説明

画像処理装置

【課題】 効率的な画像読み取り動作、画像処理を行う画像処理装置を提供する。
【解決手段】 画像処理装置100において、制御部10が、画像読み取り部20により読み取られた原稿の一部分の画像の輝度ヒストグラムを作成し、その輝度ヒストグラムに基づき、最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データを選択し、その選択されたガンマ補正データに基づいて、原稿の全体画像を読み取る本スキャン時にガンマ補正を実施する画像処理制御を行う構成にした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿の画像を読み取り、読み取った画像の形成処理を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、或いはこれらの機能を兼ね備えた複合機等のような画像処理装置における画像の形成処理は、画像全体の画像特徴点を抽出するための読み取り動作であるプレスキャンを行い、その結果に基づくガンマ補正を本スキャン時に実施し、画像形成を行うというものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】このようなプレスキャン動作におけるスキャナヘッドの移動動作について、図17に基づき説明する。図17に示されるように、画像処理装置のスキャナヘッド3は、原稿基準位置(A)であるスキャナ待機位置から、基準白色板8の方向へ移動し(矢印 I)、第1のシェーディング補正位置(B)において1回目のシェーディング基準読み取りを行った後、第2のシェーディング補正位置(C)へ移動し(矢印 II)、2回目のシェーディング基準読み取りを行う。そして、スキャナヘッド3は、スキャナヘッド助走開始位置(D)へ移動し(矢印 III)、次いで、原稿基準位置(A)から原稿端部位置(E)までの範囲をプレスキャンするようにプラテン1側へ移動する(矢印 IV)。そして、スキャナヘッド3は、スキャナヘッド助走開始位置(D)へ戻り(矢印 V)、次いで本スキャンを行う(矢印 VI)。そして、スキャナヘッド3は、スキャナン−ホームポジションセンサー位置(F)へ移動し(矢印 VII)、スキャナヘッド位置の調整が行われた後、原稿基準位置(A)であるスキャナ待機位置へ戻る(矢印 VIII)。
【0004】このプレスキャン時(矢印 IV)にスキャナヘッド3が読み取った原稿の画像全体の画像特徴点は、2度のシェーディング基準読み取りにおいてスキャナヘッド3が読み取った基準白色板8の輝度(シェーディングデータ)に基づいて、シェーディング補正されている。そして、画像処理装置は、前記全体画像特徴点から設定、決定したガンマ補正を本スキャン時(矢印 VI)に実施する。ここで、シェーディング基準読み取りを2度行うのは、シェーディング補正の精度を上げるためである。なお、全体画像特徴点に基づくガンマ補正を設定、決定する場合、ガンマ補正を行うためのガンマ補正データを所定の演算式より算出してもよく、予め記憶されている複数のガンマ補正データから最適なガンマ補正データを選択してもよい。
【0005】
【特許文献1】特開平7−336503
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特許文献1の場合、プレスキャンにおける画像全体の読み取り動作や、読み取った画像全体の解析に時間がかかるという問題があった。例えば、文字画像のように画像原稿の地肌濃度部分と文字濃度部分の、明所と暗所に2極化するような単純な輝度分布を有する画像においては、画像中、或いは画像毎の輝度の分布はほぼ同様であるため、画像の一部分の解析によりその画像全体の画像特徴点(2極化輝度分布)を推定することも可能であるので、時間のかかる画像全体の読み取り及び解析を、必ずしも行う必要はない。つまり、このような画像全体の画像特徴点を抽出するためのプレスキャン動作は、写真画像のように様々な輝度の集合体として構成された画像に対しては有効な動作であるが、単純な輝度の集合体として構成された文字画像に対しては必ずしも必要な動作ではなく、非効率的な動作であった。
【0007】本発明の課題は、画像処理装置において、プラテンに載置された原稿の効率的な画像読み取り動作、画像処理を行う画像処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、プラテンに載置された原稿の画像を読み取る画像読み取り部を有する画像処理装置において、前記画像読み取り部により前記原稿の一部分の画像を読み取る予備画像読み取り手段と、前記予備画像読み取り手段により読み取られた前記原稿の一部分の画像に基づいて、当該画像の輝度ヒストグラムを作成する輝度ヒストグラム作成手段と、前記輝度ヒストグラム作成手段により作成された輝度ヒストグラムに基づき、最適なガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行うガンマ補正データ設定手段と、本スキャン時に、前記ガンマ補正データ設定手段により設定されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施するガンマ補正制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】請求項1記載の発明によれば、予備画像読み取り手段により読み取られた原稿の一部分における画像の輝度ヒストグラムを輝度ヒストグラム作成手段が作成し、その作成された輝度ヒストグラムに基づき、ガンマ補正データ設定手段が、最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データを選択或いは算出し、設定するので、その設定されたガンマ補正データに基づいて、原稿の全体画像を読み取る本スキャン時にガンマ補正を実施する画像処理を行うことができる。つまり、原稿の全体画像を読み取るプレスキャンを行わずに、原稿の一部分の画像を読み取ることにより、本スキャン時のガンマ補正を実施することができるので、効率的な画像読み取りを行うことができることとなって、画像処理時間の短縮が図られる。特に、原稿の画像が文字画像である場合は、このような原稿の一部分における画像の解析により、原稿の全体の輝度分布(輝度ヒストグラム)を推定することが可能であるので、好適な画像処理を行うことができる。
【0010】請求項2記載の発明は、プラテンに載置された原稿の画像を読み取る画像読み取り部を有し、前記原稿の画像全体の画像特徴点を抽出するための読み取り動作であるプレスキャン及びプレスキャンの結果に基づくガンマ補正を施すための画像全体の読み取り動作である本スキャンを行う画像処理装置において、前記画像読み取り部により前記原稿の一部分の画像を読み取る予備画像読み取り手段と、前記予備画像読み取り手段により読み取られた前記原稿の一部分の画像に基づいて、当該画像の輝度ヒストグラムを作成する輝度ヒストグラム作成手段と、前記輝度ヒストグラム作成手段により作成された前記原稿の一部分の画像の輝度ヒストグラムに基づいて、前記原稿の画像が文字画像であるか、写真画像であるかの判断を行う画像判断手段と、前記画像判断手段により、前記原稿の画像が文字画像であると判断された場合に、前記輝度ヒストグラム作成手段により作成された輝度ヒストグラムに基づき、最適なガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行うガンマ補正データ設定手段と、前記本スキャン時に、前記ガンマ補正データ設定手段により設定されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施するガンマ補正制御手段と、を備え、前記画像判断手段により、前記原稿の画像が写真画像であると判断された場合に、前記原稿の全体画像のプレスキャン及び本スキャンを行うように構成されていることを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明によれば、予備画像読み取り手段により読み取られた原稿の一部分における画像の輝度ヒストグラムを輝度ヒストグラム作成手段が作成し、その作成された輝度ヒストグラムに基づき、画像判断手段が原稿の画像が文字画像であるか、写真画像であるかの判断を行う。画像判断手段が原稿の画像が文字画像であると判断した場合、輝度ヒストグラム作成手段が作成した輝度ヒストグラムに基づき、ガンマ補正データ設定手段が、最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データを選択或いは算出し、設定するので、その設定されたガンマ補正データに基づいて、原稿の全体画像を読み取る本スキャン時にガンマ補正を実施する画像処理を行うことができる。また、画像判断手段が原稿の画像が写真画像であると判断した場合には、原稿の画像全体の特徴点を抽出するプレスキャンを行い、そのプレスキャンの結果に基づくガンマ補正を本スキャン時に行うことができる。つまり、写真画像のようにプレスキャンが必要な画像に対してはプレスキャンを行う精密な画像処理を行うことができる。また、原稿の画像が文字画像である場合には、原稿の全体画像を読み取るプレスキャンを行わずに、原稿の一部分の画像を読み取ることにより、本スキャン時のガンマ補正を実施することができ、処理時間の短縮を図った画像処理を行うことができる。よって、原稿の画像に応じた効率のよい画像処理を行うことができる。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記原稿の画像が、文字画像であるか写真画像であるかの選択を行う画像選択手段を、さらに備え、前記画像選択手段により文字画像が選択された場合には、前記予備画像読み取り手段と、前記輝度ヒストグラム作成手段と、前記ガンマ補正データ設定手段と、前記ガンマ補正制御手段と、を動作させる制御を行うように構成され、前記画像選択手段により写真画像が選択された場合には、前記原稿の全体画像のプレスキャン及び本スキャンを行うように構成されていることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、画像選択手段により文字画像が選択された場合には、予備画像読み取り手段により読み取った原稿の一部分における画像の輝度ヒストグラムを輝度ヒストグラム作成手段が作成し、その作成された輝度ヒストグラムに基づき、ガンマ補正データ設定手段が、最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データを選択或いは算出し、設定するので、その設定されたガンマ補正データに基づいて、原稿の全体画像を読み取る本スキャン時にガンマ補正を実施する画像処理を行うことができる。また、画像選択手段により写真画像が選択された場合には、原稿の画像全体の特徴点を抽出するプレスキャンを行い、そのプレスキャンの結果に基づくガンマ補正を本スキャン時に行うことができる。つまり、写真画像のようにプレスキャンが必要な画像に対しては予め写真画像を選択し、プレスキャンを行う精密な画像処理を行うことができる。また、原稿の画像が文字画像である場合には、予め文字画像を選択し、原稿の全体画像を読み取るプレスキャンを行わずに、原稿の一部分の画像を読み取ることにより、本スキャン時のガンマ補正を実施する画像処理を行うことができる。よって、原稿の画像を選択することによって、更に効率的な画像処理を行うことができる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置において、プラテンカバーの開閉状態を検知する検知手段を、さらに備え、前記予備画像読み取り手段は、前記検知手段による、前記プラテンカバーが閉じられていることの検知に基づいて、前記プレスキャン及び本スキャンを開始するホーム位置から所定の距離離れた待機位置より、前記画像読み取り部を前記ホーム位置に移動させながら、前記原稿の端部の一部分の画像を読み取らせるように構成されていることを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、予備画像読み取り手段は、検知手段によるプラテンカバーが閉じられていることの検知に基づいて、画像読み取り部を所定の待機位置よりホーム位置に移動させながら、原稿の端部の一部分の画像を読み取らせるように構成されているので、予備画像読み取り後、画像読み取り部はホーム位置から直ぐプレスキャン、本スキャン動作に移ることができるので、予備画像読み取りの動作からプレスキャンや本スキャンの動作に移行する際に無駄がなく、処理動作の効率化が図れる。
