説明

環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器

【課題】電灯負荷の信頼性が高まり回路構成及び製造工程が簡素化される、環状磁心のない電流駆動式フィードバック型電子安定器を提供する。
【解決手段】フィルタ及び整流回路10と、スイッチ及び共振回路20と、コンデンサを含む電灯負荷30とを備える環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器であって、フィルタ及び整流回路10はその出力端がスイッチ及び共振回路20の入力端に接続されるとともに、スイッチ及び共振回路20はその出力端が電灯負荷30に接続され、スイッチ及び共振回路20は、抵抗器R1、R2と、コンデンサC3と、ダイオードD5と、トリガーダイオードDB3よりなるトリガー回路と、トランジスタQ1、Q2と抵抗器よりなる半ブリッジ回路と、一次巻線T3と2つの二次巻線T1、T2よりなる三巻線変圧器Tとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安定器に関し、より詳しくは、環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常市販で入手可能なほとんどの統合型電子安定器は、EMIフィルタ、整流器、インバータ及び電灯負荷よりなる。インバータは整流された直流電圧を高周波電圧に変換し、蛍光ランプを駆動及び点灯するのに使用されるが、半ブリッジインバータ、フライバックインバータ、プッシュプルインバータなどの各種のインバータがあり、通常環状変圧器と共に実現される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、環状変圧器を使用することには以下のような不利益がある。
【0004】
回路中のトランジスタのオン・オフは環状変圧器により駆動されるが、外部電源が変動(上昇及び下降)すると、トランジスタが激しく加熱されたりさらに過熱により破壊されたりというように、駆動電圧の変化、不足励磁又は過励磁が発生して、電灯負荷の信頼性が低下する。
【0005】
環状磁心の処理及び巻回には手間と時間がかかり、その量産のさまたげとなる。回路の作動周波数が環状磁心のパラメータと温度に多大に影響され、所定の範囲内に保つことが困難になる。作動周波数の範囲に更なる要件があると、量産を実施することは困難になる。
【0006】
環状磁心の電子安定器に対する影響を最小限にするため、中国科学院の中国実用新案特許出願説明書CN,Y,99211363.6に「環状磁心のない安定器を有する省エネルギーランプ」が開示されており、省エネルギーランプの半ブリッジ電力増幅器はFETで実現されているが、FETの製造工程は比較的複雑でその選択性は比較的劣っている。さらに、省エネルギーランプの駆動電流リミッターは負荷変圧器で実現されるので、駆動電流リミッターはインダクタL1、L2及びコンデンサC1、C2(図1参照)と接続しなければならず、これは回路の複雑化とコストの上昇につながり電子安定器の小型化に悪影響をもたらす。
【0007】
本発明の目的は、環状磁心のない電流駆動式フィードバック型電子安定器を提供することで上記欠点を克服することであり、該電子安定器のスイッチと整流回路がトランジスタ半ブリッジ回路と誘導変圧器を採用することで駆動フィードバックを実現し、更に電子安定器の小型化を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記目的に提供された本発明の技術的解決は、環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器であって、フィルタ及び整流回路と、スイッチ及び共振回路と、コンデンサを含む電灯負荷とを備え、前記フィルタ及び整流回路の出力端はスイッチ及び共振回路の入力端に接続されるとともに、前記スイッチ及び共振回路の出力端は電灯負荷に接続され、スイッチ及び共振回路は、抵抗器R1、R2と、コンデンサC3と、ダイオードD5と、トリガーダイオードDB3よりなり、その始動のためのパルス電流を供給するトリガー回路と、トランジスタQ1、Q2と抵抗器よりなる半ブリッジ回路と、一次巻線T3と2つの二次巻線T1、T2よりなる三巻線変圧器Tとを含み、トランジスタQ1のエミッタは抵抗器R5を介してQ2のコレクタと接続され、抵抗器R5とトランジスタQ2のコレクタ間に結節点Sが位置し、トランジスタQ1のコレクタと結節点Sとの間に抵抗器R1とコンデンサC2が並列に接続され、抵抗器R1の一端はフィルタ及び整流回路の端子3に接続され、他端は並列接続された抵抗