説明

画像処理装置、電子カメラおよび画像処理プログラム

【課題】全画像領域のうちユーザが所望する所定領域のヒストグラムを表示させる。
【解決手段】画像処理装置は、記録媒体から読み出された画像データに基づく表示用画像を表示する表示手段205と、表示用画像の表示倍率を変更して、拡大画像の表示を指示する拡大指示手段102、103と、表示手段205に表示される表示用画像の色情報を生成する色情報生成手段200と、表示用画像を表示している表示手段205に、さらにその表示用画像の色情報を表示させる色情報表示指示手段104とを備え、拡大指示手段102、103が拡大画像の表示を指示したときに、色情報表示指示手段104は、拡大画像の色情報の表示を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示中の画像のヒストグラムを表示する画像処理装置、電子カメラおよび画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、再生表示中の画像の輝度レベルをヒストグラムとして液晶モニタに表示するデジタルカメラが知られている(たとえば特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−208028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、再生表示中の画像の全領域についてのヒストグラムを表示するので、全画像領域のうちユーザが所望する所定領域のヒストグラムを把握できないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明による画像処理装置は、記録媒体から読み出された画像データに基づく表示用画像を表示する表示手段と、表示用画像の表示倍率を変更して、拡大画像の表示を指示する拡大指示手段と、表示手段に表示される表示用画像の色情報を生成する色情報生成手段と、表示用画像を表示している表示手段に、さらにその表示用画像の色情報を表示させる色情報表示指示手段とを備え、拡大指示手段が拡大画像の表示を指示したときに、色情報表示指示手段は、拡大画像の色情報の表示を指示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、拡大画像の色情報を表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明によるカメラの一実施の形態を図1〜図9を参照して説明する。電子カメラ1の正面図である図1(a)および背面図である図1(b)に示すように、カメラボディ10は、液晶モニタ205、再生ボタン100、メニューボタン101、縮小ボタン102、拡大ボタン103、サブコマンドダイヤル104、コマンドダイヤル105、操作部材106、OKボタン107、プロテクトボタン108および削除ボタン109を備える。
【0007】
図2は、実施の形態による電子カメラ1の要部構成を説明する図である。カメラボディ10には、撮影レンズ120を備えるレンズ鏡筒110が交換可能に装着されている。レンズ鏡筒110内には、レンズ群120a〜120cから成る撮影レンズ120、絞り140が設けられている。カメラボディ10には、撮像素子20、ペンタプリズム30、測光センサ40、接眼レンズ50、焦点検出用センサ60、クイックリターンミラー70およびフォーカシングスクリーン90が設けられている。
【0008】
図3は電子カメラ1の制御系のブロック図である。図3において、図2に示した構成要素には同一の符号を付して説明する。電子カメラ1の制御系は、撮像素子20、測光センサ40、焦点検出用センサ60、制御回路200、A/D変換回路201、画像処理回路202、A/D変換回路203、圧縮/伸張回路204、液晶モニタ205、バッファメモリ206、記録媒体207を備えている。
【0009】
図2を参照して説明すると、撮影レンズ120を通過して電子カメラ1に入射した被写体光は、シャッタレリーズ前は図2において実線で示すように位置するクイックリターンミラー70で上方へ導かれてフォーカシングスクリーン90に結像する。フォーカシングスクリーン90上に結像された被写体像は、ペンタプリズム30により接眼レンズ50に導かれて撮影者に観察されるとともに、測光センサ40にも導かれ、測光センサ40の受光面に被写体像が再結像される。被写体光の一部はクイックリターンミラー70の半透過領域を透過し、サブミラー70aにて下方に反射され、焦点検出用センサ60へ入射される。
【0010】
撮影の際(レリーズ後)には、クイックリターンミラー70が被写体光の光路上から光路外(図2の破線部)へと移動し、被写体光が撮像素子20へ導かれ、撮像素子20上に被写体像が結像する。撮像素子20は、受光した被写体光をその強度に応じた画像信号に変換するCCDやCMOSなどの光電変換素子である。撮像素子20の撮像面には、それぞれR(赤)、G(緑)およびB(青)のカラーフィルタが画素位置に対応するように設けられている。撮像素子20がカラーフィルタを通して被写体像を撮像するため、各撮像素子から出力される画像信号は、それぞれRGB表色系の色情報を有する。
【0011】
図3を参照して制御系について詳細に説明する。
撮像素子20は、制御回路200が出力するタイミング信号に応じて、撮像面に結像された被写体像に対応する信号電荷の蓄積および蓄積電荷の掃き出しを行い、アナログ画像信号を出力する。A/D変換回路201は、撮像素子20から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して、画像処理回路202へ出力する。画像処理回路202では、入力されたデジタル画像信号に対して、ホワイトバランス調整、シャープネス調整、ガンマ補正、階調調整などの画像処理が施され、被写体像が撮像された画像データ(被写体画像データ)として制御回路200へ出力される。
【0012】
測光センサ40は、撮像面に結像された被写体像に対応する信号電荷の蓄積および蓄積電荷の掃き出しを行い、アナログ画像信号(測光信号)を出力する。A/D変換回路203は、測光センサ40により得られて出力されたアナログ測光信号は、A/D変換回路203によりデジタル測光信号に変換されて制御回路200へ出力される。
【0013】
焦点検出用センサ60は、たとえば、焦点検出光束を一対の焦点検出用光像に分割して結像する焦点検出光学系と、分割された一対の光像が入射し、それに応じた焦点検出信号を出力する一対のCCDラインセンサとを備える。CCDラインセンサから出力される焦点検出信号は制御回路200に入力される。
【0014】