【0016】例えば、画像読み取り部としての画像読取装置のスキャナヘッドが、プレスキャンや本スキャン時のスキャン方向とは逆方向のスキャン(バックスキャン)を行うように、所定の待機位置からホーム位置まで移動しつつ、原稿の端部の一部分の画像を読み取る。そして、その予備画像読み取り後、そのスキャナヘッドがホーム位置から所定の方向に移動するプレスキャン、本スキャン動作に移ることにより、スキャナヘッドが予備画像読み取りの動作から無駄な動作を行うことなく、プレスキャンや本スキャンの動作にスムーズに移行することができる。
【0017】また、原稿がプラテンに載置され、検知手段によるプラテンカバーが閉じられていることの検知に基づいて、予備画像読み取り手段は動作するので、予備画像読み取りの動作の操作指示の必要がなく、処理動作の効率化が図れる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4に記載の画像処理装置において、前記検知手段による、前記プラテンカバーが閉じられたことの検知後、前記ガンマ補正データ設定手段によって設定されたガンマ補正データを、少なくとも前記検知手段が、前記プラテンカバーが再び開かれたことを検知するまで記憶するガンマ補正データ記憶手段を備え、前記ガンマ補正データ記憶手段に記憶されたガンマ補正データに基づいて本スキャンを行うように構成されていることを特徴とする。
【0019】請求項5記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、検知手段によるプラテンカバーが閉じられたことの検知後、ガンマ補正データ設定手段によって設定されたガンマ補正データを、少なくともプラテンカバーが再び開かれたと検知手段が検知するまでガンマ補正データ記憶手段に記憶することができるので、原稿の処理毎にガンマ補正データの選択をする必要がなくなり、処理動作の効率化が図れる。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置において、基準色を有するシェーディング基準板と、前記画像読み取り部により前記シェーディング基準板の基準色の輝度に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り手段と、前記シェーディング基準読み取り手段により読み取られたシェーディングデータを第1のシェーディングデータとして記憶するシェーディングデータ記憶手段と、前記シェーディング基準読み取り手段により読み取られた第2のシェーディングデータと、前記シェーディングデータ記憶手段に記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段により算出された輝度補正値に基づき、前記輝度ヒストグラム作成手段により作成された輝度ヒストグラムを補正する輝度ヒストグラム補正手段と、を備え、前記ガンマ補正データ設定手段は、前記輝度ヒストグラム補正手段により補正された輝度ヒストグラムに基づいて、最適なガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行うことを特徴とする。
【0021】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、画像処理装置における補正値算出手段が、シェーディング基準読み取り手段により読み取られたシェーディング基準板の基準色の輝度に基づく第2のシェーディングデータと、シェーディングデータ記憶手段に記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する。そして、輝度ヒストグラム補正手段がその輝度補正値に基づき、輝度ヒストグラム作成手段により作成された輝度ヒストグラムを補正し、ガンマ補正データ設定手段がその補正された輝度ヒストグラムに基づいて、ガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行い、最適なガンマ補正データを設定する。
【0022】ここで、シェーディングデータとは、例えば、画像処理装置における画像読み取り部の受光部であるCCDユニットが読み取った画像信号に含まれる、画素毎の感度斑などの歪成分などを補正するためのデータである。このシェーディングデータは、CCDユニットの温度変化等に伴いシフトするので、所定のタイミング毎に、そのシェーディングデータを更新することが望ましい。
【0023】そこで、画像処理装置は、第2のシェーディングデータと第1のシェーディングデータとにより補正値算出手段が算出した輝度補正値に基づき、例えば、第1のシェーディングデータで補正をして作成された輝度ヒストグラムを、輝度ヒストグラム補正手段が、第2のシェーディングデータに基づく輝度ヒストグラムとして補正することで、第2のシェーディングデータで補正された画像に最適な輝度ヒストグラムとすることができる。
【0024】つまり、画像処理装置のガンマ補正データ設定手段は、第1のシェーディングデータの影響が打ち消され、第2のシェーディングデータに対応するように補正された輝度ヒストグラムに基づいて、ガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行い、最適なガンマ補正データを設定することができる。よって、画像処理装置は、第1のシェーディングデータの影響を受けることなく、所定の基準に準じた画像処理が可能になる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置において、基準色を有するシェーディング基準板と、前記画像読み取り部により前記シェーディング基準板の基準色の輝度に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り手段と、前記シェーディング基準読み取り手段により読み取られたシェーディングデータを第1のシェーディングデータとして記憶するシェーディングデータ記憶手段と、前記シェーディング基準読み取り手段により読み取られた第2のシェーディングデータと、前記シェーディングデータ記憶手段に記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段により算出された輝度補正値に基づき、前記ガンマ補正データ設定手段により設定されたガンマ補正データを補正するガンマ補正データ補正手段と、を備え、前記ガンマ補正制御手段は、前記ガンマ補正データ補正手段により補正されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施することを特徴とする。
【0026】請求項7記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、画像処理装置における補正値算出手段が、シェーディング基準読み取り手段により読み取られたシェーディング基準板の基準色の輝度に基づく第2のシェーディングデータと、シェーディングデータ記憶手段に記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する。そして、ガンマ補正データ補正手段がその輝度補正値に基づき、ガンマ補正データ設定手段により設定されたガンマ補正データを補正し、ガンマ補正制御手段がその補正されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施する。
【0027】つまり、画像処理装置は、第2のシェーディングデータと第1のシェーディングデータとにより補正値算出手段が算出した輝度補正値に基づき、例えば、第1のシェーディングデータで補正されて設定されたガンマ補正データを、ガンマ補正データ補正手段が、第2のシェーディングデータに基づくガンマ補正データとして補正することで、第2のシェーディングデータで補正された画像に最適なガンマ補正データとすることができる。そして、画像処理装置のガンマ補正制御手段は、第1のシェーディングデータの影響が打ち消され、第2のシェーディングデータに対応するように補正されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施することができる。よって、画像処理装置は、第1のシェーディングデータの影響を受けることなく、所定の基準に準じた画像処理が可能になる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図1から図16を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕図1は、本発明の第1の実施の形態における画像処理装置のプラテンカバーが開いた状態を示す斜視図である。図2は、同画像処理装置における画像読み取り部及びプラテンカバーに設けられた原稿送り装置を模式的に示した断面図である。図3は、同画像処理装置の要部構成を示すブロック図である。
【0029】図1、図2に示されるように、画像処理装置100の本体上面には、原稿が載置されるプラテン1が設けられている。また、画像処理装置100には開閉自在なプラテンカバー2が設けられており、プラテンカバー2は閉じられた際にプラテン1を覆う。プラテンカバー2には原稿送り装置7が設けられており、原稿送り装置7は、原稿トレイ7a、原稿挿入部7b、原稿搬送ローラ7c、原稿搬送ベルト7d、ベルト駆動ローラ7e、原稿排出部7f、排紙トレイ7g、等より構成されている。
【0030】画像処理装置100の内部であって、プラテン1の下部側には、プラテン1に載置された原稿の画像を読み取る画像読み取り部20が備えられている。画像読み取り部20は、例えば、露光ランプ3a(例えば、蛍光灯、ハロゲンランプ等)、ミラー3b等より構成されるスキャナヘッド3と、そのスキャナヘッド3からの読み取り散乱光を受光するCCDユニット4、ミラー5等から構成されている。また、プラテン1の上面の一方の端部側にはスケール板6が備えられており、そのスケール板6の下部側にはシェーディング基準板としての白色基準板8が備えられている。
【0031】この画像読み取り部20は、図示しない駆動部によりスキャナヘッド3が所定の方向へ移動(往復移動)されることに応じて、プラテン1に載置された原稿の画像を読み取るスキャン動作を行う。このスキャン動作には、例えば、原稿の全体画像の濃度などを確認するためにその画像を読み取るプレスキャン、原稿の全体画像を画像形成のためにその画像を読み取る本スキャン、また後述する予備画像読み取り手段11に基づき、原稿の一部分の画像を読み取る予備画像読み取り動作(バックスキャン)などがある。白色基準板8は、所定の画像読み取り条件における画像処理を画像処理装置100が行っているか否かを確認する際の基準となる、所定の基準色(白色)を有する樹脂製の板状部材である。なお、ここで、プラテン1のスケール板6側をスキャナヘッド3のホーム位置HPとし、ホーム位置HPから所定の間隔離れた位置をスキャナヘッド3の待機位置WPとする。
