説明

用紙束印刷システムおよび用紙束プリンタ

【課題】インクリボンを消費することなく、用紙を排紙口に向かって空送りする。
【解決手段】用紙束Hの最上位の用紙H1から1枚ずつ引き剥がして搬送する用紙搬送手段21と、印刷ヘッド70およびプラテンローラ71を有し、用紙搬送手段により送られてゆく用紙に印刷を行う印刷手段22と、印刷ヘッドとプラテンローラの間に臨み、用紙の印刷時に用紙に併走させてインクリボンRを送るリボン送り手段23と、プラテンローラを印刷ヘッドに押圧する印刷位置74と、印刷ヘッドから離れる離間位置75との間で相対的に移動させる離接手段24と、離接手段による印刷ヘッドとプラテンローラとの印刷位置から離間位置への相対的な移動に連動して、リボン送り手段によるインクリボンの送りを停止させるリボン送り停止手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付箋紙束等の用紙束から一枚の用紙を引き剥がして印刷する用紙束印刷システムおよび用紙束プリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の用紙束印刷システムを適用した付箋紙プリンタ(用紙束プリンタ)として、セットされた付箋紙束から最上位の付箋紙を捲り上げ、捲り上げた付箋紙をインクリボンと共にサーマルヘッドとプラテンローラとの間に挟み込んで、印刷するものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−212367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、付箋紙を使用するにあたり、例えば、付箋紙に自分でメモを書く場合や雑誌等のマーキングに用いる場合に、付箋紙をそのまま使用することがある。このとき、付箋紙プリンタは、付箋紙に印刷を行わず、まっさらな状態で付箋紙を排紙する必要がある。
しかしながら、上記の従来の付箋紙プリンタでは、付箋紙に印刷を行わないで送る(空送りする)場合は、サーマルヘッドを駆動せず、付箋紙とインクリボンとを送ることにより、まっさらな付箋紙を排紙していたため、空送りの場合も、無駄にインクリボンを消費してしまう問題があった。
【0004】
本発明は、インクリボンを消費することなく、用紙を排紙口に向かって空送りすることができる用紙束印刷システムおよび用紙束プリンタを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の用紙束印刷システムは、一端部を剥離可能に粘着した用紙を多数枚積層して成る用紙束の、最上位の用紙から1枚ずつ引き剥がし、排紙口に向かって搬送する用紙搬送手段と、印刷ヘッドおよびプラテンローラを有し、印刷ヘッドとプラテンローラの間に臨み、用紙搬送手段により送られてゆく用紙に印刷を行う印刷手段と、印刷ヘッドとプラテンローラの間に臨み、用紙の印刷時に用紙に併走させてインクリボンを送るリボン送り手段と、印刷ヘッドに対し、プラテンローラを印刷ヘッドに押圧する印刷位置と、印刷ヘッドから離れる離間位置との間で相対的に且つ手動で移動させるための離接手段と、離接手段による印刷ヘッドとプラテンローラとの印刷位置から離間位置への相対的な移動に連動して、リボン送り手段によるインクリボンの送りを停止させるリボン送り停止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の他の用紙束印刷システムは、一端部を剥離可能に粘着した用紙を多数枚積層して成る用紙束の、最上位の用紙から1枚ずつ引き剥がし、排紙口に向かって搬送する用紙搬送手段と、印刷ヘッドおよびプラテンローラを有し、印刷ヘッドとプラテンローラの間に臨み、用紙搬送手段により送られてゆく用紙に印刷を行う印刷手段と、印刷ヘッドとプラテンローラの間に臨み、用紙の印刷時に用紙に併走させてインクリボンを送るリボン送り手段と、印刷ヘッドに対し、プラテンローラを印刷ヘッドに押圧する印刷位置と、印刷ヘッドから離れる離間位置との間で相対的に移動させる離接手段と、離接手段による印刷ヘッドとプラテンローラとの印刷位置から離間位置への相対的な移動に連動して、リボン送り手段によるインクリボンの送りを停止させるリボン送り停止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、離接手段によりプラテンローラを印刷ヘッドに対し、相対的に離間位置に移動させると、これに連動して、リボン送り停止手段によりインクリボンの送りが停止される。この状態で、用紙搬送手段が用紙を搬送すると、用紙は、印刷ヘッドとプラテンローラとの間隙を通過して、排紙口に向かって送られるが、インクリボンは送られることがない。また、印刷ヘッドとプラテンローラとの間が開放状態となることで、用紙とインクリボンとが挟持されることがないため、用紙の送りにつられてインクリボンが送られることもない。これにより、インクリボンを送ることなく、用紙を空送りすることができる。なお、用紙束としては、付箋紙束やメモパッド等を用いることが可能である。
【0008】
上記前者の場合、離接手段は、プラテンローラを離接させるための手動操作レバーと、手動操作レバーの操作に連動してプラテンローラを離接させる離接リンクと、を有していることが、好ましい。
