説明

画像処理システム、情報処理装置、プログラムおよびジョブ実行方法

【課題】画像処理装置のセキュリティおよび利便性を向上すると共に、認証サーバにかかる負担を軽減し、さらには画像処理装置とジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行を速やかに開始できるようにする。
【解決手段】画像処理システム1は、ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバ4と、ジョブ連携サーバ4と連携してジョブを実行する画像処理装置5と、ジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを発行する認証サーバ2と、認証サーバ2からジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを取得する情報処理装置3とを備える。情報処理装置3は、認証サーバ2から、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを取得して画像処理装置5に送信し、画像処理装置5は、情報処理装置3から取得するチケットを利用してジョブ連携サーバ4にアクセスし、ジョブ連携サーバ4と連携してジョブを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、情報処理装置、プログラムおよびジョブ実行方法に関し、特に、認証サーバにより発行されるチケットを利用して画像処理装置とジョブ連携サーバとによる連携したジョブを実行させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスなどに設置されるデジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと称される画像処理装置は、ネットワークに接続されている。ネットワークには、画像処理装置の他、コンピュータや、各種機能を提供するサーバなども接続されている。またサーバには、ユーザを認証する認証サーバや、画像処理装置と連携して一のジョブを実行するジョブ連携サーバなどがある。
【0003】
一方、近年のネットワークシステムとして、ケルベロス(Kerberos)認証を利用したチケット型シングルサインオンシステムが知られている。このシステムでは、ユーザが画像処理装置を操作してユーザIDやパスワードなどの認証情報を入力すると、画像処理装置から認証サーバに認証要求が送信される。そして認証サーバでユーザ認証が行われ、ユーザ認証に成功すると、認証サーバから画像処理装置にそのユーザに対応した基チケット(TGT:Ticket Granting Ticket)が送信される。この基チケットは画像処理装置に保存される。そしてユーザの指示操作に基づき、画像処理装置がジョブ連携サーバと連携してジョブの実行を行う場合、画像処理装置は基チケットを認証サーバに送信し、ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを要求する。認証サーバは、この要求に基づき、ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを画像処理装置に送信する。そして画像処理装置は、そのチケットを利用してジョブ連携サーバにアクセスすることにより、ジョブ連携サーバと連携してジョブの実行を行うことが可能になる。
【0004】
上記のようなシステムでは、認証サーバが予め発行した基チケットに基づいて各ユーザがジョブ連携サーバを利用する権限を有するか否かを判断する。そしてジョブ連携サーバを利用する権限があれば、その基チケットに基づいてジョブ連携サーバを利用するためのチケットが発行される。そのため、各ユーザが画像処理装置に対する指示操作を行ってジョブ連携サーバにアクセスしようとする際には、その都度、ユーザIDやパスワードなどを入力する必要がないという点で操作性に優れている。
【0005】
しかし、上記のようなシステムでは、ユーザが画像処理装置を操作し、画像処理装置とジョブ連携サーバとを連携させてジョブを実行させようとしたタイミングで、画像処理装置が認証サーバからジョブ連携サーバを利用するためのチケットを取得するための動作を開始する。そのため、画像処理装置においてジョブの実行が開始されるまでに時間を要するという問題がある。
【0006】
またオフィスなどに設置される画像処理装置は、複数のユーザによって使用され、しかも使用するユーザが頻繁に入れ替わる。そのため、各ユーザが最初に画像処理装置を使用する際に、画像処理装置が認証サーバからそのユーザに対応した基チケットを取得して保存しておくようにすると、画像処理装置に保存されている基チケットが第三者により不正に利用されてしまう可能性があり、セキュリティを低下させる要因となる。
【0007】
一方、ユーザが入れ替わる度に基チケットを削除することも考えられるが、この場合、画像処理装置は、ユーザが入れ替わる度にユーザIDやパスワードなどの入力を促し、認証サーバに認証要求を送信する処理を行うことが必要となる。そのため、同じユーザが繰り返し頻繁に画像処理装置を使用する場合には、その都度、ユーザIDとパスワードを入力しなければならなくなり、操作性が低下する。またこの場合、画像処理装置のユーザが入れ替わる度に、認証サーバに認証要求が送信されることとなり、認証サーバにかかる負荷が大きくなる。特にネットワーク環境に複数の画像処理装置が設置されており、認証サーバがそれら複数の画像処理装置を一元管理している場合には、認証サーバにかかる負荷が過大なものとなる。
【0008】
ところで、従来、ユーザIDとパスワードを入力するユーザの操作負担を軽減するため、認証サーバから取得した基チケットをリムーバブルメディアに記録しておくようにした技術が公知である(例えば特許文献1)。この従来技術によれば、リムーバブルメディアを画像処理装置に装着することにより、そのリムーバブルメディアに記録されている基チケットを利用することができるので、ユーザはユーザIDとパスワードを入力する操作を省略することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−110351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来技術の場合、ユーザは、画像処理装置を使用するためには、基チケットの記録されたリムーバブルメディアを常に持ち運ばなければならず、利便性が悪いという問題がある。また、ユーザが画像処理装置を使用した後、万一、リムーバブルメディアを取り外すことを忘れて画像処理装置から立ち去ってしまった場合、第三者に基チケットが不正利用されてしまうという問題がある。さらに、リムーバブルメディアに基チケットを記録している場合であっても、画像処理装置がジョブ連携サーバにアクセスする際には、リムーバブルメディアが装着されてから基チケットを認証サーバに送信し、ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを取得するための動作を開始しなければならず、依然として、ジョブの実行が開始されるまでに時間を要するという問題がある。
【0011】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、画像処理装置に基チケットを残すことなく、認証サーバにかかる負担を軽減し、さらには画像処理装置とジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行を速やかに開始することができるようにして画像処理装置のセキュリティおよび利便性を向上させることを可能にする画像処理システム、情報処理装置、プログラムおよびジョブ実行方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像処理システムであって、ネットワークに接続される、ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバと、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行する画像処理装置と、ユーザ認証を行ってユーザに対応する基チケットを発行すると共に、該基チケットに基づいて前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを発行する認証サーバと、ユーザにより入力される認証情報に基づいて前記認証サーバに認証要求を行うことにより前記認証サーバから前記基チケットを取得して保持すると共に、前記基チケットを用いて前記認証サーバから前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを取得する情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記基チケットを用いて前記認証サーバから、前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを取得して前記画像処理装置に送信し、前記画像処理装置は、前記情報処理装置から取得するチケットを利用して前記ジョブ連携サーバにアクセスし、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項2にかかる発明は、請求項1記載の画像処理システムにおいて、前記ネットワークには、前記画像処理装置が複数接続されており、前記情報処理装置は、前記複数の画像処理装置の使用履歴に基づいて、前記複数の画像処理装置のうちから所定数の画像処理装置をチケットの送信先として決定し、前記所定数の画像処理装置に対して前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを送信することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項3にかかる発明は、請求項2記載の画像処理システムにおいて、前記ジョブ連携サーバは、前記所定数の画像処理装置のうちの一の画像処理装置と連携してジョブの実行を終了することに伴い、前記情報処理装置に対し、前記一の画像処理装置との連携したジョブの実行が終了したこと示すジョブ終了通知を送信し、前記情報処理装置は、前記ジョブ終了通知に基づいて、前記所定数の画像処理装置のうちの前記一の画像処理装置を除く他の画像処理装置に対してチケット削除指令を送信することにより、前記他の画像処理装置に送信したチケットを削除させることを特徴とする構成である。
