説明

生分解性組成物、その成形体および用途

【課題】本発明の目的は、加水分解性に優れる新規な生分解性組成物、該組成物を用いた成形体および用途を提供すること。
【解決手段】親水性セグメント(a-1)としてポリアミノ酸に由来する構成単位を有し
、疎水性セグメント(a-2)として分解性ポリマーに由来する構成単位を有するブロッ
ク又はグラフト共重合体(A)を含んでなる生分解性組成物を用いることを特徴とし、分解性樹脂(B)をさらに含んでなる生分解性組成物を用いることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性を有する樹脂組成物、該組成物を用いた成形体および用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)等に代表されるポリヒドロキシカルボン酸類は、自然環境下や生体内で水分や酵素等により分解される生分解性プラスチックとして利用されている。
【0003】
例えば、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド(GLD)と、乳酸の環状二量体であるラクチド(LTD)とを開環共重合させることにより、徐放性製剤の基材用として有用な低分子量、多分散性の乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)を得る方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
近年、地球環境の悪化にともない、樹脂のリサイクルや生体に安全で地球環境に負荷の少ない添加剤等への関心が高まっている。また、消費者ニーズの多様化に伴い、ポリヒドロキシカルボン酸等の生分解性プラスチックに対するニーズも高度化してきている。例えば、樹脂可塑剤の1つであるフタル酸エステル系可塑剤は、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)としてその安全性が問題視されている。そこで、フタル酸エステル系可塑剤の使用制限の提言や、より安全な樹脂添加剤への代替えの為の樹脂添加剤の研究も行なわれている。
【0005】
また、例えば、PLAは、加工性が良く成形品の機械的強度が優れているため、使い捨ての容器、包装材等の用途に利用されている。しかし、コンポスト以外の条件下(例えば、海水中、土中等)での分解速度が比較的遅いため、数ヶ月内で分解消滅して欲しい用途には使いにくいという欠点がある。
【0006】
そこで、PLAの加水分解速度を向上させるために、例えば、ポリエチレングリコール等の親水性添加剤を混合する方法も考えられる。しかしながら、PLAは親水性が低いため、ポリエチレングリコール等の親水性物質とは相溶しにくい。したがって、添加剤が成形時や成形後に浮き出したり(ブリードアウト)、成形品の機械的強度が低下したり、透明性等の外観が損なわれたりするので、実用的ではない。
【0007】
本発明者らの知る限りにおいては、例えば、PLA等の脂肪族ポリエステルに何らかの添加剤を添加し、脂肪族ポリエステルの性質(機械的強度、外観等)を著しく損なうことなく、分解性を効果的に促進する方法は、未だ見出されていない。
【0008】
また、PLA等の脂肪族ポリエステルは、特に高分子量のポリマーの場合、成形時の加熱により分子量低下が顕著に起きることが知られている。しかしながら、脂肪族ポリエステルの熱劣化抑制の有効な方法は、未だ知られていない。
【特許文献1】特開昭62−64824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、加水分解性に優れる新規な生分解性組成物、該組成物を用いた成形体および用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、親水性セグメントと疎水性セグメントを有する共重合体を含む生分解性組成物および該組成物を用いた成形体は、短期間に環境中で分解するばかりでなく、機械的強度、柔軟性、防水性、肌触りに優れていることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は下記[1]〜[27]を提供するものである。
[1]
親水性セグメント(a-1)としてポリアミノ酸に由来する構成単位を有し、疎水性セ
グメント(a-2)として分解性ポリマーに由来する構成単位を有するブロック又はグラ
フト共重合体(A)を含んでなる生分解性組成物。
【0012】
[2]
分解性樹脂(B)をさらに含んでなる[1]に記載の生分解性組成物。
[3]
[1]または[2]に記載の生分解性組成物を用いた生分解性成形体。
【0013】
[4]
[1]または[2]に記載の生分解性組成物を用いたホットメルト接着剤。
[5]
[1]または[2]に記載の生分解性組成物を用いた水系紙塗工用組成物。
【0014】
[6]
[1]または[2]に記載の生分解性組成物を用いた易剥離性粘着材。
[7]
[1]または[2]に記載の生分解性組成物を用いた熱転写媒体。
【0015】
[8]
[3]記載の生分解性成形体が繊維であることを特徴とする生分解性成形体。
[9]
[3]記載の生分解性成形体が不織布であることを特徴とする生分解性成形体。
【0016】
[10]
[3]記載の生分解性成形体がフィルムであることを特徴とする生分解性成形体。
[11]
[3]記載の生分解性成形体が衛生用品用包装材であることを特徴とする生分解性成形体。
【0017】
[12]
[3]記載の生分解性成形体が食品用包装材であることを特徴とする生分解性成形体。
[13]
[3]記載の生分解性成形体が保護フィルムであることを特徴とする生分解性成形体。
【0018】
[14]
[3]記載の生分解性成形体が多孔フィルムであることを特徴とする生分解性成形体。
[15]
[3]記載の生分解性成形体が農園芸資材であることを特徴とする生分解性成形体。
【0019】
[16]
[3]記載の生分解性成形体がペット汚物処理剤であることを特徴とする生分解性成形
体。
【0020】
[17]
[3]記載の生分解性成形体が徐放性薬剤であることを特徴とする生分解性成形体。
[18]
[3]記載の生分解性成形体が電子機器の筐体であることを特徴とする生分解性成形体。
【0021】
[19]
[3]記載の生分解性成形体が加工助剤であることを特徴とする生分解性成形体。
[20]
[3]記載の生分解性成形体が土木建築資材であることを特徴とする生分解性成形体。
【0022】
[21]
[3]記載の生分解性成形体が清浄用物品であることを特徴とする生分解性成形体。
[22]
[3]記載の生分解性成形体が湿潤シートであることを特徴とする生分解性成形体。
【0023】
[23]
[3]記載の生分解性成形体がレジャー用品であることを特徴とする生分解性成形体。
[24]
[3]記載の生分解性成形体が玩具であることを特徴とする生分解性成形体。
【0024】
[25]
[3]記載の生分解性成形体が教材であることを特徴とする生分解性成形体。
[26]
[3]記載の生分解性成形体が酸吸収剤であることを特徴とする生分解性成形体。
【0025】
[27]
[3]記載の生分解性成形体がアルカリ吸収剤であることを特徴とする生分解性成形体。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、分解性が向上した生分解性組成物が得られる。
