説明

画像形成装置、画像形成位置調整方法、及びコンピュータプログラム

【課題】画像形成位置の調整を短時間で簡単に行えるようにする。
【解決手段】転写紙上の画像位置を調整する調整用のテストパターンであって、前記転写紙の正規位置からずれたテストパターンを出力し(S101〜S104)、出力された転写紙とこの転写紙上に形成された調整用テストパターンを読み取り(S105〜107)、読み取られた画像の画像データに基づいて前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部を認識し(S108,S109,S115)、認識された端部位置から調整テストパターンと前記転写紙の端部との距離を求め(S110,S111、S116,S117)、求められた距離から前記画像位置を調整する(S112,S118)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成を行う際にシート状記録媒体(本明細書では、転写紙と称す)上の画像形成位置を調整する機能を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの機能を複合して有するデジタル複合機などの画像形成装置、この画像形成装置で実行される画像形成位置調整方法、この画像形成位置調整方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
転写紙に画像を形成する際、転写紙のどの位置に画像を形成するかを通常プリンタドライバから設定入力し、プリンタ側では、プリンタドライバから指示された個所にプリントするようになっている。その際、指定した位置と実際にプリントされる位置が問題となる。そこで、従来においては、理想的な位置としてテストパターンを出力し、定規などで利用してとのテストパターンからずれ値を測定した後、調整値を入力し、再度テストパターン出力という作業を繰り返して、位置調整を行っていた。
【0003】
しかし、このような方法で時間がかかることから、簡単に精度の高い画像形成位置調整レジスト調整ができるようにするため、例えば特許文献1記載の発明では、目盛りパターンからなる画像形成位置調整用パターンを印刷する印刷手段と、画像形成位置調整モードを入力する操作手段と、画像形成位置調整用パターンを保持するメモリ手段と、印刷された画像形成位置調整用パターンから読み取られたレジスト補正値が操作手段に入力されるとこの補正値をメモリ手段に記憶させる制御手段とを備えたことを特徴としている。この発明では、転写紙に印刷された画像形成位置調整湯尾パターンに印刷されている目盛りを直接目視で読み取り、入力することによって一般ユーザでも容易に画像形成位置の調整ができるとしている。
【特許文献1】特開2006−305984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記特許文献1記載の発明においても、画像形成位置調整用パターンが複数ある場合には、1枚1枚読み取り動作を行う必要があり、調整効率を考えた場合、改善の余地が残されていた。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、画像形成位置の調整を短時間で簡単に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、最初からずれたテストパターンを出力し、そのずれ量から実際の画像と転写紙のずれ量を計算し、そのずれ量を実際の画像の印字位置調整の調整値へ反映することを特徴とする。また、調整値反映後、テストパターンを自動的に出力し、出力された複数種類のテストパターンを、自動原稿給送装置を使用して読み取り、調整する。これにより、より簡単に、自動的に調整することが可能となり、かつ調整時間を短縮することができる。
【0007】
具体的には、第1の手段は、転写紙上に画像を形成する画像形成装置において、転写紙上の画像位置を調整する調整用のテストパターンであって、前記転写紙の正規位置からずれたテストパターンを出力するテストパターン出力手段と、前記テストパターン出力手段から出力された前記転写紙とこの転写紙上に形成された前記調整用テストパターンを読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段によって読み取られた画像の画像データに基づいて前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部を認識する認識手段と、前記認識手段によって認識された端部位置から前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部との距離を求め、求められた距離から前記画像位置を調整する調整手段と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
