説明

画像形成装置、操作設定方法、画像形成システムおよび情報処理装置

【課題】 作成されたマクロが多くの機種で使用できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 第1のMFPで作成されたマクロを他の第2のMFPで実行する場合、機種間等における操作画面の違いを考慮し、転送先の第2のMFPにおいても同様のマクロ処理が実行できるように、第1のMFPでマクロ処理を変更し、送信用マクロを生成してから第2のMFPに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部を介して行われる操作手順を記憶し、この記憶された操作手順を再現するマクロを実行する画像形成装置、操作設定方法、画像形成システムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機などに代表される画像形成装置は操作パネル部を有し、この操作パネル部に設けられた複数個のキー群および表示部を使用して、さまざまな印刷モードや印刷環境の設定が行われていた。
【0003】
また、複雑な設定や頻繁に使用される設定は、予めマクロとして専用キーなどに登録しておき、複写機に印刷モードや印刷環境を設定する際、専用キーを押して登録されたマクロを実行させることにより、所望の設定が行われていた(特許文献1参照)。ここで、マクロ(マクロ機能あるいはマクロ処理スクリプトとも称する)とは、ユーザが行った操作手順が再現可能なように生成されるプログラムであり、一旦登録された後、呼び出して実行可能なものである。
【0004】
また、ユーザが行った操作手順は、マクロとして複写機の画像処理部に直接設定されるのではなく、専用キーに登録されるようにしたのは、ユーザが操作パネル部から設定を行った手順通りに動作を行わせるためである。つまり、ユーザが操作パネル部から設定した場合とマクロが設定した場合とで、複写機の画像処理部におけるプログラムを共通にするためである。これにより、後から専用キーによるマクロを追加しても、プログラムの追加および検証を行うことなく、専用キーによるマクロの追加が可能である。
【特許文献1】特開2002−185662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のようなマクロを他の複写機に転送する場合、以下に掲げる問題が起こり得る。すなわち、送り元の複写機と送り先の複写機において、画面構成が異なったり、それぞれの画面で設定可能な機能が異なる場合、専用キーを押してマクロを実行させても所望の設定を行うことができなかった。
【0006】
また近年、複写機にはさまざまな機能・設定が追加されたので、全ての機能を一度に操作パネル部に表示することができなくなり、このため、複数のページに分割して機能を表示し、これら複数のページ間を所定のボタンを押すことによって移動する(表示を切り替える)ことが行われていた。
【0007】
さらに、ユーザが操作パネル部のカスタマイズを行うことにより、それぞれのユーザが機能の順番を入れ替えることができるようになったので、任意の機能を行うボタンが複数のページのいずれに属するかは、個々の複写機で異なるという状態が起こっていた。このため、専用キーのマクロを同種類の複写機に送って使用する場合でも、所望の設定を行うことができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、作成したマクロが多くの機種で使用可能となる画像形成装置、操作設定方法、画像形成システムおよび情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、操作部を介して行われる操作手順を記憶し、前記記憶された操作手順を再現するマクロを生成する画像形成装置であって、他の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得手段と、前記取得した操作部に関する情報を基に、前記生成されたマクロを前記他の画像形成装置の操作部において実行可能なマクロに変更する変更手段と、前記変更されたマクロを前記他の画像形成装置に転送する転送手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の画像形成システムは、ネットワークを介して接続された画像形成装置および情報処理装置を有する画像形成システムであって、前記画像形成装置は、操作部を介して行われる操作手順を記憶する操作記憶手段と、前記記憶された操作手順を再現するマクロを生成するマクロ生成手段と、前記生成されたマクロを前記情報処理装置に転送する第1の転送手段とを備え、前記情報処理装置は、前記画像形成装置から転送されたマクロを取得するマクロ取得手段と、他の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得手段と、前記取得した操作部に関する情報を基に、前記取得したマクロを前記他の画像形成装置の操作部において実行可能なマクロに変更する変更手段と、前記変更されたマクロを前記他の画像形成装置に転送する第2の転送手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の情報処理装置は、複数の画像形成装置とともにネットワークに接続された情報処理装置であって、第1の画像形成装置から転送された、操作部を介して行われる操作手順を再現するマクロを取得するマクロ取得手段と、前記第1の画像形成装置および第2の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段で取得した操作部に関する情報を基に、前記取得したマクロを前記第2の画像形成装置の操作部において実行可能なマクロに変更する変更手段と、前記変更されたマクロを前記第2の画像形成装置に転送する転送手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の画像形成装置は、操作部を介して行われる操作手順を記憶し、前記記憶された操作手順を再現するマクロを実行可能な画像形成装置であって、他の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得手段と、前記他の画像形成装置で生成されたマクロを受信するマクロ受信手段と、前記取得した操作部に関する情報を基に、前記受信したマクロを前記画像形成装置によって実行可能なマクロに変更する変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の操作設定方法は、第1の画像形成装置において操作部を介して行われる操作手順が記憶され、前記記憶された操作手順を再現するマクロを生成し、前記生成されたマクロを第2の画像形成装置の操作部で設定させる操作設定方法であって、前記第2の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得ステップと、前記取得した操作部に関する情報を基に、前記生成されたマクロを前記第2の画像形成装置の操作部において実行可能なマクロに変更する変更ステップと、前記変更されたマクロを前記第2の画像形成装置に転送する転送ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明の操作設定方法は、第1の画像形成装置において操作部を介して行われる操作手順が記憶され、前記記憶された操作手順を再現するマクロを生成し、前記生成されたマクロを第2の画像形成装置の操作部で設定させる操作設定方法であって、前記第1の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得ステップと、前記第1の画像形成装置で生成されたマクロを受信するマクロ受信ステップと、前記取得した操作部に関する情報を基に、前記受信したマクロを前記第2の画像形成装置によって実行可能なマクロに変更する変更ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に係る画像形成装置によれば、作成したマクロを他の画像形成装置に転送あるいは移植する際、生成元の画像形成装置と送信先の画像形成装置とで差異を吸収するようにマクロの内容を変更するので、作成したマクロが多くの機種で使用可能となる。
