画像形成装置及びプログラム
【課題】媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制する。
【解決手段】搬送方向に予め定められた間隔で複数のマークが並べられて形成される帯状の連帳紙を搬送する用紙搬送ユニットと、搬送される連帳紙に画像を形成する画像形成部と、連帳紙のマークが形成される位置に対向して設けられて連帳紙を読み取る信号取得部51と、連帳紙に形成されるマークの間隔に基づいて予め定められたタイミングで、読取り部の読取り情報からマークを検出する位置計測部52と、位置計測部52によるマークの検出結果に基づいて、画像形成部による連帳紙に形成する画像の位置を調整する位置補正量演算部53と、信号取得部51の読取り情報に基づいて、用紙搬送ユニットによる連帳紙の搬送速度を調整する速度補正量演算部55とを備える画像形成装置である。
【解決手段】搬送方向に予め定められた間隔で複数のマークが並べられて形成される帯状の連帳紙を搬送する用紙搬送ユニットと、搬送される連帳紙に画像を形成する画像形成部と、連帳紙のマークが形成される位置に対向して設けられて連帳紙を読み取る信号取得部51と、連帳紙に形成されるマークの間隔に基づいて予め定められたタイミングで、読取り部の読取り情報からマークを検出する位置計測部52と、位置計測部52によるマークの検出結果に基づいて、画像形成部による連帳紙に形成する画像の位置を調整する位置補正量演算部53と、信号取得部51の読取り情報に基づいて、用紙搬送ユニットによる連帳紙の搬送速度を調整する速度補正量演算部55とを備える画像形成装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、印刷媒体上に設けられた先端マークと、先端マークから間隔を開けて印刷媒体上に配置された距離測定用マークとを検出する検出手段と、予め先端マークと距離測定用マークとの間の距離を記憶する記憶手段と、印刷媒体を搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送された印刷媒体の検出手段による先端マークと距離測定用マークの検出タイミングに基づいて先端マークと距離測定用マークとの間の距離を算出する演算手段と、演算手段による先端マークと距離測定用マークとの間の距離の算出値と、記憶手段に記憶された距離データとを比較し、比較結果に基づいて以後の動作を決定する制御手段とを備える印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−136794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成部と、前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る読取り部と、前記媒体に形成される前記印の前記間隔に基づいて予め定められたタイミングで、前記読取り部の読取り情報から前記印を検出する検出部と、前記検出部による前記印の検出結果に基づいて、前記画像形成部による前記媒体に形成する画像の位置を調整する位置調整部と、前記読取り部の読取り情報に基づいて、前記搬送部による前記媒体の搬送速度を調整する速度調整部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記速度調整部は、前記読取り情報のうち、読取り信号における前記印のパルスの間隔に基づいて前記媒体の搬送速度を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記速度調整部は、前記印の前記予め定められた間隔と、前記読取り情報の読取り信号における前記印のパルスの間隔との差が減少するように前記搬送速度を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成部と、前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る読取り部と、前記印を検出するタイミングを特定する基準信号を取得し、当該基準信号により特定されるタイミングで前記読取り部の読取り信号から前記印を検出する検出部と、前記検出部による前記印の検出結果に基づいて、前記画像形成部による前記媒体に形成する画像の位置を調整する位置調整部と、前記読取り信号における前記印の位置が前記基準信号により特定されるタイミングから外れないように調整するタイミング調整部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記タイミング調整部は、前記読取り信号における前記印の位置に応じて前記基準信号を補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記位置調整部は、前記タイミング調整部による前記基準信号の補正量を前記画像の位置の調整に反映させることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記タイミング調整部は、前記搬送部による搬送速度を調整することにより、前記読取り信号における前記印の位置を変更することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する機能と、搬送される前記媒体に画像を形成する機能と、前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る機能と、前記媒体に形成される前記印の前記間隔に基づいて予め定められたタイミングで、前記読み取る機能による読取り情報から前記印を検出する機能と、前記印の検出結果に基づいて、前記媒体に形成する画像の位置を調整する機能と、前記読取り情報に基づいて、前記媒体の搬送速度を調整する機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する機能と、搬送される前記媒体に画像を形成する機能と、前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る機能と、前記印を検出するタイミングを特定する基準信号を取得し、当該基準信号により特定されるタイミングで前記読み取る機能による読取り信号から前記印を検出する機能と、前記印の検出結果に基づいて、前記媒体に形成する画像の位置を調整する機能と、前記読取り信号における前記印の位置が前記基準信号により特定されるタイミングから外れないように調整する機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することが可能となる。
請求項2の発明によれば、搬送される印の検出の間隔に基づいて直接的に把握した搬送速度によって調整を行うことが可能となる。
請求項3の発明によれば、予め保持している印の間隔の情報を用いて、演算処理をより軽くすることができる。
請求項4の発明によれば、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することが可能となる。
請求項5の発明によれば、ソフトウエア的な処理によって印の検出タイミングの調整を行うことができる。
請求項6の発明によれば、基準信号の変更に付随して生じる画像位置の調整のための印の位置計測のずれを防止することができる。
請求項7の発明によれば、ハードウェア的な処理によって印の検出タイミングの調整を行うことができる。
請求項8の発明によれば、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することができる。
請求項9の発明によれば、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態の画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】連帳紙のマークを説明するための図である。
【図3】マークの検出信号に基づいた画像の位置調整を説明するための図である。
【図4】連帳紙に形成されるマークの読み取りを説明するための図である。
【図5】マークの読み取りに基づく位置調整の機能及び速度調整の機能を実現する機能ブロック図である。
【図6】連帳紙の搬送速度の調整を説明するための図である。
【図7】マークの読み取りに基づいた速度調整の動作フロー図である。
【図8】速度調整後のマークの検出を説明するための図である。
【図9】マークの読み取りに基づく位置調整の機能及び基準信号の調整の機能を実現する機能ブロック図である。
【図10】基準信号を補正した場合の位置補正量演算部における処理を説明するための図である。
【図11】マークの読み取りに基づいた基準信号の調整の動作フロー図である。
【図12】基準信号の調整後のマークの読み取りを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、本実施形態の画像形成装置1の全体構成を示した図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、帯状に形成された媒体である連帳紙Pに画像を形成する所謂連帳プリンタである。画像形成装置1は、例えば電子写真方式の画像形成装置であって、連帳紙Pの搬送方向(図中矢印F)上流側から下流側に向かって、連帳紙Pを供給する連帳紙給紙装置300、連帳紙給紙装置300からの連帳紙Pを搬送駆動する用紙搬送ユニット20、連帳紙Pにトナー像を形成する画像形成部30、連帳紙Pに形成された各色トナー像を定着する定着ユニット40、及び画像形成された連帳紙Pを巻き取る連帳紙巻取装置400を備えている。また、画像形成装置1は、画像表示や指示などの入力を受付ける表示装置Dを備えている。
【0009】
搬送部の一例としての用紙搬送ユニット20は、連帳紙Pの搬送方向上流側から下流側に沿って、バックテンションロール24、アライニングロール22、メインドライブロール21、用紙搬送方向転換ロール25が配設されている。
メインドライブロール21は、連帳紙Pを予め定められた圧力でニップして、用紙搬送ユニット20に配置された不図示のメインモータからの駆動を受けて、予め定められの搬送速度で連帳紙Pを送り出す機能を有する。アライニングロール22は、メインドライブロール21よりも上流側にて、部分円筒状の案内部材23と協働して連帳紙Pの搬送経路を保つ機能を有する。バックテンションロール24は、メインドライブロール21よりも上流側においてメインドライブロール21よりも低速で回転して、連帳紙Pに張力を付与する機能を有する。用紙搬送方向転換ロール25は、連帳紙Pが巻き掛けられて従動する従動ロールであって、メインドライブロール21から送り出された連帳紙Pの搬送方向を、画像形成部30に向かう方向に変換する機能を有する。
【0010】
画像形成部30は、連帳紙Pに黒(K)色のトナー像を形成するK色画像形成ユニット30K、連帳紙Pにシアン(C)色のトナー像を形成するC色画像形成ユニット30C、連帳紙Pにマゼンタ(M)色のトナー像を形成するM色画像形成ユニット30M、連帳紙Pにイエロー(Y)色のトナー像を形成するY色画像形成ユニット30Yを備えている。
K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yは、それぞれ感光体ドラム31、感光体ドラム31表面を予め定められた電位に帯電する帯電コロトロン32、感光体ドラム31表面を画像データに基づいて露光する露光装置33、感光体ドラム31表面に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像装置34、感光体ドラム31表面に形成されたトナー像を連帳紙Pに転写する転写ロール35、転写ロール35の上流側と下流側とにそれぞれ配置され、連帳紙Pを感光体ドラム31に押圧する1対の転写案内ロール36,37を備えている。
【0011】
また、本実施形態の画像形成装置1は、K色画像形成ユニット30Kにおける連帳紙Pの搬送経路上に、連帳紙P上の印の一例としてのマークM(後述の図2参照)を検出するためのマーク検出センサSを備えている。本実施形態のマーク検出センサSは、図1に示すように、転写ロール35と感光体ドラム31とによって形成される転写位置よりも連帳紙Pの搬送方向上流側に設けられている。また、マーク検出センサSは、連帳紙Pに形成されるマークMの位置と対向するように設けられる。そして、マーク検出センサSは、後述の総合制御部50によって制御されて連帳紙Pの読み取りを行う。なお、本実施形態のマーク検出センサSには、例えばラインCCDなどの光学センサを用いることができる。
【0012】
定着ユニット40は、連帳紙Pに形成された各色トナー像をフラッシュ定着するフラッシュ定着器41、フラッシュ定着器41の下流側にて連帳紙Pに張力を付与する張力付与ロール部材42、張力付与ロール部材42の下流側にて連帳紙Pの経路を幅方向に補正するアライニング部材43、出口にて連帳紙Pをニップし、連帳紙Pの搬送速度よりも速い周速で回転して連帳紙Pに張力を付与するテンションロール44を備えている。
