説明

画像形成装置、そのプロセス制御方法、プログラム及び記録媒体

【課題】階調パターン数を可変とし、その時々に応じた最低限必要と考えられる階調パターン数を決定してプロセス制御を行うことにより、制御の安定性を保ちつつ、トナー消費量低減、及びプロセス制御時間短縮を実現する。
【解決手段】像担持体上にテスト用の階調パターン像を形成し、テストパターン検出装置によって前記階調パターン像の画像濃度(トナー付着量)を測定し、測定結果によって画像形成プロセス条件を変えて画像濃度を安定させる既知のプロセス制御を実施するが、特にプロセス制御発動時の各種要因情報に応じて、プロセス制御実行過程中で形成する前記階調パターン像の階調数を決定して、プロセス制御を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置に関し、詳しくは、トナー付着パターンのトナー付着量の検知結果に基づいてプロセス制御又はトナー濃度制御を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置は、感光体からなる像担持体を帯電器により均一に帯電させて、露光装置で潜像を形成し、この潜像を現像器により現像して、転写装置により転写紙などに転写している。
この種の画像形成装置においては、像担持体上の非画像領域にトナー付着パターンを形成し、このトナー付着パターンの濃度を光反射型フォトセンサによって検出し、その検出結果に応じてトナー補給装置から現像器へのトナー補給を制御するトナー濃度制御方式が従来から一般に利用されている。
このトナー濃度制御方式においては、例えば、光反射型フォトセンサの出力値のうち、像担持体上のトナー付着パターンに対する光反射型フォトセンサの出力をVsp、像担持体上のトナー非付着部に対する光反射型フォトセンサの出力値をVsgとすると、通常はVsp/Vsgが一定になるようにトナー補給制御を行う。トナー付着パターンのトナー付着量が少なくなるとVsp/Vsgが上昇し、現像器内の現像剤のトナー濃度が低いと判断されて、トナー補給装置から現像器へトナー補給が行われる。逆に、Vsp/Vsgが低い場合には、現像器内の現像剤のトナー濃度が高いと判断されて、トナー補給は行われない。これにより、現像器内のトナー濃度が一定に保たれる。
【0003】
このような、現像器内の現像剤のトナー濃度を検出するようにしたものとしては、例えば、特許文献1が挙げられる。その開示技術によれば、複数の像担持体と、各像担持体にそれぞれ互いに異なる色のトナーからなる複数色のトナー像を形成するトナー像形成手段と、各像担持体と対向する転写位置を移動する転写部材の表面又は該転写部材の表面に担持されて移動する記録材に、各像担持体に形成されたトナー像を転写する転写手段と、各像担持体に形成し該転写部材上に転写した複数色の画像調整用のトナー付着パターンそれぞれのトナー付着量を検知する複数の画像濃度検知手段と、該複数色のトナー付着パターンのトナー付着量の検知結果に基づいて、画像形成条件を変えるプロセス制御及びトナー補給量を変えるトナー濃度制御の少なくとも一方を行う制御手段とを備え、該複数の像担持体は、該転写部材の表面移動方向に並ぶように配置され、該複数の画像濃度検知手段は、該転写部材の表面移動方向と交差する方向に並ぶように配置された画像形成装置であって、装置本体の使用状態及び使用履歴の少なくとも一方を含む装置状態を認識する装置状態認識手段を備え、該装置状態の認識結果に応じて、上記転写部材上に転写して形成する複数色のトナー付着パターンの配列を切り替え、該トナー付着パターンの配列に応じて、上記複数色のトナー付着パターンの作像タイミングの順序を切り換えることを特徴とする画像形成装置を構成している。このように装置状態の認識結果に応じて、転写部材上に転写して形成する複数色のトナー付着パターンの配列を切り換えることにより、装置状態に応じて適切なトナー付着パターンの作成及びその画像濃度の検知が可能になる。従って、画像形成装置の装置状態に応じた最適なトナー付着パターンを形成して作像条件制御を実行できる、とされている。
【0004】
また、特許文献2においては、感光体に作成された基準トナー像の濃度を光学的に検出する濃度検出手段を有し、その検出結果に基づいて電子写真プロセスの各部を制御して形成画像の画質を安定化させる。電子写真装置のプロセス制御装置において、複写のための複数のトナー像のそれぞれの間に基準トナー像を作成し、濃度検出手段による。複数の検出結果に基づき、電子写真プロセスの各部を制御する情報処理手段が設けられ、上記情報処理手段は、電子写真プロセスの各部を制御する場合、各プロセスの制御値の変化が、予め設定された所定値を越えたとき、連続した複写における大きな画質変化を防止するよう上記制御値の変化を段階的に順次変化させるようになっていることを特徴とする電子写真装置のプロセス制御装置が開示されている。この開示装置では、プロセス制御が、画像形成のための各トナー像作成時間の間を利用して行われるので、ジョブ効率の劣化が回避される。また、基準トナー像から得られた制御データは、直ちに、画像のためのトナー像形成に活用されるので、プロセス制御の精度が向上する。その上、上記構成では、情報処理手段は、電子写真プロセスの各部を制御する場合には、段階的に制御するように構成されているので、複数の画像形成における大きな画質変化を防止することができる。したがって、大きな画質変化を回避して、複写機の使用者に対する違和感を軽減できるとされる。
【0005】
一方、感光体の経時的な感度劣化や複写機本体の使用環境による感度変化等によって一定の帯電・露光・現像等の作像条件では画像が安定しないため、電位センサ等によって感光体表面電位を検出するようにし、その検出結果に基づいて前記作像条件を制御することで画質の安定化を図ることも一般的に行われている。
例えば、特許文献3では、プリント枚数を記録される不揮発性メモリと、感光体ドラムと、トナー収納部と、現像ローラが一体となり、前記感光体ドラムの表面電位を検知する表面電位センサと、前記感光体ドラム上に形成された検出パターンのトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、前記トナーカートリッジ内のトナー量を検知するトナーエンドセンサと、を有する着脱可能なトナーカートリッジと、前記感光体ドラムに帯電電圧を与える帯電印可手段と、前記現像ローラに現像電圧を与える現像電圧印可手段と、前記表面電位センサにより検知された表面電位および前記トナー濃度センサにより検知されたトナー濃度が所定の値となるように帯電出力設定および現像出力設定を調整して画像出力を最適化する画像調整プロセス手段と、を有し、前記画像調整プロセス制御手段は、前記プリント枚数が所定の値となる毎に画像調整プロセスモードを実行し、調整後の出力値を前記トナーカートリッジ上の前記不揮発性メモリに記録するようにした画像形成装置が提案されている。また、更には、前記不揮発性メモリは、前記プリント枚数とともに前記帯電出力設定値及び前記現像出力設定値の記録を行い、前記画像調整プロセス制御手段は、予測された出力変動量との差異に基づき、前記画像調整プロセスモードを実行する周期を選択して行うことも同文献で提案されている。但し、電位センサは比較的に高価なものであり、高級機種以外にはあまり搭載されない。
【0006】
なお、前掲の特許文献2には、基準トナー像の濃度を検出する以外にも温度にも着目した装置についても提案されている。すなわち、請求項2にも記載されているように、プロセス制御装置として、感光体に作成された基準トナー像の濃度を光学的に検出する濃度検出手段を有し、その検出結果に基づいて電子写真プロセスの各部を制御して形成画像の画質を安定化させる電子写真装置のプロセス制御装置において、電子写真装置内部の温度を検出する内部温度検出手段が設けられる一方、内部温度検出手段による検出温度が、前回の電子写真プロセスの各部の制御時における検出温度に対して設定値以上の差であれば、再度、電子写真プロセスの各部を制御する頻度制御手段が設けられていることを特徴とする電子写真装置のプロセス制御装置を提案している。これにより、電子写真装置内部の温度変化に対応してプロセス制御が実施される。このため、少ない頻度でプロセス制御することができ、かつ大きな画質変化を防止することができる。したがって、トナー消費量の増大を防止すると共に、プロセス制御の精度が向上し、画像形成における最適化を図ることができるとされている。