本発明により提供される生分解性組成物および該組成物を用いた成形体は、優れた分解性を有し、また機械的強度、柔軟性、防水性、肌触りに優れているため様々な用途で用いることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に本発明について具体的に説明する。
[生分解性組成物]
本発明の生分解性組成物は、親水性セグメント(a-1)としてポリアミノ酸に由来す
る構成単位を有し、疎水性セグメント(a-2)として分解性ポリマーに由来する構成単
位を有するブロック又はグラフト共重合体(A)を含んでなる樹脂組成物であり、分解性樹脂(B)をさらに含んでいることが好ましい。
【0028】
本発明において、「疎水性セグメント」とは、水に難溶または不溶である分解性ポリマーから誘導されたセグメントであり、もう一方の親水性セグメントよりも疎水的なものである。また「親水性セグメント」とは、水に可溶、あるいは難溶であっても、疎水性セグメントよりも親水的であるポリマーから誘導されたセグメントである。
【0029】
本発明の共重合体(A)において親水性セグメント(a-1)としては、そのセグメン
ト中にポリアミノ酸に由来する構成単位を含有するものであればよく、特に限定されるものではない。また、疎水性セグメント(a-2)としては、そのセグメント中に分解性ポ
リマーに由来する構成単位を含有するものであればよく、特に限定されるものではない。
【0030】
共重合体(A)の親水性セグメント(a-1)の好ましい形態は、アスパラギン酸に由
来する構造単位からなるものであり、疎水性セグメント(a-2)の好ましい形態は、下
記の二塩基酸及び二価アルコール類、ヒドロキシカルボン酸類、ラクチド類、ラクトン類、又はカーボネート類に由来する構造単位からなるものである。
【0031】
以下、その具体例を挙げて説明する。
1.二塩基酸及び二価アルコール類
脂肪族二価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4-シクロ
ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0032】
脂肪族二塩基酸の具体例としては、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などが挙げられる。
【0033】
2.ヒドロキシカルボン酸類
例えば、α-ヒドロキシモノカルボン酸類(例えば、グリコール酸、乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、2-ヒドロキシカプロン酸、2-ヒドロキシカプリン酸)
、ヒドロキシジカルボン酸類(例えば、リンゴ酸)、ヒドロキシトリカルボン酸類(例えば、クエン酸)などが挙げられる。
【0034】
3.ラクチド類
例えば、グリコリド、ラクチド、p-ジオキサノン、1,4-ベンジルマロラクトナート
、マライトベンジルエステル、3-〔(ベンジルオキシカルボニル)メチル〕-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン、テトラメチルグリコリドなどが挙げられる。
【0035】
4.ラクトン類
例えば、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、α、α-ビスクロロメチルプロプ
オラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、3-n-プロ
ピル-δ-バレロラクトン、6,6-ジメチル-δ-バレロラクトン、3,3,6-トリメチル-1,4-ジオキサン-ジオン、3,3,6-トリメチル-1,4-ジオキサン-ジオン、ε-カプロラ
クトン、ジオキセパノン、4-メチル-7-イソプロピル-ε-カプロラクトン、N-ベンジルオキシカルボニル-L-セリン-β-ラクトンなどが挙げられる。
【0036】
5.カーボネート類
例えば、エチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネートトリメチレンカーボネート、ネオペンチレンカーボネート、エチレンオキソレート、プロピレンオキソレートなどが挙げられる。
【0037】
共重合体(A)の疎水性セグメント(a-2)の好ましい形態は、ヒドロキシカルボン
酸類、ラクチド類又はラクトン類に由来する構造単位のものである。具体例としては、前
記の各化合物等が挙げられるが、特に、α-ヒドロキシカルボン酸、グリコリド、ラクチ
ド、p-ジオキサノン、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンに由来する構造単位であることが好ましい。このうち、グリコール酸
、乳酸、グリコリド、ラクチド又は、ε-カプロラクトンに由来する構造単位であること
がより好ましい。
【0038】
共重合体(A)の好ましい形態は、構造中に、親水性セグメント(a-1)としてアス
パラギン酸に由来する構成単位と、疎水性セグメント(a-2)として二塩基酸及び二価
アルコール類、ヒドロキシカルボン酸類、ラクチド類、ラクトン類又はカーボネート類に由来する構成単位(以下、「疎水性セグメント(a-2)に由来する構成単位」とする。
)とが共存する。この共重合体中には、親水性セグメント(a-1)のアスパラギン酸に
由来する構成単位が1モル%以上及び疎水性セグメント(a-2)に由来する構成単位が
1モル%以上含まれていることが好ましい。共重合体(A)中の親水性セグメント(a-
1)のアスパラギン酸由来単位と疎水性セグメント(a-2)由来単位との組成比は、特
に限定されるものではないが、好ましくは1/1〜1/50である。共重合体中(A)には親水性セグメント(a-1)のアスパラギン酸や疎水性セグメント(a-2)以外の構成要素が共重合により存在していてもよい。ただし、その量は共重合体(A)の性質を大きく損なわない程度であることが必要であり、かかる点を考慮すると、その量はおよそ20モル%以下である。なお、アスパラギン酸は、脱水縮合してコハク酸イミド単位もつ重合体を生成するが、アスパラギン酸に由来する構成単位とは、コハク酸イミド単位をも含む意味である。また、共重合体(A)の構造に含まれるアスパラギン酸単位は、α-アミド
型単量体単位およびβ-アミド型単量体単位が混在し得るものであり、両者の比は特に限
定されない。
【0039】
共重合体(A)は、通常はアスパラギン酸と、ヒドロキシカルボン酸類、ラクチド類又はラクトン類との共重合反応により得られ、その製造方法は特に限定されない。一般には、アスパラギン酸とヒドロキシカルボン酸類等とを所望の比で混合し、加熱下に重合することにより得ることができる。
【0040】
共重合体(A)における疎水性セグメント(a-2)に由来する構成単位を構成する為
に、好ましくは、α-ヒドロキシカルボン酸、グリコリド、ラクチド、p-ジオキサノン、2-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、2-ヒドロキシカプロン酸、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンからなる群より選択
された少なくとも1種を用いる。さらに好ましくは、グリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチド、p-ジオキサノン、2-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、2-ヒドロキシカプロン酸、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン及びε-カプロラクトンからなる群より選択された少なくとも1種を用いる。特に好ましくは、グリコール酸、乳酸、グリコリド、ラクチド及びε-カプロラクトンからなる群より選択された