【0015】
請求項4にかかる発明は、ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバ、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行する画像処理装置、および、ユーザ認証を行ってユーザに対応する基チケットを発行すると共に、該基チケットに基づいて前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを発行する認証サーバのそれぞれとネットワークを介して接続される情報処理装置であって、前記認証サーバに対して認証情報を付加した認証要求を送信することにより、前記認証サーバから前記基チケットを取得する基チケット取得手段と、前記基チケット取得手段により取得される前記基チケットを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶される前記基チケットを前記認証サーバに送信することにより、前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを前記認証サーバから取得する利用チケット取得手段と、前記利用チケット取得手段により取得される前記チケットを、前記画像処理装置に送信することにより、前記画像処理装置による前記ジョブ連携サーバの利用を可能にするチケット送信手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0016】
請求項5にかかる発明は、請求項4記載の情報処理装置において、前記ネットワークには、前記画像処理装置が複数接続されており、前記情報処理装置は、さらに、前記複数の画像処理装置の使用履歴に基づいて、前記複数の画像処理装置のうちから所定数の画像処理装置をチケットの送信先として決定するチケット送信先決定手段を備え、前記チケット送信手段は、前記所定数の画像処理装置に対して前記利用チケット取得手段により取得される前記チケットを送信することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項6にかかる発明は、請求項5記載の情報処理装置において、前記所定数の画像処理装置のうちの一の画像処理装置と、前記ジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行が終了したことを示すジョブ終了通知を受信する受信手段と、前記ジョブ終了通知に基づいて、前記所定数の画像処理装置のうちの前記一の画像処理装置を除く他の画像処理装置に対してチケット削除指令を送信することにより、前記他の画像処理装置に送信した前記チケットを削除させるチケット削除指令手段と、をさらに備えることを特徴とする構成である。
【0018】
請求項7にかかる発明は、ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバ、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行する画像処理装置、および、ユーザ認証を行ってユーザに対応する基チケットを発行すると共に、該基チケットに基づいて前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを発行する認証サーバのそれぞれとネットワークを介して接続される情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、前記認証サーバに対して認証情報を付加した認証要求を送信することにより、前記認証サーバから前記基チケットを取得する基チケット取得手段、前記基チケット取得手段により取得される前記基チケットを所定の記憶手段に記憶させる手段、前記記憶手段に記憶される前記基チケットを前記認証サーバに送信することにより、前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを前記認証サーバから取得する利用チケット取得手段、および、前記利用チケット取得手段により取得される前記チケットを、前記画像処理装置に送信することにより、前記画像処理装置による前記ジョブ連携サーバの利用を可能にするチケット送信手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0019】
請求項8にかかる発明は、請求項7記載のプログラムにおいて、前記ネットワークには、前記画像処理装置が複数接続されており、前記プログラムは、前記情報処理装置を、前記複数の画像処理装置の使用履歴に基づいて、前記複数の画像処理装置のうちから所定数の画像処理装置をチケットの送信先として決定するチケット送信先決定手段としてさらに機能させると共に、前記チケット送信手段には、前記所定数の画像処理装置に対して前記利用チケット取得手段により取得される前記チケットを送信させることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項9にかかる発明は、請求項8記載のプログラムにおいて、前記情報処理装置を、さらに、前記所定数の画像処理装置のうちの一の画像処理装置と、前記ジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行が終了したことを示すジョブ終了通知を受信する手段、および、前記ジョブ終了通知に基づいて、前記所定数の画像処理装置のうちの前記一の画像処理装置を除く他の画像処理装置に対してチケット削除指令を送信することにより、前記他の画像処理装置に送信したチケットを削除させるチケット削除指令手段、として機能させることを特徴とする構成である。
【0021】
請求項10にかかる発明は、ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバと、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行する画像処理装置と、ユーザ認証を行ってユーザに対応する基チケットを発行すると共に、該基チケットに基づいて前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを発行する認証サーバと、前記認証サーバから前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを取得する情報処理装置とがネットワークに接続された画像処理システムにおけるジョブ実行方法であって、(a) 前記情報処理装置が、ユーザにより入力される認証情報に基づいて前記認証サーバに認証要求を行うことにより、前記認証サーバから前記基チケットを取得して保持するステップと、(b) 前記情報処理装置から前記認証サーバに対し、前記基チケットを用いて前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケット発行要求を行うステップと、(c) 前記認証サーバから前記情報処理装置に対し、前記チケット発行要求に基づいて前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを送信するステップと、(d) 前記情報処理装置が前記認証サーバより取得するチケットを、前記画像処理装置に送信するステップと、(e) 前記画像処理装置において受信されるチケットを所定の記憶手段に記憶するステップと、(f) 前記記憶手段に記憶されるチケットを利用して、前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバにアクセスし、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行するステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項11にかかる発明は、請求項10記載のジョブ実行方法において、前記ネットワークには、前記画像処理装置が複数接続されており、前記ステップ(d)は、前記複数の画像処理装置の使用履歴に基づいて、前記複数の画像処理装置のうちから所定数の画像処理装置をチケットの送信先として決定し、前記所定数の画像処理装置に対してチケットを送信することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項12にかかる発明は、請求項11記載のジョブ実行方法において、 (g) 前記情報処理装置が、前記所定数の画像処理装置のうちの一の画像処理装置と、前記ジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行が終了したことを示すジョブ終了通知を受信するステップと、(h) 前記情報処理装置が、前記ジョブ終了通知に基づいて、前記所定数の画像処理装置のうちの前記一の画像処理装置を除く他の画像処理装置に対してチケット削除指令を送信することにより、前記他の画像処理装置に送信したチケットを削除させるステップと、をさらに有することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、画像処理装置がジョブ連携サーバを利用するためのチケットを、情報処理装置が認証サーバから取得することができる。