説明

生理活性組成物及びその製造方法

【課題】健康を維持していくためには自己の免疫機能の強化と、恒常性バランスを整え病気になりにくい体質をつくることが重要である。本発明の課題は、このような作用を有する生理活性組成物を提供することにある。
【解決手段】植物を120〜250℃で蒸煮した後に溶剤抽出して得られる植物抽出物を含む生理活性組成物。植物がイネ科植物である請求項1に記載の生理活性組成物。植物を120〜250℃で蒸煮した後、溶剤抽出する生理活性組成物の製造方法。植物がイネ科植物である請求項3記載の生理活性組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫機能を強化や低下した免疫能を回復させる優れた免疫賦活作用のほか、抗変異原作用、抗菌作用、抗酸化作用、抗癌作用、腸内環境改善作用、中性脂肪低下作用などを有する生理活性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より西洋医学が感染症治療の面で果たしてきた役割は大きい。しかし一方で予防医学的にそうした感染症や成人病に対処することも高齢化社会を迎えるこれからにあってはますます重要となってきている。
【0003】
生物は、外界からはウィルスや微生物等の侵入にさらされ、内部においては異物的自己物質(例えば、癌、自己死細胞など)が出現する状況で生存している。このような状況下で我々が生存できるのは、そうした異物を排除したり、自己を防衛する機構を有しているからである。したがって、このような生体防御能(免疫能)の低下や異常は、気管支喘息、アレルギー疾患、化学物質過敏症、関節リュウマチ、自己免疫疾患、慢性疲労症候群、ウィルスや細菌など様々な疾病を引き起こすことになる。一般にはストレス、感染症(麻疹、インフルエンザ、エイズなど)、化学物質の暴露などがこうした免疫能の低下につながる要因と考えられている。また、加齢とともに免疫能は低下する。
【0004】
生体内の免疫系は、細菌、酵母、カビ、ウイルスなどの微生物による感染や、腫瘍に対する防御に重要な役割を果しており、その主要な機構は、Tリンパ球およびBリンパ球が、これらの微生物や腫瘍を、抗原受容体を介して認識することにより刺激を受け、抗原特異的に活性化し、これらの異物を排除する能力を高めることである。常に微生物に曝され、また、細胞が変異している生体内では、こうしたTリンパ球およびBリンパ球の活性化は常時起こっている。また、抗原特異的な活性化の他に、Tリンパ球およびBリンパ球の活性化には、菌体成分やレクチン等を認識する受容体を介する抗原非特異的な活性化がある。抗原特異的および抗原非特異的のいずれの活性化においても、他からの刺激、すなわち、共刺激が加わるとTリンパ球およびBリンパ球の活性化はさらに上昇する。
【0005】
現在の免疫賦活剤は、免疫担当細胞を非特異的に活性化することにより、微生物感染および腫瘍に対する生体の防御機構を高めているが、有効性において満足しうるものは少ない。また、これらの免疫賦活剤は、単独で免疫担当細胞を活性化するため、生体にとって好ましくない免疫応答を誘導し、種々のアレルギー反応の憎悪をはじめとする副作用を引き起こす場合もある。
一方、免疫の低下によって罹患する病気、例えば感染症に対しては各種抗生剤などの薬剤投与が、対処療法として行われている。しかし、そのような薬剤の安易な使用の結果、薬剤耐性菌の出現などの問題も起きている。これらの反省から、生体の持つ免疫力を向上させることで、健康を維持できる物質などの検索が広く行われている。
【0006】
また、細胞の遺伝物質DNAに作用して損傷を与え突然変異を引き起こし癌の原因ともなる変異原物質を抑制する物質の検索は広く行われ、さまざまな抗変異原剤が見出されている。抗変異原剤は、DNAの障害を防ぎ、制ガン効果が期待できるほか、細胞の老化防止などに広く使用されることが期待される。抗変異原剤として広く知られたものとして還元作用を有するアスコルビン酸が挙げられる(Osawa, T. et al. : Biochem, Biophysic, Res. Commun., 95 ; 835, 1980)。植物からの検索も広く行われサルモネラを使ったAmes試験を用いて、植物成分であるポリフェノールにも抗変異原作用のあることが知られている。
【0007】
一方、我々の食生活において、近年、健康管理上問題視されつつあるのが、様々な合成食品添加物や残留農薬などによるとみられる、生体中に発生する活性酸素による影響である。生体は、酵素等によりこの有害な活性酸素を除去しようと働くが、老化などによってこの除去機能が低下すると、正常な細胞や器官までもが障害を受けることがあり、その結果、様々な病気や組織の老化などを招く心配がある。こうしたことから、ビタミンEやビタミンCなどをはじめとする抗酸化作用を有した成分を多く含む食品の有用性が指摘されてきた。
【0008】
また最近では、成人病、特に、癌、脳卒中、心臓病などに対する関心も非常に高まり、日常の食生活が見直されつつある。例えば、高血圧は、循環器疾患の危険因子として重視されており、高血圧者は正常血圧者に比べ脳卒中や心臓病にかかる危険率が2〜3倍高いと云われている。また、中高年における肥満やこれにともなう中性脂肪、コレステロールの増加などは動脈硬化、心筋梗塞を招く危険度が高く、過度の飲酒や刺激性調味料、高脂質食品などはできるだけ避け、バランスの良い食事を心がけることが大切であるとされている。
【0009】
さらに、身近な環境問題としてとりだされている大気汚染やオゾン層の破壊なども健康を損ねる原因となることから関心度は高い。特にオゾン層の破壊は、有害な紫外線を増加させ、しみ、そばかす、さらには皮膚癌という深刻な問題をも引き起こす。このため、地域によっては肌をできるだけ露出しない衣服、あるいはサングラス等を奨励し、身体を保護するように呼びかけている。
【0010】
一方、特に最近、フリーラジカルが種々の疾患の原因になっていることが益々明確になってきており(ファルマシアVol.29、No.9、p971〜1002、1993年発行) 、老化や発癌さらには制癌とのかかわりなどもかなり判明している。又近年、人口に対するアレルギー性疾患の罹患率が増している一因として大気汚染が挙げられているが、これは例えば自動車の排気ガスの場合、その中の黒いすすが大量の活性酸素を出し、これがアレルギー症状を発現することが最近判明している。活性酸素がアレルギー性疾患の直接の原因である場合には、活性酸素消去剤を投与すればよいのであるが、アレルギー性疾患の患者と活性酸素消去作用を有する飲食品との関係を長期にわたって検討した論文は、当然のことながら目下のところでは殆ど無い。
【0011】
従って、安定性の高い抗酸化活性成分を通常使用する用量の中に含有し、しかも茶のような嗜好的な風味を有し、且つそれが飲食品として通常摂取されているものであれば安全性にも問題は無いといえるし機能性食品としても理想的である。
【0012】
市場には種々の健康茶が流通しているが、その機能的な有用性に関しては民間伝承的なものが大多数である。飲食品と言えども健康茶は単に健康を予防するとか、健康を維持することなどの食効以上に、特定の疾患に対してこれを治療するとか、少なくともその疾患時に飲用するならば他のどんな飲料よりもこれが良いと確実な科学的事実を根拠として言えるものは殆ど皆無であった。
【0013】
【特許文献1】特開平10-203994号公報
