説明

画像形成装置

【課題】 画像形成装置において、突然の電源遮断等によりギヤ系が停止しそのままの状態でプロセスユニットが画像形成装置本体から取り外されることにより、ドラム駆動ギヤと感光体ドラムのドラムギヤとの噛み合い位置が不明になることを防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 感光体ドラムの一端に設けられたドラムギヤおよび画像形成装置本体側に設けられドラムギヤと噛み合うドラム駆動ギヤの回転位置が予め定める着脱位置にあるときのみプロセスユニット31の画像形成装置本体からの取り外しを許可し、その他の位置ではプロセスユニット31の画像形成装置本体からの取り外しを許可しない取り外し許可手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、詳しくはタンデム方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、いわゆるタンデム方式の画像形成装置においては、感光体ドラム端部に配設されるドラムギヤおよびドラムギヤを駆動する画像形成装置本体側のドラム駆動ギヤなどには製造時における形状あるいは寸法誤差が生じるという問題があった。
【0003】
ドラムギヤおよびドラム駆動ギヤの形状あるいは寸法誤差は、ドラムギヤが取り付けられている感光体ドラムの回転むらを生じることになる。特に複数の感光体ドラムを有するタンデム方式の画像形成装置では、感光体ドラムの回転むらは画像上の色ずれを引き起こすことになる。
【0004】
一般に、感光体ドラムは使い捨ての消耗品として扱われていることから、感光体ドラムの原価をできるだけ低く抑えるため感光体ドラム端部に配設されるドラムギヤには通常樹脂製のギヤが使われている。従って樹脂製のギヤの場合には、樹脂の物理的な特性上、形状あるいは寸法誤差の発生を避けることがより一層困難となっている。
【0005】
以上のことを考慮して、感光体ドラムの避けることのできない回転むらを容認したうえでこれら複数のドラムの画像転写部における相互の相対的な画像転写位置を常に同期させて画像形成を行わせ、これにより、塗り重ねる画像上の色ずれを解消するようにした画像形成装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−43780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、補給品交換時などにおいて感光体ドラムが新品に交換されると、感光体ドラムに取り付けられていたドラムギヤも一緒に交換されるため、画像形成装置の出荷当時に4個の感光体ドラムの回転位置(位相)が一致するように調整されていたドラムギヤとドラム駆動ギヤの噛み合い位置が変わってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、画像形成装置本体側に配設されているドラム駆動ギヤと感光体ドラムのドラムギヤとの噛み合い位置が管理されているタンデム方式の画像形成装置において、突然の電源遮断等によりギヤ系が停止し、そのままの状態でプロセスユニットが画像形成装置本体から取り外されることにより、ドラム駆動ギヤと感光体ドラムのドラムギヤとの噛み合い位置が不明になることを防止できる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の画像形成装置は、色毎に設けられた複数の感光体ドラムと、前記各感光体ドラム表面を露光走査するスキャナユニットと、前記各感光体ドラム表面に露光走査によって形成された静電潜像に、色毎の現像剤を付着させることによって現像する現像手段と、前記現像手段によって前記各感光体ドラム表面に形成された現像剤像を被転写部材に転写する転写手段とを備えたタンデム方式の画像形成装置において、前記感光体ドラムの一端に設けられたドラムギヤの回転位置が予め定めるドラムギヤ着脱位置にあり、かつ画像形成装置本体側に設けられ前記ドラムギヤと噛み合うドラム駆動ギヤの回転位置が予め定めるドラム駆動ギヤ着脱位置にあるときのみ前記感光体ドラムの前記画像形成装置からの取り外しを許可し、その他の位置では前記感光体ドラムの前記画像形成装置からの取り外しを許可しない取り外し許可手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
このような構成によると、ドラムギヤおよびそのドラムギヤと噛み合うドラム駆動ギヤが予め定める着脱位置にない場合は取り外し許可手段が感光体ドラムの画像形成装置からの取り外しを許可しないため、感光体ドラムが画像形成装置から取り外されることがない。
【0010】
また、感光体ドラムや現像器を補給用として新品に交換する場合でもドラムギヤおよびそのドラムギヤと噛み合うドラム駆動ギヤが予め定める着脱位置にない場合は取り外し許可手段が感光体ドラムの画像形成装置からの取り外しを許可しないため、感光体ドラムが画像形成装置から取り外されることがない。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記取り外し許可手段は、前記ドラム駆動ギヤの回転位置を検知する回転位置検知手段と、前記検知手段からの出力に応じて前記ドラムギヤと前記ドラム駆動ギヤとの噛み合い位置を判断する噛み合い位置判断手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
