説明

画像形成装置、および電源遮断時処理方法、並びにプログラム

【課題】電源遮断時の各種デバイスの保護処理を行うとともに、処理の内容を表示してユーザに知らせて、電源遮断時の的確な処理を実現する。
【解決手段】メカニカルスイッチ310による操作を受付けて、装置各部への電源供給/遮断の制御を実行するPSU300と、電源遮断時における装置各部のシャットダウンシーケンスを記憶するシーケンステーブル211と、電源遮断が発生した場合、記憶してあるシャットダウンシーケンスにしたがって電源遮断時の処理を実行する際に、電源遮断時の処理を実行している旨を操作部100に表示する制御を行い、データ保護処理およびデバイス各部の停止処理を行った後に主電源321を遮断するコントローラ200と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、複合機などの画像形成装置、および電源遮断時処理方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置などにおいて、メカニカルスイッチのOFF操作によって動作中の急な電源遮断が発生する場合がある。この場合、HDD(ハードディスクドライブ)など動作中に電源をOFFできない装置が破壊されたり、特に電源遮断直前の情報が正しく保存されなかったりすることがある。このような不具合を解消するものとして、以下に示すように、電源シャットダウン制御を行う技術が知られている。
【0003】
メカスイッチOFFから一定時間だけ遅延して電源をOFFするハード構成と、メカスイッチOFFを検知する構成を有する装置が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1の装置では、メカスイッチがOFFされるとCPUが動作中に電源をOFFできない装置の動作を中止する処理を行い、一定時間後に電源をOFFするものである。
【0004】
また、突然、主電源スイッチがオフされた場合等に、ネットワーク装置から電力供給を行う装置が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。また、AC電源とは別に記憶装置にあるハードディスクドライブのみをバックアップする電源を設けて、電源瞬断時のハードディスクの破壊を防止する装置が開示されている(たとえば、特許文献3参照)。さらに、主電源用スイッチの他に、HDDへの供給電源をシャットダウンさせる専用のスイッチを設けて、HDD自身の破壊を防止する技術が開示されている(たとえば、特許文献4参照)。これら特許文献に開示されている技術は、動作中の電源OFFを防ぐことができ、動作中に電源をOFFできない装置が破壊されたり、情報が正しく保存されなかったりすることを防ぐことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記に示されるような従来の技術にあっては、動作中に電源遮断が行われた場合に、つぎのような問題が生じていた。すなわち、電源をOFFしたはずなのにしばらくLCDパネルで通常時の画面が表示されたままの状態となったり、LCDパネルが消えているのにファンの音やエンジン音が鳴ったままになっていることがあった。このため、ユーザ側では正常に電源OFFされたのかを的確に確認することができなかった。
【0006】
また、シャットダウン制御に失敗してしまった場合に冷却ファンの音や駆動および搬送音などが鳴ったままになっていたりして明らかに電源が入った状態でLCDパネルが消えているとユーザに不信感を与えてしまい、エラーが発生していることをユーザに通知することができないという問題があった。
【0007】
また、上記特許文献の技術にあっては、電源制御処理中にエラーが発生した場合の通知方法については対応するものでなかった。すなわち、複数のデバイスに対して保護処理しなければならないものがあった場合にシーケンスを組んで順番に保護処理を実行する必要があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電源遮断時の各種デバイスの保護処理を行うとともに、処理の内容を表示してユーザに知らせて、電源遮断時の的確な処理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、装置各部を構成する少なくとも操作表示手段およびデータ記憶手段を含む複数のデバイスと、前記デバイスに対して主電源から電源を供給する電源供給手段と、前記装置の電源をオン/オフするためのメカニカルスイッチと、を有する画像形成装置であって、前記メカニカルスイッチによる操作を受付けて、装置各部への電源供給/遮断の制御を実行する電源供給制御手段と、電源遮断時における装置各部のシャットダウンシーケンスを記憶するシーケンス記憶手段と、前記電源供給制御手段において電源遮断が発生した場合、前記シーケンス記憶手段に記憶してあるシャットダウンシーケンスにしたがって電源遮断時の処理を実行する際に、電源遮断時の処理を実行している旨を前記操作表示手段に表示する制御を行い、前記データ記憶手段のデータ保護処理および前記デバイス各部の停止処理を行った後に前記主電源を遮断する電源オフ時処理手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、電源遮断時の処理を実行している旨を操作表示手段に表示するとともに、データ記憶手段のデータ保護処理およびデバイス各部の停止処理を行った後に主電源を遮断するため、電源遮断時において的確な処理が実現するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、この実施の形態にかかる画像形成装置の主要部分の構成例(1)を示すブロック図である。
