説明

画像形成装置、及び画像形成方法

【課題】中間転写体から記録媒体へトナー像を転写する転写効率が維持される画像形成装置を提供すること。
【解決手段】例えば、電子写真感光体10と帯電装置20と露光装置30と現像装置40と中間転写体50と一次転写装置51二次転写装置52と中間転写体クリーング装置54とを備える画像形成装置101において、現像剤として、トナー粒子に無機粒子が外添されたトナーを含む現像剤を適用し、中間転写体50として表面が樹脂材料及びフッ素樹脂粒子を含んで構成されたものを適用し、中間転写体クリーング装置54がクリーニングブレード(第1クリーニングブレード56又は第2クリーニングブレード57)を備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真法は、複写機やプリンター等に幅広く利用されている。
例えば、特許文献1には、「画像担持体上に形成されたトナー画像を中間転写体に一次転写したトナー画像を被転写体に2次転写して画像を形成する画像形成装置において、回動する画像担持体と、上記画像担持体の表層上に第1低付着力作用を持つ剤を塗布する第1剤塗布手段と、上記第1剤塗布手段により上記第1低付着力作用を持つ剤を表層に塗布された上記画像担持体にトナー画像を形成する現像手段と、上記画像担持体と同期して連動する中間転写体と、上記中間転写体の表層上の第2低付着力作用を持つ剤の塗布層厚さが上記画像担持体の表層上の上記第1低付着力作用を持つ剤の塗布層厚さよりも薄くなるように塗布する第2剤塗布手段と、上記第2剤塗布手段により上記第2低付着力作用を持つ剤を表層に塗布された上記中間転写体上に上記画像担持体上のトナー画像を転写する第1転写手段と、上記第1転写手段で上記中間転写体に転写されたトナー画像を被転写体に転写する第2転写手段とからなることを特徴とする画像形成装置」が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、「画像形成装置に用いる中間転写体であって、表面に形成された複数の凸部を備え、前記複数の凸部は、所定の間隔以下になるように形成されている、中間転写体」が提案されている。
【0004】
また、特許文献3には、「光導電体層を有する感光体表面のオフセット防止剤を含まないトナー画像を中間転写体に転写し、該中間転写体上の前記トナー画像を支持体上に転写して画像を形成し、前記感光体表面にトナーフィルミング抑制及びクリーニング性向上のための潤滑剤塗布装置とブレードによるクリーニング機構を有する電子写真装置において、前記中間転写体表面に、少なくとも溶媒に分散可能な微粒子シリカと微粒子金属粉、微粒子の帯電制御剤、シリコーン系の微粒子1種以上と、溶媒に溶解可能な樹脂あるいは油系材料を1種以上含む溶液を塗布、乾燥処理して用いることを特徴とする電子写真装置の中間転写体」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−227697号公報
【特許文献2】特開2009−134152号公報
【特許文献3】特開2010−186093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、中間転写体から記録媒体へトナー像を転写する転写効率が維持される画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電された前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナー粒子に無機粒子が外添されたトナーを含む静電潜像現像剤を収納し、前記静電潜像現像剤により、前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像が転写される中間転写体であって、表面が樹脂材料及びフッ素樹脂粒子を含んで構成された中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写した後、前記中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング手段であって、前記中間転写体の表面に接触して設けられたクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備えた画像形成装置。
【0008】
請求項2に係る発明は、
前記クリーニングブレードが、
前記中間転写体の回転方向とは逆方向側に先端を向けた状態で、前記中間転写体の表面に接触して設けられた第1クリーニングブレードと、
前記中間転写体の回転方向側に先端を向けた状態で、前記中間転写体の表面に接触して設けられた第2クリーニングブレードであって、前記第1クリーニングブレードよりも前記中間転写体の回転方向の下流側に設けられた第2クリーニングブレードと、
を備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記トナーが、トナー粒子にさらに潤滑剤粒子が外添されてなる請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【0010】
請求項4に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電された前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
トナー粒子に無機粒子が外添されたトナーを含む静電潜像現像剤により、前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
表面が樹脂材料及びフッ素樹脂粒子を含んで構成された中間転写体の表面に、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を一次転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写工程と、
中間転写体の表面に接触して設けられたクリーニングブレードにより、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写した後、前記中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング工程と、
を有する画像形成方法。
【0011】
請求項5に係る発明は、
前記クリーニング工程が、
前記中間転写体の回転方向とは逆方向側に先端を向けた状態で、前記中間転写体の表面に接触して設けられた第1クリーニングブレードにより、前記中間転写体の表面をクリーニングする第1クリーニング工程と、
前記中間転写体の回転方向側に先端を向けた状態で、前記中間転写体の表面に接触して設けられた第2クリーニングブレードであって、前記第1クリーニングブレードよりも前記中間転写体の回転方向の下流側に設けられた第2クリーニングブレードにより、前記中間転写体の表面をクリーニングする第2クリーニング工程と、
を有する請求項4に記載の画像形成方法。
【0012】
請求項6に係る発明は、
前記トナーが、トナー粒子にさらに潤滑剤粒子が外添されてなる請求項4又は5に記載の画像形成方法。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、トナー粒子に無機粒子が外添されたトナーを含む静電潜像現像剤により現像する現像手段と、表面が樹脂材料及びフッ素樹脂粒子を含んで構成された中間転写体と、中間転写体の表面に接触して設けられたクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、を組み合わせて備えない画像形成装置に比べ、中間転写体から記録媒体へトナー像を転写する転写効率が維持される画像形成装置を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、クリーニングブレードが上記第1クリーニングブレード及び上記第2クリーニングブレードの双方を備えない画像形成装置に比べ、中間転写体から記録媒体へトナー像を転写する転写効率が維持される画像形成装置を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、トナー粒子にさらに潤滑剤粒子が外添されていないトナーを含む静電潜像現像剤により現像する現像手段を備えた画像形成装置に比べ、中間転写体から記録媒体へトナー像を転写する転写効率が維持される画像形成装置を提供できる
【0014】
請求項1に係る発明によれば、トナー粒子に無機粒子が外添されたトナーを含む静電潜像現像剤により現像する現像工程と、表面が樹脂材料及びフッ素樹脂粒子を含んで構成された中間転写体の表面にトナー像を転写する一次転写工程と、中間転写体の表面に接触して設けられたクリーニングブレードにより像保持体の表面をクリーニングするクリーニング工程と、を組み合わせて有さない画像形成方法に比べ、中間転写体から記録媒体へトナー像を転写する転写効率が維持される画像形成方法を提供できる。
請求項2に係る発明によれば、クリーニング工程が上記第1クリーニングブレードによるクリーニング工程及び上記第2クリーニングブレードによるクリーニング工程の双方を有さない画像形成方法に比べ、中間転写体から記録媒体へトナー像を転写する転写効率が維持される画像形成方法を提供できる。
請求項3に係る発明によれば、トナー粒子にさらに潤滑剤粒子が外添されていないトナーを含む静電潜像現像剤により現像する現像工程を有する画像形成方法に比べ、中間転写体から記録媒体へトナー像を転写する転写効率が維持される画像形成方法を提供できる
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の中間転写体を示す概略断面図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置の中間転写体クリーング装置を示す概略構成図である。
【図4】本実施形態に係る画像形成装置の作用を説明するため模式図である。
