画像形成装置、課金量算出方法及び課金量算出プログラム
【課題】グレイ置換処理を行う場合でも適切な料金を提示する。
【解決手段】 対象画像における無彩色画素の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成するRGBtoCMYK変換部2211と、墨トナー及びその他の色のトナーに関する任意の色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出する転写トナー量換算部2213と、前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金演算部23、とを備えた構成とする。
【解決手段】 対象画像における無彩色画素の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成するRGBtoCMYK変換部2211と、墨トナー及びその他の色のトナーに関する任意の色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出する転写トナー量換算部2213と、前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金演算部23、とを備えた構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを使用して画像形成処理を行う電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、トナー使用量にもとづき課金量を算出することが可能な画像形成装置並びに課金量算出方法及び課金量算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機、ファクシミリ装置、複合機など、トナーを使用して画像や文字の印刷を行う画像形成装置には、色値を概ね保持しつつ、トナー総使用量を抑制する機能を有するものがある。
例えば、グレイ置換(GCR:Gray Component Replacement)の処理機能を有する画像形成装置によれば、CMYK分版後、CMY各版の3色が空間的に重複する部分のグレー成分を所定の比率にてBkトナーに置換する事で、原画の色度値(色味)を略保持したまま、トナー総使用量を抑制する事ができるようになっている。
ところで、このような画像形成装置における課金方式としては、画像データ内のカラーピクセル数に応じて課金構成を決定する方式がある。
例えば、特許文献1には、カラーピクセル数が閾値を超過する場合にカラーページ課金を行い、この閾値を超えない場合にはモノクロページ課金を行う課金方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−174929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の課金方式によれば、グレイ置換処理を施した印刷画像の課金量を算出する場合に以下に示す問題が発生していた。
例えば、仮にグレイ置換比率を最大に設定して処理を施したとしても、元来、グレイ置換処理は、フルカラーの原画像の色味を概ね保持しつつカラートナー使用量を抑制する処理である。このため、この処理によりカラートナー使用量は削減されはするもののその削減量には限界があった。従って、カラーピクセルのカウント数が規定の閾値を超過する場合には、カラーページの課金量が適用されることとなる。
つまり、この場合、カラートナーに比べ安価で、画質が低下する墨トナーを優先して使用したにも拘わらず、依然としてモノクロページ課金より割高なカラーページ課金が同額で課され続けることとなる。
このため、ユーザーとしてはデメリット感が強く、グレイ置換処理を行う場合においても適切な料金を提示できる新たな課金方式が求められていた。
【0005】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものである。すなわち、本発明は、グレイ置換処理を行う場合のトナー使用量をトナー色ごとに求め、求めたトナー使用量にもとづいて料金を算出する画像形成装置、課金量算出方法及び課金量算出プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、対象画像における墨トナーに置換できる部分の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成する墨置換手段と、墨トナー及びその他の色のトナーに関する各色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するトナー使用量算出手段と、前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金手段と、を備えた構成としてある。
【0007】
また、本発明の課金量算出方法は、対象画像における墨トナーに置換できる部分の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成するステップと、墨トナー及びその他の色のトナーに関する任意の色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するステップと、前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出するステップと、を有する方法としてある。
【0008】
また、本発明の課金量算出プログラムは、トナーを使用して画像の印刷を行うコンピューターを、対象画像における墨トナーに置換できる部分の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成する墨置換手段、墨トナー及びその他の色のトナーに関する任意の色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するトナー使用量算出手段、及び、前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金手段、として機能させる構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置、課金量算出方法及び課金量算出プログラムによれば、トナー色ごとに求めたトナー使用量にもとづいて印刷料金を算出するため、グレイ置換処理を行う場合でも適切な印刷料金を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の演算部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の重量計算パラメータ記憶部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の課金演算部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の課金計算パラメータ記憶部の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る画像形成装置の課金演算部の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第四実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像データを受信する受信部3と、画像データをラスタライズ化する画像処理部4と、ラスタライズされた画像データにもとづき色変換等の画像処理を行う画像形成部5と、印刷処理を行うエンジン部6と、ユーザーが操作を行う操作部7と、コンピューターからなる制御部2と、を備える。
【0012】
受信部3は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介し、図示しないクライアントPC(パーソナルコンピューター)等から送信されてきた文書または画像のデータ(以下、画像データという。)を受信し、画像処理部4に受け渡すネットワークインターフェースである。
画像処理部4は、画像データにラスタライズ処理を施し、その分解能に応じたピクセルに分解するラスタライザーである。
また、画像処理部4は、ラスタライズ処理を施した画像を画像形成部5に出力するとともに、制御部2の演算部21(後述)に出力する。
このように、対象画像の画像データを、印刷用の画像を形成する画像形成部5と、トナー使用量を算出する演算部21とに出力することにより、印刷処理とトナー使用量算出処理とを独立して実施することができる。
【0013】
画像形成部5は、ラスタライズ化された画像の色値(RGB)を第一色変換テーブルを介して出力可能な色値(CMYK)に変換する画像処理プロセッサーである。画像形成部5は、ラスタライズ化された画像をC,M,Y,Kの各チャンネルに分版し、必要に応じてガンマ補正処理、スクリーン処理を施して、エンジン部6に出力する。
エンジン部6は、画像形成部5から出力された画像データにもとづいてトナー像を感光体ドラム上に形成し、トナー像を一旦、転写ベルトに転写する。次いで、エンジン部6は、転写ベルト上のトナー像を用紙に転写し、定着ローラによりトナー像を用紙に定着させることによって印刷処理を行う(感光体ドラム、転写ベルト及び定着ローラは非図示)。
【0014】
操作部7は、タッチパネルとカラーLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成される。操作部7は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザーのタッチ操作に応じた操作指令を入力するための操作キーを表示する。
【0015】