【0016】
また、請求項8に係る画像形成システム及び請求項13に係る情報処理装置によれば、情報処理装置にマクロの変更、および他の画像形成装置への転送を行わせることで、作成元の画像形成装置の構成を簡単にすることができる。
【0017】
また、請求項14に係る画像形成装置によれば、受信したマクロを、作成元の画像形成装置の操作部を考慮して変更するので、作成元の画像形成装置との差異を吸収できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の画像形成装置、操作設定方法、画像形成システムおよび情報処理装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の画像形成装置は、複写機としての機能を有したMFPに適用され、ネットワークを介して接続された他の画像形成装置、サーバ装置等とともに画像形成システムを構築する。
【0019】
図1は実施の形態における画像形成システムの構成を示す図である。この画像形成システムは、ローカルエリアネットワーク(LAN)19を介して第1のMFP101、第2のMFP102、クライアントPC103、データベースサーバ104、電子メールサーバ105、WWWサーバ106およびプリンタ140が接続された構成を有する。また、LAN19には、ルータ107が接続されており、ルータ107を介して接続されるインターネット/イントラネット112には、MFP120、データベースサーバ121、WWWサーバ123、電子メールサーバ124等が接続されている。
【0020】
第1のMFP101は、スキャナ(リーダ)部およびプリンタ部を有し、スキャナ部から読み込んだ画像データをLAN19に出力したり、LAN19から受信した画像データをプリンタ部で印刷する。また、第1のMFP101は、PSTNまたはISDN130を介してファクシミリ(FAX)装置131と送受信可能であり、スキャナ部から読み込んだ画像データをFAX送信部(図示せず)からPSTNまたはISDN130に送信したり、PSTNまたはISDN130から受信した画像データをプリンタ部で印刷する。
【0021】
第2のMFP102は、第1のMFP101と同等の能力を持つMFPであり、第1のMFP101と同じようにLAN19に接続されている。尚、図1には、第1のMFP101および第2のMFP102だけが示されているが、その他のMFPがLAN19に接続されていてもよい。
【0022】
データベースサーバ104は、第1のMFP101および第2のMFP102のスキャン部から読み込んだ画像データをデータベースとして管理する。電子メールサーバ105は、第1のMFP101および第2のMFP102から読み取った画像データを電子メールの添付ファイルとして受け取ることができる。
【0023】
WWWサーバ106は、HTML文書をLAN19に提供するものであり、WWWサーバ106から提供されるHTML文書は、第1のMFP101および第2のMFP102で印刷可能である。
【0024】
クライアントPC103は、ユーザによる、データベースサーバ104に保存されている画像データの閲覧および検索、あるいは電子メールサーバ105が受け取ったメールの受信、閲覧および電子メールの送信を行う際に用いられる。また、クライアントPC103は、データベースサーバ104、電子メールサーバ105、WWWサーバ106内の画像データおよびクライアントPC内のデータを、第1のMFP101および第2のMFP102から印刷する指示を行う。尚、図1には、クライアントPCは1つしか示されていないが、LAN19には、複数のクライアントPCが接続されていてもよい。
【0025】
ルータ107は、LAN19とインターネット/イントラネット112とを連結するものである。インターネット/イントラネット112には、前述したように、第1のMFP101、データベースサーバ104、WWWサーバ106、電子メールサーバ105と同様の装置群であるMFP120、データベースサーバ121、WWWサーバ123、電子メールサーバ124が接続されている。また、LAN19には、プリンタ140が接続されており、第1のMFP101および第2のMFP102で読み取られた画像データを印刷可能である。
【0026】
図2は第1のMFP101の構成を示すブロック図である。尚、前述したように、第2のMFP102の構成は第1のMFP101と同じである。第1のMFP101は、内部バス17を介して接続される、マイクロプロセッサ部9、バッファメモリ10、符号・復号化処理部11、画像処理部12、通信制御部13、暗号・解読部16、操作パネル制御部5、リーダ制御部6、プリンタ制御部7、記憶装置制御部8およびネットワーク制御部18を有する。操作パネル制御部5には、操作パネル部1が接続されている。リーダ制御部6には、リーダ部2が接続されている。プリンタ制御部7には、プリンタ3が接続されている。記憶装置制御部8には、記憶装置4が接続されている。ネットワーク制御部18はLAN19に接続されている。通信制御部13には、電話回線15を制御するNCU14が接続されている。
【0027】
操作パネル部1には、ユーザによって操作されるダイアル、スイッチ等が配置されている。コピー、ファックス送信等の動作指示、拡大縮小倍率、送信先の電話番号入力等の設定は、この操作パネル部1を用いて行われる。リーダ部(読み取り部)2は、送信すべき原稿を光学的に走査して画像信号を生成する。原稿をリーダ部の原稿台に乗せ、主操作方向に一列に並べたCCDなどの光電素子を素子の並び方向と垂直(副走査方向)に移動して原稿を読み取り、電気的な画像データを生成する。リーダで読み取った画像データはリーダ制御部を介してバッファメモリに格納される。
【0028】
プリンタ部3は、電子写真方式のプリンタであり、リーダ部2で読み取られた画像データや電話回線15を介して送られてきた受信信号を記録紙に形成する。プリンタ部3への画像データの出力は、バッファメモリ10に格納された画像データを、プリンタ制御部7を介してプリンタ部3に送ることによって行われる。
【0029】
