説明

画像形成装置

【課題】ジャムが発生した後の復帰動作において、特殊シートに形成される画質を損なうことなく、特殊シートの無駄を解消すること。
【解決手段】特殊シートを含む記録媒体Pを格納する給紙トレイに格納されている記録媒体Pに画像形成処理を施す画像形成部23、画像形成23から排出された記録媒体Pに後処理を施す後処理部2、ジャムが発生した場合、当該ジャムの復帰作業内容を受け付ける操作表示部90、画像形成処理が施された特殊シートを除く記録媒体の束に、画像形成処理された特殊シートを挿入して記録媒体の束を生成させる場合、受け付けられたジャムの復帰作業内容に応じて、ジャムからの復帰後の特殊シートに対する画像形成処理の可否を制御する制御部110、を備える画像形成装置A。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特殊シートを挿入可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タブ位置が相異なるタブ紙や一連の複数の相異なる色のカラーシート等、複数の相異なる種類の特殊シートが所定の順序で配列されて1セットを構成する特殊シート群を使用し、設定されたページに特殊シートを挿入しながらプリントする画像形成装置が知られている。
【0003】
このような特殊シートを挿入して印刷を行う際、画像形成装置内でジャム(紙詰まり)が発生する場合があり、ジャム解除後にプリントを行うと、次に給紙されるべき用紙が正しく給紙されず、特殊シートが挿入されるページにずれが生じてしまうという問題があった。
【0004】
そこで、入力されたジョブに基づいてシート上に画像を形成する画像形成部を有し、当該画像形成部からのシートとは異なるシートを画像形成部から出力されるシートに対して挿入するインサータとを備え、中断されたジョブがインサータを使用するジョブであるか否かに基づいて、中断されたジョブに対するリカバリー動作の実行可否を決定する画像形成装置が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−210754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像形成装置は、リカバリー動作において、特殊シートに画像を形成するか否かを判断していないため、プリント時に設定されたページに特殊シートを挿入しながらプリントした場合におけるリカバリー動作を行う際には、ジャムが発生したシート及び当該シートよりも下流の画像形成部から排出されたシート及び特殊シートを取り除き、取り除かれた特殊シートを含む特殊シート群も取り除いて破棄する場合と、取り除かれた特殊シートを当該特殊シートを含む特殊シート群を格納している給紙トレイに戻す場合と、が知られている。
【0006】
ジャムが発生したシート及び当該シートよりも下流の画像形成部から排出されたシート及び特殊シートを取り除き、取り除かれた特殊シートを含む特殊シート群も取り除き破棄する場合には、当該破棄される特殊シート群が無駄となってしまい、この特殊シートが高価である場合には、無駄にコストを高める要因となっている。
【0007】
一方、ジャムが発生したシート及び当該シートよりも下流の画像形成部から排出されたシート及び特殊シートを取り除き、取り除かれた特殊シートを当該特殊シートを含む特殊シート群を格納している給紙トレイに戻す場合には、戻された特殊シートに画像が形成されている場合、再度、この特殊シートに画像が形成されるため、にじみ等の画質の低下が発生するという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、ジャムが発生した後の復帰動作において、特殊シートに形成される画質を損なうことなく、特殊シートの無駄を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、予め定められた順序で配列されて1セットの特殊シート群を構成する特殊シートを含む記録媒体を格納する記録媒体格納部と、前記記録媒体格納部に格納されている前記記録媒体に画像形成処理を施す画像形成部と、前記画像形成部から排出された前記記録媒体に後処理を施す後処理部と、ジャムが発生した場合、当該ジャムの復帰作業内容を受け付ける操作表示部と、画像形成処理が施された前記特殊シートを除く記録媒体の束に、画像形成処理が施された特殊シートを挿入して記録媒体の束を生成する場合、前記操作表示部により受け付けられた前記ジャムの復帰作業内容に応じて、前記ジャムからの復帰後の前記特殊シートに対する画像形成処理の可否の判別結果に応じて画像形成部を制御する制御部と、を備える画像形成装置であること、を特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記操作表示部は、前記ジャムの復帰作業内容として、前記ジャムが発生した際に、前記記録媒体格納部から給紙済みであって前記後処理部から排出されておらず前記画像形成部により画像形成処理中でない前記特殊シートを前記記録媒体格納部に再格納したか否かの内容を受け付けること、を特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記制御部は、前記操作表示部により、前記ジャムの復帰作業内容として、前記ジャムが発生した際に、前記記録媒体格納部から給紙済みであって前記後処理部から排出されておらず前記画像形成部により画像形成処理中でない前記特殊シートを前記記録媒体格納部に再格納した内容が受け付けられた場合、前記ジャムからの復帰後に前記画像形成部により画像形成される前記特殊シートは、前記ジャムが発生する前に前記記録媒体格納部から給紙された特殊シートか否かを判別する第1判別部と、前記第1判別部により、前記ジャムが発生する前に前記記録媒体格納部から給紙された特殊シートであると判別された場合、当該判別された特殊シートは、前記ジャムが発生する前に前記画像形成部による画像形成処理が終了したか否かを判別する第2判