環境管理システム及び環境管理方法
【課題】疲労や作業効率の低下が予想される際に環境の管理によって向上を図る。
【解決手段】作業者1には生理状態をモニタするモニタ手段2が設けられ、モニタされた脈拍等の生理状態のデータが検知手段3に供給され、このデータ情報が、通信手段4を通じて記録手段7に記録されると共に、この記録手段7に記録されたデータ情報が情報処理装置8で読み出される。この読み出された情報が内部の比較手段81に供給され、供給された検知手段3からのデータと予め記録された基準値とが比較される。この比較結果に基づいて、作業指示を行う内容が指示決定手段82で決定され、配信手段83から環境制御手段12に配信される。これにより環境制御手段12では、配信された環境制御の情報に基づいて照明装置13、送付装置14、芳香装置15、音響装置16などの対象者1の居る場所の環境を制御する装置手段にそれらを駆動する指令信号が発せられる。
【解決手段】作業者1には生理状態をモニタするモニタ手段2が設けられ、モニタされた脈拍等の生理状態のデータが検知手段3に供給され、このデータ情報が、通信手段4を通じて記録手段7に記録されると共に、この記録手段7に記録されたデータ情報が情報処理装置8で読み出される。この読み出された情報が内部の比較手段81に供給され、供給された検知手段3からのデータと予め記録された基準値とが比較される。この比較結果に基づいて、作業指示を行う内容が指示決定手段82で決定され、配信手段83から環境制御手段12に配信される。これにより環境制御手段12では、配信された環境制御の情報に基づいて照明装置13、送付装置14、芳香装置15、音響装置16などの対象者1の居る場所の環境を制御する装置手段にそれらを駆動する指令信号が発せられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば長時間に亙って同じ姿勢でいる人や、同じ行為(作業)をしている人(以下の説明では、対象者と称する)に対して実施され、対象者の疲労回復や作業効率の低下の防止に利用して好適な環境管理システム及び環境管理方法に関する。詳しくは、対象者の生理状態や行動を判別して、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御するものであり、環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることを目的するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば作業指示システムとして、作業者(対象者)の疲労度を測定可能とし、かつ必要な休憩等を数値化し、作業者の健康の管理や作業環境等の適性化を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、作業者の疲労度等の判定結果に基づいて、作業者の作業量を制御しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
すなわち、作業者の疲労度等を判定して、作業者に休憩等の作業の指示を行うシステムは周知であり、その指示のために作業者の作業量の制御を行うものも知られている。
【特許文献1】特開平9−276254号公報
【特許文献2】特開平9−140688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば作業工程において、その作業に従事する作業者の疲労度が増してくると、作業効率の低下や事故の発生等の問題を生じる恐れが高くなる。そこで、所定の条件を定めて、作業者にリフレッシュ、すなわち休憩を勧告することが行われている。そのためのリフレッシュ条件として、上記の特許文献1、2においては、作業者の疲労度を脈拍等により判定して、休憩の勧告などの作業に関する指示を行っているものである。
【0006】
一方、例えば航空機に搭乗している乗客が長時間に亙って座席に座ったままで同じ姿勢を強いられる場合がある。この場合には、いわゆるエコノミー症候群と呼ばれる人体等に障害を発生する問題が指摘されている。あるいは、弾球遊技機(例えばパチンコ)などの遊技場においては、遊戯者が長時間に亙って座席に座ったままで同じ姿勢を続けている場合がある。このような場合においても、人体に必要以上の疲労が生じる恐れがある。
【0007】
しかしながら上記の特許文献1、2は、いずれも単に作業者に作業を休む指示を行ったり、作業そのものを加減したりする制御をしているもので、作業以外に亙って対象者の疲労の解消やリフレッシュなどを目的とした管理を行っているものではない。また、航空機の乗客や遊技場の遊戯者においては、作業を休むことや作業を加減することも容易に実施できない場合が存在するものである。
【0008】
この発明はこのような問題点に鑑みて成されたものであって、本発明の目的は、対象者の生理状態や行動を判別して、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御し、環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタする検知手段と、検知手段でモニタされた対象者の行動及び/または生理状態を数値化する測定手段と、測定手段で測定された値を記録する記録手段と、測定手段で測定された値を任意の基準値と比較して対象者の異常及び/または正常を判定する演算手段とを有し、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の環境を制御することを特徴とする環境管理システムである。
【0010】
請求項2記載の環境管理システムは、請求項1において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の照明を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の環境管理システムは、請求項1において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の温度、湿度、気圧の内の一つ以上を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の環境管理システムは、請求項1において、検対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の送風及び/または芳香の発生を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の環境管理システムは、請求項1において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の音響を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の環境管理システムは、請求項1において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の近傍に設置されたマッサージ機の駆動を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の環境管理システムは、請求項1〜6のいずれか一つにおいて、対象者の居る場所の環境を制御するための複数の環境制御手段が設けられ、これらの環境制御手段を選択するための選択手段がさらに設けられることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の環境管理システムは、請求項7において、環境制御手段の選択は、システムが発する音声による問合せに対する対象者の回答を認識して行うことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の環境管理システムは、請求項7において、環境制御手段の選択は、複数の環境制御手段を識別する名称が提示され、これらの名称の中から選択手段による選択が行われることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の環境管理システムは、請求項7において、記録手段には対象者別に測定手段で測定された値が順次蓄積され、蓄積された値の推移に応じて選択手段による選択が行われることを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の環境管理システムは、請求項1において、記録手段には対象者別に測定手段で測定された値が順次蓄積され、蓄積された値の推移に応じて対象者の居る場所の環境を制御するための環境制御手段に対する微調整若しくは変更の指示が行われることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の目的を達成するため、請求項12に記載された発明は、対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタし、モニタされた対象者の行動及び/または生理状態を数値化して測定し、測定された値を記録し、測定された値を任意の基準値と比較して対象者の異常及び/または正常を判定すると共に、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の環境を制御することを特徴とする環境管理方法である。
【0021】
請求項13記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の照明を制御することを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の温度、湿度、気圧の内の一つ以上を制御することを特徴とする。
【0023】
請求項15記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の送風及び/または芳香の発生を制御することを特徴とする。
【0024】
請求項16記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の音響を制御することを特徴とする。
【0025】
請求項17記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、判定された結果に基づいて対象者の近傍に設置されたマッサージ機の駆動を制御することを特徴とする。
【0026】
請求項18記載の環境管理方法は、請求項12〜17のいずれか一つにおいて、対象者の居る場所の環境を制御するための複数の環境制御手段が設けられ、これらの環境制御手段を選択することを特徴とする。
【0027】
請求項19記載の環境管理方法は、請求項18において、環境制御手段の選択は、システムが発する音声による問合せに対する対象者の回答を認識して行うことを特徴とする。
【0028】
請求項20記載の環境管理方法は、請求項18において、環境制御手段の選択は、複数の環境制御手段を識別する名称が提示され、これらの名称の中から選択が行われることを特徴とする。
【0029】
請求項21記載の環境管理方法は、請求項18において、対象者別に測定手段で測定された値が順次蓄積され、蓄積された値の推移に応じて選択が行われることを特徴とする。
【0030】
請求項22記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者別に測定された値が順次蓄積され、蓄積された値の推移に応じて対象者の居る場所の環境を制御するための微調整若しくは変更の指示が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
以上述べたように、本発明の環境管理システム及び環境管理方法によれば、複数の作業者の生理状態を検出して、対象者の生理状態や行動を判別して、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御するようにしたものであって、この環境の管理によって、対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明を説明するに、図1は本発明による環境管理システム及び環境管理方法を適用した作業工程の一実施形態の構成を示す模式図を含むブロック図である。
【0033】
図1において、対象者1には、脈拍、血圧、体温、発汗、呼吸数等の生理状態の内の一つ以上をモニタするモニタ手段2が設けられる。そして、このモニタ手段2でモニタされた脈拍等の生理状態のデータが無線または有線で検知手段3に供給され、この検知手段3で検知されたデータ情報が、通信手段4を通じてLAN(Local Area Network)5等の情報ネットワークに送信される。また、対象者1が同じ行為を繰り返しているような作業の場合には、その身体の動きを観測する観測手段としてのビデオカメラ6が設けられ、その映像情報もLAN5等の情報ネットワークに送信される。
【0034】
これらの送信された情報は、LAN5上に設けられる記録手段7に記録される。さらにこの記録手段7に記録されたデータ情報が情報処理装置8で読み出される。そしてこの情報処理装置8では、上述の検知手段3で検知された対象者1の脈拍等の生理状態のデータやビデオカメラ6で観測された身体の動きの観測データが内部の比較手段81に供給され、例えば記録手段7に予め記録された基準値と比較されて、対象者1の肉体的疲労などによる作業効率の低下などの予兆が判定される。
【0035】
また、LAN5を通じて、対象者1の近傍に設けられる始動スイッチ9からの始動のタイミングを示す情報や、時計装置10からの時刻情報が供給されて、上述の判定のタイミングが設定される。さらにLAN5上には、例えば作業の進捗状況に応じて判定の条件を変更するなどの人間が行う判断を、システムに反映させることができるようにするための管理センター11が設けられる。すなわち、この管理センター11を通じて、例えば比較手段81での比較に用いる基準値の変更等の処置を行うことができるものである。