【0009】
この構成によれば、手動操作レバーを操作することにより、プラテンローラを印刷位置および離間位置に自在に離接させることができる。
【0010】
この場合、手動操作レバーの操作に連動して、プラテンローラを離間位置に移動させた状態を保持すると共に、用紙搬送手段による搬送終了動作に連動して、プラテンローラの離間位置への保持状態を解除して、プラテンローラを印刷位置に移動するように構成したロック・アンロック機構を、更に備えていることが、好ましい。
【0011】
この構成によれば、手動操作レバーを操作することで、ロック・アンロック機構により、プラテンローラが離間位置においてロックされるため、付箋紙の搬送中に、ユーザが手動操作レバーを操作し続ける必要が無い。一方、用紙搬送手段により搬送が終了すると、この終了に伴いロック解除が行なわれて、プラテンローラが印刷位置に移動するため、プラテンローラをユーザが手動操作レバーを操作して戻す必要もない。これにより、手動操作レバーの操作性を向上させることができる。
【0012】
上記後者の場合、離接手段は、プラテンローラを離接させるためのソレノイドと、ソレノイドの駆動に連動してプラテンローラを離接させる離接リンクと、を有していることが、好ましい。
【0013】
この構成によれば、ソレノイドを励磁または消磁させることで、プラテンローラを離接させることができる。
【0014】
この場合、離接手段は、プラテンローラを離接させるためのアクチュエータと、アクチュエータの駆動により回転する板カムと、板カムの当接状態によりプラテンローラを離接させる離接リンクと、を有していることが、好ましい。
【0015】
この構成によれば、アクチュエータにより板カムを回転させることで、プラテンローラを離接させることができる。
【0016】
これらの場合、印刷ヘッドに対し、プラテンローラが離間位置に相対的に移動したことを検出する検出手段と、用紙搬送手段および印刷手段を制御する制御手段と、を有し、制御手段は、検出手段による検出結果に基づいて、用紙に印刷を行うことなく、用紙を排紙口に向かって送ることが、好ましい。
【0017】
この構成によれば、検出手段による検出をトリガーとして、用紙の空送りを開始することができる。また、機械的な故障により、印刷ヘッドとプラテンローラとが接触している状態で、用紙の空送りが行なわれてしまうことがない。
【0018】
この場合、プラテンローラは、駆動ローラで構成されており、用紙搬送手段の駆動に同期して駆動することが、好ましい。
【0019】
この構成によれば、用紙への印刷に際し、用紙に搬送力を付与しながら印刷することができ、印刷を安定させることができる。また、用紙を空送りする際も、送られてゆく用紙に転接してこれに搬送力を付与することができ、用紙を排紙口に円滑に導くことができる。
【0020】
この場合、用紙搬送手段、プラテンローラおよびリボン送り手段は、動力源および動力伝達歯車列を共有しており、動力伝達歯車列は、駆動源により回転する主太陽歯車と、主太陽歯車に噛み合う第1遊星歯車と、第1遊星歯車が離接する第1中間歯車と、第1中間歯車を太陽歯車としてこれに噛み合う第2遊星歯車と、第2遊星歯車が離接する第2中間歯車と、を有し、用紙搬送手段は、用紙を搬送する搬送駆動ローラを有し、搬送駆動ローラは、第1遊星歯車から動力を入力し、プラテンローラは、第2遊星歯車から動力を入力し、リボン送り手段は、インクリボンを巻き取るリボン巻取り軸を有し、リボン巻取り軸は、第2中間歯車から動力を入力し、離接手段は、第2遊星歯車を支持するキャリアを有し、キャリアは、第2遊星歯車を第2中間歯車に離接させ、リボン送り停止手段は、第2遊星歯車であり、キャリアにより第2遊星歯車が第2中間歯車から離れることで、第2中間歯車への動力を遮断することが、好ましい。
【0021】
この構成によれば、キャリアにより第2中間歯車から第2遊星歯車が離されることで、リボン送り手段への動力が遮断されるため、インクリボンの送りを停止させることができる。すなわち、離接手段とリボン送り停止手段とを極めて単純な構造とすることができる。また、共有部分が多くなる点でも、構造の単純化を図ることができる。
【0022】
この場合、用紙束の最上位の用紙から1枚ずつ引き剥がしてこれに印刷を行う用紙束プリンタと、用紙束プリンタに接続され、用紙束プリンタを制御するためのコンピュータと、を備えた用紙束印刷システムにおいて、用紙束プリンタは、用紙搬送手段、印刷手段、リボン送り手段、離接手段、リボン送り停止手段および検出手段を有し、コンピュータは、制御手段を有していることが、好ましい。
【0023】
この構成によれば、コンピュータを利用して用紙束プリンタを制御し、用紙の空送りの際には、インクリボンの送りを停止させることができる。
【0024】
本発明の用紙束プリンタは、上記の用紙束印刷システムの全ての手段を備えたことを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、用紙束プリンタ単体で、用紙の空送りの際には、インクリボンの送りを停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して、本実施形態に係る用紙束印刷システムを付箋紙プリントシステムとして説明する。付箋紙プリントシステムは、パソコンで編集した印刷データに基づいて、付箋紙プリンタにより、これにセットした付箋紙束(用紙束)から最上位の付箋紙を捲り上げ、捲り上げた付箋紙を引き剥がしながら印刷を行って、装置外部に印刷済みの付箋紙を排出するものである。
