説明

画像処理システム、画像処理装置、読取装置及びプログラム

【課題】原稿の読取画像の送信に先立ってその読取画像よりサイズの小さい読取画像を送信しない場合に比較して、画像処理により得られる画像データの品質を維持しつつ原稿の読取画像の送信から画像データが得られるまでに要する時間の短縮を図る。
【解決手段】原稿の第1の読取画像の送信時間が処理時間を上回る場合、第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、かつ第1の読取画像のサイズより小さくなる原稿の第2の読取画像を生成する読取部12と、第1の読取画像の送信に先立って第2の読取画像を送信する送信部14と、先に送信されてきた第2の読取画像を対象とした画像処理と共に、その後に受信された第1の読取画像を対象とした画像処理を並行して実施し、第2の画像処理の結果を、第1の画像処理の結果と合成することで原稿の読取画像に対する処理結果を得る画像処理部23と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理装置、読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
原稿をスキャンして得た読取画像を他の装置へ送信して、画像処理等の処理を実施させる場合がある。従来では、通信速度の遅い環境下において、他の装置において処理結果が得られるまでの時間の増加を防止するために、送信する読取画像の色数や解像度等の属性を変更して対応する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−064785号公報
【特許文献2】特開平09−261450号公報
【特許文献3】特開2002−094760号公報
【特許文献4】特開平08−242357号公報
【特許文献5】特開2003−274049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、原稿の読取画像の送信に先立ってその読取画像よりサイズの小さい読取画像を送信しない場合に比較して、画像処理により得られる画像データの品質を維持しつつ原稿の読取画像の送信から画像データが得られるまでに要する時間の短縮を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像処理システムは、原稿を読み取る読取装置と、複数の画像処理を行う画像処理装置と、を有し、前記読取装置は、所定の読取条件に従って原稿を読み取ることで第1の読取画像を生成する第1の読取画像生成手段と、前記第1の読取画像に基づいて前記第1の読取画像の前記画像処理装置における処理に要する時間を推定する処理時間推定手段と、前記画像処理装置との間の通信速度と前記第1の読取画像のサイズから前記第1の読取画像の前記画像処理装置への送信に要する時間を推定する送信時間推定手段と、前記送信に要する時間が前記処理に要する時間を上回る場合、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像を生成する第2の読取画像生成手段と、前記第1の読取画像を送信し、また、前記第2の読取画像が生成された場合には、前記第1の読取画像の送信に先立って前記第2の読取画像を送信する送信手段と、を有し、前記画像処理装置は、前記読取装置から送られてくる原稿の読取画像を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された読取画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段による画像処理の処理結果に基づき前記原稿に関する画像データを生成する画像データ生成手段と、を有し、前記画像処理手段は、前記第1の読取画像に先立って前記第2の読取画像が受信された場合、前記第2の読取画像を対象とした第2の画像処理を開始し、前記第2の読取画像の受信後に受信された前記第1の読取画像を対象とした、前記第2の画像処理とは異なる第1画像処理を前記第2の画像処理と並行して実施し、前記第2の画像処理の結果を、前記第1の画像処理の結果と合成することで前記原稿の読取画像に対する処理結果を得ることを特徴とする。
【0006】
また、前記画像処理手段は、前記第2の画像処理として、前記第2の読取画像に含まれている文字画像に対して文字認識処理を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る読取装置は、複数の画像処理を行う画像処理装置を有する画像処理システムにおける読取装置において、所定の読取条件に従って原稿を読み取ることで第1の読取画像を生成する第1の読取画像生成手段と、前記第1の読取画像に基づいて前記第1の読取画像の前記画像処理装置における処理に要する時間を推定する処理時間推定手段と、前記画像処理装置との間の通信速度と前記第1の読取画像のサイズから前記第1の読取画像の前記画像処理装置への送信に要する時間を推定する送信時間推定手段と、前記送信に要する時間が前記処理に要する時間を上回る場合、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像を生成する第2の読取画像生成手段と、前記第1の読取画像を送信し、また、前記第2の読取画像が生成された場合には、前記第1の読取画像の送信に先立って前記第2の読取画像を送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、原稿を読み取る読取装置を有する画像処理システムにおける画像処理装置において、前記読取装置から送られてくる、所定の読取条件に従って生成された原稿の第1の読取画像と、