説明

画像処理装置、その制御方法、及びプログラム

【課題】アクション情報が設定されたソフトボタンの使い勝手を向上させる。
【解決手段】ソフトボタンに対して設定されたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って、当該アクション情報に係る処理の内容をUI画面として確認表示するか否かの指定を、前記アクション情報の一部として指定する、又は当該ソフトボタンの操作態様に応じて指定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトボタンに対して設定されたアクション情報に係る処理の実行制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機能やファクシミリ通信機能、ネットワーク通信機能等の多くの機能を有する複合機は、それら機能を実行するに当たり、多様な設定情報、例えば倍率、送信宛先等の入力をユーザに要求する。また、最近の技術革新により、複合機の機能や設定情報の数も増大してきている。
【0003】
従って、設定情報に対応するハードキー(ハードボタン)を設けるのは、複合機のサイズ、ユーザの操作性等の関係で問題がある。そのため、現在の複合機では、液晶タッチパネル等の表示部に表示するUI(User Interface)画面にソフトキー(ソフトボタン)を表示するようにしている。
【0004】
また、ソフトキーにユーザが任意にアクション情報(処理)を設定する機能も提供されている(特許文献1参照)。この設定機能を利用すれば、UI画面に表示されたソフトキーを選択することで、一度設定したアクション情報を繰り返し利用することができ、また、ソフトキーへのアクション情報の設定変更も必要に応じて行うことができる。
【特許文献1】特開2005−186319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、例えば、定型業務キー(ソフトキー)の場合、設定呼出しで呼出した設定キー表示画面(UI画面)には定型業務キーが表示されるだけであった。このため、ユーザは、表示された定型業務キーを選択した後、更にスタートキー等で実行を指示しなければ、定型業務に係る処理を実行させることはできなかった。
【0006】
また、別の従来の手法では、設定呼出し時には、設定内容確認用のUI画面が表示されていた。
【0007】
このように、従来は、通常、設定呼出し時には設定キー表示画面や設定内容確認画面が表示されていた。このように、設定キー表示画面や設定内容確認画面を処理の実行に先立って表示させることは、ユーザの誤操作を防止する反面、ユーザのインタラクションを増やすこととなり、使い勝手が良いとは言えなかった。
【0008】
本発明は、このような背景の下になされたもので、その目的は、アクション情報が設定されたソフトキーの使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、画像処理装置において、操作画面に表示されるソフトボタンに対して前記画像処理装置が備える機能を用いた処理の内容を示すアクション情報を関連付けるよう設定する設定手段と、前記ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って、前記操作画面に当該アクション情報に係る処理の内容を示す確認表示を行うか否かの指定を行う指定手段と、前記指定手段による指定に従って、前記確認表示を行わずに前記アクション情報に係る処理を実行する、又は前記確認表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って、前記操作画面に当該アクション情報に係る処理の内容を示す確認表示を行うか否かの指定を行う。そして、その指定に従って、前記確認表示を行わずに前記アクション情報に係る処理を実行する、又は前記確認表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するように制御する。
【0011】
従って、ユーザは、アクション情報に係る処理の内容を熟知している場合や、その処理内容のままで実行させたい場合は、前記確認表示を行わずに前記アクション情報に係る処理を実行させるような指定を行って、確認表示が無駄に実行されるのを回避できる。
【0012】
また、ユーザは、アクション情報に係る処理の内容をうろ覚えで、そのまま実行させることに不安を感じる場合や、その処理内容を変更して実行させたい場合等は、前記確認表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するような設定を行えばよい。
【0013】
従って、本発明によれば、アクション情報が設定されたソフトキーの使い勝手を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の制御系の構成をブロック図である。本画像処理装置は、複合機として構成されている。
【0016】