このような構成によると、取り外し許可手段が回転位置検知手段および噛み合い位置判断手段を備えるのでドラム駆動ギヤの回転位置を検知し検知信号に基づいてドラムギヤとドラム駆動ギヤとの噛み合い位置を判断することができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記画像形成装置のケーシングに設けられ前記感光体ドラムを前記画像形成装置から着脱するための開口部を覆う上部カバーにロック機構を備え、前記取り外し許可手段は、前記ドラムギヤが前記ドラムギヤ着脱位置にあり、かつ前記ドラム駆動ギヤが前記ドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は前記ロック機構を作動させることを特徴としている。
【0014】
このような構成によると、ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は上部カバーに備えられたロック機構が作動するため感光体ドラムが画像形成装置本体から取り外されることがない。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記画像形成装置のケーシングに設けられ前記感光体ドラムを前記画像形成装置から着脱するための開口部を覆う側部カバーにロック機構を備え、前記取り外し許可手段は、前記ドラムギヤが前記ドラムギヤ着脱位置にあり、かつ前記ドラム駆動ギヤが前記ドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は前記ロック機構を作動させることを特徴としている。
【0016】
このような構成によると、ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は側部カバーに備えられたロック機構が作動するため感光体ドラムが画像形成装置本体から取り外されることがない。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記画像形成装置本体側に設けられ前記感光体ドラムを前記画像形成装置から着脱するための前記感光体ドラムの移動を規制するロック機構を備え、前記取り外し許可手段は、前記ドラムギヤが前記ドラムギヤ着脱位置にあり、かつ前記ドラム駆動ギヤが前記ドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は前記ロック機構を作動させることを特徴としている。
【0018】
このような構成によると、ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は前記画像形成装置本体側に設けられたロック機構が作動するため感光体ドラムが画像形成装置本体から取り外されることがない。
【0019】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記感光体ドラムが前記画像形成装置から取り外されたとき、前記感光体ドラムが前記ドラムギヤの回転を停止させるための回転停止機構を備えたことを特徴としている。
【0020】
このような構成によると、感光体ドラムが画像形成装置から取り外されたとき回転停止機構を用いてドラムギヤの回転を停止させることができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記回転停止機構は、前記ドラムギヤを覆うカバー部材を有することを特徴としている。
【0021】
このような構成によると、カバー部材により画像形成装置から取り外された感光体ドラムのドラムギヤの回転をさせないようにすることができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記回転停止機構は、前記ドラムギヤの歯を係止させるための係止爪を有することを特徴としている。
【0022】
このような構成によると、係止爪によって画像形成装置から取り外された感光体ドラムのドラムギヤの歯を係止しドラムギヤの回転を停止させることができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記画像形成装置から取り外された前記感光体ドラムが前記画像形成装置に装着されたとき、前記感光体ドラムが前記ドラムギヤの回転位置を自動的に前記ドラムギヤ着脱位置に戻すドラムギヤ着脱位置回復機構を備えたことを特徴としている。
【0023】
このような構成によると、感光体ドラムを画像形成装置本体に装着するときドラムギヤの回転位置がドラムギヤ着脱位置回復機構により自動的にドラムギヤ着脱位置に戻されるので、感光体ドラムが取り外された状態でドラムギヤが感光体ドラムと一緒に誤って回転してしまったとしても、装着時にドラムギヤを正規の着脱位置に戻して正しく装着することができる。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記ドラムギヤ着脱位置回復機構は、前記画像形成装置本体側に配設されたラックバーと該ラックバーに噛み合う欠歯ギヤとから構成されたことを特徴としている。
【0025】
このような構成によると、ラックバーと欠歯ギヤが噛み合って正規の着脱位置までドラムギヤが回転した後、欠歯ギヤの欠歯部分がラックバー上を回転することなく移動するのでドラムギヤを正規の着脱位置に的確に戻すことができる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、突然の電源遮断等により画像形成装置のギヤ系が停止してもそのままの状態で感光体ドラムが画像形成装置本体から取り外されることがないので、ドラム駆動ギヤと感光体ドラムのドラムギヤとの噛み合い位置が不明になることを防止することができる。
【0027】
また、ドラムギヤおよびそのドラムギヤと噛み合うドラム駆動ギヤが予め定める着脱位置にない場合は取り外し許可手段が感光体ドラムの画像形成装置本体からの取り外しを許可しないため、感光体ドラムや現像器などの補給交換時に不用意に感光体ドラムを画像形成装置本体から取り外すという畏れがない。
【0028】