制御回路200はCPU、ROM、RAMおよび各種周辺回路から構成され、電子カメラの制御を行なうマイクロコンピュータである。制御回路200は、前述した焦点検出用センサ60から出力された焦点検出信号に基づいて、デフォーカス量などの焦点調節状態の演算を行う。さらに、制御回路200は、入力された測光信号に基づいて算出された被写体の輝度および撮像感度(ISO感度)に基づいてシャッタスピードと絞り値を演算する。また、画像処理回路202から制御回路200へ入力された画像データは、圧縮/伸張回路204に送出されJPEG形式などの方式により圧縮される。そして、制御回路200は、たとえば焦点調節が行われた領域(AFエリア)、撮像感度、シャッタスピード等の撮影条件に関する各種情報を、たとえばEXIF形式等の付加情報として上記の画像データに付加して、画像ファイルとしてバッファメモリ206または記録媒体207に記録する。
【0015】
制御回路200は、再生ボタン100に対応する再生スイッチ100aからの操作信号を入力すると、電子カメラの動作モードを、たとえば再生モードと撮影モードとの間で切り換える。再生モードには、1画像再生モード、拡大再生モード等がある。後述するように、1画像再生モードは表示する画像データの画像の領域全体を液晶モニタ205に表示するモードである。拡大再生モードは、後述する縮小ボタン102または拡大ボタン103の操作に応じて拡大率の変更された、画像データの画像の領域全体のうちの一部の領域を表す拡大再生画像を液晶モニタ205に表示するモードである。
【0016】
メニューボタン101に対応するメニュースイッチ101aからの操作信号を入力すると、制御回路200はカメラの各種動作を設定するためのメニュー画面を液晶モニタ205に表示する。液晶モニタ205は、液晶パネルおよびバックライト、表示制御部、表示用メモリ(VRAM)等を有する。液晶モニタ205には、制御回路200の指令により画像処理回路202等で作成された画像データや、記録媒体207に記録された画像ファイルの画像データに対応する表示用画像が再生画像として表示される。
【0017】
1画像再生モードにおいて画像データの画像全体を表す再生画像を表示中に縮小ボタン102が操作され、縮小スイッチ102aから縮小指示信号が出力されると、制御回路200は再生画像をサムネイル再生表示する。すなわち、制御回路200は、それぞれの画像のサイズが、たとえば120ドット×160ドットにリサイズされたサムネイル画像を液晶モニタ205に一覧表示する。
【0018】
拡大再生モードにおいて拡大ボタン103の操作により拡大率が変更された拡大再生画像が表示されている際には、縮小ボタン102が押下操作され縮小スイッチ102aから縮小指示信号が出力されるたびに、制御回路200は、表示中の再生画像を所定の縮小率ずつ縮小して液晶モニタ205に表示する。反対に、拡大ボタン103が押下操作され拡大スイッチ103aから拡大指示信号が出力されるたびに、制御回路200は、表示中の再生画像を所定の拡大率ずつ拡大して液晶モニタ205に表示する。
【0019】
サブコマンドダイヤル104が操作され、スイッチ104aから右方向操作信号または左方向操作信号が出力されると、制御回路200は、再生画像の情報表示パターンの切り換えを行う。情報表示パターンには、後述するように、再生画像のハイライト表示、RGBヒストグラム表示、撮影情報表示等が含まれる。
【0020】
撮影モードにおいてコマンドダイヤル105が操作されると、制御回路200は、撮像感度や露出モードなどを設定する。また、再生画像表示中においては、コマンドダイヤル105の右方向操作に応じてスイッチ105aから出力された右方向操作信号が入力されると、制御回路200は次画像を液晶モニタ205に表示する。スイッチ105aから左方向操作信号が入力されると、制御回路200は液晶モニタ205に前画像を表示する。すなわち、コマンドダイヤル105が右方向に操作されると再生画像がコマ送りされ、左方向に操作されると再生画像がコマ戻しされる。
【0021】
操作部材106は、たとえば十字キーなどで構成される。操作部材106の操作により、ユーザはメニュー画面上の各種メニューを選択できる。操作部材106の操作に応じてスイッチ106aから上方向操作信号、下方向操作信号、右方向操作信号、左方向操作信号が出力される。1画像再生モードにおいては、操作部材106の左右方向操作により、コマンドダイヤル105と同様に再生画像のコマ送りもしくはコマ戻しを行うことができる。操作部材106の上下方向操作により、サブコマンドダイヤル104が操作された場合と同様に、情報表示パターンの選択を行うことができる。また、拡大再生モードにおいては、操作部材106の操作により拡大再生画像の中心位置が変位される。
【0022】
OKボタン107の操作に応じてOKスイッチ107aから操作信号を入力すると、制御回路200は、拡大再生モードによる拡大再生画像の表示を終了して、電子カメラ1の動作を1画像再生モードに戻す。1画像再生モードにおいてOKスイッチ107aから操作信号を入力すると、制御回路200は、画像編集等に関するメニュー画面(編集メニュー)を液晶モニタ205に表示する。ユーザは操作部材106の上下方向操作により、編集メニューの中から、後述する色調整のためのカラーカスタマイズモードを選択することができる。プロテクトボタン108は、表示中の再生画像の画像データを保護するためのプロテクト処理を行う際に用いられる。削除ボタン109は、制御回路200がプロテクト処理のかけられていない画像データをバッファメモリ206および記録媒体207から削除するときに用いられる。
【0023】
次に、画像の再生表示について説明する。上述したように、この実施の形態の電子カメラ1では、再生モードとして、1画像再生モードおよび拡大再生モードが設けられ、いずれか一方の再生モードにより、制御回路200により画像が再生表示される。1画像再生モードは、制御回路200により、表示する画像データの画像の領域全体を液晶モニタ205に表示するモードである。拡大再生モードは、液晶モニタ205上に1画像再生モードにおいて再生表示された画像の表示倍率に対して表示倍率を拡大し、表示する画像データの画像の領域全体のうちの一部の領域、すなわち表示中の画像の拡大率や中心座標を変更された拡大再生画像を表示するモードである。
【0024】
−1画像再生モード−
再生ボタン100の操作により設定された1画像再生モードにおいて、制御回路200は、バッファメモリ206もしくは記録媒体207に記録された画像ファイルのファイル情報を取得し、その画像ファイルの画像データを読み出す。読み出された画像データは、圧縮/伸張回路204により原画像データに伸張されて、必要に応じて液晶モニタ205の表示解像度にリサイズされて作成された画像全体を表す再生画像が液晶モニタ205に表示される。なお、伸張された原画像データはバッファメモリ206に展開される。
【0025】
−拡大再生モード−