【0032】また、図3に示されるように、画像処理装置100は、画像処理装置100を統括制御し、各種処理および判断等を行う制御部10を備えており、その制御部10には、前述した画像読み取り部20の他、記憶部30、操作部40、検知部50、等がバスなどを介して接続されている。
【0033】制御部10は、演算処理を実行するCPU10aと、制御、判断等各種処理用の各種プログラムや、各種データが格納されたROM10bと、各種処理における作業領域や各種処理によって生成されたデータを一時的に記憶する記憶領域を備えるRAM10cと、で概略構成されている。
【0034】CPU10aは、ROM10bに記録されて、格納されている画像処理装置100を制御するためのシステムプログラム及び各種処理プログラム等をRAM10cに読み出して、読み出したプログラムとの協働により、画像処理装置100全体の制御を行う。
【0035】ROM10bは、不揮発性の半導体メモリ等により構成され、画像処理装置100に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な各種処理プログラム等を記憶し、それら各種プログラムを格納している。また、ROM10bは、原稿の画像のガンマ補正基準となる複数のガンマ補正データGDを格納しており、それらガンマ補正データGDを記録する記録手段60を有する。
【0036】RAM10cは、CPU10aにより実行制御される各種処理において、ROM10bから読み出されたプログラム、データ等の一時的な作業領域、格納領域となる。また、RAM10cは、後述するガンマ補正データ設定手段13により設定されたガンマ補正データGDを一時的に記憶するガンマ補正データ記憶手段70aを有する。
【0037】このような制御部10は、画像読み取り部20により読み取られた原稿の画像の各種処理や、操作部40、検知部50等の操作信号、検知信号等に基づく制御、判断等を行う。また、本実施の形態において、制御部10は、CPU10aと、ROM10bに格納された各処理プログラムとの協働によるソフトウエア処理によって実現される、予備画像読み取り手段11、輝度ヒストグラム作成手段12、ガンマ補正データ設定手段13、ガンマ補正制御手段14、画像判断手段15等を備えている。
【0038】制御部10の予備画像読み取り手段11は、画像読み取り部20が原稿における所定の範囲に対応する一部分の画像を読み取る予備画像読み取り動作を行うために、画像読み取り部20のスキャナヘッド3がその所定の範囲を移動するように、図示しない駆動部や画像読み取り部20の動作制御を行い、その原稿の一部分の画像を読み取る。
【0039】また、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、画像読み取り部20により読み取られた原稿の画像に基づき、その画像の輝度ヒストグラムhg(HG)を作成する。
【0040】また、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、輝度ヒストグラム作成手段12が作成した輝度ヒストグラムhg,HGに基づき、その画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを、制御部10のROM10b(記録手段60)に記録、格納されたガンマ補正データ群の中から選択し、設定する。
【0041】また、制御部10のガンマ補正制御手段14は、ガンマ補正データ設定手段13により選択、設定されたガンマ補正データGDに基づき、本スキャン時にガンマ補正を実施する。
【0042】また、制御部10の画像判断手段15は、画像読み取り部20により読み取られた原稿の一部の画像から輝度ヒストグラム作成手段12が作成した輝度ヒストグラムhgに基づいてその画像が文字画像であるか、写真画像であるかを判断する。ここで、文字画像には、白地に文字が印刷された地肌型のものと、文字が白抜きされて印刷された反転型の何れも含まれるものとする。また、写真画像には、モノクロ写真、カラー写真以外にも、絵画やデッサン等、文字画像以外のものが含まれるものとする。
【0043】なお、上記予備画像読み取り手段11、輝度ヒストグラム作成手段12、ガンマ補正データ設定手段13、ガンマ補正制御手段14、画像判断手段15は、CPU10aと、ROM10bに格納された各処理プログラムとの協働によるソフトウエア処理によって実現されるとしたが、各処理プログラムの機能をCPU10aの制御下において動作する専用ハードウエアにより実現する構成としてもよい。
【0044】画像読み取り部20は、画像処理装置100のプラテン1に載置された原稿の画像や、白色基準板8の輝度に基づくシェーディングデータを読み取る。記憶部30は、例えば、光学系・磁気系の記憶媒体等により構成され、各種データが記憶される。操作部40は、当該画像処理装置100の各種動作を指示するためのものであり、例えば、操作入力キー41、表示画面42等を備えている。操作入力キー41は、画像処理装置100の設定や運転動作指示を入力するように構成されたものであり、例えば、操作ボタン、リモコン等である。表示画面42は、例えば、LCDなどにより構成され、画像処理装置100の設定、運転状態等を表示する。なお、操作部40が、タッチパネルである場合、表示画面42は操作入力キーを兼ね備える構成となる。検知部50は、画像処理装置100のプラテン1における原稿の有無の検知や原稿のサイズの検知、また、プラテンカバー2の開閉を検知する検知手段として構成されたものであり、例えば、フォトセンサ、接触スイッチセンサ等である。
【0045】次に、前述のように構成されている画像処理装置100の動作を、図4に示すフローチャートに沿って説明する。図4に示すように、画像処理装置100の使用中に、検知部50が、画像処理装置100のプラテンカバー2が閉じられたこと検知し、検知部50からプラテンカバー2が閉じられたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS101;Yes)、ステップS102へ進む。次いで、検知部50が、画像処理装置100のプラテン1に原稿が載置されていることを検知し、検知部50からプラテン1に原稿が載置されていることを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS102;Yes)、検知部50は、原稿のサイズを検知するとともに、原稿のサイズを示す信号を制御部10へ入力する(ステップS103)。一方、検知部50からプラテン1に原稿が載置されていないことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS102;No)、ステップS101に戻る。
【0046】次いで、制御部10の予備画像読み取り手段11は、画像読み取り部20のスキャナヘッド3を所定の待機位置WP(例えば、図1、図2に示す待機位置WP)からスキャン開始位置であるホーム位置HP(例えば、図1、図2に示すホーム位置HP)に移動させながら、検知した原稿のサイズに基づき原稿主走査方向巾で原稿端部の一部分の画像を読み取る予備画像読み取り動作を行わせる(ステップS104)。次いで、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、画像読み取り部20が読み取った原稿の画像に基づき、その原稿端部の一部分の画像の輝度ヒストグラムhgを作成する(ステップS105)。次いで、制御部10の画像判断手段15は、作成した輝度ヒストグラムhgに基づいて、この画像が文字画像であるか、写真画像であるかの判断を行う(ステップS106)。
【0047】ここで、前述のステップS106において行われる、読み取った原稿の画像が文字画像であるか、写真画像であるかの判断について詳しく説明する。例えば、図5(a)に示される輝度ヒストグラムhgは、通常の文字原稿(明るい地肌の原稿に、濃い(暗い)色の文字)の輝度ヒストグラムhgを模式的に示すものであり、図5(b)に示される輝度ヒストグラムhgは、写真原稿の輝度ヒストグラムhgを模式的に示すものである。これら輝度ヒストグラムhgがどのような原稿であるか、判断する動作を図6に示すフローチャートに沿って説明する。まず、輝度ヒストグラムhgにおける輝度の度数最大値(Hmax)と、しきい値L.H.(Limit H)との比較を行う(ステップS1)。Hmaxがしきい値L.H.より小さい(低い)と判定された場合(ステップS1;No)、その輝度ヒストグラムhgはその他型の画像(写真原稿)であると判断される。一方、Hmaxがしきい値L.H.より大きい(高い)と判定された場合(ステップS1;Yes)、ステップS2へ進む。次いで、輝度ヒストグラムhgにおける度数最大値(Hmax)に対応する輝度最大値(Imax)と、しきい値L.I.(Limit I)との比較を行う(ステップS2)。Imaxがしきい値L.I.より大きい(高い)と判定された場合(ステップS2;Yes)、その輝度ヒストグラムhgは地肌型の画像(通常の文字原稿)であると判断される。一方、Imaxがしきい値L.I.より小さい(低い)と判定された場合(ステップS2;No)、その輝度ヒストグラムhgは反転型の画像(黒・暗色地に白抜き文字原稿)であると判断される。
【0048】前述のように、輝度ヒストグラムhgにおける度数最大値(Hmax)としきい値L.H.との比較、及び輝度最大値(Imax)としきい値L.I.との比較に基づき、その輝度ヒストグラムhgの画像の種類、状態等の判断を行うことができる。なお、このようなしきい値等、判定基準を増やすことにより、より細かな、多様な画像の種類、状態等の判断を行うことができる。
【0049】次いで、制御部10が、読み取った原稿の画像が文字画像であると判断した場合(ステップS106;文字)、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、ステップS105で作成した輝度ヒストグラムhgに基づいて、制御部10のROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを選択するとともに、制御部10のRAM10c(ガンマ補正データ記憶手段70a)にそのガンマ補正データGDを記憶する(ステップS107)。そして、制御部10のガンマ補正制御手段14は、原稿の全体画像を読み取る本スキャンとともに、選択し、記憶されたガンマ補正データGDに基づくガンマ補正を行い(ステップS108)、画像形成処理を行う(ステップS109)。次いで、制御部10は、プラテンカバー2が開かれたか否かの判断を行う(ステップS110)。プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されない場合(ステップS110;No)、プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が入力されるまで繰り返し、待機する。一方、検知部50からプラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS110;Yes)、制御部10のRAM10cに記憶したガンマ補正データGDの記憶を消去して(ステップS111)、本処理を終了する。
【0050】一方、制御部10が、読み取った原稿の画像が写真画像であると、判断した場合(ステップS106;写真)、制御部10は、検知部50の原稿サイズの検知信号に基づき、画像読み取り部20による原稿の画像全体を読み取るプレスキャンを行い(ステップS112)、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、画像読み取り部20が読み取った原稿の画像に基づき、その原稿の画像全体の全体輝度ヒストグラムHGを作成する(ステップS113)。そして、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、ステップS113で作成した全体輝度ヒストグラムHGに基づき、ROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを選択するとともに、RAM10c(ガンマ補正データ記憶手段70a)にそのガンマ補正データGDを記憶する(ステップS114)。そして、制御部10のガンマ補正制御手段14は、原稿の全体画像を読み取る本スキャンとともに、選択し、記憶されたガンマ補正データGDに基づくガンマ補正を行い(ステップS115)、画像形成処理を行う(ステップS116)。