【特許文献2】特開平07-184545号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このような状況下、健康を維持していくには自己の免疫機能の強化と、恒常性バランスを整え病気になりにくい体質をつくることが重要である。本発明は、そのような効果を有する生理活性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、イネ科植物の抽出成分が、イネ科植物の葉および/または稈を蒸煮したのち、水性溶媒で抽出したものである上記生理活性組成物に関する。
【0016】
また、本発明は、蒸煮が、イネ科植物の葉および/または稈を、減圧弁および気液分離装置により乾き度を向上させた乾燥蒸気で120〜250℃で30秒から1時間蒸煮するものである上記生理活性組成物に関する。
【0017】
また、本発明は、蒸煮が、イネ科植物の葉および/または稈と水を100:50〜100:150の重量混合比の下、蒸煮温度120〜250℃で蒸煮するものである上記生理活性組成物に関する。
【0018】
また、本発明は、水性溶媒抽出温度が、100〜150℃である上記生理活性組成物に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の発明の生理活性組成物は、植物を120〜250℃で蒸煮した後に溶剤抽出して得られる植物抽出物を含むので、良好である。
【0020】
本発明の第2の発明の生理活性組成物は、植物がイネ科植物なので更に良好な効果を有する。
【0021】
本発明の第3の発明の生理活性組成物の製造方法は、植物を120〜250℃で蒸煮した後、溶剤抽出するので、有効な成分及び量が得られる。
【0022】
本発明の第4の発明の生理活性組成物の製造方法は、植物がイネ科植物なのでより良好な抽出物が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(植物)
本発明で用いられる植物には限定はないが、好ましいのはイネ科植物である。
(イネ科植物定義)
イネ科植物は、およそ600属と10000種が属する被子植物単子葉類の科であり、イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシ、サトウキビ、タケ、ササなどが属している。
イネ科の亜科の代表的な属にはタケ亜科メダケ属及びササ属、イネ亜科イネ属、ウシノケグサ亜科コムギ属、カゼクサ亜科シバ属、ヨシ亜科ヨシ属、キビ亜科キビ属、モロコシ属及びススキ属などが挙げられる。このうち、タケ亜科及びキビ亜科の植物が好ましい。
【0024】
イネ科タケ亜科の例として、ホウライチク属、タンスイチク属、ヒマラヤカラムス属、インドカラムス属、カンチク属、クゥンズウェア属、チュスクエア属、オタテア属、ヤダケ属、メダケ属、ササ属、クマザサ属、アズマザサ属が好ましい。なかでもササ属やクマザサ属が望ましい。具体例としてオクヤマザサ、ゴテンバザサ、カツラギザサ、スズダケ、コウヤチク、フイリスズ、クマスズ、キスジスズ、ケスズ、ウンゼンザサ、ミヤマクマザサ、ネマガリダケ、キンメイチシマ、コンシマネマガリ、シモフリネマガリ、マキバネマガリ、チャボマキバチシマ、キアケボノネマガリ、ノチザエキフネマガリ、タカラネマガリ、ヤネフキザサ、キシマヤネフキザサ、ミヤコザサ、ホソバザサ、フイリホソバザサ、チマキザサ、シャコタンチク、タンナザサ、クマイザサ、ツボイザサ、アケボノイブキザサ、クマザサ、チュウゴクザサ等などが挙げられるが、これに限定されるものではないく、本発明においては一般に竹もしくは笹と包括的に呼ばれているもの全てが有効である。特にクマザサ、クマイザサ、チシマザサなど、葉の周辺に白っぽい隈取りができる総称的にクマザサと呼ばれるものが好ましい。
【0025】
イネ科キビ亜科の例として、サトウキビ等のキビ属やトウモロコシ等のモロコシ属などが挙げられる。
【0026】
本発明に用いられる植物の部分は葉、茎及び稈のいずれでもよい。イネ科植物の場合は
葉及び茎、特にササの場合は葉及び稈が好ましく用いられる。
また、乾燥前の生葉などを用いることができるが、十分に乾燥したものが好ましい。イネ科植物の場合、葉および/または茎および/または稈の全体の重量に対して10%重量以下の水分量が好ましい。それより多いと腐敗、発酵により成分が変質する場合がある。
蒸煮の際の植物の形状は細片化したものが好ましい。大きさは0.5〜20mmが好ましく、0.5mmよりも小さいと抽出後の固液分離が困難になる場合があり、20mmよりも大きいと抽出効率が悪くなる場合がある。
【0027】
(蒸煮工程)
本発明における蒸煮工程で用いられる装置は、高温、高圧に耐えうる装置であれば如何なるものでも実施可能である。以下、イネ科植物がササの葉の場合を想定して説明する。葉以外の部分または他の植物体の場合も同様に行うことができる。
【0028】
植物の蒸煮温度は120〜250℃である。好ましくは150〜220℃、更に好ましくは160〜190℃である。120℃未満では、原料が乾燥葉で有る場合を除いて、笹中のヘミセルロースの分解による細胞壁の破壊がほとんど起こらないため所望の成分を十分に抽出することができない。250℃より高温では有効成分の分解が激しくなり薬効が損なわれるおそれがある。
蒸煮時間は30秒から1時間の間が好ましく、5分から20分の間が更に好ましい。30秒より短いとヘミセルロースの加水分解が不十分となり抽出される成分量が少なくなり、1時間より長いと得られた成分の分解が起こるため得られる成分量が少なくなる。
【0029】
植物原料が乾燥物(含水量が10重量%以下)の場合は、蒸煮の際に水を添加することができる。このとき植物原料と水の比を100:50〜150の混合比にして蒸煮することが好ましい。
100:50よりも少ない場合はヘミセルロース等の加水分解に必要とされる水分量が不足する場合がある。100:150よりも多い場合は蒸気が植物原料に到達せず細胞壁の破壊がほとんど起こらず所望の成分を十分に抽出することができない場合がある。
また、植物原料が乾燥物の場合における蒸煮温度は120〜170℃が最も好ましい。120℃未満では植物原料中のヘミセルロースの分解による細胞壁の破壊が起こりにくく所望の成分を十分に抽出することができない場合がある。170℃より高温ではクマル酸などの有効成分の分解が激しくなり薬効が損なわれる場合がある。
蒸煮時間は30秒から1時間の間が好ましく、5分から20分の間が更に好ましい。30秒より短いとヘミセルロースの加水分解が不十分で抽出成分量が少なくなる場合があり、1時間より長いと得られた成分の分解が起こりやはり得られる抽出成分量が少なくなる場合がある。
【0030】
蒸煮に用いられる蒸気は、ボイラー等蒸気の発生源と蒸煮を行なう装置を結ぶ蒸気配管途中に気水分離装置および減圧弁を設けた装置の蒸気が好ましい。当該装置を用いることにより蒸気の乾き度が向上する。乾き度が高くドレンと呼ばれる蒸気の凝縮水が少ない程、特定成分を効率よく抽出するとともに糖類の抽出量を適度にコントロールすることが可能となる。蒸気の乾き度は簡便な測定方法が存在しないため、通常の製造装置において直接測定するのは困難である。そのため乾燥蒸気を得るためには気液分離装置メーカー等が保有する乾き度測定システム等により99%以上の乾き度が達成できることが確認された気液分離装置を使用することが好ましい。気液分離装置には遠心式とバッフル式があるがバッフル式のほうが蒸気量に関わらず安定して高い乾き度を達成できるため好ましい。
【0031】
蒸煮中に蒸煮装置内に空気が残存すると飽和水蒸気と笹の葉または稈との接触が阻害され蒸煮が不十分となり抽出効率の低下につながるため好ましくない。空気の残存を避ける手段としては手動または自動空気抜き弁を開放した状態で蒸気を導入し蒸煮装置から空気を追い出せばよい。空気を追い出す蒸気温度は80〜200℃であればよく好ましくは100〜180℃であり、空気を追い出す時間は0.5〜60分が良い。
