説明

画像形成装置

【課題】 感光体ドラムを支持する支持フレームが画像形成装置本体に感光体ドラムの軸方向に着脱可能とされた画像形成装置において、画像形成装置本体の正規位置に装着されていない支持フレームを誤って検出することを防止する。
【解決手段】 プロセスカートリッジ11の支持フレーム66には、フック70が回動可能に支持され、プリンタ本体18の装着部19にはフック70のフック部70Aが係止される係止片74Bと、係止片74Bに係止されたフック部70Aによってレバー68Aを押されるマイクロスイッチ68が設けれている。また、プロセスカートリッジ11は圧縮コイルバネ82によって装着部19から抜け出す方向に付勢されることで、プロセスカートリッジ11が装着部19の正規位置に位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体ドラムを備えるカートリッジが画像形成装置本体に着脱可能とされた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いたプリンタや複写機等の画像形成装置では、消耗品である感光体ドラムが内蔵されたプロセスカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とすることで、感光体ドラムの交換を可能としている。プロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着する構成としては、画像形成装置本体の上部に設けられたカバーを開いて上から挿入して装着する構成と、画像形成装置本体の側面に設けられたカバーを開いて感光体ドラムの軸方向へ挿入して装着する構成が一般的である。
【0003】
ここで、プロセスカートリッジを感光体ドラムの軸方向へ挿入して画像形成装置本体に装着する構成では、プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着されたことを、種々の方法で検出している。例えば、画像形成装置本体に装着されたプロセスカートリッジによってスイッチを作動されるマイクロスイッチ(例えば、特許文献1参照)や、画像形成装置本体に装着されたプロセスカートリッジによって動かされるアクチュエータをセンシングするフォトセンサによって検出し、又はプロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着されると嵌合するドロアコネクタの導通をチェックすることによって検出している。
【0004】
しかし、プロセスカートリッジと画像形成装置本体との間には嵌め合い公差が設けられている。また、マイクロスイッチをオンにするスイッチのストローク、フォトセンサによって検出されるアクチュエータのストロークにも公差があり、さらに、ドロアコネクタは完全に嵌合されていなくても導通する。
【0005】
このため、プロセスカートリッジが画像形成装置本体の正規位置から数mm程度外れていたとしても、マイクロスイッチ等の検出手段によってプロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着されたと誤検出されることがある。この状態で、感光体ドラムを露光するとレーザーの照射位置が感光体ドラムの有効画像形成領域を外れてしまうことも起こり得る。
【特許文献1】特開平8−238769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、感光体ドラムを支持する支持フレームが画像形成装置本体に感光体ドラムの軸方向に着脱可能とされた画像形成装置において、画像形成装置本体の正規位置に装着されていない支持フレームを誤って検出することを防止する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の画像形成装置は、トナー像を担持して転写媒体に転写する感光体ドラムと、前記感光体ドラムを支持し、画像形成装置本体に前記感光体ドラムの軸方向に着脱可能とされた支持フレームと、前記支持フレーム又は前記画像形成装置本体に設けられた係止手段と、前記画像形成装置本体又は前記支持フレームに設けられ、前記支持フレームが前記画像形成装置本体の正規位置に装着されると前記係止手段が係止する被係止手段と、前記画像形成装置本体又は前記支持フレームに設けられ、前記被係止手段に係止した前記係止手段を検出する検出手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の画像形成装置では、感光体ドラムがトナー像を担持して転写媒体に転写する。この感光体ドラムは支持フレームに支持されており、この支持フレームは、画像形成装置本体に感光体ドラムの軸方向に着脱可能とされている。これによって、消耗品である感光体ドラムを交換することができ、また、用紙搬送ジャムの処理が容易になる。