【図2】図2は、画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3−1】図3−1は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−1(その1)を示すフローチャートである。
【図3−2】図3−2は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−1(その2)を示すフローチャートである。
【図4−1】図4−1は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−2(その1)を示すフローチャートである。
【図4−2】図4−2は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−2(その2)を示すフローチャートである。
【図5−1】図5−1は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−3(その1)を示すフローチャートである。
【図5−2】図5−2は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−3(その2)を示すフローチャートである。
【図6−1】図6−1は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−4(その1)を示すフローチャートである。
【図6−2】図6−2は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−4(その2)を示すフローチャートである。
【図7】図7は、この実施の形態にかかる画像形成装置の主要部分の構成例(2)を示すブロック図である。
【図8−1】図8−1は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−1(その1)を示すフローチャートである。
【図8−2】図8−2は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−1(その2)を示すフローチャートである。
【図9−1】図9−1は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−2(その1)を示すフローチャートである。
【図9−2】図9−2は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−2(その2)を示すフローチャートである。
【図10−1】図10−1は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−3(その1)を示すフローチャートである。
【図10−2】図10−2は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−3(その2)を示すフローチャートである。
【図11−1】図11−1は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−4(その1)を示すフローチャートである。
【図11−2】図11−2は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−4(その2)を示すフローチャートである。
【図12】図12は、画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、および電源遮断時処理方法、並びにプログラムの一実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
本発明は、メカニカルスイッチによる電源OFF時にCPUにシャットダウンシーケンスのテーブルを用意しておくことで各処理に応じて適切な機器の状態表示をユーザに伝えるものである。また、本発明は、LCDパネルの電源OFFシーケンス通りに処理することでLCDパネル、HDD、揮発性メモリの保護を行うものである。以下、具体例をあげて説明する。
【0014】
(実施の形態)
図1は、この実施の形態にかかる画像形成装置の主要部分の構成例(1)を示すブロック図である。この図1において、符号100は操作部、符号200はコントローラ、符号300はPSU(Power Supply Unit)である。操作部100は、CPU110、LCD電源121を含むLCDパネル120、揮発性メモリ130、不揮発性メモリ140を有する。コントローラ200は、CPU210、シーケンステーブル211、HDD(ハードディスクドライブ)220、サブCPU230、揮発性メモリ240、電源回路250を有する。PSU300は、メカニカルスイッチ310、主電源321を含む電源制御回路320を有する。なお、画像形成装置は、通常知られているように、他に光学装置、作像エンジン、給紙装置などを有するものであり、ここでは図示を省略している。
【0015】
図1において、PSU300は機器の各モジュール(デバイス)に電源供給するユニットである。メカニカルスイッチ310は機器の電源ON/OFFを行う操作スイッチである。なお、電源ONは機器への電源供給を意味し、以下、適宜、ONまたはオンとして記述する。また、電源OFFは機器への電源供給の遮断を意味し、以下、適宜、OFFまたはオフ、またはシャットダウンとして記述する。
【0016】