【0032】
蒸煮終了後、加圧を解除する際は一気に装置を開放形にして大気圧とする方がササの葉または稈の組織破壊がより進み、抽出効率が向上するので好ましい。
【0033】
(溶剤抽出工程)
本発明においては、植物を蒸煮後に、溶剤で水、アルコールなどの抽出溶剤に浸漬等して得ることができる。また、市販品として入手もできる。また、イネ科植物の抽出物は適宜、水等で希釈して使用することができる。
【0034】
本発明で用いられる、イネ科植物の植物体の抽出物を得る方法は特に限定されないが、例えば特開平06−197800号公報、特開平11−199502号公報、特開2002−322079号公報、特願2004-222710や、特願2004-242239に記載された方法を使用できる。
【0035】
水性溶媒で抽出方法は、蒸煮後に、冷却もしくは温度を保持したまま、水性溶媒を添加し、室温から180℃、好ましくは、100〜150℃の条件で、前記水性溶媒に、蒸煮された笹の葉を漬浸する。抽出時の温度は100〜150℃が最も好ましい。100℃未満では抽出効率が低下し、150℃より高温では有効成分の分解が激しくなりやはり得られる成分量が少なくなる。抽出を行なう時間は10分から1時間の間が好ましく、さらに好ましくは15分から30分の間が良く、10分より短いと溶出量が少なくなり抽出効率が低下し、1時間より長いと得られた成分の分解が起こりやはり得られる成分量が少なくなる。
【0036】
本発明で用いられる溶剤はメタノール、エタノール等のアルコールやアセトン等の水溶性溶媒、それらの水溶液、または水等が好ましい。また、植物抽出物の用途によって許される場合には、アルカリ水溶液を用いることで抽出効率を上げることができる。アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が好ましい。
【0037】
本発明においては蒸煮工程、抽出工程は、それぞれを本発明の主旨を逸脱しない範囲で、繰り返し行ってもよい。また、各工程前後に、さらに保持工程などの他の工程が設けられていてもよい。
【0038】
(植物抽出物)
本発明で得られる植物抽出物の成分は複雑で必ずしも明確ではないが、フェニルプロパノイド、酢酸、ギ酸、3−ヒドロキシピリジンを各々0.5mg/g以上含有し、かつ加熱残分を40〜60重量%に調製したときの糖類の含有量が50mg/g以下であることが好ましい。フェニルプロパノイドは、クマル酸、フェルラ酸、カフェ酸、バニリンから選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
【0039】
(生理活性組成物に添加される際の植物抽出物の形態)
本発明の生理活性組成物は、植物抽出物を含む。生理活性組成物に含ませる植物抽出物の形態には特に限定はなく、溶液であっても固形であってもよく、また、その他の化合物との混合物であってもよい。混合物である場合は、スプレードライ、凍結乾燥、デキストリンなど添加等の処理したものであってもよい。さらに、濾過、カラム精製、溶剤洗浄などの選別工程を経たものであってもよい。
【0040】
例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、タルク、流動性向上剤等、一般的に造粒に使用される添加剤を用いても良い。例えば、デンプン、乳糖、マンニットカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の軽質無水ケイ酸等、酢酸セルロース、キトサン、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、脱脂米糖、油かす、大豆粉、小麦粉、無水ケイ酸、フスマ、もみがら粉、炭酸カルシウム、ミルクカルシウム、酸化マグネシウム、重炭酸ナトリウム、結晶セルロース、澱粉、ビール酵母、糖、還元乳糖、植物油脂等等を適宜組み合わせて処方することにより、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等として製造することができる。
【0041】
(推測される作用)
イネ科植物、例えば、竹または笹の植物体の抽出成分に関しては、リグニン・セルロース・ヘミセルロース・多糖類・ポリフェノールを多く含んでいることが推測されておりその成分は複雑で必ずしも明確ではない。
【0042】
イネ科植物、例えば、竹または笹の植物体の抽出成分は、キシロース、アラビノース等のペントース(五炭糖)、ガラクトース、グルコース等のヘキソース(六炭糖)などを主成分とする単糖、およびそれらが重合したキシロオリゴ糖、アラビノオリゴ糖、あるいはキシロース、アラビノースが相互に複雑に架橋したアラビノキシランなどの多糖類が含まれることが知られている。
また他の植物と比較した場合に、クマル酸、フェルラ酸・カフェ酸・バニリンなどのフェニルプロパノイド系ポリフェノールがイネ科植物に多く含まれることが知られている。これら以外にも酢酸・ギ酸・プロピオン酸・乳酸などの有機酸類や、アミノ酸、3−ヒドロキシピリジンなどの含窒素環化合物、なども多量に含まれている。
特に先述の蒸煮工程を経ることにより、これらの化合物の収量が格段に向上している。
【0043】
生物学的または生化学的に解明されていないが、本発明の生理活性組成物がイネ科植物抽出成分を含むことにより、これらの糖類、ポリフェノール類、あるいは有機酸類が、生体物質の活性化を高め、生物の体内環境を整え、健康の向上などに寄与しているものと推察される。
腸内の細菌は、摂取した食物の消化、吸収の促進など有用な面と、腸内でアンモニア、インドールなどの腐敗物質を生成する有害な面とがある。しかし本来、宿主に利用されるべきアミノ酸が、腐敗菌によって有害物質を生成することは、栄養素の損失ばかりでなく、家畜の健康や成長に悪影響を及ぼす。
【0044】
このようにイネ科植物、例えば、イネ科タケ亜科植物の抽出物を含む生理活性組成物を摂取することで、腸内の有用微生物の増加を促すことで生物の健康維持に寄与し、さらには有用微生物の増加に伴って、有害微生物の増殖が抑制され、有害微生物が生産するアンモニア、硫化水素、アミンなどの悪臭物質の生成も抑制されるので、糞尿などの悪臭が改善されることも期待される。
【0045】
本発明による生理活性作用組成物はそのまま利用することもできるが、必要に応じて、下記に示されるような医薬品類,医薬部外品類,化粧品類,浴用剤,食品類,飲料類などにおいて使用されている各種成分や添加剤の中から用途に適したものを任意に選択、併用して、それぞれの利用しやすい製品形態とすることができる。
【0046】
各種油脂類アボガド油,アルモンド油,ウイキョウ油,エゴマ油,オリブ油,オレンジ油,オレンジラファー油,ゴマ油,カカオ脂,カミツレ油,カロット油,キューカンバー油,牛脂,牛脂脂肪酸,ククイナッツ油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシック油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,タートル油,ミンク油,卵黄油,カカオ脂,パーム油,パーム核油,モクロウ,ヤシ油,牛脂,豚脂,乳脂,又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)など。
【0047】
ロウ類ミツロウ,カルナバロウ,鯨ロウ,ラノリン,液状ラノリン,還元ラノリン,硬質ラノリン,カンデリラロウ,モンタンロウ,セラックロウなど。
【0048】