そして情報処理装置から画像処理装置にそのチケットが送信されるので、画像処理装置は、情報処理装置から取得するチケットを利用してジョブ連携サーバにアクセスし、ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行することができるようになる。それ故、画像処理装置から認証サーバに対して認証要求が行われることはなく、認証サーバにかかる負担を軽減することができる。また、画像処理装置とジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行を速やかに開始することができるようになる。そしてその結果、画像処理装置のセキュリティおよび利便性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】画像処理システムの一構成例を示す図である。
【図2】情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【図3】ジョブ連携サーバの一構成例を示すブロック図である。
【図4】画像処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【図5】情報処理装置の制御部によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】連携ジョブ実行処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】連携ジョブ実行処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】画像処理装置の制御部によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】画像処理システムにおけるデータ通信の流れの一形態を示す図である。
【図10】画像処理システムにおけるデータ通信の流れの別の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0027】
図1は、本発明における画像処理システム1の一構成例を示す図である。この画像処理システム1は、認証サーバ2と、情報処理装置3と、ジョブ連携サーバ4と、複数の画像処理装置5(5a,5b,…)とが、ネットワーク6に接続された構成である。ネットワーク6は、例えばLAN(Local Area Network)などのネットワークである。このネットワーク6を介して、認証サーバ2、情報処理装置3、ジョブ連携サーバ4および画像処理装置5のそれぞれが相互にデータ通信可能となっている。尚、図例では、ネットワーク6に対し、画像処理装置5が2台接続されている場合を示しているが、3台以上の画像処理装置5が接続されていても良いし、1台であっても構わない。また情報処理装置3およびジョブ連携サーバ4についても1台に限られず、複数台がネットワーク6に接続されていても構わない。
【0028】
認証サーバ2は、ケルベロス認証を行うためのサーバであり、KDC(Key Distribution Center)とも呼ばれる。この認証サーバ2は、ネットワーク6を利用するユーザに関する情報を一元管理している。またこの認証サーバ2は、ネットワーク6を利用するユーザのユーザ認証を行ってそのユーザに対応した基チケット(TGT:Ticket Granting Ticket)を発行する認証装置2aと、基チケットに基づいてジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを発行するチケット発行装置2bとを備えている。基チケットは、チケット発行装置2bにおいてジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを発行する際に必要となる基本的なチケットである。またジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットは、ジョブ連携サーバ4を利用するために発行される専用のチケットであり、例えばネットワーク6に複数のジョブ連携サーバが接続されている場合、それぞれのジョブ連携サーバごとに発行されるチケットは異なるものとなる。このような認証サーバ2の機能により、画像処理システム1は、ケルベロス(Kerberos)認証を利用したチケット型シングルサインオンシステムとして構成されている。
【0029】
画像処理装置5は、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと称される装置であり、コピー機能、FAX機能、プリンタ機能、スキャナ機能などの複数の機能を備えており、これら各機能に関するジョブを実行する。また画像処理装置5は、ジョブ連携サーバ4と連携して一つのジョブを実行することができるようになっている。
【0030】
ジョブ連携サーバ4は、画像処理装置5においてジョブを実行するのに必要な所定の処理を行うサーバである。本実施形態ではジョブ連携サーバ4は、プルプリントサーバとして機能するように構成される。つまり、ジョブ連携サーバ4は、情報処理装置3からネットワーク6を介してジョブデータを受信すると、そのジョブデータを後述する記憶装置34に保存する。そして、そのジョブデータに対して画像処理装置5からのアクセス要求があれば、記憶装置34からジョブデータを読み出し、その画像処理装置5に送信する。
【0031】
ただし、本実施形態では、情報処理装置3および画像処理装置5のそれぞれがネットワーク6を介してジョブ連携サーバ4にアクセスするためには、ジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットをジョブ連携サーバ4に送信し、ジョブ連携サーバ4からアクセス許可を受けることが条件となる。そのため、情報処理装置3がジョブ連携サーバ4に対してジョブデータを送信する場合、それに先立って、認証サーバ2により発行されるジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを取得し、そのチケットをジョブ連携サーバ4に送信することによりジョブ連携サーバ4からアクセス許可を得る。また、画像処理装置5が、ジョブ連携サーバ4に保存されているジョブデータを取得する場合にも、それに先立って、認証サーバ2により発行されるジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを取得し、そのチケットをジョブ連携サーバ4に送信することによりジョブ連携サーバ4からアクセス許可を得る。
【0032】
このように本実施形態のジョブ連携サーバ4は、ネットワーク6を介して他の装置からアクセス要求があった場合、認証サーバ2によって発行された正規のチケットが添付されているか否かにより、そのアクセス要求を許可するか否かを判断するように構成されている。ジョブ連携サーバ4がチケットに基づいてアクセス許可を行うと、情報処理装置3および画像処理装置5のそれぞれがネットワーク6を介してジョブ連携サーバ4にアクセスすることが可能になる。そして画像処理装置5は、ジョブ連携サーバ4から取得するジョブデータに基づいてプリント出力を行うことにより、ジョブ連携サーバ4と連携してプリントジョブを実行する。
【0033】
情報処理装置3は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)などで構成される。図例では、情報処理装置3は、例えばユーザAによって専用される装置となっている。この情報処理装置3は、ユーザAによって入力されるユーザIDやパスワードなどの認証情報を添付した認証要求を認証サーバ2に送信する。そして認証サーバ2からユーザAに対応した基チケットを取得してこれを保存する。このユーザAに対応した基チケットは、情報処理装置3の電源がオフとなるまで情報処理装置3に保持される。そのため、ユーザAは、情報処理装置3の電源をオンにした後、ユーザIDやパスワードなどを入力する操作を少なくとも1回行って基チケットを取得しておけば、その後は電源をオフにするまでユーザIDやパスワードなどを入力する必要がなくなる。
【0034】
本実施形態の情報処理装置3は、ジョブ連携サーバ4に対してジョブデータを送信する際、予め取得した基チケットを利用して情報処理装置3がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットを取得し、そのチケットを利用してジョブデータをジョブ連携サーバ4に送信する。また情報処理装置3は、ジョブ連携サーバ4にジョブデータを送信した後、予め取得した基チケットを利用して画像処理装置5がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットを代理取得し、そのチケットを画像処理装置5に送信しておく。その後、ユーザAは情報処理装置3から画像処理装置5に移動して画像処理装置5に対する操作を行うことにより、予め画像処理装置5に送信されているチケットを利用して画像処理装置5からジョブ連携サーバ4にアクセスし、ジョブ連携サーバ4と画像処理装置5とを連携させてジョブデータに基づくジョブを実行させる。つまり、本実施形態の画像処理システム1は、画像処理装置5から認証サーバ2へのアクセスが発生しないように構成されている。以下、このような情報処理装置3、ジョブ連携サーバ4および画像処理装置5の詳細について説明する。