表示装置Dは、画像形成装置1の動作状態や、ユーザに対するメッセージなどを表示する。また、表示装置Dは、ユーザからの画像形成動作に対する指示を受け付ける入力手段としても機能する。なお、表示装置Dには、例えばタッチパネルなどを用いることができる。
【0013】
画像形成装置1は、さらに、画像形成装置1全体の動作を統括的に制御する総合制御部50、用紙搬送ユニット20を制御する搬送制御部60、画像形成部30の動作を制御する画像形成制御部70、定着ユニット40の動作を制御する定着制御部80、及び表示装置Dを制御する表示制御部90を備えている。本実施形態の画像形成装置1において、総合制御部50は、搬送制御部60、画像形成制御部70、定着制御部80、及び表示制御部90を統括して制御する。
なお、各種制御部は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を備えている。そして、CPUが、ROMに記憶されたプログラムに従い、RAMとの間でデータのやりとりを行いながら処理を実行することで、各機能が実現される。
【0014】
図2は、連帳紙PのマークMを説明するための図である。
図2に示すように、本実施形態の連帳紙Pには、搬送方向Fにおいて予め定められた間隔で複数のマークMが並べて形成されている。マークMは、連帳紙Pに対して画像形成を行う際の位置合わせ(レジストレーション調整)に用いるものである。本実施形態では、画像形成が行われた連帳紙PをA4サイズに相当する大きさに切断して1枚の用紙としている。そして、図2に示すように、連帳紙Pの例えばA4などの用紙サイズに相当する領域(図2の例では各ページに相当する領域)ごとに1個のマークMを形成している。マークMは、各ページに相当する領域の先端部に設けられている。なお、マークMは、各ページに相当する領域に対し、例えば複数個形成しても構わない。
【0015】
図3は、マークMの検出信号に基づいた画像の位置調整を説明するための図である。図3(a)には、マークMの拡大図とマークMのパルスとを併せて表示している。また、図3(b)には、感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込み位置の調整を説明するための概念図である。
【0016】
図3(a)に示すように、本実施形態のマークMは、黒色領域MAと白色斜線部MLとによって構成される長方形状の印である。本実施形態では、マークMの長手方向Eが、連帳紙Pの搬送方向Fに沿うように形成されている。また、白色斜線部MLは、搬送方向Fに対して傾斜し、マークMの中心Cを通るようにして黒色領域MAを横断して形成される。
【0017】
総合制御部50は、マーク検出センサSによるマークMの読取り信号を取得する。そして、図3(a)に示すように、総合制御部50は、基準クロックパルスに基づいて、検出信号から得られるマークMのパルスの両端部の立ち上がりと立ち下がりの間隔を計測する。さらに、総合制御部50は、パルスの両端部の立ち上がりと立ち下がりの間隔の中間値を計算する。検出信号から得られるマークMのパルスの中間値を「マーク中間値Xm」と呼ぶ。
また、総合制御部50は、読み取ったマークMに対応する基準信号の単位パルス(後述する図4参照)の立ち上がりUpと立ち下がりDpの間隔の中間値を求める。この基準信号の単位パルスの中間値を「基準値BM」と呼ぶ。
【0018】
そして、総合制御部50は、基準値BMとマーク中間値Xmとの時間差δXを算出する。本実施形態では、基準値BMに対してマーク中間値Xmが一致している状態を、感光体ドラム31に形成する静電潜像の書き込みを行う基準のタイミングにしている。そして、総合制御部50は、基準値BMとマーク中間値Xmとの時間差δXに基づき、書き込みの基準のタイミングに対するずれを算出する。
【0019】
また、総合制御部50は、検出信号から得られるマークMのパルスから、マークMの白色斜線部ML部分の立ち下がりと立ち上がりの間隔の中間値を求める。図3(a)に示すように、マークMのパルスの中央に形成される凹部の部分が白色斜線部ML部分に相当する。そして、総合制御部50は、パルスの中央に形成される凹部の立ち下がりと立ち上がりの間隔を計測し、間隔の中間値を求める。この白色斜線部MLの中間値を「斜線中間値Ym」と呼ぶ。
【0020】
そして、総合制御部50は、検出信号から得られるマークMのパルスから、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとの時間差δYを算出する。本実施形態では、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとが一致する状態を、感光体ドラム31に形成する静電潜像の主走査方向における書き込みの基準位置にしている。そして、総合制御部50は、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとの時間差δYに基づいて、主走査方向における書き込みの基準位置に対するずれ量を算出する。
【0021】
図3(a)に示すように白色斜線部MLはマークMの中心Cを通っているため、マークMの中心Cがマーク検出センサSを通過した場合、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとが一致するので時間差δYは生じない。一方、マークMの中心Cが主走査方向にずれてマーク検出センサSを通過した場合、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとがずれて時間差δYが生じる。そして、白色斜線部MLの傾斜角は予め特定されているので、時間差δYに基づいてマーク検出センサSに対するマークMの主走査方向のずれ量が求まる。
【0022】
以上のように、総合制御部50は、時間差δX及び時間差δYに基づいて、感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込み位置の補正量を計算する。そして、総合制御部50は、画像形成制御部70に対して書き込み位置の補正量の情報を送る。
そして、図3(b)に示すように、感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込みの基準のタイミングに対して、時間差δXに基づいた時間だけずらした書き込みを行う。感光体ドラム31に対する書き込みタイミングのずれは、連帳紙Pに形成する画像の副走査方向のずれとなる。このように、本実施形態では、マークMの検出結果に基づいて、連帳紙Pに形成する画像の副走査方向の書き出し位置の調整を行う。
【0023】
また、図3(b)に示すように、感光体ドラム31に対する静電潜像の主走査方向の書き込みを開始する基準の位置に対して、時間差δYに基づいた距離だけ主走査方向にずらした書き込みを行う。このように、本実施形態では、マークMの検出結果に応じて、連帳紙Pに形成する画像の主走査方向の書き出し位置の調整を行う。
【0024】
図4は、連帳紙Pに形成されるマークMの読み取りを説明するための図である。
本実施形態では、マーク検出センサSによって、順次通過するマークMの読み取りを行う。そして、総合制御部50は、連帳紙PのマークMを読み取った読取り信号から、基準信号に基づいてマークMの検出を行う。
基準信号は、基準クロックパルスに基づき、予め定められたタイミングで出力される信号である。基準信号は、図4に示すように、1つのマークMの検出のための単位パルスを予め定められた周期(時間間隔)で出力することによって構成する。そして、総合制御部50では、基準信号の単位パルスのタイミングと一致するマーク検出センサSからの読取り信号をマークMの検出信号(以下、「マーク検出信号」という)として出力する。また、本実施形態では、基準信号によって特定されるタイミングで、読取り信号からマークMの検出を行う。本実施形態では、基準信号がマークMの検出のイネーブル信号として機能している。従って、基準信号によって特定されるタイミングは、マークMの検出タイミングといえる。
【0025】
単位パルスの周期は、連帳紙Pに形成されるマークMの間隔及び連帳紙Pの搬送速度に基づいて予め設定する。本実施形態において、単位パルスの周期は、連帳紙Pに形成されるマークMの間隔及び連帳紙Pの搬送速度から算出される、マークMがマーク検出センサSを通過する理論上のタイミングである。
【0026】
また、単位パルスのパルス幅(立ち上がりUpと立ち下がりDpの間隔。図3に参照)は、マークMの副走査方向の全体を読み取ることができるように設定する。なお、本実施形態では、上述したとおり、基準信号の単位パルスのタイミングと一致するマークMの読取り信号をマーク検出信号とする。従って、本実施形態では、図4に示すように、単位パルスのパルス幅を「検出幅」と呼ぶ。
【0027】
以上のようにして、本実施形態では、連帳紙Pに形成されるマークMの検出を行う。そして、本実施形態では、図3を参照しながら説明したとおり、マークMの検出結果に基づいて連帳紙Pに形成する画像の位置を調整する。
なお、本実施形態では、マーク検出センサSによって読み取ったマークMの読取り信号に基づいて、連帳紙Pの搬送速度の調整も行うようにしている。このマークMの読取り信号に基づいた速度調整については、後に詳しく説明する。
【0028】
続いて、画像形成装置1の画像形成動作を説明する。
画像形成装置1が起動されると、例えば通信ネットワークを介して画像形成装置1の総合制御部50に画像データが入力される。総合制御部50は、入力された画像データをK色、C色、M色、Y色それぞれに対応する画像データに分解して、各色の画像データを画像形成制御部70に送信する。
また、総合制御部50に画像データが入力されるのに同期して、総合制御部50は、搬送制御部60を介して用紙搬送ユニット20を制御し、定着制御部80を介して定着ユニット40を制御して、連帳紙Pに予め定められた張力を付与しながら、連帳紙Pを予め定められた搬送速度で搬送する。
【0029】
総合制御部50は、マーク検出センサSによって、連帳紙P上のマークの読み取りを行う。総合制御部50は、マークMの検出結果に基づいて、連帳紙Pに対する画像の書き出し位置の制御を行う。具体的には、総合制御部50は、マークMの検出結果に基づいて、露光装置33による感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込み位置の補正のための情報を画像形成制御部70に送信する。
【0030】
総合制御部50の制御の下で、画像形成制御部70は、K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yでの各色トナー像の形成を制御する。
K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yでは、感光体ドラム31が回転を開始し、感光体ドラム31表面が帯電コロトロン32によって予め定められた電位(例えば、−500V)に帯電され、露光装置33によって各色画像データに対応した静電潜像が形成される。そして、現像装置34により感光体ドラム31の静電潜像が各色トナーにより現像されて各色トナー像が形成される。感光体ドラム31表面に形成された各色トナー像は、転写ロール35および転写案内ロール36,37によって連帳紙Pに転写される。ここで、連帳紙Pは、K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yを順に通過することから、各色トナー像は、K色トナー像、C色トナー像、M色トナー像、Y色トナー像の順に重畳されて、連帳紙P上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0031】
その後、フルカラーのトナー像が形成された連帳紙Pは、定着ユニット40に搬入されて、フラッシュ定着器41より連帳紙Pにトナー像が定着される。それにより、連帳紙Pにフルカラー画像が形成される。
【0032】
ところで、連帳紙Pを搬送する際に、用紙搬送ユニット20による連帳紙Pの送り量誤差や連帳紙P上のマークMの形成誤差(以下、これら搬送に関わる誤差を総称して搬送誤差という)によって、マーク検出センサSをマークMが実際に通過するタイミング(以下、通過タイミング)がずれてくる。
本実施形態では、基準信号に基づいてマークMの検出を行う。そして、その基準信号における単位パルスの周期は、連帳紙Pに形成されるマークMの間隔及び搬送速度に基づいた理論値によって設定している。従って、搬送誤差により、連帳紙P上のマークMの通過タイミングが、予め定められた間隔で連帳紙Pに形成したマークMの間隔と搬送速度の設定値とに基づいて設定されるマークMの検出タイミングに対してずれてしまう。
例えば、図4に示すように、例えば2ページ目のマーク検出である2回目の検出結果において、単位パルスの検出幅に対するマークMのパルスの位置は、1ページ目のマーク検出である1回目の検出結果と比較してずれている。
【0033】