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像と、を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された読取画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、前記画像処理手段による画像処理の処理結果に基づき前記原稿に関する画像データを生成する画像データ生成手段と、を有し、前記画像処理手段は、前記第1の読取画像に先立って前記第2の読取画像が受信された場合、前記第2の読取画像を対象とした第2の画像処理を開始し、前記第2の読取画像の受信後に受信された前記第1の読取画像を対象とした、前記第2の画像処理とは異なる第1画像処理を前記第2の画像処理と並行して実施し、前記第2の画像処理の結果を、前記第1の画像処理の結果と合成することで前記原稿の読取画像に対する処理結果を得ることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプログラムは、複数の画像処理を行う画像処理装置を有する画像処理システムに含まれるコンピュータを、所定の読取条件に従って読み取られた原稿の第1の読取画像を生成する第1の読取画像生成手段、前記第1の読取画像に基づいて前記第1の読取画像の前記画像処理装置における処理に要する時間を推定する処理時間推定手段、前記画像処理装置との間の通信速度と前記第1の読取画像のサイズから前記第1の読取画像の前記画像処理装置への送信に要する時間を推定する送信時間推定手段、前記送信に要する時間が前記処理に要する時間を上回る場合、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像を生成する第2の読取画像生成手段、前記第1の読取画像を送信し、また、前記第2の読取画像が生成された場合には、前記第1の読取画像の送信に先立って前記第2の読取画像を送信する送信手段、として機能させるためのものである。
【0010】
本発明に係るプログラムは、原稿を読み取る読取装置を有する画像処理システムに含まれるコンピュータを、前記読取装置から送られてくる、所定の読取条件に従って生成された原稿の第1の読取画像と、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像と、を受信する受信手段、前記受信手段により受信された読取画像に対して画像処理を行う画像処理手段、前記画像処理手段による画像処理の処理結果に基づき前記原稿に関する画像データを生成する画像データ生成手段、として機能させ、前記画像処理手段は、前記第1の読取画像に先立って前記第2の読取画像が受信された場合、前記第2の読取画像を対象とした第2の画像処理を開始し、前記第2の読取画像の受信後に受信された前記第1の読取画像を対象とした、前記第2の画像処理とは異なる第1画像処理を前記第2の画像処理と並行して実施し、前記第2の画像処理の結果を、前記第1の画像処理の結果と合成することで前記原稿の読取画像に対する処理結果を得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によれば、原稿の読取画像の送信に先立ってその読取画像よりサイズの小さい読取画像を送信しない場合に比較して、画像処理により得られる画像データの品質を維持しつつ原稿の読取画像の送信から画像データが得られるまでに要する時間の短縮を図ることができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、第1の読取画像の受信が終了するのに先立って第2の読取画像に含まれている文字画像に対して文字認識処理を開始することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、原稿の読取画像の送信に要する時間が原稿の読取画像の処理に要する時間を上回る場合、原稿の読取画像の送信に先立ってその読取画像よりサイズの小さい読取画像を送信しない場合に比較して、画像処理により得られる画像データの品質を維持しつつ原稿の読取画像の送信から画像データが得られるまでに要する時間の短縮を図ることができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、原稿の読取画像の送信に要する時間が原稿の読取画像の処理に要する時間を上回る場合、原稿の読取画像の送信に先立ってその読取画像よりサイズの小さい読取画像を送信しない場合に比較して、画像処理により得られる画像データの品質を維持しつつ原稿の読取画像の送信から画像データが得られるまでに要する時間の短縮を図ることができる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、原稿の読取画像の送信に要する時間が原稿の読取画像の処理に要する時間を上回る場合、原稿の読取画像の送信に先立ってその読取画像よりサイズの小さい読取画像を送信しない場合に比較して、画像処理により得られる画像データの品質を維持しつつ原稿の読取画像の送信から画像データが得られるまでに要する時間の短縮を図ることができる。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、原稿の読取画像の送信に要する時間が原稿の読取画像の処理に要する時間を上回る場合、原稿の読取画像の送信に先立ってその読取画像よりサイズの小さい読取画像を送信しない場合に比較して、画像処理により得られる画像データの品質を維持しつつ原稿の読取画像の送信から画像データが得られるまでに要する時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る画像処理システムの一実施の形態を示したブロック構成図である。
