説明

画像処理装置

【課題】
実際に割込みコピーに使用されるメモリの空き容量を画像読取部による画像読取動作の前に確認することで、割り込みコピーモードに移行した後においても、確実に割込みコピーが実行可能な画像処理装置を提供する。
【解決手段】
本発明の画像処理装置は、割込みコピーの実行可否を判断する第1割込み制御部204及び第2割込み制御部403とを備える。第1割込み制御部204は、画像読取部の稼動状況に基づいて割り込みコピーが実行可能か否かを判断する。第2割込み制御部403は、第1割込み制御部204が割込みコピーは実行可能と判断した場合に、印刷ジョブ管理部402の印刷ジョブ管理情報から割込みコピーの実行可否を判断する。さらに、第2割込み制御部403は、割込みコピーの実行可否判断時に、ジョブが処理されている場合には、さらに、一次記憶部の空き記憶容量から割込みコピーの実行可否を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブの処理中にコピージョブを割り込ませる割込みコピー機能を備えた画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタやコピー機としての機能を備えた複合機等の画像処理装置には、何ページかの印刷物を表す印刷ジョブの実行中に、コピージョブを割り込ませる(以下、割込みコピーと称する)機能を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−186930号公報
【0004】
通常、このような割込みコピーは、ユーザが、例えば、操作パネル等に設けられた割込みキーを押下し、画像処理装置が割込みコピーモードに移行することで開始される。ユーザにより割込みコピーの開始指示が入力され、画像処理装置が割込みコピーモードに移行すると、まず、画像処理装置が備える画像読取部は、割込みコピーの対象となる原稿等に形成された画像を読み取り、画像データを生成する。この画像データは、画像処理装置が備える画像形成部が解釈可能な印刷言語に翻訳され、印刷データとしてメモリに記憶される。これと同時に画像処理装置は、印刷ジョブにかかる処理が中断可能となる状態となるのを監視する処理を開始する。そして、画像処理装置は、印刷ジョブにかかる処理が中断可能となる状態となったタイミングで、印刷ジョブにかかる処理を中断し、メモリに記憶された印刷データを印刷するよう画像形成部に指示を与えることで、割込みコピーが実行される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記機能を備えた既存の画像処理装置では、割込みコピーモードに移行後、印刷データが一時的に記憶されるメモリの空き容量が不足した場合、画像読取部による画像読取動作等の割込みコピーにかかる処理が中断され、割込みコピーが実行できないといった問題があった。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、実際に割込みコピーに使用されるメモリの空き容量を画像読取部による画像読取動作の前に確認することで、割り込みコピーモードに移行した後においても、確実に割込みコピーが実行可能な画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる画像処理装置は、原稿上の画像を読み取る画像読取部と、画像読取部により読み取られた画像に対応する印刷画像を記録媒体に形成する画像形成部とを備えた画像処理装置であって、ジョブの入力を受付けるジョブ受付部と、ジョブ受付部が受付けたジョブの中で画像形成部に処理させるジョブを印刷ジョブとして管理する印刷ジョブ管理部と、ジョブの処理にかかるジョブデータを一時的に記憶する一次記憶部と、割込みコピーの実行指令の入力を受付ける割込みコピー受付部と、割込みコピーの実行指令に基づき、画像読取部の稼動状況から割込みコピーの実行可否を判断することで割込みコピーの実行を制御する第1割込み制御部と、第1割込み制御部が割込みコピーは実行可能と判断した場合に、印刷ジョブ管理部の印刷ジョブ管理情報から割込みコピーの実行可否を判断することで割込みコピーの実行を制御する第2割込み制御部とを備え、第2割込み制御部は割込みコピーの実行可否判断時に、ジョブが処理されている場合には、さらに、一次記憶部の空き記憶容量から割込みコピーの実行可否を判断することを特徴とする。
【0008】
本発明の画像処理装置は、割込みコピーの実行可否を判断する第1割込み制御部及び第2割込み制御部とを備える。第1割込み制御部は、画像読取部の稼動状況に基づいて割り込みコピーが実行可能か否かを判断する。第2割込み制御部は、第1割込み制御部が割込みコピーは実行可能と判断した場合に、印刷ジョブ管理部の印刷ジョブ管理情報から割込みコピーの実行可否を判断する。さらに、第2割込み制御部は、割込みコピーの実行可否判断時に、ジョブが処理されている場合には、さらに、一次記憶部の空き記憶容量から割込みコピーの実行可否を判断するため、確実に割込みコピーを実行することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像処理装置によれば、実際に割込みコピーに使用されるメモリの空き容量を画像読取部による画像読取動作の前に確認することで、割り込みコピーモードに移行した後においても、確実に割込みコピーを実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨に逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0011】
[第1の実施形態]
図1は、本発明にかかる画像処理装置としての複合機101の概略構成を説明するブロック図である。複合機101は、フラットベットやADF(Auto Document Feeder)に載置された原稿上の画像を読み取る図示せぬスキャナユニットを備えた画像読取部としてのスキャナ102と、スキャナ102から入力された画像データに基づいて用紙等の記録媒体に画像を形成する画像形成部としてのプリンタ103とを備える。したがって、複合機101は、スキャナ102で読み取った原稿上の画像を用紙に印刷することで外部出力することができる。また、本発明にかかる複合機101は、例えば、ホストPC(Personal Computer)等の情報処理装置やユーザから入力された処理命令、いわゆるジョブに基づき異なる処理動作を実行することができる。例えば、複合機101は、ホストPCからの印刷ジョブの入力に基づき画像を用紙に印刷したり、ユーザによるファックス送信ジョブの入力に基づき、スキャナ102で読み取った画像をファックス送信データとして相手先にファックス送信することができる。このような機能を備えた複合機101を構成するスキャナ102及びプリンタ103について以下に説明する。