そして、連帳紙Pのように長尺な媒体の場合、例えば各ページ単位での搬送誤差が小さくても、連帳紙P全体として累積する搬送誤差は大きくなる。例えば、図4に示す例では、nページ目のマーク検出であるn回目の検出結果においては、単位パルスの検出幅に対するマークMのパルスが大きく外れている。このように、マークM全体のパルス波形を検出できない場合、マークMに基づいた画像の書き出し位置の調整は行えない。
また、上記のとおり、基準信号に基づいてマークMの検出を行うように構成している場合であって、検出したマークMを用いて連帳紙Pの搬送速度の調整を行うように構成している場合には、マークMを検出できないことによって、マークMに基づいた搬送速度の調整もできなくなってしまう。
【0034】
なお、基準信号における単位パルスの検出幅をより長く設定することが考えられる。しかしながら、単位パルスの検出幅の長さには上限がある。例えば、図3を参照しながら説明したように、本実施形態では、マークMの検出結果に基づいて連帳紙Pに形成する画像の書き出し位置の調整を行う。逆に言えば、マークMの読み取りが完了しなければ、画像の書き出し位置を開始することができない。従って、基準信号の単位パルスの検出幅の長さは限られる。
【0035】
図5は、マークMの読み取りに基づく位置調整の機能及び速度調整の機能を実現する機能ブロック図である。
図5に示すように、本実施形態の総合制御部50は、マーク検出センサSによって連帳紙Pを読み取った読取り信号を取得する信号取得部51と、信号取得部51の読取り信号に基づいてマークMの位置を計測する位置計測部52、位置計測部52によって計測されたマークMの位置に基づいて画像の書き込み位置の補正量を演算する位置補正量演算部53を備える。さらに、総合制御部50は、信号取得部51の読取り信号に基づいてマークMの時間間隔(以下、「マーク間隔」という)を計測する間隔計測部54と、間隔計測部54から取得したマーク間隔に基づいて連帳紙Pの搬送速度を調整するための補正量を演算する速度補正量演算部55とを備えている。
【0036】
読取り部の一例としての信号取得部51は、マーク検出センサSから読取り情報の一例としての読取り信号を取得する。信号取得部51は、取得したマークMの読取り信号を保持する。そして、信号取得部51は、マークMの読取り信号を位置計測部52及び間隔計測部54へとそれぞれ送信する。
【0037】
検出部の一例としての位置計測部52は、マークMを検出するための基準信号を生成する。そして、位置計測部52は、信号取得部51から読取り信号を取得する。位置計測部52では、生成する基準信号に基づいて読取り信号からマークMを検出したマーク検出信号を出力する。そして、位置計測部52は、図3を参照しながら説明したとおり、マーク検出信号におけるマークMのパルスと基準信号の単位パルスとに基づいて、基準に対するマークMのずれ量を計測する。具体的には、位置計測部52は、マークMのパルスと基準信号の単位パルスとに基づいて、単位パルスの基準値BMとマーク中間値Xmとのずれ(時間差δX)を計測する。また、位置計測部52は、マークMのパルスに基づいて、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとのずれ(時間差δY)を計測する。そして、位置計測部52は、上記のマークMのずれ量の情報を位置補正量演算部53に送信する。
なお、本実施形態では、位置計測部52にて基準信号を生成する構成としているが、位置計測部52が外部で生成した基準信号を取得するように構成しても良い。
【0038】
位置補正量演算部53は、位置計測部52から取得した基準に対するずれ量の情報に基づいて、感光体ドラム31に対する露光装置33による静電潜像の書き込み位置の補正のための補正量を演算する。本実施形態では、位置補正量演算部53は、位置計測部52から取得したずれ量の情報に基づいて、感光体ドラム31における主走査方向の補正量及び副走査方向の補正量を演算する。そして、位置補正量演算部53は、演算した補正量の情報を画像形成制御部70に送る。
【0039】
間隔計測部54は、信号取得部51から読取り信号を取得する。図5に示すように、間隔計測部54は、信号取得部51から読取り信号を用いて、位置計測部52とは別系統での信号処理を行う。間隔計測部54は、取得した読取り信号から2つのマークMのマーク間隔を計測する。本実施形態の間隔計測部54は、基準クロックパルスに基づいて、一のマークMのパルスの立ち上がりと、他のマークMのパルスの立ち上がりの時間間隔を計測することで、一のマークMと他のマークMとのマーク間隔を算出する。なお、マーク間隔は、例えば一のマークの両端の立ち上がりと立ち下がりとの間隔の中心と、他のマークの両端の立ち上がりと立ち下がりとの間隔の中心との時間間隔に基づいて計測しても良い。
【0040】
また、本実施形態では、間隔計測部54は、あるマークMを一つ目のマークMとして基点とし、2つ目から5つ目のマークMを飛ばし、6つ目のマークMとのマーク間隔を計測する。このように、本実施形態では、複数のマークM毎に計測の対象の2つマークMを選択し、選択された2つのマークMのマーク間隔を計測する。もちろん、隣接する2つのマークMのマーク間隔を計測しても良いが、マークM自体のサイズの誤差などの影響が大きくなり、マーク間隔の計測精度が低下し易くなる。従って、本実施形態では、複数のマークMを飛ばした2つのマークMのマーク間隔を計測するようにしている。
【0041】
速度補正量演算部55は、間隔計測部54から取得したマーク間隔に基づいて、連帳紙Pの搬送速度の補正量の計算を行う。速度補正量演算部55は、画像形成の対象となる連帳紙Pに形成されるマークMの形成間隔の情報を保持している。このマークMの形成間隔の情報は、例えば連帳紙給紙装置300に連帳紙Pを設置する際などに予め入力されたものである。そして、速度補正量演算部55は、予め取得している連帳紙Pに形成されるマークMの形成間隔と連帳紙Pの搬送速度とに基づいた理論上のマークMの時間間隔(以下、「基準間隔」と呼ぶ。)を算出する。そして、速度補正量演算部55は、理論上の基準間隔と間隔計測部54にて計測したマーク間隔との時間差δVを算出する。
【0042】
なお、基準間隔については、上述の例のように予め入力された情報に限定されない。例えば、速度補正量演算部55は、ある期間に、予め、信号取得部51から取得した読取り信号に基づいてマークMのパルスの間隔の平均値を計算しておく。そして、速度補正量演算部55は、計算した平均値を基準間隔として保持するように構成しても良い。
【0043】
そして、速度補正量演算部55は、算出した時間差δVが減少するように、連帳紙Pの搬送速度の補正値を演算する。本実施形態では、用紙搬送ユニット20におけるメインドライブロール21を用いて、連帳紙Pの搬送を行っている。したがって、本実施形態の速度補正量演算部55は、時間差δVに基づいて、メインドライブロール21の連帳紙Pの搬送速度を調整するための補正量を演算する。そして、速度補正量演算部55は、演算した補正量の情報をメインドライブロール21の制御を行う搬送制御部60に送る。
【0044】
なお、実施形態1では、位置補正量演算部53及び画像形成制御部70が位置調整部として機能する。また、間隔計測部54、速度補正量演算部55及び搬送制御部60が速度調整部として機能する。
【0045】
図6は、連帳紙Pの搬送速度の調整を説明するための図である。
図6(a)に示すように、基準間隔に対して計測したマーク間隔が長い場合、マークMの通過タイミングが基準よりも遅くなっていることになる。そこで、この場合には、速度補正量演算部55は、時間差δVに基づき、連帳紙Pの搬送速度を速くするように補正する補正量の情報を搬送制御部60に送る。そして、搬送制御部60では、時間差δVに基づいた補正量に応じてメインドライブロール21を駆動するモータの回転数を一時的に高くする。
一方、図6(b)に示すように、基準間隔に対して計測したマーク間隔が短い場合、マークMの通過タイミングが基準よりも早まっていることになる。そこで、この場合には、速度補正量演算部55は、時間差δVに基づき、連帳紙Pの搬送速度を遅くするよう補正する補正量の情報を搬送制御部60に送る。そして、搬送制御部60では、時間差δVに基づいた補正量に応じてメインドライブロール21を駆動するモータの回転数を一時的に低くする。
【0046】
図7は、マークMの読み取りに基づいた速度調整の動作フロー図である。
総合制御部50が画像形成の指示を受け付けると、画像形成動作を開始する。そして、信号取得部51は、マーク検出センサSから読取り信号を取得する(S101)。信号取得部51は、読取り信号を位置計測部52及び間隔計測部54へとそれぞれ送信する。そして、読取り信号を受け取った間隔計測部54は、マーク間隔の計測を行う(S102)。間隔計測部54は、計測したマーク間隔を速度補正量演算部55に送る。
【0047】
速度補正量演算部55は、基準間隔に対するマーク間隔の時間差δVを計算する。そして、速度補正量演算部55は、時間差δVが予め定められた閾値未満である場合、基準間隔に対してずれが無いとして(S103:N)、ステップ104へと進む。一方、時間差δVが予め定められた閾値以上である場合、基準間隔に対してずれが有るとして(S103:Y)、ステップ105に進む。この動作例では、時間差δVに対して閾値による判断を行うことにより、搬送速度の調整が必要となるような時間差δVであるか否かを判断するようにしている。そして、ステップ104において残りの印刷指示があれば(S104:Y)、ステップ101へと戻る。一方、残りの印刷指示がなければ終了する(S104:N)。
【0048】
ステップ103において、時間差δVが予め定められた閾値以上である場合、基準間隔に対してずれがあるとして(S103:Y)、速度補正量演算部55は、時間差δVに基づいた搬送速度の調整量の演算を行う(S105)。そして、搬送制御部60では、位置補正量演算部53から取得した搬送速度の調整量の情報に応じて、メインドライブロール21の回転数を補正して、連帳紙Pの搬送速度を調整する(S106)。そして、残りの印刷指示があれば(S104:Y)、ステップ101へと戻る。一方、残りの印刷指示がなければ終了する(S104:N)。
【0049】
図8は、速度調整後のマークMの検出を説明するための図である。
図8に示すように、マーク検出信号における、n−3ページ目からn−1ページ目までの検出結果においては、搬送誤差によって、単位パルスの検出幅に対するマークMのパルスの位置がずれている。
ここで、間隔計測部54によってn−1ページ目のマークMの読み取りを行った段階でのマーク間隔を計測する。そして、速度補正量演算部55がマーク間隔に基づいて補正量の演算を行う。その結果、基準信号における単位パルスの周期に対する、マーク検出センサSに対するマークMの通過タイミングのずれが解消される。図9では、搬送速度の調整を行うことにより、nページ目のマークMの検出結果においては、読取り信号におけるマークのパルスの位置が変更し、基準信号の単位パルスに対するマークMのパルスの位置が外れずに揃った状態になる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態では、間隔計測部54によって読取り信号から直接的にマーク間隔の計測を行う。つまり、間隔計測部54は、読取り信号からマーク検出を行う位置計測部52とは別系統での信号処理を行う。
ここで、例えば、位置計測部52によってマークMの位置を計測する際に、基準信号の単位パルスの検出幅からマークMのパルスが外れ、マーク検出ができない状態について考える。
本実施形態では、画像の書き出し位置の補正は位置計測部52の計測結果に基づいて行い、搬送速度の補正は位置計測部52と別系統の信号処理を行う間隔計測部54の計測結果に基づいて行う。従って、例えば位置計測部52においてマーク検出ができないような状態が発生した場合であっても、マーク検出センサSによる読取り信号から直接的にマーク間隔を計測する間隔計測部54に基づいて搬送速度の調整を行う。そして、基準信号の単位パルスによって特定されるマークMの検出のタイミングに対して、マーク検出センサSに対するマークMの通過タイミング(読取りのタイミング)を合わせ、再び、位置計測部52によるマーク検出が可能な状態に戻すことができる。
【0051】
<実施形態2>
続いて、実施形態2が適用される画像形成装置1について説明する。なお、実施形態1における構成と同様のものについては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9は、マークMの読み取りに基づく位置調整の機能及び基準信号の調整の機能を実現する機能ブロック図である。
図9に示すように、実施形態2の総合制御部50は、信号取得部51と、位置計測部52と、位置補正量演算部53とを備える。さらに、実施形態2の総合制御部50は、信号取得部51のマークMの読取り信号に基づいてマーク間隔を計測する間隔計測部56と、間隔計測部56から取得するマーク間隔に基づいて、位置計測部52における基準信号を補正する信号補正量演算部57とを備えている。