第2の手段は、第1の手段において、前記調整手段によって調整されたテストパターンの出力結果に基づいて、前記画像位置を調整する調整値を前回値に変更するか否かを決定する決定手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0009】
第3の手段は、第1又は第2の手段において、前記テストパターン出力手段によって出力された転写紙は、前記読み取り手段の原点からずれた位置で読み取られることを特徴とする。
【0010】
第4の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段において、前記前記読み取り手段に原稿を搬送する原稿搬送装置をさらに備え、前記テストパターン出力手段によって出力された転写紙は、前記原稿搬送装置によって搬送され、読み取り位置に達する間に遅延をかけて搬送され、前記読み取り手段の原点からずれた位置で読み取られることを特徴とする。
【0011】
第5の手段は、第1ないし第4のいずれかの手段において、前記調整手段は、転写紙先端と画像先端のずれ、転写紙手前端と画像手前端のずれ、紙種毎の転写紙先端と画像先端のずれ、及び給紙段毎の転写紙手前端と画像手前端のずれ、のいずれか1つを調整することを特徴とする。
【0012】
第6の手段は、転写紙上に画像を形成する際の画像形成位置調整方法において、転写紙上の画像位置を調整する調整用のテストパターンであって、前記転写紙の正規位置からずれたテストパターンを出力する第1の工程と、前記第1の工程で出力された前記転写紙とこの転写紙上に形成された前記調整用テストパターンを読み取る第2の工程と、前記第2の工程で読み取られた画像の画像データに基づいて前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部を認識する第3の工程と、前記第3の工程で認識された端部位置から調整テストパターンと前記転写紙の端部との距離を求め、求められた距離から前記画像位置を調整する第4の工程と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
第6の手段は、転写紙上に画像を形成する際の画像形成位置調整制御をコンピュータによって実行するためのコンピュータプログラムにおいて、転写紙上の画像位置を調整する調整用のテストパターンであって、前記転写紙の正規位置からずれたテストパターンを出力する第1の手順と、前記第1の手順で出力された前記転写紙とこの転写紙上に形成された前記調整用テストパターンを読み取る第2の手順と、前記第2の手順で読み取られた画像の画像データに基づいて前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部を認識する第3の手順と、前記第3の手順で認識された端部位置から調整テストパターンと前記転写紙の端部との距離を求め、求められた距離から前記画像位置を調整する第4の手順と、を備えていることを特徴とする。
【0014】
なお、後述の実施形態では、転写紙は符号Pに、テストパターンは符号TPに、テストパターン出力手段は画像出力部105(画像形成部202)に、読み取り手段は画像入力部102(画像読み取り部201)に、認識手段は画像認識部106に、調整手段はメイン制御部104に、原稿搬送手段は自動原稿給装装置200に、画像形成装置はカラー複写機CPYそれぞれ対応する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、最初からずれたテストパターンを出力し、そのずれ量から実際の画像と転写紙のずれ量を計算し、そのずれ量を実際の画像の印字位置調整の調整値へ反映するので、画像形成位置の調整を短時間で簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。図1において、画像形成装置は、メイン制御部104に対して、操作表示部101、画像入力部102、画像記憶部103、画像出力部105、画像認識部106、距離測定部107、調整値記憶部108、及び原稿搬送部109が接続され、メイン制御部104によって制御されるようになっている。メイン制御部104はCPUを含み、CPUは図示しないROMに格納されたプログラムを図示しないRAMをワークエリアとして使用して、前記プログラムで定義されている制御を実行する。なお、本実施形態における各制御はメイン制御部104によって実行される。
【0018】
操作表示部101は、ユーザがモード設定、画像形成枚数の入力、読み取ったデータの表示等を行い、原稿搬送部109は原稿の搬送を制御する。画像入力部102は原稿を読み取り、画像記憶部103は読み取られた原稿画像データを記憶する。メイン制御部104は、操作表示部10への表示制御、画像出力の制御、測定の制御等、本画像形成装置の全体及び各部の制御を司る。画像出力部105は可視画像を転写紙上に出力し、画像認識部106は記憶した画像データから、距離測定に必要な画像部分を認識する。距離測定部107は画像認識部106で認識された画像の画像データから距離を測定し、調整記憶部108は調整した調整値を保持記憶する。
