説明

画像形成装置および情報保護システム

【課題】自由な形式で機密文書を作成でき、かつ、機密文書の複製を意図した範囲に制限することが可能な画像形成装置および情報保護システムを提供すること目的とする。
【解決手段】原稿読取手段および画像形成手段を備え、無線IDタグを含む用紙を用いる画像形成装置において、前記用紙の搬送経路に前記無線IDタグと通信する無線IDタグ通信手段を備え、ユーザより機密文書である旨の指示を受け付けると、画像形成出力を前記用紙に形成するとともに、前記無線IDタグ通信手段により、前記無線IDタグに機密文書である旨をあらわす情報を保存するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線IDタグを含む用紙を用いる画像形成装置、および、無線IDタグを含む用紙に記録された情報を保護するための情報保護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機密文書の複製に関して、特許文献1〜3に開示された保護の方法が提案されている。
【特許文献1】特開2000−270195号公報
【特許文献2】特開平07−056483号公報
【特許文献3】登録第03142422号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらの従来方法では、いずれも複製元となる原稿において、機密文書であることを示すマーク等が付加されていることが前提であり、原稿文書における文面上には、その為の制約が生じている。
【0004】
また、一律に複製禁止となるため、例えば一定の範囲内で配布するための複製も禁じられ、或いは複製を許可された者の裁量に委ねられる。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、自由な形式で機密文書を作成でき、かつ、機密文書の複製を意図した範囲に制限することが可能な画像形成装置および情報保護システムを提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、原稿読取手段および画像形成手段を備え、無線IDタグを含む用紙を用いる画像形成装置において、前記用紙の搬送経路に前記無線IDタグと通信する無線IDタグ通信手段を備え、ユーザより機密文書である旨の指示を受け付けると、画像形成出力を前記用紙に形成するとともに、前記無線IDタグ通信手段により、前記無線IDタグに機密文書である旨をあらわす情報を保存するようにしたものである。
【0007】
また、前記無線IDタグには、さらに、配布可能枚数を保存する。また、前記用紙を複製原稿として用いる場合、前記無線IDタグ通信手段により前記無線IDタグに保存した内容を読み出すようにしたものである。また、前記無線IDタグより読み出した情報に基づいて、配布可能枚数を自動認識し、当該配布可能枚数以上の複製が指示された場合にも、前記配布可能枚数のみ、複製出力するようにしたものである。また、前記複製出力した用紙枚数を、前記無線IDタグに保存するようにしたものである。また、前記無線IDタグより読み出した内容に機密文書である旨が保存されている場合、装置内のメモリに読み取った原稿のイメージを保存せず、1枚毎に原稿読み取りを行って複製動作を行うようにしたものである。また、前記無線IDタグより読み出した内容に機密文書である旨が保存されている場合、ユーザの指定がないときには、装置内のメモリに読み取った原稿のイメージを保存せず、1枚毎に原稿読み取りを行って複製動作を行う一方、ユーザの指定がある場合には、前記メモリを使用して、複製可能枚数以内の複製画像を出力可能するようにしたものである。また、前記メモリを使用して複製動作を行う場合には、正常出力後、および、画像形成を中止後に、前記メモリ内の読み取り原稿のイメージ情報を消去するようにしたものである。
【0008】
また、前記無線IDタグには、さらに、当該無線IDタグに保存される情報にアクセスする際の認証に用いる更新IDを保存するようにしたものである。また、前記原稿読取手段に前記用紙が載置されている状態で、前記無線IDタグに保存されている情報を書き換える情報書き換え手段をさらに備えたものである。また、前記情報書き換え手段により前記無線IDタグに保存されている情報を書き換える際には、前記無線IDタグに保存されている前記更新IDを用いて認証動作を行い、当該認証動作に成功した場合にのみ、前記情報の書き換えを許すようにしたものである。
【0009】
また、原稿読取手段および画像形成手段を備え、無線IDタグを含む用紙を用いる画像形成装置を備えた情報保護システムにおいて、前記画像形成装置は、前記用紙の搬送経路に前記無線IDタグと通信する無線IDタグ通信手段を備え、ユーザより機密文書である旨の指示を受け付けると、画像形成出力を前記用紙に形成するとともに、前記無線IDタグ通信手段により、前記無線IDタグに機密文書である旨をあらわす情報を保存するとともに、さらに、前記無線IDタグから情報を受信する1つ以上の受信装置を出入り口に設け、前記受信装置は、前記無線IDタグから受信した情報に機密文書指定に関する情報が含まれている場合には、当該機密文書の移動を検知するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