以上のように、画像形成装置の状態に応じてプロセス制御の内容を変化させるという公知例はそれなりにあるが、階調パターンのパラメータを変化させるという点に着目すると、特許文献1に示されている程度であり非常に少ない。元々、プロセス制御に使用する階調パターン数が少ない画像形成装置も市販されているが、階調パターン数は固定されていて不変であって、状況に応じて変化させるものではない。階調パターン数が少ない状態で固定されていると、現像特性が典型値から大きくずれている場合には、現像特性測定を適切に行うことができず、結果としてプロセス制御が失敗に終わる可能性がある。
【特許文献1】特開2006−251406公報
【特許文献2】特許第3219882号
【特許文献3】特開2003−84513公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願は上述した実状に鑑みて創案されたものであり、定期的に感光体の表面電位や画像濃度を検出して、適正値となるように、帯電や現像の出力を調整してプロセス制御の最適化を図るが、通常は多階調パターンを利用した現像特性測定によって正確なプロセス制御を行う一方、現像特性があまり変動していないと推察される状況においては、少ない階調パターンによるプロセス制御により、プロセス制御の正確性を保ちつつ、トナー消費量の低減、及びプロセス制御時間の短縮、を実現することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、像担持体上にテスト用の階調パターン像を形成し、テストパターン検出装置によって前記階調パターン像の画像濃度を測定し、測定結果によって画像形成プロセス条件を変えて画像濃度を安定させるプロセス制御を実施している、電子写真方式の画像形成装置において、プロセス制御発動時の各種要因情報に応じて、プロセス制御実行過程中で形成する前記階調パターン像の階調数を決定して、プロセス制御を実行することを特徴とする。
このように、階調パターン数を可変とし、その時々に応じた最低限必要と考えられる階調パターン数を決定してプロセス制御を行うことにより、従前の階調数固定で多階調パターンを用いるプロセス制御と比較して、制御の安定性を保ちつつ、トナー消費量低減、及びプロセス制御時間短縮、が実現できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、階調数を決定する際の前記要因情報として、プロセス制御発動のトリガ情報を用いることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、階調数を決定する際の前記要因情報として、前回のプロセス制御実行時からの経過時間情報を用いることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、階調数を決定する際の前記要因情報として、プロセス制御発動時の湿度情報を利用することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、階調数を決定する際の前記要因情報として、前回のプロセス制御実行時からの湿度履歴情報を利用することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の画像形成装置において、現像装置近傍に湿度センサを設置したことを特徴とする。また請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成装置において、前記湿度センサを現像装置内部に配設したことを特徴とする。
【0010】
請求項8に記載の発明の方法は、像担持体上にテスト用の階調パターン像を形成し、テストパターン検出装置によって前記階調パターン像の画像濃度を測定し、測定結果によって画像形成プロセス条件を変えて画像濃度を安定させるプロセス制御を行っている、電子写真方式の画像形成装置のプロセス制御方法であって、プロセス制御発動時の各種要因情報に応じて、形成する前記階調パターン像の階調数を決定し、該階調数の前記階調パターン像をプロセス制御実行時に形成し、当該する階調パターン像の画像濃度測定結果に基づいてプロセス制御を行い画像を形成することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、画像形成装置のプロセス制御プログラムであって、コンピュータに請求項8に記載の各手順を実行させるためのプログラムである。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、階調パターン数を可変とし、その時々に応じた最低限必要と考えられる階調パターン数を決定してプロセス制御を行うことにより、制御の安定性を保ちつつ、トナー消費量低減、及びプロセス制御時間短縮を実現することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るプロセス制御が搭載される画像形成装置の概略図の一例である。タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。システムとしては4連タンデム型中間転写方式のフルカラー機として描かれているが、これは電子写真方式の画像形成装置の代表例として描いているだけであり、4連タンデム型直接転写方式や1ドラム型中間転写方式などのフルカラー機でも良いし、直接転写方式のモノクロ機でも良い。
【0013】
本実施形態の画像形成装置の構成および画像形成過程について、図1を参照しながら詳細に説明する。
図1において、複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図1では、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体(中間転写ベルト)50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置(定着ユニット)25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
【0014】
次に、図1に示す構成のタンデム画像形成装置を用いたフルカラー画像の画像形成動作(カラーコピー動作)について説明する。先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押しプリント開始命令が入力されると、感光体10周辺・中間転写ベルト50周辺・給紙搬送経路等にある各ローラが既定のタイミングで回転し始める。原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
【0015】
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図2に一部(画像形成手段2つ分)を拡大して示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、を備えており、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像用に前記感光体を露光(図2中、L)する。
