説明

画像形成条件設定装置および画像形成条件設定プログラム

【課題】色材の量を削減するための画像処理が施された画像の形成結果を、ユーザの許容範囲内に確実に収めることを可能にする画像形成条件設定装置および画像形成条件設定プログラムを提供する。
【解決手段】本発明の画像形成条件設定装置は、画像形成装置において画像を形成するために使用される色材の量を削減する旨の指示を受け付ける指示受付部と、指示受付部により色材の量を削減する旨の指示が受け付けられた場合、色材の量を削減可能な異なる方式の複数の画像処理が、特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を表示装置に表示させる表示制御部と、表示装置に表示される複数のプレビュー画像の中からの、ユーザによる1つのプレビュー画像の選択を受け付ける選択受付部と、ユーザにより選択されたプレビュー画像に対応する画像処理が施された画像の形成を画像形成装置に指示する指示部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成条件設定装置および画像形成条件設定プログラムに関する。本発明は、特に、画像形成装置において画像形成時に使用される色材の量を削減するために用いられる画像形成条件設定装置および画像形成条件設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置において画像形成時に使用されるトナーの量を削減することは、コスト削減の観点のみならず、環境保護の観点からも重要である。
【0003】
これに関連する技術として、ユーザのコスト意識を向上させる見地から、下記の特許文献1に示されるような消耗材消費量通知システムが知られている。特許文献1に開示されている消耗材消費量通知システムは、トナーの消費量を削減可能な複数の印刷モードについて、各印刷モードによる画像の印刷に必要なトナーの量とその概略コストを算出し、ユーザにより選択された特定の印刷モードよりも低いコストの印刷モードとそのコストを推奨印刷モードとしてユーザに通知するものである。このような構成によれば、ユーザは、各印刷モードに必要なトナーの量に基づくコストを考慮して、よりコストの低い印刷モードによる画像の印刷を選択することが可能となる。
【0004】
しかしながら、上記システムでは、ユーザにより選択された印刷モードに基づき印刷された画像の視認性が、ユーザの予測していたものと大きく異なる場合がある。たとえば、画像の濃度を低減させることによりトナーの消費量を削減する印刷モードでは、印刷された画像がユーザの予測していたものよりもはるかに薄く、ユーザが画像を適切に認識することができない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−177736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、画像形成装置において画像を形成するために使用される色材の量を削減可能な複数の画像処理の中からユーザが1つの画像処理を選択する画像形成条件設定処理において、ユーザにより選択された画像処理が施された画像の形成結果を、ユーザの許容範囲内に確実に収めることを可能にする画像形成条件設定装置および画像形成条件設定プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)画像形成装置において画像を形成するために使用される色材の量を削減する旨の指示を受け付ける指示受付部と、前記指示受付部により前記色材の量を削減する旨の指示が受け付けられた場合、色材の量を削減可能な異なる方式の複数の画像処理が、特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を表示装置に表示させる表示制御部と、前記表示装置に表示される前記複数のプレビュー画像の中からの、ユーザによる1つのプレビュー画像の選択を受け付ける選択受付部と、前記ユーザにより選択された前記プレビュー画像に対応する画像処理が施された画像の形成を前記画像形成装置に指示する指示部と、を有することを特徴とする画像形成条件設定装置。
【0009】
(2)前記画像処理が施されていない画像を形成するために使用される色材の量に対する、前記画像処理が施された画像を形成するために使用される色材の量の比率である色材使用率の設定を受け付ける使用率受付部をさらに有し、前記表示制御部は、前記色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする上記(1)に記載の画像形成条件設定装置。
【0010】
(3)前記色材使用率は、前記複数の画像処理に対して共通に設定されることを特徴とする上記(2)に記載の画像形成条件設定装置。
【0011】
(4)前記色材使用率は、前記複数のプレビュー画像とともに、前記表示装置に変更可能に表示され、前記表示装置に表示される色材使用率がユーザにより変更された場合、前記表示制御部は、前記変更後の色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする上記(3)に記載の画像形成条件設定装置。
【0012】
(5)前記複数の画像処理の各パラメータは、前記複数のプレビュー画像とともに、前記表示装置に変更可能にそれぞれ表示され、前記表示装置に表示される複数のパラメータのうちの1つのパラメータがユーザにより変更された場合、前記表示制御部は、前記変更後のパラメータに対応する前記色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする上記(3)または(4)に記載の画像形成条件設定装置。
【0013】
(6)前記特定の画像が複数ページからなる文書の特定ページの画像である場合、前記表示装置に表示される前記プレビュー画像のページについてのユーザによる選択を受け付けるページ受付部をさらに有し、前記表示制御部は、前記ページ受付部により受け付けられた前記ページに対応する前記複数のプレビュー画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の画像形成条件設定装置。
【0014】