したがって、本発明によれば、画像形成した用紙に対して、機密文書である旨の記録を残す事が可能となるという効果を得る。また、出力する機密文書の配布可能枚数を、機密文書内に記録することができるので、機密文書の配布可能枚数を、ユーザが意図した範囲に制限することができるという効果も得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施例にかかる情報保護システムを示している。
【0013】
同図において、この情報保護システムは、ネットワークNTaと、インターネットINETに接続される管理サーバ装置SVbから構成されている。
【0014】
また、ネットワークNTaには、ネットワーク対応複合機MFP、無線IDタグ受信機RVa,RVb、無線LANアクセスポイント装置APr、管理サーバ装置SVa、および、ルータ装置RTが含まれる。
【0015】
このうち、ネットワーク対応複合機MFP、無線IDタグ受信機RVa、無線LANアクセスポイント装置APr、管理サーバ装置SVa、および、ルータ装置RTは、ローカルエリアネットワークLANに接続されており、また、無線IDタグ受信機RVbは、無線LANアクセスポイント装置APrを介して、ローカルエリアネットワークLANに接続される。
【0016】
また、ローカルエリアネットワークLANは、ルータ装置RTを介してインターネットINETへ接続されているので、ローカルエリアネットワークLANに接続されている機器は、インターネットINETを介して、管理サーバ装置SVbへ適宜にアクセスすることができる。
【0017】
また、無線IDタグ受信機RVa,RVbは、ネットワーク対応複合機MFPが設置されている部屋の出入り口の近傍に設置されている。
【0018】
さて、本実施例では、ネットワーク対応複合機MFPは、図2に示すように、無線IDタグCCを内蔵した用紙PPを用いて、画像形成する。この無線IDタグCCは、それに保存される情報を書き換え可能な機能を備えており、例えば、図3に示すような情報を保存する。
【0019】
すなわち、それぞれの無線IDタグを識別するためのタグID、当該用紙PPに記録されている情報(画像)を機密文書として扱うか否かを指定するための機密コードフラグ(機密文書として扱う場合には「オン」され、それ以外の場合には「オフ」される)、当該用紙PPに記録されている情報(画像)の配布可能枚数、当該用紙PPに記録されている情報(画像)についてされた複製動作の複製枚数(総数)、および、当該無線IDタグに保存されている情報を更新する際の認証動作に参照される更新IDからなる。
【0020】
図4は、ネットワーク対応複合機MFPの構成例を示している。
【0021】
同図において、システム制御部1は、このネットワーク対応複合機MFPの各部の制御処理、および、画像形成処理などの各種制御処理を行うものであり、システムメモリ2は、システム制御部1が実行する制御処理プログラム、および、処理プログラムを実行するときに必要な各種データなどを記憶するとともに、システム制御部1のワークエリアを構成するものであり、パラメータメモリ3は、このネットワーク対応複合機MFPに固有な各種の情報を記憶するためのものであり、時計回路4は、現在時刻情報を出力するものであり、操作表示部5は、このネットワーク対応複合機MFPを操作するためのもので、各種の操作キー、および、各種の表示器からなる。
【0022】
ページバッファ6は、印刷する1ページ分の画像データを保持するものであり、プリンタエンジン7は、ページバッファ6に保持されている画像データの画像を用紙PPに記録出力するためのものであり、搬送系ユニット8は、用紙PPを保持している用紙カセット等から用紙を分離してプリンタエンジン7の画像記録位置へと搬送するためのものである。
【0023】
無線IDタグ読取書込部9は、用紙PPに内蔵されている無線IDタグCCから情報を読み出すとともに、無線IDタグCCに情報を書き込むためのものであり、無線IDタグトランシーバ10は、無線IDタグCCとの間で信号をやりとりするためのものである。また、無線IDタグトランシーバ10は、搬送系ユニット8において、用紙PPの搬送路の途中で、用紙カセット等に収容されている他の用紙PPの影響を受けずに且つ他の用紙PPへの影響がない位置に配設されている。
【0024】
原稿読取ユニット11は、複写原稿を読み取るためのものであり、載置された複数枚の複写原稿を1枚ずつ分離して読取位置へと搬送する自動用紙搬送ユニットを含む。
【0025】
無線IDタグ読取書込部12は、読取原稿として用いられる用紙PPに内蔵されている無線IDタグCCから情報を読み出すとともに、無線IDタグCCに情報を書き込むためのものであり、無線IDタグトランシーバ13は、無線IDタグCCとの間で信号をやりとりするためのものである。また、無線IDタグトランシーバ13は、原稿読取ユニット11において、読取原稿の搬送路の途中で、原稿台等に載置されている他の読取原稿の影響を受けない位置に配設されている。
【0026】
ローカルエリアネットワークインターフェース回路14は、このネットワーク対応複合機MFPをローカルエリアネットワークLANに接続するためのものであり、ローカルエリアネットワーク伝送制御部15は、ローカルエリアネットワークLANを介して、他のデータ端末装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。