【0009】
ここで、画像形成装置本体又は支持フレームにはフック等の係止手段が設けられており、支持フレームが画像形成装置本体の正規位置に装着されると、係止手段が、支持フレーム又は画像形成装置本体に設けられた係止用の孔等の被係止手段に係止する。また、画像形成装置本体又は支持フレームには検出手段が設けられており、この検出手段が、被係止手段に係止した係止手段を検出する。
【0010】
即ち、支持フレームが画像形成装置本体の正規位置に装着されない限り、検出手段が係止手段を検出することが無いので、画像形成装置本体の正規位置に装着されていない支持フレームが検出手段によって誤って検出されることが無い。また、感光体ドラム及び支持フレームを画像形成装置本体の正規位置に確実に位置決めできる。
【0011】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記感光体ドラムを露光して前記感光体ドラムに静電潜像を形成する露光手段と、前記検出手段が前記被係止手段に係止した前記係止手段を検出しなければ前記露光手段へ電源を供給しない第1チート回路と、を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の画像形成装置では、露光手段が感光体ドラムを露光して感光体ドラムに静電潜像を形成する。ここで、係止手段が、被係止手段に係止されず、検出手段によって検出されなければ、第1チート回路は、露光手段へ電源を供給しない。
【0013】
このため、露光手段が、画像形成装置本体の正規位置から外れた位置に位置する感光体ドラムを露光することが無く、露光位置が感光体ドラムの有効画像形成領域から外れることを未然に防止できる。
【0014】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1又は2に記載の画像形成装置であって、高電圧を発生して前記感光体ドラムを帯電又は除電する高電圧発生手段と、前記検出手段が前記被係止手段に係止した前記係止手段を検出しなければ前記高電圧発生手段へ電源を供給しない第2チート回路と、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の画像形成装置では、高電圧発生手段が高電圧を発生して感光体ドラムを帯電又は除電する。ここで、係止手段が、被係止手段に係止されず、検出手段によって検出されなければ、第2チート回路が高電圧発生手段へ電源を供給しない。
【0016】
このため、支持フレームが画像形成装置本体の正規位置に装着されていない状態では高電圧発生手段の端子が露出されるような場合に、作業者が露出された高電圧発生手段の端子に触れたとしても感電の恐れは無い。
【0017】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置であって、前記検出手段、前記被係止手段を前記画像形成装置本体に設け、前記検出手段を前記被係止手段の奥側に配置し、作業者が前記検出手段に触れることを防止したことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の画像形成装置では、被係止手段が画像形成装置本体に設けられ、検出手段が画像形成装置本体の被係止手段の奥側に設けられており、ユーザーやサービスマン等の作業者が検出手段に触れることによる支持フレームの誤検出が防止されている。これによって、支持フレームが画像形成本体に装着されていない状態で、露光手段、高電圧発生手段が作動されることを防止でき、作業者が露光手段からの光を受けたり、高電圧発生手段の高電圧に感電すること等を防止できる。
【0019】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置であって、前記支持フレームを、前記画像形成装置本体から抜き出す方向へ付勢し、前記係止手段を前記被係止手段に係止させるフレーム付勢手段を有することを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の画像形成装置では、フレーム付勢手段が、支持フレームを、画像形成装置から抜き出す方向へ付勢し、係止手段を被係止手段に係止させている。これによって、感光体ドラム、支持フレームが画像形成装置本体の正規位置に確実に位置決めされる。
