説明

画像処理装置、方法およびプログラム

【課題】心臓を撮影して得られた3次元画像データから心筋梗塞の疑いがある部分をより正確に特定する。
【解決手段】心臓を拡縮状態が異なる2つの時相で撮影して得られた3次元画像V1、V2を記憶し、3次元画像V1において心臓の心筋を表す心筋領域を特定し、特定された心筋領域の各画素について、その画素の3次元画像V1上の位置、および、その画素に解剖学的に対応する3次元画像V2上の点の位置をそれぞれ取得し、取得された3次元画像V1、V2上の位置を用いて、各画素により表される心筋部分の2つの時相間での移動を表す移動ベクトルを取得し、各画素にその画素により表される心筋部分の移動ベクトルを与えてなるベクトル場を各画素において空間的に微分した微分値を取得し、出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓を撮影して得られた3次元画像データから心筋梗塞の疑いがある部分を特定するための画像処理装置、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓は心筋の周期的な収縮・拡張運動によって血液を体内に循環させる。心筋の運動が健常である部分は拡張期末期に壁厚が最小になり、その後収縮期にかけて壁厚が増加する一方、心筋梗塞部分においては収縮期における壁の増加が健常部分と比べ低下することから、従来より、心臓を時系列的に撮影して得られた複数の3次元画像データから心筋の壁厚の変化量を測定し、その測定結果を用いて心筋梗塞の疑いがある部分を特定する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−502255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術では、心筋壁の各位置における壁厚を用いてその位置における内壁から外壁に亘る壁全体を対象として心筋梗塞の疑いがある部分であるか否かを評価しているため、内壁から外壁にかけて心筋梗塞部分と健常部分が混在している場合には、心筋梗塞の疑いがある部分を正しく特定できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、心筋梗塞の疑いがある部分をより正確に特定できる画像処理装置、方法およびプログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像処理装置は、心臓を拡縮状態が異なる2つの時相で撮影して得られた第1および第2の3次元画像を記憶する画像記憶手段と、第1の3次元画像において心臓の心筋を表す心筋領域を特定する心筋領域特定手段と、特定された心筋領域の各画素について、該画素の第1の3次元画像上の位置、および、該画素に解剖学的に対応する第2の3次元画像上の点の位置をそれぞれ取得する位置取得手段と、前記各画素について取得された第1および第2の3次元画像上の位置を用いて、該画素により表される心筋部分の2つの時相間での移動を表す移動ベクトルを取得するベクトル取得手段と、前記各画素に該画素により表される心筋部分の前記取得された移動ベクトルを与えてなるベクトル場を前記各画素において空間的に微分した微分値を取得する微分値取得手段と、取得された微分値を出力する出力手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
ここで、ベクトル場を空間的に微分するとは、ベクトル場の空間が2以上の座標軸により定義されているとき、その少なくとも1つの座標軸に関して微分することを意味する。
【0008】
また、ベクトル場をある画素において微分した微分値というのは、その画素のベクトルと近傍画素のベクトルとの差分を意味する。
【0009】
また、出力とは、データ記録装置に対する出力(メディアへの記録)、表示装置に対する出力(モニタ表示)、プリンタ装置への出力(プリントアウト)等を広く意味する。
【0010】
上記装置において、出力手段は、前記取得された微分値が所定の閾値より小さい画素領域を他の領域と区別可能に表示するものであってもよい。
【0011】
この表示は、3次元画像を表示する場合に限らず、3次元画像の一断層面を表示する場合にも適用され得る。この表示の一例として、3次元画像の一断層面を、微分値が所定の閾値より小さい画素領域に該当する部分に他の領域とは異なる色調を付与して表示することが考えられる。
【0012】
また、出力手段は、前記取得された微分値を、画素毎の微分値の大きさの相違を視覚的に識別可能な態様で表示するものであってもよい。