【0035】
まず、情報処理装置3について詳しく説明する。図2は、情報処理装置3の一構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置3は、表示部11と、操作部12と、記憶装置13と、制御部17と、ネットワークインタフェース18とを備えている。表示部11は、例えば液晶ディスプレイなどで構成される。操作部12は、キーボードやマウスなどを備えて構成される。記憶装置13は、ハードディスク装置などで構成される記憶手段である。制御部17は、CPUやメモリなどを備えて構成される。ネットワークインタフェース18は、情報処理装置3をネットワーク6に接続するためのものである。
【0036】
記憶装置13には、制御部17のCPUによって実行されるプログラム14が予めインストールされている。このプログラム14は、ジョブ連携サーバ4と画像処理装置5とが連携してジョブを実行することを可能にするプログラムであり、例えばプリンタドライバとして構成される。また記憶装置13には、認証サーバ2から取得される基チケット15や、プリント対象となる文書データ16などが記憶されている。ここで、文書データ16は、例えば機密性の高い文書データであり、画像処理装置5でプリント出力を行う場合、第三者によって閲覧されることを防止するために、情報処理装置3から画像処理装置5に対して直接ジョブデータを送信することが禁止されているものとする。そのため、情報処理装置3は、文書データ16に基づくプリント出力を行う場合、そのプリントジョブを、ジョブ連携サーバ4と画像処理装置5とが連携して行う連携ジョブとして設定し、文書データ16に基づいて生成されるジョブデータをジョブ連携サーバ4に送信する。
【0037】
制御部17は、CPUが記憶装置13にインストールされているプログラム14を読み出して実行することにより、基チケット取得部21、利用チケット取得部22、チケット送信部23、ジョブ送信部24、チケット送信先決定部25、ジョブ終了通知判定部26およびチケット削除指令部27として機能する。
【0038】
基チケット取得部21は、操作部12を介してユーザIDやパスワードなどの認証情報を入力すると、その認証情報を添付して認証サーバ2に対して認証要求を送信し、認証サーバ2からユーザAに対応する基チケット15を取得する処理部である。基チケット取得部21は、認証サーバ2から基チケット15を取得すると、その基チケット15を記憶装置13に保存する。尚、認証情報は、必ずしも操作部12を介して入力されるユーザIDやパスワードなどに限られず、例えばユーザAが所持するICカードを読み取って入力されるカード情報であっても良いし、またユーザAの指紋や静脈パターンなどを読み取って入力される生体情報であっても良い。
【0039】
利用チケット取得部22は、記憶装置13に保存されている基チケット15を読み出して認証サーバ2に送信することにより、ジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを取得する処理部である。この利用チケット取得部22は、情報処理装置3がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットを取得すると共に、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットを代理取得するように構成される。
【0040】
例えば、ユーザAが操作部12を操作することによって文書データ16を指定し、ジョブデータをジョブ連携サーバ4に送信することを指示した場合、利用チケット取得部22は、基チケット15を添付して、認証サーバ2に情報処理装置3がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットの発行要求を行う。このようにして利用チケット取得部22は、情報処理装置3がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを認証サーバ2から取得する。
【0041】
また利用チケット取得部22は、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットを取得する際には、基チケット15を添付すると共に、ジョブ連携サーバ4とデータ通信を行う相手が画像処理装置5であることを指定して、認証サーバ2にチケットの発行要求を行う。このようにして利用チケット取得部22は、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを認証サーバ2から取得する。
【0042】
チケット送信部23は、利用チケット取得部22が取得したチケットを、ネットワークインタフェース18を介して送信する処理部である。このチケット送信部23は、利用チケット取得部22により情報処理装置3がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットが取得された場合、そのチケットをジョブ連携サーバ4に送信する。また、利用チケット取得部22により画像処理装置5がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットが取得された場合、そのチケットを画像処理装置5に送信する。
【0043】
ジョブ送信部24は、チケット送信部23がチケットをジョブ連携サーバ4に送信した後、ジョブ連携サーバ4からアクセス許可があった場合に機能する。このジョブ送信部24は、記憶装置13から文書データ16を読み出し、その文書データ16に基づくジョブデータを生成してジョブ連携サーバ4に対してジョブデータを送信する。
【0044】
チケット送信先決定部25は、ネットワーク6に接続された複数の画像処理装置5(5a,5b,…)の中から、少なくとも1台の画像処理装置5をチケットの送信先として決定する処理部である。本実施形態では、ジョブ連携サーバ4が情報処理装置3からジョブデータを受信すると、それに伴い、ジョブ連携サーバ4から情報処理装置3に対し、ユーザAが過去にジョブ連携サーバ4と連携させてジョブの実行を行った画像処理装置5に関する使用履歴情報が送信される。そのため、チケット送信先決定部25は、ジョブ連携サーバ4から受信する使用履歴情報に基づき、ネットワーク6に接続されている複数の画像処理装置5(5a,5b,…)の中から、ユーザAによる使用頻度の高い所定数(例えば2,3台程度)の画像処理装置5を特定し、その特定した画像処理装置5をチケットの送信先として決定する。このように本実施形態では、チケット送信先決定部25が、ネットワーク6に接続されている複数の画像処理装置5(5a,5b,…)の中から、チケットの送信先となる画像処理装置5を自動決定するように構成されている。
【0045】
ただし、必ずしもチケット送信先決定部25がチケット送信先を自動決定するものには限られない。例えば、チケット送信先決定部25は、使用履歴情報に基づいてユーザAによる使用頻度の高い順に、表示部11に複数の画像処理装置5の一覧表示を行う。そして操作部12を介してユーザAによるチケット送信先となる画像処理装置5の選択操作を受け付け、ユーザAによって選択された少なくとも1台の画像処理装置5をチケットの送信先として決定するようにしても良い。
【0046】
上記のようにしてチケット送信先決定部25がチケットの送信先となる画像処理装置5を決定すると、その決定結果を利用チケット取得部22に出力する。そして利用チケット取得部22は、チケット送信先決定部25の決定結果に基づいて画像処理装置5がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットを認証サーバ2から取得する。そしてチケット送信部23は、利用チケット取得部22により取得されたチケットを、チケット送信先として決定された画像処理装置5に対して送信する。
【0047】
このとき、チケット送信部23は、複数の画像処理装置5に対してチケットを送信することがある。予め複数の画像処理装置5に対してチケットを送信しておくことにより、ユーザAは、チケットが送信された複数の画像処理装置5のうちから一の画像処理装置5を選択してジョブ連携サーバ4との連携したジョブの実行を行うことができる。例えば、ユーザAが普段使用する画像処理装置5が他のユーザによる使用中である場合、ユーザAは別の画像処理装置5を操作することにより、その画像処理装置5とジョブ連携サーバ4とを連携させてジョブの実行を行わせることが可能になる。
【0048】
またチケット送信部23は、画像処理装置5に対してチケットを送信する際、ユーザAに関するチケットであることを特定して送信する。これにより、チケットを受信する画像処理装置5は、どのユーザに関するチケットであるかを判別することができる。
【0049】
