説明

画像処理装置及び画像処理装置の制御方法

【課題】 操作パネルの操作の利便性を高めることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】 指や専用のペンで画面に触れることで操作を行うことができる操作パネル6を備えた画像処理装置であって、操作パネル6上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断し、その特定の軌跡に対応した動作を実施する制御を司る中央制御手段1を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理装置の制御方法に関し、特に、指や専用のペンで画面に触れることで操作を行うことができる操作パネルを備えた画像処理装置における指示入力技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像表示システムに関しては、例えば特許文献1に示すように、複数の表示装置にベース装置から映像信号を供給するに当たり、ユーザーが指で画面をなぞる操作により、映像機器間で映像の授受を行うことを可能にし、従来のリモコンのようなボタン操作とは異なり、感覚的に切替えを行うことができるようにする、という特徴を持つものがあった。
【特許文献1】特開2003−333359公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術の場合、ベース装置と表示装置からなるブロードキャスト目的の映像表示システムに関してしか捉えておらず、双方向通信や画像蓄積、画像生成能力を持った画像処理装置に関しては考慮されていなかった。また、従来、身体障害者や老人にとって、画像処理装置の操作パネル上にあった小さなボタンの操作は困難であった。
本発明は、操作パネルの操作の利便性を高めることができる画像処理装置及び画像処理装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、指や専用のペンで画面に触れることで操作を行う操作パネルを備えた画像処理装置であって、操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断し、その特定の軌跡に対応した動作を実施するように制御する中央制御手段を備えた画像処理装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記中央制御手段は、前記操作パネル上に操作のボタンの表示された操作画面が表示されており、前記操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断できない場合、前記描かれた軌跡とボタン座標入力位置と一致するか否かを判断し、一致した場合、前記ボタン操作の動作を実施するように制御する画像処理装置を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記操作パネルから特定の軌跡に対応した動作を任意に入力すると、前記中央制御手段は、両者を関連付けて記憶装置に登録するように制御する画像処理装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、指や専用のペンで画面に触れることで操作を行う操作パネルを備えた画像処理装置の制御方法であって、前記操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断したとき、その特定の軌跡に対応した画像処理動作を実施する画像処理装置の制御方法を最も主要な特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置の制御方法において、前記操作パネル上にボタンが表示される操作画面が表示されており、前記操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断できない場合、前記描かれた軌跡とボタン座標入力位置と一致するか判断し、一致した場合、ボタン操作の動作を実施する画像処理装置の制御方法を主要な特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の画像処理装置の制御方法において、前記操作パネルから特定の軌跡に対応した動作を任意に入力すると、両者を関連付けて記憶装置に登録する画像処理装置の制御方法を主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、指や専用のペンで画面に触れることで操作を行うことができる操作パネルを備えた画像処理装置であって、操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断したとき、その特定の軌跡に対応した動作を実施する制御を司る中央制御手段を備えたことで、操作パネルの操作の利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成図である。CPU1は装置全体の制御を司るものであり、その制御下にROM2、RAM3、NVRAM4、パネル制御部5と操作パネル6、エンジン制御部7とスキャン/プリントエンジン8、ディスクドライバ9と記憶装置10、モデム11、外部I/F12、通信制御部13がデータバス14を介して接続されている。
ROM2は、プログラムコード、フォント、及びその他の静的なデータが格納されている。RAM3は、一時的な記憶場所として利用される。NVRAM4には、不揮発性のデータを格納しておく。パネル制御部5と操作パネル6は、ユーザーとのインターフェースを司る。
エンジン制御部7とスキャン/プリントエンジンは8、イメージデータの入出力ユニットとして、紙原稿の読み取りと転写紙への印刷を実行する。ディスクドライバ9と記憶装置10は、大量のイメージデータなどを蓄積したり、データベースの記憶場所として利用される。モデム11は、公衆回線と接続され、外部の機器との通信を可能とする。
外部I/F12は、セントロニクスやRS−232C等のインターフェースを用いて外部との機器、例えばホストとの通信を可能とする。通信制御部13は、イーサネット(登録商標)等のネットワークに接続され、外部の機器との通信を可能とする。データバス14は、各種デバイス間及びCPU1とデバイス間の通信を可能とする。
【0007】
本発明の画像処理装置の基本動作について説明する。
