説明

画像形成装置、制御プログラムおよび制御方法

【課題】ユーザーが煩雑な手順を経ることなく、直感的な操作によって、後処理を設定できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、表示部と、表示部へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出可能な位置検出部と、表示部に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうとともに、プレビュー表示されている表示領域へのタッチ入力に応答して処理を実行する制御部とを含む。制御部は、位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離がそれぞれ所定条件を満たしていれば、プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理の設定とプレビュー画像を更新する処理を実現するための画像形成装置、制御プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報技術の進歩に伴って、各種のドキュメントをより手軽にプリントすることが可能になっている。この一方で、紙やトナー(または、インク)といった資源の無駄な消費を回避する必要性も高まっている。そこで、意図しないプリントを回避するために、実際にプリント処理が開始される前に、仕上りプレビュー画像を表示する画像形成装置が存在する。ユーザーは、このような機能を利用することで、プリント前に仕上り状態を確実にイメージできる。
【0003】
たとえば、特開2006−247873号公報(特許文献1)には、ユーザーが直感的に操作できる見開きページ非見開きページ指定方法を実現することのできる画像形成装置が開示されている。
【0004】
一方、画像形成装置から排出される記録済みの用紙を受け入れ、所定の後処理を実行する後処理装置を備えた画像形成装置がある。後処理とは、たとえば、画像形成を行なう用紙にステープル処理、パンチ(丸穴開け)処理、紙折り処理などの仕上げ処理を実行することをいう。当該画像形成装置では、画像データを画像形成させる際に、ユーザーの設定に応じて上記の様々な仕上げ処理が可能となる。そこで、後処理設定をする際に、後処理後の仕上り状態をイメージできるように、画像データのプレビュー表示画面上においてユーザーが後処理を設定でき、かつ、その設定された後処理の仕上り状態をプレビュー表示させるようにしたものがある。
【0005】
たとえば、特開2007−280369号公報(特許文献2)には、プレビュー画面上にステープル処理を実行することが可能な処理位置が表示され、当該処理位置をユーザーが選択することによって、ステープル処理の設定を可能とする方式が開示されている。
【0006】
たとえば、特開2010−041063号公報(特許文献3)には、プレビュー画面上の領域と後処理設定とを予め関連付けておくことで、ユーザーのタッチ操作した領域によってパンチやステープル等の後処理の設定を可能とする方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−247873号公報
【特許文献2】特開2007−280369号公報
【特許文献3】特開2010−041063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述の特開2007−280369号公報や特開2010−041063号公報に提案された技術によると、プレビュー表示画面上においてユーザーは後処理の設定をする位置や種別について、いくつかの画面遷移を繰り返して設定するものであり、煩雑な手順を経る必要があるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明はかかる問題を解決するためになされたものであって、ユーザーが煩雑な手順を経ることなく、直感的な操作によって、後処理を設定できる画像形成装置、制御プログラムおよび制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある局面に従う画像形成装置は、表示部と、表示部へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出可能な位置検出部と、表示部に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうとともに、プレビュー表示されている表示領域へのタッチ入力に応答して処理を実行する制御部とを含む。制御部は、位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離がそれぞれ所定条件を満たしていれば、プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する。
【0011】
好ましくは、制御部は、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離に基づいて、後処理の設定を含む複数の処理のうち、対応する処理を選択的に実行する。
【0012】
好ましくは、制御部は、複数のタッチ位置の初期位置が存在する領域に応じた後処理の内容を設定する。
【0013】
好ましくは、制御部は、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離が所定値未満である場合に、出力物に対する後処理を設定し、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離が所定値以上である場合に、プレビュー表示を更新する。
【0014】
好ましくは、制御部は、複数のタッチ位置の初期位置のすべてが表示領域の端から所定値以上である領域に存在する場合に、プレビュー表示を更新し、複数のタッチ位置の初期位置の少なくとも1つが表示領域の端から所定値未満である領域に存在する場合に、出力物について対応する後処理を設定する。
【0015】
好ましくは、複数のタッチ位置の初期位置の少なくとも1つが表示領域の端から所定値未満である領域に存在する場合、制御部は、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離が所定値未満であるときに、ステープル処理を設定し、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離が所定値以上であるときに、パンチ処理を設定する。
【0016】
好ましくは、制御部は、パンチ処理を設定したあとの所定時間内における、複数のタッチ位置の検出、および、それに引き続く当該検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置からの移動からなる一連の動作の繰返し回数に基づいて、パンチ処理の穴数を設定する。
【0017】
本発明の別の局面に従う画像形成装置は、表示部と、表示部へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出可能な位置検出部と、表示部に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうとともに、プレビュー表示されている表示領域へのタッチ入力に応答して処理を実行する制御部とを含む。制御部は、位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、初期位置からの移動が所定軌跡を描けば、プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する。
【0018】
好ましくは、制御部は、初期位置の少なくとも1つが表示領域の一端から所定値未満の領域に存在し、かつ、初期位置の残余の1つが表示領域の他端から所定値未満の領域に存在している場合に、または、初期位置のすべてが表示領域内の端から所定値以上の領域に存在する場合に、出力物について中折り処理を設定する。
【0019】
本発明のさらに別の局面に従えば、表示手段を有する画像形成装置で実行させる制御プログラムを提供する。画像形成装置の制御プログラムは、画像形成装置のコンピューターに、表示手段へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出するステップと、表示手段に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうステップと、プレビュー表示されている表示領域へのタッチ入力に応答して処理を実行するステップとを実行させる。処理を実行するステップは、位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、初期位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離がそれぞれ所定条件を満たしていれば、プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する。