さらにチケット送信部23は、画像処理装置5に対してチケットを送信する際、ユーザAによって指定されたパスワードなどでそのチケットを暗号化した状態で送信することが好ましい。これにより、画像処理装置5に送信されたチケットが第三者によって不正使用されることを防止することができる。
【0050】
また本実施形態では、ジョブ連携サーバ4と画像処理装置5とによる連携したジョブの実行が終了すると、ジョブ連携サーバ4から情報処理装置3に対してジョブ終了通知が送信されるようになっている。図2に示す、ジョブ終了通知判定部26は、このジョブ終了通知を判定する処理部である。このジョブ終了通知判定部26は、ジョブ連携サーバ4から受信するジョブ終了通知に基づいて、ジョブ連携サーバ4と連携してジョブを実行した画像処理装置5を特定する。すなわち、チケット送信部23によって複数の画像処理装置5に対してジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットが送信されていることがあるため、ジョブ終了通知判定部26は、ジョブ連携サーバ4と連携してジョブを実行した画像処理装置5を特定することにより、チケットを送信した複数の画像処理装置5のうちで、チケットが使用されなかった画像処理装置5を特定する。そしてチケットが使用されなかった画像処理装置5を、チケット削除指令部27に指示する。
【0051】
チケット削除指令部27は、チケット送信部23がチケットを送信したにもかかわらず、そのチケットが使用されなかった画像処理装置5に対してチケット削除指令を送信することにより、使用されていないチケットを削除させる処理部である。これにより、チケットが使用されなかった画像処理装置5において、未使用のチケットが残存することを防ぎ、第三者によって未使用のチケットが不正使用されることを防止することができる。
【0052】
次に、ジョブ連携サーバ4について詳しく説明する。図3は、ジョブ連携サーバ4の一構成例を示すブロック図である。図3に示すように、ジョブ連携サーバ4は、制御部30と、ネットワークインタフェース33と、記憶装置34とを備えている。制御部30は、CPUやメモリなどを備えており、CPUが所定のプログラムを実行する。これにより、制御部30は、チケット判定部31および連携ジョブ処理部32として機能する。ネットワークインタフェース33は、ジョブ連携サーバ4をネットワーク6に接続するためのものである。記憶装置34は、ハードディスク装置などで構成される記憶手段である。この記憶装置34には、ユーザ毎の使用履歴情報35と、ジョブデータ36とが記憶される。
【0053】
チケット判定部31は、ネットワークインタフェース33を介してジョブ連携サーバ4に対するアクセス要求を受信した場合、そのアクセス要求に、認証サーバ2によって発行された正規のチケットが添付されているか否かを判定する処理部である。アクセス要求に正規のチケットが添付されている場合、チケット判定部31は、ネットワークインタフェース33を介してアクセス要求の送信元に対してアクセス許可を送信する。またチケット判定部31は、アクセス要求に添付されているチケットを判別することにより、ユーザAに関するチケットであることを特定する。一方、アクセス要求に正規のチケットが添付されていない場合、チケット判定部31は、アクセス許可を送信しない。
【0054】
連携ジョブ処理部32は、チケット判定部31によってアクセスが許可された通信先(情報処理装置3および画像処理装置5)とネットワークインタフェース33を介してデータ通信を行うことにより、画像処理装置5と連携してジョブを実行するために必要な処理を実行する処理部である。例えば、情報処理装置3からジョブデータ36を受信すると、連携ジョブ処理部32は、そのジョブデータ36を記憶装置34に保存する。このとき連携ジョブ処理部32は、ジョブデータ36をユーザAに関するジョブとして記憶装置34に保存する。そして記憶装置34からユーザAに関する使用履歴情報35を読み出し、その使用履歴情報35を情報処理装置3に送信する。これにより、情報処理装置3は、上述したように、使用履歴情報35に基づいてユーザAによる使用頻度の高い画像処理装置5をチケットの送信先として決定することができるようになる。
【0055】
また、連携ジョブ処理部32は、画像処理装置5からジョブデータ36の送信要求を受信した場合、記憶装置34からジョブデータ36を読み出し、そのジョブデータ36を画像処理装置5に送信する。そして連携ジョブ処理部32は、画像処理装置5との連携したジョブの実行が終了すると、使用履歴情報35を更新すると共に、情報処理装置3に対してジョブ終了通知を送信する。このとき送信されるジョブ終了通知には、ジョブデータ36の送信先となった一の画像処理装置5に関する情報が含まれる。それ故、情報処理装置3は、上述したように、このジョブ終了通知に基づいて、ジョブ連携サーバ4と連携してジョブを実行した一の画像処理装置5を特定することができるようになり、さらにはチケットが使用されなかった画像処理装置5を特定することもできるようになる。
【0056】
次に、画像処理装置5について詳しく説明する。図4は、画像処理装置5の一構成例を示すブロック図である。図4に示すように、画像処理装置5は、制御部40と、記憶装置45と、操作パネル47と、ネットワークインタフェース48と、プリンタ部49とを備えている。尚、画像処理装置5は、上記の他にもスキャナ部やFAX送受信部などを備えているが、それらについては図示を省略している。
【0057】
制御部40は、CPUやメモリなどを備えており、CPUが所定のプログラムを実行する。これにより、制御部40は、種々の処理部として機能するがその一部について例を挙げると、図4に示すように、チケット保存部41、アクセス要求部42、ジョブ実行部43、および、チケット削除部44として機能する。記憶装置45は、ハードディスク装置などで構成される記憶手段である。この記憶装置45には、情報処理装置3によって取得され、情報処理装置3から受信するチケット46が保存される。このチケット46は、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4にアクセスするためのチケットである。操作パネル47は、ユーザAが画像処理装置5を操作する際のユーザインターフェースとなるものであり、表示部47aと、操作部47bとを備えている。ネットワークインタフェース48は、画像処理装置5をネットワーク6に接続するためのものである。プリンタ部49は、制御部40によって駆動制御される機構部であり、ジョブデータに基づいてプリント出力を行うように構成される。
【0058】
制御部40のチケット保存部41は、情報処理装置3から受信するチケット46を記憶装置45に保存する処理部である。画像処理装置5が、情報処理装置3からチケット46を受信すると、そのチケットにはユーザを特定する情報が含まれている。そのため、チケット保存部41は、情報処理装置3から受信するチケット46をユーザと関連付けた状態で記憶装置45に保存する。本実施形態の場合、チケット46は、ユーザAに関するチケットとして記憶装置45に保存される。
【0059】
アクセス要求部42は、ユーザAが操作パネル47を操作することにより画像処理装置5にログインし、ジョブ連携サーバ4との連携したジョブの実行を指示すると、ユーザAに関するチケット46を記憶装置45から読み出す。そしてその読み出したチケット46を添付して、ジョブ連携サーバ4にアクセス要求を行う。このとき、チケット46がパスワードなどで暗号化されている場合には、表示部47aにパスワードなどの入力を促す画面を表示し、操作部47bを介して入力されるパスワードなどを用いてチケット46を復号化する。そしてその復号化したチケット46をジョブ連携サーバ4に送信する。このようにしてアクセス要求部42がチケット46を添付してアクセス要求を行った後、ジョブ連携サーバ4からアクセス許可があれば、ジョブ実行部43を機能させる。
【0060】
ジョブ実行部43は、ジョブ連携サーバ4と連携してジョブを実行する処理部である。ジョブ実行部43は、ジョブ連携サーバ4に対してジョブデータ36の送信要求を行う。これにより、ジョブ連携サーバ4は、画像処理装置5に対してジョブデータ36を送信する。そしてジョブ実行部43は、ジョブ連携サーバ4からジョブデータ36を受信すると、そのジョブデータ36をプリンタ部49に出力してプリンタ部49を駆動することにより、ジョブデータ36に基づくプリント出力を行わせる。このようにして画像処理装置5とジョブ連携サーバ4との連携したジョブの実行が終了する。
【0061】
チケット削除部44は、記憶装置45に記憶されているチケット46を削除する処理部である。このチケット削除部44は、チケット46が読み出されて使用されたタイミング、又はジョブ実行部43によるジョブの実行が終了したタイミングで記憶装置45からチケット46を削除する。またチケット削除部44は、チケット46が使用されていない状態であっても、情報処理装置3からチケット削除指令を受信すると、それによって指定されたチケット46を記憶装置45から削除する。したがって、既に使用されたチケット46や、未使用のチケット46が、記憶装置45に長期間保存され続けることを防止することができる。
【0062】
次に、情報処理装置3における具体的な動作の一例について説明する。図5乃至図7は、情報処理装置3の制御部17によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部17においてCPUがプログラム14を起動することにより開始される。
【0063】