図2は本発明の画像処理装置における基本動作を示すフローチャートである。
まず、操作パネル6に対し、ユーザーは目的とする動作(各種機能の実行・中止、各種設定画面の呼び出し、画面を進める・戻す、など)を呼び起こすために、画面上を指または専用のペンで触れる。これにより装置はパネル入力の開始を認識する(S1)。
ユーザーはそこからある特定の軌跡を描くように画面上をなぞる。これは一般的にジェスチャーと呼ばれる行為である。CPU1はユーザーがなぞった軌跡を追跡しており、移動距離・移動方向の確認を常に行っている(S2、S3)。そこでCPU1が、ユーザーのジェスチャーをある特定の軌跡と一致すると判断し、ジェスチャーを認識したならば(S4でY)、そのジェスチャー種類をRAM3に記憶しておく(S5)。
これら一連の認識処理はユーザーが操作パネル6上をなぞることを止めるまで行い、一度の行為で複数の軌跡を認識することも可能にしている。ユーザーによるパネル入力が終了すると(S6でY)、CPU1はここまでのジェスチャーの認識状況として、RAM3に記憶されたジェスチャー種類を読み出し、記憶されたジェスチャー種類があれば(S7でY)、その種類に対する動作の実施を行い(S8)、記憶されたものがなければ(S7でN)何もせずにフローチャートを終了し次の入力待ちに入る。
【0008】
図3は、本発明の画像処理装置における通常操作画面(ボタン等)が表示されている場合のジェスチャー認識動作を示すフローチャートである。
まず、図2のフローチャートとS1〜S8までは同じ処理を行う。異なる点は、ジェスチャー記憶が無かった場合であるので以下に説明する。
ジェスチャー記憶が無かった場合(S7でN)、通常のボタンへのタッチが考えられるので、CPU1は移動距離・移動方向の情報から操作パネル6上のボタンの座標と入力位置が一致しているかどうかを確認し(S9)、一致していればそのボタンに沿った動作を実行して(S10)フローチャートを終了し、次の入力待ちに入る。
この制御例の場合、特定の軌跡のジェスチャー操作以外にボタン入力による通常の操作も支障なく行うことができる。
図4は、本発明の画像処理装置におけるジェスチャー登録時の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザーはこれから登録したい動作を操作パネル6から選択し(S1)、次に、それに関連付けたいジェスチャーを入力するフローへと移る。ジェスチャー入力(S2〜S7)に関しては図2、図3のS1〜S6と共通であるので説明を省略する。ジェスチャー入力が終了すると(S7でY)、CPU1は最初に選択された動作とこのジェスチャーを関連付けてNVRAM4に登録する(S8、S9)。
この制御例の場合、特定の軌跡とその操作内容を任意に組み合わせることができるので、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る画像処理装置の実施形態のハードウェア構成図。
【図2】図1に示した画像処理装置の実施形態における基本動作を示すフローチャート。
【図3】図1に示した画像処理装置の実施形態における通常操作画面(ボタン等)が表示されている場合のジェスチャー認識動作を示すフローチャート。
【図4】図1に示した画像処理装置の実施形態におけるジェスチャー登録時の動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0010】
1 CPU、2 ROM、3 RAM、4 NVRAM、5 パネル制御部、6 操作パネル、7 エンジン制御部、8 スキャン/プリントエンジン、9 ディスクドライバ、10 記憶装置、11 モデム、13 通信制御部、14 データバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指や専用のペンで画面に触れることで操作を行う操作パネルを備えた画像処理装置であって、前記操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断し、その特定の軌跡に対応した動作を実施するように制御する中央制御手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記中央制御手段は、前記操作パネル上に操作のボタンの表示された操作画面が表示されており、前記操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断できない場合、前記描かれた軌跡とボタン座標入力位置と一致するか否かを判断し、一致した場合、前記ボタン操作の動作を実施するように制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、前記操作パネルから特定の軌跡に対応した動作を任意に入力すると、前記中央制御手段は、両者を関連付けて記憶装置に登録するように制御することを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
指や専用のペンで画面に触れることで操作を行う操作パネルを備えた画像処理装置の制御方法であって、前記操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断したとき、その特定の軌跡に対応した画像処理動作を実施することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理装置の制御方法において、前記操作パネル上に操作のボタンが表示される操作画面が表示されており、前記操作パネル上で描かれた軌跡を特定の軌跡と判断できない場合、前記描かれた軌跡とボタン座標入力位置と一致するか判断し、一致した場合、ボタン操作の動作を実施することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置の制御方法において、前記操作パネルから特定の軌跡に対応した動作を任意に入力すると、両者を関連付けて記憶装置に登録することを特徴とする画像処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−215915(P2006−215915A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29682(P2005−29682)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】