【図5】本実施形態に係る画像形成装置において、中間転写体クリーング装置の第1クリーニングブレードと第2クリーニングブレードによりフッ素樹脂粒子が引き伸ばされる度合いの違いを説明するため模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【0017】
本実施形態に係る画像形成装置101は、図1に示すように、例えば、矢印aで示すように、時計回り方向に回転する電子写真感光体10(像保持体の一例)と、電子写真感光体10の上方に、電子写真感光体10に相対して設けられ、電子写真感光体10の表面を帯電させる帯電装置20(帯電手段の一例)と、帯電装置20により帯電した電子写真感光体10の表面に露光して、静電潜像を形成する露光装置30(潜像形成手段の一例)と、露光装置30により形成された静電潜像に、現像剤に含まれるトナーを付着させて電子写真感光体10の表面にトナー像を形成する現像装置40(現像手段の一例)と、電子写真感光体10に接触しつつ矢印bで示す方向に走行するとともに、電子写真感光体10の表面に形成されたトナー像が転写されるベルト状の中間転写体50と、電子写真感光体10の表面をクリーニングする感光体用クリーニング装置70(クリーニング手段の一例)とを備える。
【0018】
帯電装置20、露光装置30、現像装置40、中間転写体50、及び感光体クリーニング装置70は、電子写真感光体10を囲む円周上に、例えば、時計周り方向に配置されている。
【0019】
中間転写体50は、例えば、内側から、支持ローラ50A、50B、背面ローラ50C、及び駆動ローラ50Dによって張力を付与されつつ保持されるとともに、駆動ローラ50Dの回転に伴い矢印bの方向に駆動される。中間転写体50の内側における電子写真感光体10に相対する位置には、中間転写体50をトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて中間転写体50の表面(外側の面)に電子写真感光体10上のトナーを吸着させる一次転写装置51が設けられている。中間転写体50の下方における外側には、記録紙P(記録媒体の一例)をトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて、中間転写体50に形成されたトナー像を記録紙P上に転写する二次転写装置52が背面ローラ50Cに対向して設けられている。
【0020】
中間転写体50の下方には、さらに、二次転写装置52に記録紙Pを供給する記録紙供給装置53と、二次転写装置52においてトナー像が形成された記録紙Pを搬送しつつ、トナー像を定着させる定着装置80とが設けられている。
【0021】
記録紙供給装置53は、1対の搬送ローラ53Aと、搬送ローラ53Aで搬送される記録紙Pを二次転写装置52に向かって誘導する誘導板53Bと、を備える。一方、定着装置80は、二次転写装置52によってトナー像が転写された記録紙Pを加熱・押圧することにより、トナー像の定着を行う1対の熱ローラである定着ローラ81と、定着ローラ81に向かって記録紙Pを搬送する搬送帯82とを有する。
【0022】
記録紙Pは、記録紙供給装置53と二次転写装置52と定着装置80とにより、矢印cで示す方向に搬送される。
【0023】
中間転写体50には、さらに、二次転写装置52において記録紙Pにトナー像を転写した後に中間転写体50に残ったトナーを除去するクリーニングブレード(第1クリーニングブレード56及び第2クリーニングブレード57)を有する中間転写体クリーニング装置54が設けられている。
【0024】
以下、本実施形態に係る画像形成装置101における主な構成部材の詳細について説明する。
【0025】
−現像剤−
現像剤は、トナーを単独で含む一成分現像剤であっても、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤であってもよい。
【0026】
まず、トナーについて説明する。
トナーは、例えば、結着樹脂、及び、必要に応じて、着色剤、離型剤等の他の添加剤を含むトナー粒子と、外添剤と、を含んで構成される。
そして、外添剤としては、無機粒子が適用される。
【0027】
トナー粒子について説明する。
結着樹脂としては、特に制限はないが、スチレン類(例えばスチレン、クロロスチレン等)、モノオレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等)、ビニルエステル類(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等)、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)等の単独重合体および共重合体、ジカルボン酸類とジオール類との共重合によるポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0028】
特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
また、代表的な結着樹脂としては、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
【0029】
その他の添加剤としては、例えば、着色剤、離型剤、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等が挙げられる。
着色剤としては、磁性粉(例えばマグネタイト、フェライト等)、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が代表的なものとして挙げられる。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0030】
トナー粒子の特性について説明する。
トナー粒子は、平均形状係数(形状係数=(ML/A)×(π/4)×100で表される形状係数の個数平均、ここでMLは粒子の最大長を表し、Aは粒子の投影面積を表す)が100以上150以下であることが望ましく、105以上145以下であることがより望ましく、110以上140以下であることがさらに望ましい。
【0031】
トナー粒子は、例えば、体積平均粒子径D50vが2.0μm以上10μm以下がよく、2.0μm以上6.5μm以下が望ましく、2.0μm以上5.5μm以下であることがより望ましく、2.0μm以上4.5μm以下であることが特に望ましい。なお、体積平均粒子径D50vの下限値として望ましくは2.5μm以上、より望ましくは3.0μm以上である。
【0032】
ここで、トナー粒子の体積平均粒径D50vの測定法は、次の通りである。
まず、分散剤として界面活性剤(望ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の5質量%水溶液2ml中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを電解液100ml以上150ml以下中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で約1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定する。測定する粒子数は50,000とする。
得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
【0033】
外添剤について説明する。
外添剤としては、例えば、無機粒子が適用される。
外添剤としての無機粒子としては、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の体積平均粒径は、例えば、7nm以上60nm以下の範囲であることがよく、10nm以上50nm以下が望ましい。
【0034】
外添剤としての無機粒子の表面は、予め疎水化処理をしてもよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
外添剤としての無機粒子の外添量は、例えば、トナー粒子100質量部に対して、0.5質量部以上3.0質量部以下がよく、0.8質量部以上2.5質量部以下がよい。
【0036】
外添剤としては、潤滑剤粒子(固体潤滑剤粒子)も挙げられる。
外添剤としての潤滑剤粒子としては、例えば、フッ素樹脂、ポリオレフィン、脂肪酸金属塩等の粒子が好適に挙げられる。
【0037】
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニルフルオライド(PVF)、フルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体及びフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体などが挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、パラフィンワックス、パラフィンラテックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス類が挙げられ、特に、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスが好適に挙げられる。
脂肪酸金属塩としては、例えば、脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸の亜鉛、カドミウム、バリウム、鉛、鉄、ニッケル、コバルト、銅、アルミニウム、マグネシウム等の金属塩、二塩基性ステアリン酸鉛、オレイン酸の亜鉛、マグネシウム、鉄、コバルト、銅、鉛、カルシウム等の金属塩、パルミチン酸とアルミニウム、カルシウム等の金属塩、カプリル酸鉛、カプロン酸鉛、リノール酸亜鉛、リノール酸コバルト、リシノール酸カルシウム、リシノレイン酸と亜鉛、カドミウム等の金属塩及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0038】
外添剤としての潤滑剤粒子の体積平均粒径は、例えば、0.1μm以上10μm以下であることがよく、望ましくは0.3μm以上6μm以下、より望ましくは4μm以上6μm以下である。
【0039】