【0021】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項5に記載の画像形成装置であって、前記フレーム付勢手段は、前記画像形成装置本体に回転可能に設けられて前記感光体ドラムの回転軸に連結され、前記画像形成装置本体の駆動源によって回転駆動されて前記感光体ドラムを回転させる連結部材と、前記連結部材を前記抜き出す方向へ付勢する連結部材付勢手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の画像形成装置では、感光体ドラムの回転軸に連結される連結部材が、画像形成装置本体に回転可能に設けられており、画像形成装置本体の駆動源によって回転されることで、感光体ドラムが回転される。ここで、連結部材は、連結部材付勢手段によって、支持フレームを画像形成装置本体から抜き出す方向へ付勢されている。これによって、連結部材に連結された感光体ドラム、及び感光体ドラムを支持する支持フレームが、画像形成装置本体から抜き出す方向へ付勢され、係止手段が被係止手段に係止される。
【0023】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項5に記載の画像形成装置であって、前記フレーム付勢手段は、前記感光体ドラムの回転軸に取付けられたドラム側はす歯歯車と、前記画像形成装置本体に回転可能に設けられて前記ドラム側はす歯歯車に連結され、前記画像形成装置本体の駆動源によって回転駆動されて前記感光体ドラムを回転させると共に、前記ドラム側はす歯歯車に前記抜き出す方向へのスラスト力を付与する本体側はす歯歯車と、を有することを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載の画像形成装置では、ドラム側はす歯歯車が感光体ドラムの回転軸に取付けられている。また、画像形成装置本体には、ドラム側はす歯歯車に連結される本体側はす歯歯車が回転可能に設けられており、この本体側はす歯歯車が画像形成装置本体の駆動源によって回転駆動されることで、感光体ドラムが回転される。
【0025】
ここで、本体側はす歯歯車は、ドラム側はす歯歯車と噛合って回転することで、ドラム側はす歯歯車に、支持フレームを画像形成装置本体から抜き出す方向へのスラスト力を付与する。これによって、感光体ドラム及び支持フレームが、画像形成装置本体から抜き出す方向へ付勢され、係止手段が被係止手段に係止される。
【0026】
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項5乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置であって、前記被係止手段が、前記画像形成装置本体に設けられた係止用の板材で、前記係止手段が、前記支持フレームに回動可能に支持され、前記係止用の板材に係止される係止用の突起が設けられたフックであり、前記フックを前記係止部材に向けて付勢するフック付勢手段を備え、前記係止用の板材に係止される前記係止用の突起の係止面と、前記フックの回動中心から前記係止面と前記係止用の板材との接触点まで延びる直線との角度を90°以下としたことを特徴とする。
【0027】
請求項8に記載の画像形成装置では、支持フレームが画像形成装置本体に装着されると、支持フレームがフレーム付勢手段によって画像形成装置本体から抜き出す方向に付勢され、支持フレームに回動可能に支持されたフックがフック付勢手段によって、画像形成装置本体に設けられた係止用の板材に向けて付勢され、フックに設けられた係止用の突起の係止面が、係止用の板材に係止される。これによって、支持フレームが画像形成装置本体の正規位置に位置決めされる。
【0028】
ここで、フレーム付勢手段の付勢力が大きい場合、係止用の板材から係止用の突起の係止面へ作用する反力でフックがフック付勢手段の付勢力に抗して回動して係止用の板材から外れる恐れがある。
【0029】
このため、係止用の突起の係止面と、この係止面と係止用の板材との接触点まで延びる直線との角度を90°以下とし、この直線と反力の向きを同じにすることで、上記反力が、係止面に対して、フックの回動方向の係止解除側へ作用しないようにしている。
【発明の効果】
【0030】
本発明は上記構成にしたので、感光体ドラムを支持する支持フレームが画像形成装置本体に感光体ドラムの軸方向に着脱可能とされた画像形成装置において、画像形成装置本体の正規位置に装着されていない支持フレームを誤って検出することを防止できる。また、作業者が誤って検出手段に触れてしまうことによる支持フレームの誤検出を防止でき、さらに、フレーム付勢手段の付勢力によってフックが係止用の板材から外れてしまうことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0032】
図1に示すように、モノクロレーザービームプリンタ(以下、プリンタと言う)10は、感光体ドラム12にトナー像を形成し、感光体ドラム12から搬送される用紙Pへトナー像を転写する画像形成部14を備える。この画像形成部14の下方には複数の給紙カセット16がプリンタ本体18に挿抜可能に設けられている。
【0033】