鉱物油流動パラフィン,ワセリン,パラフィン,オゾケライド,セレシン,マイクロクリスタンワックス,スクワレン,スクワラン,プリスタンなど。
【0049】
脂肪酸類ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,ベヘン酸,オレイン酸,12-ヒドロキシステアリン酸,ウンデシレン酸,トール油,ラノリン脂肪酸などの天然脂肪酸、イソノナン酸,カプロン酸,2−エチルブタン酸,イソペンタン酸,2−メチルペンタン酸,2−エチルヘキサン酸,イソペンタン酸などの合成脂肪酸。
【0050】
アルコール類エタノール,イソピロパノール,ラウリルアルコール,セタノール,ステアリルアルコール,オレイルアルコール,ラノリンアルコール,コレステロール,フィトステロールなどの天然アルコール、2−ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコール,2−オクチルドデカノールなどの合成アルコール。
【0051】
多価アルコール類酸化エチレン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ポリエチレングリコール,酸化プロピレン,プロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,1,3−ブチレングリコール,グリセリン,ペンタエリトリトール,ソルビトール,マンニトールなど。
【0052】
エステル類ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,乳酸セチル,乳酸ミリスチル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,酢酸ラノリン,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステアリン酸プロピレングリコール,ジオレイン酸プロピレングリコールなど。
【0053】
金属セッケン類ステアリン酸アルミニウム,ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム,パルミチン酸亜鉛,ミリスチン酸マグネシウム,ラウリン酸亜鉛,ウンデシレン酸亜鉛など。
【0054】
ガム質、糖類及び水溶性高分子化合物アラビアゴム,ベンゾインゴム,ダンマルゴム,グアヤク脂,アイルランド苔,カラヤゴム,トラガントゴム,キャロブゴム,クインシード,寒天,カゼイン,乳糖,果糖,ショ糖およびそのエステル,トレハロースおよびその誘導体,デキストリン,ゼラチン,ペクチン,デンプン,カラギーナン,カルボキシメチルキチン又はキトサン,エチレンオキサイド等のアルキレン(C2〜C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン,低分子キチン又はキトサン,キトサン塩,硫酸化キチンまたはキトサン,リン酸化キチン又はキトサン,アルギン酸及びその塩,ヒアルロン酸及びその塩,コンドロイチン硫酸及びその塩,ヘパリン,エチルセルロース,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,カルボキシエチルセルロース,カルボキシエチルセルロースナトリウム,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ニトロセルロース,結晶セルロース,ポリビニルアルコール,ポリビニルメチルエーテル,ポリビニルピロリドン,ポリビニルメタアクリレート,ポリアクリル酸塩,ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物,カルボキシビニルポリマー,ポリエチレンイミンなど。
【0055】
界面活性剤アニオン界面活性剤(カルボン酸塩,スルホン酸塩,硫酸エステル塩,リン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アミン塩,四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ型,ベタイン型),硫酸エステル型両性界面活性剤,スルホン酸型両性界面活性剤,リン酸エステル型両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤,エーテルエステル型非イオン界面活性剤,エステル型非イオン界面活性剤,ブロックポリマー型非イオン界面活性剤,含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤,タンパク質加水分解物の誘導体,高分子界面活性剤,チタン・ケイ素を含む界面活性剤,フッ化炭素系界面活性剤)など。
【0056】
各種ビタミン類ビタミンA群:レチノール,レチナール(ビタミンA1),デヒドロレチナール(ビタミンA2),カロチン,リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:チアミン塩酸塩,チアミン硫酸塩(ビタミンB1),リボフラビン(ビタミンB2),ピリドキシン(ビタミンB6),シアノコバラミン(ビタミンB12),葉酸類,ニコチン酸類,パントテン酸類,ビオチン類,コリン,イノシトール類、ビタミンC群:アスコルビン酸及びその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2),コレカルシフェロール(ビタミンD3),ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:トコフェロール及びその誘導体,ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1),メナキノン(ビタミンK2),メナジオン(ビタミンK3),メナジオール(ビタミンK4)など。各種アミノ酸類バリン,ロイシン,イソロイシン,トレオニン,メチオニン,フェニルアラニン,トリプトファン,リジン,グリシン,アラニン,アスパラギン,グルタミン,セリン,システイン,シスチン,チロシン,プロリン,ヒドロキシプロリン,アスパラギン酸,グルタミン酸,ヒドロキシリジン,アルギニン,オルニチン,ヒスチジンなどや,それらの硫酸塩,リン酸塩,硝酸塩,クエン酸塩,或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体など。
【0057】
植物又は動物系原料由来の種々の添加物これらは、添加しようとする製品種別、形態に応じて常法的に行われる加工(例えば、粉砕,製粉,洗浄,加水分解,醗酵,精製,圧搾,抽出,分画,ろ過,乾燥,粉末化,造粒,溶解,滅菌,pH調整,脱臭,脱色などを任意に選択、組合わせた処理)を行い、各種の素材から任意に選択して供すればよい。尚、抽出に用いる溶媒については、供する製品の用法(食用,外用,浴用)や、後に行う加工処理等を考慮した上で選択すれば良いが、通常では、水,水溶性有機溶媒(例えば、エタノール,プロピレングリコール,1,3−ブチレングリコールなど)の中から選ばれる1種もしくは2種以上の混液を用いるのが望ましい。但し、用途により有機溶媒の含有が好ましくない場合においては、水のみを使用したり、あるいは抽出後に除去しやすいエタノールを採用し、単独又は水との任意の混液で用いたりすれば良い。
【0058】
尚、植物又は動物系原料由来の添加物を、スキンケア,ヘアケア等の外用製剤や浴用剤に供する場合、皮膚や頭髪の保護をはじめ、保湿,感触・風合いの改善,柔軟性の付与,刺激の緩和,芳香によるストレスの緩和,細胞賦活(細胞老化防止),炎症の抑制,肌質・髪質の改善,肌荒れ防止及びその改善,発毛,育毛,脱毛防止,光沢の付与,清浄効果,疲労の緩和,血流促進,温浴効果などの美容的効果のほか,香付け,増粘,防腐,緩衝などが期待できる。