記憶装置4は、ハードディスク等の不揮発性メモリから構成され、リーダ部2で読み取られた画像データや電話回線15を介して送られてきた受信信号を格納する。この記憶装置4に画像データや受信信号を格納する場合、あるいは記憶装置4に格納された画像データや受信信号を読み出す場合、後述するように、バッファメモリ10を介して格納および読出が行われる。
【0030】
操作パネル制御部5は、操作パネル部1を制御するものであり、操作パネル部1を介して入力されたユーザからの指示を解析し、その指示内容をマイクロプロセッサ部9に送る。リーダ制御部6は、リーダ部2を制御するものであり、マイクロプロセッサ部9の指示にしたがってリーダ部2を駆動し、原稿台上の原稿を読み取ると共に、読み取られた画像データをバッファメモリ10に格納する。
【0031】
プリンタ制御部7は、プリンタ3を制御するものであり、マイクロプロセッサ部9の指示にしたがってバッファメモリ10から画像データあるいは受信信号を取得し、プリンタ部3に出力すると共に、画像データの出力に合わせてプリンタ部3を駆動し、記録紙に画像を印刷する。記憶装置制御部8は、記憶装置4を制御するものであり、マイクロプロセッサ部9の指示にしたがってバッファメモリ10から記憶装置4にデータを格納したり、記憶装置4からバッファメモリ10にデータを出力する。
【0032】
マイクロプロセッサ部9は、MFP全体の動作を制御するものであり、各部に指示を行うことで、MFPはスキャン、プリント、ファックス受信/送信などの各種動作を実現する。また、マイクロプロセッサ部9の内部には、周知のCPU、後述するプログラム等を記憶するROM、制御等に必要なデータを一時的に格納するRAM等が含まれている。
【0033】
リーダ部2から原稿を読み込んだり、記憶装置4から画像データを読み出したり、あるいはファクシミリ受信やネットワークを介してデータを取得する等の動作が行われる際、バッファメモリ10には、各画像データあるいは受信信号が一旦格納される。また、プリンタ部3で画像データを印刷したり、記憶装置4に画像データを格納したり、あるいはファクシミリ送信やネットワークを介してデータを出力する際、バッファメモリ10から各画像データあるいは送信信号が出力される。
【0034】
符号・復号化処理部11は、バッファメモリ10に格納された画像データあるいは送信信号に対し、必要な場合、符号化(圧縮処理)を行ったり、または圧縮された画像データあるいは受信信号に対し、復号化(伸長処理)を行う。
【0035】
画像処理部12は、操作パネル部1を介してユーザによって指示された画像処理や画質向上のための処理を行う。また、ファクシミリ送信時、送信先の能力に合わせて、送信する画像データの解像度・用紙サイズ等の変換も行う。
【0036】
通信制御部13は、MFPと電話回線15に接続されている他の通信装置との通信を制御するものである。ファクシミリ送信およびファクシミリ受信は、通信制御部13を介して行われる。網制御部(NCU:Network Control Unit)14は、電話回線15をデータ通信等に使用するための接続制御を行う。暗号・解読部16は、画像データの暗号化、および暗号化した画像データの解読を行う。
【0037】
また、内部バス17は各部を接続する。この内部バス17を介して、画像データの転送、各部が動作するためのコマンドおよび設定値の送受信が行われる。
【0038】
ネットワーク制御部18は、内部バス17と外部LAN19とを接続するものである。ネットワーク制御部18は、外部LAN19および内部バス17間でプロトコル変換を行っており、外部LAN19を介して入力した画像データを、リーダ部2から読み込んだ画像データと同じように、バッファメモリ10に格納したり、プリンタ部3から印刷したり、あるいは記憶装置4に格納する。
【0039】
上記構成を有する画像形成装置の動作を示す。図3はマクロ生成処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、マイクロプロセッサ部9内のROMに格納されており、CPUによって実行される。このマクロ(マクロ機能あるいはマクロ処理スクリプトともいう)生成処理では、ユーザが行った一連の設定は専用ボタンに割り当てられる。
【0040】
まず、ユーザによって操作パネル部1に設けられた所定のボタンが押下されたことを検知すると、マイクロプロセッサ部9内のCPUはマクロを生成するモードを開始する(ステップS21)。そして、マクロの生成を終了する所定のボタンが押下されるまで(ステップS22)、その後、ユーザによって操作パネル部1のボタンが押下される度、操作パネル制御部5からボタンを押されたことを検知する(ステップS23)。このとき、操作パネル制御部5は、押された操作パネル部1の押下位置からどのボタンを押されたかを検知する。そして、マイクロプロセッサ部9内のCPUは、操作パネル制御部5から送られる、押されたボタンの種別を表す値(ボタンID)を取得する(ステップS24)。さらに、このボタンIDで表されるボタンを押すという操作手順を表すプログラム(マクロ)を生成し(ステップS25)、ステップS22の処理に戻る。このステップS22〜S25の処理を繰り返すことにより、マイクロプロセッサ部9では、一連の動作を行うマクロが生成される。
【0041】
そして、ステップS22で操作パネル部1に設けられた、マクロの生成を終了する所定のボタンがユーザによって押され、マイクロプロセッサ部9内のCPUがマクロ生成モードの終了を検知すると、それまで生成したマクロを実行するための専用ボタンを操作パネル部1に生成し(ステップS26)、このマクロの生成処理を終了する。
【0042】
具体的に、図3のフローチャートにしたがって、マクロ専用ボタンを生成する動作を示す。ここでは、「2in1」および「連続読み込み」を行うマクロが生成される。また、既に「マクロ生成開始」ボタンを用いて、ステップS21におけるマクロ生成モードに入っているものとする。
【0043】
図4は初期状態における操作パネル部1の画面を示す図である。操作パネル部1の上部には、コピーボタン301、送信/ファクスボタン302、ボックスボタン303およびリモートスキャナボタン304が配置されている。コピーボタン301は、コピー動作を行うための操作画面を表示させるボタンである。送信/ファクスボタン302は、リーダ部2から読み込んだ画像データや記憶装置4に格納された画像データを、LAN19あるいは電話回線15から出力するための操作画面を表示させるボタンである。ボックスボタン303は、リーダ部2から読み込んだ画像データを記憶装置4に格納するための操作画面を表示させるボタンである。リモートスキャナボタン304は、外部読込装置を用いて画像を読み込むリモートスキャンを行うための操作画面を表示させるボタンである。尚、図4では、コピーボタン301が選択されており、操作パネル部1の画面318には、コピー動作を行うための操作画面が表示されている。
【0044】
その他、操作パネル部1には、画像種類選択ボタン305、等倍ボタン306、倍率ボタン307、用紙選択ボタン308、ソータボタン309、両面ボタン310、モード選択ボタン311、応用モードボタン312、濃度設定ボタン313、314、315、割り込みボタン316、システム状況/中止ボタン317等が設けられている。
【0045】