すなわち、各感光体10は、帯電器(帯電チャージャ)60によってその表面を一様な電位に帯電される。感光体10を平均的に帯電させる帯電手段としての帯電器60としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の接触帯電方式あるいは近接帯電方式が使用可能である。
【0016】
ここで、接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。また、近接帯電方式とは、例えば、帯電ローラが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、空隙は10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
【0017】
次に、均一に帯電された感光体10上には、露光装置21(書込ユニット)から照射される書込光によってその表面を画像データに従って露光され静電潜像が形成される。画像露光装置21の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
【0018】
露光された後の電位パターンを静電潜像と呼ぶが、この静電潜像をその表面に担持した感光体10は、静電潜像を可視化するための現像装置(現像ユニット)40からトナーを供給されることにより、担持している静電潜像を特定色に現像される。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。図においては感光体が四色分あるので、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(色順はシステムによって異なる)のトナー像が各感光体上に現像されることになる。
このために、前記感光体上に形成された静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えている。そして、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。
【0019】
こうして感光体10上に形成(現像)されたトナー像(該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像)は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50(中間転写ベルト50)との接点において、感光体10に対向して設置された一次転写ローラに印加される一次転写バイアス、及び押圧力によって、それぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、中間転写体50上に順次転写(一次転写)される。そして、この一次転写動作をタイミングを合わせながら四色分繰り返すことにより、中間転写体(中間転写ベルト)50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(フルカラートナー像)が形成される。
【0020】
一方、下部の給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙トレイからシート(記録紙)の給紙が開始される。給紙カセット144の1つからシートを繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出す、そして、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該搬送されてくるシート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。この時、二次転写ローラに印加される二次転写バイアス、及び押圧力によって二次転写が行われる。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
【0021】
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、フルカラートナー像を転写された記録紙は、定着装置(定着ユニット)25を通過することにより、熱と圧力とにより表面に担持している前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に加熱定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
すなわち、片面プリントならばそのまま直線搬送されて排紙トレイへ、両面プリントならば搬送方向を下向きに変えられ、シート反転装置28(用紙反転部)へ搬送されていく。シート反転装置28へ到達した記録紙は、ここで搬送方向を逆転されて紙の後端からシート反転装置28を出て行く。これをスイッチバック動作と呼び、この動作によって記録紙の表裏を反転させることができる。表裏反転された記録紙は定着ユニット方向には戻らず、再給紙搬送経路を通過して本来の給紙経路に合流する。この後は表面プリントの時と同じ様にトナー像を転写されて、定着ユニット部を通過して排紙され排紙トレイ57上にスタックされる。これが両面プリント動作である。
【0022】
各部の動作を最後まで説明すると、一次転写部を通過した感光体はその表面に一次転写残トナーを担持しており、この残トナーはブレード及びブラシ等で構成された感光体クリーニングユニット部(中間転写体クリーニング装置17)において除去される。その後、除電器64部に備わるQL(クエンチングランプ)によってその表面を一様に除電されて次の画像の為の帯電に備える。また、二次転写部を通過した中間転写ベルトに関しても、その表面に二次転写残トナーを担持しているが、こちらもブレード及びブラシ等で構成された中間転写体クリーニング装置17によってこれを除去され、次のトナー像の転写に備える。この様な動作の繰り返しで、片面プリント若しくは両面プリントが行われる。
ちなみに、本発明に係る画像形成装置としては、トナー画像形成のための主要部をプロセスカートリッジとして形成しても良い。このような形態についても説明すると、前記電子写真感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成する。また、帯電器、像露光器、現像器、転写分離器、及びクリーニング器から選択される少なくとも1つを電子写真感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としてもよい。
【0023】
上記したようなこの種のプロセスカートリッジは、例えば、図3に示すように、感光体316を内蔵し、帯電手段317、露光手段319、現像手段320、クリーニング手段318、転写手段(不図示)、除電手段(不図示)を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
この場合、前記現像手段としては、トナー乃至現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。このようなプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱自在に備えさせることができ、上述した本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
【0024】
図3に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体316は、矢印方向に回転しながら、帯電手段317による帯電、露光手段319による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段320でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(不図示)により、記録媒体に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段318によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