外添剤としての潤滑剤粒子の外添量は、例えば、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下がよく、0.12質量部以上0.5質量部以下が望ましい。
【0040】
外添剤としては、必要に応じて、その他の外添剤(例えば、体積平均粒径が80nm以上400nm以下の無機粒子)を適用してもよい。
【0041】
なお、外添剤の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)により測定する。
具体的には、分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とした。
【0042】
トナーの製造方法について説明する。
まず、トナー粒子は、特に製造方法により限定されるものではないが、例えば、結着樹脂、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を加えて混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と、着色剤及び離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により製造されるトナー粒子が使用される。
【0043】
また上記方法で得られたトナー粒子をコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法等、公知の方法が使用される。なお、トナーの製造方法としては、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が望ましく、乳化重合凝集法が特に望ましい。
【0044】
そして、トナーは、上記トナー粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー又はVブレンダー等で混合することによって製造される。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
【0045】
次に、キャリアについて説明する。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア、樹脂分散型キャリア等が挙げられる。
【0046】
なお、二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(重量比)は、例えば、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲が望ましく、3:100乃至20:100程度の範囲がより望ましい。
【0047】
−電子写真感光体−
電子写真感光体10としては、例えば、導電性基体上に設けられる感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが挙げられる。有機感光体としては、導電性基体上に、導電性露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体や、導電性基体上に、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光層を設けた感光体が挙げられる。また、無機感光体としては、導電性基体上に、アモルファスシリコンにより構成された感光層を設けた感光体が挙げられる。
なお、電子写真感光体10の形状には、円筒状に限られず、例えば、シート状、プレート状等、公知の形状が採用される。
【0048】
−帯電装置−
帯電装置20としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が挙げられる。また、帯電装置20としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も挙げられる。帯電装置20としては、接触型帯電器がよい。
なお、本実施形態では、直流に交流を重畳した電圧を印加する方式の帯電器を採用しても、放電生成物が生じ易い方式であるが、このような方式を採用しても、電子写真感光体10に放電生成物の付着・堆積が抑制され、画像の白抜けが抑制される。
【0049】
−露光装置−
露光装置30としては、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体10の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザーの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザーや青色レーザーとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザーも利用してもよい。また、露光装置30としては、例えばカラー画像形成のためにはマルチビーム出力するタイプの面発光型のレーザー光源も有効である。
【0050】
−現像装置−
現像装置40は、例えば、現像領域で電子写真感光体10に対向して配置されており、例えば、トナー及びキャリアを含む現像剤(2成分現像剤)を収容する現像容器41(現像装置本体)と、補給用現像剤収納容器(トナーカートリッジ)47と、を有している。現像容器41は、現像容器本体41Aとその上端を塞ぐ現像容器カバー41Bとを有している。
【0051】
現像容器本体41Aは、例えば、その内側に、現像ロール(現像保持体の一例)42を収容する現像ロール室42Aを有しており、現像ロール室42Aに隣接して、第1攪拌室43Aと第1攪拌室43Aに隣接する第2攪拌室44Aとを有している。また、現像ロール室42A内には、例えば、現像容器カバー41Bが現像容器本体41Aに装着された時に現像ロール42表面の現像剤の層厚を規制するための層厚規制部材45が設けられている。
【0052】
第1攪拌室43Aと第2攪拌室44Aとの間は例えば仕切り壁41Cにより仕切られており、図示しないが、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aは仕切り壁41Cの長手方向(現像装置長手方向)両端部に開口部が設けられて通じており、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aによって循環攪拌室(43A+44A)を構成している。
【0053】
そして、現像ロール室42Aには、電子写真感光体10と対向するように現像ロール42が配置されている。現像ロール42は、図示しないが磁性を有する磁性ロール(固定磁石)の外側にスリーブを設けたものである。第1攪拌室43Aの現像剤は磁性ロールの磁力によって現像ロール42の表面上に吸着されて、現像領域に搬送される。また、現像ロール42はそのロール軸が現像容器本体41Aに回転自由に支持されている。ここで、現像ロール42と電子写真感光体10とは、同方向に回転し、対向部において、現像ロール42の表面上に吸着された現像剤は、電子写真感光体10の進行方向とは逆方向から現像領域に搬送するようにしている。
【0054】
また、現像ロール42のスリーブには、不図示のバイアス電源が接続され、現像バイアスが印加されるようになっている(本実施形態では、現像領域に交番電界が印加されるように、直流成分(AC)に交流成分(DC)を重畳したバイアスを印加)。
【0055】
第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aには現像剤を攪拌しながら搬送する第1攪拌部材43(攪拌・搬送部材)及び第2攪拌部材44(攪拌・搬送部材)が配置されている。第1攪拌部材43は、現像ロール42の軸方向に伸びる第1回転軸と、回転軸の外周に螺旋状に固定された攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。また、第2攪拌部材44も、同様に、第2回転軸及び攪拌搬送羽根(突起部)とで構成されている。なお、攪拌部材は現像容器本体41Aに回転自由に支持されている。そして、第1攪拌部材43及び第2攪拌部材44は、その回転によって、第1攪拌室43A及び第2攪拌室44Aの中の現像剤は互いに逆方向に搬送されるように配設されている。
【0056】
そして、第2攪拌室44Aの長手方向一端側には、補給用トナー及び補給用キャリアを含む補給用現像剤を第2攪拌室44Aへ供給するための補給搬送路46の一端が連結されており、補給搬送路46の他端には、補給用現像剤を収容している補給用現像剤収納容器47が連結されている。
【0057】
このように現像装置40は、補給用現像剤収納容器(トナーカートリッジ)47から補給搬送路46を経て補給用現像剤を現像装置40(第2攪拌室44A)へ供給する。
【0058】
−転写装置−
一次転写装置51、及び二次転写装置52としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
【0059】
−中間転写体−
中間転写体50は、図2に示すように、例えば、無端状ベルトであって、例えば厚み30μm以上80μm以下の基材層91と、基材層91の外周面に設けられた例えば厚み5μm以上70μm以下の最外層92と、の積層体で構成されている。
そして、最外層92として、樹脂材料、及びフッ素樹脂粒子を含んで構成された層を適用している。これにより、中間転写体50の表面(外側の面)が、樹脂材料、及びフッ素樹脂粒子を含んで構成されている。
ここで、図2中、93は、フッ素樹脂粒子を示している。
【0060】
以下、中間転写体50の構成材料や特性について説明する。
【0061】
まず、最外層92について説明する。
最外層92は、樹脂材料と、フッ素樹脂粒子と、必要に応じて、導電剤等のその他添加剤と、を含んで構成される。
【0062】
樹脂材料は、そのヤング率が、ベルト厚みによっても異なるが、望ましくは、3500MPa以上、より望ましくは4000MPa以上であればよく、ベルトとしての機械特性が満足される。樹脂材料としては、上記ヤング率を満たせば、制限はないが、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、補強材を添加してなるポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0063】