【図2】本実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成図である。
【図3】本実施の形態における画像処理装置を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。
【図4】本実施の形態における画像処理システムのブロック構成の一例を示した図である。
【図5】本実施の形態におけるサービス要求処理を示したフローチャートである。
【図6】本実施の形態において取り扱う原稿の一例を示した図である。
【図7】本実施の形態における画像処理装置が実施する処理の流れの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る画像処理システムの一実施の形態を示したブロック構成図である。図1には、ネットワーク(図示せず)に接続された画像形成装置10及びクラウドコンピューティング2が示されている。画像形成装置10は、原稿を読み取る読取装置として設けられ、また原稿の読取画像を送信することでサービスの提供を要求する。クラウドコンピューティング2には、複数の画像処理を行う画像処理装置20と文書管理装置30とが含まれている。画像処理装置20は、その要求に応じて画像処理を実行する。文書管理装置30は、各画像処理装置20における画像処理の結果得られた画像データを保持、管理する。
【0020】
図2は、本実施の形態における画像形成装置10のハードウェア構成図である。画像形成装置10は、スキャナ機能、コピー機能、データ通信機能等各種機能を搭載した複合機であり、コンピュータを内蔵した装置である。図2において、CPU41は、ROM49に格納されたプログラムにしたがってスキャナ44やプリンタエンジン46等本装置に搭載された各種機構の動作制御を行う。アドレスデータバス42は、CPU41の制御対象となる各種機構と接続してデータの通信を行う。操作パネル43は、サービスメニュー等を表示したり、そのサービスメニュー等に対するユーザによる操作、指示を受け付ける。スキャナ44は、ユーザがセットした原稿を読み取り、電子データとしてHDD(Hard Disk Drive)45等に蓄積する。HDD45は、スキャナ44を使用して読み取った電子文書などの読取画像を格納する。プリンタエンジン46は、CPU41で実行される制御プログラムからの指示に従い出力用紙上に画像を印字する。ネットワークインタフェース(I/F)47は、ネットワーク(図示せず)を接続し、クラウドコンピューティング2などの他の装置へ電子データの送信したり、他の装置から送られてくる電子データを受信する。RAM48は、プログラム実行時のワークメモリや電子データ送受信時の通信バッファとして利用される。ROM49は、本装置の制御や電子データの暗号、電子データの送受信に関する各種プログラムが格納されている。各種プログラムが実行されることで後述する各構成要素が所定の処理機能を発揮する。外部メディアインタフェース(I/F)50は、USBメモリ、フラッシュメモリ等の外部メモリ機器とのインタフェースである。
【0021】
図3は、本実施の形態における画像処理装置20を形成するコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態において画像処理装置20を形成するサーバコンピュータは、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、図3に示したようにCPU51、ROM52、RAM53、ハードディスクドライブ(HDD)54を接続したHDDコントローラ55、通信手段として設けられたネットワークコントローラ60を内部バス61に接続して構成される。また、入力手段としてのマウス56とキーボード57、表示装置としてのディスプレイ58をそれぞれ入出力コントローラ59に接続して設けてもよい。文書管理装置30もコンピュータであることから、そのハードウェア構成は、図3と同じように図示してもよい。
【0022】
図4は、本実施の形態における画像処理システムのブロック構成の一例を示した図である。画像形成装置10は、ユーザインタフェース(UI)部11、読取部12、判定部13、送信部14、文書取得部15及び処理制御部16を有する。ユーザインタフェース部11は、ユーザ操作に応じてサービスメニューの操作パネル43へ表示したり、操作パネル43に表示されたサービスメニューを通じてユーザにより入力された操作、指示等を受け付けるなど操作パネル43を介してユーザとの間で入出力を行う。読取部12は、スキャナ44を用いて原稿を読み取ることで読取画像を生成する。判定部13は、所定の読取条件に従って読み取った原稿の読取画像(以下、「第1の読取画像」とも称する)の送信に要する時間が第1の読取画像の処理に要する時間を上回るかどうかによって、後述する第2の読取画像を生成するかどうかを判定する。判定部13に含まれる処理時間推定部17は、第1の読取画像に基づいて第1の読取画像の画像処理装置20における処理に要する時間を推定する。また、送信時間推定部18は、画像形成装置10と画像処理装置20との間の回線の通信速度と第1の読取画像のサイズとから第1の読取画像の画像処理装置20への送信に要する時間を推定する。送信部14は、原稿の読取画像をクラウドコンピューティング2へ送信する。本実施の形態では、1つのサービス要求に対し2種類の読取画像を送信する場合もあるが、最初に送信する読取画像をサービス要求に含めるようにしてもよい。文書取得部15は、クラウドコンピューティング2により提供されたサービスの結果得られる電子文書を文書管理装置30から取得する。処理制御部16は、画像形成装置10における処理全体の動作制御を行う。