図1において、コントローラユニット100は、画像入力デバイスであるスキャナ部191や画像出力デバイスであるプリンタ部192と接続されている。そして、コントローラユニット100は、スキャナ部191で読取られた画像データをプリンタ部192により印刷出力するコピー機能を実現するための制御を行う。また、コントローラユニット100は、LAN111や公衆回線151(WAN)を介して画像情報やデバイス情報の入出力を行うための制御を行う。
【0017】
コントローラユニット100は、CPU101を有し、CPU101は、ROM103に格納されているブートプログラムによりオペレーションシステム(OS)を立ち上げる。また、CPU101は、当該OS上でHDD(ハードディスクドライブ)104に格納されているアプリケーションプログラムを実行することによって各種処理を実行する。
【0018】
ここでいうアプリケーションプログラムには、上記コピー機能を実現するためのプログラムの他、送信/ファクス機能、ボックス機能、ウェブブラウザ機能を実現するためのプログラムが含まれる。また、外部とのデータの送受信を行うネットワーク機能を実現するためのプログラム等も含まれる。
【0019】
更には、HDD104には、図2に示した各種のアプリケーションプログラム201〜204、ソフトボタン情報205、アクション情報206〜208も格納されている。なお、ここでは、「ソフトボタン」という用語は、「ソフトキー」を含む用語として用いている(以下、同様)。
【0020】
CPU101の作業領域としてはRAM102が用いられる。RAM102は、作業領域とともに、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。また、CPU101は、HDD104から上記アプリケーションプログラムを読出して、RAM102に展開した上で、アプリケーションプログラムを実行する。
【0021】
CPU101は、システムバス107を介して、ROM103およびRAM102とともに、操作部I/F(操作部インタフェース)106、ネットワークI/F(ネットワークインタフェース)110と接続されている。また、CPU101は、モデム150、及びイメージバスI/F(イメージバスインタフェース)105と接続されている。
【0022】
操作部I/F106は、液晶タッチパネル193aを有する操作部193とのインタフェースであり、液晶タッチパネル193aに表示する画像データを操作部193に対して出力する。液晶タッチパネル193aに表示する画像データには、各種のUI画面(操作画面)に表示するソフトボタンに係る画像データが含まれる。また、操作部I/F106は、操作部193のスタートキー193b等のハードボタン、UI画面上のソフトボタンの操作信号をCPU101に送出する。
【0023】
ネットワークI/F110は、LAN111に接続され、LAN111を介してLAN111上の各装置との間で情報の入出力を行う。モデム150は、公衆回線151に接続され、公衆回線151を介して情報の入出力を行う。
【0024】
イメージバスI/F105は、システムバス107と画像データを高速で転送する画像バス108とを接続し、データ構造を変換するためのバスブリッジとして機能する。画像バス108は、PCIバス、又はIEEE1394により構成される。画像バス108上には、ラスタイメージプロセッサ(以下、RIPという)160、デバイスI/F120、スキャナ画像処理部170、プリンタ画像処理部180、画像回転部130、および画像圧縮部140が接続されている。
【0025】
RIP160は、PDL(Page Description Language)コードをビットマップイメージに展開する専用のプロセッサである。デバイスI/F120には、スキャナ部191、及びプリンタ部192が接続され、デバイスI/F120は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部170は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部180は、プリント出力画像データに対してプリンタの補正、解像度変換などを行う。
【0026】
画像回転部130は、画像データの回転を行う。画像圧縮部140は、多値画像データをJPEGデータに、2値画像データをJBIG、MMR、MHなどの圧縮方式でデータを圧縮すると共に、その圧縮データを伸張する。
【0027】
図2は、ソフトボタンの設定情報管理機能に係るソフトウェア構成例を示す図である。ソフトボタンの設定情報管理機能は、ポータルアプリケーション201、コピーアプリケーション202、ボックスアプリケーション203、送信アプリケーション204により実現される。これらアプリケーションはHDD104に格納されており、RAM102に展開されて、CPU101によって実行される。この際、各アプリケーションは、操作部I/F106を介して、操作部193の液晶タッチパネル193aにアプリケーション画面(UI画面)を表示する。
【0028】