器R2とダイオードD5及びこれらと直列接続されたコンデンサC3を介してフィルタ及び整流回路の端子1に接続され、ダイオードD5のアノードは双方向ダイオードDB3を介しトランジスタQ2のベースに接続され、カソードは結節点Sを通じ二次巻線T1の端子4と一次巻線T3の端子1に接続され、トランジスタQ1のベースは抵抗器R3を通じ二次巻線T1の端子3に接続されてトランジスタQ2のベースは抵抗器R4を通じ二次巻線T2の端子6に接続され、トランジスタQ2のエミッタは抵抗器R6を通じ二次巻線T2の端子5に接続される一方、二次巻線T2の端子5がフィルタ及び整流回路の端子1と接続されることによって二次巻線T1、T2がトランジスタQ1、Q2に駆動電流を供給させ、一次巻線T3の端子が電灯負荷とコンデンサC5に接続されて一次巻線T3とコンデンサC5が直列共振を構成させる。
【0009】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器において、前記スイッチ及び共振回路は共振コンデンサC6をさらに備え、該共振コンデンサの一端は二次巻線T1の端子2と接続され、他端は二次巻線T2の端子5と接続される。
【0010】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器において、前記フィルタ及び整流回路はフルブリッジ整流回路であり、ブリッジ整流器と、両者が並列接続されたインダクタ及び抵抗器を含むフィルタと、さらにブリッジ整流器の端子1、3に接続された電解コンデンサC1とを備え、フィルタの一端がヒューズを介して商用AC電源と接続されるとともに他端がブリッジ整流器の端子4と接続される。
【0011】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器において、前記フィルタ及び整流回路は、その整流回路として倍電圧整流回路を備える。
【0012】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器は、力率補正回路をさらに備え、その入力端がフィルタ及び整流回路の出力端と接続され、出力端がスイッチ及び共振回路の入力端と接続される。
【0013】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器において、前記力率補正回路は、MOSFET VT1と、ブースタインダクタLと、ブースタダイオードVDと、出力コンデンサC0と、APFCコントローラ集積回路とを備え、ブースタインダクタLの一端がブリッジ整流器の端子3に接続され、他端がブースタダイオードVDを通じトランジスタQ1のコレクタに接続され、ブースタダイオードVDのカソードが出力コンデンサC0を介してブリッジ整流器の端子1と接続され、ブースタダイオードVDのアノードがMOSFET VT1を介してブリッジ整流器の端子1と接続されるとともに、MOSFET VT1のゲートがAPFCに接続されている。
【0014】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器において、前記電灯負荷はランプ管とコンデンサC4、C5とを備え、前記ランプ管の両端にはそれぞれ2つの接続ポイントa、b及びa'、b'が設けられ、ランプ管と並列に接続されたコンデンサC5がランプ管両端の一接続ポイントb、b'に接続され、前記ランプ管一端の他の接続ポイントa'が三巻線変圧器の端子2に接続されるとともに、ランプ管他端の他の接続ポイントaがコンデンサC4を介してトランジスタQ1のコレクタに接続される。
【0015】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器において、前記ランプ管と並列接続されているコンデンサC5がさらにPTC予備加熱装置と並列接続されている。
【0016】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器において、前記三巻線変圧器の一次巻線と二次巻線との巻数比が30:1から400:1の範囲にある。
【0017】