制御部2は、CPU、制御プログラムやデータが記憶されたROM、ワークメモリとして機能するRAM、I/Oポートなどのマイクロコンピューターで構成される。制御部2は、記憶された制御プログラムを実行して、画像形成装置1を構成する各部を制御する。
また、制御部2は、制御プログラムを実行することにより演算部21として機能する。演算部21は、トナー使用量の算出や算出したトナー使用量にもとづいて課金量の計算を行う。
演算部21は、図2に示すように、重量計算パラメータ記憶部24に記憶された重量計算パラメータにもとづいてトナー使用量の予測を行うトナー使用量予測部22と、課金計算パラメータ記憶部25に記憶された課金計算パラメータにもとづいて料金の計算を行う課金演算部23とを備える。重量計算パラメータ及び課金計算パラメータについては後述する。
【0016】
図3は、本発明の第一実施形態のトナー使用量予測部の詳細な構成を示したブロック図である。
図3に示すように、トナー使用量予測部22は、RGBtoCMYK変換部2211と、CMYK分版部2212と、転写トナー量換算部2213と、紙上トナー量算出部2214と、仮墨量カラーテーブル選択部2215と、墨色変換テーブル格納部2216と、を備える。
RGBtoCMYK変換部2211(色変換部)は、画像処理部4から入力した対象画像の色変換処理を行う。具体的には、RGBtoCMYK変換部2211は、予め仮墨量カラーテーブル選択部2215が、墨色変換テーブル格納部2216に格納されたカラーテーブル群から選択した一の墨色変換テーブルを介して対象画像の色変換処理を行う。ここで、墨色変換テーブルは、RGB値とCMYK値との対応付けが等間隔又は不等間隔に格子状に構成されている通常の色変換テーブルをベースとし、このうち無彩色のRGB値に対してブラック(K)を対応付けた構成のテーブルとしている。なお、墨色変換テーブル格納部2216は、色値の範囲に応じて定まる墨量置換率が異なる二以上の墨色変換テーブルを格納することが可能である。
【0017】
例えば、CMYK分版後、画像の任意各点におけるCMY値の内の最小値を求め、この最小値に対し、所定の比率を乗じ、その分を墨量に置換する一方、前述のCMY値から減ずる事でトナー総使用量を削減する。なお、この設定は任意の範囲に変更することができる。
この色変換処理により、例えば、CMYK分版後に、そのままであればCMYKの混合によって表現されていた無彩色部分を全て墨(K)トナーのみによって表すことができる様な場合もある。
なお、必要な対応付け情報が墨量含有率の異なるカラーテーブルに存在しない場合、テーブル上に存在する対応付け情報を用いた演算処理を行う。例えば、各対応付け情報を格子点とみなし、必要な色値に近接するいくつかの格子点を用いた補間計算(八面体補間や四面体補間など)によりその色値を求めることができる。
【0018】
CMYK分版部2212(分版処理部)は、対象画像の各ピクセルを、C、M、Y、Kの各チャンネルに分版することによりシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの版画像を取得する。
これにより、印刷に用いるトナーの色別に版画像を取得することができる。
【0019】
転写トナー量換算部2213は、重量計算パラメータにもとづき、実際に印刷する画像に使用されるトナー重量を算出する。重量計算パラメータは、各色値に対応する単位面積当たりの転写トナー重量を示す値である。重量計算パラメータは、図4に示す重量計算パラメータ記憶部24の色値対重量テーブル241に格納されている。
転写トナー量換算部2213は、色値対重量テーブル241を用いて、対象画像の印刷に必要なトナー重量を求める(図3,4のA参照)。
【0020】
例えば、墨トナーの重量を求める場合、転写トナー量換算部2213は、墨の版画像において各ピクセルに付された色値を順次読み取る。転写トナー量換算部2213は、読み取った各色値に対応する転写トナー重量を色値対重量テーブル241から抽出し、抽出した各重量を累積することで墨のトナー使用量を求める。同様にして、シアン,マゼンタ,イエローの各版画像において各ピクセルに付された色値を順次読み取り、読み取ったシアン,マゼンタ,イエローの色値に対応する転写トナー重量を色値対重量テーブル241から抽出し、抽出した各重量を累積することで、全トナーに関するトナー使用量を求める。
【0021】
紙上トナー量算出部2214は、転写トナー量換算部2213が求めた転写トナー重量に、重量計算パラメータ部24に記憶されている転写効率242を乗ずる処理を行う(図3,4のB参照)。
この結果、対象画像を印刷した場合に、紙上の印刷画像への使用が見込まれるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各トナーの重量(トナー使用量)を求めることができる。
【0022】
なお、色値対重量テーブル241は、トナー重量の実測値にもとづいて生成することができる。例えば、所定の色値間隔にもとづく既知の色値をいくつか選択する。選択された各色値からなるサンプル画像(例えば、方形や円など面積を求めやすい形状からなる画像)を出力(描画)して、転写ベルト上の付着トナーの重量を計測して転写トナー重量とする。
付着トナーの重量は、実際に付着トナーを採取して秤で計測することができる。
また、印刷前の(トナーがまだ付着されてない)紙重量を予め求めておき、上記サンプル画像を印刷した後の紙重量を計測して、これらの重量差を転写トナー重量として求めることができる。この場合、トナー使用量を求めるために、原画像の転写トナー重量に転写効率242を乗ずる処理を行う必要はなくなる。
【0023】
計測した転写トナーの重量は、サンプル画像の面積で除算することにより、シアン,マゼンタ、イエロー,ブラックのそれぞれにおいて、色値ごとに単位面積当たりの転写トナー重量を求めることができる。
そして、求めた単位面積当たりのトナー重量と該当する色値とを対応付けることによって色値対重量テーブル241を生成することができる。
なお、計測値以外の色値(例えば中間値)をテーブル構成に加える場合は、内挿補間等により算出して加えることができる。
また、テーブル生成の際に、各処理工程における転写効率などをトナー付着量の補正係数として求めておき、後工程でこの補正係数を用いて補正するようにしてもよい。
【0024】
ところで、本実施形態の画像形成装置1は、図4に示すように、キャリブレーション処理部243を備える。
キャリブレーションは、一定の色値を入力した場合の画像出力時の濃度(又は明度)が、環境変化や経時変化等の影響をうけても一定となるように、入出力特性の補正(ガンマ補正)を行う処理である。具体的には、入出力特性が一定の特性(例えば、規定のカーブ形状)が得られるように印字ドットを増減するものである。
つまり、色値が不変である限り、その色値に相当する濃度も不変であり、色値に相当するトナー重量もほぼ同じ値に保たれる。このため、キャリブレーションが有効に機能している場合、色値対重量テーブル241における色値と単位面積当たりのトナー重量との関係も一定に保たれる。
したがって、本実施形態の画像形成装置1は、従来のドットカウント方式とは異なり、キャリブレーション処理(濃度補正)に伴う印字ドットの増減による影響を受けず、いつでもトナー使用量を算出することができる。
【0025】
つぎに、本実施形態に係る課金処理について図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明の第一実施形態に係る課金演算部の構成を示すブロック図である。また、図6は、本発明の第一実施形態に係る課金計算パラメータ記憶部の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、課金演算部23は、課金算出部231と、課金量表示部232と、墨量置換率設定部233と、を備える。また、図6に示すように、課金計算パラメータ記憶部25は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各トナーの単位重量当たりの料金が対応付けてある重量対課金テーブル251を記憶する。
課金算出部231は、重量対課金テーブル251に格納されてあるトナー単位重量当たりの料金と、対応する色のトナー使用量とを乗算し、積算することで対象画像の課金量を計算する(図3,5のC参照)。
表示部232は、算出した課金量を操作パネルなどに表示することができる。また、表示部232は、課金量とともに画質に関する情報を表示することができる。画質に関する情報としては、例えば、グレイ置換処理後のサムネール画像を表示したり、グレイ置換処理により墨に置換されるピクセル数や割合を表示することができる。
そして、表示された課金量をユーザーが承諾する場合は、そのときの墨量含有率の異なるカラーテーブルを用いて色変換された対象画像が印刷され、他方、表示された課金量をユーザーが承諾しない場合、ユーザーの操作に応じ、墨量置換率設定部233が、異なる墨量置換率を設定する。
新たな墨量置換率が設定されるとその墨量置換率が仮墨量カラーテーブル選択部2215に通知され(図5のD参照)、仮墨量カラーテーブル選択部2215が、該当する墨色変換テーブルを墨カラーテーブル格納部2216から選択する。そして、RGBtoCMYK変換部2211が、この選択された墨色変換テーブルを介して色変換処理を行い(図3のD参照)、色変換後の画像が、CMYK分版部2212により各版画像に分版され、再度、課金量等が表示される。そして、表示される課金量をユーザーが承諾するまで前述のフローが繰り返される。
なお、このように、順次、課金量等を算出して表示してユーザーの判断を仰ぐのではなく、表示部232が、墨色変換テーブル格納部226に格納されるそれぞれの墨色変換テーブルを用いた場合の課金量や画質に関する情報を操作パネルに一覧表示し、その一覧から所望の覧をユーザーに選択させ、選択された覧に係る課金量や画質を実現する墨色変換テーブルを仮墨量カラーテーブル選択部2215が選択するようにしてもよい。