【0059】
また、食用製品においては、栄養補給,疲労回復,強壮,細胞賦活(細胞老化防止)等の健身並びに美容的効果をはじめ、味覚の改善,色調や芳香、光沢の付与,安定化,増粘,防腐等の目的で使用することができる。さらにこの他にも、これまでに知られている各原料素材の様々な美容的、薬剤的効果を期待し、これらを組合わせることによって目的とする効果の増進を図ったり、あるいは多機能的な効果を期待した製品とすることも可能である。
【0060】
原料とする具体的な植物(生薬)としては、例えば、アイ(藍葉),アオカズラ(清風藤),アオツヅラフジ(木防巳),アカシア,アカスグリ果実,アカブドウ,アカメガシワ(赤芽柏),アカネ(茜草根),アカヤジオウ(地黄),アギ(阿魏),アキニレ(榔楡皮),アケビ(木通),アサ(麻子仁),アサガオ(牽牛子),アシタバ(明日葉),アズキ(赤小豆),アセンヤク(阿仙薬),アセロラ,アニス果実,アベマキ果実,アボカド,アマ,アマチャ(甘茶),アマドコロ(玉竹),アミガサユリ(貝母),アーモンド,アルテア,アルニカ,アロエ(蘆薈),アロエベラ,アンズ(杏仁),アンソッコウ(安息香),イガコウゾリナ(地胆頭),イタドリ(虎杖根),イチゴ,イチジク(無花果)又はその葉,イチビ(冬葵子),イトヒメハギ(遠志),イナゴマメ,イネ種子又は種皮,イノンド種子,イラクサ,イランイラン,イチョウ(銀杏葉,銀杏),イブキジャコウソウ,ウイキョウ(茴香),ウキヤガラ(三稜),ウグイスカグラ果実,ウコン(鬱金),ウスベニアオイ,ウスベニタチアオイ,ウスバサイシン(細辛),ウツボグサ(夏枯草),ウド又はシシウド(羌活,独活,唐独活),ウメ(烏梅)又はその果肉,ウラジロガシ,ウワウルシ,ウンシュウミカン(陳皮),エストラゴン,エゾウコギ(蝦夷五加),エノキ,エビスグサ(決明子),エルダーベリー果実,エレミ,エンジュ(槐花,槐花米),オウギ(黄耆),オウレン(黄連),オオカラスウリ(カロニン),オオツヅラフジ(防己),オオバコ(車前子,車前草),オオハシバミ(榛子),オオバナオケラ(白朮),オオバヤシャブシ果実,オオミサンザシ(山査子),オオムギ(大麦),オグルマ(旋覆),オクラ果実,オケラ(白朮),オタネニンジン(人参),オトギリソウ(弟切草),オドリコソウ(続断),オナモミ(蒼耳子),オニグルミ,オニノヤガラ(天麻),オニユリ(百合),オニノス,オヒョウ(裂葉楡),オミナエシ(敗醤),オランダイチゴ,オランダガラシ,オランダパセリ,オランダミツバ,オリーブ,オレガノ,オレンジ果実又は果皮,カイケイジオウ(熟地黄),海藻[緑藻,褐藻,紅藻],カカオ種子,カキ又はその葉(柿蒂),カギカズラ(釣藤鈎),カシア,カジノキ果実(楮実),ガジュツ(莪朮),カシワ(槲樹,槲葉),カスカリラ,カニクサ(金沙藤),カノコソウ(吉草根),カボチャ,カポックノキ種子,カホクサンショウ(蜀椒),ガマ(蒲黄),カミツレ,カミヤツデ(通草),カラスウリ(王瓜),カラスムギ,カラスビシャク(半夏),ガラナ種実,カラヤ,カリン(木瓜),カワヤナギ,カワラタケ,カワラヨモギ(茵チン蒿),カンスイ(甘遂),カンゾウ(甘草),カンデリラ,カントウ,カンナ,キイチゴ,キウイ果実,キカラスウリ(瓜呂根),キキョウ(桔梗,桔梗根),キク(菊花),キササゲ(梓実),ギシギシ(羊蹄根),キズタ,キダチアロエ,キダチハッカ,キナノキ,キハダ(黄柏),キバナオウギ(黄耆),ギムネマ・シルベスタ,キラジャ・サポナリア,キラヤ,キャベツ,キャベブ未熟果,キュウリ,キンカン果実,キンマ,キンミズヒキ(仙鶴草),グアユーレ,クェルクス・インフェクトリア(没食子),ククイナッツ,クコ(枸杞,枸杞子,枸杞葉,地骨皮),クサスギカズラ(天門冬),クズ(葛根),クスノキ,グースベリー果実,クチナシ(山梔子),クヌギ(樸ソウ),クマザサ,クマツヅラ(馬鞭草),クララ(苦参),クランベリー果実,クリ又はその渋皮,クルクリゴ・ラチフォリア果実,グレープフルーツ果実,クロウメモドキ,クロガネモチ(救必応),クロバナヒキオコシ(延命草),クロレラ,クワ(桑葉,桑白皮),グワバ果実,ケイガイ(荊芥,荊芥穂),ケイトウ(鶏冠花,鶏冠子),ケイリンサイシン(細辛),月桂樹,ゲンチアナ,ゲンノショウコ(老鸛草),コエンドロ果実,コウシンバラ(月季花),コウスイハッカ,コウゾ果実,紅茶,コウホネ(川骨),コウホン(藁本,唐藁本),コウリャン,コケモモ(越橘),コガネバナ(黄ゴン),コゴメバオトギリソウ,ココヤシ果実,ゴシュユ(呉茱萸),ゴショイチゴ(覆盆子),コショウ(胡椒),コパイババルサム,コーヒー豆,コブシ(辛夷),ゴボウ(牛蒡,牛蒡子),コボタンヅル,ゴマ(胡麻),ゴマノハグサ(玄参),コムギ(小麦),米又は米ぬか(赤糠,白糠),コーラ・アクミナタ種子,コーラ・ベラ種子,コロハ果実,コロンボ,コンズランゴ,コンブ,コンフリー(鰭張草),コンニャク,サキシマボタンズル(威霊仙),サクラの花・葉・果実・樹皮(桜皮),ザクロ,ササ,ササユリ(百合),サザンカ,サジオモダカ(沢瀉),サツマイモ,サトウキビ,サトウダイコン,サネブトナツメ(酸棗仁),サフラン(番紅花,西紅花),ザボン果実,サボンソウ,サーモンベリー果実,サラシナショウマ(升麻),サルビア,サワギキョウ(山梗菜),サワグルミ葉,サンキライ(山帰来),サンザシ(山査子),サンシチニンジン(三七人参),サンシュユ(山茱萸),サンショウ(山椒),サンズコン(山豆根),シアノキ果実,シイタケ,ジオウ(地黄),シオン(紫苑),ジギタリス,シクンシ(使君子),シシウド(独活,唐独活),シソ・アオジソ・チリメンジソ・カタメンジソ(紫蘇葉,紫蘇子),シダレカンバ(白樺皮),シタン,シナノキ,シナレンギョウ(連翹),シマカンギク(菊花),シモツケソウ,ジャガイモ,シャクヤク(芍薬),シャジン(沙参),ジャノヒゲ(麦門冬),シラカシ種子,シロゴチョウの種子,シロバナイリス,シロバナツタの花,シロミナンテン(南天実),ジュズダマ,シュロ果実,ショウガ(生姜),ショウブ(菖蒲,菖蒲根),ショズク果実,シラカバ,シンコナサクシルブラ,シンナモン,スイカ(西瓜),スイカズラ(金銀花,忍冬),スイバ(酸模),スイムベリー果実,ストロベリー果実,スギナ(問荊),ステビア,スモモ果実,セイヨウアカマツの球果,セイヨウカラマツ,セイヨウキヅタ,セイヨウグルミ,セイヨウナシ果実,セイヨウナツユキソウ,セイヨウネズ,セイヨウノコギリソウ,セイヨウニワトコ,セイヨウネズ,セイヨウハッカ,セイヨウフウチョウボク,セイヨウヤドリギ,セイヨウヤマハッカ,セイヨウワサビ,セキショウ(石菖根),ゼニアオイ,セネガ,セリ,セロリ,センキュウ(川キュウ),センナ果実又は葉,センニンソウ(大蓼),センブリ(当薬),ソウカ(草果),ソバ種実,ソメモノイモ,ダイオウ(大黄),大根,大豆,ダイダイ(橙皮,枳実),タイム,タカトウダイ(大戟),タカワラビ(狗脊),ダークスィートチェリー果実,タチジャコウソウ(百里香),タチバナ(橘皮),タチヤナギ,タマリンド種子,タマネギ,タムシバ(辛夷),タラノキ又はその根皮,タンジン(丹参),ダンマル,チェリー果実,チガヤ又はその根(茅根),チコリ,チョウジ(丁子,丁香),チョウセンゴミシ(五味子),チョウセンダイオウ(大黄),チョウセンニレ(蕪夷),チョウセンニンジン(人参),チョウセンヨモギ(艾葉),チョレイマイタケ(猪苓),ツキミソウ,ツバキ,ツボクサ,ツメクサ(漆姑草),ツユクサ(鴨跖草),ツルアズキ(赤小豆),ツルドクダミ(何首烏),ツルナ(蕃杏),ツルニンジン(四葉参),