このように、電子写真感光体と、このような電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段などのその他の手段を具備した上述した如きのプロセスカートリッジを採用した構成とすることができる。
【0025】
続いて、図1に示した本実施形態の特徴点について詳細に説明する。実施形態装置にても、既述した画像形成過程において画像濃度を安定させるために、像担持体上の非画像領域にトナー付着パターン(階調パターン)を形成し、このトナー付着パターンの濃度を光学センサによって検出し、その検出結果に応じてトナー補給装置から現像器へのトナー補給を制御しているが、特に、形成する階調パターン(検知パターン)の階調数を可変とし、プロセス制御発動時の各種要因に応じて形成する階調数を決定するようにプロセス制御を行っている。
先ず、階調パターン(像)を用いたプロセス制御について説明する。図4は、(図示を省略した適宜の処理電気回路部と協働して)階調パターンを検知するためのテストパターン検出装置を構成している光学センサ500の構成(接続線は省略)及び、階調パターンが形成される像担持体(中間転写ベルト)50上の配置を示した構成例である。この構成例では、階調パターンが形成される像担持体は中間転写ベルト50であり、この中間転写ベルト外周面に対向してトナー付着量を測定する光学センサ500が設置されている。光学センサ500は、1枚単一のセンサ基板500aにセンサヘッド500bが4個並べて設置された構成となっており、フルカラー機の各色専用にセンサヘッドが設置されているタイプのものである。
【0026】
なお、この構成以外にも後で詳述するように、センサヘッドを1個のみ配置して、各色パターンの全てを中間転写ベルト50上で幅方向同一位置に順に形成するようにして、これら全てを1個のセンサヘッド500bで読み込むタイプの構成も考えられる。もちろん、対象がモノクロ専用機の場合であれば、ブラックについてのみ測定できれば良いので、センサヘッド500bは1個の形式となる。像担持体としては、中間転写ベルト50の他にも、感光体10や転写搬送ベルト(直接転写方式で、タンデムフルカラー機の感光体列に対向して紙を搬送するための搬送ベルト)とする場合等が考えられるが、特にこれら構成のみに限定されるものではない。
【0027】
図5は、中間転写ベルト50上に形成される階調パターン(検知パターン)の例を示すために、図4に示した構成を真上から見た状態を示した図である。センサヘッド500bが各色専用に4個設置されているので、各々に対応させて、ベルト上幅方向位置に、M、Y、C及びKの各色毎に10階調のパターンを形成している。階調パターン数は、機種毎に違う数を採用する場合もあるが、通常はだいたい10階調程度が標準的な階調数である。これは、環境変動や経時劣化などの影響を受けて現像特性がある程度変動した場合においても、低濃度部から高濃度部までの画像濃度を持つパッチパターンを確実に作成できて、現像特性の特徴量として利用している現像γ値をきちんと算出できるようにするためである。市販装置には色々な機種があり、機種によっては少階調(4〜5階調程度)で現像特性を測定しているものも見受けられるが、現像特性のロバスト性が低い場合は、毎回同じ最多階調の現像ポテンシャルを持つ階調パターンを作ったとしても、現像した階調パターンの濃度領域が高濃度側若しくは低濃度側に偏ってしまう場合がある。この様な場合には、充分なハーフトーン部のデータが集められず、ハーフトーン部の測定データを利用して計算する現像γ値が正確に算出できなくなってしまう恐れがある。この様に現像特性が変動した場合においても、階調パターンとして形成された画像濃度領域の範囲に必ずハーフトーン部が含まれるようにするため、10階調分の階調パターンが必要となるのである。この考え方は、後述する各色共通センサヘッドの場合(図15参照)の階調パターン例でも全く同じである。この例では、フルカラーに対してセンサヘッドが1個であるため、各色階調パターンをシリアルに形成している状態である。
【0028】
プロセス制御実行時に形成する階調パターンの階調数を可変とする場合(請求項1参照)には、図5、図15に示す10階調パターンの数を場合によって変更するということである。基本的には、デフォルトでは最も多い多階調パターン(例えば10階調)でのプロセス制御を原則的に行い、プロセス制御開始時(厳密には所定の時間間隔で繰り返される状態確認動作時の階調パターン形成処理開始時を含む概念)に、各種要因から現像特性の変動が小さいと判断できれば、階調パターン数を減らすというやり方となる。
図5のデフォルト状態の場合から、階調パターン数を減じた場合の対応する階調パターン形成例を、図6の(a)、(b)各図に示す。図6(a)は、階調パターン数を5個に(すなわち、階調数を5に)減じた場合の一例で、図5と同じ階調度(濃度の程度)の階調パターンは、図5に対応した同じ搬送方向位置に形成している。図6(b)は、同じく階調パターン数を5個に(すなわち、階調数を5に)減じた場合の他の例で、図6(a)と同じ階調度(濃度の程度)の階調パターンを、搬送方向位置を詰めに形成している。なお、階調数を減じるに当たって形成する階調パターンの階調程度は、等間隔に決定する必要はないし(いわばリニアにしなくても良い)、また、階調度の範囲のうち一部のみを採っても良い。例えば、濃度範囲の上下限を採用せず中央部のみを使い階調パターンを形成しても良い。要は、実効あるプロセス制御を行える階調パターンが形成され評価されれば足りる。
このように、“階調パターン数を減らす”ことで、トナー消費量が減り、プロセス制御に要する時間が短くなるというメリットがある。但し、その反面、現像特性が変動した場合に現像γ値が正確に算出できなくなってしまう恐れが出てくる。
【0029】
図7に、現像γ値算出のイメージを示す。現像γ値を算出する際に形成する階調パターンは、アナログ階調パターンが一般的である。通常プリントされる画像は、デジタル的に画像が書き込まれているデジタル画像であるが、パッチパターンとしてのアナログ階調パターンは、書き込まれた画像は各階調で全く同じ(全ベタ)で、現像能力を順次切り替えていくことによって、現像されるパッチパターンの画像濃度を変えていくという手法で形成される。現像γ値は現像能力を表す指標であるため、通常この様な階調パターン作成方法が用いられている。現像能力を切り換えるというのは、具体的には現像バイアスを切り換えていくことが多いのであるが、現像バイアスを切り変えた時に変わる静電的な現像能力のことを現像ポテンシャルと言う。図7の横軸はこの現像ポテンシャルであり、縦軸は光学センサで読み取られたトナー付着量である。アナログ階調パターンで10階調のパターンを作成すると、図7に示す様な10個のプロットが取れることになる。
【0030】
画像形成装置で出力される画像の画質判定にはいくつかの指標があるが、ハーフトーン部分の階調再現性もその一つである。よって、ハーフトーン部のプロットから近似直線を算出し、その傾きを取り、これを現像γ値として現像能力の指標値としている。この値が大きすぎる(直線部の傾きが急すぎる)と、僅かな現像ポテンシャル変動で画像が濃くなったり薄くなったりするので、ハーフトーン部の再現能力としては低いということになる。逆にこの傾きが緩やかすぎると、ハーフトーン部は微妙な濃度差を再現できるようにはなるが、ベタ濃度が足りなくなるという問題が出てくる。つまり、現像γ値は大き過ぎても小さ過ぎても問題が出るため、ある範囲内に収まっているのが良いということになる。
【0031】