【0026】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、無彩色画素を墨に変換する墨置換処理を墨色変換テーブルを介して色変換することにより実施するようにしており、このようにして実施した墨置換処理後の各トナーごとの使用量を求めるようにしている。
また、算出した各トナーごとの使用量にもとづいて各色のトナー料金を算出するようにしている。
このため、従来のようにグレイ置換処理を施した画像の印刷料金が適当でないことによる不利益の発生を未然に防ぐことができる。
また、グレイ置換処理によりKのピクセル数は増えるものの、C,M,Yのピクセル数は減るため、トナー使用量や課金量を早く求めることができる。
【0027】
また、ドットカウント方式のように単位ドット当たりのトナー重量にもとづいてトナー使用量を算出する方式ではないため、印字ドット数の増減により必要な調整を行うガンマ補正処理やスクリーン処理の前工程においてもトナー使用量を算出することができる。
このため、ガンマ補正処理やスクリーン処理の前後に拘わらず迅速にトナー使用量を求めることができ、ドットカウント方式のように処理速度を向上させるためのハードウェアの増強等を施す必要がなく、コスト性に優れた画像形成装置1を実現することができる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、簡易な構成で、迅速かつ正確にトナー使用量を算出することができる。
また、このようにして求めたトナー使用量に応じて課金量を算出するため、適正な課金量を迅速に提示することができる。
【0028】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第二実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態に係るトナー使用量予測部22は、ヒストグラム生成部2217を備える点において第一実施形態と異なる。
ヒストグラムを保持しておくことで、トナー使用量の算出を簡易に実施でき、また、他の用途(例えば、後に同一画像について印刷(再印刷含む)する場合や、ガンマ補正等により一部の色値が変動した後に元の画像についてトナー使用量を必要とする場合など)に、即座に利用することができる。他の構成は第一実施形態と同様である。このため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0029】
本実施形態に係るヒストグラム生成部2217は、その前工程において、RGBtoCMYK変換部2211が墨色変換テーブルを介して色変換することでグレイ置換処理が施され、CMYK分版部2212が分版した各チャネル(C,M,Y,K)の版画像にもとづき、色値とピクセル頻度との関係を示すヒストグラムをチャネルごとに生成する。
ヒストグラムは、例えば、色値を横軸にとり、ピクセル頻度を縦軸にとることで、色値とピクセル頻度との対応関係を版画像ごとに示すことができる。
転写トナー量換算部2213は、このヒストグラムと色値対重量テーブル241とを用いて、グレイ置換処理後の画像を印刷する際のトナー使用量を求めることができる。
【0030】
色値対重量テーブル241は、色値と単位面積当たりの転写トナー重量とを対応づけた情報群である。また、上記ヒストグラムは、色値とピクセル数とを対応付けた情報群である。従って、転写トナー量換算部2213は、色値対重量テーブル241を生成する上で基準となる単位面積と、ヒストグラム生成に用いる単位ピクセルの面積を整合する面積補正処理を施す。これは、色値対重量テーブル241を生成する際、サンプル画像の転写トナー重量をサンプル画像の面積で割ることで単位面積当たりの転写トナー重量を求めた場合であっても、ピクセル分解能(例えば、300dpiである場合や600dpiである場合。)は変動するためである。ピクセル分解能の異なる画像の1ピクセル当たりの面積は異なる。このため、転写トナー量換算部2213は、ピクセル分解能に合わせて1ピクセル面積相当のトナー付着重量に換算した後、転写トナー重量の算出を行う。その上で、転写トナー量換算部2213は、同じ色値に対応する単位面積当たりの転写トナー重量と、ピクセル頻度に対応する面積の積をとり、色値ごとの転写トナー重量を求める。転写トナー量換算部2213は、全ての色値に対応する転写トナー重量の総和に基づいて、グレイ置換処理後の画像を印刷する際のトナー使用量を算出することができる。
【0031】
なお、転写トナー重量の算出において、ヒストグラム又は色値対重量テーブル241のいずれかに対応する色値が存在しない場合、内挿補間により対応する色値又はこれに相当する色値を求めた上で、その積算を行う。
【0032】
紙上トナー量算出部2214は、転写トナー量換算部2213によって求められたトナー重量に、重量計算パラメータ部24に記憶されている転写効率242を乗ずる処理を行う。
この結果、対象画像を紙上に印刷した場合に使用されると見込まれるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各トナーについての重量を求めることができる。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、グレイ置換処理した後の画像を印刷する際に使用されるトナー量を、色値とピクセル頻度との対応付けからなるヒストグラムを利用することによって円滑に求めることができる。
また、ヒストグラムを保持しておくことにより、トナー使用量を再計算したり、他の用途がある場合には、即座に利用したりすることができる。
そして、対象画像を構成する色値のピクセル数を減らすことができるため、色値対重量テーブルのみならず、ヒストグラムを簡易に構成することができ、結果、トナー使用量を迅速に算出することができる。
また、このようにして求めたトナー使用量に応じて課金量を算出するため、適正な課金量を迅速に提示することができる。
【0034】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明の第三実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。また、図9は、本発明の第三実施形態に係る画像形成装置の課金演算部の構成を示すブロック図である。
【0035】
本実施形態に係るトナー使用量予測部22は、図8に示すように、第二色変換テーブル選択部2218と第二色変換テーブル格納部2219とを備える点において前述の各実施形態と異なる。
また、本実施形態に係る課金演算部23は、図9に示すように、トナー消費量設定部234を備える点において前述の各実施形態と異なる。
すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、ユーザーが、通常の出力濃度よりも淡い色の出力濃度で印刷を行う、いわゆるドラフトモードを実行する場合のトナー使用量や課金量を計算するものである。他の構成は前述の各実施形態と同様である。このため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0036】
本実施形態に係るトナー使用量予測部22の第二色変換テーブル選択部2218は、第二色変換テーブル格納部2219に格納されている濃度設定率が異なる複数の色変換テーブル(以下、第二色変換テーブルという。)の中から一の第二色変換テーブルを選択する。
このため、ユーザーは、設定されている色変換テーブルを任意の第二色変換テーブルに変更することができ、また、一旦選択した第二色変換テーブルを他の第二色変換テーブルに変更することも可能である。
本実施形態のドラフトカラーテーブルは、前述の墨色変換テーブルにおける出力色値をそれよりも淡い濃度の色値に置き換えたものである。このため、本実施形態の第二色変換テーブルを介して色変換すると、グレイ置換処理とドラフトモードによる淡色化処理とを共に実施した画像が形成される。
つまり、本実施形態によれば、第一実施形態や第二実施形態において示した効果のみならず、出力画像の濃度を抑えることができるため、トナー使用量と課金量の更なる削減を図ることができる。
【0037】
第二色変換テーブル選択部2218は、後述するトナー消費量設定部234からの要求に応じ、所定の第二色変換ドラフトカラーテーブルを選択する動作を行う。
具体的には、図9に示すように、課金算出部231が対象画像について算出した課金量をユーザーが承諾しない場合、トナー消費量設定部234は、現在設定されている色変換テーブル(墨色変換テーブルや第二色変換テーブルを含む)よりも淡い出力濃度の濃度設定率を設定し、これを第二色変換テーブル選択部2218に対し通知する(図9のD参照)。
濃度設定率の通知を受けた第二色変換テーブル選択部2218は、その濃度設定率に応じた第二色変換テーブルを第二色変換テーブル格納部2219から取り出して現在の色変換テーブルと入れ替える(図8のD参照)。
そして、トナー使用量予測部22は、変更後の新たな第二色変換テーブルを介した色変換処理によって得た色値にもとづいてトナー使用量を算出する。
なお、課金算出部231が算出した対象画像の印刷時の課金量をユーザーが承諾した場合、その課金量が出力され、例えば、記憶媒体に記憶され、記録媒体に記録され、又は、表示部により表示される。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、グレイ置換処理を伴うドラフトモードでのカラー印刷時のトナー使用量にもとづいて課金量を求めるようにしている。
このため、グレイ置換処理を施した画像をさらにドラフトモード印刷する場合においても前述の各実施形態と同様の作用・効果を奏するとともに、さらに迅速にトナー使用量及び課金量を求めることができる。