【0023】
画像形成装置10における各構成要素11〜16は、画像形成装置10を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU41で動作するプログラムとの協調動作により実現される。
【0024】
画像処理装置20は、受信部21、領域分割部22、画像処理部23、文書生成部24及び文書保存部25を有する。受信部21は、画像形成装置10から送られてくる原稿の読取画像を受信する。なお、本実施の形態では、サービス要求に対し読取画像が含まれている場合もあるので、受信部21は、サービス要求を受け付ける要求受付部を兼ねている。領域分割部22は、受信部21により受信された読取画像を画像の属性等に基づき分割する。画像処理部23は、要求された処理結果を得るために画像処理を行う。図4に示した画像処理部23は、搭載されたサービスを提供するために、画像処理として、OCR(Optical Character Recognition)を利用して文字認識を行う文字認識処理部26と、画像の圧縮処理機能を有する圧縮部27と、文字認識処理部26における処理結果を圧縮部27における処理結果に合成することで原稿の読取画像に対する処理結果を得る合成部28を有する。提供しうる画像処理として、その他にも翻訳機能等を文字認識機能の代わりに、あるいは文字認識機能と共に持たせてもよいが、本実施の形態の説明に用いないので便宜的に省略する。文書生成部24は、画像処理部23により得られた画像から、例えばPDF等要求された形式の電子文書を生成する。文書保存部25は、生成された電子文書を文書管理装置30に送信して保存させる。
【0025】
画像処理装置20における各構成要素21〜25は、画像処理装置20を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU51で動作するプログラムとの協調動作により実現される。
【0026】
文書管理装置30は、画像処理装置20からの要求に応じて画像処理装置20において生成された電子文書を受け取って文書記憶部32に保存したり、画像形成装置10からの要求に応じてサービスの実行の結果得られた電子文書を送信する文書管理部31を有し、クラウドコンピューティング2の中で生成された電子文書を保持、管理する。
【0027】
文書管理装置30における文書管理部31は、文書管理装置30を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU51で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、文書記憶部32は、文書管理装置30に搭載されたHDD54にて実現される。
【0028】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがインストールプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0029】
次に、本実施の形態における動作について説明する。ここでは、画像形成装置10が読み取った原稿のPDFファイルをクラウドコンピューティング2により提供されるサービスを利用して生成する場合を例にして説明する。まず、原稿のPDFファイルの生成サービスをクラウドコンピューティング2に依頼する画像形成装置10におけるサービス要求処理について図5に示したフローチャートを用いて説明する。
【0030】
画像形成装置10におけるユーザインタフェース部11は、ユーザが所定の操作に応じてサービスメニューを操作パネル43に表示する(ステップ110)。このサービスメニューには、クラウドコンピューティング2が提供するサービスの一覧が表示されており、ユーザは、その中から利用したいサービスを選択する。ここでは、原稿のPDFファイルを生成するサービスが選択されることになる。ユーザインタフェース部11は、このユーザによる選択操作により、利用されるサービスを特定する(ステップ120)。
【0031】
なお、ユーザインタフェース部11は、操作パネル43に、画像形成装置10に予め用意されているサービスメニューを表示してもよい。あるいは、ユーザインタフェース部11は、ユーザの所定の操作に応じてクラウドコンピューティング2にサービスメニューのダウンロード要求を送信し、クラウドコンピューティング2がこのダウンロード要求に応じて現時点で提供可能なサービスの一覧を含むサービスメニューを生成してダウンロードしてきたものを表示してもよい。
【0032】
続いて、読取部12は、サービスを利用するユーザによりスキャナ44にセットされた原稿を読み取る(ステップ130)。本実施の形態においては、図6に例示するように、文字や写真等の画像が混在したカラー原稿をPDFファイルの生成対象としているので、読取部12は、写真画像の品質を考慮して写真画像の画像処理に適合した読取条件、例えば解像度を300dpi、256階調度のRGBカラーモードという所定の読取条件で読み取る。なお、この所定の条件に従った読取動作で生成された原稿の読取画像を「第1の読取画像」と称することにする。なお、カラー原稿であるかどうかは、ユーザによる白黒原稿用ボタンではなくカラー原稿用ボタンの選択操作で認識できるようにしてもよいし、画像解析により認識してもよい。
【0033】
続いて、判定部13における処理時間推定部17は、第1の読取画像に基づいて画像処理装置20において第1の読取画像を処理するのに要する時間を推定する(ステップ140)。例えば、読取画像サイズと、当該サイズの読取画像を処理するのに必要とする標準的な時間とを対応付けた処理時間換算テーブルを予め用意しておき、処理時間推定部17は、読取部12により第1の読取画像が生成されると、処理時間換算テーブルを参照して、第1の読取画像のサイズに対応する処理に要する時間を得る。