少なくとも1種を用いる。最も好ましくは、乳酸を用いる。
【0041】
共重合体(A)の分子量については、分解性樹脂(B)と良好に混合でき、分解促進効果を大きくする点から、重量平均分子量がおよそ1000以上10万以下であることが好ましい。2000以上5万以下であることがより好ましく、3000以上2万以下であることがさらに好ましい。
【0042】
本発明に用いる分解性樹脂(B)は、分解性を有する樹脂であればよく、特に限定されないが、より具体的には下記の樹脂がその代表として挙げられる。
1.脂肪族ポリエステル類
(1)二塩基酸―二価アルコール共重合体類
脂肪族二価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール
、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4-シクロ
ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0043】
脂肪族二塩基酸の具体例としては、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などが挙げられる。
【0044】
上記の任意の1種類以上の二塩基酸と二価アルコールから合成されたホモポリマーまたはコポリマー、その他の任意のモノマーとのコポリマー、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0045】
(2)ポリヒドロキシカルボン酸類
α-ヒドロキシモノカルボン酸類(例えば、グリコール酸、乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシ吉草酸、2-ヒドロキシカプロン酸、2-ヒドロキシカプリン酸)、ヒドロ
キシジカルボン酸類(例えば、リンゴ酸)、ヒドロキシトリカルボン酸類(例えば、クエン酸)などの1種類以上のヒドロキシカルボン酸類から合成されたホモポリマーまたはコポリマー、その他の任意のモノマーとのコポリマー、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0046】
(3)ポリラクチド類
グリコリド、ラクチド、ベンジルマロラクトナート、マライトベンジルエステル、3-
〔(ベンジルオキシカルボニル)メチル〕-1,4-ジオキサン-2,5-ジオンなどの1種類以上のラクチド類から合成されたホモポリマーまたはコポリマー、その他の任意のモノマーとのコポリマー、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0047】
(4)ポリラクトン類
β-プロピオラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、N-ベンジルオキシカルボニル-L-セリン-β-ラクトンなどの1種類以上のラクトン類から合成されたホモポリマーまたはコポリマー、その他の任意のモノマーとのコポリマー、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。特に、これらはα-ヒドロキシ酸の環状2量体であるグリコリド、
ラクチドなどとも共重合可能である。
【0048】
2.ポリアンヒドリド類
例えば、ポリ〔1,3-ビス(p-カルボキシフェノキシ)メタン〕、ポリ(テレフタル
酸-セバシン酸無水物などが挙げられる。
【0049】
3.分解性ポリカーボネート類
例えば、ポリ(オキシカルボニルオキシエチレン)、スピロオルソポリカーボネートなどが挙げられる。
【0050】
4.ポリオルソエステル類
例えば、ポリ{3,9-ビス(エチリデン-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン-1,6-ヘキサンジオール)}などが挙げられる。
【0051】
5.ポリ-α-シアノアクリル酸エステル類
例えば、ポリ-α-シアノアクリル酸イソブチルなどが挙げられる。
6.ポリホスファゼン類
例えば、ポリジアミノホスファゼンなどが挙げられる。
【0052】
7.その他の分解性樹脂
ポリヒドロキシエステル等に代表される微生物生産合成樹脂、前記各種の樹脂にデンプンや変性デンプン、皮粉、微細化セルロース等を配合することにより、分解性を付与した樹脂などが挙げられる。
【0053】
以上列挙した種々の樹脂のうち、共重合体(A)と分解性樹脂(B)が分離せず、より均一に混合するという点から、脂肪族ポリエステル類が好ましく、特に二塩基酸―二価アルコール共重合体類、ポリヒドロキシカルボン酸類、ポリラクチド類、ポリラクトン類が好ましい。
【0054】
本発明において、ポリヒドロキシカルボン酸とは、水酸基とカルボキシル基とを併せ有するヒドロキシカルボン酸の重合体又は共重合体を意味する。ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシブタン酸、ヒドロキシプロピオン酸等が好ましい。ポリヒドロキシカルボン酸中には、ヒドロキシカルボン酸以外の構成要素(共重合単位)が存在していてもよい。ただし、ポリヒドロキシカルボン酸中に、少なくともヒドロキシカルボン酸由来の構成単位の割合は、20モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましい。
【0055】
最も好適に使用されるポリヒドロキシカルボン酸は、ポリ乳酸、乳酸-グリコール酸共
重合体、ポリカプロラクトンである。
本発明において、分解性樹脂(B)の分子量は特に限定されない。ただし、強度を考慮すると、分解性樹脂(B)の重量平均分子量は、1000以上100万以下が好ましく、3000以上50万以下がより好ましい。
【0056】
本発明の生分解性組成物は、上述の共重合体(A)を含有し、分解性樹脂(B)を含有していることが好ましい。また該組成物には目的に応じて各種添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、離型剤、無機添加剤、結晶核剤、耐電防止剤、顔料、アンチブロッキング剤を付加成分として含有していても良い。
【0057】
可塑剤としては分解性があって且つ分解性樹脂(B)との相溶性に優れるものが好適に用いられる。例として、1価または多価脂肪酸エステル系可塑剤、1価または多価脂肪族アルコールエステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤、脂肪族ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。具体的には、ジ-n-オクチルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート等のフタル酸誘導体、ジイソオクチルフタレート等のイソフタル酸誘導体、ジ-n-ブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジ-n-ブチルマレート等のマレイン酸誘導体、トリ-n-ブチルシトレート等のクエン酸誘導体、モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘導体、ブチルオレート等のオレイン酸誘導体、グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘導体、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、乳酸、直鎖状乳酸オリゴマー、環状乳酸オリゴマーまたはラクチド等が例示できる。特に分子内に2個以上のカルボン酸エステル基を有する、クエン酸エステル、グリセリンエステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステルおよびトリエチレングリコールエステルから選ばれた少なくとも1種のエステル化合物であることが好ましい。これらの可塑剤は単独でも良いし、また2種以上を混合して用いてもよい。
