画像形成装置
【課題】 回転体の軸ブレを無くすことで軸精度を向上し、回転体駆動手段の外形を大きくできることで回転ムラが小さく精度が向上する構造の画像形成装置を提供する。
【解決手段】 画像形成装置の本体は、回転体ユニット50を貫通支持する軸64と、軸64を保持する保持部材60とを有し、保持部材60は回転体ユニット50を挿入する方向に対して前部で軸64を貫通支持する第一軸保持部材61と、回転体ユニット50を挿入する方向に対して後部で軸64を貫通支持する第二軸保持部材63とを有することを特徴とする。
【解決手段】 画像形成装置の本体は、回転体ユニット50を貫通支持する軸64と、軸64を保持する保持部材60とを有し、保持部材60は回転体ユニット50を挿入する方向に対して前部で軸64を貫通支持する第一軸保持部材61と、回転体ユニット50を挿入する方向に対して後部で軸64を貫通支持する第二軸保持部材63とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体に像担持体や現像ローラ等の回転体を保持する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式複写機やプリンタ等の画像形成装置において、装置本体の側板に軸支され、チェーンスプロケット8によって回転駆動されるドラム駆動軸と、像担持体ドラムの端部に嵌合して固定された樹脂フランジに設けられた駆動軸受け部とを嵌合することで像担持体ドラムを位置決めし、ドラム駆動軸に保持した駆動伝達子を樹脂フランジに設けられた駆動伝達子受け部に係合することで像担持体ドラムを回転させる構造がある(特許文献1)。
【0003】
また、他の構造として、本体に設けられたはす歯ギヤであるドラム駆動ギヤが像担持体ドラムの一端に固定されたはす歯ギヤであるドラムギヤに嵌合し像担持体ドラムを回転させる構造がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開昭62−65049号公報
【特許文献1】特開昭63−4252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では像担持体ドラムの軸が両端部別の部材で構成されているので、軸同士の同軸度が低下し、軸のぶれも大きくなり、像担持体ドラムの位置精度が低下してしまう。特に、複数の像担持体ドラムを並べたタンデム型カラープリンタ等の場合、各色のトナーを数十ミクロンメーターの精度で重ね合わせないと所望の色が得られないので、同軸度や軸のぶれが精度を低下させる大きな要因となる。
【0005】
また、像担持体ドラムをギヤにより駆動する場合、ギヤはより大きい方がギヤ歯数も多くなり、精度が向上し、回転ムラが小さくなって品質が向上する。しかしながら、像担持体ドラムにギヤがある場合には、プロセスカートリッジの外形よりギヤの外形が大きいと、プロセスカートリッジ交換時に画像形成装置の中間転写体等にギヤが引っ掛かり、着脱が困難になる。
【0006】
本発明は上記課題を解決し、回転体の軸ブレを無くすことで軸精度を向上し、回転体駆動手段の外形を大きくできることで回転ムラが小さく精度が向上する構造の画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するものであって、回転体を有する回転体ユニットを本体に着脱自在に保持する画像形成装置において、前記画像形成装置の本体は、前記回転体ユニットを貫通支持する軸と、前記軸を保持する保持部材とを有し、前記保持部材は前記回転体ユニットを挿入する方向に対して前部で前記軸を貫通支持する第一軸保持部材と、前記回転体ユニットを挿入する方向に対して後部で前記軸を貫通支持する第二軸保持部材とを有することを特徴とする。
【0008】
また、前記第二軸保持部材は、開閉可能であることを特徴とする。
【0009】
また、前記画像形成装置の本体側には、前記回転体を駆動する回転体駆動部を有し、前記回転体駆動部は回転体駆動手段を有し、前記回転体駆動手段は前記回転体が挿入された状態で前記第一軸保持部材と前記回転体との間に配置され、前記画像形成装置の本体側に保持されることを特徴とする。
【0010】
また、前記回転体駆動手段は、前記回転体ユニット差し込み方向から投影した場合に、前記回転体ユニットより大きい部分を有することを特徴とする。
【0011】
また、前記軸は、非回転であることを特徴とする。
【0012】
また、前記回転体駆動手段は、軸方向にスライド可能なことを特徴とする。
【0013】
また、前記回転体駆動部は、前記回転体と前記回転体駆動手段との間を連結し軸方向にスライド可能なカップリングを有することを特徴とする。
【0014】
また、前記保持部材は前記回転体駆動部を保持する回転体駆動手段保持部材を有し、前記回転体駆動部は、前記軸と同心円の溝を有する前記回転体駆動手段と、前記回転体駆動手段保持部材に保持されるホルダと、前記ホルダ内で回転体と前記回転体駆動手段との間を連結し軸方向にスライド可能なカップリングと、前記カップリングをスライド可能にする弾性部材とを有し、前記カップリングの少なくとも一部は前記回転体駆動手段の前記溝内部に移動可能なことを特徴とする。
【0015】
また、前記回転体ユニットは、前記回転体を前記回転体ユニット挿入方向前部側に押し付ける加圧機構を有することを特徴とする。
【0016】
また、前記画像形成装置は、前記回転体ユニット及び前記回転体駆動部を複数具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回転体の軸を貫通軸にできるので、軸ブレが少なくなり位置精度が向上すると共に、回転体駆動手段の外形を大きくできるので、回転ムラが小さくなり品質が向上する。また、回転体駆動手段の脱落を防止し、ギヤのかみ合いがはずれるのを防止できる。さらに、軸が非回転である場合、真直度分の振れが発生しないので高精度に回転体を回転することができる。また、回転体駆動部にスライド可能な部材を設けたので、回転体と回転体駆動手段との位相を合わせ、連結することが簡単になり、回転体ユニットのセットがスムーズにできる。さらに、カップリングの少なくとも一部は回転体駆動手段の溝内部に移動可能なので、軸方向のスペースを短縮できる。また、回転体ユニットは、回転体を回転体ユニット挿入方向前部側に押し付ける加圧機構を有するので、回転体を一方向に片寄せできる。さらに、回転体ユニット及び回転体駆動部を複数具備し、回転体ユニットを軸保持部材で保持するので、部品点数が少なく且つ位置精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の画像形成装置の1実施形態であり全体構成を示す模式的断面図、図2は図1の転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの拡大図である。なお、以下の説明において、各図面間で同一の構成については、同一番号を付して説明を省略する場合がある。本実施形態は転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。
【0019】
図1において、本実施形態の画像形成装置1は、本体の一例としてのハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4と、を有し、さらに第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3'を備え、開閉蓋3'は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
【0020】
ハウジング本体2内には、電源回路基板および制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6および給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成であり、その場合には、転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0021】
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に当接されるクリーニング手段17とを備え、従動ローラ15および中間転写ベルト16が駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されている。これにより中間転写ベルト16駆動時のベルト搬送方向が下向きになるベルト面16aが下方に位置するようにされている。本実施形態においては、前記ベルト面16aはベルト駆動時のベルト張り面(駆動ローラ14により引っ張られる面)である。
【0022】
上記駆動ローラ14および従動ローラ15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。
【0023】
駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成する2次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ14の周面には、図2に示すように、厚さ3mm程度、体積抵抗率が105Ω・cm以下のゴム層14aが形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、2次転写ローラ19を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ14に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層14aを設けることにより、2次転写部へ記録媒体が進入する際の衝撃が中間転写ベルト16に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
【0024】
また、本実施形態においては、駆動ローラ14の径を従動ローラ15の径より小さくしている。これにより、2次転写後の記録媒体が記録媒体自身の弾性力で剥離し易くすることができる。また、従動ローラ15をクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用させている。クリーニング手段17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられている。図2に示すように、二次転写後に中間転写ベルト16の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレード17aと、回収したトナーを搬送するトナー搬送部材17bを備え、クリーニングブレード17aは、従動ローラ15への中間転写ベルト16の巻きかけ部において中間転写ベルト16に当接されている。
【0025】
また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる1次転写部材21がその弾性力で当接され、1次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正するためのセンサである。
【0026】
画像形成ユニット6は、複数(本実施形態では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用),M(マゼンタ用),C(シアン用),K(ブラック用)を備え、図2に詳しく示すように、各画像形成ステーションY,M,C,Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段23および現像手段24を有している。なお、各画像形成ステーションY,M,C,Kの配置順序は任意である。
【0027】
そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY,M,C,Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。
【0028】
帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、像担持体である像担持体20と同一方向に回転し、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。導電性ブラシローラは、直径5〜8mmの良導電性軸部材(例えば金属軸)の表面へ太さが2〜6デニールで原糸抵抗が107〜109Ωの半導電性繊維を平方インチあたり15万〜43万本パイル織り植毛した生地をスパイラル状に巻き付けて構成され、像担持体20に対する接触深さが0.3〜0.5mmとなるように回転可能に保持している。
【0029】
像担持体20として負帯電性の像担持体を用いる場合、ブラシローラへ印加する電圧は、直流成分−300〜−500Vに対して周波数1KHz程度の交流成分を800〜1300V重畳させた電圧を用いることが望ましい。また、本実施形態のようにクリーナレス構成の画像形成方法を用いる場合には、非画像形成時にブラシローラへトナーと帯電極性と逆極性のバイアスを印加することでブラシローラに付着した転写残りトナーを像担持体20に放出させ、一次転写部で中間転写ベルト16上に転写して中間転写ベルト16のクリーニング手段17で回収する構成とすることが望ましい。
【0030】
このような帯電手段22を用いることで極めて少ない電流によって像担持体表面を帯電させることができるので、コロナ帯電方式のように装置内外を多量のオゾンによって汚染することがない。また、像担持体20との当接がソフトであるので、ローラ帯電方式を用いた時に発生する転写残りトナーの帯電ローラや像担持体への固着も発生しにくく、安定した画質と装置の信頼性を確保することができる。
【0031】
像書込手段23は、発光ダイオードやバックライトを備えた液晶シャッタ等の素子を像担持体20の軸方向に列状に配列したアレイ状書込ヘッドを用いている。アレイ状書込ヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20、帯電手段22および像書込手段23を像担持体ユニット25(図2)としてユニット化することにより、アレイ状書込ヘッドの位置決めを保持する構成とし、像担持体ユニット25の交換時にはアレイ状書込ヘッドを含めて交換し、新たな像担持体ユニットに対して光量調整や位置決めを行って再使用を行う構成としている。
【0032】
次に、現像手段24の詳細について、図2の画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施形態においては、各画像ステーションY,M,C,Kが斜め方向に配設され、かつ像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像手段24として特別の構成を採用している。
【0033】
すなわち、現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30と、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31および像担持体17に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とから構成されている。
【0034】
像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラ33および供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給され、供給されたトナーはブレード32と摺擦して供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ33の表面に供給される。現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さの層厚に規制され、薄層化したトナー層は、像担持体20へと搬送されて現像ローラ33と像担持体20が接触して構成するニップ部及びこの近傍で像担持体20の潜像部を現像する。
【0035】
図1に戻り、給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。
第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14および中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0036】
二次転写ユニット11は、固定軸41に回動自在に枢支された回動レバー42と、回動レバー42の一端に回動自在に設けられた二次転写ローラ19と、回動レバー42の他端と第1の開閉部材3間に配設されたスプリング43とを備え、常時は、二次転写ローラ19がスプリング43の付勢により図示矢印方向に移動し、中間転写ベルト16および駆動ローラ14に押圧可能にされている。回動レバー42のスプリング43側には偏心カム44が設けられ、回動レバー42、スプリング43および偏心カム44は、二次転写ローラ19の離当接手段を構成している。そして、偏心カム44の回動により、回動レバー42がスプリング43に抗して回動し二次転写ローラ19を中間転写ベルト16から離れるようにされている。
【0037】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有し、記録媒体に2次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。本実施形態においては、中間転写ベルト16の斜め上方に形成される空間、換言すれば、中間転写ベルト16に対して画像形成ユニット6と反対側の空間に定着ユニット12を配設することが可能になり、電装品ボックス5、画像形成ユニット6および中間転写ベルト16への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。
【0038】
本実施形態の画像形成装置においては、図1に示すように、ハウジング本体2内に中間転写ベルト16および各画像形成ステーションY,M,C,Kを斜めに配置し、電装品ボックス5を各画像形成ステーションY,M,C,Kの鉛直下方に配置している。そして、電装品ボックス5内の電源回路や、駆動回路、制御回路等の電気回路からの配線(図1の二点鎖線で示す)をコネクタ50を介して、一次転写部材21、帯電手段22、像書込手段23、テストパターンセンサ18に着脱自在に接続させている。なお、第1の開閉部材3内の二次転写ユニット11、定着ユニット12等にもコネクタ50を介して配線してもよく、あるいは第1の開閉部材3の回動軸3bの付近を通して配線してもよい。