【0027】
図1に示すように、付箋紙プリントシステム1は、付箋紙束Hがセットされる付箋紙プリンタ2と、付箋紙プリンタ2にUSB4等で接続され、付箋紙H1に印刷するための印刷データを作成・編集すると共に、付箋紙プリンタ2の各種駆動を制御するパソコン(制御手段)3とから構成されている。
【0028】
パソコン3は、パソコン本体5と、パソコン本体5に接続され、データを入力するキーボード6およびマウス7と、入力結果等を表示するディスプレイ8とを有しており、パソコン本体5には、付箋紙プリンタ2に関するアプリケーションソフト(プログラム)やデバイスドライバ等のデータを記憶したCD−ROM9が着脱自在にセットされている。そして、キーボード6等から各種検出信号、各種指令、各種データ等が入力されると、パソコン3は、CD−ROM9内のプログラムに従って、各種データを処理し、付箋紙プリンタ2を制御するようになっている。
【0029】
なお、当然ではあるが、付箋紙プリンタ2に印刷データの作成・編集機能や各部の制御機能を設け、付箋紙プリンタ2を単体として用いて、付箋紙H1に対する印刷を行うようにしてもよい。
【0030】
図2に示すように、付箋紙プリンタ2は、装置ケース15により外殻が形成され、装置ケース15の内部は、付箋紙束Hがセット可能に構成されている。そして、付箋紙プリンタ2は、セットした付箋紙束Hから1枚ずつ引き剥がした付箋紙H1に対し、パソコン3で作成した所望のキャラクタ列を印刷し、これを装置ケース15に形成した排紙口16から送り出すようにしている。
【0031】
装置ケース15は、全体として小型に形成されており、装置ケース15には、付箋紙束Hをケース内部に導入するための付箋紙導入開口17が形成され、前面中央には印刷済み付箋紙H1をケース外部に送り出すための水平スリット状の排紙口16が形成されている。また、装置ケース15の上面には、インクリボンRを収容したリボンカートリッジCを装着すると共に、メンテナンスのための開閉蓋18が取り付けられている。さらに、装置ケース15の前面左側には、後述する手動操作レバー85が臨む操作開口19が形成されており、手動操作レバー85の上下動作を許容している。
【0032】
図3に示すように、付箋紙束Hは、裏面の基端部を部分糊付けした複数の付箋紙H1から構成されている。すなわち、付箋紙束Hは、同一形状(長方形)且つ同一サイズの複数の付箋紙H1を、それぞれ裏面の基端部を部分糊付けして積層したものである。付箋紙H1は、付箋紙束Hから1枚ずつ剥離可能に構成されていると共に、剥離後に、この基端部の糊付け部(接着剤)を介して、手帳等の被貼着物に再貼着可能に構成されている。
【0033】
付箋紙プリンタ2は、付箋紙束Hをセットする付箋紙ホルダ20と、セットした付箋紙束Hの最上位の付箋紙H1を捲り上げた後、付箋紙H1を引き剥がして排紙口16に向かって搬送する付箋紙搬送手段(用紙搬送手段)21と、サーマルヘッド(印刷ヘッド)70およびプラテンローラ71により付箋紙搬送手段21により搬送されてゆく付箋紙H1に印刷を行う印刷手段22と、印刷に供されるインクリボンRを送るリボン送り手段23と、手動操作レバー85によりプラテンローラ71をサーマルヘッド70に離接させる離接手段24と、離接手段24に連動してインクリボンRの送りを停止させるリボン送り停止手段25と、を備え、これらは上記した装置ケース15内に収容されている。また、付箋紙プリンタ2は、サーマルヘッド70からプラテンローラ71が離間したことを検出する検出センサ(検出手段)26と、離接手段24によりサーマルヘッド70から離間したプラテンローラ71を、この状態に保持すると共に、この保持状態を解除するロック・アンロック機構27を備えている。
【0034】
付箋紙ホルダ20は、所定サイズの付箋紙束Hを保持すると共に、上面を開放したボックス状に形成されており、付箋紙束Hを水平に載置する方形の載置ステージ35と、載置ステージ35を上下方向にスライド自在に案内する四周枠状の導入ガイド36と、複数のコイルバネ37を介して載置ステージ35を下側から支持すると共に、付箋紙導入開口17を閉塞する蓋体38と、から構成されている。また、導入ガイド36の上端部の前後には、付箋紙束Hの自由端部および固定端部(糊付け部)を押さえる前後一対の位置規制部39が内向きに突設されている。載置ステージ35は、複数のコイルバネ37により上方に付勢されており、これにセットされた付箋紙束Hは、付箋紙H1が1枚ずつ送り出され目減りしても、一対の位置規制部39により、その最上位に位置する付箋紙H1の高さレベルが一定となっている。このとき、付箋紙束Hをセットした位置が、付箋紙搬送手段21により捲り上げられるピックアップ位置44となる。
【0035】
付箋紙ホルダ20は、装置ケース15に対して蓋体38がスナップイン形式で掛け止めされて、装置ケース15内部に着脱自在となっている。すなわち、付箋紙ホルダ20に付箋紙束Hをセットするときには、付箋紙ホルダ20を装置ケース15内部から取り外し、載置ステージ35に付箋紙束Hをセットした後、再び付箋紙ホルダ20を装置ケース15内部に取り付ける。