(7)画像形成装置において画像を形成するために使用される色材の量を削減する旨の指示を受け付ける手順(a)と、前記手順(a)において前記色材の量を削減する旨の指示が受け付けられた場合、色材の量を削減可能な異なる方式の複数の画像処理が、特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を表示装置に表示させる手順(b)と、前記表示装置に表示される前記複数のプレビュー画像の中からの、ユーザによる1つのプレビュー画像の選択を受け付ける手順(c)と、前記ユーザにより選択された前記プレビュー画像に対応する画像処理が施された画像の形成を前記画像形成装置に指示する手順(d)と、をコンピュータに実行させることを特徴とする画像形成条件設定プログラム。
【0015】
(8)前記画像処理が施されていない画像を形成するために使用される色材の量に対する、前記画像処理が施された画像を形成するために使用される色材の量の比率である色材使用率の設定を受け付ける手順(e)をさらに前記コンピュータに実行させ、前記手順(b)において、前記色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像が前記表示装置に表示されることを特徴とする上記(7)に記載の画像形成条件設定プログラム。
【0016】
(9)前記色材使用率は、前記複数の画像処理に対して共通に設定されることを特徴とする上記(8)に記載の画像形成条件設定プログラム。
【0017】
(10)前記色材使用率は、前記複数のプレビュー画像とともに、前記表示装置に変更可能に表示され、前記表示装置に表示される色材使用率がユーザにより変更された場合、前記手順(b)において、前記変更後の色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像が前記表示装置に表示されることを特徴とする上記(9)に記載の画像形成条件設定プログラム。
【0018】
(11)前記複数の画像処理の各パラメータは、前記複数のプレビュー画像とともに、前記表示装置に変更可能にそれぞれ表示され、前記表示装置に表示される複数のパラメータのうちの1つのパラメータがユーザにより変更された場合、前記手順(b)において、前記変更後のパラメータに対応する前記色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像が前記表示装置に表示されることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の画像形成条件設定プログラム。
【0019】
(12)前記特定の画像が複数ページからなる文書の特定ページの画像である場合、前記表示装置に表示される前記プレビュー画像のページについてのユーザによる選択を受け付ける手順(f)をさらに前記コンピュータに実行させ、前記手順(b)において、前記手順(f)において受け付けられた前記ページに対応する前記複数のプレビュー画像が前記表示装置に表示されることを特徴とする上記(7)〜(11)のいずれか1つに記載の画像形成条件設定プログラム。
【0020】
(13)上記(7)〜(12)のいずれか1つに記載の画像形成条件設定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザは、複数のプレビュー画像を参照して、複数の画像処理の中から1つの画像処理を選択することができるため、ユーザにより選択された画像処理が施された画像の形成結果が、ユーザの許容範囲内に確実に収まるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示されるプリンタの構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示されるPCの構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示されるPCのモジュール構成を示す図である。
【図5】印刷画面の一例を示す図である。
【図6】印刷設定画面の一例を示す図である。
【図7】エコノミー印刷設定画面の一例を示す図である。
【図8】プリンタにおいて印刷時に使用されるトナーの量を削減可能な画像処理を説明するための図である。
【図9】図1に示されるPCにおいて実行される印刷設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS103に示されるトナーセーブ印刷設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】図10に後続するフローチャートである。
【図12】本発明の他の実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示されるとおり、本実施形態に係る印刷システムは、画像形成装置としてのプリンタ1と、画像形成条件設定装置としてのPC2とを備える。プリンタ1とPC2とは、直接機器間で相互に通信可能に接続されている。
【0026】
図2は、図1に示されるプリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ1は、CPU11、ROM12、RAM13、操作パネル14、印刷部15、および通信インタフェース16を含み、これらは信号をやり取りするためのバス17を介して相互に接続されている。
【0027】
CPU11は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を実行する。ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムおよびデータを記憶する。
【0028】
操作パネル14は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、およびストップボタン等の要素を備えており、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。
【0029】
印刷部15は、電子写真式プロセス等の周知の作像プロセスを用いて、各種データに基づく画像を用紙等の記録媒体上に印刷する。印刷部15は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のトナーを用いて画像を印刷する。