別部と、を有し、前記第2判別部により、前記第1判別部により判別された特殊シートが前記ジャムが発生する前に前記画像形成部による画像形成処理が終了した特殊シートであると判別された場合、当該特殊シートに対して画像形成処理の実行を許可しないこと、を特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザから受け付けられたジャムの復帰作業内容に応じて、特殊シートに対する画像形成処理の可否を制御することができるため、復帰作業内容に応じて、画像形成処理済みの特殊シートに対して再度画像形成処理を施して画質の低下を生じさるという問題を解消でき、また、無駄に再利用可能な特殊シートを破棄させることを解消することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られるのは勿論のこと、給紙済みであって後処理部から排出されておらず画像形成処理中でない特殊シートを記録媒体格納部に再格納したか否かの内容を受け付けることができる、即ち、損傷していない再利用可能な特殊シートを記録媒体格納部に再格納したか否かの復帰作業内容を受け付けることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2と同様の効果を得られるのは勿論のこと、給紙済みであって後処理部から排出されておらず画像形成処理中でない特殊シートを記録媒体格納部に再格納した、即ち、損傷していない再利用可能な特殊シートを記録媒体格納部に再格納したという復帰作業内容を受け付けた場合に、ジャムからの復帰後に画像形成される特殊シートは、ジャムが発生する前に給紙された特殊シートであり、かつ、ジャムが発生する前に画像形成処理が終了した特殊シートである場合、当該特殊シートに対して画像形成処理の実行を許可しないことができるため、記録媒体格納部に再格納された画像形成処理済みの特殊シートに再度画像形成処理を施すことなく再利用することができるため、再度、画像形成処理を施すことによって生じるにじみ等の画質の低下を解消でき、また、特殊シートの無駄な廃棄を解消できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態における画像形成装置Aの概略断面構成図を示す。
【0016】
画像形成装置Aは、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を処理対象紙としての紙等の記録媒体Pに画像形成するコピー機能や、パーソナルコンピュータ等から画像データを含むジョブを受信し、画像データが表す画像を記録媒体P上に形成して出力するプリンタ機能と、画像が形成された記録媒体Pに対して、ステイプル処理、パンチ処理、折り処理、断裁処理、カッティング処理等の後処理を施す後処理機能等を備えたデジタル複合機である。図1に示すように、画像形成装置Aは、本体部1と後処理を行う後処理部2とから構成される。
【0017】
本体部1は、画像読取部10と、プリント部20とから構成される。
なお、本発明を適用可能な本体部1は複合機に限定されず、例えば、複写機、プリンタ等であってもよい。本実施の形態においては、以下、本体部1として電子写真方式の複合機を適用した場合を例として説明する。
【0018】
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部11と読取部12とを備える。
自動原稿送り部11の原稿トレイT1に載置された原稿dは、読取部12の読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、読取部12の光学系により原稿dの片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ12aにより原稿dの画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等のイメージデータに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0019】
読取部12により読み取られた画像(アナログ画像信号)は、後述する画像制御部に出力され、画像制御部においてA/D変換され各種画像処理が施された後、プリント部20に出力される。
【0020】
プリント部20は、入力されたプリントデータに基づいて、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部21、給紙搬送部22、画像形成部23、搬出部24を備えて構成される。
【0021】
給紙部21は、複数の給紙トレイ21a、21b、21c、各給紙トレイ21a、21b、21cに設けられた給紙手段21d、各給紙手段21d近傍に備えられ各給紙トレイ21a、21b、21cから給紙された記録媒体Pを検知する給紙センサSE1、手差しトレイT2等を備える。給紙トレイ21a、21b、21cは、給紙トレイ21a、21b、21c毎に普通紙、裏紙、再生紙、上質紙、タブ紙等の用紙種及びサイズが異なり予め識別されている記録媒体Pが用紙種別及びサイズ別に収容可能となっており、給紙手段21dによって収容された記録媒体P最上部から一枚ずつ給紙搬送部22に向けて搬送される。手差しトレイT2は、ユーザのニーズに合わせて様々な種類の記録媒体Pをその都度積載可能となっており、給紙ローラによって積載された記録媒体Pを最上部から一枚ずつ給紙搬送部22に向けて搬送する。
なお、給紙トレイ21a、21b、21cの数はここに例示したものに限定されず、図示したものより多くても少なくてもよい。
【0022】
本実施の形態において各給紙トレイ21a、21b、21cに格納されている記録媒体Pは、1枚目から順にタブ位置が異なるように配列されたタブ紙や、1枚目から順に色が異なるように配列されたカラーシート等の予め定められた順序で配列されて1セットの特殊シート群を構成する特殊シートと、当該特殊シートを除く記録媒体P(例えば、普通紙、裏紙、再生紙、上質紙等)である。