【0058】
本発明の生分解性組成物は共重合体(A)に加えてさらに分解性樹脂(B)を含むことが好ましく、共重合体(A)100重量部に対し、分解性樹脂(B)0.03〜1000
00重量部が好ましい。
例えば、重量平均分子量が3000以上50万以下である分解性樹脂(B)に、重量平均分子量が1000以上10万以下の共重合体(A)を混合することにより得られる。共重合体(A)の組成比が大きい場合には、分解速度の大きな組成物となる。樹脂(B)に対して共重合体(A)の組成比が小さ過ぎると、分解速度の促進効果が期待しにくい場合がある。
【0059】
分解性樹脂(B)のもつ性質を大きく損なわない組成物を所望する場合は、好ましくは、共重合体(A)と分解性樹脂(B)との重量組成比を、1/99〜33/67程度にする。より好ましくは2/98〜20/80であり、さらに好ましくは3/97〜10/90である。
【0060】
本発明において、共重合体(A)に、分解性樹脂(B)を混合する方法は特に限定されない。好ましくは、両者を加熱溶融するか、溶媒に溶解させ、攪拌混合する。例えば、共重合体(A)、分解性樹脂(B)、必要に応じて可塑剤、無機充填剤、分散剤、安定剤などその他の添加物をヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型ミキサー等を用いて混合した後、一軸または二軸スクリュー型押出機を用いて連続混練する。ここで、分解性樹脂(B)への共重合体(A)、充填剤等の分散性をより向上させるためには、二軸押出機の方が好ましい。
【0061】
本発明の生分解性組成物はホットメルト接着剤、水系紙塗工用組成物、易剥離性粘着材、熱転写媒体、および成形体として用いても良い。本発明の生分解性組成物は自然界ヘ拡散した場合であっても該組成物の有する生分解性のため環境への負荷が少なく好ましい。
【0062】
本発明の生分解性組成物を用いたホットメルト接着剤は、衛生材料用、包装用、断熱材用および木工用等様々な用途で用いることが出来る。また本発明のホットメルト接着剤を用いた製品は、該ホットメルト接着剤が加水分解性性および生分解性を有しているため、製品として使用後、水によって洗浄を行うことにより接着部を解離することができる。
【0063】
本発明の生分解性組成物を用いた水系紙塗工用組成物は、紙、金属、プラスチック等の基板上に塗工することにより印刷適性の改良や基盤の保護コーティングが可能になる。また、本発明の水系紙塗工用組成物が塗工された紙等の基盤を回収し、再使用するに際し、水または温水で洗浄することにより水系紙塗工用組成物を取り除くことができるため紙等の基盤を回収することが容易に可能である。
【0064】
本発明の生分解性組成物を用いた易剥離性粘着材は、付加成分として剥離性調整剤を含むことが好ましい。前記剥離性調整剤としてはスリップ剤、静電気防止剤および撥水剤としての作用を有する成分を用いることができる。本発明の易剥離性粘着材は衛生材の保護シートとして用いることができ、剥離の際に剥離性調整剤を含んでいるため容易に剥離することが可能である。また複雑な形状を保護している場合、易剥離性粘着材が衛生材などの保護を目的とする部材に残る場合があるが、本発明の易剥離性粘着材では洗浄することにより容易に取り除くことができるため保護面を傷つけることがないため好ましい。
【0065】
本発明の生分解性組成物を用いた熱転写媒体は付加成分として染料および/または顔料を含んでおり、可塑剤をさらに含むことが好ましい。本発明の熱転写媒体は加水分解性を有するため、フィルム等に転写した後、転写画像を容易に削除することができる。
【0066】
[生分解性成形体]
本発明の生分解性成形体は前述の生分解性組成物からなる。
本発明の生分解性成形体は繊維であっても良い。加水分解性と生分解性を兼ね備えてい
る本発明の生分解性繊維は、該繊維を更に加工した不織布、医療用衣服として用いても良い。
【0067】
該生分解性繊維を得る方法としては、公知の紡糸方法が適用され、単独紡糸でも複合紡糸でもよく、特に複合紡糸の形態としては、芯鞘型および並列型複合紡糸が挙げられる。具体的な紡糸方法としては、上記生分解性組成物を、押出機を用いて溶融紡糸する溶融紡糸法;上記生分解性組成物を溶媒に溶解して溶液とした後、該溶液をノズルから貧溶媒中に吐出させる湿式紡糸法;該溶液をノズルから乾燥気体中に吐出させる乾式紡糸法などが挙げられる。なお、前記溶融紡糸法には、一軸押出機や二軸押出機等の公知の押出機を用いることができる。
【0068】
本発明の生分解性成形体は不織布であっても良い。本発明の不織布を得る方法としては特に制限がなく、公知の方法、例えば、乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法、湿式法などにより製造される。すなわち、本発明の生分解性ポリマー、または該生分解性ポリマーと添加剤とを含む組成物を紡糸した後、ウェブを形成し、該ウェブを従来公知の方法により結合することにより得られる。
【0069】
原料繊維の紡糸方法は、公知の紡糸方法が適用される。単独紡糸でも複合紡糸でもよく、特に、複合紡糸の形態としては、芯鞘型もしくは並列型複合紡糸が挙げられる。紡糸方法としては、例えば、押出機を用いて溶融紡糸する溶融紡糸法、上記生分解性組成物を溶媒に溶解して溶液とした後、該溶液をノズルから貧溶媒中に吐出させる湿式紡糸法、該溶液をノズルから乾燥気体中に吐出させる乾式紡糸等が適用される。溶融紡糸法には、一軸押出機、二軸押出機等の公知の押出機を用いることができる。
【0070】
押出機の口金(ノズル)の口径は、必要とする繊維の直径(糸径)と、押出機の吐出速度や引き取り速度との関係によって適宜決定されるが、好ましくは0.1〜3.0mm程度である。いずれの紡糸法においても、紡糸後の繊維の延伸は必ずしも行う必要はないが、延伸を行う場合には、1.1〜10倍、好ましくは2〜8倍に延伸する。繊維の好ましい糸径は0.5〜40デニールである。また、本発明の不織布を構成する単繊維または複合繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよく、使用目的により適宜選択できる。
【0071】
得られた繊維から、ウェブと呼ばれる繊維の塊状態を形成させる。ウェブの製造方法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、フラットカード機、ローラカード機、ガーネット機等を用いるカード式、メルトブロー式が挙げられる。また、樹脂を紡糸する際、紡糸機のノズルから繊維が出るときに高速空気を吹き付け、気流に直角な穴あきコンベア上に集めてウェブを形成させるスパンボンド式でもよい。
【0072】