【0039】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について図面を参照しながら説明する。
図10は、本発明の第四実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部を示したブロック図である。
【0040】
本実施形態に係るトナー使用量予測部22は、図10に示すように、ドラフトモード処理部2220を備える点において第三実施形態とは異なる。
すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、ドラフトモード印刷時のトナー使用量や課金量を求める点においては、第三施形態と同じであるが、ドラフトモードにおける淡色化に伴う処理を色変換処理の前工程において行う点において異なる。また、第二色変換テーブルを用いず、墨色変換テーブルを介して色変換処理を行う点において第三実施形態と異なる。他の構成は第三実施形態と同様である。このため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0041】
ドラフトモード処理部2220は、画像処理部4から出力された対象画像に対して、墨色変換テーブルを介しその出力色値より淡い濃度の出力色値(CMYK)を得ることができるよう入力色値(RGB)を加工する。
具体的には、対象画像を構成する各ピクセルのRGB値について、次式(1)の演算処理を行う。
(r’,g’,b’)=(255,255,255)−{(255,255,255)−ρ(r,g,b)}
・・・・・(1)
(但し、(r,g,b)を加工前のRGB値、(r’,g’,b’)を加工後のRGB値、階調数を256階調、設定濃度率ρ(0≦ρ≦1)とする。)
【0042】
ドラフトモード処理部2220は、その加工処理によって取得した色値(r’,g’,b’)をRGBtoCMYK変換部2211に出力する。そして、RGBtoCMYK変換部2211において墨色変換テーブルを用いて色変換処理が行われる。その結果、グレイ置換処理を施した画像をドラフトモード印刷した時に必要なトナー使用量が算出される。
また、課金演算部23が、算出されたトナー使用量にもとづいて課金量を算出する。
【0043】
なお、第三実施形態と同様、課金算出部231が算出した課金量をユーザーが承諾しない場合、トナー消費量設定部234は、現在設定されている濃度設定率よりも淡い出力の濃度設定率を設定し、これをドラフトモード処理部2220に通知する(図9のD参照)。
濃度設定率の通知を受けたドラフトモード処理部2220は、そのドラフトモード率を用いた前述の式(1)にもとづいて画像加工処理を行う(図10のD参照)。
そして、トナー使用量予測部22は、加工された画像の各色値にもとづいてトナー使用量を算出する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、グレイ置換処理を伴うドラフトモード印刷時のトナー使用量及び課金量を求めるようにしている。
具体的には、第二色変換テーブルを用いることなく、色変換前のピクセルに対してドラフト化を行い、その後、墨色変換テーブルを介して色変換された後の画像のドラフトカラー印刷時のトナー使用量及び課金量を算出するようにしている。
このため、ドラフトモード印刷時に関し、第四実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0045】
また、本実施形態では、ドラフトモード印刷における淡色化処理を、色変換処理の前工程で行い、通常の色変換テーブルにもとづく色変換処理を経て取得した画像にもとづいてトナー使用量及び課金量を算出するようにしている。
このため、処理対象のチャネル数(R,G,Bの3チャンネル)が、色変換処理の後のチャネル数(C,M,Y,Kの4チャンネル)に比べて少なく、色変換処理などの処理負荷を軽減することができ、この結果、迅速にトナー使用量を求めることができる。
【0046】
また、複数の第二色変換テーブルの中から選択してドラフトモード印刷を行う場合に比べ、濃度設定率を細かく設定でき、保有容量の制限もないため自由度が大きい。
さらに、ドラフトモード印刷を行う際、装置依存するインクの種類又は出力形式(CMYK値)へ変換する際の影響が、色変換後にドラフトモード処理を行う場合に比べて少ない。
このため、本実施形態によれば、出力特性に影響を与えることなくドラフトモード印刷を実施することができ、また、その際のトナー使用量及び課金量を正確かつ迅速に算出することができる。
【0047】
以上、本発明の画像形成装置1について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかる画像形成装置1は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、各実施形態においては、色値対重量テーブル241を用いてトナー使用量を求めることとしたが、色値とトナー重量との対応付けに相当する数式やシミュレータにもとづいてトナー使用量を算出することもできる。
また、ヒストグラム生成部を構成に有する第二実施形態と、ドラフトモード印刷に係る第三実施形態や第四実施形態を組み合わせた構成としてもよい。
また、上記各実施形態においては、プリンターを例にあげて説明したが、複写機もしくは複写機能及び印刷機能を有する複合機など画像形成装置全般に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、トナーを用いて印刷を行う電子写真方式の画像形成装置に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置
21 演算部
22 トナー使用量予測部
23 課金演算部
231 課金算出部
232 トナー消費量設定部
24 重量計算パラメータ記憶部
241 色値対重量テーブル
25 課金計算パラメータ記憶部
251 重量対課金テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを使用して画像形成処理を行う電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、トナー使用量にもとづき課金量を算出することが可能な画像形成装置並びに課金量算出方法及び課金量算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンター、複写機、ファクシミリ装置、複合機など、トナーを使用して画像や文字の印刷を行う画像形成装置には、色値を概ね保持しつつ、トナー総使用量を抑制する機能を有するものがある。
例えば、グレイ置換(GCR:Gray Component Replacement)の処理機能を有する画像形成装置によれば、CMYK分版後、CMY各版の3色が空間的に重複する部分のグレー成分を所定の比率にてBkトナーに置換する事で、原画の色度値(色味)を略保持したまま、トナー総使用量を抑制する事ができるようになっている。
ところで、このような画像形成装置における課金方式としては、画像データ内のカラーピクセル数に応じて課金構成を決定する方式がある。
例えば、特許文献1には、カラーピクセル数が閾値を超過する場合にカラーページ課金を行い、この閾値を超えない場合にはモノクロページ課金を行う課金方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−174929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の課金方式によれば、グレイ置換処理を施した印刷画像の課金量を算出する場合に以下に示す問題が発生していた。
例えば、仮にグレイ置換比率を最大に設定して処理を施したとしても、元来、グレイ置換処理は、フルカラーの原画像の色味を概ね保持しつつカラートナー使用量を抑制する処理である。このため、この処理によりカラートナー使用量は削減されはするもののその削減量には限界があった。従って、カラーピクセルのカウント数が規定の閾値を超過する場合には、カラーページの課金量が適用されることとなる。
つまり、この場合、カラートナーに比べ安価で、画質が低下する墨トナーを優先して使用したにも拘わらず、依然としてモノクロページ課金より割高なカラーページ課金が同額で課され続けることとなる。
このため、ユーザーとしてはデメリット感が強く、グレイ置換処理を行う場合においても適切な料金を提示できる新たな課金方式が求められていた。
【0005】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものである。すなわち、本発明は、グレイ置換処理を行う場合のトナー使用量をトナー色ごとに求め、求めたトナー使用量にもとづいて料金を算出する画像形成装置、課金量算出方法及び課金量算出プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、対象画像における墨トナーに置換できる部分の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成する墨置換手段と、墨トナー及びその他の色のトナーに関する各色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するトナー使用量算出手段と、前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金手段と、を備えた構成としてある。
【0007】