【0030】
通信インタフェース16は、プリンタ1と外部機器との間で通信を行うためのインタフェースであり、イーサネット(登録商標)、トークンリング、FDDI等の規格が用いられる。
【0031】
図3は、図1に示されるPCの構成を示すブロック図である。PC2は、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスク24、ディスプレイ25、入力装置26、および通信インタフェース27を含み、これらは信号をやり取りするためのバス28を介して相互に接続されている。なお、PC2の上記各部のうち、プリンタ1の上記各部と同様の機能を有する部分については、説明の重複を避けるためその説明を省略する。
【0032】
ハードディスク24は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムおよび各種データを格納する。また、ハードディクス24には、文書ファイルを作成するための文書作成アプリケーションと、文書ファイルをプリンタ1が解釈可能なページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述された印刷データに変換するためのプリンタドライバと、がインストールされている。
【0033】
ディスプレイ25は、たとえば、CRTあるいはLCDであり、各種の情報を表示する。入力装置26は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードであり、各種の入力を行うために使用される。
【0034】
図4は、プリンタドライバがインストールされているPCのモジュール構成を示す図である。図4に示されるとおり、プリンタドライバ40は、PC2のオペレーティングシステム30の制御下で動作する。プリンタドライバ40は、ユーザによる印刷条件の設定を受け付けるUI部41と、画像データを生成する描画部42とを有する。UI部41は、印刷画面、印刷設定画面、およびエコノミー印刷設定画面をPC2のディスプレイ25に表示させ、ユーザによる印刷条件の設定を受け付ける。描画部42は、文書作成アプリケーション50からデータを取得して画像データを生成する。各モジュールの処理の詳細については後述する。
【0035】
図5は、印刷画面の一例を示す図である。印刷画面100は、PC2のユーザが文書ファイルの印刷をプリンタ1に指示する際に、PC2のディスプレイ25に表示される。印刷画面100には、文書ファイルの印刷条件を設定するためのプロパティボタン110が設けられている。
【0036】
図6は、印刷設定画面の一例を示す図である。印刷設定画面200は、印刷画面100のプロパティボタン110が押し下げられることにより、PC2のディスプレイ25に表示される。印刷設定画面200は、複数の設定画面を有しており、タブが選択されることにより設定画面が切り替えられる。図6では、「画質設定」タブが選択され、画質設定画面が表示されている。画質設定画面には、プリンタ1において印刷時に使用されるトナーの量を削減するエコノミー印刷についての詳細な設定を行うためのエコノミー印刷設定ボタン210が設けられている。
【0037】
図7は、エコノミー印刷設定画面の一例を示す図である。エコノミー印刷設定画面300は、印刷設定画面200のエコノミー印刷設定ボタン210が押し下げられることにより、PC2のディスプレイ25に表示される。
【0038】
エコノミー印刷設定画面300は、複数の印刷プレビュー画像を表示する画像表示部310と、複数の印刷プレビュー画像についての設定を受け付ける画像設定受付部320とを有する。
【0039】
画像表示部310は、オリジナル印刷イメージ表示部311と、濃度調整印刷イメージ表示部312と、縮小印刷イメージ表示部313とを有する。オリジナル印刷イメージ表示部311は、トナーの量を削減するための画像処理が施されていない特定の画像の印刷プレビュー画像(以下、「オリジナル印刷画像」と称する)を表示する。濃度調整印刷イメージ表示部312は、特定の画像に対して濃度調整印刷処理が施された結果を示す印刷プレビュー画像(以下、「濃度調整印刷画像」と称する)を表示する。縮小印刷イメージ表示部313は、特定の画像に対して縮小印刷処理が施された結果を示す印刷プレビュー画像(以下、「縮小印刷画像」と称する)を表示する。縮小印刷イメージ表示部313には、オリジナル印刷イメージ表示部311に表示されるオリジナル印刷画像の画像サイズを基準として、後述するトナー使用率に基づいて縮小された縮小印刷画像が表示される。
【0040】
オリジナル印刷イメージ表示部311、濃度調整印刷イメージ表示部312、および縮小印刷イメージ表示部313は、相互に連動しており、オリジナル印刷画像、濃度調整印刷画像、および縮小印刷画像は、同一の画像について作成される。
【0041】
画像設定受付部320は、印刷プレビュー画像についてのページの選択を受け付けるページ選択部321と、印刷プレビュー画像の画像サイズの変更を受け付けるサイズ変更部322と、印刷プレビュー画像のトナー使用率の変更を受け付けるトナー使用率変更部323とを有する。また、画像設定受付部320には、現在のトナー使用率をトナーセーブ設定として登録するための設定登録部324と、トナー使用率を初期化するための初期化ボタン325とが設けられている。
【0042】
ページ選択部321は、文書ファイルが複数ページからなる場合に、複数ページ分の画像の中から、印刷プレビュー画像として表示される1つのページの画像についてのユーザによる選択を受け付ける。サイズ変更部322は、印刷プレビュー画像の画像サイズについてのユーザによる変更を受け付ける。上述したとおり、オリジナル印刷イメージ表示部311、濃度調整印刷イメージ表示部312、および縮小印刷イメージ表示部313は、相互に連動しており、ページ選択部321を通じてページ番号が変更されれば、3つの印刷プレビュー画像とも変更される。同様に、サイズ変更部322を通じて画像サイズが変更されれば、3つの印刷プレビュー画像とも画像サイズが変更される。
【0043】
トナー使用率変更部323は、トナー使用率の変更を受け付けるトナー使用率変更受付部323aと、濃度の変更を受け付ける濃度変更受付部323bと、ズーム率の変更を受け付けるズーム率変更受付部323cとを有する。