図8に、現像特性が変動した場合の、現像γ値算出に対する影響を示す。現像特性は、主に現像剤や感光体の劣化、環境変動の影響、等によって経時的若しくは一時的に変化する。典型的な現像特性が点線グラフ(a)だとした場合、例えば現像剤の帯電量が低くなって現像能力が過多になった場合、現像特性は図中で左方の点線グラフ(b)の方向にシフトする。逆に現像能力が低下した場合、現像特性は右方の点線グラフ(c)の方向にシフトする。このシフト自体は、電子写真プロセスを用いている限りはなくすことはできず、大小の差はあれ仕方のないことである。プロセス制御とは、この様に変動する現像特性の影響をキャンセルする制御ということになる。この図中には、図7中に示したのと同じように、10階調パターンを読み取った時の10点のプロットを点線グラフ(a)上に示している。現像特性がシフトした場合、同じように10階調のアナログパターンを測定した時のそれぞれ10点のプロットを、点線グラフ(b)上と点線グラフ(c)上に示してある。10階調パターンで現像特性を測定していれば、この図に示す様にハーフトーンの略直線勾配部分に数点のプロットが含まれるため、現像特性がある程度の範囲で変動しても現像γ値を算出するのにほぼ支障は来さない。
【0032】
これに対して、階調パターン数を3とした場合をプロットした図を図9に示してある。この場合は、典型的な現像特性である点線グラフ(a)の場合には全プロットがハーフトーン部の直線部分に乗っているが、現像特性が変動した場合(点線グラフ(b)、点線グラフ(c)の場合)は、3点プロットのうち1点が直線部から外れている。このまま3点で直線近似すると、傾きである現像γ値にかなり誤差が含まれることになる。よって、直線部分に乗っている2点で傾きを算出すべきであるが、2点で算出するとそれだけで誤差が大きくなるし、3点のデータしかないとそもそも2点を選ぶことさえ難しい(図9の点線の様に前もって現像特性が分かっている訳ではないので、3点データがばらついている場合に、本来は直線に乗っているべきだが誤差でばらついているのか、現像特性の変曲点に差し掛かった結果ばらついているのか、判断が難しい)。
【0033】
上述の様に、階調数を少なくすると算出される現像γ値に誤差が含まれる可能性が大きくなるので、極力これを抑えるに工夫が必要となる。この問題を回避するために、階調数の減らし方を控えめにした場合を示すのが図10である。階調数6としてあるが、現像特性が点線グラフ(b)の様にずれた場合でも、点線グラフ(c)の様にずれた場合でも、ハーフトーンの直線部分に3点程度のプロットが乗っている。6点のデータがあれば、データが誤差でばらついているだけなのか、変曲点に差し掛かった結果歪んでいるのかも判断が付けやすくなる。
この様に、現像特性のずれ方が比較的大きいと推測される場合には、多めの階調パターン数を選択し、ほぼ現像特性がずれていないだろうと推測できる場合には、階調数が3でも特に支障なく現像γ値が測定できることになる。本願発明の最たる特徴点は「階調数自体を可変とすること」であり(請求項1参照)、実施形態では、階調数を選ぶために「現在の現像特性を推測する」ようにしている。具体的方法(請求項2以下の従属請求項に対応)のいくつかを以下に説明する。
【0034】
階調数を決定する際の要因情報(一連の階調数決定処理過程を開始する条件)として、プロセス制御発動のトリガ情報(トリガ発生の種類を示す情報、すなわち、電源ON時、規定枚数処理後、規定時間経過時、等の区分)を用いるようにする。具体的には以下のような制御がなされる。プロセス制御発動のトリガ情報によってその時点でのマシン状態が推察できるため、適切な階調パターン数の選択が可能となる。
上述説明中での、階調数を決定する際の要因情報(一連の階調数決定処理過程を開始する条件)として、プロセス制御発動のトリガ情報(電源ON時、規定枚数、規定時間等)を用いるようにする(請求項2参照)。この場合の、プロセス制御全体のフローチャートを図11に示す。
プロセス制御開始直後に、まず開始トリガの判断分岐がある(S10)。プロセス制御の開始トリガとしては主に、1.)電源ON時、2.)規定枚数プリント時、3.)規定時間放置時、が考えられるので、それぞれに対応して多階調を選択(S11)、中階調を選択(S12)あるいは少階調を選択(S13)する。ここでは上記3種類を例に挙げているが、他にもあれば分岐が増えることになる。この3種類の中で、“2.)規定枚数プリント時”というのはプリント動作中に発生するものである。この場合、画像形成装置のCPUがトリガを認識してから実際にプロセス制御が発動する迄には、若干のタイミングのずれがあるはずだが(プリント中なのでジョブエンドまで待つ、タイミングを計ってプロセス制御を分散実行する、等という制御上の都合があるため)、基本的にはプリントジョブに引き続いて行われると考えて良い。よってこの場合、画像形成装置はオフィスが稼働している状態で使用中であると考えられるため、オフィスの空調によって環境条件が安定している可能性が高く、またプリントジョブ実施に引き続いて行われることになるので、現像剤も充分に撹拌されて帯電量が立ち上がって安定している状態である可能性が高い。よって、現像特性としては安定している状態と考えられるため、少階調パターンでハーフトーン部の直線領域を測定できる可能性が高いのである。なお、階調パターンを作成する時の現像ポテンシャル値は、10階調パターンだと固定値とするのが通常であるが、少階調パターンだと前回のプロセス制御時にハーフトーン部の直線領域に該当する現像ポテンシャル値を狙って行った方が、より確実に現像γ値を測定できることになる。次に“3.)規定時間放置時”というのはプリント動作終了後、マシン電源がONのまま放置されている状態で発生するトリガである。プリント動作終了後に一定時間が経過していることになるので、現像剤の帯電量は若干放置低下していることが考えられる。しかし、マシン電源がONされている状態なので、オフィスが稼働時間中である可能性が高く、空調の稼働している時間帯であると考えられる。よってマシンの周辺環境は安定しているため、現像特性としては割と安定している状況にあると考えられる。“2.)規定枚数プリント時”と比較すると、現像特性の変化度合いは少し大きい可能性があるので、中階調パターン(例えば6階調パターン)を選択して、ハーフトーン部の傾きを測定するのに少し余裕度を持たせるのが良い。一方“1.)電源ON時”は、通常は朝一の電源ONであると考えられ、電源OFF中の装置周辺環境が大きく変動している可能性がある。オフィスの空調も夜間は停止していると考えられるので、例えば梅雨時や夏の夜間などは、オフィス内の湿度がかなり上昇することも考えられる。この様な場合、現像剤がかなり影響を受けて現像特性が大きく変化する可能性があるので、多階調パターン(例えば10階調)を選択してパターンを多く作成することによって、ハーフトーン領域部の画像濃度を得ようとするものである。
【0035】
この様にして階調数を選択(S11、S12、S13)した後は、形成した階調パターンのトナー付着量を検知して(S14)、現像γ値を算出し(S15)、その後場合によっては(算出結果に応じて)トナー濃度制御を行い(S16)、それから予め用意された電位テーブルから作像条件を決定して(S17)、プロセス制御動作を終了する。上記の起動時のプロセス制御動作以降に装置稼動中に適時プロセス制御が行われるが、この通常のプロセス制御の場合には、図示は省略するが、階調パターン数が既に決定されており固定なので、図11の処理の冒頭の条件分岐部(S10、S11、S12、S13)が無いフローチャートになり、トナー付着量の検知からの処理過程が実行される。
【0036】