また、本発明の課金量算出方法は、対象画像における墨トナーに置換できる部分の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成するステップと、墨トナー及びその他の色のトナーに関する任意の色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するステップと、前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出するステップと、を有する方法としてある。
【0008】
また、本発明の課金量算出プログラムは、トナーを使用して画像の印刷を行うコンピューターを、対象画像における墨トナーに置換できる部分の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成する墨置換手段、墨トナー及びその他の色のトナーに関する任意の色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するトナー使用量算出手段、及び、前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金手段、として機能させる構成としてある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置、課金量算出方法及び課金量算出プログラムによれば、トナー色ごとに求めたトナー使用量にもとづいて印刷料金を算出するため、グレイ置換処理を行う場合でも適切な印刷料金を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の演算部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の重量計算パラメータ記憶部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の課金演算部の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の課金計算パラメータ記憶部の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る画像形成装置の課金演算部の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第四実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像データを受信する受信部3と、画像データをラスタライズ化する画像処理部4と、ラスタライズされた画像データにもとづき色変換等の画像処理を行う画像形成部5と、印刷処理を行うエンジン部6と、ユーザーが操作を行う操作部7と、コンピューターからなる制御部2と、を備える。
【0012】
受信部3は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介し、図示しないクライアントPC(パーソナルコンピューター)等から送信されてきた文書または画像のデータ(以下、画像データという。)を受信し、画像処理部4に受け渡すネットワークインターフェースである。
画像処理部4は、画像データにラスタライズ処理を施し、その分解能に応じたピクセルに分解するラスタライザーである。
また、画像処理部4は、ラスタライズ処理を施した画像を画像形成部5に出力するとともに、制御部2の演算部21(後述)に出力する。
このように、対象画像の画像データを、印刷用の画像を形成する画像形成部5と、トナー使用量を算出する演算部21とに出力することにより、印刷処理とトナー使用量算出処理とを独立して実施することができる。
【0013】
画像形成部5は、ラスタライズ化された画像の色値(RGB)を第一色変換テーブルを介して出力可能な色値(CMYK)に変換する画像処理プロセッサーである。画像形成部5は、ラスタライズ化された画像をC,M,Y,Kの各チャンネルに分版し、必要に応じてガンマ補正処理、スクリーン処理を施して、エンジン部6に出力する。
エンジン部6は、画像形成部5から出力された画像データにもとづいてトナー像を感光体ドラム上に形成し、トナー像を一旦、転写ベルトに転写する。次いで、エンジン部6は、転写ベルト上のトナー像を用紙に転写し、定着ローラによりトナー像を用紙に定着させることによって印刷処理を行う(感光体ドラム、転写ベルト及び定着ローラは非図示)。
【0014】
操作部7は、タッチパネルとカラーLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成される。操作部7は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザーのタッチ操作に応じた操作指令を入力するための操作キーを表示する。
【0015】
制御部2は、CPU、制御プログラムやデータが記憶されたROM、ワークメモリとして機能するRAM、I/Oポートなどのマイクロコンピューターで構成される。制御部2は、記憶された制御プログラムを実行して、画像形成装置1を構成する各部を制御する。
また、制御部2は、制御プログラムを実行することにより演算部21として機能する。演算部21は、トナー使用量の算出や算出したトナー使用量にもとづいて課金量の計算を行う。
演算部21は、図2に示すように、重量計算パラメータ記憶部24に記憶された重量計算パラメータにもとづいてトナー使用量の予測を行うトナー使用量予測部22と、課金計算パラメータ記憶部25に記憶された課金計算パラメータにもとづいて料金の計算を行う課金演算部23とを備える。重量計算パラメータ及び課金計算パラメータについては後述する。
【0016】
図3は、本発明の第一実施形態のトナー使用量予測部の詳細な構成を示したブロック図である。
図3に示すように、トナー使用量予測部22は、RGBtoCMYK変換部2211と、CMYK分版部2212と、転写トナー量換算部2213と、紙上トナー量算出部2214と、仮墨量カラーテーブル選択部2215と、墨色変換テーブル格納部2216と、を備える。
RGBtoCMYK変換部2211(色変換部)は、画像処理部4から入力した対象画像の色変換処理を行う。具体的には、RGBtoCMYK変換部2211は、予め仮墨量カラーテーブル選択部2215が、墨色変換テーブル格納部2216に格納されたカラーテーブル群から選択した一の墨色変換テーブルを介して対象画像の色変換処理を行う。ここで、墨色変換テーブルは、RGB値とCMYK値との対応付けが等間隔又は不等間隔に格子状に構成されている通常の色変換テーブルをベースとし、このうち無彩色のRGB値に対してブラック(K)を対応付けた構成のテーブルとしている。なお、墨色変換テーブル格納部2216は、色値の範囲に応じて定まる墨量置換率が異なる二以上の墨色変換テーブルを格納することが可能である。
【0017】
例えば、CMYK分版後、画像の任意各点におけるCMY値の内の最小値を求め、この最小値に対し、所定の比率を乗じ、その分を墨量に置換する一方、前述のCMY値から減ずる事でトナー総使用量を削減する。なお、この設定は任意の範囲に変更することができる。
この色変換処理により、例えば、CMYK分版後に、そのままであればCMYKの混合によって表現されていた無彩色部分を全て墨(K)トナーのみによって表すことができる様な場合もある。
なお、必要な対応付け情報が墨量含有率の異なるカラーテーブルに存在しない場合、テーブル上に存在する対応付け情報を用いた演算処理を行う。例えば、各対応付け情報を格子点とみなし、必要な色値に近接するいくつかの格子点を用いた補間計算(八面体補間や四面体補間など)によりその色値を求めることができる。
【0018】
CMYK分版部2212(分版処理部)は、対象画像の各ピクセルを、C、M、Y、Kの各チャンネルに分版することによりシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの版画像を取得する。
これにより、印刷に用いるトナーの色別に版画像を取得することができる。
【0019】
転写トナー量換算部2213は、重量計算パラメータにもとづき、実際に印刷する画像に使用されるトナー重量を算出する。重量計算パラメータは、各色値に対応する単位面積当たりの転写トナー重量を示す値である。重量計算パラメータは、図4に示す重量計算パラメータ記憶部24の色値対重量テーブル241に格納されている。
転写トナー量換算部2213は、色値対重量テーブル241を用いて、対象画像の印刷に必要なトナー重量を求める(図3,4のA参照)。
【0020】
例えば、墨トナーの重量を求める場合、転写トナー量換算部2213は、墨の版画像において各ピクセルに付された色値を順次読み取る。転写トナー量換算部2213は、読み取った各色値に対応する転写トナー重量を色値対重量テーブル241から抽出し、抽出した各重量を累積することで墨のトナー使用量を求める。同様にして、シアン,マゼンタ,イエローの各版画像において各ピクセルに付された色値を順次読み取り、読み取ったシアン,マゼンタ,イエローの色値に対応する転写トナー重量を色値対重量テーブル241から抽出し、抽出した各重量を累積することで、全トナーに関するトナー使用量を求める。
【0021】
紙上トナー量算出部2214は、転写トナー量換算部2213が求めた転写トナー重量に、重量計算パラメータ部24に記憶されている転写効率242を乗ずる処理を行う(図3,4のB参照)。
この結果、対象画像を印刷した場合に、紙上の印刷画像への使用が見込まれるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各トナーの重量(トナー使用量)を求めることができる。
【0022】
なお、色値対重量テーブル241は、トナー重量の実測値にもとづいて生成することができる。例えば、所定の色値間隔にもとづく既知の色値をいくつか選択する。選択された各色値からなるサンプル画像(例えば、方形や円など面積を求めやすい形状からなる画像)を出力(描画)して、転写ベルト上の付着トナーの重量を計測して転写トナー重量とする。