【0027】
これらの、システム制御部1、システムメモリ2、パラメータメモリ3、時計回路4、操作表示部5、ページバッファ6、プリンタエンジン7、搬送系ユニット8、無線IDタグ読取書込部9,13、原稿読取ユニット11、および、ローカルエリアネットワーク伝送制御部15は、内部バス16に接続されており、これらの各要素間でのデータのやりとりは、主としてこの内部バス16を介して行われている。
【0028】
図5は、無線IDタグ受信機RVaの一例を示している。
【0029】
同図において、制御部21は、この無線IDタグ受信機RVaの動作制御を行うものであり、無線IDタグレシーバ22は、無線IDタグCCから情報を受信するためのものであり、無線IDタグ読み取り部23は、無線IDタグCCから受信した情報の内容を解析して有為な情報へ変換するためのものである。
【0030】
また、ローカルエリアネットワークインターフェース回路24は、この無線IDタグ受信機RVaをローカルエリアネットワークLANに接続するためのものであり、ローカルエリアネットワーク伝送制御部25は、ローカルエリアネットワークLANを介して、他のデータ端末装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。この場合、ローカルエリアネットワーク伝送制御部25は、ローカルエリアネットワークLANを介して管理サーバ装置SVa,SVbに対して警報情報を送信する。
【0031】
また、操作表示部26は、この無線IDタグ受信機RVaを操作したり、また、ユーザに対して警報等を出力するためのものである。
【0032】
図6は、無線IDタグ受信機RVbの一例を示している。
【0033】
同図において、制御部31は、この無線IDタグ受信機RVbの動作制御を行うものであり、無線IDタグレシーバ32は、無線IDタグCCから情報を受信するためのものであり、無線IDタグ読み取り部33は、無線IDタグCCから受信した情報の内容を解析して有為な情報へ変換するためのものである。
【0034】
また、無線LANインターフェース回路34は、この無線IDタグ受信機RVbを無線LANアクセスポイント装置APrへ接続して、ローカルエリアネットワークLANに接続するためのものであり、無線LAN伝送制御部35は、無線LANアクセスポイント装置APrおよびローカルエリアネットワークLANを介して、他のデータ端末装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。この場合、無線LAN伝送制御部35は、ローカルエリアネットワークLANを介して管理サーバ装置SVa,SVbに対して警報情報を送信する。
【0035】
また、操作表示部36は、この無線IDタグ受信機RVbを操作したり、また、ユーザに対して警報等を出力するためのものである。
【0036】
図7は、画像形成時、形成する画像について機密文書扱いとする旨が指定された場合のネットワーク対応複合機MFPの処理の一例を示している。
【0037】
まず、無線IDタグCCを含む用紙PPを給紙用にセットしたネットワーク対応複合機MFPに対して、ユーザが機密文書扱いとする旨を設定すると、所定の機密文書作成ガイダンスメッセージを表示し、ユーザの必要に応じて、機密文書内情報の更新ID、配布可能枚数を設定する(処理101,102)。
【0038】
次いで、画像形成開始後、画像出力するまでの間(処理103,104)に、用紙無線IDタグ読取書込部9を用いて、用紙PPの無線IDタグCCに対して、処理102で入力された情報を保存する。また、この場合、機密コードフラグを「オン」に設定する。
【0039】
このようにして、機密文書としての情報を無線IDタグCCに保存された文書が作成される。
【0040】
図8は、このようにして作成した機密文書を複製する場合の処理の一例を示している。
【0041】
まず、ユーザは通常の画像形成時と同様に、原稿としての機密文書を原稿読取ユニット11にセットし、操作表示部5より複製枚数を指定する。ここで、予め大量の枚数を複製できると分かっている場合などに、装置内メモリ(SAFメモリ部;図示略)を使用し、読み取りを一度とするか、否かを設定して、装置を起動させる。
【0042】
この後、原稿読取ユニット11において画像を読み取る際(処理201)、同時に、無線IDタグ読取書込部12により、用紙PPの無線IDタグCC内の情報を読み取り、機密コードフラグの値が「オン」になっているかどうかを調べる(判断202)。
【0043】
判断202の結果がNOになるときには、通常の画像形成動作を行う(処理203)。。また、判断202の結果がYESになる場合には、原稿読取ユニット11で原稿画像を読み取り、それによって得た画像をプリンタエンジン7により記録出力する画像形成動作を開始する(処理204)。
【0044】
このとき、複製枚数が配布可能枚数以下であるかどうかを調べ(判断205)、判断205の結果がYESになるときには、複製枚数を1つ増やすとともに無線IDタグCCの複製枚数の値を更新し(処理206)、複製画像出力を行う(処理207)。
【0045】
ここで、指定された複写枚数の複写動作が終了したかどうかを調べ(判断208)、判断208の結果がNOになるときには、装置内メモリを使用する旨が設定されているかどうかを調べる(判断209)。判断209の結果がYESになるときには、複写画像が装置内メモリに残っているので、判断205へ進み、次の複写物の形成動作を行う。