1画像再生モードにて画像データの画像の領域全体を表す再生画像が表示されているときに拡大ボタン103が操作された場合に、拡大再生モードが設定される。このとき、制御回路200はバッファメモリ206に展開されている原画像データに対して、その再生画像の表示中心位置(中心座標)を拡大のための中心(拡大中心位置)として、拡大ボタン103の操作により設定された拡大率に応じた領域をトリミングする。制御回路200は、トリミングした領域を液晶モニタ205の表示解像度に合わせてリサイズして拡大画像データを生成する。そして、制御回路200は、生成した拡大画像データに対応する再生画像(拡大再生画像)を液晶モニタ205に表示する。その結果、図4(a)に示す中心座標をXとする再生画像B1が、中心座標Xを拡大中心位置として拡大率が一段引上げられ、図4(b)に示す拡大再生画像B2が表示される。さらに拡大ボタン103が操作されると、制御回路200は、原画像データの中心座標を拡大中心位置として、拡大率が一段引き上げられた拡大画像データを生成し、拡大再生画像を液晶モニタ205に表示する。さらに、制御回路200は、この時の拡大率と拡大中心位置の座標とを画像データに対応付けてバッファメモリ206に記録する。
【0026】
拡大再生画像の表示中に縮小ボタン102が操作されると、制御回路200は、原画像データの中心座標を拡大中心位置とし、拡大率が一段引き下げられた拡大画像データを作成し、液晶モニタ205に拡大再生画像として表示する。この場合も、制御回路200は、この時の拡大率と拡大中心位置の座標とを画像データに対応付けてバッファメモリ206に記録する。
【0027】
上述したように、拡大再生画像が表示されている時に、操作部材106の操作により拡大再生画像の中心、すなわち拡大中心位置が変位されると、制御回路200は次のようにして拡大画像データを生成する。操作部材106が操作され、スイッチ106aから入力した上下左右方向の操作信号に応じて、制御回路200は、拡大画像データ上のV方向とH方向に対する拡大中心位置の移動量を算出する。そして、制御回路200は、算出した移動量と表示中の拡大再生画像の拡大中心位置の座標とに基づいて、新たに拡大中心位置の座標を算出する。
【0028】
制御回路200は、バッファメモリ206に記録されている原画像データを用いて、上記のようにして算出した座標を変位後の拡大中心位置として現在の拡大率で拡大した拡大画像データを生成する。そして、制御回路200は、液晶モニタ205に拡大中心位置が変位された拡大再生画像を表示する。図4(c)に示す拡大再生画像B3は、上記のようにして図4(b)の拡大再生画像B2の拡大中心位置XをYに変位した場合の一例である。この時、制御回路200は、変位後の拡大中心位置の座標を拡大率とともにバッファメモリ206に画像データと対応付けて記録する。
【0029】
以後、縮小ボタン102または拡大ボタン103の操作により、拡大再生画像が縮小もしくは拡大される場合には、変位された拡大中心位置を中心として表示される画像データの拡大率が変更される。そして、制御回路200は、拡大率もしくは拡大中心位置が更新されるごとに、画像データの拡大率と拡大中心位置の座標とを画像データに対応付けてバッファメモリ206に記録する。
【0030】
拡大再生モードで拡大再生画像が表示されている場合に、縮小ボタン102、拡大ボタン103による縮小、拡大操作、または操作部材106による液晶モニタ205上の再生画像に対する上下左右方向への移動操作が行われると、制御回路200はナビ画面300を表示する。図4(b)、(c)に示すように、ナビ画面300は再生画像の全体を表す縮小画像であり、液晶モニタ205の所定の小領域に、拡大表示中の再生画像に半透過もしくは透過状態で重畳して表示される。ナビ画面300内の枠301は、拡大表示中の再生画像が、再生画像全体に対して占有する位置を示すものである。なお、ナビ画面300は縮小ボタン102、拡大ボタン103および操作部材106の操作後、所定時間、たとえば2秒間だけ表示される。
【0031】
次に、情報表示パターンについて説明する。情報表示パターンには以下の(1)〜(3)の表示形式が含まれる。
(1)撮影情報表示
(2)ハイライト表示
(3)RGBヒストグラム表示
(4)統合表示
【0032】
操作部材106が上下方向操作されるごと、またはサブコマンドダイヤル104が操作されるごとに、再生画像と情報表示パターン(1)〜(4)との間で表示の切り換えを行うことができる。制御回路200は、操作信号を入力するごとに、たとえば再生画像→撮影条件表示→ハイライト表示→RGBヒストグラム表示→統合表示→再生画像→・・・の順序で液晶モニタ205の表示を切り換える。
【0033】
(1)撮影情報表示
撮影情報表示においては、画像データが取得された際の焦点調節が行われた領域(AFエリア)、撮像感度、シャッタ速度等の撮影条件に関する情報が液晶モニタ205に表示される。この場合、制御回路200は、画像ファイルの付加情報から撮影条件に関係するデータを参照して情報表示用データを作成し、対応する撮影情報を液晶モニタ205に表示する。
【0034】
(2)ハイライト表示
ハイライト表示においては、再生画像のうち輝度値が所定値以上の領域、すなわちハイライトの領域が点滅表示される。
【0035】
(3)RGBヒストグラム表示
図5に示すように、再生画像の色情報として、輝度(Y)、およびR(赤)、G(緑)、B(青)各色のヒストグラム(度数分布)が液晶モニタ205上の再生画像が表示される領域とは異なる領域に表示される。図4(a)に示す再生画像B1が表示されているときにRGBヒストグラム表示が指示されると、制御回路200は、再生画像B1の縮小画像B1sを液晶モニタ205上の表示領域R1に表示させる。
【0036】
制御回路200は、再生画像B1に対応する画像データ、すなわち原画像データを用いて、全画素の輝度およびR,G,Bの各色のそれぞれについての度数分布を算出する。そして、制御回路200は、算出した度数分布に基づいて、輝度およびR,G,B各色のそれぞれについてのヒストグラムを表す表示用データを作成し、表示用データに対応するヒストグラムを液晶モニタ205に表示する。その結果、図5(a)に示すように、再生画像全体の輝度分布を示すヒストグラムが、液晶モニタ205上の表示領域R2に表示される。再生画像全体のR色のヒストグラムは液晶モニタ205の表示領域R3に、G色のヒストグラムは表示領域R4に、B色のヒストグラムは表示領域R5に表示される。
【0037】
図5(a)に示すRGBヒストグラム表示がされているときに、拡大ボタン103が操作されたものとする。スイッチ103aから拡大指示信号を入力すると、制御回路200は、上述したように、拡大ボタン103の操作により設定された拡大率に応じた領域を原画像データからトリミングして、拡大画像データを生成する。そして、制御回路200は、作成した拡大画像データに対応する拡大再生画像B2の縮小画像B2sを、図5(b)に示すように液晶モニタ205の表示領域R1に表示させる。