【0044】
トナー使用率変更受付部323aは、画像表示部310に表示されている濃度調整印刷画像および縮小印刷画像のトナー使用率をPC2のユーザに通知するとともに、ユーザによるトナー使用率の変更を受け付ける。ここで、トナー使用率は、オリジナル印刷画像の印刷時に使用されるトナーの量に対する、濃度調整印刷処理および縮小印刷処理等の画像処理が施された画像の印刷時に使用されるトナーの量の比率を示す。画像表示部310に表示される濃度調整印刷画像および縮小印刷画像は、同一のトナー使用率が得られるように作成されている。
【0045】
濃度変更受付部323bは、画像表示部310に表示されている濃度調整印刷画像の濃度をユーザに通知するとともに、ユーザによる濃度の変更を受け付ける。ここで、濃度は、濃度調整印刷処理のパラメータであり、トナー使用率に基づいて決定される。なお、濃度は、濃度調整印刷処理が施される画像の内容によっても変化する。すなわち、複数ページからなる文書ファイルのすべてのページの画像について、同一のトナー使用率を得ようとする場合、濃度調整印刷画像の濃度は、文書ファイルのページ毎に異なり得る。
【0046】
ズーム率変更受付部323cは、画像表示部310に表示されている縮小印刷画像のズーム率をユーザに通知するとともに、ユーザによるズーム率の変更を受け付ける。ここで、ズーム率は、縮小印刷処理のパラメータであり、トナー使用率に基づいて決定される。なお、ズーム率は、縮小印刷処理が施される画像の内容によっても変化する。すなわち、複数ページからなる文書ファイルのすべてのページの画像について、同一のトナー使用率を得ようとする場合、縮小印刷画像のズーム率は、文書ファイルのページ毎に異なり得る。
【0047】
トナー使用率変更受付部323a、濃度変更受付部323b、およびズーム率変更受付部323cは、相互に連動しており、トナー使用率、濃度、およびズーム率のいずれか1つの値が変更されれば、残りの2つの値も変更される。
【0048】
なお、プリンタ1およびPC2は、それぞれ、上記構成要素以外の構成要素を含んでいてもよく、あるいは、上記構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0049】
図8は、プリンタにおいて印刷時に使用されるトナーの量を削減可能な画像処理を説明するための図である。本実施形態では、プリンタ1において使用されるトナーの量を削減するために画像処理が用いられる。
【0050】
図8(A)は、濃度調整印刷処理を説明するための図である。濃度調整印刷処理は、画像の濃度を低減することにより、印刷時に使用されるトナーの量を削減する。図8(A)に示されるとおり、濃度調整印刷処理では、画素が間引かれることにより、トナーの量が削減される。すなわち、濃度調整印刷処理では、画像データにおいて無色以外の色が指定されている画素の数が低減されることによりトナーが定着される領域が減少され、トナーの量が削減される。本実施形態では、所定のトナー使用率が得られるように、特定の画像に対して濃度調整印刷処理が施される。
【0051】
図8(B)は、縮小印刷処理を説明するための図である。縮小印刷処理は、画像サイズを低減することにより、印刷時に使用されるトナーの量を削減する。図8(B)に示されるとおり、縮小印刷処理では、画像が縮小され、トナーが定着される領域が減少されることにより、トナーの量が削減される。本実施形態では、所定のトナー使用率が得られるように、特定の画像に対して縮小印刷処理が施される。
【0052】
図8(C)は、単色階調化処理を説明するための図である。単色階調化処理は、トナーの色数を低減することにより、印刷時に使用されるトナーの量を削減する。図8(C)に示されるとおり、単色階調化処理では、C,M,Y,Kの4種類のトナーを用いて表現される画像が1種類のトナーで表現されることにより、印刷時に使用されるトナーの量が削減される。たとえば、4種類のトナーで表現されるカラー画像がKトナーのみで表現されるモノクロ画像に変更されることにより、トナーの量が削減される。
【0053】
なお、本実施形態のエコノミー印刷設定画面300上には、特定の画像に対して濃度調整印刷処理および縮小印刷処理がそれぞれ施された結果を示す2つの印刷プレビュー画像が表示されている。しかしながら、エコノミー印刷設定画面300上には、上記2つの印刷プレビュー画像に加えて、あるいは、上記2つの印刷プレビュー画像の一方に代えて、特定の画像に対して単色階調化処理が施された結果を示す印刷プレビュー画像が表示されてもよい。
【0054】
次に、本実施形態における印刷設定時のPC2の動作について説明する。
【0055】
図9は、図1に示されるPCにおいて実行される印刷設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートにより示されるアルゴリズムは、PC2のハードディスク24等の記憶部にプログラムとして記憶されており、CPU21によって実行される。
【0056】
図9に示されるとおり、まず、トナーセーブモードの選択が受け付けられる(ステップS101)。本実施形態では、ユーザのマウス操作により、印刷設定画面200のエコノミー印刷設定ボタン210が押し下げられることにより、トナーセーブモードの選択が受け付けられる。
【0057】
続いて、印刷可能なデータがあるか否かが判断される(ステップS102)。具体的には、印刷対象の文書ファイルが印刷可能なデータであるか否かが判断される。たとえば、文書ファイルが白紙のデータである場合や文書ファイルの印刷が禁止されている場合には、文書ファイルが印刷可能なデータでないと判断される。
【0058】
印刷可能なデータがないと判断される場合(ステップS102:NO)、ステップS101の処理に戻る。このとき、エコノミー印刷設定画面300が表示されないことをユーザに通知する通知画面(不図示)がディスプレイ25に表示され得る。
【0059】
一方、印刷可能なデータがあると判断される場合(ステップS102:YES)、トナーセーブ印刷設定処理が実行される(ステップS103)。本実施形態では、まず、エコノミー印刷設定画面300がディスプレイ25に表示される。そして、ユーザのマウス操作により、エコノミー印刷設定画面300上に表示される複数の印刷プレビュー画像の中から1つの印刷プレビュー画像が選択される。