【0046】
また、判断209の結果がNOになるときには、処理201へ戻り、原稿の読取動作から再開し、次の複写物の形成動作を行う。
【0047】
また、指定された複写枚数の複写動作を終了した場合で、判断208の結果がYESになるとき、および、複製枚数が配布可能枚数を超えた場合で、判断205の結果がNOになるときには、装置内メモリを使用する旨が設定されているかどうかを調べ(判断210)、判断210の結果がYESになるときには、装置内メモリに保存されている画像データを消去し(処理211)、このときの動作を終了する。また、判断210の結果がNOになるときには、処理211を実行しない。
【0048】
このようにして、本実施例では、無線IDタグCCより読み取った配布可能枚数に達するまで、複製動作を行う事が可能である。
【0049】
また、装置内メモリを使用する旨が設定されている場合には、正常出力、配布可能枚数到達による出力停止、機械異常発生による機械停止など、出力が停止する場合には、装置内メモリに保存されている情報を消去する。なお、1枚ごとに出力する場合においても、最低限装置として使用しているメモリ情報は、前述と同様のタイミングで、消去を行う。
【0050】
図9は、無線IDタグCCに保存されている機密情報の更新時の処理の一例を示している。
【0051】
まず、ユーザは、原稿読取ユニット11に機密文書をセットし、更新IDを入力する(処理301)。次に、無線IDタグ読取書込部12により、無線IDタグCCの保存情報を読み取り(処理302)、処理301でユーザが入力したものと処理302で読み取ったもので、更新IDが一致するかどうかを調べる(判断303)。
【0052】
判断303の結果がYESになるときには、文書内の機密情報の更新を許可し、ユーザに対して、情報を更新する操作を行わせる(処理304)。例えば、配布可能枚数の増減や、当該原稿の機密解除などが、該当の操作となる。
【0053】
また、判断303の結果がNOになるときには、処理304を行わず、保存された情報は更新されない。
【0054】
図10は、無線IDタグ受信機RVa,RVbの処理の一例を示している。
【0055】
例えば、ユーザが用紙PPを持ち出そうとして、ネットワーク対応複合機MFPが設置された部屋から退出すると、無線IDタグ受信機RVa,RVbは、無線IDタグCCを検出する(判断401の結果がYES)。
【0056】
これにより、無線タグID受信機RVa,RVbは、無線IDタグCCより情報を取得し(処理402)、機密モードフラグが「オン」にセットされているかどうかを調べる(判断403)。なお、無線IDタグCCに保存されている情報の解釈については、ネットワーク対応複合機MFPから事前に通知されているものとする。また、無線IDタグCCに保存されている情報の解釈方法を、この時点で、ネットワーク対応複合機MFPから取得するようにしても良い。
【0057】
判断403の結果がYESになるときには、操作表示部26,36より警報を出力し(処理404)、ローカルエリアネットワークLANを介して、機密文書移動を検出した旨を管理サーバ装置SVa,SVbへ通知する(処理405)。
【0058】
これにより、管理サーバ装置SVa,SVbは、機密文書が移動された旨を検知することができ、適宜な処置を実施することができる。
【0059】
このようにして、本実施例では、出力する機密文書の配布可能枚数を、機密文書内に記録する事が可能となる。また、原稿の持つ情報から、機密文書か否かを自動判定する事が可能となる。また、機密文書の複製を、自動的に配布可能枚数内に留める事が可能となる。また、原稿の配布可能枚数を自動的に更新する事が可能となり、複数回に分けて複製を行う場合などでも、配布可能枚数以内の複製を行う事が可能となる。また、機密文書の情報を、画像形成装置内に残さず、セキュリティーを高める事が可能となる。また、複製可能枚数が多い場合などに、ユーザの明確な意図によって画像形成装置内のメモリを使用する事で、迅速な複製画像形成が可能となる。また、メモリを使用して画像出力を行った場合にも、自動的に機密情報を保護する事が可能となる。また、文書内機密情報にアクセスするための情報を、文書内に記録する事が可能となる。また、配布可能枚数を増減させたり等、機密文書作成後の機密情報の変更が可能となる。また、機密文書内の情報更新を、行う権限があるか否かを自動判別する事で、機密文書に対するセキュリティーを高くする事が可能となる。また、画像形成装置から、機密文書を示す情報を取得しているため、機密文書の移動を検知する事が可能となる。
【0060】
なお、上述した実施例では、ネットワーク対応複合機MFPに本発明を適用しているが、それ以外の画像形成装置についても、本発明を同様にして適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施例にかかる情報保護システムを示したブロック図。
【図2】無線IDタグCCを内蔵した用紙PPの一例を示した概略図。
【図3】無線IDタグCCに保存される情報(機密情報)の一例を示した概略図。
【図4】ネットワーク対応複合機MFPの構成例を示したブロック図。
【図5】無線IDタグ受信機RVaの一例を示したブロック図。
【図6】無線IDタグ受信機RVbの一例を示したブロック図。