上記環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器において、抵抗器R5、R6の抵抗値が等しい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器を提供するが、これはフィルタ及び整流回路と、スイッチ及び共振回路と、電灯負荷とを備える。その中でもフィルタ回路は導通により発生する電磁干渉を除去するために使用され、整流回路はAC電圧をDCリプル電圧に変換し、変圧器の二次巻線フィードバックはトランジスタに駆動電流を供給してスイッチ及び共振回路のスイッチ発振を生じさせ、変圧器の一次巻線Tとフィラメント静電容量はLC発振回路を形成してランプ管を点灯させる。安定器のスイッチ及び共振回路のトランジスタ半ブリッジ回路が、環状磁心フィードバックの代わりに三巻線変圧器フィードバックを採用してトランジスタを駆動し発振を生じさせるので、安定器は環状磁心のない利点を有するとともに、回路構成及び製造工程が簡素化されて電灯負荷の信頼性が高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器のさらなる詳細を以下の添付図面を参照して説明する。
【実施例】
【0020】
図2を参照すると、本発明の第1実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器が図示されており、フィルタ及び整流回路10と、スイッチ及び共振回路20と、コンデンサを有する電灯負荷30とを備えているが、以下にその詳細を述べる。
【0021】
フィルタ及び整流回路10は、その出力端がスイッチ及び共振回路20の入力端に接続され、さらにAC電源に接続されてその電磁干渉をフィルタで除去した後入力AC電圧をDCリプル電圧に変換する。この実施形態において、フィルタ及び整流回路10は、ブリッジ整流器(D1〜D4)と、並列接続されたインダクタL0と抵抗器R0よりなるフィルタと、ブリッジ整流器の端子1、3に接続された電解コンデンサC1とを備えるフルブリッジ整流回路である。フィルタは一端がヒューズFU抵抗器を介してAC電源と接続される一方、他端がブリッジ整流器の端子4と接続される。
【0022】
スイッチ及び共振回路20はその出力端を電灯負荷30に接続され、抵抗器R1、R2、コンデンサC3、ダイオードD5、トリガーダイオードDB3よりなり、スイッチ及び共振回路20を始動するためのパルス電流を供給するトリガー回路と、トランジスタQ1、Q2と抵抗器からなり電力スイッチとして動作する半ブリッジ回路と、一次巻線T3と2つの二次巻線T1、T2よりなる三巻線変圧器Tとを含み、一次巻線T3はチョーキング効果も有する。好ましくは、三巻線変圧器の一次巻線と二次巻線間の巻線比は30:1から400:1の範囲にあるとよい。スイッチ及び共振回路20において、トランジスタQ1のエミッタは抵抗器R5を介してQ2のコレクタと接続され、抵抗器R5とトランジスタQ2のコレクタ間に結節点Sが位置し、トランジスタQ1のコレクタと結節点Sとの間に抵抗器R1とコンデンサC2が並列に接続され、抵抗器R1は、その一端がフィルタ及び整流回路10の整流器の端子3に接続され、その他端が並列接続された抵抗器R2とダイオードD5及びこれらと直列接続されたコンデンサC3を介してフィルタ及び整流回路10の整流器の端子1に接続され、ダイオードD5は、そのアノードが双方向ダイオードDB3を介してトランジスタQ2のベースに接続され、そのカソードが結節点Sを通じ二次巻線T1の端子4と一次巻線T3の端子1に接続され、トランジスタQ1のベースは抵抗器R3を通じ二次巻線T1の端子3に接続され、トランジスタQ2のベースは抵抗器R4を通じ二次巻線T2の端子6に接続され、トランジスタQ2のエミッタは抵抗器R6を通じ二次巻線T2の端子5に接続される一方、二次巻線T2の端子5がフィルタ及び整流回路10の整流器の端子1と接続することによって二次巻線T1、T2がトランジスタQ1、Q2に駆動電流を供給するのを可能にし、一次巻線T3の端子2が電灯負荷30とコンデンサC5に接続されて一次巻線T3とコンデンサC5が直列共振を形成するのを可能にする。
【0023】
電灯負荷30はランプ管とコンデンサC4、C5を備えるが、コンデンサC4はDC阻止に使用される。ランプ管の両端には2つの接続ポイントa、b、a'、b'がそれぞれ設けられてランプ管と並列接続されているコンデンサC5がランプ管両端における接続ポイントの一つb、b'に接続され、ランプ管一端の他の接続ポイントa'が一次巻線T3の端子2と接続される一方、ランプ管他端の他の接続ポイントaがコンデンサC4を介してトランジスタQ1のコレクタと接続される。一好適実施形態によれば、コンデンサC5がさらにPTC予備加熱装置と並列接続されている。
【0024】
図3を参照すると、本発明の第2実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器が図示されており、この安定器は第1実施形態の回路全体を含んでいるが、スイッチ及び共振回路は共振コンデンサC6をさらに備え、共振コンデンサの一端は二次巻線T3の端子2と接続され、他端は二次巻線T2の端子5と接続されている。