【0020】
本発明のさらに別の局面に従えば、表示手段を有する画像形成装置の制御方法を提供する。画像形成装置の制御方法は、表示手段へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出するステップと、表示手段に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうステップと、プレビュー表示されている表示領域へのタッチ入力に応答して処理を実行するステップとを含む。処理を実行するステップは、位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、初期位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離がそれぞれ所定条件を満たしていれば、プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザーが煩雑な手順を経ることなく、直感的な操作によって、後処理を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1に従う画像形成装置の外観を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態1に従う画像形成装置のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に従う操作パネルの外観を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態1に従うプレビュー表示の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に従う後処理の設定またはプレビュー表示の更新処理を行なう場合の操作例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に従うステープル処理設定を行なう場合の操作例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に従う画像形成装置の機能ブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態1に従う設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態1の変形例に従う後処理設定を行なう場合の操作例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態1の変形例に従うパンチ処理設定を行なう場合の操作例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1の変形例に従うパンチ処理の穴数設定を行なう場合の操作例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態1の変形例に従う設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2に従う後処理設定またはプレビュー表示の更新表示を行なう場合の操作例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態2に従う複数の設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態2の変形例に従う後処理設定またはプレビュー表示の更新設定を行なう場合の操作例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態2の変形例に従う設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態2の応用例に従う設定の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての同一部分については、その詳細な説明は繰り返さない。
【0024】
本発明の実施の形態に従う画像形成装置は、典型的には、プリンタ、コピー機、ファクシミリ、複合機(MFP:multi-functional peripheral)などのプリントエンジンを搭載したものである。
【0025】
さらに、複数の画像に対して所定の後処理(ステープル処理、パンチ処理、折り処理)が行なうことができればよいため、原稿を読み取って画像を出力するためのスキャナーなどの読取手段については必須の構成ではない。たとえば、何らかの読取手段によって読み取られた複数の画像を受信し、これらの複数の画像に対して、本発明の実施の形態に従う画像処理を実行することもできる。
【0026】
以下の説明では、本発明の実施の形態に従う画像形成装置は、たとえば、複数の原稿を順次搬送するための原稿搬送機能や自動で両面コピーを行なうための再搬送機能などを有するディジタル複合機であるとする。
【0027】
<用語>
以下では、本明細書において、2本の指の間の距離を縮めるように少なくとも一方の指を動かすことを、ここでは「ピンチイン」とも称し、逆に2本の指の間の距離を長くするように少なくとも一方の指を動かすことを、ここでは「ピンチアウト」とも称する。また、2本の指がタッチパネルにタッチされたことが検出された後の最初のタッチ位置、すなわち、ピンチインおよびピンチアウト動作を開始する際の起点のタッチ位置を「初期位置」とも称する。
【0028】
また、ステープル処理において、2点で用紙をとじることを「サイドステープル」、1点で用紙をとじることを「コーナーステープル」とも称する。
【0029】
[1.実施の形態1]
<A.全体構成>
まず、本発明の実施の形態に従う画像形成装置の全体構成について説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置1の外観を示す模式図である。
図1を参照して、画像形成装置1は本体装置10と後処理装置20とからなる。本体装置10は、入力画像に対して所定の処理を行なうことで紙媒体へプリントする装置である。後処理装置20は、本体装置10によってプリントされた紙媒体に対して、各種の後処理(詳細については後述する)を行なう装置である。
【0031】
本体装置10は、原稿を読み取って画像データを出力する画像読取部であるスキャナー16と、スキャナー16に原稿を順次送出す自動原稿搬送部12と、原稿が載置される原稿トレー14と、画像データを紙媒体にプリントするプリントエンジン18と、プリントエンジン18に紙媒体を供給する給紙トレー30と、制御部100とを含む。このスキャナー16(および自動原稿搬送部12)は、原稿を読み取って入力画像を生成する読取手段に相当する。
【0032】
後処理装置20は、後処理装置20の全体制御を司る後処理装置制御部22と、ステープル処理部24と、パンチ処理部26と、折り処理部28とを含む。ステープル処理部24は、画像がプリントされた紙媒体に対して、ステープル処理を行なう機構であり、パンチ処理部26は、当該紙媒体に対してパンチ処理を行なう機構であり、折り処理部28は、各種の折り処理を行なう機構である。すなわち、ステープル処理部24、パンチ処理部26および折り処理部28は、入力画像がプリントされた媒体に対して各種の後処理を行なう典型的な実行主体である。より具体的には、1枚の紙媒体(プリント出力)に対して所定の位置にステープル止めにしたり、複数穴のパンチ処理を行なったり、中折りにしたりといった後処理が行なわれる。このような後処理の詳細については、後述する。
【0033】
また、画像形成装置1の前面には、画像形成装置1に対して各種操作を行なうための操作パネル200が設けられている。この操作パネル200は、後述するように、本発明の実施の形態1に従うプレビュー表示を行なうためのユーザーインターフェイスである。すなわち、操作パネル200は、後述するように、画像形成装置1の状態や操作画面などを表示するとともに、ユーザー操作を受付ける。
【0034】
<B.ハードウェア構成>
次に、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置のハードウェア構成について説明する。
【0035】