【0039】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が電装品ボックス5内の制御回路に入力されると、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20、現像手段24の各ローラ、および中間転写ベルト16が回転駆動される。
(2)像担持体20の表面が帯電手段22によって一様に帯電される。
(3)各画像形成ステーションY,M,C,Kにおいて一様に帯電した像担持体20の表面に、像書込手段23によって各色の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、各色用の静電潜像が形成される。
(4)それぞれの像担持体20に形成された静電潜像が現像手段24によりトナー像が現像される。
(5)中間転写ベルト16の1次転写部材21には、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、像担持体20上に形成されたトナー像が一次転写部において中間転写ベルト16の移動に伴って順次、中間転写ベルト16上に重ねて転写される。
(6)この1次画像を1次転写した中間転写ベルト16の移動に同期して、給紙カセット35に収納された記録媒体Pが、レジストローラ対37を経て2次転写ローラ19に給送される。
(7)1次転写画像は、2次転写部位で記録媒体と同期合流し、押圧機構によって中間転写ベルト16の駆動ローラ14に向かって押圧された2次転写ローラ19で、1次転写画像とは逆極性のバイアスが印加され、中間転写ベルト16上に形成された1次転写画像は、同期給送された記録媒体に2次転写される。
(8)2次転写に於ける転写残りのトナーは、従動ローラ15方向へと搬送されて、このローラ15に対向して配置したクリーニング手段17によって掻き取られ、そして、中間転写ベルト16はリフレッシュされて再び上記サイクルの繰り返しを可能にされる。
(9)記録媒体が定着手段12を通過することによって記録媒体上のトナー像が定着し、その後、記録媒体が所定の位置に向け(両面印刷でない場合には排紙トレイ4に向け、両面印刷の場合には両面プリント用搬送路40に向け)搬送される。
【0040】
次に本発明の特徴について説明する。図3は本発明の画像形成装置の一実施形態を示す図である。図中、50は回転体ユニットの一例としての像担持体ユニット、51は回転体の一例としての像担持体、52はハブ、52aは接続部、54は筺体、60は保持部材、61は第一軸保持部材の一例としての第一外側板、62は回転体駆動手段保持部材の一例としての内側板、62aは回転体駆動手段保持部の一例としての像担持体駆動ギヤ保持部、63は第二軸保持部材の一例としての第二外側板、64は軸、70は回転体駆動部の一例としての像担持体駆動部、71は回転体駆動手段の一例としての像担持体駆動ギヤ、71aは接続部、71bは歯、71cは溝である。
【0041】
像担持体ユニット50は、像担持体51、ハブ52、筺体54を有する。像担持体51は、端部にハブ52が設けられ、円筒形状の部材であり、中心に軸64が貫通する孔を有している。ハブ52は、像担持体51の端部に設けられ、像担持体駆動部70側と接続する接続部52aを有する。接続部52aは、駆動力を伝達する形状の歯を有する。筺体54は、軸64に支持される部材である。
【0042】
保持部材60は、第一外側板61、内側板62、第二外側板63及び軸64を有する。第一外側板61及び第二外側板63は、像担持体ユニット50及び回転体駆動部70の外側に設けられ、軸64を支持する部材であり、板金や樹脂からなり、第一外側板61は軸64を回転可能又は非回転に着脱不能に支持し、第二外側板63は開閉可能である。内側板62は、第一外側板61と第二外側板63との間、像担持体ユニット50と像担持体駆動部70との間に設けられ、板金や樹脂からなる。像担持体駆動手段保持部62aは、内側板62に形成され、後述する像担持体駆動手段71の溝71c内部に突出した部分である。保持部材60は、導電材を使用して像担持体51のアースとして使用しても良い。
【0043】
像担持体駆動部70は、像担持体駆動ギヤ71を有する。像担持体駆動ギヤ71は、第一外側板61と内側板62との間で軸64に支持され、図示しないモータ等の駆動力により回転駆動され、該駆動力により像担持体ユニット50を駆動するものである。接続部71aは、像担持体51のハブ52に設けられた接続部52aと接続し、駆動力を像担持体51に伝達する部分である。歯71bは、像担持体駆動ギヤ71の外周に設けられ、図示しないモータ等の駆動力を受ける部分である。溝71cは、軸64の貫通する貫通穴の外側に環状に設けられた凹部であり、内側板62の像担持体駆動手段保持部62aが内部に突出している部分である。
【0044】
上記保持部材60に像担持体駆動部70を組み付ける際は、保持部材60の第一外側板61の外側から軸状の治具を穴に挿入し、像担持体駆動ギヤ71と内側板62とを順に該治具に嵌め込むことで組み付ける。
【0045】
このような画像形成装置の像担持体ユニット50、保持部材60及び像担持体駆動部70を使用する際は、まず、第二外側部材63を開き像担持体ユニット50を挿入する。この時、像担持体ユニット50が挿入されていない状態では図示しないモータ等又は像担持体駆動部70が駆動しないように設定するとよい。次に、像担持体ユニット50を挿入した後、図示しないモータ等の駆動力により像担持体駆動ギヤ71が回転駆動され、該像担持体駆動ギヤ71の駆動力が接続部71aからハブ52の接続部52aを介して像担持体51に伝達されることで作動される。なお、この時、軸64は像担持体51と共に回転しても非回転でもよい。軸64を非回転にすると軸自体の真直度分の振れが発生しなくなり、像担持体51を高精度に回転することができる。このように軸64を支持する第一外側板61を、像担持体51の挿入方向から見て像担持体駆動ギヤ71の裏側に具備したので、軸64を像担持体51に対して貫通軸にすることが可能となり、像担持体51の位置精度が向上する。
【0046】
図4は像担持体ユニット50を挿入する前の本実施形態の斜視図である。像担持体ユニット50を挿入する際は、第二外側板63を開き、軸64に像担持体ユニット50を挿入し、その後第二外側板63を閉じればよい。
【0047】
図5は、像担持体51のハブ52に設けた接続部52aと像担持体駆動ギヤ71の接続部71aの他の実施形態を示す。どちらの接続部52a、71aも台形状の山と谷が交互にあり、一方向の回転のみ駆動力が伝達される形状となっている。
【0048】
図6及び図7は、保持部材60の他の実施形態を示す図であり、図6は斜視図、図7は断面図である。図中、61aは第一延出部、61bは第二延出部である。第一延出部61aは、第一外側板61から像担持体駆動ギヤ71外周の外側を内方に延出した部分であり、第二延出部61bは第一延出部61aからさらに像担持体駆動ギヤ71中心に向かって延出した部分である。この実施形態は内側板62を設けずに像担持体駆動ギヤ71を保持できるような構造となっている。この場合、第一外側板61を弾性変形可能な樹脂製にすると像担持体駆動ギヤ71の組み付けが容易になる。このように内側板62を使用しなくても良いので、部品点数が減少し、製作コストが安価になると共に組み付けが容易になる。
【0049】
図8は、像担持体駆動ギヤ71の他の実施形態を示す図である。図中、71dは凸部である。この実施形態では、像担持体駆動ギヤ71の凸部71dが第一外側板61に支持される構造となっており、その他の部分は図3と同様の構造である。
【0050】
図9は、像担持体駆動ギヤ71の他の実施形態を示す図である。この実施形態では像担持体駆動ギヤ71の外形を像担持体51や筺体54の外形より大きくする。すなわち、像担持体駆動ギヤ71の外形は、像担持体ユニット50の差し込み方向から投影した場合に、像担持体ユニットより大きい部分を有する。像担持体駆動ギヤ71は、像担持体ユニット50と別体であり、軸64を支持する第一外側板61を、像担持体51の挿入方向から見て像担持体駆動ギヤ71の裏側に具備したので、像担持体51や筺体54の外形より大きくすることが可能となる。そして、像担持体駆動ギヤ71の歯数が増え、精度が向上し、回転ムラが減少するので、品質が向上する。
【0051】
図10は、像担持体駆動部70の他の実施形態を示す図であり、図10(a)は像担持体ユニット50を挿入する前の図、図10(b)は像担持体ユニット50を挿入した後の図である。図中、72は回転体駆動部バネの一例としての像担持体駆動部バネである。この実施形態では、第一外側板61と像担持体駆動ギヤ71との間にバネ72を設置する。このように像担持体駆動部バネ72を設置することで、図10(a)で示したように、像担持体ユニット50を挿入する前又は抜いた後、像担持体駆動ギヤ71重力の影響で全体的に落下することのないように保持すると共に、図10(b)で示したように、像担持体ユニット50の挿入時に、像担持体51と像担持体駆動ギヤ71との接続部51a,71aで位相が合わず凹凸がぶつかる場合でも、像担持体駆動部バネ72が縮むことで、像担持体駆動ギヤ71が軸64方向にスライド可能なので、第二外側板63を閉じることができ、その後像担持体51が回転することで位相が合致し、像担持体51と像担持体駆動ギヤ71とが接続する。