【0060】
そして、印刷データが作成され(ステップS104)、処理が終了される。本実施形態では、ユーザにより選択された印刷プレビュー画像に対応する画像処理が施された画像を印刷するための印刷データが作成される。たとえば、ユーザにより選択された印刷プレビュー画像の画像データが変換されて印刷データが作成される。印刷データは、印刷ジョブとして、プリンタ1に送信される。
【0061】
図10は、図9のステップS103に示されるトナーセーブ印刷設定処理の手順を示すフローチャートである。
【0062】
図10に示されるとおり、まず、オリジナル印刷画像が描画される(ステップS201)。具体的には、エコノミー印刷設定画面300のオリジナル印刷イメージ表示部311に表示されるオリジナル印刷画像用の画像データが生成される。このとき、オリジナル印刷画像を印刷するために使用されるトナーの量が計算される。
【0063】
続いて、最終設定値の問い合わせが行われ、最終設定値があるか否かが判断される(ステップS202,S203)。本実施形態では、前回のトナーセーブ印刷設定処理で使用されたトナーセーブ値(トナー使用率)が、ハードディスク24に記憶されているか否かが判断される。
【0064】
最終設定値があると判断される場合(ステップS203:YES)、最終設定値が取得される(ステップS204)。一方、最終設定値がないと判断される場合(ステップS203:NO)、デフォルト値が取得される。たとえば、トナーセーブ印刷設定処理が初めて行われる場合やデータの破損等で最終設定値が使用できない場合には、デフォルト値が取得される。
【0065】
続いて、トナーセーブ値が決定される(ステップS206)。本実施形態では、ステップS204に示す処理で取得された最終設定値、または、ステップS205に示す処理で取得されたデフォルト値が、トナーセーブ値として決定される。
【0066】
続いて、トナーセーブ値を適用して、濃度調整印刷画像が描画される(ステップS207)。本実施形態では、ステップS206に示す処理で決定されたトナーセーブ値に基づいて、ステップS201に示す処理で生成されたオリジナル印刷画像用の画像データに対して濃度調整印刷処理が施されることにより、濃度調整印刷画像用の画像データが生成される。なお、トナーセーブ値に基づいて濃度調整印刷画像用の画像データを生成する技術自体は、一般的な画像濃度調整技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0067】
続いて、トナーセーブ値を適用して、縮小印刷画像が描画される(ステップS208)。本実施形態では、ステップS206に示す処理で決定されたトナーセーブ値に基づいて、ステップS201に示す処理で生成されたオリジナル印刷画像用の画像データに対して縮小印刷処理が施されることにより、縮小印刷画像用の画像データが生成される。なお、トナーセーブ値に基づいて縮小印刷画像用の画像データを生成する技術自体は、一般的な画像縮小技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0068】
続いて、トナーセーブ設定リストが取得される(ステップS209)。本実施形態では、ユーザにより事前に登録されたトナーセーブ設定の一覧が、ハードディスク24から取得される。トナーセーブ設定の一覧は、設定登録部324の「呼び出し」ボタンが押し下げられた場合に、ユーザにより選択可能なトナーセーブ設定の一覧として表示される。なお、トナーセーブ設定がハードディスク24に記憶されてない場合には、ステップS209の処理は省略される。
【0069】
続いて、UI上に値が表示される(ステップS210)。本実施形態では、ステップS206に示す処理で決定されたトナーセーブ値と、トナーセーブ値に基づき決定された濃度値(濃度)およびズーム値(ズーム率)と、トナーセーブ設定の名称とが、エコノミー印刷設定画面300上に表示される。なお、トナーセーブ設定が選択されていない場合、トナーセーブ設定の名称は、エコノミー印刷設定画面300上には表示されない。
【0070】
そして、UI上に印刷画像、濃度調整印刷画像、および縮小印刷画像が表示される(ステップS211)。具体的には、ステップS201,S207,S208に示す処理で生成された画像データに基づいて、オリジナル印刷画像、濃度調整印刷画像、および縮小印刷画像用が、エコノミー印刷設定画面300上に表示される。
【0071】
以上のとおり、ステップS201〜S211に示す処理によれば、所定のトナーセーブ値に基づいて、濃度調整印刷画像および縮小印刷画像用の画像データが生成される。そして、オリジナル印刷画像、濃度調整印刷画像、および縮小印刷画像が、エコノミー印刷設定画面300上に表示される。PC2のユーザは、マウス操作により、3つの印刷プレビュー画像の画像サイズや表示エリアを変更することができる。
【0072】
ステップS212では、印刷プレビュー画像の画像サイズの変更があるか否かが判断される。たとえば、PC2のユーザが、印刷プレビュー画像の詳細を確認するために、エコノミー印刷設定画面300のサイズ変更部322を操作する場合、印刷プレビュー画像の画像サイズの変更があると判断される。
【0073】
画像サイズの変更がないと判断される場合(ステップS212:NO)、ステップS214の処理に進む。一方、画像サイズの変更があると判断される場合(ステップS212:YES)、画像サイズの変更処理が実行され(ステップS213)、ステップS212の処理に戻る。その結果、ユーザの操作を反映するように、エコノミー印刷設定画面300上に表示される印刷プレビュー画像の画像サイズが拡大または縮小される。上述したとおり、3つの印刷プレビュー画像の画像サイズは同様に変更される。
【0074】
ステップS214では、印刷プレビュー画像の表示エリアの変更があるか否かが判断される。たとえば、PC2のユーザが、拡大された印刷プレビュー画像の詳細を確認するために、マウス操作により1つの画像をドラッグする場合、印刷プレビュー画像の表示エリアの変更があると判断される。
【0075】