付着トナーの重量は、実際に付着トナーを採取して秤で計測することができる。
また、印刷前の(トナーがまだ付着されてない)紙重量を予め求めておき、上記サンプル画像を印刷した後の紙重量を計測して、これらの重量差を転写トナー重量として求めることができる。この場合、トナー使用量を求めるために、原画像の転写トナー重量に転写効率242を乗ずる処理を行う必要はなくなる。
【0023】
計測した転写トナーの重量は、サンプル画像の面積で除算することにより、シアン,マゼンタ、イエロー,ブラックのそれぞれにおいて、色値ごとに単位面積当たりの転写トナー重量を求めることができる。
そして、求めた単位面積当たりのトナー重量と該当する色値とを対応付けることによって色値対重量テーブル241を生成することができる。
なお、計測値以外の色値(例えば中間値)をテーブル構成に加える場合は、内挿補間等により算出して加えることができる。
また、テーブル生成の際に、各処理工程における転写効率などをトナー付着量の補正係数として求めておき、後工程でこの補正係数を用いて補正するようにしてもよい。
【0024】
ところで、本実施形態の画像形成装置1は、図4に示すように、キャリブレーション処理部243を備える。
キャリブレーションは、一定の色値を入力した場合の画像出力時の濃度(又は明度)が、環境変化や経時変化等の影響をうけても一定となるように、入出力特性の補正(ガンマ補正)を行う処理である。具体的には、入出力特性が一定の特性(例えば、規定のカーブ形状)が得られるように印字ドットを増減するものである。
つまり、色値が不変である限り、その色値に相当する濃度も不変であり、色値に相当するトナー重量もほぼ同じ値に保たれる。このため、キャリブレーションが有効に機能している場合、色値対重量テーブル241における色値と単位面積当たりのトナー重量との関係も一定に保たれる。
したがって、本実施形態の画像形成装置1は、従来のドットカウント方式とは異なり、キャリブレーション処理(濃度補正)に伴う印字ドットの増減による影響を受けず、いつでもトナー使用量を算出することができる。
【0025】
つぎに、本実施形態に係る課金処理について図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明の第一実施形態に係る課金演算部の構成を示すブロック図である。また、図6は、本発明の第一実施形態に係る課金計算パラメータ記憶部の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、課金演算部23は、課金算出部231と、課金量表示部232と、墨量置換率設定部233と、を備える。また、図6に示すように、課金計算パラメータ記憶部25は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各トナーの単位重量当たりの料金が対応付けてある重量対課金テーブル251を記憶する。
課金算出部231は、重量対課金テーブル251に格納されてあるトナー単位重量当たりの料金と、対応する色のトナー使用量とを乗算し、積算することで対象画像の課金量を計算する(図3,5のC参照)。
表示部232は、算出した課金量を操作パネルなどに表示することができる。また、表示部232は、課金量とともに画質に関する情報を表示することができる。画質に関する情報としては、例えば、グレイ置換処理後のサムネール画像を表示したり、グレイ置換処理により墨に置換されるピクセル数や割合を表示することができる。
そして、表示された課金量をユーザーが承諾する場合は、そのときの墨量含有率の異なるカラーテーブルを用いて色変換された対象画像が印刷され、他方、表示された課金量をユーザーが承諾しない場合、ユーザーの操作に応じ、墨量置換率設定部233が、異なる墨量置換率を設定する。
新たな墨量置換率が設定されるとその墨量置換率が仮墨量カラーテーブル選択部2215に通知され(図5のD参照)、仮墨量カラーテーブル選択部2215が、該当する墨色変換テーブルを墨カラーテーブル格納部2216から選択する。そして、RGBtoCMYK変換部2211が、この選択された墨色変換テーブルを介して色変換処理を行い(図3のD参照)、色変換後の画像が、CMYK分版部2212により各版画像に分版され、再度、課金量等が表示される。そして、表示される課金量をユーザーが承諾するまで前述のフローが繰り返される。
なお、このように、順次、課金量等を算出して表示してユーザーの判断を仰ぐのではなく、表示部232が、墨色変換テーブル格納部226に格納されるそれぞれの墨色変換テーブルを用いた場合の課金量や画質に関する情報を操作パネルに一覧表示し、その一覧から所望の覧をユーザーに選択させ、選択された覧に係る課金量や画質を実現する墨色変換テーブルを仮墨量カラーテーブル選択部2215が選択するようにしてもよい。
【0026】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、無彩色画素を墨に変換する墨置換処理を墨色変換テーブルを介して色変換することにより実施するようにしており、このようにして実施した墨置換処理後の各トナーごとの使用量を求めるようにしている。
また、算出した各トナーごとの使用量にもとづいて各色のトナー料金を算出するようにしている。
このため、従来のようにグレイ置換処理を施した画像の印刷料金が適当でないことによる不利益の発生を未然に防ぐことができる。
また、グレイ置換処理によりKのピクセル数は増えるものの、C,M,Yのピクセル数は減るため、トナー使用量や課金量を早く求めることができる。
【0027】
また、ドットカウント方式のように単位ドット当たりのトナー重量にもとづいてトナー使用量を算出する方式ではないため、印字ドット数の増減により必要な調整を行うガンマ補正処理やスクリーン処理の前工程においてもトナー使用量を算出することができる。
このため、ガンマ補正処理やスクリーン処理の前後に拘わらず迅速にトナー使用量を求めることができ、ドットカウント方式のように処理速度を向上させるためのハードウェアの増強等を施す必要がなく、コスト性に優れた画像形成装置1を実現することができる。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、簡易な構成で、迅速かつ正確にトナー使用量を算出することができる。
また、このようにして求めたトナー使用量に応じて課金量を算出するため、適正な課金量を迅速に提示することができる。
【0028】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第二実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、本実施形態に係るトナー使用量予測部22は、ヒストグラム生成部2217を備える点において第一実施形態と異なる。
ヒストグラムを保持しておくことで、トナー使用量の算出を簡易に実施でき、また、他の用途(例えば、後に同一画像について印刷(再印刷含む)する場合や、ガンマ補正等により一部の色値が変動した後に元の画像についてトナー使用量を必要とする場合など)に、即座に利用することができる。他の構成は第一実施形態と同様である。このため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0029】
本実施形態に係るヒストグラム生成部2217は、その前工程において、RGBtoCMYK変換部2211が墨色変換テーブルを介して色変換することでグレイ置換処理が施され、CMYK分版部2212が分版した各チャネル(C,M,Y,K)の版画像にもとづき、色値とピクセル頻度との関係を示すヒストグラムをチャネルごとに生成する。
ヒストグラムは、例えば、色値を横軸にとり、ピクセル頻度を縦軸にとることで、色値とピクセル頻度との対応関係を版画像ごとに示すことができる。
転写トナー量換算部2213は、このヒストグラムと色値対重量テーブル241とを用いて、グレイ置換処理後の画像を印刷する際のトナー使用量を求めることができる。
【0030】
色値対重量テーブル241は、色値と単位面積当たりの転写トナー重量とを対応づけた情報群である。また、上記ヒストグラムは、色値とピクセル数とを対応付けた情報群である。従って、転写トナー量換算部2213は、色値対重量テーブル241を生成する上で基準となる単位面積と、ヒストグラム生成に用いる単位ピクセルの面積を整合する面積補正処理を施す。これは、色値対重量テーブル241を生成する際、サンプル画像の転写トナー重量をサンプル画像の面積で割ることで単位面積当たりの転写トナー重量を求めた場合であっても、ピクセル分解能(例えば、300dpiである場合や600dpiである場合。)は変動するためである。ピクセル分解能の異なる画像の1ピクセル当たりの面積は異なる。このため、転写トナー量換算部2213は、ピクセル分解能に合わせて1ピクセル面積相当のトナー付着重量に換算した後、転写トナー重量の算出を行う。その上で、転写トナー量換算部2213は、同じ色値に対応する単位面積当たりの転写トナー重量と、ピクセル頻度に対応する面積の積をとり、色値ごとの転写トナー重量を求める。転写トナー量換算部2213は、全ての色値に対応する転写トナー重量の総和に基づいて、グレイ置換処理後の画像を印刷する際のトナー使用量を算出することができる。
【0031】
なお、転写トナー重量の算出において、ヒストグラム又は色値対重量テーブル241のいずれかに対応する色値が存在しない場合、内挿補間により対応する色値又はこれに相当する色値を求めた上で、その積算を行う。
【0032】
紙上トナー量算出部2214は、転写トナー量換算部2213によって求められたトナー重量に、重量計算パラメータ部24に記憶されている転写効率242を乗ずる処理を行う。