なお、ヤング率は、JIS K7127(1999)に準じて引張試験を行い、得られた応力・歪曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その傾きにより求める。測定条件としては、短冊状試験片(幅6mm、長さ130mm)、ダンベル1号、試験速度500mm/分、厚さはベルト本体の厚さの各設定で測定するものとする。
【0064】
上記樹脂材料の中でも、ポリイミド樹脂が好適である。ポリイミド樹脂は、高ヤング率材料であることから、駆動時(支持ロール、クリーニングブレード等の応力)による変形が他の樹脂に比べ少ないので、色ズレ等の画像欠陥が生じにくい中間転写体(ベルト)となる。
ポリイミド樹脂としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体であるポリアミド酸のイミド化物が挙げられる。ポリイミド樹脂として具体的には、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との等モル量を溶媒中で重合反応させてポリアミド酸の溶液として得て、そのポリアミド酸をイミド化して得られたものである。
【0065】
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、下記の一般式(I)で示されるものが挙げられる。
【0066】
【化1】




【0067】
(一般式(I)中、Rは4価の有機基であり、芳香族、脂肪族、環状脂肪族、芳香族と脂肪族を組み合わせたもの、又はそれらの置換された基である。)
【0068】
テトラカルボン酸二無水物として具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0069】
一方、ジアミン化合物の具体例としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメチル4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,4−ビス(β−アミノ第三ブチル)トルエン、ビス(p−β−アミノ−第三ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノフェニル)ベンゼン、ビス−p−(1,1−ジメチル−5−アミノ−ベンチル)ベンゼン、1−イソプロピル−2,4−m−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ジ(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ジアミノプロピルテトラメチレン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、1,2−ビス−3−アミノプロボキシエタン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,17−ジアミノエイコサデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、12−ジアミノオクタデカン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ピペラジン、HN(CHO(CHO(CH)NH、HN(CHS(CHNH、HN(CHN(CH(CHNH等が挙げられる。
【0070】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては、溶解性等の点より極性溶媒(有機極性溶媒)が好適に挙げられる。極性溶媒としては、N,N−ジアルキルアミド類が望ましく、具体的には、例えば、これの低分子量のものであるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単数又は複数併用してもよい。
【0071】
ポリイミド樹脂の含有量は、例えば、層を構成する成分全体に対して10質量%以上80質量%以下であることがよく、望ましくは20質量%以上75質量%以下より望ましくは40質量%以上70質量%以下である。
ポリイミド樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0072】
ここで、ポリイミド樹脂以外にも、離型性の維持が損なわれない範囲で、他の樹脂材料を併用してもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、補強材を添加してなるポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0073】
フッ素樹脂粒子について説明する。
フッ素樹脂粒子としては、例えば、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂及びそれらの共重合体の粒子が挙げられる。
これらの中も、フッ素樹脂粒子としては、特に、ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化エチレン樹脂「PTFE」)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(「FEP」)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(「PFA」)が望ましい。
【0074】
フッ素樹脂粒子は、一次粒子、2μm以下(望ましくは1μm以下、より望ましくは0.5μm以下)の二次粒子径を持つ二次粒子、又はこれの混合状態で含まれていることがよい。
これは、フッ素樹脂粒子が、一次粒子、二次粒子(一次粒子が2つ以上凝集した凝集状態)、又はこれらの混合状態で分散・含有されており、少なくとも凝集粒子の状態での二次粒子径が上記範囲となっていること、つまり、フッ素樹脂粒子が凝集が抑制された状態で分散されていることを意味する。
なお、フッ素樹脂粒子の一次粒子(凝集していない状態の粒子径:一次粒径)は、0.1μm以上0.3μm以下であることがよい。
【0075】
フッ素樹脂粒子の一次粒径及び二次粒径は、最外層から試料片を得て、これをSEM(走査型電子顕微鏡)により例えば倍率5000倍以上で観察し、一次粒子、又は凝集粒子の状態のフッ素樹脂粒子のそれぞれの最大径を測定し、これを50個の粒子について行った平均値とする。なお、SEMとして日本電子製JSM-6700Fを使用し、加速電圧5kVの2次電子画像を観察する。
【0076】
フッ素樹脂粒子の含有量は、例えば、層を構成する成分全体に対して1質量%以上50質量%以下であることがよく、望ましくは2質量%以上45質量%以下より望ましくは3質量%以上40質量%以下である。
フッ素樹脂粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0077】
ここで、フッ素樹脂粒子を上記分散状態(含有状態)とするには、例えば、分散剤としてフッ素系グラフトポリマーを併用することがよい。
フッ素系グラフトポリマーとしては、分子鎖の片方の末端に重合性の官能基を有するマクロモノマーと、フッ化アルキル基を有する重合性フッ素系モノマーと、の共重合体が挙げられる。
フッ素系グラフトポリマーとして具体的には、例えば、マクロマーとして、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン化合物等の重合体又はそれらの共重合体と、フッ素系モノマーとして、パーフルオロアルキルエチルメタクリレート、パーフルオロアルキルメタクリレート等との、グラフト共重合体が挙げられる。
【0078】
マクロモノマーと重合性フッ素系モノマーとの重合比は、例えば、フッ素系グラフトポリマー中のフッ素含有量として10質量%以上50質量%以下(望ましくは10質量%以上40質量%以下、より望ましくは10質量%以上30質量%以下)となる重合比であることがよい。
フッ素系グラフトポリマーの分子量は、例えば、数平均分子量で5000以上20000以下であることよく、望ましくは5000以上17500以下、より望ましくは5000以上12000以下である。
フッ素系グラフトポリマーの量は、例えば、フッ素樹脂粒子に対して0.1質量%以上10質量%以下であることがよい。
【0079】
導電剤について説明する。
導電剤としては、導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm未満、以下同様である)もしくは半導電性(例えば体積抵抗率10Ω・cm以上1013Ω・cm以下、以下同様である)の粉末(1次粒径が10μm未満の粒子からなる粉末がよく、望ましくは1次粒径が1μm以下の粒子からなる粉末)が挙げられる。
導電剤としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック(例えばケッチエンブラック、アセチレンブラック、表面が酸化処理されたカーボンブラック等)、金属(例えばアルミニウムやニッケル等)、酸化金属化合物(例えば酸化イットリウム、酸化錫等)、イオン導電性物質(例えばチタン酸カリウム、LiCl等)、導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレンなど)等が挙げられる。
【0080】
導電剤は、その使用目的により選択されるが、電気抵抗の経時での安定性や、転写電圧による電界集中を抑制する電界依存性の観点から、pH5以下(望ましくはpH4.5以下であり、より望ましくはpH4.0以下)の酸化処理カーボンブラック(例えば表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して得られたカーボンブラック)がよく、電気的耐久性付与の観点から、導電性高分子(例えばポリアニリン等)がよい。
【0081】
導電剤の含有量は、例えば、層を構成する成分全体に対して1質量%以上50質量%以下であることがよく、望ましくは2質量%以上40質量%以下より望ましくは4質量%以上30質量%以下である。
導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0082】