図2は、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置1のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【0036】
図2を参照して、画像形成装置1の制御部100は、その主要な制御要素として、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read Only Memory)106と、プリント処理部108と、画像処理部110と、操作パネル200と、補助記憶装置112と、外部インターフェイス(I/F)114と、スキャナー処理部116と、後処理制御部118とを含む。
【0037】
CPU102は、後述するROM106などに記憶されたプログラムを読み出して実行することで、画像形成装置1の全体処理を実現する。より詳細にはCPU102は、当該プログラムを実行することによって、後述する画像形成装置1の処理(ステップ)の各々を実現する。なお、CPU102は、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)およびその他の演算機能を有する回路のいずれであってもよい。
【0038】
RAM104は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などであり、CPU102がプログラムを動作するために必要なデータや画像データを一時的に記憶する。すなわち、RAM104は、いわゆるワーキングメモリとして機能する。
【0039】
ROM106は、典型的には、フラッシュメモリなどであり、CPU102で実行されるプログラムや、画像形成装置1の動作に係る各種設定情報を記憶する。
【0040】
プリント処理部108は、プリントエンジン18を制御するためのロジックであり、プリントエンジン18に対して、印刷すべき画像(原稿画像)および付加情報などを出力する。
【0041】
画像処理部110は、スキャナー16で読み取られた画像データや画像形成装置1に入力された画像データに対して、プリント処理に向けられた各種の画像処理を行なう。また、画像処理部110は、画像データに対して、後述のプレビュー表示に必要な各種の画像処理も行なう。
【0042】
補助記憶装置112は、いわゆるボックス機能を提供するものであり、典型的には、ハードディスクなどで構成される。この補助記憶装置112は、比較的大容量のデータを不揮発的に格納することができ、画像形成装置1で利用される画像データを記憶する。
【0043】
外部インターフェイス114は、画像形成装置1と外部装置との間で各種データを遣り取りするための通信インターフェイスであり、典型的には、イーサネット(登録商標)やUSBなどの通信デバイスが用いられる。この外部インターフェイス114によって、WAN(インターネット)上やLAN上のパーソナルコンピューターなどの装置へデータを送信し、あるいは、それらの装置からデータを受信する。
【0044】
スキャナー処理部116は、スキャナー16における読取処理を制御するロジックであり、スキャナー16によって読み取られたデータに対して、各種処理(前処理やノイズ除去処理など)を行なうことで画像(画像データ)を生成する。
【0045】
後処理制御部118は、ユーザーが設定した各種の後処理(仕上げ設定)などに従って、後処理装置20と連携して、プリント出力に対して、各種の仕上げ処理を行なう。
【0046】
操作パネル200は、ユーザーが画像形成装置1に対する操作やユーザーへの各種情報の表示を行なうためのユーザーインターフェイスである。特に、本実施の形態に従う画像形成装置1においては、ユーザーが操作パネル200を操作して、仕上げ設定を行なった場合には、対象の入力画像に応じて、仕上りのイメージを表示する。後述するように、操作パネル200は、プリント出力のプレビュー表示を行なう表示手段(ディスプレイ)としての機能を有するとともに、ディスプレイに関連付けられた入力手段(典型的には、タッチパネル)としての機能も有している。
【0047】
図3は、本発明の実施の形態1に従う操作パネルの外観を示す模式図である。
図3を参照して、操作パネル200は、表示部としてのディスプレイ212と、ディスプレイ212に関連付けられたタッチパネル213と、各種の入力操作を行なうためのテンキー214と、プレビューキー215と、スタートキー216と、ストップキー217と、モードキー218とを含む。
【0048】
ユーザーが複数の原稿(原稿束)に対して、各種の仕上げ設定を入力した上でプリントする場合には、原稿トレー14に対象の原稿束を配置した上で、プレビューキー215を押下し、続いて、スタートキー216を押下する。すると、自動原稿搬送部12による原稿の送出しおよびスキャナー16による各原稿の読み取りが開始される。それぞれの原稿を読み取って生成された画像(画像データ)は、画像形成装置1のRAM104などに一次的に格納される。そして、操作パネル200のディスプレイ212に、その読み取られた画像のプレビューイメージが表示される。
【0049】
図4は、本発明の実施の形態1に従うプレビュー表示の一例を示す図である。
図4を参照して、ディスプレイ212のプレビュー表示領域には、複数の読み取られた画像の1ページ分に該当するプレビュー画像220と、プレビュー表示した画像のコピーを開始するコピーキー222と、当該画像のファックスの送信を開始する送信キー224と、表示するページを前に戻すための前ページ遷移キー226と、表示するページを先に進めるための次ページ遷移キー228とを含む。なお、前ページ遷移キー226と次ページ遷移キー228との間には、現在表示しているページ番号とジョブの全ページ数が表示される。
【0050】
このようにプレビュー表示された状態で、後述するように、ユーザーがディスプレイ212上で所定の操作を行なうことで、所定の後処理を設定することができる。そして、このような直感的な操作によって後処理の設定がされた後、ユーザーがスタートキー216を押下すると、当該設定された状態でプリントが開始され、所定の後処理が実行される。なお、本実施の形態に従う操作パネル200上では、画像に対して設定されている後処理が一見して把握できるような態様で、プレビュー表示がなされる。
【0051】
<C.後処理設定の操作例>
まず、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置1における後処理設定の操作例(ユーザーインターフェイス)について説明する。
【0052】
予め、複数の画像(ページ単位)が画像形成装置1に取得されているとする。典型的には、ユーザーが原稿を原稿トレー14にセットし、スタートキー216を押下することで、セットされた原稿が順次読み取られ、その読み取られた画像が画像形成装置1に順次蓄積される。あるいは、外部の装置から順番付けされた複数の画像を取得してもよい。
【0053】
このように複数の画像が取得されると、画像形成装置1の操作パネル200には、取得された画像が図4に示すようにプレビュー表示される。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態1に従う後処理の設定またはプレビュー表示の更新処理を行なう場合の操作例を示す図である。画像形成装置1の制御部100は、表示部であるディスプレイ212に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうとともに、当該プレビュー表示されている表示領域へのタッチ入力に応答して処理を実行する。より具体的には、ディスプレイ212において、ユーザーからの複数のタッチ位置が検出された後、当該複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離がそれぞれ所定条件を満たしていれば、プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する。このような表示状態において、ユーザーは、操作パネル200のタッチパネル213を操作することで、プレビュー表示の更新(拡大、縮小処理など)や後処理の設定を行なう。
【0055】
画像形成装置1の制御部100が複数のタッチ位置の初期位置の間の距離に基づいて、後処理の設定を含む複数の処理のうち、対応する処理を選択的に実行する例について説明する。
【0056】
図5を参照して、たとえば、ユーザーがプレビュー画像の左上の領域で、ピンチイン動作をしたときに、タッチ位置の初期位置の間の距離が所定値(ここでは、Nピクセル)未満である場合は左上にコーナーステープル処理を設定し、当該距離がNピクセル以上である場合はプレビュー画像が縮小して表示される。すなわち、制御部100は、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離が所定値未満である場合に、プリント出力の出力物に対する後処理を設定し、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離が所定値以上である場合に、プレビュー表示を更新する。ここで、上述した初期位置の間の距離についてはユーザーが任意に設定できる事項であり、これに限られない。