請求項2に記載の発明によれば、ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるかどうかを的確に判断することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるときのみ上部カバーを開きその開口部から感光体ドラムを画像形成装置本体から取り外すことができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるときのみ側部カバーを開きその開口部から感光体ドラムを画像形成装置本体から取り外すことができる。
【0030】
請求項5に記載の発明によれば、ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるときのみ感光体ドラムの移動を規制するロック機構がオフ状態となり感光体ドラムの移動規制が解除されるので、感光体ドラムを移動させて画像形成装置本体から取り外すことができる。
【0031】
請求項6に記載の発明によれば、感光体ドラムが画像形成装置本体から取り外されたとき、不用意にドラムギヤに手が触れたりドラムギヤが何か硬い物に当った場合でも回転停止機構によりドラムギヤとドラム駆動ギヤとの噛み合い位置が感光体ドラムが画像形成装置本体に装着されていたときから変わることがない。
【0032】
請求項7に記載の発明によれば、感光体ドラムが画像形成装置本体から取り外されたとき、カバー部材によってドラムギヤに手が触れたり硬い物に当ることを防ぐことができる。従って、ドラムギヤを正規の着脱位置に正しく保持しておくことができる。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、感光体ドラムが画像形成装置本体から取り外されたとき、係止爪によってドラムギヤの回転を確実に防止することができる。
請求項9に記載の発明によれば、感光体ドラムを交換した場合でも感光体ドラムのドラムギヤの回転位置を自動的にドラムギヤ着脱位置に設定することができる。
【0034】
請求項10に記載の発明によれば、ラックバーと欠歯ギヤの組み合わせという簡単な構成で感光体ドラムのドラムギヤの回転位置を自動的にドラムギヤ着脱位置に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
[第1実施形態]
<全体構成>
本発明の第1実施形態の全体構成を図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態としてのカラーレーザプリンタの全体構成を表す縦断面図である。図1に示すように、第1実施形態のカラーレーザプリンタ100は、筐体としての本体フレーム1の下方に着脱自在に挿入される給紙カセット3を備えている。即ち、給紙カセット3は、図1に実線で示す格納位置から2点鎖線で示す引き出し位置に向かって、B方向に引き出しあるいは収納可能とされており、給紙カセット3が引き出された状態で記録紙Pを適宜補充することができる。
【0036】
給紙カセット3の内部には、図示しないバネにより上方(図1の紙面上方)に付勢された支持板5が設けられている。その支持板5の更に上方には、支持板5の上に積層状に保持された記録紙Pを一枚ずつ分離して後述の画像形成部7M,7Y,7C,7B方向へ供給する一対の給紙ローラ8,9が配設されている。図1の紙面左側の給紙ローラ8は、最上部の記録紙Pを給紙ローラ9に向けて搬送するものであり、図1の紙面右側の給紙ローラ9は、分離パッド10が圧接されており記録紙Pを1枚ずつ分離して搬送するいわゆるピックアップローラである。
【0037】
なお、給紙ローラ8,9を始めとする各ローラは本体フレーム1の予め定める位置に回転可能に設けられ、画像形成部7M,7Y,7C,7Bと共通の駆動源によって駆動される。一方、分離パッド10は、バネ11を介して給紙カセット3の中に設けられ、給紙カセット3を予め定める位置まで挿入したとき、バネ11の付勢力によって給紙ローラ9に圧接される。
【0038】
本体フレーム1の中央より若干上方には、マゼンタ,イエロー,シアン,ブラックの各色に対応する画像を形成するための画像形成部7M,7Y,7C,7B(以後、色を特定する必要がある場合以外はM,Y,C,Bの添え字を省略する)が配設されている。給紙ローラ9から画像形成部7M,7Y,7C,7Bへ到る記録紙Pの搬送経路には、記録紙Pを搬送する1対の搬送ローラ13と、画像形成部7M,7Y,7C,7Bによる画像形成動作の前に一旦記録紙Pを停止させ、記録紙Pの先端を係止することによってその記録紙Pの斜行を補正した上で画像形成部7M,7Y,7C,7Bに送るためのレジストローラ15とが順次配設されている。
【0039】
上記4つの画像形成部7M,7Y,7C,7Bの下側対向部には、レジストローラ15を通過した記録紙Pを搬送するベルト16が配置されている。記録紙Pには、このベルト16によって搬送される間に上記各画像形成部7M,7Y,7C,7Bにおいて上記各色によるトナー画像が形成される。また、給紙カセット3の引き出し側(以下、正面側という)の本体フレーム1下方には、記録紙Pを手差しで給紙するための給紙口17が設けられている。ここから給紙された記録紙Pは、手差し用給紙ローラ18によってレジストローラ15のニップ部まで搬送され、続いて上述のようにベルト16によって搬送される間に記録紙Pに画像が形成される。
【0040】
次に、各画像形成部7M,7Y,7C,7Bは、それぞれ、スキャナユニット21とプロセスユニット31とを備えている。スキャナユニット21は、図示しないレーザダイオードが発生したレーザ光Lを予め定めた面に沿って順次方向を変えるように反射するポリゴンミラー22と、そのポリゴンミラー22に反射されたレーザ光Lをプロセスユニット31の感光体ドラム33に向けて折り返す折返しミラー23と、そのレーザ光Lの光路に設けられたfθレンズ24とを、筐体26の中に収納している。
【0041】