表示エリアの変更がないと判断される場合(ステップS214:NO)、ステップS216の処理に進む。一方、表示エリアの変更があると判断される場合(ステップS214:YES)、表示エリアの変更処理が実行され(ステップS215)、ステップS212の処理に戻る。その結果、ユーザの操作を反映するように、エコノミー印刷設定画面300上に表示される印刷プレビュー画像の画像エリアが変更される。なお、3つの印刷プレビュー画像の表示エリアは同様に変更される。すなわち、ユーザは、拡大された3つの印刷プレビュー画像の同一箇所を確認することができる。
【0076】
以上のとおり、ステップS212〜S215に示す処理によれば、エコノミー印刷設定画面300上に表示される3つの印刷プレビュー画像の画像サイズおよび表示エリアが、ユーザの操作に基づき変更される。PC2のユーザは、印刷プレビュー画像を参照して、現在のトナーセーブ値により、所望の印刷結果が得られているか否かを判断する。ユーザは、印刷プレビュー画像のトナーセーブ値を変更することができる。
【0077】
ステップS216では、トナーセーブ値の変更があるか否かが判断される。ユーザが、エコノミー印刷設定画面300のトナー使用率変更部323を操作して、トナー使用率、濃度、およびズーム率のいずれか1つの値を変更する場合、トナーセーブ値の変更があると判断される。
【0078】
トナーセーブ値の変更がないと判断される場合(ステップS216:NO)、ステップS218の処理に進む。一方、トナーセーブ値の変更があると判断される場合(ステップS216:YES)、変更後のトナーセーブ値が取得され(ステップS217)、ステップS206の処理に戻る。具体的には、まず、エコノミー印刷設定画面300上で変更されたトナーセーブ値が取得される。そして、新たに取得されたトナーセーブ値に基づいて、ステップS206〜S211に示す処理が繰り返されることにより、濃度調整印刷画像および縮小印刷画像が変更される。なお、エコノミー印刷設定画面300上で濃度またはズーム率が変更された場合には、変更された濃度またはズーム率からトナーセーブ値が算出され、算出されたトナーセーブ値に基づいて、ステップS206〜S211に示す処理が繰り返される。
【0079】
ステップS218では、トナーセーブ設定の選択があるか否かが判断される。ユーザは、トナーセーブ設定を選択することによっても、トナーセーブ値を変更することができる。エコノミー印刷設定画面300の設定登録部324の「呼び出し」ボタンが押し下げられることにより表示されるトナーセーブ設定の一覧から、ユーザが、1つのトナーセーブ設定を選択する場合、トナーセーブ設定の選択があると判断される。
【0080】
トナーセーブ設定の選択がないと判断される場合(ステップS218:NO)、ステップS220の処理に進む。一方、トナーセーブ設定の選択があると判断される場合(ステップS218:YES)、トナーセーブ設定からトナーセーブ値が取得され(ステップS219)、ステップS206の処理に戻る。具体的には、まず、ユーザにより選択されたトナーセーブ設定からトナーセーブ値が取得される。そして、取得されたトナーセーブ値に基づいて、ステップS206〜S211に示す処理が繰り返されることにより、濃度調整印刷画像および縮小印刷画像が変更される。
【0081】
以上のとおり、ステップS216〜S219に示される処理によれば、ユーザによるトナーセーブ値の変更が受け付けられ、変更されたトナーセーブ値に基づいて、印刷プレビュー画像が変更される。具体的には、まず、エコノミー印刷設定画面300のトナー使用率変更部323が操作されることによりトナーセーブ値が変更される。あるいは、ハードディスク24に予め記憶されているトナーセーブ設定が選択されることにより、トナーセーブ値が変更される。そして、変更後のトナーセーブ値に基づいて、濃度調整印刷画像および縮小印刷画像が変更される。ユーザは、変更後の印刷プレビュー画像を確認し、所望の印刷結果が得られているか否かを判断する。所望の印刷結果が得られている場合、ユーザは、複数の印刷プレビュー画像の中から、該当する印刷プレビュー画像を選択する。
【0082】
ステップS220では、濃度調整印刷画像が選択されたか否かが判断される。本実施形態では、ユーザのマウス操作により濃度調整印刷画像がクリックされて濃度調整印刷画像が太枠で強調表示される場合、濃度調整印刷画像が選択されたと判断される。濃度調整印刷画像が選択されたと判断される場合(ステップS220:YES)、ステップS223の処理に進む。
【0083】
一方、濃度調整印刷画像が選択されていないと判断される場合(ステップS220:NO)、縮小印刷画像が選択されたか否かが判断される(ステップS221)。本実施形態では、ユーザのマウス操作により縮小印刷画像がクリックされて縮小印刷画像が太枠で強調表示される場合、縮小印刷画像が選択されたと判断される。縮小印刷画像が選択されたと判断される場合(ステップS221:YES)、ステップS223の処理に進む。
【0084】
一方、縮小印刷画像が選択されていないと判断される場合(ステップS221:NO)、オリジナル印刷画像が選択されたか否かが判断される(ステップS222)。本実施形態では、ユーザは、トナーの量が削減されないオリジナル印刷画像を選択することもできる。ユーザのマウス操作によりオリジナル印刷画像がクリックされてオリジナル印刷画像が太枠で強調表示される場合、オリジナル印刷画像が選択されたと判断される。オリジナル印刷画像が選択されたと判断される場合(ステップS222:YES)、ステップS223の処理に進む。
【0085】
一方、オリジナル印刷画像が選択されていないと判断される場合(ステップS222:NO)、ステップS212の処理に戻る。すなわち、ユーザは、再度、エコノミー印刷設定画面300上で印刷プレビュー画像の確認ならびに調整を行うことができる。
【0086】
以上のとおり、ステップS220〜S222に示す処理によれば、複数の印刷プレビュー画像の中から1つの印刷プレビュー画像が選択される。印刷設定を確定する前に、ユーザは、エコノミー印刷設定画面300上のトナーセーブ値をハードディスク24に記憶させることができる。
【0087】
ステップS223では、設定値を登録するか否かが判断される。本実施形態では、エコノミー印刷設定画面300の設定登録部324の「保存」ボタンが押し下げられる場合、設定値を登録すると判断される。
【0088】
