、シリカのみの使用する場合は、１．２重量部〜７重量部の間である。
上では、劣化トナーを短時間で新しいトナーと攪拌して、帯電特性、流動性を回復させるのに適した、外添剤量があることを述べてきた。おなじく、トナーの劣化を遅らせてトナー特性を安定して使用していくためには、劣化トナーの量を適正範囲内に押さえ、またその劣化度合いを進ませる事無く、回復できるレベルとするために、いままでも述べてきたが、ホッパのトナーの量を安定させる、ホッパ変供給量とトナーカートリッジ３２への排出量を安定させるために制御する、回復が有効な攪拌を行うといった、動作が必要である。
【００５６】
（実施例８）
図１２は、本発明の実施形態の画像形成装置における現像装置３０の駆動系の構成を示す概略図である。図１２に示すように、現像装置３０の各回転体のうち、現像スリーブ３１ａ、現像ホッパ搬送パドル、トナーカートリッジ搬送パドルのそれぞれの駆動軸は図とおりである。現像モータ１から省略している減速駆動系を経由してギア４１に駆動が伝わる。
ギア４１に直結している駆動軸から、その駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ４１を経由して現像スリーブ３１ａのギアを駆動するギア４４に駆動を伝達する。
また、一方、ギア４１からギア４２を経てギア４３を回転させ、ギア４３に直結している駆動軸から、その駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ４２を経由して現像ホッパ３１１の搬送パドルへ駆動力を伝達する。
さらに、現像モータ２から省略している減速駆動系を経由して駆動をＯＮ／ＯＦＦするクラッチ４３を経由してトナーカートリッジ３２の搬送パドルへ駆動力を伝達する。
以上の構成で、クラッチ４１とクラッチ４２をＯＮ／ＯＦＦする事で、現像ホッパ３１１の搬送パドルを、現像スリーブ３１ａと独立して駆動動作させることが可能であり、さらに、クラッチ４１がＯＦＦ時、クラッチ４２とクラッチ４３をＯＮ／ＯＦＦする事で、現像ホッパ３１１の搬送パドルと、トナーカートリッジ３２の搬送パドルを任意のタイミングで回転させることが可能となり、現像モータ１および現像モータ２の回転方向と回転数を変えることによって、現像ホッパ３１１の搬送パドルと、トナーカートリッジ３２の搬送パドルを任意の回転方向、回転速度で回転させることが可能となる。
図としては、本例のみ提示したが、他の駆動例として、現像ホッパ３１１の搬送パドルと、トナーカートリッジ３２の搬送パドルの駆動軸間に変速機構や、逆転機構を入れる構成をとることも可能である。そうすれば現像モータを２つ使用しなくても、動作は可能となる。
【００５７】
（実施例９）
使用環境の温度や湿度が高く、トナーの流動性が低下しているときに、トナーカートリッジ３２から現像ホッパ３１１への供給量を確保したいとき、画像形成装置本体に使用環境の温度・湿度を検知する手段を有し、規定した温度もしくは湿度以上となったときに、現像非動作時に行う、カートリッジ搬送パドルの回転数動作の回転数を通常よりも高く設定して、トナーカートリッジ３２内のトナーの流動性を上げて、現像ホッパ３１１に流れ込みやすくして、現像ホッパ３１１への供給量を高める。
【００５８】
（実施例１０）
トナーカートリッジ３２内のトナーの攪拌を積極的に行うために、トナーカートリッジ３２の搬送パドルの回転数を上げるがトナーカートリッジ３２に戻したトナーが、攪拌不十分なまま現像ホッパ３１１に供給されるのを防ぐために、現像ホッパ３１１の制御弁３４の駆動回数を落として、現像ホッパ３１１側への供給を押さえる。
【００５９】
（実施例１１）
現像ホッパ３１１への供給量増加を行うために、すばやくトナーカートリッジ３２内のトナーの流動性を高めたい場合、例えば、ユーザーの使用法によって高面積画像（例えば画像面積率２０％以上）を取る頻度が高く、現像ホッパ３１１のトナー量が減る傾向がある場合に、本体にプリント出力する画像の画像面積をカウントおよびそのカウント値を記憶する手段を有し、ページ数あたり所定の画像面積カウントを超えている場合に、トナーカートリッジ３２の搬送パドルの回転数を高めて、トナーカートリッジ３２のトナーの流動性を上げて、現像ホッパ３１１に流れ込みやすくする。
または、現像頬ホッパのトナー量を検出する手段を有し、そのトナー量が規定値を下回った場合、トナーカートリッジ３２の搬送パドルの回転数を高めて、トナーカートリッジ３２のトナーの流動性を上げて、現像ホッパ３１１に流れ込みやすくする。
【００６０】
（実施例１２）
現像ホッパ３１１への供給量増加を行うために、すばやくトナーカートリッジ３２内のトナーの流動性を高めたい場合、使用していたトナーカートリッジ３２がトナーエンドに達して、新しいトナーカートリッジ３２に交換したときに、現像ホッパ３１１に新しいトナーを十分な量供給するために、通常よりカートリッジ搬送パドルの回転数を上げる。特に、新しいトナーカートリッジ３２は長期間の保存により、トナーがしまって流れにくい状態となっているので、新しいトナーカートリッジ３２であることを、新品検知フラッグにより検知したら、上記のように、トナーカートリッジ３２内の攪拌を十分行う。