ポータルアプリケーション201は、操作部193の液晶タッチパネル193aにソフトボタンの一覧を表示する。図3は、ポータルアプリケーション201により表示されるソフトボタン一覧画面(UI画面)例を示している。また、ポータルアプリケーション201は、ソフトボタン情報205に基づいて、上記のソフトボタン一覧画面に表示するソフトボタン、コピー、ボックス、送信の各アプリケーション202,203,204により表示する各種のソフトボタンを生成する。
【0029】
そして、ポータルアプリケーション201は、ソフトボタン一覧画面に表示されたソフトボタンの押下操作が操作部193から通知されると、当該ボタンに対応するボタン情報205に従って、特定のアプリケーションに対して特定の処理の実行を指示する。
【0030】
図4は、ボタン情報205を例示した図であり、XML(eXtensible Markup Language)形式で記述されている。このXML形式で記述されたボタン情報205は、コピーアプリケーション202のボタン情報を示している。
【0031】
このボタン情報では、アプリケーション画面(図3のソフトボタン一覧画面)に表示するボタン表示名称は、「定例議事録」となっており、ボタン表示位置は「001」、すなわち先頭から1番目となっている。また、当該ソフトボタンが押下されると、アプリケーションID「001」で識別されるアプリケーションに対して、アクションID「001」で識別されるアクション情報に係る処理の実行を指示することが示されている。
【0032】
コピーアプリケーション202は、コピー処理を実行するための設定画面(UI)を表示する。図5は、コピーアプリケーション202の設定画面例を示している。コピーアプリケーション202は、図5の設定画面上でのソフトボタンによる設定入力に従って、スキャナ部191に画像データのスキャンを指示し、受信した画像データをプリンタ部192に送信する。
【0033】
また、図5の設定画面上でのソフトボタンによる設定入力に従って、スキャナ部191に画像データの送信を指示し、受信した画像データをプリンタ部192に送信する。コピーアプリケーション202は、このような処理をHDD104に格納されたアクション情報206に従って行う。
【0034】
図6は、アクション情報206を例示した図であり、当該アクション情報206は、XML形式で記述されている。このXML形式で記述されたアクション情報206は、コピーアプリケーション202のアクション情報を示している。
【0035】
このアクション情報206では、カラー選択は「自動」、濃度は「+1(1段階濃くする)」、原稿の「両面」スキャン、「等倍」での読込み、用紙選択は「自動」、コピー部数は「10部」の設定でコピーするアクションとなっている。このアクション情報では、さらに、当該アクションが設定されたソフトボタンの操作に応じて当該アクションを実行するに先立って、当該アクションの設定内容確認画面を表示することなく、当該アクションを実行することが示されている。
【0036】
アクション情報207、208についても、設定内容は異なるものの、アクション情報206と同様XMLで記述されたものとなっている。このように、アクション情報は、画像処理装置の機能を用いて実行するジョブの設定内容を記述したものである。
【0037】
ボックスアプリケーション203は、スキャナ部191に画像データのスキャンを指示し、受信した画像をHDD104に格納する。また、送信アプリケーション204は、スキャナ部191に画像データのスキャンを指示し、受信した画像を各種プロトコルに基づいて送信する。各アプリケーション203,204は、コピーアプリケーション202と同様に、それぞれ設定画面(UI画面)を表示し、その設定画面上のソフトボタンで入力された設定情報、アクション情報(207、208)に応じた処理を実行する。
【0038】
図7は、ポータルアプリケーション201と各アプリケーション202〜204が協働して、それぞれ、ボタン情報205、アクション情報206を登録する処理を示すフローチャートである。
【0039】
各アプリケーション202〜204は、ボタンの登録指示を受け付けるためのボタン登録メニューを液晶タッチパネル193aに表示する。図8は、コピーアプリケーション202のボタン登録メニュー例を示している。コピーのための設定をコピー画面800で行った後に、ボタン802を押下すると、ウインドウ804が表示される。ウインドウ804において、「現在の設定をお気に入りに登録/編集」を選択することでウインドウ800に表示されているコピーのための設定内容をボタンに登録する指示をアプリケーション202〜204に通知する。図8の場合はコピーアプリケーション202に通知される。
【0040】
なお、ボタン802は、コピーアプリケーション202以外のアプリケーションの画面においても共通に表示されるボタンである。従って、ユーザは、どのアプリケーションの表示画面からでも設定内容をボタンへ登録する操作を行うことができる。
【0041】