【0051】次いで、制御部10は、プラテンカバー2が開かれたか否かの判断を行う(ステップS117)。プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されない場合(ステップS117;No)、プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が入力されるまで繰り返し、待機する。一方、検知部50からプラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS117;Yes)、制御部10のRAM10cに記憶したガンマ補正データGDの記憶を消去して(ステップS118)、本処理を終了する。
【0052】ここで、輝度ヒストグラムhg、全体輝度ヒストグラムHGに基づき、制御部10のROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDの選択について詳しく説明する。例えば、図7は地肌型の画像(通常の文字原稿)の輝度ヒストグラムhg,HGと、その輝度ヒストグラムhg,HGに対応したガンマ補正データGDを示したものである。また、図8は反転型の画像(黒・暗色地に白抜き文字原稿)の輝度ヒストグラムhg,HGと、その輝度ヒストグラムhg,HGに対応したガンマ補正データGDを示したものである。また、図9はその他型の画像(写真原稿)の輝度ヒストグラムhg,HGと、その輝度ヒストグラムhg,HGに対応したガンマ補正データGDを示したものである。
【0053】前述のように、輝度ヒストグラムhg,HGにおける度数最大値(Hmax)、輝度最大値(Imax)、最明値(Ilight)、最暗値(Idark)、山裾部分値(Iridge)、山裾値(Hridge)、等の基準値や、輝度ヒストグラムhg,HGのカーブ状態等に対応した、複数のガンマ補正データGDが設定され、制御部10のROM10bの記録手段60に記録されている。そして、制御部10が制御処理プログラムに応じて、その画像の輝度ヒストグラムhg、全体輝度ヒストグラムHGに最適と判断するガンマ補正データGDを制御部10のROM10b(記録手段60)から選択し、そのガンマ補正データGDに基づくガンマ補正を行う。
【0054】このように、画像処理装置100において、画像読み取り部20が読み取った原稿端部の一部分の画像の輝度ヒストグラムhgに基づき、その画像が文字画像であるか、写真画像であるかの選択判断が行われるので、画像全体の解析が必要である写真画像である場合には、画像全体をプレスキャンする画像処理を行う制御を行うことができる。また、画像全体をプレスキャンする必要がない文字画像の場合には、画像読み取り部20が読み取った原稿端部の一部分の画像の輝度ヒストグラムhgに基づくガンマ補正を行うことができるので、画像処理時間を短縮することができる。よって、原稿の画像に応じた自動画像処理を行うことができる。
【0055】〔第2の実施の形態〕次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。画像処理装置において、例えば、写真原稿の画像処理を行うと決定している場合、その写真原稿に対し、文字画像であるか、写真画像であるかの判断は不要である。つまり、写真原稿の画像処理を予め選択して行う場合、その原稿に対し、予備画像読み取りを行い、輝度ヒストグラムhgを作成し、文字画像か写真画像かの判断を行わず、プレスキャン動作に進むことで処理時間の短縮を図れる。
【0056】画像処理装置200における操作部40は、図10に示すように、画像モード(例えば、写真モード、文字モード等)の選択が可能な画像選択手段41を備える。具体的には、例えば、画像処理装置200は、画像選択手段41として、写真モードでの画像処理を行うことを選択、入力するための写真モードキーや、文字モードでの画像処理を行うことを選択、入力するための文字モードキーを備えている。そして、画像選択手段41であるそれらキーが押下されると、押下されたことを示す押下信号が出力され、この画像選択手段41を介して選択された画像モードを示すその押下信号が、制御部10に送られる。
【0057】そして、制御部10は、操作部40の画像選択手段41において選択された画像モードに基づき、その画像モードに応じた画像処理を行う。具体的に、画像処理装置200の動作を、図11に示すフローチャートに沿って説明する。図11に示すように、画像形成装置100の使用中に、検知部50が、画像処理装置200のプラテンカバー2が閉じられたこと検知し、検知部50からプラテンカバー2が閉じられたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS201;Yes)、ステップS202へ進む。次いで、検知部50が、画像処理装置200のプラテン1に原稿が載置されていることを検知し、検知部50からプラテン1に原稿が載置されていることを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS202;Yes)、検知部50は、原稿のサイズを検知するとともに、原稿のサイズを示す信号を制御部10へ入力する(ステップS203)。一方、検知部50からプラテン1に原稿が載置されていないことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS202;No)、ステップS201に戻る。
【0058】次いで、制御部10は、どのような画像モード(例えば、写真モード、文字モード)が選択されているか判断する(ステップS204)。制御部10が、操作部40の画像選択手段41から写真モードが選択されたことを示す信号を検知すると(ステップS204;写真モード)、制御部10は、原稿の画像全体を読み取るプレスキャンを行い(ステップS205)、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、画像読み取り部20が読み取った原稿の画像に基づき、その原稿の画像全体の全体輝度ヒストグラムHGを作成する(ステップS206)。そして、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、ステップS206で作成した全体輝度ヒストグラムHGに基づき、制御部10のROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを選択するとともに、制御部10のRAM10c(ガンマ補正データ記憶手段70a)にそのガンマ補正データGDを記憶する(ステップS207)。そして、制御部10のガンマ補正制御手段14は、原稿の全体画像を読み取る本スキャンとともに、選択し、記憶されたガンマ補正データGDに基づくガンマ補正を行い(ステップS208)、画像形成処理を行う(ステップS209)。
【0059】次いで、制御部10は、プラテンカバー2が開かれたか否かの判断を行う(ステップS210)。プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されない場合(ステップS210;No)、プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が入力されるまで繰り返し、待機する。一方、検知部50からプラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS210;Yes)、制御部10のRAM10cに記憶したガンマ補正データGDの記憶を消去して(ステップS211)、本処理を終了する。
【0060】一方、制御部10が、操作部40から文字モードが選択されたことを示す信号を検知すると(ステップS204;文字モード)、制御部10の予備画像読み取り手段11は、画像読み取り部20のスキャナヘッド3を所定の待機位置WP(例えば、図1、図2に示す待機位置WP)からスキャン開始位置であるホーム位置HP(例えば、図1、図2に示すホーム位置HP)に移動させながら、検知した原稿のサイズに基づき原稿主走査方向巾で原稿端部の一部分の画像を読み取る予備画像読み取り動作を行わせる(ステップS212)。次いで、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、画像読み取り部20が読み取った原稿の画像に基づき、その原稿端部の一部分の画像の輝度ヒストグラムhgを作成する(ステップS213)。次いで、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、ステップS213で作成した輝度ヒストグラムhgに基づき、制御部10のROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを選択するとともに、制御部10のRAM10c(ガンマ補正データ記憶手段70a)にそのガンマ補正データGDを記憶する(ステップS214)。そして、制御部10のガンマ補正制御手段14は、原稿の全体画像を読み取る本スキャンとともに、選択し、記憶されたガンマ補正データGDに基づくガンマ補正を行い(ステップS215)、画像形成処理を行う(ステップS216)。
【0061】次いで、制御部10は、プラテンカバー2が開かれたか否かの判断を行う(ステップS217)。プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されない場合(ステップS217;No)、プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が入力されるまで繰り返し、待機する。一方、検知部50からプラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS217;Yes)、制御部10のRAMに記憶したガンマ補正データGDの記憶を消去して(ステップS218)、本処理を終了する。
【0062】このように、画像処理装置200において、画像処理を行う原稿の画像に応じた画像モード、例えば、写真モード、文字モード等を予め操作部40で選択、入力しておくことにより、その原稿の画像に対応した画像処理を行うことができる。よって、原稿の画像が写真画像であるか、文字画像であるかという判断を行う必要がなく、選択された画像モードに基づく画像処理を行うことができ、処理時間を短縮することができる。
【0063】〔第3の実施の形態〕次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0064】画像処理装置300の画像読み取り部20(スキャナヘッド3)は、後述するシェーディング基準読み取り手段16に基づき、白色基準板8の輝度に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り動作を行う。
【0065】画像処理装置300における操作部40は、画像形成速度調整モード(例えば、Fastモード、Fineモード等)の選択が可能な操作手段を備えていてもよい。具体的には、例えば、画像処理装置300の操作部40は、画像形成速度調整手段として、より速く画像形成を行うFastモードで画像形成を行うことを選択するためのFastモードキーや、高画質の画像形成を行うFineモードで画像形成を行うことを選択するためのFineモードキーを備えている。そして、画像形成速度調整手段であるそれらキーが押下されると、押下されたことを示す押下信号が出力され、その選択された画像形成速度調整モードを示すその押下信号は、制御部10に送られる。