【0036】
そして、上述の比較手段81での比較結果に基づいて対象者1による作業効率の低下などの予兆が判定されると、判定結果に応じて環境制御を行う内容等が制御決定手段82で決定される。さらに、決定された環境制御の情報が配信手段83からLAN5を通じて環境制御手段12に配信される。これにより環境制御手段12では、配信された環境制御の情報に基づいて照明装置13、送付装置14、芳香装置15、音響装置16などの対象者1の居る場所の環境を制御する装置手段にそれらを駆動する指令信号が発せられる。
【0037】
また、情報処理装置8の配信手段83からは、LAN5及び通信手段4を通じて上述の照明装置13、送付装置14、芳香装置15、音響装置16などを選択する選択画面が表示入力装置17に供給され、この表示入力装置17に設けられる例えばタッチパネルを用いて、対象者1が所望の装置を選択することができるようにしてもよい。あるいは、通信手段4からは、例えば音声合成によって所定の質問をスピーカ18から発生し、対象者1の回答をマイクロフォン19で収音し音声解析によって選択を行うこともできる。
【0038】
こうして、上述のシステムによれば、検知手段3で検知された脈拍等の生理状態のデータやビデオカメラ6で観測された身体の動きの観測データによって対象者の生理状態や行動を判別する。そして、疲労や作業効率の低下が予想される際には、環境制御手段12を介して照明装置13、送付装置14、芳香装置15、音響装置16などを駆動し、対象者1の居る場所の環境を制御する。このような環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができる。
【0039】
なお、上述のシステムでは図示されていないが、上記のモニタ手段2、検知手段3、通信手段4、ビデオカメラ6、始動スイッチ9、表示入力装置17等の構成は、例えば製品の製造ラインに従事する複数の対象者の個々に設けられる。これにより、複数の対象者の個々のモニタ手段2でモニタされた生理状態が、LAN5を通じて情報処理装置8に集められる。そして、これらの情報から決定された環境制御情報が環境制御手段12に配信されて、複数の対象者の個々に対して環境制御を実行することができるものである。
【0040】
さらに以下には、上記の環境制御についての具体的な処理を、フローチャートを参照して説明する。まず図2には、環境制御の手段として照明装置13を制御する場合の具体的な処理のフローチャートを示す。
【0041】
すなわち図2において、例えば始動スイッチ9が操作されると処理動作が開始される。そして、まずステップS1で検知手段3にて、例えばモニタ手段2の脈拍計から対象者1の基準となる脈拍値A等の生理状態のデータが取得される。次にステップS2で、例えば環境制御手段12に内蔵される温度計からの対象者1の居る場所の外部温度1が取得される。そして、ステップS3で後述する処理ループの始端が設定される。
【0042】
次にステップS4で、脈拍計にて対象者1のその時点の脈拍値B等の生理状態のデータが取得され、ステップS5でこの脈拍値B等の生理状態のデータが、検知手段3から通信手段4、LAN5を通じて記録手段7に記録される。また、ステップS6では、例えば環境制御手段12に内蔵される温度計からその時点の対象者1の居る場所の外部温度2が取得される。
【0043】
さらにステップS7では図3のAに示すような外部温度変化と脈拍の依存テーブルが参照されて加算値が求められ、ステップS8で脈拍値Aと脈拍値Bの差分に加算値を加えて評価値Xが算出され、ステップS9で、例えば図3のBに示すようなリフレッシュ条件と評価値Xが比較される。そしてステップS10でリフレッシュ条件が判断される。
【0044】
すなわち、例えば外部温度1:20℃、外部温度2:15℃とすると、図3のAの脈拍依存テーブルから、加算値は−5となる。
次に、例えば脈拍値A:70、脈拍値B:68とすると、
脈拍値B(68)−脈拍値A(70)+5=3
となり、図3のBに示すリフレッシュ条件判断表より、グループA(正常)と判断される。
【0045】
ここでもし脈拍値B:80となれば
脈拍値B(80)−脈拍値A(70)+5=15
となり、図3のBに示すリフレッシュ条件判断表より、グループC(脈拍大)と判断される。
【0046】
そして、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS11で照明装置13が消灯され、ステップS12で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0047】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、さらにステップS13で脈拍大であるか否か判断され、グループBで脈拍大のとき(YES)はステップS14で青い照明が選択され、グループCで脈拍小のとき(No)はステップS15で青い照明が選択される。そしてステップS16で照明装置13が照射され、ステップS12で検査終了条件が判断される。
【0048】
従ってこの実施形態においては、対象者1の評価値X(脈拍値)によって照明が切り替えられる。ここで、脈拍値が小さいときには心理的に活性化できる照明にて対象者1を照らし、脈拍値が大きいときには心理的に落ち着かせる照明にて対象者1を照らしている。また、このシステムが多数の対象者1に対してそれぞれ設けられている場合には、外部からは、照明により複数の対象者の状態を一括に把握することができる。
【0049】
すなわちこの実施形態によれば、照明により心理面から対象者をリフレッシュさせる。これにより対象者の行動と同時にリフレッシュさせている為、多くの休憩時間等とる必要がなく行動効率を向上させることができる。また外部から照明の状態により、対象者の状態を把握でき、リフレッシュさせることができる。なお、フローチャートでは、心理的に活性化する照明を赤い照明、心理的に落ち着かせる照明を青に照明としている。
【0050】
次に、図4には、対象者毎にリフレッシュ方法を自動選定するシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図4の説明においては、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略するが、ステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0051】
そしてこの図4のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS21で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0052】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS22で記録手段7から過去のリフレッシュ前後のデータが取得され、ステップS23で最も効率の良いリフレッシュ方法が選択される。さらに、ステップS24で表示入力装置17にリフレッシュ方法が提示され、ステップS25でリフレッシュが実施され、ステップS21で検査終了条件が判断される。
【0053】
従ってこの実施形態においては、リフレッシュ条件判断にて異常と判断された場合には、過去のリフレッシュ前後のデータを取得し、最も効率の良かったリフレッシュ方法を選択することができる。
【0054】
そこで、例えばリフレッシュ方法として、照明を変化させる事、送風を変化させる事、音楽を流す事によりリフレッシュを実施してきた対象者1ならば、異常から正常になるまでの各ループ回数を確認する。すなわち、過去に照明の変化:ループ回数4回、送風の変化:ループ回数5回、音楽を流す:ループ回数2回などを行っていた場合には、この結果より、音楽を流す事が対象者1に対して効果的と判断できる。
【0055】
そして対象者1に対しては、ステップS24で音楽を流す事を示し、ステップS25でリフレッシュ(音楽を流す)を実施する。また、対象者1にリフレッシュ方法のデータがない場合には、各リフレッシュ方法、例えば照明の変化、送風の変化、音楽を流す事などを順番に実施し、最も効率の良いリフレッシュ方法を選定する。
【0056】
こうしてこの実施形態によれば、対象者1に対して固有にリフレッシュ方法を選択でき、対象者1毎に適したリフレッシュ方法を指示・実施することができる。また、対象者の過去のデータに基づいて自動的にリフレッシュ方法を選定することができる。なお、システムを初めて使用する対象者に対しては、例えばデフォルトのリフレッシュ方法が存在してそれを用いることになるが、使用を繰り返すことによって最適なリフレッシュ方法が選択されるようになる。
【0057】
次に、図5には、対象者毎にリフレッシュ方法を選定できるシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図5の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0058】
そしてこの図5のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS31で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0059】
さらにステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS32で記録手段7から過去のリフレッシュ前後のデータが取得され、ステップS33で最も効率の良いリフレッシュ方法が選択されて、表示入力装置17にリフレッシュ方法が提示される。そしてステップS34で対象者1による選択が行われ、ステップS35でリフレッシュが実施され、ステップS31で検査終了条件が判断される。
【0060】
従ってこの実施形態において、リフレッシュ条件判断にて異常と判断された場合には、過去のリフレッシュ前後のデータを取得し、最も効率の良かったリフレッシュ方法を抽出し、それを提示して対象者に選択させる。これにより対象者毎に適したリフレッシュを指示する事ができ、また対象者も自分の好みのリフレッシュ方法を選択することができる。
【0061】
そこで、例えば過去にリフレッシュとして、照明を変化させる事、送風を変化させる事、音楽を流す事によりリフレッシュを実施してきた対象者ならば、異常から正常になるまでの各ループ回数を確認する。すなわち、過去に照明の変化:ループ回数3回、送風の変化:ループ回数5回、音楽を流す:ループ回数2回などを行っていた場合には、この結果より、照明の変化と音楽を流す事が対象者1に対して有効であると判断できる。
【0062】
そして対象者1に対しては、ステップS33で照明の変化と音楽を流す事を提示し、ステップS34で選択されたリフレッシュ方法をステップS35で実施する。こうしてこの実施形態によれば、対象者は好みに合わせて、リフレッシュ方法を選択することができる。また、対象者はリフレッシュ方法を複数選択することもできる。これにより、図5の実施形態よりも効果的に対象者をリフレッシュさせることができる。
【0063】
さらに図6には、システムとの応答が行え、応答結果によってリフレッシュ方法を決定するシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図6の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0064】
そしてこの図6のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS41で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0065】
さらにステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS42でシステムとの応答「A」が発動する。ここでシステムの応答「A」は、例えば表示入力装置17に「音楽を聞きたいですか?」と表示される。これに対して対象者1が「YES」と答えれば、ステップS43で「音楽を流す」のリフレッシュ方法が提示され、ステップS44で提示されたリフレッシュが実施される。
【0066】
また、ステップS42でシステムとの応答「A」に対し、対象者1が「NO」と答えたときは、ステップS45でシステムとの応答「B」が発動する。ここでシステムの応答「B」は、例えば表示入力装置17に「精神的に疲労していますか?」と表示される。これに対して対象者1が「YES」と答えれば、ステップS46で「風(芳香)をあてる」リフレッシュ方法が提示され、ステップS44で提示されたリフレッシュが実施される。
【0067】
さらにステップS45でシステムとの応答「B」に対し、対象者1が「NO」と答えたときは、リフレッシュ方法Cを提示し、リフレッシュ方法Cを実行する。ここでは、例えば照明を変化させるなどのリフレッシュ方法が実施されたりする。なお、上述の実施形態ではシステムとの応答を2つとしたが、より多くシステムとの応答を行っても良い。これによって、システムをより適切なリフレッシュ方法へ導くことができる。
【0068】
また、図7には、システムとの応答が行え、応答結果によってリフレッシュ方法を選択できるシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図7の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0069】
そしてこの図6のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS51で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0070】
さらにステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS52でシステムとの応答「A」が発動する。ここでシステムの応答「A」は、例えば表示入力装置17に「肉体的に疲労していますか?」と表示される。これに対して対象者1が「YES」と答えれば、ステップS53で「作業を休止する」「責任者を呼ぶ」の選択肢が提示される。そして、ステップS54で対象者1が選択を行うと、ステップS55で選択された項目が実施される。
【0071】
また、ステップS52でシステムとの応答「A」に対し、対象者1が「NO」と答えたときは、ステップS56で、例えば表示入力装置17に「音楽を流す」「風(芳香)をあてる」「照明を変更する」等のリフレッシュ方法の選択枝が表示される。そして、ステップS57で対象者1がその内の一つまたは複数を選択すると、ステップS55で選択されたリフレッシュ方法が実施される。
【0072】
これによってこの実施形態によれば、リフレッシュ方法が複数提示され、対象者はその中から希望の項目が選択できる。従って、システムによりリフレッシュ方法を導いて対象者を支援することができ、より適切なリフレッシュ方法を実現することができる。
【0073】
さらに図8には、結果のフィードバックによってリフレッシュ方法を選択できるシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図8の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0074】
そしてこの図8のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS51で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0075】
これに対して、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、さらにステップS62で過去のリフレッシュデータがあるか検索する。ここで過去のリフレッシュデータとは、風(芳香)の強度や種類、照明の色や輝度、音楽の種類や音量による対象者のリフレッシュ度合いを示したものであって、例えば対象者1がリフレッシュ条件に適合したとき、最も効果的なリフレッシュ方法とその種類や強度が格納されたデータである。
【0076】
また、ここではリフレッシュ後のローテーションも考慮している。すなわち、例えば対象者1が、照明によるリフレッシュ後は、音楽によるリフレッシュが最も効果があるならば、照明の変更の次は、音楽を流すリフレッシュ方法が選択され、音楽によるリフレッシュ方法は、最初はクラシックがよく、次にはポップスが良いなどを考慮する。らさに、音楽によるリフレッシュで、対象者1の状態が正常にならない場合は、自動的に音量を小さくすることもできる。
【0077】
そして、ステップS62でこのような過去のデータがあったとき(YES)は、ステップS64でそのデータに基づいて上述のようなリフレッシュ方法の微調整や最適なリフレッシュ方法が検出され、検出されたリフレッシュ方法がステップS64で提示される。さらにステップS65でリフレッシュが実施される。なお、ステップS62で過去のデータがなかったとき(NO)は、直接ステップS65でリフレッシュが実施される。
【0078】
さらにステップS66では、検知手段3で検知された脈拍等の生理状態のデータが取得され、ステップS67で記録手段7にてリフレッシュ方法が記録される。これによって、この実施形態によれば、リフレッシュ方法は、リフレッシュ方法の相互作用、及び該当したリフレッシュ方法の種類、強度を過去のデータから自動的に変更できるリフレッシュ方法であるデータがあるか否か判断される。これによって、対象者により適したリフレッシュ方法を実施させることができる。
【0079】
さらに図9には、リフレッシュ方法として風を当てる(アロマテラピー)によるリフレッシュ方法を採用したシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図9の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0080】
そしてこの図9のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS71で送風装置14及び/または芳香装置15が停止され、ステップS72で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0081】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、さらにステップS73で脈拍大であるか否か判断され、グループBで脈拍大のとき(YES)はステップS74でさわやかな芳香が選択され、グループCで脈拍小のとき(No)はステップS75で刺激的な芳香が選択される。そしてステップS76で送風装置14が駆動され、ステップS72で検査終了条件が判断される。
【0082】
従ってこの実施形態においては、対象者をリフレッシュさせることができる。また、対象者の状態をモニタリングしながら、芳香を変化させ風で香りを送ることも可能であり、さらに風の強弱及び風を当てる場所も変化させることができる。
【0083】
また、図10には、リフレッシュ方法として音や音楽を発生させることによるリフレッシュ方法を採用したシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図10の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0084】
そしてこの図10のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS81で音響装置16が停止されて音または音楽が停止され、ステップS82で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0085】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、さらにステップS83で脈拍大であるか否か判断され、グループBで脈拍大のとき(YES)はステップS84で落ち着かせる音または音楽が選択され、グループCで脈拍小のとき(No)はステップS85で活動的な音または音楽が選択される。そしてステップS86で音響装置16が駆動されて音または音楽が放送され、ステップS82で検査終了条件が判断される。
【0086】
従ってこの実施形態においては、音または音楽を用いて対象者をリフレッシュさせることができる。また、対象者の状態をモニタリングしながら、音または音楽を変化させることも可能であり、さらに音または音楽の強弱やテンポなども変化させることができる。
【0087】
さらに図11には、リフレッシュ方法として、マッサージ機を連動させることによるリフレッシュ方法を採用したシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図11の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0088】
そしてこの図11のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS91でマッサージ機が停止され、ステップS92で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0089】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS93でマッサージ機が駆動され、ステップS82で検査終了条件が判断される。従ってこの実施形態においては、マッサージ機を用いて対象者をリフレッシュさせることができる。また、対象者の状態をモニタリングしながら、マッサージ機の駆動の強弱やテンポなども変化させることもできる。
【0090】
このようにして、上述の実施形態においては、複数の作業者の生理状態を検出して、対象者の生理状態や行動を判別して、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御するようにしたものであって、この環境の管理によって、対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるものである。
【0091】
さらに本発明の環境管理システム及び環境管理方法は、例えば航空機に搭乗している乗客が長時間に亙って座席に座ったままで同じ姿勢でいる場合や、弾球遊技機(例えばパチンコ)などの遊技場において、遊戯者が長時間に亙って座席に座ったままで同じ姿勢を続けている場合などにおいても採用することができるものである。
【0092】
そこで、対象者を飛行機の乗客として説明する場合には、図2のフローチャートにおいては、乗客Aは座席に着座すると同時に、脈拍(脈拍値A)が計測される。また、現在の旅客機内部の温度(機内温度A)も測定される。数十分後、再度対象者の脈拍(脈拍値B)が計測され、機内ネットワークを通じて、データがネットワークサーバーに保管される。ネットワークサーバーは機内ではなく、外部にあってもよい。
【0093】
次に機内の温度(機内温度B)が計測され、機内温度A、Bより、脈拍依存テーブルから加算値を選定する。例えば機内温度あ:20℃、機内温度B:15℃とすると脈拍依存テーブルから、加算値は−5となる。次に、脈拍値Aと脈拍値Bの差分に、加算値を加える。ここで、脈拍値A:70、脈拍値B:68とすると
脈拍値B(68)−脈拍値A(70)+5=3
となり、リフレッシュ条件判断表より、グループA(正常)と判断される。
【0094】
もし脈拍値B:80となれば
脈拍値B(80)−脈拍値A(70)+5=15
となり、リフレッシュ条件判断表より、グループC(脈拍大)と判断される。
【0095】
脈拍大と判断された場合は、乗客に心理的に落ち着かせる照明(青)を照射する。逆に脈拍小と判断された場合は、乗客を心理的に活性化する照明(赤)を照明する。上記ループを繰り返し、脈拍正常と判断されたら、照明を消す。これにより、乗客に対して常にリフレッシュした状態を保ち続けることができる。
【0096】
仮に乗客の大多数に対して青い照明が降り注いでいるならば、機内になにかしらの問題(機内温度、湿度等)があると外部から判断できるし、機内環境を見直したり、もしくは機内サービスを実施するなど、乗客ばかりでなく、客室乗務員に対しても機内の状況を把握することができる。以上により、対象者が常にリラックスした状態に保つことができ、なおかつ、外部の人から状況を判断することもできる環境が整う。
【0097】
また図4のフローチャートにおいては、リフレッシュ条件判断にて異常と判断された場合は、過去のリフレッシュ前後のデータを取得し、最も効率の良かったリフレッシュ方法を選択する。例えば、過去にリフレッシュ方法として、照明を変化させる事、送風を変化させる事、音楽を流す事によりリフレッシュを実施してきた乗客ならば、異常から正常になるまでの各ループ回数を確認する。
【0098】
ここで
照明の変化・・・ループ回数4回
送風の変化・・・ループ回数5回
マッサージ機能が働く・・・ループ回数3回
音楽を流す・・・ループ回数2回
の場合には、上記結果より、音楽を流す事が乗客Aに対して効果的とわかる。従い、乗客Aに対して音楽を流す事を示し、リフレッシュ(音楽を流す)を実施する。
【0099】
乗客Aのリフレッシュデータがない場合は、各リフレッシュ方法:「照明の変化」、「送風の変化」、「マッサージ機能」、「音楽を流す」を順番に実施し、最も効率の良いリフレッシュ方法を選定する。上記のように、乗客に対して固有にリフレッシュ方法を選択でき、実施できる。なお、「マッサージ機能」とは、座席等に内蔵されたマッサージ機を駆動させるものである。
【0100】
さらに図5のフローチャートにおいては、例えば、過去にリフレッシュ方法として、照明を変化させる事、送風を変化させる事、音楽を流す事によりリフレッシュを実施してきた乗客ならば、異常から正常になるまでの各ループ回数を確認する。
【0101】
ここで
照明の変化・・・ループ回数4回
送風の変化・・・ループ回数5回
マッサージ機能が働く・・・ループ回数3回
音楽を流す・・・ループ回数2回
の場合には、上記結果より、乗客Aに対して効果的な方法としては、音楽を流す、マッサージ機能が働く事が有効である。
【0102】
そこで、システムでは、上記結果より、効果的なリフレッシュ方法を複数選び、乗客に選択させる。この場合は、音楽及びマッサージ機能を乗客に示し、乗客は好みに合わせて、リフレッシュ方法を選択することができる。また、リフレッシュ方法を複数選択することもできる。これにより、図4のフローチャートよりも効果的に乗客をリフレッシュさせることができる。
【0103】
図6のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、システムとの応答「A」が発動する。ここで例えばシステムの応答「A」は「肉体的に疲労していますか?」と提示される。乗客AがYESと答えれば、リフレッシュ方法としてマッサージ機能が働く。また、システムとの応答「A」に対し、乗客AがNOと答えれば、システムとの応答「B」が発動する。ここで例えばシステムの応答「B」は「音楽を聞きたいですか?」と提示されたとする。乗客AがYESと答えれば、音楽を流す。
【0104】