【0036】
付箋紙搬送手段21は、ピックアップ位置44に臨んだ付箋紙束Hの最上位の付箋紙H1を捲り上げるよう構成されており、最上位の付箋紙H1に転接してこれを捲り上げると共に捲り上げた付箋紙H1を引き剥がす送りローラ50と、捲り上げた付箋紙H1を送りローラ50との間に挟持する従動ローラ51と、送りローラ50を付箋紙H1を捲り上げるピックアップ位置44と付箋紙H1を従動ローラ51と挟持する挟持位置45との間で移動させる一対の回動アーム52と、送りローラ50および一対の回動アーム52の駆動源(動力源)となる駆動モータ53と、駆動モータ53の駆動力を送りローラ50および一対の回動アーム52に伝達する減速歯車列(動力伝達歯車列)54と、を備えている。
【0037】
送りローラ50は、捲り上げた付箋紙H1の自由端側の裏面に転接すると共に、挟持位置45において、これを引き剥がしながら回転送りするものであり、付箋紙H1に直接転接するローラ本体60と、ローラ本体60の回転軸としてのローラ駆動軸61とを有している。ローラ駆動軸61は、両端部を一対の回動アーム52に回転自在に両持ちで保持され、減速歯車列54を介して伝達される駆動モータ53の動力により回転する(詳細は後述)。
【0038】
一対の回動アーム52は、先端部でローラ駆動軸61を回転自在に保持すると共に、基端部を中心に回動(揺動)自在に構成されている。一対の回動アーム52の一方の側面には、後述する接触片116に接触する解除突起(図5参照)65が設けられており、この解除突起65により、ロック・アンロック機構27のロック解除が行なわれる(詳細は後述)。この回動アーム52も、上記の減速歯車列54を介して伝達される駆動モータ53の動力により、ピックアップ位置44と挟持位置45との間で移動する。
【0039】
印刷手段22は、排紙口16の近傍に配設されると共に送りローラ50と略同一幅に形成されたサーマルヘッド70と、サーマルヘッド70に対峙して設けられたプラテンローラ71とを有している。プラテンローラ71は、付箋紙H1の幅方向に延在するよう設けられ、送りローラ50が挟持位置45へ移動すると、上記の減速歯車列54と連結して駆動モータ53からの動力が入力されて回転するよう構成されており、送られてきた付箋紙H1に対し、搬送力を付与しながら、サーマルヘッド70により印刷を行う。このため、付箋紙H1への印刷を安定して行うことができる。また、プラテンローラ71は、後述する離接手段24により、サーマルヘッド70に押圧する印刷位置74と、サーマルヘッド70から離間する離間位置75との間で移動する。このようにして構成された印刷手段22は、パソコン3からの制御信号により、サーマルヘッド70および駆動モータ53が制御されながら、付箋紙H1に対する印刷を行う。
【0040】
リボン送り手段23は、リボンカートリッジCと、装着されたリボンカートリッジCのインクリボンRを巻き取るリボン巻取り軸78とを有しており、リボン巻取り軸78は、送りローラ50が挟持位置45へ移動し、且つプラテンローラ71が印刷位置74へ移動すると、上記の減速歯車列54と連結して駆動モータ53からの動力が入力されて回転するように構成されている。リボンカートリッジCは、インクリボンRを繰り出し自在に巻回したリボン繰出しリール80と、インクリボンRを巻き取るリボン巻取りリール81と、これらを回転自在に収容するカートリッジケース(図示省略)とから構成されている。
【0041】
このリボンカートリッジCを開閉蓋18を開放して装着すると、インクリボンRは、サーマルヘッド70とプラテンローラ71との間に臨むと共に、リボン巻取りリール81は、リボン巻取り軸78に軸着される。そして、印刷手段22により印刷駆動が開始されると、リボン巻取り軸78は、付箋紙H1の送りに併走させて、インクリボンRの巻取り(送り)を開始するようになっている。
【0042】
離接手段24は、プラテンローラ71を印刷位置74と離間位置75との間で離接させるための手動操作レバー85と、手動操作レバー85に連なりプラテンローラ71を支持する支持部材86と、で「L」字状に形成されており、支持部材86の基端部は、装置ケース15に固定された回転支軸87により、回動自在に軸支されている。すなわち、請求項で言う離接リンクは、支持部材86と回転支軸87とにより構成されている。
【0043】
支持部材86は、印刷待機状態において、プラテンローラ71を印刷位置74に臨ませるべく、戻しバネ(図5参照)88により引き上げられており、支持部材86の側面には、付箋紙H1の幅方向に突出し、プラテンローラ71を軸支するプラテン軸部89が設けられている。手動操作レバー85は、支持部材86の先端部に上方に向けて延在するように設けられたレバー本体90と、レバー本体90の上端面に設けた操作ボタン部91とで構成されている。ユーザにより、操作ボタン部91が押下されると、戻しバネ88に抗して、支持部材86は、回転支軸87を中心に下方へ回動し、プラテンローラ71が印刷位置74から離間位置75まで移動する。
【0044】