【0012】
図2は、スキャナ102の要部構成を説明する機能ブロック図である。スキャナ102は、図示せぬスキャナユニットを駆動させて画像データを生成するスキャナ制御部201と、複合機101の装置状況等を表示すると共に、ユーザからの入力を受付けるジョブ受付部としての操作パネル202と、操作パネル202に表示させる表示内容を制御する操作パネル制御部203と、スキャナ102の稼動状況から割込みコピーが実行可能か否かを判断する第1割込み制御部204と、プリンタ103とのコマンド送受信を行うインタフェース部205とを備える。
【0013】
スキャナ制御部201は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等から構成される図示せぬスキャナユニットを制御する。CCDイメージセンサは撮像素子の一つであり、原稿上で反射された光の明暗をデジタル信号に変換することで画像データを生成する。スキャナ制御部201は、このスキャナユニットを制御することで原稿の読み取り動作を制御する。
【0014】
操作パネル202は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネル等の出力装置から構成されており、複合機101の装置状況等を表示することができる。また、操作パネル202には、タッチパネル等の入力手段が設けられており、ユーザからのコピー、ファックス送信等の各ジョブの実行指令や、コピーメニュー、ファックスメニュー、機能設定等の各種設定の入力を受付けることができる。このような機能を備えた操作パネル202の具体的態様を表したのが図3である。図3に示される操作パネル202は、操作パネル制御部203が形成した表示画面を表示すると共に、ユーザによるジョブの入力を受付けるタッチパネルを備えた液晶タッチパネル301と、複合機101に実行させるジョブの変更を受付ける、コピーキー302a,ファックスキー302b,スキャンキー302c,プリンターキー302dから構成されるモードキー302と、入力された設定値を初期値に戻すリセットキー303と、設定値の数値入力を受付けるテンキー304と、モノクロコピーの実行指令を受付けるモノクロスタートキー305と、カラーコピーの実行指令を受付けるカラースタートキー306と、処理の中断を受付けるストップキー307と、割込みコピーの実行指令を受付ける割込みコピー受付部としての割込みキー308とを備える。
【0015】
操作パネル制御部203は、操作パネル202に表示させる表示画面の表示画面データを形成する。また、操作パネル制御部203は、操作パネル202を介して入力された入力値を処理を実行する各部に供給すると共に、処理を実行した各部から供給された出力値を基に表示画面を形成し、操作パネル202に表示させる。
【0016】
第1割込み制御部204は、操作パネル制御部203に対して液晶タッチパネル301の表示状況を問合せると共に、スキャナ制御部201に図示せぬスキャナユニットの稼動状況を問合せることで、スキャナ102における割込みコピーが実行可能か否かを判断する。また、第1割込み制御部は、インタフェース部205を介してプリンタ103の第2割込み制御部403に当該判断結果を通知する。
【0017】
インタフェース部205は、スキャナ102とプリンタ103との間で、双方向のコマンド信号を送受信するインタフェースである。
【0018】
図4は、プリンタ103の要部構成を説明するブロック図である。プリンタ103は、ユーザにより操作パネル202を介して入力されたジョブや、ホストPCから入力されたジョブを管理するジョブ管理部401と、入力されたジョブの中で印刷にかかるジョブ、いわゆる印刷ジョブを管理する印刷ジョブ管理部402と、印刷ジョブの処理状況から割込みコピーが実行可能か否かを判断する第2割込み制御部403と、プリンタ103が備えるメモリを制御するメモリ管理部404と、不揮発性メモリ405と、一次記憶部としての揮発性メモリ406と、スキャナ102とのコマンド送受信を行うインタフェース部407とを備える。
【0019】
ジョブ管理部401は、例えば、コピー、ファックス送信、Email送信等の操作パネル202を介して入力されたジョブや、例えば、ホストPCが備えるアプリケーションプログラムで作成され、複合機101に入力されたドキュメントのプリント等のホストPCから入力されたジョブを管理する。なお、これらの入力されたジョブは、複合機101が備える図示せぬCPU(Central Processing Unit)が所定のアプリケーションプログラム、例えば、ScanToPrint(コピー)、ScanToファックス(ファックス送信)、ScanToEmail(Email送信)、PCPrint(プリント)を実行することにより処理される。ジョブ管理部401は、これらの入力されたジョブを処理するのに適したアプリケーションプログラムを割当てると共に、複数のジョブが入力された場合、どの順序でジョブを処理するかといったジョブの処理にかかるスケジューリングを行う。
【0020】
印刷ジョブ管理部402は、上記の入力されたジョブの中で、印刷にかかるジョブ、例えば、コピー、プリント等の印刷ジョブを管理する。具体的には、印刷ジョブ管理部402は、予めスキャナ102により読み取られた画像を印刷ジョブの処理終了後に用紙に印刷する予約印刷ジョブの存在状況、印刷ジョブの実行状況、印刷ジョブのエラー状況、印刷ジョブのキャンセル状況等の印刷ジョブにかかる処理状況等を管理する。印刷ジョブ監視部402は、第2割込み制御部に当該監視情報を通知する。
【0021】