【0023】
このように、給紙トレイ21a、21b、21c及び手差しトレイT2は、特殊シートを含む記録媒体Pを格納する記録媒体格納部としての機能を実現する。
【0024】
給紙搬送部22は、給紙トレイ21a、21b、21c又は手差しトレイT2から搬送された記録媒体Pを、複数の中間ローラ、レジストローラ22a等を経て転写装置23aへと搬送する。また、給紙搬送部22は、搬送路切換板により、片面画像形成処理済みの記録媒体Pを自動両面給紙搬送路に搬送し、再び中間ローラ、レジストローラ22aを経させて転写装置23aへと搬送する。
【0025】
また、給紙搬送部22には、レジストローラ22aに記録媒体Pが搬送される直前付近に、記録媒体Pの通過の有無を検知するレジストセンサSE2や、各搬送経路上に記録媒体Pの通過の有無を検知する各種センサが設けられている。
【0026】
画像形成部23は、感光体ドラム、帯電装置、画像データを表す光を出力する露光装置、現像装置、転写装置23a、クリーニング部、定着部23bを備えている。
具体的には、帯電装置により帯電された感光体ドラムに露光装置で光を照射して静電潜像を形成する。そして、現像装置は、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面に帯電したトナーを付着させて静電潜像を現像する。現像装置により感光体ドラム上に形成されたトナー像は、転写装置23aにおいて記録媒体Pに転写される。また、記録媒体Pにトナー像が転写された後、感光体ドラムの表面の残留電荷や残留トナー等は、クリーニング部により除去される。そして、定着部23bにおいて、給紙搬送部22によって搬送された記録媒体Pに転写されたトナー像が熱定着される。
【0027】
このように、画像形成部23は、給紙トレイ21a、21b、21cに格納されている記録媒体Pに画像形成処理を施す画像形成部としての機能を実現する。
【0028】
搬出部24は、定着処理された記録媒体Pを排紙ローラに挟持して搬出口24aから後処理部2へ排出する。また、搬出部24には、搬出口24aから後処理部2へ排出された記録媒体Pを検知する本体排紙センサSE3が設けられている。
【0029】
後処理部2は、本体部1により画像が形成された記録媒体Pのソート処理を行うソート部、パンチ穴をあけるパンチ処理を行うパンチユニット、記録媒体の束にステイプルをとめるステイプル処理を行うステイプルユニット、折り処理を行う折りユニット、断裁処理を行う断裁ユニット、カッティング処理を行うカッティングユニット等を備え、各種後処理を行うフィニッシャーである。各種後処理が施された記録媒体Pは、排紙トレイT3に排紙される。また、後処理部2には、排紙トレイT3へ排紙された記録媒体Pを検知する後処理排紙センサSE4が設けられている。
【0030】
なお、後処理部2は、大量の記録媒体Pを収納可能な昇降排紙トレイや、その他の後処理を実行させる後処理ユニットを備える構成であってもよい。
【0031】
このように後処理部2は、本体部1から排出された特殊シートを含む記録媒体Pに後処理を施す後処理部としての機能を実現する。
【0032】
図2に、本実施の形態における画像形成装置Aの制御ブロック図を示す。
図2に示すように、画像形成装置Aは、本体部1を制御する本体制御部1aとプリンタコントローラ1bと、本体部1に接続された後処理部2を備えている。本体制御部1aは、プリンタコントローラ1bのLANIF(Local Area Network InterFace)14bを介してネットワークN上の外部装置PCと相互に情報の送受信が可能に接続されている。
【0033】
本体制御部1aは、画像読取部10、プリント部20、操作表示部90、画像制御部100を備えて構成される。なお、図1で説明した各部と同一の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
画像制御部100は、制御部110、不揮発メモリ120、RAM(Random Access Memory)130、読込処理部140、圧縮IC150、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC160、画像メモリ170、伸長IC180、書込処理部190を備えている。
【0035】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ120に格納されている各種処理プログラムに従って画像形成装置Aの各部の動作を集中制御する。例えば、操作表示部90から入力される操作信号に従って、コピーモード、プリンタモード、スキャナモードを切り替え、不揮発メモリ120に記憶されている各モードに対する処理プログラムを読み出して、複写、プリント、画像データの読取等の制御を行う。また、操作表示部90から入力される操作信号や外部装置PCから入力されるデータに従って、プリント出力された記録媒体Pの後処理を設定する。
【0036】
また、制御部110は、画像形成処理が施された特殊シートを除く記録媒体の束に、画像形成処理された特殊シートを挿入して記録媒体の束を生成させるジョブ(挿入プリントジョブ)を実行させている場合において、ジャム(紙詰まり)が発生した場合、操作表示部90により受け付けられた当該ジャムの復帰作業内容に応じて、ジャムからの復帰後の前記特殊シートに対する画像形成処理の可否の判別結果に応じて画像形成部23を制御するジャム復帰処理を行う制御部としての機能を実現する。
【0037】
なお、ジョブとは、画像形成装置Aが行う画像形成処理及び後処理等に関する一連の動作を示す。例えば、複数枚の記録媒体Pを出力する場合には、複数枚の出力に関する一連の動作が1ジョブであり、複数部数を出力する場合には、複数部数分の出力に関する一連の動作が1ジョブである。
【0038】
ジャムとは、画像形成装置A内において搬送される記録媒体Pが紙詰まりした状態である。
【0039】