【００６１】
（実施例１３）
現像ホッパ３１１の搬送パドルは、トナーの攪拌、供給ローラ３１ｂへのトナーの搬送を行い、さらに制御弁３４を駆動して、トナーカートリッジ３２からのトナーの供給と、トナーカートリッジ３２へのトナーの排出を行っている。ここで、現像時には供給ローラ３１ｂへトナーを供給しなくてはならないので、搬送パドルはホッパの底面に沿いながらトナーを羽根で供給ローラ３１ｂ側に送り寄せるように作動させる必要があり、そのような回転方向が多く採られる。しかし、この回転方向は、現像ホッパ３１１からトナーカートリッジ３２側にトナーを送り出す作用は無く、そこで、制御弁３４の作用でトナーをトナーカートリッジ３２に排出させているが、排出能力に限界がある。
ここでは、非現像動作時、現像ホッパ３１１の搬送パドルの回転方向を現像時の回転方向と逆方向にする例を説明する。具体的には、搬送パドルを逆回転させることで、ホッパ底面のトナーをすくい上げ、連通口部にトナーだまりを形成する。次に制御弁３４を搬送パドルで駆動して、トナーだまりより、トナーを、連通口を経て、トナーカートリッジ３２側に戻す。このように動作させる事で、トナーカートリッジ３２への排出性能を高めることができる。
また。逆転させる事による別の作用として、現像スリーブ３１ａと、供給ローラ３１ｂ、規制ローラ部に空間を作り、そこにとどまっているトナーを動かし易くして、劣化トナーの滞留を防止できる。
【００６２】
（実施例１４）
この搬送パドルを逆回転させる場合、カートリッジ側の搬送パドル３２ａ、３２ｂの動作は、以下のように選択可能である。トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂも、逆回転するようにする。つまり、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄと、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの駆動が直結していて、現像ホッパ搬送パドル３１ｄが逆回転するとき、同時にカートリッジ搬送パドル３２ａ、３２ｂも決まった回転比で逆方向に回転させる。こうすることによって、トナーカートリッジ３２の連通口部に空間を作りやすくして、トナーの現像ホッパ３１１からトナーカートリッジ３２への戻り効率を上げることができる。
【００６３】
（実施例１５）
続いて、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂは通常方向の回転の場合、例えば、トナーカートリッジ３２の内部構成によっては、カートリッジ搬送パドル３２ａ、３２ｂの回転方向が一方向の方が良い場合がある。
例えば、トナーカートリッジ３２のトナーの排出能力を高めるために、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂを内面をこするぐらい長さを長くしている場合などである。
現像ホッパ３１１からトナーカートリッジ３２側にトナーを効率よく戻すためには、トナーカートリッジ３２の連通口部に空間を作らなくてはならないので、現像ホッパ３１１の搬送パドルを逆回転動作させるときは、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの回転数を遅くして、空間形成時間を長くしたり、トナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの位置検出手段を有し、空間形成位置にトナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの位置を固定、もしくはその位置の回転移動を遅くするなどの方法をとることができ、トナーカートリッジ３２へのトナー戻し量を増加させることが可能である。
【００６４】
（実施例１６）
また、このように単独で、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄとトナーカートリッジ３２の搬送パドル３２ａ、３２ｂの動作を行ったとき、その位相が違ってしまうのを防止するために、上記位置検出手段と、それらを独立して駆動することにより、位相合わせを行うことができる。また、この搬送パドルの逆回転動作を行うのに、以下の条件のもとで行うのが、トナーの特性安定化のためには有効である。すなわち、現像ホッパ３１１のトナー量が規定よりも多くなったとき、現像ホッパ３１１内での攪拌性が低下してしまうので、現像ホッパ３１１のトナー量を検知する手段を設け、それが規定値以上になったとき、上記現像ホッパ３１１の搬送パドルを逆方向に回転させて、現像ホッパ３１１のトナー量を適正化し、トナーの特性を安定化させる。
現像装置３０から感光体へ消費されるトナー量は、画像面積により、極端に低画像の場合は、制御弁３４による戻し作用があっても、現像ホッパ３１１のトナー量は増加する傾向が発生するので、上記のような動作をさせるのは、有効である。
【００６５】
（実施例１７）