【0034】
続いて、判定部13における送信時間推定部18は、第1の読取画像を画像処理装置20へ送信するのに要する時間を推定する(ステップ150)。これは、画像処理装置20との間の通信速度と第1の読取画像のサイズから送信に要する時間を推定する。
【0035】
なお、本来であれば、第1の読取画像を処理する画像処理装置20への送信に要する時間を推定すべきであるが、この時点では、クラウドコンピューティング2に含まれるどの画像処理装置20にサービス処理が依頼されるのかを特定できないので、クラウドコンピューティング2が第1の読取画像を受け取るまでに要する時間を、画像形成装置10からの要求に応じて第1の読取画像を処理する画像処理装置20への送信に要する時間とみなすことにする。
【0036】
通信速度は、画像形成装置10とクラウドコンピューティング2との間の回線速度を実際に計測することで取得してもよい。あるいは、画像形成装置10の設置時に実測した通信速度を記憶しておき、この値を取得してもよい。あるいは、回線の契約内容に関する電子データを参照して、その契約内容に基づく通信速度を参照してもよい。あるいは、サービスメニューをダウンロードして取得する場合は、そのダウンロードに要した時間及びサービスメニューのサイズに基づき通信速度を算出してもよい。なお、ステップ140とステップ150とは逆の順番に処理してもよい。
【0037】
以上のようにして、第1の読取画像の処理に要する推定された時間(以下、単に「処理時間」とも称する)と第1の読取画像の送信に要する推定された時間(以下、単に「送信時間」とも称する)とを求めると、判定部13は、その処理時間と送信時間とを比較する。そして、送信時間が処理時間を上回っている場合(ステップ160でY)、処理制御部16は、原稿の画像データの生成を要求してから生成されるまでに要する時間が、第1の読取画像のみを送信するより、次に説明する第2の読取画像を第1の読取画像に先立って送信した方が短いと判断し、読取部12に第2の読取画像の生成を指示する。
【0038】
読取部12は、この指示に従い、サービスを利用するユーザによりスキャナ44にセットされた原稿を読み取ることで第2の読取画像を生成する(ステップ170)。この原稿は、ステップ130で読み取った原稿を同じである。つまり、ユーザによる1回の読取指示で、原稿は、2度読み取られることになる。本実施の形態においては、図6に例示するように、文字や写真等の画像が混在したカラー原稿をPDFファイルの生成対象としているので、第1の読取画像は、前述したように写真画像の画像処理に適合した読取条件(解像度を300dpi、256階調度のRGBカラーモード)で読み取られた画像である。これに対し、第2の読取画像は、原稿のPDFファイルの生成というサービス要求に対し、原稿に含まれる文字画像の文字認識処理に適合させた読取条件で読み取らせることで生成する。ここで、OCR機能による文字認識処理は、相対的に負荷の高い画像処理であることから相対的に長い処理時間を要する。ただ、文字を認識するためにはモノクロの2階調で十分である。従って、本実施の形態では、第2の読取画像を、高負荷の画像処理である文字認識処理に適合した読取条件、例えば解像度を400dpi、2階調度の白黒モードという読取条件で読み取ることで生成する。第2の読取画像は、2階調度という256階調度の第1の読取画像より色深度の小さい読取条件で生成されることで、文字認識の精度向上のために解像度を第1の読取画像より高く設定してもなお、第1の読取画像より十分小さいサイズで生成されることになり、送信に要する時間は短くなる。
【0039】
このようにして、第2の読取画像が生成されると、送信部14は、第2の読取画像をクラウドコンピューティング2に送信することでPDFファイルの生成サービスを要求する(ステップ180)。そして、送信部14は、第2の読取画像の送信に続けて、取得済みの第1の読取画像をクラウドコンピューティング2へ送信する(ステップ190)。通信時間が処理時間を上回る場合、本実施の形態では、このように第1の読取画像の送信に先立って第2の読取画像を送信する。
【0040】
一方、送信時間が処理時間以下の場合(ステップ160でN)、処理制御部16は、原稿の画像データの生成を要求してから生成されるまでに要する時間が、前述した第2の読取画像を第1の読取画像に先立って送信しても短縮される見込みがないと判断し、第1の読取画像の送信を送信部14に指示する。送信部14は、この指示に応じて取得済みの第1の読取画像をクラウドコンピューティング2へ送信することでPDFファイルの生成サービスを要求する(ステップ190)。
【0041】
クラウドコンピューティング2は、画像形成装置10からのサービス要求を受け付けると、その要求されたサービスの提供に必要な処理を特定し、また各画像処理装置にかかる負荷等を参照に、その受け付けたサービスを提供させる画像処理装置20を決定する。
【0042】
続いて、サービスを提供することになった画像処理装置20における処理について図7を用いて説明する。なお、画像処理装置20は、同時並行して複数の処理を実行する場合があるので、フローチャートの形式にて処理手順を表していない。
【0043】