【0052】
図11及び図12は、本発明の他の実施形態を示す図である。図中、52bは第二接続凸部、55は加圧機構の一例としての像担持体バネ、62bは穴、71eは第一接続凸部、73はホルダ、73aは突出部、74はカップリング、74aは第一接続凹部、74bは第二接続凹部、74cは壁、75は弾性部材の一例としてのカップリングバネである。本実施形態では、像担持体駆動ギヤ71の接続部71aとハブ52の接続部52aとをホルダ73、カップリング74、カップリングバネ75を介して接続する。
【0053】
ホルダ73は、突出部73aを内側板62の穴62bに陥入することで固定された円筒状の部材で、カップリング74及びカップリングバネ75を内包する。カップリング74は、ホルダ73に内包された円筒状の部材で内周に第一接続凹部74a、第二接続凹部74b及び壁74cを有する。第一接続凹部74aは、像担持体駆動ギヤ71の接続部71aに設けた第一接続凸部71eと軸方向スライド可能に結合する。第二接続凹部74bは、ハブ52の接続部52aに設けた第二接続凸部52bと軸方向スライド可能に結合する。像担持体駆動ギヤ71の接続部71aに設けた第一接続凸部71eとカップリング74の第一接続凹部74aとは、円周方向には相対的にあまり移動しないようにし、ハブ52の接続部52aに設けた第二接続凸部52bとカップリング74の第二接続凹部74bとは、第二接続凹部74bを円周方向に大きくすることで、円周方向に相対的に回動可能にする。このような構造とすることで、像担持体駆動ギヤ71の接続部71aに設けた第一接続凸部71eとカップリング74の第一接続凹部74aとは、駆動力が瞬時に伝達されるようにすると共に、ハブ52の接続部52aに設けた第二接続凸部52bとカップリング74の第二接続凹部74bとは、像担持体ユニット50を本体へ組み付ける際に差し込み易くすることができる。壁74cは、像担持体駆動ギヤ71の接続部71aとハブ52の接続部52aとを隔てるもので、カップリング74の内周に設けられる。
【0054】
カップリングバネ75は、ホルダ73の内周で像担持体駆動ギヤ71とカップリング74との間に設けられ、カップリング74を軸方向スライド可能にするスプリングバネで、通常はカップリング74を第二外側板62の方向に付勢している。
【0055】
このような構造とすることで、像担持体ユニット50が保持部材60に差し込まれると、まずハブ52の接続部52aがカップリング74に挿入される。この時、接続部52aの第二接続凸部52bがカップリング74の第二接続凹部74b内に嵌入した状態であればそのまま差し込まれる。しかし、接続部52aの第二接続凸部52bがカップリング74の第二接続凹部74b内に嵌入しなかった場合は、カップリング74全体がカップリングバネ75の付勢力に反して軸方向にスライドし、第二外側板62を閉鎖することができる。その後、駆動する時に像担持体駆動ギヤ71が回転することで接続部52aの第二接続凸部52bがカップリング74の第二接続凹部74b内に嵌入する。すなわち、像担持体ユニット50のハブ52と像担持体駆動ギヤ71との位相を考慮しなくても、像担持体ユニット50を容易にセットすることができる。また、ホルダ73を像担持体駆動ギヤ71の溝71c内に位置させることで、軸方向のスペースを短縮することもできる。
【0056】
次に像担持体バネ55について説明する。像担持体バネ55は、像担持体ユニット50の筺体54内で像担持体51と筺体54との間に設けられ、像担持体51を軸方向で像担持体駆動ギヤ71側、像担持体51を像担持体ユニット51の挿入方向前部側に付勢するものである。このような構造とすることで、像担持体駆動ギヤ71と像担持体との結合を確実なものとすることができる。なお、本実施形態では、バネとしたが、これに限らず、像担持体51を軸方向で像担持体駆動ギヤ71側に付勢又は加圧するものであれば何でもよい。
【0057】
図13は、第二外側板63側から見た斜視図である。軸64は、第一外側部材61と第二外側板63とで支持されており、第二外側板63を貫通している。このような構造とすることで、軸64はより安定し、像担持体51の位置精度が向上する。また、像担持体51を複数具備し、それらの軸64を一枚の第一外側板61と一枚の第二外側板63とで支持することで、部品の積み上げ精度が向上し、像担持体51の位置精度が向上する。
【0058】
なお、本実施形態ではすべて回転体として像担持体ユニット50を例に説明したが、図14のように筺体54を設けない回転体、例えば現像ローラや帯電ローラ等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す図
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す図
【図3】本発明の一実施形態を示す図
【図4】像担持体ユニットを挿入する前の状態を示す図
【図5】接続部の他の実施形態を示す図
【図6】保持部材の他の実施形態を示す斜視図
【図7】保持部材の他の実施形態を示す図
【図8】像担持体駆動ギヤの他の実施形態を示す図
【図9】像担持体駆動ギヤの他の実施形態を示す図
【図10】像担持体駆動部の他の実施形態を示す図
【図11】本発明の他の実施形態を示す図
【図12】本発明の他の実施形態を示す図
【図13】像担持体駆動ギヤの他の実施形態を示す図
【図14】本発明の他の実施形態を示す図
【符号の説明】
【0060】
25,50…像担持体ユニット(回転体ユニット)、20,51…像担持体(回転体)、52…ハブ、52a…接続部、52bは第二接続凸部、54…筺体、60…保持部材、61…第一外側板(第一軸保持部材)、61a…第一延出部、61b…第二延出部、62…内側板(回転体駆動手段保持部材)、62a…像担持体駆動ギヤ保持部(回転体駆動手段保持部)、62b…穴、63…第二外側板(第二軸保持部材)、64…軸、70…像担持体駆動部(回転体駆動部)、71…像担持体駆動ギヤ(回転体駆動手段)、71a…接続部、71b…歯、71c…溝、71d…凸部、71e…第一接続凸部、72…像担持体駆動部バネ(回転体駆動部バネ)73…ホルダ、73a…突出部、74…カップリング、74a…第一接続凹部、74b…第二接続凹部、74c…壁、75…カップリングバネ(弾性部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体に像担持体や現像ローラ等の回転体を保持する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式複写機やプリンタ等の画像形成装置において、装置本体の側板に軸支され、チェーンスプロケット8によって回転駆動されるドラム駆動軸と、像担持体ドラムの端部に嵌合して固定された樹脂フランジに設けられた駆動軸受け部とを嵌合することで像担持体ドラムを位置決めし、ドラム駆動軸に保持した駆動伝達子を樹脂フランジに設けられた駆動伝達子受け部に係合することで像担持体ドラムを回転させる構造がある(特許文献1)。
【0003】
また、他の構造として、本体に設けられたはす歯ギヤであるドラム駆動ギヤが像担持体ドラムの一端に固定されたはす歯ギヤであるドラムギヤに嵌合し像担持体ドラムを回転させる構造がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開昭62−65049号公報
【特許文献1】特開昭63−4252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では像担持体ドラムの軸が両端部別の部材で構成されているので、軸同士の同軸度が低下し、軸のぶれも大きくなり、像担持体ドラムの位置精度が低下してしまう。特に、複数の像担持体ドラムを並べたタンデム型カラープリンタ等の場合、各色のトナーを数十ミクロンメーターの精度で重ね合わせないと所望の色が得られないので、同軸度や軸のぶれが精度を低下させる大きな要因となる。
【0005】
また、像担持体ドラムをギヤにより駆動する場合、ギヤはより大きい方がギヤ歯数も多くなり、精度が向上し、回転ムラが小さくなって品質が向上する。しかしながら、像担持体ドラムにギヤがある場合には、プロセスカートリッジの外形よりギヤの外形が大きいと、プロセスカートリッジ交換時に画像形成装置の中間転写体等にギヤが引っ掛かり、着脱が困難になる。
【0006】
本発明は上記課題を解決し、回転体の軸ブレを無くすことで軸精度を向上し、回転体駆動手段の外形を大きくできることで回転ムラが小さく精度が向上する構造の画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するものであって、回転体を有する回転体ユニットを本体に着脱自在に保持する画像形成装置において、前記画像形成装置の本体は、前記回転体ユニットを貫通支持する軸と、前記軸を保持する保持部材とを有し、前記保持部材は前記回転体ユニットを挿入する方向に対して前部で前記軸を貫通支持する第一軸保持部材と、前記回転体ユニットを挿入する方向に対して後部で前記軸を貫通支持する第二軸保持部材とを有することを特徴とする。