コントローラ200は、電源を供給するか停止するかを判断し、電源供給部分も含まれた電源制御回路320を介して機器全体の制御を行う。また、コントローラ200には、コントローラ200のCPU210、HDD220、CPU210にはサブCPU230が内蔵されている。サブCPU230は、機器の省エネルギーモード状態(以下、省エネ状態という)ではシャットダウン開始信号を検知する。また、コントローラ200は、プログラムを格納する揮発性メモリ240、電源回路250を備える。
【0017】
操作部100は、ユーザが操作するための操作画面を表示したり、画像形成装置の動作状態、モード表示などを行う。このため操作部100は、操作部100全体を制御するCPU110、画面を表示するLCDパネル120、揮発性メモリ130、不揮発性メモリ140を備える。
【0018】
シーケンステーブル211には、電源ON状態から電源遮断移行時において、たとえば、LCDパネル停止処理、LCD電源OFF処理、HDD保護処理、揮発性メモリ保護処理、電源遮断時のフリーズなどのエラー表示処理、といったシーケンスが記憶されている。
【0019】
図2は、画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。デバイス1は、図1における操作部100、HDD220、揮発性メモリ240などのシャットダウン時に保護処理対象となる。電源供給部2は、図1に示すように主電源321を含む電源制御回路320を有するPSU300に該当し、装置を構成する各デバイス1に電力を供給するものである。電源オン/オフ部3は、図1に示すようにメカニカルスイッチ310で実現され、ユーザ操作による電源ON、電源OFFが行われるものである。電源制御部4は、コントローラ200によって機能する。シャットダウン処理表示部7は、図1に示す操作部100のLCDパネル120にシャットダウン処理時の状態を表示する。シーケンス記憶部6は
シャットダウン処理時の制御に用いられる上述した各シーケンスを記憶する。電源オフ時処理部5は、シーケンス記憶部6に記憶されているシーケンスにしたがい後述する制御動作を行うものである。
【0020】
(制御動作例1−1)
図3−1、2は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−1を示すフローチャートである。まず、メカニカルスイッチ310がON操作されると、コントローラ200はPSU300を介して機器全体に電源供給を行う(ステップS1)。続いて、この電源供給状態においてメカニカルスイッチ310のOFFになったか否かを判断する(ステップS2)。PSU300の電源制御回路320ではメカニカルスイッチ310の状態を常に検知している。
【0021】
ステップS2においてメカニカルスイッチがOFFされると判断した場合、電源制御回路320からシャットダウン開始信号をコントローラ200のCPU210に送信する(ステップS3)。コントローラ200のCPU210は、これを受け取ると予めコントローラ200のCPU210に設けてあるシーケンステーブル211に記憶されているシャットダウンシーケンスによりシャットダウン処理を開始する。最初にコントローラ200のCPU210から操作部100のCPU110にHDD保護処理が開始されることを通知する(ステップS4)。通知を受けた操作部100のCPU110はLCDパネル120にシャットダウン処理中であることを表示させる(ステップS5)。それと同時にコントローラ200のCPU210はHDD制御信号を通じてHDD220の保護処理を開始する(ステップS6)。
【0022】
続いて、コントローラ200のCPU210は、HDD220の保護処理が終了したか否かを判断する(ステップS7)。ここでHDD220の保護処理が終了した場合、コントローラ200のCPU210は、操作部100のCPU110にLCDパネル120の停止処理を開始することを通知する(ステップS8)。この後、操作部100のCPU110は、LCDパネル120に間もなく電源が切れるという表示を行う(ステップS9)。操作部100のCPU110からLCD電源OFFシーケンスに沿った順番通りにLCDパネル120のLCD電源121をOFFする。本構成では、LCDパネル120のちらつきを防ぐためにバックライトON/OFF信号よりバックライトを停止させ、その後、LCDクロック/データ(制御)信号を停止させた状態でLCD電源121をOFFする(ステップS10)。
【0023】
上記処理が完了すると操作部100のCPU110は、コントローラ200のCPU210にLCDパネル停止処理が完了したことを通知する(ステップS11)。コントローラ200のCPU210は、主電源遮断信号を電源制御回路320に送信し(ステップS12)、電源制御回路320より主電源321をOFFする(ステップS13)。
【0024】
(制御動作例1−2)
図4−1、2は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−2を示すフローチャートである。まず、前述した制御動作例1−1のステップS1〜S8と同様に、メカニカルスイッチ310のOFF操作によるHDD220の保護処理を実行する(ステップS21〜S26)。
【0025】
続いて、操作部100のCPU110は、コントローラ200のCPU210からエラーが送信されている否かを判断する(ステップS27)。ここでエラーが送信されている場合、操作部100のCPU110からLCDパネル120にエラー表示画面もしくは対処方法を画面に表示させる(ステップS28)。一方、ステップS27においてエラーが送信されていない場合は、コントローラ200のCPU210がHDD220の保護処理が終了したか否かを判断する(ステップS29)。