次に、基材層91について説明する。
基材層91は、樹脂材料を含んで構成される。基材層91も、必要に応じて、導電剤を含んで構成される。
【0083】
樹脂材料について説明する。
樹脂材料としては、樹脂材料は、そのヤング率が、ベルト厚みによっても異なるが、望ましくは、3500MPa以上、より望ましくは4000MPa以上であればよく、ベルトとしての機械特性が満足される。樹脂としては、上記ヤング率を満たせば、制限はないが、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、補強材を添加してなるポリエステル樹脂などが挙げられる。
【0084】
なお、ヤング率は、JIS K7127(1999)に準じて引張試験を行い、得られた応力・歪曲線の初期ひずみ領域の曲線に接線を引き、その傾きにより求める。測定条件としては、短冊状試験片(幅6mm、長さ130mm)、ダンベル1号、試験速度500mm/分、厚さはベルト本体の厚さの各設定で測定するものとする。
【0085】
上記樹脂材料の中でも、ポリイミド樹脂が好適である。ポリイミド樹脂は、高ヤング率材料であることから、ベルト回転駆動時の変形が他の樹脂に比べ少なくなる。そして、最外層92がポリイミド樹脂を含んで構成される場合、最外層92と接触する下層に相当する基材層91もポリイミド樹脂を含んで構成させることで、最外層92と下層となる基材層91との密着性が向上すると考えられ、当該層間の剥離が抑制される。
なお、ポリイミド樹脂としては、最外層92を構成するポリイミド樹脂と同様なものが挙げられる。
【0086】
導電剤について説明する。
導電剤についても、最外層92を構成する導電剤と同様なものが挙げられる。
【0087】
次に、中間転写体50の特性について説明する。
中間転写体50の表面(外側の面)の表面抵抗率は、常用対数値で9(LogΩ/□)以上13(LogΩ/□)以下であることが望ましく、10(LogΩ/□)以上12(LogΩ/□)以下であることがより望ましい。
ここで、表面抵抗率の測定方法は、次の通り行う。円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「URプローブ」)を用い、JIS K6911に従って測定する。
【0088】
中間転写体50全体の体積抵抗率は、常用対数値で8(LogΩcm)以上13(LogΩcm)以下であることが望ましい。
ここで、体積抵抗率の測定は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K6911に従って測定する。
【0089】
なお、中間転写体50は、基材層91及び最外層92の2層の積層体で構成された形態を説明したが、これに限られず、樹脂とフッ素樹脂粒子とを含む層を最外層92をして有していれば、2層以上の積層体(例えば、最外層92と基材層91との間に中間層を設けた形態、基材層91自体が2層以上の積層体で構成された形態等)で構成されていてもよい。
また、中間転写体50は、樹脂とフッ素樹脂粒子とを含む層の単層体で構成された形態であってもよい。
【0090】
−感光体クリーニング装置−
感光体クリーニング装置70は、例えば、筐体71と、筐体71から突出するように設けられたクリーニングブレード72と、を含んで構成されている。
なお、クリーニングブレード72は、筐体71の端部で支持された形態であってもよし、別途、支持部材(ホルダー)により支持される形態であってもよいが、本実施形態では、筐体71の端部で支持された形態を示している。
【0091】
クリーニングブレード72について説明する。
クリーニングブレード72は、電子写真感光体10の回転軸に沿った方向に延びた板状のものであって、電子写真感光体10の回転方向(矢印a)の上流側に、先端部が圧力を掛けつつ接触されるように設けられている。
クリーニングブレード72を構成する材料としては、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、プロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられる。これらの中で、ウレタンゴムがよい。
ウレタンゴム(ポリウレタン)は、例えば、通常ポリウレタンの形成に用いられるものであれば特に限定されないが、例えばポリエチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどのポリエステルポリオールなどのポリオールとジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシアネートとからなるウレタンプレポリマー及びたとえば1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコールやこれらの混合物などの架橋剤を原料とするものよい。
【0092】
−中間転写体クリーニング装置−
中間転写体クリーニング装置54は、例えば、図3に示すように、筐体55と、筐体55から突出するように配設される第1クリーニングブレード56と、筐体55から突出するように配設される第2クリーニングブレード57を含んで構成されている。
第1クリーニングブレード56は、例えば、第2クリーニングブレード57よりも中間転写体50の回転方向の上流側に設けれている。つまり、第2クリーニングブレード57は、例えば、第1クリーニングブレード56よりも中間転写体50の回転方向の下流側に設けられている。
なお、第1クリーニングブレード56及び第2クリーニングブレード57は、筐体55の端部で支持された形態であってもよし、別途、支持部材(ホルダー)により支持される形態であってもよいが、本実施形態では、筐体55で支持された形態を示している。
【0093】
第1クリーニングブレード56は、例えば、中間転写体50の幅方向に沿った方向に延びた板状のものであって、中間転写体50の回転方向とは逆方向側に先端を向けた状態で、中間転写体50の表面に接触して設けられている。具体的には、第1クリーニングブレード56は、例えば、中間転写体50の回転方向(矢印a)の上流側に先端を向け、その先端を中間転写体50の表面に突き当て設けられている。
【0094】
第2クリーニングブレード57は、例えば、中間転写体50の幅方向に沿った方向に延びた板状のものであって、中間転写体50の回転方向側に先端を向けた状態で、中間転写体50の表面に接触して設けられている。具体的には、第2クリーニングブレード57は、例えば、中間転写体50の回転方向(矢印a)の上流側に先端を向け、その先端を中間転写体50の表面に突き当て設けられている。
また、第2クリーニングブレード57は、例えば、その先端部の厚み方向に対向する面のうち、中間転写体50の表面と対向する面が当該中間転写体50の表面に接触するように(つまり、面接触するように)設けられている。
【0095】
第1クリーニングブレード56及び第2クリーニングブレード57を構成する材料としては、感光体用クリーニング装置70のクリーニングブレード72で例示したものと同様な材料が挙げられる。
【0096】
次に、本実施形態に係る画像形成装置101の画像プロセス(画像形成方法)の一例について説明する。
【0097】
本実施形態に係る画像形成装置101では、例えば、まず、電子写真感光体10が矢印aで示される方向に沿って回転すると同時に、帯電装置20により帯電する。
【0098】
帯電装置20によって表面が帯電した電子写真感光体10は、露光装置30により露光され、表面に潜像が形成される。
【0099】
電子写真感光体10における潜像の形成された部分が現像装置40に近づくと、現像装置40において、現像ロール42の表面に形成した現像剤による磁気ブラシを電子写真感光体10に接触することで、潜像にトナーが付着し、トナー像が形成される。
【0100】
トナー像が形成された電子写真感光体10が矢印aに方向にさらに回転すると、一次転写装置51により、トナー像は中間転写体50の表面(外側の面)に転写される。
【0101】
トナー像が中間転写体50に転写されたら、記録紙供給装置53により、二次転写装置52に記録紙Pが供給され、中間転写体50に転写されたトナー像が二次転写装置52により、記録紙P上に転写される。これにより、記録紙Pにトナー像が形成される。
【0102】
画像が形成された記録紙Pは、定着装置80でトナー像が定着される。
【0103】
ここで、トナー像が中間転写体50に転写された後、電子写真感光体10は、転写後、感光体クリーニング装置70のクリーニングブレード72により、表面に残ったトナーや放電生成物が除去される。そして、感光体クリーニング装置70において、転写残のトナーや放電生成物が除去された電子写真感光体10は、帯電装置20により、再び帯電せられ、露光装置30において露光されて潜像が形成される。
【0104】
一方で、トナー像が中間転写体50に転写された後、中間転写体50も、転写後、中間転写体クリーニング装置54の第1クリーニングブレード56と共に第2クリーニングブレード57により、表面に残ったトナー等が除去される。そして、中間転写体クリーニング装置54において、転写残のトナー等が除去された中間転写体50の表面には、再び、一次転写装置51によりトナー像が転写される。
【0105】
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置101では、繰り返し行われる画像形成プロセスの初期の段階では、中間転写体50の表面が樹脂材料及びフッ素樹脂粒子を含んで構成されていることから、当該中間転写体50の表面にフッ素樹脂粒子が露出し、離型性が発現した状態となっている(図4(A)参照)。これにより、中間転写体50から記録紙Pへトナー像を転写する転写効率が高まった状態となっている。