【0013】
また、前記各画素の位置が、座標系(X,Y,Z)により定義されるものであり、座標(x、y、z)に位置する画素における微分値Dが、下記式(1)により求められるものであってもよい。
【数1】

ここで、V(x、y、z)は、座標(x、y、z)に位置する画素における移動ベクトルである。
【0014】
また、本発明の画像処理方法は、上記画像処理装置の各手段が行う処理を、少なくとも1台のコンピュータにより実行する方法である。
【0015】
また、本発明の画像処理プログラムは、上記画像処理装置の各手段が行う処理を、少なくとも1台のコンピュータに実行させるプログラムである。このプログラムは、CD−ROM,DVDなどの記録メディアに記録され、またはサーバコンピュータに付属するストレージやネットワークストレージにダウンロード可能な状態で記録されて、ユーザに提供される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像処理装置、方法およびプログラムによれば、心臓を拡縮状態が異なる2つの時相で撮影して得られた第1および第2の3次元画像を記憶し、第1の3次元画像において心臓の心筋を表す心筋領域を特定し、特定された心筋領域の各画素について、該画素の第1の3次元画像上の位置、および、該画素に解剖学的に対応する第2の3次元画像上の点の位置をそれぞれ取得し、前記各画素について取得された第1および第2の3次元画像上の位置を用いて、該画素により表される心筋部分の2つの時相間での移動を表す移動ベクトルを取得し、前記各画素に該画素により表される心筋部分の前記取得された移動ベクトルを与えてなるベクトル場を前記各画素において空間的に微分した微分値を取得し、取得された微分値を出力することができる。この微分値は、心筋の各部分における心筋の運動がその近傍部分における心筋の運動に対してどの程度の独立性を有しているかを表すものであることから、医師等のユーザは、この微分値を用いて、心筋の運動を3次元画像の画素単位で評価することができ、心筋梗塞の疑いがある部分をより正確に特定することができる。
【0017】
上記装置、方法およびプログラムにおいて、微分値の出力が、取得された微分値が所定の閾値より小さい画素領域を他の領域と区別可能に表示するものである場合には、その表示によって、医師等のユーザは、心臓の心筋梗塞の疑いがある部分を容易に把握することができる。
【0018】
また、微分値の出力が、取得された微分値を、画素毎の微分値の大きさの相違を視覚的に識別可能な態様で表示するものである場合にはその表示によって、医師等のユーザは、心筋の各部分における心筋の運動がその近傍部分における心筋の運動に対してどの程度の独立性を有しているかを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の画像処理装置の概略構成を示す図
【図2】画像処理装置が実行する処理の概要を示す図
【図3】収縮期の心臓が撮影された3次元画像を示す図
【図4】拡大期の心臓が撮影された3次元画像を示す図
【図5】ベクトル取得処理によって取得された移動ベクトルの一例を示す図
【図6】微分値取得処理によって取得された微分値の一例を示す図
【図7】表示制御処理を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の画像処理装置、方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0021】
本発明の画像処理装置は、一台のコンピュータに、画像処理プログラムをインストールしたものである。コンピュータは、診断を行う医師が直接操作するワークステーションやパソコンでもよいし、もしくは、それらとネットワークを介して接続されたサーバコンピュータでもよい。画像処理プログラムは、DVD,CD−ROM等の記録メディアに格納されて配布され、その記録媒体からコンピュータにインストールされる。もしくは、ネットワークに接続されたサーバコンピュータの記憶装置、あるいはネットワークストレージに、外部からアクセス可能な状態で記憶され、要求に応じて医師が使用するコンピュータにダウンロードされ、インストールされる。
【0022】
図1は、ワークステーションに画像処理プログラムをインストールすることにより実現された画像処理装置の概略構成を示す図である。同図が示すように、画像処理装置1は、標準的なワークステーションの構成として、CPU2、メモリ3およびストレージ4を備えている。また、画像処理装置1には、ディスプレイ5と、マウス6等の入力装置が接続されている。
【0023】