この結果、対象画像を紙上に印刷した場合に使用されると見込まれるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各トナーについての重量を求めることができる。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、グレイ置換処理した後の画像を印刷する際に使用されるトナー量を、色値とピクセル頻度との対応付けからなるヒストグラムを利用することによって円滑に求めることができる。
また、ヒストグラムを保持しておくことにより、トナー使用量を再計算したり、他の用途がある場合には、即座に利用したりすることができる。
そして、対象画像を構成する色値のピクセル数を減らすことができるため、色値対重量テーブルのみならず、ヒストグラムを簡易に構成することができ、結果、トナー使用量を迅速に算出することができる。
また、このようにして求めたトナー使用量に応じて課金量を算出するため、適正な課金量を迅速に提示することができる。
【0034】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について図面を参照しながら説明する。
図8は、本発明の第三実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部の構成を示すブロック図である。また、図9は、本発明の第三実施形態に係る画像形成装置の課金演算部の構成を示すブロック図である。
【0035】
本実施形態に係るトナー使用量予測部22は、図8に示すように、第二色変換テーブル選択部2218と第二色変換テーブル格納部2219とを備える点において前述の各実施形態と異なる。
また、本実施形態に係る課金演算部23は、図9に示すように、トナー消費量設定部234を備える点において前述の各実施形態と異なる。
すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、ユーザーが、通常の出力濃度よりも淡い色の出力濃度で印刷を行う、いわゆるドラフトモードを実行する場合のトナー使用量や課金量を計算するものである。他の構成は前述の各実施形態と同様である。このため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0036】
本実施形態に係るトナー使用量予測部22の第二色変換テーブル選択部2218は、第二色変換テーブル格納部2219に格納されている濃度設定率が異なる複数の色変換テーブル(以下、第二色変換テーブルという。)の中から一の第二色変換テーブルを選択する。
このため、ユーザーは、設定されている色変換テーブルを任意の第二色変換テーブルに変更することができ、また、一旦選択した第二色変換テーブルを他の第二色変換テーブルに変更することも可能である。
本実施形態のドラフトカラーテーブルは、前述の墨色変換テーブルにおける出力色値をそれよりも淡い濃度の色値に置き換えたものである。このため、本実施形態の第二色変換テーブルを介して色変換すると、グレイ置換処理とドラフトモードによる淡色化処理とを共に実施した画像が形成される。
つまり、本実施形態によれば、第一実施形態や第二実施形態において示した効果のみならず、出力画像の濃度を抑えることができるため、トナー使用量と課金量の更なる削減を図ることができる。
【0037】
第二色変換テーブル選択部2218は、後述するトナー消費量設定部234からの要求に応じ、所定の第二色変換ドラフトカラーテーブルを選択する動作を行う。
具体的には、図9に示すように、課金算出部231が対象画像について算出した課金量をユーザーが承諾しない場合、トナー消費量設定部234は、現在設定されている色変換テーブル(墨色変換テーブルや第二色変換テーブルを含む)よりも淡い出力濃度の濃度設定率を設定し、これを第二色変換テーブル選択部2218に対し通知する(図9のD参照)。
濃度設定率の通知を受けた第二色変換テーブル選択部2218は、その濃度設定率に応じた第二色変換テーブルを第二色変換テーブル格納部2219から取り出して現在の色変換テーブルと入れ替える(図8のD参照)。
そして、トナー使用量予測部22は、変更後の新たな第二色変換テーブルを介した色変換処理によって得た色値にもとづいてトナー使用量を算出する。
なお、課金算出部231が算出した対象画像の印刷時の課金量をユーザーが承諾した場合、その課金量が出力され、例えば、記憶媒体に記憶され、記録媒体に記録され、又は、表示部により表示される。
【0038】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、グレイ置換処理を伴うドラフトモードでのカラー印刷時のトナー使用量にもとづいて課金量を求めるようにしている。
このため、グレイ置換処理を施した画像をさらにドラフトモード印刷する場合においても前述の各実施形態と同様の作用・効果を奏するとともに、さらに迅速にトナー使用量及び課金量を求めることができる。
【0039】
<第四実施形態>
次に、本発明の第四実施形態について図面を参照しながら説明する。
図10は、本発明の第四実施形態に係る画像形成装置のトナー使用量予測部を示したブロック図である。
【0040】
本実施形態に係るトナー使用量予測部22は、図10に示すように、ドラフトモード処理部2220を備える点において第三実施形態とは異なる。
すなわち、本実施形態の画像形成装置1は、ドラフトモード印刷時のトナー使用量や課金量を求める点においては、第三施形態と同じであるが、ドラフトモードにおける淡色化に伴う処理を色変換処理の前工程において行う点において異なる。また、第二色変換テーブルを用いず、墨色変換テーブルを介して色変換処理を行う点において第三実施形態と異なる。他の構成は第三実施形態と同様である。このため、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0041】
ドラフトモード処理部2220は、画像処理部4から出力された対象画像に対して、墨色変換テーブルを介しその出力色値より淡い濃度の出力色値(CMYK)を得ることができるよう入力色値(RGB)を加工する。
具体的には、対象画像を構成する各ピクセルのRGB値について、次式(1)の演算処理を行う。
(r’,g’,b’)=(255,255,255)−{(255,255,255)−ρ(r,g,b)}
・・・・・(1)
(但し、(r,g,b)を加工前のRGB値、(r’,g’,b’)を加工後のRGB値、階調数を256階調、設定濃度率ρ(0≦ρ≦1)とする。)
【0042】
ドラフトモード処理部2220は、その加工処理によって取得した色値(r’,g’,b’)をRGBtoCMYK変換部2211に出力する。そして、RGBtoCMYK変換部2211において墨色変換テーブルを用いて色変換処理が行われる。その結果、グレイ置換処理を施した画像をドラフトモード印刷した時に必要なトナー使用量が算出される。
また、課金演算部23が、算出されたトナー使用量にもとづいて課金量を算出する。
【0043】
なお、第三実施形態と同様、課金算出部231が算出した課金量をユーザーが承諾しない場合、トナー消費量設定部234は、現在設定されている濃度設定率よりも淡い出力の濃度設定率を設定し、これをドラフトモード処理部2220に通知する(図9のD参照)。
濃度設定率の通知を受けたドラフトモード処理部2220は、そのドラフトモード率を用いた前述の式(1)にもとづいて画像加工処理を行う(図10のD参照)。
そして、トナー使用量予測部22は、加工された画像の各色値にもとづいてトナー使用量を算出する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る画像形成装置1によれば、グレイ置換処理を伴うドラフトモード印刷時のトナー使用量及び課金量を求めるようにしている。
具体的には、第二色変換テーブルを用いることなく、色変換前のピクセルに対してドラフト化を行い、その後、墨色変換テーブルを介して色変換された後の画像のドラフトカラー印刷時のトナー使用量及び課金量を算出するようにしている。
このため、ドラフトモード印刷時に関し、第四実施形態と同様の作用・効果を奏することができる。
【0045】
また、本実施形態では、ドラフトモード印刷における淡色化処理を、色変換処理の前工程で行い、通常の色変換テーブルにもとづく色変換処理を経て取得した画像にもとづいてトナー使用量及び課金量を算出するようにしている。
このため、処理対象のチャネル数(R,G,Bの3チャンネル)が、色変換処理の後のチャネル数(C,M,Y,Kの4チャンネル)に比べて少なく、色変換処理などの処理負荷を軽減することができ、この結果、迅速にトナー使用量を求めることができる。
【0046】
また、複数の第二色変換テーブルの中から選択してドラフトモード印刷を行う場合に比べ、濃度設定率を細かく設定でき、保有容量の制限もないため自由度が大きい。
さらに、ドラフトモード印刷を行う際、装置依存するインクの種類又は出力形式(CMYK値)へ変換する際の影響が、色変換後にドラフトモード処理を行う場合に比べて少ない。
このため、本実施形態によれば、出力特性に影響を与えることなくドラフトモード印刷を実施することができ、また、その際のトナー使用量及び課金量を正確かつ迅速に算出することができる。
【0047】
以上、本発明の画像形成装置1について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかる画像形成装置1は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、各実施形態においては、色値対重量テーブル241を用いてトナー使用量を求めることとしたが、色値とトナー重量との対応付けに相当する数式やシミュレータにもとづいてトナー使用量を算出することもできる。
また、ヒストグラム生成部を構成に有する第二実施形態と、ドラフトモード印刷に係る第三実施形態や第四実施形態を組み合わせた構成としてもよい。