上記に関連して、画像面積が極端に低い場合は、現像ホッパ３１１のトナーの劣化が進行してしまうので、そのようなときには積極的にトナーカートリッジ３２への排出を促進するのが良い。
すなわち、プリント出力される画像の画像面積をカウントする手段を有し、ページあたりの画像面積カウント値を計算して、それが規定値以下（例えば２％以下）の場合、ある所定のページ出力に達したときの現像ホッパ搬送パドル３１ｄの回転動作を、逆方向の回転で行うようにする。
同様に、トナーの劣化が進み易い条件として、連続動作が多い場合は、高温度、高湿度の環境での使用時があるが、それぞれ、単位時間内でのプリント出力を計算したり、使用される環境の温度・湿度を検出する手段によって、規定値を超えたときに、現像ホッパ搬送パドル３１ｄの回転動作を、逆方向の回転で行うようにする。
以上により、現像ホッパ３１１に劣化したトナーが多く残ることを防止して、トナー全体の劣化を押さえ、特性を安定化できる。
【００６６】
（実施例１８）
現像ホッパ３１１の搬送パドルを逆回転したときは、トナーカートリッジ３２に多くのトナーを戻され、それが大きな目的である。
また前にも記載したが、トナーをトナーカートリッジ３２に多く戻したときは、トナーカートリッジ３２内での攪拌性を上げる必要があり、またそのときの最適な攪拌動作は、トナーカートリッジ３２のトナー使用量によって変わってくるので、以下のような実施例で動作を適正化する。
すなわち、プリント出力される画像の画像面積をカウントする手段を有し、トナーカートリッジ３２の寿命に相当する画像面積カウントの累積値を１００％として、０％（新品状態）から１００％に行く間に、段階的にトナーカートリッジ３２の搬送パドルの回転数を切り替えて、特に寿命に近づいていくにしたがって低下させていく。
例えば、０−３０％：１倍、３０−６０％：２倍、６０−８０％：１．５倍、８０−１００％：１倍という具合に、トナーカートリッジ３２の初期はトナーの劣化が小さいので、それほど攪拌する必要が無いので、１倍速で使用するが、トナーカートリッジ３２のトナーがある程度減ってくると、攪拌性を上げる必要があり、ここでは仮に２倍速や１．５倍速という設定とする。トナーカートリッジ３２の寿命近くになると、現像ホッパ３１１とトナーカートリッジ３２のトナーの劣化度合いに差が小さくなり、十分攪拌する必要がなくなるので、再び１倍速に戻す。
【００６７】
（実施例１９）
現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄを攪拌動作させ、制御弁３４を駆動して、トナーの循環と攪拌動作を行うと、現像ホッパ３１１とトナーカートリッジ３２間でトナーが行き来して、現像ホッパ３１１のトナー量は変化する。
そこで、現像ホッパ３１１にトナーレベルを検知する手段を有し、適正なトナー量となるように上記攪拌・駆動動作を行って、現像ホッパ３１１のトナー量を安定化させることは、トナーの劣化を押さえるのに有効である。
この方法は、現像ホッパ３１１の搬送パドル３１ｄが通常の回転方向でも、逆に回転させたときでも、またその組み合わせの時でも、同じくトナー特性の安定化、劣化防止には効果がある。
【００６８】
（実施例２０）
低面積画像を多くプリント出力する場合、現像スリーブ３１ａ上のトナーのうち、大部分は感光体に現像されず、すなわち消費されず現像ニップ通過後、現像スリーブ３１ａ上に留まり、供給ローラ３１ｂ等で完全に掻き落されないと、そのまま現像スリーブ３１ａ上を幾周も残ってしまう。このようなトナーは劣化の進行が早く、いろいろな異常画像を発生させる原因ともなっている。
そこで、ある基準面積率を決めておき（例えば２％）、それ以下の画像の場合は、基準面積率に満たないトナー量を、現像スリーブ３１ａから定期的に感光体へ現像・消費する方法がとられている。なお、感光体のクリーニング負荷を上げたくないため、消費パターンはドット構成のハーフトーンや、横ライン構成のハーフトーンが多い。
また、現像スリーブ３１ａ上のトナーの消費は、劣化の進んだ状態のトナーのみを消費するのが最善の方法であるが、今までは、現像スリーブ３１ａの劣化したトナーのうえに、現像ホッパのトナーが混在して、それらをまとめて消費していた。
そこで、以下の実施例に、できるだけ劣化したトナーの消費比率を多くする方法を提示する。
【００６９】
すなわち、低画像が続いた後、消費すべき劣化トナーの量を計算して、消費モードに入る際に、現像ホッパの攪拌パドルを停止して、供給ローラ３１ｂや現像スリーブ３１ａに現像ホッパ内のトナーを供給しない状態を作って、現像ローラ、供給ローラ３１ｂを回転させ、感光体に通常の現像電界で劣化したトナーを移行させる。その際、完全に劣化トナーの除去は、接触現像においては難しいが、現像ホッパ３１１の劣化度の低いトナーまで消費すること無く、劣化トナーを優先的に消費する事ができる。その後，現像スリーブ３１ａを停止して、かわりに現像ホッパの搬送パドル３１ｄを攪拌駆動し、現像ホッパ３１１のトナーの帯電安定化をはかり、つづいて現像スリーブ３１ａ・供給ローラ３１ｂ・搬送パドル３１ｄを回転駆動して、安定した特性のトナーを供給ローラ３１ｂおよび現像スリーブ３１ａに供給することで、良好な現像特性および良好な画質を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【００７０】