ツワブキ,デイコ,テウチグルミ,デュベリー果実,テングサ,テンダイウヤク(烏薬),トウガ(冬瓜子),トウガラシ(番椒),トウキ(当帰),トウキンセンカ,トウモロコシ又はトウモロコシ毛(南蛮毛),トウネズミモチ(女貞子),トウリンドウ(竜胆),ドクダミ(十薬),トコン(吐根),トチバニンジン(竹節人参),トチュウ(杜仲,杜仲葉),トマト,トラガント,トリアカンソス種子,トルメンチラ,ドロノキ,トロロアオイ,ナイゼリアベリー果実,ナガイモ(山薬),ナギイカダ,ナギナタコウジュ,ナズナ,ナツミカン,ナツメ(大棗),ナニワイバラ(金桜子),ナルコユリ(黄精),ナンキンマメ(落花生),ナンテン(南天実),ニガキ(苦木),ニガヨモギ(苦艾),ニクズク,ニッケイ(桂皮),ニラ(韮子),ニワトコ(接骨木),ニンジン,ニンニク(大蒜),ヌルデ(五倍子),ネギ,ノアザミ(大薊),ノイバラ(営実),ノコギリソウ,ノダケ(前胡),ノバラ,ノモモ,パーム,ハイビスカス(ブッソウゲ,フウリンブッソウゲ,ローゼル),パイナップル果実,ハカタユリ(百合),ハカマウラボシ(骨砕補),ハクセン(白蘚皮),ハクルベリー果実,ハコベ(繁縷),ハシバミ(榛子),ハシリドコロ(ロート根),バジル,ハス(蓮肉,蓮子),パセリ,バタタ,ハチク(竹茹),パチョリー,ハッカ(薄荷,薄荷葉),ハトムギ(ヨクイニン),ハナスゲ(知母),バナナ,ハナハッカ,バニラビンズ,パパイヤ,ハハコグサ(鼠麹草),ハブ草,パプリカ,ハマゴウ(蔓荊子),ハマスゲ(香附子),ハマビシ(シツ莉子),ハマナス(マイ瑰花),ハマボウフウ(浜防風),ハマメリス,バラ(薔薇),パリエタリア,ハルニレ(楡皮,楡白皮,楡葉),パンノキ,ヒオウギ(射干),ヒカゲツルニンジン(党参),ピーカンナッツ,ヒガンバナ(石蒜,蔓珠沙華),ヒキオコシ(延命草),ヒシ(菱実),ピスタチオ,ビート,ヒトツバ(石葦),ヒナタイノコズチ(牛膝),ヒバ,ヒマシ,ヒマワリ,ピーマン,ヒメガマ(香蒲),ヒメマツタケ,ピメンタ果実,ヒユ果実,ビロウドアオイ,ヒロハオキナグサ(白頭翁),ヒロハセネガ(セネガ),ビワ(枇杷,枇杷葉),ビンロウ(大腹皮,檳榔子),フウトウカズラ(南藤),フキ(款冬花),フキタンポポ(款冬花,款冬葉),フジバカマ(蘭草),フジマメ(扁豆),ブッチャーブルーム,ブドウ果皮又は果実,ブナ,フユムシナツクサタケ(冬虫夏草),ブラジルカンゾウ,ブラックカーラント果実,ブラックベリー果実,プラム果実,フルセラリア,ブルーベリー果実,プルーン,ブロンドサイリウム,ブンドウ(緑豆),ヘチマ,ベニバナ(紅花),ベラドンナ,ベリー果実,ボイセンベリー果実,ボウフウ(防風),ホウレンソウ,ホオズキ(登呂根),ホオノキ(厚朴,和厚朴),ボケ(木瓜),ホソバオケラ(蒼朮),ホソババレンギク,ボダイジュ,ボタン(牡丹皮),ホップ,ホホバ,ホワートルベリー果実,ホンアンズ(杏仁),ホンシメジ,マイズルテンナンショウ(天南星),マオウ(麻黄),マカデミアナッツ,マクリ(海人草),マグワ(桑葉,桑白皮),マダケ(竹茹),マタタビ(木天蓼),マツカサ,マツホド(茯苓),マリーゴールド,マルバノジャジン(杏参),マルベリー果実,マルメロ,マロニエ,マンゴー,マンゴスチン,マンシュウグルミ,マンダリン果実,マンネンタケ(霊芝),マンネンロウ,ミカン属植物果実(枳実),ミシマサイコ(柴胡),ミゾカクシ(半辺蓮),ミソハギ(千屈菜),ミツガシワ,ミツバ,ミツバハマゴウ(蔓荊子),ミドリハッカ,ミモザ,ミョウガ,ミラクルフルーツ果実,ミルラ,ミロバラン,ムクゲ(木槿),ムクノキ,ムクロジ,ムラサキ(紫根),ムラサキトウモロコシ,メハジキ(益母草),メボウキ,メラロイカ,メリッサ,メリロート,メロン果実,モウコヨモギ,モウソウチク,モクレン(辛夷),モッコウ(木香),モミジバダイオウ,モモの果実,種(桃仁)又は葉(桃葉),モヤシ,モレロチェリー果実,モロヘイヤ,ヤカワムラサキイモ,ヤクチ(益智),ヤグルマギク,ヤグルマソウ,ヤグルマハッカ,ヤシャブシ(矢車),ヤチヤナギ,ヤツデ(八角金盤),ヤドリギ(柳寄生),ヤナギタデの葉,ヤブガラシ,ヤブコウジ(紫金牛),ヤマゴボウ(商陸),ヤマノイモ(山薬),ヤマハンノキ(山榛),ヤマモモ(楊梅皮),ユーカリ,ユッカ・ブレビフォリア,ユキノシタ(虎耳草),ユズ果実,ユリ,ヨモギ(艾葉),ヨロイグサ,ライム果実,落花生,ラカンカ果実,ラズベリー果実,ラベンダー,リュウガン(竜眼肉),緑茶,リンゴ果実,ルバス・スアビシムス(甜涼),レタス,レッドカーラント果実,レモン果実,レモングラス,レンギョウ(連翹),レンゲソウ,ロウヤシ,ローガンベリー果実,ローズヒップ,ローズマリー,ローマカミツレ,ワカメ,ワサビ,ワレモコウ(地楡)などがある。
【0061】
また動物系原料由来の素材としては、鶏冠抽出物,牛・人の胎盤抽出物,豚・牛の胃や十二指腸あるいは腸の抽出物若しくはその分解物,水溶性コラーゲン,アシル化コラーゲン等のコラーゲン誘導体,コラーゲン加水分解物,エラスチン,エラスチン加水分解物,水溶性エラスチン誘導体,ケラチン及びその分解物,シルク蛋白およびその分解物,豚・牛血球蛋白分解物(グロビンペプチド),豚・牛ヘモグロビン分解物(ヘミン,ヘマチン,ヘム,プロトヘム,ヘム鉄等),カゼイン分解物,鶏卵,魚肉およびその分解物など。
【0062】
微生物培養代謝物米発酵エキス,米糠発酵エキス,ユーグレナ抽出物,脱脂粉乳の乳酸発酵物など。
【0063】
α−ヒドロキシ酸グリコール酸,クエン酸,リンゴ酸,酒石酸,乳酸など。
【0064】
無機顔料無水ケイ酸,ケイ酸マグネシウム,タルク,カオリン,ベントナイト,マイカ,雲母チタン,オキシ塩化ビスマス,酸化ジルコニウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛,酸化チタン,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,黄酸化鉄,ベンガラ,黒酸化鉄,グンジョウ,酸化クロム,水酸化クロム,カーボンブラック,カラミンなど。
【0065】
紫外線吸収剤p−アミノ安息香酸誘導体,サルチル酸誘導体,アントラニル酸誘導体,クマリン誘導体,アミノ酸系化合物,ベンゾトリアゾール誘導体,テトラゾール誘導体,イミダゾリン誘導体,ピリミジン誘導体,ジオキサン誘導体,カンファー誘導体,フラン誘導体,ピロン誘導体,核酸誘導体,アラントイン誘導体,ニコチン酸誘導体,ビタミンB6誘導体,オキシベンゾン,ベンゾフェノン,グアイアズレン,シコニン,バイカリン,バイカレイン,ベルベリンなど。
【0066】
収斂剤乳酸,酒石酸,コハク酸,クエン酸,アラントイン,塩化亜鉛,硫酸亜鉛,酸化亜鉛,カラミン,p−フェノールスルホン酸亜鉛,硫酸アルミニウムカリウム,レソルシン,塩化第二鉄,タンニン酸など。
【0067】
抗酸化剤アスコルビン酸及びその塩,ステアリン酸エステル,トコフェロール及びそのエステル誘導体,ノルジヒドログアセレテン酸,ブチルヒドロキシトルエン(BHT),ブチルヒドロキシアニソール(BHA),パラヒドロキシアニソール,没食子酸プロピル,セサモール,セサモリン,ゴシポールなど。
【0068】
抗炎症剤イクタモール,インドメタシン,カオリン,サリチル酸,サリチル酸ナトリウム,サリチル酸メチル,アセチルサリチル酸,塩酸ジフェンヒドラミン,d又はdl−カンフル,ヒドロコルチゾン,グアイアズレン,カマズレン,マレイン酸クロルフェニラミン,グリチルリチン酸及びその塩,グリチルレチン酸及びその塩など。
【0069】