【0026】
ステップS29においてHDD220の保護処理が終了していない場合は、エラー送信の確認とHDD220の保護処理が完了したかを検知することを繰り返して実行する。一方、ステップS29においてHDD220の保護処理が終了した場合、コントローラ200のCPU210より、操作部100のCPU110にLCDパネル120の停止処理を開始することを通知する(ステップS30)。そして、前述した制御動作例1−1のステップS9〜S13と同様に、LCDパネル120への電源シャットダウン表示、主電源321のOFFという一連の制御を実行する(ステップS31〜S35)。
【0027】
(制御動作例1−3)
図5−1、2は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−3を示すフローチャートである。まず、メカニカルスイッチ310がON操作されると、コントローラ200はPSU300を介して機器全体に電源供給を行う(ステップS41)。続いて、この電源供給状態において機器の状態が省エネ状態であるか否かを判断する(ステップS42)。なお、省エネ状態とは、サブCPU230と揮発性メモリ240のみに電源が供給されており、揮発性メモリ240はデータをバックアップしているモード状態をいう。
【0028】
ステップS42において省エネ状態であると判断した場合、さらにメカニカルスイッチ310がOFFされているか否かを判断する(ステップS43)。ここでメカニカルスイッチ310がOFFされたと判断すると、電源制御回路320からシャットダウン開始信号をサブCPU230に送信する(ステップS44)。
【0029】
続いて、サブCPU230が上記シャットダウン開始信号を受け取ると電源回路250に信号を送信し、サブCPU230と揮発性メモリ240以外にも電源を全て(場合によっては一部である)に供給する(ステップS45)。全て起動したら、予めコントローラ200のCPU210に設けてあるシーケンステーブル211に記憶してあるシャットダウンシーケンスにしたがってシャットダウン処理を開始する。
【0030】
最初にコントローラ200のCPU210から操作部100のCPU110に揮発性メモリデータ保護処理が開始されることを通知する(ステップS46)。ここで、揮発性メモリデータ保護処理とは省エネ中でも揮発性メモリ240にはデータが蓄積されていて、メカニカルスイッチ310による電源OFFで揮発性メモリ240の電源もOFFされてしまうと大事なデータも紛失してしまう恐れがある。それを防止するために、揮発性メモリ240の大事なデータをHDD220にバックアップする必要があり、これを揮発性メモリデータ保護処理と呼ぶこととする。また、全ての電源を供給しなおすのはこのためである。
【0031】
ステップS46において通知を受けた操作部100のCPU110はLCDパネル120にシャットダウン処理中であることを表示する(ステップS47)。それと同時にコントローラ200のCPU210は揮発性メモリ240より必要なデータを読み取り、HDD220にバックアップする処理を開始する(ステップS48)。
【0032】
続いて、揮発性メモリ240のデータ保護処理が終了したか否かを判断する(ステップS49)。ここでデータ保護処理が終了した場合、コントローラ200のCPU210は、操作部100のCPU110にLCDパネル120の停止処理を開始することを通知する(ステップS50)。そして、前述した制御動作例1−1のステップS9〜S13と同様に、LCDパネル120への電源シャットダウン表示、主電源321のOFFという一連の制御動作を実行する(ステップS51〜S55)。
【0033】
(制御動作例1−4)
図6−1、2は、図1に示すように構成された画像形成装置の制御動作例1−4を示すフローチャートである。まず、前述した制御動作例1−3のステップS41〜S49と同様の動作を実行する(ステップS61〜S69)。ステップS69において操作部100側の揮発メモリデータ保護処理が終了した場合、操作部100のCPU110よりコントローラ200のCPU210に操作部100側の保護処理が完了したことを通知する(ステップS70)。
【0034】
続いて、コントローラ200のCPU210は揮発性メモリ240より必要なデータを読み取り、HDD220にバックアップする処理を開始する(ステップS71)。そして、この揮発性メモリデータ保護処理が終了したか否かを判断する(ステップS72)。ここで揮発性メモリデータ保護処理が終了した場合、コントローラ200のCPU210より、操作部100のCPU110にLCDパネル120の停止処理を開始することを通知する(ステップS73)。なお、上記ステップS68〜S72は揮発性メモリ保護処理であり、その制御順序は問わない。続いて、前述した制御動作例1−1のステップS9〜S13と同様に、LCDパネル120への電源シャットダウン表示、主電源321のOFFという一連の制御を実行する(ステップS74〜S78)。
【0035】
図7は、この実施の形態にかかる画像形成装置の主要部分の構成例(2)を示すブロック図である。この図7において、基本的な構成は図1と同様である。この図7で異なる点はコントローラ200のCPU210と操作部100のCPU110間の通信においてUSB HUB150を介して接続している部分が異なる。また、図7では、複数の種類LCDパネル120が搭載される場合、あるLCDパネルはUSB HUB150の操作部100のCPU110をポート1と接続させておき、異なるLCDパネルはUSB HUB150の操作部100のCPU110をポート2と接続させておくといったLCDパネル120に応じて操作部100のCPU110と接続するポートが異なるという構成について示している。