不揮発メモリ120は、画像形成に係る各種処理プログラム及びデータの他、本実施の形態に係るジャム復帰処理プログラム、操作表示部90により受け付けられたジャムの復帰作業内容、各種モード等や各種データ、画像形成処理された記録媒体Pに対する後処理をプリント部20を介して後処理制御部400に対し設定するためのデータ及び各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。
【0040】
RAM130は、制御部110により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、ジョブキュー、各種動作設定、各ジョブのジョブデータ、各種ワークデータ、ジョブが実行される際において生成される記録媒体通過管理テーブル及び通過枚数管理テーブル等を記憶する。
【0041】
ジョブデータは、プリント条件と画像データとに基づいて、出力されるページ共通のデータ(ページ共通データ)と、出力されるページ毎のデータ(ページ別データ)とから構成されている。
【0042】
ページ共通データは、外部装置PCから入力されるデータや、後述する操作表示部90から入力される操作信号に基づいた設定条件を含むデータである。ページ別データは、出力されるプリントデータと使用される記録媒体Pとの向きの整合を図るため、プリントデータが回転される角度である出力時画像回転角度、ページ毎のプリントデータが格納されているアドレスを示す画像格納アドレス等から構成される。
【0043】
記録媒体通過管理テーブルは、各ジョブが実行される際に生成されるテーブルであり、当該ジョブが実行されることにより搬送される各記録媒体Pの通過位置を示すものであり、当該ジョブが実行されることにより画像形成処理又は後処理が実行される記録媒体Pが給紙され始めることにより生成され、当該ジョブの完了時、即ち、当該ジョブが実行されることにより画像形成処理又は後処理が完了された記録媒体Pが画像形成装置Aから排出されたとき消去されるテーブルである。
【0044】
図3に、本実施の形態における記録媒体通過管理テーブル131の例を示す。
図3に示す記録媒体通過管理テーブル131は、画像形成処理が施された特殊シートを除く記録媒体の束に、画像形成処理された特殊シートを挿入して記録媒体の束を生成させるジョブ(挿入プリントジョブ)の実行途中の記録媒体通過管理テーブルの例である。
【0045】
図3に示すように記録媒体通過管理テーブル131は、搬送される記録媒体Pに付される用紙番号を示す用紙番号フィールド131a、当該用紙番号対応する記録媒体Pが特殊シートか否かを示す挿入紙フィールド131b、当該用紙番号に対応する記録媒体Pの通過状況を示す通過状況フィールド131c、からなる複数のレコードから構成されている。
【0046】
用紙番号フィールド131aに示される用紙番号は、ジョブが実行されることによって制御部110から出力される給紙信号が発生する度に生成される番号であり、ジョブが実行されることによって生成される記録媒体の束を構成する記録媒体Pに付される識別番号である。
【0047】
挿入紙フィールド131bに示される丸印「○」は、用紙番号フィールド131aに示される用紙番号に対応する記録媒体Pは特殊シートである旨を示すものである。
【0048】
通過状況フィールド131cは、画像形成装置A内に設けられた各種センサ、本実施の形態においては、給紙センサSE1、レジストセンサSE2、本体排紙センサSE3、後処理排紙センサSE4の検知結果に応じて、用紙番号フィールド131aに示された用紙番号に対応する記録媒体Pの通過の有無を示すものであり、「済み」は、記録媒体Pが通過した旨を示し、「未」は記録媒体Pが通過していない旨を示す。
【0049】
なお、記録媒体通過管理テーブル131において、通過状況フィールド131cにおいて、全てのセンサが「済み」となったレコードは消去される。図3示す記録媒体通過管理テーブル131においては、破線で囲まれたレコードが消去されたレコードである。
【0050】
通過枚数管理テーブルは、各ジョブが実行される際に生成されるテーブルであり、当該ジョブを実行されることによって各センサを通過した記録媒体Pの枚数を計数するテーブルである。
【0051】
図4(a)に、通過枚数管理テーブル132の一例を示す。
図4(a)に示す通過枚数管理テーブル132は、図3に示す記録媒体通過管理テーブル131に対応する通過枚数管理テーブル132であり、あるジョブの実行途中の通過枚数管理テーブル132の例である。
【0052】
図4(a)に示す通過枚数管理テーブル132は、給紙センサSE1により検知された記録媒体Pの枚数(給紙枚数A1)、レジストセンサSE2により検知された記録媒体P枚数(レジスト通過枚数A2)、本体排紙センサSE3により検知された記録媒体Pの枚数(本体排紙枚数A3)、後処理排紙センサSE4により検知された記録媒体Pの枚数(後処理排紙枚数A4)を示している。
【0053】
記録媒体通過管理テーブル131の用紙番号フィールド131aが示す最大の番号は、通過枚数管理テーブル132の給紙枚数A1に対応している。これは、制御部110から給紙指示が出力される度に用紙番号フィールド131aの用紙番号が生成されると共に、当該給紙指示に従って給紙トレイ21a、21b、21cから搬送された記録媒体Pが給紙センサSE1を通過し、給紙枚数A1が1加算されるためである。
【0054】
読込処理部140は、画像読取部10のCCDイメージセンサ12aから入力されるアナログ画像信号に、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC150に出力される。
【0055】
圧縮IC150は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC160に出力する。
【0056】
DRAM制御IC160は、制御部110からの指示に従って、圧縮IC150によるデジタル画像データの圧縮処理及び伸長IC180による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ170への画像データの入出力制御を行う。