【0052】
信号取得部51は、マーク検出センサSによって読み取った読取り信号を位置計測部52及び間隔計測部56へとそれぞれ送信する。
位置計測部52は、マーク検出結果に基づいて、マークMの位置を計測する。そして、位置計測部52は、計測したマークMの位置の情報を位置補正量演算部53に送る。また、実施形態2の位置計測部52は、信号補正量演算部57から取得した補正値に基づいて、基準信号の補正を行うように構成している。
【0053】
位置補正量演算部53は、位置計測部52から取得した位置の情報に基づいて、感光体ドラム31に対する露光装置33による静電潜像の書き込み位置の補正のための補正量を演算する。そして、位置補正量演算部53は、演算した補正量の情報を画像形成制御部70に送信する。
【0054】
間隔計測部56は、信号取得部51から読取り信号を取得する。そして、間隔計測部56は、取得した読取り信号から2つのマークMのマーク間隔を計測する。なお、本実施形態の間隔計測部56は、基準クロックパルスに基づいて、一のマークMのパルスの立ち上がりと、他のマークMのパルスの立ち上がりの時間間隔を計測することで、一のマークMと他のマークMとのマーク間隔を算出する。
【0055】
信号補正量演算部57は、間隔計測部56から取得したマーク間隔に基づいて、位置計測部52における基準信号を補正するための補正値を計算する。まず、信号補正量演算部57は、理論上のマークMの時間間隔である基準間隔と、間隔計測部56にて計測したマーク間隔との時間差δVを算出する。そして、信号補正量演算部57は、算出した時間差δVに基づいて、位置計測部52において生成される基準信号の単位パルスのタイミングを変更するための補正値を演算する。本実施形態の位置計測部52では、基準クロックパルスに基づいて基準信号を生成している。従って、本実施形態の信号補正量演算部57は、算出した時間差δVに相当するクロックパルス数を演算する。そして、信号補正量演算部57は、演算したクロックパルス数の情報を位置計測部52に送信する。
そして、位置計測部52は、信号補正量演算部57から取得した補正値に基づいて、基準信号の補正を行う。
また、信号補正量演算部57は、位置計測部52に補正量の情報を送る際に、間隔計測部56から取得している時間差δVの情報を位置補正量演算部53に対して送信する。
【0056】
図10は、基準信号を補正した場合の位置補正量演算部53における処理を説明するための図である。
図10(a)はマークMを示し、図10(b)は調整前の単位パルスとマークMのパルスとの関係を示しており、図10(c)は調整後の単位パルスとマークMのパルスとの関係を示している。
図10(b)に示すように、補正前の単位パルスの検出幅に対して、マークMのパルスが右側にずれた状態にある。そして、図10(c)に示すように、信号補正量演算部57にて演算された時間差δVに応じて単位パルスのタイミングをずらす。その結果として、補正後の単位パルスの検出幅の中央部にマークMのパルスが位置するようになる。
【0057】
ここで、本実施形態では、図3を参照しながら説明したように、位置補正量演算部53では、基準値BMを基準にして、感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込みタイミングの調整を行うようにしている。そして、実施形態2において、基準信号の単位パルスを信号補正量演算部57にて算出される時間差δVに基づいてずらした場合、それに伴って基準値BMのタイミングもずれる(図10(c)に示す基準値BM’の位置)こととなる。
ここで、上記のとおり、基準信号における単位パルスのタイミングをずらしているが、連帳紙Pの搬送速度は変わっていない。従って、図10(a)〜(b)に示すように、マーク検出信号におけるマークMのパルスは、単位パルスの変更の前後で変わらず、同じタイミングで検出される。従って、調整後の基準値BM’を基準にしてマークMの位置を計測すると、予め調整前の基準値BMを基準にして設定された感光体ドラム31における静電潜像の書き込みのタイミングがずれてしまう。
【0058】
そこで、本実施形態では、信号補正量演算部57によって基準信号の補正が行われた際には、位置計測部52によるマークMの計測位置の結果に、信号補正量演算部57による単位パルスの補正量(時間差δV)を反映する。具体的には、位置補正量演算部53は、位置計測部52から取得した時間差δXに、間隔計測部56から取得した時間差δVを加えて(δX+δV)、感光体ドラム31における静電潜像の書き込みタイミングの補正量を演算する。
【0059】
なお、実施形態2では、間隔計測部56、速度補正量演算部55、搬送制御部60、信号補正量演算部57及び位置計測部52がタイミング調整部として機能する。
【0060】
図11は、マークMの読み取りに基づいた基準信号の調整の動作フロー図である。
総合制御部50が画像形成の指示を受け付けると、画像形成動作が開始される。そして、信号取得部51は、マーク検出センサSから読取り信号を取得する(S201)。信号取得部51は、読取り信号を位置計測部52及び間隔計測部56へとそれぞれ送信する。そして、読取り信号を受け取った間隔計測部56は、マーク間隔の計測を行う(S202)。間隔計測部56は、計測したマーク間隔を信号補正量演算部57及び位置補正量演算部53に送信する。
【0061】
信号補正量演算部57は、基準間隔に対するマーク間隔の時間差δVを計算する。そして、信号補正量演算部57は、時間差δVが予め定められた閾値未満である場合、基準間隔にずれがないと判断し(S203:N)、ステップ204へと進む。一方、時間差δVが予め定められた閾値以上である場合には、ずれが有ると判断し(S203:Y)、ステップS205に進む。この動作例では、時間差δVに対して閾値による判断を行うことによって、基準信号の調整が必要となるような時間差δVであるか否かを判断するようにしている。
ステップ204において、残りの印刷指示があれば、ステップ201へと戻る(S204:Y)。一方、残りの印刷指示がなければ終了する(S204:N)。
【0062】
ステップ203において、時間差δVが予め定められた閾値以上である場合には、信号補正量演算部57は、時間差δVに基づいた基準信号の単位パルスを補正するための補正量の演算を行う(S205)。そして、信号補正量演算部57は、演算した補正量の情報を位置計測部52に送信する。位置計測部52は、取得した補正量に基づいて、基準信号の単位パルスのタイミングを変更する(S206)。また、位置補正量演算部53では、信号補正量演算部57から取得した補正量をマークMの位置に基づいた補正量に反映させる(S207)。そして、残りの印刷指示があれば、ステップ201へと戻る(S204:Y)。一方、残りの印刷指示がなければ終了する(S204:N)。
【0063】
図12は、基準信号の調整後のマークMの読み取りを説明するための図である。
図12に示すように、n−3ページ目からn−1ページ目までの検出結果においては、搬送誤差によって、単位パルスの検出幅に対するマークMのパルスの位置がずれた状態となっている。
ここで、間隔計測部56は、n−1ページ目のマークMの読み取りを行った段階で、マーク間隔を計測する。そして、信号補正量演算部57は、計測したマーク間隔に基づいて、基準信号を調整するための補正量を演算し、位置計測部52に送信する。そして、位置計測部52において、取得した補正量に基づいて基準信号の単位パルスのタイミングを変更する。そして、図12に示すように、nページ目のマークMの読み取りを行うための基準信号の単位パルスは、補正前と比較して、計測したマーク間隔に相当する時間差δVだけタイミングがずれた状態になる。
【0064】
その結果、搬送誤差によって生じていた、基準信号における単位パルスの周期に対して、マークMの通過タイミングのずれが解消される。図12に示すように、nページ目のマークMの検出結果において、基準信号の単位パルスと、読取り信号におけるマークMのパルスが外れずに揃った状態になる。これにより、基準信号に基づいてマークMの検出を行った際に、マークMの読取り信号からマークMが検出される。
以上のように、実施形態2が適用される画像形成装置1においては、基準信号を調整することによって、基準信号の単位パルスのタイミングと、マーク検出センサSに対するマークMの通過タイミング(マーク検出センサSによるマークMの読み取りタイミング)とを合わせている。
【0065】
なお、基準信号における単位パルスの位置と、マーク検出センサSによる読み取り信号におけるマークMのパルスの位置とを合わせるために、実施形態1では、搬送速度を調整し、実施形態2では基準信号の単位パルスを調整するようにした。ここで、搬送速度の調整と基準信号の調整とを併用する構成を採用しても構わない。例えば併用する構成を場合に、速度調整の回数に対して1/10の割合で基準信号を調整するといった頻度を異ならせることが考えられる。また、例えば併用する構成を場合に、粗い調整は速度調整によって行い、微調整は基準信号の調整によって行うなど調整量に応じて両者の寄与率を変えても良い。
【符号の説明】
【0066】
1…画像形成装置、20…用紙搬送ユニット、30…画像形成部、50…総合制御部、51…信号取得部、52…位置計測部、53…位置補正量演算部、54,56…間隔計測部、55…速度補正量演算部、57…信号補正量演算部、M…マーク、S…マーク検出センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、印刷媒体上に設けられた先端マークと、先端マークから間隔を開けて印刷媒体上に配置された距離測定用マークとを検出する検出手段と、予め先端マークと距離測定用マークとの間の距離を記憶する記憶手段と、印刷媒体を搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送された印刷媒体の検出手段による先端マークと距離測定用マークの検出タイミングに基づいて先端マークと距離測定用マークとの間の距離を算出する演算手段と、演算手段による先端マークと距離測定用マークとの間の距離の算出値と、記憶手段に記憶された距離データとを比較し、比較結果に基づいて以後の動作を決定する制御手段とを備える印刷装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−136794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成部と、前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る読取り部と、前記媒体に形成される前記印の前記間隔に基づいて予め定められたタイミングで、前記読取り部の読取り情報から前記印を検出する検出部と、前記検出部による前記印の検出結果に基づいて、前記画像形成部による前記媒体に形成する画像の位置を調整する位置調整部と、前記読取り部の読取り情報に基づいて、前記搬送部による前記媒体の搬送速度を調整する速度調整部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記速度調整部は、前記読取り情報のうち、読取り信号における前記印のパルスの間隔に基づいて前記媒体の搬送速度を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記速度調整部は、前記印の前記予め定められた間隔と、前記読取り情報の読取り信号における前記印のパルスの間隔との差が減少するように前記搬送速度を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成部と、前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る読取り部と、前記印を検出するタイミングを特定する基準信号を取得し、当該基準信号により特定されるタイミングで前記読取り部の読取り信号から前記印を検出する検出部と、前記検出部による前記印の検出結果に基づいて、前記画像形成部による前記媒体に形成する画像の位置を調整する位置調整部と、前記読取り信号における前記印の位置が前記基準信号により特定されるタイミングから外れないように調整するタイミング調整部と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記タイミング調整部は、前記読取り信号における前記印の位置に応じて前記基準信号を補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記位置調整部は、前記タイミング調整部による前記基準信号の補正量を前記画像の位置の調整に反映させることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記タイミング調整部は、前記搬送部による搬送速度を調整することにより、前記読取り信号における前記印の位置を変更することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する機能と、搬送される前記媒体に画像を形成する機能と、前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る機能と、前記媒体に形成される前記印の前記間隔に基づいて予め定められたタイミングで、前記読み取る機能による読取り情報から前記印を検出する機能と、前記印の検出結果に基づいて、前記媒体に形成する画像の位置を調整する機能と、前記読取り情報に基づいて、前記媒体の搬送速度を調整する機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