【0038】
制御回路200は、作成した拡大画像データを用いて、拡大再生画像B2に含まれる画素を検出し、検出された画素の輝度およびR,G,Bの各色のそれぞれについての度数分布を算出する。そして、制御回路200は、算出した度数分布に基づいて、輝度およびR,G,B各色のそれぞれについてのヒストグラムを表す表示用データを作成し、表示用データに対応するヒストグラムを液晶モニタ205に表示する。その結果、図5(b)に示すように、拡大再生画像B2の輝度分布を示すヒストグラムが液晶モニタ205上の表示領域R2に、拡大再生画像B2のR色のヒストグラムは液晶モニタ205の表示領域R3に、G色のヒストグラムは表示領域R4に、B色のヒストグラムは表示領域R5に表示される。さらに、制御回路200は、液晶モニタ205の表示領域R6にナビ表示をする。図5(b)に示すように、ナビ表示は再生画像B1の全体を表す縮小画像である。
【0039】
以後、縮小ボタン102または拡大ボタン103の操作により、拡大再生画像が縮小もしくは拡大されるごとに、制御回路200は、拡大画像データを生成し、対応する拡大再生画像の縮小画像を表示領域R1に表示する。そして、制御回路200は、生成した拡大画像データを用いて、輝度およびR,G,B各色のそれぞれについてのヒストグラムを表す表示用データを作成し、表示用データに対応するヒストグラムを液晶モニタ205の表示領域R2〜R5にそれぞれ表示する。
【0040】
(4)統合表示
統合表示においては、上述した撮影情報表示、ハイライト表示およびRGBヒストグラム表示の全てが液晶モニタ205に表示される。統合表示の場合でも、縮小ボタン102または拡大ボタン103の操作により、拡大再生画像が縮小もしくは拡大されるごとに、制御回路200は、生成した拡大画像データを用いて、輝度およびR,G,B各色のそれぞれについてのヒストグラムを表示する。
【0041】
次に、カラーカスタマイズモードについて説明する。カラーカスタマイズモードにおいては、ユーザは、再生画像の色味、すなわちR,G,Bの各色を調整するとともに、調整が施された再生画像を確認できる。さらに、色調整が施された再生画像を記録媒体207に記録できる。ユーザにより上述した編集メニューからカラーカスタマイズモードが選択されると、制御回路200は、図6に示す色編集画面を液晶モニタ205に表示する。
【0042】
図6(a)の色編集画面における表示領域R1〜R5には、上述したRGBヒストグラム表示画面の場合と同様に、それぞれ再生画像、再生画像全体の輝度分布を示すヒストグラム、R色のヒストグラム、G色のヒストグラム、B色のヒストグラムが表示される。表示領域R7には、R,G,Bの各色の調整状態を示すカーソルCRが表示される。ユーザによるメニューボタン101を押下操作しながら操作部材106の上下左右方向操作(色調整操作)に応じて出力される色調整操作信号を入力すると、制御回路200は、原画像データのR、G、Bの各色成分のパラメータを変更する。すなわち、制御回路200は、右方向に色変更操作が行われると、再生画像のR色成分が濃く、かつG色成分が薄くなるように原画像データのパラメータを変更する。色調整操作が左方向へ行われると、制御回路200は、R色成分が薄く、かつG色成分が濃くなるようにパラメータを変更する。さらに、制御回路200は、色調整操作が下方向の場合は、B色成分が濃くなるようにB色成分のパラメータを変更し、色調整操作が上方向の場合は、B色成分が薄くなるようにB色成分のパラメータを変更する。このとき、制御回路200は、色調整操作の方向と操作量に応じて、カーソルCRを表示領域R7の範囲内で移動させる。
【0043】
上述したようにして色調整操作が行われると、制御回路200は、原画像データのR,G,B各色成分のパラメータを変更した新たな画像データ(色調整画像データ)を生成する。そして、制御回路200は、色調整画像データに対応する再生画像BC1(色調整再生画像)の縮小画像BC1sを表示領域R1に表示させる。さらに、制御回路200は、色調整画像データを用いて、全画素の輝度およびR,G,Bの各色のそれぞれについての度数分布を算出する。そして、制御回路200は、算出した度数分布に基づいて、輝度およびR,G,B各色のそれぞれについてのヒストグラムを表す表示用データを作成し、表示用データに対応するヒストグラムを液晶モニタ205に表示する。その結果、色調整再生画像全体の輝度分布を示すヒストグラムが、液晶モニタ205上の表示領域R2に表示される。また、色調整再生画像全体のR色のヒストグラムは液晶モニタ205の表示領域R3に、G色のヒストグラムは表示領域R4に、B色のヒストグラムは表示領域R5に表示される。
【0044】
図6(a)に示す色編集画面がされているときに、拡大ボタン103が操作されたものとする。スイッチ103aから拡大指示信号を入力すると、RGBヒストグラム表示における場合と同様にして、制御回路200は、拡大再生画像B2の縮小画像B2sを、液晶モニタ205の表示領域R1に表示させる。さらに、制御回路200は、作成した拡大画像データを用いて、拡大再生画像B2に含まれる画素を検出し、検出された画素の輝度およびR,G,Bの各色のそれぞれについての度数分布を算出する。そして、制御回路200は、算出した度数分布に基づいて、輝度およびR,G,B各色のそれぞれについてのヒストグラムを表す表示用データを作成し、表示用データに対応するヒストグラムを液晶モニタ205に表示する。すなわち、拡大再生画像B2の輝度分布を示すヒストグラムが液晶モニタ205上の表示領域R2に、拡大再生画像B2のR色のヒストグラムは液晶モニタ205の表示領域R3に、G色のヒストグラムは表示領域R4に、B色のヒストグラムは表示領域R5に表示される。さらに、制御回路200は、液晶モニタ205の表示領域R6にナビ表示をする。図6(b)に示すように、ナビ表示は再生画像B1の全体を表す縮小画像である。
【0045】
拡大再生画像B2の縮小画像B2sが表示領域R1に表示されているときに、色調整操作が行われると、制御回路200は、色調整操作に応じて、原画像データのR,G,B各色のパラメータを変更して色調整画像データを生成する。制御回路200は、色調整画像データから拡大再生画像B2の拡大率に応じた領域をトリミングして、トリミングした領域を液晶モニタ205の表示解像度に合わせてリサイズして色調整拡大画像データを生成する。そして、制御回路200は、色調整拡大画像データに対応する再生画像(色調整拡大再生画像)の縮小画像BC2sを表示領域R1に表示させる。さらに、制御回路200は、色調整拡大画像データを用いて、全画素の輝度およびR,G,Bの各色のそれぞれについての度数分布を算出する。そして、制御回路200は、算出した度数分布に基づいて、輝度およびR,G,B各色のそれぞれについてのヒストグラムを表す表示用データを作成し、表示用データに対応するヒストグラムを液晶モニタ205に表示する。その結果、色調整拡大再生画像の輝度分布を示すヒストグラムが、液晶モニタ205上の表示領域R2に表示される。また、色調整拡大画像のR色のヒストグラムは液晶モニタ205の表示領域R3に、G色のヒストグラムは表示領域R4に、B色のヒストグラムは表示領域R5に表示される。