なお、筐体26は、上記折り返されたレーザ光Lが感光体ドラム33に到達するように、プロセスユニット31側に露光開口部26aを備えている。また、折返しミラー23は、プロセスユニット31の上端近傍に設けられ、折り返される前のレーザ光Lと折返し後のレーザ光Lとがなす角度が約15°となるようにレーザ光Lを折り返して露光開口部26aから射出する。
【0042】
このため、スキャナユニット21とプロセスユニット31とを近接配置して装置全体を小型化することができる。また、レーザ光Lがスキャナユニット21の上端近傍から感光体ドラム33に向けて露光走査されるため、その光路を十分に長く確保することができ、fθレンズ24等を小型化して画像形成装置の一層の小型化が可能となる。更に、レーザ光Lがスキャナユニット21の上端近傍から露光走査されるため、露光開口部26aもスキャナユニット21の中央より上方に配設され、露光開口部26aを覆う保護ガラス等の光学系部品がトナーによって汚れることを防止することができる。
【0043】
また、プロセスユニット31は、表面に感光層を有する感光体ドラム33を回転可能に備え、更に、その感光体ドラム33の表面を一様に帯電させるスコロトロン帯電器34を備えている。感光体ドラム33の上方には、トナーボックス35が設けられ、そのトナーボックス35の下方に設けられた供給ローラ37と、現像ローラ38との動作により、感光体ドラム33の表面にトナーが供給される。
【0044】
このような構成によって、感光体ドラム33の表面には、スキャナユニット21からのレーザ光Lによる静電潜像が形成され、続いて、現像ローラ38が感光体ドラム33の表面へトナーを供給することにより、上記静電潜像が現像される。また、感光体ドラム33は、ベルト16を挟んで転写ローラ39と対向している。このため、上記のように感光体ドラム33上で静電潜像を現像したトナーは、転写ローラ39から加えられるバイアス電圧を受けて、ベルト16上を搬送される記録紙Pに転写される。これによって、その記録紙Pに、マゼンタ,イエロー,シアン,ブラックの各色の画像が順次形成される。
【0045】
各画像形成部7M,7Y,7C,7Bを通過した記録紙Pは、定着部41へ搬送される。この定着部41では、記録紙Pに形成されたトナー画像が加熱ローラ43と押圧ローラ45とに挟まれて熱定着される。画像が熱定着された記録紙Pは、1対の排紙ローラ51によって更に搬送され、本体フレーム1の上面に設けられた排紙トレイ52上に排出される。また、ベルト16の下面にはクリーニングローラ53が当接しており、感光体ドラム33からの飛散等によってベルト16の表面に付着したトナーを回収している。
【0046】
次に、排紙トレイ52は、排紙ローラ51の下方に設けられたヒンジ52aを中心に回転し全体が開閉可能に構成されている。排紙トレイ52の先端には、排紙トレイ52を本体フレーム1に係止するためのロック機構55が配設されている。
【0047】
ロック機構55は、本体フレーム1に配設されたツメ56とツメ56を作動させるソレノイド58とから構成されている。ソレノイド58は、後述の制御部81(図4)からの指令により制御されている。ツメ56は、排紙トレイ52の先端部52bと係止することにより排紙トレイ52の開閉作動をロックする。
【0048】
ロック機構55は、ソレノイド58が通電状態にあるときにツメ56が排紙トレイ52
の先端部52bと係合しない位置に配置されて非ロック状態(オフ状態)となり、ソレノイド58が非通電状態にあるときは、ツメ56が排紙トレイ52の先端部52bと係止可能な位置に配置されてロック状態(オン状態)となる。すなわち、制御部81およびソレノイド58に電力が供給されない電源遮断状態においては、ロック状態が確保される。これにより、制御部81に電力が供給されている電源オン状態において、制御部81がロックを解除しても良いと判断した場合に限り、ソレノイド58に通電が行われて、ロック機構55が非ロック状態(オフ状態)とされる。
<取り外し許可手段>
取り外し許可手段について図2と図3とを参照して説明する。
【0049】
図2は、取り外し許可手段により排紙トレイを開閉した状態を示す図である。図3は、ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にある状態を示す図である。
【0050】
取り外し許可手段は、ドラム駆動ギヤの回転位置を検知する検知手段と、検知手段からの検知信号に応じてドラムギヤとドラム駆動ギヤとの噛み合い位置を判断する判断手段とから構成されている。
【0051】
検知手段としてのセンサ63を図3に示す。図3(a)は、4個のドラム駆動ギヤ61を2個のモータ65によって駆動する場合の例を示したものであり、各ドラム駆動ギヤ61の回転位置を検出するために2個のセンサ63が使用されている。また、図3(b)は、4個のドラム駆動ギヤ61を4個のモータ、すなわち、それぞれ専用のモータ65によって駆動する場合の例を示したものであり、各ドラム駆動ギヤ61の回転位置を検出するために4個のセンサ63が使用されている。なお、図示はしていないが、4個のドラム駆動ギヤ61を1個のモータによって駆動する場合には、各ドラム駆動ギヤ61の回転位置を検出するために1個のセンサ63を使用すればよい。
【0052】
ここでは、図3(a)についてのみ説明し、図3(b)についてはセンサ63の個数以外は同じであるので詳細な説明を省略する。
図3(a)において、ドラムギヤ33aは画像形成装置本体側に設けられたドラム駆動ギヤ61と噛み合っている。ドラムギヤ33aには、予め定めるドラムギヤ着脱位置が設定されている。ドラム駆動ギヤ61にも予め定めるドラム駆動ギヤ着脱位置が設定されている。
【0053】