【0019】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係る画像形成装置は、画像形成部202として、4個の感光体とLDを有し、転写体として中間転写体を有するいわゆる間接転写方式のタンデム型カラー複写機である。転写紙は第1及び第2の給紙トレイ203又は204にセットされる。給紙トレイ203,204のいずれかから給紙された転写紙は、縦搬送路220を経て2次転写部206に送られる。2次転写部206の転写紙搬送方向上流側には、レジストローラ205が設けられ、レジストローラ205のニップ位置でたわみを形成することにより、転写紙のスキュー補正を行うとともに、中間転写ベルト202a上に4色重畳されたトナー画像とタイミングを取って2次転写部206に当該転写紙を送り出す。
【0020】
2次転写部206は画像形成部202の各色感光体202Y,202M,202C,202Kから中間転写ベルト202a上に1次転写されたカラー画像を転写紙上に2次転写し、4色のトナーが重畳されたカラー画像を形成する。カラー画像が転写された転写紙は定着部207でトナーが熱定着され、排紙部208から排紙され、あるいは両面ユニット221側へ搬送され、反転された後、再度縦搬送路220から2次転写部206に戻り、転写紙の裏面に画像が転写される。
【0021】
カラー複写機CPY本体の上部には、自動原稿給装装置(ADF)200が設けられ、その自動原稿給装装置200の筐体の所定部分にユーザが操作する操作表示部230(回路としては図1に示した操作表示部101)が設けられている。自動原稿給送装置200の下部には、原稿画像を読み取るための画像読み取り部201が設けられている。自動原稿給装装置200の上部には、読み取るための大量の原稿を置く原稿給紙部209が設置され、読み取られた原稿は原稿排紙部210に排紙される。
【0022】
図3は、自動原稿給装装置200の搬送構成を示す図である。この自動原稿給装装置200では、原稿給紙部209の最下流側に原稿給紙部209に置かれた原稿を引き込む原稿ピックアップ部211が設けられている。また、原稿ピックアップ部211でピックアップされた原稿の搬送経過は原稿給紙検知センサ212で検知される。ピックアップされた原稿は原稿レジスト部213で停止され、原稿の先端位置と読み取り位置を合わせて原稿読み取り位置214に向けて搬送される。読み取り位置を通過した原稿は、原稿排紙センサ215によって検知され、正しく搬送され、排紙されるかが監視される。
【0023】
図4は調整を行う前に出力するテストパターンを、図5は調整値を調整し、設定した後に出力する調整後のテストパターンをそれぞれ示す図である。また、図6は図4を転写紙に出力し、画像読み取り部201で読み取った後の画像記憶部103に記憶された画像のイメージを示す。図7は画像記憶部103に記憶されている画像に基づいてテストパターンと転写紙端部間の測定する個所を示す図である。
【0024】
図8は、調整するテストパターンの出力と読み取り、調整値設定の処理手順を示すフローチャートである。
【0025】
図8において、調整動作は、次のようにして行われる。
まず、操作表示部101(230)において紙種と給紙段のトレイを選択する(ステップS101,S102)。その後、操作表示部101からの出力指示によりメイン制御部104は、操作表示部101に設定された内容に従い、図4に示したテストパターンTSの出力を画像出力部105に指示する。これに基づいてテストパターンTSの画像が転写紙P上に出力され、排紙される(ステップS103,S104)。次いで、操作表示部101に“原稿台にテストパターンをセットし、スタート押下”と表示する(ステップS105)。そこで、圧板(自動原稿給装装置200)を開けた状態で、テストパターンTPが印字された転写紙Pと原稿台の原点の間に隙間をあけた状態で原稿をセットし、操作表示部101でスタートボタンが押下されると(ステップS106−Yes)、画像入力部102(画像読み取り部201に同じ)で原稿を読み取り(ステップS107)、図6のような読み取った画像の画像データを画像記憶部103に記憶する。
【0026】
画像記憶部103に記憶された画像データでは、図6において網点で示した部分が前記原稿台の原点の間に開けられた隙間R1に相当する。そこで、この画像データに基づいて転写紙P先端とテストパターンTP先端、及び転写紙P手前とテストパターンTP手前の部分を画像認識部106で抽出する(ステップS108、S109、S115)。その後、図7に示すように抽出され、転写紙P先端とテストパターンTP先端との距離D1を距離測定部107で測定する(ステップS110)。さらに、測定した値と理論値との差を計算し(ステップS111)、設定された紙種の調整値記憶部108に設定する(ステップS112)。また、前回値を一時保存する。そして、図5に示したテストパターンTPを出力する(ステップS113)。
【0027】