【0046】
色調整再生画像または色調整拡大再生画像が表示領域R1に表示されているときに、ユーザによりOKボタン107が操作されると、色調整操作が反映された画像が記録される。すなわち、制御回路200は、OKスイッチ107aから操作信号を入力すると、色調整画像データまたは色調整拡大画像データを記録媒体207に記録する。
【0047】
次に、図7〜図9に示すフローチャートを用いて、実施の形態によるカメラの再生画像表示の動作における各処理について説明する。なお、このフローチャートに示す各処理は、制御回路200によりプログラムを実行して行われる。また、このフローチャートは再生スイッチ100aから操作信号が入力されると開始される。
【0048】
ステップS101において、画像ファイルのファイル情報を取得してステップS102へ進む。ステップS102においては、ステップS101で取得した画像ファイルの画像データをバッファメモリ206または記録媒体207から読み出してステップS103へ進む。
【0049】
ステップS103において、圧縮/伸張回路204により、ステップS102で読み出した画像データを原画像データに伸張し、バッファメモリ206に展開してステップS104へ進む。ステップS104では、選択されている情報表示パターンを確認してステップS105へ進む。
【0050】
ステップS105では、ステップS103で伸張された画像データに対応する再生画像を液晶モニタ205に表示してステップS106へ進む。ステップS106において、再生ボタン100が操作されたか否かを判定する。再生スイッチ100aから操作信号を入力した場合は、ステップS106が肯定判定されてステップS107へ進む。ステップS107では、1画像再生モードを終了し、さらに液晶モニタ205をオフして一連の処理を終了する。再生スイッチ100aから操作信号を入力しない場合は、ステップS106が否定判定されてステップS108へ進む。
【0051】
ステップS108においては、メニューボタン101が操作されたか否かを判定する。メニュースイッチ101aから操作信号を入力した場合は、ステップS108が肯定判定されてステップS109へ進む。ステップS109においては、1画像再生モードを終了するとともに、液晶モニタ205に各種設定を行なうためのメニュー画面を表示して一連の処理を終了する。メニュースイッチ101aから操作信号を入力しない場合は、ステップS108が否定判定されてステップS110へ進む。
【0052】
ステップS110においては、拡大ボタン103が操作されたか否かを判定する。拡大スイッチ103aから拡大指示信号を入力した場合は、ステップS110が肯定判定されてステップS111へ進む。ステップS111においては、後述の拡大再生のサブルーチンを呼び出し、拡大再生処理を行う。拡大スイッチ103aから拡大指示信号を入力しない場合は、ステップS110が否定判定されてステップS112へ進む。
【0053】
ステップS112では、縮小ボタン102が操作されたか否かを判定する。縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力した場合は、ステップS112が肯定判定されてステップS113へ進む。ステップS113においては、液晶モニタ205に再生画像をサムネイル表示する。縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力しない場合は、ステップS112が否定判定されてステップS114へ進む。
【0054】
ステップS114では、削除ボタン109が操作されたか否かを判定する。削除スイッチ109aから操作信号を入力した場合は、ステップS114が肯定判定されてステップS115へ進み、表示中の再生画像の画像データをバッファメモリ206もしくは記録媒体207から削除するための処理を行う。削除スイッチ109aから操作信号を入力しない場合は、ステップS114が否定判定されてステップS116へ進む。
【0055】
ステップS116においては、プロテクトボタン108が操作されたか否かを判定する。プロテクトスイッチ108aから操作信号を入力した場合は、ステップS116が肯定判定されてステップS117へ進み、表示中の再生画像の画像データを保護するためのプロテクト処理を行う。プロテクトスイッチ108aから操作信号を入力しない場合は、ステップS116が否定判定されてステップS118へ進む。
【0056】
ステップS118においては、コマンドダイヤル105の右方向操作もしくは操作部材106の右ボタンが操作されたか否かを判定する。スイッチ105aもしくはスイッチ106aから右方向操作信号を入力した場合は、ステップS118が肯定判定されてステップS119へ進む。ステップS119では、液晶モニタ205に表示中の再生画像の次コマの画像ファイルの情報を取得してステップS122へ進む。スイッチ105aもしくはスイッチ106aから右方向操作信号を入力しない場合は、ステップS118が否定判定されてステップS120へ進む。
【0057】
ステップS120においては、コマンドダイヤル105の左方向操作もしくは操作部材106の左ボタンが操作されたか否かを判定する。スイッチ105aもしくはスイッチ106aから左方向操作信号を入力した場合は、ステップS120が肯定判定されてステップS121へ進む。
【0058】
ステップS121では、液晶モニタ205に表示中の再生画像の前コマの画像ファイルの情報を取得してステップS122へ進む。ステップS122では、現在表示中の再生画像に対応する画像データに対して、拡大位置フラグiが1に設定されているか否かを判定する。拡大位置フラグiが1の場合は、ステップS122が肯定判定されてステップS123へ進み、拡大位置フラグiを0にリセットしてステップS102へ戻る。拡大位置フラグiが0の場合は、ステップS122が否定判定されてステップS102へ戻る。
【0059】