第2割込み制御部403は、印刷ジョブの処理状況から割込みコピーが実行可能か否かを判断する。具体的には、第2割込み制御部403は、割込みコピーがスキャナ102において実行可能である旨の通知を受けると、プリンタ103が現在処理しているジョブの有無に応じて割込みコピーが実行可能か否かを判断する。例えば、第2割込み制御部403は、プリンタ103に処理中のジョブが存在する場合、一次記憶部としての揮発性メモリ406の空き記憶容量から割込みコピーが実行可能か否かを判断する。具体的には、第2割込み制御部403は、ジョブの処理にかかるメモリ使用量の合計を例えば、図8に示されるような、不揮発性メモリ305に格納されているアプリケーションメモリ使用量管理テーブル801から計算し、この動作中のジョブの処理にかかるメモリ使用量の合計をメモリ管理部404から取得した揮発性メモリ406の総メモリ容量から減ずることにより、空きメモリ容量を算出する。そして、割込みコピーに必要とされるメモリ使用量と空きメモリ容量とを比較することで割込みコピーが実行可能か否かを判断する。なお、図8に示されるアプリケーションメモリ使用量管理テーブル801には、それぞれのアプリケーションが開始されて、そのアプリケーションが終了するまでのメモリ使用量の変動を観察することで算出した平均のメモリ使用量が格納されている。さらに、第2割込み制御部403は、印刷ジョブ管理部402からの通知に基づいて印刷ジョブの処理状況から割込みコピーが実行可能か否かを判断する。
【0022】
メモリ管理部404は、不揮発性メモリ405及び揮発性メモリ406を管理する。
【0023】
不揮発性メモリ405は、上記したジョブの処理にかかるアプリケーションプログラム、各制御プログラム、又は、アプリケーションメモリ使用量管理テーブル801等を格納する。この不揮発性メモリ305には、例えば、ROM(Read Only Memory)や、フラッシュメモリ等の書き換え可能な記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気媒体等を使用することができる。
【0024】
揮発性メモリ406は、図示せぬCPUが、ジョブの処理にかかるアプリケーションプログラムや、各制御プログラムを実行するワーキングエリアとして使用される。この揮発性メモリ306には、例えばRAM(Random Access Memory)等を使用することができる。
【0025】
インタフェース部407は、スキャナ102とプリンタ103との間で、双方向のコマンド信号を送受信するインタフェースである。
【0026】
これまでに説明したスキャナ制御部201,操作パネル制御部203,第1割込み制御部204,ジョブ管理部401,印刷ジョブ管理部402,第2割込み制御部403,メモリ管理部404は、プログラムとして複合機101に実装されている。これらのプログラムは、複合機101の揮発性メモリ406に格納されてもよいし、不揮発性メモリ405に格納されてもよいし、フラッシュメモリ等の不揮発性の書き換え可能記憶装置として実装されていてもよく、また、ハードディスク等の磁気媒体として実装されていてもよい。複合機101が備えるCPUがこれらのプログラムを実行することにより、その機能が実現される。
【0027】
また、プリンタ103は、図示せぬ主制御部の指示に基づき画像を形成する図示せぬ、例えば電子写真方式の印刷エンジンを備える。第2割込み制御部403から割込みコピーの実行指令が入力された図示せぬ主制御部が図示せぬ印刷エンジンを制御することで、スキャナ102で読み取られた画像に対応する印刷画像を用紙に印刷することができる。
【0028】
このような構成を備えることによって、複合機101は、実際に割込みコピーに使用されるメモリの空き容量を画像読取部による画像読取動作の前に確認することで、割り込みコピーモードに移行した後においても、確実に割込みコピーを実行することができる。
【0029】
次に、操作パネル202が備える液晶タッチパネル301に表示される表示画面について図5、図6、図7を用いて説明する。
【0030】
図5は、ジョブとしてコピーを実行させる場合に、液晶タッチパネル301に表示される表示画面を説明する図である。画面501は、コピー待機画面の一例であり(以下、コピー待機画面501と称する)、モードキー302中のコピーキー302aをユーザが押下することで表示される。また、テンキー304を使用して所望の数値を入力することによりコピー部数を設定することができる。さらに、コピー待機画面501中の左側に表示されている各メニューを押下すると各設定メニューが表示され、例えば、コピー画質等を設定することができる。なお、テンキー304を使用して設定した設定値や各設定メニューで設定した内容は、リセットキー303を押下することで初期値に戻すことができる。
【0031】
画面502は、画面501が表示されている状態で、ユーザがモノクロスタートキー305若しくはカラースタートキー306の何れかを押下した場合に表示されるコピー実行画面の一例である。なお、コピーが終了すると、再び画面501が表示される。
【0032】
画面503は、画面501が表示されている状態で、ユーザが「画質」の設定メニューを押下した場合に表示される「画質」設定画面の一例である(以下、画質設定画面503と称する)。画質設定画面503において、例えば、所望の画質を選択し、「確定」を押下すると、選択した画質の入力が受付けられ、再びコピー待機画面501が表示される。コピー待機画面501の左側には、「画質」の設定メニューの他にも、「濃度」、「用紙」、「拡大/縮小」、「ソート」等の各設定メニューが存在し、これらの設定も「画質」の場合の設定と同様に、設定値を入力したり取り消したりすることができる。
【0033】
図6は、割込みコピーを実行させる場合に、液晶タッチパネル301に表示される表示画面を説明する図である。画面601は、割込み実行画面の一例であり(以下、割込み実行画面601と称する)、割込みキー308をユーザが押下することで表示される。後述する割込みコピーの判断処理に成功すると、画面602aが表示される。
【0034】
画面602aは、後述する「通常」コピー時の割込みコピー待機画面の一例であり(以下、コピー待機画面602aと称する)、このコピー待機画面602aが表示された状態で、モノクロスタートキー305若しくはカラースタートキー306の何れかを押下することで割込みコピーを実行することができる。
【0035】
画面603は、コピー待機画面602aが表示された状態で、モノクロスタートキー305若しくはカラースタートキー306の何れかを押下した場合に表示される割込みコピー実行画面の一例である(以下、割込み実行画面603と称する)。なお、割込みコピーが終了すると、再びコピー待機画面602aが表示される。
【0036】
なお、コピー待機画面602aが表示されている状態で、再度、割込みキー308を押下すると、画面604が表示される。画面604は、割込みコピー解除画面の一例であり(以下、割込み解除画面604と称する)、割り込みコピーが解除されると、再びコピー待機画面501が表示される。