【0057】
本発明の実施の形態1に従う画像形成装置1は、ディスプレイ212に設置されたタッチパネル213に対するタッチ入力のユーザー操作に応答し、ピンチイン操作の起点である初期位置の間の距離と各々の起点の位置とに基づいて、プレビュー画像がプリントされた際の紙媒体に対してステープル処理の設定またはプレビュー画像の縮小処理を選択的に実行する。
【0058】
次に、画像形成装置1の制御部100が複数のタッチ位置の初期位置が存在する領域に応じた後処理の内容を設定する一例として、表示領域の端領域を複数の領域に区分しておき、タッチ位置の初期位置がいずれの領域に存在しているかに応じて、ステープル処理の対象位置を異ならせる処理について説明する。
【0059】
図6は、本発明の実施の形態1に従うステープル処理設定を行なう場合の操作例を示す図である。なお、図6におけるピンチイン操作は、タッチ位置の初期位置の間の距離がNピクセル未満であり、上述したステープル処理の設定に対応しているものとする。また、プレビュー画像の表示領域は、ステープル処理の位置を特定するための領域として、当該表示領域の端領域について予め「左上」、「右上」、「上」、「左」、「右」領域に区分けされているものとする。当該領域へのピンチイン操作は、上記順に図6(a)〜(e)に対応している。
【0060】
図6(a)を参照して、プレビュー画像の「左上」領域にてピンチイン操作がなされた場合、左上へのコーナーステープル処理の設定が行なわれる。図6(b)を参照して、プレビュー画像の「右上」領域にてピンチイン操作がなされた場合、右上へのコーナーステープル処理の設定が行なわれる。図6(c)を参照して、プレビュー画像の「上」領域にてピンチイン操作がなされた場合、上へのサイドステープル処理の設定が行なわれる。図6(d)を参照して、プレビュー画像の「左」領域にてピンチイン操作がなされた場合に、左へのサイドステープル処理の設定が行なわれる。図6(e)を参照して、プレビュー画像の「右」領域にてピンチイン操作がなされた場合、右へのサイドステープル処理の設定が行なわれる。
【0061】
すなわち、プレビュー画像上において、ユーザーがピンチイン操作の起点となる初期位置が存在する領域に応じて、ステープル処理を行なう位置が設定される。
【0062】
<D.機能構成>
次に、上述のような本発明の実施の形態1に従う画像形成装置1が提供する複数の処理設定を実現するための機能構成について説明する。
【0063】
図7は、本発明の実施の形態1に従う画像形成装置1の機能ブロック図である。図7に示す各機能ブロックは、主として、CPU102がプログラムを実行することで、RAM104や画像処理部110、後処理制御部118と連係動作することで実現される。
【0064】
図7を参照して、画像形成装置1は、その機能構成として、画像バッファ150と、プレビュー生成部152と、入力部154と、位置バッファ156と、多点検知部158と、距離算出部160と、処理判断部162と、処理対応情報164と、後処理設定部166とを含む。
【0065】
画像バッファ150は、RAM104の記憶領域の一部を利用して構成され、入力画像を一次的に格納する。典型的には、画像バッファ150は、自動原稿搬送部12によって順次搬送される原稿をスキャナー16が読み取ることで生成される複数の画像をその読み取り順に従って記憶する。
【0066】
プレビュー生成部152は、画像バッファ150に格納されている入力画像に基づいて、操作パネル200のディスプレイ212に表示するプレビューイメージを生成する。このとき、プレビュー生成部152は、処理判断部162からのプレビュー画面更新情報および後処理設定部166からの設定情報に基づいてプレビューイメージを生成する。このプレビュー生成部152によって生成されるプレビューイメージについては、上述したとおりである。
【0067】
入力部154は、操作パネル200のタッチパネル213に対するユーザー操作を検知する。この入力部154により検知された結果は、位置バッファ156へ出力される。
【0068】
位置バッファ156は、RAM104の記憶領域の一部を利用して構成され、ユーザー操作によるタッチ位置情報を一時的に格納する。典型的には、ユーザー操作によりタッチされている当該時点のタッチ位置を示す2点の座標(x’0,y’0)および(x’1,y’1)の位置情報を格納する。また、当該位置情報を距離算出部160に出力する。
【0069】
多点検知部158は、位置バッファ156の位置情報に基づいて、ユーザー操作によるタッチ入力が同時に複数点タッチされているか否かを検出する。典型的には、多点検知部158は、ユーザーによるピンチインまたはピンチアウト操作の起点となるタッチ位置(多点が検出されたタッチ位置の初期位置)を示す2点の座標(x0,y0)および(x1,y1)からなる初期位置情報を、距離算出部160に出力したり、処理判断部162に出力したりする。なお、初期位置の一方の座標(x0,y0)に対応する当該時点での座標が(x’0,y’0)であり、初期位置の他方の座標(x1,y1)に対応する当該時点での座標が(x’1,y’1)である。
【0070】
距離算出部160は、多点検知部158から出力された初期位置情報から初期位置の間の距離Lや、位置バッファ156から出力された位置情報から当該時点での位置の間の距離L’を算出する。Lは次式(1)を用いて、L’は次式(2)を用いて算出される。
【0071】
L={(x1−x0)+(y1−y0)1/2 …(1)
L’={(x’1−x’0)+(y’1−y’0)1/2 …(2)
また、距離算出部160は、上記のL’およびLの差分から初期位置からのタッチ位置の距離の変化量である距離ΔLを算出する。ΔLは次式(3)を用いて算出される。
【0072】
ΔL=L’−L …(3)
距離算出部160は、算出した距離LやL’やΔLを処理判断部162に出力する。
【0073】
処理判断部162は、プレビュー生成部152からの画像位置情報と、多点検知部158から出力された初期位置情報と、所定の条件を満たした場合に対応する処理を示す処理対応情報164と、距離算出部160から出力された初期位置の距離LやL’やΔLの情報などに基づいて、プレビュー表示の更新情報をプレビュー生成部152に出力したり、所定の後処理設定情報を後処理設定部166に出力したりする。たとえば、初期位置情報と画像位置情報とから初期位置がプレビュー画像のどの領域にあるかを判断する。また、距離算出部160から出力された距離Lが所定の距離(たとえば、Nピクセル)未満か否かを判断する。さらに、距離算出部160から出力された距離ΔLからピンチイン操作やピンチアウト操作などを判断する。具体的には、絶対値が所定の閾値以上であり、かつ正の値の場合はピンチアウト操作、逆に負の値の場合はピンチイン操作であると判断する。これらの判断からなる所定条件に対応する処理を処理対応情報164から得ることにより、処理判断部162は実行すべき処理を判断する。つまり、プレビュー表示の更新情報をプレビュー生成部152に出力したり、所定の後処理設定情報を後処理設定部166に出力したりする。
【0074】
処理対応情報164は、所定の条件を満たした場合に対応する処理を示す情報である。ディスプレイ212における初期位置がある位置や、当該初期位置の間の距離や、タッチ操作態様(タッチ軌跡や所定の動作の繰り返し回数など)などの条件によってどのような処理をするのかを示す情報である。たとえば、初期位置が所定の領域に存在し、当該初期位置の間の距離が所定の距離を満たすピンチイン操作に対応する処理は、所定の位置に対するステープル処理であることを示す情報を有する。
【0075】
後処理設定部166は、処理判断部162において判断された所定の後処理を設定する。後処理設定部166は、設定した設定情報をプレビュー生成部152に出力したり、後処理装置20に当該情報を出力したりする。
【0076】
<E.フローチャート>
次に、図5、6に示すような複数の設定の処理を実現するための手順を示すフローチャートについて説明する。
【0077】