殺菌・消毒薬アクリノール,イオウ,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩化メチルロザニリン,クレゾール,グルコン酸カルシウム,グルコン酸クロルヘキシジン,スルファミン,マーキュロクロム,ラクトフェリン又はその加水分解物など。
【0070】
香料ジャコウ,シベット,カストリウム,アンバーグリスなどの天然動物性香料、アニス精油,アンゲリカ精油,イランイラン精油,イリス精油,ウイキョウ精油,オレンジ精油,カナンガ精油,カラウェー精油,カルダモン精油,グアヤクウッド精油,クミン精油,黒文字精油,ケイ皮精油,シンナモン精油,ゲラニウム精油,コパイババルサム精油,コリアンデル精油,シソ精油,シダーウッド精油,シトロネラ精油,ジャスミン精油,ジンジャーグラス精油,杉精油,スペアミント精油,西洋ハッカ精油,大茴香精油,チュベローズ精油,丁字精油,橙花精油,冬緑精油,トルーバルサム精油,バチュリー精油,バラ精油,パルマローザ精油,檜精油,ヒバ精油,白檀精油,プチグレン精油,ベイ精油,ベチバ精油,ベルガモット精油,ペルーバルサム精油,ボアドローズ精油,芳樟精油,マンダリン精油,ユーカリ精油,ライム精油,ラベンダー精油,リナロエ精油,レモングラス精油,レモン精油,ローズマリー精油,和種ハッカ精油などの植物性香料、その他合成香料など。
【0071】
色素・着色剤赤キャベツ色素,赤米色素,アカネ色素,アナトー色素,イカスミ色素,ウコン色素,エンジュ色素,オキアミ色素,柿色素,カラメル,金,銀,クチナシ色素,コーン色素,タマネギ色素,タマリンド色素,スピルリナ色素,ソバ全草色素,チェリー色素,海苔色素,ハイビスカス色素,ブドウ果汁色素,マリーゴールド色素,紫イモ色素,紫ヤマイモ色素,ラック色素,ルチンなど。
【0072】
甘味料砂糖,甘茶,果糖,アラビノース,ガラクトース,キシロース,ステビア,マンノース,エリスリトール,麦芽糖,蜂蜜,ブドウ糖,ミラクリン,モネリン,甘草抽出物など。
【0073】
栄養強化剤貝殻焼成カルシウム,シアノコラバミン,酵母,小麦胚芽,卵黄粉末,ヘミセルロースなど)
【0074】
その他保湿剤、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質及びその分解物、動・植物性多糖類及びその分解物、動・植物性糖蛋白質及びその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、苦味料、調味料、酵素などが上げられ、これらとの併用によって、相加的及び相乗的な効果が期待できる。
【0075】
(イネ科植物抽出物 製造方法1)
0.5〜5mmに粉砕された水分7%の乾燥したクマイザサの葉および稈2kgを高圧蒸煮缶に仕込み、貫流ボイラーで発生させた2MPaの高圧蒸気を予め乾き度測定システムにより乾き度が99.5%まで達成されることが確認されたセパレーターにより気液分離しさらに減圧弁により1.6MPaまで減圧することで乾き度を向上させた蒸気を高圧蒸煮缶に導入した。蒸気導入当初は空気抜き弁を開放にして100℃で10分間蒸気を蒸煮缶内部に通過させることで空気を追い出し、空気抜き弁を閉じて100℃から10分間かけて180℃まで昇温させそのままの温度で10分間保持後一気に加圧解除した(蒸煮条件 温度180℃10分間)。高圧蒸煮した葉および稈を加圧抽出缶に仕込み水8kgを加えて室温から110℃まで30分間かけて昇温し、そのままの温度で5分間保持しその後1時間かけて加圧状態を解除した。抽出物をろ過、減圧濃縮して加熱残分50%のササ抽出物を得た。
【0076】
(イネ科植物抽出物 製造方法2)
0.5〜5mmに粉砕された水分7%の乾燥したトウモロコシ果皮400gと純水400g(含水率50重量%)を高圧蒸煮缶に仕込み、10分間かけて160℃まで昇温させそのままの温度で10分間保持後一気に加圧解除した(蒸煮条件 温度160℃10分間)。高圧加水蒸煮した葉および稈に水4kgを加えて室温から110℃まで5分間かけて昇温し、そのままの温度で30分間保持後加圧状態を解除した。抽出物をろ過、減圧濃縮して加熱残分50%のトウモロコシ果皮抽出物を得た。
【0077】
(イネ科植物抽出物 製造方法3)
0.5〜5mmに粉砕された水分7%の乾燥したイネの葉および茎400gと純水400g(含水率50重量%)を高圧蒸煮缶に仕込み、10分間かけて200℃まで昇温させそのままの温度で10分間保持後一気に加圧解除した(蒸煮条件 温度200℃10分間)。高圧加水蒸煮した葉および稈に水酸化ナトリウム1.8gを溶解した水4kgを加えて室温から110℃まで5分間かけて昇温し、そのままの温度で30分間保持後加圧状態を解除した。抽出物をろ過、減圧濃縮して加熱残分50%のイネ抽出物を得た。
【実施例1】
【0078】
(腫瘍抑制)
10匹のマウスの鼠径部皮下にEhrlich腫瘍細胞株移植し、腫瘍細胞移植日をday 0とした。製造方法1にて得られたイネ科植物抽出物を、腫瘍移植1週間前〜移植2週間後まで1回/日、経口投与した。
移植5、10、14日目に腫瘍容積を測定し、移植14日目に腫瘍重量を測定して平均値を比較した。腫瘍容積(mm3)は、長径(mm)× 短径(mm)2 × 0.5として算出した。
【0079】
【表1】

【0080】
[実施例2](NK細胞活性化)
実施例1で観察の終了したマウスから脾臓を摘出し、細胞浮遊液を作成する。この浮遊液をFicoll-Conray液に重層して遠心しNK細胞を分離して、NK細胞浮遊液(Eとする)とする。これに51Cr(200μCi)で標識したK562細胞(ヒト慢性骨髄性白血病細胞)遊液(Tとする)を、E:T=50:1になるように調製した浮遊液を培養後、NK細胞活性活性を測定した。
【0081】
【表2】

【0082】
[実施例3](リンパ球活性化)
正常マウス5匹の腹部より脾臓を摘出して細胞浮遊液を作成した。細胞数を調整後、サイトカイン測定用プレートの各well(各n=3を使用)に各濃度の被験物質溶液、PBS(−)、LPS(10μg/ml)、Con A(10μg/ml)及び製造法1(10、100、300ug/ml)をそれぞれ20μl量加えて72時間培養し、遠心後の培養上清のIL-2 、TNFαおよびIFNγをELISA法にて測定した。
【0083】
【表3】

【0084】
[実施例4](抗酸化作用)
T.Hatano等の方法〔Chem.Pharm.Bull.Vol.37,(8)2016〜2021(1989)〕を修正した方法に従い、各検体 1.0g の抗酸化活性をジフェニル・ピクリル・ヒドラチル(DPPH)ラジカル 0.05 μmol 、すなわち 19.716 μg を消去する力価を1単位として測定した。
【0085】
【表4】

【0086】
[実施例5]
本発明で得られた植物抽出物を用いて各種製品の製造適性を調べた。尚、以下の数字の単位は重量%である。
(1)健康向け食品(錠剤)
以下の処方の組成物を用いて製品を製造した。良好に打錠でき外観良好な錠剤が得られた。
1.製造方法1のササ抽出物の乾燥末 10
2.植物抽出末(ドクダミ,ニンジン,シソ) 30
3.ローヤルゼリー粉末 5
4.コラーゲン末 5
5.乳糖 25
6.トウモロコシデンプン 20
7.ヒドロキシプロピルセルロース 4
8.ステアリン酸マグネシウム 1
【0087】
以下の処方にて製品を製造した。植物抽出物の添加による製造工程の不具合は発生しなかった。
(2)健康向け飲料
1.製造方法2のトウモロコシ果皮抽出物の乾燥末 4
2.ハチミツ 15
3.クエン酸 0.1
4.dl−リンゴ酸 0.1
5.植物抽出液(クロレラ,シンナモン) 20
6.D−ソルビトール液(70%) 10
7.安息香酸ナトリウム 0.05
8.香料 適量
9.精製水 100とする残余