ボタン登録メニューにおいてボタンの登録指示が通知されると、アプリケーション202〜204は、ポータルアプリケーション201へ自身のアプリケーションIDを送信し、ボタン登録を指示する(ステップS701)。
【0042】
ポータルアプリケーション201は、ボタン登録が指示されると、一意なアクションIDを生成し、受信したアプリケーションIDが示すアプリケーションにアクションIDを送信する(ステップS702)。アクションIDによって、ボタンとアクション情報とを関連付けることができる。
【0043】
アプリケーション202〜204は、ポータルアプリケーション201からアクションIDを受信すると、登録確認画面を液晶タッチパネル193aに表示する(ステップS703)。図9は、コピーアプリケーション202の登録確認画面例を示している。登録確認画面には、当該アプリケーションの設定画面において入力された当該アプリケーション固有の設定値(アクション情報)が一覧表示される。
【0044】
登録確認画面上の次画面ボタン押下が通知されると、当該アプリケーションは実行設定画面を表示する(ステップS704)。図10は、実行設定画面例を示している。この実行設定画面には、確認表示設定をON、OFFするソフトボタンB1、B2、即実行するか否かを設定するソフトボタンB3、B4、次画面ボタン等が表示される。ソフトボタンB1〜B4は、ソフトボタンに対して設定されたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って当該アクション情報に係る処理の内容をUI画面として確認表示するか否かの指定を行う指定手段として機能する。
【0045】
そして、ユーザが実行設定画面の次画面ボタンを押下すると、当該アプリケーションは、ポータルアプリケーション201にボタン表示設定画面の表示を指示する。
【0046】
ポータルアプリケーション201は、ボタン表示設定画面の表示が指示されると、ボタン表示設定画面を液晶タッチパネル193aに表示する(ステップS705)。図11、図12は、ボタン表示設定画面例を示している。図11のボタン表示設定画面には、ボタン表示位置を選択・入力するソフトボタンが表示され、図12のボタン表示設定画面にはボタン表示名称を入力するための入力ボックスが表示される。
【0047】
そして、「次へ」、「OK」等の決定ボタンによって登録完了が指示されると、ポータルアプリケーション201は、ボタン表示名称、ボタン表示位置、アプリケーションID、及びアクションIDをボタン情報205としてHDD104に格納する(ステップS706)。
【0048】
ここで、ボタン表示名称、及びボタン表示位置は、ステップS705のボタン表示設定画面上で入力された値である。また、アプリケーションIDは、ステップS702において受信した値である。また、アクションIDは、ステップS702において生成した値である。ポータルアプリケーション201は、ステップS706においてボタン情報205をHDD104に格納した後、当該アプリケーションにアクション情報206の保存を指示する。
【0049】
当該アプリケーションは、当該保存指示を受けて、アクションID、アプリケーション固有の設定値、確認表示設定、及び即実行設定を、アクション情報206としてHDD104に格納する(ステップS707)。ここで、アクションIDはステップS703において受信した値である。また、アプリケーション固有の設定値はステップS703の登録確認画面に表示される値である。そして、確認表示設定と即実行設定はステップS704の実行設定画面上で入力された値である。
【0050】
ステップS707でのアクション情報206の格納が完了すると、ボタン情報205、及びアクション情報206の登録処理は終了となる。
【0051】
図13は、ポータルアプリケーション201、アプリケーション202〜204が、それぞれ、ボタン情報205、アクション情報206を呼出す処理を示すフローチャートである。
【0052】
ポータルアプリケーション201は、上記のボタン一覧画面上でソフトボタンが押下されると、HDD104に格納されたボタン情報205の中から、押下されたソフトボタンに対応するボタン情報205を検索する(ステップS1301)。次に、ポータルアプリケーション201は、検索したボタン情報205中のアプリケーションIDが示すアプリケーションに対して、検索したボタン情報205中のアクションIDを送信し、処理の実行を指示する(ステップS1302)。
【0053】
処理の実行指示を受けたアプリケーションは、HDD104に格納されたアクション情報206の中から、受信したアクションIDに対応するアクション情報206を検索するする(ステップS1303)。次に、当該アプリケーションは、検索したアクション情報206に含まれる「即実行」が「有効(true)」として設定されているか否かを判別する(ステップS1304:図6参照)。「即実行」が「有効」として設定されている場合は、当該アプリケーションは、受信したアクションIDに対応するアクション情報206に応じた設定に基づいた処理を実行して(ステップS1305)、ボタン呼出し処理を終了する。