請求項9に記載の発明は、コンピュータに、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する機能と、搬送される前記媒体に画像を形成する機能と、前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る機能と、前記印を検出するタイミングを特定する基準信号を取得し、当該基準信号により特定されるタイミングで前記読み取る機能による読取り信号から前記印を検出する機能と、前記印の検出結果に基づいて、前記媒体に形成する画像の位置を調整する機能と、前記読取り信号における前記印の位置が前記基準信号により特定されるタイミングから外れないように調整する機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することが可能となる。
請求項2の発明によれば、搬送される印の検出の間隔に基づいて直接的に把握した搬送速度によって調整を行うことが可能となる。
請求項3の発明によれば、予め保持している印の間隔の情報を用いて、演算処理をより軽くすることができる。
請求項4の発明によれば、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することが可能となる。
請求項5の発明によれば、ソフトウエア的な処理によって印の検出タイミングの調整を行うことができる。
請求項6の発明によれば、基準信号の変更に付随して生じる画像位置の調整のための印の位置計測のずれを防止することができる。
請求項7の発明によれば、ハードウェア的な処理によって印の検出タイミングの調整を行うことができる。
請求項8の発明によれば、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することができる。
請求項9の発明によれば、媒体の搬送誤差による媒体に対する画像の位置決め精度の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態の画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】連帳紙のマークを説明するための図である。
【図3】マークの検出信号に基づいた画像の位置調整を説明するための図である。
【図4】連帳紙に形成されるマークの読み取りを説明するための図である。
【図5】マークの読み取りに基づく位置調整の機能及び速度調整の機能を実現する機能ブロック図である。
【図6】連帳紙の搬送速度の調整を説明するための図である。
【図7】マークの読み取りに基づいた速度調整の動作フロー図である。
【図8】速度調整後のマークの検出を説明するための図である。
【図9】マークの読み取りに基づく位置調整の機能及び基準信号の調整の機能を実現する機能ブロック図である。
【図10】基準信号を補正した場合の位置補正量演算部における処理を説明するための図である。
【図11】マークの読み取りに基づいた基準信号の調整の動作フロー図である。
【図12】基準信号の調整後のマークの読み取りを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は、本実施形態の画像形成装置1の全体構成を示した図である。
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、帯状に形成された媒体である連帳紙Pに画像を形成する所謂連帳プリンタである。画像形成装置1は、例えば電子写真方式の画像形成装置であって、連帳紙Pの搬送方向(図中矢印F)上流側から下流側に向かって、連帳紙Pを供給する連帳紙給紙装置300、連帳紙給紙装置300からの連帳紙Pを搬送駆動する用紙搬送ユニット20、連帳紙Pにトナー像を形成する画像形成部30、連帳紙Pに形成された各色トナー像を定着する定着ユニット40、及び画像形成された連帳紙Pを巻き取る連帳紙巻取装置400を備えている。また、画像形成装置1は、画像表示や指示などの入力を受付ける表示装置Dを備えている。
【0009】
搬送部の一例としての用紙搬送ユニット20は、連帳紙Pの搬送方向上流側から下流側に沿って、バックテンションロール24、アライニングロール22、メインドライブロール21、用紙搬送方向転換ロール25が配設されている。
メインドライブロール21は、連帳紙Pを予め定められた圧力でニップして、用紙搬送ユニット20に配置された不図示のメインモータからの駆動を受けて、予め定められの搬送速度で連帳紙Pを送り出す機能を有する。アライニングロール22は、メインドライブロール21よりも上流側にて、部分円筒状の案内部材23と協働して連帳紙Pの搬送経路を保つ機能を有する。バックテンションロール24は、メインドライブロール21よりも上流側においてメインドライブロール21よりも低速で回転して、連帳紙Pに張力を付与する機能を有する。用紙搬送方向転換ロール25は、連帳紙Pが巻き掛けられて従動する従動ロールであって、メインドライブロール21から送り出された連帳紙Pの搬送方向を、画像形成部30に向かう方向に変換する機能を有する。
【0010】
画像形成部30は、連帳紙Pに黒(K)色のトナー像を形成するK色画像形成ユニット30K、連帳紙Pにシアン(C)色のトナー像を形成するC色画像形成ユニット30C、連帳紙Pにマゼンタ(M)色のトナー像を形成するM色画像形成ユニット30M、連帳紙Pにイエロー(Y)色のトナー像を形成するY色画像形成ユニット30Yを備えている。
K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yは、それぞれ感光体ドラム31、感光体ドラム31表面を予め定められた電位に帯電する帯電コロトロン32、感光体ドラム31表面を画像データに基づいて露光する露光装置33、感光体ドラム31表面に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像装置34、感光体ドラム31表面に形成されたトナー像を連帳紙Pに転写する転写ロール35、転写ロール35の上流側と下流側とにそれぞれ配置され、連帳紙Pを感光体ドラム31に押圧する1対の転写案内ロール36,37を備えている。
【0011】
また、本実施形態の画像形成装置1は、K色画像形成ユニット30Kにおける連帳紙Pの搬送経路上に、連帳紙P上の印の一例としてのマークM(後述の図2参照)を検出するためのマーク検出センサSを備えている。本実施形態のマーク検出センサSは、図1に示すように、転写ロール35と感光体ドラム31とによって形成される転写位置よりも連帳紙Pの搬送方向上流側に設けられている。また、マーク検出センサSは、連帳紙Pに形成されるマークMの位置と対向するように設けられる。そして、マーク検出センサSは、後述の総合制御部50によって制御されて連帳紙Pの読み取りを行う。なお、本実施形態のマーク検出センサSには、例えばラインCCDなどの光学センサを用いることができる。
【0012】
定着ユニット40は、連帳紙Pに形成された各色トナー像をフラッシュ定着するフラッシュ定着器41、フラッシュ定着器41の下流側にて連帳紙Pに張力を付与する張力付与ロール部材42、張力付与ロール部材42の下流側にて連帳紙Pの経路を幅方向に補正するアライニング部材43、出口にて連帳紙Pをニップし、連帳紙Pの搬送速度よりも速い周速で回転して連帳紙Pに張力を付与するテンションロール44を備えている。
表示装置Dは、画像形成装置1の動作状態や、ユーザに対するメッセージなどを表示する。また、表示装置Dは、ユーザからの画像形成動作に対する指示を受け付ける入力手段としても機能する。なお、表示装置Dには、例えばタッチパネルなどを用いることができる。
【0013】
画像形成装置1は、さらに、画像形成装置1全体の動作を統括的に制御する総合制御部50、用紙搬送ユニット20を制御する搬送制御部60、画像形成部30の動作を制御する画像形成制御部70、定着ユニット40の動作を制御する定着制御部80、及び表示装置Dを制御する表示制御部90を備えている。本実施形態の画像形成装置1において、総合制御部50は、搬送制御部60、画像形成制御部70、定着制御部80、及び表示制御部90を統括して制御する。
なお、各種制御部は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を備えている。そして、CPUが、ROMに記憶されたプログラムに従い、RAMとの間でデータのやりとりを行いながら処理を実行することで、各機能が実現される。
【0014】
図2は、連帳紙PのマークMを説明するための図である。
図2に示すように、本実施形態の連帳紙Pには、搬送方向Fにおいて予め定められた間隔で複数のマークMが並べて形成されている。マークMは、連帳紙Pに対して画像形成を行う際の位置合わせ(レジストレーション調整)に用いるものである。本実施形態では、画像形成が行われた連帳紙PをA4サイズに相当する大きさに切断して1枚の用紙としている。そして、図2に示すように、連帳紙Pの例えばA4などの用紙サイズに相当する領域(図2の例では各ページに相当する領域)ごとに1個のマークMを形成している。マークMは、各ページに相当する領域の先端部に設けられている。なお、マークMは、各ページに相当する領域に対し、例えば複数個形成しても構わない。
【0015】
図3は、マークMの検出信号に基づいた画像の位置調整を説明するための図である。図3(a)には、マークMの拡大図とマークMのパルスとを併せて表示している。また、図3(b)には、感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込み位置の調整を説明するための概念図である。
【0016】
図3(a)に示すように、本実施形態のマークMは、黒色領域MAと白色斜線部MLとによって構成される長方形状の印である。本実施形態では、マークMの長手方向Eが、連帳紙Pの搬送方向Fに沿うように形成されている。また、白色斜線部MLは、搬送方向Fに対して傾斜し、マークMの中心Cを通るようにして黒色領域MAを横断して形成される。
【0017】
総合制御部50は、マーク検出センサSによるマークMの読取り信号を取得する。そして、図3(a)に示すように、総合制御部50は、基準クロックパルスに基づいて、検出信号から得られるマークMのパルスの両端部の立ち上がりと立ち下がりの間隔を計測する。さらに、総合制御部50は、パルスの両端部の立ち上がりと立ち下がりの間隔の中間値を計算する。検出信号から得られるマークMのパルスの中間値を「マーク中間値Xm」と呼ぶ。
また、総合制御部50は、読み取ったマークMに対応する基準信号の単位パルス(後述する図4参照)の立ち上がりUpと立ち下がりDpの間隔の中間値を求める。この基準信号の単位パルスの中間値を「基準値BM」と呼ぶ。
【0018】
そして、総合制御部50は、基準値BMとマーク中間値Xmとの時間差δXを算出する。本実施形態では、基準値BMに対してマーク中間値Xmが一致している状態を、感光体ドラム31に形成する静電潜像の書き込みを行う基準のタイミングにしている。そして、総合制御部50は、基準値BMとマーク中間値Xmとの時間差δXに基づき、書き込みの基準のタイミングに対するずれを算出する。
【0019】
また、総合制御部50は、検出信号から得られるマークMのパルスから、マークMの白色斜線部ML部分の立ち下がりと立ち上がりの間隔の中間値を求める。図3(a)に示すように、マークMのパルスの中央に形成される凹部の部分が白色斜線部ML部分に相当する。そして、総合制御部50は、パルスの中央に形成される凹部の立ち下がりと立ち上がりの間隔を計測し、間隔の中間値を求める。この白色斜線部MLの中間値を「斜線中間値Ym」と呼ぶ。
【0020】
そして、総合制御部50は、検出信号から得られるマークMのパルスから、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとの時間差δYを算出する。本実施形態では、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとが一致する状態を、感光体ドラム31に形成する静電潜像の主走査方向における書き込みの基準位置にしている。そして、総合制御部50は、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとの時間差δYに基づいて、主走査方向における書き込みの基準位置に対するずれ量を算出する。