【0057】
例えば、画像読取部10により読み取られたアナログ画像信号の保存が指示されると、読込処理部140から入力されたデジタル画像データの圧縮処理を圧縮IC150により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ170の圧縮メモリ171に格納させる。また、圧縮メモリ171に格納された圧縮画像データのプリント出力が指示されると、圧縮メモリ171から圧縮画像データを読み出し、伸長IC180により伸長処理を施してページメモリ172に格納させる。さらに、ページメモリ172に格納された非圧縮画像データのプリント出力が指示されると、ページメモリ172から非圧縮画像データを読み出して書込処理部190に出力する。
【0058】
画像メモリ170は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ171とページメモリ172とを備える。圧縮メモリ171は、圧縮画像データを格納するためのメモリであり、ページメモリ172は、プリント出力前にプリント出力対象の非圧縮画像データを一時的に格納するためのメモリである。
【0059】
伸長IC180は、入力される圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0060】
書込処理部190は、DRAM制御IC160から入力された非圧縮画像データに基づいて、画像形成のためのプリントデータを生成し、プリント部20に出力する。
【0061】
画像読取部10は、CCDイメージセンサ12a、画像読取制御部200、その他ここでは図示しないが図1に示した自動原稿送り部11、読取部12から構成される。画像読取制御部200は、自動原稿送り部11、読取部12等を制御して、コンタクトガラスに載置された原稿d面の露光走査を実行させ、光の反射光をCCDイメージセンサ12aにより光電変換を行い画像を読み取る。読み取られたアナログ画像信号は画像制御部100の読込処理部140に出力される。
【0062】
プリント部20は、図1に示した画像形成部23等のプリント出力に係る各部やプリント制御部300を備えて構成される。プリント制御部300は、制御部110からの指示に従ってプリント部20内の各部の動作を制御し、書込処理部190から入力された画像データに基づいて記録媒体Pに画像形成を行わせると共に、制御部110からの指示に従って後処理部2の各部を動作させる指示信号を後処理制御部400に出力する。
【0063】
操作表示部90は、LCD(Liquid Crystal Display)91、操作表示制御部900、その他図示しない操作キー群から構成される。LCD91上には、LCD91を覆うようにタッチパネルが設けられており、操作表示制御部900は、制御部110から入力される表示信号に従って、プリント条件を入力するための基本画面や、各種処理結果等をLCD91に表示させる。また、操作表示制御部900は、操作キー群又はタッチパネルから入力される操作信号を制御部110に出力する。
【0064】
更に、操作表示部90は、ジャムが発生した場合、当該ジャムの復帰作業内容を受け付ける復帰内容受付画面を表示し、当該ジャムの復帰作業内容を受け付ける操作表示部としての機能を実現する。
【0065】
図5に、本実施の形態における復帰内容受付画面の例を示す。
図5に示すように、復帰内容受付画面Gは、ジャムが発生した場合において実行中であったジョブが特殊シートを用いたジョブであるメッセージと、ユーザが行ったジョブの復帰作業内容の指示を促すメッセージと、ユーザが行った復帰作業内容及び所望する復帰後のジョブの再開動作を受け付けるメッセージが表示され、また、当該メッセージを許容する場合に押下されるYESボタンB1、当該メッセージを許容しない場合に押下されるNOボタンB2が表示される。
【0066】
表示されるメッセージの例としては、図5に示す復帰内容受付画面Gにおいて「特殊シートが含まれるジョブです。リカバリー方法を選択してください。」、「エラーが発生した特殊シートをトレイに戻し、戻した特殊シートには再プリントしない。」というメッセージである。
【0067】
このように、復帰内容受付画面Gによって、給紙済みであって後処理部2から排出されておらず画像形成処理中でない特殊シートを給紙トレイ21a、21b、21cに再格納したか否かのユーザが行った復帰作業内容を受け付けることができる、即ち、損傷していない再利用可能な特殊シートを給紙トレイ21a、21b、21cに再格納したか否かの復帰作業内容を受け付けることができる。
【0068】
次に、プリンタコントローラ1bの各部について説明する。
プリンタコントローラ1bは、コントローラ制御部11b、DRAM制御IC12b、画像メモリ13b、LANIF14bから構成される。
【0069】
コントローラ制御部11bは、各部の動作を統括的に制御し、LANIF14bを介して、外部装置PCから入力されるデータをジョブとして本体制御部1aへ配信する機能を実現する。
【0070】
DRAM制御IC12bは、LANIF14bにより受信されたデータの画像メモリ13bへの格納や、画像メモリ13bからのデータの読み出しを制御する。また、DRAM制御IC12bは、画像制御部100のDRAM制御IC160とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部11bからの指示に従って、プリント対象のデータを画像メモリ13bから読み出してDRAM制御IC160に出力する。
【0071】
画像メモリ13bは、DRAMから構成され、入力されたデータを一時的に格納する。
【0072】
LANIF14bは、NIC(Network Interface Card)やモデム等のネットワークNに接続するための通信インターフェイスであり、外部装置PCからネットワークNを介して、印刷対象のデータを受信する。受信されたデータは、DRAM制御IC12bに出力される。