これらドラムギヤ33aおよびドラム駆動ギア61の着脱位置とは、両ギヤの噛み合いを解除して、プロセスユニット31の着脱を許可してもよい回転位置を意味するものであり、本実施形態では、図3(a)において、各ギヤ33a,61に便宜上付した三角のマーク33b,61bが一致するときの回転位置に相当するものであるが、以下の説明では、マーク33b,61bが一致したときの回転位置を、それぞれドラムギヤ着脱位置33b、ドラム駆動ギヤ着脱位置61bとして説明する。
【0054】
ドラム駆動ギヤ61は、同軸上に固定された中間ギヤ62と一体運動を行い、中間ギヤ62は画像形成装置本体側に設けられたモータ65によって駆動されている。センサ63は、中間ギヤ62の周縁近傍に配設され、ドラム駆動ギヤ61の回転位置を検知する。図3(b)においても図3(a)と同様に、ドラムギヤ33aがドラムギヤ着脱位置33bにあり、かつドラム駆動ギヤ61がドラム駆動ギヤ着脱位置61bにある状態を示している。
【0055】
ドラムギヤ33aがドラムギヤ着脱位置33bにあり、かつドラム駆動ギヤ61がドラム駆動ギヤ着脱位置61bにあるとき、図2(a)に示すように、ロック機構55がオフ状態となるのでユーザは排紙トレイ52を上方に開放し、開口部から感光体ドラム33をプロセスユニット31と一緒に取り外すことができる。図2(b)は、ロック機構55がオン状態となりユーザは排紙トレイ52を開放することができない場合を示している。
<取り外し許可手段の作動>
次に、取り外し許可手段の作動について、図4と図5とを参照して説明する。図4は、取り外し許可手段の作動を示すブロック図である。図5は、取り外し許可手段の作動を示すフローチャートである。
【0056】
取り外し許可手段の作動は、図4に示すように、センサ63からの検知信号を受けた制御部81がロック機構55にオン/オフ状態の指示を出力することにより行われる。制御部81は、画像形成装置本体側に設けられ、ドラム駆動ギヤ61の回転位置を検知するセンサ63からの検知信号を演算処理し、処理結果をロック機構55に指示する機能を有している。制御部81は、CPU83、RAM85およびROM87を有する。
【0057】
CPU83は、センサ63からの入力信号を受けて必要な演算を行い、演算結果をロック機構55に指示する。RAM85は、演算処理に必要なデータ等を一時的に記憶するためのランダムアクセスメモリ装置であり、ROM87は、演算処理の手順等を記憶した読み出し専用メモリ装置である。
【0058】
次に、取り外し許可手段の作動システムについて図5に示すフローチャートを参照して説明する。
図5に示すフローチャートにおいて、電源が立ち上がると、先ず、ステップ110(以下SllOと称する)で、ロック機構55がオン状態とされる。すなわち、画像形成装置は電源がオフの状態においてロック機構55がオン状態となっているが、S110ではロック機構55のオン状態がそのまま継続される。これによって、ユーザは排紙トレイ52を開放することができないため、感光体ドラム33を画像形成装置本体側から取り外すことができない状態となっている。
【0059】
続いて、S112で、ドラムギヤ33aおよびドラム駆動ギヤ61が着脱位置にあるか否かが判断される。具体的には、センサ63からの検出信号に基づいて、ドラムギヤ33aおよびドラム駆動ギヤ61が図3(a)に示される着脱位置にあるか否かが判断され、もし、着脱位置に停止しているのであれば、S112でYESとなり、直ちにS116に移行して、ロック機構55をオフ状態とする。
【0060】
しかし、電源が立ち上がった状態で、ドラムギヤ33aおよびドラム駆動ギヤ61が着脱位置にないときには、S112でNOとなるため、S114に移行して、ドラムギヤ33aおよびドラム駆動ギヤ61を着脱位置まで回転させる。具体的には、センサ63からの検出信号に基づいて、ドラム駆動ギヤ61が図3(a)に示される着脱位置に回転するまで、モータ65を駆動させる。その後、S116に移行して、ロック機構55をオフ状態として、外部装置、例えば、カラーレーザプリンタ100に接続されたホストコンピュータ等から印刷指令があるまで待機する(S118)。
【0061】
ロック機構55のオフ状態においては、ユーザは、必要に応じて排紙トレイ52を上方へ開放することができるので、感光体ドラム33を含むプロセスユニット31を開口部から上方へ取り外すことができる。
【0062】
そして、外部装置から印刷指令を受信すると、S118でYESとなり、先ず、S120で、ロック機構55をオン状態としてから、モータ65の駆動を制御する等して、印刷処理を実行する。従って、印刷処理の実行中には、排紙トレイ52を上方へ開放することができないので、ドラムギヤ33aおよびドラム駆動ギヤ61が着脱位置にない状態で、感光体ドラム33を含むプロセスユニット31が開口部から上方へ取り外されることが確実に防止される。
【0063】
外部装置からの印刷指令に基づいて、印刷処理が終了すると、その後処理として、S124で、ドラムギヤ33aおよびドラム駆動ギヤ61が着脱位置に到来するまでモータ65の駆動が継続される。
【0064】
センサ63からの検出信号に基づいて、ドラムギヤ33aおよびドラム駆動ギヤ61が着脱位置に停止したことが確認されると、S126で、再び、ロック機構55をオフ状態としてから、S118に戻って、外部装置からの印刷指令を待つ。
【0065】
もし、印刷待機中あるいは印刷処理中に突然の電源遮断等があったとしても、ロック機構55は電源遮断に伴ってオン状態となるため、排紙トレイ52の上方への開放が禁止される。
【0066】
このようにすると、突然の電源遮断等によりギヤ系が停止してもそのままの状態で感光体ドラム33が画像形成装置本体から取り外されることがないので、ドラム駆動ギヤ61と感光体ドラム33のドラムギヤ33aとの噛み合い位置が不明になることを防止することができる。
【0067】
また、感光体ドラム33の画像形成装置本体側への装着は、ドラムギヤ33aの回転位置がドラムギヤ着脱位置33bにあり、かつドラム駆動ギヤ61の回転位置がドラム駆動ギヤ着脱位置61bにある場合のみ可能とすることができる。