しかしながら、画像形成プロセスが繰り返し行われ、中間転写体50の表面に対して、クリーニングブレード(本実施形態では、第1クリーニングブレード56又は第2クリーニングブレード57)によりクリーニングが行われると、その機械的負荷により、中間転写体の表面に露出しているフッ素樹脂粒子が破砕又は離脱すると考えられる。そして、破砕又は離脱したフッ素樹脂粒子は、クリーニングブレードの電子写真感光体10に対する圧力によって、中間転写体50の表面において、フッ素樹脂粒子の破砕又は離脱により形成される窪み(凹部)の周囲に付着すると共に押し広げられ、中間転写体50の回転方向の下流側へ引き伸ばされると考えられる。これにより、中間転写体50の表面における窪み(凹部)の周囲及びその中間転写体50の回転方向上流側に、フッ素樹脂の膜が形成された状態となると考えられる(図4(B)参照)。
【0106】
ここで、トナー粒子に無機粒子が外添されたトナーを含む現像剤により、現像が行われると、当該現像剤により形成されるトナー像は、電子写真感光体10から中間転写体50への一次転写、中間転写体50から記録紙Pへの二次転写を経る。この二次転写を経た中間転写体50の表面にはトナーが残留し、クリーニングブレード(本実施形態では、第1クリーニングブレード56又は第2クリーニングブレード57)の先端部との接触領域に到達し、当該クリーニングブレードによりクリーニングされる。このとき、クリーニングブレードの先端部では、転写残のトナーが留まり、滞留して、所謂トナーの滞留物が存在することとなる。この滞留物には、外添剤としての無機粒子も含まれる。
【0107】
この状態で、中間転写体50の表面において、フッ素樹脂粒子の破砕又は離脱が生じると、当該中間転写体50の表面に窪み(凹部)が形成されることから、外添剤としての微細な無機粒子は、窪み(凹部)及びその周囲からクリーニングブレードをすり抜け、中間転写体50の表面に付着する。このとき、外添剤としての無機粒子は、中間転写体50の表面における窪み(凹部)に入り込むと共に、その周囲及びその中間転写体50の回転方向上流側に形成されたフッ素樹脂の膜に保持されると考えられる(図4(C)参照)。
【0108】
中間転写体50の表面における窪み(凹部)に入り込むと共に、その周囲及びその中間転写体50の回転方向上流側に形成されたフッ素樹脂の膜に保持された無機粒子は、中間転写体50に対して、微細な凹凸を形成することとなり、中間転写体50の表面に転写されるトナー(トナー像)との接触面積を低減させ、離型性を発現し、これが維持されることとなる。
【0109】
なお、図4中、93はフッ素樹脂粒子、93Aはフッ素樹脂粒子の破砕又は離脱により形成された窪み(凹部)、94はフッ素樹脂の膜、95は無機粒子を示している。
【0110】
以上から、本実施形態に係る画像形成装置101では、中間転写体50から記録紙P(記録媒体の一例)へトナー像を転写する転写効率が維持される。
特に、本実施形態に係る画像形成装置101は、転写効率が低下し易い小径のトナー(例えば体積平均粒径が2.0μm以上6.5μm以下のトナー)を適用したときに有効である。これは、小径のトナーは、小径化に伴いトナーの一粒子当たりの帯電量が低下するため、像保持体に対する静電的な付着力が小さくなる一方で、中間転写体50に対するファンデルワールス力(分子間力)等の非静電的な付着力が大きくなり、転写電界により転写することが、大径のトナーに比べて困難となり易いためである。
【0111】
また、本実施形態に係る画像形成装置101では、中間転写体クリーニング装置54のクリーニングブレードとして、第1クリーニングブレード56と第2クリーニングブレード57との2つを備えている。
ここで、中間転写体50の表面に対するクリーニング性を考慮すると、クリーニングブレードは、中間転写体50の回転方向とは逆方向側に先端を向けた状態で、中間転写体50の表面に接触して設けることがよい(以下、この配置方式をドクター方式と称することがある)。
一方で、中間転写体の表面の離型性を維持させる観点からは、中間転写体50の表面において、外添剤としての無機粒子が付着・保持するフッ素樹脂の膜の面積が広い方がよく、これを実現するためには、中間転写体50の表面に対するクリーニングブレードの圧力を高めることがよい。
しかしながら、ドクター方式で配置するクリーニングブレードの圧力を高めると、ブレード捲れが発生してしまうことがある。
【0112】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置101では、中間転写体50の表面の高いクリーニング性を実現するドクター方式で配置する第1クリーニングブレード56と共に、第1クリーニングブレードよりも中間転写体50の回転方向の下流側に、第2クリーニングブレード57を中間転写体50の回転方向側に先端を向けた状態で、中間転写体50の表面に接触して設けている(以下、この配置方式をワイパー方式と称することがある)。
ワイパー方式で配置される第2クリーニングブレード57は、中間転写体50の表面に対する圧力を高めてもブレード捲れが発生することがなく、中間転写体50の表面において、外添剤としての無機粒子が付着・保持するフッ素樹脂の膜の面積を大きくするために当該圧力を高められる(例えば、第1クリーニングブレード56の圧力1gf/mm以上3gf/mm以下に対して、第2クリーニングブレード57の圧力を2gf/mm以上5gf/mm以下とする)。
つまり、ドクター方式で配置する第1クリーニングブレード56により形成されるフッ素樹脂の膜の面積よりも(図5(A)参照)、ワイパー方式で配置される第2クリーニングブレード57により形成されるフッ素樹脂の膜の面積の方が大きくなるように(図5(B)参照)、中間転写体50の表面に対する第2クリーニングブレード57の圧力を高められる。
なお、図5中、93Aはフッ素樹脂粒子の破砕又は離脱により形成された窪み(凹部)、94はフッ素樹脂の膜を示している。
【0113】
このため、本実施形態に係る画像形成装置101では、中間転写体クリーニング装置54のクリーニングブレードとして、第1クリーニングブレード56と第2クリーニングブレード57との2つを備えることで、第1クリーニングブレード56のみを設けた場合に比べ、中間転写体50から記録紙P(記録媒体の一例)へトナー像を転写する転写効率が維持される。
【0114】
また、本実施形態に係る画像形成装置101では、トナー粒子に無機粒子と共に潤滑剤粒子を外添したトナーを含む現像剤により、現像を行うと、潤滑剤粒子を外添しない場合に比べ、中間転写体50から記録紙P(記録媒体の一例)へトナー像を転写する転写効率が維持される。
ここで、中間転写体50のフッ素樹脂粒子(それが破砕又は離脱した形成されるフッ素樹脂の膜)は、外部から供給されないことから、画像形成プロセスが繰り返されることにより、次第に減少する。
そこで、トナー粒子に無機粒子と共に潤滑剤粒子を外添したトナーを含む現像剤により、現像を行うと、潤滑剤粒子はクリーニングブレードの先端部(そこで滞留する滞留物)において細かく粉砕され、無機粒子と同様に、中間転写体50の表面における窪み(凹部)に入り込むと共に、その周囲及びその中間転写体50の回転方向上流側に形成されたフッ素樹脂の膜に保持されると考えられる。そして、この潤滑剤粒子が粉砕された潤滑財成分は、フッ素樹脂と同様に、無機粒子を付着・保持する機能を発揮すると考えられる。
【0115】
このため、本実施形態に係る画像形成装置101では、トナー粒子に無機粒子と共に潤滑剤粒子を外添したトナーを含む現像剤により、現像を行うと、潤滑剤粒子を外添しない場合に比べ、中間転写体50から記録紙P(記録媒体の一例)へトナー像を転写する転写効率が維持される。
【0116】
また、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限られず、例えば、電子写真感光体10の周囲であって、一次転写装置51よりも電子写真感光体10の回転方向下流側で感光体クリーニング装置70よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、残留したトナーの極性を揃え、クリーニングブラシ等で除去しやすくするための第1除電装置を設けた形態であってもよいし、感光体クリーニング装置70よりも電子写真感光体の回転方向下流側で帯電装置20よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、電子写真感光体10の表面を除電する第2除電装置を設けた形態であってもよい。
【0117】
また、本実施形態に係る画像形成装置101は、上記構成に限れず、周知の構成、例えば、電子写真感光体10に形成したトナー像を直接、記録紙Pに転写する方式を採用してもよいし、タンデム方式の画像形成装置を採用してもよい。
【実施例】
【0118】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、文中、特に断りがない限り、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」を意味する。
【0119】
[現像剤1]
(ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂粒子分散液(a1)の調製)
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン15モル部と、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン85モル部と、テレフタル酸10モル部と、フマル酸67モル部と、n−ドデセニルコハク酸3モル部と、トリメリット酸20モル部と、これらの酸成分(テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、フマル酸の合計モル数)に対して0.05モル部のジブチル錫オキサイドと、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃乃至230℃で12時間から20時間共縮重合反応させた。その後、210℃乃至250℃で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂(A1)を合成した。この樹脂の重量平均分子量Mwは65000、ガラス転移温度Tgは65℃であった。
【0120】