【0054】
一方、「即実行」が「無効(false)」として設定されている場合は、当該アプリケーションは、検索したアクション情報206に含まれる「確認表示」が「有効」として設定されているか否かを判別する(ステップS1306)。「確認表示」が「無効」として設定されている場合は、当該アプリケーションは、受信したアクションIDに対応するアクション情報206に応じた処理を実行して(ステップS1305)、ボタン呼出し処理を終了する。
【0055】
一方、「確認表示」が「有効」として設定されている場合は、当該アプリケーションは、当該アプリケーションに係る設定内容確認画面を液晶タッチパネル193aにポップアップ表示する(ステップS1307)。図14は、設定内容確認画面のポップアップ表示例を示す図である。この設定内容確認画面には、検索したアクション情報206に含まれるアプリケーション固有の設定値が表示される。
【0056】
次に、当該アプリケーションは、設定内容確認画面に表示されているOKボタンB5が押下されたか否かを判別する(ステップS1308)。OKボタン5が押下された場合は、受信したアクションIDに対応するアクション情報206に応じた処理を実行して(ステップS1305)、ボタン呼出し処理を終了する。
【0057】
一方、OKボタンB5が押下されなかった場合は、当該アプリケーションは、設定内容確認画面に表示されているキャンセルボタンB6が押下されたか否かを判別する(ステップS1309)。
【0058】
キャンセルボタンB6が押下された場合は、当該アプリケーションは、受信したアクションIDに対応するアクション情報206に応じた処理がキャンセルされたものとして、設定画面を液晶タッチパネル193aに表示する(ステップS1310)。
【0059】
この場合、ユーザは、通常、受信したアクションIDに対応するアクション情報206とは異なるアクション情報を設定画面上で設定することとなる。ただし、本実施の形態では、ここで設定されたアクション情報は、当該アプリケーション(ソフトボタン、アクションID)に係るアクション情報として登録しないものとしている。
【0060】
しかしながら、設定画面上の所定のソフトボタン、操作部193の所定のハードキーを操作することにより、ステップS1310の設定画面上で設定されたアクション情報を、当該当該アプリケーション(ソフトボタン、アクションID)に係るアクション情報として登録することも可能である。この場合は、従前のアクション情報を当該設定画面上で設定されたアクション情報に書換える形で登録する。
【0061】
そして、当該アプリケーションは、操作部193のスタートキー(ハードキー)193bが押下されるのを待って(ステップS1311)、処理を実行する(ステップS1305)。この場合の処理の実行は、ステップS1310で設定されたアクション情報に係る処理を行うこととなる。
【0062】
このように、第1の実施の形態では、アクション情報に含まれる「即実行」の有効/無効の設定、「設定確認画面」の有効/無効の設定に応じて、設定内容確認画面を表示するか否かを制御している。従って、アクション情報が設定されたソフトボタンの使い勝手が向上する。
【0063】
すなわち、ユーザは、アクション情報に係る処理の内容を熟知している場合や、その処理内容のままで実行させたい場合は、前記確認表示を行わずに前記アクション情報に係る処理を実行させるような指定を行って、確認表示が無駄に実行されるのを回避できる。
【0064】
また、ユーザは、アクション情報に係る処理の内容をうろ覚えで、そのまま実行させることに不安を感じる場合や、その処理内容を変更して実行させたい場合等は、前記確認表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するような設定を行えばよい。
【0065】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、ソフトボタンに対してアクション情報を登録(設定)する際に、そのアクション情報の一部として「即実行」の有効/無効の設定、「設定確認画面」の有効/無効の設定を行っていた。
【0066】
これに対し、第2の実施の形態では、ソフトボタンに対して設定されたアクション情報を呼出して処理を実行する際のソフトボタンの操作態様に応じて、「即実行」の有効/無効の設定、「設定確認画面」の有効/無効の設定を行っている。
【0067】
図16は、第2の実施の形態におけるアクション情報206例を示すXMLデータである。第1の実施形態に係る図6のアクション情報206との相違点は、「即実行」の有効/無効の設定、及び「設定確認表示」の有効/無効の設定が含まれていない点である。
【0068】
図17は、第2の実施の形態におけるボタン情報205、及びアクション情報206の登録処理を示すフローチャートである。図17のフローチャートでは、第1の実施形態に係る図7のフローチャートと共通する処理ステップについては、同一のステップ番号を付してある(図18も同趣旨)。