【0068】
さらに、感光体ドラム33の機能が劣化した場合には、少なくとも感光体ドラム33を含むプロセスユニット31を新しいものと交換する必要があるが、交換用の補給部品として、製品に当初組み込まれているプロセスユニット33と同等のドラムギヤ着脱位置33bをもつプロセスユニット31を準備しておけば、交換後においても、ドラムギヤ33aとドラム駆動ギヤ61との噛み合い位置(位相)を確保することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図6を参照して説明する。
【0069】
第2実施形態のカラーレーザプリンタ200は、プロセスユニット31が本体フレーム1の正面側に設けられた側部カバーであるフロントパネル59およびフロントパネル59と一体的に構成されたプロセスユニットケーシング59aに収納されている。プロセスユニット31は、プロセスユニットケーシング59aに収納された状態で正面側へ取り出される。なお、カラーレーザプリンタ200は、主にプロセスユニット31の収納部とスキャナ部21の形状や配置などがカラーレーザプリンタ100とは異なるが、本発明のポイントに直接関係しないのでここでは詳細な説明を省略する。
【0070】
図6(a)に示すように、フロントパネル59はロック機構55aのツメ56aによって本体フレーム1に係止されている。ツメ56aは、ソレノイド58によって作動する。ソレノイド58を作動させるための制御部は、第1実施形態と同様である。ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にありかつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるときのみロック機構55aがオフとなり、ユーザがフロントパネル59を正面側に引き出すことができプロセスユニット31を感光体ドラム33と一緒に上方へ取り外すことができる。
【0071】
このようにすると、突然の電源遮断等によりギヤ系が停止してもそのままの状態でプロセスユニット31が画像形成装置本体から取り外されることがないので、ドラム駆動ギヤ61と感光体ドラム33のドラムギヤ33aとの噛み合い位置が不明になることを防止することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を図7を参照して説明する。
【0072】
第3実施形態のカラーレーザプリンタ300は、ロック機構55cの取付位置のみがカラーレーザプリンタ100とは異なる。図7(a)に示すように、ロック機構55cは各プロセスユニット31毎に画像形成装置本体側に設けられている。図7(b)に示すように、各プロセスユニット31はツメ56によってロッド57に係止されている。ツメ56は、ソレノイド58によって作動する。ソレノイド58を作動させるための制御部は第1実施形態と同様である。ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にあるときのみロック機構55cがオフ状態となり、ユーザは排紙トレイ52を上方へ開放しプロセスユニット31を感光体ドラム33と一緒に開口部から上方へ取り外すことができる。
【0073】
このようにすると、突然の電源遮断等によりギヤ系が停止しあるいは排紙トレイ52が開放された場合でもそのままの状態でプロセスユニット31が画像形成装置本体から取り外されることがないので、ドラム駆動ギヤ61と感光体ドラム33のドラムギヤ33aとの噛み合い位置が不明になることを防止することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態を図8を参照して説明する。
【0074】
第4実施形態は、画像形成装置本体側から取り外されたプロセスユニット31のドラムギヤ33aの回転を回転停止機構によって停止させるものである。プロセスユニット31が画像形成装置本体から取り外されるときはドラムギヤ33aの回転位置はドラムギヤ着脱位置33bにある。ところが、プロセスユニット31が画像形成装置本体から取り外され、不用意にドラムギヤ33aに手が触れたりドラムギヤ33aが何か硬い物に当った場合、ドラムギヤ33aのドラムギヤ着脱位置33bが変わる可能性がある。ドラムギヤ33aのドラムギヤ着脱位置33bが変わるとプロセスユニット31を再度画像形成装置本体に装着したときドラム駆動ギヤ61との噛み合い位置がずれてしまうことになる。ドラムギヤ33aとドラム駆動ギヤ61との噛み合い位置がずれると記録紙Pに現像された画像に色ずれが生じることになる。その結果、画質が低下することになる。図8に示す回転停止機構は、そのような不都合を防止するためのものであり、ドラムギヤ33aを覆うカバー部材67を備えている。なお、カバー部材67は感光体ドラム33をドラムギヤ33aと一緒に覆うものであってもよい。
【0075】
カバー部材67は、L字型断面のカバー板67aを有する板部材である。カバー板67aはドラムギヤ33aを覆う大きさに作られている。カバー部材67には、ほぼ全長に亘ってガイド溝67bが設けられている。ガイド溝67bには、プロセスユニット31の外周面から突設された2個のピン68が嵌合されている。従って、カバー部材67は、2個のピン68をガイドとしてガイド溝67bに沿って移動可能にされている。カバー板67aの一端にはバネ69が固定されており、バネ69の他端はプロセスユニット31に固定されている。バネ69は、カバー板67aがドラムギヤ33aを覆う方向にカバー部材67を付勢している。なお、カバー部材67には、プロセスユニット31の外側に向かって突出した突片67cが設けられており、該突片67cが画像形成装置本体の一部に当接することでバネ69の作用に抗してカバー部材67を移動させることができる。