【0037】
画面602bは、後述する「低機能」コピー時の割込みコピー待機画面の一例であり(以下、コピー待機画面602bと称する)、このコピー待機画面602bが表示された状態で、モノクロスタートキー305若しくはカラースタートキー306の何れかを押下することで低機能での割込みコピーを実行することができる。
【0038】
低機能での割込みコピーが実行されると、「通常」コピー時の割込みコピーと同様に割込み実行画面603が表示される。なお、割込みコピーが終了すると、再びコピー待機画面602bが表示される。
【0039】
なお、コピー待機画面602bが表示されている状態で、再度、割込みキー308を押下すると、割込み解除画面604が表示され、割込みコピーが解除されると、再びコピー待機画面501が表示される。
【0040】
図7は、後述する割込みコピーの実行の判断処理結果に基づいて液晶タッチパネル301に表示される表示画面を説明する図である。画面701は、メモリ不足通知画面の一例であり(以下、メモリ不足通知画面701と称する)、割込みキー308を押下した時点で、割込みコピーを実行するために必要とされる空きメモリ容量が不足している旨を通知すると共に、ユーザが複合機101に実行させるコピーの種別の選択を受付ける選択画面である。ここで、コピーの種別としては、「通常」コピーと「低機能」コピーとがある。「通常」は、通常のコピーを実行することが可能であるが、「通常」コピーを実行するために必要とされる空きメモリ容量が確保されるまでコピーを実行することができない。これに対して「低機能」は、直ちにコピーを実行することができるが、コピーを実行する際の付加機能に制限が設けられる。
【0041】
メモリ不足通知画面701が表示されている状態で、「通常」を選択し、「確定」を押下すると、画面702が表示される。画面702は、メモリ確保画面の一例であり(以下、メモリ確保中画面702と称する)、「通常」コピーを実行するために必要とされる空きメモリが確保されるまで表示される。空きメモリが確保されると、コピー待機画面602aが表示される。なお、メモリ確保中画面702が表示されている状態で、「取り消し」を押下すると、コピー待機画面の一例であるコピー待機画面501が表示される。
【0042】
一方、メモリ不足通知画面701が表示されている状態で、「低機能」を選択し、「確定」を押下すると、「低機能」コピー時のコピー待機画面602bが表示される。前述したように、「低機能」の場合は、コピーを実行する際の付加機能に制限が設けられるため、コピー待機画面602bの左側に表示される各設定メニューで設定できる項目に限りがある。ここで、例えば、「画質」を選択すると、画質設定画面703が表示される。前述した「通常」コピーの場合に表示される画質設定画面503に比べ、選択できる項目が少ない。その他、コピー待機画面602bの左側には、「画質」の設定メニューの他にも、「濃度」、「用紙」、「拡大/縮小」、「ソート」等の各設定メニューが存在するが、これらの設定も「画質」の場合の設定と同様に、選択できる項目が少なくなっている。
【0043】
画面704は、割込みキー308を押下した時点で、空きメモリ不足以外の割込みコピー条件を満たしていない場合に表示される割込み失敗画面の一例である(以下、割込み失敗画面704と称する)。
【0044】
次に、上記構成を備えた複合機101による割込みコピーの判断処理について図9、図10、図11、図12、図13、及び図14のフローチャートを用いて説明する。まず、図9のフローチャートを用いてスキャナ102における割込みコピーの判断処理について説明する。
【0045】
まず、ステップS901において、ユーザが割込みキー308を押下すると、操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込み実行画面601を表示するよう指示を与える(ステップS902)。また、これと同時に第1割込み制御部204は、操作パネル制御部203に対して液晶タッチパネル301にコピー待機画面501が表示されていたか否かを確認する(ステップS903)。ここで、液晶タッチパネル301にコピー待機画面501が表示されていなかった場合(ステップS903 No)、第1割込み制御部204は、割込みコピーの実行は不可能と判断して、操作パネル制御部203に対して割込み失敗画面704を表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込み失敗画面704を表示させる(ステップS906)。
【0046】
一方、液晶タッチパネル301にコピー待機画面501が表示されていた場合、(ステップS903 Yes)、第1割込み制御部204は、スキャナ制御部201に対して現在、画像の読み取りを行っているか否かを問合せる(ステップS904)。ここで、図示せぬスキャナユニットが画像を読み取っていた場合(ステップS904 Yes)、第1割込み制御部204は、割込みコピーの実行は不可能と判断して、操作パネル制御部203に対して割込み失敗画面704を表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込み失敗画面704を表示させる(ステップS906)。一方、図示せぬスキャナユニットが画像を読み取っていなかった場合(ステップS904 No)、第1割込み制御部204は、割込みコピーはスキャナ102において実行可能であると判断し、インタフェース部205を介してプリンタ103の第2割込み制御部403にその旨を通知する。通知を受けた第2割込み制御部403は、割込みコピーの判断処理を開始する(ステップS905)。
【0047】
次に、第1割込み制御部204から割込みコピーはスキャナ102において実行可能である旨の通知を受けた第2割込み制御部403が実行する処理について図10のフローチャートを用いて説明する。第1割込み制御部204からインタフェース部407を介して通知を受けると、第2割込み制御部403は、ジョブ管理部401に対してジョブのスケジューリングを一時停止するよう指示を与えると共に(ステップS1001)、現在処理中のジョブが存在するか否かを問合せる(ステップS1002)。ここで、処理中のジョブが存在しない場合(ステップS1002 No)、第2割込み制御部403の処理は、ステップS1005の印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理に移行する。