【0025】
図4を参照すると、本発明の第3実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器が図示されているが、本実施形態のスイッチ及び共振回路20と電灯負荷30は第1実施形態と同様である。しかしながら、本実施形態のフィルタ及び整流回路10における整流回路は、2つのダイオードと2つのコンデンサで形成される倍電圧整流回路である。
【0026】
図5を参照すると、本発明の第4実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器が図解されており、この安定器は第3実施形態の回路全体を含んでいるが、スイッチ及び共振回路20は共振コンデンサC6をさらに備え、第2実施形態と同様にこれに接続されている。
【0027】
図6を参照すると、本発明の第5実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器が図示されているが、これは第1実施形態の回路全体を含んでいる外に、力率補正回路40をさらに備える。任意の力率補正回路40を配置する必要性は、環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器により得ようとする電力によって決まることに留意すべきである。この回路40は、その入力端がフィルタ及び整流回路10の出力端に接続され、その出力端がスイッチ及び共振回路20の入力端に接続される。力率補正回路40はMOSFET VT1と、ブースタインダクタLと、ブースタダイオードVDと、出力コンデンサC0と、APFCコントローラ集積回路とを備える。ブースタインダクタLはブリッジ整流器の端子3に一端を接続され、他端をブースタダイオードVDを通じトランジスタQ1のコレクタに接続される。ブースタダイオードVDは、そのカソードが出力コンデンサC0を介してブリッジ整流器の端子1と接続され、また、MOSFET VT1を介しブリッジ整流器の端子1と接続される一方、MOSFET VT1のゲートはAPFCに接続される。
【0028】
図7を参照すると、本発明の第6実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器が図示されており、この安定器は第5実施形態の回路全体を含んでいるが、スイッチ及び共振回路20は共振コンデンサC6をさらに備え、第2実施形態と同様にこれに接続されている。
【0029】
図8を参照すると、本発明の第7実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器が図示されており、この安定器は第3実施形態の回路全体を含んでいるが、力率補正回路40をさらに備え、第5実施形態と同様にこれに接続されている。
【0030】
図9を参照すると、本発明の第8実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器が図示されており、この安定器は第7実施形態の回路全体を含んでいるが、スイッチ及び共振回路20は共振コンデンサC6をさらに備え、第2実施形態と同様にこれに接続されている。
【0031】
本発明の動作原理は以下のとおりである。電源との接続後、DC電圧からの電流は、トリガー回路の抵抗器R1、R2を通過した後積分コンデンサC3を充電し、その電圧がトリガーダイオードDB3のブレークダウン電圧(約30〜40V)に達するか超えると、電流がトランジスタQ2のベースへ流れてQ2をオンにするようにトリガーダイオードは逆方向に導通する。トランジスタQ2のコレクタ電流が増加するにつれ、Q2のベース電位が上昇するように誘導起電力が変圧器の一次巻線T3と二次巻線T1、T2に発生し(・印を付した端は正極を表す)、それによりそのベース電流及びコレクタ電流がさらに増加して、さらにQ2のベース電位を上昇させる。この点で、連鎖反応が回路内に起こり、このような連鎖正帰還がQ2を通電及び飽和させる。Q2のエミッタにある抵抗器R6は負の電流帰還を発生させるために設けられ、連鎖反応の工程において、ベース電流の増加がR6における電圧降下を増加させて電圧降下の増加分がQ2のベース−エミッタのループへ帰還され、これによりQ2のベース−エミッタに外部から印加される電圧は減少し、ベース電流もまた自動的に減少して、これがコレクタ電流の増加を抑制する。エミッタにある抵抗器R6の抵抗を増加させれば、作動周波数を増加させることができるようにその負帰還作用が高まる。
【0032】