図8は、本発明の実施の形態1に従う設定の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、CPU102によって複数の画像が取得され、操作パネル200上にプレビュー表示がなされている状態であるとする。具体的には、まず、CPU102は画像を取得する。この画像の取得は、上述したように、ユーザーが自動原稿搬送部12に原稿束をセットし、スキャナー16で連続的に読み取ることで取得される。この取得された画像は、RAM104(画像バッファ150)に格納される。次に、CPU102は、ユーザー操作に応答して、複数の画像を操作パネル200上にプレビュー表示する。このプレビュー表示される画像データは、プレビュー生成部152によって生成される。図8に示す各ステップは、基本的には、CPU100がプログラムを実行することで実現される。
【0078】
図8を参照して、CPU102は、操作パネル200上のタッチパネル213に対するユーザー操作によって、2点タッチ入力を検知する(ステップS102)。具体的には、タッチパネル213の2点入力検知処理が実行される。
【0079】
次に、CPU102は、プレビュー画像上でピンチイン操作を検知する(ステップS104)。この検知処理は、2点タッチ入力が検知された初期位置の座標値と当該時点における位置の座標値との距離の関係に基づいて検知される。次に、CPU102は、2点の初期位置座標である(x0,y0)および(x1,y1)を取得する(ステップS106)。
【0080】
次に、CPU102は、初期位置座標の少なくとも一方が所定の端領域に存在するか否かを判断する(ステップS108)。具体的には、図6で説明した、プレビュー画像の「左上」、「右上」、「上」、「左」、「右」領域に(x0,y0)および(x1,y1)のいずれか一方が存在するか否かを判断する。CPU102は、初期位置座標が両方とも所定の端領域に存在していない場合には(ステップS108においてNOの場合)、プレビュー画像の縮小処理がなされ(ステップS112)、処理が終了する。
【0081】
一方、CPU102は、初期位置座標の少なくとも一方が所定の端領域に存在すると判断すると(ステップS108においてYESの場合)、初期位置座標の間の距離を算出する(ステップS110)。具体的には、距離算出部160が上述した距離Lを算出する。
【0082】
次に、CPU102は、初期位置座標の間の距離LがNピクセル未満か否かを判断する(ステップS112)。距離LがNピクセル未満ではない(以上である)場合には(ステップS114においてNOの場合)、プレビュー画像の縮小処理がなされ(ステップS112)、処理が終了する。一方、距離LがNピクセル未満である場合には(ステップS114においてYESの場合)、CPU102は、当該操作により設定される後処理はステープル処理であると特定する(ステップS116)。
【0083】
次に、CPU102は、2点の初期位置座標が両方とも所定の端領域に存在するか否かを判断する(ステップS118)。両方とも所定の端領域に存在する場合には(ステップS118においてYESの場合)、2点の初期位置座標のうち最初に検知された方の座標からステープル処理の位置を特定する(ステップS120)。具体的には、(x0,y0)および(x1,y1)のうち(x0,y0)を最初に検知している場合には、(x0,y0)が存在している領域に応じてステープル処理位置を特定する。たとえば、(x0,y0)が「左」領域に存在する場合には、左へのサイドステープル処理となる。一方、どちらか一方のみが所定の端領域に存在する場合には(ステップS118においてNOの場合)、CPU102は、当該所定の端領域に存在する方の座標からステープル処理の位置を特定する(ステップS122)。
【0084】
次に、CPU102は、上述したステップにより特定された位置へのステープル処理を設定し、所定位置へのステープル処理が行なわれたプレビュー画像を操作パネル200上に表示して(ステップS124)、処理を終了する。
【0085】
<F.変形例>
次に、ユーザーが所定の領域へピンチイン操作した場合の処理の変形例について説明する。
【0086】
(f1.後処理設定の操作例)
図9は、本発明の実施の形態1の変形例に従う後処理設定を行なう場合の操作例を示す図である。
【0087】
図9を参照して、たとえば、ユーザーがプレビュー画像の「左」領域で、ピンチイン動作をしたときに、タッチ位置の初期位置の間の距離が所定値(ここでは、Nピクセル)未満である場合は左にサイドステープル処理を設定する。これに対して、当該距離がNピクセル以上である場合は左に2穴パンチ処理が設定されたプレビュー画像が表示される。なお、所定の端領域に初期位置のすべてが存在しない場合には、プレビュー画像の表示が更新(ピンチイン操作の場合は縮小、ピンチアウト操作の場合は拡大など)される。詳細は後述するが、つまり、初期位置の少なくとも一方が所定の端領域に存在し、タッチ位置の初期位置の間の距離がNピクセル以上のとき、実施の形態1ではプレビュー画像の縮小処理であったが、変形例ではパンチ処理となる点が異なる。ここで、ステープル処理の設定方式については、実施の形態1と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。なお、上述した初期位置の間の距離の値についてはユーザーが任意に設定できる事項であり、これに限られない。
【0088】
すなわち、制御部100は、複数のタッチ位置の初期位置のすべてが表示領域の端から所定値以上である領域に存在する場合にはプレビュー表示を更新し、初期位置の少なくとも1つが表示領域の端から所定値未満である領域に存在する場合には、出力物について対応する後処理を設定する。より具体的には、当該後処理の設定として、初期位置の間の距離が所定値未満であるときにステープル処理が設定され、複数のタッチ位置の初期位置の間の距離が所定値以上であるときにパンチ処理が設定される。
【0089】
本発明の実施の形態1の変形例に従う画像形成装置1は、ディスプレイ212に設置されたタッチパネル213に対するタッチ入力におけるユーザー操作に応答して、ピンチイン操作の際の初期位置の距離および位置に基づいて、プレビュー画像がプリントされた際の紙媒体に対するステープル処理、パンチ処理の設定またはプレビュー画像の縮小処理を選択的に実行する。
【0090】
図10は、本発明の実施の形態1の変形例に従うパンチ処理設定を行なう場合の操作例を示す図である。なお、図10におけるピンチイン操作は、タッチ位置の初期位置の間の距離がNピクセル以上であり、上述したパンチ処理の設定に対応しているものとする。また、プレビュー画像の表示領域は、パンチ処理の位置を特定するための領域として、当該表示領域の端領域について予め「左」、「上」、「右」領域に区分けされているものとする。当該領域へのピンチイン操作は、上記順に図10(a)〜(c)に対応している。なお、ここでの「左」、「右」領域は、それぞれ実施の形態1における「左上」、「右上」も含む概念である。
【0091】
図10(a)を参照して、プレビュー画像の「上」領域にてピンチイン操作がなされた場合、上への2穴パンチ処理が行なわれる。図10(b)を参照して、プレビュー画像の「左」領域にてピンチイン操作がなされた場合、左への2穴パンチ処理が行なわれる。図10(c)を参照して、プレビュー画像の「右」領域にてピンチイン操作がなされた場合、右への2穴パンチ処理が行なわれる。
【0092】
図11は、本発明の実施の形態1の変形例に従うパンチ処理の穴数設定を行なう場合の操作例を示す図である。
【0093】
ここでは、制御部100がパンチ処理の穴数を設定する一例として、上述したパンチ処理を設定したあとの所定時間内における、複数のタッチ位置の検出、および、それに引き続く当該検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置からの移動からなる一連の動作の繰返し回数に応じて、パンチ穴数を異ならせる処理について説明する。
【0094】
図11を参照して、まず上述したように「左」領域において初期位置の距離がNピクセル以上のピンチイン操作が行なわれると(図中の1回ピンチインの場合に対応)、左に2穴のパンチ処理が設定される。当該パンチ処理設定を行なったピンチイン操作から所定時間以内に、再度ピンチイン操作を行なった回数に応じてパンチ処理の穴数が決定される。たとえば、再度のピンチイン操作が1回の場合は(図中の2回ピンチインの場合に対応)、パンチの穴数は3つであり3穴パンチ処理が設定される。再度のピンチイン操作が2回以上の場合は(図中の3回以上ピンチインの場合に対応)、パンチの穴数は4つとなり4穴パンチ処理が設定される。なお、所定時間内に行なわれる再度のピンチイン操作は、ピンチイン操作であればよく、パンチ処理設定がなされる場合の上述した所定の距離や位置を満たしている必要はない。
【0095】
すなわち、プレビュー画像上において、ユーザーがピンチイン操作を開始した初期位置が存在する領域および回数に応じて、パンチ処理を行なう位置および穴数が設定される。