【0076】
このように構成すると、図8(a)に示すように、プロセスユニット31が画像形成装置本体側から取り外されたときはカバー板67aがドラムギヤ33aを覆うため、不用意にドラムギヤ33aに手が触れたりドラムギヤ33aが何か硬い物に当った場合でも、ドラムギヤ33aのドラムギヤ着脱位置33bが変わることがない。
【0077】
また、このプロセスユニット31を画像形成装置本体に装着すると図8(b)に示すように、突片67cが画像形成装置本体の一部に当接して、カバー部材67がガイド溝67bに沿って移動し、それに伴いドラムギヤ33aを覆っていたカバー板67aがドラムギヤ33aの位置から離れる方向に移動する。そうすると、ドラムギヤ33aは、そのドラムギヤ着脱位置を変えることなくドラム駆動ギヤ61と噛み合うことができる。
【0078】
なお、プロセスユニット31が画像形成装置本体側から取り外されたときはカバー板67aがドラムギヤ33aを覆うため、不用意にドラムギヤ33aに手が触れたりドラムギヤ33aが何か硬い物に当った場合でも、ドラムギヤ33aのドラムギヤ着脱位置33bが変わることを防止するために、上述のようなカバー部材67を設ける代わりに不図示の係止爪をドラムギヤ33aに係合させ、画像形成装置本体側から取り外されたプロセスユニット31のドラムギヤ33aの不意の回転を防止するようにしてもよい。プロセスユニット31を再び画像形成装置本体に取り付ける際に、係止爪がドラムギヤ33から外れて自由に回転できるようにすることは勿論である。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態を図9を参照して説明する。
【0079】
第5実施形態は、感光体ドラム33を交換した場合に感光体ドラム33のドラムギヤ33aの回転位置を自動的にドラムギヤ着脱位置33bに設定するドラムギヤ着脱位置回復機構である。
【0080】
図9に示すように、ドラムギヤ着脱位置回復機構はラックバー71と欠歯歯車72(欠歯ギヤ)とから構成されている。欠歯歯車72は、通常の平歯車73と一体的に回転するように構成されており、欠歯歯車72がラックバー71と噛み合うと同時に平歯車73がドラムギヤ33aと噛み合って一体的に回転する。ラックバー71は、プロセスユニットケーシング59aに取り付けられている。
【0081】
プロセスユニット31をプロセスユニットケーシング59aに装着するため、プロセスユニット31を図9(a)に示すD方向に挿入してゆくと、例えば、ドラムギヤ33がドラムギヤ着脱位置33bとは異なる回転位置に停止していた場合には、最初はラックバー71と欠歯歯車72とが噛み合って欠歯歯車72が回転する。欠歯歯車72が回転すると欠歯歯車72と一体的に回転する平歯車73と噛み合うドラムギヤ33aも回転する。しかし、ラックバー71のラック歯71gに対して欠歯歯車72の欠歯部72aが対応すると、ラック歯71gと欠歯歯車72の歯72gが噛み合わないため、欠歯歯車72は回転することなくラックバー71上を移動する。そうすると、欠歯歯車72と噛み合っているドラムギヤ33aも回転することなく移動する。従って、ドラムギヤ33aのドラムギヤ着脱位置33bが予め定める位置に設定されるようにラックバー71と欠歯歯車72との関係を予め調整しておくことにより、感光体ドラム33を交換した場合でも感光体ドラム33のドラムギヤ33aの回転位置を自動的にドラムギヤ着脱位置33bに設定することができる。
【0082】
このように構成すると、プロセスユニットケーシング59aから取り外されたプロセスユニット31のドラムギヤ33aの回転位置をカバー部材67で規制する必要がない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、第1実施形態乃至第3実施形態のいずれかと第4実施形態とを組み合わせて実施することが可能である。あるいは第1実施形態乃至第3実施形態のいずれかと第5実施形態とを組み合わせて実施することが可能である。
【0083】
なお、請求項1に記載の現像手段は、プロセスユニット31に備えられた現像ローラ38、供給ローラ37、トナーボックス35等が相当する。請求項2に記載の回転位置検知手段はセンサ63が相当し、噛み合い位置判断手段は制御部81が相当する。請求項6に記載の回転停止機構は、カバー部材67あるいは係止爪が相当する。請求項9に記載のドラムギヤ着脱位置回復機構は、ラックバー71と欠歯歯車72とが相当する。
【0084】
上記の実施形態は、記録紙を搬送するダイレクト転写タンデム方式のカラープリンタについて説明したが、本願発明は中間転写ベルトを採用した中間転写タンデム式(インライン式)のカラープリンタにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】カラーレーザプリンタの、全体構成を表す縦断面図である。
【図2】取り外し許可手段により排紙トレイを開閉した状態を示す図である。
【図3】ドラムギヤがドラムギヤ着脱位置にあり、かつドラム駆動ギヤがドラム駆動ギヤ着脱位置にある状態を示す図である。
【図4】取り外し許可手段を示すブロック図である。
【図5】取り外し許可手段の作動を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態を示す図である。
【図7】第3実施形態を示す図である。
【図8】回転停止機構を示す図である。
【図9】ドラムギヤ着脱位置回復機構を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1・・・本体フレーム 3・・・給紙カセット
5・・・支持板 7M,7Y,7C,7B・・・画像形成部
8,9・・・給紙ローラ 10・・・分離パッド
11・・・バネ 13・・・搬送ローラ
15・・・レジストローラ 16・・・ベルト