高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット:0.4mm)の乳化タンクに、得られたポリエステル樹脂3000質量部、イオン交換水10000質量部、界面活性剤ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム90質量部を投入した後、130℃に加熱溶融後、110℃で流量3L/mにて10000回転で30分間分散させ、冷却タンクを通過させて非晶性樹脂粒子分散液(高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010 スリット0.4mm)を回収し、ポリエステル樹脂粒子分散液(a1)を得た。
【0121】
(ポリエステル樹脂(B1)及びポリエステル樹脂粒子分散液(b1)の調製)
加熱乾燥した3口フラスコに、1、9−ノナンジオール45モル部と、ドデカンジカルボン酸55モル部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.05モル部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で2時間攪拌を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い5時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、ポリエステル樹脂(B1)を合成した。この樹脂の重量平均分子量Mwは25000、溶融温度Tmは73℃であった。
その後、ポリエステル樹脂分散液(A1)の作製と同じ条件にて高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット:0.4mm)を用い、ポリエステル樹脂分散液(b1)を得た。
【0122】
(着色剤粒子分散液の調製)
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000質量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬)アニオン界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム 和光純薬社製):150質量部
・イオン交換水:4000質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間分散して着色剤(シアン顔料)粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液を調製した。着色剤粒子分散液における着色剤(シアン顔料)粒子の体積平均粒子径は0.15μm、着色剤粒子濃度は20%であった。
【0123】
(離型剤粒子分散液の調製)
・ワックス(WEP−2、日本油脂社製):100質量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬):2質量部
・イオン交換水:300質量部
・脂肪酸アミドワックス(日本精化、ニュートロンD:100質量部
・アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニューレックスR):2質量部
・イオン交換水:300質量部
以上の成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒子径が200nmである離型剤粒子を分散させてなる離型剤粒子分散液(1)(離型剤濃度:20質量%)を調製した。
【0124】
(トナー粒子1の作製)
・ポリエステル樹脂粒子分散液(a1):340質量部
・ポリエステル樹脂粒子分散液(b1):160質量部
・着色剤粒子分散液:50質量部
・離型剤粒子分散液:60質量部
・界面活性剤水溶液:10質量部
・0.3M硝酸水溶液:50質量部
・イオン交換水:500質量部
【0125】
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で42℃まで加熱し30分保持した後、更に加熱用オイルバスの温度を上げて58℃で30分間保持し、凝集粒子が形成されていることを確認した段階で、追加のポリエステル樹脂粒子分散液(a1):100質量部を添加後、更に30分保持した。
続いて、ニトリロ3酢酸Na塩(中部キレスト社製、キレスト70)を全液の3%となるように添加した。その後1Nの水酸化ナトリウム水溶液をpH7.2に到達するまで穏やかに添加した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、3.0時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー粒子1を得た。
【0126】
このときの粒子径をコールターマルチサイザーにて測定したところ体積平均粒径D50は4.5μm、粒度分布係数GSDは1.22であった。
【0127】
(トナー1の作製)
トナー粒子1:100質量部に、シリカ粒子(「ヒュームドシリカRX50」日本アエロジル(株)製、体積平均粒子径40nm):3質量部を加え、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、トナー1を作製した。
【0128】
(現像剤1の作製)
まず、フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒径50μm)100部とメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量95000、10000以下の成分比率は5%)1.5部を、トルエン500部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間攪拌混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温してトルエンを留去し、その後冷却し、105μmの篩を用いて分級して樹脂被覆フェライトキャリアを得た。
この樹脂被覆フェライトキャリアと、トナー1と、を混合し、トナー濃度が7重量%の現像剤1(二成分系静電荷像現像剤)を作製した。
【0129】
[現像剤2]
まず、現像剤2の作製と同様にして、トナー粒子1を得た。
次に、トナー粒子1:100質量部に、シリカ粒子(「ヒュームドシリカRX50」日本アエロジル(株)製、体積平均粒子径40nm):3質量部とステアリン酸亜鉛粒子(体積平均粒径5μm)0.5質量部を加え、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、トナー2を作製した。
そして、トナー2を用いて、現像剤1と同様にして、現像剤2を得た。
【0130】
[中間転写ベルト1]
(基材層形成用塗布液の調整)
まず、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)を含むポリアミド酸N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(ユニチカ社製UイミドKX/固形分濃度20質量%)中にカーボンブラック(SPECIAL Black 4、エボニックデグサジャパン社製)を固形分質量比で8質量%投入し、ジェトミル分散機(ジーナス社製:GeanusPY)で分散処理(200N/mm、5パス)を行った。得られたカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を、ステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物及びカーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な溶液を作製した。これを基材層形成用塗布液とした。
【0131】
(最外層形成用塗布液の調整)
−カーボンブラック分散ポリアミド酸溶液の調製−
まず、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)を含むポリアミド酸N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(ユニチカ社製UイミドKX/固形分濃度20質量%)中にカーボンブラック(SPECIAL Black 4、エボニックデグサジャパン社製)を固形分質量比で15質量%投入し、ジェトミル分散機(ジーナス社製:GeanusPY)で分散処理(200N/mm、5パス)を行った。得られたカーボンブラック分散ポリアミド酸溶液を、ステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物及びカーボンブラック凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な溶液を作製した。
【0132】
−フッ素樹脂粒子分散ポリアミド酸溶液の調製−
まず、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)とp−フェニレンジアミン(PDA)を含むポリアミド酸N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液(ユニチカ社製UイミドKX/固形分濃度20質量%)を準備した。
次に、この溶液に、一次粒径0.2μmのPTFE粒子を固形分質量比で50質量%と、フッ素樹脂粒子分散剤(AGCセイミケミカル社製S−386)を固形分質量比で2質量%と、を混合し、ジェトミル分散機(ジーナス社製:GeanusPY)で分散処理(200N/mm、5パス)を行った。
得られたフッ素樹脂粒子分散ポリアミド酸溶液を、ステンレス製20μmメッシュに通過させて、異物及びPTFE凝集物を取り除いた。更に、攪拌しながら真空脱泡を15分間行い、最終的な溶液を作製した。
【0133】
−混合溶液の調整−
カーボンブラック分散ポリアミド酸溶液500質量部と、フッ素樹脂粒子分散ポリアミド酸溶液500質量部と、を回転式攪拌機により混合して、混合溶液を調製した。
これを最外層形成用塗布液とした。
【0134】
(中間転写ベルトの作製)