【0021】
図3(a)に示すように白色斜線部MLはマークMの中心Cを通っているため、マークMの中心Cがマーク検出センサSを通過した場合、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとが一致するので時間差δYは生じない。一方、マークMの中心Cが主走査方向にずれてマーク検出センサSを通過した場合、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとがずれて時間差δYが生じる。そして、白色斜線部MLの傾斜角は予め特定されているので、時間差δYに基づいてマーク検出センサSに対するマークMの主走査方向のずれ量が求まる。
【0022】
以上のように、総合制御部50は、時間差δX及び時間差δYに基づいて、感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込み位置の補正量を計算する。そして、総合制御部50は、画像形成制御部70に対して書き込み位置の補正量の情報を送る。
そして、図3(b)に示すように、感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込みの基準のタイミングに対して、時間差δXに基づいた時間だけずらした書き込みを行う。感光体ドラム31に対する書き込みタイミングのずれは、連帳紙Pに形成する画像の副走査方向のずれとなる。このように、本実施形態では、マークMの検出結果に基づいて、連帳紙Pに形成する画像の副走査方向の書き出し位置の調整を行う。
【0023】
また、図3(b)に示すように、感光体ドラム31に対する静電潜像の主走査方向の書き込みを開始する基準の位置に対して、時間差δYに基づいた距離だけ主走査方向にずらした書き込みを行う。このように、本実施形態では、マークMの検出結果に応じて、連帳紙Pに形成する画像の主走査方向の書き出し位置の調整を行う。
【0024】
図4は、連帳紙Pに形成されるマークMの読み取りを説明するための図である。
本実施形態では、マーク検出センサSによって、順次通過するマークMの読み取りを行う。そして、総合制御部50は、連帳紙PのマークMを読み取った読取り信号から、基準信号に基づいてマークMの検出を行う。
基準信号は、基準クロックパルスに基づき、予め定められたタイミングで出力される信号である。基準信号は、図4に示すように、1つのマークMの検出のための単位パルスを予め定められた周期(時間間隔)で出力することによって構成する。そして、総合制御部50では、基準信号の単位パルスのタイミングと一致するマーク検出センサSからの読取り信号をマークMの検出信号(以下、「マーク検出信号」という)として出力する。また、本実施形態では、基準信号によって特定されるタイミングで、読取り信号からマークMの検出を行う。本実施形態では、基準信号がマークMの検出のイネーブル信号として機能している。従って、基準信号によって特定されるタイミングは、マークMの検出タイミングといえる。
【0025】
単位パルスの周期は、連帳紙Pに形成されるマークMの間隔及び連帳紙Pの搬送速度に基づいて予め設定する。本実施形態において、単位パルスの周期は、連帳紙Pに形成されるマークMの間隔及び連帳紙Pの搬送速度から算出される、マークMがマーク検出センサSを通過する理論上のタイミングである。
【0026】
また、単位パルスのパルス幅(立ち上がりUpと立ち下がりDpの間隔。図3に参照)は、マークMの副走査方向の全体を読み取ることができるように設定する。なお、本実施形態では、上述したとおり、基準信号の単位パルスのタイミングと一致するマークMの読取り信号をマーク検出信号とする。従って、本実施形態では、図4に示すように、単位パルスのパルス幅を「検出幅」と呼ぶ。
【0027】
以上のようにして、本実施形態では、連帳紙Pに形成されるマークMの検出を行う。そして、本実施形態では、図3を参照しながら説明したとおり、マークMの検出結果に基づいて連帳紙Pに形成する画像の位置を調整する。
なお、本実施形態では、マーク検出センサSによって読み取ったマークMの読取り信号に基づいて、連帳紙Pの搬送速度の調整も行うようにしている。このマークMの読取り信号に基づいた速度調整については、後に詳しく説明する。
【0028】
続いて、画像形成装置1の画像形成動作を説明する。
画像形成装置1が起動されると、例えば通信ネットワークを介して画像形成装置1の総合制御部50に画像データが入力される。総合制御部50は、入力された画像データをK色、C色、M色、Y色それぞれに対応する画像データに分解して、各色の画像データを画像形成制御部70に送信する。
また、総合制御部50に画像データが入力されるのに同期して、総合制御部50は、搬送制御部60を介して用紙搬送ユニット20を制御し、定着制御部80を介して定着ユニット40を制御して、連帳紙Pに予め定められた張力を付与しながら、連帳紙Pを予め定められた搬送速度で搬送する。
【0029】
総合制御部50は、マーク検出センサSによって、連帳紙P上のマークの読み取りを行う。総合制御部50は、マークMの検出結果に基づいて、連帳紙Pに対する画像の書き出し位置の制御を行う。具体的には、総合制御部50は、マークMの検出結果に基づいて、露光装置33による感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込み位置の補正のための情報を画像形成制御部70に送信する。
【0030】
総合制御部50の制御の下で、画像形成制御部70は、K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yでの各色トナー像の形成を制御する。
K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yでは、感光体ドラム31が回転を開始し、感光体ドラム31表面が帯電コロトロン32によって予め定められた電位(例えば、−500V)に帯電され、露光装置33によって各色画像データに対応した静電潜像が形成される。そして、現像装置34により感光体ドラム31の静電潜像が各色トナーにより現像されて各色トナー像が形成される。感光体ドラム31表面に形成された各色トナー像は、転写ロール35および転写案内ロール36,37によって連帳紙Pに転写される。ここで、連帳紙Pは、K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yを順に通過することから、各色トナー像は、K色トナー像、C色トナー像、M色トナー像、Y色トナー像の順に重畳されて、連帳紙P上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0031】
その後、フルカラーのトナー像が形成された連帳紙Pは、定着ユニット40に搬入されて、フラッシュ定着器41より連帳紙Pにトナー像が定着される。それにより、連帳紙Pにフルカラー画像が形成される。
【0032】
ところで、連帳紙Pを搬送する際に、用紙搬送ユニット20による連帳紙Pの送り量誤差や連帳紙P上のマークMの形成誤差(以下、これら搬送に関わる誤差を総称して搬送誤差という)によって、マーク検出センサSをマークMが実際に通過するタイミング(以下、通過タイミング)がずれてくる。
本実施形態では、基準信号に基づいてマークMの検出を行う。そして、その基準信号における単位パルスの周期は、連帳紙Pに形成されるマークMの間隔及び搬送速度に基づいた理論値によって設定している。従って、搬送誤差により、連帳紙P上のマークMの通過タイミングが、予め定められた間隔で連帳紙Pに形成したマークMの間隔と搬送速度の設定値とに基づいて設定されるマークMの検出タイミングに対してずれてしまう。
例えば、図4に示すように、例えば2ページ目のマーク検出である2回目の検出結果において、単位パルスの検出幅に対するマークMのパルスの位置は、1ページ目のマーク検出である1回目の検出結果と比較してずれている。
【0033】
そして、連帳紙Pのように長尺な媒体の場合、例えば各ページ単位での搬送誤差が小さくても、連帳紙P全体として累積する搬送誤差は大きくなる。例えば、図4に示す例では、nページ目のマーク検出であるn回目の検出結果においては、単位パルスの検出幅に対するマークMのパルスが大きく外れている。このように、マークM全体のパルス波形を検出できない場合、マークMに基づいた画像の書き出し位置の調整は行えない。
また、上記のとおり、基準信号に基づいてマークMの検出を行うように構成している場合であって、検出したマークMを用いて連帳紙Pの搬送速度の調整を行うように構成している場合には、マークMを検出できないことによって、マークMに基づいた搬送速度の調整もできなくなってしまう。
【0034】
なお、基準信号における単位パルスの検出幅をより長く設定することが考えられる。しかしながら、単位パルスの検出幅の長さには上限がある。例えば、図3を参照しながら説明したように、本実施形態では、マークMの検出結果に基づいて連帳紙Pに形成する画像の書き出し位置の調整を行う。逆に言えば、マークMの読み取りが完了しなければ、画像の書き出し位置を開始することができない。従って、基準信号の単位パルスの検出幅の長さは限られる。
【0035】
図5は、マークMの読み取りに基づく位置調整の機能及び速度調整の機能を実現する機能ブロック図である。
図5に示すように、本実施形態の総合制御部50は、マーク検出センサSによって連帳紙Pを読み取った読取り信号を取得する信号取得部51と、信号取得部51の読取り信号に基づいてマークMの位置を計測する位置計測部52、位置計測部52によって計測されたマークMの位置に基づいて画像の書き込み位置の補正量を演算する位置補正量演算部53を備える。さらに、総合制御部50は、信号取得部51の読取り信号に基づいてマークMの時間間隔(以下、「マーク間隔」という)を計測する間隔計測部54と、間隔計測部54から取得したマーク間隔に基づいて連帳紙Pの搬送速度を調整するための補正量を演算する速度補正量演算部55とを備えている。
【0036】
読取り部の一例としての信号取得部51は、マーク検出センサSから読取り情報の一例としての読取り信号を取得する。信号取得部51は、取得したマークMの読取り信号を保持する。そして、信号取得部51は、マークMの読取り信号を位置計測部52及び間隔計測部54へとそれぞれ送信する。
【0037】
検出部の一例としての位置計測部52は、マークMを検出するための基準信号を生成する。そして、位置計測部52は、信号取得部51から読取り信号を取得する。位置計測部52では、生成する基準信号に基づいて読取り信号からマークMを検出したマーク検出信号を出力する。そして、位置計測部52は、図3を参照しながら説明したとおり、マーク検出信号におけるマークMのパルスと基準信号の単位パルスとに基づいて、基準に対するマークMのずれ量を計測する。具体的には、位置計測部52は、マークMのパルスと基準信号の単位パルスとに基づいて、単位パルスの基準値BMとマーク中間値Xmとのずれ(時間差δX)を計測する。また、位置計測部52は、マークMのパルスに基づいて、マーク中間値Xmと斜線中間値Ymとのずれ(時間差δY)を計測する。そして、位置計測部52は、上記のマークMのずれ量の情報を位置補正量演算部53に送信する。
なお、本実施形態では、位置計測部52にて基準信号を生成する構成としているが、位置計測部52が外部で生成した基準信号を取得するように構成しても良い。
【0038】
位置補正量演算部53は、位置計測部52から取得した基準に対するずれ量の情報に基づいて、感光体ドラム31に対する露光装置33による静電潜像の書き込み位置の補正のための補正量を演算する。本実施形態では、位置補正量演算部53は、位置計測部52から取得したずれ量の情報に基づいて、感光体ドラム31における主走査方向の補正量及び副走査方向の補正量を演算する。そして、位置補正量演算部53は、演算した補正量の情報を画像形成制御部70に送る。
【0039】
間隔計測部54は、信号取得部51から読取り信号を取得する。図5に示すように、間隔計測部54は、信号取得部51から読取り信号を用いて、位置計測部52とは別系統での信号処理を行う。間隔計測部54は、取得した読取り信号から2つのマークMのマーク間隔を計測する。本実施形態の間隔計測部54は、基準クロックパルスに基づいて、一のマークMのパルスの立ち上がりと、他のマークMのパルスの立ち上がりの時間間隔を計測することで、一のマークMと他のマークMとのマーク間隔を算出する。なお、マーク間隔は、例えば一のマークの両端の立ち上がりと立ち下がりとの間隔の中心と、他のマークの両端の立ち上がりと立ち下がりとの間隔の中心との時間間隔に基づいて計測しても良い。
【0040】