画像種類選択ボタン305は、リーダ部2から読み込む画像の種類を選択するボタンであり、カラー原稿読み込み、白黒原稿読み込み、自動識別読み込みなどの設定を行うことができる。等倍ボタン306は倍率を100%に設定するボタンである。倍率ボタン307は所定の拡大・縮小率を設定する画面を表示するボタンである。用紙選択ボタン308はプリンタ部3で印字する際の用紙を選択する画面を表示させるボタンである。ソータボタン309は複数部印刷する際の出力設定を行う画面を表示させるボタンである。両面ボタン310は、リーダ部2から画像を読み取って印字を行う際に原稿の読み取りを両面で行うか片面のみで行うか、あるいはプリンタ部3で印字する際に記録用紙の両面に印字するか片面だけに印字するかを設定する画面を表示させるボタンである。
【0046】
モード選択ボタン311はリーダ部2から原稿を読み取るためのモードを選択するボタンである。モードとして、文字用/写真用/文字写真混在等のモードが設定可能である。応用モードボタン312は、コピー動作におけるさまざまな機能や設定を行う際の応用モードの画面を表示させるボタンである。濃度設定ボタン313、314、315は、プリンタ部3において記録紙に印字を行う濃度を設定するボタンである。濃度設定ボタン313を押すことにより濃度が薄い設定となり、濃度設定ボタン315を押すことにより濃度が濃い設定となり、濃度設定ボタン314を押すことにより初期設定された濃度に戻る。割り込みボタン316は、現在動作中のMFPの動作を一旦停止し、新たに設定された動作を先に行わせるボタンである。システム状況/中止ボタン317は、現在のMFPの状態を表す画面を表示させたり、現在動作中のジョブを停止する画面を表示させるボタンである。
【0047】
上記操作パネル部1に配置された全てのボタンには、それぞれ固有の値(ボタンID)が割り当てられている。操作パネル制御部5は、操作パネル部1の押された位置からどのボタンが押されたかを検知し、押されたボタンに対応するボタンIDをマイクロプロセッサ部9に送る。マイクロプロセッサ部9は、操作パネル制御部5から送られたボタンIDを取得し、各ボタンIDに対応した処理を行う。尚、本実施形態では、説明を簡単にするために、ボタンを示す図中の符号とボタンIDとを同じにした。つまり、ボタンを示す符号301〜317は、それぞれに対応するボタンIDを表している。もちろん、ボタンIDは符号とは関係ないものであるので、任意に設定してもよく、例えば、ボタン301、302、303、…のボタンIDを、それぞれab11、ab12、ab13、…等として表してもよい。また、本実施形態では、応用モードボタン312を押すことにより応用モードを設定する画面が表示される。
【0048】
ここでは、ステップS23において、操作パネル制御部5は、応用モードのボタンが押されたことを検知すると、ステップS24において、応用モードボタン312に対応するボタンIDを検出してマイクロプロセッサ部9に送る。ステップS25において、マイクロプロセッサ部9内のCPUは、操作パネル制御部5から送られてきたボタンIDを取得し、バッファメモリ10に「ボタンID312を押下する」というマクロを生成する。
【0049】
図5は応用モードボタン312が押されたことにより表示される応用モード画面を示す図である。応用モード画面には、ページ連写ボタン401、表紙/合紙ボタン402、縮小レイアウトボタン403、移動ボタン404、製本ボタン405、OHP中差しボタン406、とじしろボタン407、原稿混載ボタン408、連続読み込みボタン409、ジョブ終了通知ボタン410、枠消しボタン411、次ページボタン412、閉じるボタン413およびシステム状況/中止ボタン414が配置されている。
【0050】
ページ連写ボタン401は、本を開いた状態の原稿をリーダ部2から読み込む際、左開きの本(例えば、時刻表)であるか、右開きの本(例えば、日本語縦書きの小説)であるかを設定する画面を表示させるボタンである。表紙/合紙ボタン402は、表紙や裏表紙を追加するための設定を行う画面を表示させるボタンである。縮小レイアウトボタン403は、Nin1、即ち、2in1、4in1、8in1等、N枚分の原稿画像を縮小して1枚の記録紙に記録させるための縮小レイアウトの設定を行う画面を表示させるボタンである。移動ボタン404は、記録紙上の印刷位置を設定する画面を表示させるボタンである。
【0051】
製本ボタン405は、プリンタ部3から印刷した結果が本の状態になるように設定を行う画面を表示させるボタンである。OHP中差しボタン406は、OHPに印字を行う際、OHPを給紙する手段やOHPと同じ内容を中差しの紙に印字するかを設定する画面を表示させるボタンである。とじしろボタン407は、とじしろを設定する画面を表示させるボタンである。原稿混載ボタン408は、異なる大きさの原稿をリーダ部2から読み込む際、設定を行う画面を表示させるボタンである。
【0052】
連続読み込みボタン409は、複数回に分けてリーダ部2から読み込んだ原稿を一連の原稿として印字する設定を行うボタンである。ジョブ終了通知ボタン410は、ジョブが終了した際、メールによる連絡を行うように設定したり、連絡先のアドレスを設定する画面を表示させるボタンである。枠消しボタン411は、原稿の周辺部にマスキングを行うことにより、原稿に空けられたパンチ穴を消す設定、本原稿の枠を消す設定などを行う画面を表示させるボタンである。
【0053】
次ページボタン412は、応用モードの次のページを表示させるボタンである。この次ページボタン412を押すことにより、操作パネル部1には、応用モードの次ページの画面が表示される。閉じるボタン413は、応用モードによる設定を終了し、図4の画面に戻るボタンである。システム状況/中止ボタン414は、図4のシステム状況/中止ボタン317と同様、MFPの状態を表す画面を表示させたり、現在動作中のジョブを停止する画面を表示させるボタンである。
【0054】
尚、図4と同様、図5においても、応用モード画面上の全てのボタンには、それぞれ固有のボタンIDが割り振られており、操作パネル部1のボタンが押されると、操作パネル制御部5は、その押下位置から押されたボタンを検知し、対応するボタンIDをマイクロプロセッサ部9に送る。また、図4と同様、ボタンを示す符号401〜414は、それぞれに対応するボタンIDを表している。
【0055】
ここでは、「2in1」および「連続読み込み」を設定する例を示す。まず、「2in1」の設定を行うために、縮小レイアウトボタン403を押すことにより縮小レイアウトの設定画面を表示する。すなわち、ステップS23において、操作パネル制御部5は、縮小レイアウトボタン403が押されたことを検知すると、ステップS24において、縮小レイアウトボタン403に対応するボタンIDである「403」を検出し、マイクロプロセッサ部9に送る。ステップS25において、マイクロプロセッサ部9内CPUは、操作パネル制御部5から送られてきたボタンIDを取得し、バッファメモリ10に「ボタンID403を押下する」というマクロを生成する。
【0056】
図6は図5において縮小レイアウトボタン403が押されたことにより表示される原稿サイズ選択画面を示す図である。この原稿サイズ選択画面には、A4ボタン501、「次へ」ボタン502の他、種々のボタンが配置されている。尚、図4、図5と同様、原稿サイズ選択画面上の全てのボタンには、それぞれ固有のボタンIDが割り振られている。