【0008】
また、前記第二軸保持部材は、開閉可能であることを特徴とする。
【0009】
また、前記画像形成装置の本体側には、前記回転体を駆動する回転体駆動部を有し、前記回転体駆動部は回転体駆動手段を有し、前記回転体駆動手段は前記回転体が挿入された状態で前記第一軸保持部材と前記回転体との間に配置され、前記画像形成装置の本体側に保持されることを特徴とする。
【0010】
また、前記回転体駆動手段は、前記回転体ユニット差し込み方向から投影した場合に、前記回転体ユニットより大きい部分を有することを特徴とする。
【0011】
また、前記軸は、非回転であることを特徴とする。
【0012】
また、前記回転体駆動手段は、軸方向にスライド可能なことを特徴とする。
【0013】
また、前記回転体駆動部は、前記回転体と前記回転体駆動手段との間を連結し軸方向にスライド可能なカップリングを有することを特徴とする。
【0014】
また、前記保持部材は前記回転体駆動部を保持する回転体駆動手段保持部材を有し、前記回転体駆動部は、前記軸と同心円の溝を有する前記回転体駆動手段と、前記回転体駆動手段保持部材に保持されるホルダと、前記ホルダ内で回転体と前記回転体駆動手段との間を連結し軸方向にスライド可能なカップリングと、前記カップリングをスライド可能にする弾性部材とを有し、前記カップリングの少なくとも一部は前記回転体駆動手段の前記溝内部に移動可能なことを特徴とする。
【0015】
また、前記回転体ユニットは、前記回転体を前記回転体ユニット挿入方向前部側に押し付ける加圧機構を有することを特徴とする。
【0016】
また、前記画像形成装置は、前記回転体ユニット及び前記回転体駆動部を複数具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回転体の軸を貫通軸にできるので、軸ブレが少なくなり位置精度が向上すると共に、回転体駆動手段の外形を大きくできるので、回転ムラが小さくなり品質が向上する。また、回転体駆動手段の脱落を防止し、ギヤのかみ合いがはずれるのを防止できる。さらに、軸が非回転である場合、真直度分の振れが発生しないので高精度に回転体を回転することができる。また、回転体駆動部にスライド可能な部材を設けたので、回転体と回転体駆動手段との位相を合わせ、連結することが簡単になり、回転体ユニットのセットがスムーズにできる。さらに、カップリングの少なくとも一部は回転体駆動手段の溝内部に移動可能なので、軸方向のスペースを短縮できる。また、回転体ユニットは、回転体を回転体ユニット挿入方向前部側に押し付ける加圧機構を有するので、回転体を一方向に片寄せできる。さらに、回転体ユニット及び回転体駆動部を複数具備し、回転体ユニットを軸保持部材で保持するので、部品点数が少なく且つ位置精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の画像形成装置の1実施形態であり全体構成を示す模式的断面図、図2は図1の転写ベルトユニットおよび画像形成ユニットの拡大図である。なお、以下の説明において、各図面間で同一の構成については、同一番号を付して説明を省略する場合がある。本実施形態は転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。
【0019】
図1において、本実施形態の画像形成装置1は、本体の一例としてのハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4と、を有し、さらに第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3'を備え、開閉蓋3'は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
【0020】
ハウジング本体2内には、電源回路基板および制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6および給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成であり、その場合には、転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
【0021】
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に当接されるクリーニング手段17とを備え、従動ローラ15および中間転写ベルト16が駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されている。これにより中間転写ベルト16駆動時のベルト搬送方向が下向きになるベルト面16aが下方に位置するようにされている。本実施形態においては、前記ベルト面16aはベルト駆動時のベルト張り面(駆動ローラ14により引っ張られる面)である。
【0022】
上記駆動ローラ14および従動ローラ15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。
【0023】
駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成する2次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ14の周面には、図2に示すように、厚さ3mm程度、体積抵抗率が105Ω・cm以下のゴム層14aが形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、2次転写ローラ19を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ14に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層14aを設けることにより、2次転写部へ記録媒体が進入する際の衝撃が中間転写ベルト16に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
【0024】
また、本実施形態においては、駆動ローラ14の径を従動ローラ15の径より小さくしている。これにより、2次転写後の記録媒体が記録媒体自身の弾性力で剥離し易くすることができる。また、従動ローラ15をクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用させている。クリーニング手段17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられている。図2に示すように、二次転写後に中間転写ベルト16の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレード17aと、回収したトナーを搬送するトナー搬送部材17bを備え、クリーニングブレード17aは、従動ローラ15への中間転写ベルト16の巻きかけ部において中間転写ベルト16に当接されている。
【0025】
また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる1次転写部材21がその弾性力で当接され、1次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正するためのセンサである。
【0026】
画像形成ユニット6は、複数(本実施形態では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用),M(マゼンタ用),C(シアン用),K(ブラック用)を備え、図2に詳しく示すように、各画像形成ステーションY,M,C,Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段23および現像手段24を有している。なお、各画像形成ステーションY,M,C,Kの配置順序は任意である。
【0027】
そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY,M,C,Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。
【0028】
帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、像担持体である像担持体20と同一方向に回転し、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。導電性ブラシローラは、直径5〜8mmの良導電性軸部材(例えば金属軸)の表面へ太さが2〜6デニールで原糸抵抗が107〜109Ωの半導電性繊維を平方インチあたり15万〜43万本パイル織り植毛した生地をスパイラル状に巻き付けて構成され、像担持体20に対する接触深さが0.3〜0.5mmとなるように回転可能に保持している。
【0029】