同様に、図7のように抽出した転写紙P手前端とテストパターンTP手前端との距離D2を距離測定部107で測定する(ステップS116)。次いで、測定した値と理論値との差を計算し(ステップS117)、設定された給紙段の調整値記憶部108に設定する(ステップS118)。また、前回値を一時保存する。そして、図5のテストパターンTPを出力する(ステップS113)。出力されたテストパターンTPにて、操作者が調整として妥当であると認識した場合は、“前回値へ戻す”を選択せず、調整値を前回値に変更しないで処理を終える(ステップS114)。操作者が“調整値を前回値に戻す”を選択した場合は、一時保存した値を調整値に設定し(ステップS119)、終了する。
【0028】
図9は、装着されている全ての給紙段に対して調整する処理手順を示すフローチャートである。
【0029】
図9において、装着されている全ての給紙段(図2の例では、第1及び第2の給紙トレイ203,204)に対して調整する、操作表示部101から指示された場合(ステップS201)、装着されている給紙段を確認し(ステップS202)、図4のテストパターンTPを出力する(ステップS203)。これを全給紙段分繰り返す(ステップS204)。
【0030】
全給紙段の出力が全て終了したら、操作表示部101に"原稿台にテストパターンをセットし、スタート押下"と表示する(ステップS204)。そして圧板(自動原稿給送装置200)を開けた状態で、テストパターンTPを印字した転写紙Pと原稿台の原点の間に隙間をあけた状態で原稿をセットする。スタートボタン押下されると(ステップS206)、画像入力部102にて原稿を読み取り(ステップS207)。図6のような読み取った画像の画像データを画像記憶部103に記憶する。画像記憶部103に記憶された画像データから転写紙P先端とテストパターンTP先端の部分を画像認識部106で抽出する(ステップS208,S209)。その後、図7のように抽出した転写紙P先端とテストパターンTP先端との距離D1を距離測定部107で測定する(ステップS210)。さらに、測定した値と理論値との差を計算し(ステップS211)、調整された給紙段の調整値記憶部108に設定する(ステップS212)。また、前回値を一時保存する。
【0031】
そして、図5に示す調整後のテストパターンTPを出力する(ステップS213)。出力されたテストパターンTPで操作者が調整として妥当であると認識した場合は、“前回値へ戻す”を選択せず、調整値を前回値に変更しない(ステップS214)で全給紙段が終了したかどうかを確認し(ステップS215)、全給紙段終了したことが確認できた時点で、処理を終える。確認できない場合は、ステップS205に戻って、次のテストパターンに対してステップS205以降の処理を全給紙段分繰り返す。
【0032】
一方、操作者が調整値を前回値に戻すことを選択した場合は、一時保存した値を調整値に設定し(ステップS216)、全給紙段が終了したかどうかを確認する(ステップS215)。全給紙段が終了している場合は、終了する。終了していない場合は、ステップS205からの処理を全給紙段分繰り返す。
【0033】
図10は、セットされている全ての紙種に対して調整する処理手順を示すフローチャートである。
図10において、“紙種全出力に対して調整する”を指示された場合(ステップS201a)も、図9のステップS201で“装着されている全ての給紙段に対して調整する”を指示された場合と同様の処理が行われる。ただし、この処理手順では、前記指示の後、セットされている紙種をチェックし(ステップS202a)、全紙種に対してテストパターン出力を行い(ステップS203)、全紙種の排紙が完了すると(ステップS204a−Yes)、ステップS205以降の処理を実行する。ステップS205以降の処理は、図9のフローチャートで示した各処理と同様の処理であり、この処理を全紙種に対して調整が完了するまで(ステップS215a)繰り返す。
【0034】
図11は、調整したい複数の給紙段を選択して調整する処理手順を示すフローチャートである。
図11において、“選択された給紙段に対して調整する”を指示された場合(ステップS201b)も、図9のステップS201で“装着されている全ての給紙段に対して調整する”を指示された場合と同様の処理が行われる。ただし、この処理手順では、前記指示の後、調整する給紙段を選択し(ステップS202b)、選択された給紙段に対してテストパターン出力を行い(ステップS203)、全給紙段の排紙が完了すると(ステップS204−Yes)、ステップS205以降の処理を実行する。ステップS205以降の処理は、図9のフローチャートで示した各処理と同様の処理であり、この処理を全給紙段の調整が完了するまで(ステップS215)繰り返す。
【0035】
図12は、調整したい複数の紙種を選択して調整する処理手順を示すフローチャートである。