さらにシステムとの応答「B」に対し、乗客AがNOと答えれば、システムとの応答「C」が発動する。ここで例えば、システムとの応答「C」は「精神的に疲労していますか?」と提示されたとする。乗客AがYESと答えれば、風(芳香)をあてる。システムとの応答「C」に対し、乗客AがNOと答えれば、リフレッシュ方法Dを提示し、リフレッシュ方法Dを実行する。ここでは、照明を変化させたりする。
【0105】
図7のフローチャートにおいては、システムとの応答「A」まで同じである。システムとの応答「A」は「肉体的に疲労していますか?」と提示される。乗客AがYESと答えれば、リフレッシュ方法として、「マッサージ機能を有効にする」「客室乗務員を呼ぶ」の2つの選択枝が提示される。もちろん2つ以上であってもよい。乗客Aは上記選択を行うと、対応したリフレッシュ方式が実施される。
【0106】
一方、システムとの応答「A」に対し、乗客AがNOと答えれば、リフレッシュ方式として、「音楽を流す」「風(芳香)をあてる」「照明を変更する」の選択枝を提示させる。乗客Aは上記選択を行うと、対応したリフレッシュ方式が実施される。以上から乗客Aの希望と、適切なリフレッシュ方式を実現することができる。
【0107】
図8のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、乗客Aの過去のリフレッシュデータがあるか検索する。過去のリフレッシュデータとは、風(芳香)の強度や種類、照明の色や輝度、音楽の種類や音量、マッサージの種類や強度による乗客のリフレッシュ度合いを示したものである。例えば、乗客Aがリフレッシュ条件に適合したとき、最も効果的なリフレッシュ方法とその種類や強度が格納されたデータである。
【0108】
また、ここではリフレッシュ後のローテーションも考慮している。例えば乗客Aは、マッサージによるリフレッシュ後は、音楽によるリフレッシュが最も効果があるならば、マッサージの次は、音楽を流すリフレッシュ方法が選択され、音楽によるリフレッシュ方法は、最初はクラシックがよく、次にはポップスが良いなどを考慮する。また、音楽によるリフレッシュで、乗客Aの状態が正常にならない場合は、自動的に音量を小さくすることもできる。
【0109】
このように、本発明による環境管理システム及び環境管理方法は、リフレッシュ方法の相互作用、及び該当したリフレッシュ方法の種類、強度を過去のデータから自動的に変更できるものである。
【0110】
図9のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、乗客Aの脈拍が大きいか小さいかを判断する。脈拍が大きい場合は、脈拍を小さくするような、さわやかな芳香を選択し、送風する。脈拍が小さい場合は、脈拍を大きくするような、刺激的な芳香を選択し、送風する。リフレッシュ条件判断で正常と判断された場合は、芳香・送風を停止する。以上により、対象者を効果的にリフレッシュさせることができる。
【0111】
図10のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、乗客Aの脈拍が大きいか小さいかを判断する。脈拍が大きい場合は、脈拍を小さくするような、音又は音楽を選択し、放送する。脈拍が小さい場合は、脈拍を大きくするような、音又は音楽を選択し、放送する。リフレッシュ条件判断で正常と判断された場合は、音又は音楽を停止する。以上により、対象者を効果的にリフレッシュさせることができる。
【0112】
図11のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、乗客Aに対してマッサージ装置が動作する。リフレッシュ条件判断にて正常と判断された場合は、マッサージ装置が停止する。以上により、対象者を効果的にリフレッシュさせることができる。
【0113】
こうして本発明の環境管理システムによれば、対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタする検知手段と、検知手段でモニタされた対象者の行動及び/または生理状態を数値化する測定手段と、測定手段で測定された値を記録する記録手段と、測定手段で測定された値を任意の基準値と比較して対象者の異常及び/または正常を判定する演算手段とを有し、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の環境を制御することによって、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御し、環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるものである。
【0114】
また、本発明の環境管理方法によれば、対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタし、モニタされた対象者の行動及び/または生理状態を数値化して測定し、測定された値を記録し、測定された値を任意の基準値と比較して対象者の異常及び/または正常を判定すると共に、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の環境を制御することによって、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御し、環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるものである。
【0115】
なお本発明は、上述の説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱することなく種々の変形が可能とされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明による環境管理システム及び環境管理方法を適用した作業工程の一実施形態の構成を示す模式図を含むブロック図である。
【図2】その動作の説明のためのフローチャート図である。
【図3】その説明のための表図である。
【図4】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図5】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図6】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図7】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図8】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図9】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図10】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図11】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0117】
1…作業者、2…モニタ手段、3…検知手段、4…通信手段、5…LAN、6…ビデオカメラ、7…記録手段、8…情報処理装置、9…始動スイッチ、10…時計装置、11…管理センター、12…環境制御手段、13…照明装置、14…送付装置、15…芳香装置、16…音響装置、17…表示入力装置、18…スピーカ、19…マイクロフォン、81…比較手段、82…指示決定手段、83…配信手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば長時間に亙って同じ姿勢でいる人や、同じ行為(作業)をしている人(以下の説明では、対象者と称する)に対して実施され、対象者の疲労回復や作業効率の低下の防止に利用して好適な環境管理システム及び環境管理方法に関する。詳しくは、対象者の生理状態や行動を判別して、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御するものであり、環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることを目的するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば作業指示システムとして、作業者(対象者)の疲労度を測定可能とし、かつ必要な休憩等を数値化し、作業者の健康の管理や作業環境等の適性化を図る技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、作業者の疲労度等の判定結果に基づいて、作業者の作業量を制御しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
すなわち、作業者の疲労度等を判定して、作業者に休憩等の作業の指示を行うシステムは周知であり、その指示のために作業者の作業量の制御を行うものも知られている。
【特許文献1】特開平9−276254号公報
【特許文献2】特開平9−140688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば作業工程において、その作業に従事する作業者の疲労度が増してくると、作業効率の低下や事故の発生等の問題を生じる恐れが高くなる。そこで、所定の条件を定めて、作業者にリフレッシュ、すなわち休憩を勧告することが行われている。そのためのリフレッシュ条件として、上記の特許文献1、2においては、作業者の疲労度を脈拍等により判定して、休憩の勧告などの作業に関する指示を行っているものである。
【0006】
一方、例えば航空機に搭乗している乗客が長時間に亙って座席に座ったままで同じ姿勢を強いられる場合がある。この場合には、いわゆるエコノミー症候群と呼ばれる人体等に障害を発生する問題が指摘されている。あるいは、弾球遊技機(例えばパチンコ)などの遊技場においては、遊戯者が長時間に亙って座席に座ったままで同じ姿勢を続けている場合がある。このような場合においても、人体に必要以上の疲労が生じる恐れがある。
【0007】
しかしながら上記の特許文献1、2は、いずれも単に作業者に作業を休む指示を行ったり、作業そのものを加減したりする制御をしているもので、作業以外に亙って対象者の疲労の解消やリフレッシュなどを目的とした管理を行っているものではない。また、航空機の乗客や遊技場の遊戯者においては、作業を休むことや作業を加減することも容易に実施できない場合が存在するものである。
【0008】
この発明はこのような問題点に鑑みて成されたものであって、本発明の目的は、対象者の生理状態や行動を判別して、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御し、環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタする検知手段と、検知手段でモニタされた対象者の行動及び/または生理状態を数値化する測定手段と、測定手段で測定された値を記録する記録手段と、測定手段で測定された値を任意の基準値と比較して対象者の異常及び/または正常を判定する演算手段とを有し、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の環境を制御することを特徴とする環境管理システムである。
【0010】
請求項2記載の環境管理システムは、請求項1において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の照明を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の環境管理システムは、請求項1において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の温度、湿度、気圧の内の一つ以上を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の環境管理システムは、請求項1において、検対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の送風及び/または芳香の発生を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の環境管理システムは、請求項1において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の音響を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の環境管理システムは、請求項1において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の近傍に設置されたマッサージ機の駆動を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の環境管理システムは、請求項1〜6のいずれか一つにおいて、対象者の居る場所の環境を制御するための複数の環境制御手段が設けられ、これらの環境制御手段を選択するための選択手段がさらに設けられることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の環境管理システムは、請求項7において、環境制御手段の選択は、システムが発する音声による問合せに対する対象者の回答を認識して行うことを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の環境管理システムは、請求項7において、環境制御手段の選択は、複数の環境制御手段を識別する名称が提示され、これらの名称の中から選択手段による選択が行われることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の環境管理システムは、請求項7において、記録手段には対象者別に測定手段で測定された値が順次蓄積され、蓄積された値の推移に応じて選択手段による選択が行われることを特徴とする。