像担持体20として負帯電性の像担持体を用いる場合、ブラシローラへ印加する電圧は、直流成分−300〜−500Vに対して周波数1KHz程度の交流成分を800〜1300V重畳させた電圧を用いることが望ましい。また、本実施形態のようにクリーナレス構成の画像形成方法を用いる場合には、非画像形成時にブラシローラへトナーと帯電極性と逆極性のバイアスを印加することでブラシローラに付着した転写残りトナーを像担持体20に放出させ、一次転写部で中間転写ベルト16上に転写して中間転写ベルト16のクリーニング手段17で回収する構成とすることが望ましい。
【0030】
このような帯電手段22を用いることで極めて少ない電流によって像担持体表面を帯電させることができるので、コロナ帯電方式のように装置内外を多量のオゾンによって汚染することがない。また、像担持体20との当接がソフトであるので、ローラ帯電方式を用いた時に発生する転写残りトナーの帯電ローラや像担持体への固着も発生しにくく、安定した画質と装置の信頼性を確保することができる。
【0031】
像書込手段23は、発光ダイオードやバックライトを備えた液晶シャッタ等の素子を像担持体20の軸方向に列状に配列したアレイ状書込ヘッドを用いている。アレイ状書込ヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20、帯電手段22および像書込手段23を像担持体ユニット25(図2)としてユニット化することにより、アレイ状書込ヘッドの位置決めを保持する構成とし、像担持体ユニット25の交換時にはアレイ状書込ヘッドを含めて交換し、新たな像担持体ユニットに対して光量調整や位置決めを行って再使用を行う構成としている。
【0032】
次に、現像手段24の詳細について、図2の画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施形態においては、各画像ステーションY,M,C,Kが斜め方向に配設され、かつ像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像手段24として特別の構成を採用している。
【0033】
すなわち、現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30と、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31および像担持体17に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とから構成されている。
【0034】
像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラ33および供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給され、供給されたトナーはブレード32と摺擦して供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ33の表面に供給される。現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さの層厚に規制され、薄層化したトナー層は、像担持体20へと搬送されて現像ローラ33と像担持体20が接触して構成するニップ部及びこの近傍で像担持体20の潜像部を現像する。
【0035】
図1に戻り、給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。
第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14および中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0036】
二次転写ユニット11は、固定軸41に回動自在に枢支された回動レバー42と、回動レバー42の一端に回動自在に設けられた二次転写ローラ19と、回動レバー42の他端と第1の開閉部材3間に配設されたスプリング43とを備え、常時は、二次転写ローラ19がスプリング43の付勢により図示矢印方向に移動し、中間転写ベルト16および駆動ローラ14に押圧可能にされている。回動レバー42のスプリング43側には偏心カム44が設けられ、回動レバー42、スプリング43および偏心カム44は、二次転写ローラ19の離当接手段を構成している。そして、偏心カム44の回動により、回動レバー42がスプリング43に抗して回動し二次転写ローラ19を中間転写ベルト16から離れるようにされている。
【0037】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有し、記録媒体に2次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。本実施形態においては、中間転写ベルト16の斜め上方に形成される空間、換言すれば、中間転写ベルト16に対して画像形成ユニット6と反対側の空間に定着ユニット12を配設することが可能になり、電装品ボックス5、画像形成ユニット6および中間転写ベルト16への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。
【0038】
本実施形態の画像形成装置においては、図1に示すように、ハウジング本体2内に中間転写ベルト16および各画像形成ステーションY,M,C,Kを斜めに配置し、電装品ボックス5を各画像形成ステーションY,M,C,Kの鉛直下方に配置している。そして、電装品ボックス5内の電源回路や、駆動回路、制御回路等の電気回路からの配線(図1の二点鎖線で示す)をコネクタ50を介して、一次転写部材21、帯電手段22、像書込手段23、テストパターンセンサ18に着脱自在に接続させている。なお、第1の開閉部材3内の二次転写ユニット11、定着ユニット12等にもコネクタ50を介して配線してもよく、あるいは第1の開閉部材3の回動軸3bの付近を通して配線してもよい。
【0039】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(1)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が電装品ボックス5内の制御回路に入力されると、各画像形成ステーションY,M,C,Kの像担持体20、現像手段24の各ローラ、および中間転写ベルト16が回転駆動される。
(2)像担持体20の表面が帯電手段22によって一様に帯電される。
(3)各画像形成ステーションY,M,C,Kにおいて一様に帯電した像担持体20の表面に、像書込手段23によって各色の画像情報に応じた選択的な露光がなされ、各色用の静電潜像が形成される。
(4)それぞれの像担持体20に形成された静電潜像が現像手段24によりトナー像が現像される。
(5)中間転写ベルト16の1次転写部材21には、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、像担持体20上に形成されたトナー像が一次転写部において中間転写ベルト16の移動に伴って順次、中間転写ベルト16上に重ねて転写される。
(6)この1次画像を1次転写した中間転写ベルト16の移動に同期して、給紙カセット35に収納された記録媒体Pが、レジストローラ対37を経て2次転写ローラ19に給送される。
(7)1次転写画像は、2次転写部位で記録媒体と同期合流し、押圧機構によって中間転写ベルト16の駆動ローラ14に向かって押圧された2次転写ローラ19で、1次転写画像とは逆極性のバイアスが印加され、中間転写ベルト16上に形成された1次転写画像は、同期給送された記録媒体に2次転写される。
(8)2次転写に於ける転写残りのトナーは、従動ローラ15方向へと搬送されて、このローラ15に対向して配置したクリーニング手段17によって掻き取られ、そして、中間転写ベルト16はリフレッシュされて再び上記サイクルの繰り返しを可能にされる。
(9)記録媒体が定着手段12を通過することによって記録媒体上のトナー像が定着し、その後、記録媒体が所定の位置に向け(両面印刷でない場合には排紙トレイ4に向け、両面印刷の場合には両面プリント用搬送路40に向け)搬送される。
【0040】
次に本発明の特徴について説明する。図3は本発明の画像形成装置の一実施形態を示す図である。図中、50は回転体ユニットの一例としての像担持体ユニット、51は回転体の一例としての像担持体、52はハブ、52aは接続部、54は筺体、60は保持部材、61は第一軸保持部材の一例としての第一外側板、62は回転体駆動手段保持部材の一例としての内側板、62aは回転体駆動手段保持部の一例としての像担持体駆動ギヤ保持部、63は第二軸保持部材の一例としての第二外側板、64は軸、70は回転体駆動部の一例としての像担持体駆動部、71は回転体駆動手段の一例としての像担持体駆動ギヤ、71aは接続部、71bは歯、71cは溝である。
【0041】
像担持体ユニット50は、像担持体51、ハブ52、筺体54を有する。像担持体51は、端部にハブ52が設けられ、円筒形状の部材であり、中心に軸64が貫通する孔を有している。ハブ52は、像担持体51の端部に設けられ、像担持体駆動部70側と接続する接続部52aを有する。接続部52aは、駆動力を伝達する形状の歯を有する。筺体54は、軸64に支持される部材である。