ここで、図4を参照して、上記した減速歯車列54について詳細に説明する。この減速歯車列54は、付箋紙搬送手段21の送りローラ50および一対の回動アーム52と、印刷手段22のプラテンローラ71と、リボン送り手段23のリボン巻取り軸78とに、駆動モータ53の動力を伝達するものであり、適宜遊星歯車を組み込んだ構成となっている。この減速歯車列54は、駆動モータ53の動力により回転すると共に最も太径に形成された主太陽歯車100と、主太陽歯車100に噛み合う第1遊星歯車101と、第1遊星歯車101が離接する第1中間歯車102と、第1中間歯車102を太陽歯車としてこれに噛み合う第2遊星歯車103と、第2遊星歯車103が離接する第2中間歯車104と、第2中間歯車104に噛み合う第3中間歯車105と、第3中間歯車105に噛み合う第4中間歯車106と、で構成されている。
【0045】
主太陽歯車100は、その軸部が、一対の回動アーム52の基端部の軸部と同軸上に設けられ、第1遊星歯車101は、同軸上に設けられた送りローラ50へ動力を出力する。また、一対の回動アーム52の一方は、主太陽歯車100と同軸となる第1遊星歯車101のキャリアとなっている。すなわち、第1中間歯車102に第1遊星歯車101が噛み合う位置が、送りローラ50が従動ローラ51と接触する挟持位置45となっており、第1中間歯車102から第1遊星歯車101が離れて回動アーム52が水平になった位置がピックアップ位置44となっている。このため、一対の回動アーム52が、ピックアップ位置44と挟持位置45との間で回動することにより、送りローラ50が回転しながら移動する構成となっている。なお、一対の回動アーム52の回動動作は、上記の駆動モータ53を動力源とする図外の端面カムにより行なわれる。
【0046】
第1中間歯車102は、その軸部が、支持部材86を軸支する回転支軸87と同軸上に設けられ、第2遊星歯車103は、同軸上に設けられたプラテンローラ71へ動力を出力する。また、支持部材86の一部は、第1中間歯車102と同軸となる第2遊星歯車103のキャリアとなっている。すなわち、第2中間歯車104に第2遊星歯車103が噛み合う位置が、プラテンローラ71がサーマルヘッド70に接触する印刷位置74となっており、第2中間歯車104から第2遊星歯車103から離れた位置が離間位置75となっている。このため、プラテンローラ71は、印刷位置74および離間位置75に臨んだ状態で回転する。
【0047】
第2中間歯車104に伝達された動力は、第3中間歯車105を介して第4中間歯車106に伝達され、第4中間歯車106は、同軸上に設けられたリボン巻取り軸78へ動力を出力する。すなわち、リボン巻取り軸78には、第2中間歯車104から間接的に動力が入力される。なお、第4中間歯車106は、回転方向を調整するものであるため、リボン巻取り軸78は、この構成に限らず、第2中間歯車104から直接的に動力が入力される構成、つまり第2中間歯車104と同軸上に設ける構成としてもよい。
【0048】
プラテンローラ71が印刷位置74に臨んだ状態で、駆動モータ53が回転すると、ピックアップ位置44に臨んだ送りローラ50は、回転しながら挟持位置45まで臨む。送りローラ50が挟持位置45に臨むと、第1遊星歯車101が第1中間歯車102に連結し、駆動モータ53の動力がプラテンローラ71へ伝達すると共に、第2、第3中間歯車104、105を介してリボン巻取り軸78へ動力が伝達される。一方、プラテンローラが離間位置75に臨んだ状態では、第2遊星歯車103が第2中間歯車104から離れるため、リボン巻取り軸78への動力が遮断される。このため、プラテンローラ71が印刷位置74から離れるとリボン送り手段23によるインクリボンRの巻取りが停止する。つまり、請求項で言うリボン送り停止手段25は、第2遊星歯車103に相当する。これにより、駆動モータ53を共有できると共に、共有部品が多くなるため、構造を単純化することができ、これに伴い、離接手段24およびリボン送り停止手段25廻りの構造も単純化することができる。
【0049】
図5に示すように、ロック・アンロック機構27は、支持部材86の下端面から下方に突出して形成された第1係合爪110と、第1係合爪110に係合する係合部115と回動アーム52の一方に接触する接触片116とで断面「L」字状に形成された第2係合爪111と、第2係合爪111を支持部材86側に引き戻す引張りバネ112と、一対の回動アーム52の一方の側面に設けられた上記の解除突起65と、で構成されている。
【0050】
第1係合爪110は、支持部材86の回動動作に合わせて上下方向に移動し、プラテンローラ71が印刷位置にある場合は、上方に位置して第2係合爪111から外れた状態となり、プラテンローラ71が離間位置75にある場合は、下方に位置して第2係合爪111と係合した状態、つまりロック状態となる。
【0051】
第2係合爪111は、その屈曲部分が回動自在に軸支されており、第1係合爪110と係合するロック位置120と第1係合爪110との係合を解除するロック解除位置121との間で移動する。係合部115は、第1係合爪110と係合するよう構成され、引張りバネ112により係合部115がロック位置120に臨むよう引っ張られている。接触片116は、係合部115に連なる固定片125と、固定片125の先端側に設けられた可動片126とを有しており、可動片126は、回動アーム52の動作により解除突起65が接触するよう設けられている。可動片126は、解除突起65が挟持位置45からピックアップ位置44へ移動すると、係合部115をロック解除位置121に移動させるべく固定片125と一体となって移動し、一方、解除突起65がピックアップ位置44から挟持位置45へ移動すると、係合部115をロック位置120に臨ませた状態を維持すべく、解除突起65の移動を許容するよう可動片126のみが可動するよう構成されている。