【0036】
(制御動作例2−1)
図8−1、2は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−1を示すフローチャートである。この制御動作例2−1は、前述した制御動作例1−1の図3−1、2に対してステップS88の制御動作を行うことが異なる。まず、前述した図3−1、2の制御動作のステップS1〜S7と同様に、電源供給状態からメカニカルスイッチ310のOFF時の電源シャットダウン処理表示、HDD保護処理を実行する(ステップS81〜S87)。
【0037】
続いて、コントローラ200のCPU210は、操作部100のCPU110との接続ポートを確認し、LCDパネル120の種類を操作部100のCPU110に通知する(ステップS88)。この後、コントローラ200のCPU210は、操作部100のCPU110にLCDパネル120の停止処理を開始することを通知する(ステップS89)。そして、操作部100のCPU110は、LCDパネル120に間もなく電源が切れるという表示を行う(ステップS90)。操作部100のCPU110は、LCDパネル120にあわせたLCD電源OFFシーケンスにしたがってLCDパネル120の電源をOFFする(ステップS91)。つぎに上記処理が完了すると、操作部100のCPU110は、コントローラ200のCPU210にLCDパネル停止処理が完了したことを通知する(ステップS92)。そして、コントローラ200のCPU210は、主電源遮断信号を電源制御回路320に送信し(ステップS93)、電源制御回路320より主電源321をOFFする(ステップS94)。
【0038】
(制御動作例2−2)
図9−1、2は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−2を示すフローチャートである。この制御動作例2−2は、前述した制御動作例1−2の図4−1、2に対してステップS110の制御動作を行うことが異なる。まず、前述した図8−1、2の制御動作のステップS81〜S86と同様に、電源供給状態からメカニカルスイッチ310のOFF時の電源シャットダウン処理表示、HDD保護処理開始を実行する(ステップS101〜S106)。
【0039】
続いて、操作部100のCPU110がコントローラ200のCPU210からエラーが送信されているか否かを判断する(ステップS107)。ここでエラーが送信されている場合、操作部100のCPU110からLCDパネル120にエラー表示画面もしくは対処方法を画面に表示させる(ステップS108)。一方、ステップS107においてエラーが送信されていない場合は、コントローラ200のCPU210がHDD220の保護処理が終了したか否かを判断する(ステップS109)。ここでHDDの保護処理が終了していなければ、エラー送信の確認とHDD220の保護処理が終了したかの検知を繰り返して実行する。一方、ステップS109において保護処理が終了した場合、コントローラ200のCPU210は、操作部100のCPU110との接続ポートを確認し、LCDパネル120の種類を操作部100のCPU110に通知する(ステップS110)。
【0040】
続いて、コントローラ200のCPU210は、操作部100のCPU110にLCDパネル120の停止処理を開始することを通知する(ステップS111)。その後、操作部100のCPU110がLCDパネル120に間もなく電源が切れるという表示を行う(ステップS112)。さらに操作部100のCPU110は、LCD電源OFFシーケンスに沿って順番通りにLCDパネル120の電源をOFFする。本構成ではLCDパネル120のちらつきを防ぐためにバックライトON/OFF信号よりバックライトを停止させ、その後、LCDクロック/データ(制御)信号を停止させた状態でLCD電源121をOFFする(ステップS113)。上記処理が完了すると操作部100のCPU110からコントローラ200のCPU210にLCDパネル停止処理が完了したことを通知する(ステップS114)。コントローラ200のCPU210は、主電源遮断信号を電源制御回路320に送信し(ステップS115)、電源制御回路320より主電源321をOFFする(ステップS116)。
【0041】
(制御動作例2−3)
図10−1、2は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−3を示すフローチャートである。この制御動作例2−3は、前述した制御動作例1−3の図5−1、2に対してステップS130の制御動作を行うことが異なる。まず、前述した図5−1、2の制御動作のステップS41〜S49と同様に、電源供給状態からメカニカルスイッチ310のOFF時の電源シャットダウン処理表示、揮発性メモリ保護処理を実行する(ステップS121〜S129)。
【0042】
続いて、コントローラ200のCPU210が操作部100のCPU110との接続ポートを確認し、LCDパネル120の種類を操作部100のCPU110に通知する(ステップS130)。その後、前述した図5−1、2の制御動作のステップS50〜S55と同様に、LCDパネル停止処理とその表示処理、LCDパネル停止処理、主電源OFFを行う(ステップS131〜S136)。
【0043】
(制御動作例2−4)