【図１】本発明にかかわる現像装置の構成を示す概略図である。
【図２】本発明の現像装置における現像ユニットに配置される制御弁の構造を示す概略図である。
【図３】トナーカートリッジ側から現像ユニットにトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。
【図４】トナーカートリッジ側のトナーが供給される状態を模式的に説明するための図である。
【図５−１】現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。
【図５−２】現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。
【図５−３】現像ユニットとトナーカートリッジとの間におけるトナーの移動について模式的に示した図である。
【図６】本発明に係る第１搬送パドルを示す図である。本発明に好適に用いる第１搬送パドルの斜視図である。
【図７】本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図８】本発明の現像装置における連通口の構成を示した概略図であり、（Ａ）は現像ユニット３１側の構成を示し、（Ｂ）はトナーカートリッジ側の構成を示している。
【図９】本発明の実施形態の画像形成装置における現像装置の駆動系の構成を示す概略図である。
【図１０】外添剤条件によるトナーの帯電量分布を測定したグラフを示している。
【図１１】トナーへの外添剤の量と問題発生のレベルとの関係を示すグラフである。
【図１２】本発明の実施形態の画像形成装置における現像装置の駆動系の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【００７１】
１ 画像形成装置
１１ 感光体
１２ 感光体クリーニングユニット
１３ 第１の帯電手段
１４ 駆動ローラ（感光体）
１５、１６ 従動ローラ（感光体）
２０ 露光手段
２１ レジストローラ
２５ 給紙ローラ
２６ 接離機構
３０ 現像装置
３１ 現像ユニット
３１１ 現像ホッパ
３１ａ 現像スリーブ
３１ｂ 供給ローラ
３１ｃ 規制ローラ
３１ｄ 第１搬送パドル
３１ｅ スライドシャッター
３１ｆ 弾性部材
３１ｇ 窓部
３２ トナーカートリッジ
３２１ 第１収納室
３２２ 第２収納室
３２ａ 第２搬送パドル
３２ｂ 第３搬送パドル
３２ｃ スライドシャッター
３２ｄ 弾性部材
３２ｅ 固定シール
３３ 連通口
３４ 制御弁
３４ａ 支持部
３４ｂ フィルム
３５ リブ
４０ 中間転写ベルトユニット
４１ 中間転写ベルト
４２ ベルトクリーニングユニット
４３ マークセンサ
４４ 駆動ローラ（中間転写ベルト）
４５ 一次転写バイアスローラ
４６、４７ 従動ローラ
４９ ベルト位置検出マーク
５０ 二次転写ユニット
５１ 二次転写バイアスローラ
６０ 定着手段
７０ 両面搬送装置
８０ 給紙装置
８１ 給紙ローラ
８３ 手差しトレイ
９０ 転写材
【特許請求の範囲】
【請求項１】
像担持体の潜像をトナーで現像する現像ユニットと、
現像ユニットにトナーを補給するトナーカートリッジとを横方向に配列し、トナーカートリッジを自在に着脱できる現像装置であって、
前記現像ユニットは、トナーカートリッジから補給されたトナーを溜める現像ホッパと現像ホッパにあるトナーを供給ローラに送る搬送パドルと、送られたトナーを現像スリーブに供給する供給ローラと、現像スリーブ上のトナーを規制してトナー層を形成するトナー層規制部材と、トナー層規制部材によって規制されたトナー層を像担持体に接触して現像する現像スリーブから構成されていて、かつ、
前記現像装置は、トナーカートリッジと現像ユニットとの間でトナーを通過させる連通口と、その通過させるトナー量を制御するために現像ホッパ側内面に制御弁とを備える現像装置において
前記現像装置は、現像ホッパの搬送パドルを、現像スリーブと独立して駆動動作可能にし、
非現像動作時に現像ホッパの搬送パドルを駆動動作させる
ことを特徴とする現像装置。
【請求項２】
非現像動作時に現像スリーブを停止した状態で、現像ホッパの搬送パドルを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項１に記載の現像装置。
【請求項３】
非現像動作時で駆動動作する現像ホッパの搬送パドルの回転数が、現像動作時の搬送パドルの回転数と異なる回転数で回転する
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の現像装置。
【請求項４】
非現像動作時で駆動動作する現像ホッパの搬送パドルの回転方向が、現像動作時の搬送パドルの回転方向と逆方向に回転可能とする
ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の現像装置。
【請求項５】
前記現像ホッパの搬送パドルと、前記トナーカートリッジの搬送パドルの回転するタイミングと、回転数比を可変とし、さらに、 前記制御弁の駆動周期、タイミングを可変とし、