トランジスタQ2がオンになった後、トランジスタQ2を通過するコレクタ電流の増加に伴い、変圧器の二次巻線T2における電圧がトランジスタQ2のベース電圧よりも降下する可能性が生じ、ベース電流が反転するようになり、これによりトランジスタQ2は飽和モードを中止して増幅モードとなる。一旦増幅モードになると、トランジスタQ2のコレクタを流れる電流の減少により、変圧器の正帰還を通してベース電流を減少させ、コレクタ電流をさらに減少させ、Q2はすぐにカットオフモードになるが、その一方で、変圧器の二次巻線T1における電圧の極性が変化する(ここで端子3は正で端子4は負である)。一定期間の遅延後、電流がトランジスタQ1に発生し、変圧器はQ2のコレクタ電流の増加時に発生したのとは反対の誘導起電力を発生させ、Q1のベース及びコレクタ電流がさらに増加して、Q1が遮断状態からオン状態へすぐに変化する。Q1のエミッタの抵抗器R5もまた負電流帰還を発生させるために設けられ、その動作原理はR6と同様であり、抵抗器R5、R6の抵抗値は同じである。
【0033】
上記過程は周期的に動き、Q1とQ2は交互にオンとオフに切り替わる。2つの半ブリッジ間の中点においては交流方形波電圧が形成される。この交流電圧はコンデンサC5を通過し、変圧器の一次巻線T3から直列共振の動作の影響を受けると、交流電圧の波形が変化して正弦波に近づいてくるために非常に高い電圧がC5に発生して、ランプ管に印加され点灯する。
【0034】
当然のことながら、上記は説明として提供されているに過ぎず、本発明の技術的解決策を制限するものではない。上記実施形態に関して本発明を詳細に記載したが、当業者は本発明とその請求項の精神と範囲を超えることなく、種々の変更、追加、又は削除を行い、またその要素の同等物を代用してもよく、また、当然のことながらそのような全ての変更及び/又は修正は本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は従来技術の安定器の回路図である。
【図2】図2は本発明の第1実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器の回路構成図である。
【図3】図3は本発明の第2実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器の回路構成図である。
【図4】図4は本発明の第3実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器の回路構成図である。
【図5】図5は本発明の第4実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器の回路構成図である。
【図6】図6は本発明の第5実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器の回路構成図である。
【図7】図7は本発明の第6実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器の回路構成図である。
【図8】図8は本発明の第7実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器の回路構成図である。
【図9】図9は本発明の第8実施形態に係る環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器の回路構成図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器であって、
フィルタ及び整流回路と、スイッチ及び共振回路と、コンデンサを含む電灯負荷とを備え、
前記フィルタ及び整流回路の出力端はスイッチ及び共振回路の入力端に接続されるとともに、
前記スイッチ及び共振回路の出力端は電灯負荷に接続され、スイッチ及び共振回路は、抵抗器R1、R2と、コンデンサC3と、ダイオードD5と、トリガーダイオードDB3よりなり、その始動のためのパルス電流を供給するトリガー回路と、トランジスタQ1、Q2と抵抗器よりなる半ブリッジ回路と、一次巻線T3と2つの二次巻線T1、T2よりなる三巻線変圧器Tとを含み、トランジスタQ1のエミッタは抵抗器R5を介してQ2のコレクタと接続され、抵抗器R5とトランジスタQ2のコレクタ間に結節点Sが位置し、トランジスタQ1のコレクタと結節点Sとの間に抵抗器R1とコンデンサC2が並列に接続され、抵抗器R1の一端はフィルタ及び整流回路の端子3に接続され、他端は並列接続された抵抗器R2とダイオードD5及びこれらと直列接続されたコンデンサC3を介してフィルタ及び整流回路の端子1に接続され、ダイオードD5のアノードは双方向ダイオードDB3を介しトランジスタQ2のベースに接続され、カソードは結節点Sを