このようにして得られたウェブから、本発明の不織布を得るには公知の方法を用いることができる。例えば、針により交絡させるニードルパンチ法、糸により交絡させるステッチボンド法、熱により接着させるサーマルボンド法、接着剤を利用するケミカルボンド法、レジンボンド法が挙げられる。本発明の不織布の目付けは、好ましくは1〜50g/m2であり、より好ましくは5〜20g/m2である。
また本発明の生分解性成形体は該不織布を更に加工した水切り袋、医療用衣類、実験用衣類、シートであっても良い。
【0073】
本発明の生分解性成形体はフィルムであっても良い。本発明の生分解性組成物からなるフィルムを得る方法としては特に制限がなく、公知の成形方法によりフィルム状またはシート状に成形される。T−ダイ成形法、インフレーション成形法、カレンダー成形法、熱プレス成型法などにより、フィルム状またはシート状に成形する方法が挙げられる。また、これらのフィルムやシートは少なくとも一方向に延伸されていてもよい。延伸法として
特に制限はないが、ロール延伸法、テンター法、インフレーション法などが挙げられる。
【0074】
本発明の生分解性組成物から用途に適した形状のフィルムを得る方法としては、特に制限がなく、公知の方法で製造可能であり、例えば金型に押出成形や射出成形などを行う方法などが挙げられる。
【0075】
本発明のフィルムの厚さは、その加水分解性や生分解性を高めるために薄く成形することが好ましいが、強度や可とう性などを満足させるように自由に調整可能である。フィルムの好ましい厚みは、5〜300μmであり、10〜100μmがより好ましい。また、引張弾性率は、特にその値を限定するわけではないが、通常、1200MPa以下のものが好ましく、600MPa以下のものがさらに好ましい。
【0076】
本発明の生分解性成形体は該フィルムを更に加工した包装用フィルム、包装袋、コンポスト袋、レジ袋、ゴミ袋およびシュリンクフィルム等であっても良い。
特に生ゴミ用のゴミ袋として用いることが好ましい。本発明のゴミ袋は生ゴミをゴミ袋へ捨てる程度の水分では加水分解はほとんどおこらず、回収後、加水分解させることにより生ゴミと一緒に生ゴミの資源化処理することが可能となり好ましい。
【0077】
現在、環境保護の観点から生ゴミの資源化(例えばバイオガス、液肥としての資源化)が検討されているが、通常は各家庭で生ゴミを他のゴミとは別の容器に回収し、数件〜数十件の家庭が利用する集積場所に設置された大型の容器に移し、回収、資源化を行っているが、大型の容器に移す際には生ゴミが有する臭気が問題となっている。本発明のフィルムを用いて作成したゴミ袋を用いた場合には加水分解性および生分解性を有しているためゴミ袋を同時に回収し、資源化することが可能となる。このため臭気等感じることなく回収できるため回収率の向上が期待される。
【0078】
また包装用フィルムとしては生理用品を始めとする衛生用品用包装材に用いることが好ましい。本発明の包装用フィルムを衛生用品の包装材として用いた場合には衛生用品を取り出した後にそのままトイレに流すことができるため好ましい。
【0079】
また包装用フィルムを食品用包装材料として用いても良い。食品包装用フィルムとして用いる場合には食品を保存する程度の期間では、加水分解も生分解もおこらず、廃棄の段階で大量の水や微生物の働きで加水分解や生分解がおこるように調整して用いることができる。
【0080】
本発明の生分解性成形体は保護フィルムであっても良い。本発明の保護フィルムはヘルメットのシールド部分や、スキーなどに用いられるスポーツ用ゴーグルのレンズ部分に装着または貼り付けて用いられ、水、泥、油などが付着して視界を遮る場合にこれを剥ぎ取り視界を確保する目的で使用される。本発明の保護フィルムは加水分解性および生分解性を有しているため仮に自然環境中に散乱した場合であっても土壌中、水中で加水分解するため好ましい。
【0081】
本発明の生分解性成形体は通気性を有する多孔フィルムであっても良い。上述した生分解性組成物をエキストルージョン法等、好ましくはTダイ法を用いて成膜し、その後延伸
することにより、多孔フィルムを得ることができる。多孔フィルムを得るためには、通常は付加成分として充填剤(無機充填材および/または有機充填材)を含有する。無機充填
材としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、珪酸白土などが挙げられる。これらの中では、炭
酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、シリカ、珪藻土、チタン、ゼオライトが好ましい。また、有機充填材としては、木粉、パルプ粉などのセルロース粉末が挙げられる。これらの充填剤は1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0082】
上記充填材の平均粒径としては、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは0.7〜5μmの範囲である。粒径が大きすぎるとフィルムの気孔の緻密性が悪くなり、小さすぎると樹脂への分散性が悪くなる。なお、平面状の未延伸シートにしたあと、縦方向に一軸延伸することにより、または縦および横方向に二軸延伸することによりフィルムは多孔化し通気性を有するフィルムとなる。
【0083】
本発明の生分解性成形体は農園芸資材であっても良い。農園芸資材としては、マルチフィルム、育苗ポット、農園芸テープ、果実栽培袋、杭、薫蒸シート、ビニールハウス用フィルム等が挙げられる。例えば育苗ポットとして用いた場合にはその加水分解性および生分解性を調整することにより苗を育成している段階および流通段階では充分な強度を有し、土壌に埋設後に分解させることが可能であり、苗を育成後土壌埋没前に育苗ポットを取り外す手間をなくすことが可能となる。
【0084】
本発明の生分解性成形体はペット汚物処理材であっても良い。ペット汚物処理剤としては、ペット汚物回収袋やペット用シートに用いる不織布、フィルム、シートなどが挙げられる。例えばペット汚物回収袋として用いた場合には、汚物の有する程度の水では加水分解することなく、ペット汚物回収袋の有する加水分解性および生分解性によりペットの汚物を入れた後そのままトイレに流すことができるため好ましい。
【0085】
本発明の生分解性成形体は徐放性薬剤、具体的には徐放性を有する医薬、農薬、動物用薬品、肥料であっても良い。本発明の生分解性成形体を徐放性薬剤として医薬や動物用薬品などに用いた場合、一般に生体内の水によって徐徐に分解し、それに伴い、長時間安定した量の薬効成分を放出することができる。また本発明の生分解性成形体を農薬や肥料などに用いた場合、地中の水分等によって任意の時間で水崩壊性成形体を分解させることにより、任意の時間で薬剤を放出することが可能である。
【0086】
本発明の生分解性成形体は電気機器の筐体であっても良い。具体的にはパソコンや家電製品の筐体として用いることができる。通常の電気機器は屋外で使用することが無いため大量の水によって加水分解する危険性は無いため筐体として用いることが出来る。また使用後は加水分解生、生分解性を有するため処理が容易であり、その他の材料(金属、半導体等)との分別が容易であるため好ましい。
【0087】
本発明の生分解性成形体は加工助剤、具体的には樹脂成形時の中子であっても良い。本発明の生分解性成形体を樹脂成形時の中子として用いた場合、生分解性成形体は加水分解性を有しているため、成形後に水で洗浄することによって、中子を容易に取り除くことが出来るため、様々な形状の樹脂成形体を容易に作成することができる。