設定値を登録しないと判断される場合(ステップS223:NO)、ステップS225の処理に進む。一方、設定値を登録すると判断される場合(ステップS223:YES)、設定値が登録される(ステップS224)。具体的には、現在のトナーセーブ値が、トナーセーブ設定としてハードディスク24に記憶される。
【0089】
続いて、最終設定値が記憶され(ステップS225)、処理が終了される。本実施形態では、現在のトナーセーブ値が、次回の使用時に利用されるようにハードディスク24に最終設定値として記憶され、処理が終了される。
【0090】
以上のとおり、ステップS223〜S225に示す処理によれば、エコノミー印刷設定画面300上のトナーセーブ値がハードディスク24に記憶される。そして、エコノミー印刷設定画面300の「OK」ボタンが押し下げられることにより印刷設定が確定され、印刷データの作成処理に移行する。本実施形態では、ユーザにより選択された1つの印刷プレビュー画像に対応する画像処理が施された画像を印刷するための印刷データが作成される。
【0091】
以上のとおり、図10および図11に示されるフローチャートの処理によれば、所定のトナー使用率に基づいて、濃度調整印刷画像および縮小印刷画像が作成され、オリジナル印刷画像とともに表示される。そして、トナー使用率が変更されれば、これに応じて、印刷プレビュー画像も変更される。
【0092】
このような構成によれば、ユーザは、複数の印刷プレビュー画像を目視により確認して、複数の印刷プレビュー画像の中から1つの印刷プレビュー画像を選択することにより、所望の画像処理を選択することができる。したがって、トナーの量を削減するための画像処理が施された画像の印刷結果が、ユーザの許容範囲内に確実に収まるようになる。
【0093】
また、本実施形態によれば、ユーザは、エコノミー印刷設定画面300上でトナー使用率を変更しつつ、変更後のトナー使用率が得られる印刷プレビュー画像を確認することができるため、ユーザは、所望の印刷プレビュー画像を容易に得ることができる。また、トナー使用率の代わりに、濃度またはズーム率を変更することもできる。
【0094】
また、本実施形態によれば、複数の印刷プレビュー画像は、同一のトナー使用率に基づいて作成されるため、ユーザは、同一のトナー削減効果が得られる複数の画像処理の中から、1つの画像処理を選択することができる。さらに、ユーザは、複雑な操作を行って複数の印刷プレビュー画像のトナー使用率を揃える必要がない。
【0095】
また、本実施形態によれば、エコノミー印刷設定画面300にトナー使用率が表示されるため、ユーザは、トナーの節約効果を認識しつつ、印刷条件を設定することができる。
【0096】
本発明は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0097】
たとえば、上記実施形態では、文書ファイルが複数ページからなる場合、所定のトナー使用率にしたがって、ページ毎に濃度およびズーム率が異なる印刷プレビュー画像が表示された。しかしながら、濃度やズーム率は、複数のページを通じて一定に維持されてもよい。この場合、たとえば、代表的なページの画像に対して指定されたトナー使用率に対応する濃度およびズーム率が、すべてのページに対して適用される。
【0098】
また、上記実施形態では、濃度およびズーム率は、エコノミー印刷設定画面上で連動して変更されるように構成された。しかしながら、濃度およびズーム率等のパラメータは、独立に変更されるように構成されてもよく、異なるトナー使用率が得られる複数の印刷プレビュー画像が表示されてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、画像形成装置としてのプリンタと画像形成条件設定装置としてのPCとは、直接機器間で接続されていた。しかしながら、図12に示されるとおり、プリンタ1とPC2とは、ネットワーク3を介してネットワーク接続されてもよく、または、無線接続装置4を介して無線接続されてもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、PCの文書作成アプリケーションで作成された文書ファイルをプリンタにより印刷する場合について説明した。しかしながら、トナーセーブ印刷処理は、MFP(Multi−F unction Peripheral)等の画像形成装置において、複写処理を行う場合にも適用可能である。具体的には、スキャナ部により原稿の画像を読み取って得られた画像データに対して複数の画像処理を施すことにより、複数のプレビュー画像を作成する。この場合、複数のプレビュー画像は、MFPの操作パネルに表示され、操作パネルに対するユーザ操作により、複数のプレビュー画像の中から1つのプレビュー画像が選択される。
【0101】
本実施形態にかかる画像形成条件設定装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピュータのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、フレキシブルディスクおよびCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成条件設定装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 プリンタ、
11,21 CPU、
12,22 ROM、
13,23 RAM、
14 操作パネル、
15 印刷部、
16,27 通信インタフェース、
17,28 バス、
2 PC、
24 ハードディスク、
25 ディスプレイ、
26 入力装置、
100 印刷画面、
200 印刷設定画面、
300 エコノミー印刷設定画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において画像を形成するために使用される色材の量を削減する旨の指示を受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部により前記色材の量を削減する旨の指示が受け付けられた場合、色材の量を削減可能な異なる方式の複数の画像処理が、特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を表示装置に表示させる表示制御部と、