給紙カセット16には用紙Pが積層されており、給紙カセット16の搬送方向下流端部にはピックアップロール20が設けられている。このピックアップロール20は、最上位の用紙Pに当接し、回転駆動されて用紙Pを1枚ずつ給紙カセット16から搬送方向下流側へ送り出す。
【0034】
そして、ピックアップロール20よりも下流側の搬送路Lは上方に向けて延出し、そして、折返されて水平方向に延出して画像形成部14に到達する。この搬送路Lに沿って複数の搬送ロール22が配設されている。また、プリンタ本体18の外部から用紙Pを給紙するための手差しトレイ24が、搬送路Lの縦搬送路L1に面して配設されており、手差しトレイ24の搬送方向下流端部には、手差しトレイ24にセットされた用紙Pを縦搬送路L1に送るピックアップロール26が配設されている。
【0035】
また、搬送路Lの水平搬送路L2には、用紙Pを保持して水平方向に搬送する搬送ベルト28が配設されている。この搬送ベルト28の上面に面して感光体ドラム12が配設され、搬送ベルト28の裏側に配設された転写ロール30が搬送ベルト28の上面を感光体ドラム12に押し当てている。
【0036】
そして、感光体ドラム12の周囲には、回転方向(図中反時計回り方向)に順に、クリーニング用帯電チャージャー32、クリーニングブレード34、帯電チャージャー36、現像ロール38、除電チャージャー40、転写ロール30が配設されている。
【0037】
クリーニング用帯電チャージャー32は、転写後の感光面を帯電して、用紙Pに転写されずに残留したトナーと感光体ドラム12との静電吸着力を低下させる。そして、クリーニングブレード34が感光体ドラム12上の未転写残留トナーを掻き落す。感光体ドラム12の右側には廃トナーボックス42が設けられており、クリーニングブレード34によって感光体ドラム12から掻き落されたトナーがこの廃トナーボックス42に回収される。
【0038】
また、帯電チャージャー36が、感光体ドラム12を一様に帯電する。そして、感光体ドラム12の上方には光走査装置44が配設されており、この光走査装置44が、感光体ドラム12の帯電面にレーザー光を走査させ、感光体ドラム12に静電潜像を形成する。
【0039】
そして、現像ロール38が感光体ドラム12の静電潜像をトナーで現像するわけだが、現像ロール38が設けられた現像器46には攪拌スクリュー48が回転可能に設けられており、この攪拌スクリュー48が回転駆動されて現像器46内のトナーが攪拌されながら現像ロール38に供給される。また、現像器46の図中左側にはトナーカートリッジ50が配設されている。このトナーカートリッジ50にはトナーが充填されたトナータンク52と、スクリューオーガ54が設けられており、スクリューオーガ54が回転駆動されるとトナータンク52からトナー供給路(図示省略)を介して現像器46内にトナーが供給される。
【0040】
そして、除電チャージャー40が、感光体ドラム12のトナー像が形成された面を除電し、転写ロール30が感光体ドラム12から用紙Pへトナー像を転写させる。トナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト28によって水平方向に搬送され、搬送ベルト28の水平方向に配設された定着器56に突入する。定着器56では、ヒートロール58に加圧ロール60が圧接されており、用紙Pがヒートロール58と加圧ロール60によって狭持搬送される際に加圧加熱されることで、トナーが溶融し用紙Pに定着する。そして、定着器56から送り出された用紙Pは排出ロール62によって排紙トレイ64へ排紙される。
【0041】
ここで、感光体ドラム12、クリーニング用帯電チャージャー32、クリーニングブレード34、帯電チャージャー36、除電チャージャー40、トナーボックス42は、感光体ドラム12を回転可能に支持する支持フレーム66に収容されて1つのユニットとなっており、このユニットをプロセスカートリッジ11と称する。
【0042】
図2に示すように、このプロセスカートリッジ11は、プリンタ本体18に感光体ドラム12の軸方向へ着脱可能となっている。プリンタ本体18の感光体ドラム12が装着される装着部19には、プロセスカートリッジ11の有り無しを検出するマイクロスイッチ68が設けられ、プロセスカートリッジ11には、マイクロスイッチ68のレバー68Aを押すアクチュエータであるフック70が設けられている。
【0043】
図3に示すように、支持フレーム66の上面の着脱方向手前側の端部には、フック70が回動可能に支持されている。フック70は、長手方向一端部を支持フレーム66に支持され、長手方向他端部に上向きのフック部70Aが形成されている。また、フック70と支持フレーム66との間には圧縮コイルバネ72が設けられており、この圧縮コイルバネ72によってフック70が上向きに付勢されている。なお、フック70は、図示しないストッパによって、水平になる位置で圧縮コイルバネ72の付勢力による回動を停止される。
【0044】