ストレージ4には、心臓Hを一心拍周期内の複数の時相において撮影して得られた一連の3次元画像が記憶されている。この各3次元画像は、CT装置、MRI装置、超音波診断装置などで撮影されたマルチスライス画像をボクセル(画素)に分割し、3次元座標空間内に配列してなるものであり、各ボクセルの位置は、被写体の左右方向をX軸、前後方向をY軸、上下方向をZ軸とする3次元座標系で定義され、各ボクセルの画素値は、そのボクセルの位置の座標と関連づけられている。
【0024】
また、メモリ3には、画像処理プログラムと画像処理プログラムが参照するデータ(処理パラメータ等)が記憶されている。画像処理プログラムは、CPU2に実行させる処理として、心筋領域特定処理、位置取得処理、ベクトル取得処理、微分値取得処理および表示制御処理を規定している。そして、CPU2がプログラムに従いこれらの処理を実行することで、汎用のワークステーションは、心筋領域特定手段、位置取得手段、ベクトル取得手段、微分値取得手段および表示制御手段として機能することになる。
【0025】
以下、画像処理装置1が実行する各処理について詳細に説明する。図2は、画像処理装置1が実行する処理の流れを示す図である。画像処理装置1は、まず、ストレージ4から心臓の収縮した状態を撮影して得られた3次元画像V1と拡張した状態を撮影して得られた3次元画像V2をそれぞれメモリ3にロードする。図3は3次元画像V1を、図4は3次元画像V2を示す図である。そして、3次元画像データV1において心臓Hの心筋を表す心筋領域Mを特定する心筋領域特定処理11を実行する。
【0026】
心筋領域特定処理11において、心筋領域Mは、その領域の輪郭を決定することにより特定される。三次元形態画像7を構成する各ボクセルの画素値について、心筋領域の輪郭らしさを表す特徴量を算出し、算出した特徴量を機械学習により予め取得された評価関数に基づいて評価することで、そのボクセルが心筋領域の輪郭を表すものであるか否かを判断する。この判断を繰り返すことにより、心筋領域全体の輪郭を表すボクセル群が抽出される。本実施形態では、評価関数の取得にアダブーストアルゴリズムを用いている。なお、心臓領域の抽出は、他のマシンラーニング法や統計解析法、例えば線形判別法やニューラルネットワーク、サポートベクターマシン等を用いて行ってもよい。
【0027】
続いて、画像処理装置1は、位置取得処理12を実行する。位置取得処理12では、3次元画像V1とV2を位置合わせすることによって、心筋領域M上のボクセルPそれぞれに対して、そのボクセルPの3次元画像V1上の位置(座標)、および、ボクセルPに解剖学的に対応する3次元画像V2上の点P´の位置(座標)をそれぞれ取得する。
【0028】
位置合わせは、例えば、3次元空間内に一定の間隔で3次元の格子状にB−Splineの制御点を配置し、この制御点を移動させることで、3次元画像V1およびV2における心臓の形状同士が一致するように3次元空間を変形させることにより行うことができる。なお、3次元空間の変形により3次元画像同士を位置合わせする方法の詳細は、例えば、特開2008−289799号公報に開示されている。
【0029】
また、位置合わせは、たとえば特表2005―528974号公報に記載されているように、生理学的拘束条件を用いて数学的にモデル化された非剛体心臓運動モデルを、各画像A,Bに適用することによって行うようにしてもよい。
【0030】
続いて、画像処理装置1は、ベクトル取得処理13を実行する。ベクトル取得処理13では、心筋領域M上のボクセルPそれぞれについて、そのボクセルにより表される心筋部分の移動ベクトルVを取得する。各ボクセルPについての移動ベクトルVは、ボクセルPに解剖学的に対応する3次元画像V2上の点P´の位置ベクトルからボクセルPの位置ベクトルを減算することで求められる。ここで、位置ベクトルとは、それぞれの点またはボクセルの位置をベクトルとして表現したものをいう。
【0031】
図5は、ベクトル取得処理13によって取得された移動ベクトルVを示す概念図である。なお、図5においては、理解を容易にするため、一部の移動ベクトルのみをその各ボクセルを基点とする矢印で示している。このように、心筋領域M上のすべてのボクセルについて移動ベクトルが取得されると、各ボクセルにそのボクセルにより表される心筋部分の移動ベクトルを与えてなるベクトル場が形成される。
【0032】
続いて、画像処理装置1は、微分値取得処理14を実行する。微分値取得処理14では、心筋領域M上のボクセルそれぞれについて、下記式(1)により、微分値Dを取得する。
【数2】