【0069】
図7の第1の実施形態との第1の相違点は、ステップS704における「実行設定画面」の表示処理がない点である。すなわち、第2の実施の形態では、実行設定画面上で「確認表示」の設定、及び「即実行」の設定を行うことはない。
【0070】
また、第2の相違点は、ステップS707において、アクションID、及びアプリケーション固有の設定値のみをアクション情報206としてHDD104に格納する点である。すなわち、第2の実施の形態では、第1の実施形態のように「確認表示」の設定、及び「即実行」の設定をアクション情報として保存することはしない。
【0071】
図18は、第2の実施の形態におけるボタン情報205、アクション情報206を呼び出す処理を示すフローチャートである。
【0072】
ポータルアプリケーション201は、上記のボタン一覧画面上でソフトボタンが押下されると、当該ソフトボタンの押下時間(時間の長さ:操作時間長)を計測する(ステップS1801)。この計測処理は、ソフトボタンの押下時間は後述のように長押しを行ったとしても、2〜3秒程度の短い時間なので、ソフトウェアタイマで行うのが望ましい。
【0073】
次に、ポータルアプリケーション201は、HDD104に格納されたボタン情報205の中から、押下されたソフトボタンに対応するボタン情報205を検索する(ステップS1301)。
【0074】
次に、ポータルアプリケーション201は、検索したボタン情報205中のアプリケーションIDが示すアプリケーションに対して、検索したボタン情報205中のアクションIDを送信し、処理の実行を指示する(ステップS1302)。ただし、この場合は、アクションIDと共に計測に係るソフトボタンの押下時間も送信する。
【0075】
処理の実行指示を受けたアプリケーションは、HDD104に格納されたアクション情報206の中から、受信したアクションIDに対応するアクション情報206を検索するする(ステップS1303)。次に、当該アプリケーションは、ソフトボタンの押下時間が規定時間よりも長いか否か、すなわち、ソフトボタンが長押しされたか否かを判別する(ステップS1802)。
【0076】
ソフトボタンが長押しされた場合は、処理の実行指示を受けたアプリケーションは、受信したアクションIDに対応するアクション情報206に応じた処理を実行して(ステップS1305)、ボタン呼出し処理を終了する。一方、ソフトボタンが長押しされなかった場合は、処理の実行指示を受けたアプリケーションは、設定画面を液晶タッチパネル193aに表示する(ステップS1310)。
【0077】
そして、当該アプリケーションは、操作部193のスタートキー193bが押下されるのを待って(ステップS1311)、処理を実行する(ステップS1305)。この場合は、ステップS1310で表示した設定画面上で設定されたアクション情報に係る処理が実行される。
【0078】
このように、第2の実施の形態では、ソフトボタンに対して設定されたアクション情報に係る処理を即時に実行するのか、或は設定画面を表示した後に実行するのかを、実行時のソフトボタンの操作態様によって動的に切替えている。従って、アクション情報が設定されたソフトボタンの使い勝手が向上する。
【0079】
すなわち、ユーザは、上記の実行態様の切替えを行うための情報を、第1の実施の形態のようにアクション情報として入力する必要はなく、単にソフトボタンの押下時間の長短により知り上記の切替えを指定することができる。
【0080】
また、ユーザは、アクション情報に係る処理の内容を熟知している場合や、その処理内容のままで実行させたい場合は、単にソフトボタンの押下時間を長くするだけで、設定画面の表示無しに即時に実行させることができる。
【0081】
また、ユーザは、アクション情報に係る処理の内容を変更して実行させたい場合等は、設定画面に表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するような設定を、単にソフトボタンの押下時間を短くするだけで行うことができる。
【0082】
本発明は、上記の第1,2の実施の形態に限定されることなく、例えば、第1,2の実施の形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0083】
また、第2の実施の形態では、ソフトボタンの押下時間が長い場合に、ソフトボタンに対して設定されたアクション情報に係る処理を即時に実行し、ソフトボタンの押下時間が短い場合に設定画面を表示した後に実行している。この押下時間の長短関係を逆にし、ソフトボタンの押下時間が短い場合に、ソフトボタンに対して設定されたアクション情報に係る処理を即時に実行し、長い場合に設定画面を表示した後に実行するようにしてもよい。また、即実行によって処理を実行させるための指示として、ソフトボタンの押下時間の他に、ボタンを連続して複数回押下すること(例えばダブルタップ)による方法でも良い。或いは、他の所定のソフトボタンやハードボタンを押しながらのソフトボタンの押下による方法でも良い。