スイッチ105aもしくはスイッチ106aから左方向操作信号を入力しない場合は、ステップS120が否定判定されてステップS124へ進む。ステップS124では、サブコマンドダイヤル104の操作もしくは操作部材106の上下方向操作が行われたか否かを判定する。スイッチ104aからの操作信号もしくはスイッチ106aからの上方向操作信号または下方向操作信号を入力した場合は、ステップS124が肯定判定されてステップS125へ進む。ステップS125においては、情報表示パターンの設定を切り換えてステップS104へ戻る。スイッチ104aからの操作信号もしくはスイッチ106aからの上方向操作信号または下方向操作信号を入力しない場合は、ステップS124が否定判定されてステップS126へ進む。
【0060】
ステップS126では、OKボタン107が操作されたか否かを判定する。OKスイッチ107aから操作信号を入力した場合は、ステップS126が肯定判定されて、液晶モニタ205に画像編集のためのメニュー画面を表示させてステップS127へ進む。OKスイッチ107aから操作信号を入力しない場合は、ステップS126が否定判定されてステップS102へ戻る。
【0061】
ステップS127では、画像編集のためのメニュー画面からカラーカスタマイズが選択されたか否かを判定する。ユーザによりカラーカスタマイズが選択された場合には、ステップS127が肯定判定されて、ステップS128へ進む。ステップS128では、カラーカスタマイズ処理を行う。このカラーカスタマイズ処理の詳細については、詳細を後述する。カラーカスタマイズが選択されない場合には、ステップS127が否定判定されてステップS129へ進む。ステップS129においては、カラーカスタマイズ処理以外の画像編集に関する各種の処理(たとえば、赤目補正や画像合成など)を施す。
【0062】
図7のステップS111における拡大再生のサブルーチンについて、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS201において、画像データを読み出してステップS202へ進む。ステップS202では、ステップS201で読み出した画像データをバッファメモリ206に展開してステップS203へ進む。
【0063】
ステップS203においては、拡大位置フラグiが1であるか否かを判定する。拡大位置フラグiが1の場合は、ステップS203が肯定判定されてステップS204へ進む。拡大位置フラグiが0の場合は、ステップS203が否定判定されてステップS205へ進む。
【0064】
ステップS204において、拡大再生画像データの拡大中心位置を保持したまま、拡大率を初期化してステップS206へ進む。ステップS205においては、再生用画像データの拡大率を初期化し、原画像データの中心座標を拡大中心位置としてステップS206へ進む。
【0065】
ステップS206においては、情報表示パターンとしてRGBヒストグラムが選択されているか否かを判定する。RGBヒストグラムが選択されている場合には、ステップS206が肯定判定されてステップS207へ進む。ステップS207においては、拡大表示される領域に対応する拡大画像データを用いて、Y,R,G,Bそれぞれについて上述したようにしてヒストグラムを作成し、液晶モニタ205に表示してステップS208へ進む。RGBヒストグラムが選択されていない場合は、ステップS206は否定判定されてステップS208へ進む。
【0066】
ステップS208では、バッファメモリ206に記録されている拡大中心位置もしくはステップS205において初期化された拡大中心位置、すなわち原画像データの中心座標を中心として拡大率を一段引上げた拡大再生画像を液晶モニタ205に表示してステップS209へ進む。ステップS209(再生ボタン操作判定)においては、ステップS106(再生ボタン操作判定)と同様の判定処理を行う。ステップS209が肯定判定されるとステップS210へ進み、拡大位置フラグiを0に設定してステップS212へ進む。ステップS212では、ステップS107と同様に再生モードを終了し、液晶モニタ205をオフして処理を終了する。
【0067】
ステップS209が否定判定されるとステップS211へ進み、ステップS108と同様にメニューボタン101の操作の有無を判定する。メニューボタン101が操作された場合は、ステップS211が肯定判定されてステップS213へ進む。ステップS213では、ステップS210と同様に拡大位置フラグiを0に設定してステップS214へ進む。ステップS214では、ステップS109と同様に再生モードを終了し、液晶モニタ205にメニュー画面を表示させて処理を終了する。メニューボタン112が操作されない場合は、ステップS211が否定判定されてステップS215へ進む。
【0068】
ステップS215において、拡大ボタン103が操作されたか否かを判定する。拡大スイッチ103aから拡大指示信号を入力した場合は、ステップS215が肯定判定されてステップS216へ進む。ステップS216では、拡大再生画像データの拡大率を一段引き上げてステップS222へ進む。拡大スイッチ103aから拡大指示信号を入力しない場合は、ステップS215が否定判定されてステップS217へ進む。
【0069】
ステップS217においては、縮小ボタン102が操作されたか否かを判定する。縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力した場合は、ステップS217が肯定判定されてステップS218へ進む。縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力しない場合は、ステップS217が否定判定されてステップS219へ進む。
【0070】
ステップS218では、バッファメモリ206に記録された拡大率を参照して、表示用画像の倍率が等倍、すなわち1画像再生か否かを判定する。等倍の場合はステップS218が肯定判定されてステップS220へ進む。等倍ではない場合は、ステップS218が否定判定されてステップS221へ進む。
【0071】
ステップS220においては、拡大再生画像データに対して拡大位置フラグiを1に設定して、図7のステップS105へ戻る。ステップS221では、拡大再生画像データの拡大率を一段引き下げてステップS222へ進む。ステップS222では、拡大再生画像データの拡大率をバッファメモリ206に記録してステップS207へ戻る。
【0072】
ステップS219においては、OKボタン107が操作されたか否かを判定する。OKスイッチ107aから操作信号を入力した場合は、ステップS219が肯定判定されてステップS223へ進む。ステップS223では、拡大再生画像データに対する拡大位置フラグiを0に設定して、図7のステップS105に戻る。OKスイッチ107aから操作信号を入力しない場合は、ステップS219が否定判定されてステップS224へ進む。
【0073】