【0057】
図6では、リーダ部2において読み込む原稿のサイズとして、A4ボタン501(ボタンID:「501」)を押し、さらに「次へ」ボタン502(ボタンID:「502」)を押すことにより、次の設定に進む。すなわち、図6では、ステップS23〜ステップS25の処理が2回行われ、マイクロプロセッサ部9内のCPUにより、「ボタンID501を押下する」、「ボタンID502を押下する」とういうマクロがバッファメモリ10に生成される。
【0058】
図7は図6において「次へ」ボタン502が押されたことにより表示される、縮小レイアウトの種類を選択する縮小レイアウト種類選択画面を示す図である。この縮小レイアウト種類選択画面には、2in1モードボタン601、「次へ」ボタン602の他、種々のボタンが配置されている。尚、図4、図5、図6と同様、縮小レイアウト種類選択画面上の全てのボタンには、それぞれ固有のボタンIDが割り振られている。
【0059】
図7では、リーダ部2において読み込んだ原稿を印字する際の記録紙の枚数が指定される。本実施形態では、2in1モードボタン601(ボタンID:「601」)を押すことにより2ページ印刷(2in1)を指定し、さらに「次へ」ボタン602(ボタンID:「602」)を押すことにより次の設定に進む。すなわち、図7では、図6の場合と同様、ステップS23〜ステップS25の処理が2回行われ、マイクロプロセッサ部9内のCPUによって「ボタンID601を押下する」、「ボタンID602を押下する」というマクロがバッファメモリ10に生成される。
【0060】
図8は図7において「次へ」ボタン602が押されたことにより表示される、縮小レイアウトの記録紙の選択を行う記録紙選択画面を示す図である。この記録紙選択画面には、A4ボタン701、OKボタン702の他、種々のボタンが配置されている。尚、図4、図5、図6、図7と同様、記録紙選択画面上の全てのボタンには、それぞれ固有のボタンIDが割り振られている。
【0061】
図8では、プリンタ部3において印字する記録紙のサイズとして、A4ボタン701(ボタンID:「701」)を押し、さらに「OK」ボタン702(ボタンID:「702」)を押すことにより、縮小レイアウトの設定を終了する。すなわち、図8では、図6および図7と同様、ステップS23〜ステップS25の処理が2回行われ、マイクロプロセッサ部9内のCPUによって「ボタンID701を押下する」、「ボタンID702を押下する」とういうマクロがバッファメモリ10に生成される。
【0062】
図9は図8において「OK」ボタン702が押された後の画面を示す図である。この画面は、縮小レイアウトの設定を全て終了した後、応用モード画面として戻った画面である。この図9では、図5〜図8の設定を行うことにより、「2in1」の縮小レイアウト設定および「センター移動」の設定が行われていることが表されている。すなわち、縮小レイアウトボタン403(ボタンID:「403」)および移動ボタン(ボタンID:「404」)の色が変化し、かつボタン上部に設定内容が表示されている。尚、上記説明では、センター移動の設定は行われていないが、本実施形態のMFPでは、縮小レイアウト設定を行うと、自動的に「センター移動」の設定が行われるようになっている。
【0063】
こうして「2in1」の設定が終了したので、次に「連続読み込み」の設定を行う。連続読み込みの設定は、図9において、連続読込ボタン409を押すことにより行われる。尚、連続読み込みの設定では、詳細な設定を行う必要がないので、連続読込ボタン409を押すだけで設定が終了する。図10は連続読込が設定された場合の応用モード画面を示す図である。この画面では、連続読込ボタン409の色が変化し、かつボタン上部に設定内容が表示される。
【0064】
マイクロプロセッサ部9内のCPUは、操作パネル制御部5から送られてきたボタンIDを取得し、バッファメモリ10に「ボタンID409を押下する」というマクロを生成する。図10では、「2in1」および「連続読み込み」の設定が終了しているので、「閉じる」ボタン413を押すことにより応用モードの設定画面を閉じ、初期画面に戻る。図11は初期画面を示す図である。このときも、ステップS23において、操作パネル制御部5がボタン押下を検知すると、ステップS24において、押下された閉じるボタン413のボタンID(413)を検出し、ステップS25において、マイクロプロセッサ部9内のCPUは「ボタンID413を押下する」というマクロをバッファメモリ10に生成する。
【0065】
所望の設定が終了すると、例えば「マクロ生成終了」ボタンを押下し、ステップS22において、マクロ生成モードを終了する。マクロの生成が終了すると、ステップS26において、マイクロプロセッサ部9内のCPUは、バッファメモリ10に生成されたマクロを記憶装置4に格納すると共に、このマクロを実行するための専用ボタンを生成し、操作パネル部1に生成されたボタンを表示する。
【0066】
図12は生成されたマクロを実行するためのボタンが表示された操作パネル部1の画面を示す図である。この画面には、新たに生成された「連続/2in1」ボタン901が配置されている。尚、ボタンの名称はユーザが任意に設定することも可能である。また、新たに生成されたボタンにも、新たな固有のボタンID(例えば、「901」)が割り当てられる。
【0067】
図13はマイクロプロセッサ部9内のCPUによってバッファメモリ10に生成され、記憶装置4に格納されたマクロを示す図である。すなわち、記憶装置4には、STEP1〜STEP10で示されるマクロが格納されている。
【0068】
図12の操作パネル部1の画面から、ユーザが「連続/2in1」ボタン901を押すと、操作パネル制御部5は、操作パネル部1の画面が押されたことを検知し、さらに押された画面上の位置から押されたボタンIDを検出する。操作パネル制御部5がボタンID(「901」)を検出してマイクロプロセッサ部9に送ると、マイクロプロセッサ部9内のCPUは、押されたボタンがマクロを実行するボタンであることを検知し、対応するマクロを記憶装置4から呼び出し、設定されたマクロを順番に実行する。
【0069】
このように、ユーザが「連続/2in1」ボタン901を押すことで、マイクロプロセッサ部9内のCPUは、図13のSTEP1〜STEP10に示すように、10回のボタンがマクロで設定された順番に押下された場合と同じ動作を行う。すなわち、「連続/2in1」ボタン901が押された場合と、図13のSTEP1〜STEP10に示す各ボタンがユーザによって順番に押下された場合とで、マイクロプロセッサ部9内のCPUによって全く同じ動作が行われる。
【0070】
(マクロ送信処理)
図14は第1のMFPで作成されたマクロを第2のMFP2で使用するために変更して送信する処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは、マイクロプロセッサ部9内のROMに格納されており、CPUによって実行される。
【0071】