【0019】
請求項11記載の環境管理システムは、請求項1において、記録手段には対象者別に測定手段で測定された値が順次蓄積され、蓄積された値の推移に応じて対象者の居る場所の環境を制御するための環境制御手段に対する微調整若しくは変更の指示が行われることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明の目的を達成するため、請求項12に記載された発明は、対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタし、モニタされた対象者の行動及び/または生理状態を数値化して測定し、測定された値を記録し、測定された値を任意の基準値と比較して対象者の異常及び/または正常を判定すると共に、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の環境を制御することを特徴とする環境管理方法である。
【0021】
請求項13記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の照明を制御することを特徴とする。
【0022】
請求項14記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の温度、湿度、気圧の内の一つ以上を制御することを特徴とする。
【0023】
請求項15記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の送風及び/または芳香の発生を制御することを特徴とする。
【0024】
請求項16記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の音響を制御することを特徴とする。
【0025】
請求項17記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者の居る場所の環境の制御は、判定された結果に基づいて対象者の近傍に設置されたマッサージ機の駆動を制御することを特徴とする。
【0026】
請求項18記載の環境管理方法は、請求項12〜17のいずれか一つにおいて、対象者の居る場所の環境を制御するための複数の環境制御手段が設けられ、これらの環境制御手段を選択することを特徴とする。
【0027】
請求項19記載の環境管理方法は、請求項18において、環境制御手段の選択は、システムが発する音声による問合せに対する対象者の回答を認識して行うことを特徴とする。
【0028】
請求項20記載の環境管理方法は、請求項18において、環境制御手段の選択は、複数の環境制御手段を識別する名称が提示され、これらの名称の中から選択が行われることを特徴とする。
【0029】
請求項21記載の環境管理方法は、請求項18において、対象者別に測定手段で測定された値が順次蓄積され、蓄積された値の推移に応じて選択が行われることを特徴とする。
【0030】
請求項22記載の環境管理方法は、請求項12において、対象者別に測定された値が順次蓄積され、蓄積された値の推移に応じて対象者の居る場所の環境を制御するための微調整若しくは変更の指示が行われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
以上述べたように、本発明の環境管理システム及び環境管理方法によれば、複数の作業者の生理状態を検出して、対象者の生理状態や行動を判別して、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御するようにしたものであって、この環境の管理によって、対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明を説明するに、図1は本発明による環境管理システム及び環境管理方法を適用した作業工程の一実施形態の構成を示す模式図を含むブロック図である。
【0033】
図1において、対象者1には、脈拍、血圧、体温、発汗、呼吸数等の生理状態の内の一つ以上をモニタするモニタ手段2が設けられる。そして、このモニタ手段2でモニタされた脈拍等の生理状態のデータが無線または有線で検知手段3に供給され、この検知手段3で検知されたデータ情報が、通信手段4を通じてLAN(Local Area Network)5等の情報ネットワークに送信される。また、対象者1が同じ行為を繰り返しているような作業の場合には、その身体の動きを観測する観測手段としてのビデオカメラ6が設けられ、その映像情報もLAN5等の情報ネットワークに送信される。
【0034】
これらの送信された情報は、LAN5上に設けられる記録手段7に記録される。さらにこの記録手段7に記録されたデータ情報が情報処理装置8で読み出される。そしてこの情報処理装置8では、上述の検知手段3で検知された対象者1の脈拍等の生理状態のデータやビデオカメラ6で観測された身体の動きの観測データが内部の比較手段81に供給され、例えば記録手段7に予め記録された基準値と比較されて、対象者1の肉体的疲労などによる作業効率の低下などの予兆が判定される。
【0035】
また、LAN5を通じて、対象者1の近傍に設けられる始動スイッチ9からの始動のタイミングを示す情報や、時計装置10からの時刻情報が供給されて、上述の判定のタイミングが設定される。さらにLAN5上には、例えば作業の進捗状況に応じて判定の条件を変更するなどの人間が行う判断を、システムに反映させることができるようにするための管理センター11が設けられる。すなわち、この管理センター11を通じて、例えば比較手段81での比較に用いる基準値の変更等の処置を行うことができるものである。
【0036】
そして、上述の比較手段81での比較結果に基づいて対象者1による作業効率の低下などの予兆が判定されると、判定結果に応じて環境制御を行う内容等が制御決定手段82で決定される。さらに、決定された環境制御の情報が配信手段83からLAN5を通じて環境制御手段12に配信される。これにより環境制御手段12では、配信された環境制御の情報に基づいて照明装置13、送付装置14、芳香装置15、音響装置16などの対象者1の居る場所の環境を制御する装置手段にそれらを駆動する指令信号が発せられる。
【0037】
また、情報処理装置8の配信手段83からは、LAN5及び通信手段4を通じて上述の照明装置13、送付装置14、芳香装置15、音響装置16などを選択する選択画面が表示入力装置17に供給され、この表示入力装置17に設けられる例えばタッチパネルを用いて、対象者1が所望の装置を選択することができるようにしてもよい。あるいは、通信手段4からは、例えば音声合成によって所定の質問をスピーカ18から発生し、対象者1の回答をマイクロフォン19で収音し音声解析によって選択を行うこともできる。
【0038】
こうして、上述のシステムによれば、検知手段3で検知された脈拍等の生理状態のデータやビデオカメラ6で観測された身体の動きの観測データによって対象者の生理状態や行動を判別する。そして、疲労や作業効率の低下が予想される際には、環境制御手段12を介して照明装置13、送付装置14、芳香装置15、音響装置16などを駆動し、対象者1の居る場所の環境を制御する。このような環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができる。
【0039】
なお、上述のシステムでは図示されていないが、上記のモニタ手段2、検知手段3、通信手段4、ビデオカメラ6、始動スイッチ9、表示入力装置17等の構成は、例えば製品の製造ラインに従事する複数の対象者の個々に設けられる。これにより、複数の対象者の個々のモニタ手段2でモニタされた生理状態が、LAN5を通じて情報処理装置8に集められる。そして、これらの情報から決定された環境制御情報が環境制御手段12に配信されて、複数の対象者の個々に対して環境制御を実行することができるものである。
【0040】
さらに以下には、上記の環境制御についての具体的な処理を、フローチャートを参照して説明する。まず図2には、環境制御の手段として照明装置13を制御する場合の具体的な処理のフローチャートを示す。
【0041】
すなわち図2において、例えば始動スイッチ9が操作されると処理動作が開始される。そして、まずステップS1で検知手段3にて、例えばモニタ手段2の脈拍計から対象者1の基準となる脈拍値A等の生理状態のデータが取得される。次にステップS2で、例えば環境制御手段12に内蔵される温度計からの対象者1の居る場所の外部温度1が取得される。そして、ステップS3で後述する処理ループの始端が設定される。
【0042】
次にステップS4で、脈拍計にて対象者1のその時点の脈拍値B等の生理状態のデータが取得され、ステップS5でこの脈拍値B等の生理状態のデータが、検知手段3から通信手段4、LAN5を通じて記録手段7に記録される。また、ステップS6では、例えば環境制御手段12に内蔵される温度計からその時点の対象者1の居る場所の外部温度2が取得される。
【0043】
さらにステップS7では図3のAに示すような外部温度変化と脈拍の依存テーブルが参照されて加算値が求められ、ステップS8で脈拍値Aと脈拍値Bの差分に加算値を加えて評価値Xが算出され、ステップS9で、例えば図3のBに示すようなリフレッシュ条件と評価値Xが比較される。そしてステップS10でリフレッシュ条件が判断される。
【0044】
すなわち、例えば外部温度1:20℃、外部温度2:15℃とすると、図3のAの脈拍依存テーブルから、加算値は−5となる。
次に、例えば脈拍値A:70、脈拍値B:68とすると、
脈拍値B(68)−脈拍値A(70)+5=3
となり、図3のBに示すリフレッシュ条件判断表より、グループA(正常)と判断される。
【0045】
ここでもし脈拍値B:80となれば
脈拍値B(80)−脈拍値A(70)+5=15
となり、図3のBに示すリフレッシュ条件判断表より、グループC(脈拍大)と判断される。
【0046】
そして、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS11で照明装置13が消灯され、ステップS12で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0047】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、さらにステップS13で脈拍大であるか否か判断され、グループBで脈拍大のとき(YES)はステップS14で青い照明が選択され、グループCで脈拍小のとき(No)はステップS15で青い照明が選択される。そしてステップS16で照明装置13が照射され、ステップS12で検査終了条件が判断される。
【0048】
従ってこの実施形態においては、対象者1の評価値X(脈拍値)によって照明が切り替えられる。ここで、脈拍値が小さいときには心理的に活性化できる照明にて対象者1を照らし、脈拍値が大きいときには心理的に落ち着かせる照明にて対象者1を照らしている。また、このシステムが多数の対象者1に対してそれぞれ設けられている場合には、外部からは、照明により複数の対象者の状態を一括に把握することができる。
【0049】
すなわちこの実施形態によれば、照明により心理面から対象者をリフレッシュさせる。これにより対象者の行動と同時にリフレッシュさせている為、多くの休憩時間等とる必要がなく行動効率を向上させることができる。また外部から照明の状態により、対象者の状態を把握でき、リフレッシュさせることができる。なお、フローチャートでは、心理的に活性化する照明を赤い照明、心理的に落ち着かせる照明を青に照明としている。
【0050】
次に、図4には、対象者毎にリフレッシュ方法を自動選定するシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図4の説明においては、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略するが、ステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0051】
そしてこの図4のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS21で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0052】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS22で記録手段7から過去のリフレッシュ前後のデータが取得され、ステップS23で最も効率の良いリフレッシュ方法が選択される。さらに、ステップS24で表示入力装置17にリフレッシュ方法が提示され、ステップS25でリフレッシュが実施され、ステップS21で検査終了条件が判断される。
【0053】
従ってこの実施形態においては、リフレッシュ条件判断にて異常と判断された場合には、過去のリフレッシュ前後のデータを取得し、最も効率の良かったリフレッシュ方法を選択することができる。
【0054】
そこで、例えばリフレッシュ方法として、照明を変化させる事、送風を変化させる事、音楽を流す事によりリフレッシュを実施してきた対象者1ならば、異常から正常になるまでの各ループ回数を確認する。すなわち、過去に照明の変化:ループ回数4回、送風の変化:ループ回数5回、音楽を流す:ループ回数2回などを行っていた場合には、この結果より、音楽を流す事が対象者1に対して効果的と判断できる。
【0055】
そして対象者1に対しては、ステップS24で音楽を流す事を示し、ステップS25でリフレッシュ(音楽を流す)を実施する。また、対象者1にリフレッシュ方法のデータがない場合には、各リフレッシュ方法、例えば照明の変化、送風の変化、音楽を流す事などを順番に実施し、最も効率の良いリフレッシュ方法を選定する。