まず、送信時間が処理時間以下であることから画像形成装置10が第1の読取画像を送信した場合(図5のステップ160でN,ステップ190)、画像処理装置20は、図7(b)に示した手順で処理を実行する。すなわち、受信部21がその読取画像を受信することでサービスの要求を受け付けると(ステップ231)、領域分割部22は、文字、写真等の画像属性に基づき受け取った第1の読取画像を複数の領域に分割する(ステップ232)。続いて、画像処理部23は、得られた領域の中に文字画像が含まれている領域が存在するので、文字認識処理部26によりその領域に含まれている文字画像を対象に文字認識を行う(ステップ233)。続いて、圧縮部27により各領域に含まれる画像に対し圧縮処理を行うことで領域画像毎に最適化を図る(ステップ234)。各領域に含まれる画像に対して領域最適圧縮処理が施されると、合成部28は、第1の読取画像に対する文字認識処理部26による画像処理の結果を、第1の読取画像に対する圧縮部27による画像処理の結果と合成することで第1の読取画像に対する画像処理の結果を得る(ステップ235)。
【0044】
文書生成部24は、画像処理部23による処理の結果、得られた画像をPDFの構造に当てはめることでPDFファイルを生成する(ステップ236)。文書保存部25は、このようにして生成されたPDFファイルを文書管理装置30へ送信することで保存させる(ステップ237)。なお、以上の第1の読取画像飲みが送られてくる処理の場合は、従来と同じでもよい。
【0045】
以上の処理に対し、送信時間が処理時間を上回ることから画像形成装置10が第2の読取画像を先に送信してきた場合(図5のステップ160でY,ステップ180)、画像処理装置20は、図7(a)に示した手順で処理を実行する。すなわち、受信部21が第2の読取画像を受信することでサービスの要求を受け付けると(ステップ211)、領域分割部22は、文字、写真等の画像属性に基づき受け取った第2の読取画像を複数の領域に分割する(ステップ212)。続けて、画像処理部23は、得られた領域の中に文字画像が含まれている領域が存在するので、文字認識処理部26によりその領域に含まれている文字画像を対象に文字認識を開始する(ステップ213)。第2の読取画像は、前述したように文字認識処理に適した読取条件で生成されているので文字を精度良く認識しやすい。
【0046】
一方、受信部21が第2の読取画像を受信した後に続けて、図5のステップ190により画像形成装置10から送信されてくる第1の読取画像を受信することになるが(ステップ221)、この受信処理は、第2の読取画像を対象とした前述した処理(ステップ212,213)と並行して実施される。第1の読取画像が受信されると、領域分割部22は、上記と同様に受け取った第1の読取画像を複数の領域に分割する(ステップ222)。続いて、画像処理部23は、圧縮部27により各領域に含まれる画像に対し圧縮処理を行うことで領域画像毎に最適化を図る(ステップ223)。第2の読取画像を対象とした画像処理(ステップ213)と、第1の読取画像を対象とした画像処理(ステップ223)と、の両方が終了すると、合成部28は、第2の読取画像を対象とした文字認識処理部26による画像処理の結果を、第1の読取画像を対象とした圧縮部27による画像処理の結果と合成することで画像処理部23における画像処理の結果を得る(ステップ224)。なお、図7(a)では、第2の読取画像を用いた文字認識処理の終了を待って合成処理を行うように図示したが、第1の読取画像を用いた圧縮処理が後に終了しても、あるいは同時でも同様に画像合成により画像処理部23における画像処理の結果を得る。
【0047】
文書生成部24は、画像処理部23による処理の結果、得られた画像をPDFの構造に当てはめることでPDFファイルを生成する(ステップ225)。文書保存部25は、このようにして生成されたPDFファイルを文書管理装置30へ送信することで保存させる(ステップ226)。
【0048】
以上のようにして、画像形成装置10からのサービス要求に対し、原稿のPDFファイルを生成すると、クラウドコンピューティング2は、サービスの実行が終了した旨を要求元の画像形成装置10へ通知する。この通知には、ファイルの格納先を特定する情報が含まれている。この通知を受けユーザが所定のファイル取得操作をすると、文書取得部15は、クラウドコンピューティング2により提供されたサービスの結果得られる電子文書を文書管理装置30における通知された格納先から取得する。
【0049】
本実施の形態は、データ量が小さく、かつ処理負荷の大きい画像処理に利用されるだけでなく、その画像処理に適合した第2の読取画像を第1の読取画像の送信に先立って送信することで、サービス要求に応じて得られる処理結果の品質を維持しつつ画像形成装置10がサービスの要求をしてから結果が出力されるまでに要する時間を短縮させるようにした。すなわち、図7(b)に示した第1の読取画像だけから処理結果を得る時間より、図7(a)に示したように第1の読取画像に先立って第2の読取画像を送信して第1の読取画像及び第2の読取画像から処理結果を得るようにして時間差tが得られるようにした。換言すると、第1の読取画像だけから処理結果を得る時間の方が短くて時間差tが得られないようであれば、第2の読取画像を送信する意味がない。
【0050】
ところで、時間差tは、図7(a)に示したように第2の読取画像を対象にした処理の方が長い場合((第2の読取画像受信+領域分割+文字認識処理)−(第1の読取画像受信+領域分割+画像圧縮処理)>0)、(第1の読取画像受信+画像圧縮処理−第2の読取画像受信)=tである。一方、第1の読取画像を対象にした処理の方が長い場合((第2の読取画像受信+領域分割+文字認識処理)−(第1の読取画像受信+領域分割+画像圧縮処理)<0)、(文字認識処理−第2の読取画像受信)=tである。この時間差tが、たとえ第2の読取画像を送信する時間を追加したとしても得られるのであれば、画像形成装置10は、第2の読取画像を送信すればよい。具体的には、第2の読取画像を対象にした処理の方が長い場合は、(第1の読取画像受信+画像圧縮処理−2×第2の読取画像受信)>0、第1の読取画像を対象にした処理の方が長い場合は、(文字認識処理−2×第2の読取画像受信)>0、のとき、画像形成装置10は、第2の読取画像を送信すればよい。