図12において、“選択された紙種に対して調整する”を指示された場合(ステップS201c)も、図9のステップS201で“装着されている全ての給紙段に対して調整する”を指示された場合と同様の処理が行われる。ただし、この処理手順では、前記指示の後、調整する紙種を選択し(ステップS202c)、選択された紙種に対してテストパターン出力を行い(ステップS203)、全紙種の排紙が完了すると(ステップS204c−Yes)、ステップS205以降の処理を実行する。ステップS205以降の処理は、図9のフローチャートで示した各処理と同様の処理であり、この処理を全紙種に対して調整が完了するまで(ステップS215c)繰り返す。
【0036】
図13は、テストパターンを選択して出力する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図13はこれまでの処理手順のように自動的に調整するのではなく、テストパターンだけを出力する例である。この処理手順では、紙種の選択(ステップS301)、給紙するトレイの選択(ステップS302)、テストパターンの選択(ステップS303)を行った後、テストパターンを出力し(ステップS304)、テストパターンを印刷した転写紙を排紙して出力完了となる(ステップS305)。
【0037】
図14は、複数の出力されたテストパターンを、原稿搬送装置を使用して、調整値設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図14の処理手順では、図12の調整したい複数の紙種を選択して調整する処理手順に対してステップS212の後段にステップS216の処理が加わり、ステップS215cがNo判定のときには、ステップS213の処理に戻ること、及び、ステップS216でNo判定のとき、ステップS207の処理から繰り返すこと、の2つの点が異なるだけで、他の処理自体は図2の場合と同様である。すなわち、テストパターンの出力に関しては、図12に示した“選択された紙種に対して調整する”を指示された場合や装着されている全ての給紙段に対して調整することを指示された場合と同様の処理が行われる。
【0038】
具体的には、“選択された紙種に対して調整する”を指示されると(ステップS201c、S202c)、選択された紙種に対してテストパターン出力を行い(ステップS203)、その後、出力されたテストパターンTPの読み取りを行う(ステップS206,S207)。原稿搬送装置に原稿をセットし、原稿が給紙され、レジスト位置に到達する。その後、原稿搬送部109にて、レジスト位置から、読み取り位置に到達するタイミングを遅延させる。これにより、図6のように画像の無い領域R1ができ、結果的に圧板で原稿をずらしたときと同じ画像を画像入力部102から入力できる。その後、出力されたテストパターンTPの読み取りと調整値計算を行い(ステップS208〜S212)、全ての原稿を読み込んだかどうかを確認する(ステップS217)。全ての原稿が呼ばれていない場合は、ステップS207に戻って原稿読み取りを行い、以降の処理を繰り返す。
【0039】
全ての原稿を読み込んでいる場合は、調整後のテストパターンTPを出力し(ステップS213)、結果を見て、前回値に戻すかどうかを判断する(ステップS214)。前回値に戻す場合は、前回値に戻し(ステップS126)、そのまま戻さない場合は、何もせずに、全紙種の調整が終了したかを確認する(ステップS215c)。調整が終了していなければ、次の調整済みテストパターンを出力し(ステップS213)、全ての調整が終了するまで、これ以降の処理を繰り返し、全紙種に対する調整が終了した時点で処理を終える。
【0040】
このように本実施形態によれば、画像と転写紙の位置調整を行う場合に、定規などを利用して、設定する調整値の測定を行い、かつ何度も微調整を行っていた作業を自動化するが可能となり、画像位置調整を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図3】自動原稿給装装置の搬送構成を示す図である。
【図4】調整を行う前に出力するテストパターンの例を示す図である。
【図5】調整値を調整し、設定した後に出力する調整後のテストパターンの例を示す図である。
【図6】図4に示したテストパターンを転写紙上に出力し、画像読み取り部で読み取った後の画像記憶部に記憶された画像のイメージを示す図である。
【図7】画像記憶部に記憶されている画像に基づいてテストパターンと転写紙の端部間の測定する個所を示す図である。
【図8】調整するテストパターンの出力と読み取り、調整値設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】装着されている全ての給紙段に対して調整する処理手順を示すフローチャートである。
【図10】セットされている全ての紙種に対して調整する処理手順を示すフローチャートである。
【図11】調整したい複数の給紙段を選択して調整する処理手順を示すフローチャートである。
【図12】調整したい複数の紙種を選択して調整する処理手順を示すフローチャートである。