【0056】
こうしてこの実施形態によれば、対象者1に対して固有にリフレッシュ方法を選択でき、対象者1毎に適したリフレッシュ方法を指示・実施することができる。また、対象者の過去のデータに基づいて自動的にリフレッシュ方法を選定することができる。なお、システムを初めて使用する対象者に対しては、例えばデフォルトのリフレッシュ方法が存在してそれを用いることになるが、使用を繰り返すことによって最適なリフレッシュ方法が選択されるようになる。
【0057】
次に、図5には、対象者毎にリフレッシュ方法を選定できるシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図5の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0058】
そしてこの図5のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS31で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0059】
さらにステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS32で記録手段7から過去のリフレッシュ前後のデータが取得され、ステップS33で最も効率の良いリフレッシュ方法が選択されて、表示入力装置17にリフレッシュ方法が提示される。そしてステップS34で対象者1による選択が行われ、ステップS35でリフレッシュが実施され、ステップS31で検査終了条件が判断される。
【0060】
従ってこの実施形態において、リフレッシュ条件判断にて異常と判断された場合には、過去のリフレッシュ前後のデータを取得し、最も効率の良かったリフレッシュ方法を抽出し、それを提示して対象者に選択させる。これにより対象者毎に適したリフレッシュを指示する事ができ、また対象者も自分の好みのリフレッシュ方法を選択することができる。
【0061】
そこで、例えば過去にリフレッシュとして、照明を変化させる事、送風を変化させる事、音楽を流す事によりリフレッシュを実施してきた対象者ならば、異常から正常になるまでの各ループ回数を確認する。すなわち、過去に照明の変化:ループ回数3回、送風の変化:ループ回数5回、音楽を流す:ループ回数2回などを行っていた場合には、この結果より、照明の変化と音楽を流す事が対象者1に対して有効であると判断できる。
【0062】
そして対象者1に対しては、ステップS33で照明の変化と音楽を流す事を提示し、ステップS34で選択されたリフレッシュ方法をステップS35で実施する。こうしてこの実施形態によれば、対象者は好みに合わせて、リフレッシュ方法を選択することができる。また、対象者はリフレッシュ方法を複数選択することもできる。これにより、図5の実施形態よりも効果的に対象者をリフレッシュさせることができる。
【0063】
さらに図6には、システムとの応答が行え、応答結果によってリフレッシュ方法を決定するシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図6の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0064】
そしてこの図6のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS41で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0065】
さらにステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS42でシステムとの応答「A」が発動する。ここでシステムの応答「A」は、例えば表示入力装置17に「音楽を聞きたいですか?」と表示される。これに対して対象者1が「YES」と答えれば、ステップS43で「音楽を流す」のリフレッシュ方法が提示され、ステップS44で提示されたリフレッシュが実施される。
【0066】
また、ステップS42でシステムとの応答「A」に対し、対象者1が「NO」と答えたときは、ステップS45でシステムとの応答「B」が発動する。ここでシステムの応答「B」は、例えば表示入力装置17に「精神的に疲労していますか?」と表示される。これに対して対象者1が「YES」と答えれば、ステップS46で「風(芳香)をあてる」リフレッシュ方法が提示され、ステップS44で提示されたリフレッシュが実施される。
【0067】
さらにステップS45でシステムとの応答「B」に対し、対象者1が「NO」と答えたときは、リフレッシュ方法Cを提示し、リフレッシュ方法Cを実行する。ここでは、例えば照明を変化させるなどのリフレッシュ方法が実施されたりする。なお、上述の実施形態ではシステムとの応答を2つとしたが、より多くシステムとの応答を行っても良い。これによって、システムをより適切なリフレッシュ方法へ導くことができる。
【0068】
また、図7には、システムとの応答が行え、応答結果によってリフレッシュ方法を選択できるシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図7の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0069】
そしてこの図6のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS51で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0070】
さらにステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS52でシステムとの応答「A」が発動する。ここでシステムの応答「A」は、例えば表示入力装置17に「肉体的に疲労していますか?」と表示される。これに対して対象者1が「YES」と答えれば、ステップS53で「作業を休止する」「責任者を呼ぶ」の選択肢が提示される。そして、ステップS54で対象者1が選択を行うと、ステップS55で選択された項目が実施される。
【0071】
また、ステップS52でシステムとの応答「A」に対し、対象者1が「NO」と答えたときは、ステップS56で、例えば表示入力装置17に「音楽を流す」「風(芳香)をあてる」「照明を変更する」等のリフレッシュ方法の選択枝が表示される。そして、ステップS57で対象者1がその内の一つまたは複数を選択すると、ステップS55で選択されたリフレッシュ方法が実施される。
【0072】
これによってこの実施形態によれば、リフレッシュ方法が複数提示され、対象者はその中から希望の項目が選択できる。従って、システムによりリフレッシュ方法を導いて対象者を支援することができ、より適切なリフレッシュ方法を実現することができる。
【0073】
さらに図8には、結果のフィードバックによってリフレッシュ方法を選択できるシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図8の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0074】
そしてこの図8のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS51で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0075】
これに対して、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、さらにステップS62で過去のリフレッシュデータがあるか検索する。ここで過去のリフレッシュデータとは、風(芳香)の強度や種類、照明の色や輝度、音楽の種類や音量による対象者のリフレッシュ度合いを示したものであって、例えば対象者1がリフレッシュ条件に適合したとき、最も効果的なリフレッシュ方法とその種類や強度が格納されたデータである。
【0076】
また、ここではリフレッシュ後のローテーションも考慮している。すなわち、例えば対象者1が、照明によるリフレッシュ後は、音楽によるリフレッシュが最も効果があるならば、照明の変更の次は、音楽を流すリフレッシュ方法が選択され、音楽によるリフレッシュ方法は、最初はクラシックがよく、次にはポップスが良いなどを考慮する。らさに、音楽によるリフレッシュで、対象者1の状態が正常にならない場合は、自動的に音量を小さくすることもできる。
【0077】
そして、ステップS62でこのような過去のデータがあったとき(YES)は、ステップS64でそのデータに基づいて上述のようなリフレッシュ方法の微調整や最適なリフレッシュ方法が検出され、検出されたリフレッシュ方法がステップS64で提示される。さらにステップS65でリフレッシュが実施される。なお、ステップS62で過去のデータがなかったとき(NO)は、直接ステップS65でリフレッシュが実施される。
【0078】
さらにステップS66では、検知手段3で検知された脈拍等の生理状態のデータが取得され、ステップS67で記録手段7にてリフレッシュ方法が記録される。これによって、この実施形態によれば、リフレッシュ方法は、リフレッシュ方法の相互作用、及び該当したリフレッシュ方法の種類、強度を過去のデータから自動的に変更できるリフレッシュ方法であるデータがあるか否か判断される。これによって、対象者により適したリフレッシュ方法を実施させることができる。
【0079】
さらに図9には、リフレッシュ方法として風を当てる(アロマテラピー)によるリフレッシュ方法を採用したシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図9の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0080】
そしてこの図9のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS71で送風装置14及び/または芳香装置15が停止され、ステップS72で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0081】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、さらにステップS73で脈拍大であるか否か判断され、グループBで脈拍大のとき(YES)はステップS74でさわやかな芳香が選択され、グループCで脈拍小のとき(No)はステップS75で刺激的な芳香が選択される。そしてステップS76で送風装置14が駆動され、ステップS72で検査終了条件が判断される。
【0082】
従ってこの実施形態においては、対象者をリフレッシュさせることができる。また、対象者の状態をモニタリングしながら、芳香を変化させ風で香りを送ることも可能であり、さらに風の強弱及び風を当てる場所も変化させることができる。
【0083】
また、図10には、リフレッシュ方法として音や音楽を発生させることによるリフレッシュ方法を採用したシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図10の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0084】
そしてこの図10のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS81で音響装置16が停止されて音または音楽が停止され、ステップS82で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0085】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、さらにステップS83で脈拍大であるか否か判断され、グループBで脈拍大のとき(YES)はステップS84で落ち着かせる音または音楽が選択され、グループCで脈拍小のとき(No)はステップS85で活動的な音または音楽が選択される。そしてステップS86で音響装置16が駆動されて音または音楽が放送され、ステップS82で検査終了条件が判断される。
【0086】
従ってこの実施形態においては、音または音楽を用いて対象者をリフレッシュさせることができる。また、対象者の状態をモニタリングしながら、音または音楽を変化させることも可能であり、さらに音または音楽の強弱やテンポなども変化させることができる。
【0087】
さらに図11には、リフレッシュ方法として、マッサージ機を連動させることによるリフレッシュ方法を採用したシステムの具体的な処理のフローチャートを示す。なお、図11の説明においても、上述の図2と共通するステップには同一の符号を付して重複の説明を省略し、ここでステップS1からステップS10までは、図2と同じ処理が行われているものである。
【0088】
そしてこの図11のフローチャートにおいて、ステップS10でグループA(正常)と判断された場合には、ステップS91でマッサージ機が停止され、ステップS92で検査終了条件が判断され、終了のときはフローチャートが終了される。また、終了でないときはステップS3に戻されて作業が継続される。なお、上述の検査終了条件とは、検査すべき対象がなくなったときや、作業の全体が休憩時間に入ったときである。
【0089】
一方、ステップS10でグループBまたはC(異常)と判断された場合には、ステップS93でマッサージ機が駆動され、ステップS82で検査終了条件が判断される。従ってこの実施形態においては、マッサージ機を用いて対象者をリフレッシュさせることができる。また、対象者の状態をモニタリングしながら、マッサージ機の駆動の強弱やテンポなども変化させることもできる。