また、本実施形態では、間隔計測部54は、あるマークMを一つ目のマークMとして基点とし、2つ目から5つ目のマークMを飛ばし、6つ目のマークMとのマーク間隔を計測する。このように、本実施形態では、複数のマークM毎に計測の対象の2つマークMを選択し、選択された2つのマークMのマーク間隔を計測する。もちろん、隣接する2つのマークMのマーク間隔を計測しても良いが、マークM自体のサイズの誤差などの影響が大きくなり、マーク間隔の計測精度が低下し易くなる。従って、本実施形態では、複数のマークMを飛ばした2つのマークMのマーク間隔を計測するようにしている。
【0041】
速度補正量演算部55は、間隔計測部54から取得したマーク間隔に基づいて、連帳紙Pの搬送速度の補正量の計算を行う。速度補正量演算部55は、画像形成の対象となる連帳紙Pに形成されるマークMの形成間隔の情報を保持している。このマークMの形成間隔の情報は、例えば連帳紙給紙装置300に連帳紙Pを設置する際などに予め入力されたものである。そして、速度補正量演算部55は、予め取得している連帳紙Pに形成されるマークMの形成間隔と連帳紙Pの搬送速度とに基づいた理論上のマークMの時間間隔(以下、「基準間隔」と呼ぶ。)を算出する。そして、速度補正量演算部55は、理論上の基準間隔と間隔計測部54にて計測したマーク間隔との時間差δVを算出する。
【0042】
なお、基準間隔については、上述の例のように予め入力された情報に限定されない。例えば、速度補正量演算部55は、ある期間に、予め、信号取得部51から取得した読取り信号に基づいてマークMのパルスの間隔の平均値を計算しておく。そして、速度補正量演算部55は、計算した平均値を基準間隔として保持するように構成しても良い。
【0043】
そして、速度補正量演算部55は、算出した時間差δVが減少するように、連帳紙Pの搬送速度の補正値を演算する。本実施形態では、用紙搬送ユニット20におけるメインドライブロール21を用いて、連帳紙Pの搬送を行っている。したがって、本実施形態の速度補正量演算部55は、時間差δVに基づいて、メインドライブロール21の連帳紙Pの搬送速度を調整するための補正量を演算する。そして、速度補正量演算部55は、演算した補正量の情報をメインドライブロール21の制御を行う搬送制御部60に送る。
【0044】
なお、実施形態1では、位置補正量演算部53及び画像形成制御部70が位置調整部として機能する。また、間隔計測部54、速度補正量演算部55及び搬送制御部60が速度調整部として機能する。
【0045】
図6は、連帳紙Pの搬送速度の調整を説明するための図である。
図6(a)に示すように、基準間隔に対して計測したマーク間隔が長い場合、マークMの通過タイミングが基準よりも遅くなっていることになる。そこで、この場合には、速度補正量演算部55は、時間差δVに基づき、連帳紙Pの搬送速度を速くするように補正する補正量の情報を搬送制御部60に送る。そして、搬送制御部60では、時間差δVに基づいた補正量に応じてメインドライブロール21を駆動するモータの回転数を一時的に高くする。
一方、図6(b)に示すように、基準間隔に対して計測したマーク間隔が短い場合、マークMの通過タイミングが基準よりも早まっていることになる。そこで、この場合には、速度補正量演算部55は、時間差δVに基づき、連帳紙Pの搬送速度を遅くするよう補正する補正量の情報を搬送制御部60に送る。そして、搬送制御部60では、時間差δVに基づいた補正量に応じてメインドライブロール21を駆動するモータの回転数を一時的に低くする。
【0046】
図7は、マークMの読み取りに基づいた速度調整の動作フロー図である。
総合制御部50が画像形成の指示を受け付けると、画像形成動作を開始する。そして、信号取得部51は、マーク検出センサSから読取り信号を取得する(S101)。信号取得部51は、読取り信号を位置計測部52及び間隔計測部54へとそれぞれ送信する。そして、読取り信号を受け取った間隔計測部54は、マーク間隔の計測を行う(S102)。間隔計測部54は、計測したマーク間隔を速度補正量演算部55に送る。
【0047】
速度補正量演算部55は、基準間隔に対するマーク間隔の時間差δVを計算する。そして、速度補正量演算部55は、時間差δVが予め定められた閾値未満である場合、基準間隔に対してずれが無いとして(S103:N)、ステップ104へと進む。一方、時間差δVが予め定められた閾値以上である場合、基準間隔に対してずれが有るとして(S103:Y)、ステップ105に進む。この動作例では、時間差δVに対して閾値による判断を行うことにより、搬送速度の調整が必要となるような時間差δVであるか否かを判断するようにしている。そして、ステップ104において残りの印刷指示があれば(S104:Y)、ステップ101へと戻る。一方、残りの印刷指示がなければ終了する(S104:N)。
【0048】
ステップ103において、時間差δVが予め定められた閾値以上である場合、基準間隔に対してずれがあるとして(S103:Y)、速度補正量演算部55は、時間差δVに基づいた搬送速度の調整量の演算を行う(S105)。そして、搬送制御部60では、位置補正量演算部53から取得した搬送速度の調整量の情報に応じて、メインドライブロール21の回転数を補正して、連帳紙Pの搬送速度を調整する(S106)。そして、残りの印刷指示があれば(S104:Y)、ステップ101へと戻る。一方、残りの印刷指示がなければ終了する(S104:N)。
【0049】
図8は、速度調整後のマークMの検出を説明するための図である。
図8に示すように、マーク検出信号における、n−3ページ目からn−1ページ目までの検出結果においては、搬送誤差によって、単位パルスの検出幅に対するマークMのパルスの位置がずれている。
ここで、間隔計測部54によってn−1ページ目のマークMの読み取りを行った段階でのマーク間隔を計測する。そして、速度補正量演算部55がマーク間隔に基づいて補正量の演算を行う。その結果、基準信号における単位パルスの周期に対する、マーク検出センサSに対するマークMの通過タイミングのずれが解消される。図9では、搬送速度の調整を行うことにより、nページ目のマークMの検出結果においては、読取り信号におけるマークのパルスの位置が変更し、基準信号の単位パルスに対するマークMのパルスの位置が外れずに揃った状態になる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態では、間隔計測部54によって読取り信号から直接的にマーク間隔の計測を行う。つまり、間隔計測部54は、読取り信号からマーク検出を行う位置計測部52とは別系統での信号処理を行う。
ここで、例えば、位置計測部52によってマークMの位置を計測する際に、基準信号の単位パルスの検出幅からマークMのパルスが外れ、マーク検出ができない状態について考える。
本実施形態では、画像の書き出し位置の補正は位置計測部52の計測結果に基づいて行い、搬送速度の補正は位置計測部52と別系統の信号処理を行う間隔計測部54の計測結果に基づいて行う。従って、例えば位置計測部52においてマーク検出ができないような状態が発生した場合であっても、マーク検出センサSによる読取り信号から直接的にマーク間隔を計測する間隔計測部54に基づいて搬送速度の調整を行う。そして、基準信号の単位パルスによって特定されるマークMの検出のタイミングに対して、マーク検出センサSに対するマークMの通過タイミング(読取りのタイミング)を合わせ、再び、位置計測部52によるマーク検出が可能な状態に戻すことができる。
【0051】
<実施形態2>
続いて、実施形態2が適用される画像形成装置1について説明する。なお、実施形態1における構成と同様のものについては、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9は、マークMの読み取りに基づく位置調整の機能及び基準信号の調整の機能を実現する機能ブロック図である。
図9に示すように、実施形態2の総合制御部50は、信号取得部51と、位置計測部52と、位置補正量演算部53とを備える。さらに、実施形態2の総合制御部50は、信号取得部51のマークMの読取り信号に基づいてマーク間隔を計測する間隔計測部56と、間隔計測部56から取得するマーク間隔に基づいて、位置計測部52における基準信号を補正する信号補正量演算部57とを備えている。
【0052】
信号取得部51は、マーク検出センサSによって読み取った読取り信号を位置計測部52及び間隔計測部56へとそれぞれ送信する。
位置計測部52は、マーク検出結果に基づいて、マークMの位置を計測する。そして、位置計測部52は、計測したマークMの位置の情報を位置補正量演算部53に送る。また、実施形態2の位置計測部52は、信号補正量演算部57から取得した補正値に基づいて、基準信号の補正を行うように構成している。
【0053】
位置補正量演算部53は、位置計測部52から取得した位置の情報に基づいて、感光体ドラム31に対する露光装置33による静電潜像の書き込み位置の補正のための補正量を演算する。そして、位置補正量演算部53は、演算した補正量の情報を画像形成制御部70に送信する。
【0054】
間隔計測部56は、信号取得部51から読取り信号を取得する。そして、間隔計測部56は、取得した読取り信号から2つのマークMのマーク間隔を計測する。なお、本実施形態の間隔計測部56は、基準クロックパルスに基づいて、一のマークMのパルスの立ち上がりと、他のマークMのパルスの立ち上がりの時間間隔を計測することで、一のマークMと他のマークMとのマーク間隔を算出する。
【0055】
信号補正量演算部57は、間隔計測部56から取得したマーク間隔に基づいて、位置計測部52における基準信号を補正するための補正値を計算する。まず、信号補正量演算部57は、理論上のマークMの時間間隔である基準間隔と、間隔計測部56にて計測したマーク間隔との時間差δVを算出する。そして、信号補正量演算部57は、算出した時間差δVに基づいて、位置計測部52において生成される基準信号の単位パルスのタイミングを変更するための補正値を演算する。本実施形態の位置計測部52では、基準クロックパルスに基づいて基準信号を生成している。従って、本実施形態の信号補正量演算部57は、算出した時間差δVに相当するクロックパルス数を演算する。そして、信号補正量演算部57は、演算したクロックパルス数の情報を位置計測部52に送信する。
そして、位置計測部52は、信号補正量演算部57から取得した補正値に基づいて、基準信号の補正を行う。
また、信号補正量演算部57は、位置計測部52に補正量の情報を送る際に、間隔計測部56から取得している時間差δVの情報を位置補正量演算部53に対して送信する。
【0056】
図10は、基準信号を補正した場合の位置補正量演算部53における処理を説明するための図である。
図10(a)はマークMを示し、図10(b)は調整前の単位パルスとマークMのパルスとの関係を示しており、図10(c)は調整後の単位パルスとマークMのパルスとの関係を示している。
図10(b)に示すように、補正前の単位パルスの検出幅に対して、マークMのパルスが右側にずれた状態にある。そして、図10(c)に示すように、信号補正量演算部57にて演算された時間差δVに応じて単位パルスのタイミングをずらす。その結果として、補正後の単位パルスの検出幅の中央部にマークMのパルスが位置するようになる。
【0057】
ここで、本実施形態では、図3を参照しながら説明したように、位置補正量演算部53では、基準値BMを基準にして、感光体ドラム31に対する静電潜像の書き込みタイミングの調整を行うようにしている。そして、実施形態2において、基準信号の単位パルスを信号補正量演算部57にて算出される時間差δVに基づいてずらした場合、それに伴って基準値BMのタイミングもずれる(図10(c)に示す基準値BM’の位置)こととなる。
ここで、上記のとおり、基準信号における単位パルスのタイミングをずらしているが、連帳紙Pの搬送速度は変わっていない。従って、図10(a)〜(b)に示すように、マーク検出信号におけるマークMのパルスは、単位パルスの変更の前後で変わらず、同じタイミングで検出される。従って、調整後の基準値BM’を基準にしてマークMの位置を計測すると、予め調整前の基準値BMを基準にして設定された感光体ドラム31における静電潜像の書き込みのタイミングがずれてしまう。
【0058】
そこで、本実施形態では、信号補正量演算部57によって基準信号の補正が行われた際には、位置計測部52によるマークMの計測位置の結果に、信号補正量演算部57による単位パルスの補正量(時間差δV)を反映する。具体的には、位置補正量演算部53は、位置計測部52から取得した時間差δXに、間隔計測部56から取得した時間差δVを加えて(δX+δV)、感光体ドラム31における静電潜像の書き込みタイミングの補正量を演算する。
【0059】
なお、実施形態2では、間隔計測部56、速度補正量演算部55、搬送制御部60、信号補正量演算部57及び位置計測部52がタイミング調整部として機能する。
【0060】
図11は、マークMの読み取りに基づいた基準信号の調整の動作フロー図である。