図5に示すように、制御部17は、この処理を開始すると、操作部12を介してユーザIDとパスワードの入力を受け付ける(ステップS1)。そしてユーザAが操作部12を操作することによって入力されたユーザIDとパスワードとを認証サーバ2へ送信する(ステップS2)。その後、制御部17は、認証サーバ2から基チケット15を受信したか否かを判断し(ステップS3)、基チケット15を受信した場合にはステップS4に進む。一方、基チケット15を受信しなかった場合は、再度ユーザIDとパスワードの入力操作を受け付けるべく、ステップS1へ戻る。
【0064】
認証サーバ2から基チケット15を受信した場合、制御部17は、その基チケット15を記憶装置13に保存する(ステップS4)。その後、制御部17は、ユーザAによってジョブの実行指示が与えられるまで待機する(ステップS5)。ここで、ユーザAによって指定されるジョブは、ジョブ連携サーバ4と画像処理装置5とが連携して実行するジョブであるものとする。そしてユーザAによってジョブの実行指示が与えられた場合、制御部17は、連携ジョブ実行処理を行う(ステップS6)。
【0065】
図6および図7は、この連携ジョブ実行処理(ステップS6)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部17は、連携ジョブの実行が指示された場合、まず、記憶装置13に記憶されている基チケット15を読み出し(ステップS10)、その基チケット15を添付して、情報処理装置3がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットの発行を認証サーバ2に要求する(ステップS11)。これにより、制御部17は、情報処理装置3がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを認証サーバ2から取得する(ステップS12)。そして制御部17は、記憶装置13から文書データ16を読み出し、その文書データ16に基づいてジョブデータ36を生成する(ステップS13)。
【0066】
次に制御部17は、ステップS12で取得したチケットをジョブ連携サーバ4に送信し(ステップS14)、ジョブ連携サーバ4からアクセス許可があるまで待機する(ステップS15)。ジョブ連携サーバ4からアクセス許可があると(ステップS15でYES)、制御部17は、ステップS13で生成したジョブデータ36をジョブ連携サーバ4に送信する(ステップS16)。
【0067】
その後、制御部17は、ジョブ連携サーバ4から使用履歴情報35を受信するまで待機する(ステップS17)。そして使用履歴情報35を受信すると、その使用履歴情報35に基づいてチケット送信先となる画像処理装置5を決定する(ステップS18)。そして図7のフローチャートに進む。
【0068】
制御部17は、記憶装置13に記憶されている基チケット15を読み出し(ステップS20)、その基チケット15を添付して、ステップS18で決定された画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットの発行を認証サーバ2に要求する(ステップS21)。これにより、制御部17は、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット46を認証サーバ2から取得する(ステップS22)。そして制御部17は、画像処理装置5に送信するためのチケット46を暗号化し(ステップS23)、その暗号化したチケット46を、ステップS18で決定された画像処理装置5に送信する(ステップS24)。
【0069】
ユーザAは、この後、情報処理装置3から画像処理装置5に移動し、画像処理装置5を操作してジョブ連携サーバ4との連携したジョブの実行を指示する。
【0070】
一方、制御部17は、その後、ジョブ連携サーバ4からジョブ終了通知を受信するのを待機する状態となっており(ステップS25)、ジョブ終了通知を受信すると、そのジョブ終了通知に基づいてチケット未使用の画像処理装置5を特定する(ステップS26)。そしてステップS26で特定した画像処理装置5に対し、チケット削除指令を送信する(ステップS27)。尚、ステップS26でチケット未使用の画像処理装置5を特定できなかった場合(すなわち、1台の画像処理装置5に対してのみチケット46が送信されていた場合)、ステップS27の処理は行われない。以上で、情報処理装置3における一連の処理が終了する。
【0071】
次に画像処理装置5における具体的な動作の一例について説明する。図8は、画像処理装置5の制御部40によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部40が情報処理装置3からチケット46を受信することにより開始される。
【0072】
制御部40は、この処理を開始すると、情報処理装置3から受信したチケット46をユーザAに対応付けて記憶装置45に保存する(ステップS30)。その後、ユーザAが操作パネル47を操作し、ジョブの実行指示を与えたか否かを判断する(ステップS31)。
【0073】
ユーザAによるジョブの実行指示が与えられた場合(ステップS31でYES)、制御部40は、記憶装置45に保存しているチケット46を読み出す(ステップS32)。そしてユーザAによるパスワードの入力操作を受け付け(ステップS33)、入力されたパスワードに基づいてチケット46を復号化する(ステップS34)。そしてその復号化したチケット46をジョブ連携サーバ4に送信することにより、ジョブ連携サーバ4にアクセス要求を行う(ステップS35)。そしてジョブ連携サーバ4からアクセス許可があれば、制御部40は、ジョブ連携サーバ4からジョブデータ36を取得し(ステップS36)、その取得したジョブデータ36に基づいてジョブを実行する(ステップS37)。その後、ステップS38に進む。一方、ユーザAによるジョブの実行指示が与えられていない場合(ステップS31でNO)、上記ステップS32〜S37をスキップしてステップS38に進む。
【0074】
ステップS38に進むと、制御部40は、記憶装置45に保存しているチケット46を削除するか否かを判断する。ここでは、既にチケット46を使用している場合、又は情報処理装置3からチケット削除指令を受信している場合に、チケット46を削除する(すなわち、YES)と判断する。そしてチケット46を削除しないと判断した場合は、ステップS31に戻る。そしてユーザAによるジョブの実行指示が与えられるまで、又は情報処理装置3からチケット削除指令を受信するまで同じ判断が繰り返し行われる。これに対し、チケットを削除すると判断した場合(ステップS38でYES)、制御部40は、記憶装置45に保存されているチケット46を削除し、処理を終了する。
【0075】
次に、上記のように構成される画像処理システム1においてジョブ連携サーバ4と画像処理装置5とが連携して一のジョブを実行する場合の各装置間のデータ通信の流れについて説明する。図9は、画像処理システム1におけるデータ通信の流れを示す図である。尚、図9において括弧内の数字は、データ通信が行われる順番を示している。図9に示すように、(1)情報処理装置3がユーザIDとパスワードとを含む認証情報を認証サーバ2に送信する。(2)認証サーバ2は、ユーザ認証を行い、認証成功となると、情報処理装置3に対して基チケット15を送信する。この基チケット15は、情報処理装置3に保持される。その後、ユーザAが情報処理装置3に対し、ジョブ連携サーバ4を利用してジョブの実行を行うことを指示すると、(3)情報処理装置3は、認証サーバ2に対し、情報処理装置3がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット要求と基チケット15とを送信する。(4)認証サーバ2は、受信する基チケット15に基づいて情報処理装置3がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケットを発行し、情報処理装置3に送信する。(5)情報処理装置3は、認証サーバ2から取得したチケットをジョブ連携サーバ4に送信する。(6)ジョブ連携サーバ4は、チケットを受信すると、情報処理装置3に対してアクセス許可を送信する。そして、(7)情報処理装置3がジョブ連携サーバ4に対してジョブデータ36を送信する。(8)ジョブ連携サーバ4は、ジョブデータ36を受信すると、情報処理装置3に対し、使用履歴情報35を送信する。情報処理装置3は、その使用履歴情報35に基づいてチケット送信先となる画像処理装置5を決定する。そして、(9)情報処理装置3は、認証サーバ2に対し、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット要求と基チケット15とを送信する。(10)認証サーバ2は、受信する基チケット15に基づいて画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット46を発行し、そのチケット46を情報処理装置3に送信する。そして、(11)情報処理装置3は、認証サーバ2から受信したチケット46を画像処理装置5に送信する。このチケット46は、画像処理装置5に保持される。
【0076】
そしてユーザAが画像処理装置5の前に移動し、操作パネル47を操作することによってジョブ連携サーバ4との連携したジョブの実行を指示すると、(12)画像処理装置5はチケット46をジョブ連携サーバ4に送信する。(13)ジョブ連携サーバ4は、チケット46を受信すると、画像処理装置5に対してアクセス許可を送信する。そして、画像処理装置5からのジョブデータの送信要求に基づいて、(14)ジョブ連携サーバ4は、画像処理装置5に対し、ジョブデータ36を送信する。そして画像処理装置5においてジョブデータ36に基づくプリントジョブが実行される。