【0066】制御部10は、図12に示すように、更に、シェーディング基準読み取り手段16、補正値算出手段17、輝度ヒストグラム補正手段18を備えている。
【0067】制御部10のシェーディング基準読み取り手段16は、画像読み取り部20が白色基準板8の有する基準色の輝度(濃度)に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り動作を行うために、画像読み取り部20のスキャナヘッド3が白色基準板8の位置に移動するように、図示しない駆動部や画像読み取り部20の動作制御を行い、その白色基準板8の輝度(シェーディングデータ)を読み取る。
【0068】制御部10の補正値算出手段17は、シェーディング基準読み取り手段16により読み取られた第2のシェーディングデータと、後述するシェーディングデータ記憶手段70bに記憶された第1ののシェーディングデータとの比較を行い、それらの差分、割合等に基づき、輝度補正値を算出する。
【0069】制御部10の輝度ヒストグラム補正手段18は、補正値算出手段17により算出された輝度補正値に基づき、輝度ヒストグラム作成手段12が作成した輝度ヒストグラムの補正を行う。
【0070】画像処理装置300の制御部10のRAM10cは、画像読み取り部20が読み取った原稿の画像のデータや、白色基準板8の輝度(濃度)のデータを記憶する機能を有する。特に、RAM10cは、シェーディングデータ記憶手段70bを備え、制御部10のシェーディング基準読み取り手段16に読み取られた白色基準板8の基準色の輝度に基づくシェーディングデータ(第1のシェーディングデータ)を記憶する機能を有する。
【0071】本実施の形態において、上記シェーディング基準読み取り手段16と、補正値算出手段17と、輝度ヒストグラム補正手段18は、CPU10aと、ROM10bに格納された各処理プログラムとの協働によるソフトウエア処理によって実現される。なお、各処理プログラムの機能をCPU10aの制御下において動作する専用ハードウエアにより実現する構成としてもよい。
【0072】次に、本発明の第3の実施の形態における画像処理装置300の動作を、図13に示すフローチャートに沿って説明する。図13に示すように、画像形成装置300の使用中に、検知部50が、画像処理装置300のプラテンカバー2が閉じられたこと検知し、検知部50からプラテンカバー2が閉じられたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS301;Yes)、ステップS302へ進む。次いで、検知部50が、画像処理装置300のプラテン1に原稿が載置されていることを検知し、検知部50からプラテン1に原稿が載置されていることを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS302;Yes)、検知部50は、原稿のサイズを検知するとともに、原稿のサイズを示す信号を制御部10へ入力する(ステップS303)。一方、検知部50からプラテン1に原稿が載置されていないことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS302;No)、ステップS301に戻る。
【0073】次いで、制御部10は、どのような画像形成速度調整モード(例えば、Fastモード、Fineモード)が選択されているか判断する(ステップS304)。制御部10が、操作部40から画像形成をより速く行うFastモードが選択されたことを示す信号を検知すると(ステップS304;Fastモード)、制御部10の予備画像読み取り手段11は、画像読み取り部20のスキャナヘッド3を所定の待機位置WP(例えば、図1、図2に示す待機位置WP)からスキャン開始位置であるホーム位置HP(例えば、図1、図2に示すホーム位置HP)に移動させながら、検知した原稿のサイズに基づき原稿主走査方向巾で原稿端部の一部分の画像を、シェーディングデータ記憶手段70bに記憶された第1のシェーディングデータに基づき読み取る予備画像読み取り動作を行わせ、読み取った画像のデータを制御部10のRAM10cに記憶する(ステップS305)。次いで、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、ステップS305においてRAM10cに記憶された原稿の画像のデータに基づき、その画像の輝度ヒストグラムを作成し、RAM10cに一時的に記憶する(ステップS306)。なお、輝度ヒストグラムの作成は、専用のハードウェアで実施してもよい。
【0074】次いで、制御部10のシェーディング基準読み取り手段16は、画像読み取り部20のスキャナヘッド3を所定のシェーディング補正位置(B,C)に移動させ、白色基準板8の輝度に基づく第2のシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り動作を行わせる(ステップS307)。次いで、制御部10の補正値算出手段17は、ステップS307において、シェーディング基準読み取り手段16に基づき画像読み取り部20が読み取った白色基準板8の第2のシェーディングデータと、RAM10cのシェーディングデータ記憶手段70bに記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する。そして、読み取った白色基準板8の第2のシェーディングデータや、輝度補正値を制御部10のRAM10cに記憶する(ステップS308)。なお、ここでRAM10c(シェーディングデータ記憶手段70b)に記憶された第2のシェーディングデータが、次回動作時の第1のシェーディングデータとなる。
【0075】次いで、制御部10の輝度ヒストグラム補正手段18は、ステップS306においてRAM10cに記憶された輝度ヒストグラムを、ステップS308において算出された輝度補正値に基づいて補正する(ステップS309)。そして、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、ステップS309で補正された輝度ヒストグラムに基づき、ROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを選択するとともに、RAM10c(ガンマ補正データ記憶手段70a)にそのガンマ補正データGDを記憶する(ステップS310)。そして、制御部10のガンマ補正制御手段14は、ステップS307においてシェーディング基準読み取り手段16により読み取られた第2のシェーディングデータに基づき原稿の全体画像を読み取る本スキャンとともに、選択し、記憶されたガンマ補正データGDに基づくガンマ補正を行い(ステップS311)、画像形成処理を行う(ステップS312)。
【0076】ここで、ステップS305からステップS311におけるスキャナヘッド3の移動動作について、図14に基づき説明する。図14に示されるように、画像処理装置のスキャナヘッド3は、所定の待機位置WP(a)から、基準白色板8の方向へ移動する際に(矢印 i)、待機位置WP(a)から原稿基準位置(A)までの原稿の画像の一部分の範囲を主走査方向とは逆の方向に予備画像読み取り(バックスキャン)を行う。(S305)
そして、読み取った原稿の画像のデータに基づき、その画像の輝度ヒストグラムを作成する。(S306)
次いで、スキャナヘッド3は、2箇所のシェーディング補正位置(C、B)でシェーディング基準読み取りを行う。(S307)ここでは、シェーディング補正の精度を上げるために、2箇所での読み取りを行い、両データからシェーディングデータを求めているが、1箇所の読み取りでもかまわない。そして、スキャナヘッド3は、スキャナヘッド助走開始位置(D)へ移動する(矢印 iii)。例えば、この移動を行う間などで、ステップS308、S309、S310に対応する輝度補正値の算出や、輝度ヒストグラムの補正、ガンマ補正データの選択などが行われる。次いで、スキャナヘッド3は、原稿基準位置(A)から原稿端部位置(E)までの範囲を主走査方向に移動し、本スキャンを行う(矢印 iv)。(S311)そして、スキャナヘッド3は、スキャナン−ホームポジションセンサー位置(F)へ移動し(矢印 v)、スキャナヘッド位置の調整が行われた後、待機位置WP(a)へ戻る(矢印 vi)。
【0077】次いで、制御部10は、プラテンカバー2が開かれたか否かの判断を行う(ステップS313)。プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されない場合(ステップS313;No)、プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が入力されるまで繰り返し、待機する。一方、検知部50からプラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS313;Yes)、制御部10のRAM10cに記憶したガンマ補正データGDの記憶を消去して(ステップS314)、本処理を終了する。
【0078】一方、制御部10が、操作部40からより高画質の画像形成を行うFineモードが選択されたことを示す信号を検知すると(ステップS304;Fineモード)、制御部10のシェーディング基準読み取り手段16は、画像読み取り部20のスキャナヘッド3を所定のシェーディング補正位置に移動させ、白色基準板8の輝度に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り動作を行わせ、制御部10は読み取ったシェーディングデータをRAM10cに記憶する(ステップS315)。
【0079】次いで、制御部10は、検知部50の原稿サイズの検知信号に基づき、画像読み取り部20による原稿の画像全体をシェーディング基準読み取り手段16により読み取られたシェーディングデータに基づき読み取るプレスキャンを行い(ステップS316)、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、画像読み取り部20が読み取った原稿の画像に基づき、その原稿の画像全体の輝度ヒストグラムHGを作成する(ステップS317)。そして、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、ステップS317で作成された輝度ヒストグラムに基づき、ROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを選択するとともに、RAM10c(ガンマ補正データ記憶手段70a)にそのガンマ補正データGDを記憶する(ステップS318)。そして、制御部10のガンマ補正制御手段14は、原稿の全体画像を読み取る本スキャンとともに、選択し、記憶されたガンマ補正データGDに基づくガンマ補正を行い(ステップS319)、画像形成処理を行う(ステップS320)。
【0080】次いで、制御部10は、プラテンカバー2が開かれたか否かの判断を行う(ステップS321)。プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されない場合(ステップS321;No)、プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が入力されるまで繰り返し、待機する。一方、検知部50からプラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS321;Yes)、制御部10のRAMに記憶したガンマ補正データGDの記憶を消去して(ステップS322)、本処理を終了する。