17・・・給紙口 18・・・手差し用給紙ローラ
21・・・スキャナユニット 22・・・ポリゴンミラー
23・・・折返しミラー 24・・・fθレンズ
26・・・筐体 26a・・・露光開口部
31・・・プロセスユニット 33・・・感光体ドラム
33a・・・ドラムギヤ 33b・・・ドラムギヤ着脱位置
34・・・スコロトロン帯電器 35・・・トナーボックス
37・・・供給ローラ 38・・・現像ローラ
41・・・定着部 43・・・加熱ローラ
45・・・押圧ローラ 51・・・排紙ローラ
52・・・排紙トレイ 52a・・・ヒンジ
52b・・・先端部 53・・・クリーニングローラ
55,55a,55c・・・ロック機構 56,56a・・・ツメ
57・・・ロッド 58・・・ソレノイド
59・・・フロントパネル 59a・・・プロセスユニットケーシング
61・・・ドラム駆動ギヤ 61b・・・ドラム駆動ギヤ着脱位置
62・・・中間ギヤ 63・・・センサ
65・・・モータ 67・・・カバー部材
67a・・・L字部 67b・・・ガイド溝部
67c・・・突片 68・・・ピン
69・・・バネ 71・・・ラックバー
71g・・・ラック歯 72・・・欠歯歯車
72a・・・欠歯部 72g・・・欠歯歯車の歯
73・・・平歯車
100,200,300・・・カラーレーザプリンタ P・・・記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色毎に設けられた複数の感光体ドラムと、
前記各感光体ドラム表面を露光走査するスキャナユニットと、
前記各感光体ドラム表面に露光走査によって形成された静電潜像に、色毎の現像剤を付着させることによって現像する現像手段と、
前記現像手段によって前記各感光体ドラム表面に形成された現像剤像を被転写部材に転写する転写手段とを備えたタンデム方式の画像形成装置において、
前記感光体ドラムの一端に設けられたドラムギヤの回転位置が予め定めるドラムギヤ着脱位置にあり、かつ画像形成装置本体側に設けられ前記ドラムギヤと噛み合うドラム駆動ギヤの回転位置が予め定めるドラム駆動ギヤ着脱位置にあるときのみ前記感光体ドラムの前記画像形成装置からの取り外しを許可し、その他の位置では前記感光体ドラムの前記画像形成装置からの取り外しを許可しない取り外し許可手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記取り外し許可手段は、前記ドラム駆動ギヤの回転位置を検知する回転位置検知手段と、前記検知手段からの出力に応じて前記ドラムギヤと前記ドラム駆動ギヤとの噛み合い位置を判断する噛み合い位置判断手段とを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置のケーシングに設けられ前記感光体ドラムを前記画像形成装置から着脱するための開口部を覆う上部カバーにロック機構を備え、前記取り外し許可手段は、前記ドラムギヤが前記ドラムギヤ着脱位置にあり、かつ前記ドラム駆動ギヤが前記ドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は前記ロック機構を作動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置のケーシングに設けられ前記感光体ドラムを前記画像形成装置から着脱するための開口部を覆う側部カバーにロック機構を備え、前記取り外し許可手段は、前記ドラムギヤが前記ドラムギヤ着脱位置にあり、かつ前記ドラム駆動ギヤが前記ドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は前記ロック機構を作動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置本体側に設けられ前記感光体ドラムを前記画像形成装置から着脱するための前記感光体ドラムの移動を規制するロック機構を備え、前記取り外し許可手段は、前記ドラムギヤが前記ドラムギヤ着脱位置にあり、かつ前記ドラム駆動ギヤが前記ドラム駆動ギヤ着脱位置にあるとき以外は前記ロック機構を作動させることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記感光体ドラムが前記画像形成装置から取り外されたとき、前記感光体ドラムが前記ドラムギヤの回転を停止させるための回転停止機構を備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回転停止機構は、前記ドラムギヤを覆うカバー部材を有することを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記回転停止機構は、前記ドラムギヤの歯を係止させるための係止爪を有することを特徴とする、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置から取り外された前記感光体ドラムが前記画像形成装置に装着されたとき、前記感光体ドラムが前記ドラムギヤの回転位置を自動的に前記ドラムギヤ着脱位置に戻すドラムギヤ着脱位置回復機構を備えたことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ドラムギヤ着脱位置回復機構は、前記画像形成装置本体側に配設されたラックバーと該ラックバーに噛み合う欠歯ギヤとから構成されたことを特徴とする、請求項9に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−189737(P2006−189737A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−3186(P2005−3186)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】