【0048】
処理中のジョブが存在する場合(ステップS1002 Yes)、第2割込み制御部403は、ジョブの処理にかかるメモリ使用量の合計を図8に示されるアプリケーションメモリ使用量管理テーブル801から計算し、この動作中のジョブの処理にかかるメモリ使用量の合計をメモリ管理部404から取得した揮発性メモリ406の総メモリ容量から減ずることにより、空きメモリ容量を算出する(ステップS1003)。そして、空きメモリ容量が、割込みコピーで使用されるメモリ容量以上である場合(ステップS1004 Yes)、第2割込み制御部403の処理は、ステップS1005の印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理に移行する。一方、空きメモリ容量が割込みコピーで使用されるメモリ容量よりも小さい場合(ステップS1004 No)、第2割込み制御部403の処理は、図12で説明するメモリ不足時の割込みコピー制御処理に移行する(ステップS1006)。
【0049】
次に、印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理について図11のフローチャートを用いて説明する。図10のステップS1002において、処理中のジョブが存在しない場合、若しくはステップS1004において、空きメモリ容量が、割込みコピーで使用されるメモリ容量以上である場合、第2割込み制御部403は、印刷ジョブ管理部402に対して予約印刷ジョブが存在するか否かを問合せる(ステップS1101)。ここで、予約印刷ジョブとは、予めスキャナ102により読み取られた画像を印刷ジョブの処理終了後に印刷するジョブのことである。ここで、予約印刷ジョブが存在する場合(ステップS1101 Yes)、第2割込み制御部403は、割込みコピーの実行は不可能であると判断して、操作パネル制御部203に対して割込み失敗画面704を表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込み失敗画面704を表示させる(ステップS1107)。
【0050】
一方、予約印刷ジョブが存在しない場合(ステップS1101 No)、第2割込み制御部403は、印刷ジョブ管理部402に対して印刷ジョブを実行しているか否かを問合せる(ステップS1102)、ここで、印刷ジョブが実行されていない場合(ステップS1102 No)、第2割込み制御部403は、割込みコピーの実行は不可能であると判断して、操作パネル制御部203に対して割込み失敗画面704を表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込み失敗画面704を表示させる(ステップS1107)。
【0051】
一方、印刷ジョブが実行されている場合(ステップS1102 Yes)、第2割込み制御部403は、印刷ジョブ監視部402に対して印刷ジョブに関するエラーが発生しているか否かを問合せる(ステップS1103)。ここで、印刷ジョブに関するエラーが発生している場合(ステップS1103 Yes)、第2割込み制御部403は、割込みコピーの実行は不可能であると判断して、操作パネル203制御部203に対して割込み失敗画面704を表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込み失敗画面704を表示させる(ステップS1107)。
【0052】
一方、印刷ジョブに関するエラーが発生していない場合(ステップS1103 No)、第2割込み制御部403は、印刷ジョブ監視部402に対して印刷ジョブがキャンセルされているか否かを問合せる(ステップS1104)。ここで、印刷ジョブがキャンセルされている場合(ステップS1104 Yes)、第2割込み制御部403は、割込みコピーの実行は不可能であると判断して、操作パネル制御部203に対して割込み失敗画面704を表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込み失敗画面704を表示させる(ステップS1107)。
【0053】
一方、印刷ジョブがキャンセルされていない場合(ステップS1104 No)、第2割込み制御部403は、割込みコピーは実行可能であると判断して、印刷ジョブ管理部402に対して動作中の印刷ジョブの処理を一時停止するよう指示を与えると共に(ステップS1105)、割込みコピー処理を実行する(ステップS1106)。
【0054】
ここで、図10のステップS1004において、空きメモリ容量が割込みコピーで使用されるメモリ使用量よりも小さい場合における処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。図10のステップS1004において、空きメモリ容量が割込みコピーで使用されるメモリ使用量よりも小さい場合、第2割込み制御部403は、操作パネル制御部203に対してメモリ不足通知画面701を表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301にメモリ不足通知画面701を表示させる(ステップS1201)。
【0055】
メモリ不足通知画面701は、前述したように、「通常」コピー或いは「低機能」コピーの何れかのコピーを実行するかの選択を受付ける。ステップS1202において、例えば、ユーザにより「低機能」コピーが選択された場合(ステップS1202 低機能コピー)、操作パネル制御部203は、「低機能」コピーがユーザにより選択された旨を第2割込み制御部403に通知する。通知を受けた第2割込み制御部403の処理は、図11で説明した印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理に移行する(ステップS1205)。
【0056】
一方、ステップS1202において、ユーザにより「通常」コピーが選択された場合(ステップS1202 通常コピー)、操作パネル制御部203は、「通常」コピーがユーザにより選択された旨を第2割込み制御部403に通知すると共に、液晶タッチパネル301にメモリ確保中画面702を表示させる(ステップS1203)。
【0057】