【0084】
また、ボタン情報が初めて呼出された場合は設定内容確認画面や設定画面を表示し、2回目以降の呼出しにおいては、設定内容確認画面や設定画面を表示せずに、即時にアクション情報に係る処理を実行するようにしてもよい。
【0085】
換言すれば、ソフトボタンに対して設定されたアクション情報に係る処理を当該ソフトボタンの操作に応じて実行する場合の実行回数に基づいて、設定内容確認画面を表示せずに、即時にアクション情報に係る処理を実行するか否かを指定するようにしてもよい。
【0086】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するようにプログラミングされたソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給することによっても達成される。この場合、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することとなる。
【0087】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0088】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。さらに、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスクも、プログラムコードを供給するための記憶媒体として用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0089】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0090】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた場合も含まれる。また、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の形態に係る複合機の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図2】設定情報管理機能に係るソフトウェアを示す図である。
【図3】ポータルアプリケーションにより表示されるボタン一覧画面例を示す図である。
【図4】コピーアプリケーションのボタン情報例(XMLファイル)を示す図である。
【図5】コピーアプリケーションの設定画面例を示す図である。
【図6】アクション情報例(XMLファイル)を示す図である(第1の実施の形態)。
【図7】ボタン情報、アクション情報の登録処理を示すフローチャートである(第1の実施の形態)。
【図8】ボタン登録メニューを示す図である。
【図9】コピーアプリケーションの登録内容確認画面例を示す図である。
【図10】実行設定画面例を示す図である。
【図11】ボタン表示位置設定画面例を示す図である。
【図12】ボタン表示名称設定画面例を示す図である。
【図13】ボタン情報、アクション情報の呼出し処理を示すフローチャートである(第2の実施形態)。
【図14】設定内容確認画面のポップアップ表示例を示す図である。
【図15】コピーアプリケーションの実行中の画面例を示す図である。
【図16】アクション情報例(XMLファイル)を示す図である(第2の実施の形態)。
【図17】ボタン情報、アクション情報の登録処理を示すフローチャートである(第2の実施の形態)。
【図18】ボタン情報、アクション情報の呼出し処理を示すフローチャートである(第2の実施形態)。
【符号の説明】
【0092】
100…コントローラユニット
101…CPU
103…ROM
104…HDD
193…操作部
193a…液晶タッチパネル
193b…スタートキー
201…ポータルアプリケーション
202…コピーアプリケーション
203…ボックスアプリケーション
204…送信アプリケーション
205…ボタン情報
206〜208…アクション情報
B1、B3…ONボタン
B2,B4…OFFボタン
B5…OKボタン
B6…キャンセルボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置において、
操作画面に表示されるソフトボタンに対して前記画像処理装置が備える機能を用いた処理の内容を示すアクション情報を関連付けるよう設定する設定手段と、
前記ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って、前記操作画面に当該アクション情報に係る処理の内容を示す確認表示を行うか否かの指定を行う指定手段と、