プロセス制御発動のトリガとしては、既に述べたように、主に1.)電源ON時、2.)規定枚数プリント時、3.)規定時間放置時、がある。この中で“2.)規定枚数プリント時”は、プリント動作中でのプロセス制御発動となるため、現像剤は撹拌されて帯電量が立ち上がった状態で安定していると考えられる。よって、現像特性もある範囲内で安定していると考えられ、このように推察される現像特性に対応させて少階調パターンを選択することにより、必要以上に多くのパターンを打たなくても現像γ値算出に必要なハーフトーン領域の階調パターンを形成できる。また、“3.)規定時間放置時”は、プリント動作終了後の放置時間が一定時間以上経過した場合であり、電源ONのままの放置であるため周辺の湿度変動も大きくないと考えられ、現像特性もある程度の範囲内で安定していると考えられる。よって、“2.)規定枚数プリント時”ほどではないものの、推察される現像特性範囲に合わせた、少なめの階調パターン数での現像特性測定で充分な結果が確保できる。これに対して“1.)電源ON時”は電源OFFから立ち上げる時の状態であり、電源OFF中の放置時間や周辺環境の保証はない状態である。よって、現像剤の帯電特性が大きくずれている可能性があり、多階調パターン(最大階調数、実施形態では10階調)によってハーフトーン領域のパッチを確保する必要が出る。少階調、多階調に関わらず、両端の階調を覗いたハーフトーン領域の階調パッチを数点形成すれば、実用上充分な精度で現像特性の指標値である現像γ特性が算出できる。
【0037】
このように、本実施形態装置においては、上記の指針に従ってプロセス制御を実行することで、プロセス制御発動のトリガ情報によってその時点でのマシン状態が推察できるため、適切な階調パターン数の選択が可能となっており、その時々に応じた最低限必要と考えられる階調パターン数を決定してプロセス制御を行うことにより、制御の安定性を保ちつつ、トナー消費量低減、及びプロセス制御時間短縮を実現している。
階調数を決定する際の要因情報として、前回のプロセス制御実行時からの経過時間情報を用いることができるようになっている(請求項3参照)。すなわち、プロセス制御は既に説明した様な各トリガで発動するが、どのトリガで発動したかに関わらず、以前に行われたプロセス制御からの経過時間が短ければ、前回の現像特性に合わせて設定した作像条件が、現在の現像特性からずれている可能性は低く、反対に経過時間が長くなれば徐々に色々な条件が変化するため、ずれている可能性が高くなる。典型的には、電源ON時のプロセスコントロールでこの経過時間を判断材料にするようにし、もしも経過時間が長ければ多階調パターンによるプロセス制御を行うが、経過時間が短ければ少階調パターンによるプロセス制御を行うというように場合分けすることができる。
【0038】
この経過時間に応じた階調数決定の場合のフローチャートを図12に示す。本例は図11のトリガ情報による条件分岐部分(S10〜S13)を経過時間に置き換えたものとなっている。既に述べた様に、現像特性の変動は現像剤や感光体の劣化及び環境条件の変動等によって生じるが、前回のプロセス制御実行時からの経過時間が長くなるほど、現像特性が変化している可能性が高くなり、前回選択した作像条件が現状に合わなくなっている可能性が増えてくる。よって、前回プロセス制御実行時からの経過時間xを評価して(S20)、経過時間が短くて現像特性の変化が少ないと予測される場合(S23)は少階調パターン(例えば3階調)を、逆に経過時間が長くて現像特性の変化が大きくなっている可能性がある場合(S21)は多階調パターン(10階調)を、中程度の経過時間であれば中階調パターン(例えば6階調)を選択(S22)するという方法である。現像特性の変化度合いと、階調パターン数の選択のコンセプトは既に述べた通りである。上記のように制御すれば、少階調パターンが選択された場合に、トナー消費量低減、プロセス制御時間短縮、に繋がるとの効果がある。ちなみに、この他にも、図11中のトリガ情報による条件分岐の後に、この経過時間による条件分岐を入れるという制御方法とすることも考えられる。
【0039】
階調数を選択した後は、図11で示したと全く同様に、形成した階調パターンのトナー付着量を検知して(S14)、現像γ値を算出し(S15)、その後場合によっては(算出結果に応じて)トナー濃度制御を行い(S16)、それから予め用意された電位テーブルから作像条件を決定して(S17)、プロセス制御動作を終了する。
更には、階調数を決定する際の要因情報として、プロセス制御発動時の湿度情報を利用するようにしても良い(請求項4参照)。画像形成装置内外の湿度環境は、電子写真方式の画像形成装置にとって大きな影響がある。湿度は主に乾式現像剤の帯電特性に影響を与えるため、プロセス制御発動時に湿度情報を参照することにより、現像特性を予めある程度予測できる湿度が中湿範囲内(例えば40%RH〜60%RH)ならば、現像剤の帯電特性が典型値に近いと考えられるため、現像特性が典型値から大きくずれている可能性は低く、少階調パターンを選択できる湿度が低湿又は高湿(例えば40%RH以下、若しくは60%RH以上)ならば、現像特性が典型値から逸脱している可能性があるため、多階調パターンを選択して、ずれた現像特性であっても現像γ値が算出できるようにする。
【0040】
この場合のフローチャートを図13に示す。これも概略は、図11の条件分岐部が置き換わって異なるだけである。湿度は、特に現像剤の帯電特性に大きく影響を与え、湿度が高いと帯電量が低下してしまう。逆に湿度が低いと帯電量が通常より大きくなってしまう。従って、現在の湿度hを評価して(S30)、湿度条件が良い場合(A%RH<h≦B%RH(hは湿度):例えば40%RH<h≦60%RH)は、現像特性変動が小さいと予測することができ対応して少階調パターン(例えば3階調)を選択する(S33)。逆に湿度条件が悪い場合(h≦A%RH或はB%RH<h:例えばh<40%RH或は60%RH≦h)は、多階調パターン(例えば10階調)を選択するようにして(S31)、標本とする画像濃度領域を広く取る。このように、現在の湿度環境が中湿程度であれば少階調パターンを選択し、高湿若しくは低湿環境であれば多階調パターンを選択するのである。階調数を選択した後の、(S14)〜(S17)の処理過程は、図11或は図12で示したと全く同様にして作像条件を決定して(S17)プロセス制御動作を終了する。
この様に、湿度条件によってパターン数を変更することにより、プロセス制御の安定性を確保しつつ、少階調パターン選択の場合には、トナー消費量低減、プロセス制御時間短縮、の効果を得ることができる。
【0041】
更には、上記「湿度情報」に替えて「湿度履歴情報」と置き換えた制御を行うことが考えられる(請求項5参照)。湿度の影響を受けるのは主に現像剤であるが、現像剤は微粒子粉体であるため、水分を取り込んだり吐き出したりする性質を持っている。また、一度水分を取り込んだ現像剤は、元のその水分を吐き出しきるまでにはかなり時間がかかる。つまり、一度高湿環境下に晒された現像剤は、元の帯電性能を回復するまでにはかなり時間がかかるということである。現像剤がこの様な性質を持っているので、単にプロセス制御発動時の湿度情報のみではなく、前回のプロセス制御発動時から今回のプロセス制御発動時までの湿度情報履歴を考慮することにより、より正確に現在の現像特性を推測できることになる。
【0042】
すなわち、この制御は、主に電源OFF中の環境変動を想定したものであって、電源ON時の立ち上がりプロセスコントロールへの反映を行う。ここに、電源ON中においては、オフィス内の空調が常に動いている状態と考えられるので、画像形成装置周辺の湿度環境は中湿程度で安定している確率が高いが、電源OFF中はオフィス内の空調が停止している状態(社員帰宅後の夜間)と考えられるので、季節によっては大きな湿度変動が発生する。例えば一度高湿環境において吸湿した乾式現像剤は、周辺環境が中湿となった後も、吸湿した影響がなくなるまでにはかなり時間がかかる。よって、電源ON時プロコン発動時には中湿環境であっても、放置時間中に高湿環境に陥っていた場合などは、現像特性が大きく影響を受けている場合がある。この様な場合は、多階調パターンを用いて現像γ値をきちんと算出し、その結果に応じてポテンシャル調整又はトナー濃度制御等で補正する。湿度履歴が大きく変動していない場合は、現像剤特性が大きく変化している可能性は低いため、少階調パターンのプロセス制御が選択可能である。