本実施形態で作成されるマクロは、押下されるボタンのボタンIDを順番に記載していくように構成されているので、例えば、送信先のMFPの操作部がユーザによってカスタマイズされ、所定のボタンが異なる画面に移動してしまっていた場合、マクロが正常に動作しないおそれがある。そこで、本実施形態では、マクロを転送する際、送信先のMFPでもマクロが実行可能となるように、予めマクロを変更(加工)してから送信する。
【0072】
まず、第1のMFP101は、LAN19を介して、第2のMFP102から操作パネル部に表示される操作画面の階層情報を取得する(ステップS41)。この階層情報には、第2のMFPの各操作画面において設定または動作可能である処理、および各処理が行われた後に表示される操作画面等の情報が格納されている。
【0073】
第1のMFPによるマクロが終了したか否かを判別する(ステップS42)。最初はマクロが終了していないので、第1のMFPから送信されるマクロの第1の動作(例えば、図13のSTEP1の動作)を読み込む(ステップS43)。そして、ステップS41で第2のMFPから取得した階層情報を参照し、第2のMFPの現在の操作画面(操作パネル部の画面)で第1の動作が実行可能であるか否かを判別する(ステップS44)。
【0074】
ステップS44で第1の動作が実行可能である場合、ステップS43で取得したマクロの第1の動作を送信用マクロとして生成する(ステップS45)。このとき、第2のMFPにおいて参照する操作画面を、ステップS43の処理が実行された後に進む操作画面に切り替える。この後、再びステップS42を経由してステップS43の処理に戻り、第1のMFPから次のマクロ動作を読み込む。
【0075】
一方、ステップS44で第1の動作が実行可能でない場合、現在の操作画面から別の操作画面に移動することが可能であるか否かを判定する(ステップS46)。別の操作画面に移動することが可能であると判定された場合、参照する操作画面を別の操作画面に切り替える(ステップS47)。そして、別の操作画面に切り替えるためのマクロ処理を送信用マクロに追加する(ステップS48)。この後、再びステップS44の処理に戻り、第2のMFPの現在の操作画面でマクロ動作が実行可能であるか否かを判別する。
【0076】
一方、ステップS46で別の操作画面に移動することができないと判定された場合、第1のMFPで生成されたマクロは、第2のMFPで使用できないと判断し、その旨をエラーとして操作パネル部1の画面等に出力する(ステップS50)。この後、本処理を終了する。尚、ステップS50では、上記別の操作画面に移動することができず、実行可能なマクロに変更できない場合、エラーを出力していたが、転送先の画像形成装置がマクロを実行できない場合、エラーを出力するようにしてもよい。
【0077】
また一方、ステップS43〜S48の動作を繰り返し、ステップS42で処理すべき第1のMFPのマクロがなくなると、第1のMFPは、生成した送信用マクロを第2のMFPに送信し(ステップS49)、本処理を終了する。
【0078】
具体的に、第1のMFPで生成されたマクロ(図13参照)を第2のMFPに送信する場合を示す。本実施形態では、第1のMFPと異なり、第2のMFPにおける「縮小レイアウト」ボタンおよび「連続読込」ボタンが異なる画面に存在する場合を示す。図15は「縮小レイアウト」ボタンが配置された操作画面を示す図である。図16は「連続読込」ボタンが配置された操作画面を示す図である。
【0079】
まず、ステップS41において、第1のMFPは、第2のMFPの操作画面の階層情報を取得する。ステップS43において、第1のMFPから第2のMFPに送信しようとしているマクロの最初の動作を取得する。すなわち、STEP1に示す「ボタンID312を押下する(=操作画面を応用モードに切替える)」を取得する。
【0080】
ステップS44において、第1のMFPは、取得した「ボタンID312を押下する(=操作画面を応用モードに切替える)」というマクロが第2のMFPで実行可能であるか否かを判別する。ここでは、第2のMFPの初期画面にも応用モード(ボタンID312)が存在するはずであるので、ステップS45において、第1のMFPは、送信用マクロとして「ボタンID312を押下する」というマクロを生成する(図17参照)。このとき、第2のMFPにおける参照する画面を「応用モード」の画面に切り替える。
【0081】
この後、第1のMFPはステップS43に戻り、再び第1のMFPから第2のMFPに送信しようとしている次のマクロであるSTEP2の「ボタンID403を押下する」を選択する(図13参照)。同様に、STEP2〜STEP8については、いずれも第2のMFPの操作画面においてマクロ動作が実行可能であるので、ステップS43〜S45の処理を繰り返し、送信用マクロを生成する(図17参照)。
【0082】
つぎに、STEP9に示す「ボタンID409を押下する」が選択された場合を示す。ステップS43において、「ボタンID409を押下する」が選択されると、ステップS44において、マクロが第2のMFPで実行可能であるか否かを判別する。このとき、第2のMFPの操作画面は図15に示す状態にあり、この画面には、ボタンID409に相当する「連続読込」ボタンが存在しないので、マクロ動作を実行することができない。
【0083】
このため、ステップS46において、ページ移動が可能であるか否かを判定する。図15に表示されている応用モードは、複数のページから構成されているので、次ボタン412を押すことにより、ステップS47において、次ページに進むことが可能である。これにより、図16に示す画面に進むとともに、ステップS48において、「ボタンID412を押下する」というマクロを送信用マクロに追加する(図17参照)。
【0084】
この後、再びステップS44に戻り、先ほどのステップS43において取得した「ボタンID409を押下する」というマクロが第2のMFPで実行可能であるか否かを判別する。図16には、ボタンID409に相当する「連続読込」ボタン409が存在するので、今度はマクロ動作を実行することが可能となり、ステップS45において、「ボタンID409を押下する」というマクロを送信用マクロに追加する(図17参照)。
【0085】
そして、ステップS43において、STEP10のマクロを取得し、ステップS44およびS45において、STEP10のマクロを送信用マクロに追加すると、図13のマクロが全て取得されたことになるので、ステップS42において、第1のMFPのマクロが終了したと判断される。そして、ステップS49において、それまで送信用マクロとして生成されたマクロが第2のMFPに送信される。図17は第2のMFPに送信される送信用マクロを示す図である。前述したように、図17におけるSTEP9は、マクロを第2のMFPに送信するために追加されたマクロである。
【0086】
このように、本実施形態の画像形成装置によれば、第1のMFPで作成されたマクロを他の第2のMFPに送信する際、第2のMFPで動作可能であるように、マクロを変更してから出力する。したがって、作成したマクロが多くの機種で使用できるようになる。また、異なる機種間で操作画面におけるメニュー階層、ボタンの位置・数等の違いがあっても、これらの差異を吸収するようにマクロの内容を変更してから送信することで、同様のマクロを実行させることができる。
【0087】
尚、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0088】