【0090】
このようにして、上述の実施形態においては、複数の作業者の生理状態を検出して、対象者の生理状態や行動を判別して、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御するようにしたものであって、この環境の管理によって、対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるものである。
【0091】
さらに本発明の環境管理システム及び環境管理方法は、例えば航空機に搭乗している乗客が長時間に亙って座席に座ったままで同じ姿勢でいる場合や、弾球遊技機(例えばパチンコ)などの遊技場において、遊戯者が長時間に亙って座席に座ったままで同じ姿勢を続けている場合などにおいても採用することができるものである。
【0092】
そこで、対象者を飛行機の乗客として説明する場合には、図2のフローチャートにおいては、乗客Aは座席に着座すると同時に、脈拍(脈拍値A)が計測される。また、現在の旅客機内部の温度(機内温度A)も測定される。数十分後、再度対象者の脈拍(脈拍値B)が計測され、機内ネットワークを通じて、データがネットワークサーバーに保管される。ネットワークサーバーは機内ではなく、外部にあってもよい。
【0093】
次に機内の温度(機内温度B)が計測され、機内温度A、Bより、脈拍依存テーブルから加算値を選定する。例えば機内温度あ:20℃、機内温度B:15℃とすると脈拍依存テーブルから、加算値は−5となる。次に、脈拍値Aと脈拍値Bの差分に、加算値を加える。ここで、脈拍値A:70、脈拍値B:68とすると
脈拍値B(68)−脈拍値A(70)+5=3
となり、リフレッシュ条件判断表より、グループA(正常)と判断される。
【0094】
もし脈拍値B:80となれば
脈拍値B(80)−脈拍値A(70)+5=15
となり、リフレッシュ条件判断表より、グループC(脈拍大)と判断される。
【0095】
脈拍大と判断された場合は、乗客に心理的に落ち着かせる照明(青)を照射する。逆に脈拍小と判断された場合は、乗客を心理的に活性化する照明(赤)を照明する。上記ループを繰り返し、脈拍正常と判断されたら、照明を消す。これにより、乗客に対して常にリフレッシュした状態を保ち続けることができる。
【0096】
仮に乗客の大多数に対して青い照明が降り注いでいるならば、機内になにかしらの問題(機内温度、湿度等)があると外部から判断できるし、機内環境を見直したり、もしくは機内サービスを実施するなど、乗客ばかりでなく、客室乗務員に対しても機内の状況を把握することができる。以上により、対象者が常にリラックスした状態に保つことができ、なおかつ、外部の人から状況を判断することもできる環境が整う。
【0097】
また図4のフローチャートにおいては、リフレッシュ条件判断にて異常と判断された場合は、過去のリフレッシュ前後のデータを取得し、最も効率の良かったリフレッシュ方法を選択する。例えば、過去にリフレッシュ方法として、照明を変化させる事、送風を変化させる事、音楽を流す事によりリフレッシュを実施してきた乗客ならば、異常から正常になるまでの各ループ回数を確認する。
【0098】
ここで
照明の変化・・・ループ回数4回
送風の変化・・・ループ回数5回
マッサージ機能が働く・・・ループ回数3回
音楽を流す・・・ループ回数2回
の場合には、上記結果より、音楽を流す事が乗客Aに対して効果的とわかる。従い、乗客Aに対して音楽を流す事を示し、リフレッシュ(音楽を流す)を実施する。
【0099】
乗客Aのリフレッシュデータがない場合は、各リフレッシュ方法:「照明の変化」、「送風の変化」、「マッサージ機能」、「音楽を流す」を順番に実施し、最も効率の良いリフレッシュ方法を選定する。上記のように、乗客に対して固有にリフレッシュ方法を選択でき、実施できる。なお、「マッサージ機能」とは、座席等に内蔵されたマッサージ機を駆動させるものである。
【0100】
さらに図5のフローチャートにおいては、例えば、過去にリフレッシュ方法として、照明を変化させる事、送風を変化させる事、音楽を流す事によりリフレッシュを実施してきた乗客ならば、異常から正常になるまでの各ループ回数を確認する。
【0101】
ここで
照明の変化・・・ループ回数4回
送風の変化・・・ループ回数5回
マッサージ機能が働く・・・ループ回数3回
音楽を流す・・・ループ回数2回
の場合には、上記結果より、乗客Aに対して効果的な方法としては、音楽を流す、マッサージ機能が働く事が有効である。
【0102】
そこで、システムでは、上記結果より、効果的なリフレッシュ方法を複数選び、乗客に選択させる。この場合は、音楽及びマッサージ機能を乗客に示し、乗客は好みに合わせて、リフレッシュ方法を選択することができる。また、リフレッシュ方法を複数選択することもできる。これにより、図4のフローチャートよりも効果的に乗客をリフレッシュさせることができる。
【0103】
図6のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、システムとの応答「A」が発動する。ここで例えばシステムの応答「A」は「肉体的に疲労していますか?」と提示される。乗客AがYESと答えれば、リフレッシュ方法としてマッサージ機能が働く。また、システムとの応答「A」に対し、乗客AがNOと答えれば、システムとの応答「B」が発動する。ここで例えばシステムの応答「B」は「音楽を聞きたいですか?」と提示されたとする。乗客AがYESと答えれば、音楽を流す。
【0104】
さらにシステムとの応答「B」に対し、乗客AがNOと答えれば、システムとの応答「C」が発動する。ここで例えば、システムとの応答「C」は「精神的に疲労していますか?」と提示されたとする。乗客AがYESと答えれば、風(芳香)をあてる。システムとの応答「C」に対し、乗客AがNOと答えれば、リフレッシュ方法Dを提示し、リフレッシュ方法Dを実行する。ここでは、照明を変化させたりする。
【0105】
図7のフローチャートにおいては、システムとの応答「A」まで同じである。システムとの応答「A」は「肉体的に疲労していますか?」と提示される。乗客AがYESと答えれば、リフレッシュ方法として、「マッサージ機能を有効にする」「客室乗務員を呼ぶ」の2つの選択枝が提示される。もちろん2つ以上であってもよい。乗客Aは上記選択を行うと、対応したリフレッシュ方式が実施される。
【0106】
一方、システムとの応答「A」に対し、乗客AがNOと答えれば、リフレッシュ方式として、「音楽を流す」「風(芳香)をあてる」「照明を変更する」の選択枝を提示させる。乗客Aは上記選択を行うと、対応したリフレッシュ方式が実施される。以上から乗客Aの希望と、適切なリフレッシュ方式を実現することができる。
【0107】
図8のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、乗客Aの過去のリフレッシュデータがあるか検索する。過去のリフレッシュデータとは、風(芳香)の強度や種類、照明の色や輝度、音楽の種類や音量、マッサージの種類や強度による乗客のリフレッシュ度合いを示したものである。例えば、乗客Aがリフレッシュ条件に適合したとき、最も効果的なリフレッシュ方法とその種類や強度が格納されたデータである。
【0108】
また、ここではリフレッシュ後のローテーションも考慮している。例えば乗客Aは、マッサージによるリフレッシュ後は、音楽によるリフレッシュが最も効果があるならば、マッサージの次は、音楽を流すリフレッシュ方法が選択され、音楽によるリフレッシュ方法は、最初はクラシックがよく、次にはポップスが良いなどを考慮する。また、音楽によるリフレッシュで、乗客Aの状態が正常にならない場合は、自動的に音量を小さくすることもできる。
【0109】
このように、本発明による環境管理システム及び環境管理方法は、リフレッシュ方法の相互作用、及び該当したリフレッシュ方法の種類、強度を過去のデータから自動的に変更できるものである。
【0110】
図9のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、乗客Aの脈拍が大きいか小さいかを判断する。脈拍が大きい場合は、脈拍を小さくするような、さわやかな芳香を選択し、送風する。脈拍が小さい場合は、脈拍を大きくするような、刺激的な芳香を選択し、送風する。リフレッシュ条件判断で正常と判断された場合は、芳香・送風を停止する。以上により、対象者を効果的にリフレッシュさせることができる。
【0111】
図10のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、乗客Aの脈拍が大きいか小さいかを判断する。脈拍が大きい場合は、脈拍を小さくするような、音又は音楽を選択し、放送する。脈拍が小さい場合は、脈拍を大きくするような、音又は音楽を選択し、放送する。リフレッシュ条件判断で正常と判断された場合は、音又は音楽を停止する。以上により、対象者を効果的にリフレッシュさせることができる。
【0112】
図11のフローチャートにおいては、異常と判断された場合、乗客Aに対してマッサージ装置が動作する。リフレッシュ条件判断にて正常と判断された場合は、マッサージ装置が停止する。以上により、対象者を効果的にリフレッシュさせることができる。
【0113】
こうして本発明の環境管理システムによれば、対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタする検知手段と、検知手段でモニタされた対象者の行動及び/または生理状態を数値化する測定手段と、測定手段で測定された値を記録する記録手段と、測定手段で測定された値を任意の基準値と比較して対象者の異常及び/または正常を判定する演算手段とを有し、演算手段で判定された結果に基づいて対象者の居る場所の環境を制御することによって、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御し、環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるものである。
【0114】
また、本発明の環境管理方法によれば、対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタし、モニタされた対象者の行動及び/または生理状態を数値化して測定し、測定された値を記録し、測定された値を任意の基準値と比較して対象者の異常及び/または正常を判定すると共に、判定された結果に基づいて対象者の居る場所の環境を制御することによって、疲労や作業効率の低下が予想される際に、対象者の居る場所の環境を制御し、環境の管理によって対象者の疲労の回復や作業効率の向上を図ることができるものである。
【0115】
なお本発明は、上述の説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱することなく種々の変形が可能とされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明による環境管理システム及び環境管理方法を適用した作業工程の一実施形態の構成を示す模式図を含むブロック図である。
【図2】その動作の説明のためのフローチャート図である。
【図3】その説明のための表図である。
【図4】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図5】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図6】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図7】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図8】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図9】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図10】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【図11】本発明の他の実施形態の動作の説明のためのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0117】
1…作業者、2…モニタ手段、3…検知手段、4…通信手段、5…LAN、6…ビデオカメラ、7…記録手段、8…情報処理装置、9…始動スイッチ、10…時計装置、11…管理センター、12…環境制御手段、13…照明装置、14…送付装置、15…芳香装置、16…音響装置、17…表示入力装置、18…スピーカ、19…マイクロフォン、81…比較手段、82…指示決定手段、83…配信手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタする検知手段と、
前記検知手段でモニタされた前記対象者の行動及び/または生理状態を数値化する測定手段と、
前記測定手段で測定された値を記録する記録手段と、
前記測定手段で測定された値を任意の基準値と比較して前記対象者の異常及び/または正常を判定する演算手段と
を有し、