【0096】
(f2.機能構成)
図9〜図11に示すような後処理設定に従う処理を実現するための機能構成については、上述の図7に示す機能ブロック図と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。ただし、処理判断部162における判断ロジックについては、以下に説明するとおり、一部の処理が異なっている。
【0097】
(f3.フローチャート)
次に、図9〜図11に示すような設定の処理を実現するための手順を示すフローチャートについて説明する。
【0098】
図12は、本発明の実施の形態1の変形例に従う設定の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、CPU102によって複数の画像が取得され、プレビュー表示がなされている状態であるとする。図12に示す各ステップは、基本的には、CPU102がプログラムを実行することで実現される。
【0099】
まず、ステップS202〜S212の処理は、実施の形態1において図8で説明したステップS102〜S112の処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。従って、ここではステップS214からの説明を行なう。
【0100】
CPU102は、初期位置座標の間の距離LがNピクセル未満か否かを判断する(ステップS214)。距離LがNピクセル未満ではない(以上である)場合には(ステップS214においてYESの場合)、ステップS216〜S224の処理を実行する。ステップS216〜S224の処理は図8で説明したステップS116〜S124の処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0101】
一方、距離LがNピクセル以上である場合には(ステップS214においてNOの場合)、CPU102は、当該操作により設定される後処理はパンチ処理であると特定する(ステップS226)。次に、CPU102は、2点の初期位置座標が両方とも所定の端領域に存在するか否かを判断する(ステップS228)。両方とも所定の端領域に存在する場合には(ステップS228においてYESの場合)、2点の初期位置座標のうち最初にタッチ検出された方の座標からパンチ処理の位置を特定する(ステップS230)。具体的には、タッチ入力検知された2点(x0,y0)および(x1,y1)のうち(x0,y0)を最初にタッチ入力検知している場合には、(x0,y0)が存在している領域に応じてパンチ処理位置を決定する。たとえば、(x0,y0)が「左」領域に存在する場合には、「左」領域がパンチ処理位置となる。一方、どちらか1点のみが所定の端領域に存在する場合には(ステップS228においてNOの場合)、CPU102は、当該所定の端領域に存在する方の座標からパンチ処理の位置を特定する(ステップS232)。
【0102】
次に、CPU102は、上述したパンチ処理を設定した後、所定時間内に行なわれたピンチイン操作回数に応じてパンチ穴数を特定する(ステップS234)。続いて、上述したステップにより特定された位置と穴数とに基づくパンチ処理を設定し、当該設定されたパンチ処理が行なわれたプレビュー画像を操作パネル200上に表示して(ステップS236)、処理を終了する。
【0103】
[2.実施の形態2]
上述の実施の形態1においては、タッチ操作が行なわれる初期位置の距離に応じて、複数の処理から選択的に所定の処理が設定される例に説明した。以下に説明する、実施の形態2においては、ピンチインおよびピンチアウト操作に伴う軌跡に応じて、複数の処理から選択的に所定の処理が設定される例について説明する。
【0104】
<A.全体構成>
本発明の実施の形態2に従う画像形成装置の全体構成は、図1に示す実施の形態1に従う画像形成装置1と同様の構成を有するので、詳細な説明は繰り返さない。
【0105】
<B.ハードウェア構成>
本発明の実施の形態2に従う画像形成装置のハードウェア構成についても、図2に示す実施の形態1に従う画像形成装置1と同様の構成を有するので、詳細な説明は繰り返さない。
【0106】
<C.後処理設定の操作例>
本発明の実施の形態2に従う画像形成装置1における後処理設定の操作例(ユーザーインターフェイス)について説明する。
【0107】
上述したように、複数の画像が取得され、画像形成装置1の操作パネル200には、取得された画像が図4に示すようにプレビュー表示されているものとする。
【0108】
図13は、本発明の実施の形態2に従う後処理設定またはプレビュー表示の更新表示を行なう場合の操作例を示す図である。画像形成装置1の制御部100は、表示部であるディスプレイ212に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうとともに、当該プレビュー表示されている表示領域へのタッチ入力に応答して処理を実行する。より具体的には、ディスプレイ212において、ユーザーからの複数のタッチ位置が検出された後、当該複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、初期位置からの移動が所定軌跡を描けば、プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する。
【0109】
図13を参照して、たとえば、ユーザーがプレビュー画像の両端の領域(実施の形態1の変形例で説明した「左」領域と「右」領域)を起点として、扇状の軌跡でピンチイン動作を行なった場合には中折り処理を設定し、直線状の軌跡でピンチイン動作を行なった場合にはプレビュー画像が縮小して表示される。すなわち、直線状でないピンチイン操作時においては、制御部100は、初期位置の少なくとも1つが表示領域の一端から所定値未満の領域に存在し、かつ、初期位置の残余の1つが表示領域の他端から所定値未満の領域に存在している場合に、出力物に対する中折り処理を設定する。
【0110】
本発明の実施の形態2に従う画像形成装置1は、ディスプレイ212に設置されたタッチパネル213に対するタッチ入力におけるユーザー操作に応答して、ピンチイン操作の軌跡に基づいて、プレビュー画像がプリントされた際の紙媒体に対して中折り処理の設定またはプレビュー画像の縮小処理を選択的に実行する。
【0111】
<D.機能構成>
図13に示すような設定に従う処理を実現するための機能構成についても、実施の形態1で説明した図7に示す機能ブロック図と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。ただし、処理判断部162における判断ロジックについては、以下に説明するとおり、一部の処理が異なっている。
【0112】
<E.フローチャート>
次に、図13に示すような複数の設定の処理を実現するための手順を示すフローチャートについて説明する。
【0113】
図14は、本発明の実施の形態2に従う複数の設定の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、CPU102によって複数の画像が取得され、プレビュー表示がなされている状態であるとする。図14に示す各ステップは、基本的には、CPU100がプログラムを実行することで実現される。
【0114】
まず、ステップS302〜S306の処理は、実施の形態1において図8で説明したステップS102〜S106の処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。従って、ここではステップS308からの説明を行なう。
【0115】
CPU102は初期位置座標の2点が相異なる両端領域に存在しているか否かを判断する(ステップS308)。具体的には、(x0,y0)が「左」領域に存在しているときに、(x1,y1)が「右」領域に存在しているか否か、または(x0,y0)が「右」領域に存在しているときに、(x1,y1)が「左」領域に存在しているか否かを判断する。CPU102は、2点の初期位置座標が互いに相異なる両端領域に存在していないと判断すると(ステップS308においてNOの場合)、ピンチイン操作に割り当てられている他の処理を設定する(ステップS312)。たとえば、実施の形態1で説明したステープル処理、パンチ処理、プレビュー画像の縮小処理を行なってもよい。一方、2点の初期位置座標が互いに相異なる両端領域に存在している場合(ステップS308においてYESの場合)、CPU102は、ピンチイン操作の軌跡情報を取得する(ステップS310)。
【0116】