【0073】
後処理部2は、パンチユニット、ステイプルユニット、折りユニット、断裁ユニット、カッティングユニット等、各種後処理ユニットへ記録媒体Pを搬送する搬送ローラ等の搬送手段等が設けられており、各部は後処理制御部400により統括的に制御されている。
【0074】
後処理制御部400は、制御部110からプリント制御部300を介して入力される後処理の指示信号に応じて、記録媒体Pを搬送経路に沿って所定の後処理ユニットに搬送し、各部を駆動制御して記録媒体Pに所定の後処理を行わせ、所定のトレイに排出する制御を行う。
【0075】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図6、7に、本実施の形態におけるジャム復帰処理のフローチャートを示す。
図6、7に示すジャム復帰処理は、制御部110において、不揮発メモリ120内に記憶されているジャム復帰処理プログラム、RAM130内に生成される記録媒体通過管理テーブル131及び通過枚数管理テーブル132、操作表示部90により受け付けられた各種データ等に基づいて実行される。
【0076】
まず、図6を参照しながら、ジャムが発生した際の処理を説明する。
制御部110は、ジャムが発生したか否かを判別し(ステップS1)、ジャムが発生していないと判別した場合(ステップS1;No)、ステップS1に戻る。
【0077】
制御部110は、ジャムが発生したと判別した場合(ステップS1;Yes)、ジャムが発生した旨、ジャムが発生した箇所、ジャムの復帰作業等をユーザに報知するジャム発生画面(不図示)を操作表示部90のLCD91上に表示さる(ステップS2)。
【0078】
制御部110は、ジャムの復帰作業が完了したか否かを判別し(ステップS3)、ジャムの復帰作業が完了していないと判別した場合(ステップS3;No)、ステップS3に戻る。
【0079】
ステップS3におけるジャムの復帰作業が完了したか否かの判別は、画像形成装置A内の各所に設けられた各種センサからの信号に基づいて判別しており、例えば、記録媒体Pの搬送経路上に設けられた各種センサから搬送経路上に記録媒体Pを検知する信号の有無や、画像形成装置A内の各機構や各部、各ユニットを格納している扉の開閉状態等に基づいて判別することができる。
【0080】
制御部110は、ジャムの復帰作業が完了したと判別した場合(ステップS3;Yes)、ジャムが発生したジョブは、挿入プリントジョブであるか否かを、当該ジョブのジョブデータに基づいて判別する(ステップS4)。
【0081】
制御部110は、挿入プリントジョブでないと判別した場合(ステップS4;No)、本処理を終了させる。
【0082】
制御部110は、挿入プリントジョブであると判別した場合(ステップS4;Yes)、記録媒体通過管理テーブル131や画像形成装置A内に設けられた各種センサからの検出値等に基づいて、ジャムが発生した箇所の記録媒体Pは特殊シートか否かを判別する(ステップS5)。
【0083】
ステップS5により、ジャムは特殊シートにより発生しているか否かが判別される。
【0084】
制御部110は、ジャムが発生した箇所の記録媒体Pは特殊シートであると判別した場合(ステップS5;Yes)、本処理を終了させる。即ち、ジャムが発生した箇所の記録媒体Pが特殊シートであると判別された場合には、ユーザによって当該特殊シートが損傷し破棄されると共に、当該特殊シートを含む特殊シート群の1セットが破棄又は取り除かれるものであるから、ステップS5;Yesの場合において後段の処理は不要と考え、本処理を終了させる。
【0085】
制御部110は、ジャムが発生した箇所の記録媒体Pは特殊シートでないと判別した場合(ステップS5;No)、ジャム発生時において、記録媒体通過管理テーブル131等に基づいて、レジストセンサSE2から本体排紙センサSE3の間の搬送経路上に、特殊シートが存在していたか否かを判別、即ち、画像形成処理中の特殊シートの有無を判別する(ステップS6)。
【0086】
制御部110は、ジャム発生時において、レジストセンサSE2から本体排紙センサSE3の間の搬送経路上に特殊シートが存在していたと判別した場合、即ち、画像形成処理中の特殊シートがある場合(ステップS6;Yes)、本処理を終了させる。画像形成処理中の特殊シートがある場合には、当該画像形成処理中の特殊シートにはトナー像が不完全な状態で転写されていたり、トナー像が未定着であったりすることが考えられ、ユーザによって再利用不可能な特殊シートであるとみなされて破棄されると共に、当該特殊シートを含む特殊シート群の1セットが破棄又は取り除かれるものであるから、ステップS6;Yesの場合において後段の処理は不要と考え、本処理を終了させる。
【0087】
制御部110は、ジャム発生時において、レジストセンサSE2から本体排紙センサSE3の間の搬送経路上に特殊シートが存在していないと判別した場合、即ち、画像形成処理中の特殊シートがない場合(ステップS6;No)、復帰内容受付画面を操作表示部90のLCD91上に表示させる(ステップS7)。
【0088】
制御部110は、表示された復帰内容受付画面上のYESボタンB1が押下され選択されたか否かを判別し(ステップS8)、YESボタンB1が選択されない、即ち、NOボタンが押下され選択されたと判別した場合(ステップS8;No)、本処理を終了させる。
【0089】
制御部110は、YESボタンB1が選択されたと判別した場合(ステップS8;Yes)、ジャムが発生したジョブにスキップフラグをON状態に設定して付す(ステップS9)。
【0090】
スキップフラグがONの状態とは、ユーザが行ったジャムの復帰作業内容として、ジャムが発生した際に、給紙トレイ21a、21b、21cから給紙済みであって後処理部2から排出されておらず、画像形成処理中でない特殊シートを給紙トレイ21a、21b、21cに再格納した内容が受け付けられた場合を示している。
【0091】