図11−1、2は、図7に示すように構成された画像形成装置の制御動作例2−4を示すフローチャートである。この制御動作例2−4は、前述した制御動作例1−4の図6−1,2に対してステップS153の制御動作を行うことが異なる。まず、前述した図6−1,2の制御動作のステップS61〜S72と同様に、省エネ状態からメカニカルスイッチ310のOFF時の電源シャットダウン処理表示、揮発性メモリ保護処理を実行する(ステップS141〜S152)。
【0044】
続いて、コントローラ200のCPU210は、操作部100のCPU110との接続ポートを確認し、LCDパネル120の種類を操作部100のCPU110に通知する(ステップS153)。その後、前述した図6−1,2の制御動作のステップS73〜S78と同様に、LCDパネル停止処理とその表示処理、LCDパネル停止処理、主電源OFFを行う(ステップS154〜S159)。
【0045】
図12は、画像形成装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。本図に示すように、この複合機は、コントローラ10とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ10は、画像形成装置全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部60には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0046】
コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM−P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM−C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ(NB)13とASIC16との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続した構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0047】
CPU11は、画像形成装置の全体制御をおこなうものであり、NB13、MEM−P12およびSB14からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0048】
NB13は、CPU11とMEM−P12、SB14、AGP15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0049】
MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとからなる。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0050】
SB14は、NB13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB14は、PCIバスを介してNB13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0051】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス15、PCIバス、HDD18およびMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース50が接続される。操作表示部20はASIC16に直接接続されている。
【0052】
MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0053】
AGPバス15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0054】
この実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、この実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、この実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0055】
また、この実施の形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。本実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、上述した画像形成装置各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から画像形成プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0056】
以上説明してきたように、上述した実施の形態では、画像形成装置にシャットダウン機能を設け、シャットダウンシーケンスをコントローラ200に持たせてHDD220の保護を最優先とする制御動作を行う。この制御動作間は、LCDパネル120に処理中であることを表示させ処理が終わったらLCDパネル120に電源がOFFされることを表示する。そして、正しいOFFシーケンスでLCDパネル120をOFFする。その後、コントローラ200のCPU210からシステム電源元に処理が終わったことを通知し、システム電源をOFFする。したがって、この実施の形態によれば、ユーザに不信感を与えずにシャットダウン処理を実行していることを通知し、電源が正常にOFFされることを通知し、また、シャットダウン処理中にエラーが発生した場合でも迅速に対応できるようにユーザに対応方法を通知することができる。また、LCDパネル120の保護処理もあわせて行うことでLCDパネル120の故障も防ぐことができる。