【図7】画像形成時、形成する画像について機密文書扱いとする旨が指定された場合のネットワーク対応複合機MFPの処理の一例を示したフローチャート。
【図8】機密文書を複製する場合のネットワーク対応複合機MFPの処理の一例を示したフローチャート。
【図9】無線IDタグCCに保存されている機密情報の更新時の処理の一例を示したフローチャート。
【図10】無線IDタグ受信機RVa,RVbの処理の一例を示したフローチャート。
【符号の説明】
【0062】
MFP ネットワーク対応複合機
RVa,RVb 無線IDタグ受信機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿読取手段および画像形成手段を備え、無線IDタグを含む用紙を用いる画像形成装置において、
前記用紙の搬送経路に前記無線IDタグと通信する無線IDタグ通信手段を備え、
ユーザより機密文書である旨の指示を受け付けると、画像形成出力を前記用紙に形成するとともに、前記無線IDタグ通信手段により、前記無線IDタグに機密文書である旨をあらわす情報を保存することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記無線IDタグには、さらに、配布可能枚数を保存することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙を複製原稿として用いる場合、前記無線IDタグ通信手段により前記無線IDタグに保存した内容を読み出すことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記無線IDタグより読み出した情報に基づいて、配布可能枚数を自動認識し、当該配布可能枚数以上の複製が指示された場合にも、前記配布可能枚数のみ、複製出力することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複製出力した用紙枚数を、前記無線IDタグに保存することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記無線IDタグより読み出した内容に機密文書である旨が保存されている場合、装置内のメモリに読み取った原稿のイメージを保存せず、1枚毎に原稿読み取りを行って複製動作を行うことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記無線IDタグより読み出した内容に機密文書である旨が保存されている場合、ユーザの指定がないときには、装置内のメモリに読み取った原稿のイメージを保存せず、1枚毎に原稿読み取りを行って複製動作を行う一方、
ユーザの指定がある場合には、前記メモリを使用して、複製可能枚数以内の複製画像を出力可能することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記メモリを使用して複製動作を行う場合には、正常出力後、および、画像形成を中止後に、前記メモリ内の読み取り原稿のイメージ情報を消去することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記無線IDタグには、さらに、当該無線IDタグに保存される情報にアクセスする際の認証に用いる更新IDを保存することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7または請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記原稿読取手段に前記用紙が載置されている状態で、前記無線IDタグに保存されている情報を書き換える情報書き換え手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記情報書き換え手段により前記無線IDタグに保存されている情報を書き換える際には、前記無線IDタグに保存されている前記更新IDを用いて認証動作を行い、当該認証動作に成功した場合にのみ、前記情報の書き換えを許すことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
原稿読取手段および画像形成手段を備え、無線IDタグを含む用紙を用いる画像形成装置を備えた情報保護システムにおいて、
前記画像形成装置は、前記用紙の搬送経路に前記無線IDタグと通信する無線IDタグ通信手段を備え、ユーザより機密文書である旨の指示を受け付けると、画像形成出力を前記用紙に形成するとともに、前記無線IDタグ通信手段により、前記無線IDタグに機密文書である旨をあらわす情報を保存するとともに、
さらに、前記無線IDタグから情報を受信する1つ以上の受信装置を出入り口に設け、
前記受信装置は、前記無線IDタグから受信した情報に機密文書指定に関する情報が含まれている場合には、当該機密文書の移動を検知することを特徴とする情報保護システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−208707(P2006−208707A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−20155(P2005−20155)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】