ここで、V(x、y、z)は、座標(x、y、z)に位置するボクセルにおける移動ベクトルである。
【0033】
これにより、各ボクセルについて取得された微分値Dは、そのボクセルの位置の座標と関連づけられて、メモリ3に記憶される。図6は、微分値取得処理14によって取得された微分値を示す概念図である。なお、図6においては、理解を容易にするため、一部の微分値のみを、そのボクセルを基点とする矢印で示している。
【0034】
なお、ここでは、微分値取得処理14が、式(1)により微分値を取得するものである場合について説明したが、微分値取得処理14は、上述したようなベクトル場をその各ボクセル位置において空間的に微分して微分値を取得するものであればよく、その具体的な微分方法は上記方法に限定されない。
【0035】
また、ここでは、X、YまたはZ軸方向にそれぞれ隣接する3個の隣接ボクセルの移動ベクトルを用いて微分値を取得する場合について説明したが、X、Y、Z軸のうち1または2つの座標軸方向に隣接するボクセルを用いて微分値を取得するようにしてもよいし、隣接ボクセルではなく1ボクセル以上離れた位置に存在する近傍ボクセルの移動ベクトルを用いて微分値を取得するようにしてもよい。
【0036】
続いて、画像処理装置1は、表示制御処理15を実行する。表示制御処理15では、
メモリ3から3次元画像V1の各ボクセルに関連付けられている微分値Dを取得し、取得された微分値Dを所定の閾値と比較することにより、微分値が所定の閾値より小さいボクセル領域MIを特定する。そして、例えば図7に示すように、3次元画像V1を、領域MIに他の領域とは異なる色調を付与してディスプレイ5に表示させる。ここで、閾値としては、ほぼゼロに近い値を与える。
【0037】
なお、ここでは、表示制御処理15が、3次元画像V1を、微分値が所定の閾値より小さい画素領域MIを他の領域と区別可能に表示するものである場合について説明したが、これに限らず、3次元画像V2、同じ心臓を撮影して得られた他の3次元画像、またはそのいずれの3次元画像の一断層面において、微分値が所定の閾値より小さい画素領域に該当する部分を他の部分と区別可能に表示した画像を表示するものであってもよい。
【0038】
また、取得された微分値を、ボクセル毎の微分値の大きさの相違を視覚的に識別可能な態様で表示するものであってもよい。たとえば、心臓の3次元形状を表す画像の心筋を表す各ボクセルに、そのボクセルにおける微分値の大きさに予め対応付けられている色を配した画像を生成、表示することができる。
【0039】
以上に説明したとおり、本実施形態の画像処理装置1によれば、心筋領域Mの各ボクセルにより表される心筋部分の運動がその近傍部分における心筋の運動に対してどの程度の独立性を有しているかを表す、移動ベクトルの微分値を出力しているので、医師等のユーザは、この微分値を用いて心筋の運動を3次元画像のボクセル単位で評価することができる。これにより、心筋梗塞の疑いがある部分をより正確に特定することができる。
【0040】
また、画像処理装置1によれば、微分値が所定の閾値より小さい画素領域MIを他の領域と区別可能に表示しているので、その表示によって、医師等のユーザは、心臓の心筋梗塞の疑いがある部分を容易に把握することができる。
【0041】
なお、上記実施の形態では、心臓の収縮した状態を撮影して得られた3次元画像V1と拡張した状態を撮影して得られた3次元画像V2を用いて本発明による各種処理を行う場合について説明したが、これに限らず、ストレージ4に記憶されている一連の3次元画像のうち心臓を拡縮状態(拡大または収縮している程度)が異なるいずれか2つの3次元画像を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 画像処理装置
2 CPU
3 メモリ
4 ストレージ
5 ディスプレイ
6 マウス
M 心筋領域
D 微分値
V 移動ベクトル
V1、V2 3次元画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓を拡縮状態が異なる2つの時相で撮影して得られた第1および第2の3次元画像を記憶する画像記憶手段と、
前記第1の3次元画像において前記心臓の心筋を表す心筋領域を特定する心筋領域特定手段と、
前記特定された心筋領域の各画素について、該画素の前記第1の3次元画像上の位置、および、該画素に解剖学的に対応する前記第2の3次元画像上の点の位置をそれぞれ取得する位置取得手段と、
前記各画素について取得された第1および第2の3次元画像上の位置を用いて、該画素により表される心筋部分の前記2つの時相間での移動を表す移動ベクトルを取得するベクトル取得手段と、