【0088】
本発明の生分解性成形体は土木建築資材であっても良い。土木建築資材としては植生ネット、植生袋、植生ポット、立体網状体、土木用繊維、杭、断熱材として好適に用いることができる。
【0089】
本発明の生分解性成形体を植生ネットとして用いる場合には生分解性組成物を繊維状に成形し、編みこむことにより植生ネットとして用いることができる。また該植生ネットは袋状に編みこむことによって植生袋として用いても良い。本発明の植生ネットおよび/または植生袋を用いることにより、法面の保護および緑化工事を行う際に植物が充分に根付
くまでは植生ネットおよび/または植生袋により法面等を保護し、その後植生ネットおよび/または植生袋が加水分解および生分解する。
【0090】
本発明の生分解性成形体を植生ポットとして用いた場合には、苗木が成長する間は通常の植木鉢として使用することができ、移植に当っては、加水分解および生分解性を利用して、植生ポットごと土中に埋めることができる。その結果、植生ポット回収の手間が省け、焼却処分もないため、環境保全の観点から有用である。また、移植の際に苗木等の根を傷めることがなく、移植歩留まり率を向上させることができる。この場合、特に、山地における檜、杉等の植林や、根を傷めやすい苗木等の移植に有効で、植生ポットを土中に埋めた後は、可及的速やかに生分解するので移植後の苗木等の根の成長を妨げることがない。
【0091】
本発明の生分解性成形体は清浄用物品であっても良い。清浄用物品としてはウェットワイパー、ブラシとして好適に用いることができる。本発明の清浄用物品は加水分解および生分解性を有しているため仮に自然環境中に散乱した場合であっても土壌中、水中で加水分解するため好ましい。
【0092】
本発明の生分解性成形体は湿潤シートであっても良い。詳しくは人体の清拭やトイレ等の器物の清拭に使用される汚れ拭き取り用の湿潤シート(ウェットワイプスともいう)として用いることができる。本発明の生分解性成形体は、様々な薬液を含有する湿潤シートとすることができ、更に大量の水によって加水分解性があるため、使用後にトイレなどに流すことが可能であるため、汚れ拭き取り用の湿潤シートとして好適に用いることができる。
【0093】
本発明の生分解性成形体はレジャー用品、玩具または教材であっても良い。詳しくはレジャーシート、レジャーカーペット、レジャー用食器、釣具、工作材料として用いることができる。例えば、本発明の生分解性成形体がレジャーシート、レジャーカーペットまたはレジャー用食器である場合には、一度の使用で破棄することは環境保護の観点から好ましくないため、通常は加水分解性を弱めたうえで用いる。レジャー用品はその使用中に例えば突風等で使用者の意に反して環境中に拡散することがあるが、生分解性を有するため環境中に拡散した場合であっても環境への負荷が少ないため好ましい。また釣具として用いた場合にも加水分解性を弱めたうえで用いることにより、好適に使用することができ、仮に環境中に拡散した場合であっても、生分解性と加水分解性とを有するため環境への負荷が少ないため好ましい。
【0094】
本発明の生分解性成形体は酸吸収剤であってもよい。酸吸収剤は、水中でアルカリ性を示す塩を混合した生分解性組成物を成形することにより得られる。酸吸収剤を排水管などに装填することで、酸を吸収し、中和することができるため、排水処理用途などに用いることができる。本発明の生分解性成形体は自然界ヘ拡散した場合であっても生分解性を有するため環境への負荷が少なく好ましい。水中でアルカリ性を示す塩としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウムなどが好ましい。これらの塩は一種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。生分解性組成物全体を100重量部とすると、混合する塩の割合は、好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.5〜20重量部である。水中でアルカリ性を示す塩を混合した生分解性組成物を得る方法としては溶融混練法などの公知の方法を用いることができる。
【0095】
本発明の生分解性成形体はアルカリ吸収剤であってもよい。アルカリ吸収剤は、水中で酸性を示す塩を混合した生分解性組成物を成形することにより得られる。アルカリ吸収剤を排水管などに装填することで、アルカリを吸収し、中和することができるため、排水処理用途などに用いることができる。本発明の生分解性成形体は自然界ヘ拡散した場合であ
っても生分解性を有するため環境への負荷が少なく好ましい。水中で酸性を示す塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウムなどが好ましい。これらの塩は一種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。生分解性組成物全体を100重量部とすると、混合する塩の割合は、好ましくは0.1〜30重量部、さらに好ましくは0.5〜20重量部である。水中で酸性を示す塩を混合した生分解性組成物を得る方法としては溶融混練法などの公知の方法を用いることができる。
【0096】
[実施例]
以下、実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明する。なお、この実施例で用いた評価方法は、以下の通りである。
【0097】
[1]ポリマーの重量平均分子量(Mw)
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下「GPC」という)により、ポリマーの重量平均分子量(以下「Mw」という)を求めた。標準物質にはポリスチレンを用いた。
【0098】
[2]フィルムの引張強度、引張弾性率
ダンベル型に打ち抜いたフィルム試験片を、引張試験機を用いて、引張速度50mm/分で引張り、応力を測定することにより、引張破断強度、引張弾性率を求めた。
【0099】
[調製例1]
撹拌装置、脱気口をつけたガラス製反応器にL-アスパラギン酸13.3g(0.1モ
ル)および90%L-乳酸水溶液50g(乳酸0.5モル)を装入し、窒素気流下、18
0℃で25時間反応させた。生成物を取り出して冷却固化させ、得られた固体を粉砕し、粉末状ポリマーを得た。クロロホルム系GPCによるMwは9000であった。
【0100】
[調製例2]
90%L-乳酸水溶液20g(0.2モル)を用いたほかは、調製例1と同様に10時
間反応を行った。DMF系GPCによるMwは9000であった。
【0101】
[調製例3]
90%L-乳酸水溶液10g(0.1モル)を用いたほかは、調製例1と同様に12時
間反応を行った。DMF系GPCによるMwは11000であった。
【0102】
[調製例4]
撹拌装置、脱気口をつけたガラス製反応器にL-アスパラギン酸13.3g(0.1モ
ル)およびL-ラクチド36.0g(0.25モル)を装入した。180℃に加熱し、加
熱開始から1時間半後に、反応系を徐々に減圧にし、2時間後には1mmHgに達した。さらに2時間加熱を続けた後、160℃で15時間反応した。生成物を取り出して冷却固化させ、得られた固体を粉砕し、粉末状ポリマーを得た。クロロホルム系GPCによるMwは8600であった。
【0103】
[調製例5]
撹拌装置、脱気口をつけたガラス製反応器にL-アスパラギン酸31.9g(0.24
モル)、コハク酸70.9g(0.6モル)、1,4-ブタンジオール54.1g(0.