また、上記各実施形態においては、プリンターを例にあげて説明したが、複写機もしくは複写機能及び印刷機能を有する複合機など画像形成装置全般に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、トナーを用いて印刷を行う電子写真方式の画像形成装置に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 画像形成装置
21 演算部
22 トナー使用量予測部
23 課金演算部
231 課金算出部
232 トナー消費量設定部
24 重量計算パラメータ記憶部
241 色値対重量テーブル
25 課金計算パラメータ記憶部
251 重量対課金テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象画像における無彩色画素の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成する墨置換部と、
墨トナー及びその他の色のトナーに関する各色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するトナー使用量算出部と、
前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金部と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
入力色値と出力色値とを対応付けた色変換テーブルの無彩色に係る対応付けの出力色値の一部又は全部を墨に置換した墨色変換テーブルを格納する墨色変換テーブル格納部と、
対象画像を、前記墨色変換テーブルを介して色変換する色変換部と、
前記色変換後の画像にもとづき墨の版画像及び前記その他の色の版画像を形成する分版処理部と、
前記墨の版画像及び前記その他の色の版画像にもとづき、色値と画素数とを対応付けた墨のヒストグラム及び前記その他の色のヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、を備え、
前記トナー使用量算出部は、
前記墨のヒストグラム及び前記対応付け情報にもとづき前記墨トナーの使用量を算出し、前記その他の色のヒストグラム及び前記対応付け情報にもとづき前記その他の色のトナーの使用量を算出する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
色値範囲に応じて定まる墨量置換率を設定する墨置換率設定部を備え、
前記墨色変換テーブル格納部が、二以上の異なる前記墨量置換率に応じ前記色変換テーブルの無彩色に係る対応付けの出力色値の一部又は全部を墨に置換した二以上の墨色変換テーブルを格納し、
前記色変換部は、前記対象画像を、前記設定した墨量置換率にもとづき選択した一の墨色変換テーブルを介して色変換する
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
入力色値に対する出力色値を、前記墨色変換テーブルにおける出力色値の濃度未満の値とした一又は二以上のドラフトカラーテーブルを格納するドラフトカラーテーブル格納部を備え、
前記色変換部は、前記対象画像を、所定の選択動作に応じて選択した一のドラフトカラーテーブルを介して色変換する
請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
入力色値に対応する出力色値が、前記墨色変換テーブルにおける出力色値の濃度未満の値となるように、前記対象画像の色値を変更するドラフトカラー処理手段を備える請求項2〜4のいずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項6】
対象画像における無彩色画素の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成するステップと、
墨トナー及びその他の色のトナーに関する各色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するステップと、
前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出するステップと、を有する
ことを特徴とする課金量算出方法。
【請求項7】
画像の印刷を行うコンピューターを、
対象画像における無彩色画素の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成する墨置換部、
墨トナー及びその他の色のトナーに関する各色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するトナー使用量算出部、及び
前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金部、として機能させる
ことを特徴とする課金量算出プログラム。
【請求項1】
対象画像における無彩色画素の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成する墨置換部と、
墨トナー及びその他の色のトナーに関する各色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するトナー使用量算出部と、
前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金部と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
入力色値と出力色値とを対応付けた色変換テーブルの無彩色に係る対応付けの出力色値の一部又は全部を墨に置換した墨色変換テーブルを格納する墨色変換テーブル格納部と、
対象画像を、前記墨色変換テーブルを介して色変換する色変換部と、
前記色変換後の画像にもとづき墨の版画像及び前記その他の色の版画像を形成する分版処理部と、
前記墨の版画像及び前記その他の色の版画像にもとづき、色値と画素数とを対応付けた墨のヒストグラム及び前記その他の色のヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、を備え、
前記トナー使用量算出部は、
前記墨のヒストグラム及び前記対応付け情報にもとづき前記墨トナーの使用量を算出し、前記その他の色のヒストグラム及び前記対応付け情報にもとづき前記その他の色のトナーの使用量を算出する
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
色値範囲に応じて定まる墨量置換率を設定する墨置換率設定部を備え、
前記墨色変換テーブル格納部が、二以上の異なる前記墨量置換率に応じ前記色変換テーブルの無彩色に係る対応付けの出力色値の一部又は全部を墨に置換した二以上の墨色変換テーブルを格納し、
前記色変換部は、前記対象画像を、前記設定した墨量置換率にもとづき選択した一の墨色変換テーブルを介して色変換する
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
入力色値に対する出力色値を、前記墨色変換テーブルにおける出力色値の濃度未満の値とした一又は二以上のドラフトカラーテーブルを格納するドラフトカラーテーブル格納部を備え、
前記色変換部は、前記対象画像を、所定の選択動作に応じて選択した一のドラフトカラーテーブルを介して色変換する
請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項5】
入力色値に対応する出力色値が、前記墨色変換テーブルにおける出力色値の濃度未満の値となるように、前記対象画像の色値を変更するドラフトカラー処理手段を備える請求項2〜4のいずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項6】
対象画像における無彩色画素の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成するステップと、
墨トナー及びその他の色のトナーに関する各色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するステップと、
前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出するステップと、を有する
ことを特徴とする課金量算出方法。
【請求項7】
画像の印刷を行うコンピューターを、
対象画像における無彩色画素の一部又は全部を墨の画素に置換して墨置換画像を生成する墨置換部、
墨トナー及びその他の色のトナーに関する各色値と単位面積当たりに使用されるトナー量との対応付け情報にもとづき、前記墨置換画像の印刷に使用される墨トナーの使用量及び前記その他の色のトナーの使用量を算出するトナー使用量算出部、及び
前記墨トナーの使用量に当該墨トナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値と、前記その他の色のトナーの使用量に前記その他の色のトナーの単位量当たりの料金を乗じた乗算値とを、前記墨置換画像の印刷料金として算出する課金部、として機能させる
ことを特徴とする課金量算出プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−30537(P2012−30537A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173147(P2010−173147)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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