例えば、上記実施形態では、第1のMFPで送信用マクロを生成した後、この送信用マクロを第2のMFPに送信していたが、送信用マクロ生成動作は、図1に示すデータベースサーバ104などのサーバ装置によって行うことも可能である。
【0089】
この場合、データベースサーバ104が図14に示したフローチャートを実行することになる。即ち、第1のMFPで作成されたマクロを、LAN19を介してデータベースサーバ104が受信し、これを第2のMFPに送信して設定登録を行うと判断されると図14のフローチャートを開始するが、S41では第2のMFPの階層情報だけではなく第1のMFPの操作部の階層情報も取得する(あるいは、第1、第2のMFPの階層情報を予めメモリに保持しておき、その内容を読み出して取得する)。
【0090】
また、第1のMFPのマクロを第2のMFPに送信した後、第2のMFP自体が動作可能なようにマクロを変更することも可能である。
【0091】
この場合は、第2のMFPが第1のMFPからマクロを受信する際、第1のMFPの操作部の階層情報を取得し、それに基づき上記と同様に第2のMFPでそのマクロを実行可能なように変更を行うものである。このように送信側で行うか、受信側で行うかの差異の部分以外は上記した第1のMFPの処理と同様に行う。
【0092】
また、図14のステップS50では、マクロの実行可能なボタンが見つからない場合、エラーを出力していたが、例えばマクロに記載されている機能が送信先のMFPにない場合などにおいてもエラーを出力することが可能である。さらに、ステップS42において、何かの設定途中でマクロが終了してしまった場合においてもエラーを出力するようにしてもよい。
【0093】
上記実施形態では、同機種のMFP間でマクロを送信する動作を示したが、ボタンIDなどの対応が取れている場合、異なる機種間でマクロの送信を行うことも可能であり、異なる機種間で操作画面におけるメニュー階層、ボタンの位置・数等の違いがあっても、同様のマクロを動作させることができる。
【0094】
また、本実施形態では、操作パネル部の各画面に表示される全てのボタンに対して異なるボタンIDが割り振られているが、操作パネル部に表示される各画面に対して画面IDを割り振り、「画面ID」+「ボタンID」という形式でその画面内におけるボタンの種別を識別するようにしてもよく、これにより異なる画面で同じボタンIDを付けることも可能である。例えば、異なる画面で同じ動作を行うボタンに対し、同一のボタンIDを割り振ることも可能である。
【0095】
また、以上の実施形態はMFP(複写機)を例に説明したが、本発明はこれに限るものでなく、操作パネルを用いてユーザが操作を行う他の装置(例えば、スキャナ装置、ファクシミリ装置、プリンタ装置など)にも適用可能であることは言うまでもない。
【0096】
また、本発明の目的は、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0097】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、PCMCIAカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、ハードディスク、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD−RやCD−RW等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されてもよい。また、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0098】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0099】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】実施の形態における画像形成システムの構成を示す図である。
【図2】MFPの構成を示すブロック図である。
【図3】マクロ生成処理手順を示すフローチャートである。
【図4】初期状態における操作パネル部1の画面を示す図である。
【図5】応用モードボタン312が押されたことにより表示される応用モード画面を示す図である。
【図6】図5において縮小レイアウトボタン403が押されたことにより表示される原稿サイズ選択画面を示す図である。
【図7】図6において「次へ」ボタン502が押されたことにより表示される、縮小レイアウトの種類を選択する縮小レイアウト種類選択画面を示す図である。
【図8】図7において「次へ」ボタン602が押されたことにより表示される、縮小レイアウトの記録紙の選択を行う記録紙選択画面を示す図である。
【図9】図8において「OK」ボタン702が押された後の画面を示す図である。
【図10】連続読込が設定された場合の応用モード画面を示す図である。
【図11】初期画面を示す図である。
【図12】生成されたマクロを実行するためのボタンが表示された操作パネル部1の画面を示す図である。
【図13】マイクロプロセッサ部9内のCPUによってバッファメモリ10に生成され、記憶装置4に格納されたマクロを示す図である。
【図14】第1のMFPで作成されたマクロを第2のMFP2で使用するために変更して送信する処理手順を示すフローチャートである。
【図15】「縮小レイアウト」ボタンが配置された操作画面を示す図である。
【図16】「連続読込」ボタンが配置された操作画面を示す図である。
【図17】第2のMFPに送信される送信用マクロを示す図である。
【符号の説明】
【0101】
1 操作パネル部
2 リーダ部
3 プリンタ部
5 操作パネル制御部
9 マイクロプロセッサ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を介して行われる操作手順を記憶し、前記記憶された操作手順を再現するマクロを生成する画像形成装置であって、
他の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した操作部に関する情報を基に、前記生成されたマクロを前記他の画像形成装置の操作部において実行可能なマクロに変更する変更手段と、
前記変更されたマクロを前記他の画像形成装置に転送する転送手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記マクロを実行するための専用ボタンを前記操作部の画面上に生成するボタン生成手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記操作手順は、前記操作部を介して選択されたボタンを表す情報およびその操作順序を示す情報を含むことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作手順は、前記操作部に表示される画面を表す情報およびその画面内でのボタンを表す情報およびその操作順序を示す情報を含むことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記転送手段による前記マクロの転送、および前記情報取得手段による前記操作部に関する情報の取得は、ネットワークを介して行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記変更手段によって前記実行可能なマクロに変更できない場合、その旨を知らせる報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