【0051】
ただ、画像形成装置10は、第1の読取画像の受信時間は、図5のステップ150で推定した第1の読取画像の送信時間と同義なので、この時間を得ることは可能である。第2の読取画像の受信時間は、図5のステップ170をステップ150の前に実施することで取得することは可能である。また、画像圧縮処理及び文字認識処理に要する時間は、読取画像サイズ及び原稿を構成する文字等の画像属性の比率を求めることで、これらの情報からそれぞれの時間を推定することは可能かもしれない。しかしながら、画像処理装置20における画像圧縮処理と文字認識処理に要する時間を正確には導出できない。また、第1の読取画像を対象にした処理の方が長い場合か、あるいは第2の読取画像を対象にした処理の方が長い場合かは、サービスを依頼する時点で推定してもよいかもしれないが、実際には困難である。これらの推定に必要な情報の入力をユーザに求めることも現実的でない。そこで、本実施の形態では、第1の読取画像の送信時間が第1の読取画像の処理時間を上回れば、第2の読取画像を生成し送信するようにした。
【0052】
なお、本実施の形態では、第1の読取画像の送信時間と第1の読取画像の処理時間との大小関係を、第2の読取画像を生成、送信するかという判定に用いたが、この関係に限定する必要はない。例えば、回線の通信速度が遅ければ、第1の読取画像の送信時間がよけいにかかってくるので回線の通信速度のみを参照に判定してもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、原稿を、図5のステップ130とステップ170とで2度スキャナ44を用いて読み取った。つまり、読取部12が第1及び第2の各読取画像生成手段として用いられた。ただ、第1の読取画像の生成時に1度読み取って、第2の読取画像は、第1の読取画像の階調度変換等の画像変換を行うことで生成するようにしてもよい。この場合、画像変換手段が第2の読取画像生成手段となる。あるいは、最初の原稿の読取りの際に第1及び第2の読取画像以上の階調度、解像度で読み取って一時保存しておき、第1の読取画像及び第2の読取画像が必要なときにその保存しておいた読取画像を画像変換することで、それぞれ生成するようにしてもよい。この場合、画像変換手段が第1及び第2の各読取画像生成手段となる。
【0054】
なお、読取条件として階調度、解像度、カラーモードを例にして説明したが、その他にも濃度、コントラスト、圧縮率、ファイル形式等を指定してもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、第1の読取画像より階調度の低い第2の読取画像を生成したが、画像処理部23において実施される画像処理に適合した読取条件として、第1の読取画像より解像度の低い第2の読取画像を生成してもよい。すなわち、第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方を採用することで、第2の読取画像が第1の読取画像よりサイズが小さくなればよい。
【符号の説明】
【0056】
2 クラウドコンピューティング、10 画像形成装置、11 ユーザインタフェース(UI)部、12 読取部、13 判定部、14 送信部、15 文書取得部、16 処理制御部、17 処理時間推定部、18 送信時間推定部、20 画像処理装置、21 受信部、22 領域分割部、23 画像処理部、24 文書生成部、25 文書保存部、26 文字認識処理部、27 圧縮部、28 合成部、30 文書管理装置、31 文書管理部、32 文書記憶部、41,51 CPU、42 アドレスデータバス、43 操作パネル、44 スキャナ、45,54 ハードディスクドライブ(HDD)、46 プリンタエンジン、47 ネットワークインタフェース(I/F)、48,53 RAM、49,52 ROM、50 外部メディアインタフェース(I/F)、55 HDDコントローラ、56 マウス、57 キーボード、58 ディスプレイ、59 入出力コントローラ、60 ネットワークコントローラ、61 内部バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取装置と、
複数の画像処理を行う画像処理装置と、
を有し、
前記読取装置は、
所定の読取条件に従って原稿を読み取ることで第1の読取画像を生成する第1の読取画像生成手段と、
前記第1の読取画像に基づいて前記第1の読取画像の前記画像処理装置における処理に要する時間を推定する処理時間推定手段と、
前記画像処理装置との間の通信速度と前記第1の読取画像のサイズから前記第1の読取画像の前記画像処理装置への送信に要する時間を推定する送信時間推定手段と、
前記送信に要する時間が前記処理に要する時間を上回る場合、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像を生成する第2の読取画像生成手段と、
前記第1の読取画像を送信し、また、前記第2の読取画像が生成された場合には、前記第1の読取画像の送信に先立って前記第2の読取画像を送信する送信手段と、
を有し、
前記画像処理装置は、
前記読取装置から送られてくる原稿の読取画像を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された読取画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像処理の処理結果に基づき前記原稿に関する画像データを生成する画像データ生成手段と、