6モル)及び90%L-乳酸水溶液24g(0.24モル)を装入した。窒素気流下、2
00℃に加熱し15時間反応を続けた後、生成物を取り出して冷却固化させた。得られた固体を粉砕し、粉末状ポリマーを得た。
【実施例1】
【0104】
クロロホルム系GPCによる重量平均分子量Mwが15.0万のポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)90gに、調製例1で得られたアスパラギン酸-乳酸共重
合体を10g添加し、小型ニーダーを用いて180℃で5分間ブレンドした。得られたPBSA組成物を、180℃で熱プレスしてフィルムを調製した。
【0105】
得られたPBSA組成物のMwは10.6万であった。フィルムの引張強度は20MPa、引張弾性率は322MPaであり、柔軟で強度の高いフィルムが得られた。
このPBSA組成物フィルムを、蒸留水に浸漬し、恒温槽中で35℃に保持した。所定期間ごとにフィルムを取り出して乾燥し、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。浸漬1週間後、2週間後、3週間後、4週間後のフィルムのMwはそれぞれ、7.3万、6.5万、5.1万、4.4万であり、2週間でフィルムが破断した。PBSとアスパラギン酸-乳酸共重合体組成物にすることにより、効果的に加水分解が促進されていた。
【実施例2】
【0106】
ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)90g、調製例2で得られたアスパラギン酸-乳酸共重合体10gを用いたほかは、実施例1と同様に熱プレスフィルムを
得た。
【0107】
得られたPBSA組成物のMwは10.5万であった。フィルムの引張強度は22MPa、引張弾性率は385MPaであり、柔軟で強度の高いフィルムが得られた。
このPBSA組成物フィルムを、実施例1と同様に蒸留水に浸漬し、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。
【0108】
浸漬1週間後、2週間後、3週間後、4週間後のフィルムのMwはそれぞれ、8.3万、7.0万、5.0万、4.8万であり、2週間でフィルムが破断した。PBSAとアスパラギン酸-乳酸共重合体組成物にすることにより、効果的に加水分解が促進されていた

【実施例3】
【0109】
ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)90g、調製例3で得られたアスパラギン酸-乳酸共重合体10gを用いたほかは、実施例1と同様に熱プレスフィルムを
得た。
【0110】
得られたPBSA組成物のMwは10.6万であった。フィルムの引張強度は21MPa、引張弾性率は443MPaであり、柔軟で強度の高いフィルムが得られた。
このPBSA組成物フィルムを、実施例1と同様に蒸留水に浸漬し、Mw(クロロホルム系GPC)及び引張破断強度を測定した。
【0111】
浸漬1週間後、2週間後、3週間後、4週間後のフィルムのMwはそれぞれ、9.0万、8.4万、8.0万、7.7万であり、1ヵ月後の引張破断強度は12MPaであった。PBSAとアスパラギン酸-乳酸共重合体組成物にすることにより、効果的に加水分解
が促進されていた。
【実施例4】
【0112】
ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)95g、調製例1で得られたアスパラギン酸-乳酸共重合体5gを用いたほかは、実施例1と同様に熱プレスフィルムを得
た。
【0113】
得られたPBSA組成物のMwは13.0万であった。フィルムの引張強度は22MPa、引張弾性率は360MPaであり、柔軟で強度の高いフィルムが得られた。
このPBS組成物フィルムを、実施例1と同様に蒸留水に浸漬し、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。
【0114】
浸漬1週間後、2週間後のフィルムのMwはそれぞれ、10.3万、8.7万であり、効果的に加水分解が促進されていた。
【実施例5】
【0115】
ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)90g、調製例4で得られたアスパラギン酸-乳酸共重合体10gを用いたほかは、実施例1と同様に熱プレスフィルムを
得た。
【0116】
得られたPBSA組成物のMwは11.1万であった。フィルムの引張強度は20MPa、引張弾性率は367MPaであり、柔軟で強度の高いフィルムが得られた。
このPBSA組成物フィルムを、実施例1と同様に蒸留水に浸漬し、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。
【0117】
浸漬1週間後、2週間後のフィルムのMwはそれぞれ、8.2万、6.7万であり、効果的に加水分解が促進されていた。
【実施例6】
【0118】
ポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)95g、調製例4で得られたアスパラギン酸-乳酸共重合体5gを用いたほかは、実施例1と同様に熱プレスフィルムを得
た。
【0119】
得られたPBSA組成物のMwは13.0万であった。フィルムの引張強度は23MPa、引張弾性率は363MPaであり、柔軟で強度の高いフィルムが得られた。
このPBSA組成物フィルムを、実施例1と同様に蒸留水に浸漬し、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。
【0120】
浸漬1週間後、2週間後のフィルムのMwはそれぞれ、10.5万、8.5万であり、効果的に加水分解が促進されていた。
【実施例7】
【0121】
クロロホルム系GPCによる重量平均分子量Mwが15.0万のポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)80gに、調製例5で得られたアスパラギン酸-乳酸-ブチレンサクシネート共重合体を20g添加し、小型ニーダーを用いて180℃で5分間ブレンドした。得られたPBSA組成物を、180℃で熱プレスしてフィルムを調製した。
【0122】
得られたPBSA組成物のMwは9.9万であった。フィルムの引張強度は21MPa、引張弾性率は392MPaであり、柔軟で強度の高いフィルムが得られた。
このPBSA組成物フィルムを、実施例1と同様に蒸留水に浸漬し、引張強度、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。
【0123】
浸漬1週間後、2週間後、3週間後、4週間後のフィルムのMwはそれぞれ、9.0万、8.4万、7.7万、6.8万であり、1ヵ月後の引張破断強度は14MPaであった。PBSAとアスパラギン酸-乳酸-ブチレンサクシネート共重合体組成物にすることにより、効果的に加水分解が促進されていた。
【0124】
[比較例1]
アスパラギン酸-乳酸共重合体を添加しないこと以外は実施例1と同様に、クロロホル
ム系GPCによる重量平均分子量Mwが15.0万のポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)を、小型ニーダーを用いて180℃で5分間溶融攪拌した後、180℃で熱プレスしてフィルムを調製した。
【0125】
PBSAフィルムのMwは14.9万であった。フィルムの引張強度は25MPa、引張弾性率は416MPaであり、柔軟で強度の高いフィルムが得られた。
このPBSA組成物フィルムを、実施例1と同様に蒸留水に浸漬し、引張強度、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。
【0126】
浸漬1週間後、2週間後、3週間後、4週間後のフィルムのMwはそれぞれ、14.5万、13.8万、13.8万、13.6万であり、分子量の低下が遅く、1ヵ月後の引張破断強度は23MPaであり、強度はほとんど低下していなかった。
【実施例8】
【0127】