外径600mm、肉厚8mm、長さ900mmのSUS304製円筒を用意し、保持板として厚さ8mm、外径が上記円筒に嵌まる径、150mm径の通風孔を4つ設けた円板を同じSUS材で作製し、上記円筒の両端に嵌めて溶接し、芯体とした。芯体の外周面は、アルミナ粒子によるブラスト処理によりRa0.4μmに粗面化した。
【0135】
次に、芯体の外周面には、シリコーン系離型剤(商品名:セパコート、信越化学製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理を施した。
【0136】
次に、基材層形成用塗布液を芯体の外周面に塗布して、第1皮膜形成樹脂溶液の塗膜を形成した。
ここで、基材層形成用塗布液の塗布は、らせん塗布方法を適用して行った。
塗布条件は、15リットルの基材層形成用塗布液が入った容器にモーノポンプを連結した流下装置のノズルから毎分20mlの基材層形成用塗布液の吐出を行い、芯体を20rpmで回転させ、吐出された基材層形成用塗布液が芯体に付着後、その表面にブレードを押し当て、芯体軸方向に210mm/分の速度で移動させて行った。ブレードは、厚さ0.2mmのステンレス板を幅20mm、長さ50mmに加工したものを適用した。また、塗布幅は芯体の軸方向の端部10mmの位置から、他端部10mmの位置までとした。塗布後、そのまま5分間回転を続けることで、塗膜表面のらせん筋は消失した。
【0137】
これにより、膜厚が160μmの基材層形成用塗布液の塗膜が形成された。この厚さは、でき上がり膜厚33μmに相当する。
その後、芯体を10rpmで回転させながら180℃の乾燥炉に入れ、基材層形成用塗布液の塗膜を20分間乾燥させた。これにより、基材層となる皮膜を形成した。
【0138】
次に、最外層形成用塗布液を基材層となる皮膜の外周面に塗布して、最外層形成用塗布液の塗膜を形成した。
ここで、最外層形成用塗布液の塗布は、基材層形成用塗布液の塗布と同様にして行った。但し、塗布条件は、ノズルから吐出量を毎分40mlとし、塗布幅はやはり芯体の軸方向における端部10mmの位置から、他端部10mmの位置までとした。そして、塗布後、そのまま5分間回転を続けることで、塗膜表面のらせん筋は消失した。
【0139】
これにより、膜厚が300μmの最外層形成用塗布液の塗膜が形成された。この厚さは、でき上がり膜厚67μmに相当する。
その後、芯体を10rpmで回転させながら185℃の乾燥炉に入れ、最外層形成用塗布液の塗膜を30分間乾燥させた。これにより、最外層となる皮膜を形成した。
【0140】
次に、芯体を回転台からおろして垂直にして加熱炉に入れ、200℃で30分、300℃で30分加熱反応させ、基材層及び最外層となる皮膜膜の残留溶剤の乾燥とイミド化反応を同時に行った。
【0141】
その後、基材層及び最外層からなる積層体を芯体から抜き取り無端ベルトを得た。
この無端ベルトの幅方向の中央を切断し、さらに不要部分を両端から切断して、幅360mmの2本の無端ベルトを得た軸方向について5箇所、周方向について10箇所の計50箇所について、その平均膜厚をダイヤルゲージで測定すると、総厚みは100μmであった。
そして、得られた無端ベルトを、中間転写ベルト1とした。
【0142】
[実施例1]
中間転写方式の画像形成装置として、富士ゼロックス社製「700DigitalColorPress」を準備し、その現像器に現像剤1を充填すると共に、中間転写ベルト1を装着した。
本中間転写方式の画像形成装置は、中間転写ベルトのクリーニング装置として、ドクター方式で配置されたクリーニングブレード(中間転写体に対する押圧力 3gf/mm )を備えている。
【0143】
[実施例2]
実施例1で準備した中間転写方式の画像形成装置に対して、ドクター方式で配置されたクリーニングブレードよりも、中間転写ベルトの回転方向下流側に、さらにワイパー方式でクリーニングブレードを配置する改造を行った。
【0144】
[実施例3]
実施例1で準備した中間転写方式の画像形成装置の現像器に、現像剤1に代えて、現像剤2を充填した。
【0145】
[評価]
各例の中間転写方式の画像形成装置を用いて、中間転写ベルトから記録紙へトナー像を転写する際における転写効率を評価した。結果を表1に示す。
転写効率の評価方法は、二次転写部の下流側の中間転写ベルト上の転写残像と転写前の転写像のトナー像の重量で算出する。この時、中間転写ベルト上の転写残像は、トナー量が非常に少ないので、その転写残像をテープに転写し、その転写した像の濃度を測定して、あらかじめ求めた濃度-トナー量の関係式からトナー量を算出した。
具体的には、式:転写効率=(転写残像)/((転写残像+転写像))で算出する。
【0146】
【表1】

【0147】
上記結果から、本実施例では、転写効率が初期から経時に渡り、良好な結果が得られていることがわかる。
また、ワイパー方式配置のブレートを配置した実施例2では、実施例1に比べ、転写効率が初期から経時に渡り、良好な結果が得られていることがわかる。
また、トナー粒子にシリカ粒子と共に潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛粒子)を外添したトナーを含む現像剤を適用した実施例3では、実施例1に比べ、転写効率が初期から経時に渡り、良好な結果が得られていることがわかる。
【符号の説明】
【0148】
10 電子写真感光体、10A 電子写真感光体、10B 電子写真感光体、20 帯電装置、30 露光装置、40 現像装置、41 現像容器、41A 現像容器本体、41B 現像容器カバー、41C 仕切り壁、42 現像ロール、42A 現像ロール室、43 攪拌部材、43A 攪拌室、44 攪拌部材、44A 攪拌室、45 層厚規制部材、46 補給搬送路、47 補給用現像剤収納容器、50 中間転写体、50A 支持ローラ、50B 支持ローラ、50C 背面ローラ、50D 駆動ローラ、51 一次転写装置、52 二次転写装置、53 記録紙供給装置、53A 搬送ローラ、53B 誘導板、54 中間転写体クリーニング装置、70 感光体クリーニング装置、71 筐体、72 クリーニングブレード、80 定着装置、81 定着ローラ、82 搬送帯、101 画像形成装置、101A プロセスカートリッジ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電された前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナー粒子に無機粒子が外添されたトナーを含む静電潜像現像剤を収納し、前記静電潜像現像剤により、前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像が転写される中間転写体であって、表面が樹脂材料及びフッ素樹脂粒子を含んで構成された中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を前記中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写した後、前記中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング手段であって、前記中間転写体の表面に接触して設けられたクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記クリーニングブレードが、
前記中間転写体の回転方向とは逆方向側に先端を向けた状態で、前記中間転写体の表面に接触して設けられた第1クリーニングブレードと、
前記中間転写体の回転方向側に先端を向けた状態で、前記中間転写体の表面に接触して設けられた第2クリーニングブレードであって、前記第1クリーニングブレードよりも前記中間転写体の回転方向の下流側に設けられた第2クリーニングブレードと、
を備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トナーが、トナー粒子にさらに潤滑剤粒子が外添されてなる請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電された前記像保持体の表面を露光して静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
トナー粒子に無機粒子が外添されたトナーを含む静電潜像現像剤により、前記像保持体に形成された前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
表面が樹脂材料及びフッ素樹脂粒子を含んで構成された中間転写体の表面に、前記像保持体の表面に形成された前記トナー像を一次転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写する二次転写工程と、
中間転写体の表面に接触して設けられたクリーニングブレードにより、前記中間転写体の表面に転写された前記トナー像を記録媒体に二次転写した後、前記中間転写体の表面をクリーニングするクリーニング工程と、
を有する画像形成方法。
【請求項5】
前記クリーニング工程が、
前記中間転写体の回転方向とは逆方向側に先端を向けた状態で、前記中間転写体の表面に接触して設けられた第1クリーニングブレードにより、前記中間転写体の表面をクリーニングする第1クリーニング工程と、
前記中間転写体の回転方向側に先端を向けた状態で、前記中間転写体の表面に接触して設けられた第2クリーニングブレードであって、前記第1クリーニングブレードよりも前記中間転写体の回転方向の下流側に設けられた第2クリーニングブレードにより、前記中間転写体の表面をクリーニングする第2クリーニング工程と、
を有する請求項4に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記トナーが、トナー粒子にさらに潤滑剤粒子が外添されてなる請求項4又は5に記載の画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−173357(P2012−173357A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32530(P2011−32530)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】