前記各画素に該画素により表される心筋部分の前記取得された移動ベクトルを与えてなるベクトル場を前記各画素において空間的に微分した微分値を取得する微分値取得手段と、
前記取得された微分値を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記出力手段が、前記取得された微分値が所定の閾値より小さい画素領域を他の領域と区別可能に表示するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力手段が、前記取得された微分値を、前記画素毎の微分値の大きさの相違を視覚的に識別可能な態様で表示するものであることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記各画素の位置が、座標系(X,Y,Z)により定義されるものであり、
座標(x、y、z)に位置する画素における前記微分値Dが、下記式(1)により求められるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の画像処理装置。
【数1】

前記V(x、y、z)は、座標(x、y、z)に位置する画素における前記移動ベクトル
【請求項5】
心臓を拡縮状態が異なる2つの時相で撮影して得られた第1および第2の3次元画像が記憶されたた記憶媒体から、前記第1および第2の3次元画像を読み出し、
前記第1の3次元画像において前記心臓の心筋を表す心筋領域を特定し、
前記特定された心筋領域の各画素について、該画素の前記第1の3次元画像上の位置、および、該画素に解剖学的に対応する前記第2の3次元画像上の点の位置をそれぞれ取得し、
前記各画素について取得された第1および第2の3次元画像上の位置を用いて、該画素により表される心筋部分の前記2つの時相間での移動を表す移動ベクトルを取得し、
前記各画素に該画素により表される心筋部分の前記取得された移動ベクトルを与えてなるベクトル場を前記各画素において空間的に微分した微分値を取得し、
前記取得された微分値を出力することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記微分値の出力が、前記取得された微分値が所定の閾値より小さい画素領域を他の領域と区別可能に表示するものであることを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記微分値の出力が、前記取得された微分値を、前記画素毎の微分値の大きさの相違を視覚的に識別可能な態様で表示するものであることを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、
心臓を拡縮状態が異なる2つの時相で撮影して得られた第1および第2の3次元画像を記憶する画像記憶手段、
前記第1の3次元画像において前記心臓の心筋を表す心筋領域を特定する心筋領域特定手段、
前記特定された心筋領域の各画素について、該画素の前記第1の3次元画像上の位置、および、該画素に解剖学的に対応する前記第2の3次元画像上の点の位置をそれぞれ取得する位置取得手段、
前記各画素について取得された第1および第2の3次元画像上の位置を用いて、該画素により表される心筋部分の前記2つの時相間での移動を表す移動ベクトルを取得するベクトル取得手段、
前記各画素に該画素により表される心筋部分の前記取得された移動ベクトルを与えてなるベクトル場を前記各画素において空間的に微分した微分値を取得する微分値取得手段、および
前記取得された微分値を出力する出力手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項9】
前記出力手段が、前記取得された微分値が所定の閾値より小さい画素領域を他の領域と区別可能に表示するものであることを特徴とする請求項8記載の画像処理プログラム。
【請求項10】
前記出力手段が、前記取得された微分値を、前記画素毎の微分値の大きさの相違を視覚的に識別可能な態様で表示するものであることを特徴とする請求項8記載の画像処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−61019(P2012−61019A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205194(P2010−205194)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】