次に、CPU102は、取得した軌跡情報から軌跡が直線状か否かを判断する(ステップS314)。軌跡が直線状である場合(ステップS314においてYESの場合)、CPU102は、プレビュー画像の縮小処理を行なって(ステップS316)、処理を終了する。一方、軌跡が直線状でない場合(ステップS314においてNOの場合)、CPU102は中折り処理を設定し、中折り処理が行なわれたプレビュー画像を操作パネル200上に表示して(ステップS318)、処理を終了する。
【0117】
<F.変形例>
次に、ユーザーが所定の軌跡で操作をした場合の処理の変形例について説明する。
【0118】
(f1.後処理設定の操作例)
本発明の実施の形態2の変形例に従う画像形成装置1における後処理設定の操作例(ユーザーインターフェイス)について説明する。
【0119】
上述したように、複数の画像が取得され、画像形成装置1の操作パネル200には、取得された画像が図4に示すようにプレビュー表示されているものとする。
【0120】
図15は、本発明の実施の形態2の変形例に従う後処理設定またはプレビュー表示の更新設定を行なう場合の操作例を示す図である。
【0121】
図15を参照して、たとえば、ユーザーがプレビュー画像の所定の端領域ではない領域を起点として扇状の軌跡でピンチアウト操作を行なった場合には中折り処理を設定し、直線状の軌跡でピンチアウト操作を行なった場合にはプレビュー画像が拡大して表示される。すなわち、直線状でないピンチアウト操作時においては、制御部100は、初期位置のすべてが表示領域内の端から所定値以上の領域に存在する場合に、出力物について中折り処理を設定する。
【0122】
本発明の実施の形態2の変形例に従う画像形成装置1は、ディスプレイ212に設置されたタッチパネル213に対するタッチ入力におけるユーザー操作に応答して、ピンチアウト操作の軌跡に基づいて、プレビュー画像がプリントされた際の紙媒体に対して中折り処理の設定またはプレビュー画像の拡大処理を選択的に実行する。
【0123】
<f2.機能構成>
図15に示すような複数の設定の処理を実現するための機能構成についても、実施の形態1で説明した図7に示す機能ブロック図と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。ただし、処理判断部162における判断ロジックについては、以下に説明するとおり、一部の処理が異なっている。
【0124】
<f3.フローチャート>
次に、図15に示すような複数の設定の処理を実現するための手順を示すフローチャートについて説明する。
【0125】
図16は、本発明の実施の形態2の変形例に従う設定の処理手順を示すフローチャートである。ここで、CPU102によって複数の画像が取得され、プレビュー表示がなされている状態であるとする。図16に示す各ステップは、基本的には、CPU100がプログラムを実行することで実現される。
【0126】
まず、ステップS402の処理は、実施の形態1において図8で説明したステップS102の処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。従って、ここではステップS404の処理から説明を行なう。
【0127】
CPU102は、プレビュー画像上でピンチアウト操作を検知する(ステップS404)。この検知処理は、2点タッチ入力が検知された初期位置の座標値と当該時点における位置の座標値との距離の関係に基づいて判断される。次に、CPU102は、2点の初期位置座標である(x0,y0)および(x1,y1)を取得する(ステップS406)。
【0128】
次に、CPU102は、初期位置座標の2点が両方とも所定の端領域に存在していないか否かを判断する(ステップS408)。具体的には、初期位置座標の2点(x0,y0)および(x1,y1)が両方とも、実施の形態1の変形例で説明した「左」、「上」、「右」領域に存在していないか否かを判断する。CPU102は、2点の初期位置座標のいずれか一方が所定の端領域に存在していると判断すると(ステップS408においてNOの場合)、ピンチアウト操作に割り当てられている他の処理を設定して(ステップS412)、処理を終了する。たとえば、プレビュー画像の拡大処理を行なってもよい。一方、2点の初期位置座標が両方とも所定の端領域に存在していない場合(ステップS408においてYESの場合)、ピンチアウト操作の軌跡情報を取得する(ステップS410)。
【0129】
次に、CPU102は、取得した軌跡情報から軌跡が直線状か否かを判断する(ステップS414)。軌跡が直線状である場合(ステップS414においてYESの場合)、CPU102は、プレビュー画像の拡大処理を行なって(ステップS416)、処理を終了する。一方、軌跡が直線状でない場合(ステップS414においてNOの場合)、CPU102は中折り処理を設定し、中折り処理が行なわれたプレビュー画像を操作パネル200上に表示して(ステップS418)、処理を終了する。
【0130】
<G.応用例>
以下、上述したような本発明の実施の形態2に従う処理の典型的な応用例について説明する。なお、本発明の技術的範囲は、以下に例示するような応用例に限られるものではなく、本明細書に記載の技術思想によれば様々なケースに適用できることは自明である。
【0131】
図17は、本発明の実施の形態2の応用例に従う設定の処理手順を示すフローチャートである。ここで、CPU102によって複数の画像が取得され、プレビュー表示がなされている状態であるとする。図17に示す各ステップは、基本的には、CPU100がプログラムを実行することで実現される。
【0132】
まず、ステップS502の処理は、実施の形態1において図8で説明したステップS102の処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。従って、ここではステップS504の処理から説明を行なう。
【0133】
CPU102は、2点のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置座標から移動していることを検知する(ステップS504)。次に、CPU102は、当該移動を伴うタッチ操作がピンチイン操作であるか否かを判断する(ステップS506)。ピンチイン操作であると判断すると(ステップS506においてYESの場合)、ステップS508〜S520の処理を実行する。ここで、ステップS508〜S520の処理は、図14で説明したステップS306〜S318の処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
【0134】
一方、ピンチイン操作でない、すなわちピンチアウト操作であると判断すると(ステップS506においてNOの場合)、ステップS522〜S530の処理を実行する。ここで、ステップS522〜S530の処理は、図16で説明したステップS406〜S414の処理と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。次に、CPU102は、取得した軌跡情報から軌跡が直線状か否かを判断する(ステップS530)。軌跡が直線状である場合(ステップS530においてYESの場合)、CPU102は、プレビュー画像の拡大処理を行なって(ステップS536)、処理を終了する。一方、軌跡が直線状でない場合(ステップS530においてNOの場合)、CPU102は中折り処理を設定し、中折り処理が行なわれたプレビュー画像を操作パネル200上に表示して(ステップS520)、処理を終了する。
【0135】
[3.その他の実施の形態]
上述のフローで説明したような制御を実行させるプログラムは、コンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM、ROM、RAMおよびメモリカードなどの一時的でないコンピューター読取可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピューターに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0136】
なお、プログラムは、コンピューターのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0137】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0138】
[4.利点]
本実施の形態によれば、以下のような利点が得られる。すなわち、ステープル処理、パンチ処理および中折り処理といった後処理の設定を、プレビュー画像部分に対してピンチインまたはピンチアウト操作といった直感的な操作によって、設定することができる。
【0139】