【0077】
その後、(15)ジョブ連携サーバ4は、情報処理装置3に対し、プリントジョブの行われた一の画像処理装置5を指定してジョブ終了通知を送信する。この後は図示を省略しているが、情報処理装置3が、チケット46が使用されなかった画像処理装置5に対し、チケット削除指令を送信する。そしてチケット削除指令を受信した画像処理装置5が、未使用のチケット46を削除する。
【0078】
以上のように本実施形態の画像処理システム1では、情報処理装置3だけが認証サーバ2から基チケット15を取得するように構成されている。そして、この情報処理装置3は、認証サーバ2から、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット46を取得し、その取得したチケット46を画像処理装置に送信する。そして画像処理装置5は、情報処理装置3から取得するチケット46を利用してジョブ連携サーバ4にアクセスし、ジョブ連携サーバ4と連携してジョブを実行するようになっている。そのため、本実施形態の画像処理システム1によれば、画像処理装置5に基チケットが保存された状態で残ることはない。よって、画像処理装置5を使用するユーザが頻繁に入れ替わる場合であっても、各ユーザに対応した基チケットが第三者によって不正に利用されてしまうことを良好に防止することができる。
【0079】
また、本実施形態の画像処理システム1は、ユーザAが画像処理装置5の操作パネル47を操作することによって画像処理装置5とジョブ連携サーバ4とを連携させて一のジョブを実行させようとするタイミングで既に画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット46を保持している。そのため、ユーザAによるジョブ実行指示があれば、画像処理装置5が速やかにジョブ連携サーバ4にアクセスすることが可能であり、画像処理装置5においてジョブの実行が開始されるまでに要する時間を従来よりも短縮させることができる。
【0080】
また、ユーザAが画像処理装置5を操作する際には、認証サーバ2に対してユーザIDやパスワードなどの認証情報が送信されないので、認証サーバにかかる負担を軽減することも可能である。さらには、ユーザAが情報処理装置3から画像処理装置5へと移動する際には、リムーバブルメディアなどを持参する必要もないので、利便性が高い。
【0081】
以上のように本実施形態の画像処理システム1によれば、画像処理装置とジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行を速やかに開始することができるようになり、さらには画像処理装置のセキュリティおよび利便性を向上させることも可能である。
【0082】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明には、上述した実施形態以外にも種々の変形例が適用可能である。
【0083】
例えば、上述の実施形態では、情報処理装置3がジョブデータ36をジョブ連携サーバ4に送信することに伴い、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット46を認証サーバ2から取得して画像処理装置5に送信する処理を一連の動作として実行する。しかしながら、本発明は、必ずしもそのような実施形態に限られない。例えば、ユーザAが画像処理装置5を操作することに伴って、画像処理装置5から情報処理装置3にチケット取得要求が送信され、情報処理装置3は画像処理装置5からチケット取得要求を受信した場合に、その画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット46を認証サーバ2から取得するような構成としても良い。以下、この場合における各装置間のデータ通信の流れについて説明する。
【0084】
図10は、画像処理システム1におけるデータ通信の流れの別の形態を示す図である。尚、図10において括弧内の数字は、データ通信が行われる順番を示している。また、図10に示すように、情報処理装置3の記憶装置13には予めユーザAに対応する基チケット15が保存されており、またジョブ連携サーバ4の記憶装置34には既にジョブデータ36が保存されているものとする。このような状況の下、ユーザAが画像処理装置5の操作パネル47を操作することにより、ジョブ連携サーバ4にアクセスしてジョブデータ36に基づくプリントジョブの実行を指示すると、(1)画像処理装置5は、情報処理装置3に対し、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット46の取得を要求する。(2)情報処理装置3は、このチケット取得要求を受信すると、認証サーバ2に対し、画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット要求と基チケット15とを送信する。(3)認証サーバ2は、受信する基チケット15に基づいて画像処理装置5がジョブ連携サーバ4を利用するためのチケット46を発行し、情報処理装置3に送信する。そして、(4)情報処理装置3は、認証サーバ2から取得したチケット46を画像処理装置5に送信する。このとき、情報処理装置3は、チケット取得要求の送信元である1台の画像処理装置5にのみ、チケット46を送信する。そして、(5)画像処理装置5はチケット46をジョブ連携サーバ4に送信する。(6)ジョブ連携サーバ4は、チケット46を受信すると、画像処理装置5に対してアクセス許可を送信する。そして、画像処理装置5からのジョブデータの送信要求に基づいて、(7)ジョブ連携サーバ4は、画像処理装置5に対し、ジョブデータ36を送信する。そして画像処理装置5においてジョブデータ36に基づくプリントジョブが実行される。
【0085】
上記図10のような形態の場合、ユーザAが画像処理装置5を操作することによってチケット46を取得するための動作が開始されるので、画像処理装置5においてジョブの実行が開始されるまでにある程度の時間を要することとなる。しかし、その反面、画像処理装置5に基チケットが残ることはないので、第三者による基チケットの不正使用は防止することができる。また、ユーザAが画像処理装置5を操作する際には、認証サーバ2でユーザ認証を行うためのユーザIDやパスワードなどの認証情報を入力する必要がなく、しかも、リムーバブルメディアなどを持参する必要もないので、利便性の高いシステムを実現することができる。
【0086】
また、上述した実施形態では、画像処理装置5とジョブ連携サーバ4とが連携して行うジョブの一例としてプリントジョブを例示したが、これに限られるものでもない。例えば、画像処理装置5とジョブ連携サーバ4とが連携してFAXジョブやスキャンジョブを実行するものであっても構わない。またジョブ連携サーバ4が画像処理装置5に搭載されていない画像処理などを実行するものであっても構わない。
【符号の説明】
【0087】
1 画像処理システム
2 認証サーバ
3 情報処理装置
4 ジョブ連携サーバ
5 画像処理装置
6 ネットワーク
22 利用チケット取得部(チケット取得手段)
23 チケット送信部(チケット送信手段)
25 チケット送信先決定部(チケット送信先決定手段)
27 チケット削除指令部(チケット削除指令手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される、
ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバと、
前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行する画像処理装置と、
ユーザ認証を行ってユーザに対応する基チケットを発行すると共に、該基チケットに基づいて前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを発行する認証サーバと、
ユーザにより入力される認証情報に基づいて前記認証サーバに認証要求を行うことにより前記認証サーバから前記基チケットを取得して保持すると共に、前記基チケットを用いて前記認証サーバから前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを取得する情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、前記基チケットを用いて前記認証サーバから、前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを取得して前記画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置は、前記情報処理装置から取得するチケットを利用して前記ジョブ連携サーバにアクセスし、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記ネットワークには、前記画像処理装置が複数接続されており、