制御部110は、スキップフラグを設定した後、通過枚数管理テーブル132給紙枚数A1、レジスト通過枚数A2、本体排紙枚数A3、後処理排紙枚数A4の値を、ジャム発生時の後処理排紙枚数A4が示す値に設定する通過枚数管理テーブル132の再設定を行い(ステップS10)、本処理を終了させる。
【0092】
なお、記録媒体通過管理テーブル131は、ジャム発生時のデータは保持され、後述する図7に示す処理が実行される際に、各センサを記録媒体Pが通過した際に、各通過状況が上書きされる。
【0093】
図4(b)に、図4(a)に示されている通過枚数管理テーブル132をジョブ発生時の通過枚数管理テーブル132とした場合において、ステップS10で再設定が行われた通過枚数管理テーブル132の一例を示す。
【0094】
図4(b)に示すように、ステップS10において再設定が行われた通過枚数管理テーブル132の各フィールドの値は、ジョブ発生時の通過枚数管理テーブル132の後処理排紙枚数A4の値に設定される。
【0095】
次に、図7を参照しながら、図6に示した処理が実行された後、即ち、ユーザによるジャムの復帰作業が完了した後、ジャムが発生したことによって中断されていたジョブが再開される際の処理について説明する。
【0096】
制御部110は、図6に示すステップS10後、操作表示部90によりジョブの再開指示がされた場合、記録媒体Pの給紙指示を行い(ステップS11)、給紙枚数A1に1を加算する(ステップS12)。
【0097】
制御部110は、再開したジョブのスキップフラグはON状態であるか否かを判別し(ステップS13)、スキップフラグがON状態でないと判別した場合(ステップS13;No)、ステップS18に進む。
【0098】
制御部110は、スキップフラグがON状態であると判別した場合(ステップS13;Yes)、給紙された記録媒体Pは特殊シートか否かを判別する(ステップS14)し、特殊シートでないと判別した場合(ステップS14;No)、ステップS18に進む。
【0099】
制御部110は、給紙された記録媒体Pは特殊シートであると判別した場合(ステップS14;Yes)、当該給紙された記録媒体Pはジャムが発生する前に給紙された記録媒体Pか否かを判別し(ステップS15)、ジャムが発生する前に給紙された記録媒体Pでないと判別した場合(ステップS15;No)、ステップS18に進む。
【0100】
ステップS15の判別としては、通過枚数管理テーブル132の給紙枚数A1に対応する記録媒体通過管理テーブル131の用紙番号のレコードを参照し、当該レコードの給紙センサSE1の通過状況は「済み」であるか否かを判別することにより、ジャムが発生する前に給紙された記録媒体Pか否かを判別することができ、第1判別部の機能を実現する。なお、当該給紙センサSE1の通過状況が「済み」である場合には、当該ジョブの実行において給紙枚数A1に対応する用紙番号の記録媒体Pは、ジョブが再開される前に、一旦、給紙センサSE1を通過していることから、ジャムを復帰させる際にユーザが当該記録媒体Pを給紙トレイ21a、21b、21cに戻したと判別できる。
【0101】
制御部110は、ジャムが発生する前に給紙された記録媒体Pであると判別した場合(ステップS15;Yes)、ジャムが発生する前に本体排紙センサSE3を通過済みの記録媒体Pか否かを判別し(ステップS16)、ジャムが発生する前に本体排紙センサSE3を通過済みの記録媒体Pでないと判別した場合(ステップS16;No)、ステップS18に進む。
【0102】
ステップS16の判別としては、通過枚数管理テーブル132の給紙枚数A1に対応する記録媒体通過管理テーブル131の用紙番号のレコードを参照し、当該レコードの本体排紙センサSE3の通過状況は「済み」であるか否かを判別することにより、ジャムが発生する前に本体排紙センサSE3を通過済みの記録媒体Pか否かを判別することができ、第2判別部の機能を実現する。なお、当該本体排紙センサSE3の通過状況が「済み」である場合には、当該ジョブの実行において給紙枚数A1に対応する用紙番号の記録媒体Pは、ジョブが再開される前に、一旦、本体排紙センサSE3を通過していることから、ジャムを復帰させる際にユーザが当該記録媒体Pを給紙トレイ21a、21b、21cに戻したと判別できる。
【0103】
このように、ステップS14〜ステップS16の判別が全てYesである場合には、給紙された記録媒体Pはジャムが発生する前に給紙され、且つ、本体排紙センサSE3を通過した特殊シートであると判別されることにより、画像形成処理済みの特殊シートをジャムを復帰させる際にユーザが当該特殊シートを給紙トレイ21a、21b、21cに戻したものと判別できる。
【0104】
制御部110は、ジャムが発生する前に本体排紙センサSE3を通過済みの記録媒体Pであると判別した場合(ステップS16;Yes)、給紙された記録媒体Pには画像形成処理の実行を許可せず(ステップS17)、ステップS19に進む。
【0105】
制御部110は、ステップS13;No、ステップS14;No、ステップS15;No、ステップS16;Noのいずれかの後、給紙された記録媒体Pに対する画像形成処理の実行を許可し(ステップS18)、ステップS19に進む。
【0106】
制御部110は、ステップS17又はステップS18後、ジョブは終了したか否かを判別し(ステップS19)、ジョブが終了していないと判別した場合(ステップS19;No)、ステップS11に戻り、ジョブが終了したと判別した場合(ステップS19;Yes)、本処理を終了させる。
【0107】
このように、本実施の形態によれば、給紙済みであって後処理部から排出されておらず画像形成処理中でない特殊シートを給紙トレイ21a、21b、21cに再格納した、即ち、損傷していない再利用可能な特殊シートを給紙トレイ21a、21b、21cに再格納したという復帰作業内容を受け付けた場合に、ジャムからの復帰後に画像形成される特殊シートは、ジャムが発生する前に給紙された特殊シートであり、かつ、ジャムが発生する前に画像形成処理が終了した特殊シートである場合、当該特殊シートに対して画像形成処理の実行を許可しないことができるため、給紙トレイ21a、21b、21cに再格納された画像形成処理済みの特殊シートに再度画像形成処理を施すことなく再利用することができ、再度、画像形成処理を施すことによって生じるにじみ等の画質の低下を解消でき、また、特殊シートの無駄な廃棄を解消できる。