ステップS224では、ステップS114と同様に削除ボタン109の操作の有無を判定する。削除ボタン109が操作された場合は、ステップS224が肯定判定されてステップS225へ進む。ステップS225では拡大位置フラグiを0に設定してステップS226へ進み、ステップS115と同様に削除処理を行う。削除ボタン109が操作されない場合は、ステップS224が否定判定されてステップS227へ進む。ステップS227(プロテクトボタン操作判定)およびステップS228(画像プロテクト処理)の各処理は、ステップS116(プロテクトボタン操作判定)およびステップS117(画像プロテクト処理)の各処理と同様の処理を行う。ステップS229においては、操作部材106が操作されたか否かを判定する。スイッチ106aから操作信号を入力した場合は、ステップS229が肯定判定されてステップS230へ進む。スイッチ106aから操作信号を入力しない場合は、ステップS229が否定判定されてステップS231へ進む。
【0074】
ステップS230では、操作部材106の操作方向に応じて拡大再生画像データの拡大中心位置を移動してステップS232へ進む。ステップS232においては、ステップS230で移動した拡大中心位置をバッファメモリ206に記録してステップS207へ戻る。
【0075】
ステップS231では、コマンドダイヤル105が右方向へ操作されたか否かを判定する。スイッチ105aから右方向操作信号を入力した場合は、ステップS231が肯定判定されてステップS233へ進み、液晶モニタ205に表示中の再生画像の次コマの画像ファイルの情報を取得してステップS201へ戻る。スイッチ105aから右方向操作信号を入力しない場合は、ステップS231が否定判定されてステップS234へ進む。
【0076】
ステップS234においては、コマンドダイヤル105が左方向へ操作されたか否かを判定する。スイッチ105aから左方向操作信号を入力した場合は、ステップS234が肯定判定されてステップS235へ進み、液晶モニタ205に表示中の再生画像の前コマの画像ファイルの情報を取得してステップS201へ戻る。スイッチ105aから左方向操作信号を入力しない場合は、ステップS234が否定判定されてステップS236へ進む。
【0077】
ステップS236においては、サブコマンドダイヤル104が操作されたか否かを判定する。スイッチ104aから操作信号を入力した場合は、ステップS236が肯定判定されてステップS237へ進む。ステップS237においては、上述したように情報表示パターンの設定を切り換えてステップS206へ戻る。スイッチ104aから操作信号を入力しない場合には、ステップS236が否定判定されてステップS201へ戻る。
【0078】
図7のステップS128におけるカラーカスタマイズ処理のサブルーチンについて、図9に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS301において、液晶モニタ205に色編集画面を表示してステップS302へ進む。ステップS302では、色調整操作が行われたか否かを判定する。色調整操作信号を入力した場合は、ステップS302が肯定判定されてステップS303へ進む。色調整操作信号を入力しない場合は、ステップS302が否定判定されてステップS305へ進む。
【0079】
ステップS303においては、色調整操作の操作量に応じて原画像データのR,G,Bの各色成分のパラメータを変更して、色調整画像データ/色調整拡大画像データを生成する。なお、後述するステップS305〜S308の処理を行い、かつステップS309が否定判定されてステップS303に進んだ場合は、色調整拡大画像データを生成する。生成した色調整画像データ/色調整拡大画像データに対応する色調整再生画像/色調整拡大画像の縮小画像を色編集画面の表示領域R1に表示してステップS304へ進む。
【0080】
ステップS304においては、ステップS303で生成した色調整画像データ/色調整拡大画像データを用いて輝度、R色、G色およびB色についてのヒストグラムを作成し、色編集画面の表示領域R2〜R5に表示してステップS305へ進む。ステップS305では、拡大率の変更操作が行われたか否かを判定する。拡大スイッチ103aから拡大指示信号、もしくは縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力した場合は、ステップS305が肯定判定されてステップS306へ進む。拡大スイッチ103aから拡大指示信号、および縮小スイッチ102aから縮小指示信号を入力しない場合は、ステップS305が否定判定されてステップS309へ進む。
【0081】
ステップS306においては、変更された拡大率に応じて原画像データをトリミングして拡大画像データを生成する。生成した拡大画像データに対応する拡大再生画像の縮小画像を色編集画面の表示領域R1に表示してステップS307へ進む。ステップS307では、ステップS306で生成した拡大画像データを用いて、輝度、R色、G色およびB色についてのヒストグラムを作成し、色編集画面の表示領域R2〜R5に表示してステップS308へ進む。
【0082】
ステップS308では、色編集画面の表示領域R6にナビ表示をしてステップS309へ進む。ステップS309では、OKボタン107が操作されたか否かを判定する。OKスイッチ107aから操作信号を入力した場合は、ステップS309が肯定判定されてステップS310へ進む。ステップS310では、色調整画像データを記録媒体207へ記録して処理を終了する。OKスイッチ107aから操作信号を入力しない場合は、ステップS309が否定判定されてステップS302へ戻る。
【0083】
以上で説明した実施の形態の電子カメラによれば、以下の作用効果が得られる。
(1)制御回路200は、RGBヒストグラム表示を行う際には、原画像データを用いて輝度、R,G,B各色のヒストグラムを生成して表示する。さらに、拡大ボタン103が操作され拡大再生画像の表示が指示されると、制御回路200は拡大再生画像の輝度、R,G,B各色のヒストグラムを生成して表示するようにした。したがって、ユーザは、再生画像のうちの所望する領域の色分布を確認できるので、画像の編集等を行う際の利便性が向上する。
【0084】
(2)カラーカスタマイズモードにおいて、制御回路200は、色調整再生画像を表示させるとともに、色調整画像データを用いて、全画素の輝度およびR,G,Bの各色のそれぞれについての度数分布を算出して、それぞれのヒストグラムを表示させる。さらに、拡大ボタン103が操作され色調整拡大再生画像の表示が指示されると、制御回路200は色調整拡大画像の輝度、R,G,B各色のヒストグラムを生成して表示するようにした。したがって、ユーザは、再生画像のうちの所望する領域における色調整処理が施された状態を確認できるので、画像の編集等を行う際の利便性が向上する。
【0085】
(3)制御回路200は、原画像データをトリミング及びリサイズすることにより生成した拡大再生画像データを用いて、輝度、R,G,B各色のヒストグラムを作成するようにした。したがって、原画像データを用いてヒストグラムを作成する場合に比べて、ヒストグラム表示に要する処理時間を短縮できる。