【図13】テストパターンを選択して出力する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】複数の出力されたテストパターンを、原稿搬送装置を使用して、調整値設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
101 操作表示部
102 画像入力部
103 画像記憶部
104 メイン制御部
105 画像出力部
106 画像認識部
107 距離測定部
108 調整値記憶部
200 自動原稿給装装置
201 画像読み取り部
202 画像形成部
203,204 給紙トレイ
P 転写紙
TP テストパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写紙上に画像を形成する画像形成装置において、
転写紙上の画像位置を調整する調整用のテストパターンであって、前記転写紙の正規位置からずれたテストパターンを出力するテストパターン出力手段と、
前記テストパターン出力手段から出力された前記転写紙とこの転写紙上に形成された前記調整用テストパターンを読み取る読み取り手段と、
前記読み取り手段によって読み取られた画像の画像データに基づいて前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部を認識する認識手段と、
前記認識手段によって認識された端部位置から前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部との距離を求め、求められた距離から前記画像位置を調整する調整手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記調整手段によって調整されたテストパターンの出力結果に基づいて、前記画像位置を調整するための調整値を前回値に変更するか否かを決定する決定手段をさらに備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の画像形成装置において、
前記テストパターン出力手段によって出力された転写紙は、前記読み取り手段の原点からずれた位置で読み取られることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記前記読み取り手段に原稿を搬送する原稿搬送装置をさらに備え、
前記テストパターン出力手段によって出力された転写紙は、前記原稿搬送装置によって搬送され、読み取り位置に達する間に遅延をかけて搬送され、前記読み取り手段の原点からずれた位置で読み取られることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記調整手段は、転写紙先端と画像先端のずれ、転写紙手前端と画像手前端のずれ、紙種毎の転写紙先端と画像先端のずれ、及び給紙段毎の転写紙手前端と画像手前端のずれ、のいずれか1つを調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
転写紙上に画像を形成する際の画像形成位置調整方法において、
転写紙上の画像位置を調整する調整用のテストパターンであって、前記転写紙の正規位置からずれたテストパターンを出力する第1の工程と、
前記第1の工程で出力された前記転写紙とこの転写紙上に形成された前記調整用テストパターンを読み取る第2の工程と、
前記第2の工程で読み取られた画像の画像データに基づいて前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部を認識する第3の工程と、
前記第3の工程で認識された端部位置から調整テストパターンと前記転写紙の端部との距離を求め、求められた距離から前記画像位置を調整する第4の工程と、
を備えていることを特徴とする画像形成位置調整方法。
【請求項7】
転写紙上に画像を形成する際の画像形成位置調整制御をコンピュータによって実行するためのコンピュータプログラムにおいて、
転写紙上の画像位置を調整する調整用のテストパターンであって、前記転写紙の正規位置からずれたテストパターンを出力する第1の手順と、
前記第1の手順で出力された前記転写紙とこの転写紙上に形成された前記調整用テストパターンを読み取る第2の手順と、
前記第2の手順で読み取られた画像の画像データに基づいて前記調整用テストパターンと前記転写紙の端部を認識する第3の手順と、
前記第3の手順で認識された端部位置から調整テストパターンと前記転写紙の端部との距離を求め、求められた距離から前記画像位置を調整する第4の手順と、
を備えていることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−61032(P2010−61032A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228807(P2008−228807)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】