一方、マイクロスイッチ68は、装着部19の着脱方向手前側に設けられた支持部材74に取付けられている。図2、図3に示すように、支持部材74はL字状の板材で、マイクロスイッチ68はレバー68Aを下向きにして側壁74Aに取付けられている。また、図3(A)に示すように、側壁74Aの下端部から水平方向に延出した係止片74Bはフック部70Aと当接する高さに配置されている。この係止片74Bに当接するフック部70Aの面はテーパになっており、図3(B)に示すように、プロセスカートリッジ11が装着部19に挿入され、フック部70Aが係止片74Bに当接すると、フック70は、圧縮コイルバネ72の付勢力に抗して押し下げられ、係止片74Bの下を通過する。
【0045】
ここで、図3(C)に示すように、係止片74Bには係止用の孔74Cが形成されており、フック部70Aがこの係止用の孔74Cの下まで移動すると、フック70は、圧縮コイルバネ72の付勢力で持ち上げられ、フック部70Aを係止用の孔74Cに挿入させる。
【0046】
マイクロスイッチ68は、係止用の孔74Cの上方に配置されており、係止用の孔74Cに挿入されたフック部70Aによってレバー68Aを押上げられ、スイッチがオンになるようになっている。
【0047】
また、フック70の長手方向一端部にはフック70の長手方向と直交する方向に突出する把持部71が設けられており、この把持部71を図中時計回り方向に押すことでフック70の係止片74Bとの係止を解除できる。
【0048】
また、感光体ドラム12の回転軸12Aは支持フレーム66の奥側へ突出しており、この回転軸12Aの支持フレーム66から突出した部分にはカップリング76が取付けられている。また、装着部19の感光体ドラム12の回転軸12Aの延長線上には、プリンタ本体18に設けられた駆動源によって回転駆動される回転軸78が設けられており、この回転軸78にはカップリング80が摺動可能に取付けられている。このカップリング80は、圧縮コイルバネ82によってカップリング76に押し当てられる。また、カップリング76、80の当接面には係合可能な凸と凹の形状が形成されている。
【0049】
これによって、感光体ドラム12の回転軸12Aとプリンタ本体18の回転軸78が連結されるので、回転軸78を回転駆動することで感光体ドラム12を回転させることができる。
【0050】
また、プロセスカートリッジ11は、圧縮コイルバネ82によって、プリンタ本体18から抜き出す方向(図中矢印A方向)へ付勢されているので、フック部70Aが、必ず係止用の孔74Cの孔壁74C´に押し当てられる。従って、プロセスカートリッジ11は、常に装着部19内の同じ位置に位置決めされる。
【0051】
ここで、プロセスカートリッジ11がフック70等によって位置決めされる位置がプロセスカートリッジ11の正規位置であるが、図3(B)に示すように、プロセスカートリッジ11が正規位置から抜け出している時は、フック70がマイクロスイッチ68のレバー68Aに接触せず、図3(C)に示すように、プロセスカートリッジ11が正規位置に位置決めされている時のみ、フック70がマイクロスイッチ68のレバー68Aを押し上げ、マイクロスイッチ68をオンにする。
【0052】
即ち、プロセスカートリッジ11が装着部19の正規位置に装着されていない状態で、マイクロスイッチ68がオンになることは有り得ない。また、マイクロスイッチ68は係止片74Bよりも奥側に設けられ、ユーザーやサービスマン等がマイクロスイッチ68に直接触れることができないようになっている。
【0053】
従って、プロセスカートリッジ11が装着部19の正規位置に装着されていないにも関わらず、プロセスカートリッジ11が装着部19に装着されたと誤って検出されることを確実に防止できる。
【0054】
ところで、図2に示すように、プロセスカートリッジ11や現像器46等が着脱されるプリンタ本体18の側面18Aには、側面18Aを開閉するカバー(図示省略)と、このカバーの開閉を検出するインターロックスイッチ(図示省略)が設けられている。このインターロックスイッチは、チート回路に接続されている。即ち、カバーが閉じられ、インターロックスイッチがオンになると、クリーニング用帯電チャージャー32、帯電チャージャー36、除電チャージャー40に高電圧を発生させる高電圧発生回路84(図3参照)、及び光走査装置44(図1、図3参照)に電源が供給され、プリント動作が可能となる。反対に、カバーが開かれ、インターロックスイッチがオフになると、高電圧発生回路84、及び光走査装置44への電源供給が切断され、高電圧の発生、レーザー光の射出が不能となる。
【0055】