ステープル処理やパンチ処理の設定には、2本の指を閉じるような操作(ピンチイン操作)がよりユーザーの直感的な操作の一例として挙げられる。本実施の形態によれば、ピンチイン操作の起点となる2本の指の幅を調整することによって、後処理設定または縮小処理を選択的に実行できるため、iPhone(登録商標)などで従来より一般的に適用されているピンチイン操作による縮小処理と重複することなく、後処理設定または縮小処理を実行することができる。
【0140】
中折り処理には、本を閉じたり開けたりする操作がユーザーの直感的な操作の一例として挙げられるが、本実施の形態によれば、ピンチインまたはピンチアウト操作の軌跡を変更することで、従来より一般的に適用されているピンチイン操作、ピンチアウト操作による縮小、拡大処理と重複することなく、後処理設定または縮小、拡大処理を実行することができる。
【0141】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0142】
1 画像形成装置、10 本体装置、12 自動原稿搬送部、14 原稿トレー、16 スキャナー、18 プリントエンジン、20 後処理装置、22 後処理装置制御部、24 ステープル処理部、26 パンチ処理部、28 折り処理部、30 給紙トレー、100 制御部、102 CPU、104 RAM、106 ROM、108 プリント処理部、110 画像処理部、112 補助記憶装置、114 外部インターフェイス、116 スキャナー処理部、118 後処理制御部、150 画像バッファ、152 プレビュー生成部、154 入力部、156 位置バッファ、158 多点検知部、160 距離算出部、162 処理判断部、164 機能対応情報、166 後処理設定部、200 操作パネル、212 ディスプレイ、213 タッチパネル、214 テンキー、215 プレビューキー、216 スタートキー、217 ストップキー、218 モードキー、220 プレビュー画像、222,224 キー、226 前ページ遷移キー、228 次ページ遷移キー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出可能な位置検出部と、
前記表示部に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうとともに、前記プレビュー表示されている表示領域への前記タッチ入力に応答して処理を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、前記複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、前記複数のタッチ位置の初期位置の間の距離がそれぞれ所定条件を満たしていれば、前記プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数のタッチ位置の前記初期位置の間の距離に基づいて、前記後処理の設定を含む複数の処理のうち、対応する処理を選択的に実行する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のタッチ位置の前記初期位置が存在する領域に応じた後処理の内容を設定する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記複数のタッチ位置の前記初期位置の間の距離が所定値未満である場合に、前記出力物に対する後処理を設定し、
前記複数のタッチ位置の前記初期位置の間の距離が前記所定値以上である場合に、前記プレビュー表示を更新する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記複数のタッチ位置の前記初期位置のすべてが前記表示領域の端から所定値以上である領域に存在する場合に、前記プレビュー表示を更新し、
前記複数のタッチ位置の前記初期位置の少なくとも1つが前記表示領域の端から前記所定値未満である領域に存在する場合に、前記出力物について対応する後処理を設定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数のタッチ位置の前記初期位置の少なくとも1つが前記表示領域の端から前記所定値未満である領域に存在する場合、
前記制御部は、
前記複数のタッチ位置の前記初期位置の間の距離が所定値未満であるときに、ステープル処理を設定し、
前記複数のタッチ位置の前記初期位置の間の距離が前記所定値以上であるときに、パンチ処理を設定する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記パンチ処理を設定したあとの所定時間内における、複数のタッチ位置の検出、および、それに引き続く当該検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置からの移動からなる一連の動作の繰返し回数に基づいて、パンチ処理の穴数を設定する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
表示部と、
前記表示部へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出可能な位置検出部と、
前記表示部に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうとともに、前記プレビュー表示されている表示領域への前記タッチ入力に応答して処理を実行する制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、前記複数のタッチ位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、前記初期位置からの移動が所定軌跡を描けば、前記プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する、画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記初期位置の少なくとも1つが前記表示領域の一端から所定値未満の領域に存在し、かつ、前記初期位置の残余の1つが前記表示領域の他端から前記所定値未満の領域に存在している場合に、または、
前記初期位置のすべてが前記表示領域内の端から前記所定値以上の領域に存在する場合に、前記出力物について中折り処理を設定する、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
表示手段を有する画像形成装置で実行させる制御プログラムであって、前記制御プログラムは、前記画像形成装置のコンピューターに、
前記表示手段へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出するステップと、
前記表示手段に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうステップと、
前記プレビュー表示されている表示領域への前記タッチ入力に応答して処理を実行するステップとを実行させ、
前記処理を実行するステップは、位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、前記初期位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、前記複数のタッチ位置の初期位置の間の距離がそれぞれ所定条件を満たしていれば、前記プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する、画像形成装置の制御プログラム。
【請求項11】
表示手段を有する画像形成装置の制御方法であって、
前記表示手段へのユーザーによるタッチ入力された位置を複数検出するステップと、
前記表示手段に入力画像のプリント出力のプレビュー表示を行なうステップと、
前記プレビュー表示されている表示領域への前記タッチ入力に応答して処理を実行するステップとを備え、
前記処理を実行するステップは、位置検出部によって複数のタッチ位置が検出された後、検出された複数のタッチ位置のうち少なくとも1つが初期位置から移動したことに応答して、前記初期位置のうち少なくとも1つの初期位置が存在する領域、および、前記複数のタッチ位置の初期位置の間の距離がそれぞれ所定条件を満たしていれば、前記プリント出力の出力物について対応する後処理を設定する、画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−28023(P2013−28023A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164547(P2011−164547)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】