通じ二次巻線T1の端子4と一次巻線T3の端子1に接続され、トランジスタQ1のベースは抵抗器R3を通じ二次巻線T1の端子3に接続されてトランジスタQ2のベースは抵抗器R4を通じ二次巻線T2の端子6に接続され、トランジスタQ2のエミッタは抵抗器R6を通じ二次巻線T2の端子5に接続される一方、二次巻線T2の端子5がフィルタ及び整流回路の端子1と接続されることによって二次巻線T1、T2がトランジスタQ1、Q2に駆動電流を供給させ、一次巻線T3の端子が電灯負荷とコンデンサC5に接続されて一次巻線T3とコンデンサC5が直列共振を構成させることを特徴とする環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項2】
前記スイッチ及び共振回路は共振コンデンサC6をさらに備え、該共振コンデンサの一端は二次巻線T1の端子2と接続され、他端は二次巻線T2の端子5と接続されることを特徴とする請求項1に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項3】
前記フィルタ及び整流回路はフルブリッジ整流回路であり、ブリッジ整流器と、両者が並列接続されたインダクタ及び抵抗器を含むフィルタと、さらにブリッジ整流器の端子1、3に接続された電解コンデンサC1とを備え、フィルタの一端がヒューズを介して商用AC電源と接続されるとともに他端がブリッジ整流器の端子4と接続されることを特徴とする請求項1に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項4】
前記フィルタ及び整流回路が倍電圧整流回路を示すことを特徴とする請求項1に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項5】
力率補正回路をさらに備え、その入力端がフィルタ及び整流回路の出力端と接続され、出力端がスイッチ及び共振回路の入力端と接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項6】
前記力率補正回路は、MOSFET VT1と、ブースタインダクタLと、ブースタダイオードVDと、出力コンデンサC0と、APFCコントローラ集積回路とを備え、ブースタインダクタLの一端がブリッジ整流器の端子3に接続され、他端がブースタダイオードVDを通じトランジスタQ1のコレクタに接続され、ブースタダイオードVDのカソードが出力コンデンサC0を介してブリッジ整流器の端子1と接続され、ブースタダイオードVDのアノードがMOSFET VT1を介してブリッジ整流器の端子1と接続されるとともに、MOSFET VT1のゲートがAPFCコントローラに接続されていることを特徴とする請求項5に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項7】
前記電灯負荷はランプ管とコンデンサC4、C5とを備え、前記ランプ管の両端にはそれぞれ2つの接続ポイントa、b及びa'、b'が設けられ、ランプ管と並列に接続されたコンデンサC5の両端がそれぞれ接続ポイントb、b'に接続され、前記ランプ管の他の接続ポイントa'が三巻線変圧器の端子2に接続されるとともに、ランプ管の他の接続ポイントaがコンデンサC4を介してトランジスタQ1のコレクタと接続されることを特徴とする請求項1に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項8】
前記ランプ管と並列接続されているコンデンサC5がさらにPTC予備加熱装置と並列接続されていることを特徴とする請求項7に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項9】
前記三巻線変圧器の一次巻線と二次巻線との巻数比が30:1から400:1の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。
【請求項10】
抵抗器R5、R6の抵抗値が等しいことを特徴とする請求項1に記載の環状磁心のない電流駆動式フィードバック型安定器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−153198(P2008−153198A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−277875(P2007−277875)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(501384883)マス テクノロジー(ホンコン)リミテッド (9)
【Fターム(参考)】