そして、本実施形態では、図3に示すように、上述したインターロックスイッチに接続されたチート回路の他に、マイクロスイッチ68に光走査装置44と高電圧発生回路84を接続したチート回路86を設けている。即ち、プロセスカートリッジ11が装着部19の正規位置に装着され、マイクロスイッチ68がオンになると、光走査装置44と高電圧発生回路84に電源が供給され、反対に、プロセスカートリッジ11が装着部19の正規位置から外され、マイクロスイッチ68がオフになると、光走査装置44と高電圧発生回路84への電源供給が切断される。
【0056】
これによって、光走査装置44が、プリンタ本体18の正規位置から外れた感光体ドラム12を露光することが無く、露光位置が感光体ドラム12の有効画像形成領域から外れることを未然に防止できる。
【0057】
また、例えばインターロックスイッチの故障等でカバーが開いていることが検出されなかったとしても、プロセスカートリッジ11が装着部19の正規位置に装着されていない限り、光走査装置44、高電圧発生回路84が作動不能となる。このため、プロセスカートリッジ11を装着部19に着脱しているユーザーやサービスマン等が光走査装置44から射出されたレーザー光を受けること、及び、ユーザーやサービスマン等が高電圧発生回路84の端子に触れて感電することを確実に防止できる。
【0058】
次に、フック70のフック部70Aの形状について説明する。
【0059】
図4に示すように、フック70は、長手方向一端部を支持フレーム66に回動可能に支持され、長手方向他端部には、係止片74Bに向って突出した突起であるフック部70Aが形成されている。このフック部70Aは、台形状をしており、係止用の孔74Cの孔壁74C´に係止される係止面70Bが長手方向一端側へ傾斜している。
【0060】
ここで、プロセスカートリッジ11を装着部19から抜け出す方向へ付勢する圧縮コイルバネ82の付勢力が大きい場合、孔壁74C´から係止面70Bへ作用する反力で、フック70が圧縮コイルバネ72の付勢力に抗して回動してフック部70Aが係止用の孔74Cから抜け出す恐れがある。このため、フック70の回動中心70Cから係止面70Bと孔壁74C´との接触点Pまで延出する直線X(図中鎖線で図示)と、係止面70Bとの角度αを、90°以下として直線Xと上記反力の向きを同じにすることで、上記反力が、係止面70Bに対して、フック70の回動方向の係止解除側へ作用しないようにしている。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明は省略する。
【0062】
図5(A)に示すように、プロセスカートリッジ100では、感光体ドラム12の回転軸12Aが支持フレーム66の奥側へ突出しており、この回転軸12Aの支持フレーム66から突出した部分にははす歯歯車102が取付けられている。また、装着部19の最奥部にはプリンタ本体18に設けられた駆動源によって回転駆動される回転軸104が設けられており、この回転軸104に、はす歯歯車106が取付けられている。図5(B)に示すように、プロセスカートリッジ100が装着部19に装着され、はす歯歯車106が、はす歯歯車102に連結され、回転軸104が回転駆動されることで、感光体ドラム12が回転される。
【0063】
ここで、図5(C)に示すように、はす歯歯車106がはす歯歯車102と噛合って回転すると、はす歯歯車102にはスラスト力Qが作用するが、このスラスト力Qが、プロセスカートリッジ100が装着部19から抜け出す方向(図中矢印A方向)に作用するように、はす歯歯車102、106の歯の向き、及び回転方向が設定されている。このため、回転軸104が回転駆動されると、感光体ドラム12が回転されると共に、プロセスカートリッジ100が装着部19から抜け出す方向へ付勢される。従って、フック部70Aが、必ず係止用の孔74Cの孔壁74C´に押し当てられるので、プロセスカートリッジ100は、常に装着部19内の同じ位置に位置決めされる。
【0064】
また、本実施形態では、第1実施形態のマイクロスイッチ68に換えてフォトセンサ108が設けられている。このフォトセンサ108は、支持部材74の側壁74Aに取付けられており、被係止部材74Bに係止されたフック部70Aを検出する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施形態のモノクロレーザープリンタの概略を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態のモノクロレーザープリンタのプロセスカートリッジを示す斜視図である。
【図3】(A)〜(C)は、本発明の第1実施形態のモノクロレーザープリンタのプロセスカートリッジとプリンタ本体との着脱機構を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態のモノクロレーザープリンタのプロセスカートリッジのフックの形状を示す図である。
【図5】(A)〜(C)は、本発明の第2実施形態のモノクロレーザープリンタのプロセスカートリッジとプリンタ本体との着脱機構を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