「通常」コピーがユーザにより選択された旨の通知を受けた第2割込み制御部403は、メモリ管理部404に対して「通常」コピーが実行可能な空きメモリ容量となるまで揮発性メモリ406を監視するよう指示を与える。揮発性メモリ406の空きメモリ容量が「通常」コピーを実行することが可能な容量に確保された場合(ステップS1204 Yes)、第2割込み制御部403の処理は、図11で説明した印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理に移行する(ステップS1205)。一方、揮発性メモリの空きメモリ容量が「通常」コピーを実行することが可能な容量まで確保されない場合は、さらにメモリ管理部404は揮発性メモリ406の監視を続ける(ステップS1204 No)。
【0058】
次に、割込みコピーの実行処理について図13のフローチャートを用いて説明する。まず、第2割込み制御部403は、割込みコピーが実行可能であると判断すると、ジョブ管理部401に対してジョブのスケジューリングを再開するよう指示を与えると共に(ステップS1301)、操作パネル制御部203に対してコピー待機画面602a又はコピー待機画面602bを表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込みコピー待機画面602a又はコピー待機画面602bを表示させる(ステップS1302)。
【0059】
ここで、例えば、割込みコピー待機画面602中の「画質」がユーザにより選択された場合(ステップS1303)、操作パネル制御部203は、コピー種別を確認する(ステップS1304)。コピー種別が「通常」コピーの場合(ステップS1304 通常コピー)、操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に画質設定画面503を表示させる(ステップS1305)。一方、コピー種別が「低機能」コピーの場合(ステップ1304 低機能コピー)、操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に画質設定画面703を表示させる(ステップS1306)。
【0060】
ステップS1307において、ユーザが所望の「画質」を選択し、モノクロスタートキー305若しくはカラースタートキー306の何れかを押下すると、割込みコピーが実行されると共に、操作パネル制御部203は液晶タッチパネル301に割込みコピー実行画面603を表示させる(ステップS1308)。
【0061】
続けて割込みコピーが実行される場合には(ステップS1309 No)、再度液晶タッチパネル301に割込みコピー待機画面602が表示され、同様な処理が繰り返される。一方、正常に割込みコピーが終了し、直ちに割込みコピーを終了させる場合には(ステップS1309 Yes)、ユーザはコピーキー302aを押下する。すると、操作パネル制御部203は割込みコピーの終了を第2割込み制御部403に通知すると共に、液晶パネル301にコピー待機画面501を表示させる。通知を受けた第2割込み制御部403は、印刷ジョブ管理部402に対して一時停止させていた印刷ジョブを再開させるよう指示を与えることで割込みコピーにかかる処理を終了させることができる(ステップS1310)。
【0062】
次に、割込みコピーの解除にかかる処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。図13中のステップS1302において、割込みコピー待機画面602が液晶タッチパネル301に表示されている状態で、操作パネル制御部203は、ユーザにより操作パネルが操作されない時間が規定時間を経過したか否かを監視している(ステップS1401)。また、操作パネル制御部203は、ユーザが割込みキー308を押下したか否かも併せて監視している(ステップS1402)。ここで、ステップS1401における待機状態が規定時間を経過した場合(ステップS1401 Yes)、若しくは待機時間が規定時間を経過していなくとも(ステップS1401 No)、ユーザが割込みキー308を押下した場合(ステップS1402 Yes)、操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301に割込み解除画面604を表示させると共に(ステップS1403)、割込みコピーを解除するよう第2割込み制御部403に通知する。通知を受けた第2割込み制御部403は、印刷ジョブ管理部402に対して、一時停止させていた印刷ジョブを再開させるよう指示を与える(ステップS1404)。また、第2割込み制御部403は、印刷ジョブの処理を再開した旨を操作パネル制御部203に通知すると共に、コピー待機画面501を表示するよう指示を与える。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301にコピー待機画面501を表示させ(ステップS1405)、割込みコピーの解除にかかる処理は終了する。
【0063】
以上のように、第1の実施形態によれば、ユーザが割込みキー308を押下したときに、実際に割込みコピーに使用される空きメモリ容量をスキャナ102による画像の読み取り動作前に確認することで、複合機101が割込みモード移行した後は確実に割込みコピーを実行することができる。
【0064】
[第2の実施形態]
第2の実施形態にかかる複合機101’が有するスキャナ102’は、第1の実施形態で説明したすスキャナ102の構成に加えて、複合機101’の装置起動時からの経過時間やある動作にかかる処理時間を管理する時間管理部206を備える。したがって、第2の実施形態にかかる複合機101’によれば、揮発性メモリ406の空きメモリ容量が「通常」コピーを実行することが可能な容量に確保されるまでに要する時間を算出することができる。以下、このような機能を実現する第2の実施形態にかかる複合機101’について説明する。
【0065】
図15は、第2の実施形態にかかるスキャナ102’の要部構成を示す機能ブロック図である。スキャナ102’は、第1の実施形態にかかるスキャナ102の構成に加えて時間管理部206を備える。その他の構成については、スキャナ102と同一である。また、ここでは図示されていないが、第2の実施形態にかかるプリンタは、第1の実施形態にかかるプリンタ103と同一の構成を有しており、第2割込み制御部による割込みコピーにかかる処理も第1の実施形態と同様に実行することができる。したがって、以下の説明では、同一な箇所には同一の符号を付して説明を省略し、また、同一な処理動作に関してもここでの説明は省略する。