【0086】
以上で説明した実施の形態の電子カメラを、以下のように変形できる。
(1)輝度、R,G,B各色のヒストグラムと再生画像とを液晶モニタ205上の異なる表示領域に表示するものに代えて、輝度、R,G,B各色のヒストグラムを再生画像に重畳表示してもよい。
【0087】
(2)RGBヒストグラム表示が設定されてから制御回路200が原画像データを用いて輝度、R,G,B各色のヒストグラムを作成するものに代えて、原画像データを記録する時点で、予め輝度、R,G,B各色のヒストグラムの表示用データを作成し、原画像データと対応付けをして記録媒体207に記録するようにしてもよい。この場合、制御回路200は、RGBヒストグラム表示が設定されたときに、記録媒体207に記録されたヒストグラムの表示用データを読み出して、液晶モニタ207に輝度、R,G,B各色のヒストグラムを表示すればよい。その結果、輝度、R,G,B各色のヒストグラム表示に要する処理時間を短縮できる。
【0088】
(3)RGBヒストグラム表示が設定されている際に、拡大ボタン103が操作されると拡大再生画像および拡大再生画像のヒストグラムを表示するものに代えて、拡大再生画像表示中にRGBヒストグラム表示が設定されたときに、拡大再生画像のヒストグラムを表示するようにしてもよい。
【0089】
(4)制御回路200は、拡大画像データを用いてヒストグラムを作成するものに代えて、原画像データのうち拡大率に対応した領域、すなわちトリミングされた画像データを用いてヒストグラムを作成してもよい。
【0090】
(5)電子カメラ1でプログラムを実行して行なった処理を、パーソナルコンピュータ等の画像処理装置で実行することができる。この場合、画像処理装置のメモリのプログラム格納領域には、図7〜図9のフローチャートに基づくプログラムが予め記憶されている。
【0091】
図7〜図9のフローチャートに示す処理を実行するプログラムのバージョンアップ時などにおいて、インターネット経由や可搬記録媒体を介して既存のユーザに対するサポートを実施する場合もあり得る。したがって、上記プログラムは、そのようなバージョンアップ用のソフトウエアに対しても適用できる。
【0092】
また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。説明に用いた実施の形態および変形例は、それぞれを適宜組合わせて構成しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態による電子カメラの外観図
【図2】実施の形態による電子カメラの要部構成部
【図3】実施の形態による電子カメラの制御系のブロック図
【図4】液晶モニタによる再生画像の表示の一例を示す図
【図5】RGBヒストグラム表示の一例を示す図
【図6】色編集画面の表示の一例を示す図
【図7】実施の形態による電子カメラの再生処理を説明するフローチャート
【図8】実施の形態による電子カメラの拡大再生処理を説明するフローチャート
【図9】実施の形態による電子カメラの色編集処理を説明するフローチャート
【符号の説明】
【0094】
102 縮小ボタン、 103 拡大ボタン、 104 サブコマンドダイヤル、
200 制御回路、 205 液晶モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体から読み出された画像データに基づく表示用画像を表示する表示手段と、
前記表示用画像の表示倍率を変更して、拡大画像の表示を指示する拡大指示手段と、
前記表示手段に表示される前記表示用画像の色情報を生成する色情報生成手段と、
前記表示用画像を表示している前記表示手段に、さらにその表示用画像の色情報を表示させる色情報表示指示手段とを備え、
前記拡大指示手段が前記拡大画像の表示を指示したときに、前記色情報表示指示手段は、前記拡大画像の色情報の表示を指示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記画像データに対して色調整処理を施して色調整画像データを生成する色調整手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記色調整画像データに基づく色調整画像を表示し、
前記色情報生成手段は、前記色調整画像の色情報を生成し、
前記拡大指示手段が前記色調整画像の表示倍率を変更して色調整拡大画像の表示を指示したときに、前記色情報表示手段は、前記色調整拡大画像の色情報を表示することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像処理装置において、
前記画像データのうち、前記拡大画像の領域に対応するデータを用いて拡大画像データを生成する拡大画像生成手段をさらに備え、
前記拡大指示手段が前記拡大画像の表示を指示したときに、前記色情報生成手段は、前記拡大画像データを用いて前記拡大画像の前記色情報を生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記色情報は輝度に対する画素の分布を示すことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
被写体像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
前記画像データを記録媒体に記録する記録制御手段と、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置とを備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
記録媒体から読み出された画像データに基づく表示用画像を表示器に表示する表示処理と、
前記表示用画像の表示倍率を変更して、拡大画像の表示を指示する拡大指示処理と、
前記表示器に表示される前記表示用画像の色情報を生成する色情報生成処理と、
前記表示用画像を表示している前記表示器に、さらにその表示用画像の色情報を表示させる色情報表示指示処理とを備え、
前記拡大指示処理により前記拡大画像の表示を指示されたときに、前記色情報表示指示処理は、前記拡大画像の色情報の表示を指示することを特徴とするコンピュータにより実行可能な画像処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−56621(P2010−56621A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216576(P2008−216576)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】