【0043】
この様に湿度履歴情報を考慮した場合のフローチャートを図14に示す。この例の条件分岐(S40)は単純な条件分岐としており、1.)ずっと中湿環境、2.)中湿環境から外れた時間が少ない、3.)中湿環境から外れた時間が多い、という分け方に対応するもので、1.)の場合に多階調数を(S41)、また、2.)の場合に中階調数を(S42)、そして3.)の場合に少階調数を選択する(S43)。この様な単純な分け方でも良いし、もっと細かく数段階に湿度条件を分けても良いし、経過時間に基づく条件を更に細かく分けても良い。また、一度中湿環境から逸脱していたが中湿環境に戻った場合に、パラメータとして、中湿環境に復帰してからの経過時間を用いるようにしても良い。履歴情報なので、条件分岐の作り方は様々に考えられる。本発明においては、特にその分け方(分岐条件)まで限定する必要はない。階調数を選択した後の、(S14)〜(S17)の処理過程は、図11或は図12で示したと全く同様であり説明を省略する。
上記のように、“湿度情報”に替えて“湿度履歴情報”を用いるようにすることにより、より詳細に湿度の影響を反映できる。この様にして、プロセス制御の安定性を確保しつつ、少階調パターン選択の場合には、トナー消費量低減、プロセス制御時間短縮、の効果を得ることができる。
【0044】
上述したように、この実施形態では、湿度情報を元に階調数を決めるために、湿度センサを用いている。このような目的で使われる湿度センサを設置する位置に関しては、現像装置近傍に湿度センサを設置するのが好ましい。湿度の影響を最も受けやすいのは現像剤であることは先に述べたが、このため湿度を検出しプロセス制御に反映させる場合には、現像装置近傍に湿度センサを設置するようにしている。現像装置近傍であれば特に位置を限定するものではないが、特に現像装置の開口部付近に配設するのが好ましい。現像ニップ部などは現像剤が現像装置外に露出しており、この周辺の湿度の影響を現像剤が受けやすいと考えられるため、現像ニップ部周辺への設置が望ましい。
【0045】
このように、湿度の影響を最も大きく受けるのは現像剤であることを考慮して、現像装置近傍に湿度センサを設置しておくことにより、現像剤に対する湿度の影響を正確に把握することができる。これによって現像特性の典型値からのずれを予測できるため、予測される現像特性に応じて階調パターン数を適切に選択できる。
また、湿度の影響を最も大きく受けるのは現像剤であるため、現像剤が貯蔵されている現像装置内部に湿度センサを設置するのが、最も直接的に現像剤に影響している湿度環境を測定できる方法と言える。そこで、湿度センサを現像装置内部に設置するようにしても好適な結果が得られる。
なお、この場合には粉体が舞う中への設置されることとなるので、センサ側での構造上の対策・工夫が必要となる。このためには、例えば、トナー粒子よりも細かい目のフィルターを設置する等の対処をすれば特に問題はない。現像装置の中ではかなりスペース上の制約も生じるが、湿度センサ自体かなり小さいタイプのものもあり、現像装置の構成によっては搬送スクリュー側の上壁部等への設置が可能である。
湿度センサを上記のような適切な配置位置に設けることによって、湿度による現像剤帯電特性への影響をより適切に推測できるため、それに対応した現像特性もより適切に予測できる。よって、この予測された現像特性に応じた階調パターン数もより適切に選択することができるため、階調パターン数の減らし過ぎによるプロセス制御失敗を回避しつつ、トナー消費量低減、プロセス制御時間短縮、を実現でき好適である。
【0046】
以上説明した実施形態では、多色トナー像を形成する場合に対応して、各色専用に搬送方向に整列した階調パターン像(矩形領域列)を、幅方向に複数列形成するようにしているが、本発明において形成される階調パターン像はこのような形態には限らない。図15は、別な実施形態を説明する図で、に形成される階調パターン(検知パターン)を形成した中間転写ベルト50と光学センサ500を真上から見た状態で示す図であり、中間転写ベルト50上に幅方向同一位置に各色の階調パターンの全てが順に形成された例を示している。
この形態例では、フルカラーの画像形成装置において、常態ではデフォルトとして各色毎に10階調のパターンの階調パターンの構成素画像を、全てをシリアルに(幅方向所定定位置において搬送方向に一列に)形成するようにしており、この一列の階調パターン像(矩形領域列)に対応させて、光学センサ500が配置されている状態を示している。光学センサ500は、単一のセンサ基板500a上にセンサヘッド500bが1個のみ階調パターン像上に位置するように取り付けられている。このように、フルカラーに対してセンサヘッドが1個ですみ、より簡略な構成となっている。
【0047】
この構成においても、前述した実施形態の場合と全く同様に、もしもプロセス制御発動時に各種要因情報を得るようにして、こうした情報に基づいて、現在の条件下においては、現像特性の変動が充分小さいと判断できれば、形成する階調パターン像の階調数を減らす(階調パターンの数を10より減らす)ように変更する。
なお、本発明は、上述のフルカラー機以外にも適用可能である。参考のため、以下に、本発明を適用した、別の画像形成装置例についても簡単に説明しておく。図16は、本発明の他の実施形態としての、直接転写方式のモノクロ仕様の画像形成装置(モノクロ機)を説明するための概略図である。感光体201はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。なお、図16中、204はイレーサである。
感光体201を平均的に帯電させる帯電手段として、帯電器(帯電チャージャ)203が用いられる。この帯電チャージャとしては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の接触帯電方式あるいは近接帯電方式が使用可能である。
【0048】
次に、感光体201上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット206が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体201上で可視化されたトナー像を記録媒体209上に転写するために転写チャージャ210が用いられる。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ207を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
【0049】
次に、記録媒体209を感光体201より分離する手段として分離チャージャ211、分離爪212が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ211としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体201上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ214、クリーニングブレード215が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ213を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ202、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
【0050】