【0066】
時間管理部206は、図示せぬタイマ等の計時手段を備え、複合機101’の装置起動時からの経過時間やある動作にかかる処理時間を管理する。時間管理部206は、ジョブの処理にかかる時間を、例えば、不揮発性メモリ405に格納されているアプリケーション実行時間管理テーブル1701として管理する(図16)。なお、図16に示されるアプリケーション実行時間管理テーブル1701には、それぞれのアプリケーションが開始されて、そのアプリケーションが終了するまでに要する時間の平均時間が格納されている。
【0067】
次に、操作パネル202が備える液晶タッチパネル301に表示される表示画面について図17を用いて説明する。図7のメモリ不足通知画面701が表示されている状態で、「通常」を選択し、「確定」を押下すると、画面1701が表示される。画面1701は、メモリ確保画面の一例であり(以下、メモリ確保中画面1701と称する)、「通常」コピーを実行するために必要とされる空きメモリが確保されるまでの時間が表示される。空きメモリが確保されると、コピー待機画面602aが表示される。なお、メモリ確保中画面1701が表示されている状態で、「取り消し」を押下すると、コピー待機画面501が表示される。
【0068】
次に、上記構成を備えた複合機101’の割込みコピーの判断処理について図18及び図19を用いて説明する。図18は、第1割込み制御部204から割込みコピーはスキャナ102において実行可能である旨の通知を受けた第2割込み制御部403が実行する処理を説明するフローチャートである。第1割込み制御部204からインタフェース部407を介して通知を受けると、第2割込み制御部403は、ジョブ管理部401に対してジョブのスケジューリングを一時停止するよう指示を与えると共に(ステップS1801)、現在処理中のジョブが存在するか否かを問合せる(ステップS1802)。ここで、処理中のジョブが存在しない場合(ステップS1802 No)、第2割込み制御部403の処理は、ステップS1806の印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理に移行する。
【0069】
処理中のジョブが存在する場合(ステップS1802 Yes)、第2割込み制御部403は、ジョブの処理かかる時間の合計を図16に示されるアプリケーション実行時間管理テーブル1701から計算する(ステップS1803)。さらに、第2割込み制御部403は、ジョブの処理にかかるメモリ使用量の合計を図8に示されるアプリケーションメモリ使用量管理テーブル801から計算し、この動作中のジョブの処理にかかるメモリ使用量の合計をメモリ管理部404から取得した揮発性メモリ406の総メモリ容量から減ずることにより、空きメモリ容量を算出する(ステップS1804)。そして、空きメモリ容量が、割込みコピーで使用されるメモリ容量以上である場合(ステップS1805 Yes)、第2割込み制御部403の処理は、ステップS1806の印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理に移行する。一方、空きメモリ容量が割込みコピーで使用されるメモリ容量よりも小さい場合(ステップS1805 No)、第2割込み制御部403の処理は、図12で説明したメモリ不足時の割込みコピー制御処理に移行する(ステップS1807)。
【0070】
図19は、図18のステップS1805において、空きメモリが割込みコピーで使用されるメモリ使用量よりも小さい場合における処理を説明するフローチャートである。図18のステップS1805において、空きメモリ容量が割込みコピーで使用されるメモリ使用量よりも小さい場合、第2割込み制御部403は、操作パネル制御部203に対してメモリ不足通知画面701を表示するよう指示を与える。また、この時、ステップS1803で計算したジョブの処理にかかる時間情報も合せて通知される。指示を受けた操作パネル制御部203は、液晶タッチパネル301にメモリ不足通知画面701を表示させる(ステップS1901)。
【0071】
メモリ不足通知画面701は、前述したように、「通常」コピー或いは「低機能」コピーの何れかのコピーを実行するかの選択を受付ける。ステップS1902において、例えば、ユーザにより「低機能」コピーが選択された場合(ステップS1902 低機能コピー)、操作パネル制御部203は、「低機能」コピーがユーザにより選択された旨を第2割込み制御部403に通知する。通知を受けた第2割込み制御部403の処理は、図11で説明した印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理に移行する(ステップS1905)。
【0072】
一方、ステップS1902において、ユーザにより「通常」コピーが選択された場合(ステップS1902 通常コピー)、操作パネル制御部203は、「通常」コピーがユーザにより選択された旨を第2割込み制御部403に通知すると共に、液晶タッチパネル301にメモリ確保中画面1701を表示させる(ステップS1903)。
【0073】
「通常」コピーがユーザにより選択された旨の通知を受けた第2割込み制御部403は、メモリ管理部404に対して「通常」コピーが実行可能な空きメモリ容量となるまで揮発性メモリ406を監視するよう指示を与える。揮発性メモリ406の空きメモリ容量が「通常」コピーを実行することが可能な容量に確保された場合(ステップS1904 Yes)、第2割込み制御部403の処理は、図11で説明した印刷ジョブの処理状況に基づく割込みコピーの判断処理に移行する(ステップS1905)。一方、揮発性メモリの空きメモリ容量が「通常」コピーを実行することが可能な容量まで確保されない場合は、さらにメモリ管理部404は揮発性メモリ406の監視を続ける(ステップS1904 No)。
【0074】
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、揮発性メモリの空きメモリ容量が「通常」コピーを実行することが可能な容量に確保されるまでの時間が表示されるため、ユーザが本当に割込みコピーを実行するか否かを判断することができ、ユーザにとってより利便性を向上させることができる。
【0075】