前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の環境を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の照明を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の温度、湿度、気圧の内の一つ以上を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項4】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の送風及び/または芳香の発生を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項5】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の音響を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項6】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の近傍に設置されたマッサージ機の駆動を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境を制御するための複数の環境制御手段が設けられ、
これらの環境制御手段を選択するための選択手段がさらに設けられる
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項8】
請求項7記載の環境管理システムにおいて、
前記環境制御手段の選択は、システムが発する音声による問合せに対する前記対象者の回答を認識して行う
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項9】
請求項7記載の環境管理システムにおいて、
前記環境制御手段の選択は、前記複数の環境制御手段を識別する名称が提示され、
これらの名称の中から前記選択手段による選択が行われる
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項10】
請求項7記載の環境管理システムにおいて、
前記記録手段には前記対象者別に前記測定手段で測定された値が順次蓄積され、
前記蓄積された値の推移に応じて前記選択手段による選択が行われる
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項11】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記記録手段には前記対象者別に前記測定手段で測定された値が順次蓄積され、
前記蓄積された値の推移に応じて前記対象者の居る場所の環境を制御するための環境制御手段に対する微調整若しくは変更の指示が行われる
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項12】
対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタし、
前記モニタされた前記対象者の行動及び/または生理状態を数値化して測定し、
前記測定された値を記録し、
前記測定された値を任意の基準値と比較して前記対象者の異常及び/または正常を判定すると共に、
前記判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の環境を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項13】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の照明を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項14】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の温度、湿度、気圧の内の一つ以上を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項15】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の送風及び/または芳香の発生を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項16】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の音響を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項17】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記判定された結果に基づいて前記対象者の近傍に設置されたマッサージ機の駆動を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項18】
請求項12〜17のいずれか一つに記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境を制御するための複数の環境制御手段が設けられ、
これらの環境制御手段を選択する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項19】
請求項18記載の環境管理方法において、
前記環境制御手段の選択は、システムが発する音声による問合せに対する前記対象者の回答を認識して行う
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項20】
請求項18記載の環境管理方法において、
前記環境制御手段の選択は、前記複数の環境制御手段を識別する名称が提示され、
これらの名称の中から選択が行われる
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項21】
請求項18記載の環境管理方法において、
前記対象者別に前記測定手段で測定された値が順次蓄積され、
前記蓄積された値の推移に応じて前記選択が行われる
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項22】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者別に測定された値が順次蓄積され、
前記蓄積された値の推移に応じて前記対象者の居る場所の環境を制御するための微調整若しくは変更の指示が行われる
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項1】
対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタする検知手段と、
前記検知手段でモニタされた前記対象者の行動及び/または生理状態を数値化する測定手段と、
前記測定手段で測定された値を記録する記録手段と、
前記測定手段で測定された値を任意の基準値と比較して前記対象者の異常及び/または正常を判定する演算手段と
を有し、
前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の環境を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の照明を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の温度、湿度、気圧の内の一つ以上を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項4】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の送風及び/または芳香の発生を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項5】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の音響を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項6】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の近傍に設置されたマッサージ機の駆動を制御する
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の環境管理システムにおいて、
前記対象者の居る場所の環境を制御するための複数の環境制御手段が設けられ、
これらの環境制御手段を選択するための選択手段がさらに設けられる
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項8】
請求項7記載の環境管理システムにおいて、
前記環境制御手段の選択は、システムが発する音声による問合せに対する前記対象者の回答を認識して行う
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項9】
請求項7記載の環境管理システムにおいて、
前記環境制御手段の選択は、前記複数の環境制御手段を識別する名称が提示され、
これらの名称の中から前記選択手段による選択が行われる
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項10】
請求項7記載の環境管理システムにおいて、
前記記録手段には前記対象者別に前記測定手段で測定された値が順次蓄積され、
前記蓄積された値の推移に応じて前記選択手段による選択が行われる
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項11】
請求項1記載の環境管理システムにおいて、
前記記録手段には前記対象者別に前記測定手段で測定された値が順次蓄積され、
前記蓄積された値の推移に応じて前記対象者の居る場所の環境を制御するための環境制御手段に対する微調整若しくは変更の指示が行われる
ことを特徴とする環境管理システム。
【請求項12】
対象者の行動及び/または生理状態を任意のタイミングでモニタし、
前記モニタされた前記対象者の行動及び/または生理状態を数値化して測定し、
前記測定された値を記録し、
前記測定された値を任意の基準値と比較して前記対象者の異常及び/または正常を判定すると共に、
前記判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の環境を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項13】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の照明を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項14】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記演算手段で判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の温度、湿度、気圧の内の一つ以上を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項15】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の送風及び/または芳香の発生を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項16】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記判定された結果に基づいて前記対象者の居る場所の音響を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項17】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境の制御は、前記判定された結果に基づいて前記対象者の近傍に設置されたマッサージ機の駆動を制御する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項18】
請求項12〜17のいずれか一つに記載の環境管理方法において、
前記対象者の居る場所の環境を制御するための複数の環境制御手段が設けられ、
これらの環境制御手段を選択する
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項19】
請求項18記載の環境管理方法において、
前記環境制御手段の選択は、システムが発する音声による問合せに対する前記対象者の回答を認識して行う
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項20】
請求項18記載の環境管理方法において、
前記環境制御手段の選択は、前記複数の環境制御手段を識別する名称が提示され、
これらの名称の中から選択が行われる
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項21】
請求項18記載の環境管理方法において、
前記対象者別に前記測定手段で測定された値が順次蓄積され、
前記蓄積された値の推移に応じて前記選択が行われる
ことを特徴とする環境管理方法。
【請求項22】
請求項12記載の環境管理方法において、
前記対象者別に測定された値が順次蓄積され、
前記蓄積された値の推移に応じて前記対象者の居る場所の環境を制御するための微調整若しくは変更の指示が行われる
ことを特徴とする環境管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−151933(P2007−151933A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353692(P2005−353692)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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