【0042】
保持部材60は、第一外側板61、内側板62、第二外側板63及び軸64を有する。第一外側板61及び第二外側板63は、像担持体ユニット50及び回転体駆動部70の外側に設けられ、軸64を支持する部材であり、板金や樹脂からなり、第一外側板61は軸64を回転可能又は非回転に着脱不能に支持し、第二外側板63は開閉可能である。内側板62は、第一外側板61と第二外側板63との間、像担持体ユニット50と像担持体駆動部70との間に設けられ、板金や樹脂からなる。像担持体駆動手段保持部62aは、内側板62に形成され、後述する像担持体駆動手段71の溝71c内部に突出した部分である。保持部材60は、導電材を使用して像担持体51のアースとして使用しても良い。
【0043】
像担持体駆動部70は、像担持体駆動ギヤ71を有する。像担持体駆動ギヤ71は、第一外側板61と内側板62との間で軸64に支持され、図示しないモータ等の駆動力により回転駆動され、該駆動力により像担持体ユニット50を駆動するものである。接続部71aは、像担持体51のハブ52に設けられた接続部52aと接続し、駆動力を像担持体51に伝達する部分である。歯71bは、像担持体駆動ギヤ71の外周に設けられ、図示しないモータ等の駆動力を受ける部分である。溝71cは、軸64の貫通する貫通穴の外側に環状に設けられた凹部であり、内側板62の像担持体駆動手段保持部62aが内部に突出している部分である。
【0044】
上記保持部材60に像担持体駆動部70を組み付ける際は、保持部材60の第一外側板61の外側から軸状の治具を穴に挿入し、像担持体駆動ギヤ71と内側板62とを順に該治具に嵌め込むことで組み付ける。
【0045】
このような画像形成装置の像担持体ユニット50、保持部材60及び像担持体駆動部70を使用する際は、まず、第二外側部材63を開き像担持体ユニット50を挿入する。この時、像担持体ユニット50が挿入されていない状態では図示しないモータ等又は像担持体駆動部70が駆動しないように設定するとよい。次に、像担持体ユニット50を挿入した後、図示しないモータ等の駆動力により像担持体駆動ギヤ71が回転駆動され、該像担持体駆動ギヤ71の駆動力が接続部71aからハブ52の接続部52aを介して像担持体51に伝達されることで作動される。なお、この時、軸64は像担持体51と共に回転しても非回転でもよい。軸64を非回転にすると軸自体の真直度分の振れが発生しなくなり、像担持体51を高精度に回転することができる。このように軸64を支持する第一外側板61を、像担持体51の挿入方向から見て像担持体駆動ギヤ71の裏側に具備したので、軸64を像担持体51に対して貫通軸にすることが可能となり、像担持体51の位置精度が向上する。
【0046】
図4は像担持体ユニット50を挿入する前の本実施形態の斜視図である。像担持体ユニット50を挿入する際は、第二外側板63を開き、軸64に像担持体ユニット50を挿入し、その後第二外側板63を閉じればよい。
【0047】
図5は、像担持体51のハブ52に設けた接続部52aと像担持体駆動ギヤ71の接続部71aの他の実施形態を示す。どちらの接続部52a、71aも台形状の山と谷が交互にあり、一方向の回転のみ駆動力が伝達される形状となっている。
【0048】
図6及び図7は、保持部材60の他の実施形態を示す図であり、図6は斜視図、図7は断面図である。図中、61aは第一延出部、61bは第二延出部である。第一延出部61aは、第一外側板61から像担持体駆動ギヤ71外周の外側を内方に延出した部分であり、第二延出部61bは第一延出部61aからさらに像担持体駆動ギヤ71中心に向かって延出した部分である。この実施形態は内側板62を設けずに像担持体駆動ギヤ71を保持できるような構造となっている。この場合、第一外側板61を弾性変形可能な樹脂製にすると像担持体駆動ギヤ71の組み付けが容易になる。このように内側板62を使用しなくても良いので、部品点数が減少し、製作コストが安価になると共に組み付けが容易になる。
【0049】
図8は、像担持体駆動ギヤ71の他の実施形態を示す図である。図中、71dは凸部である。この実施形態では、像担持体駆動ギヤ71の凸部71dが第一外側板61に支持される構造となっており、その他の部分は図3と同様の構造である。
【0050】
図9は、像担持体駆動ギヤ71の他の実施形態を示す図である。この実施形態では像担持体駆動ギヤ71の外形を像担持体51や筺体54の外形より大きくする。すなわち、像担持体駆動ギヤ71の外形は、像担持体ユニット50の差し込み方向から投影した場合に、像担持体ユニットより大きい部分を有する。像担持体駆動ギヤ71は、像担持体ユニット50と別体であり、軸64を支持する第一外側板61を、像担持体51の挿入方向から見て像担持体駆動ギヤ71の裏側に具備したので、像担持体51や筺体54の外形より大きくすることが可能となる。そして、像担持体駆動ギヤ71の歯数が増え、精度が向上し、回転ムラが減少するので、品質が向上する。
【0051】
図10は、像担持体駆動部70の他の実施形態を示す図であり、図10(a)は像担持体ユニット50を挿入する前の図、図10(b)は像担持体ユニット50を挿入した後の図である。図中、72は回転体駆動部バネの一例としての像担持体駆動部バネである。この実施形態では、第一外側板61と像担持体駆動ギヤ71との間にバネ72を設置する。このように像担持体駆動部バネ72を設置することで、図10(a)で示したように、像担持体ユニット50を挿入する前又は抜いた後、像担持体駆動ギヤ71重力の影響で全体的に落下することのないように保持すると共に、図10(b)で示したように、像担持体ユニット50の挿入時に、像担持体51と像担持体駆動ギヤ71との接続部51a,71aで位相が合わず凹凸がぶつかる場合でも、像担持体駆動部バネ72が縮むことで、像担持体駆動ギヤ71が軸64方向にスライド可能なので、第二外側板63を閉じることができ、その後像担持体51が回転することで位相が合致し、像担持体51と像担持体駆動ギヤ71とが接続する。
【0052】
図11及び図12は、本発明の他の実施形態を示す図である。図中、52bは第二接続凸部、55は加圧機構の一例としての像担持体バネ、62bは穴、71eは第一接続凸部、73はホルダ、73aは突出部、74はカップリング、74aは第一接続凹部、74bは第二接続凹部、74cは壁、75は弾性部材の一例としてのカップリングバネである。本実施形態では、像担持体駆動ギヤ71の接続部71aとハブ52の接続部52aとをホルダ73、カップリング74、カップリングバネ75を介して接続する。
【0053】
ホルダ73は、突出部73aを内側板62の穴62bに陥入することで固定された円筒状の部材で、カップリング74及びカップリングバネ75を内包する。カップリング74は、ホルダ73に内包された円筒状の部材で内周に第一接続凹部74a、第二接続凹部74b及び壁74cを有する。第一接続凹部74aは、像担持体駆動ギヤ71の接続部71aに設けた第一接続凸部71eと軸方向スライド可能に結合する。第二接続凹部74bは、ハブ52の接続部52aに設けた第二接続凸部52bと軸方向スライド可能に結合する。像担持体駆動ギヤ71の接続部71aに設けた第一接続凸部71eとカップリング74の第一接続凹部74aとは、円周方向には相対的にあまり移動しないようにし、ハブ52の接続部52aに設けた第二接続凸部52bとカップリング74の第二接続凹部74bとは、第二接続凹部74bを円周方向に大きくすることで、円周方向に相対的に回動可能にする。このような構造とすることで、像担持体駆動ギヤ71の接続部71aに設けた第一接続凸部71eとカップリング74の第一接続凹部74aとは、駆動力が瞬時に伝達されるようにすると共に、ハブ52の接続部52aに設けた第二接続凸部52bとカップリング74の第二接続凹部74bとは、像担持体ユニット50を本体へ組み付ける際に差し込み易くすることができる。壁74cは、像担持体駆動ギヤ71の接続部71aとハブ52の接続部52aとを隔てるもので、カップリング74の内周に設けられる。
【0054】
カップリングバネ75は、ホルダ73の内周で像担持体駆動ギヤ71とカップリング74との間に設けられ、カップリング74を軸方向スライド可能にするスプリングバネで、通常はカップリング74を第二外側板62の方向に付勢している。
【0055】
このような構造とすることで、像担持体ユニット50が保持部材60に差し込まれると、まずハブ52の接続部52aがカップリング74に挿入される。この時、接続部52aの第二接続凸部52bがカップリング74の第二接続凹部74b内に嵌入した状態であればそのまま差し込まれる。しかし、接続部52aの第二接続凸部52bがカップリング74の第二接続凹部74b内に嵌入しなかった場合は、カップリング74全体がカップリングバネ75の付勢力に反して軸方向にスライドし、第二外側板62を閉鎖することができる。その後、駆動する時に像担持体駆動ギヤ71が回転することで接続部52aの第二接続凸部52bがカップリング74の第二接続凹部74b内に嵌入する。すなわち、像担持体ユニット50のハブ52と像担持体駆動ギヤ71との位相を考慮しなくても、像担持体ユニット50を容易にセットすることができる。また、ホルダ73を像担持体駆動ギヤ71の溝71c内に位置させることで、軸方向のスペースを短縮することもできる。