10 モノクロレーザープリンタ(画像形成装置)
12 感光対ドラム
18 プリンタ本体(画像形成装置本体)
32 クリーニング用帯電チャージャー(高電圧発生手段)
36 帯電チャージャー(高電圧発生手段)
40 除電チャージャー(高電圧発生手段)
44 光走査装置(露光手段)
66 支持フレーム
68 マイクロスイッチ(検出手段)
70 フック(係止手段)
70A フック部(係止用の突起)
70B 係止面
72 圧縮コイルバネ(フック付勢手段)
74B 係止片(係止用の板材)
78 回転軸
80 カップリング(連結部材)
82 圧縮コイルバネ(フレーム付勢手段)
86 チート回路(第1チート回路、第2チート回路)
102 はす歯歯車(ドラム側はす歯歯車)
106 はす歯歯車(本体側はす歯歯車)
108 フォトセンサ(検出手段)
P 用紙(記録媒体)
Q スラスト力
X 直線
α 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持して転写媒体に転写する感光体ドラムと、
前記感光体ドラムを支持し、画像形成装置本体に前記感光体ドラムの軸方向に着脱可能とされた支持フレームと、
前記支持フレーム又は前記画像形成装置本体に設けられた係止手段と、
前記画像形成装置本体又は前記支持フレームに設けられ、前記支持フレームが前記画像形成装置本体の正規位置に装着されると前記係止手段が係止する被係止手段と、
前記画像形成装置本体又は前記支持フレームに設けられ、前記被係止手段に係止した前記係止手段を検出する検出手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記感光体ドラムを露光して前記感光体ドラムに静電潜像を形成する露光手段と、
前記検出手段が前記被係止手段に係止した前記係止手段を検出しなければ前記露光手段へ電源を供給しない第1チート回路と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
高電圧を発生して前記感光体ドラムを帯電又は除電する高電圧発生手段と、
前記検出手段が前記被係止手段に係止した前記係止手段を検出しなければ前記高電圧発生手段へ電源を供給しない第2チート回路と、
を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検出手段、前記被係止手段を前記画像形成装置本体に設け、前記検出手段を前記被係止手段の奥側に配置し、作業者が前記検出手段に触れることを防止したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記支持フレームを、前記画像形成装置本体から抜き出す方向へ付勢し、前記係止手段を前記被係止手段に係止させるフレーム付勢手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記フレーム付勢手段は、
前記画像形成装置本体に回転可能に設けられて前記感光体ドラムの回転軸に連結され、前記画像形成装置本体の駆動源によって回転駆動されて前記感光体ドラムを回転させる連結部材と、
前記連結部材を前記抜き出す方向へ付勢する連結部材付勢手段と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記フレーム付勢手段は、
前記感光体ドラムの回転軸に取付けられたドラム側はす歯歯車と、
前記画像形成装置本体に回転可能に設けられて前記ドラム側はす歯歯車に連結され、前記画像形成装置本体の駆動源によって回転駆動されて前記感光体ドラムを回転させると共に、前記ドラム側はす歯歯車に前記抜き出す方向へのスラスト力を付与する本体側はす歯歯車と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記被係止手段が、前記画像形成装置本体に設けられた係止用の板材で、
前記係止手段が、前記支持フレームに回動可能に支持され、前記係止用の板材に係止される係止用の突起が設けられたフックであり、
前記フックを前記係止部材に向けて付勢するフック付勢手段を備え、
前記係止用の板材に係止される前記係止用の突起の係止面と、前記フックの回動中心から前記係止面と前記係止用の板材との接触点まで延びる直線との角度を90°以下としたことを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−30420(P2006−30420A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206696(P2004−206696)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】