クロロホルム系GPCによる重量平均分子量Mwが12.9万のポリL-乳酸(PLA
)95gに、調製例4で得られたアスパラギン酸-乳酸共重合体を5g添加し、小型ニー
ダーを用いて200℃で5分間ブレンドした。得られたPLA組成物を、190℃で熱プレスしてフィルムを調製した。
【0128】
得られたPLA組成物フィルムは無色透明であり、Mwは10.8万であった。フィルムの引張強度は61MPa、引張弾性率は1.1GPaであり、アスパラギン酸-乳酸共
重合体を添加しないPLAフィルムの外観や機械的物性とほとんど変わらないものであった。
【0129】
このPLA組成物フィルムを、pH7.3の燐酸緩衝液中に浸漬し、恒温槽中で37℃に保持した。所定期間ごとにフィルムを取り出して乾燥し、引張強度、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。
【0130】
浸漬時間の経過とともにフィルムは次第に白化、不透明化していった。1ヶ月後、2ヶ月後、3.5ヶ月後、5ヶ月後のフィルムの引張強度は、それぞれ48MPa、40MPa、26MPa、0MPa(フィルムがもろくて測定不能)であった。また、1ヶ月後、2ヶ月後、3.5ヶ月後、5ヶ月後のフィルムのMwはそれぞれ8.7万、7.5万、5.1万、4.5万であった。
【0131】
ポリ乳酸はアスパラギン酸-乳酸共重合体をブレンドした組成物とすることによって、
効果的に加水分解速度が促進されていた。
[比較例2]
アスパラギン酸-乳酸共重合体を添加しないこと以外は実施例8と同様に、PLAを熱
プレスしてフィルムを調製した。
【0132】
PLAフィルムは無色透明であり、Mwは9.8万であった。フィルムの引張強度は58MPa、引張弾性率は1.1GPaであった。
このPLAフィルムを、実施例8と同様にpH7.3の燐酸緩衝溶液の中に浸漬し、恒温槽中で37℃に保持した。所定期間ごとにフィルムを取り出して乾燥し、引張強度、Mw(クロロホルム系GPC)を測定した。
【0133】
1ヶ月後、2ヶ月後、3.5ヶ月後、5ヶ月後のフィルムの引張強度は、それぞれ62MPa、58MPa、57MPa、55MPaであり、5ヶ月経過してもほとんど強度の低下はなく、また、フィルムも無色透明のままで外観にもほとんど変化はなかった。
【0134】
1ヶ月後、2ヶ月後、3.5ヶ月後、5ヶ月後のフィルムのMwはそれぞれ9.2万、9.0万、8.7万、8.0万であり、分子量の低下も遅いものであった。
【実施例9】
【0135】
実施例1で得られた組成物から厚み0.5mmのシートを作製し筒状に丸めて、直径10mm、長さ50mmの筒状のタンポンアプリケータを製造した。
【産業上の利用可能性】
【0136】
上記実施例より本発明に用いる生分解性組成物は、加水分解性および生分解性を有しており、該生分解性組成物は、ホットメルト接着剤、水系紙塗工用組成物、易剥離性粘着材、熱転写媒体、繊維、不織布、フィルム、衛生用品用包装材、食品用包装材、保護フィルム、多孔フィルム、農園芸資材、ペット汚物処理材、徐放性薬剤、電気機器の筐体、加工助剤、土木建築資材、清浄用物品、湿潤シート、レジャー用品、玩具、教材、酸吸収剤、アルカリ吸収剤として用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親水性セグメント(a-1)としてポリアミノ酸に由来する構成単位を有し、疎水性セ
グメント(a-2)として分解性ポリマーに由来する構成単位を有するブロック又はグラ
フト共重合体(A)を含んでなる生分解性組成物。
【請求項2】
分解性樹脂(B)をさらに含んでなる請求項1に記載の生分解性組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の生分解性組成物を用いた生分解性成形体。
【請求項4】
請求項1または2に記載の生分解性組成物を用いたホットメルト接着剤。
【請求項5】
請求項1または2に記載の生分解性組成物を用いた水系紙塗工用組成物。
【請求項6】
請求項1または2に記載の生分解性組成物を用いた易剥離性粘着材。
【請求項7】
請求項1または2に記載の生分解性組成物を用いた熱転写媒体。
【請求項8】
請求項3記載の生分解性成形体が繊維であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項9】
請求項3記載の生分解性成形体が不織布であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項10】
請求項3記載の生分解性成形体がフィルムであることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項11】
請求項3記載の生分解性成形体が衛生用品用包装材であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項12】
請求項3記載の生分解性成形体が食品用包装材であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項13】
請求項3記載の生分解性成形体が保護フィルムであることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項14】
請求項3記載の生分解性成形体が多孔フィルムであることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項15】
請求項3記載の生分解性成形体が農園芸資材であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項16】
請求項3記載の生分解性成形体がペット汚物処理剤であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項17】
請求項3記載の生分解性成形体が徐放性薬剤であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項18】
請求項3記載の生分解性成形体が電子機器の筐体であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項19】
請求項3記載の生分解性成形体が加工助剤であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項20】
請求項3記載の生分解性成形体が土木建築資材であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項21】
請求項3記載の生分解性成形体が清浄用物品であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項22】
請求項3記載の生分解性成形体が湿潤シートであることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項23】
請求項3記載の生分解性成形体がレジャー用品であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項24】
請求項3記載の生分解性成形体が玩具であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項25】
請求項3記載の生分解性成形体が教材であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項26】
請求項3記載の生分解性成形体が酸吸収剤であることを特徴とする生分解性成形体。
【請求項27】
請求項3記載の生分解性成形体がアルカリ吸収剤であることを特徴とする生分解性成形体。

【公開番号】特開2008−24851(P2008−24851A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199936(P2006−199936)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】