【0052】
ユーザにより手動操作レバー85が押し下げられると、第1係合爪110は、下方へ移動すると共に、ロック位置120に臨んでいる第2係合爪111を一旦押し下げてこれと係合し、ロック状態とする。この後、回動アーム52がピックアップ位置44から挟持位置45へ移動すると、接触片116は、解除突起65の移動を許容して、第2係合爪111のロック状態を維持する。そして、回動アーム52が挟持位置45からピックアップ位置44へ戻ってくると、解除突起65は、接触片116に接触して、第2係合爪111をロック解除位置121に引き下げる。すると、上記の戻しバネ88により支持部材86を介して第1係合爪110が引き上げられ、プラテンローラ71は印刷位置74へ移動する。
【0053】
これにより、手動操作レバー85を操作することで、ロック・アンロック機構27により、プラテンローラ71が離間位置においてロックされるため、付箋紙H1の搬送中に、ユーザが手動操作レバー85を操作し続ける必要が無い。一方、付箋紙搬送手段21により搬送が終了すると、この終了に伴いロック解除が行なわれて、プラテンローラ71が印刷位置74に移動するため、プラテンローラ71をユーザが手動操作レバー85を操作して戻す必要もない。このため、手動操作レバー85は、操作性の良い構成となっている。
【0054】
検出センサ26は、支持部材86の下方に設けられており、マイクロスイッチで構成されている。このため、プラテンローラ71を離間位置75に臨ませるべく、手動操作レバー85を介して支持部材86を下方へ移動させると、支持部材86の下端面が検出センサ26の先端に接触して、プラテンローラ71が離間位置75へ移動したことを検出する。また、パソコン3は、検出センサ26によりプラテンローラ71が離間位置75へ移動したことを検知すると、印刷手段22を駆動せず、付箋紙搬送手段21のみを駆動させる。このため、付箋紙搬送手段21により引き剥がした付箋紙H1に対し、印刷を行うことなく、付箋紙H1を搬送することとなる。したがって、機械的な故障により、サーマルヘッド70とプラテンローラ71とが接触している状態で、付箋紙H1の空送りが行なわれることはない。なお、検出センサ26は、マイクロスイッチに限らず、フォトインタラプタ等の光センサを用いても良い。
【0055】
ここで、図6を参照して、付箋紙H1の空送りに関する一連の動作について説明する。印刷待機状態において、送りローラ50は、ピックアップ位置44にあり、付箋紙ホルダ20にセットされた付箋紙束Hの最上位の付箋紙H1の表面に転接している(図7(a)参照)。
【0056】
ユーザが手動操作レバー85を押し下げて、検出センサ26によりプラテンローラ71が離間位置75に移動したことをパソコン3が検知すると、パソコン3は、送りローラ50を回転させて付箋紙H1の捲り上げ動作を開始する。すなわち、送りローラ50が最上位の付箋紙H1に対し、表面の自由端側に転接することで、その長手方向の中間部が次第に上方へと湾曲するように撓んでいく。また、手動操作レバー85の押下に連動して、リボン巻取り軸78への動力を遮断すると共に、ロック・アンロック機構27により、手動操作レバー85がロックされる(図7(b)参照)。
【0057】
捲り上がっていく付箋紙H1の先端が送りローラ50の下側を通過した直後に、送りローラ50が回転しながら上へ移動して付箋紙束Hから離間すると、付箋紙H1は、送りローラ50の回転力により、送りローラ50の上側に撥ね上げられ、付箋紙H1の自由端部が送りローラ50に乗り上げる(図7(c)参照)。
【0058】
付箋紙H1を載せた送りローラ50は、続いて、回転(自転)しながら挟持位置45に移動(公転)する(図4(d)参照)。送りローラ50が挟持位置45に達して従動ローラ51との間に付箋紙H1を挟持すると、送りローラ50は、捲り上げた付箋紙H1を付箋紙束Hから引き剥がし、引き剥がされた付箋紙H1は、送りローラ50およびプラテンローラ71により排紙口16に向かって搬送されてゆく。
【0059】
そして、付箋紙H1の糊付け部がプラテンローラ71に達したところ(図4(f)参照)で、送りローラ50は、挟持位置45からピックアップ位置44に移動する。すると、回動アーム52がロック・アンロック機構27のロックを解除することで、プラテンローラ71が印刷位置74に臨み、付箋紙H1の糊付け部を挟持する。この後、ユーザが排紙口16に排紙された付箋紙H1を取り去ることで、空送りされた付箋紙H1を得ることが可能となる。
【0060】