前記指定手段による指定に従って、前記確認表示を行わずに前記アクション情報に係る処理を実行する、又は前記確認表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するように制御する制御手段と、前記ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って、前記操作画面に当該アクション情報に係る処理の内容を示す確認表示を行うか否かの指定を行う指定手段と、前記指定手段による指定に従って、前記確認表示を行わずに前記アクション情報に係る処理を実行する、又は前記確認表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するように制御する
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記指定手段は、前記設定手段により設定される前記アクション情報の一部として前記指定を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記指定手段は、前記ソフトボタンの操作態様に基づいて前記指定を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記指定手段は、前記ソフトボタンの操作時間長に基づいて前記指定を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記指定手段は、前記ソフトボタンに対して設定されたアクション情報に係る処理を当該ソフトボタンの操作に応じて実行する場合の実行回数に基づいて、前記指定を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記確認表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するように制御する場合に、前記確認表示に係る前記操作画面に表示された所定のソフトボタンの操作に応じて、前記アクション情報を設定するための画面を前記操作画面に表示するように制御することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
画像処理装置の制御方法において、
操作画面に表示されるソフトボタンに対して前記画像処理装置が備える機能を用いた処理の内容を示すアクション情報を関連付けるよう設定する設定工程と、
前記ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って、前記操作画面に当該アクション情報に係る処理の内容を示す確認表示を行うか否かの指定を行う指定工程と、
前記指定工程による指定に従って、前記確認表示を行わずに前記アクション情報に係る処理を実行する、又は前記確認表示を行った後に前記アクション情報に係る処理を実行するように制御する制御工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
画像処理装置において、
操作画面に表示されるソフトボタンに対して前記画像処理装置が備える機能を用いた処理の内容を示すアクション情報を関連付けるよう設定する設定手段と、
前記ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って、前記操作画面に当該ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報を変更するための設定画面を表示するか否かの指定を行う指定手段と、
前記指定手段による指定に従って、前記設定画面を表示せずに前記アクション情報に係る処理を実行する、又は前記設定画面を表示した後に前記アクション情報に係る処理を実行するように制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置の制御方法において、
操作画面に表示されるソフトボタンに対して前記画像処理装置が備える機能を用いた処理の内容を示すアクション情報を関連付けるよう設定する設定工程と、
前記ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報に係る処理を、当該ソフトボタンの操作に応じて実行するに先立って、前記操作画面に当該ソフトボタンに対して関連付けられたアクション情報を変更するための設定画面を表示するか否かの指定を行う指定工程と、
前記指定工程による指定に従って、前記設定画面を表示せずに前記アクション情報に係る処理を実行する、又は前記設定画面を表示した後に前記アクション情報に係る処理を実行するように制御する制御工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
請求項7又は9に記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータが実行できるようにプログラミングされてなるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−154039(P2010−154039A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327909(P2008−327909)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】