【0056】
次に像担持体バネ55について説明する。像担持体バネ55は、像担持体ユニット50の筺体54内で像担持体51と筺体54との間に設けられ、像担持体51を軸方向で像担持体駆動ギヤ71側、像担持体51を像担持体ユニット51の挿入方向前部側に付勢するものである。このような構造とすることで、像担持体駆動ギヤ71と像担持体との結合を確実なものとすることができる。なお、本実施形態では、バネとしたが、これに限らず、像担持体51を軸方向で像担持体駆動ギヤ71側に付勢又は加圧するものであれば何でもよい。
【0057】
図13は、第二外側板63側から見た斜視図である。軸64は、第一外側部材61と第二外側板63とで支持されており、第二外側板63を貫通している。このような構造とすることで、軸64はより安定し、像担持体51の位置精度が向上する。また、像担持体51を複数具備し、それらの軸64を一枚の第一外側板61と一枚の第二外側板63とで支持することで、部品の積み上げ精度が向上し、像担持体51の位置精度が向上する。
【0058】
なお、本実施形態ではすべて回転体として像担持体ユニット50を例に説明したが、図14のように筺体54を設けない回転体、例えば現像ローラや帯電ローラ等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す図
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す図
【図3】本発明の一実施形態を示す図
【図4】像担持体ユニットを挿入する前の状態を示す図
【図5】接続部の他の実施形態を示す図
【図6】保持部材の他の実施形態を示す斜視図
【図7】保持部材の他の実施形態を示す図
【図8】像担持体駆動ギヤの他の実施形態を示す図
【図9】像担持体駆動ギヤの他の実施形態を示す図
【図10】像担持体駆動部の他の実施形態を示す図
【図11】本発明の他の実施形態を示す図
【図12】本発明の他の実施形態を示す図
【図13】像担持体駆動ギヤの他の実施形態を示す図
【図14】本発明の他の実施形態を示す図
【符号の説明】
【0060】
25,50…像担持体ユニット(回転体ユニット)、20,51…像担持体(回転体)、52…ハブ、52a…接続部、52bは第二接続凸部、54…筺体、60…保持部材、61…第一外側板(第一軸保持部材)、61a…第一延出部、61b…第二延出部、62…内側板(回転体駆動手段保持部材)、62a…像担持体駆動ギヤ保持部(回転体駆動手段保持部)、62b…穴、63…第二外側板(第二軸保持部材)、64…軸、70…像担持体駆動部(回転体駆動部)、71…像担持体駆動ギヤ(回転体駆動手段)、71a…接続部、71b…歯、71c…溝、71d…凸部、71e…第一接続凸部、72…像担持体駆動部バネ(回転体駆動部バネ)73…ホルダ、73a…突出部、74…カップリング、74a…第一接続凹部、74b…第二接続凹部、74c…壁、75…カップリングバネ(弾性部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体を有する回転体ユニットを本体に着脱自在に保持する画像形成装置において、前記画像形成装置の本体は、前記回転体ユニットを貫通支持する軸と、前記軸を保持する保持部材とを有し、前記保持部材は前記回転体ユニットを挿入する方向に対して前部で前記軸を貫通支持する第一軸保持部材と、前記回転体ユニットを挿入する方向に対して後部で前記軸を貫通支持する第二軸保持部材とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第二軸保持部材は、開閉可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置の本体側には、前記回転体を駆動する回転体駆動部を有し、前記回転体駆動部は回転体駆動手段を有し、前記回転体駆動手段は前記回転体が挿入された状態で前記第一軸保持部材と前記回転体との間に配置され、前記画像形成装置の本体側に保持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回転体駆動手段は、前記回転体ユニット差し込み方向から投影した場合に、前記回転体ユニットより大きい部分を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記軸は、非回転であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記回転体駆動手段は、軸方向にスライド可能なことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回転体駆動部は、前記回転体と前記回転体駆動手段との間を連結し軸方向にスライド可能なカップリングを有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記保持部材は前記回転体駆動部を保持する回転体駆動手段保持部材を有し、前記回転体駆動部は、前記軸と同心円の溝を有する前記回転体駆動手段と、前記回転体駆動手段保持部材に保持されるホルダと、前記ホルダ内で回転体と前記回転体駆動手段との間を連結し軸方向にスライド可能なカップリングと、前記カップリングをスライド可能にする弾性部材とを有し、前記カップリングの少なくとも一部は前記回転体駆動手段の前記溝内部に移動可能なことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記回転体ユニットは、前記回転体を前記回転体ユニット挿入方向前部側に押し付ける加圧機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置は、前記回転体ユニット及び前記回転体駆動部を複数具備することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項1】
回転体を有する回転体ユニットを本体に着脱自在に保持する画像形成装置において、前記画像形成装置の本体は、前記回転体ユニットを貫通支持する軸と、前記軸を保持する保持部材とを有し、前記保持部材は前記回転体ユニットを挿入する方向に対して前部で前記軸を貫通支持する第一軸保持部材と、前記回転体ユニットを挿入する方向に対して後部で前記軸を貫通支持する第二軸保持部材とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第二軸保持部材は、開閉可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置の本体側には、前記回転体を駆動する回転体駆動部を有し、前記回転体駆動部は回転体駆動手段を有し、前記回転体駆動手段は前記回転体が挿入された状態で前記第一軸保持部材と前記回転体との間に配置され、前記画像形成装置の本体側に保持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回転体駆動手段は、前記回転体ユニット差し込み方向から投影した場合に、前記回転体ユニットより大きい部分を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記軸は、非回転であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記回転体駆動手段は、軸方向にスライド可能なことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回転体駆動部は、前記回転体と前記回転体駆動手段との間を連結し軸方向にスライド可能なカップリングを有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記保持部材は前記回転体駆動部を保持する回転体駆動手段保持部材を有し、前記回転体駆動部は、前記軸と同心円の溝を有する前記回転体駆動手段と、前記回転体駆動手段保持部材に保持されるホルダと、前記ホルダ内で回転体と前記回転体駆動手段との間を連結し軸方向にスライド可能なカップリングと、前記カップリングをスライド可能にする弾性部材とを有し、前記カップリングの少なくとも一部は前記回転体駆動手段の前記溝内部に移動可能なことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記回転体ユニットは、前記回転体を前記回転体ユニット挿入方向前部側に押し付ける加圧機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記画像形成装置は、前記回転体ユニット及び前記回転体駆動部を複数具備することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−121682(P2007−121682A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313811(P2005−313811)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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