前記表示装置に表示される前記複数のプレビュー画像の中からの、ユーザによる1つのプレビュー画像の選択を受け付ける選択受付部と、
前記ユーザにより選択された前記プレビュー画像に対応する画像処理が施された画像の形成を前記画像形成装置に指示する指示部と、
を有することを特徴とする画像形成条件設定装置。
【請求項2】
前記画像処理が施されていない画像を形成するために使用される色材の量に対する、前記画像処理が施された画像を形成するために使用される色材の量の比率である色材使用率の設定を受け付ける使用率受付部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成条件設定装置。
【請求項3】
前記色材使用率は、前記複数の画像処理に対して共通に設定されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成条件設定装置。
【請求項4】
前記色材使用率は、前記複数のプレビュー画像とともに、前記表示装置に変更可能に表示され、
前記表示装置に表示される色材使用率がユーザにより変更された場合、前記表示制御部は、前記変更後の色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項3に記載の画像形成条件設定装置。
【請求項5】
前記複数の画像処理の各パラメータは、前記複数のプレビュー画像とともに、前記表示装置に変更可能にそれぞれ表示され、
前記表示装置に表示される複数のパラメータのうちの1つのパラメータがユーザにより変更された場合、前記表示制御部は、前記変更後のパラメータに対応する前記色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成条件設定装置。
【請求項6】
前記特定の画像が複数ページからなる文書の特定ページの画像である場合、前記表示装置に表示される前記プレビュー画像のページについてのユーザによる選択を受け付けるページ受付部をさらに有し、
前記表示制御部は、前記ページ受付部により受け付けられた前記ページに対応する前記複数のプレビュー画像を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成条件設定装置。
【請求項7】
画像形成装置において画像を形成するために使用される色材の量を削減する旨の指示を受け付ける手順(a)と、
前記手順(a)において前記色材の量を削減する旨の指示が受け付けられた場合、色材の量を削減可能な異なる方式の複数の画像処理が、特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像を表示装置に表示させる手順(b)と、
前記表示装置に表示される前記複数のプレビュー画像の中からの、ユーザによる1つのプレビュー画像の選択を受け付ける手順(c)と、
前記ユーザにより選択された前記プレビュー画像に対応する画像処理が施された画像の形成を前記画像形成装置に指示する手順(d)と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像形成条件設定プログラム。
【請求項8】
前記画像処理が施されていない画像を形成するために使用される色材の量に対する、前記画像処理が施された画像を形成するために使用される色材の量の比率である色材使用率の設定を受け付ける手順(e)をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記手順(b)において、前記色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像が前記表示装置に表示されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成条件設定プログラム。
【請求項9】
前記色材使用率は、前記複数の画像処理に対して共通に設定されることを特徴とする請求項8に記載の画像形成条件設定プログラム。
【請求項10】
前記色材使用率は、前記複数のプレビュー画像とともに、前記表示装置に変更可能に表示され、
前記表示装置に表示される色材使用率がユーザにより変更された場合、前記手順(b)において、前記変更後の色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像が前記表示装置に表示されることを特徴とする請求項9に記載の画像形成条件設定プログラム。
【請求項11】
前記複数の画像処理の各パラメータは、前記複数のプレビュー画像とともに、前記表示装置に変更可能にそれぞれ表示され、
前記表示装置に表示される複数のパラメータのうちの1つのパラメータがユーザにより変更された場合、前記手順(b)において、前記変更後のパラメータに対応する前記色材使用率が得られるようにパラメータがそれぞれ設定された前記複数の画像処理が、前記特定の画像に対してそれぞれ施された結果を示す複数のプレビュー画像が前記表示装置に表示されることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成条件設定プログラム。
【請求項12】
前記特定の画像が複数ページからなる文書の特定ページの画像である場合、前記表示装置に表示される前記プレビュー画像のページについてのユーザによる選択を受け付ける手順(f)をさらに前記コンピュータに実行させ、
前記手順(b)において、前記手順(f)において受け付けられた前記ページに対応する前記複数のプレビュー画像が前記表示装置に表示されることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の画像形成条件設定プログラム。
【請求項13】
請求項7〜12のいずれか1項に記載の画像形成条件設定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−164489(P2011−164489A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29376(P2010−29376)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】