【0081】このように、画像処理装置300は、第1のシェーディングデータに基づき作成された輝度ヒストグラムを、輝度ヒストグラム補正手段が、第2のシェーディングデータと第1のシェーディングデータとにより算出された輝度補正値によって、第2のシェーディングデータに基づく輝度ヒストグラムとして補正することができる。そして、ガンマ補正データ設定手段13は、第2のシェーディングデータに対応するように補正された輝度ヒストグラムに基づき、ガンマ補正データを記録手段16より選択することができるので、第2のシェーディングデータに基づき本スキャンされた画像に最適なガンマ補正データを設定することができる。よって、画像処理装置300は、より安定した画像処理、画像形成を行うことができる。
【0082】なお、本第3の実施の形態の画像処理装置300の動作におけるステップS309において補正された輝度ヒストグラムに基づいて、第1の実施の形態の画像処理装置100の動作におけるステップS106と同様に、その原稿の画像が文字画像であるか、写真画像であるかなどの判断を行い、それぞれの場合におけるスキャン動作を行うようにしてもよい。
【0083】〔第4の実施の形態〕次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1〜第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0084】画像処理装置400の画像読み取り部20(スキャナヘッド3)は、制御部10のシェーディング基準読み取り手段16に基づき、白色基準板8の輝度に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り動作を行う。
【0085】画像処理装置400における操作部40は、画像形成速度調整モード(例えば、Fastモード、Fineモード等)の選択が可能な操作手段を備えていてもよい。具体的には、例えば、画像処理装置400の操作部40は、画像形成速度調整手段として、より速く画像形成を行うFastモードで画像形成を行うことを選択するためのFastモードキーや、高画質の画像形成を行うFineモードで画像形成を行うことを選択するためのFineモードキーを備えている。そして、画像形成速度調整手段であるそれらキーが押下されると、押下されたことを示す押下信号が出力され、その選択された画像形成速度調整モードを示すその押下信号は、制御部10に送られる。
【0086】制御部10は、図15に示すように、更に、シェーディング基準読み取り手段16、補正値算出手段17、ガンマ補正データ補正手段19を備えている。制御部10のガンマ補正データ補正手段19は、補正値算出手段17により算出された輝度補正値に基づき、ガンマ補正データ設定手段13が選択したガンマ補正データの補正を行う。本実施の形態において、上記ガンマ補正データ補正手段19は、CPU10aと、ROM10bに格納された各処理プログラムとの協働によるソフトウエア処理によって実現される。なお、各処理プログラムの機能をCPU10aの制御下において動作する専用ハードウエアにより実現する構成としてもよい。
【0087】画像処理装置400の制御部10のRAM10cは、画像読み取り部20が読み取った原稿の画像のデータや、白色基準板8の輝度(濃度)のデータを記憶する機能を有する。特に、RAM10cは、シェーディングデータ記憶手段70bを備え、制御部10のシェーディング基準読み取り手段16に読み取られた白色基準板8の基準色の輝度に基づくシェーディングデータ(第1のシェーディングデータ)を記憶する機能を有する。
【0088】次に、本発明の第4の実施の形態における画像処理装置400の動作を、図16に示すフローチャートに沿って説明する。図16に示すように、画像形成装置400の使用中に、検知部50が、画像処理装置400のプラテンカバー2が閉じられたこと検知し、検知部50からプラテンカバー2が閉じられたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS401;Yes)、ステップS402へ進む。次いで、検知部50が、画像処理装置400のプラテン1に原稿が載置されていることを検知し、検知部50からプラテン1に原稿が載置されていることを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS402;Yes)、検知部50は、原稿のサイズを検知するとともに、原稿のサイズを示す信号を制御部10へ入力する(ステップS403)。一方、検知部50からプラテン1に原稿が載置されていないことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS402;No)、ステップS401に戻る。
【0089】次いで、制御部10は、どのような画像形成速度調整モード(例えば、Fastモード、Fineモード)が選択されているか判断する(ステップS404)。制御部10が、操作部40から画像形成をより速く行うFastモードが選択されたことを示す信号を検知すると(ステップS404;Fastモード)、制御部10の予備画像読み取り手段11は、画像読み取り部20のスキャナヘッド3を所定の待機位置WP(例えば、図1、図2に示す待機位置WP)からスキャン開始位置であるホーム位置HP(例えば、図1、図2に示すホーム位置HP)に移動させながら、検知した原稿のサイズに基づき原稿主走査方向巾で原稿端部の一部分の画像を、シェーディングデータ記憶手段70bに記憶された第1のシェーディングデータに基づき読み取る予備画像読み取り動作を行わせ、読み取った画像のデータを制御部10のRAM10cに記憶する(ステップS405)。次いで、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、ステップS405においてRAM10cに記憶された原稿の画像のデータに基づき、その画像の輝度ヒストグラムを作成し、RAM10cに一時的に記憶する(ステップS406)。なお、輝度ヒストグラムの作成は、専用のハードウェアで実施してもよい。
【0090】次いで、制御部10のシェーディング基準読み取り手段16は、画像読み取り部20のスキャナヘッド3を所定のシェーディング補正位置(B,C)に移動させ、白色基準板8の輝度に基づく第2のシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り動作を行わせる(ステップS407)。次いで、制御部10の補正値算出手段17は、ステップS407において、シェーディング基準読み取り手段16に基づき画像読み取り部20が読み取った白色基準板8の第2のシェーディングデータと、RAM10cのシェーディングデータ記憶手段70bに記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する。そして、読み取った白色基準板8の第2のシェーディングデータや、輝度補正値を制御部10のRAM10cに記憶する(ステップS408)。なお、ここでRAM10c(シェーディングデータ記憶手段70b)に記憶された第2のシェーディングデータが、次回動作時の第1のシェーディングデータとなる。
【0091】次いで、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、ステップS406で作成され、記憶された輝度ヒストグラムに基づき、ROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを選択する(ステップS409)。そして、制御部10のガンマ補正データ補正手段19は、ステップS409において選択されたガンマ補正データGDを、ステップS408において算出された輝度補正値に基づいて補正するとともに、その補正したガンマ補正データをRAM10c(ガンマ補正データ記憶手段70a)に記憶する(ステップS410)。そして、制御部10のガンマ補正制御手段14は、ステップS407においてシェーディング基準読み取り手段16により読み取られた第2のシェーディングデータに基づき原稿の全体画像を読み取る本スキャンとともに、選択ステップS410において補正されたガンマ補正データに基づくガンマ補正を行い(ステップS411)、画像形成処理を行う(ステップS412)。
【0092】ここで、ステップS405からステップS411におけるスキャナヘッド3の移動動作について、図14に基づき説明する。図14に示されるように、画像処理装置のスキャナヘッド3は、所定の待機位置WP(a)から、基準白色板8の方向へ移動する際に(矢印 i)、待機位置WP(a)から原稿基準位置(A)までの原稿の画像の一部分の範囲を主走査方向とは逆の方向に予備画像読み取り(バックスキャン)を行う。(S405)そして、読み取った原稿の画像のデータに基づき、その画像の輝度ヒストグラムを作成する。(S406)
次いで、スキャナヘッド3は、2箇所のシェーディング補正位置(C、B)でシェーディング基準読み取りを行う。(S407)ここでは、シェーディング補正の精度を上げるために、2箇所での読み取りを行い、両データからシェーディングデータを求めているが、1箇所の読み取りでもかまわない。そして、スキャナヘッド3は、スキャナヘッド助走開始位置(D)へ移動する(矢印 iii)。例えば、この移動を行う間などで、ステップS408、S409、S410に対応する輝度補正値の算出や、ガンマ補正データの選択、ガンマ補正データの補正などが行われる。次いで、スキャナヘッド3は、原稿基準位置(A)から原稿端部位置(E)までの範囲を主走査方向に移動し、本スキャンを行う(矢印 iv)。(S411)そして、スキャナヘッド3は、スキャナン−ホームポジションセンサー位置(F)へ移動し(矢印 v)、スキャナヘッド位置の調整が行われた後、待機位置WP(a)へ戻る(矢印 vi)。
【0093】次いで、制御部10は、プラテンカバー2が開かれたか否かの判断を行う(ステップS413)。プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されない場合(ステップS413;No)、プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が入力されるまで繰り返し、待機する。一方、検知部50からプラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS413;Yes)、制御部10のRAM10cに記憶したガンマ補正データGDの記憶を消去して(ステップS414)、本処理を終了する。
【0094】一方、制御部10が、操作部40からより高画質の画像形成を行うFineモードが選択されたことを示す信号を検知すると(ステップS404;Fineモード)、制御部10のシェーディング基準読み取り手段16は、画像読み取り部20のスキャナヘッド3を所定のシェーディング補正位置に移動させ、白色基準板8の輝度に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り動作を行わせ、制御部10は読み取ったシェーディングデータをRAM10cに記憶する(ステップS415)。
【0095】次いで、制御部10は、検知部50の原稿サイズの検知信号に基づき、画像読み取り部20による原稿の画像全体をシェーディング基準読み取り手段16により読み取られたシェーディングデータに基づき読み取るプレスキャンを行い(ステップS416)、制御部10の輝度ヒストグラム作成手段12は、画像読み取り部20が読み取った原稿の画像に基づき、その原稿の画像全体の輝度ヒストグラムHGを作成する(ステップS417)。次いで、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、ステップS417で作成された輝度ヒストグラムに基づき、ROM10b(記録手段60)からその画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データGDを選択するとともに、RAM10c(ガンマ補正データ記憶手段70a)にそのガンマ補正データGDを記憶する(ステップS418)。そして、制御部10のガンマ補正制御手段14は、原稿の全体画像を読み取る本スキャンとともに、選択し、記憶されたガンマ補正データGDに基づくガンマ補正を行い(ステップS419)、画像形成処理を行う(ステップS420)。