本発明の実施形態においては、割込みコピーの処理に使用されるメモリ容量は固定値としていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザが割込みコピーを選択した後に、割込みコピーのための読み取り画素数や原稿の読み取り枚数等の割込みコピーを行う際の読み取り原稿情報を入力し、その情報から割込みコピーで使用されるメモリ容量を算出し、算出された容量と空きメモリ容量とを比較して、割込みコピーの実行可否を判断する形態としても構わない。
【0076】
本発明の説明において、画像処理装置として複合機を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、プリンタ、ファクシミリ等の画像処理装置にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】複合機の概略構成を説明するブロック図である。
【図2】スキャナの要部構成を示す機能ブロック図である。
【図3】操作パネルの具体的態様を表した概観図である。
【図4】プリンタの要部構成を説明する機能ブロック図である。
【図5】液晶タッチパネルが表示する表示画面を説明する図である。
【図6】液晶タッチパネルが表示する表示画面を説明する図である。
【図7】液晶タッチパネルが表示する表示画面を説明する図である。
【図8】アプリケーションメモリ使用量管理テーブルを説明する図である。
【図9】複合機による割込みコピーの判断処理を説明するフローチャートである。
【図10】複合機による割込みコピーの判断処理を説明するフローチャートである。
【図11】複合機による割込みコピーの判断処理を説明するフローチャートである。
【図12】複合機による割込みコピーの判断処理を説明するフローチャートである。
【図13】複合機による割込みコピーの判断処理を説明するフローチャートである。
【図14】複合機による割込みコピーの判断処理を説明するフローチャートである。
【図15】スキャナの要部構成を示す機能ブロック図である。
【図16】アプリケーション実行時間管理テーブルを説明する図である。
【図17】液晶タッチパネルが表示する表示画面を説明する図である。
【図18】複合機による割込みコピーの判断処理を説明するフローチャートである。
【図19】複合機による割込みコピーの判断処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
101 複合機
101’ 複合機
102 スキャナ
102’ スキャナ
103 プリンタ
201 スキャナ制御部
202 操作パネル
203 操作パネル制御部
204 第1割込み制御部
205 インタフェース部
206 時間管理部
301 液晶タッチパネル
302 モードキー
303 リセットキー
304 テンキー
305 モノクロスタートキー
306 カラースタートキー
307 ストップキー
308 割込みキー
401 ジョブ管理部
402 印刷ジョブ管理部
403 第2割込み制御部
404 メモリ管理部
405 不揮発性メモリ
406 揮発性メモリ
407 インタフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿上の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部により読み取られた画像に対応する印刷画像を記録媒体に形成する画像形成部とを備えた画像処理装置であって、
ジョブの入力を受付けるジョブ受付部と、
前記ジョブ受付部が受付けた前記ジョブの中で前記画像形成部に処理させる前記ジョブを印刷ジョブとして管理する印刷ジョブ管理部と、
前記ジョブの処理にかかるジョブデータを一時的に記憶する一次記憶部と、
割込みコピーの実行指令の入力を受付ける割込みコピー受付部と、
前記割込みコピーの実行指令に基づき、前記画像読取部の稼動状況から前記割込みコピーの実行可否を判断することで前記割込みコピーの実行を制御する第1割込み制御部と、
前記第1割込み制御部が前記割込みコピーは実行可能と判断した場合に、前記印刷ジョブ管理部の印刷ジョブ管理情報から前記割込みコピーの実行可否を判断することで前記割込みコピーの実行を制御する第2割込み制御部とを備え、
前記第2割込み制御部は前記割込みコピーの実行可否判断時に、前記ジョブが処理されている場合には、さらに、前記一次記憶部の空き記憶容量から前記割込みコピーの実行可否を判断することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記ジョブ受付部は、前記割込みコピーの実行にかかる処理に必要とされる前記一次記憶部の空き記憶容量が不足した場合に、前記空き記憶容量が前記割込みコピーの実行にかかる処理に必要とされる記憶容量に達した時点で前記割込みコピーを実行するか、或いは、直ちに低画質で前記割込みコピーを実行するかの選択を受付けることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記印刷ジョブ管理情報は、予め画像読取部により読み取られた画像を前記印刷ジョブの処理終了後に前記記録媒体に形成する予約印刷ジョブの存在情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記印刷ジョブ管理情報は、前記印刷ジョブの実行情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記印刷ジョブ管理情報は、前記印刷ジョブのエラー情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記印刷ジョブ管理情報は、前記印刷ジョブのキャンセル情報であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2割込み制御部は、前記ジョブの処理に必要とされる記憶領域の合計記憶容量に基づき、前記割込みコピーの実行にかかる処理に必要とされる記憶領域の空き記憶容量を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第2割込み制御部は、前記ジョブの処理に必要とされる時間の合計時間を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−278483(P2009−278483A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129135(P2008−129135)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】