【0108】
従って、ユーザから受け付けられたジャムの復帰作業内容に応じて、特殊シートに対する画像形成処理の可否を制御することができるため、復帰作業内容に応じて、画像形成処理済みの特殊シートに対して再度画像形成処理を施して画質の低下を生じさるという問題を解消でき、また、無駄に再利用可能な特殊シートを破棄させることを解消することができる。
【0109】
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施の形態における画像形成装置Aの概略断面構成図である。
【図2】本実施の形態における画像形成装置Aの制御ブロック図である。
【図3】本実施の形態における記録媒体通過管理テーブル131の例である。
【図4】図4(a)は通過枚数管理テーブル132の一例であり、図4(b)はステップS10で再設定が行われた通過枚数管理テーブル132の一例である。
【図5】本実施の形態における復帰内容受付画面の例である。
【図6】ジャムが発生した際のジャム復帰処理のフローチャートである。
【図7】ユーザによるジャムの復帰作業が完了した後のジャム復帰処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1 本体部
1a 本体制御部
1b プリンタコントローラ
11b コントローラ制御部
12b DRAM制御IC
13b 画像メモリ
14b LANIF
2 後処理部
10 画像読取部
11 自動原稿送り部
12 読取部
12a CCDイメージセンサ
20 プリント部
21 給紙部
21a、21b、21c 給紙トレイ
21d 給紙手段
22 給紙搬送部
22a レジストローラ
23 画像形成部
23a 転写装置
23b 定着部
24 搬出部
24a 搬出口
90 操作表示部
91 LCD
100 画像制御部
110 制御部
120 不揮発メモリ
130 RAM
131 記録媒体通過管理テーブル
131a 用紙番号フィールド
131b 挿入紙フィールド
131c 通過状況フィールド
132 通過枚数管理テーブル
140 読込処理部
150 圧縮IC
160 DRAM制御IC
170 画像メモリ
171 圧縮メモリ
172 ページメモリ
180 伸長IC
190 書込処理部
200 画像読取制御部
300 プリント制御部
400 後処理制御部
900 操作表示制御部
A 画像形成装置
A1 給紙枚数
A2 レジスト通過枚数
A3 本体排紙枚数
A4 後処理排紙枚数
d 原稿
N ネットワーク
P 記録媒体
PC 外部装置
SE1 給紙センサ
SE2 レジストセンサ
SE3 本体排紙センサ
SE4 後処理排紙センサ
T1 原稿トレイ
T2 手差しトレイ
T3 排紙トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた順序で配列されて1セットの特殊シート群を構成する特殊シートを含む記録媒体を格納する記録媒体格納部と、
前記記録媒体格納部に格納されている前記記録媒体に画像形成処理を施す画像形成部と、
前記画像形成部から排出された前記記録媒体に後処理を施す後処理部と、
ジャムが発生した場合、当該ジャムの復帰作業内容を受け付ける操作表示部と、
画像形成処理が施された前記特殊シートを除く記録媒体の束に、画像形成処理が施された特殊シートを挿入して記録媒体の束を生成する場合、前記操作表示部により受け付けられた前記ジャムの復帰作業内容に応じて、前記ジャムからの復帰後の前記特殊シートに対する画像形成処理の可否の判別結果に応じて画像形成部を制御する制御部と、
を備えること、
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記操作表示部は、
前記ジャムの復帰作業内容として、前記ジャムが発生した際に、前記記録媒体格納部から給紙済みであって前記後処理部から排出されておらず前記画像形成部により画像形成処理中でない前記特殊シートを前記記録媒体格納部に再格納したか否かの内容を受け付けること、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記操作表示部により、前記ジャムの復帰作業内容として、前記ジャムが発生した際に、前記記録媒体格納部から給紙済みであって前記後処理部から排出されておらず前記画像形成部により画像形成処理中でない前記特殊シートを前記記録媒体格納部に再格納した内容が受け付けられた場合、
前記ジャムからの復帰後に前記画像形成部により画像形成される前記特殊シートは、前記ジャムが発生する前に前記記録媒体格納部から給紙された特殊シートか否かを判別する第1判別部と、
前記第1判別部により、前記ジャムが発生する前に前記記録媒体格納部から給紙された特殊シートであると判別された場合、当該判別された特殊シートは、前記ジャムが発生する前に前記画像形成部による画像形成処理が終了したか否かを判別する第2判別部と、
を有し、
前記第2判別部により、前記第1判別部により判別された特殊シートが前記ジャムが発生する前に前記画像形成部による画像形成処理が終了した特殊シートであると判別された場合、当該特殊シートに対して画像形成処理の実行を許可しないこと、
を特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−165042(P2008−165042A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−355869(P2006−355869)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】