【0096】次いで、制御部10は、プラテンカバー2が開かれたか否かの判断を行う(ステップS421)。プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されない場合(ステップS421;No)、プラテンカバー2が開かれたことを示す信号が入力されるまで繰り返し、待機する。一方、検知部50からプラテンカバー2が開かれたことを示す信号が制御部10に入力されると(ステップS421;Yes)、制御部10のRAMに記憶したガンマ補正データGDの記憶を消去して(ステップS422)、本処理を終了する。
【0097】このように、画像処理装置400は、第1のシェーディングデータに基づき選択されたガンマ補正データを、ガンマ補正データ補正手段が、第2のシェーディングデータと第1のシェーディングデータとにより算出された輝度補正値によって、第2のシェーディングデータに基づくガンマ補正データとして補正することができる。そして、ガンマ補正制御手段14は、第2のシェーディングデータに対応するように補正されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施することができるので、第2のシェーディングデータに基づき本スキャンされた画像に最適なガンマ補正を行うことができる。よって、画像処理装置400は、より安定した画像処理、画像形成を行うことができる。
【0098】なお、以上の実施の形態においては、画像処理装置(100、200、300、400)の制御動作、処理について、第1から第4の実施の形態として、個々に説明したが、それぞれの制御動作や処理を複合した制御動作処理、例えば、画像モードの自動選択処理(第1の実施の形態)、画像モードマニュアル選択処理(第2の実施の形態)、画像形成速度調整処理(第3、4の実施の形態)を一連の一つ動作として行うようにし、それら各処理を場合により選択するように使い分けて画像形成を行ってもよい。
【0099】また、本実施の形態のおいては、制御部10のガンマ補正データ設定手段13は、輝度ヒストグラム作成手段12が作成した輝度ヒストグラムに基づき、その画像に最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データを、制御部10のROM10b(記録手段60)に記録、格納されたガンマ補正データ群の中から選択し、設定するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガンマ補正データ設定手段13は、輝度ヒストグラム作成手段12が作成した輝度ヒストグラムに基づき、制御部10のROM10bに記録された所定の演算式によりガンマ補正データを算出し、設定するようにしてもよい。
【0100】また、第3、第4の実施の形態において、画像処理装置(300、400)が起動する際、画像処理装置は、まず、白色基準板8の輝度に基づくシェーディングデータを読み取り、第1のシェーディングデータをRAM10cのシェーディングデータ記憶手段70bに記憶することが望ましい。
【0101】また、画像読み取り部20のスキャナヘッド3の待機位置WPは、画像の種類を判定できる程度、原稿の画像の一部分を読み取ることが可能な位置であればよく、様々なサイズの各種原稿に対して対応が可能であることが好ましい。例えば、原稿の端部40mmを読み取ることで画像の種類を判定することができるとした場合、ホーム位置HPから40mm離れた位置がスキャナヘッド3の待機位置WPとなる。
【0102】また、制御部10のRAM10cに記憶されたガンマ補正データGDの消去は、プラテンカバー2を開く動作の検知に基づき行うことに限らず、例えば、操作部40で行う消去動作であってもよい。
【0103】また、画像モードは、写真モード、文字モードに限ったものでなく、絵画モード、カラーモード、モノクロモード、高画質モード、ドラフトモード、等任意の画像モードであってよく、その画像モードに適した画像処理制御を行うようにすればよい。
【0104】また、このガンマ補正データGDは、複数のガンマ補正値から構成されており、その構成はガンマ補正テーブル等、任意である。また、画像読み取り部20、原稿送り装置7の構成等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0105】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、予備画像読み取り手段により読み取られた原稿の一部分における画像の輝度ヒストグラムを輝度ヒストグラム作成手段が作成し、その作成された輝度ヒストグラムに基づき、ガンマ補正データ設定手段が、最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データを選択或いは算出し、設定するので、その設定されたガンマ補正データに基づいて、原稿の全体画像を読み取る本スキャン時にガンマ補正を実施する画像処理を行うことができる。つまり、原稿の全体画像を読み取るプレスキャンを行わずに、原稿の一部分の画像を読み取ることにより、本スキャン時のガンマ補正を実施することができるので、効率的な画像読み取りを行うことができることとなって、画像処理時間の短縮が図られる。特に、原稿の画像が文字画像である場合は、このような原稿の一部分における画像の解析により、原稿の全体の輝度分布を推定することが可能であるので、好適な画像処理を行うことができる。
【0106】請求項2記載の発明によれば、予備画像読み取り手段により読み取られた原稿の一部分における画像の輝度ヒストグラムを輝度ヒストグラム作成手段が作成し、その作成された輝度ヒストグラムに基づき、画像判断手段が原稿の画像が文字画像であるか、写真画像であるかの判断を行う。画像判断手段が原稿の画像が文字画像であると判断した場合、輝度ヒストグラム作成手段が作成した輝度ヒストグラムに基づき、ガンマ補正データ設定手段が、最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データを選択或いは算出し、設定するので、その設定されたガンマ補正データに基づいて、原稿の全体画像を読み取る本スキャン時にガンマ補正を実施する画像処理を行うことができる。また、画像判断手段が原稿の画像が写真画像であると判断した場合には、原稿の画像全体の特徴点を抽出するプレスキャンを行い、そのプレスキャンの結果に基づくガンマ補正を本スキャン時に行うことができる。つまり、写真画像のようにプレスキャンが必要な画像に対してはプレスキャンを行う精密な画像処理を行うことができる。また、原稿の画像が文字画像である場合には、原稿の全体画像を読み取るプレスキャンを行わずに、原稿の一部分の画像を読み取ることにより、本スキャン時のガンマ補正を実施することができ、処理時間の短縮を図った画像処理を行うことができる。よって、原稿の画像に応じた効率のよい画像処理を行うことができる。
【0107】請求項3記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、画像選択手段により文字画像が選択された場合には、予備画像読み取り手段により読み取った原稿の一部分における画像の輝度ヒストグラムを輝度ヒストグラム作成手段が作成し、その作成された輝度ヒストグラムに基づき、ガンマ補正データ設定手段が、最適なガンマ補正を実施するためのガンマ補正データを選択或いは算出し、設定するので、その設定されたガンマ補正データに基づいて、原稿の全体画像を読み取る本スキャン時にガンマ補正を実施する画像処理を行うことができる。また、画像選択手段により写真画像が選択された場合には、原稿の画像全体の特徴点を抽出するプレスキャンを行い、そのプレスキャンの結果に基づくガンマ補正を本スキャン時に行うことができる。つまり、写真画像のようにプレスキャンが必要な画像に対しては予め写真画像を選択し、プレスキャンを行う精密な画像処理を行うことができる。また、原稿の画像が文字画像である場合には、予め文字画像を選択し、原稿の全体画像を読み取るプレスキャンを行わずに、原稿の一部分の画像を読み取ることにより、本スキャン時のガンマ補正を実施する画像処理を行うことができる。よって、原稿の画像を選択することによって、更に効率的な画像処理を行うことができる。
【0108】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れかに記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、予備画像読み取り手段は、検知手段によるプラテンカバーが閉じられていることの検知に基づいて、画像読み取り部を所定の待機位置よりホーム位置に移動させながら、原稿の端部の一部分の画像を読み取らせるように構成されているので、予備画像読み取り後、画像読み取り部はホーム位置から直ぐプレスキャン、本スキャン動作に移ることができるので、予備画像読み取りの動作からプレスキャンや本スキャンの動作に移行する際に無駄がなく、処理動作の効率化が図れる。また、原稿がプラテンに載置され、検知手段によるプラテンカバーが閉じられていることの検知に基づいて、予備画像読み取り手段は動作するので、予備画像読み取りの動作の操作指示の必要がなく、処理動作の効率化が図れる。
【0109】請求項5記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、検知手段によるプラテンカバーが閉じられたことの検知後、ガンマ補正データ設定手段によって設定されたガンマ補正データを、少なくともプラテンカバーが再び開かれたと検知手段が検知するまでガンマ補正データ記憶手段に記憶することができるので、原稿の処理毎にガンマ補正データの選択をする必要がなくなり、処理動作の効率化が図れる。
【0110】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、画像処理装置における補正値算出手段が、シェーディング基準読み取り手段により読み取られたシェーディング基準板の基準色の輝度に基づく第2のシェーディングデータと、シェーディングデータ記憶手段に記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する。そして、輝度ヒストグラム補正手段がその輝度補正値に基づき、輝度ヒストグラム作成手段により作成された輝度ヒストグラムを補正し、ガンマ補正データ設定手段がその補正された輝度ヒストグラムに基づいて、ガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行い、最適なガンマ補正データを設定する。つまり、画像処理装置は、第2のシェーディングデータと第1のシェーディングデータとにより補正値算出手段が算出した輝度補正値に基づき、例えば、第1のシェーディングデータで補正して作成された輝度ヒストグラムを、輝度ヒストグラム補正手段が、第2のシェーディングデータに基づく輝度ヒストグラムとして補正することで、第2のシェーディングデータで補正された画像に最適な輝度ヒストグラムとすることができる。そして、画像処理装置のガンマ補正データ設定手段は、第1のシェーディングデータの影響が打ち消され、第2のシェーディングデータに対応するように補正された輝度ヒストグラムに基づいて、ガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行い、最適なガンマ補正データを設定することができる。よって、画像処理装置は、第1のシェーディングデータの影響を受けることなく、所定の基準に準じた画像形成、画像処理が可能になる。