【符号の説明】
【0057】
100 操作部
110,210 CPU
120 LCDパネル
121 LCD電源
130,240 揮発性メモリ
150 USB HUB
200 コントローラ
211 シーケンステーブル
230 サブCPU
250 電源回路
300 PSU
310 メカニカルスイッチ
320 電源制御回路
321 主電源
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開2003−333748号公報
【特許文献2】特開2010−41307号公報
【特許文献3】特開2009−76155号公報
【特許文献4】特開2004−276588号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置各部を構成する少なくとも操作表示手段およびデータ記憶手段を含む複数のデバイスと、前記デバイスに対して主電源から電源を供給する電源供給手段と、前記装置の電源をオン/オフするためのメカニカルスイッチと、を有する画像形成装置であって、
前記メカニカルスイッチによる操作を受付けて、装置各部への電源供給/遮断の制御を実行する電源供給制御手段と、
電源遮断時における装置各部のシャットダウンシーケンスを記憶するシーケンス記憶手段と、
前記電源供給制御手段において電源遮断が発生した場合、前記シーケンス記憶手段に記憶してあるシャットダウンシーケンスにしたがって電源遮断時の処理を実行する際に、電源遮断時の処理を実行している旨を前記操作表示手段に表示する制御を行い、前記データ記憶手段のデータ保護処理および前記デバイス各部の停止処理を行った後に前記主電源を遮断する電源オフ時処理手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記電源オフ時処理手段は、電源遮断時においてエラーが発生した場合、前記操作表示手段にエラー表示および(または)エラー対処方法の画面を表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電源オフ時処理手段は、省エネモード中に前記メカニカルスイッチの操作によって電源遮断が行われた場合、前記操作表示手段に電源遮断時の処理を実行している旨を表示するとともに、データの保護処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作表示手段は、電源遮断時シャットダウンのシーケンスが異なり、接続ポートで接続される複数種の表示パネルを有し、
前記電源オフ時処理手段は、種類に応じた前記接続ポートを予め切り替えておくことを特徴とする請求項1、2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
装置各部を構成する少なくとも操作表示手段およびデータ記憶手段を含む複数のデバイスと、前記デバイスに対して主電源から電源を供給する電源供給手段と、前記装置の電源オン/オフするためのメカニカルスイッチと、を有する画像形成装置で実行される電源遮断時処理方法であって、
前記画像形成装置は、電源遮断時における装置各部のシャットダウンシーケンスを記憶するシーケンス記憶手段を備え、
電源供給制御手段が、前記メカニカルスイッチによる操作を受付けて、装置各部への電源供給/遮断の制御を実行する電源供給制御工程と、
電源オフ時処理手段が、前記電源供給制御工程において電源遮断が発生した場合、前記シーケンス記憶手段に記憶してあるシャットダウンシーケンスにしたがって電源遮断時の処理を実行する際に、電源遮断時の処理を実行している旨を前記操作表示手段に表示する制御を行い、前記データ記憶手段のデータ保護処理および前記デバイス各部の停止処理を行った後に前記主電源を遮断する電源オフ時処理工程と、
を含むことを特徴とする電源遮断時処理方法。
【請求項6】
装置各部を構成する少なくとも操作表示手段およびデータ記憶手段を含む複数のデバイスと、前記デバイスに対して主電源から電源を供給する電源供給手段と、前記装置の電源オン/オフするためのメカニカルスイッチと、を有するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは、電源遮断時における装置各部のシャットダウンシーケンスを記憶するシーケンス記憶手段を備え、
前記メカニカルスイッチによる操作を受付けて、装置各部への電源供給/遮断の制御を実行する電源供給ステップと、
電源遮断が発生した場合、前記電源供給制御ステップにおいて前記シーケンス記憶手段に記憶してあるシャットダウンシーケンスにしたがって電源遮断時の処理を実行する際に、電源遮断時の処理を実行している旨を前記操作表示手段に表示する制御を行い、前記データ記憶手段のデータ保護処理および前記デバイス各部の停止処理を行った後に前記主電源を遮断する電源オフ時処理ステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−192638(P2012−192638A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58851(P2011−58851)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】