前記情報処理装置は、前記複数の画像処理装置の使用履歴に基づいて、前記複数の画像処理装置のうちから所定数の画像処理装置をチケットの送信先として決定し、前記所定数の画像処理装置に対して前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを送信することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記ジョブ連携サーバは、前記所定数の画像処理装置のうちの一の画像処理装置と連携してジョブの実行を終了することに伴い、前記情報処理装置に対し、前記一の画像処理装置との連携したジョブの実行が終了したこと示すジョブ終了通知を送信し、
前記情報処理装置は、前記ジョブ終了通知に基づいて、前記所定数の画像処理装置のうちの前記一の画像処理装置を除く他の画像処理装置に対してチケット削除指令を送信することにより、前記他の画像処理装置に送信したチケットを削除させることを特徴とする請求項2記載の画像処理システム。
【請求項4】
ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバ、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行する画像処理装置、および、ユーザ認証を行ってユーザに対応する基チケットを発行すると共に、該基チケットに基づいて前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを発行する認証サーバのそれぞれとネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
前記認証サーバに対して認証情報を付加した認証要求を送信することにより、前記認証サーバから前記基チケットを取得する基チケット取得手段と、
前記基チケット取得手段により取得される前記基チケットを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶される前記基チケットを前記認証サーバに送信することにより、前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを前記認証サーバから取得する利用チケット取得手段と、
前記利用チケット取得手段により取得される前記チケットを、前記画像処理装置に送信することにより、前記画像処理装置による前記ジョブ連携サーバの利用を可能にするチケット送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記ネットワークには、前記画像処理装置が複数接続されており、
前記情報処理装置は、さらに、
前記複数の画像処理装置の使用履歴に基づいて、前記複数の画像処理装置のうちから所定数の画像処理装置をチケットの送信先として決定するチケット送信先決定手段を備え、
前記チケット送信手段は、前記所定数の画像処理装置に対して前記利用チケット取得手段により取得される前記チケットを送信することを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定数の画像処理装置のうちの一の画像処理装置と、前記ジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行が終了したことを示すジョブ終了通知を受信する受信手段と、
前記ジョブ終了通知に基づいて、前記所定数の画像処理装置のうちの前記一の画像処理装置を除く他の画像処理装置に対してチケット削除指令を送信することにより、前記他の画像処理装置に送信した前記チケットを削除させるチケット削除指令手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバ、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行する画像処理装置、および、ユーザ認証を行ってユーザに対応する基チケットを発行すると共に、該基チケットに基づいて前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを発行する認証サーバのそれぞれとネットワークを介して接続される情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記情報処理装置を、
前記認証サーバに対して認証情報を付加した認証要求を送信することにより、前記認証サーバから前記基チケットを取得する基チケット取得手段、
前記基チケット取得手段により取得される前記基チケットを所定の記憶手段に記憶させる手段、
前記記憶手段に記憶される前記基チケットを前記認証サーバに送信することにより、前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを前記認証サーバから取得する利用チケット取得手段、および、
前記利用チケット取得手段により取得される前記チケットを、前記画像処理装置に送信することにより、前記画像処理装置による前記ジョブ連携サーバの利用を可能にするチケット送信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
前記ネットワークには、前記画像処理装置が複数接続されており、
前記プログラムは、前記情報処理装置を、
前記複数の画像処理装置の使用履歴に基づいて、前記複数の画像処理装置のうちから所定数の画像処理装置をチケットの送信先として決定するチケット送信先決定手段としてさらに機能させると共に、
前記チケット送信手段には、前記所定数の画像処理装置に対して前記利用チケット取得手段により取得される前記チケットを送信させることを特徴とする請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記情報処理装置を、さらに、
前記所定数の画像処理装置のうちの一の画像処理装置と、前記ジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行が終了したことを示すジョブ終了通知を受信する手段、および、
前記ジョブ終了通知に基づいて、前記所定数の画像処理装置のうちの前記一の画像処理装置を除く他の画像処理装置に対してチケット削除指令を送信することにより、前記他の画像処理装置に送信したチケットを削除させるチケット削除指令手段、
として機能させることを特徴とする請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
ジョブの実行に必要な所定の処理を行うジョブ連携サーバと、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行する画像処理装置と、ユーザ認証を行ってユーザに対応する基チケットを発行すると共に、該基チケットに基づいて前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを発行する認証サーバと、前記認証サーバから前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを取得する情報処理装置とがネットワークに接続された画像処理システムにおけるジョブ実行方法であって、
(a) 前記情報処理装置が、ユーザにより入力される認証情報に基づいて前記認証サーバに認証要求を行うことにより、前記認証サーバから前記基チケットを取得して保持するステップと、
(b) 前記情報処理装置から前記認証サーバに対し、前記基チケットを用いて前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケット発行要求を行うステップと、
(c) 前記認証サーバから前記情報処理装置に対し、前記チケット発行要求に基づいて前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバを利用するためのチケットを送信するステップと、
(d) 前記情報処理装置が前記認証サーバより取得するチケットを、前記画像処理装置に送信するステップと、
(e) 前記画像処理装置において受信されるチケットを所定の記憶手段に記憶するステップと、
(f) 前記記憶手段に記憶されるチケットを利用して、前記画像処理装置が前記ジョブ連携サーバにアクセスし、前記ジョブ連携サーバと連携してジョブを実行するステップと、
を有することを特徴とするジョブ実行方法。
【請求項11】
前記ネットワークには、前記画像処理装置が複数接続されており、
前記ステップ(d)は、前記複数の画像処理装置の使用履歴に基づいて、前記複数の画像処理装置のうちから所定数の画像処理装置をチケットの送信先として決定し、前記所定数の画像処理装置に対してチケットを送信することを特徴とする請求項10記載のジョブ実行方法。
【請求項12】
(g) 前記情報処理装置が、前記所定数の画像処理装置のうちの一の画像処理装置と、前記ジョブ連携サーバとによる連携したジョブの実行が終了したことを示すジョブ終了通知を受信するステップと、
(h) 前記情報処理装置が、前記ジョブ終了通知に基づいて、前記所定数の画像処理装置のうちの前記一の画像処理装置を除く他の画像処理装置に対してチケット削除指令を送信することにより、前記他の画像処理装置に送信したチケットを削除させるステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項11記載のジョブ実行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−180972(P2011−180972A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46578(P2010−46578)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】