転送先の他の画像形成装置がマクロを実行できない場合、その旨を知らせる報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
ネットワークを介して接続された画像形成装置および情報処理装置を有する画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
操作部を介して行われる操作手順を記憶する操作記憶手段と、
前記記憶された操作手順を再現するマクロを生成するマクロ生成手段と、
前記生成されたマクロを前記情報処理装置に転送する第1の転送手段とを備え、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置から転送されたマクロを取得するマクロ取得手段と、
他の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記取得した操作部に関する情報を基に、前記取得したマクロを前記他の画像形成装置の操作部において実行可能なマクロに変更する変更手段と、
前記変更されたマクロを前記他の画像形成装置に転送する第2の転送手段とを備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
前記操作手順は、前記操作部を介して選択されたボタンを表す情報およびその操作順序を示す情報を含むことを特徴とする請求項8記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記操作手順は、前記操作部に表示される画面を表す情報およびその画面内でのボタンを表す情報およびその操作順序を示す情報を含むことを特徴とする請求項8記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記変更手段によって前記実行可能なマクロに変更できない場合、その旨を知らせる報知手段を備えたことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項12】
転送先の他の画像形成装置がマクロを実行できない場合、その旨を知らせる報知手段を備えたことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項13】
複数の画像形成装置とともにネットワークに接続された情報処理装置であって、
第1の画像形成装置から転送された、操作部を介して行われる操作手順を再現するマクロを取得するマクロ取得手段と、
前記第1の画像形成装置および第2の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した操作部に関する情報を基に、前記取得したマクロを前記第2の画像形成装置の操作部において実行可能なマクロに変更する変更手段と、
前記変更されたマクロを前記第2の画像形成装置に転送する転送手段とを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項14】
操作部を介して行われる操作手順を記憶し、前記記憶された操作手順を再現するマクロを実行可能な画像形成装置であって、
他の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得手段と、
前記他の画像形成装置で生成されたマクロを受信するマクロ受信手段と、
前記取得した操作部に関する情報を基に、前記受信したマクロを前記画像形成装置によって実行可能なマクロに変更する変更手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
前記マクロを実行するための専用ボタンを前記操作部の画面上に生成するボタン生成手段を備えたことを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記操作手順は、前記操作部を介して選択されたボタンを表す情報およびその操作順序を示す情報を含むことを特徴とする請求項14または15記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記操作手順は、前記操作部に表示される画面を表す情報およびその画面内でのボタンを表す情報およびその操作順序を示す情報を含むことを特徴とする請求項14または15記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記情報取得手段による前記操作部に関する情報の取得、および前記マクロ受信手段による前記マクロの受信は、ネットワークを介して行われることを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記変更手段によって前記実行可能なマクロに変更できない場合、その旨を知らせる報知手段を備えたことを特徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項20】
第1の画像形成装置において操作部を介して行われる操作手順が記憶され、前記記憶された操作手順を再現するマクロを生成し、前記生成されたマクロを第2の画像形成装置の操作部で設定させる操作設定方法であって、
前記第2の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記取得した操作部に関する情報を基に、前記生成されたマクロを前記第2の画像形成装置の操作部において実行可能なマクロに変更する変更ステップと、
前記変更されたマクロを前記第2の画像形成装置に転送する転送ステップとを有することを特徴とする操作設定方法。
【請求項21】
第1の画像形成装置において操作部を介して行われる操作手順が記憶され、前記記憶された操作手順を再現するマクロを生成し、前記生成されたマクロを第2の画像形成装置の操作部で設定させる操作設定方法であって、
前記第1の画像形成装置の操作部に関する情報を取得する情報取得ステップと、
前記第1の画像形成装置で生成されたマクロを受信するマクロ受信ステップと、
前記取得した操作部に関する情報を基に、前記受信したマクロを前記第2の画像形成装置によって実行可能なマクロに変更する変更ステップとを有することを特徴とする操作設定方法。
【請求項22】
請求項20または21に記載の操作設定方法を実現するためのコンピュータ読み取り可能なプログラムコードを有することを特徴とする制御プログラム。
【請求項23】
請求項22に記載の制御プログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−44161(P2006−44161A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−231242(P2004−231242)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】