【0088】
(3)果汁飲料
1.ブドウ糖液糖 33
2.グレープフルーツ果汁 65
3.製造方法3のイネ抽出物の乾燥末 0.5
4.香料 適量
5.酸味料 適量
【0089】
以下の処方にて製品を製造した。植物抽出物の添加による製造工程の不具合は発生せず良好な製品が得られた。
(4)ローション
1.ソルビット 2
2.1,3−ブチレングリコール 2
3.ポリエチレングリコール1000 1
4.ポリオキシエチレンオレイルエーテル(25E.O.) 2
5.エタノール 10
6.製造方法1のササ抽出物の乾燥末 1
7.植物抽出液(アロエ,ハマメリス) 3
8.pH調整剤 適量
9.防腐剤 適量
10.精製水 100とする残余
【0090】
(5)乳液
1.スクワラン 3
2.ワセリン 1
3.ステアリルアルコール 0.3
4.ソルビタンモノステアレート 1.5
5.ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート 3
6.1,3−ブチレングリコール 5
7.製造方法2のトウモロコシ果皮抽出物の乾燥末 0.5
8.水溶性コラーゲン 1
9.防腐剤 適量
10.精製水 100とする残余
【0091】
(6)クリーム
1.スクワラン 20
2.ミツロウ 5
3.精製ホホバ油 5
4.グリセリンモノステアレート 2
5.ソルビタンモノステアレート 2
6.ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート 2
7.グリセリン 5
8.製造方法3のイネ抽出物の乾燥末 0.3
9.牛胎盤エキス 2
10.防腐剤 適量
11.精製水 100とする残余
【0092】
(7)ボディーソープ
1.ラウリン酸カリウム 15
2.ミリスチン酸カリウム 5
3.プロピレングリコール 5
4.製造方法1のササ抽出物の乾燥末 3
5.pH調整剤 適量
6.防腐剤 適量
7.精製水 100とする残余
【0093】
(8)シャンプー
1.ラウリル硫酸トリエタノールアミン 5
2.ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na 12
3.1,3-ブチレングリコール 4
4.ラウリン酸ジエタノールアミド 2
5.エデト酸二ナトリウム 0.1
6.製造方法2のトウモロコシ果皮抽出物の乾燥末 2
7.ヒドロキシプロピルキトサン 4
8.香料、防腐剤 適量
9.精製水 100とする残余
【0094】
(9)リンス
1.塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2
2.セトステアリルアルコール 2
3.ポリオキシエチレンラノリンエーテル 3
4.プロピレングリコール 5
5.製造方法3のイネ抽出物の乾燥末 2
6.pH調整剤 適量
7.防腐剤 適量
8.精製水 100とする残余
【0095】
(10)ヘアートニック
1.エタノール 50
2.オレイン酸エチル 1
3.ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 2
4.植物抽出液(エンメイソウ,センブリ,ハマメリス) 10
5.製造方法1のササ抽出物の乾燥末 0.5
6.精製水 100とする残余
【0096】
(11)浴用剤(Aタイプ)
1.炭酸水素ナトリウム 56
2.無水硫酸ナトリウム 30
3.ホウ砂 2
4.製造方法1のササ抽出物の乾燥末 10
5.植物抽出末(カミツレ,トウキ) 2
【0097】
(12)浴用剤(Bタイプ)
1.精製ホホバ油 5
2.ポルオキシエチレンソルビタンモノラウレート 20
3.グリセリンモノステアレート 5
4.流動パラフィン 2
5.ラウリン酸ジエタノールアミド 3
6.製造方法2のトウモロコシ果皮抽出物の乾燥末 10
7.植物抽出液(シャクヤク,アロエベラ,チンピ) 10
8.精製水 100とする残余
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の生理活性組成物は、極めて安全なものであり、免疫賦活作用のほか、抗変異原作用、抗菌作用、抗酸化作用、抗癌作用、腸内環境改善作用、中性脂肪低下作用などの効果を有する。過労やストレス、加齢に伴う生理的老化、偏食、環境変化等により、我々の身体は恒常性を維持する機能が低下したり、アンバランスになりがちであるが、本発明の生理活性組成物を飲食品や化粧料として利用することにより、こうした機能を強化・改善したり、バランスを整えたりして、病気になりにくい健康的体質へと改善する効果が期待できる。
【0099】
更に、健康志向の飲食品、嗜好品、家畜やペット用の飼料をはじめ、化粧料(浴用剤を含む)といった日常的に使用される製品形態とすることにより、癌、感染症、自己免疫疾患、アレルギー等の予防、軽減または改善といった効果が期待できる。また、経口医薬品、外用医薬品、注射・点滴薬、坐薬等の医療用製剤類などへの配合も可能であり、人、ペット動物等の健康維持、体質改善に有効なものである。
【0100】
飲食品類の具体例として、かまぼこ,ちくわ,はんぺんなどの水産加工製品,ソーセージ,ハム,ウインナーなどの食肉加工製品、豆腐や油揚げ,コンニャクなどの農産加工製品,洋菓子,和菓子,パン,ケーキ,ゼリー,プリン,スナック,クッキー,ガム,キャンディ,ラムネなどの菓子類、生めん,中華めん,そば,うどん等のめん類、ソース,醤油,ドレッシング,マヨネーズ,タレ,ハチミツ,粉末あめ,水あめなどの調味料、カレー粉,からし粉,コショウ粉などの香辛料、ジャム、マーマレード、チョコレートスプレッド、漬物、そう菜、ふりかけや、各種野菜・果実の缶詰・瓶詰など加工野菜・果実類、チーズ,バター,ヨーグルト等の乳製品、果実ジュース,野菜ジュース,乳清飲料,清涼飲料,健康茶,薬用酒類などの飲料、その他、栄養補強(栄養補助)を目的とするような健康維持のための錠剤、飲料、顆粒等の健康志向の飲食品類、家畜飼料、ペットフード等が対象として挙げられる。
【0101】
また、化粧料組成物としては、例えば、化粧水(ローション),乳液,クリーム,軟膏,シェービングムース,オイル,パック,シャンプー,リンス,トリートメント,ヘアトニック,整髪料,育毛料,パーマネント液,染毛剤,ボディーソープなどのスキンケアおよびヘアケア製剤,あるいは浴用剤(液状,粉末状,顆粒状,固形状など性状は、何れであってもよい)などが挙げられる。
【0102】
また、これらとは別に、衛生用品,ウエットタイプのティシュペーパーや紙タオルあるいはコットン,すり傷,切り傷、火傷、あかぎれ、炎症、湿疹、吹き出物、ニキビ、肌荒れなどに適用する消毒用又は治療用の各種製剤やそれを含浸させたガーゼ類、マスク、絆創膏、アイ・ケア剤、吸入剤、口腔洗浄剤、うがい剤、歯磨き剤などにも応用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を120〜250℃で蒸煮した後に溶剤抽出して得られる植物抽出物を含む生理活性組成物。
【請求項2】
植物がイネ科植物である請求項1に記載の生理活性組成物。
【請求項3】
植物を120〜250℃で蒸煮した後、溶剤抽出する生理活性組成物の製造方法。
【請求項4】
植物がイネ科植物である請求項3記載の生理活性組成物の製造方法。

【公開番号】特開2007−131579(P2007−131579A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326721(P2005−326721)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】