上述構成において、説明は繰り返さないが、前述実施形態の説明中で既述したと同様に、プロセス制御発動時の各種要因情報に応じて、プロセス制御実行過程中で形成する前記階調パターン像の階調数を決定して、プロセス制御を実行する。例えば、階調数を決定する際の要因情報(一連の階調数決定処理過程を開始する条件)として、既述したと全く同様にプロセス制御発動のトリガ情報(電源ON時、規定枚数、規定時間等)を用いるようにする。このことに対応して、この直接転写方式のモノクロ仕様の画像形成装置においても、前述実施形態と同様な効果を得ることができる。
以上実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明の画像形成装置、画像形成装置のプロセス制御方法は、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンタ、LEDプリンタ、液晶プリンタ及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るプロセス制御が搭載される画像形成装置の概略図である。
【図2】例示画像形成装置の画像形成手段の構成を示す拡大図である。
【図3】画像形成装置におけるプロセスカートリッジの構成例を示す図である。
【図4】階調パターンを検知する光学センサ及び、階調パターンが形成される像担持体の構成例である。
【図5】階調パターン例を図4に示した構成を真上から見た状態で示す図である。
【図6】(a)、(b)は、同じく真上から見た状態での階調数を減じた階調パターン例を示す図である。
【図7】現像γ値算出のイメージを示す図である。
【図8】現像特性が変動した場合の、現像γ値算出に対する影響を示す図である。
【図9】階調パターン数を3とした場合のプロットを示す図である。
【図10】階調数の減らし方を控えめにした場合を示す図である。
【図11】要因情報にプロセス制御発動のトリガ情報(電源ON時、規定枚数、規定時間等)を用いる場合の、プロセス制御全体のフローチャートである。
【図12】要因情報に、前回プロセス制御実行時からの経過時間情報を用いる場合のプロセス制御例を示すフローチャートである。
【図13】要因情報にプロセス制御発動時の湿度情報を利用する場合のプロセス制御例を示すフローチャートである。
【図14】湿度履歴情報を考慮した場合のプロセス制御例を示すフローチャートである。
【図15】各色共通センサヘッドの場合の階調パターン例を真上から見た状態で示す図である
【図16】本発明の他の実施形態である直接転写方式のモノクロ仕様の画像形成装置の概略図である。
【符号の説明】
【0052】
10 感光体(感光体ドラム)、10K ブラック用感光体、10Y イエロー用感光体、10M マゼンタ用感光体、10C シアン用感光体、14 支持ローラ、15 支持ローラ、16 支持ローラ、17 中間転写クリーニング装置、18 画像形成手段、20 帯電ローラ、21 露光装置、22 二次転写装置、23 ローラ、24 二次転写ベルト、25 定着装置、26 定着ベルト、27 加圧ベルト、28 シート反転装置、30 露光装置、32 コンタクトガラス、33 第1走行体、34 第2走行体、35 結像レンズ、36 読取りセンサ、40 現像装置、41 現像ベルト、42K 現像剤収容部、42Y 現像剤収容部、42M 現像剤収容部、42C 現像剤収容部、43K 現像剤供給ローラ、43Y 現像剤供給ローラ、43M 現像剤供給ローラ、43C 現像剤供給ローラ、44K 現像ローラ、44Y 現像ローラ、44M 現像ローラ、44C 現像ローラ、45K ブラック用現像器、45Y イエロー用現像器、45M マゼンタ用現像器、45C シアン用現像器、49 レジストローラ、50 中間転写体、51 ローラ、52 分離ローラ、53 手差し給紙路、54 手差しトレイ、55 切換爪、56 排出ローラ、57 排出トレイ、58 コロナ帯電器、60 クリーニング装置、61 現像器、62 転写帯電器、63 感光体クリーニング装置、64 除電器、70 除電ランプ、71 クリーニングブレード、72 支持部材、80 転写ローラ、90 クリーニング装置、95 転写紙、100 画像形成装置、101 感光体、102 帯電手段、103 露光手段、104 現像手段、105 記録媒体、107 クリーニング手段、108 転写手段、120 タンデム型現像器、130 原稿台、142 給紙ローラ、143 ペーパーバンク、144 給紙カセット、145 分離ローラ、146 給紙路、147 搬送ローラ、148 給紙路、150 画像形成装置本体、200 給紙テーブル、201 感光体、202 除電ランプ、203 帯電器、204 イレーサ、205 画像露光部、206 現像装置40、207 転写前チャージャ、208 レジストローラ、209 記録媒体、210 転写チャージャ、211 分離チャージャ、212 分離爪、213 クリーニング前チャージャ、214 ファーブラシ、215 クリーニングブレード、300 スキャナ、400 原稿自動搬送装置(ADF)、500 光学センサ、500a センサ基板、500b センサヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上にテスト用の階調パターン像を形成し、テストパターン検出装置によって前記階調パターン像の画像濃度を測定し、測定結果によって画像形成プロセス条件を変えて画像濃度を安定させるプロセス制御を実施している、電子写真方式の画像形成装置において、
プロセス制御発動時の各種要因情報に応じて、プロセス制御実行過程中で形成する前記階調パターン像の階調数を決定して、プロセス制御を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
階調数を決定する際の前記要因情報として、プロセス制御発動のトリガ情報を用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
階調数を決定する際の前記要因情報として、前回のプロセス制御実行時からの経過時間情報を用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
階調数を決定する際の前記要因情報として、プロセス制御発動時の湿度情報を利用することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
階調数を決定する際の前記要因情報として、前回のプロセス制御実行時からの湿度履歴情報を利用することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
現像装置近傍に湿度センサを設置したことを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記湿度センサを現像装置内部に配設したことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
像担持体上にテスト用の階調パターン像を形成し、テストパターン検出装置によって前記階調パターン像の画像濃度を測定し、測定結果によって画像形成プロセス条件を変えて画像濃度を安定させるプロセス制御を行っている、電子写真方式の画像形成装置のプロセス制御方法であって、
プロセス制御発動時の各種要因情報に応じて、形成する前記階調パターン像の階調数を決定し、該階調数の前記階調パターン像をプロセス制御実行時に形成し、当該する階調パターン像の画像濃度測定結果に基づいてプロセス制御を行い画像を形成することを特徴とする画像形成装置のプロセス制御方法。
【請求項9】
画像形成装置のプロセス制御プログラムであって、コンピュータに請求項8に記載の各手順を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−198610(P2009−198610A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37968(P2008−37968)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】