総合制御部50が画像形成の指示を受け付けると、画像形成動作が開始される。そして、信号取得部51は、マーク検出センサSから読取り信号を取得する(S201)。信号取得部51は、読取り信号を位置計測部52及び間隔計測部56へとそれぞれ送信する。そして、読取り信号を受け取った間隔計測部56は、マーク間隔の計測を行う(S202)。間隔計測部56は、計測したマーク間隔を信号補正量演算部57及び位置補正量演算部53に送信する。
【0061】
信号補正量演算部57は、基準間隔に対するマーク間隔の時間差δVを計算する。そして、信号補正量演算部57は、時間差δVが予め定められた閾値未満である場合、基準間隔にずれがないと判断し(S203:N)、ステップ204へと進む。一方、時間差δVが予め定められた閾値以上である場合には、ずれが有ると判断し(S203:Y)、ステップS205に進む。この動作例では、時間差δVに対して閾値による判断を行うことによって、基準信号の調整が必要となるような時間差δVであるか否かを判断するようにしている。
ステップ204において、残りの印刷指示があれば、ステップ201へと戻る(S204:Y)。一方、残りの印刷指示がなければ終了する(S204:N)。
【0062】
ステップ203において、時間差δVが予め定められた閾値以上である場合には、信号補正量演算部57は、時間差δVに基づいた基準信号の単位パルスを補正するための補正量の演算を行う(S205)。そして、信号補正量演算部57は、演算した補正量の情報を位置計測部52に送信する。位置計測部52は、取得した補正量に基づいて、基準信号の単位パルスのタイミングを変更する(S206)。また、位置補正量演算部53では、信号補正量演算部57から取得した補正量をマークMの位置に基づいた補正量に反映させる(S207)。そして、残りの印刷指示があれば、ステップ201へと戻る(S204:Y)。一方、残りの印刷指示がなければ終了する(S204:N)。
【0063】
図12は、基準信号の調整後のマークMの読み取りを説明するための図である。
図12に示すように、n−3ページ目からn−1ページ目までの検出結果においては、搬送誤差によって、単位パルスの検出幅に対するマークMのパルスの位置がずれた状態となっている。
ここで、間隔計測部56は、n−1ページ目のマークMの読み取りを行った段階で、マーク間隔を計測する。そして、信号補正量演算部57は、計測したマーク間隔に基づいて、基準信号を調整するための補正量を演算し、位置計測部52に送信する。そして、位置計測部52において、取得した補正量に基づいて基準信号の単位パルスのタイミングを変更する。そして、図12に示すように、nページ目のマークMの読み取りを行うための基準信号の単位パルスは、補正前と比較して、計測したマーク間隔に相当する時間差δVだけタイミングがずれた状態になる。
【0064】
その結果、搬送誤差によって生じていた、基準信号における単位パルスの周期に対して、マークMの通過タイミングのずれが解消される。図12に示すように、nページ目のマークMの検出結果において、基準信号の単位パルスと、読取り信号におけるマークMのパルスが外れずに揃った状態になる。これにより、基準信号に基づいてマークMの検出を行った際に、マークMの読取り信号からマークMが検出される。
以上のように、実施形態2が適用される画像形成装置1においては、基準信号を調整することによって、基準信号の単位パルスのタイミングと、マーク検出センサSに対するマークMの通過タイミング(マーク検出センサSによるマークMの読み取りタイミング)とを合わせている。
【0065】
なお、基準信号における単位パルスの位置と、マーク検出センサSによる読み取り信号におけるマークMのパルスの位置とを合わせるために、実施形態1では、搬送速度を調整し、実施形態2では基準信号の単位パルスを調整するようにした。ここで、搬送速度の調整と基準信号の調整とを併用する構成を採用しても構わない。例えば併用する構成を場合に、速度調整の回数に対して1/10の割合で基準信号を調整するといった頻度を異ならせることが考えられる。また、例えば併用する構成を場合に、粗い調整は速度調整によって行い、微調整は基準信号の調整によって行うなど調整量に応じて両者の寄与率を変えても良い。
【符号の説明】
【0066】
1…画像形成装置、20…用紙搬送ユニット、30…画像形成部、50…総合制御部、51…信号取得部、52…位置計測部、53…位置補正量演算部、54,56…間隔計測部、55…速度補正量演算部、57…信号補正量演算部、M…マーク、S…マーク検出センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、
搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る読取り部と、
前記媒体に形成される前記印の前記間隔に基づいて予め定められたタイミングで、前記読取り部の読取り情報から前記印を検出する検出部と、
前記検出部による前記印の検出結果に基づいて、前記画像形成部による前記媒体に形成する画像の位置を調整する位置調整部と、
前記読取り部の読取り情報に基づいて、前記搬送部による前記媒体の搬送速度を調整する速度調整部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記速度調整部は、前記読取り情報のうち、読取り信号における前記印のパルスの間隔に基づいて前記媒体の搬送速度を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記速度調整部は、前記印の前記予め定められた間隔と、前記読取り情報の読取り信号における前記印のパルスの間隔との差が減少するように前記搬送速度を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、
搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る読取り部と、
前記印を検出するタイミングを特定する基準信号を取得し、当該基準信号により特定されるタイミングで前記読取り部の読取り信号から前記印を検出する検出部と、
前記検出部による前記印の検出結果に基づいて、前記画像形成部による前記媒体に形成する画像の位置を調整する位置調整部と、
前記読取り信号における前記印の位置が前記基準信号により特定されるタイミングから外れないように調整するタイミング調整部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記タイミング調整部は、前記読取り信号における前記印の位置に応じて前記基準信号を補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記位置調整部は、前記タイミング調整部による前記基準信号の補正量を前記画像の位置の調整に反映させることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記タイミング調整部は、前記搬送部による搬送速度を調整することにより、前記読取り信号における前記印の位置を変更することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
コンピュータに、
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する機能と、
搬送される前記媒体に画像を形成する機能と、
前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る機能と、
前記媒体に形成される前記印の前記間隔に基づいて予め定められたタイミングで、前記読み取る機能による読取り情報から前記印を検出する機能と、
前記印の検出結果に基づいて、前記媒体に形成する画像の位置を調整する機能と、
前記読取り情報に基づいて、前記媒体の搬送速度を調整する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する機能と、
搬送される前記媒体に画像を形成する機能と、
前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る機能と、
前記印を検出するタイミングを特定する基準信号を取得し、当該基準信号により特定されるタイミングで前記読み取る機能による読取り信号から前記印を検出する機能と、
前記印の検出結果に基づいて、前記媒体に形成する画像の位置を調整する機能と、
前記読取り信号における前記印の位置が前記基準信号により特定されるタイミングから外れないように調整する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、
搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る読取り部と、
前記媒体に形成される前記印の前記間隔に基づいて予め定められたタイミングで、前記読取り部の読取り情報から前記印を検出する検出部と、
前記検出部による前記印の検出結果に基づいて、前記画像形成部による前記媒体に形成する画像の位置を調整する位置調整部と、
前記読取り部の読取り情報に基づいて、前記搬送部による前記媒体の搬送速度を調整する速度調整部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記速度調整部は、前記読取り情報のうち、読取り信号における前記印のパルスの間隔に基づいて前記媒体の搬送速度を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記速度調整部は、前記印の前記予め定められた間隔と、前記読取り情報の読取り信号における前記印のパルスの間隔との差が減少するように前記搬送速度を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、
搬送される前記媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る読取り部と、
前記印を検出するタイミングを特定する基準信号を取得し、当該基準信号により特定されるタイミングで前記読取り部の読取り信号から前記印を検出する検出部と、
前記検出部による前記印の検出結果に基づいて、前記画像形成部による前記媒体に形成する画像の位置を調整する位置調整部と、
前記読取り信号における前記印の位置が前記基準信号により特定されるタイミングから外れないように調整するタイミング調整部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記タイミング調整部は、前記読取り信号における前記印の位置に応じて前記基準信号を補正することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記位置調整部は、前記タイミング調整部による前記基準信号の補正量を前記画像の位置の調整に反映させることを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記タイミング調整部は、前記搬送部による搬送速度を調整することにより、前記読取り信号における前記印の位置を変更することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
コンピュータに、
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する機能と、
搬送される前記媒体に画像を形成する機能と、
前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る機能と、
前記媒体に形成される前記印の前記間隔に基づいて予め定められたタイミングで、前記読み取る機能による読取り情報から前記印を検出する機能と、
前記印の検出結果に基づいて、前記媒体に形成する画像の位置を調整する機能と、
前記読取り情報に基づいて、前記媒体の搬送速度を調整する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する機能と、
搬送される前記媒体に画像を形成する機能と、
前記媒体の前記印が形成される位置に対向して設けられて当該媒体を読み取る機能と、
前記印を検出するタイミングを特定する基準信号を取得し、当該基準信号により特定されるタイミングで前記読み取る機能による読取り信号から前記印を検出する機能と、
前記印の検出結果に基づいて、前記媒体に形成する画像の位置を調整する機能と、
前記読取り信号における前記印の位置が前記基準信号により特定されるタイミングから外れないように調整する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−78545(P2012−78545A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223508(P2010−223508)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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