非現像動作時に、現像ホッパの搬送パドル、制御弁及びトナーカートリッジの搬送パドルを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載の現像装置。
【請求項６】
前記現像装置に用いられるトナーは、その帯電極性が負帯電であって、
トナーの表面に付着させる外添剤が疎水化シリカのみの場合は、その外添量をトナー１００重量部に対して１．２〜７．０重量部とする、または、
トナーの表面に付着させる外添剤が疎水化シリカを含む複数種の外添剤を使用する場合は、その外添剤総量が２．０〜７．０重量部で、そのうち疎水化シリカの割合が合計添加剤量の重量で５０％以上とする
ことを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載の現像装置。
【請求項７】
潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体を介して記録部材に転写する転写装置と、像担持体上のトナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項１ないし６のいずれかに記載の現像装置を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項８】
前記画像形成装置は、印刷した画像の画像面積をカウントするカウント手段と、画像面積カウント値を記憶する画像面積記憶手段を有し、
記憶された画像面積カウント値から、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項９】
前記画像形成装置は、現像ホッパのトナー量を検知する現像ホッパ検知手段を有し、
その検知した現像ホッパのトナー量から、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項１０】
前記画像形成装置は、トナーカートリッジのトナー量を検知するトナーカートリッジ検知手段を有し、
その検知したカートリッジのトナー量から、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項１１】
前記画像形成装置は、印刷出力したページ数をカウントし、記憶するページ記憶手段を有し、
記憶されたページカウント値から、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項１２】
前記画像形成装置は、使用雰囲気の温度又は湿度を検知し記憶する環境記憶手段を有し、
温度、湿度、記憶した温度を基にした変化、記憶した湿度を基にした変化の中から選択して、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項１３】
前記画像形成装置は、非現像動作時に現像スリーブからトナーを感光体に付着して消費するモードを持ち、
当該現像装置が、前記トナーを消費する動作時に、搬送パドルを停止して、トナーを供給ローラに搬送しない
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項１】
像担持体の潜像をトナーで現像する現像ユニットと、
現像ユニットにトナーを補給するトナーカートリッジとを横方向に配列し、トナーカートリッジを自在に着脱できる現像装置であって、
前記現像ユニットは、トナーカートリッジから補給されたトナーを溜める現像ホッパと現像ホッパにあるトナーを供給ローラに送る搬送パドルと、送られたトナーを現像スリーブに供給する供給ローラと、現像スリーブ上のトナーを規制してトナー層を形成するトナー層規制部材と、トナー層規制部材によって規制されたトナー層を像担持体に接触して現像する現像スリーブから構成されていて、かつ、
前記現像装置は、トナーカートリッジと現像ユニットとの間でトナーを通過させる連通口と、その通過させるトナー量を制御するために現像ホッパ側内面に制御弁とを備える現像装置において
前記現像装置は、現像ホッパの搬送パドルを、現像スリーブと独立して駆動動作可能にし、
非現像動作時に現像ホッパの搬送パドルを駆動動作させる
ことを特徴とする現像装置。
【請求項２】
非現像動作時に現像スリーブを停止した状態で、現像ホッパの搬送パドルを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項１に記載の現像装置。
【請求項３】
非現像動作時で駆動動作する現像ホッパの搬送パドルの回転数が、現像動作時の搬送パドルの回転数と異なる回転数で回転する
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の現像装置。
【請求項４】
非現像動作時で駆動動作する現像ホッパの搬送パドルの回転方向が、現像動作時の搬送パドルの回転方向と逆方向に回転可能とする
ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の現像装置。
【請求項５】