を有し、
前記画像処理手段は、前記第1の読取画像に先立って前記第2の読取画像が受信された場合、前記第2の読取画像を対象とした第2の画像処理を開始し、前記第2の読取画像の受信後に受信された前記第1の読取画像を対象とした、前記第2の画像処理とは異なる第1画像処理を前記第2の画像処理と並行して実施し、前記第2の画像処理の結果を、前記第1の画像処理の結果と合成することで前記原稿の読取画像に対する処理結果を得ることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記画像処理手段は、前記第2の画像処理として、前記第2の読取画像に含まれている文字画像に対して文字認識処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
複数の画像処理を行う画像処理装置を有する画像処理システムにおける読取装置において、
所定の読取条件に従って原稿を読み取ることで第1の読取画像を生成する第1の読取画像生成手段と、
前記第1の読取画像に基づいて前記第1の読取画像の前記画像処理装置における処理に要する時間を推定する処理時間推定手段と、
前記画像処理装置との間の通信速度と前記第1の読取画像のサイズから前記第1の読取画像の前記画像処理装置への送信に要する時間を推定する送信時間推定手段と、
前記送信に要する時間が前記処理に要する時間を上回る場合、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像を生成する第2の読取画像生成手段と、
前記第1の読取画像を送信し、また、前記第2の読取画像が生成された場合には、前記第1の読取画像の送信に先立って前記第2の読取画像を送信する送信手段と、
を有することを特徴とする読取装置。
【請求項4】
原稿を読み取る読取装置を有する画像処理システムにおける画像処理装置において、
前記読取装置から送られてくる、所定の読取条件に従って生成された原稿の第1の読取画像と、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像と、を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された読取画像に対して画像処理を行う画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像処理の処理結果に基づき前記原稿に関する画像データを生成する画像データ生成手段と、
を有し、
前記画像処理手段は、前記第1の読取画像に先立って前記第2の読取画像が受信された場合、前記第2の読取画像を対象とした第2の画像処理を開始し、前記第2の読取画像の受信後に受信された前記第1の読取画像を対象とした、前記第2の画像処理とは異なる第1画像処理を前記第2の画像処理と並行して実施し、前記第2の画像処理の結果を、前記第1の画像処理の結果と合成することで前記原稿の読取画像に対する処理結果を得ることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
複数の画像処理を行う画像処理装置を有する画像処理システムに含まれるコンピュータを、
所定の読取条件に従って読み取られた原稿の第1の読取画像を生成する第1の読取画像生成手段、
前記第1の読取画像に基づいて前記第1の読取画像の前記画像処理装置における処理に要する時間を推定する処理時間推定手段、
前記画像処理装置との間の通信速度と前記第1の読取画像のサイズから前記第1の読取画像の前記画像処理装置への送信に要する時間を推定する送信時間推定手段、
前記送信に要する時間が前記処理に要する時間を上回る場合、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像を生成する第2の読取画像生成手段、
前記第1の読取画像を送信し、また、前記第2の読取画像が生成された場合には、前記第1の読取画像の送信に先立って前記第2の読取画像を送信する送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
原稿を読み取る読取装置を有する画像処理システムに含まれるコンピュータを、
前記読取装置から送られてくる、所定の読取条件に従って生成された原稿の第1の読取画像と、前記第1の読取画像と比較して色深度が小さい又は解像度が低い、の少なくとも一方であって前記第1の読取画像のサイズより小さくなる前記原稿の第2の読取画像と、を受信する受信手段、
前記受信手段により受信された読取画像に対して画像処理を行う画像処理手段、
前記画像処理手段による画像処理の処理結果に基づき前記原稿に関する画像データを生成する画像データ生成手段、
として機能させ、
前記画像処理手段は、前記第1の読取画像に先立って前記第2の読取画像が受信された場合、前記第2の読取画像を対象とした第2の画像処理を開始し、前記第2の読取画像の受信後に受信された前記第1の読取画像を対象とした、前記第2の画像処理とは異なる第1画像処理を前記第2の画像処理と並行して実施し、前記第2の画像処理の結果を、前記第1の画像処理の結果と合成することで前記原稿の読取画像に対する処理結果を得ることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−199795(P2012−199795A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62808(P2011−62808)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】