以上の構成によれば、プラテンローラ71を離間位置75に移動させることで、インクリボンRの送りを停止させることができる。このため、付箋紙搬送手段21により付箋紙H1を搬送すると、インクリボンRが送られることがなく、まっさらな付箋紙H1を送ることができる。また、サーマルヘッド70とプラテンローラ71との間が離間状態となることで、付箋紙H1とインクリボンRとが挟持されることがないため、付箋紙H1の送りにつられてインクリボンRが送られることもない。これにより、インクリボンRを送ることなく、付箋紙H1を空送りすることができる。なお、本実施形態では、付箋紙束Hを用いたが、これに代えて、固定端面を接着したメモパッド等を用いることも可能である。また、本実施形態では、プラテンローラ71を移動する構成としたが、サーマルヘッド70を移動させてもよい。さらに、リボン送り手段23が別の動力で駆動している場合は、検出センサ26の検出に基づいて、リボン送り手段23の動力を停止させる構成としてもよい。
【0061】
次に、図7を参照して、第2実施形態に係る付箋紙プリントシステム200について説明する。なお、重複した記載を避けるため、異なる部分についてのみ説明する。この付箋紙プリントシステム200は、第1実施形態の付箋紙プリンタ2の手動操作レバー85に代えて、支持部材86の上端面を下方に押圧する板カム201と、板カムを回転させるモータ202と、を有しており、モータ202は、パソコン3により制御されている。
【0062】
付箋紙H1の空送りをすべくパソコン3により、モータ202を駆動させると、板カム201が回転して、その突出部分が支持部材86の上端面を下方に押圧し、プラテンローラ71を離間位置75に臨ませ、リボン送り手段23への動力を遮断し、この状態でモータ202の駆動を停止させる。そして、付箋紙H1の空送りが終了すると、再びモータ202を駆動させ、板カム201の突出部分を上方に移動させて、戻しバネ88によりプラテンローラ71を印刷位置74に戻す。この構成においても、インクリボンRを送ることなく、付箋紙H1を空送りすることができる。
【0063】
次に、図8を参照して、第3実施形態に係る付箋紙プリントシステム300について説明する。この実施形態についても、異なる部分についてのみ説明する。この付箋紙プリントシステム300は、第1実施形態の付箋紙プリンタ2の手動操作レバー85に代えて、支持部材86の上端面を下方に押圧するソレノイド301を有しており、ソレノイド301は、パソコン3により制御されている。
【0064】
付箋紙H1の空送りをすべくパソコン3により、ソレノイド301を励磁させると、プランジャが支持部材86の上端面を下方に押圧し、プラテンローラ71を離間位置75に臨ませ、リボン送り手段23への動力を遮断する。そして、付箋紙H1の空送りが終了すると、ソレノイド301を消磁させ、戻しバネ88によりプラテンローラ71を印刷位置74に戻す。この構成においても、インクリボンRを送ることなく、付箋紙H1を空送りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本実施形態に係る付箋紙プリントシステムの模式図である。
【図2】本実施形態に係る付箋紙プリンタの外観斜視図である。
【図3】本実施形態に係る付箋紙プリンタの内部模式図である。
【図4】減速歯車列の模式図である。
【図5】ロック・アンロック機構の模式図である。
【図6】付箋紙の空送りに関する一連の説明図である。
【図7】第2実施形態に係る付箋紙プリンタの内部模式図である。
【図8】第3実施形態に係る付箋紙プリンタの内部模式図である。
【符号の説明】
【0066】
1…付箋紙プリントシステム 21…付箋紙搬送手段 22…印刷手段 23…リボン送り手段 24…離接手段 25…リボン送り停止手段 26…検出センサ 27…ロック・アンロック機構 53…駆動モータ 54…減速歯車列 65…解除突起 70…サーマルヘッド 71…プラテンローラ 74…印刷位置 75…離間位置 78…リボン巻取り軸 85…手動操作レバー 201…板カム 202…モータ 301…ソレノイド H…付箋紙束 H1…付箋紙 R…インクリボン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部を剥離可能に粘着した用紙を多数枚積層して成る用紙束の、最上位の用紙から1枚ずつ引き剥がし、排紙口に向かって搬送する用紙搬送手段と、
印刷ヘッドおよびプラテンローラを有し、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間に臨み、前記用紙搬送手段により送られてゆく用紙に印刷を行う印刷手段と、
前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間に臨み、前記用紙の印刷時に前記用紙に併走させてインクリボンを送るリボン送り手段と、
前記印刷ヘッドに対し、前記プラテンローラを前記印刷ヘッドに押圧する印刷位置と、前記印刷ヘッドから離れる離間位置との間で相対的に且つ手動で移動させるための離接手段と、
前記離接手段による前記印刷ヘッドと前記プラテンローラとの前記印刷位置から前記離間位置への相対的な移動に連動して、前記リボン送り手段による前記インクリボンの送りを停止させるリボン送り停止手段と、を備えたことを特徴とする用紙束印刷システム。
【請求項2】
前記離接手段は、前記プラテンローラを離接させるための手動操作レバーと、前記手動操作レバーの操作に連動して前記プラテンローラを離接させる離接リンクと、を有していることを特徴とする請求項1に記載の用紙束印刷システム。