前記現像ホッパの搬送パドルと、前記トナーカートリッジの搬送パドルの回転するタイミングと、回転数比を可変とし、さらに、 前記制御弁の駆動周期、タイミングを可変とし、
非現像動作時に、現像ホッパの搬送パドル、制御弁及びトナーカートリッジの搬送パドルを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載の現像装置。
【請求項６】
前記現像装置に用いられるトナーは、その帯電極性が負帯電であって、
トナーの表面に付着させる外添剤が疎水化シリカのみの場合は、その外添量をトナー１００重量部に対して１．２〜７．０重量部とする、または、
トナーの表面に付着させる外添剤が疎水化シリカを含む複数種の外添剤を使用する場合は、その外添剤総量が２．０〜７．０重量部で、そのうち疎水化シリカの割合が合計添加剤量の重量で５０％以上とする
ことを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載の現像装置。
【請求項７】
潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した像担持体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、像担持体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、像担持体表面の可視像を直接又は中間転写体を介して記録部材に転写する転写装置と、像担持体上のトナ−をクリ−ニングするクリ−ニング装置と、記録部材上の可視像を熱及び又は圧力で定着させる定着装置とを備える画像形成装置において、
前記画像形成装置は、請求項１ないし６のいずれかに記載の現像装置を用いる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項８】
前記画像形成装置は、印刷した画像の画像面積をカウントするカウント手段と、画像面積カウント値を記憶する画像面積記憶手段を有し、
記憶された画像面積カウント値から、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項９】
前記画像形成装置は、現像ホッパのトナー量を検知する現像ホッパ検知手段を有し、
その検知した現像ホッパのトナー量から、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項１０】
前記画像形成装置は、トナーカートリッジのトナー量を検知するトナーカートリッジ検知手段を有し、
その検知したカートリッジのトナー量から、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項１１】
前記画像形成装置は、印刷出力したページ数をカウントし、記憶するページ記憶手段を有し、
記憶されたページカウント値から、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項１２】
前記画像形成装置は、使用雰囲気の温度又は湿度を検知し記憶する環境記憶手段を有し、
温度、湿度、記憶した温度を基にした変化、記憶した湿度を基にした変化の中から選択して、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とを駆動動作させる、または、
現像ホッパの搬送パドルと制御弁とトナーカートリッジの搬送パドルとを駆動動作させる
ことを特徴とする請求項７に記載の画像形成装置。
【請求項１３】
前記画像形成装置は、非現像動作時に現像スリーブからトナーを感光体に付着して消費するモードを持ち、
当該現像装置が、前記トナーを消費する動作時に、搬送パドルを停止して、トナーを供給ローラに搬送しない
ことを特徴とする画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５−１】
【図５−２】
【図５−３】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５−１】
【図５−２】
【図５−３】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【公開番号】特開２００９−６３８５５（Ｐ２００９−６３８５５Ａ）
【公開日】平成２１年３月２６日（２００９．３．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２３２２３５（Ｐ２００７−２３２２３５）
【出願日】平成１９年９月７日（２００７．９．７）
【出願人】（０００００６７４７）株式会社リコー (37,907)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年３月２６日（２００９．３．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年９月７日（２００７．９．７）
【出願人】（０００００６７４７）株式会社リコー (37,907)
【Ｆターム（参考）】
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