【0111】請求項7記載の発明によれば、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、画像処理装置における補正値算出手段が、シェーディング基準読み取り手段により読み取られたシェーディング基準板の基準色の輝度に基づく第2のシェーディングデータと、シェーディングデータ記憶手段に記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する。そして、ガンマ補正データ補正手段がその輝度補正値に基づき、ガンマ補正データ設定手段により設定されたガンマ補正データを補正し、ガンマ補正制御手段がその補正されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施する。つまり、画像処理装置は、第2のシェーディングデータと第1のシェーディングデータとにより補正値算出手段が算出した輝度補正値に基づき、例えば、第1のシェーディングデータで補正されて設定されたガンマ補正データを、ガンマ補正データ補正手段が、第2のシェーディングデータに基づくガンマ補正データとして補正することで、第2のシェーディングデータで補正された画像に最適なガンマ補正データとすることができる。そして、画像処理装置のガンマ補正制御手段は、第1のシェーディングデータの影響が打ち消され、第2のシェーディングデータに対応するように補正されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施することができる。よって、画像処理装置は、第1のシェーディングデータの影響を受けることなく、所定の基準に準じた画像形成、画像処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の斜視図である。
【図2】本発明にかかる画像形成装置における画像読み取り部、及びプラテンカバーに設けられた原稿送り装置を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における動作を示すフローチャートである。
【図5】輝度ヒストグラムの模式図である。(a)は通常の文字原稿の輝度ヒストグラムであり、(b)は写真原稿の輝度ヒストグラムである。
【図6】本発明にかかる輝度ヒストグラムの原稿型判断動作を示すフローチャートである。
【図7】地肌型の画像(通常の文字原稿)の輝度ヒストグラムと、その輝度ヒストグラムに対応したガンマ補正データGDを示す図である。
【図8】反転型の画像(黒・暗色地に白抜き文字原稿)の輝度ヒストグラムと、その輝度ヒストグラムに対応したガンマ補正データGDを示す図である。
【図9】その他型の画像(写真原稿)の輝度ヒストグラムと、その輝度ヒストグラムに対応したガンマ補正データGDを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態における動作を示すフローチャートである。
【図14】第3、第4の実施の形態における動作に関するスキャナヘッドの移動動作を示す説明図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態における画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態における動作を示すフローチャートである。
【図17】従来の画像処理装置におけるスキャナヘッドの移動動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 プラテン
2 プラテンカバー
3 スキャナヘッド
4 CCDユニット
5 ミラー
6 スケール板
7 原稿送り装置
8 白色基準板(シェーディング基準板)
10 制御部
11 予備画像読み取り手段
12 輝度ヒストグラム作成手段
13 ガンマ補正データ設定手段
14 ガンマ補正制御手段
15 画像判断手段
16 シェーディング基準読み取り手段
17 補正値算出手段
18 輝度ヒストグラム補正手段
19 ガンマ補正データ補正手段
10a CPU
10b ROM
60 記録手段
10c RAM
70a ガンマ補正データ記憶手段
70b シェーディングデータ記憶手段
20 画像読み取り部
30 記憶部
40 操作部
41 画像選択手段
50 検知部(検知手段)
100、200、300、400 画像処理装置
hg、HG 輝度ヒストグラム、全体輝度ヒストグラム
GD ガンマ補正データ
WP 待機位置
HP ホーム位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】プラテンに載置された原稿の画像を読み取る画像読み取り部を有する画像処理装置において、前記画像読み取り部により前記原稿の一部分の画像を読み取る予備画像読み取り手段と、前記予備画像読み取り手段により読み取られた前記原稿の一部分の画像に基づいて、当該画像の輝度ヒストグラムを作成する輝度ヒストグラム作成手段と、前記輝度ヒストグラム作成手段により作成された輝度ヒストグラムに基づき、最適なガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行うガンマ補正データ設定手段と、本スキャン時に、前記ガンマ補正データ設定手段により設定されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施するガンマ補正制御手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】プラテンに載置された原稿の画像を読み取る画像読み取り部を有し、前記原稿の画像全体の画像特徴点を抽出するための読み取り動作であるプレスキャン及びプレスキャンの結果に基づくガンマ補正を施すための画像全体の読み取り動作である本スキャンを行う画像処理装置において、前記画像読み取り部により前記原稿の一部分の画像を読み取る予備画像読み取り手段と、前記予備画像読み取り手段により読み取られた前記原稿の一部分の画像に基づいて、当該画像の輝度ヒストグラムを作成する輝度ヒストグラム作成手段と、前記輝度ヒストグラム作成手段により作成された前記原稿の一部分の画像の輝度ヒストグラムに基づいて、前記原稿の画像が文字画像であるか、写真画像であるかの判断を行う画像判断手段と、前記画像判断手段により、前記原稿の画像が文字画像であると判断された場合に、前記輝度ヒストグラム作成手段により作成された輝度ヒストグラムに基づき、最適なガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行うガンマ補正データ設定手段と、前記本スキャン時に、前記ガンマ補正データ設定手段により設定されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施するガンマ補正制御手段と、を備え、前記画像判断手段により、前記原稿の画像が写真画像であると判断された場合に、前記原稿の全体画像のプレスキャン及び本スキャンを行うように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】請求項2に記載の画像処理装置において、前記原稿の画像が、文字画像であるか写真画像であるかの選択を行う画像選択手段を、さらに備え、前記画像選択手段により文字画像が選択された場合には、前記予備画像読み取り手段と、前記輝度ヒストグラム作成手段と、前記ガンマ補正データ設定手段と、前記ガンマ補正制御手段と、を動作させる制御を行うように構成され、前記画像選択手段により写真画像が選択された場合には、前記原稿の全体画像のプレスキャン及び本スキャンを行うように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】請求項1〜3の何れか一項に記載の画像処理装置において、プラテンカバーの開閉状態を検知する検知手段を、さらに備え、前記予備画像読み取り手段は、前記検知手段による、前記プラテンカバーが閉じられていることの検知に基づいて、前記プレスキャン及び本スキャンを開始するホーム位置から所定の距離離れた待機位置より、前記画像読み取り部を前記ホーム位置に移動させながら、前記原稿の端部の一部分の画像を読み取らせるように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】請求項4に記載の画像処理装置において、前記検知手段による、前記プラテンカバーが閉じられたことの検知後、前記ガンマ補正データ設定手段によって設定されたガンマ補正データを、少なくとも前記検知手段が、前記プラテンカバーが再び開かれたことを検知するまで記憶するガンマ補正データ記憶手段を備え、前記ガンマ補正データ記憶手段に記憶されたガンマ補正データに基づいて本スキャンを行うように構成されていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置において、基準色を有するシェーディング基準板と、前記画像読み取り部により前記シェーディング基準板の基準色の輝度に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り手段と、前記シェーディング基準読み取り手段により読み取られたシェーディングデータを第1のシェーディングデータとして記憶するシェーディングデータ記憶手段と、前記シェーディング基準読み取り手段により読み取られた第2のシェーディングデータと、前記シェーディングデータ記憶手段に記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段により算出された輝度補正値に基づき、前記輝度ヒストグラム作成手段により作成された輝度ヒストグラムを補正する輝度ヒストグラム補正手段と、を備え、前記ガンマ補正データ設定手段は、前記輝度ヒストグラム補正手段により補正された輝度ヒストグラムに基づいて、最適なガンマ補正データの選択、或いは所定の演算式よりガンマ補正データの算出を行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】請求項1〜5の何れか一項に記載の画像処理装置において、基準色を有するシェーディング基準板と、前記画像読み取り部により前記シェーディング基準板の基準色の輝度に基づくシェーディングデータを読み取るシェーディング基準読み取り手段と、前記シェーディング基準読み取り手段により読み取られたシェーディングデータを第1のシェーディングデータとして記憶するシェーディングデータ記憶手段と、前記シェーディング基準読み取り手段により読み取られた第2のシェーディングデータと、前記シェーディングデータ記憶手段に記憶された第1のシェーディングデータとにより、輝度補正値を算出する補正値算出手段と、前記補正値算出手段により算出された輝度補正値に基づき、前記ガンマ補正データ設定手段により設定されたガンマ補正データを補正するガンマ補正データ補正手段と、を備え、前記ガンマ補正制御手段は、前記ガンマ補正データ補正手段により補正されたガンマ補正データに基づいて、ガンマ補正を実施することを特徴とする画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図13】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2003−304399(P2003−304399A)
【公開日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−30884(P2003−30884)
【出願日】平成15年2月7日(2003.2.7)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】