【請求項3】
前記手動操作レバーの操作に連動して、前記プラテンローラを前記離間位置に移動させた状態を保持すると共に、前記用紙搬送手段による搬送終了動作に連動して、前記プラテンローラの前記離間位置への保持状態を解除して、前記プラテンローラを前記印刷位置に移動するように構成したロック・アンロック機構を、更に備えことを特徴とする請求項2に記載の用紙束印刷システム。
【請求項4】
一端部を剥離可能に粘着した用紙を多数枚積層して成る用紙束の、最上位の用紙から1枚ずつ引き剥がし、排紙口に向かって搬送する用紙搬送手段と、
印刷ヘッドおよびプラテンローラを有し、前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間に臨み、前記用紙搬送手段により送られてゆく用紙に印刷を行う印刷手段と、
前記印刷ヘッドと前記プラテンローラの間に臨み、前記用紙の印刷時に前記用紙に併走させてインクリボンを送るリボン送り手段と、
前記印刷ヘッドに対し、前記プラテンローラを前記印刷ヘッドに押圧する印刷位置と、前記印刷ヘッドから離れる離間位置との間で相対的に移動させる離接手段と、
前記離接手段による前記印刷ヘッドと前記プラテンローラとの前記印刷位置から前記離間位置への相対的な移動に連動して、前記リボン送り手段による前記インクリボンの送りを停止させるリボン送り停止手段と、を備えたことを特徴とする用紙束印刷システム。
【請求項5】
前記離接手段は、前記プラテンローラを離接させるためのソレノイドと、前記ソレノイドの駆動に連動して前記プラテンローラを離接させる離接リンクと、を有していることを特徴とする請求項4に記載の用紙束印刷システム。
【請求項6】
前記離接手段は、前記プラテンローラを離接させるためのアクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により回転する板カムと、前記板カムの当接状態により前記プラテンローラを離接させる離接リンクと、を有していることを特徴とする請求項4に記載の用紙束印刷システム。
【請求項7】
前記印刷ヘッドに対し、前記プラテンローラが前記離間位置に相対的に移動したことを検出する検出手段と、
前記用紙搬送手段および前記印刷手段を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記用紙に印刷を行うことなく、前記用紙を前記排紙口に向かって送ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の用紙束印刷システム。
【請求項8】
前記プラテンローラは、駆動ローラで構成されており、前記用紙搬送手段の駆動に同期して駆動することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の用紙束印刷システム。
【請求項9】
前記用紙搬送手段、前記プラテンローラおよび前記リボン送り手段は、動力源および動力伝達歯車列を共有しており、
前記動力伝達歯車列は、
前記駆動源により回転する主太陽歯車と、
前記主太陽歯車に噛み合う第1遊星歯車と、
前記第1遊星歯車が離接する第1中間歯車と、
前記第1中間歯車を太陽歯車としてこれに噛み合う第2遊星歯車と、
第2遊星歯車が離接する第2中間歯車と、を有し、
前記用紙搬送手段は、前記用紙を搬送する搬送駆動ローラを有し、前記搬送駆動ローラは、前記第1遊星歯車から動力を入力し、
前記プラテンローラは、前記第2遊星歯車から動力を入力し、
前記リボン送り手段は、前記インクリボンを巻き取るリボン巻取り軸を有し、前記リボン巻取り軸は、前記第2中間歯車から動力を入力し、
前記離接手段は、前記第2遊星歯車を支持するキャリアを有し、前記キャリアは、前記第2遊星歯車を前記第2中間歯車に離接させ、
前記リボン送り停止手段は、前記第2遊星歯車であり、前記キャリアにより前記第2遊星歯車が前記第2中間歯車から離れることで、前記第2中間歯車への動力を遮断することを特徴とする請求項8に記載の用紙束印刷システム。
【請求項10】
前記用紙束の最上位の用紙から1枚ずつ引き剥がしてこれに印刷を行う用紙束プリンタと、前記用紙束プリンタに接続され、前記用紙束プリンタを制御するためのコンピュータと、を備えた用紙束印刷システムにおいて、
前記用紙束プリンタは、前記用紙搬送手段、前記印刷手段、前記リボン送り手段、前記離接手段、前記リボン送り停止手段および前記検出手段を有し、
前記コンピュータは、前記制御手段を有していることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の用紙束印刷システム。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれかに記載の用紙束印刷システムの全ての手段を備えたことを特徴とする用紙束プリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−30330(P2008−30330A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207145(P2006−207145)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】